表示装置
【課題】 観察者の眼の位置がライトガイドに対して上下方向に動いても、観察者が観察対象の虚像を正常に視認することができる表示装置を提供する。
【解決手段】 出射機構21、22と、ライトガイド3とを備える表示装置1であって、出射機構21、22は、上下方向に並べられた第一出射機構21と第二出射機構22とを有し、第一出射機構21は、第一部分と上下補正した第一部分とを少なくとも含む画像表示光を出射するか、或いは、第二出射機構22は、第三部分と上下補正した第三部分とを少なくとも含む画像表示光を出射し、ライトガイド3は、第一面33cで第一出射機構21からの上下補正した第一部分となる画像表示光を1回以上反射させるか、或いは、第二面33dで第二出射機構22からの上下補正した第三部分となる画像表示光を1回以上反射させるかの少なくともいずれかを行って、画像表示光を観察者の眼に導くことを特徴とする。
【解決手段】 出射機構21、22と、ライトガイド3とを備える表示装置1であって、出射機構21、22は、上下方向に並べられた第一出射機構21と第二出射機構22とを有し、第一出射機構21は、第一部分と上下補正した第一部分とを少なくとも含む画像表示光を出射するか、或いは、第二出射機構22は、第三部分と上下補正した第三部分とを少なくとも含む画像表示光を出射し、ライトガイド3は、第一面33cで第一出射機構21からの上下補正した第一部分となる画像表示光を1回以上反射させるか、或いは、第二面33dで第二出射機構22からの上下補正した第三部分となる画像表示光を1回以上反射させるかの少なくともいずれかを行って、画像表示光を観察者の眼に導くことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰のベルトや装身具等を介して身体に纏うウエアラブルコンピュータや、ナップサックやポケットに入れて携帯できる携帯電話器等の通信機器のような、卓上以外の環境で利用可能な情報機器のためのモニタに適した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
身体に纏う形態の情報機器用の表示装置としては、眼鏡型の形態が主流となりつつある。図9は、観察者に装着される眼鏡型ディスプレイ(表示装置)を示す外観図であり、図10は、従来の眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図であり、図11は、図10に示すD−D線の断面図であり、図12は、図10に示すE−E線、F−F線の断面図である。そして、図13(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図13(b)は、透過型液晶表示器に表示する画像である。
なお、眼鏡型ディスプレイ151は右眼用であり、遠方を見ている状態の右眼Eの中心に原点を有したXYZ座標系を定義する。Y方向(前方方向)は観察者の前方であり、Z方向は観察者の上方であり、X方向(設定方向)は観察者の左方である。
【0003】
眼鏡型ディスプレイ151は、眼鏡と似た外観をしており、画像表示光Lを出射するユニット部Uと、ユニット部Uからの画像表示光Lを内部で反射させながら観察者の眼Eに導く基板であるライトガイド173と、ユニット部Uとライトガイド173とが取り付けられるフレーム部Fとを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ユニット部Uは、光源(図示せず)と透過型液晶表示器(表示素子)171と光学系172とを有する出射機構161と、図13(a)に示す虚像を視認させるために出射機構161に画像信号を出力する表示制御部174とを備える。
透過型液晶表示器171は、表示制御部174からの画像信号に基づいて、出射方向に垂直である面(表示領域)に、図13(b)に示す画像を形成し、その画像表示光Lを出射する。なお、図13(b)に示す画像は、ライトガイド173や光学系172で画像が左右反転するため、図13(a)に示す虚像を左右反転させたものとなっている。
光学系172は、透過型液晶表示器171の表示領域の全範囲(図13(b)に示す画像)の虚像を形成する光学素子である。
【0005】
ライトガイド173は、ポリカーボネイト製(屈折率ng)の平板形状となり、一端部に形成され出射機構161の前方に配置される全反射面181と、他端部に形成され観察者の眼Eの前方に配置される出射面182と、空気との界面によって全反射面181と出射面182との間に形成される側面群183とを有する。なお、出射面182は、入射光を反射させるとともに、透過させるビームスプリット機能を有する。
側面群183は、X方向から見ると四角形状であり、第一面183cと、第一面183cと−Z方向で対向する第二面183dと、第三面183aと、第三面183aとY方向で対向する第四面183bとを有する。
【0006】
このような眼鏡型ディスプレイ151において、まず、出射機構161は、図13(b)に示す画像となる画像表示光LをY方向に出射する。ライトガイド173の全反射面181は、出射機構161からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを略X方向へと反射させる。そして、第三面183aと第四面183bとは、表示領域の全範囲の画像表示光Lを交互に複数回反射させながら、ビームスプリッタ面(出射面)182に導く。このとき、第一面183cと第二面183dとは、画像表示光Lを一回も反射させない。最後に、ビームスプリッタ面182は、表示領域の全範囲の画像表示光Lを反射させることにより、ライトガイド173の外部に、表示領域の全範囲の画像表示光Lを出射させる。これにより、出射機構161から出射される画像表示光Lは、ライトガイド173を介して観察者の眼Eに導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2003−536102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような眼鏡型ディスプレイ151では、第一面183cと第二面183dとは、画像表示光Lを一回も反射させずに、全反射面181からビームスプリッタ面182まで導かなければならないので、第一面183cと第二面183dとの間の距離を小さくすることができず、ライトガイド173や光学系172が大型化して重くなるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するべく本出願人は、ライトガイドや光学系を小型化・軽量化することができる表示装置を以前に着想し出願した。図14は、眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図であり、図15は、図14に示すG−G線の断面図であり、図16は、図14に示すH−H線、I−I線の断面図である。そして、図17(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図17(b)は、透過型液晶表示器に表示する画像である。なお、上述した眼鏡型ディスプレイ151と同様のものについては、同じ符号を付している。
【0010】
ライトガイド3は、ポリカーボネイト製(屈折率ng)の平板形状となり、一端部に形成され出射機構121の前方に配置される全反射面31と、他端部に形成され観察者の眼Eの前方に配置される出射面32と、空気との界面によって全反射面31と出射面32との間に形成される側面群33とを有する。なお、出射面32は、入射光を反射させるとともに、透過させるビームスプリット機能を有する。
側面群33は、X方向から見ると四角形状であり、第一面33cと、第一面33cと−Z方向で対向する第二面33dと、第三面33aと、第三面33aとY方向で対向する第四面33bとを有する。このとき、ライトガイド3における第一面33cと第二面33dとの間の距離は、ライトガイド173における第一面183cと第二面183dとの間の距離より小さくなっている。
【0011】
透過型液晶表示器111は、表示制御部104からの画像信号に基づいて、出射方向に垂直である面(表示領域)に、図17(b)に示す画像を形成し、その画像表示光Lを出射する。なお、図17(b)に示す画像は、図17(a)に示す虚像を第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとに上からこの順に分割し、第三部分を上下反転(上下補正)した第三部分C’と、第二部分Bと、第一部分を上下反転(上下補正)した第一部分A’とを上からこの順に並べて左右反転させたものとなっている。
【0012】
このような眼鏡型ディスプレイ101によれば、まず、出射機構121は、図17(b)に示す画像となる画像表示光LをY方向に出射する。ライトガイド3の全反射面31は、出射機構121からの表示領域の全範囲A’、B、C’の画像表示光Lを略X方向へと反射させる。そして、第三面33aと第四面33bとは、表示領域の全範囲A’、B、C’の画像表示光Lを交互に複数回反射させながら、ビームスプリッタ面(出射面)32に導く。このとき、第一面33cで上下反転した第三部分となる表示領域C’の画像表示光Lを1回反射させ、第二面33dで上下反転した第一部分となる表示領域A’の画像表示光Lを1回反射させ、第一面33cと第二面33dとで第二部分となる表示領域Bの画像表示光Lを1回も反射させずに、ビームスプリッタ面32に導く。最後に、ビームスプリッタ面32は、第二面33dで反射した上下反転した第一部分A’と第二部分Bと第一面33cで反射した上下反転した第三部分C’とからなる表示領域の画像表示光Lを反射させることにより、ライトガイド3の外部に、第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとからなる表示領域の画像表示光Lを出射させる。これにより、出射機構121から出射される画像表示光Lは、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。
【0013】
しかしながら、このような眼鏡型ディスプレイ101では、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対してあまり上下方向に動かないものとして設計されているので、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して上方向や下方向に動いた際に、観察者の眼Eの位置によって異なる表示領域の部分となる画像が重なって見えてしまうことがあった。例えば、第一面33cで1回反射させてビームスプリッタ面32に導きたい第三部分C’の一部分が、第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導かれることがあった。また、第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導きたい第二部分Bの一部分が、第一面33cで1回反射した後、ビームスプリッタ面32に導かれることがあった。
ここで、図18は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して少し下方向に動いた際の光路図であり、図19(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図19(b)は、透過型液晶表示器に表示する画像である。第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導きたい部分は第二部分Bであるが、部分ロが第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導かれている。つまり、第二部分Bと部分ロとにずれがある。
また、図20は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して下方向に動いた際の光路図であり、図21(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図21(b)は、透過型液晶表示器に表示する画像である。第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導きたい部分は第二部分Bであるが、部分ロが第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導かれている。つまり、第二部分Bと部分ロとにずれがある。
そこで、本出願人は、観察者の眼Eの位置がライトガイドに対して上下方向に動いても、観察者は観察対象の虚像を正常に視認することができる方法について検討した。1個の透過型液晶表示器111に、第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとに分割したものを表示した場合には、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して上方向や下方向に動いた際に第二部分Bと部分ロとずれてしまう。よって、1個の透過型液晶表示器111でなく、上下方向に並べられた第一出射機構と第二出射機構とを用いることにした。そして、第一出射機構に概ね上方と中部との画像(第一部分Aと第二部分B)を表示させるとともに、第二出射機構に概ね下方と中部との画像(第二部分Bと第三部分C)を表示させることにした。つまり、ずれても問題がないように、第一出射機構と第二出射機構とに共通の第二部分Bを表示させることを見出した。
【0014】
すなわち、本発明の表示装置は、上下方向に分割された第一部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を出射する出射機構と、第一面と、当該第一面と上下方向に対向する第二面と、第三面と、当該第三面と前後方向に対向する第四面とを有し、前記第三面及び第四面で前記出射機構からの画像表示光を上下方向及び前後方向と垂直な設定方向に反射させながら観察者の眼に導くライトガイドとを備える表示装置であって、前記出射機構は、上下方向に並べられた第一出射機構と第二出射機構とを有し、前記第一出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像表示光を出射するか、或いは、前記第二出射機構は、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を出射し、前記ライトガイドは、前記第一面で第一出射機構からの上下補正した第一部分となる画像表示光を1回以上反射させるか、或いは、前記第二面で第二出射機構からの上下補正した第三部分となる画像表示光を1回以上反射させるかの少なくともいずれかを行って、前記画像表示光を観察者の眼に導くようにしている。
【0015】
ここで、「設定方向」とは、設計者等によって予め決められた任意の一方向であり、例えば、観察者の左方や観察者の右方等となる。また、本発明では、上下方向を左右方向と一致するように横に向けて用いた場合も含まれるものとする。
また、「上下補正」とは、観察者の眼に導かれるまでに第一面や第二面における反射方向と反射回数とにより決定され、表示器等の表示素子に表示する画像に上下反転処理等を行うことをいう。
【0016】
本発明の表示装置は、上下方向に並べられた第一出射機構と第二出射機構とを有する。そして、例えば、第一出射機構は、第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とを含む画像表示光を出射する。また、第二出射機構は、第二部分と第三部分とを含む画像表示光を出射する。これにより、観察者の眼Eの位置がライトガイドに対して原点より上方に存在するときには、第一面で反射した上下補正した第一部分の一部となる画像表示光が観察者の眼に導かれるとともに、第一面と第二面とで反射しない第一部分の一部及び第二部分と、第二出射機構からの第二部分及び第三部分とからなる画像表示光が観察者の眼に導かれる。これにより、観察者は第一部分と第二部分と第三部分とからなる画像を視認する。
また、観察者の眼Eの位置がライトガイドに対して原点より下方に存在するときには、第一面と第二面とで反射しない第一部分と第二部分と、第二出射機構からの第二部分及び第三部分とからなる画像表示光が観察者の眼に導かれる。これにより、観察者は第一部分と第二部分と第三部分とからなる画像を視認する。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の表示装置によれば、観察者の眼Eの位置がライトガイドに対して動いても、観察者は観察対象の虚像を正常に視認することができる。
【0018】
(他の課題を解決するための手段及び効果)
また、上記の発明において、前記第一出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する第一表示素子と、前記画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第一光学系とを備え、前記第二出射機構は、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する第二表示素子と、前記画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第二光学系とを備えるようにしてもよい。
【0019】
そして、上記の発明において、前記第一出射機構及び前記第二出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分と上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する表示素子と、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第一光学系と、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第二光学系とを備えるようにしてもよい。
さらに、上記の発明において、前記ライトガイドは、平板形状であり、前記第一面と第二面と第三面と第四面とは、空気との界面によって形成されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態である眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図。
【図2】図1に示すA−A線の断面図。
【図3】図1に示すB−B線、C−C線の断面図。
【図4】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図5】本発明の一実施形態である眼鏡型ディスプレイの光路図。
【図6】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図7】本発明の一実施形態である眼鏡型ディスプレイの光路図。
【図8】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図9】観察者に装着される眼鏡型ディスプレイを示す外観図。
【図10】従来の眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図。
【図11】図10に示すD−D線の断面図。
【図12】図10に示すE−E線、F−F線の断面図。
【図13】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図14】眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図。
【図15】図14に示すG−G線の断面図。
【図16】図14に示すH−H線、I−I線の断面図。
【図17】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図18】図14に示す眼鏡型ディスプレイの光路図。
【図19】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図20】図14に示す眼鏡型ディスプレイの光路図。
【図21】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態である眼鏡型ディスプレイ(表示装置)の概略構成を示すXY平面における光路図であり、図2は、図1に示すA−A線の断面図であり、図3は、図1に示すB−B線、C−C線の断面図である。そして、図4(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図4(b)は、第一透過型液晶表示器(第一表示素子)に表示する画像であり、図4(c)は、第二透過型液晶表示器(第二表示素子)に表示する画像である。なお、上述した眼鏡型ディスプレイ101と同様のものについては、同じ符号を付している。
【0023】
眼鏡型ディスプレイ1は、眼鏡と似た外観をしており、画像表示光Lを出射するユニット部Uと、ユニット部Uからの画像表示光Lを内部で反射させながら観察者の眼Eに導く基板であるライトガイド3と、ユニット部Uとライトガイド3とが取り付けられるフレーム部Fとを備える。
ユニット部Uは、第一出射機構21と、第一出射機構21の下方に配置された第二出射機構22と、図4(a)に示す虚像を視認させるために第一出射機構21及び第二出射機構22に画像信号を出力する表示制御部4とを備える。
【0024】
第一出射機構21は、第一光源(図示せず)と第一透過型液晶表示器(第一表示素子)211と第一光学系212とを有する。
第一透過型液晶表示器211は、表示制御部4からの画像信号に基づいて、出射方向に垂直である面(表示領域)に、図4(b)に示す画像(図4(a)に示す虚像の第一部分Aと第二部分B)を形成し、その画像表示光Lを出射する。なお、図4(b)に示す画像は、図4(a)に示す虚像を第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとに上からこの順に分割し、第一部分Aと、第二部分Bと、第一部分を上下反転(上下補正)した第一部分A’とを上からこの順に並べて左右反転させたものとなっている。
第一光学系212は、第一透過型液晶表示器211の表示領域の全範囲(図4(b)に示す画像)の画像表示光Lを透過させる光学素子である。
【0025】
第二出射機構22は、第二光源(図示せず)と第二透過型液晶表示器(第二表示素子)221と第二光学系222とを有する。
第二透過型液晶表示器221は、表示制御部4からの画像信号に基づいて、出射方向に垂直である面(表示領域)に、図4(c)に示す画像(図4(a)に示す虚像の第二部分Bと第三部分C)を形成し、その画像表示光Lを出射する。なお、図4(c)に示す画像は、図4(a)に示す虚像を第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとに上からこの順に分割し、第三部分を上下反転(上下補正)した第三部分C’と、第二部分Bと、第三部分Cとを上からこの順に並べて左右反転させたものとなっている。
第二光学系222は、第二透過型液晶表示器221の表示領域の全範囲(図4(c)に示す画像)の画像表示光Lを透過させる光学素子である。
【0026】
表示制御部4は、虚像を視認させるために第一透過型液晶表示器211と第二透過型液晶表示器221とに画像信号を出力するように制御する。具体的には、第一透過型液晶表示器211には、第一部分Aと第二部分Bとに対応する画像として、第一面33cや第二面33dで反射させないX方向においてのみ反転させた第一部分Aと第二部分Bとに対応する画像信号を出力し、第一面33cで1回反射させるためにZ方向において反転させるとともにX方向において反転させた第一部分A’に対応する画像信号を出力する。また、第二透過型液晶表示器221には、第二部分Bと第三部分Cとに対応する画像として、第一面33cや第二面33dで反射させないX方向においてのみ反転させた第二部分Bと第三部分Cとに対応する画像信号を出力し、第二面33dで1回反射させるためにZ方向において反転させるとともにX方向において反転させた第三部分C’に対応する画像信号を出力する。その結果、観察者は、図4(a)に示すような観察対象の虚像を視認することができる。
なお、ライトガイド3と第一光学系212や第二光学系222における光線の反射方向と反射回数とにより、X方向全体が反転する場合もあれば、Z方向(上下方向)全体が反転する場合もある。
【0027】
このような眼鏡型ディスプレイ1によれば、まず、第一出射機構21は、図4(b)に示す画像となる画像表示光LをY方向に出射するとともに、第二出射機構22は、図4(c)に示す画像となる画像表示光LをY方向に出射する。ライトガイド3の全反射面31は、第一出射機構21からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを略X方向へと反射させる。そして、第三面33aと第四面33bとは、第一出射機構21からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを交互に複数回反射させながら、ビームスプリッタ面32に導く。このとき、第一面33cで上下反転した第一部分となる表示領域A’の画像表示光Lを1回反射させ、第一面33cと第二面33dとで第一部分Aと第二部分Bとなる表示領域の画像表示光Lを1回も反射させずに、ビームスプリッタ面32に導く。
また、ライトガイド3の全反射面31は、第二出射機構22からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを略X方向へと反射させる。そして、第三面33aと第四面33bとは、第二出射機構22からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを交互に複数回反射させながら、ビームスプリッタ面32に導く。このとき、第二面33dで上下反転した第三部分C’となる表示領域の画像表示光Lを1回反射させ、第一面33cと第二面33dとで第二部分Bと第三部分Cとなる表示領域の画像表示光Lを1回も反射させずに、ビームスプリッタ面32に導く。
【0028】
最後に、ビームスプリッタ面32は、第一部分Aと第二部分Bと上下補正した第一部分A’と上下補正した第三部分C’と第二部分Bと第三部分Cとからなる表示領域の画像表示光Lを反射させることにより、ライトガイド3の外部に、第一部分Aと第二部分Bと上下補正した第一部分A’と上下補正した第三部分C’と第二部分Bと第三部分Cとからなる表示領域の画像表示光Lを出射させる。
ここで、ライトガイド3に対して観察者の眼Eが原点付近に存在するときには、上下補正した第一部分A’の一部イと、第一部分Aの一部及び第二部分Bの一部の部分ロと、第二部分Bの一部及び第三部分Cの一部の部分ハと、上下補正した第三部分C’の一部ニとからなる表示領域の画像表示光Lが、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。図2は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して原点付近に存在する際の図1に示す眼鏡型ディスプレイのXY平面における光路図であり、図4(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図4(b)は、第一透過型液晶表示器に表示する画像であり、図4(c)は、第二透過型液晶表示器に表示する画像である。
また、ライトガイド3に対して観察者の眼Eが原点より少し下方に存在するときには、上下補正した第一部分A’の一部イと、第一部分Aの一部及び第二部分Bの一部の部分ロと、第二部分Bの一部及び第三部分Cの一部の部分ハと、上下補正した第三部分C’の一部ニとからなる表示領域の画像表示光Lが、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。図5は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して少し下方向に動いた際の図1に示す眼鏡型ディスプレイの光路図であり、図6(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図6(b)は、第一透過型液晶表示器に表示する画像であり、図6(c)は、第二透過型液晶表示器に表示する画像である。
さらに、ライトガイド3に対して観察者の眼Eが原点より下方に存在するときには、第一部分A及び第二部分Bの一部の部分ロと、第二部分Bの一部及び第三部分Cの一部の部分ハと、上下補正した第三部分C’の一部ニとからなる表示領域の画像表示光Lが、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。図7は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して下方向に動いた際の図1に示す眼鏡型ディスプレイの光路図であり、図8(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図8(b)は、第一透過型液晶表示器に表示する画像であり、図8(c)は、第二透過型液晶表示器に表示する画像である。
なお、ライトガイド3に対して観察者の眼Eが原点より上方に存在するときには、上下補正した第一部分A’と、第二部分Bと、第三部分Cとからなる表示領域の画像表示光Lが、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。
【0029】
以上のように、眼鏡型ディスプレイ1によれば、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して上下方向に動いても、観察者は観察対象の虚像を正常に視認することができる。
【0030】
(他の実施形態)
上述した眼鏡型ディスプレイは、観察者の頭部や腕等の身体や、身体に装着されるヘルメットや眼鏡等に、ヘッドセット、ベルト、バンド、クリップ等を介して装着されたり、携帯電話や腕時計等の各種携帯機器に装着されたり、手に持った状態で使用されたりしてもよい。また、観察者に装着されるヘッドマウントディスプレイのような形態に限らず、観察者の前方に設置するヘッドアップディスプレイのような形態であってもよい。
【0031】
また、表示素子としては、画像表示光を直接に出射する自発光型表示器が用いられてもよいし、反射型表示器とその反射型表示器を照明するための素子とで構成されてもよい。
また、画像表示光を観察者の両方の眼に導くようにしてもよく、上記ビームスプリッタ面は全反射ミラーにより構成されてもよく、上記出射面や全反射面はホログラム面により構成されてもよく、上記出射面は複数枚の出射面により構成されてもよい。
【0032】
また、上記第一面と第二面とで、表示領域の一部分の画像表示光を1回反射させてもよく、表示領域の一部分の画像表示光を2回反射させてもよく、表示領域の一部分の画像表示光を3回以上反射させてもよい。
また、上述した眼鏡型ディスプレイ1において、第一出射機構21は第一透過型液晶表示器211を有するとともに第二出射機構22は第二透過型液晶表示器221を有する構成としたが、第一出射機構と第二出射機構とは共通の表示素子を有するような構成としてもよい。
上記ライトガイドを形成する材料としては、例えば、ポリカーボネイト、ポリメタクリル酸(PMMA)、シクロオレフィン、硝材等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、卓上以外の環境で使用する情報機器等に利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 眼鏡型ディスプレイ(表示装置)
3 ライトガイド
21 第一出射機構
22 第二出射機構
4 表示制御部
33a 第三面
33b 第四面
33c 第一面
33d 第二面
L 画像表示光
E 観察者の眼
U ユニット部
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰のベルトや装身具等を介して身体に纏うウエアラブルコンピュータや、ナップサックやポケットに入れて携帯できる携帯電話器等の通信機器のような、卓上以外の環境で利用可能な情報機器のためのモニタに適した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
身体に纏う形態の情報機器用の表示装置としては、眼鏡型の形態が主流となりつつある。図9は、観察者に装着される眼鏡型ディスプレイ(表示装置)を示す外観図であり、図10は、従来の眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図であり、図11は、図10に示すD−D線の断面図であり、図12は、図10に示すE−E線、F−F線の断面図である。そして、図13(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図13(b)は、透過型液晶表示器に表示する画像である。
なお、眼鏡型ディスプレイ151は右眼用であり、遠方を見ている状態の右眼Eの中心に原点を有したXYZ座標系を定義する。Y方向(前方方向)は観察者の前方であり、Z方向は観察者の上方であり、X方向(設定方向)は観察者の左方である。
【0003】
眼鏡型ディスプレイ151は、眼鏡と似た外観をしており、画像表示光Lを出射するユニット部Uと、ユニット部Uからの画像表示光Lを内部で反射させながら観察者の眼Eに導く基板であるライトガイド173と、ユニット部Uとライトガイド173とが取り付けられるフレーム部Fとを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ユニット部Uは、光源(図示せず)と透過型液晶表示器(表示素子)171と光学系172とを有する出射機構161と、図13(a)に示す虚像を視認させるために出射機構161に画像信号を出力する表示制御部174とを備える。
透過型液晶表示器171は、表示制御部174からの画像信号に基づいて、出射方向に垂直である面(表示領域)に、図13(b)に示す画像を形成し、その画像表示光Lを出射する。なお、図13(b)に示す画像は、ライトガイド173や光学系172で画像が左右反転するため、図13(a)に示す虚像を左右反転させたものとなっている。
光学系172は、透過型液晶表示器171の表示領域の全範囲(図13(b)に示す画像)の虚像を形成する光学素子である。
【0005】
ライトガイド173は、ポリカーボネイト製(屈折率ng)の平板形状となり、一端部に形成され出射機構161の前方に配置される全反射面181と、他端部に形成され観察者の眼Eの前方に配置される出射面182と、空気との界面によって全反射面181と出射面182との間に形成される側面群183とを有する。なお、出射面182は、入射光を反射させるとともに、透過させるビームスプリット機能を有する。
側面群183は、X方向から見ると四角形状であり、第一面183cと、第一面183cと−Z方向で対向する第二面183dと、第三面183aと、第三面183aとY方向で対向する第四面183bとを有する。
【0006】
このような眼鏡型ディスプレイ151において、まず、出射機構161は、図13(b)に示す画像となる画像表示光LをY方向に出射する。ライトガイド173の全反射面181は、出射機構161からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを略X方向へと反射させる。そして、第三面183aと第四面183bとは、表示領域の全範囲の画像表示光Lを交互に複数回反射させながら、ビームスプリッタ面(出射面)182に導く。このとき、第一面183cと第二面183dとは、画像表示光Lを一回も反射させない。最後に、ビームスプリッタ面182は、表示領域の全範囲の画像表示光Lを反射させることにより、ライトガイド173の外部に、表示領域の全範囲の画像表示光Lを出射させる。これにより、出射機構161から出射される画像表示光Lは、ライトガイド173を介して観察者の眼Eに導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2003−536102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような眼鏡型ディスプレイ151では、第一面183cと第二面183dとは、画像表示光Lを一回も反射させずに、全反射面181からビームスプリッタ面182まで導かなければならないので、第一面183cと第二面183dとの間の距離を小さくすることができず、ライトガイド173や光学系172が大型化して重くなるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するべく本出願人は、ライトガイドや光学系を小型化・軽量化することができる表示装置を以前に着想し出願した。図14は、眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図であり、図15は、図14に示すG−G線の断面図であり、図16は、図14に示すH−H線、I−I線の断面図である。そして、図17(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図17(b)は、透過型液晶表示器に表示する画像である。なお、上述した眼鏡型ディスプレイ151と同様のものについては、同じ符号を付している。
【0010】
ライトガイド3は、ポリカーボネイト製(屈折率ng)の平板形状となり、一端部に形成され出射機構121の前方に配置される全反射面31と、他端部に形成され観察者の眼Eの前方に配置される出射面32と、空気との界面によって全反射面31と出射面32との間に形成される側面群33とを有する。なお、出射面32は、入射光を反射させるとともに、透過させるビームスプリット機能を有する。
側面群33は、X方向から見ると四角形状であり、第一面33cと、第一面33cと−Z方向で対向する第二面33dと、第三面33aと、第三面33aとY方向で対向する第四面33bとを有する。このとき、ライトガイド3における第一面33cと第二面33dとの間の距離は、ライトガイド173における第一面183cと第二面183dとの間の距離より小さくなっている。
【0011】
透過型液晶表示器111は、表示制御部104からの画像信号に基づいて、出射方向に垂直である面(表示領域)に、図17(b)に示す画像を形成し、その画像表示光Lを出射する。なお、図17(b)に示す画像は、図17(a)に示す虚像を第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとに上からこの順に分割し、第三部分を上下反転(上下補正)した第三部分C’と、第二部分Bと、第一部分を上下反転(上下補正)した第一部分A’とを上からこの順に並べて左右反転させたものとなっている。
【0012】
このような眼鏡型ディスプレイ101によれば、まず、出射機構121は、図17(b)に示す画像となる画像表示光LをY方向に出射する。ライトガイド3の全反射面31は、出射機構121からの表示領域の全範囲A’、B、C’の画像表示光Lを略X方向へと反射させる。そして、第三面33aと第四面33bとは、表示領域の全範囲A’、B、C’の画像表示光Lを交互に複数回反射させながら、ビームスプリッタ面(出射面)32に導く。このとき、第一面33cで上下反転した第三部分となる表示領域C’の画像表示光Lを1回反射させ、第二面33dで上下反転した第一部分となる表示領域A’の画像表示光Lを1回反射させ、第一面33cと第二面33dとで第二部分となる表示領域Bの画像表示光Lを1回も反射させずに、ビームスプリッタ面32に導く。最後に、ビームスプリッタ面32は、第二面33dで反射した上下反転した第一部分A’と第二部分Bと第一面33cで反射した上下反転した第三部分C’とからなる表示領域の画像表示光Lを反射させることにより、ライトガイド3の外部に、第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとからなる表示領域の画像表示光Lを出射させる。これにより、出射機構121から出射される画像表示光Lは、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。
【0013】
しかしながら、このような眼鏡型ディスプレイ101では、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対してあまり上下方向に動かないものとして設計されているので、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して上方向や下方向に動いた際に、観察者の眼Eの位置によって異なる表示領域の部分となる画像が重なって見えてしまうことがあった。例えば、第一面33cで1回反射させてビームスプリッタ面32に導きたい第三部分C’の一部分が、第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導かれることがあった。また、第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導きたい第二部分Bの一部分が、第一面33cで1回反射した後、ビームスプリッタ面32に導かれることがあった。
ここで、図18は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して少し下方向に動いた際の光路図であり、図19(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図19(b)は、透過型液晶表示器に表示する画像である。第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導きたい部分は第二部分Bであるが、部分ロが第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導かれている。つまり、第二部分Bと部分ロとにずれがある。
また、図20は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して下方向に動いた際の光路図であり、図21(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図21(b)は、透過型液晶表示器に表示する画像である。第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導きたい部分は第二部分Bであるが、部分ロが第一面33cと第二面33dとで1回も反射させずにビームスプリッタ面32に導かれている。つまり、第二部分Bと部分ロとにずれがある。
そこで、本出願人は、観察者の眼Eの位置がライトガイドに対して上下方向に動いても、観察者は観察対象の虚像を正常に視認することができる方法について検討した。1個の透過型液晶表示器111に、第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとに分割したものを表示した場合には、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して上方向や下方向に動いた際に第二部分Bと部分ロとずれてしまう。よって、1個の透過型液晶表示器111でなく、上下方向に並べられた第一出射機構と第二出射機構とを用いることにした。そして、第一出射機構に概ね上方と中部との画像(第一部分Aと第二部分B)を表示させるとともに、第二出射機構に概ね下方と中部との画像(第二部分Bと第三部分C)を表示させることにした。つまり、ずれても問題がないように、第一出射機構と第二出射機構とに共通の第二部分Bを表示させることを見出した。
【0014】
すなわち、本発明の表示装置は、上下方向に分割された第一部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を出射する出射機構と、第一面と、当該第一面と上下方向に対向する第二面と、第三面と、当該第三面と前後方向に対向する第四面とを有し、前記第三面及び第四面で前記出射機構からの画像表示光を上下方向及び前後方向と垂直な設定方向に反射させながら観察者の眼に導くライトガイドとを備える表示装置であって、前記出射機構は、上下方向に並べられた第一出射機構と第二出射機構とを有し、前記第一出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像表示光を出射するか、或いは、前記第二出射機構は、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を出射し、前記ライトガイドは、前記第一面で第一出射機構からの上下補正した第一部分となる画像表示光を1回以上反射させるか、或いは、前記第二面で第二出射機構からの上下補正した第三部分となる画像表示光を1回以上反射させるかの少なくともいずれかを行って、前記画像表示光を観察者の眼に導くようにしている。
【0015】
ここで、「設定方向」とは、設計者等によって予め決められた任意の一方向であり、例えば、観察者の左方や観察者の右方等となる。また、本発明では、上下方向を左右方向と一致するように横に向けて用いた場合も含まれるものとする。
また、「上下補正」とは、観察者の眼に導かれるまでに第一面や第二面における反射方向と反射回数とにより決定され、表示器等の表示素子に表示する画像に上下反転処理等を行うことをいう。
【0016】
本発明の表示装置は、上下方向に並べられた第一出射機構と第二出射機構とを有する。そして、例えば、第一出射機構は、第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とを含む画像表示光を出射する。また、第二出射機構は、第二部分と第三部分とを含む画像表示光を出射する。これにより、観察者の眼Eの位置がライトガイドに対して原点より上方に存在するときには、第一面で反射した上下補正した第一部分の一部となる画像表示光が観察者の眼に導かれるとともに、第一面と第二面とで反射しない第一部分の一部及び第二部分と、第二出射機構からの第二部分及び第三部分とからなる画像表示光が観察者の眼に導かれる。これにより、観察者は第一部分と第二部分と第三部分とからなる画像を視認する。
また、観察者の眼Eの位置がライトガイドに対して原点より下方に存在するときには、第一面と第二面とで反射しない第一部分と第二部分と、第二出射機構からの第二部分及び第三部分とからなる画像表示光が観察者の眼に導かれる。これにより、観察者は第一部分と第二部分と第三部分とからなる画像を視認する。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の表示装置によれば、観察者の眼Eの位置がライトガイドに対して動いても、観察者は観察対象の虚像を正常に視認することができる。
【0018】
(他の課題を解決するための手段及び効果)
また、上記の発明において、前記第一出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する第一表示素子と、前記画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第一光学系とを備え、前記第二出射機構は、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する第二表示素子と、前記画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第二光学系とを備えるようにしてもよい。
【0019】
そして、上記の発明において、前記第一出射機構及び前記第二出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分と上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する表示素子と、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第一光学系と、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第二光学系とを備えるようにしてもよい。
さらに、上記の発明において、前記ライトガイドは、平板形状であり、前記第一面と第二面と第三面と第四面とは、空気との界面によって形成されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態である眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図。
【図2】図1に示すA−A線の断面図。
【図3】図1に示すB−B線、C−C線の断面図。
【図4】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図5】本発明の一実施形態である眼鏡型ディスプレイの光路図。
【図6】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図7】本発明の一実施形態である眼鏡型ディスプレイの光路図。
【図8】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図9】観察者に装着される眼鏡型ディスプレイを示す外観図。
【図10】従来の眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図。
【図11】図10に示すD−D線の断面図。
【図12】図10に示すE−E線、F−F線の断面図。
【図13】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図14】眼鏡型ディスプレイの概略構成を示すXY平面における光路図。
【図15】図14に示すG−G線の断面図。
【図16】図14に示すH−H線、I−I線の断面図。
【図17】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図18】図14に示す眼鏡型ディスプレイの光路図。
【図19】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【図20】図14に示す眼鏡型ディスプレイの光路図。
【図21】観察者が視認する観察対象の虚像と、透過型液晶表示器に表示する画像。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態である眼鏡型ディスプレイ(表示装置)の概略構成を示すXY平面における光路図であり、図2は、図1に示すA−A線の断面図であり、図3は、図1に示すB−B線、C−C線の断面図である。そして、図4(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図4(b)は、第一透過型液晶表示器(第一表示素子)に表示する画像であり、図4(c)は、第二透過型液晶表示器(第二表示素子)に表示する画像である。なお、上述した眼鏡型ディスプレイ101と同様のものについては、同じ符号を付している。
【0023】
眼鏡型ディスプレイ1は、眼鏡と似た外観をしており、画像表示光Lを出射するユニット部Uと、ユニット部Uからの画像表示光Lを内部で反射させながら観察者の眼Eに導く基板であるライトガイド3と、ユニット部Uとライトガイド3とが取り付けられるフレーム部Fとを備える。
ユニット部Uは、第一出射機構21と、第一出射機構21の下方に配置された第二出射機構22と、図4(a)に示す虚像を視認させるために第一出射機構21及び第二出射機構22に画像信号を出力する表示制御部4とを備える。
【0024】
第一出射機構21は、第一光源(図示せず)と第一透過型液晶表示器(第一表示素子)211と第一光学系212とを有する。
第一透過型液晶表示器211は、表示制御部4からの画像信号に基づいて、出射方向に垂直である面(表示領域)に、図4(b)に示す画像(図4(a)に示す虚像の第一部分Aと第二部分B)を形成し、その画像表示光Lを出射する。なお、図4(b)に示す画像は、図4(a)に示す虚像を第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとに上からこの順に分割し、第一部分Aと、第二部分Bと、第一部分を上下反転(上下補正)した第一部分A’とを上からこの順に並べて左右反転させたものとなっている。
第一光学系212は、第一透過型液晶表示器211の表示領域の全範囲(図4(b)に示す画像)の画像表示光Lを透過させる光学素子である。
【0025】
第二出射機構22は、第二光源(図示せず)と第二透過型液晶表示器(第二表示素子)221と第二光学系222とを有する。
第二透過型液晶表示器221は、表示制御部4からの画像信号に基づいて、出射方向に垂直である面(表示領域)に、図4(c)に示す画像(図4(a)に示す虚像の第二部分Bと第三部分C)を形成し、その画像表示光Lを出射する。なお、図4(c)に示す画像は、図4(a)に示す虚像を第一部分Aと第二部分Bと第三部分Cとに上からこの順に分割し、第三部分を上下反転(上下補正)した第三部分C’と、第二部分Bと、第三部分Cとを上からこの順に並べて左右反転させたものとなっている。
第二光学系222は、第二透過型液晶表示器221の表示領域の全範囲(図4(c)に示す画像)の画像表示光Lを透過させる光学素子である。
【0026】
表示制御部4は、虚像を視認させるために第一透過型液晶表示器211と第二透過型液晶表示器221とに画像信号を出力するように制御する。具体的には、第一透過型液晶表示器211には、第一部分Aと第二部分Bとに対応する画像として、第一面33cや第二面33dで反射させないX方向においてのみ反転させた第一部分Aと第二部分Bとに対応する画像信号を出力し、第一面33cで1回反射させるためにZ方向において反転させるとともにX方向において反転させた第一部分A’に対応する画像信号を出力する。また、第二透過型液晶表示器221には、第二部分Bと第三部分Cとに対応する画像として、第一面33cや第二面33dで反射させないX方向においてのみ反転させた第二部分Bと第三部分Cとに対応する画像信号を出力し、第二面33dで1回反射させるためにZ方向において反転させるとともにX方向において反転させた第三部分C’に対応する画像信号を出力する。その結果、観察者は、図4(a)に示すような観察対象の虚像を視認することができる。
なお、ライトガイド3と第一光学系212や第二光学系222における光線の反射方向と反射回数とにより、X方向全体が反転する場合もあれば、Z方向(上下方向)全体が反転する場合もある。
【0027】
このような眼鏡型ディスプレイ1によれば、まず、第一出射機構21は、図4(b)に示す画像となる画像表示光LをY方向に出射するとともに、第二出射機構22は、図4(c)に示す画像となる画像表示光LをY方向に出射する。ライトガイド3の全反射面31は、第一出射機構21からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを略X方向へと反射させる。そして、第三面33aと第四面33bとは、第一出射機構21からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを交互に複数回反射させながら、ビームスプリッタ面32に導く。このとき、第一面33cで上下反転した第一部分となる表示領域A’の画像表示光Lを1回反射させ、第一面33cと第二面33dとで第一部分Aと第二部分Bとなる表示領域の画像表示光Lを1回も反射させずに、ビームスプリッタ面32に導く。
また、ライトガイド3の全反射面31は、第二出射機構22からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを略X方向へと反射させる。そして、第三面33aと第四面33bとは、第二出射機構22からの表示領域の全範囲の画像表示光Lを交互に複数回反射させながら、ビームスプリッタ面32に導く。このとき、第二面33dで上下反転した第三部分C’となる表示領域の画像表示光Lを1回反射させ、第一面33cと第二面33dとで第二部分Bと第三部分Cとなる表示領域の画像表示光Lを1回も反射させずに、ビームスプリッタ面32に導く。
【0028】
最後に、ビームスプリッタ面32は、第一部分Aと第二部分Bと上下補正した第一部分A’と上下補正した第三部分C’と第二部分Bと第三部分Cとからなる表示領域の画像表示光Lを反射させることにより、ライトガイド3の外部に、第一部分Aと第二部分Bと上下補正した第一部分A’と上下補正した第三部分C’と第二部分Bと第三部分Cとからなる表示領域の画像表示光Lを出射させる。
ここで、ライトガイド3に対して観察者の眼Eが原点付近に存在するときには、上下補正した第一部分A’の一部イと、第一部分Aの一部及び第二部分Bの一部の部分ロと、第二部分Bの一部及び第三部分Cの一部の部分ハと、上下補正した第三部分C’の一部ニとからなる表示領域の画像表示光Lが、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。図2は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して原点付近に存在する際の図1に示す眼鏡型ディスプレイのXY平面における光路図であり、図4(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図4(b)は、第一透過型液晶表示器に表示する画像であり、図4(c)は、第二透過型液晶表示器に表示する画像である。
また、ライトガイド3に対して観察者の眼Eが原点より少し下方に存在するときには、上下補正した第一部分A’の一部イと、第一部分Aの一部及び第二部分Bの一部の部分ロと、第二部分Bの一部及び第三部分Cの一部の部分ハと、上下補正した第三部分C’の一部ニとからなる表示領域の画像表示光Lが、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。図5は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して少し下方向に動いた際の図1に示す眼鏡型ディスプレイの光路図であり、図6(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図6(b)は、第一透過型液晶表示器に表示する画像であり、図6(c)は、第二透過型液晶表示器に表示する画像である。
さらに、ライトガイド3に対して観察者の眼Eが原点より下方に存在するときには、第一部分A及び第二部分Bの一部の部分ロと、第二部分Bの一部及び第三部分Cの一部の部分ハと、上下補正した第三部分C’の一部ニとからなる表示領域の画像表示光Lが、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。図7は、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して下方向に動いた際の図1に示す眼鏡型ディスプレイの光路図であり、図8(a)は、観察者が視認する観察対象の虚像であり、図8(b)は、第一透過型液晶表示器に表示する画像であり、図8(c)は、第二透過型液晶表示器に表示する画像である。
なお、ライトガイド3に対して観察者の眼Eが原点より上方に存在するときには、上下補正した第一部分A’と、第二部分Bと、第三部分Cとからなる表示領域の画像表示光Lが、ライトガイド3を介して観察者の眼Eに導かれる。
【0029】
以上のように、眼鏡型ディスプレイ1によれば、観察者の眼Eの位置がライトガイド3に対して上下方向に動いても、観察者は観察対象の虚像を正常に視認することができる。
【0030】
(他の実施形態)
上述した眼鏡型ディスプレイは、観察者の頭部や腕等の身体や、身体に装着されるヘルメットや眼鏡等に、ヘッドセット、ベルト、バンド、クリップ等を介して装着されたり、携帯電話や腕時計等の各種携帯機器に装着されたり、手に持った状態で使用されたりしてもよい。また、観察者に装着されるヘッドマウントディスプレイのような形態に限らず、観察者の前方に設置するヘッドアップディスプレイのような形態であってもよい。
【0031】
また、表示素子としては、画像表示光を直接に出射する自発光型表示器が用いられてもよいし、反射型表示器とその反射型表示器を照明するための素子とで構成されてもよい。
また、画像表示光を観察者の両方の眼に導くようにしてもよく、上記ビームスプリッタ面は全反射ミラーにより構成されてもよく、上記出射面や全反射面はホログラム面により構成されてもよく、上記出射面は複数枚の出射面により構成されてもよい。
【0032】
また、上記第一面と第二面とで、表示領域の一部分の画像表示光を1回反射させてもよく、表示領域の一部分の画像表示光を2回反射させてもよく、表示領域の一部分の画像表示光を3回以上反射させてもよい。
また、上述した眼鏡型ディスプレイ1において、第一出射機構21は第一透過型液晶表示器211を有するとともに第二出射機構22は第二透過型液晶表示器221を有する構成としたが、第一出射機構と第二出射機構とは共通の表示素子を有するような構成としてもよい。
上記ライトガイドを形成する材料としては、例えば、ポリカーボネイト、ポリメタクリル酸(PMMA)、シクロオレフィン、硝材等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、卓上以外の環境で使用する情報機器等に利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 眼鏡型ディスプレイ(表示装置)
3 ライトガイド
21 第一出射機構
22 第二出射機構
4 表示制御部
33a 第三面
33b 第四面
33c 第一面
33d 第二面
L 画像表示光
E 観察者の眼
U ユニット部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に分割された第一部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を出射する出射機構と、
第一面と、当該第一面と上下方向に対向する第二面と、第三面と、当該第三面と前後方向に対向する第四面とを有し、前記第三面及び第四面で前記出射機構からの画像表示光を上下方向及び前後方向と垂直な設定方向に反射させながら観察者の眼に導くライトガイドとを備える表示装置であって、
前記出射機構は、上下方向に並べられた第一出射機構と第二出射機構とを有し、
前記第一出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像表示光を出射するか、或いは、前記第二出射機構は、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を出射し、
前記ライトガイドは、前記第一面で第一出射機構からの上下補正した第一部分となる画像表示光を1回以上反射させるか、或いは、前記第二面で第二出射機構からの上下補正した第三部分となる画像表示光を1回以上反射させるかの少なくともいずれかを行って、前記画像表示光を観察者の眼に導くことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第一出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する第一表示素子と、前記画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第一光学系とを備え、
前記第二出射機構は、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する第二表示素子と、前記画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第二光学系とを備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一出射機構及び前記第二出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分と上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する表示素子と、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第一光学系と、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第二光学系とを備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ライトガイドは、平板形状であり、
前記第一面と第二面と第三面と第四面とは、空気との界面によって形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項1】
上下方向に分割された第一部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を出射する出射機構と、
第一面と、当該第一面と上下方向に対向する第二面と、第三面と、当該第三面と前後方向に対向する第四面とを有し、前記第三面及び第四面で前記出射機構からの画像表示光を上下方向及び前後方向と垂直な設定方向に反射させながら観察者の眼に導くライトガイドとを備える表示装置であって、
前記出射機構は、上下方向に並べられた第一出射機構と第二出射機構とを有し、
前記第一出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像表示光を出射するか、或いは、前記第二出射機構は、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を出射し、
前記ライトガイドは、前記第一面で第一出射機構からの上下補正した第一部分となる画像表示光を1回以上反射させるか、或いは、前記第二面で第二出射機構からの上下補正した第三部分となる画像表示光を1回以上反射させるかの少なくともいずれかを行って、前記画像表示光を観察者の眼に導くことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第一出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する第一表示素子と、前記画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第一光学系とを備え、
前記第二出射機構は、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する第二表示素子と、前記画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第二光学系とを備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一出射機構及び前記第二出射機構は、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分と上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像を形成して、画像表示光を出射する表示素子と、前記第一部分と第二部分と上下補正した第一部分とからなる表示領域の画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第一光学系と、上下補正した第三部分と第二部分と第三部分とからなる表示領域の画像表示光を反射又は透過させて前記ライトガイドに導く第二光学系とを備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ライトガイドは、平板形状であり、
前記第一面と第二面と第三面と第四面とは、空気との界面によって形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−54141(P2013−54141A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191190(P2011−191190)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
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