車両用装置、目的地の設定方法、及びプログラム
【課題】携帯機器で車両用装置による経路案内のための目的地又は経由地の設定を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】車載装置2は、車両1の周辺の第1地図を表示するとともに、第1地図の表示中に第2地図を携帯機器3に送信し、第2地図を表示する携帯機器3により送信された経路案内のための指示信号により、目的地又は経由地を設定する。これにより、携帯機器3で車載装置2による経路案内のための目的地又は経由地を設定するので、ユーザは目的地又は経由地の設定を容易に行うことができる。
【解決手段】車載装置2は、車両1の周辺の第1地図を表示するとともに、第1地図の表示中に第2地図を携帯機器3に送信し、第2地図を表示する携帯機器3により送信された経路案内のための指示信号により、目的地又は経由地を設定する。これにより、携帯機器3で車載装置2による経路案内のための目的地又は経由地を設定するので、ユーザは目的地又は経由地の設定を容易に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両で用いられる車両用装置と携帯機器とを通信させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両で用いられる車両用装置として、目的地までのルート案内を行うナビゲーション装置が知られている。車両用装置のユーザ(主にドライバ)は、ナビゲーション装置へ任意の目的地を入力することにより、車両の現在地と目的地までのルートとを把握することができる。また、かかる目的地の設定に際し、車両が所定の施設に接近すると、ユーザへ当該施設に関する情報を報知し、情報の報知中にナビゲーション装置へ当該施設を目的地として入力する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−153672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1の技術を利用することにより、ユーザは車両付近の施設をナビゲーション装置の目的地として、簡易な操作で設定することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術における目的地の設定は、ナビゲーション装置を操作して行うものである。したがって、ナビゲーション装置がコンソール内部やボンネット上に設置された場合には、ユーザはナビゲーション装置まで手を伸ばす等して操作しなければならず、目的地の設定は必ずしも容易な操作とはいえなかった。特に、ユーザが後部座席に着座する場合には、運転席よりもナビゲーション装置から離れて位置するため、目的地の設定は尚更容易なものではなかった。
【0006】
また、車両用装置や携帯機器からユーザに対し、文字表示等によりメッセージを伝達する際、車両がどのような地域を走行しているかまでは伝えることができなかった。ユーザは、メッセージ参照後に走行中の地域を把握したい場合には、ナビゲーション装置等を操作して現住所等を検索しなければならず、煩雑な操作を経る必要があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、携帯機器で車両用装置による経路案内のための目的地又は経由地の設定を容易に行うことができる技術を提供することを第1の目的とする。
【0008】
また、本発明は、車両用装置や携帯機器からユーザに対してメッセージを伝達する際、走行中の現在地の特徴を視覚的に認識できる技術を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に用いられ、経路案内及び携帯機器との通信が可能な車両用装置であって、前記車両の周辺の第1地図を表示する表示手段と、第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記第1地図の表示中に前記第2地図を送信する送信手段と、前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する受信手段と、前記指示信号により指示された位置を前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する設定手段と、を備える。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、請求項1に記載の車両用装置において、前記設定手段は、前記受信手段が前記経路案内中に前記目的地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、前記指示信号が指示する位置を新たな前記目的地に設定する。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の車両用装置において、前記設定手段は、前記受信手段が前記経路案内中に前記経由地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、前記指示信号が指示する位置を前記経由地に設定する。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装置において、前記携帯機器は前記第2地図に含まれる地点に関する情報を報知するものであり、前記指示信号は前記携帯機器に報知された地点を前記経路案内のための位置として指示する。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の車両用装置において、前記車両の現在地を取得する取得手段、をさらに備え、前記送信手段は、報知すべき情報に関する地点と前記現在地とが所定の距離となった場合に前記情報を報知する前記携帯機器に対して、前記車両の現在地を送信する。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記車両の現在地を取得する取得手段、をさらに備え、前記表示手段は、前記受信手段が前記指示信号を受信したことに応答して、前記目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の車両用装置において、前記送信手段は、前記車両の現在地に関連したイラストを前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記車両の現在地を送信し、前記表示手段は、前記携帯機器から送信された前記車両の現在地に関連したイラストを表示する。
【0016】
また、請求項8の発明は、経路案内を行う車両用装置の目的地又は経由地を携帯機器から設定する設定方法であって、(a)前記車両の周辺の第1地図を表示する工程と、(b)第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記工程(a)で前記第1地図を表示中に前記第2地図を送信する工程と、(c)前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する工程と、(d)前記工程(c)で受信した前記指示信号により指示された位置を、前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する工程と、を備える。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の設定方法において、(e)前記車両の現在地を取得する工程と、(f)前記工程(c)で前記指示信号を受信すると、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する工程と、をさらに備える。
【0018】
また、請求項10の発明は、経路案内及び携帯機器との通信が可能な車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、(a)前記車両の周辺の第1地図を表示する工程と、(b)第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する携帯機器に対して、前記工程(a)で前記第1地図を表示中に前記第2地図を送信する工程と、(c)前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する工程と、(d)前記工程(c)で受信した前記指示信号により指示された位置を、前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する工程と、を実行させる。
【0019】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載のプログラムにおいて、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、(e)前記車両の現在地を取得する工程と、(f)前記工程(c)で前記指示信号を受信すると、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する工程と、をさらに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1ないし11の発明によれば、携帯機器は車両用装置に表示される第1の地図とは別に第2の地図を車両用装置から受信して表示するため、携帯機器のユーザーは第2の地図を見ながら経路案内のための位置を指示することができる。従って、ユーザの経路案内を行なう車両用装置からの距離に係わらずに、携帯機器で車両用装置による経路案内のための目的地又は経由地を設定できるので、目的地又は経由地の設定を容易に行うことができる。
【0021】
また、特に請求項2の発明によれば、経路案内中であっても、新たな目的地の設定を容易に行うことができる。
【0022】
また、特に請求項3の発明によれば、経路案内中であっても、経由地の設定を容易に行うことができる。
【0023】
また、特に請求項4の発明によれば、情報が報知された地点を目的地又は経由地として容易に設定することができる。
【0024】
また、特に請求項5の発明によれば、報知すべき位置が現在地から所定の距離となった場合に情報を報知するので、適切なタイミングで情報の報知を行うことができる。
【0025】
また、特に請求項6の発明によれば、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、車両の現在地に関連したイラストを表示するので、走行中の現在地の特徴を視覚的に認識することができる。
【0026】
また、特に請求項7の発明によれば、携帯機器から送信された現在地に関連したイラストを表示するので、車両用装置は予めイラストを備える必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、車内通信システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、第1の実施の形態の携帯機器の構成を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態の車内通信システムの処理の流れを示す図である。
【図5】図5は、観光案内が表示された携帯機器の例を示す図である。
【図6】図6は、車載装置の目的地等の設定に関する処理の流れを示す図である。
【図7】図7は、携帯機器の目的地等の指示に関する処理の流れを示す図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態の携帯機器の構成を示す図である。
【図10】図10は、第2の実施の形態の車内通信システムの処理の流れを示す図である。
【図11】図11は、車載装置に表示されたポップアップの例を示す図である。
【図12】図12は、車載装置に表示されたポップアップの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システムの概要>
図1は、第1の実施の形態の車両用装置を含む車内通信システム100の概要を示す図である。車内通信システム100は、自動車などの車両1に搭載される車載装置2と、車載装置2とは別個に構成される携帯機器3とを備えている。
【0030】
車載装置2と携帯機器3との双方は、共通の通信方式に準拠した無線通信機能を有している。したがって、車載装置2と携帯機器3とは、無線通信によって相互にデータを送受信することが可能である。なお、車載装置2と携帯機器3とを通信ケーブルで物理的に接続し、車載装置2と携帯機器3とが有線通信によって相互にデータを送受信可能となっていてもよい。
【0031】
車載装置2は、車両1において主にドライバに用いられる車両用装置である。車載装置2は、例えば、ルート案内などのナビゲーション機能を実行するナビゲーション装置である。車載装置2は、ディスプレイ15を有しており、このディスプレイ15にはナビゲーション機能のための地図が表示される。
【0032】
また、携帯機器3は、車両1に乗車したドライバ以外の同乗者に用いられる可搬性装置である。携帯機器3は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA又はゲーム機などであり、アプリケーションの機能(以下、「アプリ機能」という。)を実行することが可能である。携帯機器3も、ディスプレイ24を有している。地図を利用するアプリ機能が実行される場合、このアプリ機能のための地図が携帯機器3のディスプレイ24に表示される。
【0033】
車内通信システム100においては、車載装置2と携帯機器3とは連携して動作することが可能となっている。具体的には、車載装置2から携帯機器3に、携帯機器3のアプリ機能に向けた地図が送信される。そして、このような連携によって送信された地図が、携帯機器3において表示される。このため、携帯機器3が地図の生成に必要な地図基礎データなどを予め記憶していなくても、携帯機器3はアプリ機能に向けた地図を表示できるようになっている。
【0034】
また、携帯機器3で実行されるアプリ機能は、観光案内、ゲームなどのナビゲーション機能以外の機能であってよい。このため、車内通信システム100においては、車両用装置のユーザと携帯機器のユーザとがそれぞれ、互いに異なる機能のために地図を同時に利用できるようになっている。以下、このような車内通信システム100の構成及び処理について詳細に説明する。
【0035】
<1−2.車載装置の構成>
まず、ナビゲーション機能を実行する車載装置2の構成について説明する。図2は、車載装置2の構成を示す図である。車載装置2は、前述したディスプレイ15の他、スピーカ16、操作部12、現在地取得部13、記憶部14、無線通信部17、及び制御部11を備えている。
【0036】
ディスプレイ15は、例えば、液晶パネルなどを備えた薄型の表示装置である。ディスプレイ15は、その画面がユーザ(主にドライバ)から視認可能なように、車両1の車室内のインストルメントパネルなどに配置される。ディスプレイ15には、ナビゲーション機能に向けた地図が表示される。
【0037】
操作部12は、ユーザが操作可能な操作部材である。操作部12は、複数の操作ボタンと、ディスプレイ15の画面に重ねて設けられたタッチパネルとを含む。ユーザが操作部12を操作した場合は、その操作内容を示す信号が制御部11に入力される。
【0038】
現在地取得部13は、車両1の位置を示す信号、及び車両1の進行方向を示す信号を取得する。現在地取得部13は、GPS受信部を含み、複数のGPS衛星から車両1の位置を示す信号を受信し、受信した信号を制御部11に入力する。また、現在地取得部13は、方位を検知する電子コンパスを含み、車両1の前方が向く方位(すなわち、車両1の進行方向)を示す信号を取得し、取得した信号を制御部11に入力する。
【0039】
記憶部14は、例えばフラッシュメモリなど、各種のデータを記憶可能な不揮発性のメモリである。記憶部14は、地図データベース141と、ファームウェアとしてのプログラム142とを記憶している。なお、車載装置2は、プログラム142が記憶されたコンピュータ読み取り可能なメモリカードなどの記憶媒体から図示しないリーダを介して読み出すことで、プログラム142を記憶部14へ記憶させることができる。
【0040】
地図データベース141は、表示に用いる地図の生成に必要な地図基礎データを含んでいる。車載装置2で実行されるナビゲーション機能に向けた地図(以下、「ナビ地図」という。)は、この地図データベース141の地図基礎データに基づいて生成される。また同様に、携帯機器3で実行されるアプリ機能に向けた地図(以下、「アプリ地図」という。)も、同一の地図データベース141の地図基礎データに基づいて生成される。これらの表示に用いるナビ地図、及びアプリ地図はラスタデータ(画像)である。
【0041】
これに対して、地図基礎データは、主にベクタデータで構成される。地図基礎データは、道路データ、スポットデータ、及び背景データを含んでいる。道路データは、交差点等の情報を示すノード、及びノードとノードとの間の区間の情報を示すリンク等を含んだベクタデータである。スポットデータは、地図上の様々なスポットの種別、位置、名称、及びアイコン等を含んでいる。また、背景データは、地形、鉄道路線、行政境界、及び地名等を含んでいる。
【0042】
地図データベース141では、このような地図基礎データが、複数の縮尺別に用意されている。本実施の形態では、例えば、「1/5000」、「1/1万」、「1/2万」、「1/4万」、「1/8万」、「1/16万」、「1/32万」、「1/64万」「1/128万」、及び「1/256万」の10種類の縮尺の地図基礎データが地図データベース141に含まれている。
【0043】
無線通信部17は、外部の通信装置と通信する。無線通信部17は、Bluetooth(登録商標)などの所定の通信方式に準拠した無線通信によって外部の通信装置と通信する。これにより、無線通信部17は、携帯機器3との間でデータの送受信を行う。
【0044】
制御部11は、車載装置2の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部11は、CPU、RAM及びROMなどを備えており、記憶部14に記憶されたプログラム142に従ってCPUが演算を行うことで、各種の処理部が実現される。
【0045】
また、制御部11は、車両情報取得部112、ナビ地図取得部113、及びナビゲーション部111を備える。各部は、プログラム142に従ってCPUが演算を行うことで実現される処理部である。これらの処理部は、車載装置でのナビゲーションに係る処理を行う。
【0046】
車両情報取得部112は、現在地取得部13から入力される信号に基づいて車両1の位置、及び車両1の進行方向を取得する。車両情報取得部112は、車両1の位置を示す信号に基づいて車両1の位置を導出し、車両1の進行方向を示す信号に基づいて車両1の進行方向を導出する。
【0047】
ナビ地図取得部113は、ナビゲーション部111からの要求に基づき、地図データベース141からナビ地図を取得する。ナビ地図取得部113は、地図データベース141から必要となる一の縮尺の地図基礎データを読み出す。そして、ナビ地図取得部113は、この地図基礎データに基づいて地形及び道路を含む地図画像を生成し、この地図画像に対して、地名、スポットの名称、及びアイコン等を重畳する。これにより、ナビ地図取得部113は、ナビゲーション機能に適したナビ地図を生成する。
【0048】
ナビゲーション部111は、目的地までのルート案内などのナビゲーション機能を実行する。ナビゲーション部111は、ナビ地図取得部113で取得されたナビ地図に対して、自車位置マークやルートなどの情報を重畳する。自車位置マークは、車両1の現在の位置及び進行方向を示すマークであり、車両情報取得部112で得られた車両1の位置及び進行方向に基づいて重畳される。そして、ナビゲーション部111は、このナビ地図をディスプレイ15に出力して表示させる。
【0049】
また、ナビゲーション部111は、設定部111aを備える。設定部111aは、ナビゲーション部111がナビゲーションを実行する際の目的地及び経由地の設定を行う。ユーザが操作部12を操作してナビゲーション部111へ目的地等の設定を指示した場合には、操作部12から設定部111aへ指示信号が入力される。また、ユーザが携帯機器3を操作してナビゲーション部111へ目的地等の設定を指示した場合には、携帯機器3から指示受信部115を介して設定部111aへ指示信号が入力される。この場合、設定部111aは、指示受信部115が経路案内中に目的地又は経由地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、指示信号が指示する位置を新たな目的地又は経由地に設定する。設定部111aは図示しない記憶部を備えており、ユーザから設定の指示がなされた目的地及び経由地を記憶している。本実施の形態においては、設定部111aは、目的地を1地点、経由地を4地点まで記憶できるものとする。
【0050】
制御部11はさらに、現在地送信部116、指示受信部115、アプリ地図取得部114、及びアプリ地図送信部117を備える。各部もまた、プログラム142に従ってCPUが演算を行うことで実現される処理部である。これらの処理部は、携帯機器3との連携に係る処理を行う。
【0051】
現在地送信部116は、現在地取得部13で得られた車両1の位置、及び車両1の進行方向を、無線通信部17を介して携帯機器3に送信する。現在地送信部116は、車両1の位置及び進行方向を、所定の周期で繰り返し携帯機器3に送信する。
【0052】
指示受信部115は、携帯機器3から送信される指示信号を無線通信部17を介して受信する。指示信号は、携帯機器3が目的地又は経由地の設定を車載装置2に指示する場合に送信される。この指示信号には、目的地又は経由地の緯度・経度や住所などの位置情報が含まれている。
【0053】
アプリ地図取得部114は、ディスプレイ15の表示領域及び車両1の現在地に応答して、ナビゲーション部111からの要求に基づき、地図データベース141からアプリ地図を取得する。アプリ地図取得部114は、地図データベース141から必要となる一の縮尺の地図基礎データを読み出す。そして、アプリ地図取得部114は、この地図基礎データに基づいて地形及び道路を含む地図画像を生成し、この地図画像に対して、地名、スポットの名称、及びアイコン等を重畳する。これにより、ディスプレイ15で表示されるナビ地図とは異なったアプリ地図取得部114は、携帯機器3のアプリ機能に適したアプリ地図を生成する。
【0054】
アプリ地図送信部117は、アプリ地図取得部114で取得されたアプリ地図を、無線通信部17を介して携帯機器3に送信する。これにより、アプリ機能に適したアプリ地図が携帯機器3に送信される。なお、アプリ地図送信部117は、アプリ地図の携帯機器3への送信をナビ地図がディスプレイ15に表示されている最中に所定周期毎、または携帯機器3からの要求により行う。
【0055】
<1−3.携帯機器の構成>
次に、アプリ機能を実行する携帯機器3の構成について説明する。図3は、携帯機器3の構成を示す図である。携帯機器3は、前述したディスプレイ24の他、操作部22、無線通信部25、記憶部23、及び制御部21を一の筐体内に備えている。
【0056】
ディスプレイ24は、例えば、液晶パネルなどを備えた薄型の表示装置である。ディスプレイ24には、アプリ機能に向けた地図などが表示される。
【0057】
操作部22は、ユーザが操作可能な操作部材である。操作部22は、複数の操作ボタンと、ディスプレイ24の画面に重ねて設けられたタッチパネルとを含む。ユーザは、自分の指やタッチペンなどでタッチパネルに触れることで各種の操作(タップ、ドラッグ等)を行うことができる。ユーザが操作部22を操作した場合は、その操作内容を示す信号が制御部21に入力される。
【0058】
無線通信部25は、外部の通信装置と通信する。無線通信部25は、Bluetooth(登録商標)などの所定の通信方式に準拠した無線通信によって外部の通信装置と通信する。これにより、無線通信部25は、車載装置2との間でデータの送受信を行う。無線通信部25は、車両1の現在地、車両1の進行方向、及びアプリ地図などを車載装置2から受信する。
【0059】
記憶部23は、例えばフラッシュメモリなど、各種のデータを記憶可能な不揮発性のメモリである。記憶部23は、アプリケーションを実行するプログラム231及びアプリケーションによりユーザへ提供されるアプリ用データ232を記憶している。なお、記憶部23をメモリカードなどの可搬性の記憶媒体として構成し、記憶部23が携帯機器3に対して着脱可能となっていてもよい。
【0060】
制御部21は、携帯機器3の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部21は、CPU、RAM及びROMなどを備えている。記憶部23に記憶されたアプリケーションのプログラム231に従ってCPUが演算を行うことで、各種の処理部が実現される。図中に示すアプリケーション部211は、プログラム231に従ってCPUが演算を行うことで実現される処理部である。
【0061】
アプリケーション部211は、車載装置2から提供されたアプリ地図をディスプレイ24に表示させ、地図を利用するアプリ機能を実行する。このような地図を利用するアプリ機能は、例えば、観光案内、クイズゲーム、及び宝探しゲームなどである。観光案内は、地図上に存在する観光地や施設などの各種スポットについての情報をユーザに提供するものである。すなわち、アプリケーション部211は、アプリ地図に含まれる地点に関する情報をユーザに報知するものである。車両1の現在地と観光地とが所定の距離まで接近すると、画面上に観光案内を表示する。クイズゲームは、地図上に存在する観光地や施設などの各種スポットに関するクイズをユーザに出題するものである。また、宝探しゲームは、地図上のランダムな位置に仮想的に宝箱スポットを設定し、ユーザにその宝箱スポットを探し出させるものである。観光案内やクイズの内容、宝箱スポットの情報は、アプリ用データ232として記憶部23に記憶させておけばよい。
【0062】
また、アプリケーション部211は、車載装置2のナビゲーション機能における目的地及び経由地の指示を行う指示部211aを備えている。指示部211aは、経路案内のための位置を指示する指示信号を車載装置2へ送信する。すなわち、指示部211aは、ナビゲーション機能において設定すべき目的地及び経由地の緯度・経度や住所などの位置情報、及び目的地又は経由地の種別情報を含む信号を無線通信部25を介して車載装置2へ送信する。かかる指示信号は、携帯機器3においてユーザに報知された地点を経路案内のための位置として車両装置2へ指示する信号である。
【0063】
なお、本実施の形態における携帯機器3のアプリケーション部211は、上記「観光案内」を行うものとして、以下に説明する。
【0064】
<1−4.処理の流れ>
次に、車内通信システム100の処理の流れについて説明する。図4は、車内通信システム100の処理の流れを示す図である。図中の左側は車載装置2の処理の流れを示しており、図中の右側は携帯機器3の処理の流れを示している。車載装置2の処理は、車載装置2と携帯機器3との間で通信が確立した以降に、所定の周期(例えば、1/10秒)で繰り返し実行される。また、携帯機器3の処理は、車載装置2から送信される信号に応答して実行される。また、車載装置2と携帯機器3との間で通信を確立した際(図4の処理の開始前)には、その時点の車両1の位置を中心とするアプリ地図が車載装置2から携帯機器3に送信され、携帯機器3のRAMに記憶されているものとする。
【0065】
車載装置2の処理においては、まず、車両情報取得部112が、現在地取得部13から入力される信号に基づいて車両1の位置及び進行方向を取得する(ステップS21)。
【0066】
次に、ディスプレイ15が、ナビゲーション機能に向けたナビ地図を表示する(ステップS22)。具体的には、まず、ナビゲーション部111が、ナビ地図取得部113が生成するナビ地図のパラメータを調整する。ナビゲーション部111は、車両1の位置に応じてナビ地図の位置を調整するとともに、表示するナビ地図の向きがヘディングアップの場合は車両1の進行方向に応じてナビ地図の向きを調整する。また、ナビゲーション部111は、操作部12を介してユーザからナビ地図の縮尺や向きの変更の指示がなされた場合は、ユーザの指示に従ってナビ地図の縮尺や向きを変更する。そして、ナビゲーション部111が、生成されたナビ地図に自車位置マークなどを重畳した後、ナビ地図をディスプレイ15に出力する。これにより、ディスプレイ15に、ナビゲーション機能に向けたナビ地図が表示される。
【0067】
次に、アプリ地図取得部114が、地図データベース141から車両1の位置に応じたアプリ地図を取得し、アプリ地図送信部117へ送信する。アプリ地図を受けたアプリ地図送信部117は、かかるアプリ地図を無線通信部17を介して携帯機器3へ送信する(ステップS23)。
【0068】
また、車両情報取得部112が、取得した車両1の位置及び進行方向を、ナビゲーション部111、及び現在地送信部116に出力する。そして、現在地送信部116が、車両1の位置及び進行方向について、無線通信部17を介して携帯機器3に送信する(ステップS24)。
【0069】
車載装置2は、このようなステップS21〜S24の処理を所定の周期で繰り返す。したがって、ステップS24が繰り返され、現在地送信部116は、車両1の位置及び進行方向を所定の周期で繰り返し携帯機器3に送信することになる。これにより、携帯機器3には、その時点の車両1の位置及び進行方向がほぼリアルタイムに伝達される。
【0070】
次に、ナビゲーション部111は、操作部12からユーザによる目的地の入力があるか否か判断する(ステップS25)。ナビゲーション部111は、目的地の入力があると判断する場合は(ステップS25でYes)、ナビゲーション機能を実行し(ステップS26)、車両1の位置に応じて曲がるべき交差点などをユーザに案内する。なお、ナビゲーション部111は、目的地の入力があると最初に判断した場合、目的地の入力があった旨をディスプレイ15へ文字表示又はスピーカ16から音声出力を行う。これにより、ユーザは、目的地入力の操作がナビゲーション部111に受け付けられたことを認識できる。
【0071】
一方、ナビゲーション部111は、目的地の入力がないと判断した場合(ステップS25でNo)は、ナビゲーション機能を実行せず、自車位置マークを重畳したナビ地図をディスプレイ15に表示させておく。
【0072】
次に、携帯機器3から目的地又は経由地の設定を指示する指示信号を受信した場合(ステップS27)は、かかる指示信号に従った目的地又は経由地の設定を行う(ステップS28)。ステップS28における目的地又は経由地の設定の処理は後に詳述する。
【0073】
目的地又は経由地の設定処理が終了すると、車載装置2の処理は終了する。なお、車載装置2は、上記の通り、ステップS21に続く処理を所定周期で再度実行する。
【0074】
一方、携帯機器3は、ステップS23でアプリ地図が車載装置2から送信されると、制御部21により無線通信部25を介してかかるアプリ地図を受信する。制御部21は、受信したアプリ地図をディスプレイ24に表示する(ステップS31)。
【0075】
また、携帯機器3は、ステップS24で車両1の位置が車載装置2から送信されると、制御部21により無線通信部25を介してかかる位置を受信する。制御部21は、受信した位置について自車を示すマークをアプリ地図に重畳してディスプレイ24に表示する(ステップS32)。このようなステップS31及びステップS32の処理により、携帯機器のユーザは、車両1の周辺の地図を自車の位置と共に携帯機器3により参照することができる。
【0076】
次に、アプリケーション部211は、車両1の現在地が、観光案内を開始すべき地点から所定距離内であるか否か判断する(ステップS33)。アプリケーション部211は、観光案内すべき観光地の所在する地点と車両1の現在地とを比較することにより、かかる判断を行うことができる。また、かかる「所定距離」は、車両1の乗車者が車内から観光地を目視できる程度の距離が好ましい。例えば、数十メートルから数キロメートルである。また、観光地周辺の地形に応じて、車道から観光地が見える地点としてもよい。また、クイズゲームや宝探しゲームが行われる場合も同様に、クイズを出題すべき地点や宝が埋蔵された地点と車両1の現在地とを比較すればよい。また、観光地の所在する地点と車両1の現在地との比較ではなく、携帯機器3に表示されたアプリ地図内に、観光案内すべき観光地が表示されたときでもよい。また、これら観光案内すべき地点を複数記憶しておき、車両1が各地点に到達するたび毎に観光案内を行ってもよい。なお、観光案内すべき観光地の所在する地点及び所定距離の情報は、記憶部23に記憶されているアプリ用データ232に含まれる。かかる地点の情報は、緯度・経度又は住所として記憶すればよい。アプリケーション部211は、起動時に記憶部23からアプリ用データを取得する。
【0077】
次に、アプリケーション部211は、車両1の現在地が観光案内を開始すべき地点から所定距離内であると判断すると(ステップS33でYes)、観光案内を開始する(ステップS34)。一方、アプリケーション部211は、車両1の現在地が観光案内を開始すべき地点から所定距離内でないと判断すると(ステップS33でNo)、携帯機器3は地図及び現在地の受信待機状態となる。この場合、携帯機器3は地図を再度受信すると、ステップS31を実行する。
【0078】
ステップS34が実行された場合、アプリケーション部211による観光案内は、例えば図5に示すように行われる。図5は、携帯機器3のディスプレイ24に観光案内情報GUが表示された例を示すものである。アプリケーション部211は、制御部21によりディスプレイ24に表示された地図に対し、観光案内情報GUを重畳して表示する。これにより、携帯機器のユーザは、自らが乗車する車両1付近の観光地の情報を得ることができる。なお、観光案内情報GUは、文字により表示されるが、図示しない携帯機器3のスピーカにより音声で行ってもよく、また音声メッセージを無線通信部25を介して車載装置2に送信しスピーカ16から音声メッセージを出力するようにしてもよい。また、図5はディスプレイ24に表示された地図に対し観光案内情報GUを重畳して表示する例であるが、携帯機器3に地図を表示しない表示領域を設け、かかる領域に観光案内情報GUを表示してもよい。この場合、地図と観光案内情報GUとが重なることがなく、ユーザは両者を同時に参照することができる。
【0079】
アプリケーション部211は、観光案内情報GUを表示するとともに、ユーザに対し、案内された観光地をナビゲーションの目的地或いは経由地としたいか、又は案内された観光地には行かないかを問い合わせる表示を行う。問い合わせ表示は、ディスプレイ24のタッチパネルと連動して表示される。ユーザはディスプレイ24に表示された「目的地」等の表示に触れることで、問い合わせに対する指示を入力することができる。
【0080】
図4に戻り、車内通信システムの処理の流れの説明を継続する。ユーザの指示が観光案内された地点をナビゲーションの目的地又は経由地とすべきものである場合、指示部211aは、指示信号を車載装置に送信する(ステップS35)。指示信号には、観光地の所在する地点情報及び目的地又は経由地の種別情報が含まれる。なお、ユーザの指示が観光案内された地点に「行かない」ものである場合は、指示部211aは指示信号の送信は行わず、ユーザの指示への待機状態となる。ステップS35における、指示信号の送信処理については後に詳述する。
【0081】
指示部211aが、車載装置2へ指示信号を送信すると、観光案内は終了する(ステップS36)。なお、観光案内は、ユーザにより問い合わせに対する何らかの指示が入力されたことにより終了してもよい。また、観光案内は、観光案内の開始後所定時間が経過したことにより終了してもよい。また、観光案内は、車両1の現在地が観光地の所在する地点より所定距離以上離れた場合に終了してもよい。この場合、車両1の現在地と観光地の所在する地点との距離について、観光案内を開始すべき距離と終了すべき距離が異なっていてもよい。
【0082】
観光案内の終了処理として、制御部21は、ディスプレイ24から観光案内情報GUを消去し、ディスプレイ24に地図及び車両1の現在地を示すマークを表示する。観光案内の終了処理が行われると、携帯機器3の処理は終了する。
【0083】
次に、車載装置2が携帯機器3から目的地または経由地を示す指示信号を受信した場合に、車載装置2においてナビゲーションの目的地及び経由地を設定する方法について、以下に詳述する。図6は、車載装置2の目的地等の設定に関する処理の流れを示し、図4におけるステップS28を詳細に説明する図である。本処理は車載装置2の設定部111aにより主に実行される。
【0084】
まず、ユーザは車載装置2のナビゲーションの目的地又は経由地を設定する際、携帯機器3を操作し、目的地等の設定を指示する。設定部111aは、ユーザから指示信号が入力されると、かかる指示が目的地の設定を指示するものであるか又は経由地の設定を指示するものであるか判断する(ステップS51)。
【0085】
なお、「目的地」とは、ナビゲーションにおける最終的に到達すべき地点をいい、「経由地」とはかかる目的地に到達するより前に到達すべき地点をいう。したがって、目的地が存在しない場合には経由地も存在しないこととなり、ナビゲーションにおいては、目的地が設定されていない場合に、経由地の設定を行うことはできない。
【0086】
設定部111aは、ユーザからの指示信号が目的地の設定を指示するものであると判断する場合(ステップS51で「目的地」)、既に目的地が設定済みであるか否か判断する(ステップS52)。
【0087】
設定部111aは、ステップS52において既に目的地が設定済みであると判断する場合、かかる設定済みの目的地について、目的地の設定を消去する(ステップS53)。目的地の設定を消去するか否かについてユーザに問い合わせを行い、ユーザの判断により設定部111aは目的地の設定の消去を行ってもよい。ユーザが既に設定した目的地の消去を希望しない場合には、既に設定した目的地へ向けてのナビゲーションを継続すればよい。
【0088】
ステップS53を実行すると設定部111aは、ユーザからの指示による目的地を新たな目的地として設定する(ステップS54)。目的地とは上述の通りナビゲーションにおける最終的な到達地点であるため、重複して設定することができないからである。ステップS54の処理を実行すると、処理は図4に戻り、その後終了する。
【0089】
一方、設定部111aは、ステップS52において既に目的地が設定済みでないと判断する場合は、ユーザからの指示による目的地をナビゲーションの目的地として設定する(ステップS54)。なお、ナビゲーション部111は、設定部111aへ目的地の入力があると判断した場合、目的地の入力があった旨をディスプレイ15へ文字表示又はスピーカ16から音声出力を行う。これにより、ユーザは、目的地入力の操作がナビゲーション部111に受け付けられたことを認識できる。
【0090】
ここで、ステップS51の処理に戻り、設定部111aが、ユーザからの指示信号が経由地の設定を指示するものであると判断する場合について説明する(ステップS51で「経由地」)。
【0091】
設定部111aは、ユーザからの指示信号が経由地の設定を指示するものであると判断した場合、既に設定された経由地が4地点まで設定済みか否か判断する(ステップS55)。なお、前述のように、本実施の形態においては、設定部111aは設定できる経由地の最大数を4地点とする。
【0092】
設定部111aは、既に設定された経由地が4地点まで設定済みと判断すると(ステップS55でYes)、ユーザからの経由地の設定の指示をキャンセルする(ステップS56)。すなわち、設定部111aは、ユーザから指示された経由地の設定を行わない。設定できる経由地の最大数を4地点としているためである。この場合、ナビゲーション部は、経由地が最大数まで設定されているため、これ以上設定できない旨をスピーカ16から音声で報知するか、あるいはディスプレイ24に表示する。これにより、ユーザは指示した経由地の設定が行われない理由を把握することができ、新たに設定を指示した経由地を設定したいと考える場合には、設定済みの経由地を消去する等の操作を行うこともできる。
【0093】
一方、設定部111aは、既に設定された経由地が4地点まで設定済みでないと判断すると(ステップS55でNo)、ユーザからの設定を指示された経由地を直近の経由地として設定する(ステップS57)。「直近の経由地」とは、目的地が設定されている場合や経由地が設定されている場合における最初に到達すべき地点である。なお、経由地が既に設定されている場合には、ユーザに問い合わせを行い、経由地の順序をユーザの任意で設定してもよい。また、車両1の現在地と各経由地との位置関係から、各経由地の経由すべき順序を設定してもよい。すなわち、車両1の現在地と各経由地とを比較し、車両1の現在地に近い順序で経由地を設定してもよい。近い順序とは、車両1の現在地と各経由地との直線距離でもよいし車道における道路距離でもよい。
【0094】
ステップS56又はステップS56の処理を実行すると、処理は図4に戻り、その後終了する。なお、車載装置2の操作部12を操作してユーザが直接入力を行い、車載装置2におけるナビゲーションの目的地及び経由地を設定することもできる。この場合の処理は、図6と同様であるが、ステップS57の代わりにユーザーが希望する順序に経由地が設定される。
【0095】
次に、携帯機器3から車載装置2への目的地及び経由地の設定の指示方法について、以下に詳述する。図7は、携帯機器3の目的地等設定の指示に関する処理の流れを示し、図4におけるステップS35を詳細に説明する図である。本処理は携帯機器3の指示部211aにより主に実行される。なお、携帯機器3の制御部21は、車載装置2のナビゲーションの目的地が設定された場合に、かかる目的地が設定された旨の通知を無線通信部25を介して車載装置2から受信しているものとする。また、目的地の設定が消去された場合も同様にその旨の通知を受信しているものとする。
【0096】
まず、指示部211aは、車載装置2のナビゲーション部111に目的地が設定されているか否か判断する(ステップS41)。指示部211aは、ステップS41における判断を実行すると、携帯機器3のユーザによる目的地又は経由地の設定が指示されるのを待機する待機状態となる。
【0097】
次に、指示部211aは、車載装置2のナビゲーション部111に目的地が設定されていないと判断した場合(ステップS41でNo)、経由地設定の入力欄を無効化(いわゆるトーンダウン)し、携帯機器3のユーザによる目的地の設定が指示されたか否か判断する(ステップS42)。この際、指示部211aは、携帯機器3のユーザによる経由地の設定が指示されたか否かを判断する必要がない。すなわち、ナビゲーション部111に目的地が設定されていない場合には、経由地を設定することができないからである。この場合、アプリケーション部211は、目的地が設定されていないため経由地を設定できない旨をディスプレイ24に表示する。また、アプリケーション部211は、ユーザに対し、経由地を目的地として設定するよう促す表示をしてもよい。
【0098】
指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地の設定が指示されないと判断する場合は(ステップS42でNo)、図4の処理に戻る。処理が図4に戻ると、ステップS35に続くステップを実行して一連の処理を終了する。
【0099】
一方、指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地の設定が指示されたと判断する場合は(ステップS42でYes)、目的地の設定を指示する指示信号を無線通信部25を介して車載装置2へ送信する(ステップS44)。
【0100】
ステップS41に戻り、指示部211aが、車載装置2のナビゲーション部111に目的地が設定されていると判断した場合について説明する(ステップS41でYes)。この場合、指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地又は経由地の設定が指示されたか否か判断する(ステップS43)。
【0101】
指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地又は経由地の設定が指示されないと判断する場合は(ステップS43でNo)、図4の処理に戻る。処理が図4に戻ると、ステップS35に続くステップを実行して一連の処理を終了する。
【0102】
一方、指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地又は経由地の設定が指示されたと判断する場合は(ステップS43でYes)、目的地又は経由地の設定を指示する指示信号を無線通信部25を介して車載装置2へ送信する(ステップS44)。
【0103】
ステップS44が実行されると、処理は図4に戻り、ステップS35に続くステップを実行して一連の処理を終了する。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態に係る車載装置2においては、車両周辺のナビ地図を表示するとともに、ナビ地図の表示中にアプリ地図を携帯機器に送信し、アプリ地図を表示する携帯機器により送信された経路案内のための指示信号により、目的地又は経由地を設定する。これにより、携帯機器で車載装置による経路案内のための目的地又は経由地を設定するので、ユーザは目的地又は経由地の設定を容易に行うことができる。
【0105】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、ナビゲーション部111に目的地等を設定した場合、文字表示及び音声出力によってユーザへ目的地等が設定された旨を通知していた。これに対し、第2の実施の形態では、ユーザへメッセージを通すべきイベントが発生した場合、ディスプレイ15にイラストを含むポップアップ表示にてメッセージを通知するものである。ポップアップ表示によるメッセージの通知は、ディスプレイ15上に新たな表示領域を設定し、かかる表示領域においてユーザに情報の提示を行うものである。第2の実施の形態における車内通信システムの構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0106】
<2−1.車載装置及び携帯機器の構成>
図8は、第2の実施の形態における車載装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態の車載装置2は、指示受信部115が目的地又は経由地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、車両の現在地に関連したイラストをユーザへ表示するものである。第2の実施の形態の車載装置2は、第1の実施の形態の記憶部14にコンテンツ143を記憶しており、制御部11は、ポップアップ作成部118、コンテンツ選定部119、コンテンツ要求部120、及びコンテンツ取得部121をさらに備えている。
【0107】
コンテンツ143は、イラスト143a、メッセージ143b、及びフレーム143cを備えるデータである。イラスト143aは、画像データであり、日本国内の各地域情報と関連付けられている。例えば、「東京タワー」の画像データが「東京」の地域情報と関連付けられ、「大仏」の画像データが「奈良」の地域情報と関連付けられて記憶されている。地域情報は、住所でもよいし緯度・経度でもよい。また、地域情報は都道府県に限らずより狭い地域でもよいし、広域でもよい。
【0108】
メッセージ143bは、ユーザ、特にドライバへ通知すべき文字データであり、所定のイベントと関連付けられている。メッセージ143bは、関連付けられたイベントが発生した場合、ディスプレイ15に表示され、メッセージの内容がユーザへ通知される。例えば、ナビゲーション部111へ目的地が入力された場合、「目的地が設定されました」というメッセージがユーザへ通知される。
【0109】
フレーム143cは、イラスト143aの背景となる画像データであり、背景データと枠線データである。フレーム143cは、イラスト143aがディスプレイ15に表示される際、イラスト143aの背景に表示され、ディスプレイ15に表示される地図等とイラスト143aとを区別する。
【0110】
ポップアップ作成部118は、ナビゲーション部111からの要求に基づき、イラスト143a、メッセージ143b、及びフレーム143cを組み合わせてポップアップ表示データを作成し、ナビゲーション部111へ送信する。なお、ナビゲーション部111は、ポップアップ作成部118が作成したポップアップ表示をディスプレイ15に表示させ、ユーザへメッセージを通知する。
【0111】
コンテンツ選定部119は、記憶部14に記憶されたコンテンツ143からイラスト143a、メッセージ143b、及びフレーム143cを選定して取得し、ポップアップ作成部118へ送信する。かかるコンテンツの選定は、ポップアップ作成部118からの要求に基づいて行われる。なお、コンテンツ選定部119は、イラスト143aを選定する際、車両1の現在地に関連したイラストを選定する。
【0112】
コンテンツ要求部120は、後に説明するように携帯機器3の記憶部23に記憶されたコンテンツ234からイラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを送信するよう車載装置2へ要求する。かかるコンテンツの要求は、ポップアップ作成部118からの要求に基づき、無線通信部17を介して車載装置2へ要求信号を送信して行われる。
【0113】
コンテンツ取得部121は、携帯機器3から送信されたイラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cについて、無線通信部17を介して取得し、ポップアップ作成部118へ送信する。
【0114】
図9は、第2の実施の形態における携帯機器3の構成を示す図である。第2の実施の形態の携帯機器3は、第1の実施の形態の記憶部23にコンテンツ234を記憶している。コンテンツ234は、イラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを備え、図8における車載装置2の記憶部14が記憶するコンテンツ143と同様のデータである。
【0115】
制御部21は、車載装置2からコンテンツを要求する信号を受信すると、記憶部23に記憶されたコンテンツ234からイラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを選定して取得する。また制御部21は、取得したイラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを無線通信部25を介して車載装置2へ送信する。
【0116】
<2−2.処理の流れ>
次に、第2の実施の形態における車内通信システム100の処理の流れについて説明する。図10は、車内通信システム100の処理の流れを示す図である。図中の左側は車載装置2の処理の流れを示しており、図中の右側は携帯機器3の処理の流れを示している。
車載装置2の処理は、車載装置2が起動した後に、所定の周期(例えば、1/10秒)で繰り返し実行される。また、携帯機器3の処理は、車載装置2から送信される信号に応答して実行される。車載装置2と携帯機器3との間で通信を確立した際には、その時点の車両1の位置を中心とするアプリ地図が車載装置2から携帯機器3に送信され、携帯機器3のRAMに記憶されているものとする。
【0117】
まず、車載装置2の処理において、ナビゲーション部111がポップアップを表示すべきイベントが発生したか判断する(ステップS61)。ポップアップを表示すべきイベントとは、例えばナビゲーション部111へ目的地や経由地が設定及び削除された場合、経路案内を行う場合等、ユーザに何らかの通知を行うべき事象である。このイベントには、携帯機器3から目的地等の設定を指示する指示信号を指示受信部115が受信した場合も含まれる。ナビゲーション部111は、イベントが発生したと判断すると(ステップS61でYes)、車両情報取得部112から車両1の現在地を取得する(ステップS62)。一方、ナビゲーション部111は、イベントが発生していないと判断すると(ステップS61でNo)、車載装置2の処理を終了する。この場合、処理の終了後、所定の期間が経過した後にステップ61が再度実行される。
【0118】
次に、ナビゲーション部111は、車載装置2と携帯機器3とが連携中であるか判断する(ステップS63)。ナビゲーション部111が、連携中であると判断すると(ステップS63でYes)、携帯機器3からコンテンツを取得するか否かを判断する(ステップS64)。携帯機器3からコンテンツを取得するか否かの判断は、車載装置2と携帯機器3とのコンテンツの新しさや種類の多さに基づき判断すればよい。例えば、携帯機器3のコンテンツが、車載装置2のものより新しい場合や種類が多い場合には、ナビゲーション部111は携帯機器3からコンテンツを取得すると判断する。この場合、携帯機器3が車載装置2と連携した際に、携帯機器3のコンテンツの新しさ及び種類の多さを車載装置2へ送信しておく。なお、携帯機器3が車載装置2と連携した際のみならず、連携後において、車載装置2が携帯機器3と連携中であるか確認処理を行った際であってもよい。また、車載装置2のディスプレイ15又は携帯機器3のディスプレイ24に、車載装置2と携帯機器3とのいずれかのコンテンツを選択するかメッセージを表示し、タッチパネル等を用いてユーザがいずれかを選択するようにしてもよい。
【0119】
車載装置2が携帯機器3と連携中でない場合(ステップS63でNo)、及びナビゲーション部111が携帯機器3からコンテンツを取得しないと判断する場合(ステップS64でNo)は、コンテンツ選定部119がコンテンツ143からコンテンツを選定する(ステップS66)。この際、コンテンツ選定部119は、イラスト143a、メッセージ143b、及びフレーム143cを記憶部14から選定して取得し、ポップアップ作成部118へ送信する。なお、コンテンツ選定部119は、イラスト143aを選定する際、車両1の現在地に関連したイラストを選定する。
【0120】
一方、ナビゲーション部111が携帯機器3からコンテンツを取得すると判断する場合(ステップS64でYes)、ポップアップ作成部118がコンテンツ要求部120を操作して携帯機器3へコンテンツの要求を行う(ステップS65)。この際、コンテンツ要求部120は、無線通信部17を介し、コンテンツを要求する信号を携帯機器3へ送信する。
【0121】
携帯機器3の制御部21は、コンテンツ要求部120が送信したコンテンツを要求する信号を受信すると(ステップS71)、コンテンツ234からコンテンツを選定する(ステップS72)。この際、制御部21は、イラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを記憶部23から読み出し、無線通信部25を介して車載装置2へ送信する(ステップS73)。車載装置2へ送信されたコンテンツは、コンテンツ取得部121により取得され(ステップS67)、ポップアップ作成部118へ送信される。なお、ステップS73が実行されると、携帯機器3の処理は終了する。
【0122】
ステップS66又はステップS67の処理が実行されると、ポップアップ作成部118は、選定されたイラスト、メッセージ、及びフレームを用いてポップアップを作成する(ステップS68)。ポップアップ作成部118により作成されたポップアップは、ナビゲーション部111に送信され、ナビゲーション部111によってディスプレイ15に表示される(ステップS69)。ステップS69が実行されると、車載装置2の処理は終了する。
【0123】
<2−3.ポップアップの表示例>
次に、OLE_LINK1OLE_LINK2車載装置2のディスプレイ15に表示されOLE_LINK1OLE_LINK2るポップアップについて説明する。
【0124】
図11は、携帯機器3から目的地等の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、車載装置2のディスプレイ15に表示されたポップアップの例を示す図である。ポップアップは、イラストIL、メッセージME、及びフレームFRからなり、ディスプレイ15に地図等が表示されている場合には、地図等に重畳して表示される。
【0125】
イラストILは、車載装置2の記憶部14に記憶されたイラスト143a又は携帯機器3の記憶部23に記憶されたイラスト234aがポップアップ作成部118によりポップアップとして作成され、ディスプレイ24に表示された画像である。かかる画像は、車両1が所在する地域に関連したキャラクターである。表示するキャラクターを地域に関連したものとすることにより、ユーザは車両1の所在する地域を直感的に把握でき、また地域間をドライブする楽しさを向上することができる。
【0126】
メッセージMEは、車載装置2の記憶部14に記憶されたメッセージ143b又は携帯機器3の記憶部23に記憶されたメッセージ234bがポップアップ作成部118によりポップアップとして作成され、ディスプレイ24に表示された文字を含む画像である。かかる文字は、ナビゲーション部111が経路案内を行う場合やユーザによりナビゲーション部111が操作された場合にユーザへの通知内容を表したものである。図11の例では、メッセージMEは、目的地又は経由地の設定に関する内容を含んでいる。メッセージMEによりユーザへの通知を文字表示することにより、メッセージ内容をユーザに対し視覚的に印象付けることができる。
【0127】
フレームFRは、車載装置2の記憶部14に記憶されたフレーム143c又は携帯機器3の記憶部23に記憶されたフレーム234cがポップアップ作成部118によりポップアップとして作成され、ディスプレイ24に表示された画像である。フレームFRは、イラストIL及びメッセージMEを囲むように表示される。また、フレームFRは、影付きや二重線等により表示することが好ましい。フレームFRで囲んだイラストIL及びメッセージMEに対し、ユーザの注意をより引き付けることができるからである。
【0128】
図12は、車載装置2のディスプレイ15に表示されたポップアップの他の例を示す図である。
【0129】
この例は、メッセージMEの形状を吹き出し形状として、メッセージをイラストILが発したように表示したものである。この場合、キャラクターがユーザに話しかけたように見えるため、メッセージMEに対するユーザの注意をより引き付けることができる。なお、メッセージMEを吹き出し形状とした場合、フレームFRはイラストILを囲むものでもよいし、メッセージMEを囲むものでもよく、またイラストIL及びメッセージMEの両方を囲むものであってもよい。
【0130】
以上説明したように、本実施の形態に係る車載装置2は、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、車両の現在地に関連したイラストを表示する。これにより、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、走行中の現在地の特徴を視覚的に認識することができる。
【0131】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0132】
上記実施の形態では、車両で用いられる車両用装置として車載装置2を例に説明を行ったが、車両用装置が、ナビゲーション機能等を実行する携帯電話やスマートフォンなどの可搬性の通信装置であってもよい。
【0133】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ってCPUが演算を行うことで、携帯機器との連携に関係する処理部と、連携に関係しない処理部との双方が実現されていた。これに対して、連携に関係する処理部を実現するプログラムと、連携に関係しない処理部を実現するプログラムとが個別に存在していてもよい。また、上記実施の形態においてプログラムに従ってCPUが演算を行うことで実現されるとした処理部の一部または全部は、電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1 車両
2 車載装置
3 携帯機器
11 制御部
12 操作部
15 ディスプレイ
17 無線通信部
111 ナビゲーション部
143 コンテンツ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両で用いられる車両用装置と携帯機器とを通信させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両で用いられる車両用装置として、目的地までのルート案内を行うナビゲーション装置が知られている。車両用装置のユーザ(主にドライバ)は、ナビゲーション装置へ任意の目的地を入力することにより、車両の現在地と目的地までのルートとを把握することができる。また、かかる目的地の設定に際し、車両が所定の施設に接近すると、ユーザへ当該施設に関する情報を報知し、情報の報知中にナビゲーション装置へ当該施設を目的地として入力する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−153672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1の技術を利用することにより、ユーザは車両付近の施設をナビゲーション装置の目的地として、簡易な操作で設定することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術における目的地の設定は、ナビゲーション装置を操作して行うものである。したがって、ナビゲーション装置がコンソール内部やボンネット上に設置された場合には、ユーザはナビゲーション装置まで手を伸ばす等して操作しなければならず、目的地の設定は必ずしも容易な操作とはいえなかった。特に、ユーザが後部座席に着座する場合には、運転席よりもナビゲーション装置から離れて位置するため、目的地の設定は尚更容易なものではなかった。
【0006】
また、車両用装置や携帯機器からユーザに対し、文字表示等によりメッセージを伝達する際、車両がどのような地域を走行しているかまでは伝えることができなかった。ユーザは、メッセージ参照後に走行中の地域を把握したい場合には、ナビゲーション装置等を操作して現住所等を検索しなければならず、煩雑な操作を経る必要があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、携帯機器で車両用装置による経路案内のための目的地又は経由地の設定を容易に行うことができる技術を提供することを第1の目的とする。
【0008】
また、本発明は、車両用装置や携帯機器からユーザに対してメッセージを伝達する際、走行中の現在地の特徴を視覚的に認識できる技術を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に用いられ、経路案内及び携帯機器との通信が可能な車両用装置であって、前記車両の周辺の第1地図を表示する表示手段と、第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記第1地図の表示中に前記第2地図を送信する送信手段と、前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する受信手段と、前記指示信号により指示された位置を前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する設定手段と、を備える。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、請求項1に記載の車両用装置において、前記設定手段は、前記受信手段が前記経路案内中に前記目的地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、前記指示信号が指示する位置を新たな前記目的地に設定する。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の車両用装置において、前記設定手段は、前記受信手段が前記経路案内中に前記経由地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、前記指示信号が指示する位置を前記経由地に設定する。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装置において、前記携帯機器は前記第2地図に含まれる地点に関する情報を報知するものであり、前記指示信号は前記携帯機器に報知された地点を前記経路案内のための位置として指示する。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の車両用装置において、前記車両の現在地を取得する取得手段、をさらに備え、前記送信手段は、報知すべき情報に関する地点と前記現在地とが所定の距離となった場合に前記情報を報知する前記携帯機器に対して、前記車両の現在地を送信する。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の車両用装置において、前記車両の現在地を取得する取得手段、をさらに備え、前記表示手段は、前記受信手段が前記指示信号を受信したことに応答して、前記目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の車両用装置において、前記送信手段は、前記車両の現在地に関連したイラストを前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記車両の現在地を送信し、前記表示手段は、前記携帯機器から送信された前記車両の現在地に関連したイラストを表示する。
【0016】
また、請求項8の発明は、経路案内を行う車両用装置の目的地又は経由地を携帯機器から設定する設定方法であって、(a)前記車両の周辺の第1地図を表示する工程と、(b)第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記工程(a)で前記第1地図を表示中に前記第2地図を送信する工程と、(c)前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する工程と、(d)前記工程(c)で受信した前記指示信号により指示された位置を、前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する工程と、を備える。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の設定方法において、(e)前記車両の現在地を取得する工程と、(f)前記工程(c)で前記指示信号を受信すると、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する工程と、をさらに備える。
【0018】
また、請求項10の発明は、経路案内及び携帯機器との通信が可能な車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、(a)前記車両の周辺の第1地図を表示する工程と、(b)第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する携帯機器に対して、前記工程(a)で前記第1地図を表示中に前記第2地図を送信する工程と、(c)前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する工程と、(d)前記工程(c)で受信した前記指示信号により指示された位置を、前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する工程と、を実行させる。
【0019】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載のプログラムにおいて、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、(e)前記車両の現在地を取得する工程と、(f)前記工程(c)で前記指示信号を受信すると、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する工程と、をさらに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1ないし11の発明によれば、携帯機器は車両用装置に表示される第1の地図とは別に第2の地図を車両用装置から受信して表示するため、携帯機器のユーザーは第2の地図を見ながら経路案内のための位置を指示することができる。従って、ユーザの経路案内を行なう車両用装置からの距離に係わらずに、携帯機器で車両用装置による経路案内のための目的地又は経由地を設定できるので、目的地又は経由地の設定を容易に行うことができる。
【0021】
また、特に請求項2の発明によれば、経路案内中であっても、新たな目的地の設定を容易に行うことができる。
【0022】
また、特に請求項3の発明によれば、経路案内中であっても、経由地の設定を容易に行うことができる。
【0023】
また、特に請求項4の発明によれば、情報が報知された地点を目的地又は経由地として容易に設定することができる。
【0024】
また、特に請求項5の発明によれば、報知すべき位置が現在地から所定の距離となった場合に情報を報知するので、適切なタイミングで情報の報知を行うことができる。
【0025】
また、特に請求項6の発明によれば、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、車両の現在地に関連したイラストを表示するので、走行中の現在地の特徴を視覚的に認識することができる。
【0026】
また、特に請求項7の発明によれば、携帯機器から送信された現在地に関連したイラストを表示するので、車両用装置は予めイラストを備える必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、車内通信システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、第1の実施の形態の携帯機器の構成を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態の車内通信システムの処理の流れを示す図である。
【図5】図5は、観光案内が表示された携帯機器の例を示す図である。
【図6】図6は、車載装置の目的地等の設定に関する処理の流れを示す図である。
【図7】図7は、携帯機器の目的地等の指示に関する処理の流れを示す図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態の携帯機器の構成を示す図である。
【図10】図10は、第2の実施の形態の車内通信システムの処理の流れを示す図である。
【図11】図11は、車載装置に表示されたポップアップの例を示す図である。
【図12】図12は、車載装置に表示されたポップアップの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システムの概要>
図1は、第1の実施の形態の車両用装置を含む車内通信システム100の概要を示す図である。車内通信システム100は、自動車などの車両1に搭載される車載装置2と、車載装置2とは別個に構成される携帯機器3とを備えている。
【0030】
車載装置2と携帯機器3との双方は、共通の通信方式に準拠した無線通信機能を有している。したがって、車載装置2と携帯機器3とは、無線通信によって相互にデータを送受信することが可能である。なお、車載装置2と携帯機器3とを通信ケーブルで物理的に接続し、車載装置2と携帯機器3とが有線通信によって相互にデータを送受信可能となっていてもよい。
【0031】
車載装置2は、車両1において主にドライバに用いられる車両用装置である。車載装置2は、例えば、ルート案内などのナビゲーション機能を実行するナビゲーション装置である。車載装置2は、ディスプレイ15を有しており、このディスプレイ15にはナビゲーション機能のための地図が表示される。
【0032】
また、携帯機器3は、車両1に乗車したドライバ以外の同乗者に用いられる可搬性装置である。携帯機器3は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA又はゲーム機などであり、アプリケーションの機能(以下、「アプリ機能」という。)を実行することが可能である。携帯機器3も、ディスプレイ24を有している。地図を利用するアプリ機能が実行される場合、このアプリ機能のための地図が携帯機器3のディスプレイ24に表示される。
【0033】
車内通信システム100においては、車載装置2と携帯機器3とは連携して動作することが可能となっている。具体的には、車載装置2から携帯機器3に、携帯機器3のアプリ機能に向けた地図が送信される。そして、このような連携によって送信された地図が、携帯機器3において表示される。このため、携帯機器3が地図の生成に必要な地図基礎データなどを予め記憶していなくても、携帯機器3はアプリ機能に向けた地図を表示できるようになっている。
【0034】
また、携帯機器3で実行されるアプリ機能は、観光案内、ゲームなどのナビゲーション機能以外の機能であってよい。このため、車内通信システム100においては、車両用装置のユーザと携帯機器のユーザとがそれぞれ、互いに異なる機能のために地図を同時に利用できるようになっている。以下、このような車内通信システム100の構成及び処理について詳細に説明する。
【0035】
<1−2.車載装置の構成>
まず、ナビゲーション機能を実行する車載装置2の構成について説明する。図2は、車載装置2の構成を示す図である。車載装置2は、前述したディスプレイ15の他、スピーカ16、操作部12、現在地取得部13、記憶部14、無線通信部17、及び制御部11を備えている。
【0036】
ディスプレイ15は、例えば、液晶パネルなどを備えた薄型の表示装置である。ディスプレイ15は、その画面がユーザ(主にドライバ)から視認可能なように、車両1の車室内のインストルメントパネルなどに配置される。ディスプレイ15には、ナビゲーション機能に向けた地図が表示される。
【0037】
操作部12は、ユーザが操作可能な操作部材である。操作部12は、複数の操作ボタンと、ディスプレイ15の画面に重ねて設けられたタッチパネルとを含む。ユーザが操作部12を操作した場合は、その操作内容を示す信号が制御部11に入力される。
【0038】
現在地取得部13は、車両1の位置を示す信号、及び車両1の進行方向を示す信号を取得する。現在地取得部13は、GPS受信部を含み、複数のGPS衛星から車両1の位置を示す信号を受信し、受信した信号を制御部11に入力する。また、現在地取得部13は、方位を検知する電子コンパスを含み、車両1の前方が向く方位(すなわち、車両1の進行方向)を示す信号を取得し、取得した信号を制御部11に入力する。
【0039】
記憶部14は、例えばフラッシュメモリなど、各種のデータを記憶可能な不揮発性のメモリである。記憶部14は、地図データベース141と、ファームウェアとしてのプログラム142とを記憶している。なお、車載装置2は、プログラム142が記憶されたコンピュータ読み取り可能なメモリカードなどの記憶媒体から図示しないリーダを介して読み出すことで、プログラム142を記憶部14へ記憶させることができる。
【0040】
地図データベース141は、表示に用いる地図の生成に必要な地図基礎データを含んでいる。車載装置2で実行されるナビゲーション機能に向けた地図(以下、「ナビ地図」という。)は、この地図データベース141の地図基礎データに基づいて生成される。また同様に、携帯機器3で実行されるアプリ機能に向けた地図(以下、「アプリ地図」という。)も、同一の地図データベース141の地図基礎データに基づいて生成される。これらの表示に用いるナビ地図、及びアプリ地図はラスタデータ(画像)である。
【0041】
これに対して、地図基礎データは、主にベクタデータで構成される。地図基礎データは、道路データ、スポットデータ、及び背景データを含んでいる。道路データは、交差点等の情報を示すノード、及びノードとノードとの間の区間の情報を示すリンク等を含んだベクタデータである。スポットデータは、地図上の様々なスポットの種別、位置、名称、及びアイコン等を含んでいる。また、背景データは、地形、鉄道路線、行政境界、及び地名等を含んでいる。
【0042】
地図データベース141では、このような地図基礎データが、複数の縮尺別に用意されている。本実施の形態では、例えば、「1/5000」、「1/1万」、「1/2万」、「1/4万」、「1/8万」、「1/16万」、「1/32万」、「1/64万」「1/128万」、及び「1/256万」の10種類の縮尺の地図基礎データが地図データベース141に含まれている。
【0043】
無線通信部17は、外部の通信装置と通信する。無線通信部17は、Bluetooth(登録商標)などの所定の通信方式に準拠した無線通信によって外部の通信装置と通信する。これにより、無線通信部17は、携帯機器3との間でデータの送受信を行う。
【0044】
制御部11は、車載装置2の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部11は、CPU、RAM及びROMなどを備えており、記憶部14に記憶されたプログラム142に従ってCPUが演算を行うことで、各種の処理部が実現される。
【0045】
また、制御部11は、車両情報取得部112、ナビ地図取得部113、及びナビゲーション部111を備える。各部は、プログラム142に従ってCPUが演算を行うことで実現される処理部である。これらの処理部は、車載装置でのナビゲーションに係る処理を行う。
【0046】
車両情報取得部112は、現在地取得部13から入力される信号に基づいて車両1の位置、及び車両1の進行方向を取得する。車両情報取得部112は、車両1の位置を示す信号に基づいて車両1の位置を導出し、車両1の進行方向を示す信号に基づいて車両1の進行方向を導出する。
【0047】
ナビ地図取得部113は、ナビゲーション部111からの要求に基づき、地図データベース141からナビ地図を取得する。ナビ地図取得部113は、地図データベース141から必要となる一の縮尺の地図基礎データを読み出す。そして、ナビ地図取得部113は、この地図基礎データに基づいて地形及び道路を含む地図画像を生成し、この地図画像に対して、地名、スポットの名称、及びアイコン等を重畳する。これにより、ナビ地図取得部113は、ナビゲーション機能に適したナビ地図を生成する。
【0048】
ナビゲーション部111は、目的地までのルート案内などのナビゲーション機能を実行する。ナビゲーション部111は、ナビ地図取得部113で取得されたナビ地図に対して、自車位置マークやルートなどの情報を重畳する。自車位置マークは、車両1の現在の位置及び進行方向を示すマークであり、車両情報取得部112で得られた車両1の位置及び進行方向に基づいて重畳される。そして、ナビゲーション部111は、このナビ地図をディスプレイ15に出力して表示させる。
【0049】
また、ナビゲーション部111は、設定部111aを備える。設定部111aは、ナビゲーション部111がナビゲーションを実行する際の目的地及び経由地の設定を行う。ユーザが操作部12を操作してナビゲーション部111へ目的地等の設定を指示した場合には、操作部12から設定部111aへ指示信号が入力される。また、ユーザが携帯機器3を操作してナビゲーション部111へ目的地等の設定を指示した場合には、携帯機器3から指示受信部115を介して設定部111aへ指示信号が入力される。この場合、設定部111aは、指示受信部115が経路案内中に目的地又は経由地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、指示信号が指示する位置を新たな目的地又は経由地に設定する。設定部111aは図示しない記憶部を備えており、ユーザから設定の指示がなされた目的地及び経由地を記憶している。本実施の形態においては、設定部111aは、目的地を1地点、経由地を4地点まで記憶できるものとする。
【0050】
制御部11はさらに、現在地送信部116、指示受信部115、アプリ地図取得部114、及びアプリ地図送信部117を備える。各部もまた、プログラム142に従ってCPUが演算を行うことで実現される処理部である。これらの処理部は、携帯機器3との連携に係る処理を行う。
【0051】
現在地送信部116は、現在地取得部13で得られた車両1の位置、及び車両1の進行方向を、無線通信部17を介して携帯機器3に送信する。現在地送信部116は、車両1の位置及び進行方向を、所定の周期で繰り返し携帯機器3に送信する。
【0052】
指示受信部115は、携帯機器3から送信される指示信号を無線通信部17を介して受信する。指示信号は、携帯機器3が目的地又は経由地の設定を車載装置2に指示する場合に送信される。この指示信号には、目的地又は経由地の緯度・経度や住所などの位置情報が含まれている。
【0053】
アプリ地図取得部114は、ディスプレイ15の表示領域及び車両1の現在地に応答して、ナビゲーション部111からの要求に基づき、地図データベース141からアプリ地図を取得する。アプリ地図取得部114は、地図データベース141から必要となる一の縮尺の地図基礎データを読み出す。そして、アプリ地図取得部114は、この地図基礎データに基づいて地形及び道路を含む地図画像を生成し、この地図画像に対して、地名、スポットの名称、及びアイコン等を重畳する。これにより、ディスプレイ15で表示されるナビ地図とは異なったアプリ地図取得部114は、携帯機器3のアプリ機能に適したアプリ地図を生成する。
【0054】
アプリ地図送信部117は、アプリ地図取得部114で取得されたアプリ地図を、無線通信部17を介して携帯機器3に送信する。これにより、アプリ機能に適したアプリ地図が携帯機器3に送信される。なお、アプリ地図送信部117は、アプリ地図の携帯機器3への送信をナビ地図がディスプレイ15に表示されている最中に所定周期毎、または携帯機器3からの要求により行う。
【0055】
<1−3.携帯機器の構成>
次に、アプリ機能を実行する携帯機器3の構成について説明する。図3は、携帯機器3の構成を示す図である。携帯機器3は、前述したディスプレイ24の他、操作部22、無線通信部25、記憶部23、及び制御部21を一の筐体内に備えている。
【0056】
ディスプレイ24は、例えば、液晶パネルなどを備えた薄型の表示装置である。ディスプレイ24には、アプリ機能に向けた地図などが表示される。
【0057】
操作部22は、ユーザが操作可能な操作部材である。操作部22は、複数の操作ボタンと、ディスプレイ24の画面に重ねて設けられたタッチパネルとを含む。ユーザは、自分の指やタッチペンなどでタッチパネルに触れることで各種の操作(タップ、ドラッグ等)を行うことができる。ユーザが操作部22を操作した場合は、その操作内容を示す信号が制御部21に入力される。
【0058】
無線通信部25は、外部の通信装置と通信する。無線通信部25は、Bluetooth(登録商標)などの所定の通信方式に準拠した無線通信によって外部の通信装置と通信する。これにより、無線通信部25は、車載装置2との間でデータの送受信を行う。無線通信部25は、車両1の現在地、車両1の進行方向、及びアプリ地図などを車載装置2から受信する。
【0059】
記憶部23は、例えばフラッシュメモリなど、各種のデータを記憶可能な不揮発性のメモリである。記憶部23は、アプリケーションを実行するプログラム231及びアプリケーションによりユーザへ提供されるアプリ用データ232を記憶している。なお、記憶部23をメモリカードなどの可搬性の記憶媒体として構成し、記憶部23が携帯機器3に対して着脱可能となっていてもよい。
【0060】
制御部21は、携帯機器3の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部21は、CPU、RAM及びROMなどを備えている。記憶部23に記憶されたアプリケーションのプログラム231に従ってCPUが演算を行うことで、各種の処理部が実現される。図中に示すアプリケーション部211は、プログラム231に従ってCPUが演算を行うことで実現される処理部である。
【0061】
アプリケーション部211は、車載装置2から提供されたアプリ地図をディスプレイ24に表示させ、地図を利用するアプリ機能を実行する。このような地図を利用するアプリ機能は、例えば、観光案内、クイズゲーム、及び宝探しゲームなどである。観光案内は、地図上に存在する観光地や施設などの各種スポットについての情報をユーザに提供するものである。すなわち、アプリケーション部211は、アプリ地図に含まれる地点に関する情報をユーザに報知するものである。車両1の現在地と観光地とが所定の距離まで接近すると、画面上に観光案内を表示する。クイズゲームは、地図上に存在する観光地や施設などの各種スポットに関するクイズをユーザに出題するものである。また、宝探しゲームは、地図上のランダムな位置に仮想的に宝箱スポットを設定し、ユーザにその宝箱スポットを探し出させるものである。観光案内やクイズの内容、宝箱スポットの情報は、アプリ用データ232として記憶部23に記憶させておけばよい。
【0062】
また、アプリケーション部211は、車載装置2のナビゲーション機能における目的地及び経由地の指示を行う指示部211aを備えている。指示部211aは、経路案内のための位置を指示する指示信号を車載装置2へ送信する。すなわち、指示部211aは、ナビゲーション機能において設定すべき目的地及び経由地の緯度・経度や住所などの位置情報、及び目的地又は経由地の種別情報を含む信号を無線通信部25を介して車載装置2へ送信する。かかる指示信号は、携帯機器3においてユーザに報知された地点を経路案内のための位置として車両装置2へ指示する信号である。
【0063】
なお、本実施の形態における携帯機器3のアプリケーション部211は、上記「観光案内」を行うものとして、以下に説明する。
【0064】
<1−4.処理の流れ>
次に、車内通信システム100の処理の流れについて説明する。図4は、車内通信システム100の処理の流れを示す図である。図中の左側は車載装置2の処理の流れを示しており、図中の右側は携帯機器3の処理の流れを示している。車載装置2の処理は、車載装置2と携帯機器3との間で通信が確立した以降に、所定の周期(例えば、1/10秒)で繰り返し実行される。また、携帯機器3の処理は、車載装置2から送信される信号に応答して実行される。また、車載装置2と携帯機器3との間で通信を確立した際(図4の処理の開始前)には、その時点の車両1の位置を中心とするアプリ地図が車載装置2から携帯機器3に送信され、携帯機器3のRAMに記憶されているものとする。
【0065】
車載装置2の処理においては、まず、車両情報取得部112が、現在地取得部13から入力される信号に基づいて車両1の位置及び進行方向を取得する(ステップS21)。
【0066】
次に、ディスプレイ15が、ナビゲーション機能に向けたナビ地図を表示する(ステップS22)。具体的には、まず、ナビゲーション部111が、ナビ地図取得部113が生成するナビ地図のパラメータを調整する。ナビゲーション部111は、車両1の位置に応じてナビ地図の位置を調整するとともに、表示するナビ地図の向きがヘディングアップの場合は車両1の進行方向に応じてナビ地図の向きを調整する。また、ナビゲーション部111は、操作部12を介してユーザからナビ地図の縮尺や向きの変更の指示がなされた場合は、ユーザの指示に従ってナビ地図の縮尺や向きを変更する。そして、ナビゲーション部111が、生成されたナビ地図に自車位置マークなどを重畳した後、ナビ地図をディスプレイ15に出力する。これにより、ディスプレイ15に、ナビゲーション機能に向けたナビ地図が表示される。
【0067】
次に、アプリ地図取得部114が、地図データベース141から車両1の位置に応じたアプリ地図を取得し、アプリ地図送信部117へ送信する。アプリ地図を受けたアプリ地図送信部117は、かかるアプリ地図を無線通信部17を介して携帯機器3へ送信する(ステップS23)。
【0068】
また、車両情報取得部112が、取得した車両1の位置及び進行方向を、ナビゲーション部111、及び現在地送信部116に出力する。そして、現在地送信部116が、車両1の位置及び進行方向について、無線通信部17を介して携帯機器3に送信する(ステップS24)。
【0069】
車載装置2は、このようなステップS21〜S24の処理を所定の周期で繰り返す。したがって、ステップS24が繰り返され、現在地送信部116は、車両1の位置及び進行方向を所定の周期で繰り返し携帯機器3に送信することになる。これにより、携帯機器3には、その時点の車両1の位置及び進行方向がほぼリアルタイムに伝達される。
【0070】
次に、ナビゲーション部111は、操作部12からユーザによる目的地の入力があるか否か判断する(ステップS25)。ナビゲーション部111は、目的地の入力があると判断する場合は(ステップS25でYes)、ナビゲーション機能を実行し(ステップS26)、車両1の位置に応じて曲がるべき交差点などをユーザに案内する。なお、ナビゲーション部111は、目的地の入力があると最初に判断した場合、目的地の入力があった旨をディスプレイ15へ文字表示又はスピーカ16から音声出力を行う。これにより、ユーザは、目的地入力の操作がナビゲーション部111に受け付けられたことを認識できる。
【0071】
一方、ナビゲーション部111は、目的地の入力がないと判断した場合(ステップS25でNo)は、ナビゲーション機能を実行せず、自車位置マークを重畳したナビ地図をディスプレイ15に表示させておく。
【0072】
次に、携帯機器3から目的地又は経由地の設定を指示する指示信号を受信した場合(ステップS27)は、かかる指示信号に従った目的地又は経由地の設定を行う(ステップS28)。ステップS28における目的地又は経由地の設定の処理は後に詳述する。
【0073】
目的地又は経由地の設定処理が終了すると、車載装置2の処理は終了する。なお、車載装置2は、上記の通り、ステップS21に続く処理を所定周期で再度実行する。
【0074】
一方、携帯機器3は、ステップS23でアプリ地図が車載装置2から送信されると、制御部21により無線通信部25を介してかかるアプリ地図を受信する。制御部21は、受信したアプリ地図をディスプレイ24に表示する(ステップS31)。
【0075】
また、携帯機器3は、ステップS24で車両1の位置が車載装置2から送信されると、制御部21により無線通信部25を介してかかる位置を受信する。制御部21は、受信した位置について自車を示すマークをアプリ地図に重畳してディスプレイ24に表示する(ステップS32)。このようなステップS31及びステップS32の処理により、携帯機器のユーザは、車両1の周辺の地図を自車の位置と共に携帯機器3により参照することができる。
【0076】
次に、アプリケーション部211は、車両1の現在地が、観光案内を開始すべき地点から所定距離内であるか否か判断する(ステップS33)。アプリケーション部211は、観光案内すべき観光地の所在する地点と車両1の現在地とを比較することにより、かかる判断を行うことができる。また、かかる「所定距離」は、車両1の乗車者が車内から観光地を目視できる程度の距離が好ましい。例えば、数十メートルから数キロメートルである。また、観光地周辺の地形に応じて、車道から観光地が見える地点としてもよい。また、クイズゲームや宝探しゲームが行われる場合も同様に、クイズを出題すべき地点や宝が埋蔵された地点と車両1の現在地とを比較すればよい。また、観光地の所在する地点と車両1の現在地との比較ではなく、携帯機器3に表示されたアプリ地図内に、観光案内すべき観光地が表示されたときでもよい。また、これら観光案内すべき地点を複数記憶しておき、車両1が各地点に到達するたび毎に観光案内を行ってもよい。なお、観光案内すべき観光地の所在する地点及び所定距離の情報は、記憶部23に記憶されているアプリ用データ232に含まれる。かかる地点の情報は、緯度・経度又は住所として記憶すればよい。アプリケーション部211は、起動時に記憶部23からアプリ用データを取得する。
【0077】
次に、アプリケーション部211は、車両1の現在地が観光案内を開始すべき地点から所定距離内であると判断すると(ステップS33でYes)、観光案内を開始する(ステップS34)。一方、アプリケーション部211は、車両1の現在地が観光案内を開始すべき地点から所定距離内でないと判断すると(ステップS33でNo)、携帯機器3は地図及び現在地の受信待機状態となる。この場合、携帯機器3は地図を再度受信すると、ステップS31を実行する。
【0078】
ステップS34が実行された場合、アプリケーション部211による観光案内は、例えば図5に示すように行われる。図5は、携帯機器3のディスプレイ24に観光案内情報GUが表示された例を示すものである。アプリケーション部211は、制御部21によりディスプレイ24に表示された地図に対し、観光案内情報GUを重畳して表示する。これにより、携帯機器のユーザは、自らが乗車する車両1付近の観光地の情報を得ることができる。なお、観光案内情報GUは、文字により表示されるが、図示しない携帯機器3のスピーカにより音声で行ってもよく、また音声メッセージを無線通信部25を介して車載装置2に送信しスピーカ16から音声メッセージを出力するようにしてもよい。また、図5はディスプレイ24に表示された地図に対し観光案内情報GUを重畳して表示する例であるが、携帯機器3に地図を表示しない表示領域を設け、かかる領域に観光案内情報GUを表示してもよい。この場合、地図と観光案内情報GUとが重なることがなく、ユーザは両者を同時に参照することができる。
【0079】
アプリケーション部211は、観光案内情報GUを表示するとともに、ユーザに対し、案内された観光地をナビゲーションの目的地或いは経由地としたいか、又は案内された観光地には行かないかを問い合わせる表示を行う。問い合わせ表示は、ディスプレイ24のタッチパネルと連動して表示される。ユーザはディスプレイ24に表示された「目的地」等の表示に触れることで、問い合わせに対する指示を入力することができる。
【0080】
図4に戻り、車内通信システムの処理の流れの説明を継続する。ユーザの指示が観光案内された地点をナビゲーションの目的地又は経由地とすべきものである場合、指示部211aは、指示信号を車載装置に送信する(ステップS35)。指示信号には、観光地の所在する地点情報及び目的地又は経由地の種別情報が含まれる。なお、ユーザの指示が観光案内された地点に「行かない」ものである場合は、指示部211aは指示信号の送信は行わず、ユーザの指示への待機状態となる。ステップS35における、指示信号の送信処理については後に詳述する。
【0081】
指示部211aが、車載装置2へ指示信号を送信すると、観光案内は終了する(ステップS36)。なお、観光案内は、ユーザにより問い合わせに対する何らかの指示が入力されたことにより終了してもよい。また、観光案内は、観光案内の開始後所定時間が経過したことにより終了してもよい。また、観光案内は、車両1の現在地が観光地の所在する地点より所定距離以上離れた場合に終了してもよい。この場合、車両1の現在地と観光地の所在する地点との距離について、観光案内を開始すべき距離と終了すべき距離が異なっていてもよい。
【0082】
観光案内の終了処理として、制御部21は、ディスプレイ24から観光案内情報GUを消去し、ディスプレイ24に地図及び車両1の現在地を示すマークを表示する。観光案内の終了処理が行われると、携帯機器3の処理は終了する。
【0083】
次に、車載装置2が携帯機器3から目的地または経由地を示す指示信号を受信した場合に、車載装置2においてナビゲーションの目的地及び経由地を設定する方法について、以下に詳述する。図6は、車載装置2の目的地等の設定に関する処理の流れを示し、図4におけるステップS28を詳細に説明する図である。本処理は車載装置2の設定部111aにより主に実行される。
【0084】
まず、ユーザは車載装置2のナビゲーションの目的地又は経由地を設定する際、携帯機器3を操作し、目的地等の設定を指示する。設定部111aは、ユーザから指示信号が入力されると、かかる指示が目的地の設定を指示するものであるか又は経由地の設定を指示するものであるか判断する(ステップS51)。
【0085】
なお、「目的地」とは、ナビゲーションにおける最終的に到達すべき地点をいい、「経由地」とはかかる目的地に到達するより前に到達すべき地点をいう。したがって、目的地が存在しない場合には経由地も存在しないこととなり、ナビゲーションにおいては、目的地が設定されていない場合に、経由地の設定を行うことはできない。
【0086】
設定部111aは、ユーザからの指示信号が目的地の設定を指示するものであると判断する場合(ステップS51で「目的地」)、既に目的地が設定済みであるか否か判断する(ステップS52)。
【0087】
設定部111aは、ステップS52において既に目的地が設定済みであると判断する場合、かかる設定済みの目的地について、目的地の設定を消去する(ステップS53)。目的地の設定を消去するか否かについてユーザに問い合わせを行い、ユーザの判断により設定部111aは目的地の設定の消去を行ってもよい。ユーザが既に設定した目的地の消去を希望しない場合には、既に設定した目的地へ向けてのナビゲーションを継続すればよい。
【0088】
ステップS53を実行すると設定部111aは、ユーザからの指示による目的地を新たな目的地として設定する(ステップS54)。目的地とは上述の通りナビゲーションにおける最終的な到達地点であるため、重複して設定することができないからである。ステップS54の処理を実行すると、処理は図4に戻り、その後終了する。
【0089】
一方、設定部111aは、ステップS52において既に目的地が設定済みでないと判断する場合は、ユーザからの指示による目的地をナビゲーションの目的地として設定する(ステップS54)。なお、ナビゲーション部111は、設定部111aへ目的地の入力があると判断した場合、目的地の入力があった旨をディスプレイ15へ文字表示又はスピーカ16から音声出力を行う。これにより、ユーザは、目的地入力の操作がナビゲーション部111に受け付けられたことを認識できる。
【0090】
ここで、ステップS51の処理に戻り、設定部111aが、ユーザからの指示信号が経由地の設定を指示するものであると判断する場合について説明する(ステップS51で「経由地」)。
【0091】
設定部111aは、ユーザからの指示信号が経由地の設定を指示するものであると判断した場合、既に設定された経由地が4地点まで設定済みか否か判断する(ステップS55)。なお、前述のように、本実施の形態においては、設定部111aは設定できる経由地の最大数を4地点とする。
【0092】
設定部111aは、既に設定された経由地が4地点まで設定済みと判断すると(ステップS55でYes)、ユーザからの経由地の設定の指示をキャンセルする(ステップS56)。すなわち、設定部111aは、ユーザから指示された経由地の設定を行わない。設定できる経由地の最大数を4地点としているためである。この場合、ナビゲーション部は、経由地が最大数まで設定されているため、これ以上設定できない旨をスピーカ16から音声で報知するか、あるいはディスプレイ24に表示する。これにより、ユーザは指示した経由地の設定が行われない理由を把握することができ、新たに設定を指示した経由地を設定したいと考える場合には、設定済みの経由地を消去する等の操作を行うこともできる。
【0093】
一方、設定部111aは、既に設定された経由地が4地点まで設定済みでないと判断すると(ステップS55でNo)、ユーザからの設定を指示された経由地を直近の経由地として設定する(ステップS57)。「直近の経由地」とは、目的地が設定されている場合や経由地が設定されている場合における最初に到達すべき地点である。なお、経由地が既に設定されている場合には、ユーザに問い合わせを行い、経由地の順序をユーザの任意で設定してもよい。また、車両1の現在地と各経由地との位置関係から、各経由地の経由すべき順序を設定してもよい。すなわち、車両1の現在地と各経由地とを比較し、車両1の現在地に近い順序で経由地を設定してもよい。近い順序とは、車両1の現在地と各経由地との直線距離でもよいし車道における道路距離でもよい。
【0094】
ステップS56又はステップS56の処理を実行すると、処理は図4に戻り、その後終了する。なお、車載装置2の操作部12を操作してユーザが直接入力を行い、車載装置2におけるナビゲーションの目的地及び経由地を設定することもできる。この場合の処理は、図6と同様であるが、ステップS57の代わりにユーザーが希望する順序に経由地が設定される。
【0095】
次に、携帯機器3から車載装置2への目的地及び経由地の設定の指示方法について、以下に詳述する。図7は、携帯機器3の目的地等設定の指示に関する処理の流れを示し、図4におけるステップS35を詳細に説明する図である。本処理は携帯機器3の指示部211aにより主に実行される。なお、携帯機器3の制御部21は、車載装置2のナビゲーションの目的地が設定された場合に、かかる目的地が設定された旨の通知を無線通信部25を介して車載装置2から受信しているものとする。また、目的地の設定が消去された場合も同様にその旨の通知を受信しているものとする。
【0096】
まず、指示部211aは、車載装置2のナビゲーション部111に目的地が設定されているか否か判断する(ステップS41)。指示部211aは、ステップS41における判断を実行すると、携帯機器3のユーザによる目的地又は経由地の設定が指示されるのを待機する待機状態となる。
【0097】
次に、指示部211aは、車載装置2のナビゲーション部111に目的地が設定されていないと判断した場合(ステップS41でNo)、経由地設定の入力欄を無効化(いわゆるトーンダウン)し、携帯機器3のユーザによる目的地の設定が指示されたか否か判断する(ステップS42)。この際、指示部211aは、携帯機器3のユーザによる経由地の設定が指示されたか否かを判断する必要がない。すなわち、ナビゲーション部111に目的地が設定されていない場合には、経由地を設定することができないからである。この場合、アプリケーション部211は、目的地が設定されていないため経由地を設定できない旨をディスプレイ24に表示する。また、アプリケーション部211は、ユーザに対し、経由地を目的地として設定するよう促す表示をしてもよい。
【0098】
指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地の設定が指示されないと判断する場合は(ステップS42でNo)、図4の処理に戻る。処理が図4に戻ると、ステップS35に続くステップを実行して一連の処理を終了する。
【0099】
一方、指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地の設定が指示されたと判断する場合は(ステップS42でYes)、目的地の設定を指示する指示信号を無線通信部25を介して車載装置2へ送信する(ステップS44)。
【0100】
ステップS41に戻り、指示部211aが、車載装置2のナビゲーション部111に目的地が設定されていると判断した場合について説明する(ステップS41でYes)。この場合、指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地又は経由地の設定が指示されたか否か判断する(ステップS43)。
【0101】
指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地又は経由地の設定が指示されないと判断する場合は(ステップS43でNo)、図4の処理に戻る。処理が図4に戻ると、ステップS35に続くステップを実行して一連の処理を終了する。
【0102】
一方、指示部211aは、携帯機器3のユーザによる目的地又は経由地の設定が指示されたと判断する場合は(ステップS43でYes)、目的地又は経由地の設定を指示する指示信号を無線通信部25を介して車載装置2へ送信する(ステップS44)。
【0103】
ステップS44が実行されると、処理は図4に戻り、ステップS35に続くステップを実行して一連の処理を終了する。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態に係る車載装置2においては、車両周辺のナビ地図を表示するとともに、ナビ地図の表示中にアプリ地図を携帯機器に送信し、アプリ地図を表示する携帯機器により送信された経路案内のための指示信号により、目的地又は経由地を設定する。これにより、携帯機器で車載装置による経路案内のための目的地又は経由地を設定するので、ユーザは目的地又は経由地の設定を容易に行うことができる。
【0105】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、ナビゲーション部111に目的地等を設定した場合、文字表示及び音声出力によってユーザへ目的地等が設定された旨を通知していた。これに対し、第2の実施の形態では、ユーザへメッセージを通すべきイベントが発生した場合、ディスプレイ15にイラストを含むポップアップ表示にてメッセージを通知するものである。ポップアップ表示によるメッセージの通知は、ディスプレイ15上に新たな表示領域を設定し、かかる表示領域においてユーザに情報の提示を行うものである。第2の実施の形態における車内通信システムの構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0106】
<2−1.車載装置及び携帯機器の構成>
図8は、第2の実施の形態における車載装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態の車載装置2は、指示受信部115が目的地又は経由地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、車両の現在地に関連したイラストをユーザへ表示するものである。第2の実施の形態の車載装置2は、第1の実施の形態の記憶部14にコンテンツ143を記憶しており、制御部11は、ポップアップ作成部118、コンテンツ選定部119、コンテンツ要求部120、及びコンテンツ取得部121をさらに備えている。
【0107】
コンテンツ143は、イラスト143a、メッセージ143b、及びフレーム143cを備えるデータである。イラスト143aは、画像データであり、日本国内の各地域情報と関連付けられている。例えば、「東京タワー」の画像データが「東京」の地域情報と関連付けられ、「大仏」の画像データが「奈良」の地域情報と関連付けられて記憶されている。地域情報は、住所でもよいし緯度・経度でもよい。また、地域情報は都道府県に限らずより狭い地域でもよいし、広域でもよい。
【0108】
メッセージ143bは、ユーザ、特にドライバへ通知すべき文字データであり、所定のイベントと関連付けられている。メッセージ143bは、関連付けられたイベントが発生した場合、ディスプレイ15に表示され、メッセージの内容がユーザへ通知される。例えば、ナビゲーション部111へ目的地が入力された場合、「目的地が設定されました」というメッセージがユーザへ通知される。
【0109】
フレーム143cは、イラスト143aの背景となる画像データであり、背景データと枠線データである。フレーム143cは、イラスト143aがディスプレイ15に表示される際、イラスト143aの背景に表示され、ディスプレイ15に表示される地図等とイラスト143aとを区別する。
【0110】
ポップアップ作成部118は、ナビゲーション部111からの要求に基づき、イラスト143a、メッセージ143b、及びフレーム143cを組み合わせてポップアップ表示データを作成し、ナビゲーション部111へ送信する。なお、ナビゲーション部111は、ポップアップ作成部118が作成したポップアップ表示をディスプレイ15に表示させ、ユーザへメッセージを通知する。
【0111】
コンテンツ選定部119は、記憶部14に記憶されたコンテンツ143からイラスト143a、メッセージ143b、及びフレーム143cを選定して取得し、ポップアップ作成部118へ送信する。かかるコンテンツの選定は、ポップアップ作成部118からの要求に基づいて行われる。なお、コンテンツ選定部119は、イラスト143aを選定する際、車両1の現在地に関連したイラストを選定する。
【0112】
コンテンツ要求部120は、後に説明するように携帯機器3の記憶部23に記憶されたコンテンツ234からイラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを送信するよう車載装置2へ要求する。かかるコンテンツの要求は、ポップアップ作成部118からの要求に基づき、無線通信部17を介して車載装置2へ要求信号を送信して行われる。
【0113】
コンテンツ取得部121は、携帯機器3から送信されたイラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cについて、無線通信部17を介して取得し、ポップアップ作成部118へ送信する。
【0114】
図9は、第2の実施の形態における携帯機器3の構成を示す図である。第2の実施の形態の携帯機器3は、第1の実施の形態の記憶部23にコンテンツ234を記憶している。コンテンツ234は、イラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを備え、図8における車載装置2の記憶部14が記憶するコンテンツ143と同様のデータである。
【0115】
制御部21は、車載装置2からコンテンツを要求する信号を受信すると、記憶部23に記憶されたコンテンツ234からイラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを選定して取得する。また制御部21は、取得したイラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを無線通信部25を介して車載装置2へ送信する。
【0116】
<2−2.処理の流れ>
次に、第2の実施の形態における車内通信システム100の処理の流れについて説明する。図10は、車内通信システム100の処理の流れを示す図である。図中の左側は車載装置2の処理の流れを示しており、図中の右側は携帯機器3の処理の流れを示している。
車載装置2の処理は、車載装置2が起動した後に、所定の周期(例えば、1/10秒)で繰り返し実行される。また、携帯機器3の処理は、車載装置2から送信される信号に応答して実行される。車載装置2と携帯機器3との間で通信を確立した際には、その時点の車両1の位置を中心とするアプリ地図が車載装置2から携帯機器3に送信され、携帯機器3のRAMに記憶されているものとする。
【0117】
まず、車載装置2の処理において、ナビゲーション部111がポップアップを表示すべきイベントが発生したか判断する(ステップS61)。ポップアップを表示すべきイベントとは、例えばナビゲーション部111へ目的地や経由地が設定及び削除された場合、経路案内を行う場合等、ユーザに何らかの通知を行うべき事象である。このイベントには、携帯機器3から目的地等の設定を指示する指示信号を指示受信部115が受信した場合も含まれる。ナビゲーション部111は、イベントが発生したと判断すると(ステップS61でYes)、車両情報取得部112から車両1の現在地を取得する(ステップS62)。一方、ナビゲーション部111は、イベントが発生していないと判断すると(ステップS61でNo)、車載装置2の処理を終了する。この場合、処理の終了後、所定の期間が経過した後にステップ61が再度実行される。
【0118】
次に、ナビゲーション部111は、車載装置2と携帯機器3とが連携中であるか判断する(ステップS63)。ナビゲーション部111が、連携中であると判断すると(ステップS63でYes)、携帯機器3からコンテンツを取得するか否かを判断する(ステップS64)。携帯機器3からコンテンツを取得するか否かの判断は、車載装置2と携帯機器3とのコンテンツの新しさや種類の多さに基づき判断すればよい。例えば、携帯機器3のコンテンツが、車載装置2のものより新しい場合や種類が多い場合には、ナビゲーション部111は携帯機器3からコンテンツを取得すると判断する。この場合、携帯機器3が車載装置2と連携した際に、携帯機器3のコンテンツの新しさ及び種類の多さを車載装置2へ送信しておく。なお、携帯機器3が車載装置2と連携した際のみならず、連携後において、車載装置2が携帯機器3と連携中であるか確認処理を行った際であってもよい。また、車載装置2のディスプレイ15又は携帯機器3のディスプレイ24に、車載装置2と携帯機器3とのいずれかのコンテンツを選択するかメッセージを表示し、タッチパネル等を用いてユーザがいずれかを選択するようにしてもよい。
【0119】
車載装置2が携帯機器3と連携中でない場合(ステップS63でNo)、及びナビゲーション部111が携帯機器3からコンテンツを取得しないと判断する場合(ステップS64でNo)は、コンテンツ選定部119がコンテンツ143からコンテンツを選定する(ステップS66)。この際、コンテンツ選定部119は、イラスト143a、メッセージ143b、及びフレーム143cを記憶部14から選定して取得し、ポップアップ作成部118へ送信する。なお、コンテンツ選定部119は、イラスト143aを選定する際、車両1の現在地に関連したイラストを選定する。
【0120】
一方、ナビゲーション部111が携帯機器3からコンテンツを取得すると判断する場合(ステップS64でYes)、ポップアップ作成部118がコンテンツ要求部120を操作して携帯機器3へコンテンツの要求を行う(ステップS65)。この際、コンテンツ要求部120は、無線通信部17を介し、コンテンツを要求する信号を携帯機器3へ送信する。
【0121】
携帯機器3の制御部21は、コンテンツ要求部120が送信したコンテンツを要求する信号を受信すると(ステップS71)、コンテンツ234からコンテンツを選定する(ステップS72)。この際、制御部21は、イラスト234a、メッセージ234b、及びフレーム234cを記憶部23から読み出し、無線通信部25を介して車載装置2へ送信する(ステップS73)。車載装置2へ送信されたコンテンツは、コンテンツ取得部121により取得され(ステップS67)、ポップアップ作成部118へ送信される。なお、ステップS73が実行されると、携帯機器3の処理は終了する。
【0122】
ステップS66又はステップS67の処理が実行されると、ポップアップ作成部118は、選定されたイラスト、メッセージ、及びフレームを用いてポップアップを作成する(ステップS68)。ポップアップ作成部118により作成されたポップアップは、ナビゲーション部111に送信され、ナビゲーション部111によってディスプレイ15に表示される(ステップS69)。ステップS69が実行されると、車載装置2の処理は終了する。
【0123】
<2−3.ポップアップの表示例>
次に、OLE_LINK1OLE_LINK2車載装置2のディスプレイ15に表示されOLE_LINK1OLE_LINK2るポップアップについて説明する。
【0124】
図11は、携帯機器3から目的地等の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、車載装置2のディスプレイ15に表示されたポップアップの例を示す図である。ポップアップは、イラストIL、メッセージME、及びフレームFRからなり、ディスプレイ15に地図等が表示されている場合には、地図等に重畳して表示される。
【0125】
イラストILは、車載装置2の記憶部14に記憶されたイラスト143a又は携帯機器3の記憶部23に記憶されたイラスト234aがポップアップ作成部118によりポップアップとして作成され、ディスプレイ24に表示された画像である。かかる画像は、車両1が所在する地域に関連したキャラクターである。表示するキャラクターを地域に関連したものとすることにより、ユーザは車両1の所在する地域を直感的に把握でき、また地域間をドライブする楽しさを向上することができる。
【0126】
メッセージMEは、車載装置2の記憶部14に記憶されたメッセージ143b又は携帯機器3の記憶部23に記憶されたメッセージ234bがポップアップ作成部118によりポップアップとして作成され、ディスプレイ24に表示された文字を含む画像である。かかる文字は、ナビゲーション部111が経路案内を行う場合やユーザによりナビゲーション部111が操作された場合にユーザへの通知内容を表したものである。図11の例では、メッセージMEは、目的地又は経由地の設定に関する内容を含んでいる。メッセージMEによりユーザへの通知を文字表示することにより、メッセージ内容をユーザに対し視覚的に印象付けることができる。
【0127】
フレームFRは、車載装置2の記憶部14に記憶されたフレーム143c又は携帯機器3の記憶部23に記憶されたフレーム234cがポップアップ作成部118によりポップアップとして作成され、ディスプレイ24に表示された画像である。フレームFRは、イラストIL及びメッセージMEを囲むように表示される。また、フレームFRは、影付きや二重線等により表示することが好ましい。フレームFRで囲んだイラストIL及びメッセージMEに対し、ユーザの注意をより引き付けることができるからである。
【0128】
図12は、車載装置2のディスプレイ15に表示されたポップアップの他の例を示す図である。
【0129】
この例は、メッセージMEの形状を吹き出し形状として、メッセージをイラストILが発したように表示したものである。この場合、キャラクターがユーザに話しかけたように見えるため、メッセージMEに対するユーザの注意をより引き付けることができる。なお、メッセージMEを吹き出し形状とした場合、フレームFRはイラストILを囲むものでもよいし、メッセージMEを囲むものでもよく、またイラストIL及びメッセージMEの両方を囲むものであってもよい。
【0130】
以上説明したように、本実施の形態に係る車載装置2は、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、車両の現在地に関連したイラストを表示する。これにより、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、走行中の現在地の特徴を視覚的に認識することができる。
【0131】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0132】
上記実施の形態では、車両で用いられる車両用装置として車載装置2を例に説明を行ったが、車両用装置が、ナビゲーション機能等を実行する携帯電話やスマートフォンなどの可搬性の通信装置であってもよい。
【0133】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ってCPUが演算を行うことで、携帯機器との連携に関係する処理部と、連携に関係しない処理部との双方が実現されていた。これに対して、連携に関係する処理部を実現するプログラムと、連携に関係しない処理部を実現するプログラムとが個別に存在していてもよい。また、上記実施の形態においてプログラムに従ってCPUが演算を行うことで実現されるとした処理部の一部または全部は、電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1 車両
2 車載装置
3 携帯機器
11 制御部
12 操作部
15 ディスプレイ
17 無線通信部
111 ナビゲーション部
143 コンテンツ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に用いられ、経路案内及び携帯機器との通信が可能な車両用装置であって、
前記車両の周辺の第1地図を表示する表示手段と、
第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記第1地図の表示中に前記第2地図を送信する送信手段と、
前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する受信手段と、
前記指示信号により指示された位置を前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する設定手段と
を備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記設定手段は、前記受信手段が前記経路案内中に前記目的地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、前記指示信号が指示する位置を新たな前記目的地に設定することを特徴とする車両用装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用装置において、
前記設定手段は、前記受信手段が前記経路案内中に前記経由地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、前記指示信号が指示する位置を前記経由地に設定することを特徴とする車両用装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装置において、
前記携帯機器は前記第2地図に含まれる地点に関する情報を報知するものであり、前記指示信号は前記携帯機器に報知された地点を前記経路案内のための位置として指示することを特徴とする車両用装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用装置において、
前記車両の現在地を取得する取得手段、
をさらに備え、
前記送信手段は、報知すべき情報に関する地点と前記現在地とが所定の距離となった場合に前記情報を報知する前記携帯機器に対して、前記車両の現在地を送信することを特徴とする車両用装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記車両の現在地を取得する取得手段、
をさらに備え、
前記表示手段は、前記受信手段が前記指示信号を受信したことに応答して、前記目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示することを特徴とする車両用装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用装置において、
前記送信手段は、前記車両の現在地に関連したイラストを前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記車両の現在地を送信し、
前記表示手段は、前記携帯機器から送信された前記車両の現在地に関連したイラストを表示することを特徴とする車両用装置。
【請求項8】
経路案内を行う車両用装置の目的地又は経由地を携帯機器から設定する設定方法であって、
(a)前記車両の周辺の第1地図を表示する工程と、
(b)第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記工程(a)で前記第1地図を表示中に前記第2地図を送信する工程と、
(c)前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する工程と、
(d)前記工程(c)で受信した前記指示信号により指示された位置を、前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する工程と、
を備えることを特徴とする設定方法。
【請求項9】
請求項8に記載の設定方法において、
(e)前記車両の現在地を取得する工程と、
(f)前記工程(c)で前記指示信号を受信すると、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する工程と、
をさらに備えることを特徴とする設定方法。
【請求項10】
経路案内及び携帯機器との通信が可能な車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、
(a)前記車両の周辺の第1地図を表示する工程と、
(b)第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する携帯機器に対して、前記工程(a)で前記第1地図を表示中に前記第2地図を送信する工程と、
(c)前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する工程と、
(d)前記工程(c)で受信した前記指示信号により指示された位置を、前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、
(e)前記車両の現在地を取得する工程と、
(f)前記工程(c)で前記指示信号を受信すると、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する工程と、
をさらに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
車両に用いられ、経路案内及び携帯機器との通信が可能な車両用装置であって、
前記車両の周辺の第1地図を表示する表示手段と、
第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記第1地図の表示中に前記第2地図を送信する送信手段と、
前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する受信手段と、
前記指示信号により指示された位置を前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する設定手段と
を備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記設定手段は、前記受信手段が前記経路案内中に前記目的地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、前記指示信号が指示する位置を新たな前記目的地に設定することを特徴とする車両用装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用装置において、
前記設定手段は、前記受信手段が前記経路案内中に前記経由地の設定を指示する指示信号を受信したことに応答して、前記指示信号が指示する位置を前記経由地に設定することを特徴とする車両用装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用装置において、
前記携帯機器は前記第2地図に含まれる地点に関する情報を報知するものであり、前記指示信号は前記携帯機器に報知された地点を前記経路案内のための位置として指示することを特徴とする車両用装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用装置において、
前記車両の現在地を取得する取得手段、
をさらに備え、
前記送信手段は、報知すべき情報に関する地点と前記現在地とが所定の距離となった場合に前記情報を報知する前記携帯機器に対して、前記車両の現在地を送信することを特徴とする車両用装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車両用装置において、
前記車両の現在地を取得する取得手段、
をさらに備え、
前記表示手段は、前記受信手段が前記指示信号を受信したことに応答して、前記目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示することを特徴とする車両用装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用装置において、
前記送信手段は、前記車両の現在地に関連したイラストを前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記車両の現在地を送信し、
前記表示手段は、前記携帯機器から送信された前記車両の現在地に関連したイラストを表示することを特徴とする車両用装置。
【請求項8】
経路案内を行う車両用装置の目的地又は経由地を携帯機器から設定する設定方法であって、
(a)前記車両の周辺の第1地図を表示する工程と、
(b)第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する前記携帯機器に対して、前記工程(a)で前記第1地図を表示中に前記第2地図を送信する工程と、
(c)前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する工程と、
(d)前記工程(c)で受信した前記指示信号により指示された位置を、前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する工程と、
を備えることを特徴とする設定方法。
【請求項9】
請求項8に記載の設定方法において、
(e)前記車両の現在地を取得する工程と、
(f)前記工程(c)で前記指示信号を受信すると、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する工程と、
をさらに備えることを特徴とする設定方法。
【請求項10】
経路案内及び携帯機器との通信が可能な車両用装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、
(a)前記車両の周辺の第1地図を表示する工程と、
(b)第2地図を表示して前記経路案内のための位置を指示する指示信号を前記車両用装置へ送信する携帯機器に対して、前記工程(a)で前記第1地図を表示中に前記第2地図を送信する工程と、
(c)前記携帯機器により送信された前記指示信号を受信する工程と、
(d)前記工程(c)で受信した前記指示信号により指示された位置を、前記経路案内のための目的地又は経由地に設定する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータに、
(e)前記車両の現在地を取得する工程と、
(f)前記工程(c)で前記指示信号を受信すると、目的地又は経由地の設定に関するメッセージとともに、前記車両の現在地に関連したイラストを表示する工程と、
をさらに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−108915(P2013−108915A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255698(P2011−255698)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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