説明

蒸着重合装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸着重合装置に関するものであり、更に詳しくは真空下にモノマを蒸発させ基材の表面に蒸着させ重合させて高分子膜を形成させる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は特開昭61−78463号、特開昭63−166961号の各公報において蒸着重合の技術を開示しており、特開平5−65627号、特開平5−132763号等の各公報、および特願平7−113736号において蒸着重合に使用する装置を提示している。
【0003】
図5は従来例の蒸着重合装置2の縦断面図である。気密な横置き円筒状の真空槽51は一方の端面板52に真空排気管57が真空バルブ57’と共に取り付けられ図示しない真空ポンプに接続されている。また、同じ端面板52を貫通して2本の導入管55a、55bが設けられており、それぞれの大気側にはバルブ58a、58bを介してモノマM の蒸発源容器54a、モノマM の蒸発源容器54bが接続されている。真空槽51内においては、導入管55a、55bにノズル56a、56bが取り付けられ、基材Sに向けてモノマ蒸気の噴出孔57a、57bが開口されている。
【0004】
蒸発源容器54a、54bの外周にはモノマM 、M を蒸発させるための加熱ヒータ64a、64bが巻装されており、それぞれ独立して温度制御されモノマM 、M を所定の比率で蒸発させるようになっている。また、真空槽51内を加熱するために、両端面板52には加熱ヒータ62が、筒状の胴板53には加熱ヒータ63が埋設されており、真空槽51内の均熱化のために独立して温度制御される。同様に、導入管55a、55bには加熱ヒータ65a、65bが、また真空排気管57には加熱ヒータ67が埋設されているが、これらはモノマ蒸気が接触して凝縮液化することを防ぐために設けられている。そして基材Sの表面に、例えばポリイミド膜を形成させる場合には、モノマM としてピロメリト酸二無水物、モノマM として4,4’−ジアミノジフエニルエーテルが使用される。
【0005】
この蒸発重合装置2によって基材Sの表面にポリイミド膜を形成させる場合には、真空槽51内を温度200℃に加熱し圧力1×10−3Torrまで真空排気した後、バルブ58a、58bを開けて、すでに208℃に加熱されているモノマM としてのピロメリト酸二無水物、及び温度180℃に加熱されているモノマM としての4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの蒸気を同時に真空槽11内へ導入し、基材Sの表面に蒸着させ重合させて高分子膜を形成させる。そして、所定の膜厚が得られると、真空槽51を冷却して高分子膜の形成されている基材Sを取り出し、別の図示しない加熱炉内で窒素ガス雰囲気下、または真空下で300℃、1時間の熱処理が行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例の蒸着重合装置2を実用する過程で次の点に改良が望まれた。
(1)真空槽51の真空シールにフッ素ゴムを使用しているので、230℃以上の温度に加熱するとフッ素ゴムが劣化して真空を維持できなくなり、高温度での蒸着重合ができない。
(2)ポリイミド膜の形成には蒸着重合後に300℃、1時間程度の熱処理を必要とするが、同じ理由によって真空槽51内では熱処理できず、別な炉へ移し替えて熱処理しなければならない。
(3)真空槽51を加熱ヒータ62、63で覆って加熱しているので、加熱を停止しても温度低下し難く、蒸着重合の後、基材Sを取り出せる50℃以下の温度になるまでに長時間を要している。
(4)例えばプラスチックスの射出成型用金型の断熱膜としてポリイミド膜(厚さ100〜200μm)の成膜を数回ないし数十回繰り返すことにより真空槽51の内壁や治具に蒸着重合の積算膜厚に相当する重合物が付着し、そのクリーニングに多大の労力を要している。
【0007】
従って、本発明は上述の欠点を解消するべく、高温度に加熱することが可能で蒸着重合終了後にそのまま熱処理することができ、かつ付着重合物を容易に除去し得る蒸着重合装置、更にはこれに加えて、熱処理の終了後に基材Sを急速に冷却し得る蒸着重合装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の重合装置は、真空槽内に重合熱処理室を設けて重合熱処理室の真空度を真空槽と同等またはそれ以下となるようにし、かつ重合熱処理室の内面側から高温度、好ましくは850℃以上の温度に加熱し得るようにしたものであり、更に好ましくは、真空槽内の重合熱処理室に冷却槽を接続し、高分子膜の熱処理が終了した基材Sを急速に冷却し得るようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図面を使って本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は本発明の蒸着重合装置1の縦断面図である。蒸着重合装置1は真空槽11内に重合熱処理室21が設けられており、重合熱処理室21には冷却槽41が接続されている。重合熱処理室21の冷却槽41に面する開口は仕切ゲート34によって気密に閉じられ、図示しない昇降機構によって上下に作動して重合熱処理室21を開閉する。真空槽11は真空バルブ19’を備えた真空排気管19によって、また重合熱処理室21は真空バルブ29’を備えた真空排気管29によってそれぞれ独立して真空排気される。
【0011】
また、重合熱処理室21の内壁に近接して850℃以上の温度に加熱可能な加熱ヒータ23が設けられ、仕切ゲート34に面する加熱ヒータ24は跳ね上げて開けることができるようになっている。真空槽11の外部には、モノマM のための蒸発源容器5が設けられ、真空槽11、重合熱処理室21、加熱ヒータ23を貫通する導入管25にバルブ25’を介して接続されている。また、モノマM についても同様であり、その蒸発源容器6はバルブ26’を介して、導入管26に接続されている。
【0012】
冷却槽41は基材Sを装入、排出するための扉42を有し、冷却槽41内には上方から不活性ガス配管43が装入され、その先端部は不活性ガスの噴出孔45が開口されたノズル44となっている。また、不活性ガスを冷却するための冷却器46が設けられている。
【0013】
そして、その作用は蒸着重合によって高分子膜を形成させるべき基材Sを重合熱処理室21内において、例えば200℃に加熱し、重合熱処理室21の圧力を真空槽11の圧力と同等またはそれ以下、例えば真空槽11の圧力を10−1Pa、重合熱処理室21の圧力を10−2Paに維持して、モノマM 、M の蒸気をそれぞれ蒸発源容器5、6から同時に重合熱処理室21内へ導入する。この状態において基材Sの表面にモノマM 、M が蒸着し重合して高分子膜が形成される。所定の膜厚が得られるとモノマM 、M の導入を停止し、必要な場合には重合熱処理室21内の温度を例えば300℃に上昇させて、形成されている高分子膜の熱処理が行なわれる。
【0014】
熱処理の終了後は仕切ゲート34、加熱ヒータ24を開け基材Sを冷却槽41内へ移して加熱ヒータ24、仕切ゲート34を閉じ、基材Sは冷却器45で冷却される不活性ガスによって強制冷却される。この間、重合熱処理室21は850℃以上の温度に加熱され、付着している重合物が熱分解されて除去排出される。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例による蒸着重合装置について図面を参照し詳細に説明する。
【0016】
図1は実施例によるポリイミド膜の蒸着重合装置1の縦断面図である。上述したように、真空槽11内に重合熱処理室21が設けられており、重合熱処理室21には仕切部31を介して冷却槽41が接続されている。
【0017】
真空槽11は一般的な金属材料、例えばステンレス鋼で作成され、要所にはフッ素ゴムを介在させて真空シールされているに対し、重合熱処理室21は例えば炭素からなる断熱板の表面に耐熱性ステンレス板を貼り合わせた材料を板材として構成されており、継ぎ目は特に真空シールされていない。そして、真空槽11は真空バルブ19’を備えた真空排気管19に接続される図示しない第1の真空ポンプによって真空排気されて10−1Paの圧力に維持され、重合熱処理室21は真空バルブ29’を備えた真空排気管29に接続される図示しない第2の真空ポンプによって真空排気され、10−2Paの圧力に維持される。
【0018】
重合熱処理室21の仕切部31に面する開口には冷却槽41との間を気密に閉じる仕切ゲート34が設けられており、図示しない昇降機構によって上下されて重合熱処理室21を開閉する。また、重合熱処理室21の内壁に近接して850℃以上の温度に加熱し得るパネル状の加熱ヒータ23が設けられている。そして仕切ゲート34に面する同様な加熱ヒータ24は跳ね上げることができ、ポリイミド膜を形成させるべき基材Sの搬入、搬出時に仕切ゲート34と共に開閉される。
【0019】
また、ポリイミド膜の蒸着重合に使用されるモノマM としてのピロメリト酸二無水物の蒸発源容器5は200度近辺への加熱が可能とされ、真空槽11の側壁を気密に貫通し、重合熱処理室21の側壁、加熱ヒータ23を貫通する導入管25に対しバルブ25’を介して接続されており、ピロメリト酸二無水物の蒸気が導入管25を経由して重合熱処理室21内へ送り込まれる。モノマM としての4,4’−ジアミノジフエニルエーテルについても同様であり、その加熱可能な蒸発源容器6から4,4’−ジアミノジフエニルエーテルの蒸気がバルブ26’、導入管26を経由して重合熱処理室21内へ送り込まれる。
【0020】
冷却槽41は基材Sの装入、排出用の扉42を備えており、真空バルブ49’を備えた真空排気管49に接続される図示しない第3の真空ポンプによって10−1Paの圧力まで減圧可能となっている。また、その内部にはバルブ43’を備えた不活性ガス配管43が上方から装入され、L字形状に曲げられた先端部はガスの噴出孔45が開口されたノズル44となっており、不活性ガスとしての窒素ガスが導入される。更には、冷却槽41の内部には温度10℃に冷却される冷却器46が設置されているほか、図示せずとも攪拌羽根が設置され、導入される窒素ガスを循環させるようになっている。更には、冷却槽41と重合熱処理室21との間には基材Sを搬送するための搬送ローラ47が設置されており、基材Sはトレイ48上に載置して搬送される。
【0021】
実施例の蒸着重合装置1は以上のように構成されるが、次にその作用を説明する。真空槽11は10−1Paの圧力、重合熱処理室21は10−2Paの圧力に維持して常時真空排気されているものとする。ポリイミド膜を形成させるべき基材Sは冷却槽41の扉42を開けて台車48と共に搬送ローラ47上へ装入され、扉42は閉じられて、図1の状態となる。次いで真空バルブ49’を開け、図示しない第3の真空ポンプによって10−1Paの圧力まで真空排気される。
【0022】
重合熱処理室21は加熱ヒータ23、24によって予め温度200℃に加熱されているが、図2を参照して、仕切ゲート34が上方へ開けられ、加熱ヒータ24が跳ね上げられて、基材Sはトレイ48と共に搬送ローラ47によって重合熱処理室21内へ搬入され、加熱ヒータ24、開閉ゲート34が閉じられて図3の状態になる。そして、基材Sの温度が200℃になるまで静置される。
【0023】
一方、モノマM としてのピロメリト酸二無水物は蒸発源容器5内で208℃の温度に、モノマM としての4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは蒸発源容器6内で180℃の温度に予め加熱されており、基材Sの温度が200℃になった時点でバルブ25’、26’を開けてそれぞれの蒸気が導入管25、26を経て重合熱処理室21内へ所定の比率で導入される。それぞれの蒸気は基材Sの表面に蒸着されて重合し、高分子膜が15μm/hrの生成速度で形成される。この時、真空槽11の圧力は重合熱処理室21の圧力よりも高いのでモノマ蒸気が真空槽11内へ流入することはない。所定の膜厚が得られるとバルブ25’、26’を閉じ、ピロメリト酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの導入が停止される。
【0024】
次いで加熱ヒータ23、24による加熱温度を上げて基材Sの温度を300℃まで上昇させ、そのまま1時間保持する熱処理が行われて、基材Sの表面にポリイミド膜が形成される。すなわち、蒸着重合させた後、重合熱処理室21の温度をそのまま上昇させることによって熱処理することが可能であり、従来例の蒸着重合装置2のように基材Sを一旦冷却して真空槽51から外部へ取り出し、別の炉で再び加熱して熱処理するような手順を必要とせず、高分子膜が短時間で形成されるほか、途中で大気に触れることなく熱処理されるので高分子膜が酸化される恐れはない。
【0025】
また、熱処理は断熱材を主体とする板材で囲われた重合熱処理室21内で行われることに加え、真空槽11と重合熱処理室21との間は真空空間となっているので、真空槽11は真空シール用のフッ素ゴムが劣化する程には温度上昇せず真空槽11の真空度は十分に維持され、その内部で真空槽11よりも減圧される重合熱処理室21の真空度も低下しない。
【0026】
熱処理の終了後、仕切ゲート34、加熱ヒータ24が開けられ、ポリイミド膜の形成された基材Sはトレイ48と共に搬送ローラ47によって冷却槽41内へ搬出されて加熱ヒータ24、開閉ゲート34が閉じられ、図4の状態となる。続いて冷却器46が10℃に冷却され、不活性ガス配管43のバルブ43’を開けてノズル44の噴出孔45から窒素ガスが大気圧まで導入され、図示しない攪拌羽根によって矢印で示すように循環されて、ポリイミド膜の形成された基材Sは強制的に冷却される。すなわち、従来例の蒸着重合装置2においては加熱ヒータ62、63で覆われた真空槽51内での自然冷却であって冷却に長時間を要したに比べ、実施例の蒸着重合装置1は冷却槽41を備えているので冷却は短時間で完了する。この冷却の間、重合熱処理室21は加熱ヒータ23、24によって1000℃の温度に加熱され、重合熱処理室21の内壁、治具、その他に付着生成している重合物(ポリイミド)はガス状に熱分解され、真空排気管29を経て排出される。このことによって付着物のクリーニングが極めて簡易化され、かつポリイミド膜の形成された基材Sの冷却時にこのクリーニングを行い得るので、蒸着重合のプロセスが大幅に合理化される。
【0027】
また、従来例の蒸着重合装置2では基材Sの取り出しが内壁に重合物の付着したまま真空槽51を大気開放して行なわれ、重合物が吸湿して次ぎの排気に長時間を要するようなことが発生したが(例えばポリイミドの吸水率は約3%)、実施例の蒸着重合装置1では冷却器41に基材Sの装入、排出用の扉42を設けているので真空槽11、重合熱処理室21は常に真空排気状態に維持することができ、真空槽11、重合熱処理室21が吸湿し、排気に長時間を要するようなことは起こらない。
【0028】
以上、本発明の実施例による蒸着重合装置1について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0029】
例えば本実施例においては、真空槽11内の重合熱処理室21に仕切部31を介して冷却槽41を接続したが、真空槽11内に重合熱処理室21を設け、それぞれ独立に真空排気して重合熱処理室21の圧力を真空槽11の圧力と同等もしくはそれ以下とするだけの構成としても、蒸着重合から続けての熱処理が可能である上、熱処理が終了して基材Sを取り出した後、重合熱処理室21内を850℃以上の温度に加熱して付着している重合物を熱分解させるクリーニングが可能であり、従来例の蒸着重合装置2に比較して操作性は大幅に向上したものとなる。
【0030】
また実施例においては、真空槽11と重合熱処理室21とをそれぞれ独立して真空排気するようにしたが、重合熱処理室21の圧力を真空槽11の圧力と同等またはそれ以下とする限りにおいて、重合熱処理室21用の真空排気管29を兼用して真空槽11を真空排気するようにしてもよい。
【0031】
また本実施例においては、ピロメリト酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとによってポリイミド膜を形成させる場合を例示したが、蒸着重合用のモノマとしてはこれ以外の組み合わせ、例えばベンゾフェノンテトラカルボン二無水物とP−ジアミノベンゼンとの組み合わせなど芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンとの組み合わせが可能である。そのほか本発明の蒸着重合装置は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの組み合わせ、その他によるポリウレタン膜の形成にも使用され、その形成プロセスを合理化させる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上に説明したような形態で実施され、次ぎに記載するような効果を奏する。
【0033】
請求項1による蒸着重合装置によれば、真空槽は重合熱処理室とは真空空間で隔てられているので重合熱処理室を高温にしても温度上昇し難く、従って真空シール用ゴムも劣化せず真空度が維持される。また、重合熱処理室へ導入されるモノマ蒸気が真空槽へ流入しないので真空槽は汚染されない。更には蒸着重合の後、続けて熱処理し得るので、形成された高分子膜は大気に触れることなく熱処理され、熱処理時に酸化する恐れがなく、かつ高分子膜形成のために要する時間は大幅に短縮される。
【0034】
また請求項2による蒸着重合装置によれば重合熱処理室の圧力を真空槽の圧力と同等またはそれ以下に維持する操作を容易にする。
【0035】
また請求項3による蒸着重合装置によれば重合熱処理室内を高温にしても真空槽の温度が上昇することを抑制する。
【0036】
また請求項4による蒸着重合装置によれば、高分子膜が形成され熱処理が終了した基材を取り出した後、重合熱処理室内を850℃以上の温度に加熱して付着している重合物を熱分解し得るのでクリーニング作業が極めて簡易化される。
【0037】
また請求項5による蒸着重合装置によれば、高分子膜の形成された基材を急速に冷却し得るので高分子膜の形成に要する時間が大幅に短縮される。
【0038】
また請求項7による蒸着重合装置によれば、真空槽と重合熱処理槽とは吸湿することがないので、真空排気の所要時間が長時間化することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の蒸着重合装置の縦断面図である。
【図2】同じ縦断面図であり、図1、図3、図4共に作用を示す。
【図3】同じ縦断面図であり、図1、図2、図4共に作用を示す。
【図4】同じ縦断面図であり、図1、図2、図3共に作用を示す。
【図5】従来例の蒸着重合装置の縦断面を示す。
【符号の説明】
1 実施例の蒸着重合装置
5 モノマM の蒸発源容器
6 モノマM の蒸発源容器
11 真空槽
19 真空排気管
21 重合熱処理室
23 加熱ヒータ
24 加熱ヒータ
25 モノマM の導入管
26 モノマM の導入管
29 真空排気管
31 仕切部
34 仕切ゲート
41 冷却槽
42 扉
43 不活性ガス配管
46 冷却器
47 搬送ローラ
48 トレイ
49 真空排気管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空下にモノマを蒸発させ基材の表面に蒸着させ重合させて高分子膜を形成させる蒸着重合装置において、真空槽内に該真空槽の圧力と同等またはそれ以下の圧力に真空排気される重合熱処理室が設けられ、かつ前記重合熱処理室の内面側に加熱手段が設けられており、蒸着重合の後に前記重合熱処理室の温度を前記蒸着重合時より上昇させて形成されている高分子膜を熱処理し得ることを特徴とする蒸着重合装置。
【請求項2】
前記真空槽と前記重合熱処理室とが独立して真空排気される請求項1に記載の蒸着重合装置。
【請求項3】
前記加熱手段が前記重合熱処理室を850℃以上の温度に加熱することができ、前記熱処理の終了後に更に温度を上昇させ、前記重合熱処理室の内壁等に付着形成されている重合物を熱分解させて除去し得る請求項1または請求項2に記載の蒸着重合装置。
【請求項4】
前記重合熱処理室に対して開閉可能な仕切ゲートを介し独立して真空排気が可能で冷却手段を備えた冷却槽が接続され、前記重合熱処理室と前記冷却槽との間に前記基材の搬送手段が設けられている請求項1から請求項3までの何れかに記載の蒸着重合装置。
【請求項5】
前記冷却槽に前記基材の装入排出用の扉が設けられており、前記真空槽と前記重合熱処理室とが常に真空排気された状態で作動される請求項4に記載の蒸着重合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【特許番号】特許第3585633号(P3585633)
【登録日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【発行日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−90489
【出願日】平成8年3月19日(1996.3.19)
【公開番号】特開平9−255791
【公開日】平成9年9月30日(1997.9.30)
【審査請求日】平成14年12月2日(2002.12.2)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【参考文献】
【文献】特開平04−072056(JP,A)
【文献】特開平04−045259(JP,A)
【文献】特開昭61−261322(JP,A)
【文献】特開昭61−078463(JP,A)