説明

補償済センサ出力のための装置及び方法

【課題】迅速な応答と正確な補償とを比較的低コストで提供する。
【解決手段】補償型センサは、センサ(108)と、比較的高速のフィードスルー経路(102)と、比較的低速の補償経路(104)とを含む。比較的高速のフィードスルー経路は、加算増幅器などの加算器(106)及び出力回路(112)を含む。比較的低速の補償経路は、例えば温度依存性や非線形効果など、センサの短所に対する1又は複数の補正ファクタ(C1ーCn)を生じる回路(109)を含む。これらの1又は複数の補正ファクタは、加算器(106)に与えられ、未補償のセンサ出力Sと加算される。更に、出力回路の出力Aは、補償器(110)にフィードバックされ、補償経路(104)において生じる補償済のセンサ出力と差分回路(111)で比較され、差分Dもまた加算器(106)に与えられ、1又は複数の補正ファクタ(C1ーCn)及び前記未補償のセンサ出力Sと加算される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理センシングの分野に関し、更に詳しくは、例えば非線形センサ応答や温度効果などのファクタに起因するセンサ誤差の補正に関する。
【背景技術】
【0002】
制御システムは、圧力、力、流率又はそれ以外の感知された物理パラメータを表す電気信号を用いて動作する。物理パラメータは、制御システムによって更に処理又は解析される前に、電流又は電圧信号に変換されなければならない。例えば、容量性又は抵抗性センサは圧力を測定するのによく用いられ、抵抗性の「ブリッジ」は質量流量を測定するのによく用いられる。しかし、それらのセンサは、非線形の振る舞いや温度依存性を示すことが多い。例えば、圧力センサは、特定の温度及び圧力範囲で一定の圧力変化が与えられると一定の電圧スイングを生じるが、別の圧力範囲では同じ圧力変化に異なる電圧スイングを生じる。あるいは、このセンサは、同じ圧力範囲ではあるが温度が異なると、同じ圧力変化に対して異なる電圧スイングを生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
温度及び/又は非線形性効果など、このようなセンサの不適格性に対するセンサ補償技術は公知である。しかし、そのような従来の技術は、時間がかかったり高コストであったりする傾向を有する。迅速な応答と正確な補償とを比較的低コストで提供するような、そのような短所の補償方法及び装置が、強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の原理による補償型センサは、センサと、比較的高速のフィードスルー経路と、比較的低速の補償経路とを含む。比較的高速のフィードスルー経路は、加算増幅器などの加算器及び出力回路を含む。比較的低速の補償経路は、例えば温度依存性や非線形効果などのセンサの短所に対する1又は複数の補正ファクタを生じる回路を含む。これらの1又は複数の補正ファクタは、前記加算器に与えられ、未補償のセンサ出力と加算される。更に、前記出力回路(例えば、加算増幅器)の出力は、補償回路にフィードバックされ、そこで、その補償回路が生じる補償済センサ出力と比較される。補償回路で生じる補償済センサ信号と補償回路にフィードバックされた出力信号との差分は、前記加算器に提供されて、前記1又は複数の補正ファクタ及び前記未補償のセンサ出力と加算される。
【0005】
ある例示的な実施例では、本発明の原理による補償型センサは、センサと、デジタル補償回路と、アナログ・センサ出力を生じるアナログ回路とを含む。未補償のセンサ出力信号が、アナログ出力回路に送られ、このアナログ出力回路は、送られてきた未補償のセンサ信号と前記デジタル補償回路で生じた補正信号とをリアルタイムで加算する。このアプローチを用いて、アナログ出力信号は、センサによって測定されている物理パラメータの変化に迅速に応答して、更新されたアナログ出力信号を生じる。前記デジタル補償回路は、センサ出力の変化への応答が、アナログ回路の場合よりも低速であり、1又は複数のセンサの短所をそれぞれが補償する1又は複数の補正ファクタを加算することによって、アナログ出力信号を微調整するように動作する。補償される短所には、例えば、非線形応答や温度依存性が含まれる。更に、デジタル回路は、補償済センサ出力とアナログ出力とを比較して誤差信号を生じる。この誤差信号は、未補償の信号及び補正信号と、例えば、アナログ回路によってリアルタイムで加算される。すなわち、デジタル補償回路は、フィードバック・ループにおいて生のセンサ出力を補償して、補償済のセンサ出力とアナログ・センサ出力とをデジタル的に比較するように構成されることもありうる。デジタル的に補償されたセンサ出力とアナログ・センサ出力との差分は、デジタル的に補償されたセンサ出力と加算され、アナログ・センサ出力を生じうる。
【0006】
ある例示的な実施例では、補償型センサは、センサと、デジタル補償回路と、アナログ出力回路とを含む。デジタル補償回路の機能には、非線形補償と、温度補償と、ゼロ・オフセットと、出力増幅器補償とが含まれる。アナログ出力回路は、センサ出力の変化に対して非常に迅速に応答するので、例えば、このセンサ・モジュールは、制御システムの応用例において用いることができる。デジタル補償回路は、アナログ出力回路よりも反応的でない、すなわち、より低速であるが、精度においては優れている。この補償型センサは、入力信号の揺らぎに対する比較的高速の応答を要求するが出力信号の補償については幾分低速でもかまわないようなシステムにおいて特に有用である。特に、この補償型センサは、圧力又は質量流量センサを含み、あるチャンバへの流体の供給を制御するコントローラへのフィードバックを提供することができる。
【0007】
本発明の原理による補償型センサは、あるチャンバの中へ又はそのチャンバから外へ流れる流体の圧力をモニタするシステムに特に適している。この補償型センサは、チャンバのインレット又はアウトレット側への圧力をモニタするのに用いることができるし、チャンバ内部の圧力をモニタすることもできる。この補償型センサの出力は、チャンバの中への、及び/又は、チャンバから外への流体の流れを制御するのに用いることができる。同様に、本発明の原理による補償型センサは、チャンバの中への、及び/又は、チャンバから外への流体の流れをモニタするのに用いることができる。
【0008】
ある例示的な実施例では、アナログ・センサ出力Sが、加算増幅器の入力と、アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)とに与えられる。デジタル回路が、センサの性能を低下させる可能性がある温度及び/又は非線形センサ人工物に関して、ADCの出力を補償する。また、デジタル回路は、それ以外のセンサ誤差も補償する。この例示的な実施例では、補償は、補正ファクタC1を未補償の信号Sに加えることによって達成される。アナログ信号A(加算増幅器の出力)もまた、ADCによってデジタル信号に変換される。設計パラメータに依存するのであるが、これは、センサ出力をデジタル形式に変換する(ADCの入力に多重化されるセンサ及び加算増幅器の出力を用いて)のと同じADCである場合もあるし、別のADCである場合もある。この技術分野で知られているように、信号の、アナログ形式からデジタル形式へ、及び、デジタル形式からアナログ形式へ、というそれぞれの変換は、変換後の信号を適切に表現し比較するためのスケーリングやオフセットを含みうる。
【0009】
デジタル回路は、マイクロプロセッサを含みうるのであるが、アナログ出力信号(デジタル形式に変換されている)と補償済センサ信号(S+C1)との差分を決定するための比較を行う。これらの信号の間の差分は、第2の補償ファクタCA1を形成する。これら2つの補償ファクタは、誤差信号として用いられる。アナログ形式C1及びCA1への変換の後で、誤差信号は、未補償のセンサ出力との合成のために加算増幅器に与えられ、加算増幅器へのS+C1+CA1という形式を有する入力を生じる。ただし、ここで、Sは未補償のセンサ出力、C1は温度、非線形性及び/又はそれ以外のセンサの短所を補償する1又は複数の補償ファクタ、CA1は出力回路誤差を補償する補正ファクタである。この例示的な実施例では、補償型センサ・モジュールは、また、補償済のデジタル出力信号を含む。マイクロプロセッサが含まれている場合には、そのマイクロプロセッサは、例えば、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セット・コントローラ(RISC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向き集積回路(ASIC)のコア・マイクロプロセッサなど、この技術分野において公知であるいくつかの形式の中のいずれかをとりうる。
【0010】
この開示の以下に掲げる及びそれ以外の特徴は、次の詳細な説明と添付の図面とによって、よりよく理解されうるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の原理による補償型センサの概念的なブロック図である。
【図2】本発明の原理によるセンサ補償プロセスを説明する流れ図である。
【図3】本発明の原理による補償型センサのより詳細なブロック図である。
【図4】本発明の原理による補償型センサを用いているシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1のブロック図は、本発明の原理による補償型センサ100の全体図を与えている。補償型センサ100は、比較的高速のフィードスルー経路102と、それよりも幾分低速ではあるが精度はより高い補償経路104とを含む。フィードスルー経路102と補償経路104とは、加算器106によって結合されている。センサ108は、例えば質量流量などの物理現象に応答する信号を提供する。センサ108から出力される未補償のセンサ信号Sは、フィードスルー経路102を介して加算器106に与えられ、加算器106は、出力SAを生じることによって、ほぼ同時に応答する。
【0013】
未補償のセンサ信号Sもまた、補償経路104を介して補償器110に与えられる。補正ブロック109では、補償器109が1又は複数の補償値C1−Cnを生じ、これらの値は補償器110の中で組み合わされた上で加算器106に提供される、又は、別個に加算器106に提供される。補償値C1−Cnは、センサの非線形性、温度効果、又はそれ以外のセンサの短所を補償することができる。補償器110は、センサ誤差を補償するのに必要な情報を含んでいるか、そのような情報へのアクセスが可能であるか、のいずれかである。すなわち、例えば、補償器110は、温度効果に関して現に補償されつつあるセンサの現在の温度へのアクセスを提供するか、又は、その現在の温度を決定する回路を含む。
【0014】
フィードスルー経路102は、出力増幅器112を含む。この技術分野で知られているように、加算器106は、出力増幅器112と一体化され加算増幅器を形成する場合がある。出力増幅器112は、補償済のセンサ出力であるアナログ信号Aを生じる。すなわち、補償器110が生じる1又は複数の補正ファクタと未補償のセンサ信号Sとの和として、増幅器112のアナログ出力Aは、補償済のセンサ出力である。外部回路による利用が可能なだけでなく、出力Aは、必要な場合には適切なスケーリングがなされた後で、補償器110にフィードバックされ、そこで、差分回路111において(S+C1)の形式を有する補償済の信号と比較される。ただし、ここで、Sは未補償のセンサ出力であり、C1は温度、非線形性又はそれ以外のセンサの短所を補償する1又は複数の補正ファクタである。出力信号Aと補償済信号(S+C1)との差分Dは、加算器106に与えられる。設定期間の後では、静止動作の間は、出力信号Aと補償済信号S+C1とは等しい。しかし、過渡状態の間は、より低速の補償器110は、フィードスルー経路102ほど迅速に更新がなされない。その結果、過渡周期の間は、出力Aは、更新済で未補償のセンサ信号St1とそれよりも古い補正ファクタCt0(複数の補正ファクタC1−Cnと差分信号Dとを含みうる)との和である。ある遅延の後で、補償器は、更新済のセンサ出力St1に対応する補正ファクタCt1を生じるが、この更新済の補正ファクタは、次に、加算器106においてセンサ出力St1に加算される。この補償済信号S+C1は、他の回路への出力113としても利用可能である。
【0015】
図2の流れ図は、本発明の原理によるセンサ補償プロセスを図解している。このプロセスは、ステップ200で開始した後で、ステップ201に進み、センサの較正(校正)がなされる。この較正プロセスの間、センサの「ゼロ」、「スパン」及び非線形性に関係する較正定数が記憶される。この記憶は、例えば、ルックアップ・テーブルとして構成することができる。プロセスは、ステップ201からステップ202に進み、そこで、センサは、例えば温度、圧力又は質量流量などのモニタしている物理現象を表す出力を生じる。センサは、その出力信号において、1又は複数の逸脱を生じる可能性がある。すなわち、センサは、不所望の温度依存性を示したり、モニタしている物理現象への非線形な応答を示したりする。ステップ202の次には、プロセスは、(例えば、図1のフィードスルー経路102に沿って)ステップ204に進み、このステップでは、1又は複数の補正ファクタが未補償のセンサ出力と加算される。上述したように、これらの補正ファクタは、例
えば、圧力センサにおける温度依存性など、センサの応答における既知であり既に特徴付けられている短所を補償することができる。
【0016】
ステップ204の次には、プロセスは、ステップ206に進むが、このステップでは、補償済のセンサ信号と、補正ファクタ及び未補償のセンサ信号の和とを、オプションであるが、増幅されうる。増幅器は、例えば、例えば制御信号を駆動する低インピーダンスの出力を提供する。なお、加算及び増幅のプロセスは、単一の加算増幅器において実行される場合もある。ステップ204ないし206の動作と同時に、未補償のセンサ信号がステップ208で補償器に与えられる(例えば、図1の補償経路104に沿って)が、このステップでは、1又は複数の補正ファクタが、例えば温度依存性、非線形性又は経年効果などの短所を補償するために作成される。このステップにおいて生じる1又は複数の補正ファクタは、ステップ204において、未補償のセンサ出力と加算される。すなわち、プロセスのこれらの平行な脚は、ステップ204において、他のプロセス経路とリンクしていて(例えば、図1のフィードスルー経路102に沿って)、このステップ204では、補償ファクタは、未補償のセンサ信号と加算され、補償済のセンサ出力信号を生じる。この補償済のセンサ出力信号は、別個の補償済のセンサ出力において利用可能とすることもできる。補償経路104の一部として、この補償済センサ出力は、ステップ204において加算器の出力によって提供されるものとは同じ信号ではない。むしろ、この補償済出力は、より精度が高いが、通常は、フィードスルー経路102の出力の場合よりも更新が遅い。すなわち、ステップ208において生じる補正ファクタの作成には、未補償の信号と補償ファクタとの加算よりも時間を要するので、この加算は、特に過渡状態の間は、現在の未補償のセンサ信号と「古くなってしまった」補償ファクタとの間でなされる。
【0017】
ステップ208の次には、プロセスは、ステップ210に進み、このステップでは、フィードスルー経路102の補償済センサ出力が、補償経路104の補償済センサ出力と比較されて、差分信号が未補償のセンサ出力の更なる処理において用いられるために作成される。次に、プロセスは、ステップ210からステップ204に進み、そこでは、差分信号は、ステップ208で得られた1又は複数の補正ファクタと組み合わされ、また、ステップ202で得られた未補償のセンサ出力と組み合わされる。ステップ214の「継続」ブロックによって示されているように、プロセスは、この態様で無限に継続するのであるが、例えば、補償型センサへの給電が断絶されれば、ステップ216で終了する。
【0018】
図3のブロック図によって示されている例示的な実施例では、本発明の原理による補償型センサ300は、補償経路301のバルクを形成するデジタル補償器302を含む。アナログ回路が、フィードスルー経路のバルクを形成している。アナログ回路とデジタル補償器302とが、補償済のアナログ・センサ出力Aを生じる。センサ310は、例えば圧力や質量流量などの物理現象に応答して、未補償のセンサ出力信号Sを生じる。センサ310から出力された未補償のセンサ信号Sは、フィードスルー経路308に沿って、加算増幅器312に与えられる。加算増幅器312は、この技術分野で知られており、未補償のセンサ出力Sと以下で詳説する補償信号CAとの和である出力を生じることによって、ほぼ同時に応答する。
【0019】
未補償のセンサ信号Sは、また、補償経路304に沿って、アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)314に与えられ、このADC314が未補償のアナログ・センサ信号をデジタル信号SDに変換する。この例示的な実施例では、補償器302は、補正ブロック318とデジタル加算ブロック320と差分又は比較ブロック322とを含んでおり、例えば、マイクロプロセッサを用いて実装される。含まれている場合には、このマイクロプロセッサは、例えば、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セット・コントローラ(RISC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向き集積回路(ASIC)のコア・マイクロプロセッサなど、この技術分野において公知であるい
くつかの形式の中のいずれかをとりうる。補正ブロック318は、この例示的な実施例ではマイクロプロセッサ実行コードによって実現されるが、1又は複数の補償値C1−Cnを生じる。
【0020】
補償値C1−Cnは、これもこの例示的な実施例ではマイクロプロセッサ実行コードによって実装されるデジタル加算ブロック320において加算される。既に述べたように、補償値C1−Cnは、センサの非線形性、温度効果、経年効果又はそれ以外のセンサの短所を補償することができる。補償器302は、センサ誤差を補償するのに必要な情報を含んでいるか、そのような情報へのアクセスが可能であるか、のいずれかである。すなわち、例えば、補償器302は、温度効果に関して現に補償されつつあるセンサの現在の温度へのアクセスを提供するか、又は、その現在の温度を決定する回路を含む。フィードバック経路において、ADC324は、アナログ出力信号Aを、必要な場合には適切なスケーリングを行った後で、デジタル形式に変換する。出力信号Aのこのデジタル化された表現は、この例示的な実施例では補正回路318及びデジタル加算回路320のようにマイクロプロセッサ実行コードによって実装されている差分回路322に送られる。デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)326が、デジタル加算回路320の出力をアナログ形式に変換した上で、そのアナログ信号を、未補償のセンサ出力Sとの加算のために加算増幅器312に与える。
【0021】
出力増幅器312は、未補償のセンサ出力であるアナログ信号Aを生じる。すなわち、補償器302によって生じる1又は複数の補正ファクタと未補償のセンサ信号Sとの和として、増幅器312のアナログ出力Aは、補償済のセンサ出力である。外部回路による利用が可能であることに加えて、出力Aは、必要な場合には適切なスケーリングがなされた後で、補償器302にフィードバックされる。補償器302では、それは、差分回路322において、(S+C1)という形式を有する補償済の信号と比較される。ただし、ここで、Sは未補償のセンサ出力であり、C1は温度、非線形性又はそれ以外のセンサの短所を補償する1又は複数の補正ファクタの和である。出力信号Aと補償済信号(S+C1)との差分Dは、デジタル加算回路320に与えられる。デジタル加算回路320の出力は、アナログ形式への変換のためにDAC326に与えられる。結果的なアナログ補正信号CAは、加算増幅器312に与えられ、未補償のアナログ・センサ信号Sと加算される。
【0022】
設定期間の後では、静止動作の間は、アナログ出力信号Aのデジタル化された値と補償済信号S+C1とは等しい。しかし、過渡状態の間は、より低速の補償器302は、加算増幅器312ほど迅速に更新がなされない。その結果、過渡周期の間は、出力Aは、更新済で未補償のセンサ信号St1とそれよりも古い補正ファクタCA0(複数の補正ファクタC1−Cnと差分信号Dとを含みうる)との和である。ある遅延の後で、補償器302は、更新済のセンサ出力St1に対応する補正ファクタCt1を生じるが、この更新済の補正ファクタは、次に、加算回路326においてセンサ出力St1に加算される。この補償済信号S+C1は、他の回路への出力113としても利用可能である。ある例示的な実施例では、この出力は、デバイスネット(DeviceNet)インターフェースなどのネットワ
ーク・インターフェースに適した形式で利用可能となる。この例示的な実施例では2つのADC314及び324が用いられ未補償のセンサ出力Sと増幅器出力Aとを別個に変換するのであるが、多重化された入力を有する単一のADCを用いて両方のアナログ信号をデジタル形式に変換することも可能である。
【0023】
ある例示的な実施例では、センサ310は、関心対象である圧力範囲ではほぼ線形であり単調増加又は減少する電圧出力を提供する圧力センサである。この実施例では、「ほぼ線形」とは、最大の非線形誤差を生じる圧力では、補正ファクタが補正されていないセンサ出力電圧の50%以下である、という意味である。この実施例では、アナログ回路(図示せず)を用いて、ADC314、324に与えられるアナログ電圧のオフセット及びス
ケーリングを行っている。センサ310の電圧出力は、関心対象である圧力のいずれかの極値では、対応するセンサ出力電圧が、クリッピングを防止するのに十分な「ヘッド・ルーム」が維持されている状態で、ADC314の入力範囲の一方又は他方の極値と実質的に一致するように、オフセット及びスケーリングがなされる。同様に、増幅器312の電圧出力は、関心対象である圧力のいずれかの極値では、対応するセンサ出力電圧が、ADC314の対応するデジタル出力と等しいデジタル出力を生じるADC324の入力範囲の一方又は他方の極値と実質的に一致するように、オフセット及びスケーリングがなされる。そのようなオフセット及びスケーリングは、ADC314及び324の精度を最大限に利用しており、アナログ出力電圧Aが補償済のセンサ信号S+C1によって表される電圧と等しい場合には、差分信号Dはゼロとなることが保障される。
【0024】
センサの非線形性の補償はこの技術分野では公知であり、例えば、1998年12月8日にヤヌス(Yanus)他に与えられた米国特許第5,848,383号で説明されている。この米国特許は、本発明においてその全体を援用する。この例示的な実施例では、圧力センサの非線形性が、較正プロセスの間に判断される。較正プロセスの間、補正値は、ルックアップ・テーブルに記憶される。ある圧力の読取値が与えられると、補正回路(この実施例では、マイクロプロセッサ及びコード)が、圧力センサからの未補償の値に対応する適切な補正値をルックアップ・テーブルから参照する。温度依存性のための補正ファクタは、温度係数を、センサの現在の温度と較正温度との差分に乗算することによって既知の方法で得られる。補償済の圧力出力Aは、未補償の圧力信号Sと、非線形性誤差と、ゼロ及びスパン温度補償と、ゼロ・シフトと、出力増幅器の変動との関数である。
【0025】
別の実施例では、センサ310は、関心対象である流率範囲ではほぼ線形であり単調増加又は減少する電圧(又は電流)出力を提供する質量流量センサである。この実施例では、「ほぼ線形」とは、最大の非線形誤差を生じる流率では、補正ファクタが補正されていないセンサ出力電圧の50%以下である、という意味である。この実施例では、アナログ回路(図示せず)を用いて、ADC314、324に与えられるアナログ電圧のオフセット及びスケーリングを行っている。センサ310の電圧出力は、関心対象である質量流率のいずれかの極値では、対応するセンサ出力電圧が、クリッピングを防止するのに十分な「ヘッド・ルーム」が維持されている状態で、ADC314の入力範囲の一方又は他方の極値と実質的に一致するように、オフセット及びスケーリングがなされる。同様に、増幅器312の電圧出力は、関心対象である質量流率のいずれかの極値では、対応するセンサ出力電圧が、ADC314の対応するデジタル出力と等しいデジタル出力を生じるADC324の入力範囲の一方又は他方の極値と実質的に一致するように、オフセット及びスケーリングがなされる。そのようなオフセット及びスケーリングは、ADC314及び324の精度を最大限に利用しており、アナログ出力電圧Aが補償済のセンサ信号S+C1によって表される電圧と等しい場合には、差分信号Dはゼロとなることが保障される。
【0026】
この例示的な実施例では、質量流率センサの非線形性は、較正プロセスの間に判断される。較正プロセスの間、補正値は、ルックアップ・テーブルに記憶される。ある流率の読取値が与えられると、補正回路(この実施例では、マイクロプロセッサ及びコード)が、質量流率センサからの未補償の値に対応する適切な補正値をルックアップ・テーブルから参照する。温度依存性のための補正ファクタは、温度係数を、センサの現在の温度と較正温度との差分に乗算することによって、既知の方法で得られる。補償済の質量流率Aは、未補償の質量流量信号と、非線形性誤差と、ゼロ及びスパン温度補償と、ゼロ・シフトと、出力増幅器の変動との関数である。
【0027】
本発明の原理によるセンサのための保障プロセスは、図2の流れ図での議論との関係で既に述べた。図3のブロック図との関係では、較正のプロセスステップ201は、例えば、「ゼロ」応答の決定と、入力値の範囲(例えば、質量流量や圧力入力の範囲)のための
補正ファクタの決定及び記憶と、温度補償のための係数とを含む。補正ステップ208は、アナログ方式からデジタル方式への信号の変換と、適切なオフセット及びスケーリングとを含む。更に、多数の補正ファクタが、ステップ208において、例えばマイクロプロセッサ及びコードを用いてデジタル形式で加えられ、その後で、ステップ204における加算のためにアナログ形式に変換される。同様に、差分計算のステップ210は、マイクロプロセッサ実行コードの中でデジタル形式で生じる。
【0028】
図4の概念ブロック図は、本発明の原理による制御システムを示しているが、このシステムでは、上述したセンサ100などの補償型センサ400は、プロセス・チャンバ402をモニタするように構成されている。センサ400は、補償済のセンサ出力をコントローラ404に提供する。補償型センサ400は、例えば圧力又は質量流量センサであり、既に述べたように、非線形性及び/又は温度効果に関して補償がなされる。コントローラ404に提供されるセンサ出力は、上述したように、補償済のアナログ出力か、又は、補償済のアナログ・センサ出力と補償済のデジタル・センサ出力との両方である。この例示的な実施例では、コントローラ404は、このセンサ出力を用いて、1又は複数の入力弁406や1又は複数の出力弁408を制御することができる。弁406、408は、質量流量コントローラと共に用いられるチャンバの中への又はそのようなチャンバの外への流体の流れを制御するのに用いることができる。質量流量コントローラは既知であり、例えば、1997年1月24日にスズキ他に与えられた米国特許第5,594,666号で説明されている。この米国特許は、本発明においてその全体を援用する。
【0029】
上述した実施例のソフトウェアによる実装は、例えばディスケット、CD−ROM、ROM、固定ディスクなどのコンピュータ読取可能な媒体のような有体物である媒体の上に固定されているか、又は、モデムや、ある媒体上のネットワークに接続された通信アダプタなどのそれ以外のインターフェース装置を介してコンピュータ・システムに伝送可能な一連のコンピュータ命令で構成される。媒体は、限定列挙ではないが、光やアナログ通信回線を含む有体物である媒体か、又は、これも限定列挙ではないがマイクロ波、赤外線、それ以外の伝送技術を含む無線技術によって実現することができる。この一連のコンピュータ命令が、本発明との関係でこの出願において説明してきた機能のすべて又は一部を実現する。この技術分野の当業者であれば、そのようなコンピュータ命令が、多くのコンピュータ・アーキテクチャやオペレーティング・システムで用いることができる多数のプログラミング言語で書くことができるということを理解するはずである。更に、そのような命令は、限定列挙ではないが、半導体、磁気、光、それ以外のメモリ装置を含む現在の又は将来の任意のメモリ技術を用いて記憶可能であり、あるいは、これも限定列挙ではないが、光、赤外線、マイクロ波、それ以外の伝送技術を含む現在の又は将来の任意の通信技術を用いて伝送可能である。そのようなコンピュータ・プログラム製品は、例えばシュリンク・ラップされたソフトウェアなど印刷された又は電子式の文書と共に取り外し可能な媒体として流通させる、例えばシステムROMや固定ディスクの上においてコンピュータ・システムに予めロードされている、インターネットやワールド・ワイド・ウェブなどネットワークを介してサーバや電子掲示板から配布されることが考えられる。
【0030】
以上で本発明の例示的な実施例を開示したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の効果のいくつかを達成するような様々な変更や修正が可能であることは、当業者には明かである。同じ機能を実行することができる他のコンポーネントを用いて代替することが可能であることも、理解できるであろう。更に、本発明の方法は、適切なオブジェクトやプロセッサ命令を用いてすべてソフトウェアによって実現することが可能であるとともに、ハードウェア・ロジック、ソフトウェア・ロジック及び/又はファームウェアの組合せを用いたハイブリッド構成によって同じ結果を売ることも可能である。流れ図を用いることによって図解されたプロセスは、厳密に直線的なプロセスではないことも可能であり、本発明の範囲内でそれ以外の流れ図とすることもできる。特定の機能を達成するために用いられるロジック及び/又は命令の特定の構成は、本発明による発明概念に対するそれ以外の修正と共に、冒頭の特許請求の範囲に含まれるものである。
【0031】
本発明の特定の実施例に関する以上の説明は、例示及び説明の目的のみのためになされている。網羅的である又は開示されている形式自体に本発明を限定することは意図されておらず、多くの修正や変更が、以上の教示から可能であろう。ここでの実施例は、本発明の原理とその実際的な応用例とを最良の形態で説明するために選択されなされたものであり、よって、当業者は本発明を最良の形態で用いることが可能となるはずである。本発明の範囲は、冒頭の特許請求の範囲によってのみ画定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補償型センサであって、
物理現象に応答して未補償の出力信号を生じるセンサと、
加算器を含んでおり、比較的高速の補償済出力信号を生じる比較的高速のフィードスルー経路と、
1又は複数の補正ファクタを生じ前記1又は複数の補正ファクタを前記加算器に供給し比較的低速の補償済信号を生じる補償回路を含んでおり、前記加算器は前記補償回路からの1又は複数の補正ファクタと前記未補償の出力信号とを加算する、比較的低速の補償経路と、
前記比較的高速の補償済出力信号を前記補償回路に供給するフィードバック経路であって、前記補償回路は、前記高速の補償済出力信号を前記低速の補償済信号と比較し、前記2つの信号の差を前記未補償のセンサ信号及び前記1又は複数の補正ファクタと加算する前記加算器に提供する、フィードバック経路と、
を備えていることを特徴とする補償型センサ。
【請求項2】
請求項1記載の補償型センサにおいて、前記比較的高速のフィードスルー経路はアナログ回路を実質的に備えていることを特徴とする補償型センサ。
【請求項3】
請求項1記載の補償型センサにおいて、前記比較的低速の補償経路はデジタル回路を実質的に備えていることを特徴とする補償型センサ。
【請求項4】
請求項1記載の補償型センサにおいて、前記加算器は、比較的高速の補償済出力信号を生じる加算増幅器を備えていることを特徴とする補償型センサ。
【請求項5】
請求項4記載の補償型センサにおいて、前記センサからの前記未補償センサ出力と前記加算増幅器からの前記比較的高速の補償済出力信号とをデジタルからアナログ形式に変換する1又は複数のアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)を更に備えていることを特徴とする補償型センサ。
【請求項6】
請求項5記載の補償型センサにおいて、前記補償回路は、ルックアップ・テーブルを用いてセンサの非線形性に対する補正ファクタを生じるマイクロプロセッサを含むことを特徴とする補償型センサ。
【請求項7】
請求項6記載の補償型センサにおいて、前記マイクロプロセッサは、前記未補償のセンサ出力に対する温度の効果を補正する補正ファクタを温度係数を用いて生じることを特徴とする補償型センサ。
【請求項8】
請求項7記載の補償型センサにおいて、前記マイクロプロセッサは、前記1又は複数の補正ファクタを前記未補償のセンサ出力に加算して比較的低速の補償済センサ信号を生じることを特徴とする補償型センサ。
【請求項9】
請求項8記載の補償型センサにおいて、前記マイクロプロセッサは、前記比較的低速の補償済センサ信号と前記比較的高速の補償済センサ信号との差を計算することを特徴とする補償型センサ。
【請求項10】
請求項9記載の補償型センサにおいて、前記マイクロプロセッサは、前記1又は複数の補正ファクタを前記比較的低速の補償済センサ信号と前記比較的高速の補償済センサ信号との差に加算し、変換後のアナログ信号を前記加算増幅器の加算入力にその結果を供給することを特徴とする補償型センサ。
【請求項11】
プロセス・コントローラであって、
1又は複数の制御出力からのプロセス制御パラメータを制御することによって補償済センサ出力に応答するコントローラと、
前記補償済センサ出力を前記コントローラに供給する補償型センサであって、
物理現象に応答して未補償の出力信号を生じるセンサと、
加算器を含んでおり、比較的高速の補償済出力信号を生じる比較的高速のフィードスルー経路と、
1又は複数の補正ファクタを生じ前記1又は複数の補正ファクタを前記加算器に供給し比較的低速の補償済信号を生じる補償回路を含んでおり、前記加算器は前記補償回路からの1又は複数の補正ファクタと前記未補償の出力信号とを加算する、比較的低速の補償経路と、
前記比較的高速の補償済出力信号を前記補償回路に供給するフィードバック経路であって、前記補償回路は、前記高速の補償済出力信号を前記低速の補償済信号と比較し、前記2つの信号の差を前記未補償のセンサ信号及び前記1又は複数の補正ファクタと加算する前記加算器に提供する、フィードバック経路と、
を備えている補償型センサと、
を備えていることを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項12】
請求項11記載のプロセス・コントローラにおいて、前記プロセス制御パラメータは、1又は複数の弁の設定であり、前記1又は複数の弁はそれぞれがプロセス・チャンバの中の流体の制御に寄与することを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項13】
請求項12記載のプロセス・コントローラにおいて、前記比較的高速のフィードスルー経路はアナログ回路を実質的に備えていることを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項14】
請求項12記載のプロセス・コントローラにおいて、前記比較的低速の補償経路はデジタル回路を実質的に備えていることを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項15】
請求項12記載のプロセス・コントローラにおいて、前記加算器は、比較的高速の補償済出力信号を生じる加算増幅器を備えていることを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項16】
請求項15記載のプロセス・コントローラにおいて、前記センサからの前記未補償センサ出力と前記加算増幅器からの前記比較的高速の補償済出力信号とをデジタルからアナログ形式に変換する1又は複数のアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)を更に備えていることを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項17】
請求項16記載のプロセス・コントローラにおいて、前記補償回路は、ルックアップ・テーブルを用いてセンサの非線形性に対する補正ファクタを生じるマイクロプロセッサを含むことを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項18】
請求項17記載のプロセス・コントローラにおいて、前記マイクロプロセッサは、前記未補償のセンサ出力に対する温度の効果を補正する補正ファクタを温度係数を用いて生じることを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項19】
請求項18記載のプロセス・コントローラにおいて、前記マイクロプロセッサは、前記1又は複数の補正ファクタを前記未補償のセンサ出力に加算して比較的低速の補償済センサ信号を生じることを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項20】
請求項19記載のプロセス・コントローラにおいて、前記マイクロプロセッサは、前記
比較的低速の補償済センサ信号と前記比較的高速の補償済センサ信号との差を計算することを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項21】
請求項20記載のプロセス・コントローラにおいて、前記マイクロプロセッサは、前記1又は複数の補正ファクタを前記比較的低速の補償済センサ信号と前記比較的高速の補償済センサ信号との差に加算し、変換後のアナログ信号を前記加算増幅器の加算入力にその結果を供給することを特徴とするプロセス・コントローラ。
【請求項22】
センサを補償する方法であって、
(A)センサにおいて、物理現象に応答して未補償出力信号を生じるステップと、
(B)加算器を含むフィードスルー経路において、比較的高速の補償済出力信号を生じるステップと、
(C)比較的低速の補償回路において1又は複数の補正ファクタを生じ、前記1又は複数の補正ファクタを前記加算器に供給するステップと、
(D)前記補償回路において、比較的低速の補償済信号を生じるステップと、
(E)前記補償回路からの前記1又は複数の補正ファクタを前記未補償センサ出力信号に加算するステップと、
(F)前記比較的低速の補償済信号と前記比較的高速の補償済信号との差を計算し、前記差を前記未補償信号及び前記1又は複数の補正ファクタに加算して、前記比較的高速の補償済出力信号を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法において、ステップ(E)の加算は、加算増幅器において、前記1又は複数の補正ファクタを前記未補償のセンサ出力に加算するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22記載の方法において、補正ファクタを生じるステップ(C)は、マイクロプロセッサがルックアップ・テーブルの中で前記補正ファクタを探すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、補正ファクタを生じるステップ(C)は、マイクロプロセッサが、前記未補償センサ出力に対する温度の効果を補正す補正ファクタを温度係数を用いて生じるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
(A)補償済センサ出力に応答してコントローラがプロセス制御パラメータを制御するステップであって、前記補償済センサ出力は、
(B)センサにおいて、物理現象に応答して未補償出力信号を生じるステップと、
(C)加算器を含むフィードスルー経路において、比較的高速の補償済出力信号を生じるステップと、
(D)比較的低速の補償回路において1又は複数の補正ファクタを生じ、前記1又は複数の補正ファクタを前記加算器に供給するステップと、
(E)前記補償回路において、比較的低速の補償済信号を生じるステップと、
(F)前記補償回路からの前記1又は複数の補正ファクタを前記未補償センサ出力信号に加算するステップと、
(G)前記比較的低速の補償済信号と前記比較的高速の補償済信号との差を計算し、前記差を前記未補償信号及び前記1又は複数の補正ファクタに加算して、前記比較的高速の補償済出力信号を生じるステップと、
によって生じることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、ステップ(F)の加算は、加算増幅器において、前記
1又は複数の補正ファクタを前記未補償のセンサ出力に加算するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項26記載の方法において、補正ファクタを生じるステップ(D)は、マイクロプロセッサがルックアップ・テーブルの中で前記補正ファクタを探すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項26記載の方法において、補正ファクタを生じるステップ(D)は、マイクロプロセッサが、前記未補償センサ出力に対する温度の効果を補正する補正ファクタを温度係数を用いて生じるステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−91574(P2010−91574A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259577(P2009−259577)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【分割の表示】特願2004−513717(P2004−513717)の分割
【原出願日】平成15年6月11日(2003.6.11)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】