説明

荷重検出装置、座席および荷重センサ

【課題】製造コストを低減すると共に、意匠性を損なうことなく荷重を検出できる荷重検出装置、座席および荷重センサを提供すること。
【解決手段】荷重に応じた信号を出力する荷重センサ13と、荷重センサ13を多方向から張った状態で支持し、荷重を受けて荷重センサ13を多方向に引張する複数のワイヤ12とを備え、荷重センサ13は、複数のワイヤ12の引張力に基づいて複数のワイヤ12が受けた荷重に応じた信号を出力するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に乗車した乗員の体重を検出する荷重検出装置、座席および荷重センサに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車の乗員を保護するものとしてエアバッグシステムが車内に設置されている。このエアバッグシステムは、事故の衝撃により折り畳まれたバッグ内に不活性ガスが供給され、バッグを瞬時に展開して乗員を事故の衝撃から保護している。ところで、このようなエアバッグシステムは、乗員の体重に応じて不活性ガスの供給量が調整され、体重の軽い乗員に対しては不活性ガスの供給量を少なくしてバッグの展開による衝撃を小さくし、体重の重い乗員に対しては不活性ガスの供給量を多くしてバッグにより十分な支持力を与えるようにしている。
【0003】
従来、このようなエアバッグシステムにおいて乗員の体重を検出する荷重検出装置として、複数の荷重センサにより乗員の体重を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この荷重検出装置は、座面の下側の4隅に位置する4つの荷重センサと、座席を4つの荷重センサを介して前後方向に移動可能に下方から支持する支持機構とを有して構成され、4つの荷重センサの検出結果に基づいて乗員の体重が算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−233821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の荷重検出装置においては、4つの荷重センサにより乗員の体重を検出しているため、部品点数が多くなると共に、座席が4つの荷重センサにより下側から支持されているため、各センサに対して衝突時の衝撃に耐える機械的強度が要求され、製造コストが増加するという問題があった。また、座席が支持機構および4つの荷重センサにより下側から支持されるため、座席の位置が高くなり、意匠性が悪くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減すると共に、意匠性を損なうことなく荷重を検出できる荷重検出装置、座席および荷重センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の荷重検出装置は、荷重に応じた信号を出力する荷重センサと、前記荷重センサを多方向から張った状態で支持し、荷重を受けて前記荷重センサを前記多方向に引張する複数の引張部材とを備え、前記荷重センサは、前記複数の引張部材の引張力に基づいて前記複数の引張部材が受けた荷重に応じた信号を出力することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、荷重センサが複数の引張部材が受けた荷重により多方向に引張され、この複数の引張部材の引張力に基づいて荷重に応じた信号を出力するようにしたので、単一の荷重センサにより荷重に応じた信号を検出することができる。また、例えば、座席等の取付対象を外部から支持することにより荷重を検出する構成ではないため、取付対象の内部に組み込むことができ、取付対象の意匠性を損なうことがない。したがって、製造コストを低減すると共に、意匠性を損なうことなく荷重を検出することができる。
【0009】
また本発明は、上記荷重検出装置において、前記荷重センサは、前記複数の引張部材がそれぞれ取り付けられる複数の取付部と、前記複数の取付部に対応して設けられ、前記複数の取付部のそれぞれに取り付けられた各引張部材の引張により抵抗値が変化する複数の歪抵抗素子とを有し、前記歪抵抗素子の抵抗値の変化に応じて、前記複数の引張部材が受けた荷重に応じた信号を出力することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、複数の取付部のそれぞれが引張部材により引張されることで、歪抵抗素子の抵抗値が変化するため、複数の引張部材が受けた荷重に応じた信号を出力させることができ、荷重センサを簡易に構成することができる。
【0011】
また本発明は、上記荷重検出装置において、前記引張部材は、低弾性材料のワイヤであることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、複数の引張部材の伸びを抑制して、引張検出部の検出精度を向上させることができる。
【0013】
また本発明は、上記荷重検出装置において、前記複数の引張部材は、少なくとも3つ以上であり、隣り合う引張部材を接続する渡し部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、渡し部材により隣り合う引張部材が接続されるため、渡し部材により各引張部材が受ける荷重を分散させて、集中荷重による各引張部材の破損を防止することができる。
【0015】
また本発明は、上記荷重検出装置において、前記複数の引張部材は、4つであり、前記荷重センサを四方から張った状態で支持することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、4つの引張部材により荷重センサを安定した状態で支持することができる。
【0017】
本発明の座席は、上記荷重検出装置と、座面パッドとを備え、前記複数の引張部材は前記座面パッドの着座荷重を受けることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、製造コストを低減すると共に、意匠性を損なうことなく座席に着座した使用者の着座荷重を検出することができ、例えば、エアバッグシステム等の乗員保護装置に適用させることが可能となる。
【0019】
また本発明は、上記座席において、前記座面パッドには、前記荷重センサとの接触を防止するための逃げ部が形成されていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、座面パッドを介して受ける着座荷重を複数の引張部材に集中させることができると共に、座面パッドと荷重センサとの接触を防止して荷重センサの破損を防止することができる。
【0021】
本発明の荷重センサは、荷重を受けて多方向に引張する複数の引張部材に張った状態で支持され、前記複数の引張部材の引張力に基づいて前記複数の引張部材が受けた荷重に応じた信号を出力することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、複数の引張部材が受けた荷重により多方向に引張され、この引張部材の引張力に基づいて荷重に応じた信号を出力するようにしたので、単一の荷重センサにより荷重に応じた信号を検出することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、製造コストを低減すると共に、意匠性を損なうことなく荷重を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る荷重検出装置の実施の形態を示す図であり、荷重検出装置を備えた座席の断面模式図である。
【図2】本発明に係る荷重検出装置の実施の形態を示す図であり、荷重検出装置の上面模式図である。
【図3】本発明に係る荷重検出装置の実施の形態を示す図であり、荷重センサの上面模式図である。
【図4】本発明に係る荷重検出装置の実施の形態を示す図であり、荷重検出回路の一例を示した回路構成図である。
【図5】本発明に係る荷重検出装置の実施の形態を示す図であり、座席による荷重検出動作の説明図である。
【図6】本発明に係る荷重検出装置の変形例を示す図である。
【図7】本発明に係る荷重検出装置の他の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る荷重検出装置を備えた座席の断面模式図である。図2は、本発明の実施の形態に係る荷重検出装置の上面模式図である。なお、図1に示す破線は、車両用の座席の輪郭を示している。また、以下の説明では荷重検出センサを備えた車両用の座席を例示して説明するが、荷重検出センサを取付可能なものであればよく、例えば、ベッド、便座等にも適用可能であり、人間だけでなく動物や物の荷重を検出するものにも適用可能である。
【0026】
図1に示すように、座席1は、座部2と背もたれ部3とを有する車両用の座席であり、座部2の図示しない座席カバーの内側には、乗員が着座する座面パッド5と座面パッド5を介して乗員の着座荷重を検出する荷重検出装置7とが設けられている。座面パッド5は、ウレタンフォームにより板状に形成され、荷重検出装置7に取り付けられている。座面パッド5の下部中央には凹部5aが形成されており、この凹部5aにより座面パッド5の下面と荷重検出装置7の後述する荷重センサ13との接触が防止される。
【0027】
荷重検出装置7は、着座荷重を引張力として検出するものであり、座面に対して平行となるように座席1の図示しない支持面に固定された矩形枠状の支持フレーム11を有して構成されている。この支持フレーム11には、複数(本実施の形態では4つ)のワイヤ12を介して荷重センサ13が支持され、この荷重センサ13は支持フレーム11の枠内中央に位置されている。
【0028】
図2に示すように、複数のワイヤ12は、低弾性材料で形成されており、それぞれ一端が支持フレーム11の四隅に固定され、他端がそれぞれ荷重センサ13の四方に形成された取付部17に取り付けられている。このとき、各ワイヤ12の長さは、支持フレーム11および荷重センサ13に取り付けられた状態で弛まない長さ、すなわち、荷重センサ13の各取付部17の取付位置から対応する支持フレーム11の四隅の取付位置までの最短の長さに調整されている。よって、本実施の形態では、荷重センサ13が支持フレーム11の枠内中央に位置されているため、各ワイヤ12の長さは同一長に調整されている。
【0029】
このように、荷重センサ13は、複数のワイヤ12により四方から張られた状態で支持されているため、複数のワイヤ12が座面パッド5を介して着座荷重を受けると、複数のワイヤ12により四方に引張される。荷重センサ13は、各ワイヤ12の引張により各取付部17に生じた歪に基づいて、着座荷重に応じた信号を出力する。ここで、図3を参照して、本発明の実施の形態に係る荷重センサの詳細構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る荷重センサの上面模式図である。
【0030】
図3に示すように、荷重センサ13は、円盤状の基板15と、基板15から支持フレーム11の四隅に向かって突出する4つの取付部17と、隣り合う取付部17の間に位置し、基板15から径方向外側に突出する4つの凸部16とを有して構成されている。各取付部17は、ワイヤ12が固定されるワイヤ固定部17aと、ワイヤ固定部17aと基板15とを接続する腕部17bとを有している。
【0031】
腕部17bは、応力に応じて歪む起歪体として機能し、表面には歪抵抗素子23が貼着されている。歪抵抗素子23は、歪ゲージ等で構成され、ゲージ長がワイヤ12による引張方向、すなわち腕部17bの伸長方向に向くように貼着されている。また、ワイヤ固定部17aは、腕部17bよりも厚みを有して形成されているため、腕部17bのみが歪むように構成されている。よって、腕部17bがワイヤ固定部17aを介してワイヤ12により引張されることで歪み、歪抵抗素子23の抵抗値が変化する。
【0032】
凸部16の表面には参照抵抗素子24が貼着されている。このとき、凸部16は上記したように隣り合う取付部17の間に位置して基板15から突出して形成されているため、ワイヤ12の引張による応力が生じることが抑制されている。よって、参照抵抗素子24に外力が加わることがなく、一定の抵抗値を維持する構成となっている。
【0033】
基板15の表面中央には、歪抵抗素子23および参照抵抗素子24と共に着座荷重を検出する荷重検出回路を構成する電子部品が設けられており、基板15の表面中央に対して図示右寄りには入力端子26、出力端子27、グランド端子28がそれぞれ設けられている。入力端子26には電源線を介して図示しない電源が接続されており、この電源から荷重検出回路に対して入力電圧が印加される。出力端子27には信号線を介して図示しないECU(Electronic Control Unit)が接続されており、このECUに検出された着座荷重に応じた信号が出力される。このように、出力端子27から出力された着座荷重に応じた信号は、エアバッグシステム等の乗員保護装置に利用される。グランド端子28はグランド線を介してグランドに接続されている。
【0034】
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る荷重検出回路の一例について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る荷重検出回路の一例を示した回路構成図である。
【0035】
図4に示すように、荷重検出回路は、歪抵抗素子23a〜23d、参照抵抗素子24a〜24d、入力端子26、グランド端子28、第1、第2の出力端子27a、27bによりブリッジ回路を構成している。具体的には、入力端子26とグランド端子28との間に、参照抵抗素子24a、24b、歪抵抗素子23a、23bの順で直列接続された直列回路と、歪抵抗素子23c、23d、参照抵抗素子24c、24dの順で直列に接続された直列回路とが並列に接続されている。また、参照抵抗素子24bと歪抵抗素子23aとの間の接続点からは第1の出力端子27aが引き出され、歪抵抗素子23dと参照抵抗素子24cとの間の接続点からは第2の出力端子27bが引き出されている。
【0036】
そして、荷重検出回路は、入力端子26およびグランド端子28間に電源電圧が印加されることにより、第1、第2の出力端子27a、27bに出力電圧を発生させ、この第1、第2の出力端子27a、27bの電位差を出力端子27から出力している(図3参照)。この場合、荷重センサ13の腕部17bに引張応力が生じていないときには、入力端子26−第1の出力端子27a間の電位と入力端子26−第2の出力端子27b間の電位とが同電位となるように参照抵抗素子24a〜24dの抵抗値が設定されている。
【0037】
このように構成された荷重検出回路において、複数のワイヤ12が着座荷重を受けると、各ワイヤ12により荷重センサ13の腕部17bに引張応力が生じて歪抵抗素子23の抵抗値が変化する。このとき、荷重センサ13の凸部16には応力が生じないため、参照抵抗素子24の抵抗値は一定に維持され、歪抵抗素子23の抵抗値のみ変化する。よって、第1、第2の出力端子27a、27bからの出力電圧の電位差の変化により、着座荷重を検出することが可能となっている。
【0038】
ここで、図5を参照して本発明の実施の形態に係る座席による荷重検出動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る座席による荷重検出動作の説明図である。
【0039】
図5(a)に示すように、乗員Mが座面パッド5の上に着座すると、複数のワイヤ12には矢印Gに示すように鉛直方向下方に着座荷重が作用する。複数のワイヤ12に着座荷重が作用すると、複数のワイヤ12により荷重センサ13が矢印tに示す方向に引張される。このとき、図5(b)に示すように、荷重センサ13の腕部17bがワイヤ固定部17aを介して支持フレーム11の四隅に向けて引張され、各腕部17bには引張応力が生じる。
【0040】
各腕部17bに引張応力が生じると、歪抵抗素子23のゲージ長が変化して抵抗値が変化する。そして、荷重検出回路において第1、第2の出力端子27a、27bの出力電圧の電位差が着座荷重に応じた信号として検出され、検出結果がECUに出力される。このとき、座面パッド5には、凹部5aが形成されているため、座面パッド5を介して受ける着座荷重を複数のワイヤ12に集中させることができると共に、座面パッド5と荷重センサ13との接触を防止して荷重センサ13の破損を防止することができる。
【0041】
以上のように、本実施の形態に係る荷重検出装置7によれば、荷重センサ13が複数のワイヤ12が受けた荷重により多方向に引張され、この複数のワイヤ12の引張力に基づいて荷重に応じた信号を出力するようにしたので、単一の荷重センサ13により荷重に応じた信号を検出することが可能となる。また、座席1の内部に取り付けられるため、座席1の意匠性を損なうことがない。したがって、製造コストを低減すると共に、意匠性を損なうことなく荷重を検出することが可能となる。
【0042】
なお、上記した実施の形態においては、第1、第2の出力端子27a、27bの出力電圧の電位差と着座荷重との相関関係から着座荷重を連続的に検出する構成としたが、着座荷重を複数のレンジに分けて段階的に検出する構成としてもよい。これにより、ワイヤ12の材質や張り具合等の調整が容易となる。例えば、乗員Mが大人か子供かを判定して、エアバッグシステムを作動させるときに有効である。
【0043】
また、上記した本実施の形態では、荷重センサ13を支持フレーム11の枠内中央としたが、この構成に限られるものではない。各ワイヤ12の長さを荷重センサ13の各取付部17の取付位置から対応する支持フレーム11の四隅の取付位置までの最短の長さとなるように調整すれば、支持フレーム11の枠内において荷重センサ13を中央以外の位置であっても複数のワイヤ12により弛まないように支持することが可能となる。
【0044】
また、上記した各実施の形態においては、着座荷重を検出するものとして歪抵抗素子23を含むブリッジ回路を使用する構成としたが、ワイヤ12による引張により着座荷重を検出するものであれば、この構成に限定されるものではない。
【0045】
また、上記した各実施の形態においては、乗員Mの荷重を受けるものとして、ワイヤ12を使用する構成としたが、この構成に限定されるものではない。乗員Mの荷重を受けて荷重センサ13を引張するものであればよく、例えば、帯状に形成された帯状部材を使用する構成としてもよい。
【0046】
また、上記した各実施の形態においては、支持フレーム11の四隅に複数のワイヤ12を固定するようにしたが、この構成に限定されるものではない。複数のワイヤ12を着脱可能に構成し、複数のワイヤ12を任意の箇所に固定することも可能である。
【0047】
また、上記した各実施の形態においては、荷重センサ13に4つの取付部17を設ける構成としたが、この構成に限定されるものではない。荷重センサ13をワイヤ12により引張して支持することができればよく、例えば2つの取付部17に2つのワイヤ12を取り付けて荷重センサ13を支持するようにしてもよい。
【0048】
また、上記した各実施の形態においては、荷重センサ13の一つの取付部17に対して一つのワイヤ12を取り付けて、荷重センサ13を四方に引張する構成としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、一つの取付部17に対して複数のワイヤ12を取り付けて、荷重センサ13を多方向に引張するようにしてもよい。これにより、各ワイヤ12に対する負荷を減少させて、耐久性を向上させることができる。
【0049】
また、上記した各実施の形態においては、各ワイヤ12により個別に荷重センサ13を引張する構成としたが、図6に示すように、隣り合うワイヤ33同士を渡しワイヤ34で接続するようにしてもよい。これにより、各ワイヤ33が受ける荷重を分散して、集中荷重による各引張部材の破損を防止することが可能となる。
【0050】
また、上記した各実施の形態においては、座部2にのみ荷重検出装置7を備える構成としたが、図7に示すように、背もたれ部43にも荷重検出装置46を設ける構成としてもよい。この場合、座部42に設けられた荷重検出装置45の出力信号および背もたれ部43に設けられた荷重検出装置46の出力信号に基づいて乗員Mの着座荷重を検出する。このように、座部42および背もたれ部43に荷重検出装置45、46を設けることにより、背もたれ付きの座席41であっても、乗員Mの着座荷重を精度よく検出することが可能となる。
【0051】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上説明したように、本発明は、製造コストを低減すると共に、意匠性を損なうことなく荷重を検出できるという効果を有し、特に自動車に乗車した乗員の体重を検出する荷重検出装置、座席および荷重センサに有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 座席
2 座部
3 背もたれ部
5 座面パッド
5a 凹部(逃げ部)
7 荷重検出装置
11 支持フレーム
12 ワイヤ(引張部材)
13 荷重センサ
17 取付部
23 歪抵抗素子
24 参照抵抗素子
34 渡しワイヤ(渡し部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重に応じた信号を出力する荷重センサと、
前記荷重センサを多方向から張った状態で支持し、荷重を受けて前記荷重センサを前記多方向に引張する複数の引張部材とを備え、
前記荷重センサは、前記複数の引張部材の引張力に基づいて前記複数の引張部材が受けた荷重に応じた信号を出力することを特徴とする荷重検出装置。
【請求項2】
前記荷重センサは、
前記複数の引張部材がそれぞれ取り付けられる複数の取付部と、
前記複数の取付部に対応して設けられ、前記複数の取付部のそれぞれに取り付けられた各引張部材の引張により抵抗値が変化する複数の歪抵抗素子とを有し、
前記歪抵抗素子の抵抗値の変化に応じて、前記複数の引張部材が受けた荷重に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の荷重検出装置。
【請求項3】
前記引張部材は、低弾性材料のワイヤであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の荷重検出装置。
【請求項4】
前記複数の引張部材は、少なくとも3つ以上であり、隣り合う引張部材を接続する渡し部材を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の荷重検出装置。
【請求項5】
前記複数の引張部材は、4つであり、前記荷重センサを四方から張った状態で支持することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の荷重検出装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5に記載の荷重検出装置と、座面パッドとを備え、前記複数の引張部材は前記座面パッドの着座荷重を受けることを特徴とする座席。
【請求項7】
前記座面パッドには、前記荷重センサとの接触を防止するための逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の座席。
【請求項8】
荷重を受けて多方向に引張する複数の引張部材に張った状態で支持され、前記複数の引張部材の引張力に基づいて前記複数の引張部材が受けた荷重に応じた信号を出力することを特徴とする荷重センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−160048(P2010−160048A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2428(P2009−2428)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】