車両用内装材
【課題】明かりの揺れ対策を講じた車両用内装材を提供すること。
【解決手段】車両用内装材は、車室37を照明する光源から光を誘導している導光体68と、該導光体68からの光を透過しているレンズ61と、レンズ61を接合間で支持している第1部材41と第2部材14と、を備えている。レンズ61は、光源からの光をガイドし所定部位から発光している導光体68を把持している開口が設けられた溝部144と、この溝部144に一体的に形成され断面視L字形状を呈する受け段部148とを備え、導光体68は、受け段部148に押圧されている。
【解決手段】車両用内装材は、車室37を照明する光源から光を誘導している導光体68と、該導光体68からの光を透過しているレンズ61と、レンズ61を接合間で支持している第1部材41と第2部材14と、を備えている。レンズ61は、光源からの光をガイドし所定部位から発光している導光体68を把持している開口が設けられた溝部144と、この溝部144に一体的に形成され断面視L字形状を呈する受け段部148とを備え、導光体68は、受け段部148に押圧されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用内装材は、例えば、ドアの内張り(ドアライニング)であり、ドアのドアライニングには、ドアの窓ガラスを開閉するスイッチや照明が設けられているものがある。照明は、LED光源の光を光ファイバーを介して発光さている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、車両の照明には、LEDの光源と光ファイバーを組み合わせて用いているものがあり、例えば、これらをボデーに配置してボデーの形状と一体的に形成された一般的なレンズでカバーしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
このような車両の走行中において、路面の凹凸の影響により、車両に振動が伝わることがある。この振動によって光ファイバーが揺れると、明かりも揺れる。この点について改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−19154号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−367403号公報(図5、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、明かりの揺れ対策を講じた車両用内装材の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車室を照明する光源から光を誘導している導光体と、該導光体からの光を透過しているレンズと、前記レンズを接合間で支持している第1部材と第2部材と、を備えた車両用内装材であって、
前記レンズは、前記光源からの光をガイドし所定部位から発光している前記導光体を把持している開口が設けられた溝部と、この溝部に一体的に形成され断面視L字形状を呈する受け段部とを備え、
前記導光体は、前記受け段部に押圧されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、受け段部をL字形に導光体に接触するように形成することで、導光体との接触面積を発光を妨げることなく大きくすることができ、導光体を安定(振動対策、音対策、明かりの揺れ対策)させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の車両用内装材及びそれに用いられる照明部材のレンズを共に採用したドアを示す斜視図である。
【図2】本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの概要説明図である。
【図3】図2(b)の3−3線断面図である。
【図4】図3の4矢視図である。
【図5】図1に示されたレンズを用いた照明部材の光源の斜視図である。
【図6】本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズに導光体の線状主投光部を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の車両用内装材に取付けたレンズの断面を示す図である。
【図8】本発明の車両用内装材とレンズとの取付け関係を具体的に示した斜視図である。
【図9】図3に示されたのレンズの斜視図である。
【図10】図6の10矢視図である。
【図11】本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの機構を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の車両用内装材及びそれに用いられる照明部材のレンズを共に採用したドアを示す斜視図である。
【0012】
照明部材11は、車両12のドア13に配置されたスイッチパネル14及び操作部材(インナハンドル)15を常時照らしている。比較的広範囲な照射領域17(点模様で示す範囲)を照らす間接光でスイッチパネル14を間接的に照らし、比較的狭い範囲の照射領域21(点模様で示す範囲)を照らす直接光で操作部材(インナハンドル)15を直接照らしている。
【0013】
操作部材15は、例えば、インナハンドルであり、右前ドア13を開ける際に握る操作部(ドアハンドル本体)23を備えた既存の構成である。一般的に見られるように操作部(ドアハンドル本体)23を握って引くと、右前ドア13が開く。
【0014】
スイッチパネル14は、ドア13の内装材(ドアライニング)25に取付けられ、操作スイッチ26を配置している。操作スイッチ26は、窓ガラス27を開閉するガラス開閉スイッチ28、ドアロックスイッチ31、ウインドウロックスイッチ32、ミラー選択スッチ33、ミラー調整スイッチ34を配置している。36はインストルメントパネル、37は車室である。
【0015】
図2(a)、(b)は、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの概要説明図である。(a)は車室37から見た正面図、(b)は(a)のb部詳細図である。図1を併用して説明する。
なお、スイッチパネル14の各スイッチや操作部材(インナハンドル)15を取付けていない状態である。
【0016】
ドアライニング(内装材)25は、ドア13の内張り(側壁)をなすもので、樹脂製のドアライニング本体(第1部材)41にスイッチパネル(第2部材)14、操作部材15、運転手用の肘当て42、スピーカ43、小物入れ44を備える。
【0017】
また、ドアライニング(内装材)25は、ドアライニング本体(第1部材)41とスイッチパネル(第2部材)14との分割線46を有し、分割線46は、ドアライニング25を主体とした場合、ドアライニング本体(第1部材)41とスイッチパネル(第2部材)14との接触で生じる接続線でもある。
【0018】
スイッチパネル14は、ドアライニング本体41から車室37の中央に向かって(矢印a1の方向)突出して、各スイッチを配置している上面部51が形成され、上面部51の突出先端52に連なり側面部53が形成され、上面部51の裏面55には照明部材11のレンズであるところの第1レンズ61に沿ってレンズ(第1レンズ)61からの光を遮る遮光仕切部62(図3参照)が垂下されているもので、ドアライニング本体41に上面部51の接続端63が、レンズ(第1レンズ)61を介在させて接続している。
【0019】
なお、ドア13は右ドアであるが、図に示していない左前ドアも右前ドア13とスイッチパネル14のレイアウトを除いてほぼ同様である。
【0020】
ここで上述した照明部材11を再説明する。
照明部材11は、車両12の内装材(ドアライニング)25に配設されているもので、内装材(ドアライニング)25から車室37内へ投光し、且つ、光源67からの光を導光する導光体68を備える。
導光体68は、内装材(ドアライニング)25に沿う線状(矢印a2の方向)に投光(矢印a3の方向)する線状主投光部71と、線状主投光部71で導光した光を用い線状主投光部71から離間して投光する副投光部72と、を備えている。73は第2レンズである。
【0021】
線状主投光部71の長さは、約Lp(図4参照)である。
「離間」とは、目安の基点を線状主投光部71の長さLpの中央から副投光部72までとしたときに、距離S(図3、図4も参照)だけ離すということ。距離Sは条件により任意である。
【0022】
副投光部72は、線状主投光部71に対して、照射領域21を小さく設定しているとともに、光源67から距離を遠く設定している。即ち、全長L(L=L1+L2)の導光体68における線状主投光部71の端部までの距離L1に対し、光源67から副投光部72までの距離(長さ)はL(全長)で、副投光部72は距離L2だけ遠く設定されている。
【0023】
図3は、図2(b)の3−3線断面図である。内装材(ドアライニング)25の断面、レンズ(第1レンズ)61、第2レンズ73の断面を示している。
図4は、図3の4矢視図である。内装材(ドアライニング)25の裏から見た状態を示している。図1、図2、図7、図8、図9を併用して説明する。
【0024】
内装材(ドアライニング)25は、具体的には、ドアライニング本体(第1部材)41の中央に乗員へ向けて(矢印a1の方向)肘当て42が凸状に形成され、肘当て42に連なり、スイッチパネル14を棚状に設けるために車両12の外方(矢印a4の方向)に向けて出し且つオーバーハングしたオーバーハング部75が形成され、オーバーハング部75の下端76に連なり開口部77が開けられ、開口部77にスイッチパネル14が嵌めこみ可能となっている。また、開口部77の縁においてオーバーハング部75の下端76にレンズ(第1レンズ)61の掛止爪部81を掛ける爪掛止貫通穴82(図7参照)が所定の間隔で形成されている。
【0025】
そして、第1レンズ61の嵌合フランジ部83には複数箇所の切欠83aがスイッチパネル14を係止するためのスイッチパネル係止孔84に対応して開けられており、スイッチパネル14に図示していないスイッチパネル14の係止爪をスイッチパネル係止孔84に係合させることにより、スイッチパネル14がドアライニング本体41に取付けられる。
切欠83aは掛止爪部81の社内側に対応して形成されるため、第1レンズ61は長尺方向に略一様な剛性分布となる。
【0026】
一方、オーバーハング部75の上端86に連なる上部に操作部材15を設けるために、車両12の外方(矢印a4の方向)に向けて出した横穴部87が形成され、横穴部87の天部88に第2レンズ73を嵌める照明嵌合開口91が開けられ、天部88の裏に第2レンズ73のブラケット93を取付けるレンズ固定部94が立設されている。
【0027】
なお、内装材25は、ドアライニング25としたが、ドアライニング25以外の内装材としては、インストルメントパネル36、左右の前座席の間に配置したセンターコンソール(図に示していない)、ルーフの天井内装材を挙げることができる。
【0028】
車両用内装材(ドアライニング)25は、車室37を照明する光源67から光を誘導している導光体68と、導光体68からの光を透過しているレンズ(第1レンズ)61と、レンズ(第1レンズ)61を接合間で支持している第1部材(ドアライニング本体)41と第2部材(スイッチパネル)14と、を備える。
レンズ(第1レンズ)61は、導光体68からの光を第1部材または第2部材のいずれか一方の部材に向かって指向させる投光部95を備えている。
【0029】
「接合間で支持している」とは、ドアライニング本体41の接続端63とオーバーハング部75の下端76でもある接続端96とでレンズ(第1レンズ)61を把持することで支持しているという意味である。
なお、既に述べた分割線(接続線)46は、接触させたときに見える線としたが、上位概念では、接触していない接続端96、接続端63である。
【0030】
図5は、本発明のレンズを用いた照明部材の光源の斜視図である。図1、図2、図4を併用して説明する。
照明部材11は、前述の光源67、導光体68、光源67に接続する導光体接続部材97、レンズ(第1レンズ)61、第2レンズ73と、図に示していない入り切りスイッチ部と、を備える。そして、例えば、右前ドア13を開いたり、エンジンスタートスイッチを「ON」にすると、入り切りスイッチ部が作動することで、光源67が発光し、既に図1で見た所を照らす。
【0031】
光源67は、LED発光体101を用い、LED発光体101の具体的な仕様は任意である。LED発光体101をケース102で覆い、ケース102に導光体68の入力端部103を導光体接続部材97で、LED発光体101の中心と入力端部103の軸線Cpをほぼ一致させて接続している。
【0032】
導光体68は、樹脂製の透明本体105と、透明本体105を被覆しているガイド被覆体106と、ガイド被覆体106を長さLp(図4参照)だけ剥離している、前述の線状主投光部71と、導光体68の出力端部(図に示していない)を含む副投光部72と、からなる。
線状主投光部71は、副投光部72に比べ、LED発光体101に近いため明るい。
透明本体105は、単数としたが、図に示す太さまで複数を束ねたものでもよい。
【0033】
図6は、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズに導光体の線状主投光部を組み付けた状態を示す斜視図である。
図7は、本発明の車両用内装材に取付けたレンズの断面を示す図である。
図8は、本発明の車両用内装材とレンズとの取付け関係を具体的に示した斜視図である。
図9は、本発明のレンズの斜視図である。図1、図5を併用して説明する。
【0034】
線状主投光部71は、前述のガイド被覆体106を剥離している部位であり、レンズ(第1レンズ)61の全長とほぼ一致する範囲の透明本体105であり、線状主投光部71(透明本体105)の周面111から光を発光する。言い換えると、周面111から光を漏らすようにした部位である。
【0035】
レンズ(第1レンズ)61は、樹脂製の透明なもので、長尺な中空形状をなし、内部の線状主投光部71からの光を一方向(矢印a3の方向、図1も参照)に投光する指向性を有する投光部95と、投光部95に連ねて形成されドアライニング25に取付けられている掛止爪部81と嵌合フランジ部83と、嵌合フランジ部83及び縁部115に取付けたシール部材116と、必要に応じて施した反射部117、118と、を備える。
「中空形状」とは、シール部材116を取付けた完成形状である。
【0036】
投光部95は、前述の比較的広範囲な照射領域17(図1の点模様で示す範囲)を照らす間接光を形成し、スイッチパネル14を間接的に照らす。
【0037】
次に、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの組み付け要領を簡単に説明する。
まず、導光体68を最終完成させる。透明本体105の入力端部103、線状主投光部71、副投光部72を除いて透明本体105をガイド被覆体106で覆う。
その次に、照明部材11を単品組立完成とする。光源67を内蔵したケース102に導光体68の入力端部103を接続し、導光体68の副投光部72に第2レンズ73を嵌合し、レンズ(第1レンズ)61の開口128の内部に線状主投光部71を配置してシール部材116で固定する。
【0038】
引き続き、ドア13に、単品組立した照明部材11を取付ける。ドアライニング本体41に形成した光源配置部131(図4参照)に光源67のケース102を取付け、ドアライニング本体41にレンズ(第1レンズ)61の掛止爪部81を差し込むことで掛止し、レンズ(第1レンズ)61の組み付けはほぼ完了する。
【0039】
続けて、ドアライニング本体41にスイッチパネル14を嵌めることで、スイッチパネル14の接続端63とドアライニング本体41の接続端96とでレンズ(第1レンズ)61の投光部95を挟持することでレンズ(第1レンズ)61を固定する。これでレンズ(第1レンズ)61の組み付けは完了する。
【0040】
最後に、ドアライニング本体41に形成した凹部(横穴部)87に第2レンズ73を取付け、照明部材11の組み付けは完了する。
なお、スイッチパネル14には、予め各スイッチが取付けられている。
【0041】
図10は、図6の10矢視図である。レンズ(第1レンズ)61の詳細図である。図6、図7、図9を併用して説明する。
車両用内装材(ドアライニング)25では、導光体68は、直交断面視において、軸線Cpを投光部95の中心軸141に対して、第1部材(ドアライニング本体)41に寄せる方向へ距離δだけオフセットされていることで、投光部95から一方の部材である第1部材(ドアライニング本体)41までの距離Eのうち遠い部位142(距離E1)に指向させる光量を大きく設定している。
【0042】
レンズ(第1レンズ)61は、投光部95に向けて、投光部95に向かわない導光体68からの光を反射させる反射部117、118を備えている。
【0043】
車両用内装材(ドアライニング)25が備える第1部材(ドアライニング本体)41と第2部材(スイッチパネル)14との接合部63、96に沿って且つ挟持され、挟持されている投光部95から車室37に投光するレンズ(第1レンズ)61であって、レンズ(第1レンズ)61は、光源67からの光をガイドし所定部位(線状主投光部)71から発光している導光体68を把持している開口128が設けられた溝部144と、導光体68に反射部118を向けて開口128を閉鎖しているシール部材116と、を備えている。
【0044】
レンズ(第1レンズ)61は、詳しくは、スイッチパネル14の上面部51とほほ面一に投光部95が配置されて、投光部95及びスイッチパネル14より下方に線状主投光部71が位置しているとともに線状主投光部71が投光部95の片側に偏り、つまり、投光部95を挟んでいるスイッチパネル14と第1部材(ドアライニング本体)41の間の下方において、線状主投光部71が第1部材(ドアライニング本体)41に接近している。
【0045】
投光部95から線状主投光部71までの間には、投光部95に連ねてスイッチパネル当接側部146がスイッチパネル14並びに投光部95に直交して垂下されて開口128に達し、開口128近傍のスイッチパネル当接側部146に線状主投光部71が一部線接触している。
【0046】
一方、スイッチパネル当接側部146に対向して投光部95に連ねてライニング当接側部147が垂下され、且つ、ライニング当接側部147が線状主投光部71の上面に当接する位置でスイッチパネル当接側部146から離れる方向、つまり車両12の外方(矢印a4の方向)へ向かってL字形に膨らみ且つ、線状主投光部71の上面に接触している受け段部148を形成して開口128に達し、開口128の縁部115にシール部材116を、例えば、接着剤で結合することで、シール部材116によって線状主投光部71の下面を支持しつつ、線状主投光部71の上面をL字をなす受け段部148に押圧している。
【0047】
開口128の縁部115のうち、スイッチパネル当接側部146の縁151には、縁151に連ねてスイッチパネル当接側部146に直交させ車室37の中央に向かってスイッチパネル14の下方に平行に迫り出した嵌合フランジ部83が形成され、嵌合フランジ部83にもシール部材116を結合している。
【0048】
なお、溝部144は、投光部95、スイッチパネル当接側部146、ライニング当接側部147(L字形の受け段部148を含む)からなる。
「導光体68を把持している開口128」とは、開口128から受け段部148までの範囲及び、縁部115から受け段部148までの距離と同様の距離にある開口128の縁151からスイッチパネル当接側部146の一部(導光体68と線接触する又はしそうなところ)までの範囲である。
【0049】
ここで、レンズ(第1レンズ)61では、嵌合フランジ部83をスイッチパネル14の下方に設けることで、スイッチパネル14の下方のスペースを活用して、レンズ(第1レンズ)61によるドア13の寸法拡大を避け、ドア13の小型化を維持することができる。
【0050】
レンズ(第1レンズ)61は、嵌合フランジ部83をスイッチパネル当接側部146の縁151にスイッチパネル当接側部146に直交させて設けることで、車幅方向(Y軸方向)の荷重に対するレンズ(第1レンズ)61の強度を高めることができる。
【0051】
レンズ(第1レンズ)61は、断面視において、受け段部148を車両12の外方へ向けて出してL字形に形成することで、車幅方向(Y軸方向)の荷重に対するレンズ(第1レンズ)61の強度を高めることができる。
受け段部148をL字形に線状主投光部71に接触するように形成することで、線状主投光部71との接触面積を発光を妨げることなく大きくすることができ、線状主投光部71を安定(振動対策、音対策、明かりの揺れ対策)させることができる。
シール部材116を嵌合フランジ部83にも結合(接着)することで、シール部材116の結合(接着)する面積が大きくなり、シール部材116の結合(接着)強度を高めることができる。
【0052】
シール部材116は、板状とし、レンズ(第1レンズ)61とほぼ同様の厚さとしたが、厚さは任意であり、反射性の面を有するシートやフイルムでもよく、反射性の面を有する接着テープでもよい。その結果、線状主投光部71の組み付け作業は容易になり、且つ、より軽量化を図ることができる。
シール部材116と線状主投光部71との間に接着剤を塗布することも可能である。その結果、線状主投光部71をより安定(振動対策、音対策、明かりの揺れ対策)させることができる。
【0053】
第1部材(ドアライニング本体)41は、より詳しくは、オーバーハング部75の下端76又は接合部96に連ねてシール部材116の下方に延ばされて、さらに嵌合フランジ部83の下方まで延びて、スイッチパネル14の下方に達しているレンズ収納部153が形成され、レンズ収納部153で嵌合フランジ部83を下方から支持している。
【0054】
次に、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの作用を説明する。
図11は、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの機構を説明する図である。図1を併用して説明する。
【0055】
車両用内装材(ドアライニング)25では、照明部材11を点灯すると、第1部材(ドアライニング本体)41に沿うレンズ(第1レンズ)61からライン状(図1参照)に投光し照明するので、視認性を向上させることができる。
【0056】
また、一方の部材、例えば第1部材(ドアライニング本体)41のみに照明の光を当てることができ、間接照明の効果を得ることができる。
【0057】
さらに、導光体68をオフセットしたので、同じ光量で一方の部材、例えば第1部材(ドアライニング本体)41に形成する間接照明領域(照射領域17)をより広く設定することができる。
すなわち、オフセットすることで、レンズ(第1レンズ)61から投光される光は矢印a7のように偏り、反射光は中心線141(図10参照)を基準に内外(図の左右)対称とならず、ここでは、第1部材(ドアライニング本体)41に偏り、レンズ(第1レンズ)61から遠い部位142を照らすことができ、第1部材(ドアライニング本体)41をより広範囲に照らすことができる。従って、間接照明の領域(照射領域17)は広くなるという利点がある。
【0058】
レンズ(第1レンズ)61では、先に組み付け要領で触れたように、導光体68を開口128とシール部材116で押さえることで支持することができ、且つ、シール部材116の反射部118によって漏光防止効果を得ることができる。
【0059】
また、開口128から導光体68を入れると、受け段部148とスイッチパネル当接側部146に当接することで、位置決めすることができる。そして、開口128をシール部材116で閉鎖すると、開口128に導光体68を組み付けることができる。従って、導光体68の取り回しが容易となる。
【0060】
尚、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズは、実施の形態ではドアに採用されているが、ドア以外にも採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズは、ドアに好適である。
【符号の説明】
【0062】
14…スイッチパネル(第2部材)、37…車室、41…ドアライニング本体(第1部材)、61…レンズ(第1レンズ)、67…光源、68…導光体、144…溝部、148…受け段部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用内装材は、例えば、ドアの内張り(ドアライニング)であり、ドアのドアライニングには、ドアの窓ガラスを開閉するスイッチや照明が設けられているものがある。照明は、LED光源の光を光ファイバーを介して発光さている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、車両の照明には、LEDの光源と光ファイバーを組み合わせて用いているものがあり、例えば、これらをボデーに配置してボデーの形状と一体的に形成された一般的なレンズでカバーしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
このような車両の走行中において、路面の凹凸の影響により、車両に振動が伝わることがある。この振動によって光ファイバーが揺れると、明かりも揺れる。この点について改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−19154号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−367403号公報(図5、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、明かりの揺れ対策を講じた車両用内装材の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車室を照明する光源から光を誘導している導光体と、該導光体からの光を透過しているレンズと、前記レンズを接合間で支持している第1部材と第2部材と、を備えた車両用内装材であって、
前記レンズは、前記光源からの光をガイドし所定部位から発光している前記導光体を把持している開口が設けられた溝部と、この溝部に一体的に形成され断面視L字形状を呈する受け段部とを備え、
前記導光体は、前記受け段部に押圧されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、受け段部をL字形に導光体に接触するように形成することで、導光体との接触面積を発光を妨げることなく大きくすることができ、導光体を安定(振動対策、音対策、明かりの揺れ対策)させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の車両用内装材及びそれに用いられる照明部材のレンズを共に採用したドアを示す斜視図である。
【図2】本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの概要説明図である。
【図3】図2(b)の3−3線断面図である。
【図4】図3の4矢視図である。
【図5】図1に示されたレンズを用いた照明部材の光源の斜視図である。
【図6】本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズに導光体の線状主投光部を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の車両用内装材に取付けたレンズの断面を示す図である。
【図8】本発明の車両用内装材とレンズとの取付け関係を具体的に示した斜視図である。
【図9】図3に示されたのレンズの斜視図である。
【図10】図6の10矢視図である。
【図11】本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの機構を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の車両用内装材及びそれに用いられる照明部材のレンズを共に採用したドアを示す斜視図である。
【0012】
照明部材11は、車両12のドア13に配置されたスイッチパネル14及び操作部材(インナハンドル)15を常時照らしている。比較的広範囲な照射領域17(点模様で示す範囲)を照らす間接光でスイッチパネル14を間接的に照らし、比較的狭い範囲の照射領域21(点模様で示す範囲)を照らす直接光で操作部材(インナハンドル)15を直接照らしている。
【0013】
操作部材15は、例えば、インナハンドルであり、右前ドア13を開ける際に握る操作部(ドアハンドル本体)23を備えた既存の構成である。一般的に見られるように操作部(ドアハンドル本体)23を握って引くと、右前ドア13が開く。
【0014】
スイッチパネル14は、ドア13の内装材(ドアライニング)25に取付けられ、操作スイッチ26を配置している。操作スイッチ26は、窓ガラス27を開閉するガラス開閉スイッチ28、ドアロックスイッチ31、ウインドウロックスイッチ32、ミラー選択スッチ33、ミラー調整スイッチ34を配置している。36はインストルメントパネル、37は車室である。
【0015】
図2(a)、(b)は、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの概要説明図である。(a)は車室37から見た正面図、(b)は(a)のb部詳細図である。図1を併用して説明する。
なお、スイッチパネル14の各スイッチや操作部材(インナハンドル)15を取付けていない状態である。
【0016】
ドアライニング(内装材)25は、ドア13の内張り(側壁)をなすもので、樹脂製のドアライニング本体(第1部材)41にスイッチパネル(第2部材)14、操作部材15、運転手用の肘当て42、スピーカ43、小物入れ44を備える。
【0017】
また、ドアライニング(内装材)25は、ドアライニング本体(第1部材)41とスイッチパネル(第2部材)14との分割線46を有し、分割線46は、ドアライニング25を主体とした場合、ドアライニング本体(第1部材)41とスイッチパネル(第2部材)14との接触で生じる接続線でもある。
【0018】
スイッチパネル14は、ドアライニング本体41から車室37の中央に向かって(矢印a1の方向)突出して、各スイッチを配置している上面部51が形成され、上面部51の突出先端52に連なり側面部53が形成され、上面部51の裏面55には照明部材11のレンズであるところの第1レンズ61に沿ってレンズ(第1レンズ)61からの光を遮る遮光仕切部62(図3参照)が垂下されているもので、ドアライニング本体41に上面部51の接続端63が、レンズ(第1レンズ)61を介在させて接続している。
【0019】
なお、ドア13は右ドアであるが、図に示していない左前ドアも右前ドア13とスイッチパネル14のレイアウトを除いてほぼ同様である。
【0020】
ここで上述した照明部材11を再説明する。
照明部材11は、車両12の内装材(ドアライニング)25に配設されているもので、内装材(ドアライニング)25から車室37内へ投光し、且つ、光源67からの光を導光する導光体68を備える。
導光体68は、内装材(ドアライニング)25に沿う線状(矢印a2の方向)に投光(矢印a3の方向)する線状主投光部71と、線状主投光部71で導光した光を用い線状主投光部71から離間して投光する副投光部72と、を備えている。73は第2レンズである。
【0021】
線状主投光部71の長さは、約Lp(図4参照)である。
「離間」とは、目安の基点を線状主投光部71の長さLpの中央から副投光部72までとしたときに、距離S(図3、図4も参照)だけ離すということ。距離Sは条件により任意である。
【0022】
副投光部72は、線状主投光部71に対して、照射領域21を小さく設定しているとともに、光源67から距離を遠く設定している。即ち、全長L(L=L1+L2)の導光体68における線状主投光部71の端部までの距離L1に対し、光源67から副投光部72までの距離(長さ)はL(全長)で、副投光部72は距離L2だけ遠く設定されている。
【0023】
図3は、図2(b)の3−3線断面図である。内装材(ドアライニング)25の断面、レンズ(第1レンズ)61、第2レンズ73の断面を示している。
図4は、図3の4矢視図である。内装材(ドアライニング)25の裏から見た状態を示している。図1、図2、図7、図8、図9を併用して説明する。
【0024】
内装材(ドアライニング)25は、具体的には、ドアライニング本体(第1部材)41の中央に乗員へ向けて(矢印a1の方向)肘当て42が凸状に形成され、肘当て42に連なり、スイッチパネル14を棚状に設けるために車両12の外方(矢印a4の方向)に向けて出し且つオーバーハングしたオーバーハング部75が形成され、オーバーハング部75の下端76に連なり開口部77が開けられ、開口部77にスイッチパネル14が嵌めこみ可能となっている。また、開口部77の縁においてオーバーハング部75の下端76にレンズ(第1レンズ)61の掛止爪部81を掛ける爪掛止貫通穴82(図7参照)が所定の間隔で形成されている。
【0025】
そして、第1レンズ61の嵌合フランジ部83には複数箇所の切欠83aがスイッチパネル14を係止するためのスイッチパネル係止孔84に対応して開けられており、スイッチパネル14に図示していないスイッチパネル14の係止爪をスイッチパネル係止孔84に係合させることにより、スイッチパネル14がドアライニング本体41に取付けられる。
切欠83aは掛止爪部81の社内側に対応して形成されるため、第1レンズ61は長尺方向に略一様な剛性分布となる。
【0026】
一方、オーバーハング部75の上端86に連なる上部に操作部材15を設けるために、車両12の外方(矢印a4の方向)に向けて出した横穴部87が形成され、横穴部87の天部88に第2レンズ73を嵌める照明嵌合開口91が開けられ、天部88の裏に第2レンズ73のブラケット93を取付けるレンズ固定部94が立設されている。
【0027】
なお、内装材25は、ドアライニング25としたが、ドアライニング25以外の内装材としては、インストルメントパネル36、左右の前座席の間に配置したセンターコンソール(図に示していない)、ルーフの天井内装材を挙げることができる。
【0028】
車両用内装材(ドアライニング)25は、車室37を照明する光源67から光を誘導している導光体68と、導光体68からの光を透過しているレンズ(第1レンズ)61と、レンズ(第1レンズ)61を接合間で支持している第1部材(ドアライニング本体)41と第2部材(スイッチパネル)14と、を備える。
レンズ(第1レンズ)61は、導光体68からの光を第1部材または第2部材のいずれか一方の部材に向かって指向させる投光部95を備えている。
【0029】
「接合間で支持している」とは、ドアライニング本体41の接続端63とオーバーハング部75の下端76でもある接続端96とでレンズ(第1レンズ)61を把持することで支持しているという意味である。
なお、既に述べた分割線(接続線)46は、接触させたときに見える線としたが、上位概念では、接触していない接続端96、接続端63である。
【0030】
図5は、本発明のレンズを用いた照明部材の光源の斜視図である。図1、図2、図4を併用して説明する。
照明部材11は、前述の光源67、導光体68、光源67に接続する導光体接続部材97、レンズ(第1レンズ)61、第2レンズ73と、図に示していない入り切りスイッチ部と、を備える。そして、例えば、右前ドア13を開いたり、エンジンスタートスイッチを「ON」にすると、入り切りスイッチ部が作動することで、光源67が発光し、既に図1で見た所を照らす。
【0031】
光源67は、LED発光体101を用い、LED発光体101の具体的な仕様は任意である。LED発光体101をケース102で覆い、ケース102に導光体68の入力端部103を導光体接続部材97で、LED発光体101の中心と入力端部103の軸線Cpをほぼ一致させて接続している。
【0032】
導光体68は、樹脂製の透明本体105と、透明本体105を被覆しているガイド被覆体106と、ガイド被覆体106を長さLp(図4参照)だけ剥離している、前述の線状主投光部71と、導光体68の出力端部(図に示していない)を含む副投光部72と、からなる。
線状主投光部71は、副投光部72に比べ、LED発光体101に近いため明るい。
透明本体105は、単数としたが、図に示す太さまで複数を束ねたものでもよい。
【0033】
図6は、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズに導光体の線状主投光部を組み付けた状態を示す斜視図である。
図7は、本発明の車両用内装材に取付けたレンズの断面を示す図である。
図8は、本発明の車両用内装材とレンズとの取付け関係を具体的に示した斜視図である。
図9は、本発明のレンズの斜視図である。図1、図5を併用して説明する。
【0034】
線状主投光部71は、前述のガイド被覆体106を剥離している部位であり、レンズ(第1レンズ)61の全長とほぼ一致する範囲の透明本体105であり、線状主投光部71(透明本体105)の周面111から光を発光する。言い換えると、周面111から光を漏らすようにした部位である。
【0035】
レンズ(第1レンズ)61は、樹脂製の透明なもので、長尺な中空形状をなし、内部の線状主投光部71からの光を一方向(矢印a3の方向、図1も参照)に投光する指向性を有する投光部95と、投光部95に連ねて形成されドアライニング25に取付けられている掛止爪部81と嵌合フランジ部83と、嵌合フランジ部83及び縁部115に取付けたシール部材116と、必要に応じて施した反射部117、118と、を備える。
「中空形状」とは、シール部材116を取付けた完成形状である。
【0036】
投光部95は、前述の比較的広範囲な照射領域17(図1の点模様で示す範囲)を照らす間接光を形成し、スイッチパネル14を間接的に照らす。
【0037】
次に、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの組み付け要領を簡単に説明する。
まず、導光体68を最終完成させる。透明本体105の入力端部103、線状主投光部71、副投光部72を除いて透明本体105をガイド被覆体106で覆う。
その次に、照明部材11を単品組立完成とする。光源67を内蔵したケース102に導光体68の入力端部103を接続し、導光体68の副投光部72に第2レンズ73を嵌合し、レンズ(第1レンズ)61の開口128の内部に線状主投光部71を配置してシール部材116で固定する。
【0038】
引き続き、ドア13に、単品組立した照明部材11を取付ける。ドアライニング本体41に形成した光源配置部131(図4参照)に光源67のケース102を取付け、ドアライニング本体41にレンズ(第1レンズ)61の掛止爪部81を差し込むことで掛止し、レンズ(第1レンズ)61の組み付けはほぼ完了する。
【0039】
続けて、ドアライニング本体41にスイッチパネル14を嵌めることで、スイッチパネル14の接続端63とドアライニング本体41の接続端96とでレンズ(第1レンズ)61の投光部95を挟持することでレンズ(第1レンズ)61を固定する。これでレンズ(第1レンズ)61の組み付けは完了する。
【0040】
最後に、ドアライニング本体41に形成した凹部(横穴部)87に第2レンズ73を取付け、照明部材11の組み付けは完了する。
なお、スイッチパネル14には、予め各スイッチが取付けられている。
【0041】
図10は、図6の10矢視図である。レンズ(第1レンズ)61の詳細図である。図6、図7、図9を併用して説明する。
車両用内装材(ドアライニング)25では、導光体68は、直交断面視において、軸線Cpを投光部95の中心軸141に対して、第1部材(ドアライニング本体)41に寄せる方向へ距離δだけオフセットされていることで、投光部95から一方の部材である第1部材(ドアライニング本体)41までの距離Eのうち遠い部位142(距離E1)に指向させる光量を大きく設定している。
【0042】
レンズ(第1レンズ)61は、投光部95に向けて、投光部95に向かわない導光体68からの光を反射させる反射部117、118を備えている。
【0043】
車両用内装材(ドアライニング)25が備える第1部材(ドアライニング本体)41と第2部材(スイッチパネル)14との接合部63、96に沿って且つ挟持され、挟持されている投光部95から車室37に投光するレンズ(第1レンズ)61であって、レンズ(第1レンズ)61は、光源67からの光をガイドし所定部位(線状主投光部)71から発光している導光体68を把持している開口128が設けられた溝部144と、導光体68に反射部118を向けて開口128を閉鎖しているシール部材116と、を備えている。
【0044】
レンズ(第1レンズ)61は、詳しくは、スイッチパネル14の上面部51とほほ面一に投光部95が配置されて、投光部95及びスイッチパネル14より下方に線状主投光部71が位置しているとともに線状主投光部71が投光部95の片側に偏り、つまり、投光部95を挟んでいるスイッチパネル14と第1部材(ドアライニング本体)41の間の下方において、線状主投光部71が第1部材(ドアライニング本体)41に接近している。
【0045】
投光部95から線状主投光部71までの間には、投光部95に連ねてスイッチパネル当接側部146がスイッチパネル14並びに投光部95に直交して垂下されて開口128に達し、開口128近傍のスイッチパネル当接側部146に線状主投光部71が一部線接触している。
【0046】
一方、スイッチパネル当接側部146に対向して投光部95に連ねてライニング当接側部147が垂下され、且つ、ライニング当接側部147が線状主投光部71の上面に当接する位置でスイッチパネル当接側部146から離れる方向、つまり車両12の外方(矢印a4の方向)へ向かってL字形に膨らみ且つ、線状主投光部71の上面に接触している受け段部148を形成して開口128に達し、開口128の縁部115にシール部材116を、例えば、接着剤で結合することで、シール部材116によって線状主投光部71の下面を支持しつつ、線状主投光部71の上面をL字をなす受け段部148に押圧している。
【0047】
開口128の縁部115のうち、スイッチパネル当接側部146の縁151には、縁151に連ねてスイッチパネル当接側部146に直交させ車室37の中央に向かってスイッチパネル14の下方に平行に迫り出した嵌合フランジ部83が形成され、嵌合フランジ部83にもシール部材116を結合している。
【0048】
なお、溝部144は、投光部95、スイッチパネル当接側部146、ライニング当接側部147(L字形の受け段部148を含む)からなる。
「導光体68を把持している開口128」とは、開口128から受け段部148までの範囲及び、縁部115から受け段部148までの距離と同様の距離にある開口128の縁151からスイッチパネル当接側部146の一部(導光体68と線接触する又はしそうなところ)までの範囲である。
【0049】
ここで、レンズ(第1レンズ)61では、嵌合フランジ部83をスイッチパネル14の下方に設けることで、スイッチパネル14の下方のスペースを活用して、レンズ(第1レンズ)61によるドア13の寸法拡大を避け、ドア13の小型化を維持することができる。
【0050】
レンズ(第1レンズ)61は、嵌合フランジ部83をスイッチパネル当接側部146の縁151にスイッチパネル当接側部146に直交させて設けることで、車幅方向(Y軸方向)の荷重に対するレンズ(第1レンズ)61の強度を高めることができる。
【0051】
レンズ(第1レンズ)61は、断面視において、受け段部148を車両12の外方へ向けて出してL字形に形成することで、車幅方向(Y軸方向)の荷重に対するレンズ(第1レンズ)61の強度を高めることができる。
受け段部148をL字形に線状主投光部71に接触するように形成することで、線状主投光部71との接触面積を発光を妨げることなく大きくすることができ、線状主投光部71を安定(振動対策、音対策、明かりの揺れ対策)させることができる。
シール部材116を嵌合フランジ部83にも結合(接着)することで、シール部材116の結合(接着)する面積が大きくなり、シール部材116の結合(接着)強度を高めることができる。
【0052】
シール部材116は、板状とし、レンズ(第1レンズ)61とほぼ同様の厚さとしたが、厚さは任意であり、反射性の面を有するシートやフイルムでもよく、反射性の面を有する接着テープでもよい。その結果、線状主投光部71の組み付け作業は容易になり、且つ、より軽量化を図ることができる。
シール部材116と線状主投光部71との間に接着剤を塗布することも可能である。その結果、線状主投光部71をより安定(振動対策、音対策、明かりの揺れ対策)させることができる。
【0053】
第1部材(ドアライニング本体)41は、より詳しくは、オーバーハング部75の下端76又は接合部96に連ねてシール部材116の下方に延ばされて、さらに嵌合フランジ部83の下方まで延びて、スイッチパネル14の下方に達しているレンズ収納部153が形成され、レンズ収納部153で嵌合フランジ部83を下方から支持している。
【0054】
次に、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの作用を説明する。
図11は、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズの機構を説明する図である。図1を併用して説明する。
【0055】
車両用内装材(ドアライニング)25では、照明部材11を点灯すると、第1部材(ドアライニング本体)41に沿うレンズ(第1レンズ)61からライン状(図1参照)に投光し照明するので、視認性を向上させることができる。
【0056】
また、一方の部材、例えば第1部材(ドアライニング本体)41のみに照明の光を当てることができ、間接照明の効果を得ることができる。
【0057】
さらに、導光体68をオフセットしたので、同じ光量で一方の部材、例えば第1部材(ドアライニング本体)41に形成する間接照明領域(照射領域17)をより広く設定することができる。
すなわち、オフセットすることで、レンズ(第1レンズ)61から投光される光は矢印a7のように偏り、反射光は中心線141(図10参照)を基準に内外(図の左右)対称とならず、ここでは、第1部材(ドアライニング本体)41に偏り、レンズ(第1レンズ)61から遠い部位142を照らすことができ、第1部材(ドアライニング本体)41をより広範囲に照らすことができる。従って、間接照明の領域(照射領域17)は広くなるという利点がある。
【0058】
レンズ(第1レンズ)61では、先に組み付け要領で触れたように、導光体68を開口128とシール部材116で押さえることで支持することができ、且つ、シール部材116の反射部118によって漏光防止効果を得ることができる。
【0059】
また、開口128から導光体68を入れると、受け段部148とスイッチパネル当接側部146に当接することで、位置決めすることができる。そして、開口128をシール部材116で閉鎖すると、開口128に導光体68を組み付けることができる。従って、導光体68の取り回しが容易となる。
【0060】
尚、本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズは、実施の形態ではドアに採用されているが、ドア以外にも採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の車両用内装材及びそれに用いられるレンズは、ドアに好適である。
【符号の説明】
【0062】
14…スイッチパネル(第2部材)、37…車室、41…ドアライニング本体(第1部材)、61…レンズ(第1レンズ)、67…光源、68…導光体、144…溝部、148…受け段部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室を照明する光源から光を誘導している導光体と、該導光体からの光を透過しているレンズと、前記レンズを接合間で支持している第1部材と第2部材と、を備えた車両用内装材であって、
前記レンズは、前記光源からの光をガイドし所定部位から発光している前記導光体を把持している開口が設けられた溝部と、この溝部に一体的に形成され断面視L字形状を呈する受け段部とを備え、
前記導光体は、前記受け段部に押圧されていることを特徴とする車両用内装材。
【請求項1】
車室を照明する光源から光を誘導している導光体と、該導光体からの光を透過しているレンズと、前記レンズを接合間で支持している第1部材と第2部材と、を備えた車両用内装材であって、
前記レンズは、前記光源からの光をガイドし所定部位から発光している前記導光体を把持している開口が設けられた溝部と、この溝部に一体的に形成され断面視L字形状を呈する受け段部とを備え、
前記導光体は、前記受け段部に押圧されていることを特徴とする車両用内装材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−100100(P2013−100100A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−10916(P2013−10916)
【出願日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【分割の表示】特願2008−241397(P2008−241397)の分割
【原出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000220066)テイ・エス テック株式会社 (625)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【分割の表示】特願2008−241397(P2008−241397)の分割
【原出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000220066)テイ・エス テック株式会社 (625)
【Fターム(参考)】
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