説明

記憶媒体付き容器とこれを用いた商品情報伝送装置

【課題】 商品を計量・包装・値付け等するような製造ラインにおいて、商品の移送順序が変わっても、商品情報の伝達を確実できる記憶媒体付き容器とこれを用いた商品情報伝送装置を提供する。
【解決手段】 搬送中に商品に関して得られる情報を記憶している記憶媒体付き容器が商品と一体となって搬送され、この商品情報に基づいて収納された商品が計量値付けされるので、商品が搬送途中で取り除かれたり、搬送順序が入れ替わっても、確実に商品情報を伝達でき、計量値付けできる。また、搬送中に発生した商品情報が記憶媒体に書込みまたは記憶媒体から読出されるので、当該記憶媒体だけで商品情報を伝送することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を収納しその商品に関する情報を記憶する記憶媒体が付設されている記憶媒体付き容器と、これを用いて商品に関する情報を伝送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパー等で販売される食肉のような商品は、商品を製造する製造エリアにおいて、肉の種類が識別され、その品種ごとに所定量がトレーに盛り付けられる。そして、トレーごとに計量機で計量されたのちに包装値付け機で包装値付けされ、ラベルプリンタで商品の品名,重量および価格等の商品情報を印字したラベルが発行されて、包装材に貼付される。
【0003】
この場合、識別された品名や計量機で計量された商品の重量等の商品情報が、商品の移送順序に従って、順次、包装値付け機やラベルプリンタに送られて、その内容で包装値付けされ、ラベルが発行される。
【0004】
一方、商品を販売する販売エリアにおいて、上記ラベルが貼付された商品がPOSシステムを用いて販売される場合には、ラベルに印字されたバーコードをレジスタで読み取り、指示コントローラから送られる商品情報に基づいて、購入された商品の価格や数量等が集計される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、製造エリアにおいて、商品が識別され計量されてから、値付けされラベルが発行されるまでの間で、例えば、商品を収納したトレーの1つが途中で抜き取られたり、落下したり、あるいは、トレーが製造機器に噛み込んでしまい、その破損したトレーを取り除く必要が生じるといったトラブルが発生した場合には、商品の一部が欠落したり、商品の移送順序が変わるので、そのまま包装値付け装置で値付けされ、ラベルプリンタでラベルが発行された場合には、トレーに収納された商品と貼付されたラベルの内容とが一致しないことになる。
【0006】
このため、一旦、製造を停止して、包装値付け装置やラベルプリンタへの商品情報を正しい順序に入れ直す必要があり、移送順序が変わることによるトラブル処理が煩雑であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決して、商品を計量・包装・値付け等するような製造ラインにおいて、商品の移送順序が変わっても、商品情報の伝達を確実できる記憶媒体付き容器とこれを用いた商品情報伝送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一構成に係る記憶媒体付き容器は、商品を収納し商品と一体となって搬送される容器であって、前記搬送中に商品に関して得られる種々の商品情報が書込みまたは読出される記憶媒体が付設されている。
【0009】
上記記憶媒体付き容器によれば、搬送中に商品に関して得られる情報を記憶している記憶媒体付き容器が商品と一体となって搬送されるので、商品が搬送途中で取り除かれたり、搬送順序が入れ替わっても、確実に商品情報を伝達できる。また、搬送中に発生した商品情報が記憶媒体に書込みまたは記憶媒体から読出されるので、当該記憶媒体だけで商品情報を伝送することができる。
【0010】
本発明の他の構成に係る商品情報伝送装置は、請求項1の記憶媒体付き容器を用いて、この容器に収納された商品に関する情報を伝送する装置であって、商品の識別情報を含む商品情報を、前記記憶媒体に書込む書込手段と、前記記憶媒体から前記商品情報を読出して商品の値付けを行わせる読出手段とを備えている。
【0011】
上記商品情報伝送装置によれば、搬送中に商品に関して得られる情報が書込まれている記憶媒体付き容器が商品と一体となって搬送されるので、商品が搬送途中で取り除かれたり、搬送順序が入れ替わっても、確実にその商品情報を読出して商品の値付けを行うことができる。
【0012】
本発明のさらに他の構成に係る商品情報伝送装置は、請求項1の記憶媒体付き容器を用いて、この容器に収納された商品に関する情報を伝送する装置であって、商品の重量および内容物を含む商品特性を検出し、その検出データを出力する検出機器と、前記検出機器からの検出データを、前記記憶媒体に書込む書込手段と、前記記憶媒体から前記検出データを含む商品情報を読出す読出手段とを備えている。
【0013】
上記商品情報伝送装置によれば、搬送中に検出機器からの検出データを含む商品情報が書込まれている記憶媒体付き容器が商品と一体となって搬送されるので、商品が搬送途中で取り除かれたり、搬送順序が入れ替わっても、確実に商品情報を伝達できる。また、検出機器で得られた検出データを書込手段によって記憶媒体に自動的に書込むことができる。
【0014】
好ましくは、前記検出機器は、搬送される商品を計量する計量機を備えている。従って、商品重量の検出データを得ることができる。
【0015】
好ましくは、前記読出手段で得られた商品情報に基づいて、包装および値付けを行う包装値付け機を備えている。従って、商品とその商品に値付けされる内容とを合致させることができる。
【0016】
好ましくは、前記読出手段で得られた商品情報を、商品またはその包装材に貼付するラベルに印字するラベルプリンタを備えている。従って、商品とその商品に貼付されるラベルの内容とを合致させることができる。
【0017】
好ましくは、前記読出手段で得られた品名,価格を含む商品情報に基づいて、商品の販売を行うPOSシステムにおけるレジスタを備えている。従って、商品情報のうち品名,価格等を読出すことにより、POSシステムによる商品の販売が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の第1実施形態に係る記憶媒体付き容器とこれを用いた商品情報伝送装置の概略平面図を示す。同図のように、スーパー等の生鮮食品のような商品を調理・加工する部門、例えば精肉部などでは、その製造エリアBに、商品を計量して値付けする値付け工程が行われる値付けエリアEbと、この値付け工程前の商品を調理・加工して準備する前工程(調理工程)が行われる調理エリアEaとを有する。
【0019】
図2に示すように、肉の種類分けに精通した調理担当者21によって、上記調理エリアEaの調理台5で調理・加工された商品Mは、車輪14付きのカート15内の、商品Mの種類ごとに複数段積まれたバット(容器)12の中に、それぞれトレーTに収納された状態で収納される。そして、上記カート15が床F上をX方向に移動して、商品Mは、上記調理エリアEaから値付けエリアEbの作業者(未精通者)に搬送される。
【0020】
本装置では、搬送された商品Mを値付けエリアEbで識別するために、品名または商品識別コードなどの識別情報(ID情報)を含む商品情報の書込みおよび読出しが可能な磁気テープのような記憶媒体1を用い、この磁気テープ1付き容器12を、上記調理エリアEaから値付けエリアEbへ、上記商品Mとともに移送させる。磁気テープ1は、例えば、容器12の側面に予め貼付されている。なお、記憶媒体として、上記磁気テープの他に、磁気カード、光カードや無線式のICカード等を用いてもよい。
【0021】
図1において、上記調理エリアEaは、品名,商品の単価および調理年月日時などの商品情報(A情報)を調理エリアEaに送る指示コントローラ2と、LAN(ローカルエリアネットワーク)で接続されている。調理エリアEaにおける書込み場所Ea1には、容器12の磁気テープ1に各種情報を書込む書込手段4aが設置されている。書込手段4aは、磁気テープ1との接触面に対してばね力により押し付けられる入出力ヘッド(R/W)と、例えば「もも肉」,「ロース肉」等と記入された品種キーとを有しており、この入出力ヘッド(R/W)に磁気テープ1を接触させた状態で容器12を移動させて各種情報を書込む。上記情報には、上記ID情報と、このID情報に基づいて上記指示コントローラ2から送られる上記A情報と、同じくID情報に基づいて指示コントローラ2から送られる包装値付け機7(後述)の包装条件,発行するラベルの大きさの切替制御およびラベルの印字制御等に関する生産指示情報(P情報)とが含まれる。
【0022】
上記値付けエリアEbにおける読出し場所Eb1には、前記容器12の磁気テープ1からA情報、ID情報およびP情報を読出す読出手段6が設置されている。読出手段6は、磁気テープ1に上記と同様の入出力ヘッド(R/W)を接触させた状態で容器12を移動させて各種情報を読出す。また、値付けエリアEbには、上記読出手段6で読出されたP情報に基づいて、各トレー上の商品Mを計量するとともに包装し、A情報およびID情報に基づいて、品名や価格等の個別商品情報がプリントされたラベルを発行する包装値付け機7が設置されている。上記書込み場所Ea1,読出し場所Eb1はそれぞれ、調理台5もしくは包装値付け機7と一体、または別体でその近傍に配置された容器受け台18,19上に設けられている。なお、この例では、包装値付け機7は商品Mを計量する計量機およびラベルを発行するラベルプリンタを含んでいるが、包装値付け機7の上流側に計量機を、下流側にラベルプリンタを別々に設けるようにしてもよい。
【0023】
さらに、本装置には、値付け工程を行う値付けエリアEbの所定の書込み場所Eb2に、値付け工程における処理に関する値付け処理データ(R情報)をカード1に書込む書込手段4bが設置されている。このR情報には、販売促進のために販売担当者が商品Mの価格を値引きした場合のデータ、包装値付け機7に含まれるセンサの不具合、モータの過熱などのステータスデータなどが含まれる。上記値引きした場合のデータは、販売担当者が包装値付け機7で値付けの訂正を行った際に書込手段4bに取り込まれる。上記R情報が書込まれた磁気テープ1は、容器12とともに、値付け終了後に回収され、指示コントローラ2でその内容が読出される。なお、図1の破線部に示すように、書込手段4bを設けることなく、調理エリアEaの書込手段4aで手入力で上記R情報を書込むようにしてもよい。
【0024】
つぎに、本装置の動作を説明する。
まず、図2において、商品に精通している調理担当者21は、商品Mを上記調理エリアEaの調理台5で調理・加工し、車輪14付きのカート15内の、商品Mの種類ごとに複数段設けられたバット(容器)12の中に、それぞれトレーT上に載置した状態で収納する。
【0025】
一方、調理担当者21は、肉を調理・加工し、容器12を書込み場所Ea1に置いて、その調理・加工した商品Mの種類に応じて、調理エリアEaに設置された書込手段4a内の「もも肉」,「ロース肉」等と記入された品種キーを操作して品種を入力する。この入力されたID情報に基づいて、図1の指示コントローラ2から商品Mの単価や調理年月日時などのA(商品)情報も自動的に入力される。また、上記品種キーを操作したときに、図1の指示コントローラ2からの信号を受けてP(生産指示)情報も入力される。これらA情報、ID情報およびP情報は、書込手段4aにより磁気テープ1に書込まれる。
【0026】
なお、この実施形態では、調理担当者21が書込み場所Ea1でID情報を磁気テープ1に書込んでいるが、予め、調理担当者自身または別の作業者が、図1の指示コントローラ2で上記情報を書込んだ磁気テープを貼付した容器12を用意しておき、これを調理エリアEaに持ち込んで、調理の際に該当する容器12を選択するようにしてもよい。
【0027】
つぎに、図2のカート15をX方向に移動させて、商品Mは、上記調理エリアEaから値付けエリアEbの商品Mに精通していない作業者22に搬送される。作業者22により、値付けエリアEbの読出し場所Eb1に容器12が置かれ、読出手段6により、容器12に貼付された磁気テープ1から、A情報,ID情報およびP情報が読出される。
【0028】
上記磁気テープ1の情報は、読出手段6から包装値付け機7に入力される。各商品は包装値付け機7で計量されるとともに包装される。この場合、包装値付け機7は、磁気テープ1から読み出されたP情報に基づいて、包装条件、発行するラベルの大きさの切替制御およびラベルの印字制御などが各別に設定される。そして、包装値付け機7から商品名や価格等の個別商品情報がプリントされたラベルが発行され、作業者は、そのラベルを商品Mの包装材に貼付して、店頭に出荷する。
【0029】
一方、値付けエリアEbの所定の書込み場所Eb2で、販売促進のために販売担当者が商品Mの価格を値引きした場合のデータ、包装値付け機7に含まれるセンサの不具合、モータの過熱などのステータスデータなどを含むR情報が、書込手段4bで書込まれて、値付け終了後に回収され、指示コントローラ2でその内容が読出される。従って、磁気テープ1に、値付け工程で処理された値付け処理データ(R情報)の内容を記録として残すことができるので、店側において、当該調理加工部門の管理が正確かつ容易になる。
【0030】
こうして、本発明は、商品情報を記憶した磁気テープ1と容器12が一体になっているので、従来のように、一部の容器12が欠落したり、容器12の移送順序が変わることにより、容器12に収納された商品とラベルの内容が一致しないということがなくなるから、商品情報を確実に伝送できる。従って、商品の欠落や移送順序の変更があっても、製造に支障をきたすことなく、その続行が可能である。
【0031】
また、上記A情報,ID情報,およびP情報が書込まれた磁気テープ1を用いることにより、値付け工程における商品Mの識別が自動的になされるとともに、包装値付け機7にその制御条件が自動的に入力される。すなわち、磁気テープ1だけで値付け工程におけるバッチ処理が可能になるので、調理工程と値付け工程間のLANなどによる接続が不要になるから、設備コストを低下させることができる。また、上記磁気テープ1は、繰り返し書込み可能であるので、使用済のものを再利用でき、コスト低下を図ることができる。
【0032】
なお、この実施形態では、包装値付け機7を用いているが、商品Mの種類によっては、包装機を省略して、値付け機だけを用いてもよい。この場合、値付け機から発行されたラベルは、商品Mに自動または手作業で直接貼付される。
【0033】
なお、この実施形態では、複数のトレーTを収納した容器12に記憶媒体である磁気テープ1を貼っているが、各トレーTに直接貼るようにしてもよい。
【0034】
つぎに、第2実施形態について説明する。
図3に、第2実施形態に係る記憶媒体付き容器とこれを用いた商品情報伝送装置の構成図を示す。本装置は、スーパー等で販売される食肉のような商品を製造する製造エリアと、製造された商品を販売する販売エリアとで用いられ、上記製造エリアでは、商品は記憶媒体1付き容器(トレー)Tに収納した状態で搬送コンベヤCで搬送されつつ製造される。第1実施形態と同様に、予め容器(トレー)Tには磁気テープのような記憶媒体1が貼付されている。なお、記憶媒体として、上記磁気テープの他に、磁気カード、光カードや無線式のICカード等を用いてもよい。
【0035】
本装置は、上記製造エリアにおいて、商品Mの重量および内容物を含む商品特性を検出し、その検出データを出力する複数の検出機器を備えている。この検出機器は、例えば、トレーTの重量(風袋)を計量する第1計量機32と、商品Mを収納したトレーTの重量を計量する第2計量機36と、商品Mの内容物について検査する検査装置40とを備えている。検査装置40には、包装された商品の金属混入の有無を検出する金属検出器、その内容物への異物混入の有無をチェックするX線検査装置等が含まれる。上記第1計量機32と第2計量機36との間には、作業者がトレーTに肉の盛り付けを行う肉の盛付場所34が設けられている。第1計量機32,肉の盛付場所34,第2計量機36および検査装置40には、それぞれ書込手段52a,52b,52cおよび52dが設けられている。各手段は、上記と同様に、磁気テープ1との接触面に対してばね力により押し付けられる入出力ヘッド(R/W)を有している。肉の盛付場所34に設けられた書込手段52bには、入出力ヘッド(R/W)の他に、例えば、「すき焼き用」,「焼肉用」等と記入された品種キーと、商品の単価等を入力するためのテンキーとが設けられている。
【0036】
また、本装置は、製造機器である包装機38およびラベルプリンタ42を備えている。包装機38は、上記と同様な入出力ヘッド(R/W)を有する読出手段54aで得られた包装条件に基づいて、トレーTを包装材で包装する。ラベルプリンタ42は、読出手段54bで得られた商品情報に基づいて、ラベルに、品名,重量、価格、検査済を示す検査ラインマークおよび製造年月日時を含む商品情報を印字するとともに、トレーTにそのラベルを貼付する。上記製造製造年月日時は、時計44からラベルプリンタ42に入力される。
【0037】
さらに、図3の下欄に示すように、販売エリアの所定場所には、POSシステムにおけるレジスタ46が設けられており、読出手段54cにより、購入された商品の品名,価格を含む商品情報がトレーTに貼付された磁気テープ1から読み出されて、購入された商品の価格や数量等が集計され、レシートが発行される。
【0038】
以下、本装置の動作を説明する。
図3において、まず、予め磁気テープ1が貼付されたトレーTは、第1計量機32でトレーTの重量(風袋)が計量される。書込手段52aは、その入出力ヘッド(R/W)を磁気テープ1に接触させた状態でトレーTを移動させて、トレーTの重量値を書込む。
【0039】
つぎに、トレーTは搬送コンベヤCにより肉の盛付場所34に搬送される。この場所で、作業者によりトレーTに肉の盛り付けが行われるとともに、肉の種類に応じた品名,単価および包装条件等が、品種キーおよびテンキーの入力操作に基づいて書込手段52bに入力され、この書込手段52bにより同様に、磁気テープ1に書込まれる。そして、トレーT上に商品Mが盛り付けられた状態で、その重量が第2計量機36で計量される。この重量値は書込手段52cにより同様に、磁気テープ1に書込まれる。この重量値からトレーTの重量値を減算することにより、正確な商品の重量を検出することができる。
【0040】
トレーTが包装機38に搬送されると、磁気テープ1から読出手段54aで得られた包装条件に基づいて、フィルムのような包装材で包装される。その後、包装されたトレーTは検査装置40に搬送され、この検査装置40により検出された金属混入の有無や異物混入の有無等の検査結果は、書込手段52dにより同様に、磁気テープ1に書込まれる。ラベルプリンタ42は、磁気テープ1から読出手段54bで得られた商品情報に基づいて、ラベルに、品名,重量,価格,検査済を示す検査ラインマークおよび製造年月日時を含む商品情報を印字する。このラベルを作業者がトレーTに手作業で貼付する。なお、後述する販売用の品名は、磁気テープ1に書込まれているので、品名を識別するバーコードはラベルに印字されない。
【0041】
こうして、本発明は、品名,商品重量および価格等の商品情報を記憶した磁気テープ1とトレーTが一体になっているので、従来のように、商品が搬送途中で取り除かれたり、搬送順序が入れ替わっても、トレーTに収納された商品とラベルの内容が一致しないということがなくなるから、商品情報を確実に伝送できる。従って、商品の搬送順序が変わっても、製造に支障をきたすことなく、その続行が可能である。
【0042】
また、本発明は、従来のPOSシステムのように、商品に貼付されたラベルに印字されたバーコードをレジスタのバーコーリーダで読み取るものではなく、図3の下欄に示すように、販売エリアの所定場所に設けられたPOSシステムのレジスタ46の読出手段54cにより磁気テープ1のデータを読出す。すなわち、読出手段54cにより、購入された商品の品名,価格を含む商品情報をトレーTに貼付された磁気テープ1から読み出すことにより、商品の価格や数量等の集計が行われ、レジスタ46からレシートが発行される。この場合、商品に貼付されたラベルは単に購入者にその商品の商品情報を表示するにすぎない。
【0043】
ここで、レジスタにメモリを設けて販売データを蓄積し、販売終了後に販売データをフロッピイディスク,メモリカードの形で指示コントローラに渡すようにした場合、レジスタと指示コントローラとの接続がなくても、上記記憶媒体1を用いることによって、POSシステムのレジスタ単独でのバッチ処理によるデータ処理が可能となる。特にレジスタと指示コントローラとの電気配線が煩雑な屋外のような販売エリアで使用する場合に有効である。また、商品に貼付するラベルに品名を識別するバーコードを印字しなくてよいので、その分ラベルを小型化できる効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係る記憶媒体付き商品情報伝送装置を示す平面図である。
【図2】図1の商品情報伝送装置を示す概略側面図である。
【図3】第2実施形態に係る記憶媒体付き商品情報伝送装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0045】
1…記憶媒体、4a,4b,52a〜52d…書込手段、6,54a〜54dc…読出手段、12,T…容器、32,36,40…検出機器、38…包装機、42…ラベルプリンタ、M…商品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収納し商品と一体となって搬送される容器であって、
前記搬送中に商品に関して得られる種々の商品情報が書込みまたは読出される記憶媒体が付設されている記憶媒体付き容器。
【請求項2】
請求項1の記憶媒体付き容器を用いて、この容器に収納された商品に関する情報を伝送する装置であって、
商品の識別情報を含む商品情報を、前記記憶媒体に書込む書込手段と、
前記記憶媒体から前記商品情報を読出して商品の値付けを行わせる読出手段とを備えた商品情報伝送装置。
【請求項3】
請求項1の記憶媒体付き容器を用いて、この容器に収納された商品に関する情報を伝送する装置であって、
商品の重量および内容物を含む商品特性を検出し、その検出データを出力する検出機器と、
前記検出機器からの検出データを、前記記憶媒体に書込む書込手段と、
前記記憶媒体から前記検出データを含む商品情報を読出す読出手段とを備えた商品情報伝送装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記検出機器は、搬送される商品を計量する計量機を備えている商品情報伝送装置。
【請求項5】
請求項3において、さらに、
前記読出手段で得られた商品情報に基づいて、包装および値付けを行う包装値付け機を備えた商品情報伝送装置。
【請求項6】
請求項3において、さらに、
前記読出手段で得られた商品情報を、商品またはその包装材に貼付するラベルに印字するラベルプリンタを備えた商品情報伝送装置。
【請求項7】
請求項3において、さらに、
前記読出手段で得られた品名,価格を含む商品情報に基づいて商品の販売を行うPOSシステムにおけるレジスタを備えた商品情報伝送装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々に重量の異なる商品をそれぞれ個々の容器に収納する商品の収納工程、商品を収納した容器を計量機で計量する計量工程、商品を収納した容器を包装機により包装材で包装する包装工程、およびラベルプリンタにより商品名、重量、価格等の商品情報を印刷したラベルを前記包装材に貼る値付け工程からなる、商品を容器に収納、計量、包装、値付けの順に処理する計量包装値付け方法において、
前記容器には、それぞれ記憶媒体が付設されており、前記収納工程、前記計量工程、前記包装工程および前記値付け工程には、書込および/または読出手段が備えられ、
前記容器が前記それぞれの工程を経ながら、前記容器に付設された記憶媒体に、所定の工程Aにおいて発生した商品情報を書込むとともに、所定の工程Bにおいて、前記所定の工程Aにおいて書込まれた情報を読出しながら、該所定の工程Bにおける処理を行うことからなる、前記記憶媒体への情報の書込みおよび/または読出しを行いながら、前記商品と前記記憶媒体とが一体になって移動することにより、商品移送途中において、商品の順番に変動があっても、後続の工程に商品の順番変動に関する情報修正を行うことなく、計量包装値付けを行う計量包装値付け方法。
【請求項2】
請求項1において、所定の工程Aの最初の工程は、所定の工程Bよりも上流側にある、計量包装値付け方法。
【請求項3】
請求項1において、所定の工程Aが、収納工程および計量工程であり、所定の工程Bが、包装工程および値付け工程である、計量包装値付け方法。
【請求項4】
請求項1に記載の計量包装値付け方法に使用する、記憶媒体が付設された容器。
【請求項5】
個々に重量の異なる商品を収納した容器を計量する計量機、計量した商品を包装する包装機および商品情報を印刷したラベルを包装材に貼るラベルプリンタを備えることにより、商品を収納した容器を計量、包装、ついで、値付けする計量包装値付け装置において、
前記計量機は、記憶媒体が付設された容器に、計量情報を書込む書込手段を備えており、前記包装機およびラベルプリンタは、前記記憶媒体に記憶された情報を読出す読出手段を備えており、
前記商品と前記商品に関する情報を記憶することのできる前記記憶媒体とが一体になって移動して、前記記憶媒体に商品に関する情報の書込みおよび/または読出しが行われることにより、
商品移送途中において、商品の順番に変動があっても、後続の機械に商品の順番変動に関する情報修正を行うことなく、計量包装値付けを行う計量包装値付け装置。
【請求項6】
請求項6に記載の計量包装値付け機で使用する、記憶媒体が付設された容器。
【請求項7】
記憶媒体が付設された容器を用いて、この容器に収納された個々に重量の異なる商品に関する情報を伝送する装置であって、
商品が収納された容器を計量する計量機に備えられた、前記記憶媒体に個々に重量の異なる計量情報を書込む書込手段、計量された商品収納容器を包装する包装機に備えられた、前記記憶媒体から情報を読出す第一読出手段、包装材にラベルを貼り付けるラベルプリンタに備えられた、当該情報に応じて前記記憶媒体から情報を読出す第二読出手段とを備え、
前記書込手段および前記第一、第二読出手段による情報伝送により、商品移送途中において、商品の順番に変動があっても、後続の機械に商品の順番変動に関する情報修正を行うことなく、計量包装値付けを行う商品情報伝送装置。
【請求項8】
さらに、前記記憶媒体に記憶された商品情報を読出す読出手段を備えたレジスターを有する、商品情報伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−213408(P2006−213408A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42265(P2006−42265)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【分割の表示】特願平9−198468の分割
【原出願日】平成9年7月24日(1997.7.24)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】