説明

色彩効果糸およびそれを製造するための方法

【課題】 カーペット製造に使用するための多色効果糸である。
【解決手段】 それには、コア糸であって、実質的にゼロ撚りを示し、複数のBCFシングルス・ヤーンから形成され、少なくともその1本は他のものとは異なる色を有し、交絡ポイントにおいて第1および第2の周期および異なった交絡度で交絡されているコア糸と、ラッパー糸であって、前記のコア糸のまわりをらせん状にラッピングし、シングルス・ヤーンのいずれよりも低い繊度を有するラッパー糸、とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
床敷物産業においては、バッキング材料に織り込んだり、編み込んだりあるいはタフト化することが可能で、新規で、審美的に心地よい外観を与えるような糸に対する要求が常に存在する。具体的には、カーペットの中に組み込んだ場合に、フローリング領域全体にランダムまたは不規則な色の変化を与えるような糸が、極めて好評である。
【背景技術】
【0002】
スペース染色糸(space−dyed yarn)は従来から、糸の長さ方向に不規則な間隔で色変化の効果を作り出すように、ニット・デニット法またはたて糸捺染法によって糸を染色することを含む方法によって製造されている。そのようにして製造されたスペース染色糸は、カーペットにおいて、組織化されないデザインの中で、充分に識別されるカラーポイントを含めて、各種の視覚的にアピールする効果を生み出すことができる。しかしながら、その方法は時間がかかり非効率的であり、そのために製品に高いコストが上乗せされ、またその染色方法そのものが、環境的には欠点を有している。
【0003】
糸の中に新規な色彩効果を得るためのまた別なアプローチとしては、2本以上の糸(以後、シングルス・ヤーンと呼ぶ)を組み合わせて、糸の束(以後、プロダクト・ヤーンと呼ぶ)にする方法がある。少なくとも1本のシングルス・ヤーンが他のものとは色や染色性が異なっているような場合には、広く各種の効果を有するプロダクト・ヤーンを製造することができる。
【0004】
多色混合糸(heather yarn)は、選択したレベルの交絡で、シングルス・ヤーンを個別かつひとまとめにして交絡させることによって作られ、一連の色彩効果が得られる。多色混合糸は、カーペットに組み入れた場合、糸が充分にブレンドされていて床からの通常の観察距離では単一の色に見えるものから、通常の観察距離では観察者にはランダムな色の点が識別されるような各種の程度のまだらな外観まで、広い範囲の色彩効果を生み出すことができる。このカテゴリーに分類される糸は、スペース染色糸と同程度の色の識別を特徴とするものではない。
【0005】
スペース染色糸と類似の審美性を与えることが可能な糸を製造するために、「モック(mock)」たまは「アパレント(apparent)」スペース染色と呼ばれる、糸を製造するための、より洗練された交絡方法が開発されてきた。たとえば、特許文献1、および特許文献2および特許文献3を参照されたい。
【0006】
スペース染色糸と同様の外観を有する糸を製造するための、また別なアプローチも試みられてきた。
【0007】
特許文献4には、その内の少なくとも1本のシングルス・ヤーンが他とは色が異なっているような、2本以上のシングルス・ヤーンを、低い仮撚りレベルで互いに仮撚りして、その集合物の長さ方向に沿って、主要な色を低い周期で変化させるような、糸と方法が記載されている。次いでその仮撚りを、その仮撚りした束を、非常に低繊度の糸を用いてらせん状にラッピングすることにより安定化させるが、ここでその低繊度の糸自体は、そのプロダクト・ヤーンの外観に視覚的な寄与はしていない。
【0008】
特許文献5では、2種の異なった色のシングルス・ヤーンに別々に張力をかけ、それらを張力の変化を調節しながら組み合わせることにより類似の外観を得ているが、その場合、第1の色のシングルス・ヤーンに低張力をかけ、第2の色のシングルス・ヤーンに高張力をかけて、その束の調節可能な長さでは、一方の色が強く示されるようにする(逆でも同様)。この場合もまた、その束は、1本または複数の非常に低繊度の糸を用いるか、またはモノフィラメント(1本または複数)を用いて,らせん状にラッピングする。
【特許文献1】米国特許第5,804,115号明細書
【特許文献2】米国特許第6,240,609号明細書
【特許文献3】米国特許第6,401,315号明細書
【特許文献4】米国特許第6,023,926号明細書
【特許文献5】米国特許第6,536,200号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、異なった着色、染色または溶融着色したシングルス・ヤーンの組合せから作った織物製の床敷物において、タフト化、織物化または編物化された表糸として使用するための多色効果糸;そのような多色効果糸、およびその表糸が全面的または部分的にそのような多色効果糸からなる床敷物を製造するための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、その内の少なくとも1本は他のものとは異なった色である、2本以上の、撚りをかけていない連続捲縮糸(BCF)シングルス・ヤーンを有するコアと、前記コアの周りをらせん状にラッピングする単一のラッパー糸とを含む多色効果糸に関し、ここで、前記ラッパー糸は、コアのシングルス・ヤーンのいずれとも異なった色をしていてもよいし、あるいは、前記コアのシングルス・ヤーンのいずれかと同じ色であってもよい。
【0011】
本発明の第2の態様は、その内の少なくとも1本は他のものとは異なった色である、2本以上のBCFシングルス・ヤーンを、それに対して実質的にゼロリアル(zero real)、諸撚り(cabled)、仮撚り(false)または見掛け撚り(apparent twist)を与えるようなやり方で、互いに組み合わせる工程、および、そのようにして形成された2本以上のシングルス・ヤーンのコアを、ラッパー糸を用いてらせん状にラッピングする工程(ここで、前記ラッパー糸は、前記コアのシングルス・ヤーンのいずれとも異なった色をしていてもよいし、あるいは、前記コアのシングルス・ヤーンのいずれかと同じ色であってもよい)により、多色効果糸を製造するための方法に関する。
【0012】
本発明の第3の態様は、バッキング基材の中にタフト化、織物化または編物化し、そして前記カーペットの表面として機能する、本発明の複数の多色効果糸を全面的または部分的に含む、カーペットに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の多色効果糸は実質的には、複数のシングルス・ヤーンを含むコアと、そのコアの周りをらせん状にラッピングするラッパー糸の、2種の必須の構成要素からなる。
【0014】
そのコアに使用されるシングルス・ヤーンは、延伸仮撚り方法において製造された連続捲縮フィラメント(BCF)糸であるが、その方法においては、その加工は、流体ジェットまたは機械的捲縮加工の手段により達成される。
【0015】
それに続く方法工程において、そのBCFシングルス・ヤーンはまず、個別に、エアジェット交絡、インターレース化またはタック化されて第1の交絡度(degree of entanglement)となり、次に、コアを形成する複数のBCFシングルス・ヤーンをエアジェット交絡させて、第2の、より交絡度の低い状態とする。個々のシングルス・ヤーンの長さ方向に沿って、またはコアの長さ方向に沿っての、交絡ポイントにおける交絡度は、目視により交絡の集結性を基に評価することができ、パーセントとして数値を割り当てて表した。パーセントの数字が高い方が、交絡の集結性も高い。交絡度は、プロダクト・ヤーンの視覚的な外観に影響する。
【0016】
それぞれ個々のシングルス・ヤーンにエアジェット交絡をさせて、その程度を約75%〜約100%の間とすると、その個々のシングルス・ヤーンは、1メートルあたり約40〜約80の交絡ポイントを有する。それぞれ個々のシングルス・ヤーンは、約400〜約1400の間のデニールを有するのが好ましい。コアの総合的なデニールは、約1200〜約4800の間とするのが好ましい。その多色効果糸のコアの中には、約2本〜約8本の間のBCFシングルス・ヤーンを存在させるのが好ましい。コアを構成する個々のBCFシングルス・ヤーンの少なくとも1本は、他とは異なった色であり、好ましくは、個々のBCFシングルス・ヤーンの内の少なくとも2本は対比色である、すなわち、色空間の反対側の領域の色を示す。
【0017】
エアジェット交絡をさせた個々のBCFシングルス・ヤーンをまとめて、さらなるエアジェット交絡、インターレースまたはタッキング方法にかけ、そこで、エアジェット交絡をさせた複数のBCFシングルス・ヤーンを合わせて、交絡度が好ましくは約10%〜約25%の間になるようにエアジェット交絡をさせる。エアジェット交絡をさせた複数のBCFシングルス・ヤーンを、互いにエアジェット交絡させて、1メートルあたり約1個〜約2個の間の交絡ポイントとする。
【0018】
そこで、上述の方法を用いて組み立てた多色効果糸のコア部分を、ラッパー糸を用いてらせん状にラッピングする。そのラッパー糸は、部分配向糸、フラット延伸糸または延伸仮撚り糸であってよいが、ラッパー糸が部分配向糸であるのが好ましい。本発明の製品および方法において使用するためのラッパー糸の選択においては、ラッパー糸が同程度の寸法変化、特に収縮をするように配慮する必要があるが、そのような寸法変化は、そのようにして形成させた多色効果糸をさらなる加工工程、たとえばヒートセットにかけている間や、その多色効果糸を床敷物の製造に使用する際に起きる可能性がある。ラッパー糸に対しては、最小の寸法変化が要求されるが、当業者であれば、そのような方法のために適した糸を容易に選択することができるであろう。
【0019】
ラッパー糸は、約150〜250の間のデニールとして、多色効果糸のコアの中に存在する個々のBCFシングルス・ヤーンのいずれよりも、低い繊度とするのが好ましい。そのラッパー糸は、コアの中のBCFシングルス・ヤーンのいずれとも異なる色であってもよいし、あるいは、コアの中のBCFシングルス・ヤーンの1本または複数と同じ色であってもよい。上述の繊度の範囲のラッパー糸を使用すると、撚りがかかった外観または諸撚り外観となるよりは、直線的な多色効果糸の集合体となりやすく、また、そのラッパー糸が、多色効果糸の審美性に寄与するようになる、ということが判った。その方法の前または途中のいずれかで、コア糸に撚りをかけたり諸撚りをかけたりすると、プロダクト・ヤーンおよび後ほどそれから製造するカーペットの目的とする外観には悪影響を与える。
【0020】
ラッパー糸をコアの周りにらせん状に巻き付けるラッピング方法は、直接諸撚り設備(direct cabling device)で実施するが、その例としては、独国のフォルクマン・GmbH(Volkmann GmbH)によって製造されている「カーペットケーブラー(CarpetCabler)」が挙げられる。標準的な糸の諸撚り方法においては、張力をバランスさせながら2本の糸を加工して、そのプロダクト・ヤーンが「二重らせん」タイプの諸撚りまたは「理髪店の看板」状の構成とする。本発明者らは、鋭意検討の結果、コアおよびラッパー糸の繊度とタイプを選択し、それらの糸にかかる張力を注意深く調節し、さらにはコア糸のまわりのラッパー糸のらせんの巻きの程度によって、目的とする審美性と色の外観を有する、残存トルクのない安定してバランスのとれたプロダクト・ヤーン(そこではコア糸が実質的に直線的で撚りをかけていない構造で、その周りにラッパー糸がらせん状に巻いている)を製造することが可能となることを見出した。
【0021】
実質的にゼロ撚りを示すコアを、ラッパー糸を用いて、1メートルあたり約40〜約80の間の巻き数でらせん状にラッピングする。その方法の間、コアとラッパー糸には、150〜250グラムの間の張力をかけておくのが好ましい。張力がそれよりも低いと、コア糸に撚りがかかる結果となりやすい。次いでそのプロダクト・ヤーンを、いかなる標準的な巻き取り装置を用いてもよいが、パッケージに巻き取り、それをタフト化、織物、編物とすることにより、床敷物に組み込んで直接使用することができる。本発明の糸を用いてタフト化すると、カーペットは、従来法のスペース染色糸を組み込んだものと区別がつかなく、その上、原液着色糸を使用したことに伴う、優れた性能の利点を有している。
【0022】
本発明の多色効果糸の製造に関して上に述べてきた一連の方法は、連続の逐次方法として実施することもできるし、あるいは、個別の一連の工程として実施することもできる。
【0023】
本発明の多色効果糸の、コアのBCFシングルス・ヤーンおよびラッパー糸は同一のポリマーから製造することも、あるいは異なったポリマーから製造することも可能である。そのポリマー(1種または複数)は、繊維形成性ポリマー、好ましくは溶融紡糸可能なポリマーから選択される。
【0024】
溶融紡糸可能なポリマーとしては、ポリアミド、ポリエステルおよびポリオレフィンが挙げられるが、それらに限定される訳ではない。ポリアミドの例を非限定的に挙げれば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物がある。ポリエステルの例を非限定的に挙げれば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(プロピレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(プロピレンナフタレート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(乳酸)、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物がある。ポリオレフィンの例を非限定的に挙げれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物がある。
【0025】
本発明の多色効果糸のコアのBCFシングルス・ヤーンとラッパー糸は、同じ方法で着色してもよいし、あるいは異なった方法で着色してもよい。着色方法としては、予め紡糸した繊維または糸を染色する方法、およびポリマー溶融物に顔料及び/または染料を組み入れることによって、紡糸前にポリマーメーカーが着色する方法が挙げられる。BCFシングルス・ヤーンとラッパー糸の両方が、紡糸前にポリマー溶融物の中に顔料(1種または複数)を組み入れること(「原液着色(solution dyed)」)によって着色されているのが好ましい。当業者には馴染みのある顔料(1種または複数)を適切に選択することで、原液着色した糸は、その染色した糸の末端用途におけるすばらしい性能、たとえば低退色性や過酷な洗濯方法に対する良好な抵抗性などを与えることが判っている。
【0026】
本発明の多色効果糸のコアのBCFシングルス・ヤーンとラッパー糸のいずれにおいても、それらのポリマーマトリックスの中に、他の添加剤が含まれていてもよい。それらの添加剤としては、抗酸化剤、UV安定剤、染み防止剤、汚れ防止剤、静電防止剤、抗生物剤、潤滑剤、可塑剤、および加工助剤などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【実施例1】
【0027】
三葉の横断面形状を有する600デニール、30フィラメントのスルホン化ナイロン6,6BCFシングルス・ヤーン4本を、それぞれ個別にエアジェット交絡を行わせて、1メートルあたり80交絡ポイントで、交絡ポイントにおける交絡度が実質的に100%になるようにした。それぞれのシングルズBCF糸は、溶融着色法により異なった色相に着色されていて、それらの色は、ブルー、グリーン、レッドおよびブロンズであった。
【0028】
次いでその4種のシングルス・ヤーンを並行に実質的にゼロリアルまたは仮撚りの形で、第2のエアジェット交絡方法に供給し、そこで、互いにエアジェット交絡をさせて、1メートルあたり2交絡ポイントで、交絡ポイントにおける交絡度が約20%になるようにした。
【0029】
次いでそのコア糸を、直接諸撚り機の中に、第1のフィード糸としてセットする。第2のフィード糸は、ラッパー要素としてその機械にセットするが、その第2のフィード糸は、円形断面形状の200デニール、20フィラメントの、スルホン化ナイロン6コポリマー部分配向糸からなり、それは、コアのBCFシングルス・ヤーンのいずれとも異なる色に溶融着色されていて、その色はブライトグリーンである。
【0030】
コア糸とラッパー糸のいずれも、その糸の張力は200グラムに設定されて、その直接諸撚り方法を実施して、本発明の多色効果糸を製造した。次いでそのプロダクト・ヤーンを管に巻き上げた。そのプロダクト・ヤーンのデニールは2621であった。
【実施例2】
【0031】
溶融着色した三葉の横断面形状を有する600デニール、30フィラメントのスルホン化ナイロン6,6BCFシングルス・ヤーン5本を、実施例1に記載したのと同様に加工し、コア糸を製造した。その5本の色は、レッド、ライトグリーン、ダークグリーン、ブルーおよびブロンズであった。溶融着色した円形断面形状の200デニール、20フィラメントの、スルホン化ナイロン6コポリマー部分配向糸を、ラッパー糸として用いた。そのコアとラッパー糸を、実施例1の記載と同様にして直接諸撚りした。そのプロダクト・ヤーンのデニールは3220であった。
【0032】
実施例1と2からのプロダクト・ヤーンの両方を、レベルループタフト化(level−loop tufted)して、カーペットを製造したが、そのカーペットは、従来からのスペース染色糸を使用して製造したものと、外観上区別がつかなかった。
【0033】
本発明について、特定の実施態様に関連させて記述してきたが、多くの代替えの修正や変更は当業者には明白であろうことは、言うまでもない。上述の本発明の好ましい実施態様が、いかなる面においても、本発明を限定するものと考えるべきではない。以下の特許請求項に定義されるような、本発明の精神と範囲から外れることなく、各種の変更を取り入れることが可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多色効果糸であって:
a)複数の連続捲縮フィラメント(BCF)シングルス・ヤーンからなるコア糸であって、ここで、前記BCFシングルス・ヤーンの少なくとも1本が他のBCFシングルス・ヤーンのいずれとも異なる色であり、ここで、それぞれのBCFシングルス・ヤーンが個別にエアジェット交絡されて、交絡ポイントの第1の周期および前記交絡ポイントにおける第1の交絡度を有しており、ここで、前記複数の個別にエアジェット交絡されたBCFシングルス・ヤーンが、次いで互いにエアジェット交絡されて、交絡ポイントの第2のより低い周期および前記交絡ポイントにおける第2のより低い交絡度を有しており、ここで、前記コア糸が実質的にゼロ撚りを示す、コア糸;および、
b)前記コア糸の周りにらせん状に巻き付けたラッパー糸であって、ここで、前記ラッパー糸が、前記コア糸の中の前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンのいずれかと同じかまたはいずれとも異なる色であり、ここで、前記ラッパー糸の繊度が、前記コア糸の中の前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンのいずれの繊度よりも低い、ラッパー糸、
からなることを特徴とする多色効果糸。
【請求項2】
前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンが、2本〜8本の間の前記BCFシングルス・ヤーンを含むことを特徴とする請求項1記載の多色効果糸。
【請求項3】
前記BCFシングルス・ヤーンが、約400〜約1400のデニールを有することを特徴とする請求項1記載の多色効果糸。
【請求項4】
前記BCFシングルス・ヤーンが、1メートルあたり約40〜約80の間の交絡ポイントとなるように、個別にエアジェット交絡されていることを特徴とする請求項3記載の多色効果糸。
【請求項5】
前記個別にエアジェット交絡されたBCFシングルス・ヤーンが、前記交絡ポイントにおいて約75%〜約100%の間の交絡度を有していることを特徴とする請求項4記載の多色効果糸。
【請求項6】
前記複数のエアジェット交絡をさせたBCFシングルス・ヤーンを合わせて、次に1メートルあたり約1〜約2の間の交絡ポイントになるようにエアジェット交絡させることを特徴とする請求項5記載の多色効果糸。
【請求項7】
前記エアジェット交絡させた複数の前記エアジェット交絡させたBCFシングルス・ヤーンが、前記交絡ポイントにおいて約10%〜約25%の間の交絡度を有していることを特徴とする請求項6記載の多色効果糸。
【請求項8】
前記ラッパー糸が、部分配向糸、フラット延伸糸および延伸仮撚り糸の群から選択されることを特徴とする請求項1記載の多色効果糸。
【請求項9】
前記ラッパー糸が部分配向糸であることを特徴とする請求項8記載の多色効果糸。
【請求項10】
前記ラッパー糸が、約150〜約250の間のデニールを有することを特徴とする請求項9記載の多色効果糸。
【請求項11】
前記ラッパー糸が、前記コアの周りを、1メートルあたり約40〜約80の間の巻き数でラッピングしていることを特徴とする請求項10記載の多色効果糸。
【請求項12】
前記複数のBCFシングルス・ヤーンおよび前記ラッパー糸が、ポリアミド、ポリエステルおよびポリオレフィンからなる群より選択される溶融紡糸可能なポリマーから製造されていることを特徴とする請求項1記載の多色効果糸。
【請求項13】
前記ポリアミドが、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物からなる群より選択されることを特徴とする請求項12記載の多色効果糸。
【請求項14】
前記ポリエステルが、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(プロピレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(プロピレンナフタレート)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(乳酸)、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物からなる群より選択されることを特徴とする請求項12記載の多色効果糸。
【請求項15】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物からなる群より選択されることを特徴とする請求項12記載の多色効果糸。
【請求項16】
前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンおよび前記ラッパー糸が、同一のポリマーから製造されていることを特徴とする請求項1記載の多色効果糸。
【請求項17】
前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンが、前記ラッパー糸を製造するのに使用されるポリマーとは異なったポリマーから製造されていることを特徴とする請求項1記載の多色効果糸。
【請求項18】
前記コア糸およびラッパー糸が原液着色糸であることを特徴とする請求項1記載の多色効果糸。
【請求項19】
多色効果糸を製造するための方法であって:
a)複数の連続捲縮糸(BCF)シングルス・ヤーンを、第1の周期および第一の交絡度で、個別にエアジェット交絡させる工程であって、ここで、前記BCFシングルス・ヤーンの少なくとも1本が、前記複数のBCFシングルス・ヤーンの他のいずれとも異なる色である、工程;
b)前記複数の個別にエアジェット交絡させたBCFシングルス・ヤーンを、実質的にゼロ撚りで、平行な束に合わせる工程;
c)前記束を、第2の周期と第2の交絡度でエアジェット交絡させる工程であって、ここで前記第2の周期および前記第2の交絡度がいずれも、前記多色効果糸のコア糸を形成させた前記第1の周期および前記第1の交絡度よりも低い、工程;
d)直接諸撚り設備において、前記コア糸の周りにラッパー糸をらせん状にラッピングする工程であって、ここで、前記ラッパー糸が、前記コアの中の前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンのいずれかと同じかまたはいずれとも異なる色であってよく、ここで、前記ラッパー糸の繊度が、前記BCFシングルス・ヤーンの繊度のいずれよりも低い、工程;および
e)前記多色効果糸を巻取る工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記複数のシングルス・ヤーンが、2本〜8本の間の前記シングルス・ヤーンを含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記BCFシングルス・ヤーンが、約400〜約1400の間のデニールを有することを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記BCFシングルス・ヤーンが、1メートルあたり約40〜約80の間の交絡ポイントとなるように、個別にエアジェット交絡されていることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記BCFシングルス・ヤーンが、前記交絡ポイントにおいて約75%〜約100%の間の交絡度を有するように、エアジェット交絡されていることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記複数の前記エアジェット交絡をさせたBCFシングルス・ヤーンを合わせて、1メートルあたり約1〜約2の間の交絡ポイントになるようにエアジェット交絡させることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記複数の前記エアジェット交絡させたBCFシングルス・ヤーンが、前記交絡ポイントにおいて約10%〜約25%の間の交絡度を有するように、エアジェット交絡されていることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ラッパー糸が、部分配向糸、フラット延伸糸および延伸仮撚り糸の群から選択されることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項27】
前記ラッパー糸が部分配向糸であることを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記ラッパー糸が、約150〜約250の間のデニールを有することを特徴とする請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記ラッパー糸が、前記コアの周りを、1メートルあたり約40〜約80の間の巻き数でらせん状にラッピングしていることを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンおよび前記ラッパー糸が、ポリアミド、ポリエステルおよびポリオレフィンからなる群より選択される溶融紡糸可能なポリマーから製造されていることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項31】
前記ポリアミドが、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物からなる群より選択されることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記ポリエステルが、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(プロピレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(乳酸)、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物からなる群より選択されることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンド物からなる群より選択されることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項34】
前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンおよび前記ラッパー糸が、同一のポリマーから製造されていることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項35】
前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンが、前記ラッパー糸を製造するのに使用されたものとは異なったポリマーから製造されていることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項36】
前記コア糸が、約150〜250グラムの間の張力で、前記直接諸撚り設備を通して加工されることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項37】
前記コア糸およびラッパー糸が原液着色糸であることを特徴とする請求項19記載の多色効果糸。
【請求項38】
カーペットであって:
a)複数の連続捲縮フィラメント(BCF)シングルス・ヤーンからなるコア糸であって、ここで、前記BCFシングルス・ヤーンの少なくとも1本が他のBCFシングルス・ヤーンのいずれとも異なる色であり、ここで、それぞれのBCFシングルス・ヤーンが個別にエアジェット交絡されて、交絡ポイントの第1の周期および前記交絡ポイントにおける第1の交絡度を有しており、ここで、前記複数の個別にエアジェット交絡されたBCFシングルス・ヤーンが、次いで互いにエアジェット交絡されて、交絡ポイントの第2のより低い周期および前記交絡ポイントにおける第2のより低い交絡度を有しており、ここで、前記コアが実質的にゼロ撚りを示す、コア糸;および、
b)前記コア糸の周りにらせん状に巻き付けたラッパー糸であって、ここで、前記ラッパー糸が、前記コア糸の中の前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンのいずれかと同じかまたはいずれとも異なる色であり、ここで、前記ラッパー糸の繊度が、前記コア糸の中の前記複数の前記BCFシングルス・ヤーンのいずれの繊度よりも低い、ラッパー糸、
を含む少なくとも1種の多色効果糸を含むことを特徴とするカーペット。
【請求項39】
前記多色効果糸のコア糸およびラッパー糸が、溶融着色糸であることを特徴とする請求項38記載のカーペット。


【公表番号】特表2007−500796(P2007−500796A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521804(P2006−521804)
【出願日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/001500
【国際公開番号】WO2005/017242
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(503080589)プリズマ.ファイバーズ.インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】