説明

螺旋コンベヤシステム及び方法

二重螺旋の螺旋コンベヤ(42)、螺旋コンベヤの上下に物品を運搬する方法、及び、螺旋コンベヤのための駆動ドラムを組み立てる方法。二重螺旋の螺旋コンベヤ(42)は、ベルトの外縁に係合することによって螺旋ドラムの内側を上に、及び、ベルトの内縁に係合することによってドラムの外側を下に、コンベヤ上で物品を運搬する。ドラムの底部の回転ドライブがコンベヤを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して電力駆動のコンベヤに関し、及び、より具体的には、螺旋経路の上下に物品を運搬する螺旋ベルトコンベヤ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトはたいてい、例えば食料品及び他の材料などの物品を、冷却された環境又は加熱された環境を通って搬送するために使用される。小さな設置面積を有する長い搬送経路を提供するため、冷凍装置及びオーブン内で、中心タワー周りに螺旋状に延びる螺旋経路をコンベヤベルトが辿る螺旋コンベヤが使用される。回転タワー又はドラムの外側とベルトの内縁との間の摩擦接触によってコンベヤベルトが駆動される低いテンションの螺旋コンベヤがそれらの用途に従来使用されている。冷凍装置又はオーブン内における物品の滞留時間を増大させること、又は、同じ高さで物品を送り込むこと及び排出することは、一方が上昇して他方が下降する2つの螺旋経路に沿ってコンベヤベルトを前進させることによって実現され得る。しかしながら、2つの別個の螺旋コンベヤは、単一の螺旋コンベヤに比べて2倍より大きな床面積を占めてしまう。床面積を制限することが重要である場合、二重螺旋の螺旋コンベヤが使用され得る。いくつかの二重螺旋の螺旋コンベヤは、一方のドラムの外周で上昇させて他方のドラムの外周で下降させるように摩擦によってコンベヤベルトを駆動するため、異なる半径を有する2つの同心の駆動ドラムを使用する。しかしながら、これらの二重螺旋の螺旋は、中心の駆動円柱にドラムの内側を接続するための、及び、ドラムの形状を維持するために必要とされる構造的な剛性を提供するための、複雑なかご構造を有している。さらに、2つのドラムと大規模な支持構造とが、コンベヤを通る気流に干渉し、及び、冷凍装置又はオーブンの効率に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
これらの欠点は、本発明の特徴を具体化する螺旋コンベヤによって克服される。こうした螺旋コンベヤの1つのバージョンは、方向転換を切り抜けるためにその長さにおいて折り畳み可能なコンベヤベルト内に回転駆動ドラムを備えている。コンベヤベルトは、ドラムの内側との外側ベルト縁の係合による一方向の運動の垂直成分によって回転駆動ドラムの内側の内側螺旋経路に沿って駆動され、及び、回転駆動ドラムの外側との内側ベルト縁の係合による反対方向の運動の垂直成分によってドラムの外側の外側螺旋経路に沿って駆動される。
【0004】
本発明の他の態様は、単一の回転ドラムによって螺旋コンベヤを上下に搬送する方法を提供する。当該方法は、(a)回転ドラムの内側にコンベヤベルトの内縁を接触させることによる回転ドラムの内側内の内側螺旋経路に沿った回転ドラムの上又は下への第1方向の運動の垂直成分によってコンベヤベルトを駆動する工程と、(b)回転ドラムの外側にコンベヤベルトの内縁を接触させることによる回転ドラムの外側の外側螺旋経路に沿った回転ドラムの上又は下への反対の第2方向の運動の垂直成分によってコンベヤベルトを駆動する工程と、を備えている。
【0005】
本発明のこれらの特徴及び態様は、その利点とともに、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面を参照することによってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の特徴を具体化する、単一のドラム、二重螺旋の螺旋コンベヤの図である。
【図2】図1の螺旋コンベヤの上面図である。
【図3】図1の螺旋コンベヤのドラム駆動の断面を有する側面図であるものの、高い位置の排出を有している。
【図4】図1の螺旋コンベヤであるものの最も高い位置の排出を有する螺旋コンベヤの部分側面図である。
【図5】図4の螺旋コンベヤであるものの選択的に駆動された最も高い位置の排出コンベヤを有する螺旋コンベヤの上面図である。
【図6】図5の螺旋コンベヤの部分側面図である。
【図7】図1の螺旋コンベヤのための駆動ドラムの内側の一部の断面図である。
【図8】図7のドラムの内側上の内側螺旋経路を辿るコンベヤベルトの一部の上面図である。
【図9】図7のドラムとともに使用可能なコンベヤベルトであるものの異なる外側縁を有する別のバージョンの一部の上面図である。
【図10】図7の駆動ドラムとともに使用可能な外側縁ローラを有する金属製のコンベヤベルトの一部の上面図である。
【図11】図7の駆動ドラムととともに使用可能な外側縁ローラを有するコンベヤベルトの別のバージョンの上面図である。
【図12】図1の螺旋コンベヤのドラムの底部の内側の送り込み部分の部分側面図である。
【図13】図12の送り込み部分の上面図である。
【図14】回転ドライブの1つのバージョンを示す、図1の螺旋コンベヤの部分側面図である。
【図15】回転ドライブの別のバージョンを示す、図1の螺旋コンベヤの部分側面図である。
【図16】3つのモジュール部分から形成されるドラムを示す、図1の螺旋コンベヤの拡大図である。
【図17】図16の積み重ねられたドラムモジュールを相互に接続する締結システムの上面図及び側面図である。
【図18】図1の螺旋コンベヤの駆動ドラムの頂部におけるコンベヤベルトの重複部分の上面図である。
【図19】図18の重複領域のコンベヤベルトのトラックの断面である。
【図20】図18の重複領域の中間ドライブの1つのバージョンの側面図である。
【図21】図18の重複領域のコンベヤベルトとの連結切り離しスプロケットの係合を示す平面図である。
【図22】図1の螺旋コンベヤの駆動ドラムの頂部の重複領域の別のバージョンの上面図である。
【図23】図22の重複領域の中間ドライブの別のバージョンのテンション部分の側面図である。
【図24】図22の重複領域のコンベヤベルト及びそのトラックの断面である。
【図25】図22の重複領域の中間ドライブの側面図である。
【図26】図25の中間ドライブの上面図である。
【図27】図1の螺旋コンベヤの閉ループ制御のためのフィードバックを有するコントローラのブロック図である。
【図28】図1の螺旋コンベヤで使用可能なかご無し駆動ドラムの斜視図である。
【図29】円筒状に曲げられる前の図28のドラムの平面図である。
【図30】図28のドラムのための補強バンドの斜視図である。
【図31】図28のドラムの一部の水平断面である。
【図32】図28のドラムの一部の垂直断面である。
【図33】さね継ぎ構造を示す図28の2つの積み重ね可能なドラムの上縁及び下縁の拡大側面断面である。
【図34】図1の螺旋コンベヤのためのベルトテンションシステムを有する重複領域の別のバージョンの上面図である。
【図35】図34の35−35線に沿った重複領域の側面図である。
【図36】図1の螺旋コンベヤのためのスライダトレイテンションシステムを有する重複領域のさらに別のバージョンの上面図である。
【図37】送り込み及び重複スライダトレイを示す、図1の螺旋コンベヤの切断側面図である。
【図38】図37の送り込みスライダトレイの上面図である。
【図39】図8の39−39線に沿った送り込みスライダトレイの側面図である。
【図40】図37の重複スライダトレイの上面図である。
【図41】図40の41−41線に沿った重複スライダトレイの側面図である。
【図42】駆動ドラムの上下にコンベヤベルトを確実動作で駆動する、図1の螺旋コンベヤの一部の水平断面である。
【図43】駆動ドラムの内側上の駆動レールの別のバージョンを示す、図1の螺旋コンベヤの一部の水平断面である。
【図44】駆動ドラムの外側上で確実動作で駆動されるモジュール式のプラスチック製のコンベヤベルトを示す、図1の螺旋コンベヤの1つの段の一部の平面図である。
【図45】駆動ドラムの外側上で確実動作で駆動される金属製のベルトを示す、図1の螺旋コンベヤの1つの段の一部の平面図である。
【図46】駆動ドラムの内側上で確実動作で駆動される縁内のローラボールを有する金属性のベルトを示す、図1の螺旋コンベヤの1つの段の一部の平面図である。
【図47】駆動ドラムの外側上で確実動作で駆動される図46の金属製のベルトを示す、図1の螺旋コンベヤの1つの段の一部の平面図である。
【図48A】螺旋コンベヤの頂部及び底部で図42のA−A線に沿った螺旋コンベヤの拡大断面である。
【図48B】螺旋コンベヤの頂部及び底部で図42のA−A線に沿った螺旋コンベヤの拡大断面である。
【図49A】螺旋コンベヤの頂部及び底部で図42のB−B線に沿った螺旋コンベヤの拡大断面である。
【図49B】螺旋コンベヤの頂部及び底部で図42のB−B線に沿った螺旋コンベヤの拡大断面である。
【図50】螺旋コンベヤの中段における図42のC−C線に沿った螺旋コンベヤの拡大断面である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴を具体化する螺旋コンベヤの二重螺旋経路を辿るコンベヤベルトが図1及び図2に示されている。物品40が、円筒形の駆動ドラム50のすぐ内側の内側螺旋経路48のほぼ接線である送り込み経路46に沿ってコンベヤベルト44上の螺旋コンベヤ42に進入する。ドラム駆動モータM1によって回転させられるドラムが、内側螺旋経路48に沿って螺旋コンベヤの頂部まで上方にコンベヤベルトを駆動する。頂部では、コンベヤベルトは、内側螺旋経路から、ドラムの外側を螺旋状に下に延びる外側螺旋経路52に移行する。コンベヤベルトは、ドラムの回転と同一の水平方向、すなわち図1の時計回りに内側及び外側螺旋経路に沿って螺旋状に進む。しかしながら、ベルトは、図1の内側螺旋経路上で上方に一方向の運動の垂直成分によって前進し、及び、外側螺旋経路上で下方に反対の運動の垂直成分によって前進する。内側螺旋トラック上のコンベヤベルトの内縁は、ドラムの垂直回転軸線53から半径R上にある。内側ベルト縁は、外側螺旋トラック上のより大きな半径R上にある。コンベヤベルトは、内側螺旋経路48から外側螺旋経路52まで進む際に、ドラムの頂部で重複経路すなわち移行経路54を辿る。ベルトは、送り込み経路の送り込み高さ59のすぐ上方の排出高さ58で外側螺旋経路のほぼ接線の排出経路56に沿って物品を排出する。コンベヤベルトは、排出経路の遠位端でモータM2によって回転させられるヘッドプーリ又はスプロケット61によって駆動ドラムに対してテンションをかけられる。必要であればモータM3によって駆動される、又は、空転スプロケットとしてモータなしで作動される空転プーリ又はスプロケット62及びテールプーリ又はスプロケット71周りで送り込み経路46にコンベヤベルト44が戻る際に、コンベヤベルト44のたるみを除去するためにテンションプーリ又はスプロケット60が使用される。上側ドラム支持体63は、コンベヤベルトの移動と干渉せずにドラムの外側を支える。
【0008】
図3に示す二重螺旋の螺旋コンベヤでは、排出経路56’の排出高さ58’が、図1の排出経路56の高さに対して、ドラムの頂部65及び底部67の間のほぼ中ほどに上げられる。リターンプーリ又はスプロケット64が、戻り時に排出経路から送り込み経路46まで戻るコンベヤベルト44を案内する。重りの付いた又はテンションをかけられたプーリ又はスプロケット66が、戻り時にベルトのたるみを除去する。図3はまた、ドラム50を支持する外側枠組68と、ベルトが外側螺旋経路に沿って乗る外側螺旋トラック70と、駆動モータ及びプーリと、を示している。駆動ドラムの内側内に延びる内側枠組69が、コンベヤベルトが内側螺旋経路に沿って乗る内側螺旋トラック72を支持する。内側及び外側トラック部分はともに、2つの同心螺旋の螺旋トラックを構築する(コンベヤベルトが、ベルトの螺旋の次の高い段を支持するために内蔵スペーサフレームを有するスタッカベルトである場合、スペーサフレームはそれ自体が螺旋トラックを形成する)。排出高さは、排出コンベヤ支持体74の高さ又は位置を調節することによって変更されてよい。
【0009】
大きな高さの排出経路56”が図4に示されている。この例では、コンベヤベルト44は、螺旋トラックの外側螺旋部分70を通過することによってドラムの頂部で螺旋トラックを出て行く。ベルトは、ヘッド駆動プーリ又はスプロケット61まで上側空転プーリ又はスプロケット78周りに方向転換させられる。ベルトの戻り路は、テンションプーリ又はスプロケット81に関連して作動する空転プーリ又はスプロケット80を有している。ドラムの頂部及び底部の間での排出高さを調節するために排出コンベヤ支持体74が使用されてよい。
【0010】
選択可能な大きな高さの排出経路82が図5及び図6に示されている。螺旋コンベヤ42は、オーブン又は冷凍装置84の壁内に取り囲まれるように示されている。送り込み経路46及び固定された排出経路56は両方ともコンベヤの底部にある。排出コンベヤ86は、螺旋コンベヤの頂部で物品を途中で捕まえる低い部分88と、外側螺旋経路70に沿って低い高さの排出経路56まで下に物品が継続することを可能にする一段高い部分89との間で選択的に移動可能である。排出コンベヤは、旋回軸98を有する区分けされたコンベヤフレーム96上に取り付けられた空転ローラ94内で駆動プーリ又はスプロケット92周りに向けられたベルト90を有している。旋回軸は、区分けされたフレーム96の内アーム102を上下に旋回させるために矢印100によって示されるように水平軸線周りに回転する。螺旋経路からの物品を途中で捕まえるために排出コンベヤ86が下げられる時に偏向ローラ104が螺旋コンベヤベルト44を下に偏向させる。旋回軸バー106が、その遠位端に同様の偏向ローラを有する偏向アーム108に排出コンベヤを結合させる。偏向ローラは、螺旋コンベヤベルトを支持し、及び、下方に偏向される間に僅かな追加の摩擦によってその螺旋経路に沿って螺旋コンベヤが継続することを可能にする。
【0011】
円筒形のドラム50の半分の内側110が図7に示されている。ドラムの内側は、ドラムの底部67から頂部65まで延びる一連の等間隔に配置された垂直レール112を有している。連続的なレールの間隔は駆動間隔Pである(明確化のため、図7は縮尺通りに描かれていない)。ドラムの垂直方向に正確に配置されることに代えて、垂直レールは、点線のレール113で表されるように、例えば0.5°〜3°のわずかな角度で垂直からはずれて配列されることが可能である。これらの角度を有する垂直レールは、円筒形の駆動ドラムの表面に沿った螺旋溝に似ており、及び、ある状況ではドラムの上又は下へのコンベヤベルトの移動を助け得る。図8に示すように、垂直レールは、ドラムの内側110上に、ドラムの底部から頂部までの垂直レールの長さにわたって延びる細長の歯116を有している。細長の歯の凸状の遠位端117は、モジュール式のプラスチック製のコンベヤベルト122の外側縁120内に駆動受取要素119内の凹状の凹部に隣接する補完的な駆動受取面118と確実動作で係合する。モジュール式ベルトは、ヒンジロッド140によって連結されるベルトモジュールの一連の列114から構成されている。垂直レール上の細長の歯によって形成されるフックがドラムの内側周りにベルトを駆動する。コンベヤベルトは、その上に支持される内側螺旋トラックに沿ってそれが乗る際に垂直レールを垂直方向に上にスライド移動する。従って、垂直レールは、ベルトの外側縁を駆動する駆動要素として機能する。凹部に隣接する駆動受取面は、垂直レール上でベルトを保持する駆動受取要素内の保持構造を形成する。各ベルトの列の一端に沿ってヒンジ要素125を通るベルトの移動方向に細長いヒンジロッド孔123がヒンジロッド140を受け入れる。このようにして、コンベヤベルトはその長さにおいて折り畳み可能である。その内側縁121は、ベルトが回転を切り抜ける際にコンベヤベルトの経路の半径内においてそれ自身上で折り畳むことが可能である。ドラムの外側111上で垂直レールに取り付けられる垂直摩耗ストリップ124が、螺旋コンベヤを下る外側螺旋経路上に内側ベルトの縁が乗る摩擦軸受け面として機能する。細長の歯及び摩耗ストリップは、例えばUHMW又は別のプラスチックなどの低い摩擦で耐摩耗性の材料から形成されることが好ましい。
【0012】
用語「確実動作の係合」及び「確実動作の駆動」、並びにその変形は、ベルトの駆動受取構造が、係合の領域におけるベルトの滑りを防止するドラム上の噛み合い駆動構造と係合されること、又は、噛み合い構造によって駆動されること、を意味するために使用される。このことは、それに沿ってベルトが滑り得る駆動面との摩擦接触によってベルトが駆動されることを意味する「摩擦係合」、「摩擦接触」、及び「摩擦駆動」、並びにその変形とは反対である。
【0013】
その外側縁120内に異なる駆動受取要素127を有する別のモジュール式のプラスチック製のコンベヤベルトが図9に示されている。このベルト126では、ベルトの外縁が、垂直レール112に対して取付具132内の補完的な噛み合い凹状の垂直溝130内に受け入れられて押し込まれる後方の凸状の突起128を有している。UHMW又は他のプラスチックライナー134が、レール構造によって確実動作で係合される際に溝に沿って上方にベルトがスライド移動する際に摩擦を低減させるために溝に並ぶ。
【0014】
図10は、駆動受取要素を形成するためにそのヒンジロッド140の延在部139上に取り付けられるローラ138を外側縁120が有するワイヤベルト136を示している。ローラは、垂直レール112の係合構造144にベルトを保持するために大径外端142を有する砂時計形状である。ローラは、係合構造144から突出する凹状プッシャー148に沿って乗る狭いくびれ部146を有している。図11は、ドラムの内側で垂直レール112の一部を形成する凹状のプッシャーバー154によって係合されるベルトの外側縁120内にローラ152を有する別のモジュール式のコンベヤベルト150を示している。外側ベルト縁のローラは、スライド移動することに代えて、低摩擦転がり係合でそれらの螺旋経路をベルトが辿る際にレールを巻き上げる。
【0015】
図12及び図13は、ドラム50の底部67で送り込み経路から内側螺旋経路までドラムの内側に向かって接線方向にベルトが移動する際の垂直レール112とのコンベヤベルト144の初期の係合を示している。ベルトは、送り込みトラック152から内側螺旋トラック72につながる上方に傾斜した羽根ライナー156上に支持されている。歯160が駆動間隔Pに等しい間隔Pを有する又は駆動間隔Pの整数倍の間隔を有する送り込みタイミングスプロケット159が、垂直レール112の底部162との係合に向かって外側縁120の進入の時間に対して回転ドラムを同期させられて回転させられる。駆動され得る又は空転であり得る第2送り込みタイミングスプロケット164が、タイミングスプロケット159と同一の間隔Pを有している。第2送り込みスプロケット164の目的は、外側縁のその拡張された間隔が第1タイミングスプロケット159の間隔Pと一致して駆動間隔Pに完全に関連するように、外側ベルト縁120を完全に開放させるためにベルトの前進移動に対して圧力を作用させることである。第2送り込みスプロケット164は、ばね又は他の均等な付勢手段によってベルトの運動に対して付勢されてよい。従って、第2送り込みタイミングスプロケットは、送り込みタイミングスプロケット159へのそのアプローチ上でベルトの外側縁を折り畳まないベルトテンション手段として機能する。両方のスプロケット上の歯は、連続的な駆動受取要素127同士の間の外側ベルト縁120内に形成される受け166内に適合する。このようにして、コンベヤベルト44は垂直レール112と滑らかに係合する。
【0016】
螺旋コンベヤの半分が図14の断面に示されている。コンベヤベルト44は、内側螺旋トラック72、外側螺旋トラック70、及び排出高さの下方のリターントラック168上に支持されて示されている。外側リターントラック及び内側トラックは、外側及び内側枠組68、69によって支持されている。内側トラック上では、コンベヤベルトの外縁120が、回転ドラム50上の垂直レール112との係合によって確実動作で駆動される。外側トラック上では、コンベヤベルトの内縁121が、回転ドラムの外側111との摩擦接触によって駆動される。ベルトは、ドラムの内側上で確実動作で駆動されて外側上で滑ることが許容されているので、内側螺旋トラック上のベルトの外側縁の速度の水平成分がドラムの内側の接線速度に等しい一方で、外側螺旋トラック上のベルトの内側縁の速度の水平成分がドラムの外側の接線速度よりも概して小さい。それにも拘わらず、より長い外側螺旋経路に十分なベルトを供給するためにより短い内側螺旋経路上でモジュール式のコンベヤベルトの外縁を部分的に折り畳むことが必要である。従って、内側螺旋経路上で確実動作で駆動されるベルトの有効な間隔は、外側螺旋経路上でベルトの完全に拡張された間隔Pよりも小さい。その結果、ドラムの内側上の駆動間隔Pは、ベルトの完全に拡張された間隔の選択された整数倍、例えばP、2P、3P、4P、又は5Pよりも小さい。このようにして内側螺旋経路上でモジュール式のコンベヤベルトを束ねることによって、モジュールの列の毎秒のベルトの有効速度は、より長い外側螺旋経路上のそれと一致するようになされることが可能である。リターントラック168上のベルトは、隙間170によってドラムの外側との接触から切り離される。ドラムの頂部65は、僅かな摩擦によって回転ドラムの頂部を支持するために上側ドラム支持体63の支持ローラ173が乗る外側切り欠き171を有している。図34及び図35に示すように、駆動ドラムの頂部の重複経路にテンション及びたるみの除去が任意選択的に提供される。重複経路54’上では、コンベヤベルト44が、ドラム駆動モータと同期させられるモータ(図示せず)によって駆動される駆動スプロケット又はプーリ292周りに巻き付く。ベルトは、駆動スプロケット及び一連の空転スプロケット又はプーリ294、295によって重複経路の下方で方向転換させられて重複経路に戻される。中心空転プーリ295が、ばね296などによってコンベヤフレームに対してテンションをかけられる。搬送される物品は、コンベヤベルトの方向転換によって形成される狭い隙間298を横切って容易に移動することができる。方向転換は、確実動作の駆動の内側螺旋経路48上の及び摩擦駆動される外側螺旋経路52上のベルト速度の差異によって引き起こされる過度のコンベヤベルトの蓄積を許容する。
【0017】
移行経路54’のコンベヤベルトにテンションをかける別の方法が図36に示されている。この例では、移行経路は、外側螺旋経路52に内側螺旋経路48を接続するほぼ半円状の上側スライダトレイ300によって画定される。上側スライダトレイ300は図37にも示されている。フレーム取付部材302が、螺旋フレーム304に対して上側スライダトレイ300の端部を固定して、及び、外側及び内側螺旋トラック70、72の上側スライダトレイ300の端部の中心線306、307を一直線上に維持する。スライダトレイテンションシステムは、例えば、そこからロッドが延びるブッシング312内に収容されるばね310を圧縮する3つのロッド308から構成されている。ロッドの遠位端は、外側コンベヤフレーム305上で調節ナット314にねじで係合する。ブッシングが3つの位置で上側スライダトレイに取り付けられる。フレームからのロッドの延在は、スライダトレイの中心線と内側及び外側螺旋トラックの中心線との配列を変化させずに、トレイ内に制限されるベルトのテンションに影響を与えるスライダトレイの形状を変形させるために調節ナットによって調節されることが可能である。移行部にベルトを位置決めすることを除いて、ベルトの列同士の間の隙間が垂直レールを受け入れるために設けられるようにベルトの間隔全体まで拡張させるためにテンションが使用される。ドラムの底部でテンションをかけられていない送り込みスライダトレイ316が、コンベヤのタイプ、幅、及び位置決め条件に適合するために90°〜180°の間の小さな円弧にわたって延びる。送り込みスライダトレイは、定位であり、送り込みテールプーリから駆動ドラムの底部のレールとの最初の係合に向かうその移行のためにコンベヤベルトを適切に位置決めするために使用される。
【0018】
送り込みスライダトレイ316のさらなる詳細が図38及び図39に示されている。トレイは、トレイ内にコンベヤベルト44を保持するために短い距離で底部に張り出す唇部322、323で終端をなす上方に延在する側壁320、321を有する底部318を有している。外側の側壁321に沿った唇部323は、ドラムの底部の垂直レール112上の内側駆動部材との係合を容易にする露出ベルト縁326を残したままにするために送り込みスライダトレイの出口端324にわずかに及ばずに終端をなす。
【0019】
上側スライダトレイ300は、より長い円弧、例えば180°を超えて延びる点、その唇部322、323がトレイの円弧全体に沿って延びる点、及び、底部318がドラムの頂部のその出口端330にわずかに及ばずにトレイの内側縁に開口部328を有する点を除いて、送り込みスライダトレイと同様である。開口部は、ベルト44の内側縁332がドラムの外側111と係合することを容易にする。トレイの底部は、図19に示すように、例えば、コンベヤベルトの底部に対して、平坦な表面、若しくは、波状の、窪んだ、又はぎざぎざのある表面を付与してよい。トレイは、コンベヤベルトとの低摩擦滑り接触のための図19のようなローラをさらに有してよい。
【0020】
図1の単一のドラム、二重螺旋の螺旋コンベヤの別の変形例が図42に示されている。このバージョンでは、コンベヤベルト333が、摩擦によって駆動されることに代えて、図42の時計回りに回転する駆動ドラム334の外側螺旋経路に沿って確実動作で駆動される。ドラムの内側110周りに等間隔に配置される内側垂直駆動レール338によって形成されるフック形状の駆動部材336がベルトの外側縁を駆動する。ベルトの外側縁内の丸い又はテーパの駆動受取面342が、図49A及び図49Bにさらに詳細を示すようにベルトがドラムを上に昇る際に駆動部材との摩擦接触を軽減する。外側螺旋経路上では、ベルトは、図32にも示すように、ドラムの外側346から突出して外側垂直駆動レールを形成する駆動バー344によって滑らずに下方に確実動作で駆動される。駆動バーは、図48A、図48B、及び図50にさらに詳細を示すように、ベルトの内側縁350内に丸い又はテーパの駆動受取面348を係合させる駆動部材を有している。垂直駆動バー344が、ドラムの周縁周りに間隔を空けて配置されて、連続的なベルトモジュール354同士の間に形成される空間352に適合する。駆動バーは、例えばすべてのベルトの列、若しくはすべての第2の、第3の、又は第4のベルトの列を駆動するために間隔を空けて配置される。駆動バーの駆動面356が、ドラムの外周縁に対する法線358によって外側駆動角αを形成する。外側駆動角αは、動的平衡を維持するために約30°〜約45°であることが好ましい。ドラムの内側上では、駆動部材の駆動面360は、ドラムの放射状の線362によって内側駆動角βを形成する。螺旋コンベヤの動的平衡を維持するため、内側駆動角βは約45°〜約60°であることが好ましい。ベルトの外側縁及び内側縁上の駆動受取面342、348には、駆動面との平行な噛み合い係合のために対応して角度が付与される。
【0021】
コンベヤベルトはこのバージョンでは内側及び外側螺旋経路の両方上で確実動作で駆動されるので、両方のベルト縁と駆動ドラム又は垂直レールとの間の摩擦係合は不要であって所望ではない。摩擦を低減させるため、ベルトの外側縁及び内側縁上の駆動受取面342、348が、駆動部材366、駆動バー344、及びドラムの外側346とのそれらの接触面積を低減するために丸くされる又はテーパにされる。図48A、図48、図49A、及び図49Bは、ベルト縁に沿った丸い角部384、385を示している。図50はテーパ形状のベルト縁386を示している。いずれの場合でも、ベルト上の接触の面積の垂直寸法はベルトの厚さ全体よりも小さい。ベルトが内側螺旋経路上でのみ確実動作で駆動される場合、摩擦によって駆動されるように設計されるベルトの内縁は、丸い面又はテーパ面を有しない。図48A及び図48Bに示すように、外側駆動バー344の上縁388及び下縁389は、駆動ドラムとの係合からのベルトの進入及び退出を助けるために丸くされる。同様に、図49A及び図49Bに示すように、内側駆動部材336の上縁390及び下縁391は、同じ目的のために丸くされる。
【0022】
コンベヤベルト333は、図43の矢印362によって指し示されるように、内側螺旋経路上で駆動部材336との係合の外側で旋回する傾向がある。ドラム334の内側347と駆動面360との間の制限364は、ベルトの任意の旋回に対抗して、ベルトとドラムとの間の確実動作の係合を維持する。
【0023】
図44〜図47は、内側及び外側螺旋経路に沿って確実動作で駆動されるコンベヤベルトの様々な形式を図示している。図44は、すべての他の折り畳まれたベルトの列の内縁に係合する垂直駆動バー344によって外側螺旋経路に沿って確実動作で駆動されるモジュール式のコンベヤベルト366を示している。図45は、図10のベルトと同様の金属製のベルト368を示しているものの、ベルトの内縁から延びるローラを有している。ローラは、ドラム334の外側上に形成されるフック形状の駆動部材372によって係合される駆動受取面を規定する。図46及び図47は、図45のベルトと同様の金属製のベルト374を示しているものの、各外側縁にローラボール376、377を有している。ベルトの外側縁の外側ローラボール376が、内側螺旋経路に沿ってベルトを確実動作で駆動するために垂直レール112上でフック形状の駆動部材378によって係合させられる。ベルトの内側縁の内側ローラボール377が、外側螺旋経路に沿ってベルトを確実動作で駆動するためにドラム344の外周縁内で垂直駆動バー380によって係合させられる。垂直駆動バー380及びフック形状の駆動部材378は、凹状の駆動面382、383を規定し、凹状の駆動面382、383内では、ローラボールは、それらが低摩擦転がり接触で垂直駆動バー又は駆動部材に沿って上方又は下方に前進するように横たわる。それらの縁の特徴部を有するコンベヤベルトは、定位のコンベヤ構造の代わりに、内側及び外側螺旋トラックを形成する積み重ねプレートを有する自己積み重ねベルトであり得る。
【0024】
ドラム50は、その底部67で螺旋駆動ドラム50の周縁にボルトで固定される環状取付ブラケット176によって回転ドライブ174の外側ギアリング172に接続される。内側リング178及び回転ドライブのハウジング180は、外側枠組68によって支持される環状取付プレート182にボルトで固定される。内側及び外側リングは、転がりベアリング183のリングによって分離されており、すべてが全体として回転リングを形成する。回転駆動モータM1は、ドラム50を回転させるために外側リング172内の外側ギア歯184と噛み合うギアを駆動する。
【0025】
回転ドライブが取付プレート182の底部から吊り下げられる図14の回転ドライブ構造とは異なり、図15の回転ドライブ174は取付プレート182の頂上にある。ドラム50の底部67にボルトで固定される駆動ドラムカラー186と外側回転リング172とは回転ドライブにドラムを接続する。回転リング及び回転ドライブは、代替的にドラムの頂部に取り付けられることが可能である。この種の回転リング及び回転ドライブは、ドイツのグレムスドルフのIMO Antriebseinheit GmbH & Co.KGによって製造されて販売されている。
【0026】
図16及び図17に示すように、ドラムドライブ50は、異なる高さのドラムを形成するために積み重ね可能なドラムモジュール50’から形成されることが可能である。連続的な垂直レール112の対向側面にボルトで固定される接続ブラケット188が、内側螺旋トラック上のベルトの外側縁に係合して垂直レール区画をともにつなぐために、ドラムの内部内に延びるUHMW又は他の耐摩耗性のプラスチック製のキャップ191を有するプッシャーバー190を保持する。外側UHMW又は他の耐摩耗性のプラスチック製の摩耗ストリップ124は、外側螺旋トラック上のベルトの内縁との低い摩擦接触のためにレールの外側に覆い被さる。雄及び雌のピンコネクタ192、193が各レールの頂部及び底部にボルトで固定される。1つのドラムモジュールが別のドラムの頂上に積み重ねられる時、雄ピンは、狭い継ぎ目を横切ってレールを配列させるために雌ソケット内に受け入れられる。雌受けを通って延びるボルト194が、積み重ねられたドラムモジュールをともに保持するために雄ピン192内のねじ孔196内にねじ込まれる。このようにして、任意の数のドラムモジュールが、積み重ねられてよく、底部最大のドラムモジュールに取り付けられる単一の回転ドライブ174によって駆動されてよい。
【0027】
螺旋コンベヤ42の頂部では、コンベヤベルト44は、図18に示すような移行トラック192に沿って地点Aから地点Cまでの重複経路又は移行経路54を辿る。地点Aでは、内側螺旋経路48上に上方に螺旋形を描くベルトが、垂直レールの上端に到達してドラムから離脱する。移行トラック198は、ベルトの経路上で最も高い位置である地点Bまで上向きに傾く増大する径を有する湾曲経路に沿ってベルトを案内する。地点Bから地点Cまでの間では、ベルトは、その内縁が外側螺旋経路52への進入時にドラム50の外側に係合するまで下に傾く経路上に乗る。
【0028】
図19に示すように、移行トラック198は、その幅にわたってコンベヤベルト44を支持する支持体200を有している。外側及び内側ガイド204、205からベルトの外側及び内側縁120、121を越えて延びる押さえアーム202が、移行トラック上にベルトを保持する。内側ガイド205に沿ったローラ206は、ベルトの内側縁121に対して低摩擦の転がり面を付与する。
【0029】
モータM4によって駆動される中間駆動タイミングスプロケット207が、移行トラック上の地点Bの頂点のすぐ前でベルトを駆動する。中間駆動の目的は、確実動作で駆動される内側螺旋トラックと摩擦によって駆動される外側螺旋トラックとの間の移行領域でベルトのたるみの増大を排除することである。図20及び図21に示すように、送り込みタイミングスプロケット159と同一の間隔Pを有するタイミングスプロケット207上の歯車の歯210によってベルトが適切に係合されるように、連結切り離しホイール208がベルトの外縁120を拡張させる。移行タイミングスプロケットの歯210は、図13の送り込みタイミングスプロケット159の歯160と同じ方法でベルトに係合する。重複タイミングスプロケット207は、移行トラックの傾斜部分を上にベルトを引っ張り上げることを助ける。図12の送り込み切り離しスプロケット164と同様に、連結切り離しホイール208は、その最大間隔まで縁を拡張させるために外側ベルト縁112に係合する歯212を有している。
【0030】
コンベヤの移行部分又は重複部分の別のバージョンが図22〜図26に示されている。駆動脚216を有する乗せ換えチェーン214が、地点Aで内側螺旋トラックを出て行くすぐ前にベルトの外縁120の受けと係合する。地点Aでは、乗せ換えチェーン214は、ベルトの受けとの係合に向かって脚216を案内する空転ホイール218周りに反転する。ばね荷重テンションシステム220は、チェーンのたるみを除去して適切な係合を保証するためにチェーンガイド226内に形成されるテンションギャップ224に向かってベルトに対向するチェーンの距離に沿って乗せ換えチェーン214に対してテンションホイール222を付勢する。チェーン機構の全体はコンベヤフレーム内に支持される。チェーンガイド226は、外側螺旋経路上のドラム50の外側との摩擦係合に向かってコンベヤベルト44の進入時に地点Aから地点Cまで移行トラック230の外側228を辿る。従って、乗せ換えチェーンシステムは、搬送経路の重複区画内の中間ドライブとして作動する。
【0031】
乗せ換えチェーン214は、コンベヤ枠組内のモータ支持体234上に取り付けられたモータM4によって回転させられる駆動スプロケット232によって駆動される。スプロケットの側面に位置する連結ガイド236が、スプロケットとの係合に向かってチェーンを案内する。図26に最もよく示すように、位置決めローラ240が、駆動スプロケット232との適切な係合のためにその湾曲経路から直線経路238内に乗せ換えチェーン214を方向転換させる。図面には図示していないものの、乗せ換えチェーンは、地点Cの移行トラックの端部でコンベヤベルトの外縁から離脱する。
【0032】
螺旋コンベヤシステムは、図27の制御システムによって制御されてよい。制御システムは、例えばプログラム可能な論理コントローラ、PC、モータ制御センタ、埋め込みマイクロコントローラ、又は、任意の適切なプログラム可能な装置などのコントローラP1を有している。図27の例では、コントローラP1は、コマンド線251を通じてサーボモータ又は可変周波数ドライブD1、D3、及びD4並びにステッピングモータコントローラ252に速度制御コマンドを送信する。モータドライブD1、D3、及びD4は、回転駆動モータM1、螺旋コンベヤのテール端モータM3、及び重複領域内の中間駆動モータM4の速度を制御する。ヘッド端モータM2は、オーバードライブされるドラム駆動システム内のヘッド端スプロケットの速度とドラムの速度との間に必要とされる緊密な関係のために、ドラムドライブD1によって生成される信号によってモータドライブD2によって概して駆動される。しかしながら、コントローラP1は、ヘッド端ドライブD2に対して直接的に速度制御コマンドを代替的に送信する。また、ヘッド端ドライブと同様に、テール端ドライブD3及び重複ドライブD4は、ドラムドライブD1からのそれらの速度制御コマンドを代替的に受信することができる。ステッピングモータコントローラ252は、連結切り離しスプロケット164が駆動される場合に、送り込みタイミングスプロケット159及び164を駆動するステッピングモータTS1及びTS2の作動を制御する。しかしながら、ステッピングモータ及びステッピングコントローラ252に代えてサーボモータ及びドライブが使用されてよい。図示していないものの、図18の重複ドライブ内の連結切り離しホイール208を駆動するモータの速度を制御するために使用されることが可能である。シャフトエンコーダ又は他の速度センサE1、E2、E3、E4、ETS1、及びETS2が、モータM1、M2、M3、M4、TS1、及びTS2の速度を計算して制御ループを閉じるための情報をコントローラP1に提供する。
【0033】
図28のかご無し螺旋駆動ドラム260が、図28〜図32を参照して説明する方法によって安価で形成されてよい。図29に示すように、ドラムは、好ましくは3/16インチ(0.47625cm)〜3/8インチ(0.9525cm)の厚さのステンレス鋼製の長方形のシート262から形成される。ボルト孔264及び長方形の開口部266が、レーザ、水ジェット、打ち出し、又はドリルによってシートに切り込まれる。長方形の開口部266は、垂直及び水平ストリップ268、269によって分離される列及び行に配列される。開口部及びボルト孔が切り込まれた後、シートは、図28の円筒形のドラム260を形成するために、好適にはダイ上での圧延によって折り曲げられる。圧延されたドラムの側縁270、271は、例えば、溶接によってアバットメント内にともに固定される。ドラムの外面272は、用途に適するように、例として、ダイアモンドカットされた、研磨された、穿孔された、又は窪んだ凹部を有する面を備えてよい。長方形の開口部266は、気流を最大限にする。
【0034】
ドラム上のボルト孔264に一致するパターンでボルト孔276を有する補強バンド274(図30)が、ドラムの底部280で円周ストリップ278に沿ってドラムの内側に溶接される。図32に示すように、補強バンド274は、図14及び図15のように回転リングブラケットがボルトで固定され得るドラムの底部で頑丈な裏打ちを提供する。
【0035】
垂直ストリップ268に溶接される細長の係合部材282が、図31に示すように、ドラムの内側284上に垂直レールを形成する。係合部材は、その内側螺旋経路上でベルトの外縁に係合する。垂直レールの間隔は、拡張されたベルトの間隔と等しい又は間隔の整数倍である駆動間隔Pを規定する。また、その内側284に沿ってドラムには、さらなる補強のために山形鋼の水平リング286が溶接される。
【0036】
図29及び図33に示すように、ドラムの上縁288は舌部290を有してよく、及び、底縁289は溝291を有してよい。このようにして、より高いモジュール式のドラムが、積み重ねられたかご付きドラムを結合するための図17に示す締結システムを必要とせずに、さね継ぎで結合される同様のモジュール式のドラム260を積み重ねることによって形成されてよい。
【0037】
従って、様々なバージョンで説明される二重螺旋の螺旋コンベヤは、回転駆動ドラムの内面及び外面に沿って単一の連続した長さのコンベヤベルトを駆動する単一の駆動ドラムを提供する。駆動ドラムは単一の回転ドライブによって回転させられることが可能である。また、上側及び下側スライダトレイが、内側及び外側螺旋経路上でコンベヤベルトに円滑にテンションをかけるために必要な任意のベルトのテンション付与又は間隔調節を調節して提供するために使用されることが可能である。
【0038】
本発明は、ほんの少しの好適なバージョンを参照して詳細に説明されたものの、他のバージョンも可能である。例えば、コンベヤベルトは、外側螺旋経路を上に内側螺旋経路を下に駆動されてよい。別の例として、図28〜図32によって形成されたドラムは、係合部材282を必要としないものの、二重螺旋の螺旋コンベヤと同様に単一の螺旋コンベヤで使用可能である。さらに別の例として、いくつかの用途では、UHMW又は他のプラスチック製の摩耗ストリップを垂直レールに覆い被せることは不要である又は好ましくない。それらの用途のため、研磨されたステンレス鋼の表面が好適な代替例である。冷凍、冷却(chilling)、冷却(cooling)、ベーキング、及び加工などの処理用途に有用であることに加えて、二重螺旋の螺旋コンベヤは、例えばカートン、ケース、瓶、缶などの第1の及び第2のパッケージ支持及び蓄積などの他の用途に使用されてよい。従って、これらの少しの例が提案するように、特許請求の範囲は、一例として説明されたバージョンの詳細に限定されることは意図されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側、外側、頂部、及び底部を有する回転駆動ドラムと、
回転を切り抜けるために長さにおいて折り畳み可能なコンベヤベルトであって、前記回転駆動ドラムの内側との外側ベルト縁の係合によって一方向の運動の垂直成分によって前記回転駆動ドラムの内側の内側螺旋経路に沿って駆動され、及び、前記回転駆動ドラムの外側との内側ベルト縁の係合によって反対方向の運動の垂直成分によって前記回転駆動ドラムの外側の外側螺旋経路に沿って駆動される、コンベヤベルトと、を備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項2】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記コンベヤベルトは、前記内側螺旋経路に沿って底部から頂部まで上方に駆動されるとともに、前記外側螺旋経路に沿って下方に駆動されることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項3】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記駆動ドラムを回転させるために前記駆動ドラムに取り付けられる回転ドライブをさらに備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項4】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記コンベヤベルトは、前記外側ベルト縁に駆動受取要素をさらに有しており、及び、前記駆動ドラムは、前記内側螺旋経路上で前記外側ベルト縁内の前記駆動受取要素との確実動作の駆動係合時に前記駆動ドラムの内側上に駆動間隔を規定する間隔で等間隔に間隔を空けて配置される垂直レールをさらに有することを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項5】
請求項4に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記外側ベルト縁の前記駆動受取要素は、係合の領域で前記垂直レールの形状を補完する形状を有する駆動受取面を有することを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項6】
請求項4に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記外側ベルト縁内の前記駆動受取要素は、前記コンベヤベルトが前記内側螺旋経路に沿って駆動される際に前記垂直レールに沿って乗るローラを有することを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項7】
請求項4に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記外側ベルト縁内の前記駆動受取要素は、前記垂直レールとの前記コンベヤベルトの縁の係合を保持するために前記垂直レールと協働する保持構造を有することを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項8】
請求項4に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記外側ベルト縁内の前記駆動受取要素は、前記垂直レールとの摩擦接触の面積を最小化するために丸くされる又はテーパにされることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項9】
請求項4に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記コンベヤベルトは、当該コンベヤベルトが完全に拡張される時に連続的な駆動受取要素同士の間の距離によって規定される完全に拡張されたベルト間隔を有しており、及び、前記駆動ドラムの内側の前記駆動間隔は、前記完全に拡張されたベルト間隔よりも小さいベルト間隔を有する前記外側ベルト縁に沿って部分的に折り畳まれた状態で前記コンベヤベルトが作動されるように前記完全に拡張された間隔の整数倍よりも小さいことを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項10】
請求項4に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記駆動ドラムと同期して回転するタイミングスプロケットであって前記駆動間隔に一体的に関連する間隔を有する歯を有するタイミングスプロケットをさらに備えており、前記タイミングスプロケットは、前記垂直レールとの確実動作の係合に向かって前記駆動受取要素を供給するために前記外側ベルト縁に係合するために前記回転駆動ドラムの底部で前記内側螺旋経路に沿って位置決めされることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項11】
請求項10に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記タイミングスプロケットとの係合のために前記外側ベルト縁を折り畳まないようにテンションを作用させるために位置決めされるベルトテンション手段をさらに備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項12】
請求項11に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記ベルトテンション手段は、前記タイミングスプロケットの間隔と等しい間隔を有する第2スプロケットを有しており、前記第2スプロケットは、前記外側ベルト縁を折り畳まないために連続的な駆動受取要素同士の間で前記外側ベルト縁に適合する歯を有することを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項13】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記コンベヤベルトは、前記内側ベルト縁内に駆動受取要素を有しており、及び、前記駆動ドラムは、前記外側螺旋経路上の前記内側ベルト縁内の前記駆動受取要素の少なくともいくつかとの確実動作の駆動係合時に前記駆動ドラムの外側上の駆動間隔を規定する間隔で等間隔に間隔を空けて配置される垂直レールをさらに有することを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項14】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記回転駆動ドラムの底部で前記内側螺旋経路の接線方向につながる前記コンベヤベルトのための送り込み経路をさらに備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項15】
請求項14に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記送り込み経路は、前記内側螺旋経路上で前記コンベヤベルトの進入を調節するために調節可能なスライダトレイを有することを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項16】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記回転駆動ドラムの頂部及び底部の間の排出レベルで前記外側螺旋経路から接線方向に延びる前記コンベヤベルトのための排出経路をさらに備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項17】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記回転駆動ドラムの頂部で前記内側螺旋経路及び前記外側螺旋経路を連結する移行経路を備えており、及び、前記コンベヤベルトから受け取る物品を途中で捕まえて排出するために位置決めされる排出コンベヤの下方で下方に前記コンベヤベルトを偏向させるための前記移行経路に沿って前記コンベヤに対して選択的に位置決め可能な偏向ローラを有する排出コンベヤをさらに備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項18】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記回転駆動ドラムの頂部で前記内側螺旋経路及び前記外側螺旋経路を連結する移行経路を備えており、及び、前記回転駆動ドラムの頂部で前記コンベヤベルトに係合する回転中間駆動スプロケットをさらに備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項19】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記回転駆動ドラムの頂部で前記内側螺旋経路及び前記外側螺旋経路を連結する移行経路を備えており、及び、前記回転駆動ドラムの頂部で前記コンベヤベルトに係合する脚を有する乗せ換えチェーンをさらに備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項20】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記回転駆動ドラムの頂部で前記内側螺旋経路及び前記外側螺旋経路を連結するスライダトレイを備えており、及び、前記コンベヤベルトのテンションを調節するために前記スライダトレイを変形させるように前記スライダトレイに取り付けられるテンションシステムをさらに備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項21】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記駆動ドラムは、円筒形の駆動モジュールのスタックを備えることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項22】
請求項1に記載の螺旋コンベヤにおいて、前記回転駆動ドラムの外側との前記内側ベルト縁の係合は摩擦であることを特徴とする螺旋コンベヤ。
【請求項23】
単一の回転ドラムを有する螺旋コンベヤを上下に搬送する方法であって、
回転ドラムの内側にコンベヤベルトの外縁を接触させることによって前記回転ドラムの内側内の内側螺旋経路に沿って前記回転ドラムを上又は下の第1方向の運動の垂直成分によって前記コンベヤベルトを駆動する工程と、
前記回転ドラムの外側に前記コンベヤベルトの内縁を接触させることによって前記回転ドラムの外側の外の外側螺旋経路に沿って前記回転ドラムを下又は上に反対の第2方向の運動の垂直成分によって前記コンベヤベルトを駆動する工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記コンベヤベルトは、前記回転ドラムの外側に前記コンベヤベルトの内縁を摩擦によって接触させることによって前記第2方向に駆動されることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法において、前記コンベヤベルトは、前記回転ドラムの外側上に周方向に間隔を空けて配置される駆動要素によって前記コンベヤベルトの内縁で間隔を空けて配置される駆動受取要素を確実動作で駆動することによって前記第2方向に駆動されることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法において、前記コンベヤベルトは、前記回転ドラムの内側上に周方向に間隔を空けて配置される駆動要素によって前記コンベヤベルトの外縁で間隔を空けて配置される駆動受取要素を確実動作で駆動することによって前記第1方向に駆動されることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
前記コンベヤベルトの外縁内の前記駆動受取要素上の協働保持構造によって前記回転ドラムの内側上で周方向に間隔を空けて配置される駆動要素との前記コンベヤベルトの外縁の係合を保持する工程と、
前記コンベヤベルトのテンションによって前記回転駆動ドラムの外側との前記コンベヤベルトの内縁との接触を保持する工程と、をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項23に記載の方法において、
前記回転駆動ドラムの内側上で周方向に間隔を空けて配置される駆動要素の間隔に一致するように間隔を空けて前記駆動受取要素を配置するために前記コンベヤベルトの外縁を折り畳まない工程と、
前記駆動要素との前記駆動受取要素の適切な係合を保証するために前記内側螺旋経路内への前記コンベヤベルトの進入のタイミングを計る工程と、をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項23に記載の方法において、
前記内側螺旋経路を上に前記外側螺旋経路を下に前記コンベヤベルトを駆動する工程をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項23に記載の方法において、
前記回転駆動ドラムの頂部及び底部の間の排出レベルで前記外側螺旋経路上の前記コンベヤベルトから物品を排出する工程をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項23に記載の方法において、
回転ドライブを有する前記ドラムを回転させる工程をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項23に記載の方法において、
前記内側螺旋経路に沿ってその外縁で前記コンベヤベルトを部分的に折り畳む工程をさらに備えることを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48A】
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【図48B】
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【図49A】
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【図49B】
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【図50】
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【公表番号】特表2013−503801(P2013−503801A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528050(P2012−528050)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/047698
【国際公開番号】WO2011/028918
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】