説明

記録再生装置

【課題】不特定多数の人々が記録した種々のコメント情報を用いて、人気の高いコンテンツを自動的に録画し、あるいは、その番組の視聴を推奨する選局案内を提示する。
【解決手段】外部から取得したコンテンツを出力する映像音声出力部27と、放送されるコンテンツを受信して出力するチューナ21と、コンテンツを記録する記憶媒体と、ネットワークを介してコンテンツを取得するネットワーク接続部23と、チューナ21またはネットワーク接続部23を介して取得したコンテンツを記憶媒体に記録する録画再生制御部25と、放送されるコンテンツ毎に投稿されたコメントを蓄積したコメント蓄積サーバから、投稿されたコメント情報を取得するコメント管理部28と、コメント管理部が取得したコメント情報を解析し、解析結果に基づいて注目度の高いコンテンツを特定する自動録画処理部29と、自動録画機能の有効、無効を設定する操作手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、iVDR(information Versatile Disk for Removable usage)と称する国際規格に準拠して規格化されたカートリッジタイプのハードディスなどを記録媒体とする記録再生装置に関するするものであり、特に、ソーシャルネットワーク上から取得した不特定多数の人々が記録した種々のコメント情報を用いて、人気の高いコンテンツを自動的に録画し、あるいは、その番組の視聴を推奨する選局案内を提示できるようにした記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像や音声からなるコンテンツを記録し再生させる装置としては、従来から広く普及しているVTRに加えて近年ではDVD(Digital Versatile Disk)やハードディスク(Hard Disk Drive)を記録媒体とするものも普及し始めている。現在、DVDは数ギガバイト、ハードディスクは数100ギガバイトといった大記憶容量を有したものが普及しており、MPEG2方式等による高能率符号化技術を用いることによって、数時間から数10時間に渡りコンテンツの記録を容易に可能としている。
【0003】
これらハードディスクやDVDの記録媒体を用いた記録再生装置においては、従来のVTRと同様に予約録画機能を備えることにより所望の多数の番組を連続して同一媒体に記録させることが可能である。このような場合、多数のコンテンツが連続して記録されることになるため、利用者の利便性を高めるため、番組(コンテンツ)毎又は番組中(コンテンツ中)の所望の箇所に区切りを付けさせるため、チャプター情報を作成して対応付けることが通常行われている。
【0004】
また、近年ではテレビ放送のデジタル化に対応するため、DVDレコーダまたはHDDレコーダ等のデジタル方式による記録再生装置が広く普及してきている。これらのデジタル方式の記録再生装置の機能の一つとして、タイムシフト機能がある。タイムシフト機能とは、コンテンツ(映像情報)の録画を行いながら並行して現在録画中のコンテンツの再生を行うことを可能とした機能である。タイムシフト機能を用いれば、ユーザは録画中のコンテンツの録画済みのシーン(例えばサッカーであれば、試合開始のシーン等)から再生を開始するとともに、録画処理も継続して行うことが可能である。これにより例えばサッカーの試合を録画している場合などにおいて、録画の完了(例えば試合終了)を待つことなく、好きな時に試合開始のシーンから鑑賞を行うことが可能となる。
【0005】
タイムシフト機能を有するデジタル方式の記録再生装置は、例えば、下記の特許文献1(特開2007−310955号公報)に開示されている。この記録再生装置は、タイムシフト再生中に、録画中データに対する編集指示を受け付ける。入力された編集指示は一時的にハードディスク等の記憶装置に記憶され、録画処理およびタイムシフト再生処理が完了した段階で、記憶装置に記憶されている編集指示が自動的に録画データに対して反映されるように構成されたものである。編集指示としては、例えばチャプター設定指示、或いは手動による映像情報の一部削除指示が受け付けられる。受け付けられた指示は、反映前であれば何度でも変更可能にされている。
【0006】
また、ユーザが所望する番組を自動的に録画する機能も提供されている。通常このような自動録画機能は録画予約機能と称されている。録画予約機能を有する録画再生装置は、例えば、下記の特許文献2(特開2006−319955号公報)や特許文献3(特開2005−130235号公報)に開示されている。
【0007】
特許文献2に開示された自動録画再生装置は、録画予約を設定する番組予約情報登録部と、前記番組予約情報登録部により前記設定された録画予約対象となる番組を記録媒体に記録する記録制御部とを含み、所定の操作に応じて、再生制御部が前記録画予約により、最後に前記記録媒体に記録した番組を再生するように構成されたものである。また、特許文献3に開示された番組記録装置は、録画再生装置によって録画された放送番組に関する情報であって番組放送時間を特定することができる情報を含んでいる情報を外部データベースから取得し、録画再生装置によって録画された放送番組の録画時間を求め、外部データベースから取得した情報と録画時間に基づいて番組放送時間に対する録画時間の割合である録画率を算出するように構成されたものである。
【0008】
一般的に映像、音楽、プログラム等のコンテンツは、近年ではデータの高品質・高画質化が進みデータ量が格段に大きくなってきている。これを記録するためには大容量の記憶媒体を必要とする。また、一般に提供される優良なコンテンツを拡大するためには、コンテンツの違法な複製を制限するなど、著作権を有効に保護する技術が併せて提供されなければならない。さらには、ユーザにとっては、持ち運びが自由にできる記憶媒体にコンテンツを保存し、任意の電子機器にその記憶媒体を接続(装着)して利用したいという要求もある。
【0009】
このような要求をも満たすため、iVDR(information Versatile Disk for Removable usage)と称する国際規格に準拠して規格化されたカートリッジタイプのハードディスクを記録媒体とする記録再生装置も提供されている。この規格によれば、コンテンツの著作権保護が図られたコンテンツを取得してその著作権保護の状態を変更することなくiVDRに記録することができるようされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−310955号公報
【特許文献2】特開2006−319955号公報
【特許文献3】特開2005−130235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
記録再生装置のユーザの中には、世間で流行の(注目度が高い)番組は視聴してみたいという要求を持つユーザも存在する。しかしながら、ユーザ自身、注目度が高い番組が何であるか、具体的に把握していない場合も多々ある。その場合には、新聞、雑誌、あるいは放送局の番組宣伝などから、取り敢えず情報を集め、人気番組を把握した上で視聴したり、録画したりすることが必要になる。
【0012】
上記特許文献2や特許文献3に開示された記録再生装置のように、各放送局が放送する番組のタイトルや放送開始時刻、放送終了時刻などの番組情報を取得して表示し、表示された番組情報からユーザが選択して録画予約しておき、録画予約に基づいて記録再生装置が自動的に予約された番組を録画する装置であれば、ユーザは録画したい番組の放送時刻に録画操作をする必要がなく便利であるものの、録画予約の操作は必要であり、利便性に欠け、上記のようなユーザの要求に応えることはできないという問題点があった。
【0013】
ところで、最近ではインターネットを用いた通信技術の発展により誰もが、携帯電話などの携帯端末を用いて所望のサーバとの間で気軽に通信が行えるようになり、不特定多数のユーザが特定の興味対象について自由にサーバに自分の感想などを書き込み、これを誰もが参照できる、いわゆるソーシャルネットワークシステムが種々提供されている。例えば、興味対象が特定の映画である場合、不特定多数のユーザが、それぞれその映画を見た感想や、印象深いシーンの紹介などを書き込みすることができ、また、当該映画に興味を持つ不特定多数のユーザがそれらの書き込みを参照(読む)ことができ、また参照した書き込みに対して更に自身の感想を書き込むこともできる。このようなサーバは当該興味対象に関連する事業体等が運営するのが一般的であり、例えば、興味対象が映画である場合は、映画の配給会社あるいはテレビジョン放送を提供する放送会社などにより運営されるサーバである。
【0014】
録画再生装置がネットワーク接続機能を備えていれば、上記のようなサーバから不特定多数のユーザがある種々の興味対象である放送番組に対して書き込んだコメントの情報を取得することができる。そこで本願発明はこれに着目し、上記の問題点を解消せんとするものであり、ソーシャルネットワーク上から取得した不特定多数の人々が記録した種々のコメント情報を用いて、人気の高いコンテンツを自動的に録画し、あるいは、その番組の視聴を推奨する選局案内を提示できるようにした記録再生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、外部から取得したコンテンツを出力する映像音声出力部と、放送されるコンテンツを受信して出力するチューナと、コンテンツを記録する記憶媒体と、ネットワークを介してコンテンツを取得するネットワーク接続部と、前記チューナまたはネットワーク接続部を介して取得したコンテンツを前記記憶媒体に記録し、又は前記記憶媒体から読み出す録画再生制御部と、放送されるコンテンツ毎に投稿されたコメントを蓄積したコメント蓄積サーバから、前記投稿されたコメント情報を取得するコメント管理部と、前記コメント管理部が取得したコメント情報を解析し、前記解析結果に基づいて注目度の高いコンテンツを特定する自動録画処理部と、自動録画機能の有効、無効を設定する操作手段と、を備え、前記操作手段により自動録画機能が有効にされた場合、前記コメント管理部は前記コメント蓄積サーバから各コンテンツに関して投稿されたコメント情報を取得し、前記自動録画処理部は、前記コメント管理部が取得したコメント情報を解析し、前記解析結果に基づいて注目度の高いコンテンツを特定することを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる記録再生装置において、前記自動録画処理部は、放送されたコンテンツ毎に、投稿されたコメントの数、投稿者数、投稿コメントに記述された同一テキストの記述回数、特定のコメントが他の投稿コメントで引用された回数の何れか1つまたは複数を予め定めた閾値と比較し、該閾値を超えたコンテンツを注目度が高いと判別することを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる発明において、前記自動録画処理部は、前記録画再生制御部に対して前記注目度が高いと判別したコンテンツの録画を指示することを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる発明において、前記自動録画処理部は、前記注目度が高いと判別したコンテンツについての選局案内を表示し、表示された選局案内に基づいて選択されたコンテンツの録画を、前記録画再生制御部に指示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1にかかる発明においては、外部から取得したコンテンツを出力する映像音声出力部と、放送されるコンテンツを受信して出力するチューナと、コンテンツを記録する記憶媒体と、ネットワークを介してコンテンツを取得するネットワーク接続部と、前記チューナまたはネットワーク接続部を介して取得したコンテンツを前記記憶媒体に記録し、又は前記記憶媒体から読み出す録画再生制御部と、放送されるコンテンツ毎に投稿されたコメントを蓄積したコメント蓄積サーバから、前記投稿されたコメント情報を取得するコメント管理部と、前記コメント管理部が取得したコメント情報を解析し、前記解析結果に基づいて注目度の高いコンテンツを特定する自動録画処理部と、自動録画機能の有効、無効を設定する操作手段と、を備え、前記操作手段により自動録画機能が有効にされた場合、前記コメント管理部は前記コメント蓄積サーバから各コンテンツに関して投稿されたコメント情報を取得し、前記自動録画処理部は、前記コメント管理部が取得したコメント情報を解析し、前記解析結果に基づいて注目度の高いコンテンツを特定する。
【0020】
かかる構成によれば、放送されるコンテンツ毎に不特定多数の人々が投稿した種々のコメント情報を取得して解析することにより、人気の高いコンテンツを判別し、そのコンテンツを自動的に録画し、あるいは、その番組の視聴を推奨する選局案内を提示できるようになる。
【0021】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる記録再生装置において、前記自動録画処理部は、放送されたコンテンツ毎に、投稿されたコメントの数、投稿者数、投稿コメントに記述された同一テキストの記述回数、特定のコメントが他の投稿コメントで引用された回数の何れか1つまたは複数を予め定めた閾値と比較し、該閾値を超えたコンテンツを注目度が高いと判別する。
【0022】
かかる構成によれば、不特定多数の人々が投稿した種々のコメント情報を取得して解析することにより、人気の高いコンテンツを判別することができるようになり、そのコンテンツを自動的に録画し、あるいは、その番組の視聴を推奨する選局案内を提示できるようになる。
【0023】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる記録再生装置において、前記自動録画処理部は、前記録画再生制御部に対して前記注目度が高いと判別したコンテンツの録画を指示する。従って、人気の高いコンテンツを判別して、そのコンテンツを自動的に録画することができる。
【0024】
請求項4にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる記録再生装置において、前記自動録画処理部は、前記注目度が高いと判別したコンテンツについての選局案内を表示し、表示された選局案内に基づいて選択されたコンテンツの録画を、前記録画再生制御部に指示する。従って、人気の高いコンテンツを判別して、そのコンテンツの選局案内をするから、ユーザが選局案内に基づいて選択したコンテンツを自動録画することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例に係るカートリッジ装着装置を備えた記録再生装置であって、カートリッジの装着前の状態を示す斜視図である。
【図2】図1における記録再生装置の背面図である。
【図3】図1における記録再生装置であって、カートリッジの装着状態を示す斜視図である。
【図4】iVDR規格に準拠して規格化されたカートリッジタイプのハードディスクの外観を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例に係る記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図6】放送される番組とコメント蓄積サーバに投稿されるコメントとの関係を説明するための模式図である。
【図7】本発明の実施例にかかる自動録画処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例にかかる自動録画処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための記録再生装置を例示するものであって、本発明をこの記録再生装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の記録再生装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0027】
図1は本発明の実施例に係るカートリッジ装着装置を備えた記録再生装置であって、カートリッジの装着前の状態を示す斜視図、図2は図1における記録再生装置の背面図、図3は図1における記録再生装置であって、カートリッジの装着状態を示す斜視図である。図4はiVDR規格に準拠した、ハードディスクを記録媒体とするカートリッジの概観を示す図である。なお、以下に説明する実施例における記録再生装置はiVDR規格に準拠したカートリッジ装着装置を備えたものを例に説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、DVDレコーダまたはHDDレコーダ等のアナログあるいはデジタル方式による記録再生装置であってもよい。
【0028】
本発明の実施例に係る記録再生装置20は、図1で示すように、カートリッジ100を記録再生装置20に内蔵されたカートリッジ装着部に挿入するためのスロット201が前面に設けられている。カートリッジ100は、図4に示すものであり、図4に示すカートリッジと同一部分には同一の参照符号を付してある。図4はiVDR規格に基づいたカートリッジの外観を示す斜視図である。このカートリッジ100は、例えば、図4に示すように、幅Wが80mm、長さLが110mm、厚みSが12,7mmの矩形で単純な形状のハウジング101からなり、ハードディスクドライブを内蔵したものである。
【0029】
記録再生装置20には、スロット201に隣接して電源ボタン202、リモートコントロール用の赤外線センサー203、iVDR動作表示ランプ204、録画予約表示ランプ205、通電表示ランプ206が設けられている。スロット201は、図3で示すように、装着状態のカートリッジ100を取出す際につまむことができるように切り欠かれており、カートリッジ100部分が露出している。
【0030】
本発明に適用されるiVDR規格に基づいたカートリッジ100は、図4に示すように、所定規格のハウジング101からなり、ハウジング101の両側面にはガイドレール103が形成され、図1で示すようにカートリッジ100がカートリッジ装着装置の挿入口201に挿入するようになっている。ガイドレール103にはロック用の凹部104が形成され、図3で示すカートリッジ100の装着状態でカートリッジ装着部(図示せず)のロック機構の突起(図示せず)が係合するようになっている。
【0031】
記録再生装置20の側面にはB−CAS(登録商標)カードを挿入するためのスロットを覆うスロットカバー207が設けられている。また、図2で示すように、記録再生装置20の背面には、AC電源入力端子208、アンテナ入力端子209、アンテナ出力端子210、映像出力端子211、音声出力端子212、デジタル映像・音声を入出力するためのHDMI(High−Definition Multimedia Interface)端子213、排熱口214等が設けられている。
【0032】
記録再生装置20は、受信された映像信号等をカートリッジ100内のハードディスクに記録し、またハードディスクに記録した記録情報を再生するレコーダである。このため、記録再生装置20は、アンテナ入力端子209やHDMI端子213等から入力された映像信号、音声信号を受信するための信号受信回路、カートリッジ100が電子機器20に装着されると受信された映像信号等をハードディスクに記録したり、ハードディスクに記録された映像信号を再生したりするための信号処理回路等を備えている。
【0033】
図5は、カートリッジ100を装着可能とした本発明の実施例にかかる記録再生装置20の構成を示すブロック図である。記録再生装置20は、チューナ21、iVDR規格に基づくカートリッジ100(以下、ハードディスクともいう)が装着されるiVDR装着部22、ネットワーク接続部23、視聴制御部24、録画再生制御部25、WEBブラウザ26、映像音声出力部27を備えて構成されている。これらの構成要素は一般的なiVDR規格に対応した記録再生装置が備えているものである。本発明にかかる記録再生装置は、上記の構成要素に加え、更にコメント管理部28、自動録画処理部29を備えている。
【0034】
チューナ21は、ユーザによって選択されたチャンネルの放送波を受信し、視聴制御部24を介して映像音声出力部27に送り、映像音声出力部27から出力された出力信号はテレビジョン受像機(TV)等の機器に送信される。また、記録再生装置20は、ネットワーク接続機能を有しており、ネットワーク接続部23を介してインターネットや家庭内ネットワークに接続し、WEBブラウザ26を用いてネットワーク上の所望のコンテンツを特定し、映像音声出力部27を用いて出力することができる。これらの各部の機能は、ネットワーク接続機能を備えた一般的な録画装置の機能と同様である。
【0035】
チューナ21を介して受信された放送波は録画再生制御部25を介してiVDR装着部22に装着されたカートリッジ100に記録(録画保存)される。従って、録画再生部25の機能、作用は、通常の放送受信装置と異なり、iVDR規格に準拠した録画生成処理の制御を行う。すなわち、録画再生制御部25はiVDR規格によって定められた暗号方式に基づいてコンテンツを暗号化してカートリッジ100に記録する。また、カートリッジ100に記録されたコンテンツを読み出して再生処理する際には、該暗号化方式に基づいてコンテンツを復号化し、映像音声出力部27から出力する。また、録画再生制御部25は、コンテンツにiVDR規格に基づく著作権保護のためアクセス制限情報が付与されている場合には、当該アクセス制限情報に基づいた録画再生処理を行う。
【0036】
コメント管理部28は、ネットワーク接続部を介してコメント蓄積サーバ(図示せず)に蓄積されているコメント情報を取得することができる。コメント蓄積サーバは、先に説明したように、ソーシャルネットワークシステムにより提供されるサーバである。例えば、興味対象が特定の映画である場合、映画の配給会社あるいはテレビジョン放送を提供する放送会社などにより運営されるサーバが想定されるが、不特定多数のユーザが、それぞれ映画を見た感想や、印象深いシーンの紹介などを書き込みすることができるサーバであればインターネットに接続された一般的なサーバ、WEBサイトでもよく、これらのサーバやWEBサイトに書き込まれた放送番組に関するコメントを取得するように構成することもできる。
【0037】
不特定多数のユーザによって書き込まれたコメントは時系列的にコメント蓄積サーバに蓄積される。また、例えば、コンテンツがテレビ放送により提供された場合は、放送チャンネルごとに、コンテンツのタイトル別にコメント蓄積サーバに蓄積されることも可能である。当該映画に興味を持つ不特定多数のユーザはコメント蓄積サーバにアクセスしてそれらの書き込みを参照(読む)することができる。また参照した書き込みに対して更に自身の感想を書き込むこともできる。コメント管理部28はこのようなコメント蓄積サーバからコメントを取得する。
【0038】
本発明の自動録画処理の詳細を説明するにあたり、放送される番組(コンテンツ)とコメント蓄積サーバに蓄積される不特定多数のユーザのコメント(投稿)との関係を、図6の模式図を用いて説明する。
【0039】
図6は、時間軸tを中心に、録画コンテンツmと、縦軸にコメント数をとり、設定した所定の閾値nとして時刻毎のコメント数を棒グラフとして示した図である。ある放送番組の放送開始時刻がTs、放送終了時刻がTeであったとする。放送をリアルタイムで視聴する場合は、コンテンツの各画像は当該画像が放送された現実の時間である。この放送番組をカードリッジ100に記録(録画)する場合、録画コンテンツは、図6のmのように放送開始から放送終了まで記録される。録画コンテンツには、開始から終了までの時刻情報(各画像の放送時刻)が対応付けられて記録される。
【0040】
一方、コメント蓄積サーバには、その放送を視聴している不特定多数の視聴者からリアルタイムにコメントが書き込まれる。コメントには、書込み対象の放送局のチャンネル(あるいは放送局名)が記載され、投稿時刻がサーバによって付与される。図6は、ある放送番組に対する時刻毎のコメント数を棒グラフ化して示したものであり、時刻ta、tb、tc、tdにおいて、閾値nを超えるコメントの書込みがあったことがわかる。
【0041】
ユーザが放送所望の番組を視聴しながら、その時点で人気の高い番組を自動録画する場合には、自動録画機能を有効にする機能ボタンを操作する。勿論、機能ボタン操作に代えてメニュー画面を表示して自動録画機能を選択する操作とすることもできる。
【0042】
自動録画機能が有効にされると、コメント管理部28は、コメント蓄積サーバから、各放送局から放送されている番組毎にそれらの番組に対して投稿されているコメント情報を取得し、自動録画処理部29に送る。自動録画処理部29はコメント管理部28がコメント蓄積サーバから取得したコメントについて、例えば、放送局あるいは番組毎に、それぞれ1分間毎の書込みコメント数を算出し、コメント数の多さに基づいて注目度の高い(人気のある)番組を判別する。例えば、予めコメント数の閾値を設定しておき、算出したコメント数が所定の閾値を超えた番組を注目度が高い番組と判断することができる。
【0043】
図6は、ある番組についての時刻毎のコメント数(投稿数)を示しているが、同時に放送されている他の番組についても同様にコメント投稿が行われており、コメント管理部28はこれら他の番組に対するコメント情報も取得し、自動録画処理部29は番組毎にコメント数を集計する。従って、所定の閾値数を超えるコメントが投稿された番組が複数判別されることもあり、異なる時刻に所定の閾値数を超えるコメントが投稿された番組があると判別されることもある。この場合、自動録画処理部29は、自動録画機能が有効にされてから、最も早く注目度が高いと判別された番組を自動録画するように構成する。自動録画された番組がユーザにとって不用であったら削除すればよい。このような構成によれば、ユーザはある番組を視聴中に、注目度の高い人気番組(裏番組)を自動的に録画することができるようになる。
【0044】
あるいは、自動録画する前に、自動録画処理部29は、注目度が高いと判別された番組をリスト表示し、ユーザに録画する番組を選択させるように構成してもよい。リスト表示を行う場合には、ユーザにリアルタイムな人気番組の情報を提供することができる。ユーザは、時々刻々、集計されるコメント数によって変化する人気番組を知ることができるから、表示される番組リストを参照し録画したい番組があった場合に、当該番組を選択して録画させることができるようになる。最近のデジタル放送対応の記録再生装置では受信した放送番組を所定の時間保存しておく機能もあるから、放送の途中で、ある番組の録画開始を指示しても、番組の開始時点からのコンテンツを録画するように処理することも可能である。
【0045】
ここで、注目度の高さを単に投稿コメントの数の多さだけで判断するだけでは、必ずしも、注目度の高い人気番組を示していることにならない場合もある。そこで、本実施例においては、前述のコメント数を用いる以外に、投稿者数の多さ、投稿されたコメント全ての中で、同じ言葉(テキスト)が記述された回数、あるいは、投稿されたコメント全ての中での特定コメントの引用回数(ある特定のコメントが何回引用されたか)等を基準とすることができる。いずれを判定基準として用いるかは、ユーザが選択できるようにしておけばよい。
【0046】
次に、以上説明した自動録画処理の手順についてフローチャートを参照して説明する。なお、以下の手順の説明は、ユーザがある番組を視聴中に自動録画機能を有効にする操作を行った場合の処理である。図7は、本発明の実施例にかかる自動録画処理の手順の一例を示すフローチャートである。自動録画処理部29は、自動録画処理を開始すると、コメント管理部28を介して、コメント蓄積サーバから、各放送局から放送されている番組毎にそれらの番組に対して投稿されているコメント情報を取得する(ステップS101)。
【0047】
次いで自動録画処理部29は、取得したコメント情報の解析処理を開始し(ステップS102)、放送局あるいは番組毎に、それぞれ1分間毎の書込みコメント数を算出する。算出する時間は1分間に限られるものではなく、予め適当な算出時間を設定しておくことができる。そして算出したコメント数が予め設定された所定の閾値を超えているか否かを判別し、閾値を超えたコメント数が投稿された番組を注目度が高い番組と判断する(ステップS103)。ステップS104処理で注目度が高いと判別された番組があるか判定し、注目度が高いと判別された番組があれば(ステップS104のYES)、自動録画処理部29は、録画再生制御部25に当該番組の録画を指示する。注目度が高いと判別された番組が複数ある場合には、最も早い時刻に注目度が高いと判別された番組を録画する。
【0048】
注目度が高いと判別された番組がない場合(ステップS104のNO)は、自動録画処理部29は、自動録画処理を終了する。なお、この場合、自動録画処理部29はステップS102の処理に戻り、上記ステップS102からステップS105の処理を一定の時間、あるいは、自動録画機能が無効にされるまで、繰返し実行するようにしてもよい。また、ステップS103における判別の基準は、コメント数によらず、投稿者数の多さ、投稿されたコメント全ての中で、同じ言葉(テキスト)が記述された回数、あるいは、投稿されたコメント全ての中での特定コメントの引用回数(ある特定のコメントが何回引用されたか)等の何れか1つまたは複数を用いることもできる。
【0049】
図8は、自動録画処理の手順の他の例を示すフローチャートである。この処理手順は図7の処理手順と異なり、自動録画処理部29が注目度の高い番組を判別すると、ユーザにその番組のリストを選局案内として表示し、ユーザが選択した番組を自動録画する点で相違する。従って、図8のステップS201〜ステップS204の処理は、図7のステップS101〜ステップS104の処理と同様であり、その説明は省略する。
【0050】
自動録画処理部29は、ステップS204処理で注目度が高いと判別された番組があるか判定し、注目度が高いと判別された番組があれば(ステップS204のYES)、当該番組の放送局(チャンネル)名や番組名を選局案内として表示部に表示する(ステップS205)。ユーザの選局操作(チャンネルや番組の選択)があると、自動録画処理部29は、録画再生制御部25に当該番組の録画を指示する。
【0051】
注目度が高いと判別された番組がない場合(ステップS204のNO)、あるいは、選局操作がない場合(ステップS206のNO)、自動録画処理部29は、自動録画処理を終了する。なお、この場合、自動録画処理部29はステップS202の処理に戻り、上記ステップS202からステップS207の処理を一定の時間、あるいは、自動録画機能が無効にされるまで、繰返し実行するようにしてもよい。
【0052】
以上説明したように、本発明にかかる記録再生装置においては、iVDR規格に準拠して規格化されたカートリッジタイプのハードディスクを記録媒体とする記録再生装置において、ソーシャルネットワーク上から取得した不特定多数の人々が記録した種々のコメント情報を用いて、ソーシャルネットワーク上から取得した不特定多数の人々が記録した種々のコメント情報を用いて、人気の高いコンテンツを自動的に録画し、あるいは、その番組の視聴を推奨する選局案内を提示できるようになる。
【0053】
また、iVDR規格に準拠したカートリッジおよび当該カートリッジを採用した記録再生装置などの機器には高い互換性がある。特に、デジタル放送の録画、再生においては、機器互換を特長とするコンテンツ保護技術(SAFIA:Security Architecture For Intelligent Attachment device)に対応しており、デジタルTV機器の互換性に関して利便性が高いものになっている。
【0054】
この機器によれば、カートリッジに記録したコンテンツは、iVDRに準拠した放送受信装置であれば、例え、他のメーカーの放送受信装置に買い換えた場合でもカートリッジに記録したコンテンツを再生することができる。
【0055】
なお、以上説明した実施例は、iVDR規格に準拠したカートリッジを装着する記録再生装置を例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、一般的な記録再生装置であっても、ネットワーク接続機能を有する機器であれば適用することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
100 カートリッジ
101 ハウジング
102 カートリッジ側コネクタ
103 ガイドレール
104 凹部
20 電子機器
21 チューナ
22 iVDR装着部
23 ネットワーク接続部
24 視聴制御部
25 録画再生制御部
26 WEBブラウザ
27 映像音声出力部
28 コメント管理部
29 自動録画処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から取得したコンテンツを出力する映像音声出力部と、
放送されるコンテンツを受信して出力するチューナと、
コンテンツを記録する記憶媒体と、
ネットワークを介してコンテンツを取得するネットワーク接続部と、
前記チューナまたはネットワーク接続部を介して取得したコンテンツを前記記憶媒体に記録し、又は前記記憶媒体から読み出す録画再生制御部と、
放送されるコンテンツ毎に投稿されたコメントを蓄積したコメント蓄積サーバから、前記投稿されたコメント情報を取得するコメント管理部と、
前記コメント管理部が取得したコメント情報を解析し、前記解析結果に基づいて注目度の高いコンテンツを特定する自動録画処理部と、
自動録画機能の有効、無効を設定する操作手段と、
を備え、
前記操作手段により自動録画機能が有効にされた場合、前記コメント管理部は前記コメント蓄積サーバから各コンテンツに関して投稿されたコメント情報を取得し、前記自動録画処理部は、前記コメント管理部が取得したコメント情報を解析し、前記解析結果に基づいて注目度の高いコンテンツを特定することを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記自動録画処理部は、放送されたコンテンツ毎に、投稿されたコメントの数、投稿者数、投稿コメントに記述された同一テキストの記述回数、特定のコメントが他の投稿コメントで引用された回数の何れか1つまたは複数を予め定めた閾値と比較し、該閾値を超えたコンテンツを注目度が高いと判別することを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記自動録画処理部は、前記録画再生制御部に対して前記注目度が高いと判別したコンテンツの録画を指示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記自動録画処理部は、前記注目度が高いと判別したコンテンツについての選局案内を表示し、表示された選局案内に基づいて選択されたコンテンツの録画を、前記録画再生制御部に指示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−49995(P2012−49995A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192534(P2010−192534)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】