説明

車両の制御装置及び動力伝達機構の試験装置

【課題】摩擦締結要素の固着等が生じるより前段階において、動力伝達機構内の異常を早期に検知すること。
【解決手段】駆動源Eと、締結状態を切換可能な摩擦締結要素を有し、前記駆動源Eからの動力を駆動輪側に出力する動力伝達機構5と、前記摩擦締結要素の締結状態を制御する制御手段と、動力伝達機構内の臭い成分を検出する臭い成分検出手段13と、臭い成分検出手段によって検出された臭い成分に基づいて、動力伝達機構の故障を予測する故障予測手段10aとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達機構の故障を予測する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の故障、特に車両の動力伝達機構に備えられた摩擦締結要素の意図せぬ締結が発生した場合、インターロック故障が発生する。これを検知するために、動力伝達機構の変速比や、車両の減速度等を用いて故障判定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−232355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の車両にあっては、急減速が発生した時点で故障を判定しているため、運転性が悪化するという問題があった。また、摩擦締結要素は紙を原料にした摩擦材で作られている。特許文献1に記載された判定を行った時点では、既にこの摩擦材は大部分がプレートから剥離してしまうため、剥離した摩擦材によってストレーナが詰まる等の問題も生じていた。この結果、2次的な故障を引き起こして交換部品の増加に繋がるおそれがあり、より早期に判定もしくは検知することが望まれていた。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、動力伝達機構内の異常を早期に検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、動力伝達機構内の臭い成分を検出する臭い成分検出手段と、臭い成分検出手段によって検出された臭い成分に基づいて、動力伝達機構の故障を予測する故障予測手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本願発明にあっては、クラッチプレート等の固着異常が生じる前に動力伝達機構内の異常を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の構成を表す概略図である。
【図2】実施例1のFR型の前進7速後退1速を達成する自動変速機の構成を表すスケルトン図である。
【図3】実施例1の自動変速機用歯車変速装置での前進7速後退1速の締結作動表を示す図である。
【図4】実施例1の故障予測制御処理を表すフローチャートである。
【図5】実施例1の変形例を表す概略図である。
【図6】実施例2の台上試験装置に自動変速機を搭載した状態を表す概略図である。
【図7】実施例2の故障予測部における耐久試験継続監視制御処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
図1は本発明の車両の制御装置を搭載した実施例1の構成を表す概略図である。エンジンもしくはモータ等の駆動源Eから伝達された駆動力は、コンバータハウジング1内に収装されたトルクコンバータ4からインプットシャフトInputに出力される。インプットシャフトInputに伝達された駆動力は、変速機ケース2内に収装された変速機構5において適宜変速され、アウトプットシャフトOutputに出力することで図外の駆動輪を駆動する。尚、トルクコンバータ4や変速機構5を総称して動力伝達機構と記載する。
変速機構5の下方には変速機構5に備えられた複数の摩擦締結要素であるクラッチ及びブレーキに対し、締結・解放用の制御油圧を供給するコントロールバルブユニット6が備えられている。変速機ケース2の下方は開口されており、この開口にはオイルパン3が取り付けられ、開口を封止する。オイルパン3内には所定油面高さとなる一定量の油が貯留されており、コントロールバルブユニット6の下方が常時、油に浸されている。この油は、潤滑油、作動油、冷却油としての役割を果たす。
オイルパン3の側壁を構成する部分であって、油面高さよりも高い位置には臭いセンサ13が取り付けられている。この臭いセンサ13は変速機ケース2内の臭い成分を検出する。このように、オイルパン近傍に臭いセンサ13を配置することで、変速機内の油が発する臭い成分を効率よく検知する。
【0009】
自動変速機の作動状態を制御するATコントロールユニット10は、臭いセンサ13の検出信号に加え、少なくとも運転者のアクセルペダル開度を検出するAPOセンサ11及び車速を検出する車速センサ12の検出信号を入力し、コントロールバルブユニット6内に備えられたソレノイドバルブ等に駆動信号を出力して、走行状態に応じた変速状態を達成する。また、ATコントロールユニット10内には臭いセンサ13の検出信号等に基づいて自動変速機の故障を予測する故障予測部10aを有し、予測された故障に応じて運転者に交換時期を報知する交換時期ランプ14の点灯、もしくは早期に対応が必要な異常を報知するフェールランプ15の点灯を行う。
【0010】
図2は実施例1のFR型の前進7速後退1速を達成する自動変速機の構成を表すスケルトン図である。入力軸Input側から軸方向出力軸Output側に向けて、第1遊星ギヤセットGS1(第1遊星ギヤG1,第2遊星ギヤG2),第2遊星ギヤセットGS2(第3遊星ギヤG3及び第4遊星ギヤG4)の順に配置されている。また、摩擦締結要素として複数のクラッチC1,C2,C3及びブレーキB1,B2,B3,B4,B5が配置されている。また、複数のワンウェイクラッチF1,F2,F3が配置されている。各クラッチC1,C2,C3は回転要素間を連結し、各ブレーキB1,B2,B3,B4,B5は、変速機ケース2に対して各回転要素を係止することで停止させる。尚、実施例1のクラッチやブレーキは多板式であり、回転要素同士の間もしくは変速機ケース2との間において、それぞれに設けられた円環状のクラッチプレートが複数交互に重ね合わせられ、ピストンの押圧力によって両回転要素等を締結する。クラッチプレートの表面であって摩擦が生じる部分には、紙を原料にした摩擦材が貼り付けられている。以下、クラッチ及びブレーキを総称して摩擦締結要素と記載する。
【0011】
図3は実施例1の自動変速機用歯車変速装置での前進7速後退1速の締結作動表を示す図である。前記各クラッチ及び各ブレーキB1,B2,B3,B4,B5には、図3の締結作動表に示すように、前進7速後退1速の各変速段にて締結圧(○印)や解放圧(無印)を作り出すコントロールバルブユニット6が接続されている。この締結作動表に従って各クラッチ及びブレーキが制御されることで、各変速段を達成する。
【0012】
(故障予測制御処理)
次に、故障予測部10aにおいて実行される故障予測制御処理について説明する。実施例1のような自動変速機を備えた構成の場合、複数の摩擦締結要素の締結・解放の組み合わせによって変速段を達成する。このとき、摩擦締結要素の摩擦材が劣化することでクラッチプレート表面から剥がれ落ち始める。摩擦材の無い状態でクラッチプレートの間に相対回転が生じると、金属同士が高速で相対回転することになるため、クラッチプレートは高温となり溶融し、固着等を引き起こす虞がある。固着等が生じると、ある変速段において意図しない摩擦締結要素の締結もしくは引き摺りが発生し、インターロックを引き起こす。
従来、インターロックを検出したときには、摩擦締結要素やコントロールバルブユニット内での故障と判断して種々の急減速回避制御等を実行している。しかし、実際にインターロックを検出した時点では、既にクラッチプレートの固着が生じ始めている段階であり、高温が生じることで、クラッチプレート間だけでなく、クラッチプレートと回転要素のスプライン嵌合部との間でも固着が生じるおそれがあり、その時点で部品交換等を行うといっても極めて大掛かりな修理が必要となる。また、摩擦材は紙を原料としており、剥離したとしても溶融するものではない。よって、剥離した摩擦材が変速機内を行き交い、オイルパン3内に滞留した場合には、油吸い込み口であるストレーナ等を詰まらせるおそれがある。そうすると、油圧を発生できない状態となり、2次的な故障を引き起こして更に大掛かりな部品交換を行う必要がある。そこで、実施例1では、臭いセンサ13を設置し、インターロック等の故障が生じる前に異常状態を予測する故障予測部10aを設けることとした。
【0013】
ここで、臭いセンサとは、主に金属酸化物半導体から構成されており、空気中に含まれる分子の酸化還元反応を利用して空気中に含まれる成分の濃度や成分比率を特定するものである。実施例1では一つの臭いセンサ13を用いた構成を示しているが、複数種の金属酸化物半導体を備え、これらの検出値の複合的な判断に基づいて臭い成分を特定してもよく、特に限定しない。
発明者の研究の結果、摩擦締結要素の耐久性の低下に比例して変速機の油の劣化も進行するという因果関係が認められた。更に、油の劣化と油が発する臭い成分との間には比例関係があることが判明した。言い換えると、臭い成分は、摩擦締結要素に異常が発生すると、正常な状態とは異なる臭い成分(もしくは、空気中に含まれる成分組成)に変化する。尚、異常が生じそうな摩擦締結要素の潤滑に使用された油の温度が上昇して劣化し、この際に正常な状態とは異なる臭い成分を発すると推定される。この知見に基づいて、変速機内の油の劣化状態毎に定められた臭い成分データを予め故障予測部10a内に格納しておき、検出された臭い成分と比較することで油の劣化状態から摩擦締結要素の異常(焼けの発生)を予測するものである。
【0014】
図4は実施例1の故障予測制御処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、臭いセンサ検出値に基づいて油の劣化判断を実行する。具体的には、予め故障予測部10a内に格納された臭い成分データと、検出された臭い成分と比較することで油の劣化状態を検出する。
【0015】
ステップS2では、検出された臭い成分が、オイル交換をしたほうが望ましいと考えられる所定劣化状態を表しているか否かを判断し、劣化していないと判断したときはステップS1へ戻り、臭い成分の検出を繰り返す。一方、劣化したと判断したときはステップS3に進み、交換時期ランプ14を点灯する。これにより、運転者は大きな異常や故障が生じる前に適切なタイミングでオイル交換することができる。
【0016】
ステップS4では、臭いセンサ検出値に基づいてクラッチプレートの焼け判断を実行する。摩擦締結要素のクラッチプレートにおいて摩擦材が剥離し、クラッチプレートが焼け始めると、クラッチプレートそのもの、あるいは油が特有の臭いを発生する。よって、臭いセンサ13により臭い成分を検出し、予め備えられたクラッチプレートの焼けを表す臭い成分データと比較する。尚、この焼けは油の劣化と因果関係が認められるため、油の劣化が激しく進んでいることで焼けが生じる状態を表す臭い成分データと比較する構成としてもよい。
ステップS5では、検出された臭い成分が予め定められた臭い成分データとの比較によりクラッチプレートの焼けを生じており、早期に部品交換をしたほうが望ましいと考えられる所定焼け状態を表しているか否かを判断し、焼けが生じていないと判断したときはステップS1に戻り、臭い成分の検出を繰り返す。一方、焼けが生じていると判断したときはステップS6に進み、フェールランプ15を点灯する。これにより、運転者はクラッチプレートの焼けからクラッチプレートの固着もしくはストレーナの詰まりといった二次的な故障を生じる前に部品交換を行うことができる。
【0017】
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)駆動源Eと、締結状態を切換可能な摩擦締結要素を有し、駆動源Eからの動力を駆動輪側に出力する動力伝達機構(トルクコンバータ4や変速機構5)と、摩擦締結要素の締結状態を制御する制御手段であるATコントロールユニット10と、動力伝達機構に設けられ、動力伝達機構内の臭い成分を検出する臭い成分検出手段である臭いセンサ13と、臭いセンサ13によって検出された臭い成分に基づいて、動力伝達機構の故障を予測する故障予測部10aと、を備えた。
すなわち、動力伝達機構内に滞留している臭い成分に基づいて車両の故障を予測するようにしたため、摩擦締結要素の焼けや剥離の変化し始めを検出することが可能となり、摩擦締結要素が固着してインターロックもしくは予期せぬ摩擦抵抗の増大が生じる前に、故障を検出することができる。また、早期に故障を発見できるため、摩擦材がストレーナ等に詰まることによる二次故障等を予防することができる。
【0018】
(2)故障予測部10aは、動力伝達機構の油の劣化状態毎に定められた臭い成分データを予め備え、この臭い成分データと検出された臭い成分とを比較することにより故障を予測することとした。摩擦締結要素の耐久性の低下に比例して変速機の油の劣化も進行するという点に着眼し、変速機内の油の劣化状態毎の臭い成分データを持ち、このデータと比較するため、容易に、かつ適切に予測することができる。
【0019】
(3)臭いセンサは、変速機構5の下方に配置されたオイルパン近傍に配置されている。すなわち、摩擦締結要素の耐久性の低下に比例して変速機の油の劣化も進行するという点に着眼し、臭い成分の発生源であるオイルが貯留されたオイルパン3近傍に臭いセンサ13を設けることで、予測精度の向上を図ることができる。
【0020】
(変形例)
ここで、実施例1の変形例について説明する。図5は実施例1の変形例を表す概略図である。実施例1では臭いセンサ13をオイルパン3に配置し、油面に近い位置で臭い成分を検出していた。これに対し、変形例では、エアブリーザ7の通路上に臭いセンサ13を配置した点が異なる。エアブリーザ7とは、変速機内での温度変化等によって内部空気圧の上昇を抑制するために外気と流通するための空気流通経路である。ここで、エアブリーザ7は外気と連通していることから、変速機内での油の飛散によって油が外部に流出しないようラビリンス構造等を備えている。このエアブリーザ7の空気流通経路上に臭いセンサ13を配置することで、臭いセンサ13への油飛散を抑制することができ、臭いセンサ13の耐久性を向上するものである。更に、臭い成分を含んでいるエアの流れを利用できるため、検出精度の低下も抑制できる。他の作用効果については実施例1と同じであるため、説明を省略する。
【0021】
(4)臭いセンサ13は、動力伝達機構のケース内部とケース外部とを結ぶエアブリーザ通路に配置されている。よって、エアの流れを利用して効率よく臭い成分を検出することができ、予測制度の低下を抑制できる。また、エアブリーザ通路はラビリンス構造となっていることから油が飛散しにくいため、臭いセンサ13への油の飛散を抑制することができ、臭いセンサ13の耐久性を向上することができる。
【実施例2】
【0022】
次に、実施例2について説明する。実施例1にあっては車両に搭載された自動変速機に臭いセンサ13を設置した例を示した。これに対し、実施例2では、自動変速機の開発プロセスにおいて耐久試験等を行うための台上実験装置において、臭いセンサ13による異常検出を行うものである。
【0023】
図6は実施例2の台上試験装置に自動変速機を搭載した状態を表す概略図である。試験台102上には自動変速機が固定設置されている。駆動源としては多様な出力状態を再現できるモータ100が設置され、自動変速機のトルクコンバータ4に接続されている。また、出力軸Outputは多様な負荷状態を再現できる負荷再現装置101に接続されている。試験コントローラ103は、予め設定された走行状態再現プログラムに従い、モータ100、コントロールバルブユニット6及び負荷再現装置101に指令信号を出力する。尚、この試験では、連続運転による各部品が受ける影響等をモニタリングする複数のセンサ等を別途備えてもよい。
また、試験コントローラ103内には、故障予測部10aが設けられ、自動変速機のオイルパン3に取り付けられた臭いセンサ13の検出値に基づいて、油の劣化状態や焼けの発生等を予測し、耐久試験を継続するか否かを判定する。尚、臭いセンサ13を搭載していないコンベンショナルな自動変速機において、臭いセンサ13付きのオイルパンを取り付け、台上試験用の自動変速機として構成する。
【0024】
図7は実施例2の故障予測部における耐久試験継続監視制御処理を表すフローチャートである。本制御処理は、耐久試験の開始と共に並列処理によって実行され、所定の条件を満たしたときには強制的に耐久試験を中止して所定の修理や検査等を要求するものである。
ステップS10では、臭いセンサ13の検出値に基づいて異常判断を行う。この異常判断とは、耐久試験を続行するにあたり、摩擦締結要素の焼けや剥離の変化し始めを検出するものであり、予め備えられた摩擦材の焼けを表す臭い成分データと比較する。
ステップS20では、検出された臭い成分が予め定められた臭い成分データとの比較により摩擦材の焼けを生じており、早期に部品交換をしたほうが望ましいと考えられる所定焼け状態を表しているか否かを判断し、焼けが生じていないと判断したときはステップS30に進み、耐久試験を継続する。一方、焼けが生じていると判断したときはステップS40に進み、耐久試験を中止する。そして、ステップS50に進み、フェーシング交換作業を行うように画面表示等を通じて報知する。これにより、試験者は摩擦材の焼けからクラッチプレートの固着もしくはストレーナの詰まりといった二次的な故障を生じる前に部品交換を行うことができ、効率的に耐久試験を継続することができるものである。
【0025】
(5)多様な出力状態を再現するモータ100と、多様な負荷状態を再現できる負荷再現装置101と、締結状態を切換可能な摩擦締結要素を有し、モータ100からの動力を負荷再現装置101に出力する動力伝達機構と、モータ100の出力状態,負荷再現装置101の負荷状態及び摩擦締結要素の締結状態を制御する試験コントローラ103と、動力伝達機構に設けられ、動力伝達機構内の臭い成分を検出する臭いセンサ13と、臭いセンサ13によって検出された臭い成分に基づいて、動力伝達機構の故障を予測する故障予測部10aと、を備えた。
【0026】
よって、耐久試験中に摩擦締結要素が固着する前段階で異常を検知することができ、耐久試験において摩擦締結要素の固着等を防止することができる。また、クラッチプレート等を交換するのみで耐久試験を継続することができ、効率よく耐久試験を行うことができる。尚、実施例2では、オイルパン3内に臭いセンサ13を配置したが、実施例1の変形例に示すように、エアブリーザ7の通路に配置してもよい。また、それ以外に配置スペースがある場合は、それらから適宜選択しても良い。これにより、実施例1と同様の作用効果が得られる。また、実施例では、動力伝達機構内の故障を検知することとしたが、例えばエンジンやモータ等の故障を検知する上で、臭いセンサを用いることとしてもよい。
【符号の説明】
【0027】
2 変速機ケース
3 オイルパン
5 変速機構
6 コントロールバルブユニット
7 エアブリーザ
10 ATコントロールユニット
10a 故障予測部
13 臭いセンサ
14 交換時期ランプ
15 フェールランプ
100 モータ
101 負荷再現装置
102 試験台
103 試験コントローラ
E 駆動源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と、
締結状態を切換可能な摩擦締結要素を有し、前記駆動源からの動力を駆動輪側に出力する動力伝達機構と、
前記摩擦締結要素の締結状態を制御する制御手段と、
前記動力伝達機構に設けられ、前記動力伝達機構内の臭い成分を検出する臭い成分検出手段と、
前記臭い成分検出手段によって検出された臭い成分に基づいて、前記動力伝達機構の故障を予測する故障予測手段と、
を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の制御装置において、
前記故障予測手段は、前記動力伝達機構の油の劣化状態毎に定められた臭い成分データを予め備え、該臭い成分データと検出された臭い成分とを比較することにより故障を予測することを特徴とする車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両の制御装置において、
前記臭い成分検出手段は臭いセンサであり、該臭いセンサは、前記動力伝達機構に設けられたオイルパン近傍に配置されていることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の車両の制御装置において、
前記臭い成分検出手段は臭いセンサであり、該臭いセンサは、前記動力伝達機構のケース内部とケース外部とを結ぶエアブリーザ通路に配置されていることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項5】
多様な出力状態を再現する駆動源と、
多様な負荷状態を再現できる負荷再現装置と、
締結状態を切換可能な摩擦締結要素を有し、前記駆動源からの動力を前記負荷再現装置に出力する動力伝達機構と、
前記駆動源の出力状態,前記負荷再現装置の負荷状態及び前記摩擦締結要素の締結状態を制御する制御手段と、
前記動力伝達機構に設けられ、前記動力伝達機構内の臭い成分を検出する臭い成分検出手段と、
前記臭い成分検出手段によって検出された臭い成分に基づいて、前記動力伝達機構の故障を予測する故障予測手段と、
を備えたことを特徴とする動力伝達機構の試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−58510(P2011−58510A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205501(P2009−205501)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】