説明

複軸移動可能な搬送装置

【課題】1つの駆動モータの駆動により互いに直交する2軸を含む複軸の移動・停止が可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】第1駆動ドラム11に巻回された第1ワイヤ13と、第2駆動ドラム21に巻回された第2ワイヤ23と、第1ワイヤ23との連結・解除を選択する第1クラッチ15を介して第1ワイヤ13に取り付けられた第1取付部10と、第2ワイヤ23との連結・解除を選択する第2クラッチ25を介して第2ワイヤ23に取り付けられた第2取付部20とを備え、第1または第2クラッチ15(25)の一方を連結状態とし、かつ、他方を解除状態とすることで、第1取付部10の第1方向D1への移動と、第2取付部20の第2方向D2への移動とを1つの駆動モータMにより選択可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2軸の移動・停止を可能にした複軸移動可能な搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、1つの駆動モータで2軸の動作・停止を可能にした装置が提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)
【特許文献1】特開平9−250687公報(第2−3頁,図1)
【特許文献2】特開平4−8401号公報(第2−3頁,図1)
【発明の開示】
【0003】
しかし、前記従来の装置では、互いに直交する2軸方向への搬送を行うことができない。
【0004】
したがって、本発明の主目的は、1つの駆動モータの駆動により互いに直交する2軸を含む複軸の移動・停止が可能な搬送装置を提供することである。
【0005】
前記目的を達成するために、本出願人は、搬送装置の発明をし出願している(特願2004−105579)。しかし、この先願の発明は歯付ベルトを利用しているため、搬送距離が長くなるとコストアップする。
【0006】
したがって、本発明の別の目的はコストダウンを図ることである。
【0007】
前記主目的を達成するために、本第1発明は、1つの駆動モータにより互いに概ね直交する第1および第2方向の2軸を含む複軸の移動・停止を可能にした複軸移動可能な搬送装置であって、一対の巻回部を有し駆動モータにより回転駆動する第1駆動ドラムと、一対の巻回部を有し前記駆動モータにより回転駆動する第2駆動ドラムと、前記第1駆動ドラムの一対の前記巻回部および第1従動プーリに巻回され、前記第1駆動ドラムの回転により当該第1駆動ドラムの一方の巻回部に巻き取られると共に他方の巻回部から巻き出される第1ワイヤと、前記第2駆動ドラムの一対の巻回部および第2従動プーリに巻回され、前記第2駆動ドラムの回転により当該第2駆動ドラムの一方の巻回部に巻き取られると共に他方の巻回部から巻き出される第2ワイヤと、前記第1ワイヤとの連結・解除を選択する第1クラッチを介して前記第1ワイヤに取り付けられた第1取付部と、前記第2ワイヤとの連結・解除を選択する第2クラッチを介して前記第2ワイヤに取り付けられた第2取付部と、前記第1取付部を第1方向に案内する第1リニアガイドと、前記第2取付部を第2方向に案内する第2リニアガイドとを備え、前記第1または第2クラッチの一方を連結状態とし、かつ、他方を解除状態とすることで、前記第1駆動ドラムの回転に伴う前記第1ワイヤの巻取・巻出による前記第1取付部の第1方向に沿った移動と、前記第2駆動ドラムの回転に伴う前記第2ワイヤの巻取・巻出による前記第2取付部の第2方向に沿った移動とを1つの駆動モータの駆動により選択可能としたことを特徴とする。
【0008】
一方、本第2発明は、1つの駆動モータにより互いに概ね直交する第1および第2方向の2軸を含む複軸の移動・停止を可能にした複軸移動可能な搬送装置であって、ワイヤと、前記ワイヤの一端が巻回された第1巻回部、ならびに、前記ワイヤの他端が巻回された第2巻回部とを有する駆動ドラムと、前記駆動ドラムを正逆回転させる駆動モータと、前記第1巻回部から前記第2巻回部の間において、前記第1方向に沿った第1経路および前記第2方向に沿った第2経路を前記ワイヤが通るように、当該ワイヤを張設する複数のプーリと、前記ワイヤの第1経路に取り付けられた第1取付部と、前記ワイヤの第2経路に取り付けられた第2取付部と、前記第1取付部と前記ワイヤとの連結解除を選択する第1クラッチと、前記第2取付部と前記ワイヤとの連結解除を選択する第2クラッチと、前記第1取付部を第1方向に案内する第1リニアガイドと、前記第2取付部を第2方向に案内する第2リニアガイドとを備え、前記第1または第2クラッチの一方を連結状態とし、かつ、他方を解除状態とすることで、前記第1駆動ドラムの回転に伴う前記ワイヤの巻取・巻出による前記第1取付部の第1方向に沿った移動と、前記第2駆動ドラムの回転に伴う前記ワイヤの巻取・巻出による前記第2取付部の第2方向に沿った移動とを1つの駆動モータの駆動により選択可能としたことを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、1つの駆動モータの駆動により互いに直交する2つの方向への移動、すなわち、2軸移動が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例の説明に先立って、本発明を適用可能な搬送装置の一例を図1を用いて説明する。
全体構成:
図1に示すように、搬送装置は、2軸の移動・停止が可能な搬送装置であり、第1方向D1に移動可能なツール取付部(第1取付部)10と、前記第1方向D1に概ね直交する第2方向D2に移動可能な第2取付部20とを備えている。ツール取付部10は、第2取付部20の上方に設けられている。
【0011】
たとえば、第2取付部20に電子基板等の被加工部材を固定し、ツール取付部10に半田ごてや電動ドライバ等の加工器具を取り付けて、ツール取付部10を第1方向D1に、第2取付部20を第2方向D2に移動させることにより、電子基板等に任意の位置で半田付けやネジ締めなどの加工作業を自動で行うことが可能である。
【0012】
搬送装置は、下固定ベース5、柱6,7および桁8を備えている。柱6,7は、第1方向D1に離間して下固定ベース5の両端部に略鉛直方向に立設されている。桁8は、前記柱6,7に架け渡されており、柱6,7および桁8は、下固定ベース5上に、たとえば門型に形成されている。なお、桁8は片持ち等で支持されていてもよい。
【0013】
実施例1:
つぎに、本発明の実施例1について説明する。
図2は、本搬送装置の要部を示す概略斜視図である。
下固定ベース5の鉛直方向に設けられた柱6,7(図1)のうち、一方の柱6の上端には駆動モータMが設けられており、駆動モータMの下方には、当該モータMにより回転駆動される第1および第2駆動ドラム11,21が形成された軸ユニット4が設けられている。
【0014】
前記桁8(図1)内には、上固定ベース9が設けられている。上固定ベース9には、ツール取付部10を移動させるための第1スライダユニット1が設けられており、下固定ベース5には、第2取付部20を移動させるための第2スライダユニット2が設けられている。
【0015】
第1スライダユニット1:
上固定ベース9には、第1従動プーリ12が設けられている。第1駆動ドラム11および第1従動プーリ12は、第1方向D1に離間して設けられており、該第1駆動ドラム11、第1従動プーリ12間には有端状の第1ワイヤ13が巻回されている。第1駆動ドラム11は、第1ワイヤ13の一端が巻回された巻回部11aと、他端が巻回された巻回部11bとを備えている。
【0016】
第1ワイヤ13の片側には、第1クラッチ15が固定されており、該クラッチ15には、種々の加工器具等を取り付けるためのツール取付部(第1取付部)10が固定されている。前記第1クラッチ15は、図示しないエアシリンダの作動により、前記第1ワイヤ13を挟持(把持)して、前記第1ワイヤ13とツール取付部10とを連結(ON)したり、その連結を解除(OFF)したりする。
【0017】
ツール取付部10の下部には第1スライダ17が固定されている。上固定ベース9上には、第1スライダ17を第1方向D1に案内する第1リニアガイド16が設けられている。ツール取付部10は、第1スライダ17を介して第1リニアガイド16に案内され、第1方向D1にスライド移動可能である。
【0018】
したがって、駆動モータMにより第1駆動ドラム11が回転駆動されると、第1ワイヤ13が第1駆動ドラム11と第1従動プーリ12との間を移動し、第1クラッチ15がONの場合、該第1ワイヤ13に取り付けたツール取付部10が、第1リニアガイド16に案内されて第1方向D1に往復動される。
【0019】
第1ワイヤ13には、第1ワイヤ13を挟持することにより、第1ワイヤ13の移動を禁止(ON状態)するための第1ブレーキ18が設けられている。この第1ブレーキ18は、ツール取付部10の停止精度を保証する。第1ブレーキ18または第1クラッチ15のうち、少なくともいずれか一方がONしていることで、ワイヤ13とツール取付部10との間にすべりが生じないように制御される。
【0020】
第2スライダユニット2:
下固定ベース5には、一対の第2従動プーリ22,22が設けられている。
【0021】
第2従動プーリ22,22は、第2方向D2に互いに離間して設けられており、第2駆動ドラム21は、第1駆動ドラム11の直下に同軸上に設けられている。第2駆動ドラム21および第2従動プーリ22,22には、有端状の第2ワイヤ23が架け渡されている。第2駆動ドラム21は、第2ワイヤ23の一端が巻回された巻回部21aと、他端が巻回された巻回部21bとを備えている。
【0022】
第2ワイヤ23には、第2クラッチ25が固定されている。第2クラッチ25は、第2ワイヤ23の第2従動プーリ22,22間における直線部分に固定されている。第2クラッチ25には、電子基板等の被加工部材等を取り付けるための第2取付部20が固定されている。第2取付部20の下部には第2スライダ27が固定されている。前記第2クラッチ25は、図示しないエアシリンダの作動により、前記第2ワイヤ23を挟持(把持)して前記第2ワイヤ23と第2取付部20とを連結(ON)したり、その連結を解除(OFF)したりする。
【0023】
下固定ベース5には、第2スライダ27を第2方向D2に案内する第2リニアガイド26が設けられている。第2リニアガイド26は、第2従動プーリ22,22間を結ぶ直線と概ね平行に設けられている。第2取付部20は、第2スライダ27を介して第2リニアガイド26に案内され、第2方向D2にスライド移動可能である。
【0024】
したがって、駆動モータMにより第2駆動ドラム21が回転駆動されると、第2ワイヤ23が移動され、第2クラッチ25がONの場合、該第2ワイヤ23に取り付けた第2取付部20が第2リニアガイド26に案内されて第2方向D2に往復動される。
【0025】
第2ワイヤ23には、第2ワイヤ23を挟持して、第2ワイヤ23の移動を禁止するための第2ブレーキ28が設けられている。第2ブレーキ28は第2取付部20の停止精度を保証する。
【0026】
駆動ドラム11,21
図3に示すように、前記軸ユニット4は、下固定ベース5に対して略鉛直方向Zに立設された駆動軸41を備えている。駆動軸41は、前記駆動モータMによって回転駆動される。駆動軸41の上部には、前記第1駆動ドラム11が形成されていると共に、該駆動軸41の下部には、第2駆動ドラム21が形成されている。
【0027】
前記第1駆動ドラム11は、第1ワイヤ13の一端が固定され、かつ、巻回された第1巻回部11aと、該第1ワイヤ13の他端が固定され、かつ、巻回された第2巻回部11bとを有している。
同様に、第2駆動ドラム21は、第2ワイヤ23の一端が固定され、かつ、巻回された第1巻回部21aと、該第2ワイヤ23の他端が固定され、かつ、巻回された第2巻回部21bとを有している。
【0028】
駆動軸41は、前記柱6に固定されたドラム台50によって回転支持されている。ドラム台50には、雌ネジ53が形成されており、軸ユニット4の外周に形成された雄ネジ52に螺合している。そのため、駆動モータMにより、軸ユニット4が回転されると、雌ネジ53および雄ネジ52からなるネジ手段51により、軸ユニット4が軸方向Zに移動される。
【0029】
駆動モータMにより軸ユニット4が回転されて、駆動ドラム11,21が正転方向に回転した場合には、前記ネジ手段51により、該駆動ドラム11,21が軸方向Zの正方向Z1に所定量移動するように規制される。
一方、駆動モータMを逆回転させることで、駆動ドラム11,21が前記正転方向とは逆の逆転方向に回転した場合には、前記ネジ手段51により、駆動ドラム11,21が軸方向Zの前記正方向Z1とは逆の逆方向Z2に所定量移動するように規制される。
【0030】
ネジ手段51のネジ山のピッチは、第1ワイヤ13および第2ワイヤ23の巻取位置および巻出位置が概ね一定となるピッチに設定されている。そのため、駆動モータMにより軸ユニット4が回転されると、該軸ユニット4が軸方向Zに移動し、両ワイヤ13,23の巻取位置および巻出位置がそれぞれ一定となるように制御される。
したがって、ワイヤ13,23が斜めにならないので、各取付部10,20の停止精度が向上する。
【0031】
搬送動作:
つぎに、本搬送装置の搬送動作について説明する。
第1方向D1への移動;
図2の第1クラッチ15をON、第2クラッチ25をOFF、第1ブレーキ18をOFF、第2ブレーキ28をOFFに設定した後、駆動モータMにより駆動軸41を回転させると、第1および第2駆動ドラム11,21が同一方向に回転する。図2の第1駆動ドラム11の回転によって第1ワイヤ13が移動され、第1ワイヤ13に取り付けたツール取付部10が第1リニアガイド16に案内されて第1方向D1に移動される。駆動モータMの回転方向を変更し、ツール取付部10の移動方向を逆転させることで、ツール取付部10を第1方向D1に往復動させることができる。なお、ツール取付部10の停止時には、第1ブレーキ18をONした後に第1クラッチ15をOFFにすることにより、停止精度を高める。
【0032】
第2方向D2への移動;
一方、図2の第1クラッチ15をOFF、第2クラッチ25をON、第1ブレーキ18をOFF、第2ブレーキ28をOFFに設定した後、駆動モータMにより駆動軸41を回転させると、同ドラム11,21が同一方向に回転する。図2の第2駆動ドラム21の回転によって第2ワイヤ23が移動され、第2ワイヤ23に取り付けた第2取付部20が第2リニアガイド26に案内されて第2方向D2に移動される。駆動モータMの回転方向を変更し、第2取付部20の移動方向を逆転させることで、第2取付部20を第2方向D2に往復動させることができる。なお、第2取付部20の停止時には、第2ブレーキ28をONした後に第2クラッチ25をOFFにすることにより、停止精度を高める。
【0033】
〔実施例2〕
つぎに、実施例2にかかる搬送装置の一実施例を図4を用いて説明する。
図4に示すように、本搬送装置は、前述の実施例1とは異なり、1個の駆動ドラム11および1本のワイヤ13を備えている。なお、前記駆動ドラム11は、前述の実施例1で説明した駆動ドラムを用いている。
【0034】
前記駆動ドラム11および駆動モータMは、ドラム台50A上に載置されている。
ドラム台50Aは、第3スライダ52上に固定されており、第3スライダ52は、第3リニアガイド56に案内されて、駆動ドラム11の形成された軸ユニット4の軸方向Zに沿って摺動自在に設定されている。
したがって、駆動モータMにより駆動ドラム11が回転された場合には、軸ユニット4が軸方向Zに移動することにより、ワイヤ13の巻出位置および巻取位置が概ね一定となる。
【0035】
本装置は、第1方向D1に沿った第1経路および第2方向D2に沿った第2経路をワイヤ13が通るように、当該ワイヤ13を張設する複数のプーリ12,22,24を備えている。なお、ワイヤ13の停止を保証する図示しないブレーキが設けられている。
【0036】
前記ワイヤ13は、駆動ドラム11の一方の第1巻回部11aから、一方の第1従動プーリ12を介して柱7内を通り、一対の第2従動プーリ22,22間に掛け渡された後、再び柱7内を通って、他方の第1従動プーリ12を介して駆動ドラム11の他方の第2巻回部11bに巻回されている。ワイヤ13の方向転換を行う各箇所には、補助プーリ24がそれぞれ設けられている。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明および図示を省略する。
【0037】
つぎに、本搬送装置の搬送動作について説明する。
第1方向D1への移動;
第1クラッチ15をON、第2クラッチ25をOFFに設定、図示しないブレーキを解除(OFF)した後、駆動モータMにより駆動軸41が回転され、駆動ドラム11が回転される。前記駆動ドラム11の回転によってワイヤ13が移動され、該ワイヤ13に取り付けたツール取付部10が第1リニアガイド16に案内されて第1方向D1に移動される。駆動モータMの回転方向を変更し、ツール取付部10の移動方向を逆転させることで、ツール取付部10を第1方向D1に往復動させることができる。なお、停止時にはブレーキをONにする。
【0038】
第2方向D2への移動;
一方、第1クラッチ15をOFF、第2クラッチ25をONに設定した後、駆動モータMにより駆動軸41を回転され、駆動ドラム11が回転される。前記駆動ドラム11の回転によってワイヤ13が移動され、前記ワイヤ13に取り付けた第2取付部20が第2リニアガイド26に案内されて第2方向D2に移動される。駆動モータMの回転方向を変更し、第2取付部20の移動方向を逆転させることで、第2取付部20を第2方向D2に往復動させることができる。なお、停止時にはブレーキをONにする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明を適用可能な搬送装置の一例を示す概略斜視図である。
【図2】第1発明にかかる搬送装置の実施例を示す概略斜視図である。
【図3】軸ユニットおよびその近傍を示す概略断面図である。
【図4】第2発明にかかる搬送装置の実施例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
10:ツール取付部
11:第1駆動ドラム
11a:第1巻回部
11b:第2巻回部
12:第1従動プーリ
13:第1ワイヤ
15:第1クラッチ
16:第1リニアガイド
20:第2取付部
21:第2駆動ドラム
22:第2従動プーリ
23:第2ワイヤ
24:補助プーリ
25:第2クラッチ
26:第2リニアガイド
50,50a:ドラム台
51:ネジ手段
D1:第1方向
D2:第2方向
Z:軸方向
Z1:正方向
Z2:逆方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの駆動モータにより互いに概ね直交する第1および第2方向の2軸を含む複軸の移動・停止を可能にした複軸移動可能な搬送装置であって、
一対の巻回部を有し駆動モータにより回転駆動する第1駆動ドラムと、
別の一対の巻回部を有し前記駆動モータにより回転駆動する第2駆動ドラムと、
前記第1駆動ドラムの一対の前記巻回部および第1従動プーリに巻回され、前記第1駆動ドラムの回転により当該第1駆動ドラムの一方の巻回部に巻き取られると共に他方の巻回部から巻き出される第1ワイヤと、
前記第2駆動ドラムの一対の前記巻回部および第2従動プーリに巻回され、前記第2駆動ドラムの回転により当該第2駆動ドラムの一方の巻回部に巻き取られると共に他方の巻回部から巻き出される第2ワイヤと、
前記第1ワイヤとの連結・解除を選択する第1クラッチを介して前記第1ワイヤに取り付けられた第1取付部と、
前記第2ワイヤとの連結・解除を選択する第2クラッチを介して前記第2ワイヤに取り付けられた第2取付部と、
前記第1取付部を第1方向に案内する第1リニアガイドと、
前記第2取付部を第2方向に案内する第2リニアガイドとを備え、
前記第1または第2クラッチの一方を連結状態とし、かつ、他方を解除状態とすることで、前記第1駆動ドラムの回転に伴う前記第1ワイヤの巻取・巻出による前記第1取付部の第1方向に沿った移動と、前記第2駆動ドラムの回転に伴う前記第2ワイヤの巻取・巻出による前記第2取付部の第2方向に沿った移動とを1つの駆動モータの駆動により選択可能とした複軸移動可能な搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、第1および第2駆動ドラムの軸線方向が同一方向に設定され、
前記第1および第2駆動ドラムおよび駆動モータを前記駆動ドラムの軸方向に移動自在に支持するドラム台と、
前記第1および第2駆動ドラムが正転方向に回転した場合に前記ドラム台が前記軸方向の正方向に所定量移動するように規制すると共に、前記第1および第2駆動ドラムが前記正転方向とは逆の逆転方向に回転した場合に前記ドラム台が前記正方向とは逆の逆方向に所定量移動するように規制して、前記第1および第2ワイヤの巻取位置および巻出位置が一定となるように制御するネジ手段とを更に備えた複軸移動可能な搬送装置。
【請求項3】
1つの駆動モータにより互いに概ね直交する第1および第2方向の2軸を含む複軸の移動・停止を可能にした複軸移動可能な搬送装置であって、
ワイヤと、
前記ワイヤの一端が巻回された第1巻回部、ならびに、前記ワイヤの他端が巻回された第2巻回部とを有する駆動ドラムと、
前記駆動ドラムを正逆回転させる駆動モータと、
前記第1巻回部から前記第2巻回部の間において、前記第1方向に沿った第1経路および前記第2方向に沿った第2経路を前記ワイヤが通るように、当該ワイヤを張設する複数のプーリと、
前記ワイヤの第1経路に取り付けられた第1取付部と、
前記ワイヤの第2経路に取り付けられた第2取付部と、
前記第1取付部と前記ワイヤとの連結解除を選択する第1クラッチと、
前記第2取付部と前記ワイヤとの連結解除を選択する第2クラッチと、
前記第1取付部を第1方向に案内する第1リニアガイドと、
前記第2取付部を第2方向に案内する第2リニアガイドとを備え、
前記第1または第2クラッチの一方を連結状態とし、かつ、他方を解除状態とすることで、前記第1駆動ドラムの回転に伴う前記ワイヤの巻取・巻出による前記第1取付部の第1方向に沿った移動と、前記第2駆動ドラムの回転に伴う前記ワイヤの巻取・巻出による前記第2取付部の第2方向に沿った移動とを1つの駆動モータの駆動により選択可能とした複軸移動可能な搬送装置。
【請求項4】
請求項3において、前記駆動ドラムおよび駆動モータを前記駆動ドラムの軸方向に移動自在に支持するドラム台と、
前記駆動ドラムが正転方向に回転した場合に前記ドラム台が前記軸方向の正方向に所定量移動するように規制すると共に、前記駆動ドラムが前記正転方向とは逆の逆転方向に回転した場合に前記ドラム台が前記正方向とは逆の逆方向に所定量移動するように規制して、前記ワイヤの巻取位置および巻出位置が一定となるように制御するネジ手段とを更に備えた複軸移動可能な搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−91447(P2007−91447A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286510(P2005−286510)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】