表示制御装置、表示制御方法および表示制御装置用プログラム
【課題】目的地への経路誘導をより判りやすくする表示制御装置、表示制御方法および表示制御装置用プログラムを提供する。
【解決手段】表示制御装置は、地図を表示手段(表示部11)に表示させる表示制御手段と、ユーザにより選択された地図上の位置30の情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、表示制御手段は、位置30の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像(42)を、地図とともに表示手段(表示部11)に表示させる。
【解決手段】表示制御装置は、地図を表示手段(表示部11)に表示させる表示制御手段と、ユーザにより選択された地図上の位置30の情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、表示制御手段は、位置30の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像(42)を、地図とともに表示手段(表示部11)に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、経路誘導に用いられる表示制御装置、表示制御方法および表示制御装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地から目的地に歩行者や運転手等を誘導する経路誘導システムにおいて、目的地への経路誘導をより判りやすくするために様々な技術が開示されている。たとえば、歩行者の停止時に、表示器に現在位置からの第一歩を踏み出す方向を指し示す初動指標マークを表示する歩行者用ナビゲーション装置が開示されている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−286494号公報(図6等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の発明では、経路誘導システムにより歩行者等に対して誘導の方向(誘導方向)が示されたとしても、この誘導方向の認識に手間がかかり、目的地への経路誘導が判りにくいという問題がある。特に歩行者等が駅やその他の施設の出口から出たときや道に迷ったときは、方向感覚をつかみにくく、示された誘導方向の認識に時間がかかることもある。
【0005】
本願は、以上の点に鑑みなされたものであり、その目的の一例は、目的地への経路誘導をより判りやすくする表示制御装置、表示制御方法および表示制御装置用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、地図を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより選択された前記地図上の位置の情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記位置の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像を、前記地図とともに前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0007】
また請求項5に記載の発明は、表示制御手段が、地図を表示手段に表示させる表示制御ステップと、位置情報取得手段が、ユーザにより選択された前記地図上の位置の情報を取得する位置情報取得ステップと、を含み、前記表示制御ステップにおいて、前記位置の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像を、前記地図とともに前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0008】
また請求項6に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願に係る一実施形態の経路誘導システム構成例を示すブロック図である。
【図2】一実施形態の経路誘導システム構成例における管理サーバの概要構成の一例を示すブロック図である。
【図3】経路の誘導に関連した複数の位置の一例を示す模式図である。
【図4】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機の一例を示す平面図である。
【図5】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図6】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機と管理サーバにおける経路探索開始のための動作例を示すフローチャートである。
【図7】図6の動作例における経路探索結果の表示例を示す模式図である。
【図8】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機と管理サーバにおいて第1風景画像を表示するための動作例を示すフローチャートである。
【図9】一実施形態において選択位置でのユーザと風景画像との関連を示す模式図である。
【図10】一実施形態において選択位置での周辺風景画像の一例を示す模式図である。
【図11】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機と管理サーバにおいて第2風景画像を表示するための動作例を示すフローチャートである。
【図12】一実施形態の変形例において、第1風景画像に誘導方向を案内する表示を重畳表示する例を示す模式図である。
【図13】一実施形態の他の変形例において、第2風景画像を示す模式図である。
【図14】一実施形態の別の変形例において、第2風景画像を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、管理サーバと複数の携帯端末機が接続されたネットワークについて、本願を適用した場合の実施の形態である。また、図示の便宜上、1台の管理サーバと2台の携帯端末機のみを図示するが、実際のネットワークには、この他にも多数の携帯端末機について適用が可能であり、サーバを複数台設置することにより機能および処理負担を分散させることができる。
【0011】
先ず、本実施形態に係る経路誘導システムの概要構成について、図1を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る経路誘導システムの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、経路誘導システム1は、経路探索等を実行する管理サーバ2と、この管理サーバ2による実行結果の表示等を行う画像表示装置の一例としての複数の携帯端末機10と、を備えている。管理サーバ2は、経路の誘導に関連した複数の位置において、その各周りの風景に相当する周辺風景画像(以下で詳述)を有し、携帯端末機10は経路を誘導するための画像を少なくとも表示する表示手段の一例として表示部11を有している。
【0013】
これら管理サーバ2と携帯端末機10とは、通信手段の一例としてのネットワーク3を介して相互にデータの送受信が可能(たとえば、通信プロトコルにTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて、相互にデータの送受信が可能
)になっている。なお、ネットワーク3は、たとえば、インターネット、専用通信回線(たとえば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(無線基地局等を含む)、およびゲートウェイ等により構築されている。
【0014】
次に、管理サーバ2の構成および機能について詳細に説明する。図2は、経路誘導システム1の構成例におけるサーバの概要構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図2に示すように、管理サーバ2は、各種プログラムおよびデータ等を記憶する記憶部(たとえば、ハードディスク等)5と、ネットワーク3に接続して携帯端末機10との通信状態を制御する通信部6(たとえば、ネットワークアダプタ等)と、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有する制御部7と、を備え、システムバス8を介して相互に接続されている。
【0016】
記憶部5には、地図データとして、道路データ、鉄道網データ、施設データ等の他に、経路の誘導に関連した複数の位置における周辺風景画像が記憶されている。地図データは、管理サーバ2により経路探索を行うためや携帯端末機10の表示部11に表示する画像のために用いられる。
【0017】
ここで、経路の誘導に関連した複数の位置の一例として、図3に示すように、鉄道や地下鉄といった輸送機関20の駅21における駅出口22近傍やショッピングモールといった、施設内外の境界近傍が挙げられる。また図3に示すように、交差点23の近傍での位置30も経路の誘導に関連した複数の位置の一例として挙げられる。その他、迷いやすい地点や、高い建物等のランドマークが確認しやすい地点でもよい。なお経路の誘導に関連した複数の位置は、上記で例示したように、たとえば経路の誘導をする上で重要なポイントとになる位置であり、経路探索を行った結果における特定の経路上の位置に限られない。
【0018】
このような位置30を基準として、複数の方向で撮影された写真に相当する風景画像が周辺風景画像の一例である。なお、周辺風景画像は、人間が実際見る風景と比較しやすい画像であればよく、写真として撮影されたそのものの風景画像の他に、この風景画像を修正した画像やグラフィックス技術により描画された画像でもよい。
【0019】
制御部7は、CPUが、ROMまたは記憶部5に記憶されたサーバ用プログラム等の各種プログラムを読み出し実行することにより、管理サーバ2の各部を統括制御するとともに、携帯端末機10からの要求を受けて、経路探索を実行したり、画像データを加工したりするようになっている。なお、各種プログラム等は、たとえば、他のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、CD−ROM等の記録媒体に記録されてドライブを介して読み込まれるようにしてもよい。
【0020】
次に、携帯端末機10の構成および機能について、図4および図5を用いて詳細に説明する。
【0021】
図4は本実施形態に係る携帯端末機の一例を示す平面図である。図5は本実施形態に係る携帯端末機10の概要構成の一例を示すブロック図である。ここで携帯端末機10の一例として、携帯電話や、歩行者用ナビゲーション装置や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ノート型パーソナルコンピュータや、携帯型DVDプレーヤー等、少なくとも表示手段を有する携帯型の機器が挙げられる。
【0022】
図4および図5に示すように携帯端末機10は、経路探索結果や風景画像等を表示する表示部11と、各種機能を実現するプログラムを呼び出す際等に使用される操作部12と、通話のための音声を入力する音声入力部13と、通話のための音声を出力したりユーザに対する指示を音で出力したりする音声出力部14と、管理サーバ2と送受信を行う無線通信部15と、携帯端末機10の現在位置を測定するGPS(Global Positioning System)測位部16と、管理サーバ2から送信されたデータ等を記憶する記憶部17と、携帯端末機10の各種制御を行う制御部18と、を備え、これら各部はシステムバス19により接続されている。
【0023】
表示部11は、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子によって構成されている。表示部11は、操作部12に対する入力操作等に基づいて、携帯端末機10の提供する各種機能をユーザに選択させるためのメニュー画面や、管理サーバ2で実行された経路探索結果や、経路を示した地図情報や、周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する第1風景画像や、周辺風景画像のうち位置30からの誘導の方向(誘導方向)における風景画像に対応する第2風景画像等を表示する。ここで、経路を誘導するための画像の一例として、経路探索結果や、第1風景画像や、第2風景画像等が挙げられる。後に詳しく述べるように、第1風景画像はユーザいる現在位置を確認するために用いられるが、第1風景画像と第2風景画像とは密接に関連しあって、目的地への経路誘導が判りやすくなるので、第1風景画像も経路を誘導するために有効に利用される。
【0024】
操作部12は、数字キー、十字キー、機能キーなどの各種キーにより構成されている。数字キーは、電話番号や文字を入力する際に用いられる。また、数字キーには、文字が割り当てられており文字情報を入力する際にも用いられる。十字キーは、メニューの選択や表示画面内の表示情報を上下左右へスクロールする際に用いられる。また、機能キーは、経路探索等の各種機能を実現するプログラムを呼び出す際に用いられる。ここで経路の誘導に関連した複数の位置30から選択位置として一の位置を選択するために用いられる位置選択手段の一例として操作部12の特定のキーが割り当てられている。なお操作部はパネルタッチ方式のように表示部11に設けてもよい。
【0025】
音声入力部13には、マイクロホンが内蔵され、音声出力部14には、スピーカが内蔵されている。
【0026】
無線通信部15は電波を送受信するアンテナを有しており、電波により音声データ、メッセージデータ、地図の画像や風景画像等の画像データ、現在位置情報などの各種データを送受信する。また、無線通信部15は復調や変調も行っている。
【0027】
携帯端末機10の現在位置を検出する現在位置検出手段としての一例であるGPS測位部16は、GPSアンテナを有しており、GPSアンテナは複数の衛星からの電波を受信し、受信信号をGPS測位部16へ供給する。GPS測位部16は、複数の電波を利用して携帯端末機10の現在位置を算出し、現在位置情報として制御部18へ供給する。この現在位置情報は、たとえば緯度および経度の情報とすることができる。
【0028】
記憶部17は、携帯端末機10の有する経路探索機能やメール機能やコミュニケーション機能など種々の機能を実行するためのプログラムを記憶している。また、管理サーバ2から送られた画像データであり、複数の位置30のうちから選択された選択位置における周辺風景画像や、周辺風景画像から取り出された第1風景画像や第2風景画像や、携帯端末機10の現在位置を表示するための地図データ等を一時的に記憶している。
【0029】
制御部18は、CPUやRAM等を有し、システムバス19を介して表示部11、操作部12、音声入力部13、音声出力部14,無線通信部15、GPS測位部16、記憶部17等が接続されていて、携帯端末機10の各種制御するようになっている。そして、種々の機能を実行するためのプログラムを実行するようになっていて、本願に係る第1画像表示制御手段および第2画像表示制御手段の一例を構成するようになっている。
【0030】
以上のシステム構成において、ユーザが携帯端末機10を操作して、所望の目的地を指定すると、管理サーバ2が、携帯端末機10の現在位置から目的地までの経路を探索し、探索された経路に基づいて、携帯端末機10が、現在位置周辺の地図や本願に係る風景画像等を画面に表示しながら目的地までの経路誘導を行うようになっている。
【0031】
次に、経路誘導システム1の動作について説明する。
【0032】
まず経路探索(ナビゲーション)開始のための動作について図に基づいて詳細に説明する。図6は、携帯端末機10と管理サーバ2における経路探索開始のための動作例を示すフローチャートである。
【0033】
まずユーザが経路探索開始のため携帯端末機10の操作部12を操作して、経路探索機能を呼び出し、携帯端末機10の制御部18が、経路の出発地と目的地に関する入力画面を表示部11に表示する(ステップS1)。
【0034】
次にユーザが携帯端末機10の操作部12の数字キー等を押して経路の出発地と目的地を入力する。制御部18は、操作部12からの経路の出発地と目的地に関するデータの入力を受ける(ステップS2)。たとえばユーザが出発地:「近郊埼玉公園」、目的地:「中央東京ビル」と入力する。
【0035】
そして制御部18は、入力されたデータとともに経路探索要求を管理サーバ2に無線通信部15を介して送信する(ステップS3)。
【0036】
管理サーバ2の制御部7は通信部6を介して携帯端末機10からの経路探索要求を受信し(ステップS30)、記憶部5に記憶されているプログラムや地図データに基づき経路探索を実行する(ステップS31)。次いで、制御部7は通信部6を介して経路探索結果を携帯端末機10に送信する(ステップS32)。
【0037】
携帯端末機10の制御部18は、通信部6を介して管理サーバ2からの経路探索結果を受信し(ステップS4)、この経路探索結果を図7に示すように表示部11に表示する(ステップS5)。制御部18は、経路探索結果のデータを記憶部17に記憶しておく(ステップS6)。
【0038】
そして制御部18は、経路探索開始の画面表示を表示部11に表示したり、経路探索開始のナレーションを音声出力部14からアナウンスしたりして経路探索を開始する(ステップS7)。以上、携帯端末機10と管理サーバ2における経路探索開始のための処理を終了する。ユーザは携帯端末機10からの指示に基づき移動を開始する。
【0039】
次に経路探索再開後、ユーザが誘導方向を確実に把握できるように、経路誘導システム1においてユーザが現在位置等をまず確認できるための携帯端末機10と管理サーバ2の動作について図8に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図8は、携帯端末機10と管理サーバ2において第1風景画像を表示するための動作例を示すフローチャートである。
【0041】
まず図7に示したように、ユーザが出発地から徒歩で移動を開始し、途中鉄道を利用して目的地近郊の駅出口に到着したとする。たとえば図3に示したような目的地近郊の駅21で輸送機関20を降車し、携帯端末機10の指示に従い目的地に行くのに便利な駅出口(たとえばA5出口)22から外に出る。そして図9に示すように、ユーザ24は出口を背にして位置30に立っているとする。このユーザ24から見て正面方向(特定方向)31に風景画像41に相当する風景が見え、正面方向31の左手方向に風景画像42に相当する風景が見え、正面方向31の右手方向に風景画像43に相当する風景が見えるとする。また正面方向31の反対側の風景画像44が、駅出口の風景に相当する。これら風景画像41と風景画像42と風景画像43と風景画像44とをあわせた風景画像が周辺風景画像40の一例である。
【0042】
この状態でユーザが操作部12の経路探索開始のキーを押して、携帯端末機10の制御部18は経路探索開始を再開する(ステップS10)。次に携帯端末機10のGPS測位部16が、ユーザの現在位置を検出し(ステップS11)、位置データを管理サーバ2に無線通信部15を介して送信する(ステップS12)。この現在位置検出手段の一例としてのGPS測位部16が、経路の誘導に関連した複数の位置30から選択位置として一の位置(たとえば駅出口A5)を選択するために用いられる位置選択手段の一例として機能する。なお位置選択手段の他の例として、ユーザが表示部11上に表示された複数の位置30から一の位置を操作部12を介して選択してもよいし、また降車駅に到着する時刻にあわせて自動的に複数の位置30から一の位置を選択してもよい。ここで以後、複数の位置30から一の位置を選択位置30として説明する。
【0043】
次に管理サーバ2の制御部7は、通信部6を介して携帯端末機10からの位置データを受信し(ステップS40)、この位置データに基づき記憶部5から位置データに関連づく周辺風景画像40を検索する(ステップS41)。たとえば図10に示すような周辺風景画像を検索する。ここで図10(B)が駅出口A5から出たときの正面方向に見える風景画像41(図9)に対応し、図10(A)が風景画像42に対応し、図10(C)が風景画像43に対応し、図10(D)が風景画像44に対応する。
【0044】
次に管理サーバ2の制御部7は、周辺風景画像40から第1風景画像を取り出す(ステップS42)。具体的には、駅21の駅出口(A5出口)22を背にした正面方向(特定方向の一例)における正面画像である風景画像41を第1風景画像として取り出す。ここで選択位置30における特定方向を決める特定方向決定手段の一例として、管理サーバ2の制御部7が、選択位置30が駅出口である情報に基づき特定方向を決めている。この特定方向は駅出口22からの正面方向でもよいし、ユーザ24が自分のいる位置を認識しやすいランドマーク等が見える方向でもよい。なお周辺風景画像40がパノラマ画像であって、第1風景画像としてこのパノラマ画像を表示して自位置を確認するようにしてもよい。このように第1風景画像は周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応していればよい。
【0045】
次に管理サーバ2の制御部7は、通信部6を介して取り出された第1風景画像41を携帯端末機10に送信する(ステップS43)。
【0046】
携帯端末機10の制御部18は、通信部6を介して管理サーバ2からの第1風景画像41を受信し(ステップS13)、第1画像表示制御手段の一例として、図10(B)に示されたような第1風景画像41を表示部11に表示する(ステップS14)。
【0047】
以上、携帯端末機10と管理サーバ2において第1風景画像41を表示するための処理を終了する。ユーザ24は携帯端末機10の表示部11に表示された第1風景画像41と実際に見ている風景とを照合して自位置が正しいかを確認する。具体的には正しくA5出口を出たことの確認をする。
【0048】
次に第1風景画像41を表示した後、ユーザ24が誘導方向を把握するための携帯端末機10と管理サーバ2の動作について図に基づいて詳細に説明する。
【0049】
図11は、携帯端末機10と管理サーバ2において第2風景画像を表示するための動作例を示すフローチャートである。
【0050】
まず第1風景画像41を表示した後、第2風景画像42への切替を要求するための情報を提示する切替情報提示手段の一例としての携帯端末機10の制御部18が、切替を要求するための画面を表示部11に提示する。ここで切替を要求するための情報の一例として、アイコンや音声やテキストでもよく、音声の場合は、携帯端末機10の音声出力部14から切替を促す音声が出力される。なお、第1風景画像41を表示後一定時間経過により、第2風景画像42を表示してもよい。
【0051】
次にユーザ24が携帯端末機10の表示部11に表示された第1風景画像41を確認した後、第2風景画像42を要求のために操作部12のキーを押す。そして携帯端末機10の制御部18は、第2風景画像42を管理サーバ2に要求する(ステップS20)。
【0052】
管理サーバ2の制御部7は通信部6を介して携帯端末機10からの第2風景画像42の要求を受信する(ステップS50)。
【0053】
次に制御部7は、経路探索結果に基づき、第1風景画像41を基準に第2風景画像42の配置角を決定(ステップS51)。すなわち、図9に示すように、経路探索結果に基づき選択位置30における特定方向31を基準に、選択位置30からの誘導方向32を決定し、誘導方向32が含まれる第2風景画像の配置角を決定する。具体的にはたとえば配置角を左45度とする。
【0054】
そして制御部7は、周辺風景画像40のうちから第2風景画像42を特定して取り出す(ステップS52)。すなわち選択位置30からの誘導方向32における風景画像に対応する第2風景画像42を取り出す。
【0055】
次に制御部7は、第2風景画像42中の誘導方向32に対応する通路に道塗り45を、第2風景画像42に付加する(ステップS53)。たとえば図9や図10(A)に示すように立体的な風景画像にマッチするように道塗り45を付加し、また選択位置30からの誘導方向32以外に、誘導方向32に進んだ後の誘導方向も判るように道塗り45を付加する。なお道塗り45の代わりに矢印で誘導方向32を付加してもよい。
【0056】
そして制御部7は通信部6を介して携帯端末機10に道塗り付加済み第2風景画像42を送信する(ステップS54)。
【0057】
携帯端末機10の制御部18は、通信部6を介して第2風景画像42を受信し(ステップS21)、第2画像表示制御手段の一例として、道塗り45付加済み第2風景画像42を表示部11に表示する(ステップS22)。なお、道塗り45の情報は第2風景画像42と別途送信し、携帯端末機10で第2風景画像42に付加して重畳表示してもよい。
【0058】
ユーザ24は、表示部11に表示された第2風景画像42に基づき、誘導方向に一歩進み出す。
【0059】
さらに、誘導方向以外の風景画像を表示させて、誘導方向に一歩進み出す前に、周りの状況を再度確認させてもよい。この場合、制御部18は、誘導方向以外の風景画像を確認するか否かの判定し(ステップS23)、ユーザ24が他の風景画像を確認したく、これに関連した操作部12のキーを押した場合には(ステップS23;YES)、制御部18は、他の風景画像要求を管理サーバ2に送信する(ステップS24)。管理サーバ2の制御部7は他の風景画像要求を受信し(ステップS55)、他の風景画像を周辺風景画像40から取り出して携帯端末機10に送信する(ステップS56)。携帯端末機10の制御部18は、他の風景画像を受信して表示し(ステップS25)、処理を終了する。
【0060】
一方、ユーザ24が他の風景画像を確認したくなく、これに関連した操作部12のキーを押した場合には(ステップS23;NO)、そのまま処理を終了する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の携帯端末機10は、経路を誘導するための画像を少なくとも表示する表示部11を有する携帯端末機10において、経路の誘導に関連した複数の位置30から選択位置30として一の位置を選択するために用いられるGPS測位部16と、選択位置30の周りの風景に相当する周辺風景画像40のうち少なくとも一部に対応する第1風景画像41を表示部11に表示させるとともに、周辺風景画像40のうち選択位置30からの誘導方向32における風景画像に対応する第2風景画像42を表示部11に表示させる制御部18と、を備える。
【0062】
この構成により、周辺風景画像40から取り出され表示された第1風景画像41と第2風景画像42とは、ユーザ24が見る風景に近いため照合して確認がしやすい。そして現在位置等の選択位置30を確認するための第1風景画像41と誘導方向32を示すための第2風景画像42とが表示部11に表示されるため、第1風景画像41と第2風景画像42とが相まって、ユーザが第1風景画像41により現在位置等を確認後、第2風景画像42を見ると、ユーザ24が立っている位置と、進行しようとしいている方向とが認識しやすく、示された誘導方向の認識が容易に行われ、迷わず一歩を踏み出せる。誘導方向32が示された第2風景画像42だけがユーザ24に示された場合、ユーザ24はその画像がどこにあるのか見回して探す必要があり認識に手間取るが、自分が立っている位置と関連した選択位置30を確認するための第1風景画像41等を見た後、誘導方向における風景画像に対応する第2風景画像を見ると、選択位置30と誘導方向32との関係が把握しやすく、目的地への経路誘導が判りやすくなる。
【0063】
また実際に選択位置30にユーザ24がいなくても、前もって携帯端末機10を操作した場合、前もって駅出口22のように迷いやすい地点等をイメージでき、風景画像として記憶に残こすこともできる。
【0064】
なお、携帯端末機10は、第1風景画像41を表示部11に表示させた後、第2風景画像42を表示させても、第1風景画像41と第2風景画像42とを同時に表示部11にさせてもよい。
また、戻る操作により何度でも第1風景画像41と第2風景画像42を表示することがで
きるようにしてもよい。
【0065】
また、選択位置30における特定方向31を決める特定方向決定手段として、管理サーバ2の制御部7が、選択位置30が駅出口22である情報に基づき特定方向31を決める機能を更に備え、第1風景画像41が選択位置30から特定方向31における風景画像に対応するようにしてもよい。
【0066】
この場合、ユーザ24にとって、駅の出口22の正面方向やランドマークがある方向といった特定方向31の風景画像を表示させることにより、特定方向31に注目でき、ユーザ24の目に入った風景と照合しやすく、ユーザ24が的確に自位置を確認できる。
【0067】
また、第1風景画像41を第2風景画像42より先に表示させた場合に、携帯端末機10の制御部18が、第2風景画像42への切替を要求するための情報を提示する切替情報提示手段としての機能を備えてもよい。
【0068】
この場合、第2風景画像42に切り替わる前に、第2風景画像42への切替を要求する情報を提示することにより、第1風景画像41を確実に認識した後に、第2風景画像42によって誘導方向を的確に示すことができる。
【0069】
また携帯端末機10は、現在位置を検出するGPS測位部16を更に備え、GPS測位部16が現在位置に基づき選択位置30を選択するために用いられるようにしてもよい。
【0070】
この場合、自動で現在位置に対応した選択位置30を選択できる。このため、自動的に選択位置30に対応した第1風景画像41を的確に表示ができる携帯端末機10を実現できる。また、出口等を間違えた場合、さらに経路誘導システム1が自動的にリルートすることで、現在位置に対応した選択位置30を選択できる。なお、GPSの電波が届かない場所や、マルチパスによりGPSの測位誤差が大きい場合や、実際に選択位置30にユーザ24がいなく前もって携帯端末機10を操作する場合や、GPS機能がない携帯端末機10の場合は、ユーザ24自身が携帯端末機10の操作部12を介して、たとえば表示部11に表示された地図上の複数の位置30から選択位置30選択してもよいし、図7のような画面上において操作部12によりカーソルを動かし、選択位置30に対応する「A5出口」を選択してもよい。
【0071】
また、経路の誘導に関連した位置30の全部または一部のいずれか一方を駅21における駅出口22の内外の境界近傍にしてもよい。
【0072】
この場合、施設内外の境界近傍の一例である駅の駅出口22は、迷いやすいところであり、ここに選択位置30の一部を設定することにより、的確にユーザ24を誘導できる。特にユーザ24が地下鉄から降り、地上に出た際、的確にユーザ24を誘導できる。
【0073】
また、周辺風景画像40が、選択位置30から複数の方向における風景画像に相当する場合、方向と風景画像が予め関連づけられているので、特定方向31に対応した第1風景画像41や誘導方向32対応した第2風景画像42を抽出しやすい。
【0074】
また、周辺風景画像40が、選択位置30において撮影された写真に相当する風景画像である場合、ユーザ24が見えている風景と確認しやすく、また周辺風景画像40を準備するコストを低減できる。なお、周辺風景画像40として昼間の風景画像と夜の風景画像を別々に備えてもよい。昼と夜ではユーザ24に見える風景が異なり、時間帯に合わせて昼間の風景画像と夜の風景画像とを切り替えることで、ユーザ24がよりよく選択位置30や誘導方向32を認識できる。また気象条件・イベント(大売出しの垂れ幕など)、シーズンイベント(クリスマスツリー、イルミネーション)等によっても風景画像が異なるようにしてもよい。
【0075】
なお、本実施形態の変形例として、携帯端末機10は、第1風景画像41を表示させる際に誘導方向32を案内する情報を提示する機能を更に備えてもよい。たとえば図12(A)に示すように、誘導方向32を案内する情報として、第1風景画像41に矢印46を提示している。
【0076】
この場合、第2風景画像42に切り替わる前に、誘導方向32を案内する情報を提示することにより、ユーザ24は、第1風景画像41から第2風景画像41への切り替わりの方向感覚をイメージしやすく、誘導方向32を認識しやすくなる。さらに第2風景画像42に誘導方向32に関する情報を表示部11にあわせて提示するようにしてもよい。たとえば図12(B)に示すように、第2風景画像42に誘導方向32を示す矢印47を表示すると、ユーザ24は誘導方向32をより認識しやすくなる。なお、案内する情報として、さらに音声やテキスト表示が挙げられる。
【0077】
また本実施形態の変形例として、携帯端末機10は、現在位置における方位を検出する方位検出手段の一例として方位センサを更に備え、方位センサの情報を管理サーバ2に送信し、この方位センサの情報に基づき管理サーバ2の制御部7が特定方向31を決定するようにしてもよい。
【0078】
この場合、ユーザ24が立っている向きに合わせて第1風景画像41を周辺風景画像40から取り出せる。特に駅出口22以外の交差点23等の選択位置30でも、的確に面前ある風景画像に対応した第1風景画像を表示できるため、ユーザ24が現在位置を確認しやすくなる。なお方位センサの代わりにGPS測位部16がアンテナを複数備え、特定方向31を求めてもよい。
【0079】
また、本実施形態の変形例として、携帯端末機10の制御部18が、特定方向31以外の風景画像をも表示部11に表示させる補助画像表示制御手段としの機能を有してもよい。また第1風景画像41を表示させた後かつ第2風景画像42を表示させる前に、特定方向31以外の風景画像を表示部11に表示させてもよい。たとえば風景画像41、風景画像43、および風景画像44や足元の画像等である。これらの風景画像の中に、自位置を確認しやすいランドマークがあったり、第1風景画像41の他に、自位置確認のための他の画像をさらに表示したりするため、確実に位置を確認できる。特に、特定方向31以外の風景画像が、特定方向31とは反対方向における風景画像に対応する風景画像44である場合、たとえば、駅21の駅出口22から出るとき、駅出口画像である風景画像44を表示させることで、選択位置30から駅出口22を振り返り現在位置を確実に確認できる。
【0080】
さらに、図13に示すように、第2風景画像として、視点の位置の高さを変えた風景画像を表示してもよい。この場合、視点の位置が高いと先の経路まで見渡せることができ、ユーザ24が誘導されやすくなる。
【0081】
また、図14に示すように、第2風景画像42を経路情報48が表示された地図上に重畳表示させることにより、選択位置30からの誘導方向と経路が一度に認識でき、目的地への経路誘導がより判りやすくなる。
【0082】
なお本願の経路としては、携帯端末機10の表示部11に表示される経路や経路探索を行った結果における特定の経路に限られず、一般にある目的地が設定された状態で、この目的地に至る経路も含む。そして携帯端末機10により経路探索を予め実行しなくても、本願の画像表示装置を利用できる。より具体的には、図7に示した例は、近郊埼玉公園を出発する前に、予め携帯端末機10を使用して経路探索をした場合の一例であるが、予め携帯端末機10を使用して経路探索をしないで、目的地に向かう経路の途中で、携帯端末機10を使用して誘導方向を確認してもよい。
【0083】
たとえば近郊埼玉公園から初めて目的地である中央東京ビルに行く場合、中央東京ビルへのアクセス情報として、ユーザ24が中央東京ビルのホームページを見て、地下鉄東京線中央東京駅のA5出口より徒歩10分であることのみを、メモしておく。
【0084】
当日、ユーザ24が私鉄埼玉線で北東京駅まで行き、北東京駅から地下鉄東京線に乗って中央東京駅まで行き、駅に着いたとする。ここで、図3で示した輸送機関20を地下鉄東京線、駅21を中央東京駅とする。
【0085】
中央東京駅21が初めてのユーザ24にとっては中央東京駅21構内が分かりづらく、ユーザ24は、とにかくある駅出口22にたどりつき、図9に示すように、その駅出口22を出たところに位置したとする。
【0086】
携帯端末機10の駅出口情報サービスで駅出口情報を確認すると、駅出口22は、A1出口、A2出口、A3出口、A4出口、A5出口と複数あったとする。
【0087】
ユーザ24が、自分が位置している駅出口22を確認するために、それぞれの駅出口22について駅出口22における第1風景画像41を表示させるサービスを用いて、携帯端末機10の操作部12を操作して、選択位置30としてA1出口、A2出口、A3出口、A4出口、A5出口に該当する部分の表示を順に選択しながら携帯端末機10の表示部11にそれぞれの第1風景画像41を表示させていく。このとき、表示部11に表示された第1風景画像41と駅出口22の正面に見える風景とを照合しながら、自分の位置している駅出口22を確認する。そして携帯端末機10の表示部11に表示された出口正面画像である第1風景画像41から、自分が位置している駅出口22は、A2出口であることが判ったとする。
【0088】
当初の予定していたA5出口を今から探しに行くのは面倒であるため、ユーザ24が、今自分が位置しているA2出口を起点に、中央東京ビルを目的地として経路探索を携帯端末機10により実行する。
【0089】
経路探索の結果より、A2出口近傍の選択位置30からの誘導方向32が算出され、誘導方向32を示すための第2風景画像42が携帯端末機10の表示部11に表示させる。
【0090】
これによりユーザ24は、この第2風景画像42を見て、目的地である中央東京ビルに向けて容易に一歩を歩み始めることができる。
【0091】
この例のように第1風景画像41を表示した後に、経路探索を行って第2風景画像42を表示しても、第1風景画像41に対応した選択位置30を起点として経路探索をして誘導方向32を算出して第2風景画像42を表示しているので、第1風景画像に関連して第2風景画像が表示するようになっている。そのため、この例でも、ユーザ24が立っている位置と、進行しようとしている方向とが認識しやすく、目的地への経路誘導がより判りやすくなっている。
【0092】
なお以上、管理サーバ2と携帯端末機10とが図6や図8や図11のフローチャートで実行したすべての処理を、単独の携帯端末機10が実行してもよい。
【0093】
さらに、図6、図8および図11に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスクまたはハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、またはインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを管理サーバ2の制御部7や携帯端末機10の制御部18で読み出して実行することも可能である。
【符号の説明】
【0094】
7…制御部
10…携帯端末機
11…表示部
12…操作部
16…GPS測位部
18…制御部
22…駅出口
30…選択位置
31…特定方向
32…誘導方向
40…周辺風景画像
41…第1風景画像
42…第2風景画像
50…方位センサ
【技術分野】
【0001】
本願は、経路誘導に用いられる表示制御装置、表示制御方法および表示制御装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地から目的地に歩行者や運転手等を誘導する経路誘導システムにおいて、目的地への経路誘導をより判りやすくするために様々な技術が開示されている。たとえば、歩行者の停止時に、表示器に現在位置からの第一歩を踏み出す方向を指し示す初動指標マークを表示する歩行者用ナビゲーション装置が開示されている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−286494号公報(図6等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の発明では、経路誘導システムにより歩行者等に対して誘導の方向(誘導方向)が示されたとしても、この誘導方向の認識に手間がかかり、目的地への経路誘導が判りにくいという問題がある。特に歩行者等が駅やその他の施設の出口から出たときや道に迷ったときは、方向感覚をつかみにくく、示された誘導方向の認識に時間がかかることもある。
【0005】
本願は、以上の点に鑑みなされたものであり、その目的の一例は、目的地への経路誘導をより判りやすくする表示制御装置、表示制御方法および表示制御装置用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、地図を表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザにより選択された前記地図上の位置の情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記位置の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像を、前記地図とともに前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0007】
また請求項5に記載の発明は、表示制御手段が、地図を表示手段に表示させる表示制御ステップと、位置情報取得手段が、ユーザにより選択された前記地図上の位置の情報を取得する位置情報取得ステップと、を含み、前記表示制御ステップにおいて、前記位置の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像を、前記地図とともに前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0008】
また請求項6に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願に係る一実施形態の経路誘導システム構成例を示すブロック図である。
【図2】一実施形態の経路誘導システム構成例における管理サーバの概要構成の一例を示すブロック図である。
【図3】経路の誘導に関連した複数の位置の一例を示す模式図である。
【図4】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機の一例を示す平面図である。
【図5】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図6】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機と管理サーバにおける経路探索開始のための動作例を示すフローチャートである。
【図7】図6の動作例における経路探索結果の表示例を示す模式図である。
【図8】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機と管理サーバにおいて第1風景画像を表示するための動作例を示すフローチャートである。
【図9】一実施形態において選択位置でのユーザと風景画像との関連を示す模式図である。
【図10】一実施形態において選択位置での周辺風景画像の一例を示す模式図である。
【図11】一実施形態の経路誘導システム構成例における携帯端末機と管理サーバにおいて第2風景画像を表示するための動作例を示すフローチャートである。
【図12】一実施形態の変形例において、第1風景画像に誘導方向を案内する表示を重畳表示する例を示す模式図である。
【図13】一実施形態の他の変形例において、第2風景画像を示す模式図である。
【図14】一実施形態の別の変形例において、第2風景画像を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、管理サーバと複数の携帯端末機が接続されたネットワークについて、本願を適用した場合の実施の形態である。また、図示の便宜上、1台の管理サーバと2台の携帯端末機のみを図示するが、実際のネットワークには、この他にも多数の携帯端末機について適用が可能であり、サーバを複数台設置することにより機能および処理負担を分散させることができる。
【0011】
先ず、本実施形態に係る経路誘導システムの概要構成について、図1を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る経路誘導システムの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、経路誘導システム1は、経路探索等を実行する管理サーバ2と、この管理サーバ2による実行結果の表示等を行う画像表示装置の一例としての複数の携帯端末機10と、を備えている。管理サーバ2は、経路の誘導に関連した複数の位置において、その各周りの風景に相当する周辺風景画像(以下で詳述)を有し、携帯端末機10は経路を誘導するための画像を少なくとも表示する表示手段の一例として表示部11を有している。
【0013】
これら管理サーバ2と携帯端末機10とは、通信手段の一例としてのネットワーク3を介して相互にデータの送受信が可能(たとえば、通信プロトコルにTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて、相互にデータの送受信が可能
)になっている。なお、ネットワーク3は、たとえば、インターネット、専用通信回線(たとえば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(無線基地局等を含む)、およびゲートウェイ等により構築されている。
【0014】
次に、管理サーバ2の構成および機能について詳細に説明する。図2は、経路誘導システム1の構成例におけるサーバの概要構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図2に示すように、管理サーバ2は、各種プログラムおよびデータ等を記憶する記憶部(たとえば、ハードディスク等)5と、ネットワーク3に接続して携帯端末機10との通信状態を制御する通信部6(たとえば、ネットワークアダプタ等)と、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有する制御部7と、を備え、システムバス8を介して相互に接続されている。
【0016】
記憶部5には、地図データとして、道路データ、鉄道網データ、施設データ等の他に、経路の誘導に関連した複数の位置における周辺風景画像が記憶されている。地図データは、管理サーバ2により経路探索を行うためや携帯端末機10の表示部11に表示する画像のために用いられる。
【0017】
ここで、経路の誘導に関連した複数の位置の一例として、図3に示すように、鉄道や地下鉄といった輸送機関20の駅21における駅出口22近傍やショッピングモールといった、施設内外の境界近傍が挙げられる。また図3に示すように、交差点23の近傍での位置30も経路の誘導に関連した複数の位置の一例として挙げられる。その他、迷いやすい地点や、高い建物等のランドマークが確認しやすい地点でもよい。なお経路の誘導に関連した複数の位置は、上記で例示したように、たとえば経路の誘導をする上で重要なポイントとになる位置であり、経路探索を行った結果における特定の経路上の位置に限られない。
【0018】
このような位置30を基準として、複数の方向で撮影された写真に相当する風景画像が周辺風景画像の一例である。なお、周辺風景画像は、人間が実際見る風景と比較しやすい画像であればよく、写真として撮影されたそのものの風景画像の他に、この風景画像を修正した画像やグラフィックス技術により描画された画像でもよい。
【0019】
制御部7は、CPUが、ROMまたは記憶部5に記憶されたサーバ用プログラム等の各種プログラムを読み出し実行することにより、管理サーバ2の各部を統括制御するとともに、携帯端末機10からの要求を受けて、経路探索を実行したり、画像データを加工したりするようになっている。なお、各種プログラム等は、たとえば、他のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、CD−ROM等の記録媒体に記録されてドライブを介して読み込まれるようにしてもよい。
【0020】
次に、携帯端末機10の構成および機能について、図4および図5を用いて詳細に説明する。
【0021】
図4は本実施形態に係る携帯端末機の一例を示す平面図である。図5は本実施形態に係る携帯端末機10の概要構成の一例を示すブロック図である。ここで携帯端末機10の一例として、携帯電話や、歩行者用ナビゲーション装置や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ノート型パーソナルコンピュータや、携帯型DVDプレーヤー等、少なくとも表示手段を有する携帯型の機器が挙げられる。
【0022】
図4および図5に示すように携帯端末機10は、経路探索結果や風景画像等を表示する表示部11と、各種機能を実現するプログラムを呼び出す際等に使用される操作部12と、通話のための音声を入力する音声入力部13と、通話のための音声を出力したりユーザに対する指示を音で出力したりする音声出力部14と、管理サーバ2と送受信を行う無線通信部15と、携帯端末機10の現在位置を測定するGPS(Global Positioning System)測位部16と、管理サーバ2から送信されたデータ等を記憶する記憶部17と、携帯端末機10の各種制御を行う制御部18と、を備え、これら各部はシステムバス19により接続されている。
【0023】
表示部11は、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子によって構成されている。表示部11は、操作部12に対する入力操作等に基づいて、携帯端末機10の提供する各種機能をユーザに選択させるためのメニュー画面や、管理サーバ2で実行された経路探索結果や、経路を示した地図情報や、周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する第1風景画像や、周辺風景画像のうち位置30からの誘導の方向(誘導方向)における風景画像に対応する第2風景画像等を表示する。ここで、経路を誘導するための画像の一例として、経路探索結果や、第1風景画像や、第2風景画像等が挙げられる。後に詳しく述べるように、第1風景画像はユーザいる現在位置を確認するために用いられるが、第1風景画像と第2風景画像とは密接に関連しあって、目的地への経路誘導が判りやすくなるので、第1風景画像も経路を誘導するために有効に利用される。
【0024】
操作部12は、数字キー、十字キー、機能キーなどの各種キーにより構成されている。数字キーは、電話番号や文字を入力する際に用いられる。また、数字キーには、文字が割り当てられており文字情報を入力する際にも用いられる。十字キーは、メニューの選択や表示画面内の表示情報を上下左右へスクロールする際に用いられる。また、機能キーは、経路探索等の各種機能を実現するプログラムを呼び出す際に用いられる。ここで経路の誘導に関連した複数の位置30から選択位置として一の位置を選択するために用いられる位置選択手段の一例として操作部12の特定のキーが割り当てられている。なお操作部はパネルタッチ方式のように表示部11に設けてもよい。
【0025】
音声入力部13には、マイクロホンが内蔵され、音声出力部14には、スピーカが内蔵されている。
【0026】
無線通信部15は電波を送受信するアンテナを有しており、電波により音声データ、メッセージデータ、地図の画像や風景画像等の画像データ、現在位置情報などの各種データを送受信する。また、無線通信部15は復調や変調も行っている。
【0027】
携帯端末機10の現在位置を検出する現在位置検出手段としての一例であるGPS測位部16は、GPSアンテナを有しており、GPSアンテナは複数の衛星からの電波を受信し、受信信号をGPS測位部16へ供給する。GPS測位部16は、複数の電波を利用して携帯端末機10の現在位置を算出し、現在位置情報として制御部18へ供給する。この現在位置情報は、たとえば緯度および経度の情報とすることができる。
【0028】
記憶部17は、携帯端末機10の有する経路探索機能やメール機能やコミュニケーション機能など種々の機能を実行するためのプログラムを記憶している。また、管理サーバ2から送られた画像データであり、複数の位置30のうちから選択された選択位置における周辺風景画像や、周辺風景画像から取り出された第1風景画像や第2風景画像や、携帯端末機10の現在位置を表示するための地図データ等を一時的に記憶している。
【0029】
制御部18は、CPUやRAM等を有し、システムバス19を介して表示部11、操作部12、音声入力部13、音声出力部14,無線通信部15、GPS測位部16、記憶部17等が接続されていて、携帯端末機10の各種制御するようになっている。そして、種々の機能を実行するためのプログラムを実行するようになっていて、本願に係る第1画像表示制御手段および第2画像表示制御手段の一例を構成するようになっている。
【0030】
以上のシステム構成において、ユーザが携帯端末機10を操作して、所望の目的地を指定すると、管理サーバ2が、携帯端末機10の現在位置から目的地までの経路を探索し、探索された経路に基づいて、携帯端末機10が、現在位置周辺の地図や本願に係る風景画像等を画面に表示しながら目的地までの経路誘導を行うようになっている。
【0031】
次に、経路誘導システム1の動作について説明する。
【0032】
まず経路探索(ナビゲーション)開始のための動作について図に基づいて詳細に説明する。図6は、携帯端末機10と管理サーバ2における経路探索開始のための動作例を示すフローチャートである。
【0033】
まずユーザが経路探索開始のため携帯端末機10の操作部12を操作して、経路探索機能を呼び出し、携帯端末機10の制御部18が、経路の出発地と目的地に関する入力画面を表示部11に表示する(ステップS1)。
【0034】
次にユーザが携帯端末機10の操作部12の数字キー等を押して経路の出発地と目的地を入力する。制御部18は、操作部12からの経路の出発地と目的地に関するデータの入力を受ける(ステップS2)。たとえばユーザが出発地:「近郊埼玉公園」、目的地:「中央東京ビル」と入力する。
【0035】
そして制御部18は、入力されたデータとともに経路探索要求を管理サーバ2に無線通信部15を介して送信する(ステップS3)。
【0036】
管理サーバ2の制御部7は通信部6を介して携帯端末機10からの経路探索要求を受信し(ステップS30)、記憶部5に記憶されているプログラムや地図データに基づき経路探索を実行する(ステップS31)。次いで、制御部7は通信部6を介して経路探索結果を携帯端末機10に送信する(ステップS32)。
【0037】
携帯端末機10の制御部18は、通信部6を介して管理サーバ2からの経路探索結果を受信し(ステップS4)、この経路探索結果を図7に示すように表示部11に表示する(ステップS5)。制御部18は、経路探索結果のデータを記憶部17に記憶しておく(ステップS6)。
【0038】
そして制御部18は、経路探索開始の画面表示を表示部11に表示したり、経路探索開始のナレーションを音声出力部14からアナウンスしたりして経路探索を開始する(ステップS7)。以上、携帯端末機10と管理サーバ2における経路探索開始のための処理を終了する。ユーザは携帯端末機10からの指示に基づき移動を開始する。
【0039】
次に経路探索再開後、ユーザが誘導方向を確実に把握できるように、経路誘導システム1においてユーザが現在位置等をまず確認できるための携帯端末機10と管理サーバ2の動作について図8に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図8は、携帯端末機10と管理サーバ2において第1風景画像を表示するための動作例を示すフローチャートである。
【0041】
まず図7に示したように、ユーザが出発地から徒歩で移動を開始し、途中鉄道を利用して目的地近郊の駅出口に到着したとする。たとえば図3に示したような目的地近郊の駅21で輸送機関20を降車し、携帯端末機10の指示に従い目的地に行くのに便利な駅出口(たとえばA5出口)22から外に出る。そして図9に示すように、ユーザ24は出口を背にして位置30に立っているとする。このユーザ24から見て正面方向(特定方向)31に風景画像41に相当する風景が見え、正面方向31の左手方向に風景画像42に相当する風景が見え、正面方向31の右手方向に風景画像43に相当する風景が見えるとする。また正面方向31の反対側の風景画像44が、駅出口の風景に相当する。これら風景画像41と風景画像42と風景画像43と風景画像44とをあわせた風景画像が周辺風景画像40の一例である。
【0042】
この状態でユーザが操作部12の経路探索開始のキーを押して、携帯端末機10の制御部18は経路探索開始を再開する(ステップS10)。次に携帯端末機10のGPS測位部16が、ユーザの現在位置を検出し(ステップS11)、位置データを管理サーバ2に無線通信部15を介して送信する(ステップS12)。この現在位置検出手段の一例としてのGPS測位部16が、経路の誘導に関連した複数の位置30から選択位置として一の位置(たとえば駅出口A5)を選択するために用いられる位置選択手段の一例として機能する。なお位置選択手段の他の例として、ユーザが表示部11上に表示された複数の位置30から一の位置を操作部12を介して選択してもよいし、また降車駅に到着する時刻にあわせて自動的に複数の位置30から一の位置を選択してもよい。ここで以後、複数の位置30から一の位置を選択位置30として説明する。
【0043】
次に管理サーバ2の制御部7は、通信部6を介して携帯端末機10からの位置データを受信し(ステップS40)、この位置データに基づき記憶部5から位置データに関連づく周辺風景画像40を検索する(ステップS41)。たとえば図10に示すような周辺風景画像を検索する。ここで図10(B)が駅出口A5から出たときの正面方向に見える風景画像41(図9)に対応し、図10(A)が風景画像42に対応し、図10(C)が風景画像43に対応し、図10(D)が風景画像44に対応する。
【0044】
次に管理サーバ2の制御部7は、周辺風景画像40から第1風景画像を取り出す(ステップS42)。具体的には、駅21の駅出口(A5出口)22を背にした正面方向(特定方向の一例)における正面画像である風景画像41を第1風景画像として取り出す。ここで選択位置30における特定方向を決める特定方向決定手段の一例として、管理サーバ2の制御部7が、選択位置30が駅出口である情報に基づき特定方向を決めている。この特定方向は駅出口22からの正面方向でもよいし、ユーザ24が自分のいる位置を認識しやすいランドマーク等が見える方向でもよい。なお周辺風景画像40がパノラマ画像であって、第1風景画像としてこのパノラマ画像を表示して自位置を確認するようにしてもよい。このように第1風景画像は周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応していればよい。
【0045】
次に管理サーバ2の制御部7は、通信部6を介して取り出された第1風景画像41を携帯端末機10に送信する(ステップS43)。
【0046】
携帯端末機10の制御部18は、通信部6を介して管理サーバ2からの第1風景画像41を受信し(ステップS13)、第1画像表示制御手段の一例として、図10(B)に示されたような第1風景画像41を表示部11に表示する(ステップS14)。
【0047】
以上、携帯端末機10と管理サーバ2において第1風景画像41を表示するための処理を終了する。ユーザ24は携帯端末機10の表示部11に表示された第1風景画像41と実際に見ている風景とを照合して自位置が正しいかを確認する。具体的には正しくA5出口を出たことの確認をする。
【0048】
次に第1風景画像41を表示した後、ユーザ24が誘導方向を把握するための携帯端末機10と管理サーバ2の動作について図に基づいて詳細に説明する。
【0049】
図11は、携帯端末機10と管理サーバ2において第2風景画像を表示するための動作例を示すフローチャートである。
【0050】
まず第1風景画像41を表示した後、第2風景画像42への切替を要求するための情報を提示する切替情報提示手段の一例としての携帯端末機10の制御部18が、切替を要求するための画面を表示部11に提示する。ここで切替を要求するための情報の一例として、アイコンや音声やテキストでもよく、音声の場合は、携帯端末機10の音声出力部14から切替を促す音声が出力される。なお、第1風景画像41を表示後一定時間経過により、第2風景画像42を表示してもよい。
【0051】
次にユーザ24が携帯端末機10の表示部11に表示された第1風景画像41を確認した後、第2風景画像42を要求のために操作部12のキーを押す。そして携帯端末機10の制御部18は、第2風景画像42を管理サーバ2に要求する(ステップS20)。
【0052】
管理サーバ2の制御部7は通信部6を介して携帯端末機10からの第2風景画像42の要求を受信する(ステップS50)。
【0053】
次に制御部7は、経路探索結果に基づき、第1風景画像41を基準に第2風景画像42の配置角を決定(ステップS51)。すなわち、図9に示すように、経路探索結果に基づき選択位置30における特定方向31を基準に、選択位置30からの誘導方向32を決定し、誘導方向32が含まれる第2風景画像の配置角を決定する。具体的にはたとえば配置角を左45度とする。
【0054】
そして制御部7は、周辺風景画像40のうちから第2風景画像42を特定して取り出す(ステップS52)。すなわち選択位置30からの誘導方向32における風景画像に対応する第2風景画像42を取り出す。
【0055】
次に制御部7は、第2風景画像42中の誘導方向32に対応する通路に道塗り45を、第2風景画像42に付加する(ステップS53)。たとえば図9や図10(A)に示すように立体的な風景画像にマッチするように道塗り45を付加し、また選択位置30からの誘導方向32以外に、誘導方向32に進んだ後の誘導方向も判るように道塗り45を付加する。なお道塗り45の代わりに矢印で誘導方向32を付加してもよい。
【0056】
そして制御部7は通信部6を介して携帯端末機10に道塗り付加済み第2風景画像42を送信する(ステップS54)。
【0057】
携帯端末機10の制御部18は、通信部6を介して第2風景画像42を受信し(ステップS21)、第2画像表示制御手段の一例として、道塗り45付加済み第2風景画像42を表示部11に表示する(ステップS22)。なお、道塗り45の情報は第2風景画像42と別途送信し、携帯端末機10で第2風景画像42に付加して重畳表示してもよい。
【0058】
ユーザ24は、表示部11に表示された第2風景画像42に基づき、誘導方向に一歩進み出す。
【0059】
さらに、誘導方向以外の風景画像を表示させて、誘導方向に一歩進み出す前に、周りの状況を再度確認させてもよい。この場合、制御部18は、誘導方向以外の風景画像を確認するか否かの判定し(ステップS23)、ユーザ24が他の風景画像を確認したく、これに関連した操作部12のキーを押した場合には(ステップS23;YES)、制御部18は、他の風景画像要求を管理サーバ2に送信する(ステップS24)。管理サーバ2の制御部7は他の風景画像要求を受信し(ステップS55)、他の風景画像を周辺風景画像40から取り出して携帯端末機10に送信する(ステップS56)。携帯端末機10の制御部18は、他の風景画像を受信して表示し(ステップS25)、処理を終了する。
【0060】
一方、ユーザ24が他の風景画像を確認したくなく、これに関連した操作部12のキーを押した場合には(ステップS23;NO)、そのまま処理を終了する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の携帯端末機10は、経路を誘導するための画像を少なくとも表示する表示部11を有する携帯端末機10において、経路の誘導に関連した複数の位置30から選択位置30として一の位置を選択するために用いられるGPS測位部16と、選択位置30の周りの風景に相当する周辺風景画像40のうち少なくとも一部に対応する第1風景画像41を表示部11に表示させるとともに、周辺風景画像40のうち選択位置30からの誘導方向32における風景画像に対応する第2風景画像42を表示部11に表示させる制御部18と、を備える。
【0062】
この構成により、周辺風景画像40から取り出され表示された第1風景画像41と第2風景画像42とは、ユーザ24が見る風景に近いため照合して確認がしやすい。そして現在位置等の選択位置30を確認するための第1風景画像41と誘導方向32を示すための第2風景画像42とが表示部11に表示されるため、第1風景画像41と第2風景画像42とが相まって、ユーザが第1風景画像41により現在位置等を確認後、第2風景画像42を見ると、ユーザ24が立っている位置と、進行しようとしいている方向とが認識しやすく、示された誘導方向の認識が容易に行われ、迷わず一歩を踏み出せる。誘導方向32が示された第2風景画像42だけがユーザ24に示された場合、ユーザ24はその画像がどこにあるのか見回して探す必要があり認識に手間取るが、自分が立っている位置と関連した選択位置30を確認するための第1風景画像41等を見た後、誘導方向における風景画像に対応する第2風景画像を見ると、選択位置30と誘導方向32との関係が把握しやすく、目的地への経路誘導が判りやすくなる。
【0063】
また実際に選択位置30にユーザ24がいなくても、前もって携帯端末機10を操作した場合、前もって駅出口22のように迷いやすい地点等をイメージでき、風景画像として記憶に残こすこともできる。
【0064】
なお、携帯端末機10は、第1風景画像41を表示部11に表示させた後、第2風景画像42を表示させても、第1風景画像41と第2風景画像42とを同時に表示部11にさせてもよい。
また、戻る操作により何度でも第1風景画像41と第2風景画像42を表示することがで
きるようにしてもよい。
【0065】
また、選択位置30における特定方向31を決める特定方向決定手段として、管理サーバ2の制御部7が、選択位置30が駅出口22である情報に基づき特定方向31を決める機能を更に備え、第1風景画像41が選択位置30から特定方向31における風景画像に対応するようにしてもよい。
【0066】
この場合、ユーザ24にとって、駅の出口22の正面方向やランドマークがある方向といった特定方向31の風景画像を表示させることにより、特定方向31に注目でき、ユーザ24の目に入った風景と照合しやすく、ユーザ24が的確に自位置を確認できる。
【0067】
また、第1風景画像41を第2風景画像42より先に表示させた場合に、携帯端末機10の制御部18が、第2風景画像42への切替を要求するための情報を提示する切替情報提示手段としての機能を備えてもよい。
【0068】
この場合、第2風景画像42に切り替わる前に、第2風景画像42への切替を要求する情報を提示することにより、第1風景画像41を確実に認識した後に、第2風景画像42によって誘導方向を的確に示すことができる。
【0069】
また携帯端末機10は、現在位置を検出するGPS測位部16を更に備え、GPS測位部16が現在位置に基づき選択位置30を選択するために用いられるようにしてもよい。
【0070】
この場合、自動で現在位置に対応した選択位置30を選択できる。このため、自動的に選択位置30に対応した第1風景画像41を的確に表示ができる携帯端末機10を実現できる。また、出口等を間違えた場合、さらに経路誘導システム1が自動的にリルートすることで、現在位置に対応した選択位置30を選択できる。なお、GPSの電波が届かない場所や、マルチパスによりGPSの測位誤差が大きい場合や、実際に選択位置30にユーザ24がいなく前もって携帯端末機10を操作する場合や、GPS機能がない携帯端末機10の場合は、ユーザ24自身が携帯端末機10の操作部12を介して、たとえば表示部11に表示された地図上の複数の位置30から選択位置30選択してもよいし、図7のような画面上において操作部12によりカーソルを動かし、選択位置30に対応する「A5出口」を選択してもよい。
【0071】
また、経路の誘導に関連した位置30の全部または一部のいずれか一方を駅21における駅出口22の内外の境界近傍にしてもよい。
【0072】
この場合、施設内外の境界近傍の一例である駅の駅出口22は、迷いやすいところであり、ここに選択位置30の一部を設定することにより、的確にユーザ24を誘導できる。特にユーザ24が地下鉄から降り、地上に出た際、的確にユーザ24を誘導できる。
【0073】
また、周辺風景画像40が、選択位置30から複数の方向における風景画像に相当する場合、方向と風景画像が予め関連づけられているので、特定方向31に対応した第1風景画像41や誘導方向32対応した第2風景画像42を抽出しやすい。
【0074】
また、周辺風景画像40が、選択位置30において撮影された写真に相当する風景画像である場合、ユーザ24が見えている風景と確認しやすく、また周辺風景画像40を準備するコストを低減できる。なお、周辺風景画像40として昼間の風景画像と夜の風景画像を別々に備えてもよい。昼と夜ではユーザ24に見える風景が異なり、時間帯に合わせて昼間の風景画像と夜の風景画像とを切り替えることで、ユーザ24がよりよく選択位置30や誘導方向32を認識できる。また気象条件・イベント(大売出しの垂れ幕など)、シーズンイベント(クリスマスツリー、イルミネーション)等によっても風景画像が異なるようにしてもよい。
【0075】
なお、本実施形態の変形例として、携帯端末機10は、第1風景画像41を表示させる際に誘導方向32を案内する情報を提示する機能を更に備えてもよい。たとえば図12(A)に示すように、誘導方向32を案内する情報として、第1風景画像41に矢印46を提示している。
【0076】
この場合、第2風景画像42に切り替わる前に、誘導方向32を案内する情報を提示することにより、ユーザ24は、第1風景画像41から第2風景画像41への切り替わりの方向感覚をイメージしやすく、誘導方向32を認識しやすくなる。さらに第2風景画像42に誘導方向32に関する情報を表示部11にあわせて提示するようにしてもよい。たとえば図12(B)に示すように、第2風景画像42に誘導方向32を示す矢印47を表示すると、ユーザ24は誘導方向32をより認識しやすくなる。なお、案内する情報として、さらに音声やテキスト表示が挙げられる。
【0077】
また本実施形態の変形例として、携帯端末機10は、現在位置における方位を検出する方位検出手段の一例として方位センサを更に備え、方位センサの情報を管理サーバ2に送信し、この方位センサの情報に基づき管理サーバ2の制御部7が特定方向31を決定するようにしてもよい。
【0078】
この場合、ユーザ24が立っている向きに合わせて第1風景画像41を周辺風景画像40から取り出せる。特に駅出口22以外の交差点23等の選択位置30でも、的確に面前ある風景画像に対応した第1風景画像を表示できるため、ユーザ24が現在位置を確認しやすくなる。なお方位センサの代わりにGPS測位部16がアンテナを複数備え、特定方向31を求めてもよい。
【0079】
また、本実施形態の変形例として、携帯端末機10の制御部18が、特定方向31以外の風景画像をも表示部11に表示させる補助画像表示制御手段としの機能を有してもよい。また第1風景画像41を表示させた後かつ第2風景画像42を表示させる前に、特定方向31以外の風景画像を表示部11に表示させてもよい。たとえば風景画像41、風景画像43、および風景画像44や足元の画像等である。これらの風景画像の中に、自位置を確認しやすいランドマークがあったり、第1風景画像41の他に、自位置確認のための他の画像をさらに表示したりするため、確実に位置を確認できる。特に、特定方向31以外の風景画像が、特定方向31とは反対方向における風景画像に対応する風景画像44である場合、たとえば、駅21の駅出口22から出るとき、駅出口画像である風景画像44を表示させることで、選択位置30から駅出口22を振り返り現在位置を確実に確認できる。
【0080】
さらに、図13に示すように、第2風景画像として、視点の位置の高さを変えた風景画像を表示してもよい。この場合、視点の位置が高いと先の経路まで見渡せることができ、ユーザ24が誘導されやすくなる。
【0081】
また、図14に示すように、第2風景画像42を経路情報48が表示された地図上に重畳表示させることにより、選択位置30からの誘導方向と経路が一度に認識でき、目的地への経路誘導がより判りやすくなる。
【0082】
なお本願の経路としては、携帯端末機10の表示部11に表示される経路や経路探索を行った結果における特定の経路に限られず、一般にある目的地が設定された状態で、この目的地に至る経路も含む。そして携帯端末機10により経路探索を予め実行しなくても、本願の画像表示装置を利用できる。より具体的には、図7に示した例は、近郊埼玉公園を出発する前に、予め携帯端末機10を使用して経路探索をした場合の一例であるが、予め携帯端末機10を使用して経路探索をしないで、目的地に向かう経路の途中で、携帯端末機10を使用して誘導方向を確認してもよい。
【0083】
たとえば近郊埼玉公園から初めて目的地である中央東京ビルに行く場合、中央東京ビルへのアクセス情報として、ユーザ24が中央東京ビルのホームページを見て、地下鉄東京線中央東京駅のA5出口より徒歩10分であることのみを、メモしておく。
【0084】
当日、ユーザ24が私鉄埼玉線で北東京駅まで行き、北東京駅から地下鉄東京線に乗って中央東京駅まで行き、駅に着いたとする。ここで、図3で示した輸送機関20を地下鉄東京線、駅21を中央東京駅とする。
【0085】
中央東京駅21が初めてのユーザ24にとっては中央東京駅21構内が分かりづらく、ユーザ24は、とにかくある駅出口22にたどりつき、図9に示すように、その駅出口22を出たところに位置したとする。
【0086】
携帯端末機10の駅出口情報サービスで駅出口情報を確認すると、駅出口22は、A1出口、A2出口、A3出口、A4出口、A5出口と複数あったとする。
【0087】
ユーザ24が、自分が位置している駅出口22を確認するために、それぞれの駅出口22について駅出口22における第1風景画像41を表示させるサービスを用いて、携帯端末機10の操作部12を操作して、選択位置30としてA1出口、A2出口、A3出口、A4出口、A5出口に該当する部分の表示を順に選択しながら携帯端末機10の表示部11にそれぞれの第1風景画像41を表示させていく。このとき、表示部11に表示された第1風景画像41と駅出口22の正面に見える風景とを照合しながら、自分の位置している駅出口22を確認する。そして携帯端末機10の表示部11に表示された出口正面画像である第1風景画像41から、自分が位置している駅出口22は、A2出口であることが判ったとする。
【0088】
当初の予定していたA5出口を今から探しに行くのは面倒であるため、ユーザ24が、今自分が位置しているA2出口を起点に、中央東京ビルを目的地として経路探索を携帯端末機10により実行する。
【0089】
経路探索の結果より、A2出口近傍の選択位置30からの誘導方向32が算出され、誘導方向32を示すための第2風景画像42が携帯端末機10の表示部11に表示させる。
【0090】
これによりユーザ24は、この第2風景画像42を見て、目的地である中央東京ビルに向けて容易に一歩を歩み始めることができる。
【0091】
この例のように第1風景画像41を表示した後に、経路探索を行って第2風景画像42を表示しても、第1風景画像41に対応した選択位置30を起点として経路探索をして誘導方向32を算出して第2風景画像42を表示しているので、第1風景画像に関連して第2風景画像が表示するようになっている。そのため、この例でも、ユーザ24が立っている位置と、進行しようとしている方向とが認識しやすく、目的地への経路誘導がより判りやすくなっている。
【0092】
なお以上、管理サーバ2と携帯端末機10とが図6や図8や図11のフローチャートで実行したすべての処理を、単独の携帯端末機10が実行してもよい。
【0093】
さらに、図6、図8および図11に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスクまたはハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、またはインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを管理サーバ2の制御部7や携帯端末機10の制御部18で読み出して実行することも可能である。
【符号の説明】
【0094】
7…制御部
10…携帯端末機
11…表示部
12…操作部
16…GPS測位部
18…制御部
22…駅出口
30…選択位置
31…特定方向
32…誘導方向
40…周辺風景画像
41…第1風景画像
42…第2風景画像
50…方位センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザにより選択された前記地図上の位置の情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記位置の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像を、前記地図とともに前記表示手段に表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記位置情報取得手段は、前記位置における方向に関する情報を更に取得し、
前記風景画像は、前記位置から前記方向を見た風景画像であることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記位置から前記方向を見た風景画像が、前記地図の上方に表示されるように制御することを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記位置情報取得手段は、前記地図における施設の情報として駅の出口の位置の情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記駅の出口の前記風景画像を、前記地図とともに表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
表示制御手段が、地図を表示手段に表示させる表示制御ステップと、
位置情報取得手段が、ユーザにより選択された前記地図上の位置の情報を取得する位置情報取得ステップと、を含み、
前記表示制御ステップにおいて、前記位置の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像を、前記地図とともに前記表示手段に表示させることを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させることを特徴とする表示制御装置用プログラム。
【請求項1】
地図を表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザにより選択された前記地図上の位置の情報を取得する位置情報取得手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記位置の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像を、前記地図とともに前記表示手段に表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記位置情報取得手段は、前記位置における方向に関する情報を更に取得し、
前記風景画像は、前記位置から前記方向を見た風景画像であることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記位置から前記方向を見た風景画像が、前記地図の上方に表示されるように制御することを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記位置情報取得手段は、前記地図における施設の情報として駅の出口の位置の情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記駅の出口の前記風景画像を、前記地図とともに表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
表示制御手段が、地図を表示手段に表示させる表示制御ステップと、
位置情報取得手段が、ユーザにより選択された前記地図上の位置の情報を取得する位置情報取得ステップと、を含み、
前記表示制御ステップにおいて、前記位置の周りの風景に相当する周辺風景画像のうち少なくとも一部に対応する風景画像を、前記地図とともに前記表示手段に表示させることを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させることを特徴とする表示制御装置用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−76701(P2013−76701A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−239310(P2012−239310)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2007−185442(P2007−185442)の分割
【原出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2007−185442(P2007−185442)の分割
【原出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]