車両用空調装置
【課題】車両用空調装置において、送風部の作動停止後の車両のウインドガラスの曇りを防止し、ケース内の清潔さを維持すること。
【解決手段】送風部21の作動停止直後、空調コントロールユニット38により、エアミックスドア27の回動位置が切換えられ、エアミックスドア27によりバイパス通路25の下流端開口が閉口され、内外切換ドア20の回動位置が切換えられ、内外気切換ドア20によりインテークボックス14の内気導入口が閉口されて、外気導入口が開口されるように制御される。
【解決手段】送風部21の作動停止直後、空調コントロールユニット38により、エアミックスドア27の回動位置が切換えられ、エアミックスドア27によりバイパス通路25の下流端開口が閉口され、内外切換ドア20の回動位置が切換えられ、内外気切換ドア20によりインテークボックス14の内気導入口が閉口されて、外気導入口が開口されるように制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のウインドガラスの曇りを防止する車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用空調装置では、ブロアファンの作動により、ケース内の空気通路に吹き出されエバポレータを通過した空気流のうち、ヒータコアを通過するヒータコア通過空気流と、ヒータコアをバイパスするバイパス空気流との風量割合が、エアミックスドアにより調節される。そして、エアミックス空間を通過して温度調整された空気流が、各吹出モードに応じてデフロスタ吹出口、ベント吹出口、フット吹出口の中から選択された少なくとも一つの吹出口から車室内へ吹き出される。
【0003】
ところで、外気温が低い冬場において、エバポレータで冷却され、ヒータコアで暖気された空気流を車室内へ吹き出す暖房運転を行った後、エンジンを停止して停車し、空調装置が作動状態から停止状態になった場合に、ヒータコアからの放熱により、空調装置のダクト内の空気温度が上昇し、エバポレータで発生した凝縮水が蒸発してダクト内が高湿度状態となる。そして、フロントガラス近傍のデフロスタ吹出口が開口している場合に、その高湿度の空気がデフロスタ吹出口から吹き出されると、フロントガラスの表面温度が低いことから、フロントガラスが結露して曇ってしまうことがある。
【0004】
そこで、近年、車両のウインドガラスの曇りを防止する車両用空調装置が提案され実用に供されている。例えば、特許文献1の車両用空調装置においては、車両のイグニッションスイッチがオンからオフとなった際、空調装置が作動停止状態となり、吹出モードがフロントガラス近傍に配置されたデフロスタ吹出口を開口するモードである場合に、所定時間経過後、吹出口制御手段が、デフロスタ吹出口を閉口するようにデフロスタ開閉手段を制御する。
【特許文献1】特開平9−66727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の車両用空調装置においては、空調装置が作動停止状態となると、制御手段により、吹出モードがデフロスタ吹出口を閉口するモードに制御されるので、高湿度の空気がデフロスタ吹出口から吹き出されることが無く、フロントガラスの曇りを防止できる。
しかし、デフロスタ吹出口が閉口されると、高湿度の空気が、ケース内のエバポレータやヒータコア等が集約された狭い空間内に長時間滞留するため、ケース内の埃に水分が溜まったものが付着すると、例えば、ケース内において空気通路等に汚れが発生し、ケース内の清潔さを維持することができないという問題ある。
【0006】
本発明の目的は、車両用空調装置において、送風部の作動停止後の車両のウインドガラスの曇りを防止すること、ケース内の清潔さを維持すること等である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の車両用空調装置は、送風部と、空気流を冷却するエバポレータと、空気流を暖めるヒータコアと、エバポレータを通過する空気流のうち、ヒータコアを通過するヒータコア通過空気流と、ヒータコアをバイパスするバイパス空気流との割合を調節可能なエアミックス用調整部材と、空気通路を形成するケースとを備え、送風部の作動によりエバポレータ又はヒータコアにより温度調整された空気流を車両のウインドガラス近傍のデフロスタ開口に供給可能な車両用空調装置において、ケースには、バイパス空気流が流れる通路が、前記ヒータコア通過空気流が流れる通路よりも上側となるように形成されており、送風部の作動停止後、バイパス空気流の割合を実質的に零とするようにエアミックス用調整部材を制御する調整部材制御手段を設けたものである。
【0008】
送風部の作動により空気通路に吹き出された空気流が、エバポレータを通過し、エアミックス用調整部材により、そのエバポレータを通過した空気流のうち、ヒータコア通過空気流とバイパス空気流との割合が調節される。そして、その空気流が、エアミックスされ温度調整されてデフロスタ開口に供給される。
【0009】
送風部の作動停止後、調整部材制御手段により、バイパス空気流の割合が実質的に零となるように制御される。その結果、例えば、送風部の作動停止後、エバポレータで発生した凝縮水が、ヒータコアの放熱によって蒸発し、ケース内が高湿度の状態となった場合、エバポレータを通過した高湿度の空気が、バイパス通路を介してデフロスタ開口側へ進入することがない。
【0010】
請求項2の車両用空調装置は、請求項1の発明において、送風部はエバポレータより上側に設置され、前記エバポレータと送風部とを連通する上下方向向きの通路が形成されたことを特徴としている。
【0011】
請求項3の車両用空調装置は、請求項1の発明において、ケースには、送風部からの空気流をエバポレータに供給する略水平方向向きの供給通路が形成され、この供給通路の上壁は、ヒータコア通過空気流が流れるヒータコア通路の上壁より上側となるように形成されたことを特徴としている。
【0012】
請求項4の車両用空調装置は、請求項1〜3の発明の何れかにおいて、エバポレータより上流には、車室内の空気をケース内に導入する内気導入と、車室外の空気をケース内に導入する外気導入とを切換える内外気切換部材が設置され、送風部の作動停止後、内外気切換部材を外気導入に切換える内外気切換制御手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、送風部と、エバポレータと、ヒータコアと、エアミックス用調整部材と、空気通路を形成するケースとを備え、このケースには、バイパス通路が、ヒータコア通路よりも上側となるように形成され、送風部の作動停止後、バイパス空気流の割合を実質的に零とするようにエアミックス用調整部材を制御する調整部材制御手段を設けたので、高湿度の空気流のバイパス通路を介してデフロスタ開口側への進入を防止することができる。その結果、高湿度の空気流がデフロスタ開口から吹き出されることが無く、ウインドガラスの曇りを防止することができる。また、エバポレータと、ヒータコアとが配置された狭い空間内に高湿度の空気流が長時間滞留することがなく、これらを清潔に維持することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、送風部はエバポレータより上側に設置され、エバポレータと送風部とを連通する上下方向向きの通路が形成されたので、高湿度の空気が通路を介して送風部に向かって上昇して滞留するため、高湿度の空気流のデフロスタ開口側への進入を確実に防止することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、ケースには、送風部からの空気流をエバポレータに供給する略水平方向向きの供給通路が形成され、この供給通路の上壁は、ヒータコア通過空気流が流れるヒータコア通路の上壁より上側となるように形成されたので、高湿度の空気が供給通路を介して送風部に向かって上昇して滞留するため、高湿度の空気流のデフロスタ開口側への進入を防止でき、ウインドガラスの曇りを確実に防止することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、エバポレータより上流には、内外気切換部材が設置され、送風部の作動停止後、内外気切換部材を外気導入に切換える外気導入に切換える内外気切換制御手段を有するので、高湿度の空気を外気に放出でき、ウインドガラスの曇りを確実に防止することができるうえ、送風部の湿潤状態を抑制でき、送風部の清潔さを維持することができる。また、エンジン停止後、短時間で再度エンジンを始動させて送風部が作動状態となり、吹出モードがデフロスタ吹出モードに設定された場合でもウインドガラスの曇りを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本実施例は、送風部と、空気流を冷却するエバポレータと、空気流を暖めるヒータコアと、エバポレータを通過する空気流のうち、ヒータコアを通過するヒータコア通過空気流と、ヒータコアをバイパスするバイパス空気流との割合を調節可能なエアミックス用調整部材と、空気通路を形成するケースとを備え、送風部の作動によりエバポレータ又はヒータコアにより温度調整された空気流を車両のウインドガラス近傍のデフロスタ開口に供給可能な車両用空調装置に本発明を適用した場合の一例である。
【実施例1】
【0018】
以下、本発明の実施例1について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、インストルメントパネル1の左部にステアリングホイール2が設けられた左ハンドルの車両に空調装置Cを搭載した一例である。図2に示すように、樹脂製のインストルメントパネル1は、エンジンEが収容されたエンジンルームR1と車室R2とを区画するダッシュパネル3の車両後方側に設けられている。なお、図1において、右が車両を後方から前方を視たときの右側である。
【0019】
ステアリングホイール2の前方に位置するインストルメントパネル1の左部には、速度メータ等を収容するクラスター4が配設され、車幅方向(左右方向)の中央部付近には、車両乗員が空調装置Cの運転モードや吹出モードを調整する為の操作ダイヤル5が複数個配設されている。また、それら操作ダイヤル5の下方近傍から車室R2内方に向かって延びるセンターコンソール6には、シフトレバー7を有する変速操作部8が設けられ、この変速操作部8は、乗員がシフトレバー7を操作し易い高さ位置に配置されている。センターコンソール6の後側には、フロアコンソール(図示略)が連設されている。
【0020】
操作ダイヤル5の上方には、オーディオやナビゲーション等が設置されるスペースが形成されている。この設置スペースの左右両側に近接し、インストルメントパネル1の略中央部には、左右1対の縦長のベンチレータ9が夫々設けられており、これらベンチレータ9から車室R2内の中央寄りに向けて空調空気が吹き出すようになっている。インストルメントパネル1の左右両端部にも、縦長のベンチレータ9が夫々設けられており、車室R2の運転席及び助手席乗員に向けて空調空気が吹き出すようになっている。インストルメントパネル1の上面の前端部には、デフロスタ11が設けられ、フロントガラス10及びその近傍に向けて空調空気が吹き出すようになっている。
【0021】
ここで、インストルメントパネル1は、その内部を車幅方向に延びて左右両端がそれぞれ車体に支持された鋼製のパイプからなる強度部材としてのインパネメンバ12を備えている。このインパネメンバ12は、インストルメントパネル1内部の下部近傍に位置しており、後述の空調ユニット13を車幅方向に貫通している。
【0022】
図1、図2に示すように、空調装置Cは、車室外又は車室内の空気を吸い込むインテークボックス14と、空調ユニット13と、制御装置38(図3参照)とを備えている。
空調ユニット13は、インストルメントパネル1内部の車幅方向の略中央部に収容され、その中央部に送風部21と、夫々金属製のエバポレータ16とヒータコア17とを集約させた所謂フルセンタータイプのものである。空調ユニット13は、送風部21の作動によりインテークボックス14を介して車室外又は車室内から吸入した空気を、エバポレータ16で冷却したり、ヒータコア17で暖めたりして所要の温度及び湿度状態の空調空気を生成するものである。
【0023】
図2に示すように、空調ユニット13の上部には、ベントダクト18及びデフロスタダクト19が配設されている。ベントダクト18の下流端は、ベンチレータ9に接続され、デフロスタダクト19の下流端は、デフロスタ11に接続されている。空調ユニット13の右側壁には、車室外又は車室内から取り込んだ空気をケース15内に導入する導入口(図示略)が形成されており、この導入口にインテークボックス14が接続されている。
【0024】
インテークボックス14には、車室内に連通する内気導入口と、車室外にダクトを介して連通する外気導入口とが形成されている。このインテークボックス14内には、内外気切換ドア(内外気切換部材)20が回動可能に設けられ、内外気切換ドア20の回動位置により内気導入口と外気導入口とが択一的に閉じられ、車室外又は車室内の空気が導入口を介して送風部21に吸入される。
【0025】
送風部21は、多翼ファンとこの多翼ファンを回転させるモータ50(図3参照)とからなる遠心式のブロアファンであり、ケース15内の上部に収容されている。送風部21の下端は、送風部21から吹き出された空気流を下方へ送る空気送り通路22に連通している。この空気送り通路22は、エバポレータ16と送風部21とを連通するよう上下方向向きに延びており、その下端には、空気流を冷却するエバポレータ16が配置されている。
【0026】
エバポレータ16は、例えば、アルミニウム合金製のチューブと伝熱フィンとが交互に並べられて一体化されたチューブアンドフィンタイプのものであり、チューブの延びる方向が上下方向となるように縦置きに配置されている。エバポレータ16には、クーラ配管を介してエンジンルームR1内の冷媒回路から膨張弁を経て減圧された冷媒(フロン)が流入するようになっている。そして、このチューブ内を流れる冷媒と空気流とが熱交換して空気流が冷却されるようになっている。この空気流の冷却の際には、フィンやチューブの表面に凝縮水が発生する。
【0027】
エバポレータ16よりも下流側には、そのエバポレータ16を通過した空気流のうち、ヒータコア17に空気流を導くヒータコア通路24と、ヒータコア通路24よりも上側に形成され空気流がヒータコア17をバイパスするバイパス通路25とが区画壁により区画形成され、これらの通路24、25が空気送り通路22に連通している。ヒータコア通路24は、エバポレータ16の後方から空調ユニット13を貫通するインパネメンバ12を下側から上側に向かって回り込むように湾曲しながら延びている。従って、ヒータコア通路24に流入する空気流の流れが、側面視にて略J字を描くスムーズな流れとなる。
【0028】
ヒータコア17は、ヒータコア通路24の途中部において、インパネメンバ12の直下から後方へ向かって下り傾斜状に延びるように配置されている。ヒータコア17はエバポレータ16と同様にチューブアンドフィンタイプのものであり、エンジン側から高温の冷却液が導入されるようになっている。ヒータコア17のチューブ内を流れる高温のエンジン冷却水とエバポレータ16を通過した空気流とが熱交換して、その空気流が暖気されるようになっている。
【0029】
ヒータコア通路24及びバイパス通路25の下流端は、夫々、ケース15内の上部後側に形成されたエアミックス空間26に下側から連通している。このエアミックス空間26の下方には、ヒータコア通路24とバイパス通路25の下流端の通路開口面積を調整可能な側面視にてへの字状のエアミックスドア(エアミックス用調整部材)27であってヒータコア通過空気流とバイパス空気流とのエアミックス空間26内への流入量及び割合を調節するエアミックスドア27が支点を中心として回動可能に設けられている。
【0030】
エアミックス空間26の上部には、ベント導出口28と、デフロスタ導出口29とが前後に並んで開口し、それら各導出口28、29には、通路開口面積を調節可能なベントドア30及びデフロスタドア31が配設されている。ベント導出口28には、インストルメントパネル1内のベントダクト18の上流端が接続され、デフロスタ導出口29には、デフロスタダクト19の上流端が接続されている。
【0031】
エアミックス空間26の後側下部には、フット導出口32が後方へ斜め下向きに延びる導出通路37に連通し、そのフット導出口32の上端には、エアミックス空間26との連通部分の通路開口面積を調節可能なフットドア33が配設されている。
【0032】
ここで、上記のように構成された車両用空調装置Cの動作について説明する。
空調ユニット13において、送風部21の作動により、空気送り通路22に吹き出された空気流が、図2の矢印で示すように空気送り通路22の上流端側から下流端側へ流れ、エバポレータ16を通過することにより空気流が冷却される。このエバポレータ通過空気流は、エアミックスドア27の回動位置によって決まる風量の分配割合に応じて、図2の矢印で示すようにヒータコア通路24とバイパス通路25とに分岐し、ヒータコア通路24側に向かったエバポレータ通過空気流はヒータコア17を通過することにより暖められる。
【0033】
そして、ヒータコア通路24及びバイパス通路25に分岐した空気流(温風及び冷風)は、エアミックス空間26内で合流するとともに混合され、所要の温度及び湿度の空調空気に調整される。この空調空気は、ベントドア30、デフロスタドア31、フットドア33の夫々の開度が調整されるのに応じてベント導出口28、デフロスタ導出口29及びフット導出口32のうちの少なくとも1つからベンチレータ9、デフロスタ11、フット吹出口(図示略)を介して車室R2内へ供給される。
【0034】
次に、車両用空調装置Cの制御系について説明する。
図3に示すように、空調コントロールユニット(制御装置)38は、CPU39とROM40とRAM41とを含むマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにデータバスなどのバス42を介して接続された入力インターフェース43及び出力インターフェース44等を有する。入力インターフェース43には、イグニッションスイッチ45と、操作ダイヤル5と、車室外の温度を検知する為の外気温度検知センサ46と、車室内の温度を検知する為の内気温度検知センサ47と、車室内の設定温度を検知する為の車室内設定温度検知センサ48と、車室内に進入する日射量を検知する為の日射量検知センサ60と、エンジン冷却水温度を検知する為のエンジン冷却水温度検知センサ61等が接続されている。
【0035】
出力インターインターフェース44には、内外気切換ドア20の開度位置を切換える内外気切換アクチュエータ(例えば、電動モータやソレノイドなど)49と、作動部21のファンのモータ50に電源を供給するパワートランジスタ51と、エアミックスドア27の回動位置を切換えるエアミックスドア切換アクチュエータ52と、各種ドア30、31、33の開度位置を切換える導出口切換アクチュエータ53等が接続されている。
【0036】
空調コントロールユニット38のROM40には、イグニッションスイッチ45、操作ダイヤル5、各種検知センサ46〜48、60、61から入力される信号に基づいて、エアミックスドア27の回動位置、各種ドア30、31、33の開度調整、モータ50の運転状態を制御する為のプログラム等が予め格納されている。
【0037】
次に、空調コントロールユニットで実行される空調制御のフローチャートについて、図4に基づいて説明する。尚、図中Si(i=1,2,3・・・)は各ステップを示す。
先ず、車両走行中において、外気温度、内気温度、車室内の設定温度、日射量、エンジン冷却水温度等を各種センサ46〜48、60、61にて読み取り、この各値が空調コントロールユニット38に入力される。次に、イグニッションスイッチ45がオンからオフに操作されたか否かが判定される(S2)。つまり、作動部21が作動状態から停止状態に切り換わったか否かが判定される。イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作されなかった場合は(S2;Yes)、つまり、イグニッションスイッチ45がオン状態の場合には、乗員による操作ダイヤル5の操作に応じて通常の空調制御が実行される(S3)。
【0038】
この通常の空調制御では、乗員による操作ダイヤル5の操作に応じて設定された運転モードと吹出モードとに基づいて、各吹出口から吹き出される空調空気の風量、エアミックスドア27の回動位置、各種ドア30、31、33の開度調整、内外気切換ドア20の回動位置が制御される。運転モードは、暖房用の暖房運転モード、冷房用の冷房運転モード、及びその暖房用と冷房用との間の中間運転モードの3つの運転モードがある。また、吹出モードは、ベンチレータ9から空調空気を乗員の上半身に向けて吹き出させるベントモード、デフロスタ11から空調空気をフロントガラス10に向けて吹き出させるデフモード、フット吹出口(図示略)から乗員の足元に向けて空調空気を吹き出させるフットモード等の吹出モードがある。
【0039】
吹出モードとして、例えば、ベントモードが設定されているときには、ベントドア30を全開状態とする。また、デフモードが設定されているときには、デフロスタドア31を全開状態とする。また、フットモードが設定されているときには、フットドア33を全開状態とする。
【0040】
運転モードとして、例えば、冷房運転モード(フルコールモード)が設定されているときには、図5に示すようにエアミックスドア27の回動位置を切換えて、ヒータコア通路24の下流端開口を閉口する。従って、暖房運転時には、エバポレータ16を通過して冷却された空気流が、ヒータコア通路24には流れずにバイパス通路25へ流れることになる。また、運転モードとして、例えば、暖房運転モードが設定されているときには、図6に示すように、エアミックスドア27の回動位置を切換えて、バイパス通路25の下流端開口を閉口する。従って、暖房運転時には、エバポレータ16を通過して冷却された空気流は、バイパス通路25には流れずにヒータコア通路24へ流れることになる。なお、この通常空調制御は、手動制御もしくは自動制御により実行可能である。
【0041】
一方、図4に示すように、S2において、イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作されたと判定された場合は(S2;No)、そのイグニッションスイッチ45のオフ状態が所定時間経過しているか否かが判定される(S4)。そして、イグニッションスイッチ45がオフ操作されてから所定時間経過していると判定された場合は(S4;No)、スタートにリターンする。
【0042】
イグニッションスイッチ45がオフ操作された直後(作動部21が作動停止状態に切り換わった状態の直後)の場合は(S4;Yes)、バイパス空気流のエアミックス空間26への流入量の割合が零となるよう、図6に示すようにエアミックスドア27をバイパス通路25の下流端側に側面視にてコ字状となる回動位置に回動させてバイパス通路25の下流端の開口を閉口する。次に、内外気切換ドア20を内気導入口側に回動させてインテークボックス14の内気導入口を閉口し、外気導入口を開口する(S6)。尚、調整部材制御手段は、図2に示すフローチャートのS5と制御装置38により構成され、内外気切換制御手段は、図2のフローチャートのS6と制御装置38により構成されている。
【0043】
次に、以上説明した実施例1の車両用空調装置の作用、効果について説明する。
イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作され作動部21の作動停止直後において、エバポレータ16で発生した凝縮水が、ヒータコアの放熱又は外気の熱によって蒸発し、ケース15内が高湿度の状態になる。
【0044】
この状態において、空調コントロールユニット38により、図6に示すように、エアミックスドア27の回動位置が切換えられ、エアミックスドア27によりバイパス通路25の下流端開口が閉口され、内外切換ドア20の回動位置が切換えられ、内外気切換ドア20によりインテークボックス14の内気導入口が閉口されて、外気導入口が開口されるように制御される。尚、外気導入口の開口は、イグニッションスイッチ45のオフ操作により、エンジンの運転が停止した後、エンジンの温度が所定温度(水温であれば、30〜50度)以下となったような冷めた状態となった時から所定時間の限られた期間で行うことで、外気の異臭導入を抑制できる。この場合、エンジン水温やタイマーに基づいて外気導入口の開口を制御すればよい。
【0045】
そのため、高湿度の空気流のバイパス通路25の下流端開口からエアミックス空間26内への流入が遮断され、その空気流が送風部21に向かって上昇し、送風部21に滞留もしくは外気へ放出される。その結果、高湿度の空気流のデフロスタ開口側への進入を防止することができ、デフロスタ11から高湿度の空気流が吹き出されることが無く、フロントガラス10の曇りを防止することができる。
【0046】
また、ケース15内のうちのエバポレータ16と、ヒータコア17とが配置された狭い空間内に高湿度の空気流が長時間滞留することがなく、これらを清潔に維持することができる。特に、本実施形態では、エバポレータ16やヒータコア17は金属製であり、これらエバポレータ16やヒータコア17の周囲で高湿度の空気流が滞留することで、露化した水滴が付着した状態が極めて長い時間続き、清潔さを維持できなくなるといったこともない。さらに、ケース15内に設けられたシート部材の熱劣化も防止できる。
【0047】
高湿度の空気流が外気に放出される場合は、高湿度の空気流による送風部21の湿潤状態を抑制でき、送風部21の清潔さを維持することができる。また、エンジン停止後、短時間で再度エンジンを始動させて送風部21が作動状態となり、吹出モードがデフロスタ吹出モードに設定された場合でもフロントガラス10の曇りを確実に防止することができる。尚、本発明においては、外気導入口の開口は敢えて必要ではなく、高湿度の空気流を、金属部品が少なく大容量の空間である送風部21に滞留させたままでもよい。この場合、送風部21の内面で単位面積当たりに露化される水滴は僅かとなり、乾燥もしやすいことから清潔さを長期使用において保持できる。
【0048】
次に、実施例2に係る車両用空調装置C1について図7、図8に基づいて説明する。実施例2は、実施例1の空調装置Cの制御系を適用した場合の一例である。尚、この空調装置C1のうち、前記実施例1の空調装置Cと同様の部材に同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
図7に示すように、この空調装置C1は、車室外又は車室内の空気を吸い込むインテークボックス14と、空調ユニット13aと、制御装置38(図3参照)とを備えている。
図7、図8に示すように、空調ユニット13aは、助手席側の前側のインストルメントパネル1内部に送風部34を配設するとともに、インストルメントパネル1内部の車幅方向略中央部にエバポレータ16及びヒータコア17を集約させた所謂セミセンタータイプのものである。
【0050】
図8に示すように、この空調ユニット13aのケース15aには、エバポレータ16の側部から略水平方向に延びる供給通路54と、この供給通路54と送風部34との連通部分の供給通路開口35とが形成されている。供給通路54の上壁は、ヒータコア通過空気流が流れるヒータコア通路24の上壁よりも上側となるように形成されている。送風部34の上壁には、車室外又は車室内から取り込んだ空気を送風部34内に導入する導入口36が形成され、この導入口36に内外気切換えドア20を備えたインテークボックス14が接続されている。
【0051】
以上説明した実施例2の車両用空調装置の作用、効果について説明する。
イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作され作動部35の作動停止直後において、空調コントロールユニット38により、図8に示すように、エアミックスドア27の回動位置が切換えられ、エアミックスドア27によりバイパス通路25の下流端開口が閉口され、内外気切換ドア20の回動位置が切換えられ、内外気切換えドア20によりインテークボックス14内の内気導入口が閉口されて、外気導入口が開口されるように制御される。
【0052】
そのため、高湿度の空気流のバイパス通路25の下流端開口からエアミックス空間26内への流入が遮断され、その空気流が、エバポレータ16を通過して供給通路54を介して供給通路開口35に向けて上昇し、送風部34に滞留もしくは外気へ放出される。その結果、高湿度の空気流のデフロスタ開口側への進入を確実に防止し、フロントガラス10の曇りを防止することができる。また、高湿度の空気流による送風部34の湿潤状態を抑制でき、送風部34の清潔さを維持することができる。
【0053】
次に、前記実施例1、2を部分的に変更した変更例について説明する。
1〕実施例1,2では、送風部21、34の作動停止後のエアミックスドア27の制御として、空調装置C、C1の運転中におけるイグニッションスイッチ45のオフ操作を判定したが、これに限らず、イグニッションスイッチ45のオフ操作後、所定時間(5〜10秒)経過後にエアミックスドア27を本発明のように制御してもよい。
【0054】
2〕イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作された直後に、送風部21、34のモータ50が逆回転するように制御して、送風部21、34により高湿度の空気流を逆流させるようにしてもよい。この場合、高湿度の空気流の掃気性の向上を図ることができる。
【0055】
3〕携帯型の無線信号送信機(スマートキー)によるスマートエントリシステムを採用した車両においては、車両乗員が車両から降りてドアロックされると、空調コントロールユニット38により、デフロスタドア31が全閉されるように制御して、デフロスタ開口を閉じるようにしてもよい。
【0056】
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例1、2に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1に係る車両用空調装置が搭載されたインストルメントパネルの斜視図である。
【図2】車両用空調装置の内部構造を示す縦断面図である。
【図3】車両用空調装置の制御系を示す図である。
【図4】空調制御のフローチャートを示す図である。
【図5】冷房運転時の車両用空調装置の内部構造を示す縦断面図である。
【図6】暖房運転時の車両用空調装置の内部構造を示す縦断面図である。
【図7】実施例2に係る車両空調装置が搭載されたインストルメントパネルの斜視図である。
【図8】実施例2の車両用空調装置の内部構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0058】
C、C1 車両用空調装置
10 ウインドガラス
11 デフロスタ
15 ケース
16 エバポレータ
17 ヒータコア
21、34 送風部
22 空気送り通路
24 ヒータコア通路
25 バイパス通路
20 内外気切換部材
27 エアミックス用調整部材
38 制御装置
54 供給通路
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のウインドガラスの曇りを防止する車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用空調装置では、ブロアファンの作動により、ケース内の空気通路に吹き出されエバポレータを通過した空気流のうち、ヒータコアを通過するヒータコア通過空気流と、ヒータコアをバイパスするバイパス空気流との風量割合が、エアミックスドアにより調節される。そして、エアミックス空間を通過して温度調整された空気流が、各吹出モードに応じてデフロスタ吹出口、ベント吹出口、フット吹出口の中から選択された少なくとも一つの吹出口から車室内へ吹き出される。
【0003】
ところで、外気温が低い冬場において、エバポレータで冷却され、ヒータコアで暖気された空気流を車室内へ吹き出す暖房運転を行った後、エンジンを停止して停車し、空調装置が作動状態から停止状態になった場合に、ヒータコアからの放熱により、空調装置のダクト内の空気温度が上昇し、エバポレータで発生した凝縮水が蒸発してダクト内が高湿度状態となる。そして、フロントガラス近傍のデフロスタ吹出口が開口している場合に、その高湿度の空気がデフロスタ吹出口から吹き出されると、フロントガラスの表面温度が低いことから、フロントガラスが結露して曇ってしまうことがある。
【0004】
そこで、近年、車両のウインドガラスの曇りを防止する車両用空調装置が提案され実用に供されている。例えば、特許文献1の車両用空調装置においては、車両のイグニッションスイッチがオンからオフとなった際、空調装置が作動停止状態となり、吹出モードがフロントガラス近傍に配置されたデフロスタ吹出口を開口するモードである場合に、所定時間経過後、吹出口制御手段が、デフロスタ吹出口を閉口するようにデフロスタ開閉手段を制御する。
【特許文献1】特開平9−66727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の車両用空調装置においては、空調装置が作動停止状態となると、制御手段により、吹出モードがデフロスタ吹出口を閉口するモードに制御されるので、高湿度の空気がデフロスタ吹出口から吹き出されることが無く、フロントガラスの曇りを防止できる。
しかし、デフロスタ吹出口が閉口されると、高湿度の空気が、ケース内のエバポレータやヒータコア等が集約された狭い空間内に長時間滞留するため、ケース内の埃に水分が溜まったものが付着すると、例えば、ケース内において空気通路等に汚れが発生し、ケース内の清潔さを維持することができないという問題ある。
【0006】
本発明の目的は、車両用空調装置において、送風部の作動停止後の車両のウインドガラスの曇りを防止すること、ケース内の清潔さを維持すること等である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の車両用空調装置は、送風部と、空気流を冷却するエバポレータと、空気流を暖めるヒータコアと、エバポレータを通過する空気流のうち、ヒータコアを通過するヒータコア通過空気流と、ヒータコアをバイパスするバイパス空気流との割合を調節可能なエアミックス用調整部材と、空気通路を形成するケースとを備え、送風部の作動によりエバポレータ又はヒータコアにより温度調整された空気流を車両のウインドガラス近傍のデフロスタ開口に供給可能な車両用空調装置において、ケースには、バイパス空気流が流れる通路が、前記ヒータコア通過空気流が流れる通路よりも上側となるように形成されており、送風部の作動停止後、バイパス空気流の割合を実質的に零とするようにエアミックス用調整部材を制御する調整部材制御手段を設けたものである。
【0008】
送風部の作動により空気通路に吹き出された空気流が、エバポレータを通過し、エアミックス用調整部材により、そのエバポレータを通過した空気流のうち、ヒータコア通過空気流とバイパス空気流との割合が調節される。そして、その空気流が、エアミックスされ温度調整されてデフロスタ開口に供給される。
【0009】
送風部の作動停止後、調整部材制御手段により、バイパス空気流の割合が実質的に零となるように制御される。その結果、例えば、送風部の作動停止後、エバポレータで発生した凝縮水が、ヒータコアの放熱によって蒸発し、ケース内が高湿度の状態となった場合、エバポレータを通過した高湿度の空気が、バイパス通路を介してデフロスタ開口側へ進入することがない。
【0010】
請求項2の車両用空調装置は、請求項1の発明において、送風部はエバポレータより上側に設置され、前記エバポレータと送風部とを連通する上下方向向きの通路が形成されたことを特徴としている。
【0011】
請求項3の車両用空調装置は、請求項1の発明において、ケースには、送風部からの空気流をエバポレータに供給する略水平方向向きの供給通路が形成され、この供給通路の上壁は、ヒータコア通過空気流が流れるヒータコア通路の上壁より上側となるように形成されたことを特徴としている。
【0012】
請求項4の車両用空調装置は、請求項1〜3の発明の何れかにおいて、エバポレータより上流には、車室内の空気をケース内に導入する内気導入と、車室外の空気をケース内に導入する外気導入とを切換える内外気切換部材が設置され、送風部の作動停止後、内外気切換部材を外気導入に切換える内外気切換制御手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、送風部と、エバポレータと、ヒータコアと、エアミックス用調整部材と、空気通路を形成するケースとを備え、このケースには、バイパス通路が、ヒータコア通路よりも上側となるように形成され、送風部の作動停止後、バイパス空気流の割合を実質的に零とするようにエアミックス用調整部材を制御する調整部材制御手段を設けたので、高湿度の空気流のバイパス通路を介してデフロスタ開口側への進入を防止することができる。その結果、高湿度の空気流がデフロスタ開口から吹き出されることが無く、ウインドガラスの曇りを防止することができる。また、エバポレータと、ヒータコアとが配置された狭い空間内に高湿度の空気流が長時間滞留することがなく、これらを清潔に維持することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、送風部はエバポレータより上側に設置され、エバポレータと送風部とを連通する上下方向向きの通路が形成されたので、高湿度の空気が通路を介して送風部に向かって上昇して滞留するため、高湿度の空気流のデフロスタ開口側への進入を確実に防止することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、ケースには、送風部からの空気流をエバポレータに供給する略水平方向向きの供給通路が形成され、この供給通路の上壁は、ヒータコア通過空気流が流れるヒータコア通路の上壁より上側となるように形成されたので、高湿度の空気が供給通路を介して送風部に向かって上昇して滞留するため、高湿度の空気流のデフロスタ開口側への進入を防止でき、ウインドガラスの曇りを確実に防止することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、エバポレータより上流には、内外気切換部材が設置され、送風部の作動停止後、内外気切換部材を外気導入に切換える外気導入に切換える内外気切換制御手段を有するので、高湿度の空気を外気に放出でき、ウインドガラスの曇りを確実に防止することができるうえ、送風部の湿潤状態を抑制でき、送風部の清潔さを維持することができる。また、エンジン停止後、短時間で再度エンジンを始動させて送風部が作動状態となり、吹出モードがデフロスタ吹出モードに設定された場合でもウインドガラスの曇りを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本実施例は、送風部と、空気流を冷却するエバポレータと、空気流を暖めるヒータコアと、エバポレータを通過する空気流のうち、ヒータコアを通過するヒータコア通過空気流と、ヒータコアをバイパスするバイパス空気流との割合を調節可能なエアミックス用調整部材と、空気通路を形成するケースとを備え、送風部の作動によりエバポレータ又はヒータコアにより温度調整された空気流を車両のウインドガラス近傍のデフロスタ開口に供給可能な車両用空調装置に本発明を適用した場合の一例である。
【実施例1】
【0018】
以下、本発明の実施例1について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、インストルメントパネル1の左部にステアリングホイール2が設けられた左ハンドルの車両に空調装置Cを搭載した一例である。図2に示すように、樹脂製のインストルメントパネル1は、エンジンEが収容されたエンジンルームR1と車室R2とを区画するダッシュパネル3の車両後方側に設けられている。なお、図1において、右が車両を後方から前方を視たときの右側である。
【0019】
ステアリングホイール2の前方に位置するインストルメントパネル1の左部には、速度メータ等を収容するクラスター4が配設され、車幅方向(左右方向)の中央部付近には、車両乗員が空調装置Cの運転モードや吹出モードを調整する為の操作ダイヤル5が複数個配設されている。また、それら操作ダイヤル5の下方近傍から車室R2内方に向かって延びるセンターコンソール6には、シフトレバー7を有する変速操作部8が設けられ、この変速操作部8は、乗員がシフトレバー7を操作し易い高さ位置に配置されている。センターコンソール6の後側には、フロアコンソール(図示略)が連設されている。
【0020】
操作ダイヤル5の上方には、オーディオやナビゲーション等が設置されるスペースが形成されている。この設置スペースの左右両側に近接し、インストルメントパネル1の略中央部には、左右1対の縦長のベンチレータ9が夫々設けられており、これらベンチレータ9から車室R2内の中央寄りに向けて空調空気が吹き出すようになっている。インストルメントパネル1の左右両端部にも、縦長のベンチレータ9が夫々設けられており、車室R2の運転席及び助手席乗員に向けて空調空気が吹き出すようになっている。インストルメントパネル1の上面の前端部には、デフロスタ11が設けられ、フロントガラス10及びその近傍に向けて空調空気が吹き出すようになっている。
【0021】
ここで、インストルメントパネル1は、その内部を車幅方向に延びて左右両端がそれぞれ車体に支持された鋼製のパイプからなる強度部材としてのインパネメンバ12を備えている。このインパネメンバ12は、インストルメントパネル1内部の下部近傍に位置しており、後述の空調ユニット13を車幅方向に貫通している。
【0022】
図1、図2に示すように、空調装置Cは、車室外又は車室内の空気を吸い込むインテークボックス14と、空調ユニット13と、制御装置38(図3参照)とを備えている。
空調ユニット13は、インストルメントパネル1内部の車幅方向の略中央部に収容され、その中央部に送風部21と、夫々金属製のエバポレータ16とヒータコア17とを集約させた所謂フルセンタータイプのものである。空調ユニット13は、送風部21の作動によりインテークボックス14を介して車室外又は車室内から吸入した空気を、エバポレータ16で冷却したり、ヒータコア17で暖めたりして所要の温度及び湿度状態の空調空気を生成するものである。
【0023】
図2に示すように、空調ユニット13の上部には、ベントダクト18及びデフロスタダクト19が配設されている。ベントダクト18の下流端は、ベンチレータ9に接続され、デフロスタダクト19の下流端は、デフロスタ11に接続されている。空調ユニット13の右側壁には、車室外又は車室内から取り込んだ空気をケース15内に導入する導入口(図示略)が形成されており、この導入口にインテークボックス14が接続されている。
【0024】
インテークボックス14には、車室内に連通する内気導入口と、車室外にダクトを介して連通する外気導入口とが形成されている。このインテークボックス14内には、内外気切換ドア(内外気切換部材)20が回動可能に設けられ、内外気切換ドア20の回動位置により内気導入口と外気導入口とが択一的に閉じられ、車室外又は車室内の空気が導入口を介して送風部21に吸入される。
【0025】
送風部21は、多翼ファンとこの多翼ファンを回転させるモータ50(図3参照)とからなる遠心式のブロアファンであり、ケース15内の上部に収容されている。送風部21の下端は、送風部21から吹き出された空気流を下方へ送る空気送り通路22に連通している。この空気送り通路22は、エバポレータ16と送風部21とを連通するよう上下方向向きに延びており、その下端には、空気流を冷却するエバポレータ16が配置されている。
【0026】
エバポレータ16は、例えば、アルミニウム合金製のチューブと伝熱フィンとが交互に並べられて一体化されたチューブアンドフィンタイプのものであり、チューブの延びる方向が上下方向となるように縦置きに配置されている。エバポレータ16には、クーラ配管を介してエンジンルームR1内の冷媒回路から膨張弁を経て減圧された冷媒(フロン)が流入するようになっている。そして、このチューブ内を流れる冷媒と空気流とが熱交換して空気流が冷却されるようになっている。この空気流の冷却の際には、フィンやチューブの表面に凝縮水が発生する。
【0027】
エバポレータ16よりも下流側には、そのエバポレータ16を通過した空気流のうち、ヒータコア17に空気流を導くヒータコア通路24と、ヒータコア通路24よりも上側に形成され空気流がヒータコア17をバイパスするバイパス通路25とが区画壁により区画形成され、これらの通路24、25が空気送り通路22に連通している。ヒータコア通路24は、エバポレータ16の後方から空調ユニット13を貫通するインパネメンバ12を下側から上側に向かって回り込むように湾曲しながら延びている。従って、ヒータコア通路24に流入する空気流の流れが、側面視にて略J字を描くスムーズな流れとなる。
【0028】
ヒータコア17は、ヒータコア通路24の途中部において、インパネメンバ12の直下から後方へ向かって下り傾斜状に延びるように配置されている。ヒータコア17はエバポレータ16と同様にチューブアンドフィンタイプのものであり、エンジン側から高温の冷却液が導入されるようになっている。ヒータコア17のチューブ内を流れる高温のエンジン冷却水とエバポレータ16を通過した空気流とが熱交換して、その空気流が暖気されるようになっている。
【0029】
ヒータコア通路24及びバイパス通路25の下流端は、夫々、ケース15内の上部後側に形成されたエアミックス空間26に下側から連通している。このエアミックス空間26の下方には、ヒータコア通路24とバイパス通路25の下流端の通路開口面積を調整可能な側面視にてへの字状のエアミックスドア(エアミックス用調整部材)27であってヒータコア通過空気流とバイパス空気流とのエアミックス空間26内への流入量及び割合を調節するエアミックスドア27が支点を中心として回動可能に設けられている。
【0030】
エアミックス空間26の上部には、ベント導出口28と、デフロスタ導出口29とが前後に並んで開口し、それら各導出口28、29には、通路開口面積を調節可能なベントドア30及びデフロスタドア31が配設されている。ベント導出口28には、インストルメントパネル1内のベントダクト18の上流端が接続され、デフロスタ導出口29には、デフロスタダクト19の上流端が接続されている。
【0031】
エアミックス空間26の後側下部には、フット導出口32が後方へ斜め下向きに延びる導出通路37に連通し、そのフット導出口32の上端には、エアミックス空間26との連通部分の通路開口面積を調節可能なフットドア33が配設されている。
【0032】
ここで、上記のように構成された車両用空調装置Cの動作について説明する。
空調ユニット13において、送風部21の作動により、空気送り通路22に吹き出された空気流が、図2の矢印で示すように空気送り通路22の上流端側から下流端側へ流れ、エバポレータ16を通過することにより空気流が冷却される。このエバポレータ通過空気流は、エアミックスドア27の回動位置によって決まる風量の分配割合に応じて、図2の矢印で示すようにヒータコア通路24とバイパス通路25とに分岐し、ヒータコア通路24側に向かったエバポレータ通過空気流はヒータコア17を通過することにより暖められる。
【0033】
そして、ヒータコア通路24及びバイパス通路25に分岐した空気流(温風及び冷風)は、エアミックス空間26内で合流するとともに混合され、所要の温度及び湿度の空調空気に調整される。この空調空気は、ベントドア30、デフロスタドア31、フットドア33の夫々の開度が調整されるのに応じてベント導出口28、デフロスタ導出口29及びフット導出口32のうちの少なくとも1つからベンチレータ9、デフロスタ11、フット吹出口(図示略)を介して車室R2内へ供給される。
【0034】
次に、車両用空調装置Cの制御系について説明する。
図3に示すように、空調コントロールユニット(制御装置)38は、CPU39とROM40とRAM41とを含むマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにデータバスなどのバス42を介して接続された入力インターフェース43及び出力インターフェース44等を有する。入力インターフェース43には、イグニッションスイッチ45と、操作ダイヤル5と、車室外の温度を検知する為の外気温度検知センサ46と、車室内の温度を検知する為の内気温度検知センサ47と、車室内の設定温度を検知する為の車室内設定温度検知センサ48と、車室内に進入する日射量を検知する為の日射量検知センサ60と、エンジン冷却水温度を検知する為のエンジン冷却水温度検知センサ61等が接続されている。
【0035】
出力インターインターフェース44には、内外気切換ドア20の開度位置を切換える内外気切換アクチュエータ(例えば、電動モータやソレノイドなど)49と、作動部21のファンのモータ50に電源を供給するパワートランジスタ51と、エアミックスドア27の回動位置を切換えるエアミックスドア切換アクチュエータ52と、各種ドア30、31、33の開度位置を切換える導出口切換アクチュエータ53等が接続されている。
【0036】
空調コントロールユニット38のROM40には、イグニッションスイッチ45、操作ダイヤル5、各種検知センサ46〜48、60、61から入力される信号に基づいて、エアミックスドア27の回動位置、各種ドア30、31、33の開度調整、モータ50の運転状態を制御する為のプログラム等が予め格納されている。
【0037】
次に、空調コントロールユニットで実行される空調制御のフローチャートについて、図4に基づいて説明する。尚、図中Si(i=1,2,3・・・)は各ステップを示す。
先ず、車両走行中において、外気温度、内気温度、車室内の設定温度、日射量、エンジン冷却水温度等を各種センサ46〜48、60、61にて読み取り、この各値が空調コントロールユニット38に入力される。次に、イグニッションスイッチ45がオンからオフに操作されたか否かが判定される(S2)。つまり、作動部21が作動状態から停止状態に切り換わったか否かが判定される。イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作されなかった場合は(S2;Yes)、つまり、イグニッションスイッチ45がオン状態の場合には、乗員による操作ダイヤル5の操作に応じて通常の空調制御が実行される(S3)。
【0038】
この通常の空調制御では、乗員による操作ダイヤル5の操作に応じて設定された運転モードと吹出モードとに基づいて、各吹出口から吹き出される空調空気の風量、エアミックスドア27の回動位置、各種ドア30、31、33の開度調整、内外気切換ドア20の回動位置が制御される。運転モードは、暖房用の暖房運転モード、冷房用の冷房運転モード、及びその暖房用と冷房用との間の中間運転モードの3つの運転モードがある。また、吹出モードは、ベンチレータ9から空調空気を乗員の上半身に向けて吹き出させるベントモード、デフロスタ11から空調空気をフロントガラス10に向けて吹き出させるデフモード、フット吹出口(図示略)から乗員の足元に向けて空調空気を吹き出させるフットモード等の吹出モードがある。
【0039】
吹出モードとして、例えば、ベントモードが設定されているときには、ベントドア30を全開状態とする。また、デフモードが設定されているときには、デフロスタドア31を全開状態とする。また、フットモードが設定されているときには、フットドア33を全開状態とする。
【0040】
運転モードとして、例えば、冷房運転モード(フルコールモード)が設定されているときには、図5に示すようにエアミックスドア27の回動位置を切換えて、ヒータコア通路24の下流端開口を閉口する。従って、暖房運転時には、エバポレータ16を通過して冷却された空気流が、ヒータコア通路24には流れずにバイパス通路25へ流れることになる。また、運転モードとして、例えば、暖房運転モードが設定されているときには、図6に示すように、エアミックスドア27の回動位置を切換えて、バイパス通路25の下流端開口を閉口する。従って、暖房運転時には、エバポレータ16を通過して冷却された空気流は、バイパス通路25には流れずにヒータコア通路24へ流れることになる。なお、この通常空調制御は、手動制御もしくは自動制御により実行可能である。
【0041】
一方、図4に示すように、S2において、イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作されたと判定された場合は(S2;No)、そのイグニッションスイッチ45のオフ状態が所定時間経過しているか否かが判定される(S4)。そして、イグニッションスイッチ45がオフ操作されてから所定時間経過していると判定された場合は(S4;No)、スタートにリターンする。
【0042】
イグニッションスイッチ45がオフ操作された直後(作動部21が作動停止状態に切り換わった状態の直後)の場合は(S4;Yes)、バイパス空気流のエアミックス空間26への流入量の割合が零となるよう、図6に示すようにエアミックスドア27をバイパス通路25の下流端側に側面視にてコ字状となる回動位置に回動させてバイパス通路25の下流端の開口を閉口する。次に、内外気切換ドア20を内気導入口側に回動させてインテークボックス14の内気導入口を閉口し、外気導入口を開口する(S6)。尚、調整部材制御手段は、図2に示すフローチャートのS5と制御装置38により構成され、内外気切換制御手段は、図2のフローチャートのS6と制御装置38により構成されている。
【0043】
次に、以上説明した実施例1の車両用空調装置の作用、効果について説明する。
イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作され作動部21の作動停止直後において、エバポレータ16で発生した凝縮水が、ヒータコアの放熱又は外気の熱によって蒸発し、ケース15内が高湿度の状態になる。
【0044】
この状態において、空調コントロールユニット38により、図6に示すように、エアミックスドア27の回動位置が切換えられ、エアミックスドア27によりバイパス通路25の下流端開口が閉口され、内外切換ドア20の回動位置が切換えられ、内外気切換ドア20によりインテークボックス14の内気導入口が閉口されて、外気導入口が開口されるように制御される。尚、外気導入口の開口は、イグニッションスイッチ45のオフ操作により、エンジンの運転が停止した後、エンジンの温度が所定温度(水温であれば、30〜50度)以下となったような冷めた状態となった時から所定時間の限られた期間で行うことで、外気の異臭導入を抑制できる。この場合、エンジン水温やタイマーに基づいて外気導入口の開口を制御すればよい。
【0045】
そのため、高湿度の空気流のバイパス通路25の下流端開口からエアミックス空間26内への流入が遮断され、その空気流が送風部21に向かって上昇し、送風部21に滞留もしくは外気へ放出される。その結果、高湿度の空気流のデフロスタ開口側への進入を防止することができ、デフロスタ11から高湿度の空気流が吹き出されることが無く、フロントガラス10の曇りを防止することができる。
【0046】
また、ケース15内のうちのエバポレータ16と、ヒータコア17とが配置された狭い空間内に高湿度の空気流が長時間滞留することがなく、これらを清潔に維持することができる。特に、本実施形態では、エバポレータ16やヒータコア17は金属製であり、これらエバポレータ16やヒータコア17の周囲で高湿度の空気流が滞留することで、露化した水滴が付着した状態が極めて長い時間続き、清潔さを維持できなくなるといったこともない。さらに、ケース15内に設けられたシート部材の熱劣化も防止できる。
【0047】
高湿度の空気流が外気に放出される場合は、高湿度の空気流による送風部21の湿潤状態を抑制でき、送風部21の清潔さを維持することができる。また、エンジン停止後、短時間で再度エンジンを始動させて送風部21が作動状態となり、吹出モードがデフロスタ吹出モードに設定された場合でもフロントガラス10の曇りを確実に防止することができる。尚、本発明においては、外気導入口の開口は敢えて必要ではなく、高湿度の空気流を、金属部品が少なく大容量の空間である送風部21に滞留させたままでもよい。この場合、送風部21の内面で単位面積当たりに露化される水滴は僅かとなり、乾燥もしやすいことから清潔さを長期使用において保持できる。
【0048】
次に、実施例2に係る車両用空調装置C1について図7、図8に基づいて説明する。実施例2は、実施例1の空調装置Cの制御系を適用した場合の一例である。尚、この空調装置C1のうち、前記実施例1の空調装置Cと同様の部材に同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
図7に示すように、この空調装置C1は、車室外又は車室内の空気を吸い込むインテークボックス14と、空調ユニット13aと、制御装置38(図3参照)とを備えている。
図7、図8に示すように、空調ユニット13aは、助手席側の前側のインストルメントパネル1内部に送風部34を配設するとともに、インストルメントパネル1内部の車幅方向略中央部にエバポレータ16及びヒータコア17を集約させた所謂セミセンタータイプのものである。
【0050】
図8に示すように、この空調ユニット13aのケース15aには、エバポレータ16の側部から略水平方向に延びる供給通路54と、この供給通路54と送風部34との連通部分の供給通路開口35とが形成されている。供給通路54の上壁は、ヒータコア通過空気流が流れるヒータコア通路24の上壁よりも上側となるように形成されている。送風部34の上壁には、車室外又は車室内から取り込んだ空気を送風部34内に導入する導入口36が形成され、この導入口36に内外気切換えドア20を備えたインテークボックス14が接続されている。
【0051】
以上説明した実施例2の車両用空調装置の作用、効果について説明する。
イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作され作動部35の作動停止直後において、空調コントロールユニット38により、図8に示すように、エアミックスドア27の回動位置が切換えられ、エアミックスドア27によりバイパス通路25の下流端開口が閉口され、内外気切換ドア20の回動位置が切換えられ、内外気切換えドア20によりインテークボックス14内の内気導入口が閉口されて、外気導入口が開口されるように制御される。
【0052】
そのため、高湿度の空気流のバイパス通路25の下流端開口からエアミックス空間26内への流入が遮断され、その空気流が、エバポレータ16を通過して供給通路54を介して供給通路開口35に向けて上昇し、送風部34に滞留もしくは外気へ放出される。その結果、高湿度の空気流のデフロスタ開口側への進入を確実に防止し、フロントガラス10の曇りを防止することができる。また、高湿度の空気流による送風部34の湿潤状態を抑制でき、送風部34の清潔さを維持することができる。
【0053】
次に、前記実施例1、2を部分的に変更した変更例について説明する。
1〕実施例1,2では、送風部21、34の作動停止後のエアミックスドア27の制御として、空調装置C、C1の運転中におけるイグニッションスイッチ45のオフ操作を判定したが、これに限らず、イグニッションスイッチ45のオフ操作後、所定時間(5〜10秒)経過後にエアミックスドア27を本発明のように制御してもよい。
【0054】
2〕イグニッションスイッチ45がオンからオフへ操作された直後に、送風部21、34のモータ50が逆回転するように制御して、送風部21、34により高湿度の空気流を逆流させるようにしてもよい。この場合、高湿度の空気流の掃気性の向上を図ることができる。
【0055】
3〕携帯型の無線信号送信機(スマートキー)によるスマートエントリシステムを採用した車両においては、車両乗員が車両から降りてドアロックされると、空調コントロールユニット38により、デフロスタドア31が全閉されるように制御して、デフロスタ開口を閉じるようにしてもよい。
【0056】
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例1、2に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1に係る車両用空調装置が搭載されたインストルメントパネルの斜視図である。
【図2】車両用空調装置の内部構造を示す縦断面図である。
【図3】車両用空調装置の制御系を示す図である。
【図4】空調制御のフローチャートを示す図である。
【図5】冷房運転時の車両用空調装置の内部構造を示す縦断面図である。
【図6】暖房運転時の車両用空調装置の内部構造を示す縦断面図である。
【図7】実施例2に係る車両空調装置が搭載されたインストルメントパネルの斜視図である。
【図8】実施例2の車両用空調装置の内部構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0058】
C、C1 車両用空調装置
10 ウインドガラス
11 デフロスタ
15 ケース
16 エバポレータ
17 ヒータコア
21、34 送風部
22 空気送り通路
24 ヒータコア通路
25 バイパス通路
20 内外気切換部材
27 エアミックス用調整部材
38 制御装置
54 供給通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風部と、空気流を冷却するエバポレータと、空気流を暖めるヒータコアと、前記エバポレータを通過する空気流のうち、ヒータコアを通過するヒータコア通過空気流と、ヒータコアをバイパスするバイパス空気流との割合を調節可能なエアミックス用調整部材と、空気通路を形成するケースとを備え、前記送風部の作動によりエバポレータ又はヒータコアにより温度調整された空気流を車両のウインドガラス近傍のデフロスタ開口に供給可能な車両用空調装置において、
前記ケースには、前記バイパス空気流が流れる通路が、前記ヒータコア通過空気流が流れる通路よりも上側となるように形成されており、
前記送風部の作動停止後、前記バイパス空気流の割合を実質的に零とするようにエアミックス用調整部材を制御する調整部材制御手段を設けた、
ことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記送風部はエバポレータより上側に設置され、前記エバポレータと送風部とを連通する上下方向向きの通路が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記ケースには、前記送風部からの空気流をエバポレータに供給する略水平方向向きの供給通路が形成され、この供給通路の上壁は、前記ヒータコア通過空気流が流れるヒータコア通路の上壁より上側となるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記エバポレータより上流には、車室内の空気を前記ケース内に導入する内気導入と、車室外の空気を前記ケース内に導入する外気導入とを切換える内外気切換部材が設置され、
前記送風部の作動停止後、前記内外気切換部材を外気導入に切換える内外気切換制御手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両用空調装置。
【請求項1】
送風部と、空気流を冷却するエバポレータと、空気流を暖めるヒータコアと、前記エバポレータを通過する空気流のうち、ヒータコアを通過するヒータコア通過空気流と、ヒータコアをバイパスするバイパス空気流との割合を調節可能なエアミックス用調整部材と、空気通路を形成するケースとを備え、前記送風部の作動によりエバポレータ又はヒータコアにより温度調整された空気流を車両のウインドガラス近傍のデフロスタ開口に供給可能な車両用空調装置において、
前記ケースには、前記バイパス空気流が流れる通路が、前記ヒータコア通過空気流が流れる通路よりも上側となるように形成されており、
前記送風部の作動停止後、前記バイパス空気流の割合を実質的に零とするようにエアミックス用調整部材を制御する調整部材制御手段を設けた、
ことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記送風部はエバポレータより上側に設置され、前記エバポレータと送風部とを連通する上下方向向きの通路が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記ケースには、前記送風部からの空気流をエバポレータに供給する略水平方向向きの供給通路が形成され、この供給通路の上壁は、前記ヒータコア通過空気流が流れるヒータコア通路の上壁より上側となるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記エバポレータより上流には、車室内の空気を前記ケース内に導入する内気導入と、車室外の空気を前記ケース内に導入する外気導入とを切換える内外気切換部材が設置され、
前記送風部の作動停止後、前記内外気切換部材を外気導入に切換える内外気切換制御手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両用空調装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−155893(P2008−155893A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350380(P2006−350380)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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