説明

薬剤含有率の高い製剤および投与量形態

本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を活性医薬品成分として含む、薬剤含有率の高い製剤に関する。例えば、本発明によれば、55〜90重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、10〜45重量%の賦形剤とを含む単位投与量形態であって、該単位投与量形態が、200mg以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する、単位投与量形態が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の引用
本願は、2005年7月22日に出願された米国仮出願第60/701,710号および2005年8月8日に出願された同第60/706,344号に対する米国特許法第119条(e)項の下での優先権を主張する。これらの出願は両方とも、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、医薬製剤および投与量形態に関し、特に薬剤含有率の高い医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
製薬および医学界の直面する特に困難な問題は、患者に薬剤投与計画を遵守させることである。薬剤投与計画が厳守されない場合には、深刻な結果が生じうる。一般的には、具体的療法の薬物動態学的および薬力学的作用や、病気の性質に応じて、治療効果を生み出す標的組織の薬剤濃度プロフィールが達成されなければならない。管理臨床試験において、臨床的に関連のある効果を生じることが示された薬剤投与計画を、患者が遵守することにより、有効な薬剤濃度プロフィールが達成される。
【0004】
規定の薬剤投与計画の不遵守(非厳守)は、負の臨床的結果を生じる。不遵守により、標的組織における薬物濃度が低下し、薬剤が抑制濃度にならないために、病気が薬の効果を「逃れ」うる。たとえば、抗レトロウイルス薬による規定の治療計画の不遵守によって、薬剤耐性HIV株の集団感染が発生した(非特許文献1)。実際、遵守率が95%から70%に下がると、ウイルス量に対する耐性が急激に下がり(非特許文献2)、患者に一層多くの問題をもたらす。
【0005】
製薬/医学界は、遵守を促進するために、簡単な薬剤投与計画に集中して薬剤開発治験を行っている。患者が必要な薬剤投与計画を遵守せず、あるいは遵守できないため、現在では、複雑な薬剤投与計画を要する薬は一般に断念されている。服薬遵守および錠剤のサイズが、いかに薬物開発に影響を及ぼすか、という一つの興味深い例に、蛋白質分解酵素阻害剤のアンプレナビルおよびホスアンプレナビルの話がある。
【0006】
アンプレナビルは、HIV蛋白質分解酵素阻害剤として、1999年にFDAの承認を得たが、インディナビルよりも効果が大分低いことが判明したため、普及することはなかった。実際のところ、現在のガイドラインは、錠剤数の多さと、それによって服薬が遵守されなくなる可能性を理由として、アンプレナビルを使用しないように勧めている(保健社会福祉省により開催されたHIV感染症治療の医療に関する集会。HIV−感染者の成人および若者における抗レトロウイルス剤の使用ガイドライン。www.Aidsinfo.nih.govを参照)。ホスアンプレナビルは、HIV−1の治療用として、最近FDAの承認を得た。ホスアンプレナビルは、溶解性および経口バイオアベイラビリティを改善したアンプレナビルのプロドラッグであり、アンプレナビルより小さく、かつ少数の錠剤を一日一回または二回投与すれば済むため、ホスアンプレナビルの薬剤投与計画は、患者がより許容しやすく、服薬遵守と臨床効果の改善が期待できる。
【0007】
許容できる薬剤投与計画を作成する際に特に問題なのは、多量の薬剤を患者に送達する必要がある場合である。患者が飲み込める錠剤のサイズには限度があり、患者が服用しなければならない錠剤が多くなるほど、誤りも侵しやすく、服薬不遵守につながる。管理しやすい錠剤(ピル)量、および許容できる錠剤サイズで、多量の薬剤を送達するのに有用な製剤が必要とされる。
【0008】
錠剤の製剤は通常、活性医薬品成分(API;薬剤)を一つ以上の不活性成分(すなわち、賦形剤)と混合することを伴う。低用量の錠剤(たとえば一用量あたり50mg未満の薬剤)は、製造プロセス(たとえば圧縮)を促進するために、重量ベースでAPIより多い賦形剤を伴って調製されることが多いが、それでも患者が飲み込み易い小さな錠剤になる。賦形剤が錠剤の総重量の相当な部分を占めるため、薬剤の性質に関わらず、錠剤の加工および製造可能性を容易に調節できる。
【0009】
逆に、高用量の薬剤を伴う場合には、APIの性質によって錠剤の特性が強く影響される。これらの性質が市販向けの製造要件に適合しない場合には、製剤業者は、(製造の問題を解決するために賦形剤を加えて)サイズの大きな錠剤を製造するか、APIの比率を抑えた錠剤を複数投与することを要求することになり、いずれも患者の服薬遵守にマイナスの影響を及ぼす。
【非特許文献1】Boden等 JAMA (1999年)282:1135−1141
【非特許文献2】Paterson等 Ann.Int.Med.(2000年)133:21−30
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
患者が一般的な薬剤投与計画を遵守しやすいサイズの投与量形態が提供されるように、薬剤が、投与量形態の総重量の高比率を占める、高含有率の薬剤を含む、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む投与量形態が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の簡単な要旨
本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を活性医薬品成分として有する、薬剤含有率の高い製剤に関する。発明者らは、それぞれに200mg以上のAPI、優れた力学的性質および溶解プロフィール、および治療上望ましい薬物動態学的プロフィールを有する、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む錠剤の生産を可能とする、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の製剤を発見した。本発明の薬剤含有率の高い製剤は、55%(重量)以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する錠剤の製造を可能とする。発明の組成物は、望ましい製造特性も有する。薬剤含有率の高い製剤は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を高濃度で投薬することを必要とする、アルツハイマー病のような病気への用途に適する。
【0012】
第一実施形態においては、本発明は、一つ以上の薬学上許容可能な賦形剤と混合される、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸またはその薬学上許容可能な塩を有し、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の重量が、単位投与量形態の総重量の55%以上である医薬組成物を提供する。この実施形態のいくつかの態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸は、単位投与量形態の総重量の57%以上、60%以上、または63%以上でありうる。この実施形態のいくつかの態様においては、単位投与量形態は、約200mg、200mg以上、300mg、300mg以上、400mg、400mg以上、500mg、500mg以上、600mg、600mg以上、700mg、700mg以上、800mg、または800mg以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する。この実施形態の一態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸製剤は、崩壊剤を成分として有する(たとえば微結晶性セルロースおよび/またはクロスカルメロースナトリウム)。本実施形態の別の態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸製剤は、結合剤を成分として有する(たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース)。本実施形態の別の態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸製剤は、希釈剤を成分として有する(たとえばラクトース)。本実施形態の別の態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸製剤は、流動促進剤を成分として有する(たとえばコロイド状二酸化ケイ素)。本実施形態の別の態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸製剤は、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)を成分として有する。本発明の本実施形態の製剤および単位投与量形態は、必要に応じて、コーティング、着色剤、安定剤、保存剤および/または香味剤を有しうる。
【0013】
本実施形態の製剤は、経口投与に適した単位投与量形態(たとえば錠剤)として提供されうる。本発明の第一実施形態は、55重量%〜90重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、10重量%〜45重量%の不活性医薬品成分とを有する、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸製剤をさらに提供する。一態様では、製剤は、55重量%〜85重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、15重量%〜45重量%の不活性医薬品成分を有する。一態様では、製剤は、55重量%〜75重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、25重量%〜45重量%の不活性医薬品成分を有する。一態様では、製剤は、60重量%〜70重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、30重量%〜40重量%の不活性医薬品成分を有する。
【0014】
第二実施形態においては、本発明は、320〜480mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸またはその薬学上許容可能な塩を有し、錠剤の長軸が約0.6〜0.8インチ、錠剤の幅が約0.3〜0.4インチである、錠剤の投与量形態を提供する。本実施形態の一態様においては、単位投与量形態の長さは、0.82インチ以下、0.80インチ以下、0.77インチ以下、0.72インチ以下、または0.70インチ以下である。本実施形態の一態様においては、単位投与量形態の幅は、0.41インチ以下、0.40インチ以下、0.38インチ以下、または0.35インチ以下である。本発明のいくつかの態様においては、単位投与量形態の合計容量は、0.70cm未満、0.65cm未満、0.60cm未満、0.55cm未満、0.50cm未満、または0.45cm未満である。本実施形態のいくつかの態様においては、各錠剤は、崩壊剤、結合剤、希釈剤、流動促進剤、滑沢剤、着色剤、安定剤、保存剤、および/または香味剤から選択される、一つ以上の賦形剤を有する。本実施形態のいくつかの態様においては、各錠剤は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸および一つ以上の結合剤、一つ以上の希釈剤、一つ以上の崩壊剤、一つ以上の流動促進剤、一つ以上の滑沢剤、および必要に応じて一つ以上の選択される成分を有する。この実施形態の一態様においては、単位投与量形態の錠剤は、コーティングされる。
【0015】
第三実施形態においては、本発明は、55重量%以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、またはその薬学上許容可能な塩を有し、図1および2に示されるものの一つ以上と実質的に同様の溶解プロフィールを生じる、単位投与量形態の錠剤を提供する。本実施形態の単位投与量形態は、経口投与に適する。関連した実施形態においては、単位投与量形態は、カプセル投与量形態である。この第三実施形態の一態様においては、単位投与量形態は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、一つ以上の薬学上許容可能な賦形剤を有する。錠剤の投与量形態においては、一つ以上の賦形剤は、崩壊剤、結合剤、希釈剤、流動促進剤、滑沢剤、着色剤、安定剤、保存剤、および/または香味剤から選択されうる。本実施形態の一態様においては、単位投与量形態は、コートされた錠剤である。本実施形態の別の態様においては、単位投与量形態は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸および一つ以上の薬学上許容可能な賦形剤を、図1および2に示されるものの一つ以上と実質的に同様の溶解プロフィールを生じるのに十分な量で有する。本実施形態の一態様においては、図1および2に示されるものの一つ以上と実質的に同様の溶解プロフィールを生じる、320〜480mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する投与量形態が提供される。
【0016】
第四実施態様においては、本発明は、約400mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、またはその薬学上許容可能な塩を含み、錠剤中に55重量%以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する、単位投与量形態の錠剤を提供する。この実施形態によれば、400mgの単位投与量形態は、絶食した個体に、指定の用量で経口投与されると、図3に示されるものと実質的に同様の(生物学的に同等の)薬物動態学的プロフィールを生じる(たとえば、それぞれ400mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む錠剤を二錠、合計800mgのAPI)。この実施形態の単位投与量形態は、経口投与に適する。関連した実施形態においては、単位投与量形態は、カプセル投与量形態である。
【0017】
この第四実施態様の一態様においては、単位投与量形態は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、および一つ以上の薬学上許容可能な賦形剤を、成分として有する。錠剤の投与量形態においては、一つ以上の賦形剤は、崩壊剤、結合剤、希釈剤、流動促進剤、滑沢剤、着色剤、安定剤、保存剤、および/または香味剤から選択されうる。この第四実施態様の一態様においては、単位投与量形態は、コートされた錠剤である。本実施形態の別の態様においては、単位投与量形態は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸および一つ以上の薬学上許容可能な賦形剤を、絶食した個体に経口投与された場合に図3および2に示されるものと実質的に同様の(生物学的に同等の)薬物動態学的プロフィールを生じるのに十分な量で有する。この実施形態の一態様においては、図3に示される800mgBID投与群(たとえば、それぞれ約400mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む錠剤を二錠)のものと実質的に同様(生物学的に同等)の薬物動態学的プロフィールを生じる、320〜480mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する投与量形態が提供される。
【0018】
一態様では、本発明の任意の実施形態による単位投与量形態は、pH7.2のカリウムリン酸緩衝液で、37℃で、USP装置2(パドル)を75rpmの回転速度で使用して試験すると、15分で85、80、75、70、65、または60重量%未満の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が放出されるような溶解プロフィールを有する。一態様では、本発明の任意の実施形態による単位投与量形態は、pH7.2のカリウムリン酸緩衝液で、37℃で、USP装置2(パドル)を75rpmの回転速度で使用して試験すると、15分で3、5、10、15、20、30、40、50、60、70、または80重量%未満の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が放出されるような溶解プロフィールを有する。別の態様では、本発明の任意の実施形態による単位投与量形態は、pH7.2のカリウムリン酸緩衝液で、37℃で、USP装置2(パドル)を75rpmの回転速度で使用して試験すると、45分で80、85、90、または95重量%を上回る(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が放出されるような溶解プロフィールを有する。別の態様では、本発明の任意の実施形態による単位投与量形態は、pH7.2のカリウムリン酸緩衝液で、37℃で、USP装置2(パドル)を75rpmの回転速度で使用して試験すると、60分で70、80、90、92、94、または96重量%を上回る(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が放出されるような溶解プロフィールを有する。
【0019】
別の実施形態においては、本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、またはその薬学上許容可能な塩を、活性医薬品成分として有する単位投与量形態を調製するのに有用な組成物および方法を提供する。本発明の本実施形態の一態様によれば、組成物は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、および一つ以上の流動促進剤を成分として有する、ブレンド前組成物である。この実施形態のいくつかの態様においては、ブレンド前組成物中の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の量は、ブレンド前組成物の総重量の50〜95%、60〜95%、または70〜95%である。希釈剤は、製造の間に、他の製剤成分との適切な混合を可能とし、および/または適切な流動性をもたせるのに十分な量で存在する。この実施形態のいくつかの態様においては、ブレンド前組成物は、ブレンド前組成物の総重量の1〜30%、3〜25%、または5〜20%の量の、一つ以上の希釈剤を有する。流動促進剤は、粉末混合物(ブレンド前組成物)の適切な流動性を確保するのに十分な量で存在する。この実施形態のいくつかの態様においては、ブレンド前組成物は、ブレンド前組成物の総重量の0.01〜5%、0.1〜5%、または0.1〜3%の量で存在する、一つ以上の流動促進剤を有する。この実施形態のいくつかの態様においては、必要に応じて選択される成分が、ブレンド前組成物の総重量の0〜20%、1〜20%、または1〜10%の量で存在する。一態様では、方法には、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の流動促進剤および必要に応じて選択される成分を、ブレンダ内に入れるステップと、続いて、実質的に均一のブレンド前組成物を提供するのに十分な時間ブレンドするステップが含まれる。その後、ブレンド前組成物は、プロセスの次の粉砕のステップで使用されうる。本発明の一態様では、その後、ブレンド前組成物は、ブレンド前組成物の大粒子の粒径を減らして、粉砕された組成物を得るのに十分なサイズのふるいにより粉砕される。その後、粉砕された組成物を用いて、湿式顆粒を形成しうる。代替的な態様においては、高剪断造粒機に直接材料を入れて、湿式造粒のステップの前に高剪断造粒機内でブレンドしうる。
【0020】
さらに別の実施形態においては、本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の結合剤、一つ以上の流動促進剤、一つ以上の湿潤剤、および必要に応じて一つ以上の追加成分を有する、湿式造粒組成物を提供する。さらに、この実施形態は、湿式造粒組成物の湿式造粒の方法も提供する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、湿式造粒組成物の総重量の40〜95%、45〜95%、または50〜90%の量の、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が存在する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、湿式造粒組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または5〜15%の量の、一つ以上の希釈剤が存在する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、湿式造粒組成物の総重量の0.01〜10%、0.01〜5%または0.1〜5%の量の、一つ以上の流動促進剤が存在する。結合剤は、単位投与量形態のコートされた錠剤に即時放出溶解プロフィールを与えるのに十分な量で存在する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、湿式造粒組成物の総重量の1〜30%、1〜20%または1〜15%の量の、一つ以上の結合剤が存在する。湿潤剤は、錠剤成形するのに過度の圧力を要する程硬い顆粒が形成されるのを回避(および/または外観に色むらのある顆粒が形成されるのを防止)し、および/または顆粒が軟らかすぎるために圧縮中の困難(および/または潤滑化の間の破壊)が生じることを回避するのに十分な量で存在する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、湿式造粒組成物の総重量の1〜40%、1〜25%、または5〜25%の量の、一つ以上の湿潤剤が存在する。この実施形態のいくつかの態様においては、湿式造粒組成物の総重量の0〜20%、1〜20%、または1〜10%の量の、一つ以上の必要に応じて選択される成分が存在する。この実施形態の一態様によれば、結合剤と粉砕された組成物が造粒機に入れられ、粉砕された組成物と結合剤とを適切に混合/ブレンドするのに十分な時間ドライブレンドされ(たとえば実質的に均一の混合物を提供する)、続いて、はっきりと顆粒が形成されるのに十分な時間、湿潤剤とともに高剪断造粒される。その後、湿式顆粒を、粒子のメジアン径を減らすのに十分なふるいサイズにより粉砕する。その後、湿式顆粒を、湿潤剤を形状除去するのに適切な方法により乾燥させる。その後、「乾燥させた」湿式顆粒を、適切な粒径を有する造粒組成物(成分)を産生するのに十分なふるいサイズで粉砕しうる。
【0021】
さらに別の実施形態では、本発明は、顆粒成分および一つ以上の崩壊剤を有する、錠剤前組成物を提供する。錠剤前組成物は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の結合剤、一つ以上の流動促進剤、一つ以上の崩壊剤、および所望により、一つ以上の必要に応じて選択される成分を有する。この実施形態の一態様においては、錠剤前組成物中には、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、錠剤前組成物の総重量の50〜95%、55〜90%、または55〜85%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤前組成物中には、一つ以上の希釈剤が、錠剤前組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または5〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤前組成物中には、一つ以上の結合剤が、錠剤前組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または1〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤前組成物中には、一つ以上の流動促進剤が、錠剤前組成物の総重量の0.01〜10%、0.01〜5%、または0.1〜5%の量で存在する。崩壊剤は、単位投与量形態の即時放出溶解プロフィールを生じるのに十分な量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤前組成物中には、一つ以上の崩壊剤が、錠剤前組成物の総重量の1〜40%、5〜25%、または5〜20%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤前組成物中には、一つ以上の必要に応じて選択される成分が、錠剤前組成物の総重量の1〜20%、1〜25%、または5〜25%の量で存在する。この実施形態の一態様によれば、乾燥顆粒が、一つ以上の崩壊剤および必要に応じて選択される成分/追加成分とともにブレンダに入れられ、続いて、実質的に均一の混合物を得るために、一定時間ブレンドされる。
【0022】
一実施形態において、本発明は、錠剤成形前組成物と一つ以上の滑沢剤とを有する、錠剤成形組成物を提供する。したがって、この実施形態は、APIとしての(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の結合剤、一つ以上の流動促進剤、一つ以上の崩壊剤、および一つ以上の滑沢剤を有する製剤、およびかかる組成物を調製する方法に関する。本実施形態の組成物は、錠剤の圧縮成形に適する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中に、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、錠剤成形前組成物の総重量の50〜95%、55〜90%、または55〜85%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の希釈剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または5〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の結合剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または1〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の流動促進剤が、錠剤成形前組成物の総重量の0.01〜10%、0.01〜5%、または0.1〜5%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の崩壊剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜40%、5〜25%、または5〜20%の量で存在する。滑沢剤は、錠剤への圧迫を最小限に抑えて、錠剤をダイから完全に押出しうるのに十分な量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の滑沢剤が、錠剤成形前組成物の総重量の0.01〜10%、0.1〜10%、または0.1〜5%の量で存在する。この実施形態のいくつかの態様においては、組成物は、一つ以上の滑沢剤を他の成分(たとえば第三実施形態のもの)とともに拡散ブレンダに入れ、実質的に均一の混合物を得るのに十分な時間ブレンドすることにより、調製される。その後、本実施形態に従って調製された組成物を、適切なプレス機により錠剤に圧縮しうる。コーティングされたときに、図1および図2に示されるものの一つ以上と実質的に同様の即時放出溶解プロフィールを生じる錠剤が生産されるように、組成物が十分に圧縮される。
【0023】
別の実施形態においては、本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸をAPIとして有する、コートされた錠剤の調製に関する。単位投与量形態のコートされた錠剤の即時放出溶解プロフィールを生じさせ、および/または単位投与量形態を十分に安定させる(たとえば米国薬局方(USP)基準を満たす)のに十分なコーティングによって、錠剤(すなわち前述の実施形態に従って調製されるもの)がコーティングされる。この実施形態の一態様によれば、適切なコーティング剤および水により、フィルムコーティング懸濁液が調製される。その後、フィルムコーティング懸濁液を用いて、たとえば有孔コーティングパンで錠剤をコーティングして、コートされた錠剤を産生しうる。この実施形態のいくつかの態様においては、コーティングは、錠剤の総重量の0.1〜15%、0.1〜10%、または1〜7%を占める。
【0024】
さらに別の実施形態においては、本発明は、図1および2に示されるものの一つ以上と実質的同様の溶解プロフィールを生じる、本発明の方法に従って生産された、単位投与量形態の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸錠剤を提供する。本実施形態の別の態様においては、本発明は、図3に示される指示用量における薬物動態学的プロフィールと実質的に同様の薬物動態学的プロフィールを生じる、本発明の方法に従って生産された、単位投与量形態の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸錠剤を提供する。
【0025】
本発明のいくつかの態様においては、本発明の単位投与量形態の錠剤を作る方法には、高剪断湿式造粒プロセスを伴う。本発明の特定の態様においては、本発明の単位投与量形態を作るプロセスの一般的な方式は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、および一つ以上の流動促進剤を有するブレンド前組成物を作り、これを均一な粉砕前組成物を得るのに十分な時間ブレンドするステップを伴う。その後、粉砕前組成物は、次の粉砕のステップで使用される。次に、粉砕された組成物を使用して、湿式顆粒が形成される。その後、一つ以上の結合剤および粉砕された組成物が造粒機に入れられ、ドライブレンドされ、続いて、湿潤剤とともに造粒されて、湿式顆粒が得られる。その後、湿式顆粒は、粉砕され、乾燥させられ、その後再び粉砕されて、単位投与量形態の顆粒内部分が得られる。次に、顆粒内成分に一つ以上の崩壊剤が加えられ、拡散ブレンダ内でブレンドされる。次に、拡散ブレンダに一つ以上の滑沢剤を、他の成分とともに入れることにより、組成物が調製される。この組成物は、その後直ちに圧縮錠剤機により錠剤成形することが可能である。錠剤は、形成された後コーティングされて、単位投与量形態が得られる。本発明の本態様の一つの例示的な方法の概略が、図4に示される。
【0026】
上記の実施形態のいくつかの態様においては、本発明の単位投与量形態は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、ラクトース(たとえば無水)等の一つ以上の結合剤、およびコロイド状二酸化ケイ素等の一つ以上の流動促進剤とともにプレブレンドされ、プレ粉砕される、高剪断造粒プロセスを用いて製造されうる。ドラムブレンダ内でプレブレンドを加工し、続いて、高剪断造粒の前に、粉砕により(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸のプレブレンドの大粒子のメジアン粒子径を減少させうる。造粒されたら、プレブレンドを乾燥させ、粉砕し、ブレンドし、高速の回転式プレス機で圧縮し、有孔パンの中でコーティングしうる。
【0027】
本発明の製剤および単位投与量形態は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を、高濃度で患者に送達する必要がある病気、および症状の治療に有用である。いくつかの態様においては、本発明は、治療を必要とする個体を特定するステップと、その個体に、治療的に有効な量の単位投与量形態を投与するステップとを含む、本発明の任意の実施形態に記載の単位投与量形態を使用する方法を提供する。本発明のいくつかの態様においては、治療を必要とする個体は、神経変性障害を患う。本発明のいくつかの態様においては、神経変性障害は、アルツハイマー病、痴呆症、軽度認知障害、パーキンソン病、ハンチントン病、およびその症状から選択される。本発明のいくつかの態様においては、治療を必要とする個体は、前駆期のアルツハイマー病、軽度アルツハイマー病、軽度から中度のアルツハイマー病、中度のアルツハイマー病、中度から重度のアルツハイマー病、重度のアルツハイマー病から選択される様態のアルツハイマー病、痴呆症および/または血管性痴呆症を患う。本発明のいくつかの態様においては、治療を必要とする個体は、軽度のアルツハイマー病の様態のアルツハイマー病を患う。この実施形態のいくつかの態様においては、治療を必要とする個体は、アルツハイマー病を発病するリスクがあるか、またはアルツハイマー病の発症に対する予防を望む。本発明のいくつかの態様においては、単位投与量形態は、一日二回投与される(たとえば400mgの錠剤を朝に二錠、および400mgの錠剤を夜に二錠)。本発明のいくつかの態様においては、単位投与量形態は、約320〜480mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、またはその薬学上許容可能な塩をモル当量含み、二つの単位投与量形態が一日二回、その個体に投与される(たとえば二つの単位投与量形態を朝に、および二つの単位投与量形態を夜に)。本発明のいくつかの態様においては、治療を必要とする個体は、アルツハイマー病を患うか、アルツハイマー病の症状の発症に対する予防を望む。本発明のいくつかの態様においては、治療を必要とする個体は、癌を患う。本発明のいくつかの態様においては、治療を必要とする個体は、脳の癌、肺癌、肝臓癌、脾臓癌、腎臓癌、リンパ節癌、小腸癌、膵臓癌、血球癌、結腸癌、胃癌、乳癌、子宮内膜癌、前立腺癌、精巣癌、卵巣癌、皮膚癌、および頭頚部癌癌、食道癌、および骨髄癌から選択される癌を患う(または癌の抑制を望む)。一態様では、治療を必要とする個体は、前立腺癌を患う。当業者は、治療を必要とする個体を特定することができる。
【0028】
特に明記されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が関係する技術に精通した者によって一般に理解されているのと同様の意味を有する。本発明の実施または試験においては、本明細書に記載されているものと同様または等価の方法および材料を使用しうるが、適切な方法および材料の実施例が以下に記載される。矛盾がある場合には、定義を含めた本明細書が優先する。さらに、材料、方法および実施例は例示にすぎず、制限を意図するものではない。
【0029】
本発明の他の特徴および効果は、以下の詳細な説明および請求項から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
発明の詳細な説明
本発明は、活性医薬品成分として(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する、薬剤含有率の高い医薬製剤に関する。本発明は、アルツハイマー病、前立腺癌、ならびに他の疾患の治療および抑制に特に有用な、製薬的、薬物動態学的、および治療的特徴を提供する、経口組成物を含む。本発明の組成物は、一つ以上の薬学上許容可能な賦形剤(不活性医薬品成分)を伴って調製される。本発明の医薬品組成物は、経口投与用に調製される(たとえば錠剤の投与量形態)。本発明の、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む組成物は、アルツハイマー病等の神経変性障害、または前立腺癌等の腫瘍疾患の、治療、抑制(病気の一つ以上の症状の発症を遅らせること)および予防に使用されうる。発明者らは、200mg以上のAPI、優れた製造特性、力学的性質、溶解プロフィール、および治療上望ましい薬物動態学的プロフィールを有する(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸錠剤の生産を可能とする、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の製剤を発見した。本発明の製剤は、活性医薬品成分を55重量%以上有する錠剤の生産を可能とする。
【0031】
本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む他の組成物と比較して、一つ以上の優れた特性を有する医薬組成物を作るための、組成物およびプロセスにも関する。これらの優れた特性としては、生物学的利用能の改善、医薬組成物の溶解性の改善、即時放出経口投与量形態の崩壊時間の改善、即時放出経口投与量形態の溶解時間の改善、錠剤の脆砕性の低減、錠剤硬度の増加、経口投与量形態の安全性の改善、経口投与量形態の含水率および/または吸湿性の低減、組成物の湿潤性の改善、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の粒度分布の改善、組成物の圧縮率の改善、組成物の流動性の改善、最終的な経口投与量形態の化学的安定性の改善、最終的な経口投与量形態の物理的安定性の改善、錠剤サイズの縮小、ブレンドの均一性の改善、用量の均一性の改善、湿式造粒組成物の顆粒密度の増加、湿式造粒の水分必要量の減少、湿式造粒時間の短縮、および/または湿式造粒混合物の乾燥時間の短縮のうちの一つ以上が含まれるが、これに限定されない。
【0032】
本発明の製剤および単位投与量形態は、活性医薬品成分として、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含有する。(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸は、フルルビプロフェン((R,S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸)の「R」鏡像体である。(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸は、ラセミ型フルルビプロフェンの分割、またはエナンチオ選択的またはエナンチオ特異的合成により得られる。フルルビプロフェン((R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸)のR−鏡像体、または所望の鏡像体過剰率の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸は、ラセミ型フルルビプロフェンを周知の方法に従って分割することにより得られ、市販もされている(たとえば、ミシガン州アナーバー、Caymen Chemical)。ラセミ化合物から(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を分割する方法は、ラセミ型フルルビプロフェンをα−メチルベンジルアミンと反応させて(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の分離可能な塩を形成することを開示する、Hardy等に対する米国特許第5,599,969号に開示される。Boots Co.に対する米国特許第4,209,638号には、一定の条件下でラセミ化合物をキラル有機窒素塩基と混合し、続いてジアステレオマー塩の回収および分離が行われる、フルルビプロフェンを含む2−アリールプロピオン酸を分割するプロセスが開示される。ラセミ型アリールプロピオン酸を分割するプロセスを開示する他の特許には、PAZに対する米国特許第4,983,765号、Ethyl Corp.に対する第5,015,764号、Ethyl Corp.に対する第5,235,100号、Albemarle Corp.に対する第5,574,183号、およびSumitomo Chemical Companyに対する第5,510,519号が含まれる。
【0033】
本発明の経口単位投与量形態は、ラクトース等の希釈剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤、クロスカルメロースナトリウムまたは微結晶性セルロース等の崩壊薬(崩壊剤)、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸等の滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素等の流動促進剤、および着色剤、安定剤、保存剤および/または香味剤等の必要に応じて選択される成分のうちの任意の不活性成分または同様の性質の化合物を含みうる。さらに、本発明の投与量形態は、たとえばポリマーコーティング(セルロース誘導体、メタクリレートまたはアクリレート等)、シュガーコーティング、セラックコーティング、カラーコーティング、ワックスコーティング、または他の種類のコーティングなどの、用量単位の物理的形態を修正する様々な他の材料を含みうる。
【0034】
本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、一つ以上の薬学上許容可能な賦形剤とを有し、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が単位投与量形態の総重量の55%以上を占める医薬組成物を提供する。この実施形態の単位投与量形態は、経口投与に適する(たとえば錠剤)。この実施形態のいくつかの態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸は、単位投与量形態の総重量の57%以上、60%以上、または63%以上である。この実施形態のいくつかの態様においては、単位投与量形態は、約200mg、200mg以上、300mg、300mg以上、400mg、400mg以上、800mg、または800mg以上の、遊離酸の形態の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する。(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸は、遊離酸の形態、または遊離酸からの塩の形態で製剤中に存在しうる(特に明記しない限り、比率および重量は全て遊離酸に関して与えられ、塩形態の重量および比率は、遊離酸と等モル当量を有するものとして計算される)。この実施形態の一つの特定の態様においては、錠剤の製剤中に、約400mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の遊離酸が存在し、錠剤の総重量の65%〜68%を占める。
【0035】
本発明は、55重量%〜90重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、10重量%〜45重量%の不活性医薬品成分とを有する、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の医薬組成物を提供する。製剤は、経口投与に適した単位投与量形態でありうる(たとえば錠剤)。本発明の一態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の製剤は、55重量%〜85重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、15重量%〜45重量%の不活性医薬品成分とを有する。本発明の別の態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の製剤は、55重量%〜75重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、25重量%〜45重量%の不活性医薬品成分とを有する。別の態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の製剤は、60重量%〜70重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、30重量%〜40重量%の不活性医薬品成分とを有する。この実施形態の一つの特定の態様によれば、製剤は、55重量%〜90重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、1重量%〜20重量%のラクトース(無水ラクトースに基づいて計算)と、1重量%〜20重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、5重量%〜45重量%の微結晶性セルロースと、必要に応じて選択される成分とを有する。
【0036】
(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む本発明の医薬組成物は通常、単位投与量形態の総重量の55%以上を(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸として有し、残りの重量が、一つ以上の薬学上許容可能な賦形剤からなる。本発明の製剤および単位投与量形態に用いられる賦形剤には、崩壊剤、結合剤、希釈剤、流動促進剤、および滑沢剤、ならびに任意の必要に応じて選択される成分から選択される、一つ以上の賦形剤が含まれる。したがって本発明の一態様においては、単位投与量形態は、崩壊剤である賦形剤を有する(たとえば、微結晶性セルロースおよび/またはクロスカルメロース)。医薬組成物中の崩壊剤の量は、単位投与量形態の総重量の45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、または25%未満でありうる。本発明の別の態様では、単位投与量形態は、結合剤である賦形剤を有する(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)。医薬組成物中の結合剤の量は、単位投与量形態の総重量の20%以下、15%以下、10%以下、または8%未満でありうる。本発明のさらに別の態様においては、単位投与量形態は、ラクトース等の希釈剤である賦形剤を有する。医薬組成物中の希釈剤の量は、単位投与量形態の総重量の20%以下、17%以下、15%以下、または12%未満でありうる。本発明のさらに別の態様においては、単位投与量形態は、コロイド状二酸化ケイ素等の流動促進剤である賦形剤を有する。医薬組成物中の流動促進剤の量は、単位投与量形態の総重量の7%以下、5%以下、3%以下、または2%未満でありうる。本発明の別の態様では、単位投与量形態は、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤である賦形剤を有する。医薬組成物中の滑沢剤の量は、単位投与量形態の総重量の10%以下、5%以下、3%以下、または2%未満でありうる。本発明の別の態様では、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と一つ以上の賦形剤とを含む単位投与量形態が、コーティングされる。本発明の一態様においては、コーティング(たとえばOpadry Pink)の重量は、単位投与量形態の総重量の0.1%〜10%である。一態様では、コーティングの重量は、単位投与量形態の総重量の0.1%〜8%である。本実施形態の別の態様においては、コーティングの重量は、単位投与量形態の総重量の0.1%〜5%である。
【0037】
本発明は、長さが0.82インチ以下、0.80インチ以下、0.77インチ以下、0.72インチ以下、または0.70インチ以下であり、320〜480mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する単位投与量形態も提供する。この実施形態の製剤は、経口投与に適した単位投与量形態でありうる(たとえば錠剤)。本実施形態の一態様においては、単位投与量形態の幅は、0.41インチ以下、0.40インチ以下、0.38インチ以下、または0.35インチ以下である。本発明のいくつかの態様においては、単位投与量形態の合計容量は、0.70cm未満、0.65cm未満、0.60cm未満、0.55cm未満、0.50cm未満、または0.45cm未満である。
【0038】
さらに、本発明は、図1および2に示されるものの一つ以上と実質的に同様の溶解プロフィールを生じる、55%重量以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する単位投与量形態を提供する。この実施形態の単位投与量形態は、経口投与に適する。溶解プロフィールの比較のために、実施例3に開示される方法が使用されうる。この実施形態の一態様においては、単位投与量形態は、約400mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有し、図2に示される製剤1のものと実質的に同様の溶解プロフィールを有する。
【0039】
本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の崩壊剤、一つ以上の結合剤、一つ以上の希釈剤、および必要に応じて選択される成分を有する製剤も提供する。この実施形態の一態様においては、55重量%〜90重量%の量の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、5重量%〜45重量%の崩壊剤、1重量%〜20重量%の結合剤、1重量%〜20重量%の希釈剤、および任意の選択される成分が存在する。この実施形態の単位投与量形態は、経口投与に適する。
【0040】
本発明の一態様によれば、製剤は、55重量%〜90重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、1重量%〜20重量%のラクトース、1重量%〜20重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、5重量%〜45重量%の微結晶性セルロース、および必要に応じて選択される成分を有する。本実施形態の別の態様によれば、製剤は、55重量%〜85重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、3重量%〜17重量%のラクトース、1重量%〜15重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、5重量%〜25重量%の微結晶性セルロース、および必要に応じて選択される成分を有する。本実施形態のさらに別の態様によれば、製剤は、55重量%〜80重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、5重量%〜15重量%のラクトース、2重量%〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、10重量%〜20重量%の微結晶性セルロース、および必要に応じて選択される成分を有する。本実施形態の別の態様によれば、製剤は、60重量%〜70重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、8重量%〜12重量%のラクトース、5重量%〜8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、12重量%〜16重量%の微結晶性セルロース、および必要に応じて選択される成分を有する。
【0041】
本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、ラクトース、コロイド状二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを有する、経口で使用できる組成物をさらに提供する。この実施形態の特定の態様によれば、製剤は、55重量%〜90重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、1重量%〜20重量%のラクトース、0.1重量%〜7重量%のコロイド状二酸化ケイ素、1重量%〜20重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、5重量%〜45重量%の微結晶性セルロース、0.1重量%〜10重量%のクロスカルメロースナトリウム、0.1重量%〜10重量%のステアリン酸マグネシウム、および必要に応じて選択される成分を有する。この実施形態のより特定の態様によれば、製剤は、55重量%〜85重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、3重量%〜17重量%のラクトース、0.1重量%〜5重量%のコロイド状二酸化ケイ素、1重量%〜15重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、5重量%〜25重量%の微結晶性セルロース、0.1重量%〜5重量%のクロスカルメロースナトリウム、0.1重量%〜5重量%のステアリン酸マグネシウム、および必要に応じて選択される成分を有する。この実施形態のさらに特定の態様においては、製剤は、55重量%〜80重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、5重量%〜15重量%のラクトース、0.1重量%〜3重量%のコロイド状二酸化ケイ素、2重量%〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、10重量%〜20重量%の微結晶性セルロース、0.1重量%〜3重量%のクロスカルメロースナトリウム、0.1重量%〜3重量%のステアリン酸マグネシウム、および必要に応じて選択される成分を有する。この実施形態の別の特定の態様によれば、製剤は、60重量%〜70重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、8重量%〜12重量%のラクトース、0.5重量%〜2重量%のコロイド状二酸化ケイ素、5重量%〜8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、12重量%〜16重量%の微結晶性セルロース、0.2重量%〜2重量%のクロスカルメロースナトリウム、0.2重量%〜2重量%のステアリン酸マグネシウム、および必要に応じて選択される成分を有する。
【0042】
一実施形態においては、本発明は、55重量%以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有し、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸がフルルビプロフェンから得られる、単位投与量形態を提供する。この実施形態の一態様においては、フルルビプロフェンは、4−ブロモ−2−フルオロビフェニルから調製される。本実施形態の別の態様においては、単位投与量形態中の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸は、ラセミ化合物からのキラル再結晶化によって得られる。
【0043】
本発明は、図3に示されるものと実質的に生物学的に同等の薬物動態学的プロフィールを生じ、55%重量以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の単位投与量形態にも関する。本明細書で使用されるところの、実質的に生物学的に同等とは、Cmax(最大血漿中濃度)およびAUC(曲線下面積;薬剤曝露)パラメータが、参照パラメータの80%〜125%以内であることを指す。この実施形態の単位投与量形態は、経口投与に適する(たとえば錠剤)。この実施形態のいくつかの態様においては、単位投与量形態は、コートされた錠剤である。
【0044】
一実施形態においては、絶食した対象に、本発明の製剤の一用量(たとえば、それぞれ400mgのAPIを有する錠剤を二錠)を経口投与すると、約25〜200μg/mL/用量、好ましくは25〜150μg/mL/用量、より好ましくは30〜95μg/mL/用量のCmaxが得られる。本発明のいくつかの態様においては、絶食した対象に、本発明の製剤の一用量を経口投与すると、25μg/mL/用量、30μg/mL/用量、35μg/mL/用量、40μg/mL/用量、45μg/mL/用量、50μg/mL/用量、55μg/mL/用量、または60μg/mL/用量を上回るCmaxが得られる。絶食した対象に、本発明の組成物の一用量を投与すると、約200時間・μg/mL〜約600時間・μg/mLのAUCが得られる(濃度対時間の曲線下面積;薬剤総曝露量)。当業者には当然のことながら、薬物動態学的パラメータは対象(薬剤を摂取する患者)によって大きく変化する可能性があり、これらの値は一個体からではなく、一群の対象から得られたパラメータを代表するものである。これらの薬物動態学的パラメータを得る方法の説明については、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20050042284号(2004年7月12日に出願の、Zavitz等に対する米国特許出願第10/889971号)を参照せよ。
【0045】
本発明の製剤には、(S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、実質的に含まれないのが好ましい。一態様では、医薬組成物中に、2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸(S+R)全体のうち、少なくとも90重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸に対して、10重量%以下の(S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が含まれる。別の態様では、医薬組成物中に、2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸(S+R)全体のうち、少なくとも95重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸に対して、5重量%以下の(S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が含まれる。さらに別の態様では、医薬組成物中に、2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸(S+R)全体のうち、少なくとも99重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸に対して、1重量%以下の(S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が含まれる。さらに別の態様では、医薬組成物中に、2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸(S+R)全体のうち、少なくとも99.9重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸に対して、0.1重量%以下の(S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が含まれる。一態様では、単位投与量形態は錠剤である。別の態様では、単位投与量形態はカプセルである。
【0046】
本発明の一つの特定の実施形態においては、約380mg〜420mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、約50mg〜70mgのラクトース、約3mg〜7mgのコロイド状二酸化ケイ素、約30mg〜50mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、約70mg〜105mgの微結晶性セルロース、約1mg〜5mgのクロスカルメロースナトリウム、約4mg〜8mgのステアリン酸マグネシウム、および必要に応じて選択される成分を有する、単位投与量形態の錠剤が提供される。この実施形態の、より特定の態様によれば、製剤は、約385mg〜415mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、約55mg〜65mgのラクトース、約3.5mg〜6.5mgのコロイド状二酸化ケイ素、約32mg〜48mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、約75mg〜100mgの微結晶性セルロース、約1.5mg〜4.5mgのクロスカルメロースナトリウム、約4.5mg〜7.5mgのステアリン酸マグネシウム、および必要に応じて選択される成分を有する。この実施形態の、さらに特定の態様によれば、製剤は、約390mg〜410mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、約56mg〜64mgのラクトース、約4.0mg〜6.5mgのコロイド状二酸化ケイ素、約34mg〜46mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、約80mg〜95mgの微結晶性セルロース、約2.0mg〜4.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約5.0mg〜7.0mgのステアリン酸マグネシウム、および必要に応じて選択される成分を有する。この実施形態の、さらに特定の態様では、製剤は、約395mg〜405mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、約56mg〜64mgのラクトース、約4.0mg〜6.0mgのコロイド状二酸化ケイ素、約34mg〜46mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、約82mg〜93mgの微結晶性セルロース、約2.0mg〜4.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約5.0mg〜7.0mgのステアリン酸マグネシウム、および必要に応じて選択される成分を有する。
【0047】
定義
本明細書で使用されるところの、「(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸」という用語は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の遊離酸の形態、およびモル当量の様々な塩の形態で、(S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を実質的に含まないものをさす。「(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸」という用語が本明細書で使用される場合には、その薬学上許容可能な塩類も含むと解釈しなければならない。薬学上許容可能な塩類の特定の量および範囲に関しては、遊離酸と等モル量であると解釈されるものとする。つまり、製剤において薬学上許容可能な塩が使用される場合には、特定の実施形態で特定される、遊離酸の形態と同じモル量が提供されなければならない。
【0048】
本明細書で使用されるところの、「用量」または「投与量」という用語は、個体が一度に摂取し、または投与される活性医薬品成分の量を指す。たとえば、一日二回の投与計画の場合の、800mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸用量とは、たとえば、個体が朝に800mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を摂取し、夜に800mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を摂取するような状況を指す。800mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸用量は、たとえば二錠の400mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸錠剤、または二つの400mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸カプセルなど、二つ以上の投与量単位に分けることができる。本明細書で使用されるところの、「単位投与量形態」という用語は、ヒト患者の単位投与量として適切な、カプセルまたは錠剤等の、物理的に不連続的な単位をさす。各単位には、本発明により、望ましい治療効果をもたらす望ましい薬物動態学的プロフィールを生み出すことが発見された、所定量の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が含まれる。
【0049】
本明細書で使用されるところの、「実質的同様の溶解プロフィール」という表現は、実施例3に記載される手順に従って、特定の時点において試験したときに、指示されたAPIの放出量の±50、40、30、20、10、または5%以内の放出量が得られるものをいう。
【0050】
単位投与量形態を調製する方法
一般に、錠剤調製には、(1)湿式造粒法、(2)乾式造粒法、および(3)直接圧縮という三つの一般的な方法がある。これらの方法は、当業者に周知である。Remington´s Pharmaceutical Sciences,第16および18版、Mack Publishing Co.,ペンシルベニア州イーストン(1980年および1990年)を参照せよ。U.S.Pharmacopeia XXI,U.S.Pharmacopeial Convention,Inc.,メリーランド州ロックビル(1985年)も参照せよ。
【0051】
一実施形態においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の錠剤は、薬剤物質の大粒子のサイズを縮小するためのプレブレンディングおよびプレ粉砕を取り入れた、高剪断湿式造粒法を使用して製造されうる。造粒したら、材料を乾燥させ、粉砕し、再びブレンドしうる。最終的な粉末ブレンドは、高速回転式プレス機で錠剤に圧縮され、得られた錠剤は有孔パンでコーティングされうる。
【0052】
活性医薬品成分と、植物油またはポリエチレングリコール等の、非水系の、水混和性の材料との混合物を含む、ソフトゼラチンカプセルが調製されうる。硬質ゼラチンカプセルは、たとえばラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモ澱粉、コーンスターチ、アミロペクチン、セルロース誘導体、またはゼラチン等の、固体の粉状の担体とともに、活性医薬品成分の顆粒を含みうる。
【0053】
錠剤は、通常はモルディング、圧縮、または一般に認められた錠剤形成方法によって作られる。したがって、成形錠剤は小規模な工程を伴うことが多い一方で、圧縮錠剤は通常大規模な生産方法によって調製される。
【0054】
経口用錠剤は、通常は以下の方法で調製されるが、他の技術が使用されてもよい。固体の材料を挽き、またはふるいにかけて望ましい粒径にし、結合剤を均質化して適切な溶媒に懸濁させる。活性医薬品成分と助剤を、結合剤の溶液と混合する。得られた混合物を湿潤させて、均一の懸濁液を形成する。通常は、湿潤によって粒子がわずかに凝集し、得られた塊が、望ましいサイズのステンレススチールのふるいで緩やかに圧搾される。その後、混合物の層を、制御された乾燥ユニットにおいて所定時間乾燥させて、望ましい粒径および粘稠度を得る。乾燥させた混合物の顆粒を緩やかにふるい、粉末を除去する。この混合物に、崩壊剤、減摩剤、および粘着防止剤が加えられる。最後に、適切なパンチとダイスを有する機械を使用して、混合物を錠剤に圧縮し、望ましい錠剤のサイズを得る。装置の作動パラメータは、熟練者によって選択されればよい。
【0055】
本発明にしたがって、様々な錠剤の製剤を作ることができる。これらには、たとえば、シュガーコーティング錠剤、フィルムコーティング錠剤、腸溶コーティング錠剤、多層圧縮錠剤、持効性錠剤などの錠剤の投与量形態が含まれる。シュガーコーティング錠剤(SCT)は、シュガーコーティングを含む圧縮錠剤である。このようなコーティングは、着色でき、嫌な味または香りを有する薬剤物質をカバーし、酸化しやすい材料を保護する上で有益である。フィルムコーティング錠剤(FCT)は、水溶性材料の薄層または膜で覆われた圧縮錠剤である。被膜形成能を有する、多くの高分子物質を使用できる。フィルムコーティングは、シュガーコーティングと同じ一般的特徴をもたらすのに加え、コーティング工程に必要な時間を大幅に短縮できるという利点も有する。腸溶コーティング錠剤も、本発明の用途に適切である。腸溶コーティング錠剤(ECT)は、胃液中での溶解に抵抗するが、腸内で崩壊する物質によりコーティングされる圧縮錠剤である。腸溶コーティングは、胃で不活性化または破壊される薬剤物質を含む錠剤や、粘膜を刺激する錠剤に使用でき、または薬の遅延放出の手段として使用できる。
【0056】
多層圧縮錠剤(MCT)は、層錠剤または圧縮コーティング錠剤などの、一つ以上の圧縮サイクルにより作られる圧縮錠剤である。層錠剤は、先に圧縮された顆粒の上から、さらに錠剤の顆粒を圧縮することにより調製される。工程を繰り返して、二層、三層以上の多層錠剤を生産できる。通常は、層錠剤を作るためには、特別な錠剤プレス機が必要である。たとえば、参照により全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第5,213,738号を参照せよ。
【0057】
圧縮コーティング錠剤は、別の形の多層圧縮錠剤である。ドライコーティング錠剤とも呼ばれるこのような錠剤は、先に圧縮した錠剤を錠剤機に供給し、予め形成された錠剤のまわりに別の顆粒層を圧縮することにより調製される。これらの錠剤は、核錠内の薬剤物質の味をカバーするシュガーコーティング錠剤の特質を維持しながら、圧縮錠剤の全ての利点、すなわちスロッティング、モノグラミング、崩壊の速度等を有する。配合禁忌の薬剤物質を分離するために、圧縮コーティング錠剤を使用することもできる。さらに、核錠に腸溶コーティングを提供するために使用することもできる。たとえば本発明の持効性の投与量形態の設計においては、いずれの種類の錠剤(すなわち、層錠剤および圧縮コーティング錠剤)も使用できる。
【0058】
実用においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸は、従来の医薬配合技術により、活性医薬品成分として、薬学上許容可能な担体との混和物に混合されうる。経口投与量形態の組成物を調製する際には、通常の医薬媒体または賦形剤のいずれかが使用されればよい。これらには、懸濁液、エリキシルおよび溶液などの経口液体製剤の場合には、水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、保存剤、着色剤等;またはエアゾール;または、粉末、カプセル、カプレットおよび錠剤などの経口固形製剤の場合には、澱粉類、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の賦形剤が含まれる。一般に、固体の経口製剤が、液体の経口製剤よりも好ましい。錠剤およびカプセルは投与しやすいため、最も好都合な経口投与量単位形態であり、この場合には当然、固体の薬学上許容可能な賦形剤が使用される。必要に応じて、錠剤は、標準的な水性または非水性技術でコーティングされうる。
【0059】
(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、またはその薬学上許容可能な塩類、溶媒和化合物、またはクラスレートを含む組成物を安定させるために、医薬品安定剤が使用されうる。許容可能な安定剤には、L−システイン塩酸塩、グリシン塩酸塩、リンゴ酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、クエン酸、酒石酸、およびL−シスチン二塩化水素化物が挙げられるが、これに限られない。参照によりいずれも本明細書に組み込まれる、米国特許第5,731,000号、5,763,493号、5,541,231号、および5,358,970号を参照せよ。
【0060】
一般には、活性医薬品成分を、液体の薬学上許容可能な担体または微粉固体の薬学上許容可能な担体と、またはその両方と、均一かつ均質に混合し、その後、必要に応じて生成物を望ましい形に成形することにより、組成物を調製する。たとえば、必要に応じて一つ以上の副成分とともに圧縮または成形することにより、錠剤が調製されうる。結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、崩壊剤、および/または界面活性剤または分散剤と必要に応じて混合された、粉末または顆粒等の易流動性の形態の活性医薬品成分を、適切な機械で圧縮することによって、圧縮錠剤が調製されうる。不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末状化合物の混合物を、適切な機械で成形することによって、成形錠剤が作られうる。
【0061】
本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有効成分として有する、薬剤含有率の高い製剤の調製に関する。発明者らは、200mg以上のAPI、優れた力学的性質、および治療上望ましい薬物動態学的プロフィール(および溶解プロフィール)を有する、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の単位投与量形態の生産を可能とする、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の製剤を発見した。本発明の製剤は、55%(重量で)以上の活性成分を有する錠剤の製造も可能とする。特に、本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む単位投与量形態の調製に有用な、プロセスおよび組成物に関する。
【0062】
本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を活性医薬品成分として有する単位投与量形態の調製に有用な、組成物および方法を提供する。本発明の一実施形態によれば、組成物は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、および一つ以上の流動促進剤を成分として有する、ブレンド前組成物である。この実施形態のいくつかの態様においては、ブレンド前組成物中に、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、ブレンド前組成物の総重量の50〜95%、60〜95%、または70〜95%の量で存在する。この実施形態のいくつかの態様においては、ブレンド前組成物は、ブレンド前組成物の総重量の1〜30%、3〜25%、または5〜20%の量で存在する一つ以上の希釈剤を有する。この実施形態のいくつかの態様においては、ブレンド前組成物は、ブレンド前組成物の総重量の0.01〜5%、0.1〜5%、または0.1〜3%の量で存在する一つ以上の流動促進剤を有する。この実施形態のいくつかの態様においては、選択される成分が、ブレンド前組成物の総重量の0〜20%、1〜20%、または1〜10%の量で存在する。本実施形態の方法には、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の流動促進剤、および任意の選択される成分を、ブレンダ内に入れるステップと、続いて、実質的に均一の混合物を提供するために十分な時間ブレンドするステップが含まれる。その後、ブレンドされた粉砕前組成物を、プロセスの次のステップである、粉砕で使用しうる。これに応じてその後、粉砕前組成物は、粉砕前組成物の粒径を縮小するために十分なふるいにより粉砕される。その後、粉砕された組成物を用いて、湿式顆粒を形成しうる。
【0063】
本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の流動促進剤、一つ以上の結合剤、一つ以上の湿潤剤、および必要に応じて一つ以上の追加成分を有する湿式造粒組成物を提供する。さらに、一実施形態においては、本発明は、湿式造粒組成物の湿式造粒の方法も提供する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、湿式造粒組成物の総重量の40〜95%、45〜95%、または50〜90%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、一つ以上の希釈剤が、湿式造粒組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または5〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、一つ以上の流動促進剤が、湿式造粒組成物の総重量の0.01〜10%、0.01〜5%または0.1〜5%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、一つ以上の結合剤が、湿式造粒組成物の総重量の1〜30%、1〜20%または1〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、湿式造粒組成物中には、一つ以上の湿潤剤が、湿式造粒組成物の総重量の1〜40%、1〜25%、または5〜25%の量で含まれる。この実施形態のいくつかの態様においては、湿式造粒組成物の総重量の0〜20%、1〜20%、または1〜10%の量で、一つ以上の選択される成分が存在する。この実施形態によれば、一つ以上の結合剤、粉砕された組成物、および任意の選択される成分が造粒機に入れられ、十分な時間ドライブレンドされ、続いて、湿潤剤とともに十分な時間造粒される。その後、湿式顆粒を、ふるいにより粉砕する。その後、湿式顆粒を、湿潤剤を除去するために適切な方法により乾燥させ、乾燥顆粒を得る。
【0064】
別の実施形態では、本発明は、乾燥顆粒成分および一つ以上の崩壊剤を有する、錠剤成形前組成物を提供する。したがって、本実施形態は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の結合剤、一つ以上の流動促進剤、一つ以上の崩壊剤、および必要に応じて一つ以上の選択される成分を有する錠剤成形前組成物と、錠剤成形前組成物を調製する方法を提供する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、顆粒内組成物の総重量の50〜95%、55〜90%、または55〜85%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の希釈剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または5〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の流動促進剤が、錠剤成形前組成物の総重量の0.01〜10%、0.01〜5%、または0.1〜5%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の結合剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または1〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の崩壊剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜40%、5〜25%、または5〜20%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中には、一つ以上の選択される成分が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜20%、1〜25%、または5〜25%の量で存在する。
【0065】
この実施形態の方法によれば、錠剤成形前組成物は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の結合剤、一つ以上の流動促進剤、および任意の選択される成分を、ブレンダ内で十分な時間ブレンドし、続いて、得られたブレンド物を適切なメスサイズのふるいをとおして粉砕して、APIを含む粒子の粒径を縮小することにより作られる。その後、粉砕された組成物は、一つ以上の崩壊剤および任意の選択される成分とともに、高剪断造粒機に配置または放出され、これらの成分が十分な時間ドライブレンドされて、均一の混合物が提供される。次に、ドライブレンドされた材料は、精製水(材料の乾燥重量の5〜30%、または材料の乾燥重量10〜22%、または材料の乾燥重量の5〜25%)で十分な時間造粒されて、湿式顆粒が生産される。次に、湿式顆粒は、適切なサイズのふるいで粉砕され、続いて、粉砕された湿式顆粒が乾燥させられる。最後に、乾燥した粉砕された湿式顆粒が、適切なサイズのふるいをとおして粉砕され、乾式顆粒(錠剤成形前組成物)が生産される。
【0066】
別の実施形態においては、本発明は、錠剤成形前組成物と一つ以上の滑沢剤とを有する、錠剤成形組成物を調製する方法を提供する。したがってこの実施形態は、APIとしての(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の結合剤、一つ以上の流動促進剤、一つ以上の崩壊剤、および一つ以上の滑沢剤を有する製剤と、このような組成物を調製する方法に関する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中に、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、錠剤成形前組成物の総重量の50〜95%、55〜90%、または55〜85%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中に、一つ以上の希釈剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または5〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中に、一つ以上の結合剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜30%、1〜20%、または1〜15%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中に、一つ以上の流動促進剤が、錠剤成形前組成物の総重量の0.01〜10%、0.01〜5%、または0.1〜5%の量で存在する。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中に、一つ以上の崩壊剤が、錠剤成形前組成物の総重量の1〜40%、5〜25%、または5〜20%の量で存在する。滑沢剤は、錠剤への圧迫を最小限に抑えて、錠剤をダイから完全に押出しうるのに十分な量で含まれる。この実施形態の一態様においては、錠剤成形前組成物中に、一つ以上の滑沢剤が、錠剤成形前組成物の総重量の0.01〜10%、0.1〜10%、または0.1〜5%の量で存在する。この実施形態の方法によれば、一つ以上の滑沢剤を、他の成分(たとえば第四実施形態のもの)とともに拡散ブレンダに入れられ、均一の混合物を得るのに十分な時間ブレンドすることにより、組成物が調製される。その後、本実施形態に従って調製された組成物を、適切なプレス機により錠剤に圧縮しうる。組成物は、十分に圧縮されて、コーティングされたときに図1および図2に示されるものの一つ以上と同様の即時解放溶解プロフィールを生じる錠剤が生産される。
【0067】
別の実施形態においては、本発明は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸をAPIとして有する、コートされた錠剤を調製することに関する。錠剤(すなわち第四実施形態に従って調製されるもの)は、単位投与量形態のコートされた錠剤の即時解放溶解プロフィールを生じるのに、および/または単位投与量形態を十分に安定させるのに十分なコーティングで被覆される。この実施形態によれば、適切なコーティング薬剤および水により、フィルムコーティング懸濁液が調製される。その後、フィルムコーティング懸濁液を用いて、たとえば有孔コーティングパンで錠剤をコーティングして、コートされた錠剤を産生しうる。この実施形態のいくつかの態様においては、コーティングは、錠剤の総重量の0.1〜15%、0.1〜10%、または1〜7%をなす。
【0068】
別の実施形態においては、本発明は、図1および2に示される溶解プロフィールの一つ以上と同様の溶解プロフィール、および/または、図3に示されるものの一つ以上と生物学的に同等の薬物動態学的プロフィールを生じる、本発明の方法に従って生産される、単位投与量形態の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸錠剤を提供する。
【0069】
特定の実施形態においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸錠剤は、薬剤物質中の大粒子のサイズを縮小するためのプレブレンディングおよびプレ粉砕を取り入れた、高剪断造粒法を使用して製造されうる。造粒したら、材料を乾燥させ、粉砕し、再びブレンドした。最終的な粉末ブレンドを、高速回転式プレス機で錠剤に圧縮し、得られた錠剤を、有孔パンでコーティングした。大量のコートされた錠剤は、臨床用に梱包される前に、輸送用にバルク梱包された。
【0070】
上記の実施形態のいくつかの態様においては、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、無水ラクトース等の一つ以上の結合剤、およびコロイド状二酸化ケイ素等の一つ以上の流動促進剤とプレブレンドおよびプレ粉砕される、高剪断造粒プロセスを用いて、本発明の単位投与量形態を製造しうる。ドラムブレンダ内でプレブレンドを加工し、続いて、高剪断造粒の前に粉砕して、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸のプレブレンドの大粒子のメジアン粒子径を減少させうる。造粒されたら、プレブレンドを乾燥させ、粉砕し、ブレンドし、高速回転式プレス機で圧縮し、有孔パンでコーティングしうる。
【0071】
一態様では、本発明は、
(a)高剪断造粒機に、ラクトース、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の薬剤物質、コロイド状二酸化ケイ素、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを入れるステップと、
(b)高剪断造粒機内で、ラクトース、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の薬剤物質、コロイド状二酸化ケイ素、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースをブレンド(たとえばドライブレンド)するステップと、
(c)精製水を用いて材料を造粒するステップと、
(d)適切なサイズのふるいにより、湿式顆粒を粉砕するステップと、
(e)粉砕された顆粒を乾燥させるステップと、
(f)適切なサイズのふるいにより、乾燥させた顆粒を粉砕するステップと、
(g)拡散ブレンダに、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびコロイド状二酸化ケイ素とともに乾燥させた顆粒を入れて、材料を適切な時間ブレンドするステップと、
(h)拡散ブレンダに、ステアリン酸マグネシウムを入れて、適切な時間ブレンドするステップと、
(i)高速回転式プレス機でブレンド粉末を圧縮するステップと、
(j)錠剤をフィルムコートするステップ
を含む、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を活性医薬品成分として有する、単位投与量形態の錠剤の製造方法を提供する。
【0072】
不活性医薬品成分
本発明の製剤および単位投与量形態は、多様な成分を有しうる。単位投与量形態は、投与量に応じて、目標集団において治療効果を達成するのに十分な量の活性医薬品成分(API)を含む。さらに、APIの治療効果のある放出を達成するためには、「不活性医薬品成分」が存在する必要がある。したがって、不活性成分の量および種類が、治療薬の治療効果のある放出の達成を助ける。本発明の一態様においては、以下の不活性成分を有する単位投与量形態の錠剤が提供される。投与後の錠剤の分裂(崩壊)を促進するのに十分な量の一つ以上の崩壊剤(たとえば、即時放出溶解プロフィールを提供)、望ましいサイズ/硬度の顆粒を調製することにより、錠剤に適切な凝集性を与え、および/または適切な易流動性を提供する一つ以上の結合剤、良好な圧縮特性を与えるのに十分な量の一つ以上の希釈剤、顆粒の適切な流量を提供し、および/またはダイ/パンチへの材料の粘着を防ぎ、粒子間の摩擦を減らし、および/またはダイからの排出を促進するのに十分な量の一つ以上の滑沢剤、および、必要に応じて選択される成分。
【0073】
製剤に崩壊剤を加えることにより、圧縮された固体の医薬製剤の、水性環境(たとえば患者の胃)における崩壊速度、および多くの場合に溶解速度を高めうる。崩壊剤には、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(たとえば、Ac−Di−Sol(登録商標)Primellose(登録商標)。)、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(たとえばKollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、グアーガム、ケイ酸アルミウニムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、アルファ化澱粉、アルギン酸ナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム(たとえばExplotab(登録商標))および澱粉が含まれるが、これに限定されない。
【0074】
錠剤等の投与量形態に圧縮される固形の医薬製剤には、活性医薬品成分と他の賦形剤の圧縮後の結合を助ける機能を含む、賦形剤が含まれうる。固体の医薬製剤用の結合剤には、アカシア、アルギン酸、カルボマー(たとえばカルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水素化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(たとえばKlucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(たとえばMethocel(登録商標))、ラクトース、液状グルコース、ケイ酸アルミウニムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(たとえばKollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、アルファ化澱粉、アルギン酸ナトリウムおよび澱粉が含まれるが、これに限定されない。圧縮されない固形製剤の流動性を高め、投薬の精度を高めるために、流動促進剤が加えられうる。流動促進剤として機能しうる賦形剤には、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、澱粉、タルクおよび第三リン酸カルシウムが含まれるが、これに限定されない。
【0075】
粉末状の製剤の圧縮によって、錠剤等の投与量形態が作られる場合には、製剤はパンチおよび染料から圧力を受ける。賦形剤および活性医薬品成分の中には、パンチおよび染料の表面に粘着する傾向を有するものがあり、それによって、生成物に点食等の表面のむらが生じうる。滑沢剤を製剤に加えて粘着を減じ、染料からの生成物の放出を容易にしうる。滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミチン酸グリセリン、硬化ヒマシ油、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルクおよびステアリン酸亜鉛が含まれるが、これに限定されない。
【0076】
希釈剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース、酢酸セルロース、圧縮糖、粉砂糖、デキストレート類、デキストリン、デキストロース、エチルセルロース、フルクトース、フマル酸、パルミチン酸グリセリン、水素化植物油、カオリン、ラクチトール、ラクトース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、溶媒鎖グリセリド、微結晶性セルロース、ポリデキストロース、ポリメチルアクリレート、シメチコン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、澱粉、予め糊化された澱粉、滅菌トウモロコシ、スクロース、糖球、タルク、トラガカント、トレハロース、およびキシリトールが含まれるが、これに限定されない。
【0077】
崩壊剤の例には、アルギン酸、リン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、キトサン、クロスポビドン、ドキュセートナトリウム、グアーガム、ヒドロキシルプロピルセルロース、ケイ酸アルミウニムマグネシウム、メチルセルロース、ポイドン、アルギン酸ナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉、および予め糊化された澱粉が含まれるが、これに限定されない。
【0078】
結合剤(結着剤)の例には、アカシア、アルギン酸、カルボマー類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラゲナン、酢酸フタル酸セルロース、セラトニア、キトサン、粉砂糖、綿実油、デキストレート類、デキストリン、デキストロース、エチルセルロース、ゼラチン、ブドウ糖、ベヘン酸グリセリル、グアーガム、水素化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒプロメロース、ケイ酸アルミウニムマグネシウム、マルトデキストリン、マルトデキストリン、マルトース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポロクサマー、ポリデキストロース、ポリ酸化エチレン、ポリメチルアクリレート類、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、澱粉、予め糊化された澱粉、ステアリン酸、スクロース、ひまわり油、およびゼインが含まれるが、これに限定されない。
【0079】
滑沢剤の例には、ステアリン酸カルシウム、グリセリンモノステアリン酸エステル、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリン、硬化ヒマシ油、水素化植物油、軽油、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、中鎖脂肪酸、鉱油、ポロクサマー、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、およびステアリン酸亜鉛が含まれるが、これに限定されない。
【0080】
流動促進剤(glidant)の例には、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、粉末にされるセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、澱粉、およびタルクが含まれるが、これに限定されない。
【0081】
適切な薬学上許容可能な塩類APIの例には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛が含まれるが、これに限定されない。さらに、有機塩類も使用でき、リシン、N,N´−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、プロカインおよびトリスの塩類が含まれるが、これに限定されない。
【0082】
本発明の製剤中の、選択される成分には、香味料、着色剤および安定剤が含まれるが、これに限定されない。
【0083】
矯味矯臭剤および矯味矯臭増強剤によって、患者にとっての投与量形態の味が良くなる。本発明の製剤に含みうる、医薬品の一般的な矯味矯臭剤および矯味矯臭増強剤には、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトールおよび酒石酸が挙げられるが、これに限定されない。
【0084】
固体製剤および液体製剤は、製品および単位用量レベルの外観を改善し、および/または患者が識別しやすくするために、薬学上許容可能な任意の着色剤を用いて着色されてもよい。
【0085】
一実施形態においては、単位投与量形態の錠剤は、過度の脆砕性を避けるために、少なくとも約5kp(キロポンド)以上、約7kp以上、約9kp以上、約11kp以上、および約13kp以上の硬度を有し、後で錠剤が胃液に触れた際に水和が困難になるのを避けるために、約20kp以下、約19kp以下、約18kp以下、約17kp以下、および約16kp以下の硬度が望ましい。この実施形態のいくつかの態様においては、単位投与量形態の錠剤の硬度は、9kp〜18kp、11kp〜17kp、および13kp〜17のkpである。硬度が許容範囲内である場合には、錠剤の脆砕性は、標準的な試験において通常、約1.0%未満、好ましくは約0.8%未満、より好ましくは約0.5%未満である。当業者には当然のことながら、硬度の測定には多数の方法があるが、比較のために、本発明の単位投与量形態の錠剤の硬度を測定するために使用される方法(実施例6に説明される)が使用されなければならない。錠剤硬度の変動の原因となりうる項目としては、錠剤重量のむら、粒径の変動、粉末圧縮率の悪さ、および結合剤の濃度の不十分がある。
【0086】
単位投与量形態の錠剤が抱える一つの問題は、脆砕性が高くなりがちなことである。脆砕性は、物理的摂動に耐える錠剤の能力に関係する、固体の投与量形態の物理的パラメータである。脆砕性は、錠剤が砕けたり、欠けたり割れたりする傾向である。高い脆砕性を有する投与量形態は、急速に溶解または崩壊する。最適な単位投与量形態は、急速に溶解または崩壊し、かつ脆砕性のレベルが低いものである。本発明は、薬剤含有率の高い製剤において、この望ましい特徴の組合せを提供する。具体的には、本発明の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の投与量形態は、優れた溶解プロフィールと、望ましい脆砕性を有する。本発明の錠剤は、約1%未満の脆砕性を有し、これは、錠剤が、錠剤の脆砕性に関する米国薬局方標準(脆砕性が1%未満であることが必要とされる)を入れることを意味する。当業者には当然のことながら、錠剤の脆砕性の測定には多数の方法があるが、比較のために、本発明の単位投与量形態の脆砕性を測定するために使用される方法(実施例7に説明される)が使用されなければならない。含水率の低さ、結合剤の不十分、錠剤の形態(たとえば、シャープエッジ対ベベルエッジ)が、脆い錠剤の原因となりうる。
【0087】
いくつかの態様においては、本発明の単位投与量形態の錠剤は、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、そして、約0.4%未満の脆砕性を有する(いずれも100回転で)。
【0088】
錠剤を硬く圧縮しすぎたり、崩壊剤の濃度が不足であったり、結合剤が多すぎることが、崩壊が不十分な原因になりうる。
【0089】
本発明のいくつかの態様においては、単位投与量形態の総容量は、0.7cm未満、0.65cm未満、0.60cm未満、0.55cm未満、0.50cm未満、または0.45cm未満である。
【0090】
下記では、特に好ましい実施形態を説明した以下の実施例に照らして、本発明が示される。しかし、当然のことながら、これらの実施形態は例示であり、本発明をいかなる形でも制限するものと解釈されてはならない。
【実施例】
【0091】
実施例1:(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む錠剤製剤の成分。
【0092】
この錠剤製剤の成分が、下表1に与えられる。バッチ製剤と個々の錠剤の定量的組成が、ともに表2に与えられ、錠剤を調製する例示的な方法が実施例2で与えられる。
【0093】
【表1】

【0094】
【表2−1】

【0095】
【表2−2】

【0096】
【表3】

実施例1の単位投与量形態は、本発明の一つの好ましい単位投与量形態である。したがって、単位投与量形態は、たとえば15分で50%より多いAPIの放出、30分で60%より多いAPIの放出、45分で80%以上のAPIの放出、60分で80%以上のAPIの放出、および90分で80%以上のAPIの放出を有しうる。
【0097】
実施例2: (R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む錠剤製剤を調製するプロセス
実施例1の単位投与量形態の錠剤は、以下のプロトコルに従って製造されうる。
【0098】
製造手法は、薬剤物質の大粒子のサイズを縮小するためのプレブレンディングおよびプレ粉砕を取り入れた、高剪断湿式造粒法である。造粒された材料は、乾燥させられ、粉砕され、再びブレンドされた。最終的な粉末ブレンドは、高速回転式プレス機で錠剤に圧縮され、得られた錠剤は有孔パンでコーティングされた。製造の概要を以下に提供する:
1. ドラム式ブレンダに、無水ラクトース、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の薬剤物質、およびコロイド状二酸化ケイ素を入れる。
【0099】
2. 成分を十分な時間(たとえば5分)ブレンドし、粉砕機(たとえばComil U20または等価物)に放出する。
【0100】
3. 薬剤物質の大粒子の粒径を減少させるのに十分なサイズのふるい(たとえば0.018インチ)によって粉砕する。高剪断造粒機(たとえばフィールダーPMA300(英国、ハンプシャー、イーストレイ)または等価物)に放出する。
【0101】
4. 高剪断造粒機にヒドロキシプロピルメチルセルロースを入れて、ドライブレンドする(約3分)。
【0102】
5. 精製水を用いて材料を造粒する(たとえば、乾燥重量材料の14.5%〜18.9%;設定1で約10分間造粒する)。
【0103】
6. 湿式顆粒を、適切なサイズのふるいで粉砕する(たとえば、Comil U20または等価物;0.250インチのふるい)。
【0104】
7. 粉砕された顆粒を乾燥させる(たとえば、エアロマティックT5流動層(英国、ハンプシャー、イーストレイ)または等価物;約70℃入口、約30℃出口;乾燥減量<2.0%;約20〜25分)。
【0105】
8. 乾燥顆粒を、適切なサイズのふるいで粉砕する(たとえば、Comil U20(カナダ、オンタリオ州ワーテルロー、Quadroより市販)または等価物;0.055インチのふるい)。
【0106】
注:ステップ1〜8は、バッチサイズの調整を可能にするために、サブロットの造粒として行うことができる。
【0107】
9. 乾燥させた顆粒を、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素とともに、拡散ブレンダ(たとえばBohle PM1000または等価物)に入れる。材料を、適切な時間(たとえば6rpmで25分)ブレンドする。
【0108】
10. 拡散ブレンダにステアリン酸マグネシウムを入れる。適切な時間(たとえば6rpmで5分)ブレンドする。
【0109】
11. ブレンド粉末を、高速回転式プレス機で、600mg(錠剤総重量)のMY4と刻まれた修正されたオーバル錠に圧縮する。
【0110】
12. 12重量%の固形分で、Opadry Pinkを精製水に混合することにより、フィルムコーティング懸濁液を調製する。
【0111】
13. 錠剤を、有孔コーティングパン(たとえばLodige LHC130 Hi−Coater)で、理論的に約3%増量するように、Opadry Pinkでフィルムコートする。
【0112】
注:ステップ12〜13は、サブロットのコーティングとして行ってもよく、その場合には、ステップ14(サブロットの統合)が必要となる。
【0113】
14. 必要に応じて、サブロットを統合する。
【0114】
実施例3:溶解
(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の400mg錠剤の溶解試験は、900mLのpH7.2のリン酸カリウム緩衝液で、37℃で、75rpmの回転速度のUSP装置2(パドル)を使用して行われる。適切な時間間隔でアリコートが回収され、アイソクラチックHPLC分析によって、溶解した(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の量が測定される。HPLCシステムは、ゾルバックス5μm、SB C18、250mm×4.6mm i.d.カラムを含み、移動相はpH 3.0リン酸カリウム緩衝液:アセトニトリル(30:70)である。流量は1.0mL/分に設定され、247nmでのUV吸収によって検出が行われる。図1および図2の溶解プロフィールを得るために使用される参照錠剤の記載につき、米国特許出願公開第2005042284号を参照せよ。
【0115】
実施例4:含有量の均一性
(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸錠剤の、含有量の均一性は、逆相HPLCで測定される。メタノール中で30分間振盪することにより、10個の個々の錠剤から、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が抽出される。その後、得られた溶液のアリコートが、水:アセトニトリル(55:45)で希釈され、0.45μmのナイロンアクロディスク・シリンジフィルタでろ過される。その後、溶液は、30℃に維持されたWaters Nova−Pak C18、150×3.9mm、4μmカラムを利用する、HPLCシステムに注入される。注入容量は10μLであり、移動相は、水:アセトニトリル:氷酢酸(55:40:5)からなる。流量は1.5mL/分であり、検出は254nmでのUV吸収による。
【0116】
実施例5:崩壊速度
本発明の単位投与量形態の崩壊時間は、USP XXIV崩壊装置(米国メリーランド州ロックビル、米国薬局方委員会、米国薬局方XXIVの1941ページを参照)を使用して測定された。
【0117】
実施例6:錠剤の硬度
錠剤の硬度の測定には、Key International(オレゴン州コテージグローブ)の硬度試験機が使用された。
【0118】
実施例7:錠剤の脆砕性
本発明の単位投与量形態の脆砕性を測定するために、Vanderkamp Friabulator Tablet Tester(Vankel Industries,Inc.,ノースカロライナ州ケアリー))が使用された(Journal of American Pharmaceutical Assoc.第XLV巻,No.2(1956年2月)。
【0119】
実施例8:流量
流量の指標は、流量、供給密度と容器密度、および設定された容器パラメータに基づくスプリングバック指標を評価する、J.R.Johanson Flow Indicizer(J.R.Johanson,Inc.、カリフォルニア州サンルイスオビスポ)を使用して得た。
【0120】
実施例5:製剤
以下の製剤は、製剤を例示し、単位投与量形態は、図1および2に示される溶解プロフィールを測定するために使用されるものある。このような錠剤を調製するために使用されうるプロセスは、実施例2に開示される。
【0121】
製剤2
製剤2は、顆粒内に1.5重量%のPVP、および顆粒外に0.5重量%のAcDiSolを伴う、高剪断顆粒を有する。製剤は、以下の成分を有する:
【0122】
【表4】

【0123】
【表5】

製剤3
製剤3は、1.5重量%のPVP、および1.5重量%のAcDiSolをともに顆粒内に有し、顆粒外に5重量%のStaRx1500を伴う、高剪断顆粒を有する。製剤3は、以下の成分を有する:
【0124】
【表6】

【0125】
【表7】

製剤4
製剤4は、1.5重量%のPVP結合剤および1.5重量%のAc−Di−Sol崩壊剤を顆粒内に伴う、高剪断顆粒を有する。製剤4は、以下の成分を有する:
【0126】
【表8】

【0127】
【表9】

製剤5
製剤5は、顆粒内に1.5重量%のPVP結合剤および0重量%の崩壊剤を伴い、顆粒外に1.5重量%の予め糊化された澱粉を伴う、高剪断顆粒を有する。製剤5の成分は以下のとおりである:
【0128】
【表10】

【0129】
【表11】

製剤6
製剤6は、顆粒内に6.5重量%のHPMC、1.5重量%の崩壊剤を伴い、顆粒外に5重量%の予め糊化された澱粉を伴う、高剪断顆粒を有する。製剤6の成分は以下のとおりである:
【0130】
【表12】

【0131】
【表13】

製剤7
製剤7は、5重量%のHPMC結合剤および0重量%の崩壊剤を伴う、高剪断顆粒を有する。製剤7の成分は以下のとおりである:
【0132】
【表14】

【0133】
【表15】

製剤8
製剤8は、8重量%のHPMC結合剤および0重量%の崩壊剤を伴う、高剪断顆粒を有する。製剤8の成分は以下のとおりである:
【0134】
【表16】

【0135】
【表17】

製剤9 参照錠剤
【0136】
【表18】

明細書において言及される一切の刊行物及び特許明細書は、本発明が属する技術における熟練者のレベルを表す。全ての刊行物及び特許明細書は、個々の刊行物または特許明細書を、明確かつ個別に参照により組み込むものと示唆したのと同様に、参照により本明細書に組み込まれる。刊行物及び特許明細書への単なる言及は、必ずしも本出願に対する先行技術であることを認めるものではない。
【0137】
以上の本発明は、理解を明確にするために、例証および例示として詳細に記載されているが、当然のことながら、添付の請求の範囲で一定の変更及び修正が行われうる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】図1は、PVP結合剤を有する、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む様々な錠剤の、溶解プロフィールを示す。実験の詳細は実施例3を参照せよ。
【図2】図2は、HPMC結合剤を有する、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む様々な錠剤の、溶解プロフィールを示す。実験の詳細は実施例3を参照せよ。
【図3】図3は、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の濃度を非常に持続時間にわたり治療レベルに維持しなければならない疾患の治療に適した、PKプロフィールを表す。これらのプロフィールは、個体が絶食後に指示投与量(200mgAPI、400mgAPI、または800mgAPI)を摂取する前に、定常状態薬物濃度を達成するのに十分な時間BID投与(たとえば800_BIDは、一日二回の800mgのAPIを意味する)を受ける、という条件下で得られた。
【図4】図4は、本発明のプロセスを示す例示的な流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
55〜90重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、10〜45重量%の賦形剤とを含む単位投与量形態であって、該単位投与量形態が、200mg以上の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する、単位投与量形態。
【請求項2】
200〜800mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する、請求項1に記載の単位投与量形態。
【請求項3】
300〜500mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する、請求項1に記載の単位投与量形態。
【請求項4】
前記投与量形態の総重量が、800mg以下である、請求項3に記載の単位投与量形態。
【請求項5】
前記投与量形態の総重量が、700mg以下である、請求項3に記載の単位投与量形態。
【請求項6】
前記賦形剤が、微結晶性セルロースを含む、請求項1に記載の単位投与量形態。
【請求項7】
前記(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸が、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の遊離酸の形態である、請求項1に記載の単位投与量形態。
【請求項8】
前記投与量形態が、錠剤またはカプセルである、請求項1に記載の単位投与量形態。
【請求項9】
前記投与量形態が、錠剤である、請求項1に記載の単位投与量形態。
【請求項10】
380〜420mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、200〜260mgの賦形剤とを含む、単位投与量形態。
【請求項11】
55重量%を上回って(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸である、200〜600mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を含む、単位投与量形態。
【請求項12】
350〜450mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、300mg未満の賦形剤とを有する、請求項11に記載の単位投与量形態。
【請求項13】
絶食した対象に経口投与されると、約30〜約95μg/mlのCmaxが提供される、請求項12に記載の単位投与量形態。
【請求項14】
経口投与に適している、請求項13に記載の単位投与量形態。
【請求項15】
錠剤またはカプセルである、請求項14に記載の単位投与量形態。
【請求項16】
錠剤である、請求項15に記載の単位投与量形態。
【請求項17】
55〜80重量%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸と、約20〜45重量%の賦形剤を含み、総重量が800mg未満である、単位投与量形態。
【請求項18】
380〜420mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を有する、請求項17に記載の単位投与量形態。
【請求項19】
前記賦形剤が、微結晶性セルロースを含む、請求項17に記載の単位投与量形態。
【請求項20】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースをさらに含む、請求項19に記載の単位投与量形態。
【請求項21】
ラクトース、コロイド状二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムをさらに含む、請求項17に記載の単位投与量形態。
【請求項22】
コートされた錠剤である、請求項21に記載の単位投与量形態。
【請求項23】
約380mg〜420mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、約50mg〜70mgのラクトース、約3mg〜7mgのコロイド状二酸化ケイ素、約30mg〜50mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、約70mg〜105mgの微結晶性セルロース、約1mg〜5mgのクロスカルメロースナトリウム、約4mg〜8mgのステアリン酸マグネシウム、および所望により必要に応じて選択される成分を有する、請求項21に記載の単位投与量形態。
【請求項24】
約385mg〜415mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、約55mg〜65mgのラクトース、約3.5mg〜6.5mgのコロイド状二酸化ケイ素、約32mg〜48mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、約75mg〜100mgの微結晶性セルロース、約1.5mg〜4.5mgのクロスカルメロースナトリウム、約4.5mg〜7.5mgのステアリン酸マグネシウム、および所望により必要に応じて選択される成分を有する、請求項21に記載の単位投与量形態。
【請求項25】
約390mg〜410mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、約56mg〜64mgのラクトース、約4.0mg〜6.5mgのコロイド状二酸化ケイ素、約34mg〜46mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、約80mg〜95mgの微結晶性セルロース、約2.0mg〜4.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約5.0mg〜7.0mgのステアリン酸マグネシウム、および所望により必要に応じて選択される成分を有する、請求項21に記載の単位投与量形態。
【請求項26】
約395mg〜405mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、約56mg〜64mgのラクトース、約4.0mg〜6.0mgのコロイド状二酸化ケイ素、約34mg〜46mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、約82mg〜93mgの微結晶性セルロース、約2.0mg〜4.0mgのクロスカルメロースナトリウム、約5.0mg〜7.0mgのステアリン酸マグネシウム、および所望により必要に応じて選択される成分を有する、請求項21に記載の単位投与量形態。
【請求項27】
(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を活性医薬品成分として有する、単位投与量形態の錠剤を製造する方法であって、
(a)ドラム式ブレンダに、ラクトース、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の薬剤物質、およびコロイド状二酸化ケイ素を入れるステップと、
(b)成分を一緒にして十分な時間ブレンドし、粉砕機に放出するステップと、
(c)該薬剤物質中の大粒子の粒径を減少させるために十分なサイズのふるいで粉砕し、高剪断造粒機に放出するステップと、
(d)該高剪断造粒機にヒドロキシプロピルメチルセルロースを入れて、ドライブレンドするステップと、
(e)精製水を用いて該材料を造粒するステップと、
(f)該湿式顆粒を、適切なサイズのふるいで粉砕するステップと、
(g)該粉砕された顆粒を乾燥させるステップと、
(h)該乾燥させた顆粒を、適切なサイズのふるいで粉砕するステップと、
(i)乾燥させた顆粒を、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびコロイド状二酸化ケイ素とともに拡散ブレンダに入れて、該材料を適切な時間ブレンドするステップと、
(j)該拡散ブレンダにステアリン酸マグネシウムを入れて、適切な時間ブレンドするステップと、
(k)該ブレンド粉末を、高速回転式プレス機で圧縮するステップと、
(l)該錠剤を、フィルムコートするステップ
を含む、方法。
【請求項28】
成分として、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、および一つ以上の流動促進剤を有する、組成物。
【請求項29】
総重量の50〜95%を(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸として有し、総重量の1〜30%を存在する一つ以上の希釈剤として有し、総重量の0.01〜5%を一つ以上の流動促進剤として有する、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
総重量の60〜95%を(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸として有し、総重量の3〜25%を存在する一つ以上希釈剤として有し、総重量の0.1〜5%を一つ以上の流動促進剤として有する、請求項28に記載の組成物。
【請求項31】
総重量の70〜95%を(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸として有し、総重量の5〜20%を存在する一つ以上希釈剤として有し、総重量の0.1〜3%を一つ以上の流動促進剤として有する、請求項28に記載の組成物。
【請求項32】
(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の流動促進剤、一つ以上の結合剤、一つ以上の湿潤剤、および必要に応じて一つ以上の追加的な成分を有する、組成物。
【請求項33】
40〜95%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、1〜30%の一つ以上の希釈剤、0.01〜10%の一つ以上の流動促進剤、1〜30%の一つ以上の結合剤、1〜40%の一つ以上の湿潤剤、および0〜20%の一つ以上の必要に応じて選択される成分を有する、組成物。
【請求項34】
45〜95%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、1〜20%の一つ以上の希釈剤、0.01〜5%の一つ以上の流動促進剤、1〜20%の一つ以上の結合剤、1〜25%の一つ以上の湿潤剤、および1〜20%の一つ以上の必要に応じて選択される成分を有する、組成物。
【請求項35】
50〜90%の(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、5〜15%の一つ以上の希釈剤、0.1〜5%の一つ以上の流動促進剤、1〜15%の一つ以上の結合剤、5〜25%の一つ以上の湿潤剤、および1〜10%の一つ以上の必要に応じて選択される成分を有する、組成物。
【請求項36】
乾燥顆粒成分と一つ以上の崩壊剤とを有する組成物であり、該乾燥顆粒が、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、一つ以上の希釈剤、一つ以上の結合剤、および一つ以上の流動促進剤を有する、組成物。
【請求項37】
前記一つ以上の崩壊剤が、前記組成物の総重量の1〜40%である、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記一つ以上の崩壊剤が、前記組成物の総重量の5〜25%である、請求項36に記載の組成物。
【請求項39】
前記一つ以上の崩壊剤が、前記組成物の総重量の5〜20%である、請求項36に記載の組成物。
【請求項40】
治療を必要とする個体を特定するステップと、治療効果のある量の請求項1に記載の単位投与量形態を該個体に投与するステップとを含む、請求項1に記載の単位投与量形態を使用する方法。
【請求項41】
前記治療を必要とする個体が、神経変性障害を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記神経変性障害が、アルツハイマー病、痴呆症、軽度認知障害、パーキンソン病、ハンチントン病、およびそれらの症状から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記アルツハイマー病が、前駆期のアルツハイマー病、軽度のアルツハイマー病、軽度から中度のアルツハイマー病、中度のアルツハイマー病、中度から重度のアルツハイマー病、および重度のアルツハイマー病から選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記アルツハイマー病が、軽度のアルツハイマー病である、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記単位投与量形態が、一日二回投与される、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記単位投与量形態が、約320〜480mgの(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸、またはモル当量のその薬学上許容可能な塩を含み、前記個体に二つの単位投与量形態を一日二回投与する、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記個体が、アルツハイマー病を有するか、またはアルツハイマー病の症状の発症に対する予防を望む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記治療を必要とする個体が、癌を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項49】
前記癌が、脳の癌、肺癌、肝臓癌、脾臓癌、腎臓癌、リンパ節癌、小腸癌、膵臓癌、血球癌、結腸癌、胃癌、乳癌、子宮内膜癌、前立腺癌、精巣癌、卵巣癌、皮膚癌、および頭頚部癌、食道癌、および骨髄癌から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記癌が、前立腺癌である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸を活性医薬品成分として有する、単位投与量形態の錠剤を製造する方法であって、
(a)高剪断造粒機に、ラクトース、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の薬剤物質、コロイド状二酸化ケイ素、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを入れるステップと、
(b)該高剪断造粒機で、該ラクトース、(R)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸の薬剤物質、コロイド状二酸化ケイ素、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースをドライブレンドするステップと、
(c)精製水を用いて該材料を造粒するステップと、
(d)該湿式顆粒を、適切なサイズのふるいで粉砕するステップと、
(e)該粉砕された顆粒を乾燥させるステップと、
(f)該乾燥させた顆粒を、適切なサイズのふるいで粉砕するステップと、
(g)乾燥させた顆粒を、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびコロイド状二酸化ケイ素とともに拡散ブレンダに入れて、該材料を適切な時間ブレンドするステップと、
(h)該拡散ブレンダにステアリン酸マグネシウムを入れて、適切な時間ブレンドするステップと、
(i)該ブレンド粉末を、高速回転式プレス機で圧縮するステップと、
(j)該錠剤を、フィルムコートするステップ
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−502807(P2009−502807A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523032(P2008−523032)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/028602
【国際公開番号】WO2007/014124
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(304057634)ミリアド ジェネティクス, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】