説明

衣料品を身体に開放可能に取り付けるシステム

本発明は、衣料品を身体に開放可能に取り付けるシステムに関する。当該システムは、衣料品に取り付けるための第1の固定素子(2−1、3−1)、身体に付着するための第2の固定素子(2−2、3−2)、を有し、両方の固定素子は共同接続手段を具えられる。本発明によるシステムは、少なくとも第2の固定素子が実質的に硬い材料から製造され、前記第2の固定素子が実質的に平坦な付着表面を具え、共同接続手段が前記第1及び前記第2の固定素子の実質的に中央に配置され、前記接続手段がスライド接続を形成する、ことを特徴とする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料品を身体に開放可能に取り付けるシステムに関する。当該システムは、衣料品に取り付けるための第1の固定素子、身体に付着するための第2の固定素子、を有し、両方の固定素子は共同接続手段を具えられる。
【背景技術】
【0002】
このようなシステムは、米国特許出願US2009/0093190として出願されこれに記載されている。この特許出願に記載されているのは、ブラジャー内に適用されるシステムことがプリアンブルに記載されている。このため、ブラジャーのユーザは、2片の布を身体の片側に付着させなければならない。布片及びブラジャーは、共同接続手段を具えられ、ブラジャーを取り付けるために、かぎホックが2つの布片の外側の端に取り付けられる。
【0003】
知られているシステムは、システムがブラジャーにおける適用に限られるという欠点を有する。さらに、知られているシステムは、布片が皮膚の比較的大面積に付着しなければならないという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の欠点を有しない、プリアンブルに述べられた種類のシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明によるシステムは、少なくとも第2の固定素子が実質的に硬い材料から製造され、前記第2の固定素子が実質的に平坦な付着表面を具え、共同接続手段が前記第1及び前記第2の固定素子の実質的に中央に配置される、という特徴を有する。第2の固定素子を硬い材料で実現することにより、皮膚に付着する表面は、衣料品に対して比較的小さく保つことができる。これは、着心地を向上させる。さらに、適切な種類の接着剤は、知られているシステムにおけるような繊維表面よりも硬い表面の方が良好に機能する。
【0006】
本発明によるシステムは、ブラジャーに限定されず、接続手段が固定素子の中央の位置にあることにより、皮膚に直接接触する考え得る任意の衣料品に広く適用できる。
【0007】
請求項1のプリアンブルに記載のシステムは、業界に知られており、米国特許出願US2003/012993に記載されている。知られているシステムでは、第1の固定素子は、押圧接続又はベルクロ(velcro)接続により、第2の固定素子に接続される。実際には、これらの接続は、システムを身体に接続するまたは身体から剥がすために押す又は引っ張る動きを行わなければならないので、システムのユーザにとって非常に心地が悪い。これは、結果として、ユーザの皮膚が押されるか引き伸ばされ、不快な感覚を引き起こす。
【0008】
本発明の目的は、上述の欠点を取り除く、請求項1のプリアンブルによるシステムを提供することである。
【0009】
本発明によるシステムは、この目的のために、接続手段がスライド接続を形成するという特徴を有する。スライド接続は、衣料品が簡単に皮膚に取り付けられるという利点を有する。
【0010】
システムの実用的な実施形態では、前記スライド接続は、前記第1の固定素子又は前記第2の固定素子に配置された縁、前記第1の固定素子又は前記第2の固定素子に配置された閉端、を有し、前記縁と前記閉端とは共同する。これにより、システムの高さは、実質的に縁の厚さ及び閉端の高さに限られ、これは平坦な構造をもたらす。この寸法は、システムの着心地を更に向上させる。知られている接続に比べて、スライド接続の比較的平坦な構造は、本発明によるシステムの使用中にシステムからユーザが殆ど不便を受けないという利点も有する。システムの限られた小さなサイズにより、システムは、衣類に完全に統合され、それにより使用中に殆ど見えない。
【0011】
本発明によるシステム第1の好適な実施形態では、前記接続手段は、前記第1の固定素子の周りの縁と、前記第2の固定素子の上の閉端を有する高台と、を具え、前記閉端と前記高台は前記縁を受けるためのものである。
【0012】
望ましくは、縁は円形であり、高台と閉端とはU字形であり、第1の固定素子はボタン形である。
【0013】
第2の代替の好適な実施形態では、前記縁は、1又は複数の溝のような凹部の縁により前記第1の固定素子に形成され、前記閉端は前記第2の固定素子の高台に配置され、前記溝のような凹部の幅は前記閉端の最小の幅よりも小さく、前記高台の最大の幅は前記溝のような凹部の幅よりも小さい。
【0014】
望ましくは、溝のような凹部は、閉端が通るための隣接する通路を有する。
【0015】
望ましくは、前記高台及び前記溝のような凹部の断面の形状は、前記第1の固定部が前記第2の固定部に対して回転可能なように共同する。これは、システムの着心地を更に向上させる。
【0016】
第1の固定素子の平坦な構造は、縫い付け可能な大きな表面積が生成され、それにより、第1の固定素子が衣料品にしっかりと接続できるという利点を有する。
【0017】
本発明は、本発明によるシステムを具えた衣料品にも関する。
【0018】
さらに、本発明は、本発明によるシステムの構成要素として記載された第2の固定素子として用いられる固定素子に関する。
【0019】
本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による、ビキニが身体に取り付けられるシステムを示す。
【図2】本発明によるシステムの第1の好適な実施形態を示す。
【図3】本発明によるシステムの第2の好適な実施形態を示す。
【図4】システムの第2の好適な実施形態の第1の固定部の代替の好適な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1(Fig.1a〜1l)は、本発明によるシステムの好適な実施形態によるシステムを示す。このシステムでは、説明を目的として、ビキニが身体に取り付けられる。
【0022】
Fig.1a〜1cは、第2の固定素子1−1が取り付けられる身体1−2を示す。第2の固定素子の位置は、衣料品が最適に支持されるように、及び衣料品が取り付けられた後に第2の固定素子1−1が実質的に見えないように、選択され得る。
【0023】
Fig.1d〜1fは、ビキニ1−3が身体1−2に本発明によるシステムを用いて取り付けられている身体1−2を示す。このシステムは、Fig.2のように具現化される。第1及び第2の固定素子は、ここでは隠されている。
【0024】
Fig.1g〜1iは、ビキニ1−3が身体1−2に本発明によるシステムを用いて取り付けられた身体1−2を示す。ここで、第2の固定素子1−1は球状の突起を設けられ、対応する第1の固定素子1−4は、球状の突起を受けるビキニ内の補強された穴を用いてビキニ内に形成される。
【0025】
Fig.1j〜1lは、ビキニ1−3が身体1−2に本発明によるシステムを用いて取り付けられた身体1−2を示す。ここで、第2の固定素子1−1は球状の突起を設けられ、対応する第1の固定素子1−5は、球状の突起を受けるビキニ内のループを用いてビキニ内に形成される。
【0026】
図2は、本発明によるシステムの第1の好適な実施形態2を示す。システム2は、第1の固定素子2−1及び第2の固定素子2−2により形成される。第1の固定素子2−1は、望ましくは円筒形であり、プラスチックで具現化され、縁2−3を設けられる。第1の固定素子2−1は、衣料品(示されない)に取り付けるためのものである。第1の固定素子2−1は、この目的のために、穴2−4を設けられ、第1の固定素子2−1が紐(thread)を用いて衣料品に取り付けられるようになっている。さらに、留め具2−5により、第1の固定素子2−1を衣料品に取り付けることも可能である。留め具2−5は、ここで、衣料品の線維を通じて圧迫される。留め具2−5のピン2−6は、第1の固定素子2−1の対応する穴2−7に受けられ固定される。
【0027】
第2の固定素子2−2は、平坦な側面を設けられ、堅い材料で、望ましくはプラスチックから作られる。平坦な側面は、目的に適した接着剤により身体に取り付けるためのものである。接着剤は、ここで、既に平坦な側面に適用され得る。裏当てフィルムは、身体に取り付けるために剥がされなければならない。接着剤は別個に適用されてもよい。固定素子は、望ましくはU形を形成する高台(elevation)2−8を設けられる。閉端2−9は、高台2−8の上に配置される。第1の固定素子2−1は、縁2−3を高台2−8内にスライドすることにより、第2の固定素子2−2に留められる。第1の固定素子2−1は、ここで、少なくとも1つの安全突起2−10により位置が保持される。第2の固定素子2−2は、望ましくは、留め具2−5のピン2−6を受けるための凹部2−11を更に設けられる。
【0028】
図3は、本発明によるシステムの第2の好適な実施形態3を示す。システム3は、第1の固定素子3−1及び第2の固定素子3−2により形成される。溝のような凹部3−5は、第1の固定素子3−1内に配置される。第1の固定素子3−1は、衣料品(示されない)に取り付けるためのものである。第2の固定素子3−2は、高台3−8に配置される閉端3−9を設けられる。第2の固定素子3−2は、身体に取り付けるためのものであり、第1の好適な実施形態の第2の固定素子2−2と同じように身体に接続される。第1の固定素子3−1は第2の固定素子3−2に接続される。また、高台3−8は、溝のような凹部3−5が閉端3−9により固定された後に、溝のような凹部3−5を通じてスライドされる。第1の固定素子3−2は、望ましくは、閉端3−9が通るための通路3−4を有する。溝のような凹部3−5の長さは、このように限定され得る。第2の好適な実施形態は、望ましくは、ストレッチ衣類に適用される。ここで、第1の固定素子と第2の固定素子との間の接続は、ストレッチ衣類を引っ張る動作に起因する張力を受けて位置付けられる。第1の固定素子3−1は、望ましくは、平坦な表面3−10を有し、望ましくはプラスチックで具現化される。第1の固定素子3−1は、望ましくは、衣料品内に、例えば破線で示された位置に、縫い込まれる。システムを可能な限り閉端に保つために、高台3−8の高さは縁3−3の厚さとほぼ等しいことが推奨される。ここで、システムの組み立てられた位置において、縁3−3と閉端3−9との間には間隔があり、この間隔は、第1の固定素子3−1が第2の固定素子3−2内でスライドすることを可能にしている。
【0029】
図4は、本発明によるシステムの第2の好適な実施形態3の第1の固定部3−1の代替の好適な実施形態を示す。図4のdでは、固定部3−1は、複数の溝のような凹部を有し、固定部3−1は、異なる角度(α、β、θ)に3つの対応する角点を有する。これにより、異なる衣料品のために固定部3−1を製造することが可能であり、最も適切な角度が固定部3−1を衣類に取り付けるために選択できる。
【0030】
図3の固定部3−2の代替として、固定部3−2は、それぞれ高台3−8を有する複数の閉端3−9を備えてもよい。これにより、システムのユーザは、固定部3−1が取り付けられる固定部3−2の閉端3−9について選択肢を有する。
【0031】
本発明は、記載され示された好適な実施形態に限定されず、前述の記載及び添付の図面を参照して分かるように、請求の範囲に定められた保護の範囲内に包含される任意の実施形態にも及ぶ。
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】

【図1e】

【図1f】

【図1g】

【図1h】

【図1i】

【図1j】

【図1k】

【図1l】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣料品を身体に開放可能に取り付けるシステムであって、前記衣料品に取り付けるための第1の固定素子、前記身体に付着するための第2の固定素子、を有し、前記の両方の固定素子は、共同接続手段を具え、前記第2の固定素子は実質的に硬い材料から製造され、前記第2の固定素子は実質的に平坦な付着表面を具え、前記共同接続手段は、前記第1の固定素子及び前記第2の固定素子の実質的に中央に配置され、前記接続手段はスライド接続を形成する、システム。
【請求項2】
前記スライド接続は、前記第1の固定素子又は前記第2の固定素子に配置された縁、前記第1の固定素子又は前記第2の固定素子に配置された閉端、を有し、前記縁と前記閉端とは共同する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記接続手段は、前記第1の固定素子の周りの縁と、前記第2の固定素子の上の閉端を有する高台と、を具え、前記閉端と前記高台は前記縁を受けるためのものである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記縁は円形であり、前記高台及び前記閉端はU字形である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記縁は、1又は複数の溝のような凹部の縁により前記第1の固定素子に形成され、前記閉端は前記第2の固定素子の高台に配置され、前記溝のような凹部の幅は前記閉端の最小の幅よりも小さく、前記高台の最大の幅は前記溝のような凹部の幅よりも小さい、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記溝のような凹部は、前記閉端が通るための隣接する通路を有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記高台及び前記溝のような凹部の断面の形状は、前記第1の固定部が前記第2の固定部に対して回転可能なように共同する、請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステムを具えた衣料品。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステムの構成要素として記載された第2の固定素子として用いられる固定素子。

【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【公表番号】特表2013−519803(P2013−519803A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552829(P2012−552829)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/NL2011/050101
【国際公開番号】WO2011/099859
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(512193436)
【Fターム(参考)】