説明

赤外線撮像装置、赤外線温度測定装置

【課題】 赤外線撮像装置の適用しうる様々な画像補正方式、検知器の諸元に対応可能な共通の補正手段を赤外線撮像装置に備える。
【解決手段】 赤外線撮像装置の製品検査時に、赤外線撮像装置の適用する画像補正方式及び検知器の諸元に従い、画素毎の信号処理回路に入力する検知器からの撮像画像輝度値、及び信号処理回路から出力する撮像輝度値の組合せをルックアップテーブル値として求めてルックアップテーブルに格納する。赤外線撮像装置の運用時に、輝度変換部において、ルックアップテーブルに格納されたルックアップテーブル値を参照することで、赤外線撮像装置の適用する画像補正方式及び検知器の諸元に見合った輝度変換を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は赤外線撮像装置、および赤外線撮像装置で撮像した被写体の温度を測定する赤外線温度測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
赤外線撮像装置は、ほとんどの場合、検知器素子に感度ばらつきなどが伴うため、検知器の画素毎の感度ばらつきを均一に補正するための画像補正の回路を具備し、画素毎の出力ばらつきを均一に補正した撮像画像を提供している。
赤外線撮像装置の画像補正回路は、画素毎に感度ばらつきを均一に補正するための感度補正データを格納するためのメモリ、及び、メモリに格納された感度補正データを読み出し、均一に補正するための所定の演算を行う補正回路から構成される(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の画像補正回路は、高温時と低温時の2つの基準温度とし、予め定められた高温時と低温時の温度における2つの温度源から得られた感度補正データを蓄積するメモリを備え、メモリに蓄積されている感度補正データに基づいて、任意の目標を撮影した際の撮像信号の感度補正を実施する。例えば、各画素の高温時と低温時との輝度レベルの差を集計して平均した平均値を基準にして、各画素の出力の輝度レベルの補正を行う。
また、特許文献2に記載の画像補正回路は、赤外線撮像装置の製品出荷前に、赤外線撮像装置の撮像する目標温度、赤外線撮像装置の環境温度を複数設定し、設定毎に検知器の画素の信号輝度及び1画面の平均信号輝度を観測しておく。この観測結果を用いて、画素毎の信号輝度が1画面の平均輝度値に合うように変換される補正係数データを算出する。そして、この補正係数データを格納するためのメモリを備え、各画素の撮像信号の信号輝度に対して1画面の平均輝度値に線形近似する所定の補正演算を行っている。
【0004】
一方、赤外線温度測定装置では、検知器素子で受けた赤外線のエネルギー量から、赤外線検出器の出力に対する赤外線検出器自身の熱、換言すると環境温度による影響を除去しなければ、測定対象物のみの赤外線放射に基づいた温度測定を行うことができず、環境温度による影響は測定対象物の測定誤差の要因となりうる。環境温度による影響を除去する方法として例えば、特許文献3、4が挙げられる。
【0005】
特許文献3に記載の環境温度による影響を除去する方法は、環境温度検出器、検出器の組合せによって特定される測定対象温度の変動特性を保持して、基準温度からの差分量を演算処理装置にて計測して、温度計測する方法である。この方法は、検知器の画素毎の感度出力ばらつきの影響を考慮していないため、検知器の画素毎の精度よい温度測定が期待できない問題、及び、演算処理装置で所望の温度測定処理を行うため、演算処理装置の処理性能に依存して、温度測定処理に時間がかかる問題があった。
一方、特許文献4に記載の環境温度による影響を除去する方法は、特許文献3における演算処理装置の変わりにアナログ回路(増幅器、加算器または減算器)を用いて簡易的に実施することを特徴とする。この方法は、演算処理装置に負荷を掛けずにその殆どをアナログ回路で動作させるため、温度測定処理に時間を要する問題は回避できるものの、アナログ処理で行うことに起因して、処理自体がアナログノイズの影響を受けやすい、アナログ回路性能の影響を受ける等で温度測定精度が劣化する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−337772号公報(図1)
【特許文献2】特開2010−216817号公報(図1)
【特許文献3】特開2001−004451号公報(図1)
【特許文献4】特開2006−053098号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の赤外線撮像装置の画像補正回路は、画素毎に感度ばらつき等を均一に補正するための補正データを格納するためのメモリと、このメモリに格納された補正データを読み出し、補正演算を行う演算回路から構成されていた。このため、適用する様々な画像補正の演算方式に応じて、対応する補正データ格納用のメモリや補正回路を準備する必要があるという課題があった。
また、赤外線撮像装置の画像補正方式が変わると、補正回路を新規に設計しなければならないという課題があった。
また、赤外線検知器を構成する画素数や、画像補正を行う画像データのビット幅といった、いわゆる、赤外線撮像装置の適用する検知器の諸元によっても、対応する補正データ格納用のメモリや補正回路を準備する必要があるという課題があった。
【0008】
また、従来の赤外線温度測定装置では、検知器の画素毎の精度よい温度測定が難しく、また、温度測定処理に時間がかかる等の課題があった。
【0009】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、様々な画像補正方式や検知器の諸元に対して新規に画像補正回路を設計することなく、画素毎の感度ばらつき等を補正可能な赤外線撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る赤外線撮像装置は、赤外線を検知して撮像を行う赤外線撮像装置であって、複数の赤外線検知画素を有し、赤外線を検知して前記赤外線検知画素ごとに輝度値である撮像画像信号を出力する赤外線検知部と、前記赤外線検知画素毎に、前記赤外線検知画素が出力する輝度値の各々に対して、出力ばらつきを補正する変換後の輝度値が格納されたルックアップテーブル(Lookup Table)と、前記ルックアップテーブルを参照し、前記赤外線検知画素が出力する輝度値の出力ばらつきを補正する輝度変換部とを備え、前記ルックアップテーブルはアドレス部とメモリ部からなり、前記アドレス部には前記赤外線検知画素のアドレスと前記赤外線検知画素の輝度値がアドレスとして割付けられ、前記メモリ部には前記アドレス部と関連付けされて前記変換後の輝度値が割付けられ、前記輝度変換部は前記ルックアップテーブルのアドレスを用いて、前記赤外線検知画素毎に、前記赤外線検知画素が出力する輝度値に関連付けされた前記変換後の輝度値を前記メモリ部から抽出し、当該変換後の輝度値を出力ばらつき補正後の輝度値として出力する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、赤外線撮像装置に適用される様々な画像補正方式や検知器の諸元に対し、新たに画像補正回路を設計することなく画素毎の補正を行うことができ、赤外線撮像装置のコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る赤外線撮像装置のルックアップテーブルの構成の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る赤外線撮像装置のルックアップテーブルの格納データの割当ての一例を示す図である。
【図4】実施の形態2に係る赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2に係る赤外線撮像装置のルックアップテーブルの格納データの割当ての一例を示す図である。
【図6】実施の形態3に係る赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3に係る赤外線撮像装置のルックアップテーブルの格納データの割当ての一例を示す図である。
【図8】実施の形態4に係る赤外線温度測定装置の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態4に係るルックアップテーブルにおける格納データの割り当ての例を説明する図である。
【図10】プランクの法則における波長を固定とした場合の絶対温度と分光放射輝度の関係を説明する図である。
【図11】実施の形態5に係る赤外線温度測定装置の温度変換の概念を説明する図である。
【図12】実施の形態5に係る赤外線温度測定装置を説明するブロック図である。
【図13】実施の形態5に係るルックアップテーブルにおける格納データの割り当ての例を説明する図である。
【図14】実施の形態6に係る赤外線温度測定装置を説明するブロック図である。
【図15】実施の形態6に係るメモリにおける格納データの割り当ての例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る赤外線撮像装置1aの構成を示すブロック図である。
赤外線撮像装置1は、目標からの赤外線を集光する赤外線レンズ2と、集光した赤外線を検知して撮像画像信号に電気変換する赤外線検知器3(以下、単に検知器3という)と、検知器3から出力される撮像画像信号の赤外線検知画素(以下、単に画素ともいう)毎の出力ばらつきを均一に補正して、補正後の映像信号を外部に出力する信号処理回路5aから構成される。
【0014】
信号処理回路5は、輝度変換部6aとルップアップテーブル(Lookup Table。以下、単にLUTともいう。)7aとから構成される。
LUT7aには、検知器3より出力する撮像画像信号の画素毎の出力ばらつきを均一に補正するため、予め、信号処理回路5aに入力される画素毎の撮像画像信号の輝度値に対して信号処理回路5より出力される画素毎の撮像画像信号の輝度値を求めておいた輝度値が格納されている。
輝度変換部6a(以下、信号補正部6aともいう)は、信号処理回路5aに入力される撮像画像信号の輝度値を、LUT7aに格納された輝度値を参照して撮像画像出力信号の輝度値に変換し、出力する。
【0015】
次に、実施の形態1に係る赤外線撮像装置1aの補正動作について説明する。
ここでは、検知器3から出力される撮像画像信号の画素毎の出力ばらつきを均一に補正する動作について説明する。
【0016】
LUT7aは、様々な検知器の諸元にも対応できるように、検知器3の取り得る最大の撮像画像データのビット幅に相当するアドレス部(メモリアドレス)と、最大のビット幅に相当する撮像画像データと、最大の全画素数を格納するメモリ部(メモリデータ)で構成される。図2に、LUT7の構成の一例を示す。
LUT7aのアドレス部(メモリアドレス)には、検知器3の画素アドレスと、その画素アドレスの画素に関し信号処理回路5に入力される撮像画像輝度値等が割付される。
また、LUT7のメモリ部(メモリデータ)には、画素アドレスの画素毎に、入力された撮像画像の輝度値に対応して信号処理回路5から出力される撮像画像の輝度値が割付される。
【0017】
このようにLUT7には、検知器3の画素毎に、信号処理回路5に入力する撮像画像の輝度値と、信号処理回路5が出力する撮像画像の輝度値の組合せ(以下、ルックアップテーブル値と呼ぶ)が格納される。
【0018】
図3は、LUT7の格納データの割当ての一例を示す図であり、例えば、検知器3の撮像画像データの最大ビット幅を12ビット、検知器3の最大全画素数を162144(水平画素512、垂直画素512)とした場合の画素毎のルックアップデータ値のメモリへの格納領域を示したものである。なお、赤外線撮像装置1の適用する画像補正の方式によっては、ルックアップテーブル値に加えて所定の種類のデータを格納する必要がある。
【0019】
図3のルックアップテーブルで、゛reserved゛はこの所定の種類のデータ設定を最大量記憶するための予約領域を示している。このときメモリ容量は約1100Tbyteとなるため、LUT7は例えば大容量のデータ格納可能なNAND型のROM(FLASHROM)を複数個用いて構成する。
LUT7に格納する画素毎のルックアップテーブル値は、赤外線撮像装置1aの製品出荷前の検査段階で、赤外線撮像装置1の適用する画像補正の方式に従い所定の演算により求め、LUT7aに格納しておく。
【0020】
以下では、ルックアップテーブル値の算出方法の一例として、特許文献1記載の画像補正演算方式に従った方法について説明する。
まず、画素毎に高温、低温温度源を撮像した際の差温度データを以下の算出式により算出する。
【0021】
【数1】

【0022】
ここで、lは検知器3の水平画素数、mは検知器3の垂直画素数 (このとき、検知器3の全画素数はl*mとなる) 、T1は高温側温度、T2は低温側温度、ΔTはその差温度、Sij(T1)、Sij(T2)、Sij(ΔT)は、それぞれ水平画素位置i(1≦i≦l), 垂直画素位置j(1≦j≦m)の高温データ、低温データ及びその差温度データである。
次に、(式1-11)〜 (式1-lm)で求めた差温度データの平均値S(ΔT)を以下の(式2)の算出式により求める。
【0023】
【数2】

【0024】
ここで、nは全画素数である。(式1-11)〜(式1-lm)で求めた差温度データと(式2) で求めた差温度データ平均値とから検出素子毎の温度補正係数k(11) 〜k(lm) を以下の算出式により求める。
【0025】
【数3】

【0026】
上記(式3-11)〜(式3-lm)により求めた温度補正係数k(11)〜k(lm)を信号処理回路5に入力される撮像信号輝度:SIijに対して、感度補正後の出力データ:SOijを得る。
【0027】
【数4】

【0028】
式(4-11)において、SI11は画素1の信号処理回路5に入力する撮像画像信号の輝度値であり、SO11は信号処理回路5より出力する撮像画像信号の輝度値である。
ここで、bを検知器3の画像データビット幅として、画素1の信号処理回路5に入力する撮像画像信号の輝度値を順に、0、1、・・・、2-1とした場合の各々のSO11を算出することで、ルックアップテーブル値を求める。なお、b、l、mは赤外線撮像装置1に適用する検知器の諸元によって決定する。
【0029】
上記と同様にして、LUT7aの画素2〜画素l×m領域に格納するルックアップテーブル値を求める。LUT7aへの格納は信号処理回路5に入力する撮像画像信号の輝度値をLUT7aのアドレス部(メモリアドレス)に、信号処理回路5に入力する撮像画像信号の輝度値に対する信号処理回路5より出力する撮像画像信号の輝度値を、上記メモリアドレスに対応させて格納する。
以上の手順によって、赤外線撮像装置1に適用する画像補正方式及び検知器の諸元に従い算出して得られたルックアップテーブル値を、LUT7aに格納する。
【0030】
信号処理回路5aにおける輝度変換部6aは、検知器3より出力される撮像画像輝度データが信号処理回路5aに入力される度にカウントアップ動作を行い、当該カウント値を検知器3より出力する撮像画像輝度の画素アドレスとして検出する。
輝度変換部6aに入力される画素毎の撮像画像輝度値より、検知器3の画素アドレスの撮像画素輝度値に値するLUT7aのメモリアドレスにおける出力撮像画像輝度を読み出して、入力撮像画像輝度値を出力撮像画像の輝度値に変換する。
【0031】
このように実施の形態1に係る赤外線撮像装置の信号処理回路5aは、輝度変換部6aとLUT7aを備え、LUT7aには、信号処理回路5aに入力される画素毎の撮像画像信号の輝度値(入力輝度値)に対応して、予め求めておいた、信号処理回路5aから出力される画素毎の撮像画像信号の輝度値(出力輝度値)が格納されている。
輝度変換部6aは画素毎の入力輝度値に対してLUT7aを参照することで、演算をすることなく直接、補正後の出力輝度値を取得することができるので、赤外線撮像装置1aの取りうる様々な検知器の諸元及び画像補正方式に従って検知器3より出力される撮像画像信号の画素毎の出力ばらつきを、均一に補正することができる。
【0032】
実施の形態2.
赤外線撮像装置の使用環境の温度が運用中に変化する場合は、使用環境温度をモニターし、使用環境の温度による影響を考慮して画素毎の出力ばらつきを均一に補正する画像補正方式を適用することが、補正精度の観点で望ましい。
実施の形態2では、赤外線撮像装置1の使用環境の温度をモニターし、画素毎の出力ばらつきを均一に補正する画像補正方式に対応するように、実施の形態1に対して温度センサ4(環境温度測定部)を追加して構成される。
【0033】
図4は実施の形態2に係る赤外線撮像装置1bの構成を示すブロック図である。
実施の形態2におけるLUT7bに格納するデータは、実施の形態1のLUT7aに、更に温度センサ4におけるレンズ温度の読み値が追加される。
【0034】
図5は温度センサ4の読み取ることができる最大の可動範囲を0〜210−1とした場合のLUT7bの格納データのメモリへの割り当ての一例を示した図である。
【0035】
以下では、ルックアップテーブル値の算出の一例として、特許文献2に記載された使用環境温度をモニターし、画素毎の出力ばらつきを均一に補正する画像補正方式に従った算出方法について説明する。
【0036】
ここでは、面黒体を用いた画素毎に3つの既知の撮像温度源、及びレンズ温度を既知の3つの温度に設定させ、その際の信号処理回路5に入力する撮像画像信号の輝度及び1画面平均信号輝度を観測する。
観測した値を用いて、各画素における補正係数を求めて、1画面の平均輝度値に線形近似する補正演算を行い、Xjを画素jにおける信号処理回路5に入力する撮像画像信号輝度、TSを信号処理回路5に入力するレンズ温度信号、XCjを画素jにおける信号処理回路5より出力する撮像画像信号輝度に、それぞれ対応させることでLUT7bに格納するルックアップテーブル値を算出する(以下の数5、数6参照)。
また、実施の形態1と同様に、赤外線撮像装置1bの適用する検知器3の諸元に従って、LUT7bに格納する全画素数、画像データ幅を設定する。
【0037】
【数5】

【0038】
【数6】

【0039】
赤外線撮像装置1bの運用の際は、実施の形態1と同様に、信号処理回路5bの輝度変換部6bは輝度変換部6bに入力される画素毎の撮像画像輝度値、及び温度センサで計測されるレンズ温度値より上記のLUT7bに格納されたルックアップテーブル値を読み出す。そして、使用環境温度をモニターし、均一に補正する画像補正方式及び検知器の諸元に見合った出力撮像画像の輝度値に変換する。
【0040】
このように実施の形態2に係る赤外線撮像装置は、使用環境温度をモニターする温度センサ4を備える。LUT7bのアドレス部(メモリアドレス)には、更に、使用環境温度に対応したデータが割り付けられ、データが格納される。
輝度変換部6は画素毎の入力輝度値、使用環境温度に対してルックアップテーブル値を参照することで、演算をすることなく直接、補正後の出力輝度値を取得することができるので、赤外線撮像装置1の取りうる様々な検知器の諸元、及び画像補正方式に従って検知器3より出力される撮像画像信号の画素毎の出力ばらつきを、均一に補正することができる。
【0041】
実施の形態3.
赤外線撮像装置の検知器3は、その製造工程における異物の付着などにより、参照される画素が異常輝度値を出力するような欠陥画素が生ずることがある。この場合、検知器3の出力する当該画素の出力に出力不良が発生し、その結果、映像出力の当該画素においてノイズや画像むらとして出力される。
実施の形態3では、検知器3に上記の欠陥画素があった場合でも、赤外線撮像装置から出力する画素毎の出力ばらつきを均一に補正する。
【0042】
図6は、実施の形態3による赤外線撮像装置1cの構成を示すブロック図で、実施の形態1や実施の形態2の信号処理回路5aまたは信号処理回路5bにLUT7aまたはLUT7bに欠陥画素情報を追加し、更に、輝度変換部6aでは欠陥画素アドレスに対する例外処理を追加して構成される。
欠陥画素のある画素アドレスに対して欠陥情報を格納する。
【0043】
実施の形態3におけるLUT7cに格納するデータには、実施の形態1または実施の形態2におけるデータに、更に欠陥画素情報が追加される。そして、実施の形態1または実施の形態2におけるルックアップテーブル値に加えて、輝度変換部6cの検出する検知器3の画素アドレスを基準として、欠陥画素のある画素アドレスに対して欠陥情報を格納する。
【0044】
図7は、検知器3の全画素数を262144(水平画素512、垂直画素512)とした場合のLUT7cに格納する欠陥情報の一例を示した図である。
【0045】
実施の形態3の輝度変換部6aは、検知器3より画素毎に入力される撮像画像データの度に、輝度変換部6aで検出された検知器3の画素アドレス、及びLUT7cで欠陥画素情報を参照し、検知器3の画素アドレスが欠陥画素有りの画素アドレスに等しい場合は入力される撮像画像データは欠陥画素による撮像画像データであると判断する。そして、輝度変換部6aは、当該画素の異常輝度の影響を受けないようにするために、欠陥画素アドレスの前後の画素アドレスにおける欠陥画素でない健全な撮像画像データに置き換える例外処理を行い、出力撮像画像として出力する。
【0046】
このように、実施の形態3に係る赤外線撮像装置は、LUT7に格納するデータとして欠陥画素情報を有する。
これにより、検知器3に欠陥画素があった場合についても適切な処理を行うことで、赤外線撮像装置から出力する画素毎の出力ばらつきを均一に補正することができる。
【0047】
実施の形態4.
図8は、実施の形態4に係る赤外線温度測定装置100dの構成を示すブロック図である。
赤外線温度測定装置100dは、目標からの赤外線を集光する赤外線レンズ2、集光した赤外線を検知して撮像画像信号に電気変換する検知器3(赤外線検知器)、赤外線温度測定装置1の環境温度を測定する温度センサ4、信号処理回路5dから構成される。
信号処理回路5dは、赤外線温度測定装置1が適用しうるいかなる検知器の諸元及び画像補正方式に対応し、検知器3の画素毎の出力ばらつきの影響と、環境温度による影響を共に除去する。具体的には、信号処理回路5dは、検知器3より出力する撮像画像信号の赤外線検知画素(以下、単に画素という)毎の出力ばらつきを均一に補正するように輝度変換を行う輝度変換部6dと、輝度変換部6dで用いられる輝度変換用ルックアップテーブル値を格納したルックアップテーブル7dと、補正後の画素毎の輝度値より被写体の温度に見合った温度に変換する温度測定部8dと、及び温度測定用係数を格納する温度測定用メモリ9dから構成される。
ここで輝度変換部6dと温度測定部8dについては演算処理装置を用いず、高速クロックで同期処理可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いる。
【0048】
ルックアップテーブル7dは、実施の形態1で説明したルックアップテーブルと同じ構成のものであり、赤外線温度測定装置100dが適用する検知器諸元にも対応できるように、検知器3のとりうる最大の撮像画像データのビット幅に相当するメモリアドレスのアドレス深さと、最大のビット幅に相当する撮像画像データ、最大の全画素数を格納するメモリで構成される。
図9は、画素毎の輝度変換用ルックアップデータ値のメモリへの格納領域を示した図である。一例として検知器3の撮像画像データの最大ビット幅を12ビット、検知器3の最大全画素数を262144(水平画素数512、垂直画素数512)、温度センサ4が読み取ることができる最大の可動範囲を例えば0〜210−1とした場合の格納領域の例を示す。このようにルックアップテーブル7dには、各画素における輝度変換部6dへ入力する撮像画像輝度値と、輝度変換部6dより出力する撮像画像輝度値の組合せが格納される。ルックアップテーブル7dのメモリ容量は数千[Tbyte]と見込まれるため、ルックアップテーブル7dは大容量のデータを格納可能なNAND型のFLASHROMを複数個用いるなどして構成される。
なお、ルックアップテーブル7dに格納される画素毎の輝度変換用ルックアップテーブル値は、赤外線温度測定装置100dの工場出荷前に、赤外線温度測定装置100dが適用する検知器出力ばらつき補正の方式に従って所定の演算によって求め、ルックアップテーブル7dに格納しておく。
【0049】
ルックアップテーブル値の算出については、例えば実施の形態2において説明したように、特許文献2に記載された使用環境温度をモニターし、画素毎の出力ばらつきを均一に補正する画像補正方式に従い算出する。
【0050】
赤外線温度測定装置100dを運用する際は、輝度変換部6dは輝度変換部6dに入力される画素毎の撮像画像輝度値と及び温度センサ4で計測されるレンズ温度値をルックアップテーブルの読み出し先のメモリアドレスとして、ルックアップテーブル7dから格納されている輝度変換用ルックアップテーブル値を読み出す。
このようにして輝度変換部6dは、入力された輝度信号を、赤外線温度測定装置100dが適用する出力ばらつきの補正方式及び検知器の諸元に見合った出力撮像画像の輝度信号に変換して出力する。
【0051】
次に、温度測定部8dが輝度変換部6dより出力される輝度変換後の輝度信号に基づき、被写体の温度に見合った温度を計測する動作について説明する。
【0052】
温度測定用メモリ9dには、予め、赤外線温度測定装置100dを工場から出荷する時点で後述の方法により求めておいた温度変換式の係数の値を格納しておく。
輝度変換部6dにおける輝度変換後の輝度信号から目標温度への温度変換は、数7に示すプランクの法則における輝度から温度を求めることと等価である。
検知器3の受光する赤外線の波長帯は3〜5μm帯のように固定であるため、プランクの法則において波長帯を固定にすると、例えば図10のように、温度と輝度の関係は概ね直線の関係になる。
【0053】
したがって、輝度変換部6dにおける輝度変換後の輝度信号から目標温度への温度変換を数8に示す線形式で表すことができる。
予め、面黒体を用いた3つの既知の撮像温度源、及び恒温槽内赤外線温度測定装置100dの設置、槽内の温度設定によるレンズ温度の既知の3つの温度に設定させておく。その際の輝度変換部6dに入力する1画面平均信号輝度を観測し、それらの観測した値を用いて、数8における温度変換係数を算出する。
数9に温度変換式における温度変換係数の算出式を示す。図11は赤外線温度計測装置の温度変換式の概念を示したものである。
【0054】
【数7】

【0055】
【数8】

【0056】
【数9】

【0057】
赤外線温度測定装置100dの運用時には、温度測定部8dでは輝度変換部6dより出力される画素毎の撮像画像輝度値と、温度測定用メモリ9dより読み出す温度測定用係数を用いて、数8に基づく演算を行うことで、画素毎に、被写体の温度に見合った温度に変換する温度情報を出力する。
【0058】
以上のように、実施の形態4に係る赤外線温度測定装置100dは、共通の信号処理回路5dを用いて、赤外線温度測定装置1が適用する検知器出力ばらつき補正方式や、検知器3の諸元に対応して、検知器3の画素毎の出力ばらつきの影響と、環境温度による影響を共に除去し、画素毎の検知器出力ばらつきを均一に補正することができる。
更に、補正後の撮像画像に対して、検知器の画素毎に撮像画像の輝度値に見合った温度計測を行うことができる。
【0059】
実施の形態5.
検知器3では、製造工程における異物の付着などにより、参照される画素が異常輝度値を出力するような欠陥画素が生ずることがある。この場合、検知器3にて出力する当該画素の出力に出力不良が発生し、その結果、映像出力の当該画素において、ノイズや画像むらとして出力される。
実施の形態5に係る赤外線温度測定装置100eは、検知器3に上記の欠陥画素があった場合においても、赤外線温度測定装置から出力する画素毎の出力ばらつきを均一に補正し、当該画素において温度の測定ができることを目的としたものである。
【0060】
図12は、実施の形態5に係る赤外線温度測定装置100eの構成を示すブロック図である。実施の形態5では、実施の形態4で説明したルックアップテーブル7に欠陥座標が追加され、また、輝度変換部6eでは欠陥画素アドレスに対する例外処理が追加される。
【0061】
ルックアップテーブル7eでは、赤外線温度測定装置100eの工場出荷前に、実施の形態4における輝度変換用ルックアップテーブル値に加えて、輝度変換部6eの検出する検知器3の画素アドレスを基準として、欠陥画素のある画素アドレスに対して欠陥情報を格納する。
図13は、検知器3の全画素数を262144とした場合の欠陥画素アドレス記憶部に格納する欠陥情報の一例である。
輝度変換部6eでは、実施の形態4に対して検知器3より画素毎に入力される撮像画像データの度に、輝度変換部6eで検出された検知器3の画素アドレス及び、ルックアップテーブル7eで欠陥画素情報を参照する。
そして、検知器3の画素アドレスが欠陥画素有りの画素アドレスに等しい場合は、入力される撮像画像データは欠陥画素による撮像画像データであるとして、当該画素の異常輝度の影響を受けないようにするために、輝度変換部6eでは実施の形態4に示す撮像画像の輝度変換を行わず、欠陥画素アドレスの前後の画素アドレスにおける欠陥画素でない健全な撮像画像データに置き換える例外処理を行い、出力撮像画像として出力する。
この結果、検知器3に欠陥画素があった場合についても、赤外線温度測定装置100eから出力する画素毎の出力ばらつきを均一に補正することができ、当該画素において温度測定を行うことができる。
【0062】
実施の形態6.
高温目標を撮像する場合、目標の放射する赤外線量は多くなるが、一方で赤外線検知器で受光して電気変換する赤外線量は飽和してしまう。このため、高温目標の正しい温度を測定できないという問題が生ずる。
この問題を解決するために、実施の形態6に係る赤外線温度測定装置100fは、予め検知器3の前面に光学減衰フィルタを内蔵したフィルタチェンジャー10を実装し、高温目標を撮像する際には、光学減衰フィルタが検知器3の前面になるようにフィルタチェンジャー10を駆動させ、その際に光学減衰フィルタの減衰作用により検知器3に受光させる赤外線量を減衰させる。
これにより、高温目標の放射する赤外線量を検知器3において飽和して電気変換させることなく、この結果、測定可能な撮像目標の温度レンジを広げて、撮像目標の温度レンジに見合った温度測定を効果的に行うことを特徴にしたものである。
光学減衰フィルタの数量は撮像目標の温度レンジに対応させて、フィルタチェンジャー10に装着可能な必要枚数分フィルタチェジャー10に実装させてもよい。
【0063】
図14は、実施の形態6を示す赤外線温度測定装置100fの機能ブロック図である。
実施の形態5の赤外線温度測定装置100eと比較し、信号処理回路4内にフィルタ駆動部11、及び、検知器3の前面にフィルタチェンジャー10が追加され、予めフィルタチェンジャー10に光学減衰フィルタが1枚装着される例である。
【0064】
次に、動作について説明する。外部からのフィルタ位置指令によって、フィルタ駆動部11において、フィルタ位置の制御信号がフィルタチェンジャー10に送信され、その結果、光学減衰フィルタのある位置が検知器3の前面となるようにフィルタチェンジャー10が駆動される。
温度測定用メモリ9fでは赤外線温度測定装置100fの工場出荷前に、実施の形態4または実施の形態5における温度測定用係数に加えて、光学減衰フィルタが検知器3の前面に配置時の温度測定用係数を追加格納する。追加格納するデータはメモリの格納先のアドレスを分けて格納しておく。メモリにおける格納データの割り当ての例を図15に示す。
【0065】
次に、光学減衰フィルタが検知器3の前面に配置時の温度測定用係数の算出方法について説明する。
赤外線温度測定装置100fの工場出荷前に、光学減衰フィルタが検知器3の前面に配置しない場合(以後、この状態を光学減衰フィルタと区別するためダミーフィルタと称する)と同様の算出方法であり、予め光学減衰フィルタを検知器3の前面に配置させ、その状態で、面黒体と恒温槽内の赤外線温度測定装置100fの設置、温度設定による3つの既知の撮像温度源、及びレンズ温度を既知の3つの温度に設定させ、その際の輝度変換部6fに入力する1画面平均信号輝度を観測し、それらの観測した値を用いて、数9に従い光学減衰フィルタが検知器3の前面に配置時の温度変換係数を算出する。
【0066】
温度測定部8fでは、赤外線温度測定装置100fの運用時には、輝度変換部6fより出力される画素毎の撮像画像輝度値、外部からのフィルタ位置指令に応じて、温度測定用メモリ9fより読み出す光学減衰フィルタ用温度測定用係数またはダミーフィルタ用温度測定用係数を用いて、数8に基づく演算を行うことで、画素毎に、検知器3の前面に配置されたフィルタ状態に見合い、被写体の温度に見合った温度に変換する温度情報を出力する。
これにより、高温目標を撮像する場合で目標の放射する赤外線量が多い場合であっても、赤外線検知器で受光して電気変換する赤外線量の飽和を防止でき、高温目標の正しい温度を測定できる。
【0067】
以上のように、高温目標撮像時に、測定可能な撮像目標の温度レンジを広げて、撮像目標の温度レンジに見合った温度測定を効果的に行うことができる。
【符号の説明】
【0068】
1a〜1d 赤外線撮像装置、2 赤外線レンズ、3 検知器、4 温度センサ、5a〜5f信号処理回路、6a〜6f 輝度変換部(信号補正部)、7a〜7f ルックアップテーブル、8d〜8f 温度測定部、9d〜9f 温度測定用メモリ、10 フィルタ、11 フィルタ駆動部、100d〜100f 赤外線温度測定装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線を検知して撮像を行う赤外線撮像装置であって、
複数の赤外線検知画素を有し、赤外線を検知して前記赤外線検知画素ごとに輝度値である撮像画像信号を出力する赤外線検知部と、
前記赤外線検知画素毎に、前記赤外線検知画素が出力する輝度値の各々に対して、出力ばらつきを補正する変換後の輝度値が格納されたルックアップテーブル(Lookup Table)と、
前記ルックアップテーブルを参照し、前記赤外線検知画素が出力する輝度値の出力ばらつきを補正する輝度変換部と、
を備え、
前記ルックアップテーブルはアドレス部とメモリ部からなり、前記アドレス部には前記赤外線検知画素のアドレスと前記赤外線検知画素の輝度値がアドレスとして割付けられ、前記メモリ部には前記赤外線検知画素のアドレスと前記赤外線検知画素の輝度値からなる前記アドレス部と関連付けされて前記変換後の輝度値が割付けられており、
前記輝度変換部は前記ルックアップテーブルのアドレスを用いて、前記赤外線検知画素毎に、前記赤外線検知画素が出力する輝度値に関連付けされた前記変換後の輝度値を前記メモリ部から抽出し、当該変換後の輝度値を出力ばらつき補正後の輝度値として出力することを特徴とする赤外線撮像装置。
【請求項2】
環境温度を測定する温度センサを備え、
前記アドレス部には環境温度が追加で割付けられ、前記メモリ部には前記赤外線検知画素のアドレスと前記赤外線検知画素の輝度と前記環境温度からなる前記アドレス部と関連付けされて前記変換後の輝度値が割付けられていることを特徴とする請求項1記載の赤外線撮像装置。
【請求項3】
前記ルックアップテーブルは、前記アドレス部と関連付けされた、前記赤外線検知画素の各々が欠陥画素であるか否かを示す欠陥画素情報を備え、
前記輝度変換部は前記欠陥画素情報が欠陥画素を示す情報であった場合に、欠陥と示された赤外線検知画素の輝度値を、前記欠陥と示された赤外線検知画素の周囲にあって欠陥でない赤外線検知画素の輝度値を用いて修復することを特徴とする請求項1、2いずれか記載の赤外線撮像装置。
【請求項4】
目標物からの赤外線を検知して撮像を行う赤外線撮像装置であって、
複数の赤外線検知画素を有し、赤外線を検知して前記赤外線検知画素ごとに輝度値である撮像画像信号を出力する赤外線検知部と、
前記赤外線検知画素毎に、前記赤外線検知画素が出力する輝度値の各々に対して、出力ばらつきを補正する変換後の輝度値が格納されたルックアップテーブル(Lookup Table)と、前記ルックアップテーブルを参照し、前記赤外線検知画素が出力する輝度値の出力ばらつきを補正する輝度変換部と、輝度値を温度値に変換する温度測定用係数を格納する温度測定用メモリと、前記輝度値に基づき温度を測定する温度測定部と、からなる信号処理回路と、
を備え、
前記ルックアップテーブルはアドレス部とメモリ部からなり、前記アドレス部には前記赤外線検知画素のアドレスと前記赤外線検知画素の輝度値がアドレスとして割付けられ、前記メモリ部には前記赤外線検知画素のアドレスと前記赤外線検知画素の輝度値からなる前記アドレス部と関連付けされて前記変換後の輝度値が割付けられており、
前記輝度変換部は前記ルックアップテーブルのアドレスを用いて、前記赤外線検知画素毎に、前記赤外線検知画素が出力する輝度値に関連付けされた前記変換後の輝度値を前記メモリ部から抽出し、当該変換後の輝度値を出力ばらつき補正後の輝度値として出力し、
前記温度測定部は、前記温度測定用メモリから前記温度測定用係数を抽出して、前記温度測定用係数と前記変換後の輝度値に基づき前記目標物の温度を測定することを特徴とする赤外線温度測定装置。
【請求項5】
前記ルックアップテーブルは、前記アドレス部と関連付けされた、前記赤外線検知画素の各々が欠陥画素であるか否かを示す欠陥画素情報を備え、
前記輝度変換部は前記欠陥画素情報が欠陥画素を示す情報であった場合に、欠陥と示された赤外線検知画素の輝度値を、前記欠陥と示された赤外線検知画素の周囲にあって欠陥でない赤外線検知画素の輝度値を用いて修復することを特徴とする請求項4記載の赤外線温度測定装置。
【請求項6】
前記赤外線検知部の前面に光学減衰フィルタを挿入するためのフィルターチェンジャーと、前記フィルターチェンジャーを駆動するフィルタ駆動部を備え、
前記温度測定部は、前記赤外線検知部の前面に挿入する光学減衰フィルタの減衰量に応じて前記目標物の温度を測定することを特徴とする請求項4、5いずれか記載の赤外線温度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−213130(P2012−213130A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241018(P2011−241018)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】