説明

記録装置

【課題】一のローラーから他のローラーへ動力を伝達する動力伝達機構におけるギアの軸方向におけるレイアウトを考慮した記録装置を提供する。
【解決手段】ローラー対15から送りローラー14aへ動力を伝達する動力伝達機構11は、第1スプリングクラッチ機構29を有しており、前記ローラー対が第1の方向へ回転するとき、前記ローラー対の駆動力を前記送りローラーへ伝達する第1動力伝達経路12と、第2スプリングクラッチ機構31を有しており、前記ローラー対が前記第1の方向と逆方向である第2の方向へ回転するとき、前記ローラー対の駆動力を前記送りローラーへ伝達する第2動力伝達経路30と、を有しており、前記第1動力伝達経路と、前記第2動力伝達経路とにおける前記スプリングクラッチ機構29、31より動力伝達の上流側におけるギアの数の関係は、一方が奇数で、他方がゼロまたは偶数である関係である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体を送り方向下流側へ送る送りローラーと、該送りローラーより送り方向下流側に設けられたローラー対と、該ローラー対の動力を前記送りローラーへ伝達する動力伝達機構とを備えた記録装置に関する。
本願において、記録装置には、インクジェットプリンター、ワイヤドットプリンター、レーザープリンター、ラインプリンター、複写機、ファクシミリ等の種類が含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
従来では、特許文献1に示す如く、ファクシミリ装置は、給紙ローラーと、レジストローラーと、歯車式動力伝達機構とを備えていた。このうち、前記給紙ローラーは、セットされた用紙を送り方向下流側へ送ることができるように設けられていた。また、前記レジストローラーは、前記給紙ローラーによって送られた用紙をさらに送り方向下流側へ送ることができるように設けられていた。またさらに、前記歯車式動力伝達機構は、駆動モーターの動力を前記給紙ローラーおよび前記レジストローラーへ伝達することができるように構成されていた。
【0003】
具体的には、第1ギア群によって前記駆動モーターの動力を前記給紙ローラーへ伝達し、第2ギア群によって前記駆動モーターの動力を前記レジストローラーへ伝達する構成であった。そして、一方の前記第1ギア群には、第1組クラッチ歯車対および第2組クラッチ歯車対が設けられていた。前記第1組クラッチ歯車対および前記第2組クラッチ歯車対は、一のギアと噛み合うと共に、回転軸の方向において互いに逆向きとなるように配設されていた。これにより、前記駆動モーターの正転・逆転の回転方向に拘わらず、一の方向へ前記給紙ローラーを回転させることができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4110334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記第1組クラッチ歯車対および前記第2組クラッチ歯車対は互いに逆向きとなるように配設されていたので、回転軸の軸方向においてコンパクトにならない虞がある。つまり、レイアウト上必ずしも最適ではなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、一のローラーから他のローラーへ動力を伝達する動力伝達機構におけるギアの軸方向におけるレイアウトを考慮した記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様の記録装置は、被記録媒体を送り方向下流側へ送る送りローラーと、該送りローラーより送り方向下流側に設けられ、第1の方向へ回転することにより被記録媒体を送り方向下流側へ送り、前記第1の方向と逆方向である第2の方向へ回転することにより送り方向上流側へ送ることが可能なローラー対と、該ローラー対を駆動させるモーターと、前記ローラー対から前記送りローラーへ動力を伝達する動力伝達機構と、を備え、該動力伝達機構は、第1スプリングクラッチ機構を有しており、前記ローラー対が前記第1の方向へ回転するとき、前記ローラー対の駆動力を前記送りローラーへ伝達する第1動力伝達経路と、動力を伝達するときおよび伝達しないときの回転方向の関係が前記第1スプリングクラッチ機構と同じである第2スプリングクラッチ機構を有しており、前記ローラー対が前記第2の方向へ回転するとき、前記ローラー対の駆動力を前記送りローラーへ伝達する第2動力伝達経路と、を有しており、前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路との関係は、少なくとも一部が並列に設けられている関係であり、該並列箇所における前記第1動力伝達経路の前記第1スプリングクラッチ機構より動力伝達の上流側のギアの数と、前記並列箇所における前記第2動力伝達経路の前記第2スプリングクラッチ機構より動力伝達の上流側のギアの数との関係は、一方が奇数で、他方がゼロまたは偶数である関係であることを特徴とする。
【0008】
ここで、「スプリングクラッチ機構」とは、一の部材が一の方向へ回転する際、他の部材へ動力が伝達され、前記一の部材および前記他の部材が一体に回転し、前記一の部材が前記一の方向と逆方向へ回転する際、他の部材へ動力が伝達されず、前記一の部材のみが回転し、前記他の部材は回転しない構成をいう。
具体的な例として、一の部材が一の方向へ回転する際、例えば軸の周囲に巻かれたコイルばねのコイル部分が前記軸を締め付けるように作用することにより、前記軸を含む他の部材へ動力が伝達される。一方、前記一の部材が前記一の方向と逆方向へ回転する際、前記コイル部分が前記軸に対して緩むように作用することにより、前記軸を含む他の部材へ動力が伝達されない公知の構成がある。
また、「少なくとも一部が並列」には、共通部分を有しており、途中から分岐して一部が並列となる構成、および共通部分を有しておらず、全体が並列となる構成が含まれるものとする。
【0009】
本態様によれば、前記ローラー対の回転方向を前記第1の方向から前記第2の方向へ切り換えることにより、被記録媒体のスキュー取りを実行することができる。所謂、食い付き吐き出し方式によるスキュー取りである。これを前提として、前記ローラー対が前記第1の方向へ回転するとき、前記第1動力伝達経路の前記第1スプリングクラッチ機構は動力を伝達するが、前記第2動力伝達経路の前記第2スプリングクラッチ機構は動力を伝達しない。一方、前記ローラー対が前記第2の方向へ回転するとき、前記第1動力伝達経路の前記第1スプリングクラッチ機構は動力を伝達しないが、前記第2動力伝達経路の前記第2スプリングクラッチ機構は動力を伝達する。
【0010】
ここで、第1スプリングクラッチ機構および前記第2スプリングクラッチ機構を同じ向きで配設することができるので、レイアウト上好ましい。仮に二つのスプリングクラッチ機構が互いに逆向きに配設された構成と比較して、前記ローラー対から前記送りローラーへ動力を伝達する動力伝達機構をギアの軸方向にコンパクトにすることができる。その結果、記録装置全体をコンパクトにすることができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、被記録媒体を送る送り経路の一部と、前記送りローラーと、前記第1スプリングクラッチ機構および前記第2スプリングクラッチ機構のうちの一方と、を有するユニットが、前記ローラー対と、前記第1スプリングクラッチ機構および前記第2スプリングクラッチ機構のうちの他方と、を有する記録装置本体に対して取り外し可能な構成であることを特徴とする。
本態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、被記録媒体が前記送り経路において詰まった場合に、ユーザーは、前記ユニットを前記記録装置本体から取り外すことにより、前記送り経路まで容易にアクセスすることができる。そして、容易に詰まった被記録媒体を取り除くことができ有効である。
【0012】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記ユニットを前記記録装置本体に対して取り付ける際のギアが噛み合うとき、前記第1スプリングクラッチ機構および前記第2スプリングクラッチ機構のうち少なくとも一方は、動力を伝達しないときの回転方向へ回動可能な構成であることを特徴とする。
ここで、前記ユニットを前記記録装置本体に対して取り付ける際のギアの歯と歯とが衝突して上手く噛み合わない場合が考えられる。
【0013】
係る場合であっても、本態様によれば、第2の態様と同様の作用効果に加え、衝突したときの力により前記第1スプリングクラッチ機構および前記第2スプリングクラッチ機構のうち少なくとも一方を、容易に動力を伝達しないときの回転方向(緩む方向)へ回動させることができる。その結果としてギアの歯と歯とが上手く噛み合うことができる。つまり、スムーズに噛み合わせて前記ユニットを前記記録装置本体に取り付けることができる。この際、ギアの歯が欠ける虞がない。
【0014】
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記ユニット側のギアと、該ギアと噛み合う前記記録装置本体側のギアとの位置関係は、前記ユニットが前記記録装置本体に取り付けられた状態において、前記ユニット側のギアの回転中心の位置が、前記記録装置本体側のギアの回転中心の位置より前記ユニットを取り外す際の前記ユニットの移動方向下流側となる構成であることを特徴とする。
本態様によれば、第2または第3の態様と同様の作用効果に加え、前記ユニットを前記記録装置本体から取り外す際、仮に前記ユニット側のギアの回転中心の位置と前記記録装置本体側のギアの回転中心の位置との関係が本態様と逆の関係となる構成と比較して、取り外しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例のプリンターの内部の概略を示す側面図。
【図2】(A)(B)は本実施例の正転・逆転時の動力伝達の様子を示す側面図。
【図3】(A)(B)は本実施例の動力伝達機構の要部を示す斜視図および平面図。
【図4】(A)(B)はスプリングクラッチ機構の動力伝達の様子を示す斜視図。
【図5】本実施例の中間ユニットをプリンター本体から取り外した状態を示す側面図。
【図6】(A)(B)は中間ユニットをプリンター本体に取り付ける際の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すのは、本発明に係る記録装置の一例であるプリンター1の内部の概略を示す側面図である。
図1に示す如く、本発明に係るプリンター1は、媒体送り手段2と、送り経路13と、記録部16と、排出部20と、を備えている。
【0017】
このうち、媒体送り手段2は、被送り媒体の一例である用紙Pを送り方向Yに送ることができるように設けられている。また、送り経路13は、媒体送り手段2等によって送られる用紙Pを案内する媒体案内部によって構成されており、用紙Pが送られる経路を示す。
また、記録部16は、媒体送り手段2によって送られた用紙Pに対して記録を実行することができるように構成されている。
【0018】
またさらに、排出部20は、記録された用紙Pを排出し、排出トレイ上(図示せず)に載置することができるように設けられている。
具体的に、媒体送り手段2は、載置部6と、ピックアップローラー3と、アーム部4と、分離手段7と、第1ローラー対14と、第2ローラー対15と、を備えている。
このうち、載置部6は、用紙Pが載置されるように設けられている。また、ピックアップローラー3は、モーターの動力によって駆動することができ、載置部6に積層された用紙Pのうち、積層方向最上位に用紙Pと接触することができるように設けられている。尚、Z軸の矢印が示す方向は積層方向上方である。
【0019】
またさらに、アーム部4は、送り方向上流側である一端側の揺動軸5を中心に揺動可能に設けられている。そして、送り方向下流側である他端側にピックアップローラー3を回動可能に保持するように構成されている。
また、分離手段7は、載置部6における用紙Pがセットされる箇所より送り方向下流側に設けられている。具体的には、ピックアップローラー3によって送られる用紙Pの側視した姿勢に対して傾斜した傾斜面8と有している。そして、用紙Pが重送された場合、ピックアップローラー3に対して最上位の用紙Pと次位以降の用紙Pとを分離することができるように設けられている。所謂、土手分離機構である。
【0020】
またさらに、第1ローラー対14および第2ローラー対15は、分離手段7を通過した用紙Pを記録部16へ送ることができるように設けられている。このうち、第1ローラー対14は、第1駆動ローラー14aと、第1従動ローラー14bとを有している。
尚、第1従動ローラー14bに代えて回動に所定の負荷を伴う所謂、リタードローラーでもよい。係る場合、土手分離機構での分離が十分でない場合に、重送された用紙Pを確実に分離することができる。即ち、第1駆動ローラー14aと直接的に接触する用紙Pを、該用紙Pよりリタードローラー側の用紙から分離することができる。
【0021】
また、第2ローラー対15は、送り経路13において第1ローラー対14より下流側に設けられている。具体的には、第2ローラー対15は、第2駆動ローラー15aと第2従動ローラー15bとを有している。そして、搬送用モーターMによって精度よく用紙Pを記録部16へ送ることができるように設けられている。
尚、用紙Pの先端が第2ローラー対15に到達した際、送り方向Yに対する用紙Pの姿勢を正す所謂、スキュー取りが実行されるように構成されているのは言うまでもない。
【0022】
ここで、「スキュー取り」とは、用紙Pの第2ローラー対15のニップラインに対する傾きを取り除くことをいう。また、「ニップライン」とは、第2ローラー対15の外接する箇所が成す線をいう。本実施例では、ニップラインの方向はX軸方向である。そして、スキュー取り動作とは、用紙Pの先端の姿勢をニップラインに倣わせて少なくとも用紙Pの先端のニップラインに対する傾きを除去する動作をいう。
【0023】
本実施例において、スキュー取り動作は、所謂、「食い付き吐き出し方式」である。
ここで、「食い付き吐き出し方式」とは、第2ローラー対15が用紙Pの先端を一度挟持し、第2ローラー対15を逆転させて用紙Pの先端側を送り方向上流側へ逆送りする。そして、第1ローラー対14と第2ローラー対15との間において、用紙Pを撓ませて用紙Pの先端を第2ローラー対15のニップラインに押し付けることにより、先端の姿勢をニップラインに倣わせる方式をいう。即ち、第2ローラー対15に用紙Pの先端を一度食い付かせた後、送り方向上流側へ用紙Pの先端側を吐き出すことにより用紙Pを撓ませて先端の姿勢をニップラインに倣わせる方式をいう。
【0024】
また、記録部16は、キャリッジ17と、記録ヘッド18と、媒体支持部19と、を備えている。このうち、キャリッジ17は、用紙Pの幅方向Xへ延設されたガイドレール(図示せず)に案内されながら幅方向Xへ移動するように構成されている。尚、キャリッジ17は、詳細な説明は省略するが公知のキャリッジ移動手段によって動力が伝達されて幅方向Xに移動する。
【0025】
また、記録ヘッド18は、キャリッジ17に設けられており、インクを用紙Pに対して吐出することができるように設けられている。所謂、インクジェット式の記録である。
またさらに、媒体支持部19は、記録ヘッド18と対向する位置に設けられ、用紙Pを支持し、用紙Pと記録ヘッド18との間の距離を所定の間隔にすることができるように構成されている。
【0026】
また、排出部20は、第3ローラー対21と、図示しない排出トレイを備えている。第3ローラー対21は、送り経路13において記録部16より下流側に設けられ、記録された用紙Pを排出トレイへ送ることができるように設けられている。
尚、媒体送り手段2の載置部6は、プリンター本体9に対して着脱可能な所謂、カセットタイプの構成でもよいし、プリンター本体9と一体に形成されている構成でもよい。
また、本実施例のプリンター1は、プリンター本体9に対して着脱可能な中間ユニット10を有している。中間ユニット10は、送り経路13における載置部6と記録部16との間の中間部分であり、送り経路の一部13aと、第1ローラー対14と、詳しくは後述する第1スプリングクラッチ機構29(図2〜図6参照)とを有している。
【0027】
続いて、第2ローラー対15の第2駆動ローラー15aの駆動力を第1ローラー対14の第1駆動ローラー14aへ伝達する動力伝達機構11について説明する。
図2(A)(B)に示すのは、本実施例の動力伝達機構11における正転・逆転時の動力伝達の様子を示す側面図である。このうち、図2(A)は第2駆動ローラー15aの正転時である。一方、図2(B)は第2駆動ローラー15aの逆転時である。
【0028】
また、図3(A)(B)に示すのは、動力伝達機構11の要部を示す図である。このうち、図3(A)は斜視図である。一方、図3(B)は平面図である。
またさらに、図4(A)(B)に示すのは、第1スプリングクラッチ機構29の動力伝達の様子を示す斜視図である。このうち、図4(A)は動力が伝達されている状態である。一方、図4(B)は動力が伝達されていない状態である。
【0029】
図2(A)(B)に示す如く、動力伝達機構11は、一例として、第1ギア22、第2ギア23、第1プーリー24、ベルト25、第2プーリー26、第3ギア27、第4ギア28、第1スプリングクラッチ機構29、第2スプリングクラッチ機構31、第9ギア32およびテンションローラー33を有している。
このうち、第1ギア22は、第2駆動ローラー15aと一体に回転することができるように設けられている。また、第2ギア23は、第1ギア22と噛み合うように設けられている。またさらに、第1プーリー24は、第2ギア23と一体に形成されており、第2ギア23と一体に回転することができるように設けられている。
【0030】
また、ベルト25は、第1プーリー24および第2プーリー26に巻回されており、第1プーリー24の回転力を第2プーリー26へ伝達することができるように構成されている。尚、テンションローラー33は、図示しない部材によって回動自在に保持されると共に、ベルト25に張力を付与するように設けられているものとする。
またさらに、第3ギア27は、第2プーリー26と一体に形成されており、第2プーリー26と一体に回転することができるように設けられている。また、第4ギア28は、第3ギア27と噛み合うように設けられている。
【0031】
またさらに、公知技術である第1スプリングクラッチ機構29は、第5ギア29a、第6ギア29bおよび第1ねじりコイルばね29cを有している(図3および図4参照)。第5ギア29aおよび第6ギア29bは同心上で回転可能な位置関係である。
ここで、図4(A)(B)を用いて、第1スプリングクラッチ機構29について、詳しく説明する。第5ギア29aおよび第6ギア29bの一方が他方に対して相対的に一の方向へ回転したとする。具体的には、第5ギア29aが第6ギア29bに向かって時計方向へ回転したとする。
【0032】
係る場合、内蔵された第1ねじりコイルばね29cのコイル部分が軸(図示せず)を締め付けるように作用する。ここで、軸は、第5ギア29aおよび第6ギア29bのいずれかに形成された回転中心の軸である。その結果、他方へ動力が伝達され第5ギア29aおよび第6ギア29bが一体となって回転するように構成されている。つまり、第5ギア29aから第6ギア29bへ動力が伝達され、第5ギア29aおよび第6ギア29bが一体となって回転するように構成されている。
尚、第6ギア29bが第5ギア29aに向かって時計方向へ回転した場合も同様である。
【0033】
逆に、第5ギア29aおよび第6ギア29bの一方が他方に対して相対的に前記一の方向と反対方向へ回転したとする。具体的には、第5ギア29aが第6ギア29bに向かって反時計方向へ回転したとする。係る場合、内蔵された第1ねじりコイルばね29cの前記コイル部分が前記軸に対して緩むように作用する。その結果、他方へ動力が伝達されず第5ギア29aおよび第6ギア29bの一方のみが回転するように構成されている。
【0034】
つまり、第5ギア29aから第6ギア29bへ動力が伝達されず、第5ギア29aのみが回転するように構成されている。
尚、第6ギア29bが第5ギア29aに向かって反時計方向へ回転した場合も同様である。また、ねじりコイルばねのコイル部分の巻き方向が逆の構成であれば、相対的に回転した場合の回転方向と動力伝達するか否かとの関係も逆となる。
【0035】
そして、図3(A)(B)にも示すように、第1スプリングクラッチ機構29の第5ギア29aは、第4ギア28と噛み合うように設けられている。一方、第1スプリングクラッチ機構29の第6ギア29bは、第1駆動ローラー14aと一体に回転するように設けられた第9ギア32と噛み合うように設けられている。
また、第2スプリングクラッチ機構31は、第1スプリングクラッチ機構29と同様、第7ギア31a、第8ギア31bおよび第2ねじりコイルばね(図示せず)を有している(図3参照)。
【0036】
具体的な内部の構造および作用効果は、第1スプリングクラッチ機構29と同じであるので、その説明は省略する。
そして、図3(A)(B)にも示すように、第2スプリングクラッチ機構31の第7ギア31aは、第3ギア27と噛み合うように設けられている。一方、第2スプリングクラッチ機構31の第8ギア31bは、第9ギア32と噛み合うように設けられている。
【0037】
本実施例の動力伝達機構11は、第1動力伝達経路12と、第2動力伝達経路30とを有している。先ず、第1動力伝達経路12について説明する。
図2(A)に示す如く、第2ローラー対15が正転している場合、第1動力伝達経路12によって第2駆動ローラー15aの駆動力が第1駆動ローラー14aへ伝達されるように構成されている。具体的には、第1ギア22から、第2ギア23、第1プーリー24、ベルト25、第2プーリー26、第3ギア27、第4ギア28、第1スプリングクラッチ機構29、第9ギア32の順で第1駆動ローラー14aへ動力が伝達される。
【0038】
ここで、第1スプリングクラッチ機構29では、第5ギア29aが第6ギア29bへ向かって時計方向(図2(A)における反時計方向)へ回転する。従って、前述したようにコイル部分(図示せず)が軸(図示せず)を締め付けるように作用し、第5ギア29aおよび第6ギア29bが一体となって図2(A)における反時計方向へ回転する。
一方、第2スプリングクラッチ機構31では、第3ギア27から第7ギア31aへ動力が伝達され、第7ギア31aが第8ギア31bへ向かって反時計方向(図2(A)における時計方向)へ回転する。
【0039】
従って、前述したようにコイル部分(図示せず)が軸(図示せず)に対して緩むように作用し、第7ギア31aは回転するが、第7ギア31aが回転する力は第8ギア31bへ伝達されない。つまり、第2スプリングクラッチ機構31は、動力を伝達しない。
その結果、第1駆動ローラー14aは図2(A)における時計方向へ回転する。つまり、第1ローラー対14および第2ローラー対15が、用紙Pを送り方向下流側へ送るように回転する。
【0040】
続いて、第2動力伝達経路30について説明する。
図2(B)に示す如く、例えば、前述した用紙Pのスキュー取りのために第2ローラー対15が逆転する場合がある。係る場合、第2動力伝達経路30によって第2駆動ローラー15aの駆動力が第1駆動ローラー14aへ伝達されるように構成されている。第2動力伝達経路30は、第1動力伝達経路12と少なくとも一部において並列な関係となるように構成されている。具体的には、第1ギア22から、第2ギア23、第1プーリー24、ベルト25、第2プーリー26、第3ギア27、第2スプリングクラッチ機構31、第9ギア32の順で第1駆動ローラー14aへ動力が伝達される。
【0041】
ここで、第2スプリングクラッチ機構31では、第3ギア27から第7ギア31aへ動力が伝達され、第7ギア31aが第8ギア31bへ向かって時計方向(図2(A)における反時計方向)へ回転する。従って、前述したようにコイル部分(図示せず)が軸(図示せず)を締め付けるように作用し、第7ギア31aおよび第8ギア31bが一体となって図2(A)における反時計方向へ回転する。
【0042】
一方、 第1スプリングクラッチ機構29では、第5ギア29aが第6ギア29bへ向かって反時計方向(図2(A)における時計方向)へ回転する。従って、前述したようにコイル部分(図示せず)が軸(図示せず)に対して緩むように作用し、第5ギア29aは回転するが、第5ギア29aが回転する力は第6ギア29bへ伝達されない。つまり、第1スプリングクラッチ機構29は、動力を伝達しない。
【0043】
その結果、第1駆動ローラー14aは図2(A)における時計方向へ回転する。つまり、第1ローラー対14は用紙Pを送り方向下流側へ送るように回転する。一方、第2ローラー対15は用紙Pを送り方向上流側へ送るように回転する。そして、第1ローラー対14および第2ローラー対15との間で、用紙Pを積極的に撓ませることができ、前述したスキュー取りを実行することができる。
【0044】
ここで、第1動力伝達経路12における第1スプリングクラッチ機構29より動力伝達の上流側におけるギアの数は、第2動力伝達経路30における第2スプリングクラッチ機構31より動力伝達の上流側におけるギアの数より一多い。従って、第1スプリングクラッチ機構29および第2スプリングクラッチ機構31を同じ向きに配設することができる。これにより、動力伝達機構11をギアの軸方向にコンパクトにすることができる。その結果、プリンター全体をコンパクトにすることができる。
尚、第1動力伝達経路12と、第2動力伝達経路30とにおける前記ギアの数の関係について、技術的思想としては、一方が奇数で、他方がゼロまたは偶数である関係であればよい。
【0045】
続いて、中間ユニット10の取り外しについて説明する。
図5に示すのは、本実施例の中間ユニット10をプリンター本体9から取り外した状態を示す概略側面図である。
図5に示す如く、中間ユニット10を、プリンター本体9から取り外すことができる。これにより、例えば、送り経路13における載置部6と記録部16との間で用紙Pが詰まった場合、ユーザーは容易に用紙Pを送り経路13から除去することができる。
【0046】
尚、中間ユニット10をプリンター本体9から取り外す際、第1スプリングクラッチ機構29が緩むように作用する。従って、ギアの噛み合いをスムーズに外すことができる。技術的思想としては、第1スプリングクラッチ機構29および第2スプリングクラッチ機構31の少なくとも一方が緩むように作用すればよい。一方が緩むのであれば、他方が緩まない場合であっても第9ギア32を介して前記一方をさらに緩めるように作用させることができるからである。
【0047】
続いて、中間ユニット10の取り付けについて説明する。
図6(A)(B)に示すのは、中間ユニット10をプリンター本体9に取り付ける際の動力伝達機構11のギアが噛み合う様子を示す図である。このうち、図6(A)は取り付け完了する直前である。一方、図6(B)は取り付け完了時である。
尚、理解を容易にするために、動力伝達機構11以外の構成の図示は省略する。
【0048】
図6(A)(B)に示す如く、本実施例の動力伝達機構11の前提として、取り付けが完了した状態(特に図6(B)参照)では、中間ユニット10側のギアの回転中心の位置は、該ギアと噛み合うプリンター本体9側のギアの回転中心の位置より中間ユニット10の取り外し方向Wの下流側に位置するように構成されている。これにより、中間ユニット10が取り外しやすくなる。
【0049】
第1動力伝達経路12について具体的に説明すると、中間ユニット10側の第5ギア29aの回転中心N1の位置は、第5ギア29aと噛み合うプリンター本体9側の第4ギア28の回転中心N2の位置より中間ユニット10の取り外し方向Wの下流側に位置する構成である。
別の言い方をすると、中間ユニット10側の第5ギア29aの回転中心N1と、プリンター本体9側の第4ギア28の回転中心N2とを結ぶ線の方向は、中間ユニット10の取り外し方向Wに対して117度傾いている。つまり、鈍角となっている。
【0050】
同様に、第2動力伝達経路30について具体的に説明すると、中間ユニット10側の第9ギア32の回転中心N3の位置は、第9ギア32と噛み合うプリンター本体9側の第8ギア31bの回転中心N4の位置より中間ユニット10の取り外し方向Wの下流側に位置する構成である。
別の言い方をすると、中間ユニット10側の第9ギア32の回転中心N3と、プリンター本体9側の第8ギア31bの回転中心N4とを結ぶ線の方向は、中間ユニット10の取り外し方向Wに対して96度傾いている。つまり、鈍角となっている。
【0051】
そして、図6(A)に示す如く、中間ユニット10をプリンター本体9に対して取り付ける際、前述したギアとギアとの回転中心を結ぶ線の傾きの違いや、ギアの大きさの違いによって、第1動力伝達経路12と第2動力伝達経路30とではギアの噛み合うタイミングが僅かに異なる。
尚、ギアの噛み合うタイミングが同じであってもよいのは勿論である。
【0052】
本実施例では、先ず、第9ギア32が第2スプリングクラッチ機構31の第8ギア31bと当接する。このとき、第8ギア31bは、第9ギア32の移動によって、力を受けて図6(A)中の反時計方向へ回転しようとする。ここで、第8ギア31bの反時計方向への回転は第2スプリングクラッチ機構31の緩む方向への回転であるため、第8ギア31bは容易に回転することができる。
【0053】
従って、第9ギア32と第8ギア31bとが仮に当接時に上手く噛み合わなかった場合であっても、第8ギア31bは、ギア歯の半ピッチ分ほど余分に反時計方向へ容易に回転することができる。
その結果、第9ギア32と第8ギア31bとがスムーズに噛み合うことができる。
尚、噛み合う際、第9ギア32が半ピッチ分ほど回転してもよいのは勿論である。
【0054】
次に、図6(B)に示す如く、第9ギア32と第8ギア31bとの噛み合いから僅かに遅れたタイミングで、第1スプリングクラッチ機構29の第5ギア29aが第4ギア28と当接する。このとき、第4ギア28は第5ギア29aの移動によって力を受けるが、搬送用モーターMの保持力が作用するため、回転しにくい。第5ギア29aが反力によって図6(B)中の反時計方向へ回転しようとする。
【0055】
ここで、第5ギア29aの反時計方向への回転は第1スプリングクラッチ機構29を締め付けるように作用するため、第5ギア29aと第6ギア29bとが一体となって反時計方向へ僅かに回転しようとする。これに伴い第9ギア32が時計方向へ回転しようとする。第9ギア32の時計方向への回転は、第2スプリングクラッチ機構31の緩む方向への回転であるため、第9ギア32を容易に回転することができる。
【0056】
従って、第5ギア29aと第4ギア28とが仮に当接時に上手く噛み合わなかった場合であっても、第5ギア29aは、ギア歯の半ピッチ分ほど反時計方向へ容易に回転することができる。
その結果、第5ギア29aと第4ギア28とがスムーズに噛み合うことができる。
以上説明したように、中間ユニット10をプリンター本体9に取り付ける際、動力伝達機構11のギアの歯が欠ける虞がない。
【0057】
本実施例の記録装置としてのプリンター1は、被記録媒体の一例である用紙Pを送り方向下流側へ送る送りローラーである第1駆動ローラー14aと、第1駆動ローラー14aより送り方向下流側に設けられ、第1の方向へ回転することにより用紙Pを送り方向下流側へ送り、第1の方向と逆方向である第2の方向へ回転することにより送り方向上流側へ送ることが可能なローラー対である第2ローラー対15と、第2ローラー対15を駆動させるモーターである搬送用モーターMと、第2ローラー対15から第1駆動ローラー14aへ動力を伝達する動力伝達機構11と、を備え、動力伝達機構11は、第1スプリングクラッチ機構29を有しており、第2ローラー対15が前記第1の方向へ回転するとき、第2ローラー対15の駆動力を第1駆動ローラー14aへ伝達する第1動力伝達経路12と、動力を伝達するときおよび伝達しないときの回転方向の関係が第1スプリングクラッチ機構29と同じである第2スプリングクラッチ機構31を有しており、第2ローラー対15が前記第2の方向へ回転するとき、第2ローラー対15の駆動力を第1駆動ローラー14aへ伝達する第2動力伝達経路30と、を有しており、第1動力伝達経路12と第2動力伝達経路30との関係は、少なくとも一部が並列に設けられている関係であり、並列箇所における第1動力伝達経路12の第1スプリングクラッチ機構29より動力伝達の上流側のギアの数と、並列箇所における第2動力伝達経路30の第2スプリングクラッチ機構31より動力伝達の上流側のギアの数との関係は、一方が奇数で、他方がゼロまたは偶数である関係であることを特徴とする。
尚、本実施例では、前記並列箇所における第1動力伝達経路12の第1スプリングクラッチ機構29より動力伝達の上流側におけるギアの数は、奇数(一つ)である。一方、前記並列箇所における第2動力伝達経路30の第2スプリングクラッチ機構31より動力伝達の上流側におけるギアの数は、ゼロである。
【0058】
また、本実施例において、用紙Pを送る送り経路の一部13aと、第1駆動ローラー14aと、第1スプリングクラッチ機構29および第2スプリングクラッチ機構31のうちの一方である第1スプリングクラッチ機構29と、を有するユニットである中間ユニット10が、第2ローラー対15と、第1スプリングクラッチ機構29および第2スプリングクラッチ機構31のうちの他方である第2スプリングクラッチ機構31と、を有する記録装置本体であるプリンター本体9に対して取り外し可能な構成であることを特徴とする。
またさらに、本実施例において、中間ユニット10をプリンター本体9に対して取り付ける際のギアが噛み合うとき、第1スプリングクラッチ機構29および第2スプリングクラッチ機構31のうち少なくとも一方である第2スプリングクラッチ機構31は、動力を伝達しないときの回転方向(緩む方向)へ回動可能な構成であることを特徴とする。
【0059】
また、本実施例において、中間ユニット10側のギアである第5ギア29aと、第5ギア29aと噛み合うプリンター本体9側のギアである第4ギア28との位置関係は、中間ユニット10がプリンター本体9に取り付けられた状態において、中間ユニット10側の第5ギア29aの回転中心N1の位置が、プリンター本体9側の第4ギア28の回転中心N2の位置より中間ユニット10を取り外す際の中間ユニット10の移動方向である取り外し方向Wの下流側となる構成であることを特徴とする。
同様に、中間ユニット10側のギアである第9ギア32と、第9ギア32と噛み合うプリンター本体9側のギアである第8ギア31bとの位置関係は、中間ユニット10がプリンター本体9に取り付けられた状態において、中間ユニット10側の第9ギア32の回転中心N3の位置が、プリンター本体9側の第8ギア31bの回転中心N4の位置より中間ユニット10を取り外す際の中間ユニット10の移動方向である取り外し方向Wの下流側となる構成であることを特徴とする。
【0060】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0061】
1 プリンター、2 媒体送り手段、3 ピックアップローラー、4 アーム部、
5 揺動軸、6 載置部、7 分離手段、8 傾斜面、9 プリンター本体、
10 中間ユニット、11 動力伝達機構、12 第1動力伝達経路、13 送り経路、
13a 送り経路の一部、14 第1ローラー対、14a 第1駆動ローラー、
14b 第1従動ローラー(リタードローラー)、15 第2ローラー対、
15a 第2駆動ローラー、15b 第2従動ローラー、16 記録部、
17 キャリッジ、18 記録ヘッド、19 媒体支持部、20 排出部、
21 第3ローラー対、22 第1ギア、23 第2ギア、24 第1プーリー、
25 ベルト、26 第2プーリー、27 第3ギア、28 第4ギア、
29 第1スプリングクラッチ機構、29a 第5ギア、29b 第6ギア、
29c 第1ねじりコイルばね、30 第2動力伝達経路、
31 第2スプリングクラッチ機構、31a 第7ギア、31b 第8ギア、
32 第9ギア、33 テンションローラー、M 搬送用モーター、
N1 第5ギアの回転中心、N2 第4ギアの回転中心、N3 第9ギアの回転中心、
N4 第8ギアの回転中心、P 用紙、W 取り外し方向、X 幅方向、
Y 送り方向、Z 積層方向(鉛直方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を送り方向下流側へ送る送りローラーと、
該送りローラーより送り方向下流側に設けられ、第1の方向へ回転することにより被記録媒体を送り方向下流側へ送り、前記第1の方向と逆方向である第2の方向へ回転することにより送り方向上流側へ送ることが可能なローラー対と、
該ローラー対を駆動させるモーターと、
前記ローラー対から前記送りローラーへ動力を伝達する動力伝達機構と、を備え、
該動力伝達機構は、
第1スプリングクラッチ機構を有しており、前記ローラー対が前記第1の方向へ回転するとき、前記ローラー対の駆動力を前記送りローラーへ伝達する第1動力伝達経路と、
動力を伝達するときおよび伝達しないときの回転方向の関係が前記第1スプリングクラッチ機構と同じである第2スプリングクラッチ機構を有しており、前記ローラー対が前記第2の方向へ回転するとき、前記ローラー対の駆動力を前記送りローラーへ伝達する第2動力伝達経路と、を有しており、
前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路との関係は、少なくとも一部が並列に設けられている関係であり、
該並列箇所における前記第1動力伝達経路の前記第1スプリングクラッチ機構より動力伝達の上流側のギアの数と、前記並列箇所における前記第2動力伝達経路の前記第2スプリングクラッチ機構より動力伝達の上流側のギアの数との関係は、一方が奇数で、他方がゼロまたは偶数である関係であることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、被記録媒体を送る送り経路の一部と、前記送りローラーと、前記第1スプリングクラッチ機構および前記第2スプリングクラッチ機構のうちの一方と、を有するユニットが、
前記ローラー対と、前記第1スプリングクラッチ機構および前記第2スプリングクラッチ機構のうちの他方と、を有する記録装置本体に対して取り外し可能な構成である記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置において、前記ユニットを前記記録装置本体に対して取り付ける際のギアが噛み合うとき、前記第1スプリングクラッチ機構および前記第2スプリングクラッチ機構のうち少なくとも一方は、動力を伝達しないときの回転方向へ回動可能な構成である記録装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の記録装置において、前記ユニット側のギアと、該ギアと噛み合う前記記録装置本体側のギアとの位置関係は、前記ユニットが前記記録装置本体に取り付けられた状態において、前記ユニット側のギアの回転中心の位置が、前記記録装置本体側のギアの回転中心の位置より前記ユニットを取り外す際の前記ユニットの移動方向下流側となる構成である記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−6354(P2013−6354A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140721(P2011−140721)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】