説明

資料撮像装置

【課題】基台の左右いずれの基台設置面領域をも資料載置スペースとして利用できる資料料提示装置を提供する。
【解決手段】基本形態では撮像カメラ13は、その撮像レンズ17が基台11の右側に位置し、筐体16が基台設置面と略平行になる右水平姿勢に設定されている。撮像レンズは基台設置面側に向き、撮像レンズの光軸が基台設置面に略垂直となる下向き垂直姿勢に設定されている。資料48は基台設置面における基台の手前右側の領域に置いて撮像される。基本形態から、第1連結軸を支点にして撮像カメラを矢印A方向へ180度回動させる。撮像カメラは基台の左側に位置する。撮像レンズが反基台設置面側に向き、かつ撮像レンズの光軸が基台設置面に略垂直となる上向き垂直姿勢となる。カメラネック部20を第2連結軸を支点にしてカメラベース部に対して矢印B方向へ180度回転させる。撮像レンズの光軸が下向き垂直姿勢になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資料を撮像してその画像をモニターやスクリーン等に表示する資料撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
資料撮像装置の一形式として特許第4597874号公報には、平面形状が略長方形の基台と、該基台の左右方向における中央部正面寄りの部位から立設し、先端部を湾曲させて基台から離れる手前方向に突出する支柱と、該支柱の先端に基台設置面に垂直な面内で第1連結軸によって回動自在に組み付けた撮像カメラを備えた資料撮像装置が開示されている。
【0003】
この資料撮像装置では、撮像カメラの撮像レンズを筐体の長手方向の一端部の側面から突出して設け、筐体の長手方向の他端部の端面に撮像カメラの操作部を設けている。また、撮像カメラを、第1連結軸を設けたカメラベース部と撮像レンズを設けたカメラネック部に分割し、第1連結軸の部位を、前記筐体の長手方向の中央から片寄らせて、第1連結軸と前記撮像レンズまでの距離が、第1連結軸と前記操作部までの距離よりも長くなるように設定している。そして、カメラベース部に対しカメラネック部を筐体の長手方向に延びる第2連結軸によって回転可能に組付けている。
【0004】
また、この資料撮像装置では撮像カメラを撮像レンズが基台の左右いずれか一方の側に位置し、基台設置面と略平行になる水平姿勢と、撮像カメラが支柱の先端から垂下する垂直姿勢との間で回動できるように第1連結軸で支柱に組み付けられている。
さらにまた、水平姿勢にある撮像カメラの撮像レンズが基台設置面側に向き、かつ撮像レンズの光軸が基台設置面に垂直となる下向き垂直姿勢と、撮像レンズの光軸が基台設置面と略平衡になる水平姿勢との間で回動可能にカメラネック部を第2連結軸でカメラベース部に組み付けている。
【0005】
この資料撮像装置を使って資料を撮像する場合、撮像カメラを水平姿勢に設定するとともに、撮像レンズを下向き垂直姿勢に設定し、資料を基台の左右いずれか一方の側の基台設置面に置いて撮像する。また、撮像カメラと撮像レンズをともに水平姿勢に設定すれば、基台の前方領域を撮像できる。資料撮像装置を使用しないときは、撮像カメラを垂直姿勢に設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4597874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の資料撮像装置で基台設置面に置いた資料を撮像する場合、基台の左右いずれか一方の側の基台設置面領域が資料載置スペースとなり、他方の側の基台設置面領域に資料を置いて撮像することはできず、資料載置スペースが限定されている。
本発明はかかる問題点に鑑み、基台の左右いずれの基台設置面領域をも資料載置スペースとして利用できる資料撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するための請求項1に記載の資料撮像装置は、
平面形状が略矩形の基台と、該基台の左右方向における中央部から立設し、先端部を湾曲させて基台から離れる手前方向に突出する支柱と、該支柱の先端に基台設置面に略垂直な面内で第1連結軸によって回動自在に組み付けた撮像カメラを備え、
撮像カメラの撮像レンズを撮像カメラの筐体の長手方向の一端部の側面から突出して設け、筐体の長手方向の他端部の端面に撮像カメラの操作部を設け、
撮像カメラを、第1連結軸を設けたカメラベース部と撮像レンズを設けたカメラネック部に分割し、
第1連結軸の部位を、筐体の長手方向の中央から片寄らせることにより、第1連結軸と撮像レンズまでの距離が、第1連結軸と操作部までの距離よりも長くなるように設定し、
カメラベース部に対しカメラネック部を筐体の長手方向に延びる軸心を有する第2連結軸によって回転可能に組付けた資料撮像装置であって、
撮像カメラを撮像レンズが基台の右側に位置するとともに筐体が基台設置面と略平行になる右水平姿勢と、撮像レンズが基台の左側に位置するとともに筐体が基台設置面と略平行になる左水平姿勢との間で基台設置面と略垂直な面内で回動可能に第1連結軸で支柱に組み付け、
撮像カメラが右水平姿勢又は左水平姿勢にあるとき撮像レンズが基台設置面側に向き、かつ撮像レンズの光軸が基台設置面に略垂直となる下向き垂直姿勢と、撮像レンズが反基台設置面側に向きかつ撮像レンズの光軸が基台設置面に略垂直となる上向き垂直姿勢との間で回転可能にカメラネック部を第2連結軸でカメラベース部に組み付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は請求項1に記載の資料撮像装置において、前記支柱を基台に対して傾倒可能に第3連結軸で基台に組み付けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の資料撮像装置において、前記撮像カメラが基台設置面と略平行な面内において前記右水平姿勢又は前記左水平姿勢から基台後方へ約180度回動可能に前記支柱を前記基台に第4連結軸で回転可能に組み付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、撮像カメラを右水平姿勢に設定し、撮像レンズを下向き垂直姿勢に設定することにより、基台右側の基台設置面領域を資料載置スペースとして利用できる。
また、撮像カメラを左水平姿勢に設定し、撮像レンズを下向き垂直姿勢に設定することにより、基台左側の基台設置面領域を資料載置スペースとして利用できる。
さらにまた、撮像レンズを下向き垂直姿勢と上向き垂直姿勢の中間の水平姿勢に設定することにより、撮像カメラの前方や後方を撮像できる。
このように本発明によれば基台の正面側の左右の設置面領域を資料載置スペースとして利用できるだけでなく、撮像カメラの前方および後方を撮像できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、支柱を基台の手前側に傾倒させることにより装置の高さを低くできる。そのため保管に要するスペースが少なくて済み、収納性を高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、基台の右側後方の基台設置面領域又は基台の左後方の基台設置面領域を資料載置スペースとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係る資料撮像装置の基本形態を示した斜視図である。
【図2】第1連結軸部分とカメラベース部の分解斜視図である。
【図3】第2連結軸部分とカメラベース部及びカメラネック部の分解斜視図である。
【図4】第2連結軸の分解斜視図である。
【図5】第3連結軸の分解斜視図である。
【図6】第4連結軸の分解斜視図である。
【図7】本発明の実施例に係る資料撮像装置の縦断断面図である。
【図8】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【図9】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【図10】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【図11】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【図12】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【図13】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【図14】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【図15】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【図16】同資料撮像装置の一形態を示した斜視図である。
【実施例】
【0015】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、実施例に係る資料撮像装置10を示す斜視図である。資料撮像装置10は、基台11、支柱12及び撮像カメラ13とから構成されている。基台11は、平面形状が矩形で正面と背面には曲成面11a,11bがそれぞれ形成されている。基台11の内部には、制御回路ユニット14と錘15が装着されている。錘15は後述するように支柱12を前傾させたとき、基台11の背面11b側が浮き上がるのを防止するものである。さらに、基台11の背面11bには外部機器との電気的接続を確保するための各種の連結ソケット等が配設されている。
【0016】
支柱12は基台11の上面11cの所定部位に立設されている。この部位は基台11の左右方向における中央に位置するとともに、かつ基台11の正面11a寄りに位置している。支柱12は中空であって内部にワイヤーハーネス(図示せず。)等を挿通出来るようになっている。この支柱12には湾曲部12aが形成されている。該湾曲部12aの先端は、基台11の正面11aから離れる手前側に突出する水平部12bが形成されている。さらに該水平部12bの先端に撮像カメラ13が取り付けられている。
【0017】
撮像カメラ13は略円筒形の筐体16を有し、筐体16の右端部の側面から撮像レンズ17が下方へ突出して設けられている。また、筐体16の左端面部に撮像カメラ13のオートフォーカスボタンやズーミングダイヤルを備えた操作部18が設けられている。撮像カメラ13は筐体16の長手方向でカメラベース部19とカメラネック部20に2分割されている。
図2に示すように、カメラベース部19が第1連結軸21を介して支柱12の先端に組み付けられている。一方、カメラネック部20に撮像レンズ17や撮像素子を含むカメラ本体が内蔵され、カメラネック部20が第2連結軸22(図3参照)を介してカメラベース部19に組み付けられている。カメラベース部19とカメラネック部20はそれぞれロアカバー19a,20a,とアッパカバー19b,20bを備えている。
【0018】
第1連結軸21は中空構造を有し、支柱12の水平部12bの先端面に固定されている。第1連結軸21には外周面にガイドフランジ21aが一体に設けられている。また、外周面にはガイドフランジ21aに近接して一本のストッパピン21bが凸設されている。第1連結軸21はアッパブラケット23とロアブラケット24で挟持され、両ブラケット23,24がビスでカメラベース部19のロアカバー19aに固定されている。ロアブラケット24には半円形のガイド溝24aが形成され、第1連結軸のガイドフランジ21aがガイド溝24aに嵌合している。アッパブラケット23にはストッパピン21bが挿入される半円形の溝23aが形成されている。カメラベース部19は基台設置面に垂直な面内でストッパピン21bが溝23aの右端に当接する位置とストッパピン21bが溝23aの左端に当接する位置との間で回動可能に第1連結軸21に組み付けられている。カメラベース部19の回動角度範囲は図1の矢印Aに示すように、基台11の正面から見て時計方向へ180度に設定されている。そして、詳しくは後述するが、ストッパピン21bが溝23aの右端に当接する位置では、撮像カメラ13が右水平姿勢となる。図1に示すように、撮像カメラ13が右水平姿勢のとき撮像レンズ17が基台11の右側に位置するとともに筐体16が基台設置面と略平行になる。また、ストッパピン21bが溝23aの左端に当接する位置では撮像カメラ13が左水平姿勢となる。撮像カメラ13が左水平姿勢のとき、撮像レンズ17が基台11の左側に位置するとともに筐体16が基台設置面と略平行になる。
【0019】
図3に示すように、撮像カメラ13のカメラベース部19とカメラネック部20は筐体16の長手方向に延びる軸心を有する第2連結軸22によって回転可能に連結されている。第2連結軸22はリング形の第1ブラケット25でカメラベース部19のロアカバー19aに回転可能に組み付けられている。この第1ブラケット25は足片25aを有し、足片25aがロアブラケット19aにビスで固定される。第2連結軸22は一端にフランジ部26を有し、断面形状が非円形となるように外周面に切欠部22aが形成されている。第2連結軸22を第1ブラケット25の穴25cに挿通したとき、フランジ部26が第1ブラケット25に当接して抜け止めされる。
【0020】
第1部ブラケット25は複数個の突起25bが形成されている。一方、カメラネック部20のロアケース20aにリング形の第2ブラケット27が固定される。第2ブラケット27は足片27aを有し、足片27aがビスでロアケース20aに固定される。第2ブラケット27は第1ブラケット25の突起25bに対応する複数の小孔27bが形成されるとともに、中心部に非円形の穴27cが形成されている。第1ブラケット25でカメラベース部19のロアケース19aに回転可能に組み付けられた第2連結軸22には平ワッシャ28、波ワッシャ29、スペーサ30が装着され、これらを挟持するように第2連結軸22に第2ブラケット27がビスで固定される。そして、第2連結軸22が第2ブラケット27の非円形の穴27cに嵌合される。これにより、カメラネック部20がカメラベース部19に第2連結軸22によって回転可能に組み付けられる。
【0021】
図4に示すように、第2連結軸22のフランジ部26にはストッパ面26a,26bが形成されている。一方、第1ブラケット25にストッパピン25dが設けられている。カメラネック部20を回転すると、第2連結軸22も回転し、ストッパピン25dがストッパ面26aまたはストッパ面26bに当接して回転が規制される。カメラネック部20の回転角度範囲は図1に矢印Bおよび矢印Cに示すように、基台の右側面から見て時計方向へ185度、反時計方向へ120度に設定されている。
【0022】
図5、図6及び図7に示すように、支柱12は第3連結軸31によって基台11にその手前側へ傾倒可能に組み付けられ、かつ第4連結軸32によって基台11に回転可能に立設されている。第3連結軸31は横断面形状が長方形のアッパピース31aと略円筒形のロアピース31bから成り、アッパピース31aとロアピース31bがアルミダイキャストで一体成形されている。そして、アッパピース31aに支柱12の基端部が挿入され、ビスでアッパピース31aに固定されている。ロアピース31bには第3副連結軸33が挿入され、ビスでロアピース31bに固定されている。ロアピース31bは端部に筒軸部31c(図7参照)が一体に形成されている。この筒軸部31cが第3ブラケット34の軸受穴34aに回転可能に挿入されている。一方、第3副連結軸33は小径筒部33aを有し、小径筒部33aが第4ブラケット35の軸受穴35aに挿入されている。第3ブラケット34と第4ブラケット35はビスで一体に連結され、かつ両ブラケット34,35が第4連結軸32の上面にビスで固定されている。ロアピース31bの第4ブラケット35側の側面にストッパピン31dが突出して設けられている。一方、第4ブラケット35にはストッパピン31dが当接する一対のストッパ面35b,35cが形成されている。ストッパピン31dとストッパ面35b,35cによって支柱12の傾倒角度範囲が設定されている。この範囲は図1に矢印Dで示すように、前方へ48度に設定されている。そして、詳しくは後述するがストッパピン31dが一方のストッパ面35bに当接したとき支柱12は基台から起立する起立姿勢に位置決めされる。また、ストッパピン31dが他方のストッパ面35cに当接したとき支柱12は基台11から最も傾倒した前傾姿勢に位置決めされる。
【0023】
ロアピース31bの筒軸部31cにはスペーサ36ワッシャ37が装着されている。第3ブラケット34とロアピース31b間にスペーサ38が装着されている。スペーサ36とワッシャ37は第3ブラケット34の軸受穴34aから突出している筒軸部分31cに装着されている。そして、筒軸部31cの端面にビスで皿型プレート39を固定し、このプレート39でスペーサ36とワッシャ37が抜け止めされている。これらワッシャ37は第3ブラケット34とスペーサ36との間に摩擦力を生じさせ、摩擦力を筒軸部31cに付加するために装着されている。
【0024】
第3副連結軸の小径筒部33aにはコイルスプリング40が装着されている。このコイルスプリング40の一端はロアピース31bに掛止され、コイルスプリング40の他端が第4連結軸32に掛止されている。コイルスプリング40は支柱12に起立方向の付勢力を付加するために装着されている。
【0025】
第3連結軸31にフロントインナーカバー41とリヤインナーカバー42がビスで取り付けられている。そして、フロントアウターカバー43が第3ブラケット34に取り付けた補強板49と第4ブラケット35にネジ止めされている。また、リヤアウターカバー44がフロントアウターカバー43に爪で引っ掛けて第4連結軸32にネジ止めされている。
【0026】
第4連結軸32は略円板形状を有し、中心部底面に筒軸部32a(図7参照)が一体に形成されている。一方、基台11の左右方向における中央部であって、正面寄りの部位に開口11dが形成されている。この開口11dに第5ブラケット45が取付けられている。第5ブラケット45は足片45aを有し、足片45aがビスで基台11の底面に固定されている。第5ブラケット45は中央部に軸受穴45bが形成され、軸受穴45bに第4連結軸32の筒軸部32aが回転可能に挿入されている。第4連結軸32と第5ブラケット45間の筒軸部32aにはワッシャ46が装着されている。また、軸受穴45bから突出する筒軸部32aは非円形断面を有し、この部分にストッパリング47が装着されている。ワッシャ46は筒軸部32aに摩擦力を不可するために取り付けられている。ストッパリング47は筒軸部32aと一体回転するように装着されている。一方、第5ブラケット45の底面裏側にはストッパリング47のストッパ面47a,47bに当接するストッパピン(図示略)が凸設されている。筒軸部32aが一方向に回転するとこれと一体にストッパリング47が回転し、ストッパリングのストッパ面47aにストッパピンが当接して筒軸部32aが停止する。また、筒軸部32aが他方向に回転すると、ストッパリングのストッパ面47bにストッパピンが当接して筒軸部32aが停止する。筒軸部32aの回転角度範囲は図1に矢印EおよびFで示すように基台平面側から見て時計方向へ180度、反時計方向へ120度に設定されている。
【0027】
以上説明したように、撮像カメラ13は第1連結軸21で支柱12の先端部に回動可能に組み付けられ、ストッパピン21bと溝24aで回動範囲が規制されている。また、カメラネック部20は第2連結軸22でカメラベース部19に回転可能に組み付けられ、ストッパ面26a,26bとストッパピン25dで回転範囲が規制されている。さらに支柱12が第3連結軸31で基台11に傾倒可能に組み付けられ、ストッパピン31dとストッパ面35b,35cで回動範囲が規制されている。また、第4連結軸32で基台11に回転可能に組み付けられ、ストッパリング47のストッパ面47a,47bとストッパピンで回転範囲が規制されている。
【0028】
次に、本実施例に係る資料撮像装置10の使用方法を説明する。図1に資料撮像装置10の基本形態を示す。基本形態では撮像カメラ13は、その撮像レンズ17が基台11の右側に位置し、筐体16が基台設置面と略平行になる右水平姿勢に設定されている。そして、撮像レンズ17は基台設置面側に向き、かつ撮像レンズ17の光軸が基台設置面に略垂直となる下向き垂直姿勢に設定されている。資料48は基台設置面における基台11の手前右側の領域に置いて撮像される。
【0029】
資料48を基台設置面における基台11の手前左側の領域に置いて撮像するには、図1に示す基本形態から、第1連結軸21を支点にして撮像カメラを図1に示す矢印A方向へ180度回動させる。この状態では図8に示すように、撮像カメラ13は基台11の左側に位置する。そして、撮像レンズ17が反基台設置面側に向き、かつ撮像レンズ17の光軸が基台設置面に略垂直となる上向き垂直姿勢となる。そこで、カメラネック部20を第2連結軸22を支点にしてカメラベース部19に対して図1の矢印Bで示すように180度回転させる。これにより、図9に示すように、撮像レンズ17の光軸が下向き垂直姿勢になり、資料48を撮像できる。なお、この場合、資料48は図1に示す置き方に対し前後を逆にして置く。
【0030】
資料48を基台設置面における基台11の後方左側の領域に置いて撮像するには、図1に示す基本形態から、第4連結軸32を支点にして、支柱12を図1に示す矢印E方向へ180度回動させる。この状態では図10に示すように、撮像カメラ13が基台11の後方左側に位置する。そして、撮像レンズ17が基台設置面側に向きかつ撮像レンズ17の光軸が基台設置面に略垂直となる下向き垂直姿勢となる。なお、この場合、資料48は図1に示す置き方に対し前後を逆にして置く。
【0031】
資料48を基台設置面の基台11の後方右側の領域に置いて撮像するには、図10に示す形態から第1連結軸21を支点にして、撮像カメラ13を図1の矢印Aで示すように、180度回動させる。この状態では撮像カメラ13が基台11の後方右側に位置し、撮像レンズ17が反基台設置面側に向き、かつ撮像レンズ17の光軸が上向きの垂直姿勢になる。そこで、カメラネック部20をカメラベース部19に対して図1の矢印Bで示すように180度回転させる。これにより、図11に示すように、撮像レンズ17の光軸が下向き垂直姿勢になり、資料48を撮像できる。
【0032】
本実施例に係る資料撮像装置は図1,9,10,11に示す形態に設定し、基台設置面上に資料48を置いて撮像するだけでなく、図1に示す基本形態からカメラネック部20を回転させ、図12,13に示すように、撮像レンズ17の光軸を撮像カメラ13の前方や後方に向けて撮像することもできる。また、基本形態から図14に示すように第3連結軸31を支点にして、支柱12を前傾させることにより、装置の高さを低くできる。そのため保管に要するスペースが少なくて済み、収納性を向上させることができる。さらにまた、基本形態から撮像カメラを約90度回動させることにより、図15に示すように撮像カメラ13を支柱12から基台11の前方に垂下させたり、図10に示す形態から撮像カメラ13を約90度回動させることにより図16に示すように、撮像カメラ13を支柱12から基台の後方に垂下させることができる。これにより撮像カメラ13の左右方向を撮像できる。また、図16に示す形態にすることにより装置10の奥行き寸法が短くなり、保管に要するスペースを少なくできる。
【0033】
本実施例の資料撮像装置では、基台における支柱を左右方向における中央部の正面寄りの部位に支柱を立設したが、基台上面の中心部に支柱を立設すれば、基台設置面における基台の前後及び左右の資料載置スペースが支柱を中心として対称に位置するので、より使い勝手が良くなる。
また、本実施例では資料を図1に示す装置の基本形態で撮像する場合と図9で示す形態で撮像する場合とで、資料の置く向きを逆にしているが、装置の形態の変化に対応して撮像データを変換処理する機能を制御回路ユニットに持たせることにより、資料の向きを逆にしなくてもディスプレイで正立画像を表示できるようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0034】
10… 資料撮像装置
11…基台
12…支柱
13…撮像カメラ
16…筐体
17…撮像レンズ
18…操作部
19…カメラベース部
20…カメラネック部
21…第1連結軸
22…第2連結軸
31…第3連結軸
32…第4連結軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が略矩形の基台と、該基台の左右方向における中央部から立設し、先端部を湾曲させて基台から離れる手前方向に突出する支柱と、該支柱の先端に基台設置面に略垂直な面内で第1連結軸によって回動自在に組み付けた撮像カメラを備え、
撮像カメラの撮像レンズを撮像カメラの筐体の長手方向の一端部の側面から突出して設け、筐体の長手方向の他端部の端面に撮像カメラの操作部を設け、
撮像カメラを、第1連結軸を設けたカメラベース部と撮像レンズを設けたカメラネック部に分割し、
第1連結軸の部位を、筐体の長手方向の中央から片寄らせることにより、第1連結軸と撮像レンズまでの距離が、第1連結軸と操作部までの距離よりも長くなるように設定し
カメラベース部に対しカメラネック部を筐体の長手方向に延びる軸心を有する第2連結軸によって回転可能に組付けた資料撮像装置であって、
撮像カメラを撮像レンズが基台の右側に位置するとともに筐体が基台設置面と略平行になる右水平姿勢と、撮像レンズが基台の左側に位置するとともに筐体が基台設置面と略平行になる左水平姿勢との間で基台設置面と略垂直な面内で回動可能に第1連結軸で支柱に組み付け、
撮像カメラが右水平姿勢又は左水平姿勢にあるとき撮像レンズが基台設置面側に向き、かつ撮像レンズの光軸が基台設置面に略垂直となる下向き垂直姿勢と、撮像レンズが反基台設置面側に向きかつ撮像レンズの光軸が基台設置面に略垂直となる上向き垂直姿勢との間で回転可能にカメラネック部を第2連結軸でカメラベース部に組み付けたことを特徴とする資料撮像装置。
【請求項2】
前記支柱を基台に対して傾倒可能に第3連結軸で基台に組み付けたことを特徴とする請求項1に記載の資料撮像装置。
【請求項3】
前記撮像カメラが基台設置面と略平行な面内において前記右水平姿勢又は前記左水平姿勢から基台後方へ約180度回動可能に前記支柱を前記基台に第4連結軸で回転可能に組み付けたことを特徴とする請求項1に記載の資料撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−222381(P2012−222381A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82419(P2011−82419)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】