衣服類掛止用フック及びロッカー
【課題】 ロッカーの側壁面に設置した衣服類掛止用フックから衣服を取り外し操作した際、衣服やフックに過大な力が働いたとしても、衣服やフックへの過大な力が作用するのを防止し、ロッカー側壁の破損を防止し、幼稚園等で用いる木製ロッカーの耐久性向上をも図る。
【解決手段】 ロッカーの側壁面2aに設置し、衣服類を引っ掛けで掛止する衣服掛止用フックであって、壁面に固定する基盤11と、該基盤に設けられた弧状のガイド部12,13と、壁面に沿い、且つ該ガイド部に沿って上方位置から下方位置に弧状に移動可能な略L形の掛止部材21と、該掛止部材21をガイド部の上方位置へ付勢する付勢部材23と、該掛止部材を上方位置に位置決めする位置決め機構とで構成した。
【解決手段】 ロッカーの側壁面2aに設置し、衣服類を引っ掛けで掛止する衣服掛止用フックであって、壁面に固定する基盤11と、該基盤に設けられた弧状のガイド部12,13と、壁面に沿い、且つ該ガイド部に沿って上方位置から下方位置に弧状に移動可能な略L形の掛止部材21と、該掛止部材21をガイド部の上方位置へ付勢する付勢部材23と、該掛止部材を上方位置に位置決めする位置決め機構とで構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカーの側壁面に設置し、衣服類を引っ掛け、保持する衣服類掛止用フック及びロッカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
幼稚園等では、園児は園内で私服から制服に着替え、又制服から私服に着替える。着替えた不使用の衣服は、ロッカー内に設けた衣服掛止用フックに掛けて保持、収納する。
衣服を掛けて保持するフックは、ロッカーの壁面に設置されており、衣服掛止用フックは、ロッカーの収納空間内の奥の壁面では衣服を取り出しにくく、又奥の壁面では一面しか使用し得ないことから左右の側壁面に設置することが好ましい。
【0003】
従来、衣服を掛けることが可能な壁面設置用の帽子かけが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開昭60−27775号公報
【0004】
特許文献1の帽子かけは、壁面に設置するカバー主体1(特許文献1中の符号を用いる。)に、支点3で枢着されたフック状の突起部分4を取付壁面と直角の方向に揺動自在に設けた構造である。
特許文献1の帽子かけを衣服掛止用フックとして用いる場合は、壁面に設置した帽子かけの突起部分4を壁面と直角方向に引き出し、衣服をフックに掛止して保持する。
【0005】
ところで、園児においては、ロッカーの側壁面にフックを設置した場合は、フックに掛止、保持した衣服を取り外す際、衣服は壁面と平行する方向に引き出すこととなる。
園児等の小さい子供では、側壁面から直角方向に突出するフックに衣服が掛止された状態でも、手加減せずに無理に側壁面と平行する方向に衣服を引っ張って取り外そうとする場合がある。
【0006】
フックの設置壁面と平行する方向に衣服を引っ張った場合には、フックに対し交叉する方向に衣服を引っ張ることとなり、衣服、フックに無理な負荷がかかる。
この結果、衣服が破れたり、フックを折損したり、甚だしい場合には、フックの取付基盤を含むフック全体がロッカーの側壁面から剥離し、ロッカーの側壁面を傷める場合がある。
木製のロッカーを用いた場合には、フックから衣服を取り外す際の無理な操作で、衣服が破れる他、ロッカーの板材が破損したりし、フック全体が木製の壁面から剥離したりする。木の板材からなるロッカーの設置壁面を傷めた場合には、修復が難しくなり、側板の交換等を要する等の不都合がある。
【0007】
上記した特許文献1の帽子かけでは、フックに相当する突起部分4は、カバー主体に対し揺動はするが、壁面と直角の方向に出没、揺動するので、突起部分4に衣服を掛け、引っ張った場合には、突起部分4に揺動不可の壁面と平行する方向に負荷がかかり、衣服や突起部分が破損したり、設置壁面が破損するおそれがある。
従って、上記と同様の不都合を抱える衣服掛けである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の従来の衣服掛止用フックの問題点を解決すべくなされたものである。
本発明は、ロッカーの側壁面に衣服掛止用フックを設置し、衣服を掛止した際、壁面と平行する方向から衣服の取り外し操作を行い、万一手加減せずこの操作を行い、衣服やフックに過大な力が働いたとしても、衣服やフックへの過大な力(負荷)が作用するのを防止し、衣服、フックの破損、ひいてはフックを設置したロッカー側壁の破損を防止し、幼稚園等で用いる木製ロッカーの衣服着脱時におけるフック設置側壁への負荷軽減、破損防止を通してロッカーの耐久性向上をも企図し得る衣服掛止用フックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、ロッカー等の側壁面に設置し、衣服類を引っ掛けで掛止する衣服類掛止用フックであって、壁面に固定する基盤と、該基盤に設けられた弧状のガイド部と、壁面に沿い、且つ該ガイド部に沿って上方位置から下方位置に弧状に移動可能な略L形の掛止部材と、該掛止部材をガイド部の上方位置へ付勢する付勢部材と、該掛止部材を上方位置に位置決めする位置決め機構とからなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記位置決め機構は、弧状のガイド部の端部、又は基盤に突設した掛止部材の回動を規制するストッパ部、又は弧状のガイド部に設けた規制部の何れか一つであり、前記掛止部材の付勢部材は、ばねであることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記位置決め機構を構成するストッパ部、又はガイド部に設けた規制部は、弧状ガイド部に沿って2カ所設け、一方を除去して他方をストッパ、又は規制部としたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2において、前記掛止部材の略L形に突出する側とは反対側の縁に、基部から先端部に傾斜する傾斜縁を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1又は請求項2において、前記掛止部材は、基部及び略L形のフック部分で構成し、フック部分と基部とは、フック部分を倒した下方位置で倒れ側に屈曲するように枢着したことを特徴とする。
【0014】
衣服類を収納するロッカーであって、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の衣服類掛止用フックを、衣服類収納空間の壁面に設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、ロッカー等の側壁面に設置した衣服類を掛止する略L形の掛止部材は、側壁面に取り付けたガイド部に移動可能に設けられており、ガイド部内に付勢されて上方位置に保持されており、衣服類を確実に掛止し、衣服類を壁面と平行する方向で、掛止部材の突出方向に対し直角方向に引っ張って取り外そうとした場合、掛止部材はガイド部にガイドされて側壁面に沿って起立したL形部分が上方位置から下方位置に弧状に移動して倒れ、L形部分の先端が手前側(衣服を引っ張る方向)に向くので、衣服類は外れ易く、衣服は掛止部材から容易に外れる。
従って、掛止部材に衣服類を掛止し、子供等が手加減せずに衣服類を引っ張って取り外そうとした場合においても、衣服類はフックから容易に外れ、衣服類やフックの破損、延いてはフックを設置したロッカーの壁面が傷ついたり、破損することがない。
また、以上を基盤のガイド部を介して上方位置から下方位置に弧状に移動可能な略L形の掛止部材と、これを原位置である上方位置に位置決めし、この位置に付勢する付勢部材で構成するので、構造が簡素であり、しかも、弾性部材で付勢された掛止部材は、ガイド部に沿って弧状に移動して衣服の取り外しを行うので、衣服類を掛止した掛止部材の確実で安定した衣服の取り外しがなされる。
【0016】
請求項2に係る発明では、位置決め機構を、弧状のガイド部の端部、又は基盤に突設した掛止部材の回動を規制するストッパ部、又は弧状のガイド部に設けた規制部の何れか一つとし、掛止部材の付勢部材はばねとしたので、請求項1の効果に加えるに、ガイド部材の端部、ストッパ部、規制部の何れかに付勢され、起立した掛止部材の位置決めは確実になされる。又付勢部材をばねとすることで、トーションばね等を用いることが出来、付勢機構の簡素化と作動の安定、確実を図ることが出来る。
【0017】
請求項3に係る発明では、位置決め機構を構成するストッパ部、又はガイド部に設けた規制部は、弧状ガイド部に沿って2カ所設け、一方を除去して他方をストッパ、又は規制部としたので、請求項1,2の効果に加えるに、左右の側壁の一方を選択して衣服掛止用フックを設置するに際し、2カ所のストッパ部、又は規制部の一方を選択して残し、他方を除去することで、左右の側壁の何れにも同一の衣服掛止用フックを設置することが出来、汎用性に優れるとともに、任意側壁面への設置、選択作業もストッパ部、又は規制部の一方を除去するだけなので、容易である。
【0018】
請求項4に係る発明では、掛止部材の衣服を引っ掛ける縁の反対側の縁に、基部から先端部に傾斜する傾斜縁を設けたので、略L形の掛止部材を下方位置へ移動させ、フック部の先端が手前側(衣服類を引っ張る方向)に向いた際、フック部の先端の向きとが反対側の縁が先端部方向に傾斜しているので、請求項1又は請求項2の効果に加えるに、衣服類は該傾斜に沿って円滑、容易に摺動し、掛止部材に過大な力が作用することなく、衣服類を掛止部材から円滑、容易に取り外すことができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、掛止部材を基部及びフック部分で構成し、フック部分と基部とは、フック部分の上方位置で上方に屈曲可能に枢着し、フック部分を倒した下方位置で倒れ側に屈曲するようにしたので、フック部分を下方位置として手前側に倒した際、衣服類を手前に引っ張ることでフック部分が引っ張る方向に屈曲し、衣服類を円滑、確実、容易に掛止用フックから取り外すことができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、請求項1〜請求項5に記載の衣服類掛止用フックをロッカーの衣服類収納空間の壁面に設置したので、請求項1〜請求項5の効果とともに、ロッカーの衣服類収納空間の壁面に設置した掛止部材に衣服類を掛止し、子供等が手加減せずに衣服類を引っ張って取り外そうとした場合においても、衣服類はフックから容易に外れ、フックを介して衣服類を掛止したロッカーの壁面に、フックを介して過大な力や無理な負荷が作用するのを防止し、ロッカーの衣服を掛止する壁面が傷ついたり、破損することがなく、ひいてはロッカーの傷つきや破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、ロッカー及びロッカーに衣服を収納した状態を示す説明的斜視図である。
ロッカー1は実施の形態では左右に3個の収納空間2…を備える3連のものを示している。ロッカー1は、左右の側板1a,1a、天井板1b、奥壁板1c、底板1dを備え、前方に開放している。
左右方向の中間部に2枚の仕切板3,3を縦設して内部を同幅、同高の3個の収納空間2…に仕切っている。
以上のロッカー1は、構成部材を木製の板材で構成した。
【0022】
収納空間2…の底には内底板1e…を配置し、内底板1e…と底板1dとの間に中間底板1f…を横架し、内底板1e…中間底板1f…の間、中間底板1f…と底板1dとの間に前方に引き出し可能な抽出4,4…を上下に収納し、抽出4,4…には園児の小物やバッグ、下履き等を収納する。
収納空間2…内に、幼稚園等で着替えた後の衣服5を掛止する衣服類掛止用フック10を設置する。
衣服類掛止用フック10は、ロッカー1の収納空間2…の内側を向く側面(壁面)2a、仕切板3,3の該面2aと平行する側面(壁面)2a,2aの上部に設置する。
【0023】
掛止用フック10は、図1の衣服を掛止していない右端の収納空間2Cに設置した状態を明らかに示した。
衣服5を掛止する掛止部材21は、仕切板3の取付面である側面(壁面)2aと直角の方向に突出している。
以上の掛止用フック10は、収納空間2A,2Bにおいても、その内側の左側の側面(壁面)2a,2aの上部に設置されており、これらの掛止用フック10,10には衣服5,5を掛止した状態を示した。
尚、実施例では、掛止用フック10は、収納空間2A〜2Cにおいて夫々1個づつ設置されている状態を示したが、各側面(壁面)2a…に2個以上並べて設置することも可能である。また、同時に収納空間2A〜2Cにおいて、上記した設置側面(壁面)2aに向かい合う側面(壁面)に設置することも可能であり、例えば、各収納空間2A〜2Cの両側の側面(壁面)に夫々2個づつの各空間に4個づつの掛止用フック10…を設置しても良い。
【0024】
図2は、掛止用フック10の正面側から見た外観斜視図、図3は正面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は基盤の要部の背面図、図6は同位置決め機構の説明的斜視図、図7は分解斜視図である。
これらの図面を参照しつつ説明する。
【0025】
掛止用フック10は基盤11と掛止部材21、21とからなる。基盤11は、図2、図3、図7で示した通り、実施の形態では上半部が弧状で、下半部が矩形であり平坦な板状の本体11aの外面が正面を構成し、本体11aの周縁部は裏面に囲枠状に突出し、周縁部を囲む突縁部11bを形成している。
図2及び図3で示した通り、突縁部11bの左右には、取付面2aへの取付フランジ部11c,11cが左右に張り出すように設けられており、取付フランジ部11c,11cを取付面である側面2aにビス等で固定する。
【0026】
基盤11の本体11aには、図2、図3で明らかなようにガイド部を構成する弧状のガイド長孔12,13を、本体11aの表裏を貫通するように設ける。
ガイド長孔12,13は、長さがある下向きの弧状の長孔で構成され、上下に所定の間隔を空けて離間するように平行に設けられている。
ガイド長孔12,13の円弧の中心位置には裏面方向に突出する支軸部14,15を突設し、実施の形態では、図4で示したように筒軸状に支軸部14,15を裏面方向に突出させた。
【0027】
掛止部材21は実施の形態では上下に2個備え、一方が長く、他方が短い。各掛止部材21,21は、以上の上下の支軸部14,15に、各基部21aに設けた係合孔21bを介して回転自在に嵌合支持し、フック部22を、本体11aの弧状長孔12,13から、本体11aの表面と直交する方向に突出するように設置する。
各掛止部材21は、図5、図7で明らかなように、係合孔21bを穿設した円盤状の基部21aと、これの上方に延設されたアーム部21cと、アーム部21cから基部21aと直交する方向に突出した長さを有する衣服を引っ掛けて掛止するフック部22とからなる。
フック部22は、基部に大径段部22aを備えて基部から中間部の軸部22bが棒状で直線状であり、先部の掛止部22cが上傾して衣服を引っ掛けて抜き難くしている。
【0028】
ところで、基盤11の本体11aの裏面であって、裏面に突出した支軸部14,15の上方左右には裏面方向に突出する長い杆状のストッパを構成する突起16A,16Bを予め突設しておき、掛止部材21の揺動方向を許容する側の突起を折ったりして除去する。図6では、裏面から見て右側の突起16Bを除去した。
ところで、掛止用フック10の設置は、図1で示すロッカー1の空間2A〜2Cの左右の側面(壁面)を選択することで、2つ設けた突起16A,16Bの一方を除去し、他方を残置する。残置させる突起16A,16Bの選択は、後述するばね23の付勢方向に対し規制する側のものである。
【0029】
図5、図6で明示されるように、裏面に突出する支軸部14,15は、上側の支軸部14の基部に大径段部14a(下段は15a。図4参照)を設け、これの周辺部に係止孔11dを設け、一方、掛止部材21の基部21aの係合孔21bの周辺部には係止孔21dを設ける。
掛止部材21の復帰及び位置保持用のばね23は、実施の形態ではトーションばねであり、コイル部23aを基盤11の裏面に突出した支軸部14の外周に嵌合し、一端部23bを基盤11の本体11aに設けた係止孔11dに係止する。
【0030】
一方、掛止部材21は、フック部22の軸部22b及び先部を上側の弧状長孔12に挿入し、基部21aを係合孔21bを介して筒状の支軸部14に嵌合し、基部21aの係止孔21dにトーションばね23のコイル部23aの他端部23cを係止する。
掛止部材21は、その基部21aの係合孔21bを介して支軸部14に回動自在に嵌合されている。
下側の支軸部15と掛止部材21との関係は上部と同構造であり、図4に示したように、トーションばね23を支軸部15と掛止部材21の基部21aとの間に係止した。
前記したように掛止部材21は、図2、図4、図7で示したように上側のもの21Aを長くし、下側のもの21Bは短かく、上下の掛止部材21A,21Bで衣服類を掛止した場合の取り易さや、一方が衣服、他方が帽子やバッグ等のように使い分けても良い。
【0031】
以上により、基盤11の本体11aの正面に開口する上下の弧状の長孔12,13から突出する掛止部材21A,21Bは、図2、図3において矢印(ア)で示した時計方向(右回り)の回転力がばね23で付勢され、この側に設けた前記の突起16Aが規制、位置決め部材として機能し、支軸部14,15に回転自在で、付勢された掛止部材21A,21Bは、各基部21aが突起16Aに当接することで図2、図3に示す位置に位置決め、保持される。
この位置では、掛止部材21A,21Bは、図3に示したように、中心位置よりも若干回転の許容方向よりも反対側に傾斜した位置で保持される。
ところで、掛止用フック10を左右の側壁(壁面)の何れかに設置するかにより、ばね23の巻き方向が異なり、この場合は巻き方向が異なるばねに交換する必要があるが、ばねの巻き方向を変えれば左右何れの側面(壁面)にも掛止用フック10は設置が可能である。
【0032】
掛止部材21A,21Bの上下の各フック部22,22は、長孔12,13内においてストッパ16A,16Aとは反対側の図の反時計方向(左方向)に回転が許容され、矢印(イ)方向に長孔内において、ばねの付勢に抗し、弧状に移動(回転)することができる。
【0033】
図8は、掛止用フック10の掛止部材21に衣服5を掛止した状態を示す斜視図、図9は、図8の状態から衣服を引っ張った状態を示す斜視図である。
衣服5は、フック部22の先部の掛止部22cに襟部5aが引っ掛けて掛止され、ロッカー1の収納空間2内において側面2aに沿ってぶら下がって保持される。
通常では、襟部5aが持ち上がるように衣服をフック部22の先部の掛止部22cから外し、衣服を掛止部材21から外す。
ところで、襟部5aが掛止部材22の掛止部22cに引っ掛かったまま矢印(ウ)で示すように収納空間2の開放側である手前側に引っ張る場合がある。
【0034】
図8に示すように、衣服5の襟部5aが掛止部材21の掛止部22cに引っ掛かったまま矢印(ウ)の方向に引っ張ったとしよう。
掛止部材21は支軸部14を支点として図の手前方向(左方向)に長孔12に沿ってばね23の付勢に抗して回転し、フック部22の掛止部22cは、図9に示すように回転によりその先端が手前側に向き、襟部5aが掛止から容易に外れる向きとなる。
【0035】
矢印(エ)への衣服5の引っ張りを継続することにより、図9に示すように襟部5aは掛止部22cに引っ掛かることなく、該掛止部22cから容易に外れる。
従って、衣服を無理にフック10から外そうと引っ張っても、衣服を掛止するフック部22の掛止部22cの向きは、図9に示したように掛止を開放する方向となり、幼稚園等の園児が往々にして行う衣服の引っ張りによる掛止用フック10からの取り外しに際し、衣服を傷めたり、掛止用フックの各部を損傷したり、フックを介してロッカーの取付壁面へ悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0036】
図10は、ストッパの他の実施の形態を示す斜視図である。図において、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
基盤11の本体11aに形成した弧状の長孔12,13内の左右の部分には、長孔12,13の上下の縁を繋ぐように2個のブリッジ部116A,116Bを設ける。
【0037】
図11は、長孔のブリッジ部の一方を除去し、ストッパを形成した状態の説明的斜視図である。
ブリッジ部116A,116Bの一方、例えば116Bを除去する。これにより他方のブリッジ部116Aが長孔12内の一方の半部に残留し、ストッパを構成する。ブリッジを除去した側は長孔12が連通し、長孔12の連通部12a内に臨むフックは、連通部12a内で移動可能であり、移動はストッパ(ブリッジ部)116Aで規制され、上記したストッパを構成する突起16Aと同様に機能する。
【0038】
図12は、図11におけるストッパを採用した掛止用フック10の正面図である。
図で明らかなように、掛止部材21、21をガイドする上下の長孔12,13の連通部12a、13aの中央部より右より位置に残留ブリッジ部で形成されたストッパ(ブリッジ部)116A,116Aが臨み、ばねで図の右方向に付勢された掛止部材21,21を規制し、この位置に保持する。
【0039】
図13は、ストッパの更なる他の実施の形態を示す斜視図である。図において、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
弧状長孔212及び213の円弧の角度を、前記した例に比較して短くし、長孔212,213の付勢された掛止部材21,21が当接する端部212a,213aを支軸部14,15の右上位置に配置し、掛止部材21,21の端部212a,213aへの当接で、端部212a,213aをストッパとして機能させる。
この実施の形態では、ストッパが前記したような折らない残留したピン状のストッパで構成するのと異なり、ストッパ(係止部)の強度を高めることが可能である。
【0040】
図14は、掛止部材の他の実施の形態を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。図において、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
掛止部材21の棒状フック部22の軸部22bの上傾した先部の掛止部22cとは反対側の部分に、軸方向に向かって長さのあるガイド片122を径方向外方に突設した。
ガイド片122は、先部122aが先部の掛止部22cの背面と合流して突出量が小さく、大径段部22aに近くなるにつれて後部122bの突出量が大きくなり、先部122aと後部122bとを直線状の傾斜した縁辺122cで繋げている。
【0041】
図15及び図16は、図14の掛止部材21による衣服の掛止状態及び取り外し操作の状態を示す斜視図である。
図15では掛止部材21のフック部22はガイド長孔12の最上位よりも若干図の右側に偏寄した位置で付勢により保持されており、傾斜した掛止部22cは衣服5の襟部5aを引っ掛けて保持している。
この状態で、矢印(ウ)のように手前側に衣服5を引っ張り、外し操作をしたとしよう。
【0042】
衣服5の引っ張りで掛止部材21は支軸部14を支点として図の手前方向(左方向)にガイド長孔12に沿ってばね23の付勢に抗して回転し、フック部22の掛止部22cは、図16に示すように回転により手前側に向く。
これとともに、フック部22のガイド片122は、掛止部22cの向きとは反対側でフック部22の軸方向先端部方向に突出量が徐々に小さく傾斜した向きとなり、衣服5の引っ掛かった襟部5aが斜辺に沿って滑って外れる方向となり、襟部5aが掛止部材21から容易に外れる向きとなる。
【0043】
この結果、矢印(エ)への衣服5の引っ張りを継続することにより、図16に示すように襟部5aは掛止部22cに引っ掛かることなく、且つガイド片122にガイドされて掛止部22cから容易に外れる。
従って、衣服を無理に掛止用フック10の掛止部材21から外そうと引っ張っても、衣服を掛止するフック部22の掛止部22cは向きが手前側となり、ガイド片122の傾斜とも相俟って衣服の襟部5aは手前側に抜け出す方向に引かれることとなる。
これにより、幼稚園等の園児が往々にして行う衣服の引っ張りによる掛止用フック10からの取り外しに際し、衣服を傷めたり、掛止用フックの各部を損傷したり、フックを介してロッカーの取付壁面へ悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0044】
図17及び図18は、掛止部材の更なる他の実施の形態を示す斜視図及び掛止部材単品の側面図である。図において、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
図18に示したように、掛止部材221は、フック部222が角度の浅い略L形で、フック状の先端部を有する軸部222A(フック部分)と、該軸部222Aの末端部で支軸222Cで屈曲自在に支持される断面が凹形の支持部222B(基部)とからなり、支持部222Bは基部21a上部のアーム部21cより突出した大径段部22aから基部21aと直交する方向に突設されている。
【0045】
掛止部材221は、ばねで付勢されてストッパ(突起)16Aに当接している規制位置では、掛止部22cは図18と同様の状態で略L形をなすように上方を向き、衣服5の襟部5aを引っ掛けた状態で、軸部222の末端部と支持部222Bの嵌合部が当接し、屈曲を阻止されて衣服を引っ掛けた状態に保持する。
【0046】
衣服5の引っ張りで、掛止部材221は支軸部14を支点として図の手前方向(左方向)にガイド長孔12に沿ってばね23の付勢に抗して回転する。これとともに、フック部222の軸部222Aの向きは手前側となり、衣服5を引っ張ると支軸222Cを支点として支持部222Bに対して軸部222Aは手前側に屈曲し、衣服5の襟部5aが容易に外れる方向に折れ曲がり、基盤11に負荷を全く作用させることなく、衣服は極めて容易に外れることとなる。
【0047】
尚、本発明に係る衣服掛止用フックは、実施の形態ではロッカーに適用したが、室内の壁面等にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の衣服類掛止用フックは、幼稚園等の幼児用ロッカーに設置するに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】ロッカー及びロッカーに衣服類を収納した状態を示す説明的斜視図である。
【図2】図1の2部分の拡大図で、衣服類掛止用フックの正面側から見た外観斜視図である。
【図3】図2の矢視3方向の図で、衣服類掛止用フックの正面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】基盤の要部の背面図である。
【図6】位置決め機構の説明的斜視図である。
【図7】衣服類掛止用フックの分解斜視図である。
【図8】フックの掛止部材に衣服を掛止した状態を示す斜視図である。
【図9】図8の状態から衣服を引っ張った状態を示す斜視図である。
【図10】ストッパの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】長孔のブリッジ部の一方を除去し、ストッパを形成した状態の説明的斜視図である。
【図12】図11におけるストッパを採用したフックの正面図である。
【図13】ストッパの更なる他の実施の形態を示す斜視図である。
【図14】掛止部材の他の実施の形態を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図15】図14の掛止部材による衣服の掛止状態を示す斜視図である。
【図16】図14の掛止部材による衣服の取り外し操作の状態を示す斜視図である。
【図17】掛止部材の更なる他の実施の形態を示す斜視図である。
【図18】図17の掛止部材の単品の側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1…ロッカー、 2a…側壁(壁面)、 5…衣服、 10…掛止用フック、 11…基盤、 12,13…ガイド部であるガイド長孔、 21…掛止部材、 23…付勢部材であるばね、 16A,16B,116A,116B…位置決め機構を構成するストッパ、 122…傾斜縁であるガイド片、 221…掛止部材、 222A…フック部分である軸部、 222B…基部である支持部、 222C…屈曲部である支軸。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカーの側壁面に設置し、衣服類を引っ掛け、保持する衣服類掛止用フック及びロッカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
幼稚園等では、園児は園内で私服から制服に着替え、又制服から私服に着替える。着替えた不使用の衣服は、ロッカー内に設けた衣服掛止用フックに掛けて保持、収納する。
衣服を掛けて保持するフックは、ロッカーの壁面に設置されており、衣服掛止用フックは、ロッカーの収納空間内の奥の壁面では衣服を取り出しにくく、又奥の壁面では一面しか使用し得ないことから左右の側壁面に設置することが好ましい。
【0003】
従来、衣服を掛けることが可能な壁面設置用の帽子かけが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開昭60−27775号公報
【0004】
特許文献1の帽子かけは、壁面に設置するカバー主体1(特許文献1中の符号を用いる。)に、支点3で枢着されたフック状の突起部分4を取付壁面と直角の方向に揺動自在に設けた構造である。
特許文献1の帽子かけを衣服掛止用フックとして用いる場合は、壁面に設置した帽子かけの突起部分4を壁面と直角方向に引き出し、衣服をフックに掛止して保持する。
【0005】
ところで、園児においては、ロッカーの側壁面にフックを設置した場合は、フックに掛止、保持した衣服を取り外す際、衣服は壁面と平行する方向に引き出すこととなる。
園児等の小さい子供では、側壁面から直角方向に突出するフックに衣服が掛止された状態でも、手加減せずに無理に側壁面と平行する方向に衣服を引っ張って取り外そうとする場合がある。
【0006】
フックの設置壁面と平行する方向に衣服を引っ張った場合には、フックに対し交叉する方向に衣服を引っ張ることとなり、衣服、フックに無理な負荷がかかる。
この結果、衣服が破れたり、フックを折損したり、甚だしい場合には、フックの取付基盤を含むフック全体がロッカーの側壁面から剥離し、ロッカーの側壁面を傷める場合がある。
木製のロッカーを用いた場合には、フックから衣服を取り外す際の無理な操作で、衣服が破れる他、ロッカーの板材が破損したりし、フック全体が木製の壁面から剥離したりする。木の板材からなるロッカーの設置壁面を傷めた場合には、修復が難しくなり、側板の交換等を要する等の不都合がある。
【0007】
上記した特許文献1の帽子かけでは、フックに相当する突起部分4は、カバー主体に対し揺動はするが、壁面と直角の方向に出没、揺動するので、突起部分4に衣服を掛け、引っ張った場合には、突起部分4に揺動不可の壁面と平行する方向に負荷がかかり、衣服や突起部分が破損したり、設置壁面が破損するおそれがある。
従って、上記と同様の不都合を抱える衣服掛けである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の従来の衣服掛止用フックの問題点を解決すべくなされたものである。
本発明は、ロッカーの側壁面に衣服掛止用フックを設置し、衣服を掛止した際、壁面と平行する方向から衣服の取り外し操作を行い、万一手加減せずこの操作を行い、衣服やフックに過大な力が働いたとしても、衣服やフックへの過大な力(負荷)が作用するのを防止し、衣服、フックの破損、ひいてはフックを設置したロッカー側壁の破損を防止し、幼稚園等で用いる木製ロッカーの衣服着脱時におけるフック設置側壁への負荷軽減、破損防止を通してロッカーの耐久性向上をも企図し得る衣服掛止用フックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、ロッカー等の側壁面に設置し、衣服類を引っ掛けで掛止する衣服類掛止用フックであって、壁面に固定する基盤と、該基盤に設けられた弧状のガイド部と、壁面に沿い、且つ該ガイド部に沿って上方位置から下方位置に弧状に移動可能な略L形の掛止部材と、該掛止部材をガイド部の上方位置へ付勢する付勢部材と、該掛止部材を上方位置に位置決めする位置決め機構とからなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記位置決め機構は、弧状のガイド部の端部、又は基盤に突設した掛止部材の回動を規制するストッパ部、又は弧状のガイド部に設けた規制部の何れか一つであり、前記掛止部材の付勢部材は、ばねであることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記位置決め機構を構成するストッパ部、又はガイド部に設けた規制部は、弧状ガイド部に沿って2カ所設け、一方を除去して他方をストッパ、又は規制部としたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2において、前記掛止部材の略L形に突出する側とは反対側の縁に、基部から先端部に傾斜する傾斜縁を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1又は請求項2において、前記掛止部材は、基部及び略L形のフック部分で構成し、フック部分と基部とは、フック部分を倒した下方位置で倒れ側に屈曲するように枢着したことを特徴とする。
【0014】
衣服類を収納するロッカーであって、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の衣服類掛止用フックを、衣服類収納空間の壁面に設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、ロッカー等の側壁面に設置した衣服類を掛止する略L形の掛止部材は、側壁面に取り付けたガイド部に移動可能に設けられており、ガイド部内に付勢されて上方位置に保持されており、衣服類を確実に掛止し、衣服類を壁面と平行する方向で、掛止部材の突出方向に対し直角方向に引っ張って取り外そうとした場合、掛止部材はガイド部にガイドされて側壁面に沿って起立したL形部分が上方位置から下方位置に弧状に移動して倒れ、L形部分の先端が手前側(衣服を引っ張る方向)に向くので、衣服類は外れ易く、衣服は掛止部材から容易に外れる。
従って、掛止部材に衣服類を掛止し、子供等が手加減せずに衣服類を引っ張って取り外そうとした場合においても、衣服類はフックから容易に外れ、衣服類やフックの破損、延いてはフックを設置したロッカーの壁面が傷ついたり、破損することがない。
また、以上を基盤のガイド部を介して上方位置から下方位置に弧状に移動可能な略L形の掛止部材と、これを原位置である上方位置に位置決めし、この位置に付勢する付勢部材で構成するので、構造が簡素であり、しかも、弾性部材で付勢された掛止部材は、ガイド部に沿って弧状に移動して衣服の取り外しを行うので、衣服類を掛止した掛止部材の確実で安定した衣服の取り外しがなされる。
【0016】
請求項2に係る発明では、位置決め機構を、弧状のガイド部の端部、又は基盤に突設した掛止部材の回動を規制するストッパ部、又は弧状のガイド部に設けた規制部の何れか一つとし、掛止部材の付勢部材はばねとしたので、請求項1の効果に加えるに、ガイド部材の端部、ストッパ部、規制部の何れかに付勢され、起立した掛止部材の位置決めは確実になされる。又付勢部材をばねとすることで、トーションばね等を用いることが出来、付勢機構の簡素化と作動の安定、確実を図ることが出来る。
【0017】
請求項3に係る発明では、位置決め機構を構成するストッパ部、又はガイド部に設けた規制部は、弧状ガイド部に沿って2カ所設け、一方を除去して他方をストッパ、又は規制部としたので、請求項1,2の効果に加えるに、左右の側壁の一方を選択して衣服掛止用フックを設置するに際し、2カ所のストッパ部、又は規制部の一方を選択して残し、他方を除去することで、左右の側壁の何れにも同一の衣服掛止用フックを設置することが出来、汎用性に優れるとともに、任意側壁面への設置、選択作業もストッパ部、又は規制部の一方を除去するだけなので、容易である。
【0018】
請求項4に係る発明では、掛止部材の衣服を引っ掛ける縁の反対側の縁に、基部から先端部に傾斜する傾斜縁を設けたので、略L形の掛止部材を下方位置へ移動させ、フック部の先端が手前側(衣服類を引っ張る方向)に向いた際、フック部の先端の向きとが反対側の縁が先端部方向に傾斜しているので、請求項1又は請求項2の効果に加えるに、衣服類は該傾斜に沿って円滑、容易に摺動し、掛止部材に過大な力が作用することなく、衣服類を掛止部材から円滑、容易に取り外すことができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、掛止部材を基部及びフック部分で構成し、フック部分と基部とは、フック部分の上方位置で上方に屈曲可能に枢着し、フック部分を倒した下方位置で倒れ側に屈曲するようにしたので、フック部分を下方位置として手前側に倒した際、衣服類を手前に引っ張ることでフック部分が引っ張る方向に屈曲し、衣服類を円滑、確実、容易に掛止用フックから取り外すことができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、請求項1〜請求項5に記載の衣服類掛止用フックをロッカーの衣服類収納空間の壁面に設置したので、請求項1〜請求項5の効果とともに、ロッカーの衣服類収納空間の壁面に設置した掛止部材に衣服類を掛止し、子供等が手加減せずに衣服類を引っ張って取り外そうとした場合においても、衣服類はフックから容易に外れ、フックを介して衣服類を掛止したロッカーの壁面に、フックを介して過大な力や無理な負荷が作用するのを防止し、ロッカーの衣服を掛止する壁面が傷ついたり、破損することがなく、ひいてはロッカーの傷つきや破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、ロッカー及びロッカーに衣服を収納した状態を示す説明的斜視図である。
ロッカー1は実施の形態では左右に3個の収納空間2…を備える3連のものを示している。ロッカー1は、左右の側板1a,1a、天井板1b、奥壁板1c、底板1dを備え、前方に開放している。
左右方向の中間部に2枚の仕切板3,3を縦設して内部を同幅、同高の3個の収納空間2…に仕切っている。
以上のロッカー1は、構成部材を木製の板材で構成した。
【0022】
収納空間2…の底には内底板1e…を配置し、内底板1e…と底板1dとの間に中間底板1f…を横架し、内底板1e…中間底板1f…の間、中間底板1f…と底板1dとの間に前方に引き出し可能な抽出4,4…を上下に収納し、抽出4,4…には園児の小物やバッグ、下履き等を収納する。
収納空間2…内に、幼稚園等で着替えた後の衣服5を掛止する衣服類掛止用フック10を設置する。
衣服類掛止用フック10は、ロッカー1の収納空間2…の内側を向く側面(壁面)2a、仕切板3,3の該面2aと平行する側面(壁面)2a,2aの上部に設置する。
【0023】
掛止用フック10は、図1の衣服を掛止していない右端の収納空間2Cに設置した状態を明らかに示した。
衣服5を掛止する掛止部材21は、仕切板3の取付面である側面(壁面)2aと直角の方向に突出している。
以上の掛止用フック10は、収納空間2A,2Bにおいても、その内側の左側の側面(壁面)2a,2aの上部に設置されており、これらの掛止用フック10,10には衣服5,5を掛止した状態を示した。
尚、実施例では、掛止用フック10は、収納空間2A〜2Cにおいて夫々1個づつ設置されている状態を示したが、各側面(壁面)2a…に2個以上並べて設置することも可能である。また、同時に収納空間2A〜2Cにおいて、上記した設置側面(壁面)2aに向かい合う側面(壁面)に設置することも可能であり、例えば、各収納空間2A〜2Cの両側の側面(壁面)に夫々2個づつの各空間に4個づつの掛止用フック10…を設置しても良い。
【0024】
図2は、掛止用フック10の正面側から見た外観斜視図、図3は正面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は基盤の要部の背面図、図6は同位置決め機構の説明的斜視図、図7は分解斜視図である。
これらの図面を参照しつつ説明する。
【0025】
掛止用フック10は基盤11と掛止部材21、21とからなる。基盤11は、図2、図3、図7で示した通り、実施の形態では上半部が弧状で、下半部が矩形であり平坦な板状の本体11aの外面が正面を構成し、本体11aの周縁部は裏面に囲枠状に突出し、周縁部を囲む突縁部11bを形成している。
図2及び図3で示した通り、突縁部11bの左右には、取付面2aへの取付フランジ部11c,11cが左右に張り出すように設けられており、取付フランジ部11c,11cを取付面である側面2aにビス等で固定する。
【0026】
基盤11の本体11aには、図2、図3で明らかなようにガイド部を構成する弧状のガイド長孔12,13を、本体11aの表裏を貫通するように設ける。
ガイド長孔12,13は、長さがある下向きの弧状の長孔で構成され、上下に所定の間隔を空けて離間するように平行に設けられている。
ガイド長孔12,13の円弧の中心位置には裏面方向に突出する支軸部14,15を突設し、実施の形態では、図4で示したように筒軸状に支軸部14,15を裏面方向に突出させた。
【0027】
掛止部材21は実施の形態では上下に2個備え、一方が長く、他方が短い。各掛止部材21,21は、以上の上下の支軸部14,15に、各基部21aに設けた係合孔21bを介して回転自在に嵌合支持し、フック部22を、本体11aの弧状長孔12,13から、本体11aの表面と直交する方向に突出するように設置する。
各掛止部材21は、図5、図7で明らかなように、係合孔21bを穿設した円盤状の基部21aと、これの上方に延設されたアーム部21cと、アーム部21cから基部21aと直交する方向に突出した長さを有する衣服を引っ掛けて掛止するフック部22とからなる。
フック部22は、基部に大径段部22aを備えて基部から中間部の軸部22bが棒状で直線状であり、先部の掛止部22cが上傾して衣服を引っ掛けて抜き難くしている。
【0028】
ところで、基盤11の本体11aの裏面であって、裏面に突出した支軸部14,15の上方左右には裏面方向に突出する長い杆状のストッパを構成する突起16A,16Bを予め突設しておき、掛止部材21の揺動方向を許容する側の突起を折ったりして除去する。図6では、裏面から見て右側の突起16Bを除去した。
ところで、掛止用フック10の設置は、図1で示すロッカー1の空間2A〜2Cの左右の側面(壁面)を選択することで、2つ設けた突起16A,16Bの一方を除去し、他方を残置する。残置させる突起16A,16Bの選択は、後述するばね23の付勢方向に対し規制する側のものである。
【0029】
図5、図6で明示されるように、裏面に突出する支軸部14,15は、上側の支軸部14の基部に大径段部14a(下段は15a。図4参照)を設け、これの周辺部に係止孔11dを設け、一方、掛止部材21の基部21aの係合孔21bの周辺部には係止孔21dを設ける。
掛止部材21の復帰及び位置保持用のばね23は、実施の形態ではトーションばねであり、コイル部23aを基盤11の裏面に突出した支軸部14の外周に嵌合し、一端部23bを基盤11の本体11aに設けた係止孔11dに係止する。
【0030】
一方、掛止部材21は、フック部22の軸部22b及び先部を上側の弧状長孔12に挿入し、基部21aを係合孔21bを介して筒状の支軸部14に嵌合し、基部21aの係止孔21dにトーションばね23のコイル部23aの他端部23cを係止する。
掛止部材21は、その基部21aの係合孔21bを介して支軸部14に回動自在に嵌合されている。
下側の支軸部15と掛止部材21との関係は上部と同構造であり、図4に示したように、トーションばね23を支軸部15と掛止部材21の基部21aとの間に係止した。
前記したように掛止部材21は、図2、図4、図7で示したように上側のもの21Aを長くし、下側のもの21Bは短かく、上下の掛止部材21A,21Bで衣服類を掛止した場合の取り易さや、一方が衣服、他方が帽子やバッグ等のように使い分けても良い。
【0031】
以上により、基盤11の本体11aの正面に開口する上下の弧状の長孔12,13から突出する掛止部材21A,21Bは、図2、図3において矢印(ア)で示した時計方向(右回り)の回転力がばね23で付勢され、この側に設けた前記の突起16Aが規制、位置決め部材として機能し、支軸部14,15に回転自在で、付勢された掛止部材21A,21Bは、各基部21aが突起16Aに当接することで図2、図3に示す位置に位置決め、保持される。
この位置では、掛止部材21A,21Bは、図3に示したように、中心位置よりも若干回転の許容方向よりも反対側に傾斜した位置で保持される。
ところで、掛止用フック10を左右の側壁(壁面)の何れかに設置するかにより、ばね23の巻き方向が異なり、この場合は巻き方向が異なるばねに交換する必要があるが、ばねの巻き方向を変えれば左右何れの側面(壁面)にも掛止用フック10は設置が可能である。
【0032】
掛止部材21A,21Bの上下の各フック部22,22は、長孔12,13内においてストッパ16A,16Aとは反対側の図の反時計方向(左方向)に回転が許容され、矢印(イ)方向に長孔内において、ばねの付勢に抗し、弧状に移動(回転)することができる。
【0033】
図8は、掛止用フック10の掛止部材21に衣服5を掛止した状態を示す斜視図、図9は、図8の状態から衣服を引っ張った状態を示す斜視図である。
衣服5は、フック部22の先部の掛止部22cに襟部5aが引っ掛けて掛止され、ロッカー1の収納空間2内において側面2aに沿ってぶら下がって保持される。
通常では、襟部5aが持ち上がるように衣服をフック部22の先部の掛止部22cから外し、衣服を掛止部材21から外す。
ところで、襟部5aが掛止部材22の掛止部22cに引っ掛かったまま矢印(ウ)で示すように収納空間2の開放側である手前側に引っ張る場合がある。
【0034】
図8に示すように、衣服5の襟部5aが掛止部材21の掛止部22cに引っ掛かったまま矢印(ウ)の方向に引っ張ったとしよう。
掛止部材21は支軸部14を支点として図の手前方向(左方向)に長孔12に沿ってばね23の付勢に抗して回転し、フック部22の掛止部22cは、図9に示すように回転によりその先端が手前側に向き、襟部5aが掛止から容易に外れる向きとなる。
【0035】
矢印(エ)への衣服5の引っ張りを継続することにより、図9に示すように襟部5aは掛止部22cに引っ掛かることなく、該掛止部22cから容易に外れる。
従って、衣服を無理にフック10から外そうと引っ張っても、衣服を掛止するフック部22の掛止部22cの向きは、図9に示したように掛止を開放する方向となり、幼稚園等の園児が往々にして行う衣服の引っ張りによる掛止用フック10からの取り外しに際し、衣服を傷めたり、掛止用フックの各部を損傷したり、フックを介してロッカーの取付壁面へ悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0036】
図10は、ストッパの他の実施の形態を示す斜視図である。図において、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
基盤11の本体11aに形成した弧状の長孔12,13内の左右の部分には、長孔12,13の上下の縁を繋ぐように2個のブリッジ部116A,116Bを設ける。
【0037】
図11は、長孔のブリッジ部の一方を除去し、ストッパを形成した状態の説明的斜視図である。
ブリッジ部116A,116Bの一方、例えば116Bを除去する。これにより他方のブリッジ部116Aが長孔12内の一方の半部に残留し、ストッパを構成する。ブリッジを除去した側は長孔12が連通し、長孔12の連通部12a内に臨むフックは、連通部12a内で移動可能であり、移動はストッパ(ブリッジ部)116Aで規制され、上記したストッパを構成する突起16Aと同様に機能する。
【0038】
図12は、図11におけるストッパを採用した掛止用フック10の正面図である。
図で明らかなように、掛止部材21、21をガイドする上下の長孔12,13の連通部12a、13aの中央部より右より位置に残留ブリッジ部で形成されたストッパ(ブリッジ部)116A,116Aが臨み、ばねで図の右方向に付勢された掛止部材21,21を規制し、この位置に保持する。
【0039】
図13は、ストッパの更なる他の実施の形態を示す斜視図である。図において、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
弧状長孔212及び213の円弧の角度を、前記した例に比較して短くし、長孔212,213の付勢された掛止部材21,21が当接する端部212a,213aを支軸部14,15の右上位置に配置し、掛止部材21,21の端部212a,213aへの当接で、端部212a,213aをストッパとして機能させる。
この実施の形態では、ストッパが前記したような折らない残留したピン状のストッパで構成するのと異なり、ストッパ(係止部)の強度を高めることが可能である。
【0040】
図14は、掛止部材の他の実施の形態を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。図において、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
掛止部材21の棒状フック部22の軸部22bの上傾した先部の掛止部22cとは反対側の部分に、軸方向に向かって長さのあるガイド片122を径方向外方に突設した。
ガイド片122は、先部122aが先部の掛止部22cの背面と合流して突出量が小さく、大径段部22aに近くなるにつれて後部122bの突出量が大きくなり、先部122aと後部122bとを直線状の傾斜した縁辺122cで繋げている。
【0041】
図15及び図16は、図14の掛止部材21による衣服の掛止状態及び取り外し操作の状態を示す斜視図である。
図15では掛止部材21のフック部22はガイド長孔12の最上位よりも若干図の右側に偏寄した位置で付勢により保持されており、傾斜した掛止部22cは衣服5の襟部5aを引っ掛けて保持している。
この状態で、矢印(ウ)のように手前側に衣服5を引っ張り、外し操作をしたとしよう。
【0042】
衣服5の引っ張りで掛止部材21は支軸部14を支点として図の手前方向(左方向)にガイド長孔12に沿ってばね23の付勢に抗して回転し、フック部22の掛止部22cは、図16に示すように回転により手前側に向く。
これとともに、フック部22のガイド片122は、掛止部22cの向きとは反対側でフック部22の軸方向先端部方向に突出量が徐々に小さく傾斜した向きとなり、衣服5の引っ掛かった襟部5aが斜辺に沿って滑って外れる方向となり、襟部5aが掛止部材21から容易に外れる向きとなる。
【0043】
この結果、矢印(エ)への衣服5の引っ張りを継続することにより、図16に示すように襟部5aは掛止部22cに引っ掛かることなく、且つガイド片122にガイドされて掛止部22cから容易に外れる。
従って、衣服を無理に掛止用フック10の掛止部材21から外そうと引っ張っても、衣服を掛止するフック部22の掛止部22cは向きが手前側となり、ガイド片122の傾斜とも相俟って衣服の襟部5aは手前側に抜け出す方向に引かれることとなる。
これにより、幼稚園等の園児が往々にして行う衣服の引っ張りによる掛止用フック10からの取り外しに際し、衣服を傷めたり、掛止用フックの各部を損傷したり、フックを介してロッカーの取付壁面へ悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0044】
図17及び図18は、掛止部材の更なる他の実施の形態を示す斜視図及び掛止部材単品の側面図である。図において、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
図18に示したように、掛止部材221は、フック部222が角度の浅い略L形で、フック状の先端部を有する軸部222A(フック部分)と、該軸部222Aの末端部で支軸222Cで屈曲自在に支持される断面が凹形の支持部222B(基部)とからなり、支持部222Bは基部21a上部のアーム部21cより突出した大径段部22aから基部21aと直交する方向に突設されている。
【0045】
掛止部材221は、ばねで付勢されてストッパ(突起)16Aに当接している規制位置では、掛止部22cは図18と同様の状態で略L形をなすように上方を向き、衣服5の襟部5aを引っ掛けた状態で、軸部222の末端部と支持部222Bの嵌合部が当接し、屈曲を阻止されて衣服を引っ掛けた状態に保持する。
【0046】
衣服5の引っ張りで、掛止部材221は支軸部14を支点として図の手前方向(左方向)にガイド長孔12に沿ってばね23の付勢に抗して回転する。これとともに、フック部222の軸部222Aの向きは手前側となり、衣服5を引っ張ると支軸222Cを支点として支持部222Bに対して軸部222Aは手前側に屈曲し、衣服5の襟部5aが容易に外れる方向に折れ曲がり、基盤11に負荷を全く作用させることなく、衣服は極めて容易に外れることとなる。
【0047】
尚、本発明に係る衣服掛止用フックは、実施の形態ではロッカーに適用したが、室内の壁面等にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の衣服類掛止用フックは、幼稚園等の幼児用ロッカーに設置するに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】ロッカー及びロッカーに衣服類を収納した状態を示す説明的斜視図である。
【図2】図1の2部分の拡大図で、衣服類掛止用フックの正面側から見た外観斜視図である。
【図3】図2の矢視3方向の図で、衣服類掛止用フックの正面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】基盤の要部の背面図である。
【図6】位置決め機構の説明的斜視図である。
【図7】衣服類掛止用フックの分解斜視図である。
【図8】フックの掛止部材に衣服を掛止した状態を示す斜視図である。
【図9】図8の状態から衣服を引っ張った状態を示す斜視図である。
【図10】ストッパの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】長孔のブリッジ部の一方を除去し、ストッパを形成した状態の説明的斜視図である。
【図12】図11におけるストッパを採用したフックの正面図である。
【図13】ストッパの更なる他の実施の形態を示す斜視図である。
【図14】掛止部材の他の実施の形態を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図15】図14の掛止部材による衣服の掛止状態を示す斜視図である。
【図16】図14の掛止部材による衣服の取り外し操作の状態を示す斜視図である。
【図17】掛止部材の更なる他の実施の形態を示す斜視図である。
【図18】図17の掛止部材の単品の側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1…ロッカー、 2a…側壁(壁面)、 5…衣服、 10…掛止用フック、 11…基盤、 12,13…ガイド部であるガイド長孔、 21…掛止部材、 23…付勢部材であるばね、 16A,16B,116A,116B…位置決め機構を構成するストッパ、 122…傾斜縁であるガイド片、 221…掛止部材、 222A…フック部分である軸部、 222B…基部である支持部、 222C…屈曲部である支軸。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッカー等の側壁面に設置し、衣服類を引っ掛けで掛止する衣服類掛止用フックであって、
壁面に固定する基盤と、該基盤に設けられた弧状のガイド部と、壁面に沿い、且つ該ガイド部に沿って上方位置から下方位置に弧状に移動可能な略L形の掛止部材と、該掛止部材をガイド部の上方位置へ付勢する付勢部材と、該掛止部材を上方位置に位置決めする位置決め機構と、
からなる衣服類掛止用フック。
【請求項2】
前記位置決め機構は、弧状のガイド部の端部、又は基盤に突設した掛止部材の回動を規制するストッパ部、又は弧状のガイド部に設けた規制部の何れか一つであり、前記掛止部材の付勢部材は、ばねであることを特徴とする請求項1記載の衣服類掛止用フック。
【請求項3】
前記位置決め機構を構成するストッパ部、又はガイド部に設けた規制部は、弧状ガイド部に沿って2カ所設け、一方を除去して他方をストッパ、又は規制部としたことを特徴とする請求項2記載の衣服類掛止用フック。
【請求項4】
前記掛止部材の略L形に突出する側とは反対側の縁に、基部から先端部に傾斜する傾斜縁を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衣服類掛止用フック。
【請求項5】
前記掛止部材は、基部及び略L形のフック部分で構成し、フック部分と基部とは、フック部分を倒した下方位置で倒れ側に屈曲するように枢着したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衣服類掛止用フック。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の衣服類掛止用フックを、衣服類収納空間の壁面に設置したことを特徴とするロッカー。
【請求項1】
ロッカー等の側壁面に設置し、衣服類を引っ掛けで掛止する衣服類掛止用フックであって、
壁面に固定する基盤と、該基盤に設けられた弧状のガイド部と、壁面に沿い、且つ該ガイド部に沿って上方位置から下方位置に弧状に移動可能な略L形の掛止部材と、該掛止部材をガイド部の上方位置へ付勢する付勢部材と、該掛止部材を上方位置に位置決めする位置決め機構と、
からなる衣服類掛止用フック。
【請求項2】
前記位置決め機構は、弧状のガイド部の端部、又は基盤に突設した掛止部材の回動を規制するストッパ部、又は弧状のガイド部に設けた規制部の何れか一つであり、前記掛止部材の付勢部材は、ばねであることを特徴とする請求項1記載の衣服類掛止用フック。
【請求項3】
前記位置決め機構を構成するストッパ部、又はガイド部に設けた規制部は、弧状ガイド部に沿って2カ所設け、一方を除去して他方をストッパ、又は規制部としたことを特徴とする請求項2記載の衣服類掛止用フック。
【請求項4】
前記掛止部材の略L形に突出する側とは反対側の縁に、基部から先端部に傾斜する傾斜縁を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衣服類掛止用フック。
【請求項5】
前記掛止部材は、基部及び略L形のフック部分で構成し、フック部分と基部とは、フック部分を倒した下方位置で倒れ側に屈曲するように枢着したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衣服類掛止用フック。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の衣服類掛止用フックを、衣服類収納空間の壁面に設置したことを特徴とするロッカー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−230960(P2006−230960A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54079(P2005−54079)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000000930)株式会社学習研究社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000000930)株式会社学習研究社 (8)
【Fターム(参考)】
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