説明

車体前部構造

【課題】軽量化を図ることが可能で、かつ、ダッシュボードロアが車室側に押し込まれることを防止できる車体前部構造を提供する。
【解決手段】車体前部構造10は、左右のダンパハウジング15,16から車体前方に向けて延出されるとともに下方に向けて延出され、前下端部がサブフレーム25の前端部に連結された左右のサイドメンバー31,32と、左右のサイドメンバーの上部から車体前方に向けて略水平に延出され、フロントバルクヘッド23の上梁部材51に連結された左右の連結部材34,35と、左右のサイドメンバーの略中央から車体前方に向けて延出され、フロントバルクヘッドの左右の側壁部52,53が連結された左右の延出部37,38とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパハウジングの前方にフロントバルクヘッドが設けられ、これらの部材の下方にサブフレームが設けられた車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体前部構造のなかには、フロントサイドフレームが車体前後方向を向いて設けられ、フロントサイドフレームの後端部から車体後方に向けてサイドフレームリヤエンドが設けられ、サイドフレームリヤエンドにダッシュボードロアが設けられ、ダッシュボードロアで車室とエンジンルームとを仕切るように構成されたものがある。
この車体前部構造は、フロントサイドフレームの前端部にフロントバルクヘッドを連結してフロントバルクヘッドを支えている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】DE10309630A1
【0003】
特許文献1の車体前部構造によれば、前方から衝撃荷重が作用した際に、作用した衝撃荷重をフロントサイドフレームおよびサイドフレームリヤエンドで支えることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、フロントサイドフレームは比較的大きなフレーム部材であり、車体前部構造の軽量化を図る妨げになっていた。
また、フロントサイドフレームに作用する衝撃荷重の大きさによっては、フロントサイドフレームやダッシュボードロアが後方に移動して、ダッシュボードロアが車室側に押し込まれてしまうことが考えられる。
【0005】
本発明は、軽量化を図ることが可能で、かつ、ダッシュボードロアが車室側に押し込まれることを防止できる車体前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、フロントピラーの前側にダンパハウジングが設けられ、前記ダンパハウジングの前方にフロントバルクヘッドが設けられ、前記フロントバルクヘッドおよび前記ダンパハウジングの下方にサブフレームが設けられた車体前部構造において、前記ダンパハウジングから車体前方に向けて延出されるとともに下方に向けて延出され、前下端部が前記サブフレームの前端部に連結されたサイドメンバーと、前記サイドメンバーの上部から車体前方に向けて略水平に延出され、前記フロントバルクヘッドの上梁部材に連結された連結部材と、前記サイドメンバーの略中央から車体前方に向けて延出され、前記フロントバルクヘッドの側壁部が連結された延出部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2は、前記サブフレームの前部から車体前方に向けて突出され、ラジエータなどの冷却系部品の下部を支えることが可能で、かつ、車体前方からの衝撃荷重を支えることが可能な支持部材が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、サイドメンバーをダンパハウジングから車体前方に向けて延出するとともに下方に向けて延ばした。そして、サイドメンバーの前下端部をサブフレームの前端部に連結した。
さらに、サイドメンバーの上部から連結部材を車体前方に向けて略水平に延ばしてフロントバルクヘッドの上梁部材に連結した。
加えて、サイドメンバーの略中央から延出部を車体前方に向けて延ばしてフロントバルクヘッドの側壁部に連結した。
【0009】
よって、サイドメンバーでフロントバルクヘッドを支えることが可能になり、従来技術で示したフロントサイドフレームを除去することができる。
このように、車体前部構造からフロントサイドフレームを除去することで、車体前部構造の軽量化を図ることができる。
【0010】
また、サイドメンバーをダンパハウジングから車体前方に向けて延出するとともに下方に向けて延ばすことで、車体前部構造の前方から衝撃荷重が作用した際に、サイドメンバーを好適に変形させて、衝撃荷重を良好に吸収することができる。
これにより、サイドメンバーが車体後方に移動することを防いで、ダッシュボードロアが車室側に押し込まれることを防止できる。
【0011】
請求項2に係る発明では、サブフレームの前部から支持部材を車体前方に向けて突出させた。
これにより、車体前部構造の前方から衝撃荷重が作用した際に、車体前方からの衝撃荷重を支持部材で良好に支えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【0013】
図1は本発明に係る車体前部構造を示す斜視図、図2は本発明に係る車体前部構造を示す分解斜視図である。
車体前部構造10は、左右のフロントピラー(フロントピラー)11,12から左右のアッパメンバー13,14が車体前方に向けて延出され、左右のフロントピラー11,12の前側に左右のダンパハウジング(ダンパハウジング)15,16がそれぞれ設けられ、左右のダンパハウジング15,16の後部から左右のサイドフレームリヤエンド17,18が車体後方に向けてそれぞれ延出され、左右のサイドフレームリヤエンド17,18にダッシュボードロア21が設けられ、左右のダンパハウジング15,16の前方にフロントバルクヘッド23が設けられ、フロントバルクヘッド23および左右のダンパハウジング15,16の下方にサブフレーム25が設けられている。
【0014】
さらに、車体前部構造10は、左右のダンパハウジング15,16から車体前方に向けてそれぞれ延出された左右のサイドメンバー(サイドメンバー)31,32と、左サイドメンバー31の左上部(上部)71からフロントバルクヘッド23に向けて延出された左連結部材(連結部材)34と、右サイドメンバー32の右上部(上部)75からフロントバルクヘッド23に向けて延出された右連結部材(連結部材)35と、左サイドメンバー31の略中央から車体前方に向けて延出されてフロントバルクヘッド23に連結された左延出部(延出部)37と、右サイドメンバー32の略中央から車体前方に向けて延出されてフロントバルクヘッド23に連結された右延出部(延出部)38、左右の延出部37,38に架け渡されたフロントバンパービーム41とを備えている。
【0015】
加えて、車体前部構造10は、サブフレーム25の前部から車体前方に向けて左右の支持部材(支持部材)42,43が突出されている。
【0016】
左フロントピラー11は、左ダンパハウジング15の後方から左ダンパハウジング15の高さまで上方に延出され、左ダンパハウジング15の高さの部位から車体後方に向けて上り勾配で左側のルーフまで延出された部位である。
右フロントピラー12は、左フロントピラー11と左右対称の部材であり、以下詳しい説明を省略する。
【0017】
左ダンパハウジング15は、左アッパメンバー13および左サイドメンバー31に高剛性(強固)に設けられた部材である。
この左ダンパハウジング15は、前輪用の左ダンパ(図示せず)を支えるとともに、エンジンルーム45を前輪から仕切る部材である。
右ダンパハウジング16は、左ダンパハウジング15と左右対称の部材であり、以下詳しい説明を省略する。
【0018】
左サイドフレームリヤエンド17は、左ダンパハウジング15の後部から車体後方に向けて床部(フロア)の高さまで下り勾配に延出され、その下端部から車体後方に向けて略水平に延出されている。
右サイドフレームリヤエンド18は、左サイドフレームリヤエンド17と左右対称の部材であり、以下詳しい説明を省略する。
【0019】
ダッシュボードロア21は、左右のサイドフレームリヤエンド17,18に設けられ、エンジンルーム45と車室46(図3参照)とを仕切る仕切壁である。
【0020】
フロントバルクヘッド23は、左右のダンパハウジング15,16の前方(すなわち、エンジンルーム45の前部)に備えられ、冷却系部品28(図3参照)を支える部材である。
冷却系部品28は、一例として、エンジンルーム45に臨む部位に設けられたラジエータと、このラジエータの前方に設けられたコンデンサとを備える。
前記コンデンサは、例えば、エアコン用の冷媒ガスを冷却して液化するものである。
【0021】
フロントバルクヘッド23は、左右のダンパハウジング15,16と略同じ高さに配置されるとともに車幅方向に延出された上梁部材51と、上梁部材51の左端部から車体外側に向けて下り勾配に延出された左側壁部(側壁部)52と、上梁部材51の右端部から車体外側に向けて下り勾配に延出された右側壁部(側壁部)53とを備えている。
上梁部材51は、車体前部構造の前部に設けられ、左右の支持部材42,43に載せた冷却系部品28を支える部材である。
【0022】
サブフレーム25は、車体前部構造10の下部を構成するフレームである。
このサブフレーム25は、図2に示すように、左右側下方にそれぞれ設けられた左右のサイドビーム61,62と、左右のサイドビーム61,62の前端部に架け渡されたフロントビーム63と、左右のサイドビーム61,62の後端部に架け渡されたリヤビーム64とを備えている。
このサブフレーム25は、左右のサイドビーム61,62、フロントビーム63およびリヤビーム64で略矩形状の枠体に形成されている。
【0023】
左右のサイドビーム61,62の前端部(サブフレーム25の前端部)61a,62aが、左右のサイドメンバー31,32の前下端部にそれぞれボルト66,66で取り付けられている。
左右のサイドビーム61,62の後端部61b,62bが、左右のサイドフレームリヤエンド17,18にそれぞれボルト67,67で取り付けられている。
【0024】
図3は本発明に係る車体前部構造を示す側面図である。
左サイドメンバー31は、断面略口形の閉断面に形成され、左ダンパハウジング15から車体前方に向けて延出されるとともに下方に向けて延出された略湾曲状の部材である。
【0025】
この左サイドメンバー31は、左ダンパハウジング15から車体前方に向けて略水平に延出された左上部71と、左上部71の前端部71aから車体前方に向けて下り勾配に形成された左傾斜部72と、左傾斜部72の下端部72aから下方に向けて鉛直に延出された左鉛直部73とを備えている。
ここで、左上部71の後端部71bは、左ダンパハウジング15に高剛性(強固)に取り付けられている。
【0026】
左上部71は、本実施の形態においては、僅かに湾曲状に形成したものを例示するが、これに限定するものではなく、その他の例として直線状に形成することも可能である。
左傾斜部72は、本実施の形態においては、僅かに湾曲状に形成したものを例示するが、これに限定するものではなく、その他の例として直線状に形成することも可能である。
左鉛直部73は、鉛直方向に直線状に延出された部位である。
左上部71、左傾斜部72および左鉛直部73は、左サイドメンバー31が全体として略湾曲状になるように連結されている。
【0027】
左サイドメンバー31は、前述したように、左サイドビーム61の前端部(サブフレーム25の前端部)61aに、左鉛直部73の下端部(前下端部)73aがボルト66で高剛性(強固)に取り付けられている(連結されている)。
【0028】
図1、図2に戻って、右サイドメンバー32は、右ダンパハウジング16から車体前方に向けて略水平に延出された右上部75と、右上部75の前端部から車体前方に向けて下り勾配に形成された右傾斜部76と、右傾斜部76の下端部から下方に向けて鉛直に延出された右鉛直部77とを備えている。
なお、右サイドメンバー32は、左サイドメンバー31と左右対称の部材であり、以下詳しい説明を省略する。
【0029】
左連結部材34は、左上部71の前端部71aから車体前方に向けて略水平に延出され、上梁部材51の左端部51aに連結されている。
右連結部材35は、左連結部材34と左右対称の部材であり、以下詳しい説明を省略する。
【0030】
左延出部37は、左鉛直部73の上端部(左サイドメンバー31の略中央)73bから車体前方に向けて延出され、フロントバルクヘッド23の左側壁部52に連結されている。
右延出部38は、左延出部37と左右対称の部材であり、以下詳しい説明を省略する。
【0031】
以上説明したように、左右のサイドメンバー31,32が略湾曲状に形成され、左右のダンパハウジング15,16からそれぞれ車体前方に向けて延出されるとともに下方に向けて延出されている。
そして、図1に示すように、左鉛直部73の下端部73aに左サイドビーム61の前端部61aが連結されている。また、左上部71の前端部71aに左連結部材34を介して上梁部材51の左端部51aが連結されている。さらに、左鉛直部73の上端部73bに左延出部37を介して左側壁部52が連結されている。
【0032】
同様に、右鉛直部77の下端部(前下端部)77aに右サイドビーム62の前端部(サブフレーム25の前端部)62aが連結されている。また、右上部75の前端部75aに右連結部材35を介して上梁部材51の右端部51bが連結されている。さらに、右鉛直部77の上端部(右サイドメンバーの略中央)77bに右延出部38を介して右側壁部53が連結されている。
【0033】
よって、左右のサイドメンバー31,32でフロントバルクヘッド23やサブフレーム25を支えることが可能になり、従来技術で示した左右のフロントサイドフレームを除去することができる。
このように、車体前部構造10から左右のフロントサイドフレームを除去することで、車体前部構造10の軽量化を図ることができる。
【0034】
左支持部材42は、フロントビーム63の左端部(サブフレーム25の前部)63aから車体前方に向けて突出されることで、冷却系部品28の下部を支える部材である。
さらに、左支持部材42は、フロントビーム63の左端部63aから車体前方に向けて突出されることで、車体前方からの衝撃荷重を支えることが可能な部材である。
【0035】
右支持部材43は、フロントビーム63の右端部(サブフレーム25の前部)63bから車体前方に向けて突出されることで、冷却系部品28の下部を支える部材である。
この右支持部材43は、左支持部材42と左右対称の部材であり、以下詳しい説明を省略する。
【0036】
つぎに、車体前部構造10に相手車両80が衝突した場合を図4〜図7に基づいて説明する。
図4(a),(b)は本発明に係るバンパービームの左端部に相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
(a)において、フロントバンパービーム41の左端部41aに相手車両80がオフセット衝突した場合、左端部41aに衝撃荷重F1が作用する。
【0037】
作用した衝撃荷重F1のうち、衝撃荷重F2が左延出部37を経て左サイドメンバー31の左上部71に矢印Aの如く伝わる。
左上部71に伝わった衝撃荷重F2は、左ダンパハウジング15および左アッパメンバー13を経て左フロントピラー11に矢印Bの如く伝わり、左フロントピラー11で支えられる。
【0038】
一方、衝撃荷重F1のうち、残りの衝撃荷重F3が左延出部37を経て左サイドメンバー31の左鉛直部73および左サイドビーム61に矢印Cの如く伝わる。
左サイドビーム61に伝わった衝撃荷重F3は、左サイドフレームリヤエンド17に矢印Dの如く伝わり、左サイドフレームリヤエンド17で支えられる。
【0039】
よって、フロントバンパービーム41の左端部41aに作用した衝撃荷重F1を、左サイドメンバー31と左サイドビーム61とに分散することができる。
【0040】
(b)において、左上部71が左ダンパハウジング15に高剛性(強固)に取り付けられている。
また、左鉛直部73が左サイドビーム61の前端部61aに高剛性(強固)に取り付けられている。
よって、左上部71が矢印Eの如くエンジンルーム45側に引き込まれるとともに、左サイドビーム61の前部が矢印Fの如くエンジンルーム45側に引き込まれる。
【0041】
図5は本発明に係る左サイドメンバーで衝撃荷重を吸収する例を説明する図である。
左サイドメンバー31が略湾曲状に形成されているので、左ダンパハウジング15に取り付けられた左上部71は、衝撃荷重F1が作用する位置から上方にH1寸法分オフセットされている(図4(b)参照)。
よって、左上部71をエンジンルーム45側に良好に変形させることができる。
左上部71がエンジンルーム45側に変形することで、左上部71に伝わった衝撃荷重F2を良好に吸収することができる。
【0042】
また、左サイドビーム61は、衝撃荷重F1が作用する位置から下方にH2寸法分オフセットされている(図4(b)参照)。
よって、左サイドビーム61の前部をエンジンルーム45側に良好に変形させることができる。
左サイドビーム61の前部がエンジンルーム45側に変形することで、左鉛直部73に伝わった残りの衝撃荷重F3を良好に吸収することができる。
【0043】
よって、フロントバンパービーム41の左端部41aに作用した衝撃荷重F1を良好に吸収することができる。
これにより、左サイドメンバー31や左サイドビーム61が車体後方に移動することを防いで、図1に示すダッシュボードロア21が車室46側に押し込まれることを防止できる。
【0044】
図6は本発明に係るフロントバルクヘッドの上梁部材に相手車両が衝突した場合を説明する図である。
相手車両80の車高が高い場合、相手車両80はフロントバルクヘッド23の上梁部材51に衝突して、上梁部材51に衝撃荷重F4が伝わる。
【0045】
作用した衝撃荷重F4のうち、衝撃荷重F5が上梁部材51の左端部51aを経て左連結部材34および左上部71に矢印Gの如く伝わる。
左上部71に伝わった衝撃荷重F5は、左ダンパハウジング15および左アッパメンバー13を経て左フロントピラー11に矢印Hの如く伝わり、左フロントピラー11で支えられる。
【0046】
一方、衝撃荷重F4のうち、残りの衝撃荷重F6が上梁部材51の右端部51bを経て右連結部材35および右上部75に矢印Iの如く伝わる。
右上部75に伝わった衝撃荷重F6は、右ダンパハウジング16および右アッパメンバー14を経て右フロントピラー12に矢印Jの如く伝わり、右フロントピラー12で支えられる。
【0047】
図7(a),(b)は本発明に係る左支持部材に相手車両が衝突した場合を説明する図である。
(a)において、左支持部材42はサブフレーム25のフロントビーム63から車体前方に向けて突出されている。
相手車両80の車高が低い場合、相手車両80は左支持部材42の前端部42aに衝突して、左支持部材42に衝撃荷重F7が作用する。
【0048】
(b)において、作用した衝撃荷重F7のうち、衝撃荷重F8がフロントビーム63を経て左サイドメンバー31に矢印Kの如く伝わる。
一方、衝撃荷重F7のうち、残りの衝撃荷重F9がフロントビーム63を経て左サイドビーム61に矢印Lの如く伝わる。
このように、左支持部材42に作用した衝撃荷重F7を、左サイドメンバー31と左サイドビーム61とに分散することで、衝撃荷重F7を左支持部材42で良好に支えることができる。
【0049】
なお、前記実施の形態で示した左右のダンパハウジング15,16、フロントバルクヘッド23、サブフレーム25、左右のサイドメンバー31,32、左右の連結部材34,35、左右の延出部37,38、左右の支持部材42,43、上梁部材51、左右の側壁部52,53の形状は、例示したものに限定するものではなく、適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の車体前部構造は、ダンパハウジングの前方にフロントバルクヘッドが設けられ、これらの部材の下方にサブフレームが設けられた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る車体前部構造を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車体前部構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る車体前部構造を示す側面図である。
【図4】本発明に係るバンパービームの左端部に相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
【図5】本発明に係る左サイドメンバーで衝撃荷重を吸収する例を説明する図である。
【図6】本発明に係るフロントバルクヘッドの上梁部材に相手車両が衝突した場合を説明する図である。
【図7】本発明に係る左支持部材に相手車両が衝突した場合を説明する図である。
【符号の説明】
【0052】
10…車体前部構造、11…左フロントピラー(フロントピラー)、12…右フロントピラー(フロントピラー)、15…左ダンパハウジング(ダンパハウジング)、16…右ダンパハウジング(ダンパハウジング)、23…フロントバルクヘッド、25…サブフレーム、28…冷却系部品、31…左サイドメンバー(サイドメンバー)、32…右サイドメンバー(サイドメンバー)、34…左連結部材(連結部材)、35…右連結部材(連結部材)、37…左延出部(延出部)、38…右延出部(延出部)、42…左支持部材(支持部材)、43…右支持部材(支持部材)、51…上梁部材、52…左側壁部(側壁部)、53…右側壁部(側壁部)、61a…左サイドビームの前端部(サブフレームの前端部)、62a…右サイドビームの前端部(サブフレームの前端部)、63a…フロントビームの左端部(サブフレームの前部)、63b…フロントビームの右端部(サブフレームの前部)、71…左上部(上部)、73a…左鉛直部の下端部(サイドメンバーの前下端部)、73b…左鉛直部の上端部(左サイドメンバーの略中央)、75…右上部(上部)、77a…右鉛直部の下端部(サイドメンバーの前下端部)、77b…右鉛直部の上端部(右サイドメンバーの略中央)、F1、F4、F7…衝撃荷重。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントピラーの前側にダンパハウジングが設けられ、前記ダンパハウジングの前方にフロントバルクヘッドが設けられ、前記フロントバルクヘッドおよび前記ダンパハウジングの下方にサブフレームが設けられた車体前部構造において、
前記ダンパハウジングから車体前方に向けて延出されるとともに下方に向けて延出され、前下端部が前記サブフレームの前端部に連結されたサイドメンバーと、
前記サイドメンバーの上部から車体前方に向けて略水平に延出され、前記フロントバルクヘッドの上梁部材に連結された連結部材と、
前記サイドメンバーの略中央から車体前方に向けて延出され、前記フロントバルクヘッドの側壁部が連結された延出部と、
を備えたことを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記サブフレームの前部から車体前方に向けて突出され、ラジエータなどの冷却系部品の下部を支えることが可能で、かつ、車体前方からの衝撃荷重を支えることが可能な支持部材が設けられたことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−161109(P2009−161109A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2409(P2008−2409)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】