車体前部構造
【課題】前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両でも、オフセット衝突で生じた衝撃荷重を良好に吸収することができる車体前部構造を提供する。
【解決手段】車体前部構造10は、左フロントサイドフレーム11の外側に左アッパメンバー14が設けられ、左フロントサイドフレーム11の前端部上側に左ヘッドライト21が設けられている。車体前部構造10は、左ヘッドライト21の外周に沿って設けられたヘッドライトメンバー22と、ヘッドライトメンバー22の外端上部22aを左アッパメンバー14に連結する上支持部23と、ヘッドライトメンバー22の内端下部22bを左フロントサイドフレーム11に連結する下支持部24とが備えられている。
【解決手段】車体前部構造10は、左フロントサイドフレーム11の外側に左アッパメンバー14が設けられ、左フロントサイドフレーム11の前端部上側に左ヘッドライト21が設けられている。車体前部構造10は、左ヘッドライト21の外周に沿って設けられたヘッドライトメンバー22と、ヘッドライトメンバー22の外端上部22aを左アッパメンバー14に連結する上支持部23と、ヘッドライトメンバー22の内端下部22bを左フロントサイドフレーム11に連結する下支持部24とが備えられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントサイドフレームの外側にアッパメンバーが設けられるとともに、フロントサイドフレームの前端部上側にヘッドライトが設けられた車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体前部構造は、通常、車体前後方向に向いてフロントサイドフレームが設けられ、フロントサイドフレームの前端部にフロントバンパビームが設けられ、フロントサイドフレームの外側に、フロントピラーから車体前方向に向かって延びるアッパメンバーが設けられ、アッパメンバーから車体前下方向に向かって延びるロアメンバーが設けられている。
そして、このロアメンバーの前端部がフロントサイドフレームの前端外壁部に連結部材を介して連結されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−112173号公報
【0003】
この車体前部構造は、ロアメンバーの前端部を連結部材を介してフロントサイドフレームの前端外壁部に連結することで、フロントサイドフレームの前端部の車体外側に設けることができる。
加えて、ロアメンバーは前端部が上下に拡大されている。
【0004】
よって、万が一、相手車両が左右方向や上下方向にずれてオフセット衝突した場合でも、相手車両に当てることができる。
これにより、ロアメンバーで衝撃荷重を受け、ロアメンバーに作用した衝撃荷重をアッパメンバーに伝えて良好に吸収することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、車両のなかには、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短いものがある。よって、フロントサイドフレームの前端部に前輪が近接され、フロントサイドフレームの前端部の車体外側にロアメンバーを設けることが困難とされている。
このため、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両では、相手車両が左右方向や上下方向にずれてオフセット衝突した場合に、相手車両に当てて衝撃荷重を良好に吸収することが難しい。
【0006】
本発明は、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両でも、オフセット衝突で生じた衝撃荷重を良好に吸収することができる車体前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車体前後方向に向いてフロントサイドフレームが設けられ、前記フロントサイドフレームの外側にアッパメンバーが設けられ、前記フロントサイドフレームの前端部上側にヘッドライトが設けられた車体前部構造において、前記ヘッドライトを補強するために、前記ヘッドライトの外周に沿って設けられたヘッドライトメンバーと、前記ヘッドライトメンバーの上部に設けられ、前記アッパメンバーに連結された上支持部と、前記ヘッドライトメンバーの下部に設けられ、前記フロントサイドフレームに連結された下支持部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、前輪は、フロントサイドフレームに対して車体外側に設けられている。よって、フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)に空間を確保することが可能である。
そこで、請求項1において、ヘッドライト(ヘッドランプ)の外周に沿ってヘッドライトメンバーを形成し、ヘッドライトメンバーの上部を上支持部でアッパメンバーへ連結し、ヘッドライトメンバーの下部を下支持部でフロントサイドフレームへ連結した。
【0009】
これにより、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両でも、フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)の空間を利用して、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部で、アッパメンバーをフロントサイドフレームへ連結することができる。
【0010】
請求項2は、前記ヘッドライトメンバーを前記ヘッドライトと一体化し、前記ヘッドライトメンバーに補強リブを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3において、前記ヘッドライトメンバーは、閉断面部材に形成され、前記ヘッドライトメンバーに前記ヘッドライトに有するバルブ部を収容する開口部が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)の空間を利用して、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部で、アッパメンバーをフロントサイドフレームへ連結した。
フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)の空間に、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部を設けることで、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両でも、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部が前輪に干渉することを防ぐことができる。
【0013】
これにより、相手車両がフロントサイドフレームの前端部にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を下支持部、ヘッドライトメンバーおよび上支持部を経てアッパメンバーに分散させて良好に吸収することができる。
また、相手車両がヘッドライトにオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を下支持部を経てフロントサイドフレームに分散するとともに、上支持部を経てアッパメンバーに分散させて良好に吸収することができるという利点がある。
【0014】
さらに、請求項1に係る発明では、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部でアッパメンバーをフロントサイドフレームへ連結した。
よって、アッパメンバーをフロントサイドフレームへ連結するために、従来用いられていたロアメンバーを除去することができる。
これにより、車体前部構造の軽量化やコスト低減を図ることができるという利点がある。
【0015】
加えて、請求項1に係る発明では、ヘッドライトの外周に沿ってヘッドライトメンバーを設けることで、このヘッドライトメンバーで衝撃荷重を支えることができる。
ヘッドライトは外周が比較的大きいので、ヘッドライトメンバーの面積を大きく確保することができる。
これにより、衝撃荷重を支える部位を広範囲に確保することができるので、オフセット衝突による衝撃荷重を一層良好に吸収することができるという利点がある。
【0016】
請求項2に係る発明では、ヘッドライトメンバーをヘッドライトと一体化することで、部品点数の削減を図るとともに、取付作業性の容易化を図ることができるという利点がある。
さらに、ヘッドライトメンバーをヘッドライトと一体化することで、ヘッドライトのハウジングをヘッドライトメンバーで兼用することが可能になり、軽量化を図るとともにヘッドライトの剛性を高めることができるという利点がある。
【0017】
さらに、請求項2に係る発明では、ヘッドライトメンバーに補強リブを設けることで、ヘッドライトメンバーの剛性をさらに高めることができる。
これにより、オフセット衝突による衝撃荷重を一層良好に吸収することができるという利点がある。
【0018】
請求項3に係る発明では、ヘッドライトメンバーを閉断面部材に形成した。
このように、ヘッドライトメンバーを閉断面部材に形成することで、ヘッドライトメンバーの剛性を一層高めることができるという利点がある。
さらに、請求項3に係る発明では、ヘッドライトメンバーにヘッドライトのバルブ部を収容する開口部を形成した。
これにより、開口部を利用して、ヘッドライトのバルブ部の交換を簡単におこなうことができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
なお、車体前部構造は左右対称の構成部材で構成されている。よって、本実施の形態においては、左側の構成部材について説明して右側の構成部材の説明を省略する。
【0020】
図1は本発明に係る車体前部構造(第1実施の形態)を示す側面図、図2は第1実施の形態に係る車体前部構造を示す斜視図である。
車体前部構造10は、車体前部の左右側部に設けられた左フロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)11と、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに設けられたフロントバルクヘッド12と、左右のフロントサイドフレーム(右フロントサイドフレームは図示せず)11の前端部11aに架け渡されたフロントバンパビーム13と、左フロントサイドフレーム11の外側に設けられた左アッパメンバー(アッパメンバー)14とを備えている。
【0021】
この車体前部構造10は、フロントバンパビーム13から前輪16までの間隔Lが短く設定されている。
前輪16は、左フロントサイドフレーム11に対して車体外側に設けられている。
よって、左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側(すなわち、前輪16の車体内側)に空間57が確保されている。
【0022】
加えて、車体前部構造10は、左アッパメンバー14の前端部14aに連結されるとともに、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に連結された左ヘッドライト支持手段20と、左ヘッドライト支持手段20に設けられたヘッドライトとしての左ヘッドライト(ヘッドランプ)21とを備えている。
左ヘッドライト支持手段20は、前輪16に干渉しないように、前輪16を回避させて設けられている。
【0023】
左フロントサイドフレーム11は、車体前後方向を向いて車体前部の左側に配置され、後端部11bが左フロントサイドフレームリヤエンド25を介して左フロアフレーム26に連結されたフレーム部材である。
【0024】
左アッパメンバー14は、左フロントサイドフレーム11の外側に設けられ、左フロントピラー19から車両前方向に向かって延びる部材である。
さらに、左アッパメンバー14は、左ホイールハウス27を介して左フロントサイドフレーム11に連結されている。
【0025】
左ヘッドライト21は、外形略矩形状に樹脂材で形成され、後部21a(図3参照)の略中央部からバルブ部28の後部28aが車体後方に向けて突出されている。
【0026】
図3は第1実施の形態に係る車体前部構造を示す分解斜視図、図4は図1の4−4線断面図である。
左ヘッドライト支持手段20は、左ヘッドライト21の後部21aに一体に設けられたヘッドライトメンバー22と、ヘッドライトメンバー22の外端上部(上部)22aに設けられて左アッパメンバー14に連結された上支持部23と、ヘッドライトメンバー22の内端下部(下部)22bに設けられて左フロントサイドフレーム11に連結された下支持部24とを備えている。
【0027】
ヘッドライトメンバー22は、左ヘッドライト21の後部(樹脂材で形成された部位)21aに硬質樹脂で2色成形された中空部材(閉断面部材)である。
よって、ヘッドライトメンバー22は、左ヘッドライト21の後部21aに一体化された状態で設けられている。
【0028】
ヘッドライトメンバー22を左ヘッドライト21と一体化することで、部品点数の削減を図るとともに、取付作業性の容易化を図ることができる。
さらに、ヘッドライトメンバー22を左ヘッドライト21と一体化することで、左ヘッドライト21のハウジングをヘッドライトメンバー22で兼用することが可能になり、軽量化を図るとともに左ヘッドライト21の剛性を高めることができる。
加えて、ヘッドライトメンバー22を中空部材(閉断面部材)とすることで、ヘッドライトメンバー22の剛性を高めることができる。
【0029】
このヘッドライトメンバー22は、左ヘッドライト21の外周に沿って略矩形状に形成され、略中央に、バルブ部28の後部28aを収容するための開口部31が形成されている。
ヘッドライトメンバー22を左ヘッドライト21の外周に沿って略矩形状に形成することで、左ヘッドライト21を補強することができる。
【0030】
また、ヘッドライトメンバー22の略中央に開口部31を形成することで、開口部31を利用して左ヘッドライト21のバルブ部28を簡単に交換することができる。
このバルブ部28を交換することで、左ヘッドライト21の電球の交換が可能になる。
なお、第1実施の形態では、ヘッドライトメンバー22を中空部材として例示するが、これに限らないで、ヘッドライトメンバー22を中実部材とすることも可能である。
【0031】
上支持部23は、ヘッドライトメンバー22の外端上部22aに設けられた傾斜部33と、傾斜部33に設けられて左アッパメンバー14に上ボルト36,36・上ナット37,37で連結された連結部34とを備えている。
【0032】
傾斜部33は、断面略矩形枠状に形成され、ヘッドライトメンバー22の外端上部22aから左アッパメンバー14の前端部14aに向けて上り勾配状で、かつ前端部33aから後端部33bに向けて外形が徐々に大きくなるように形成された中空部材である。
【0033】
連結部34は、断面略矩形枠状に形成されるとともに、左アッパメンバー14の前端部14a内に嵌入可能に形成され、内外の壁部41,42の裏面に上ナット37,37がそれぞれ同軸上にインサート成形されている。
内外の壁部41,42には、上ナット37,37と同軸上に第1上取付孔がそれぞれ形成されている。
【0034】
なお、左アッパメンバー14は、前端部14aの内壁部44に、第1上取付孔と同軸上に第2上取付孔が形成され、前端部14aの外壁部45に、第1上取付孔と同軸上に第2上取付孔が形成されている。
【0035】
この連結部34は、左アッパメンバー14の前端部14a内に、第1上取付孔および第2上取付孔が同軸になるように嵌入されている。
第2上取付孔および第1上取付孔に、上ボルト36が車体中心側から差し込まれて上ナット37にねじ結合されている。
【0036】
さらに、第2上取付孔および第1上取付孔に、上ボルト36が車体外側から差し込まれて上ナット37にねじ結合されている。
よって、連結部34は、左アッパメンバー14の前端部14aに上ボルト36,36および上ナット37,37で取り付けられている(連結されている)。
【0037】
下支持部24は、ヘッドライトメンバー22の内端下部22bに設けられた脚部47と、脚部47の内外の壁部47a,47bに設けられた内外の取付部48,49とを備えている。
内外の取付部48,49は、左フロントサイドフレーム11に下ボルト51,51・下ナット52,52で連結されている。
【0038】
脚部47は、断面略矩形枠状に形成され、ヘッドライトメンバー22の内端下部22bから下方に延出された中空部材である。
内取付部48は、内壁部47aから下方に張り出されて第1下取付孔が形成された突片である。
この内取付部48は、脚部47の下端部47cが左フロントサイドフレーム11の前端上部18に載置された状態で、左フロントサイドフレーム11の内壁部54に沿って配置されている。
【0039】
左フロントサイドフレーム11の内壁部54には、第1下取付孔と同軸上に第2下取付孔が形成されている。
さらに、内壁部54の裏面には、第2下取付孔と同軸上に下ナット52が溶接で取り付けられている。
第1下取付孔および第2下取付孔に、下ボルト51が車体中心側から差し込まれて下ナット52にねじ結合されている。
【0040】
外取付部49は、外壁部47bから下方に張り出されて第1下取付孔が形成された突片である。
この外取付部49は、脚部47の下端部47cが左フロントサイドフレーム11の前端上部18に載置された状態で、左フロントサイドフレーム11の外壁部55に沿って配置されている。
【0041】
左フロントサイドフレーム11の外壁部55には、第1下取付孔と同軸上に第1下取付孔が形成されている。
さらに、外壁部55の裏面には、第1下取付孔と同軸上に下ナット52が溶接で取り付けられている。
第1下取付孔および第2下取付孔に、下ボルト51が車体外側から差し込まれて下ナット52にねじ結合されている。
【0042】
よって、下支持部24は、脚部47の下端部47cが左フロントサイドフレーム11の前端上部18に載置された状態で、内外の取付部48,49が内外の壁部54,55に下ボルト51,51・下ナット52,52で取り付けられている(連結されている)。
【0043】
このように、左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部23が連結され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部24が連結されることで、上支持部23、ヘッドライトメンバー22および下支持部24が左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側(すなわち、前輪16の車体内側)の空間57(図1、図2も参照)に配置されている。
【0044】
上支持部23、ヘッドライトメンバー22および下支持部24を空間57に配置することで、前輪16から左フロントバンパビーム13までの間隔Lが短い車体前部構造10でも、前輪16に干渉させることなく、左アッパメンバー14の前端部14aを左フロントサイドフレーム11の前端上部18に連結することができる。
これにより、左アッパメンバー14を左フロントサイドフレーム11へ連結するために、従来用いられていたロアメンバーを除去することができ、軽量化やコスト低減を図ることができる。
【0045】
加えて、左ヘッドライト21の外周に沿ってヘッドライトメンバー22を設けることで、このヘッドライトメンバー22で衝撃荷重を支えることができる。
左ヘッドライト21は外周が比較的大きいので、ヘッドライトメンバー22の面積を大きく確保することができる。
これにより、衝撃荷重を支える部位を広範囲に確保することができるので、オフセット衝突による衝撃荷重を良好に吸収することができる。
【0046】
また、左ヘッドライト21の外周に沿ってヘッドライトメンバー22を設けることで、左ヘッドライト21を補強することができる。
これにより、衝撃荷重の一部を左ヘッドライト21で支えることが可能になり、衝突エネルギーの吸収量をさらに向上させることができる。
【0047】
図5は第1実施の形態に係る車体前部構造を示す正面図である。
左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部23が連結され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部24が連結されることで、ヘッドライトメンバー22が前端部14aおよび前端上部18間に配置されている。
【0048】
ヘッドライトメンバー22の前部22c(図3参照)に左ヘッドライト21の後部21a(図3参照)が一体に設けられている。よって、左ヘッドライト21は、左フロントサイドフレーム11の前端部11a(すなわち、前端上部18)の上側に配置されている。
具体的には、左ヘッドライト21は、内側半部61が左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側に配置され、外側半部62が左フロントサイドフレーム11の前端部11aから車体外側に張り出している。
【0049】
これにより、相手車両が左ヘッドライト21の内側半部61(すなわち、P1位置)にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を左ヘッドライト21を経てヘッドライトメンバー22、上支持部23および下支持部24(すなわち、左ヘッドライト支持手段20)に伝えることができる。
そして、左ヘッドライト支持手段20に伝わった衝撃荷重を左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー14に分散させることができる。
【0050】
また、相手車両が左ヘッドライト21の外側半部62(すなわち、P2位置)にオフセット衝突した場合に、P1位置の場合と同様に、衝撃荷重を左ヘッドライト21を経て左ヘッドライト支持手段20に伝えることができる。
そして、左ヘッドライト支持手段20に伝わった衝撃荷重を左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー14に分散させることができる。
【0051】
さらに、相手車両が左フロントサイドフレーム11の前端部11a(すなわち、P3位置)にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重の一部を左フロントサイドフレーム11に伝えるとともに、残りの衝撃荷重を左ヘッドライト支持手段20を経て左アッパメンバー14に分散させることができる。
【0052】
つぎに、相手車両がP1位置、P3位置にオフセット衝突した場合を図6〜図7に基づいて詳しく説明する。
まず、相手車両が示すP1位置、すなわち左ヘッドライト21の内側半部61にオフセット衝突した場合を図6に基づいて説明する。
【0053】
図6(a),(b)は第1実施の形態に係る左ヘッドライトの内側半部に相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
(a)において、車高が高い相手車両65が、図5に示すP1位置に前方からオフセット衝突した場合に、相手車両65のフロントサイドフレーム66に左ヘッドライト21の内側半部61を当てることができる。
【0054】
(b)において、相手車両65のフロントサイドフレーム66から作用した衝撃荷重F1は、左ヘッドライト21を経てヘッドライトメンバー22に伝わる。
ヘッドライトメンバー22に伝わった衝撃荷重の一部は、下支持部24を経て左フロントサイドフレーム11に衝撃荷重F2として伝わる。
【0055】
一方、残りの衝撃荷重は、上支持部23を経て左アッパメンバー14に衝撃荷重F3として伝わる。
すなわち、ヘッドライトメンバー22に伝わった衝撃荷重を左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー14に分散させることができる。
【0056】
ここで、左フロントサイドフレーム11は、車体前部構造10の主骨格を構成するため剛性が高い部材である。
よって、左フロントサイドフレーム11に分散された衝撃荷重F2は、左フロントサイドフレーム11で良好に吸収することができる。
【0057】
一方、左アッパメンバー14は、左ホイールハウス27を介して左フロントサイドフレーム11に連結されている。よって、左アッパメンバー14は充分に剛性の高い部材である。
よって、左アッパメンバー14に分散された衝撃荷重F3は、左アッパメンバー14で良好に吸収することができる。
これにより、相手車両65のフロントサイドフレーム66からの衝撃荷重F1を、車体前部構造10で良好に吸収することができる。
【0058】
なお、車高が高い相手車両65が、図5に示すP2位置に前方からオフセット衝突した場合は、相手車両65のフロントサイドフレーム66に左ヘッドライト21の外側半部62(図5参照)を当てることができる。
この場合も、車高が高い相手車両65が、図5に示すP1位置にオフセット衝突した場合と同様に、衝撃荷重F1を、車体前部構造10で良好に吸収することができる。
【0059】
つぎに、相手車両65が、図5に示すP3位置、すなわち、左フロントサイドフレーム11の前端部11aにオフセット衝突した場合を図7に基づいて説明する。
図7は第1実施の形態に係る車体前部構造の左フロントサイドフレームに相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
車高が略同じ高さの相手車両65が、図5に示すP3位置に前方からオフセット衝突した場合に、相手車両65のフロントサイドフレーム66にフロントバンパビーム13の左端部13aを当てることができる。
【0060】
フロントバンパビーム13の左端部13aは、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに設けられている。
よって、相手車両65のフロントサイドフレーム66に左フロントサイドフレーム11の前端部11aを当てたことになる。
【0061】
よって、相手車両65のフロントサイドフレームからの衝撃荷重F1を、左フロントサイドフレーム11の前端部11aから、左フロントサイドフレーム11に衝撃荷重F4として伝えるとともに、下支持部24、ヘッドライトメンバー22および上支持部23(すなわち、左ヘッドライト支持手段20)に分散することができる。
【0062】
左フロントサイドフレーム11は、前述したように、車体前部構造10の主骨格を構成するため剛性が高い部材である。
よって、左フロントサイドフレーム11に分散された衝撃荷重F4は、左フロントサイドフレーム11で良好に吸収することができる。
【0063】
一方、左ヘッドライト支持手段20(下支持部24、ヘッドライトメンバー22および上支持部23)に分散された衝撃荷重F5は、左アッパメンバー14に矢印の如く伝わる。
左アッパメンバー14は、前述したように、左ホイールハウス27を介して左フロントサイドフレーム11に連結されている。すなわち、左アッパメンバー14は充分に剛性の高い部材である。
【0064】
よって、左アッパメンバー14に伝えられた衝撃荷重F5を良好に吸収することができる。
これにより、相手車両65のフロントサイドフレーム66からの衝撃荷重F1を、車体前部構造10で良好に吸収することができる。
【0065】
つぎに、第2〜第5の実施の形態の車体前部構造を図8〜図14に基づいて説明する。なお、第2〜第5の実施の形態において、第1実施の形態の車体前部構造10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0066】
(第2実施の形態)
図8(a)は本発明に係る車体前部構造(第2実施の形態)の左ヘッドライト支持手段を示す斜視図、図8(b)は第2実施の形態に係る左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
第2実施の形態の左ヘッドライト支持手段70は、ヘッドライトメンバー22の後部22dに格子状の補強リブ72がそれぞれ設けられ、ヘッドライトメンバー22の上面22eおよび傾斜部33の内壁部33cに略三角形状の補強リブ73が設けられ、下支持部24の外壁部47bおよび外取付部49に略矩形状の補強リブ74が設けられたもので、その他の構成は第1実施の形態の左ヘッドライト支持手段20と同じである。
【0067】
左ヘッドライト支持手段70に補強リブ72,73,74を設けることで、左ヘッドライト支持手段70の剛性を高めることができる。
これにより、オフセット衝突による衝撃荷重を一層良好に吸収することができる。
【0068】
なお、第2実施の形態では、ヘッドライトメンバー22の後部22dに格子状の補強リブ72を設けた例について説明したが、これに限らないで、ヘッドライトメンバー22の前部22cに格子状の補強リブ72を設けることも可能である。
また、補強リブ72,73,74は、図8に示す形状に限定するものではなく、適宜変更が可能である。
さらに、補強リブ72,73,74を全部設ける必要のない場合には、補強リブ72,73,74から選択した補強リブのみを備えることも可能である。
【0069】
(第3実施の形態)
図9は本発明に係る車体前部構造(第3実施の形態)を示す斜視図、図10は第3実施の形態の車体前部構造を示す分解斜視図である。
第3実施の形態の車体前部構造80は、左ヘッドライト支持手段81を、第1実施の形態の硬質樹脂製のものから金属製のものに代え、左ヘッドライト支持手段81にヘッドライトとしての左ヘッドライト(ヘッドランプ)82をボルト83…で着脱自在に設けたものである。
【0070】
左ヘッドライト支持手段81は、鋳造で形成した金属製の部材であって、略矩形状の枠体に形成されたヘッドライトメンバー85と、ヘッドライトメンバー85の外端上部(上部)85aに設けられて左アッパメンバー14に連結された上支持部86と、ヘッドライトメンバー85の内端下部(下部)85bに設けられて左フロントサイドフレーム11に連結された下支持部87とを備えている。
【0071】
ヘッドライトメンバー85は、左ヘッドライト82の外周89に沿って略矩形状に形成され、上面85cおよび内外の側壁85e,85fにねじ孔91が形成された中空部材(閉断面部材)である。
ヘッドライトメンバー85を中空部材(閉断面部材)とすることで、ヘッドライトメンバー85の剛性を高めることができる。
ヘッドライトメンバー85を略矩形状の枠体に形成することで、ヘッドライトメンバー85の略中央にバルブ部28の後部28aを収容するための開口部92が形成されている。
【0072】
ヘッドライトメンバー85の略中央に開口部92を形成することで、左ヘッドライト82のバルブ部28を簡単に交換することができる。
このバルブ部28を交換することで、左ヘッドライト82の電球の交換が可能になる。
なお、第3実施の形態では、ヘッドライトメンバー85を中空部材として例示するが、これに限らないで、ヘッドライトメンバー85を中実部材とすることも可能である。
【0073】
上支持部86は、ヘッドライトメンバー85の外端上部85aに設けられた傾斜部94と、傾斜部94に設けられて左アッパメンバー14に溶接で接合された連結部95とを備えている。
【0074】
傾斜部94は、断面略矩形枠状に形成され、ヘッドライトメンバー85の外端上部85aから左アッパメンバー14の前端部14aに向けて上り勾配状で、かつ前端部94aから後端部94bに向けて外形が徐々に大きくなるように形成された中空部材である。
【0075】
連結部95は、断面略矩形枠状に形成されるとともに、左アッパメンバー14の前端部14a内に嵌入可能に形成されている(図12(a)も参照)。
この連結部95は、左アッパメンバー14の前端部14a内に嵌入された状態で、前端部14aに溶接で接合されている(連結されている)。
なお、連結部95を左アッパメンバー14の前端部14aに連結する構成については図12で詳しく説明する。
【0076】
下支持部87は、ヘッドライトメンバー85の内端下部85bに設けられた脚部97と、脚部97の前後の壁部に設けられた前後の取付部101と、内外の壁部に設けられた内外の取付部102とを備えている。
前後の取付部101は、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に溶接で接合されている(連結されている)。
内外の取付部102は、左フロントサイドフレーム11の内壁部103および外壁部104に溶接で接合されている(連結されている)。
【0077】
脚部97は、断面略矩形枠状に形成され、ヘッドライトメンバー85の内端下部85bから下方に延出された中空部材である。
【0078】
このように、左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部86が連結され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部87が連結されることで、上支持部86、ヘッドライトメンバー85および下支持部87が左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側(すなわち、前輪16の車体内側)の空間57(図1、図2も参照)に配置されている。
【0079】
上支持部86、ヘッドライトメンバー85および下支持部87を空間57に配置することで、前輪16(図1参照)から左フロントバンパビーム13までの間隔Lが短い車体前部構造80でも、前輪16に干渉させることなく、左アッパメンバー14の前端部14aを左フロントサイドフレーム11の前端上部18に連結することができる。
【0080】
図11は第3実施の形態のヘッドライトメンバーに左ヘッドライトを取り付ける例を説明する平面図である。
左ヘッドライト82は、外周89に、車体後方に向けて張り出された複数の取付片106が設けられ、かつ、内周のうち、車体外側の部位に取付片106が設けられている。
複数の取付片106には、それぞれ取付孔106aが形成されている。
複数の取付片106は、ヘッドライトメンバー85の前部に左ヘッドライト82を配置した状態で、ヘッドライトメンバー85の上面85cおよび内外の側壁85e,85fに沿って配置されている。
【0081】
そして、複数の取付片106の取付孔106aが、上面85cおよび内外の側壁85e,85fのねじ孔91(図10参照)に対して同軸上に配置されている。
取付片106にボルト83が差し込まれ、ボルト83のねじ部がねじ孔91にねじ結合されている。
これにより、左ヘッドライト82は、ヘッドライトメンバー85の前部にボルト83…で着脱自在に設けられている。
【0082】
図12(a)は図9の12a−12a線断面図、図12(b)は図12(a)を分解した状態を示す断面図である。
左アッパメンバー14は車体内側に配置されたインナパネル111と、インナパネル111に溶接で接合されたアウタパネル112とを備えている。
【0083】
インナパネル111の上下の辺111aにアウタパネル112の上下の辺112aが溶接で接合されている。
インナパネル111の前端部およびアウタパネル112の前端部間に、連結部95が挟持され、連結部95の内壁部95aがインナパネル111の前端部に溶接で接合され、連結部95の外壁部95bがアウタパネル112の前端部の外壁112bに溶接で接合されている。
これにより、連結部95は、左アッパメンバー14の前端部14aに強固に連結されている。
【0084】
以上説明したように、第3実施の形態の車体前部構造80によれば、第1実施の形態の車体前部構造10と同様の効果を得ることができる。
【0085】
(第4実施の形態)
図13(a)は本発明に係る車体前部構造(第4実施の形態)を示す斜視図、図13(b)は第4実施の形態の左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
第4実施の形態の車体前部構造120は、ヘッドライトとしての左丸型ヘッドライト(ヘッドランプ)121を備え、左丸型ヘッドライト121を左ヘッドライト支持手段122で支持したもので、その他の構成は第3実施の形態の車体前部構造80と同じである。
【0086】
左丸型ヘッドライト121は、平面視において、丸型に形成され、中央にバルブ部28を1個備えたヘッドランプである。
【0087】
左ヘッドライト支持手段122は、鋳造で形成した金属製の部材であって、左丸型ヘッドライト121の外周を覆うように収容する筒状のヘッドライトメンバー124と、ヘッドライトメンバー124の外端上部(上部)124aに設けられて左アッパメンバー14に連結された上支持部125と、ヘッドライトメンバー124の内端下部(下部)124bに設けられて左フロントサイドフレーム11に連結された下支持部126とを備えている。
【0088】
ヘッドライトメンバー124は、左丸型ヘッドライト121を収容可能に筒状に形成されるとともに、中空部材(閉断面部材)に形成されている。
ヘッドライトメンバー124を中空部材(閉断面部材)とすることで、ヘッドライトメンバー124の剛性を高めることができる。
【0089】
さらに、ヘッドライトメンバー124は、後部124cにおいて、略中央に、バルブ部28の後部28aを収容するための開口部127が形成されている。
よって、左丸型ヘッドライト121のバルブ部28を簡単に交換することができ、左丸型ヘッドライト121の電球の交換が可能になる。
【0090】
左ヘッドライト支持手段122は、第3実施の形態と同様に、左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部125が溶接で接合され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部126が溶接で接合されている。
これにより、第4実施の形態の車体前部構造120によれば、第3実施の形態の車体前部構造80と同様の効果を得ることができる。
【0091】
なお、第4実施の形態の車体前部構造120では、金属製の左ヘッドライト支持手段122を鋳造で形成して、上下の支持部125,126を溶接で接合した例について説明したが、これに限らないで、第1実施の形態の車体前部構造10のように、樹脂製の左ヘッドライト支持手段とし、上下の支持部をボルト・ナットで連結することも可能である。
【0092】
(第5実施の形態)
図14(a)は本発明に係る車体前部構造(第5実施の形態)を示す斜視図、図14(b)は第5実施の形態の左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
第5実施の形態の車体前部構造130は、ヘッドライトとしての左ヘッドライト(ヘッドランプ)131を備え、左ヘッドライト131を左ヘッドライト支持手段132で支持したもので、その他の構成は第3実施の形態の車体前部構造80と同じである。
左ヘッドライト131は、車体前後方向に長く延出され、バルブ部28を2個備えたヘッドランプである。
【0093】
左ヘッドライト支持手段132は、鋳造で形成した金属製の部材であって、左ヘッドライト131の後部131aに設けられて左ヘッドライト131を支持するヘッドライトメンバー134と、ヘッドライトメンバー134の外端上部(上部)134aに設けられて左アッパメンバー14に連結された上支持部135と、ヘッドライトメンバー134の内端下部(下部)134bに設けられて左フロントサイドフレーム11に連結された下支持部136とを備えている。
【0094】
ヘッドライトメンバー134は、中空部材(閉断面部材)に形成されている。
ヘッドライトメンバー134を中空部材(閉断面部材)とすることで、ヘッドライトメンバー134の剛性を高めることができる。
【0095】
さらに、ヘッドライトメンバー134は、略中央に、2個のバルブ部28の後部28aを収容するための開口部137が形成されている。開口部137は、略矩形状に形成されている。
よって、左ヘッドライト131の2個のバルブ部28を簡単に交換することができ、左ヘッドライト131の電球の交換が可能になる。
【0096】
左ヘッドライト支持手段132は、第3実施の形態と同様に、左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部135が溶接で接合され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部136が溶接で接合されている。
これにより、第5実施の形態の車体前部構造130によれば、第3実施の形態の車体前部構造80と同様の効果を得ることができる。
【0097】
なお、第5実施の形態の車体前部構造130では、金属製の左ヘッドライト支持手段132を鋳造で形成して、上下の支持部135,136を溶接で接合した例について説明したが、これに限らないで、第1実施の形態の車体前部構造10のように、樹脂製の左ヘッドライト支持手段とし、上下の支持部をボルト・ナットで連結することも可能である。
【0098】
また、前記第1〜5の実施の形態で示した左フロントサイドフレーム11、左アッパメンバー14、左ヘッドライト21,82,131、ヘッドライトメンバー22,85,124,134、上支持部23,86,125,135、下支持部24,87,126,136、バルブ部28、開口部31,92,127,137、補強リブ72,73,74、左丸型ヘッドライト121などの形状は適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、フロントサイドフレームの外側にアッパメンバーが設けられ、フロントサイドフレームの前端部上側にヘッドライトが設けられた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係る車体前部構造(第1実施の形態)を示す側面図である。
【図2】第1実施の形態に係る車体前部構造を示す斜視図である。
【図3】第1実施の形態に係る車体前部構造を示す分解斜視図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】第1実施の形態に係る車体前部構造を示す正面図である。
【図6】第1実施の形態に係る左ヘッドライトの内側半部に相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
【図7】第1実施の形態に係る車体前部構造の左フロントサイドフレームに相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
【図8】(a)は本発明に係る車体前部構造(第2実施の形態)の左ヘッドライト支持手段を示す斜視図、(b)は第2実施の形態に係る左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
【図9】本発明に係る車体前部構造(第3実施の形態)を示す斜視図である。
【図10】第3実施の形態の車体前部構造を示す分解斜視図である。
【図11】第3実施の形態のヘッドライトメンバーに左ヘッドライトを取り付ける例を説明する平面図である。
【図12】(a)は図9の12a−12a線断面図、(b)は図12(a)を分解した状態を示す断面図である。
【図13】(a)は本発明に係る車体前部構造(第4実施の形態)を示す斜視図、(b)は第4実施の形態の左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
【図14】(a)は本発明に係る車体前部構造(第5実施の形態)を示す斜視図、(b)は第5実施の形態の左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
【符号の説明】
【0101】
10,80,120,130…車体前部構造、11…左フロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)、11a…左フロントサイドフレームの前端部、14…左アッパメンバー(アッパメンバー)、14a…左アッパメンバーの前端部、18…前端上部、20,70,81、122,132…左ヘッドライト支持手段、21,82,131…左ヘッドライト(ヘッドライト)、22,85,124,134…ヘッドライトメンバー、22a,85a,124a,134a…ヘッドライトメンバーの外端上部(上部)、22b,85b,124b,134b…ヘッドライトメンバーの内端下部(下部)、23,86,125,135…上支持部、24,87,126,136…下支持部、28…バルブ部、31,92,127,137…開口部、72,73,74…補強リブ、121…左丸型ヘッドライト(ヘッドライト)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントサイドフレームの外側にアッパメンバーが設けられるとともに、フロントサイドフレームの前端部上側にヘッドライトが設けられた車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体前部構造は、通常、車体前後方向に向いてフロントサイドフレームが設けられ、フロントサイドフレームの前端部にフロントバンパビームが設けられ、フロントサイドフレームの外側に、フロントピラーから車体前方向に向かって延びるアッパメンバーが設けられ、アッパメンバーから車体前下方向に向かって延びるロアメンバーが設けられている。
そして、このロアメンバーの前端部がフロントサイドフレームの前端外壁部に連結部材を介して連結されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−112173号公報
【0003】
この車体前部構造は、ロアメンバーの前端部を連結部材を介してフロントサイドフレームの前端外壁部に連結することで、フロントサイドフレームの前端部の車体外側に設けることができる。
加えて、ロアメンバーは前端部が上下に拡大されている。
【0004】
よって、万が一、相手車両が左右方向や上下方向にずれてオフセット衝突した場合でも、相手車両に当てることができる。
これにより、ロアメンバーで衝撃荷重を受け、ロアメンバーに作用した衝撃荷重をアッパメンバーに伝えて良好に吸収することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、車両のなかには、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短いものがある。よって、フロントサイドフレームの前端部に前輪が近接され、フロントサイドフレームの前端部の車体外側にロアメンバーを設けることが困難とされている。
このため、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両では、相手車両が左右方向や上下方向にずれてオフセット衝突した場合に、相手車両に当てて衝撃荷重を良好に吸収することが難しい。
【0006】
本発明は、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両でも、オフセット衝突で生じた衝撃荷重を良好に吸収することができる車体前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車体前後方向に向いてフロントサイドフレームが設けられ、前記フロントサイドフレームの外側にアッパメンバーが設けられ、前記フロントサイドフレームの前端部上側にヘッドライトが設けられた車体前部構造において、前記ヘッドライトを補強するために、前記ヘッドライトの外周に沿って設けられたヘッドライトメンバーと、前記ヘッドライトメンバーの上部に設けられ、前記アッパメンバーに連結された上支持部と、前記ヘッドライトメンバーの下部に設けられ、前記フロントサイドフレームに連結された下支持部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、前輪は、フロントサイドフレームに対して車体外側に設けられている。よって、フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)に空間を確保することが可能である。
そこで、請求項1において、ヘッドライト(ヘッドランプ)の外周に沿ってヘッドライトメンバーを形成し、ヘッドライトメンバーの上部を上支持部でアッパメンバーへ連結し、ヘッドライトメンバーの下部を下支持部でフロントサイドフレームへ連結した。
【0009】
これにより、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両でも、フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)の空間を利用して、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部で、アッパメンバーをフロントサイドフレームへ連結することができる。
【0010】
請求項2は、前記ヘッドライトメンバーを前記ヘッドライトと一体化し、前記ヘッドライトメンバーに補強リブを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3において、前記ヘッドライトメンバーは、閉断面部材に形成され、前記ヘッドライトメンバーに前記ヘッドライトに有するバルブ部を収容する開口部が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)の空間を利用して、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部で、アッパメンバーをフロントサイドフレームへ連結した。
フロントサイドフレームの前端部の上側(すなわち、前輪の車体内側)の空間に、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部を設けることで、前輪からフロントバンパビームまでの間隔が短い車両でも、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部が前輪に干渉することを防ぐことができる。
【0013】
これにより、相手車両がフロントサイドフレームの前端部にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を下支持部、ヘッドライトメンバーおよび上支持部を経てアッパメンバーに分散させて良好に吸収することができる。
また、相手車両がヘッドライトにオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を下支持部を経てフロントサイドフレームに分散するとともに、上支持部を経てアッパメンバーに分散させて良好に吸収することができるという利点がある。
【0014】
さらに、請求項1に係る発明では、上支持部、ヘッドライトメンバーおよび下支持部でアッパメンバーをフロントサイドフレームへ連結した。
よって、アッパメンバーをフロントサイドフレームへ連結するために、従来用いられていたロアメンバーを除去することができる。
これにより、車体前部構造の軽量化やコスト低減を図ることができるという利点がある。
【0015】
加えて、請求項1に係る発明では、ヘッドライトの外周に沿ってヘッドライトメンバーを設けることで、このヘッドライトメンバーで衝撃荷重を支えることができる。
ヘッドライトは外周が比較的大きいので、ヘッドライトメンバーの面積を大きく確保することができる。
これにより、衝撃荷重を支える部位を広範囲に確保することができるので、オフセット衝突による衝撃荷重を一層良好に吸収することができるという利点がある。
【0016】
請求項2に係る発明では、ヘッドライトメンバーをヘッドライトと一体化することで、部品点数の削減を図るとともに、取付作業性の容易化を図ることができるという利点がある。
さらに、ヘッドライトメンバーをヘッドライトと一体化することで、ヘッドライトのハウジングをヘッドライトメンバーで兼用することが可能になり、軽量化を図るとともにヘッドライトの剛性を高めることができるという利点がある。
【0017】
さらに、請求項2に係る発明では、ヘッドライトメンバーに補強リブを設けることで、ヘッドライトメンバーの剛性をさらに高めることができる。
これにより、オフセット衝突による衝撃荷重を一層良好に吸収することができるという利点がある。
【0018】
請求項3に係る発明では、ヘッドライトメンバーを閉断面部材に形成した。
このように、ヘッドライトメンバーを閉断面部材に形成することで、ヘッドライトメンバーの剛性を一層高めることができるという利点がある。
さらに、請求項3に係る発明では、ヘッドライトメンバーにヘッドライトのバルブ部を収容する開口部を形成した。
これにより、開口部を利用して、ヘッドライトのバルブ部の交換を簡単におこなうことができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
なお、車体前部構造は左右対称の構成部材で構成されている。よって、本実施の形態においては、左側の構成部材について説明して右側の構成部材の説明を省略する。
【0020】
図1は本発明に係る車体前部構造(第1実施の形態)を示す側面図、図2は第1実施の形態に係る車体前部構造を示す斜視図である。
車体前部構造10は、車体前部の左右側部に設けられた左フロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)11と、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに設けられたフロントバルクヘッド12と、左右のフロントサイドフレーム(右フロントサイドフレームは図示せず)11の前端部11aに架け渡されたフロントバンパビーム13と、左フロントサイドフレーム11の外側に設けられた左アッパメンバー(アッパメンバー)14とを備えている。
【0021】
この車体前部構造10は、フロントバンパビーム13から前輪16までの間隔Lが短く設定されている。
前輪16は、左フロントサイドフレーム11に対して車体外側に設けられている。
よって、左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側(すなわち、前輪16の車体内側)に空間57が確保されている。
【0022】
加えて、車体前部構造10は、左アッパメンバー14の前端部14aに連結されるとともに、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に連結された左ヘッドライト支持手段20と、左ヘッドライト支持手段20に設けられたヘッドライトとしての左ヘッドライト(ヘッドランプ)21とを備えている。
左ヘッドライト支持手段20は、前輪16に干渉しないように、前輪16を回避させて設けられている。
【0023】
左フロントサイドフレーム11は、車体前後方向を向いて車体前部の左側に配置され、後端部11bが左フロントサイドフレームリヤエンド25を介して左フロアフレーム26に連結されたフレーム部材である。
【0024】
左アッパメンバー14は、左フロントサイドフレーム11の外側に設けられ、左フロントピラー19から車両前方向に向かって延びる部材である。
さらに、左アッパメンバー14は、左ホイールハウス27を介して左フロントサイドフレーム11に連結されている。
【0025】
左ヘッドライト21は、外形略矩形状に樹脂材で形成され、後部21a(図3参照)の略中央部からバルブ部28の後部28aが車体後方に向けて突出されている。
【0026】
図3は第1実施の形態に係る車体前部構造を示す分解斜視図、図4は図1の4−4線断面図である。
左ヘッドライト支持手段20は、左ヘッドライト21の後部21aに一体に設けられたヘッドライトメンバー22と、ヘッドライトメンバー22の外端上部(上部)22aに設けられて左アッパメンバー14に連結された上支持部23と、ヘッドライトメンバー22の内端下部(下部)22bに設けられて左フロントサイドフレーム11に連結された下支持部24とを備えている。
【0027】
ヘッドライトメンバー22は、左ヘッドライト21の後部(樹脂材で形成された部位)21aに硬質樹脂で2色成形された中空部材(閉断面部材)である。
よって、ヘッドライトメンバー22は、左ヘッドライト21の後部21aに一体化された状態で設けられている。
【0028】
ヘッドライトメンバー22を左ヘッドライト21と一体化することで、部品点数の削減を図るとともに、取付作業性の容易化を図ることができる。
さらに、ヘッドライトメンバー22を左ヘッドライト21と一体化することで、左ヘッドライト21のハウジングをヘッドライトメンバー22で兼用することが可能になり、軽量化を図るとともに左ヘッドライト21の剛性を高めることができる。
加えて、ヘッドライトメンバー22を中空部材(閉断面部材)とすることで、ヘッドライトメンバー22の剛性を高めることができる。
【0029】
このヘッドライトメンバー22は、左ヘッドライト21の外周に沿って略矩形状に形成され、略中央に、バルブ部28の後部28aを収容するための開口部31が形成されている。
ヘッドライトメンバー22を左ヘッドライト21の外周に沿って略矩形状に形成することで、左ヘッドライト21を補強することができる。
【0030】
また、ヘッドライトメンバー22の略中央に開口部31を形成することで、開口部31を利用して左ヘッドライト21のバルブ部28を簡単に交換することができる。
このバルブ部28を交換することで、左ヘッドライト21の電球の交換が可能になる。
なお、第1実施の形態では、ヘッドライトメンバー22を中空部材として例示するが、これに限らないで、ヘッドライトメンバー22を中実部材とすることも可能である。
【0031】
上支持部23は、ヘッドライトメンバー22の外端上部22aに設けられた傾斜部33と、傾斜部33に設けられて左アッパメンバー14に上ボルト36,36・上ナット37,37で連結された連結部34とを備えている。
【0032】
傾斜部33は、断面略矩形枠状に形成され、ヘッドライトメンバー22の外端上部22aから左アッパメンバー14の前端部14aに向けて上り勾配状で、かつ前端部33aから後端部33bに向けて外形が徐々に大きくなるように形成された中空部材である。
【0033】
連結部34は、断面略矩形枠状に形成されるとともに、左アッパメンバー14の前端部14a内に嵌入可能に形成され、内外の壁部41,42の裏面に上ナット37,37がそれぞれ同軸上にインサート成形されている。
内外の壁部41,42には、上ナット37,37と同軸上に第1上取付孔がそれぞれ形成されている。
【0034】
なお、左アッパメンバー14は、前端部14aの内壁部44に、第1上取付孔と同軸上に第2上取付孔が形成され、前端部14aの外壁部45に、第1上取付孔と同軸上に第2上取付孔が形成されている。
【0035】
この連結部34は、左アッパメンバー14の前端部14a内に、第1上取付孔および第2上取付孔が同軸になるように嵌入されている。
第2上取付孔および第1上取付孔に、上ボルト36が車体中心側から差し込まれて上ナット37にねじ結合されている。
【0036】
さらに、第2上取付孔および第1上取付孔に、上ボルト36が車体外側から差し込まれて上ナット37にねじ結合されている。
よって、連結部34は、左アッパメンバー14の前端部14aに上ボルト36,36および上ナット37,37で取り付けられている(連結されている)。
【0037】
下支持部24は、ヘッドライトメンバー22の内端下部22bに設けられた脚部47と、脚部47の内外の壁部47a,47bに設けられた内外の取付部48,49とを備えている。
内外の取付部48,49は、左フロントサイドフレーム11に下ボルト51,51・下ナット52,52で連結されている。
【0038】
脚部47は、断面略矩形枠状に形成され、ヘッドライトメンバー22の内端下部22bから下方に延出された中空部材である。
内取付部48は、内壁部47aから下方に張り出されて第1下取付孔が形成された突片である。
この内取付部48は、脚部47の下端部47cが左フロントサイドフレーム11の前端上部18に載置された状態で、左フロントサイドフレーム11の内壁部54に沿って配置されている。
【0039】
左フロントサイドフレーム11の内壁部54には、第1下取付孔と同軸上に第2下取付孔が形成されている。
さらに、内壁部54の裏面には、第2下取付孔と同軸上に下ナット52が溶接で取り付けられている。
第1下取付孔および第2下取付孔に、下ボルト51が車体中心側から差し込まれて下ナット52にねじ結合されている。
【0040】
外取付部49は、外壁部47bから下方に張り出されて第1下取付孔が形成された突片である。
この外取付部49は、脚部47の下端部47cが左フロントサイドフレーム11の前端上部18に載置された状態で、左フロントサイドフレーム11の外壁部55に沿って配置されている。
【0041】
左フロントサイドフレーム11の外壁部55には、第1下取付孔と同軸上に第1下取付孔が形成されている。
さらに、外壁部55の裏面には、第1下取付孔と同軸上に下ナット52が溶接で取り付けられている。
第1下取付孔および第2下取付孔に、下ボルト51が車体外側から差し込まれて下ナット52にねじ結合されている。
【0042】
よって、下支持部24は、脚部47の下端部47cが左フロントサイドフレーム11の前端上部18に載置された状態で、内外の取付部48,49が内外の壁部54,55に下ボルト51,51・下ナット52,52で取り付けられている(連結されている)。
【0043】
このように、左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部23が連結され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部24が連結されることで、上支持部23、ヘッドライトメンバー22および下支持部24が左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側(すなわち、前輪16の車体内側)の空間57(図1、図2も参照)に配置されている。
【0044】
上支持部23、ヘッドライトメンバー22および下支持部24を空間57に配置することで、前輪16から左フロントバンパビーム13までの間隔Lが短い車体前部構造10でも、前輪16に干渉させることなく、左アッパメンバー14の前端部14aを左フロントサイドフレーム11の前端上部18に連結することができる。
これにより、左アッパメンバー14を左フロントサイドフレーム11へ連結するために、従来用いられていたロアメンバーを除去することができ、軽量化やコスト低減を図ることができる。
【0045】
加えて、左ヘッドライト21の外周に沿ってヘッドライトメンバー22を設けることで、このヘッドライトメンバー22で衝撃荷重を支えることができる。
左ヘッドライト21は外周が比較的大きいので、ヘッドライトメンバー22の面積を大きく確保することができる。
これにより、衝撃荷重を支える部位を広範囲に確保することができるので、オフセット衝突による衝撃荷重を良好に吸収することができる。
【0046】
また、左ヘッドライト21の外周に沿ってヘッドライトメンバー22を設けることで、左ヘッドライト21を補強することができる。
これにより、衝撃荷重の一部を左ヘッドライト21で支えることが可能になり、衝突エネルギーの吸収量をさらに向上させることができる。
【0047】
図5は第1実施の形態に係る車体前部構造を示す正面図である。
左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部23が連結され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部24が連結されることで、ヘッドライトメンバー22が前端部14aおよび前端上部18間に配置されている。
【0048】
ヘッドライトメンバー22の前部22c(図3参照)に左ヘッドライト21の後部21a(図3参照)が一体に設けられている。よって、左ヘッドライト21は、左フロントサイドフレーム11の前端部11a(すなわち、前端上部18)の上側に配置されている。
具体的には、左ヘッドライト21は、内側半部61が左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側に配置され、外側半部62が左フロントサイドフレーム11の前端部11aから車体外側に張り出している。
【0049】
これにより、相手車両が左ヘッドライト21の内側半部61(すなわち、P1位置)にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重を左ヘッドライト21を経てヘッドライトメンバー22、上支持部23および下支持部24(すなわち、左ヘッドライト支持手段20)に伝えることができる。
そして、左ヘッドライト支持手段20に伝わった衝撃荷重を左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー14に分散させることができる。
【0050】
また、相手車両が左ヘッドライト21の外側半部62(すなわち、P2位置)にオフセット衝突した場合に、P1位置の場合と同様に、衝撃荷重を左ヘッドライト21を経て左ヘッドライト支持手段20に伝えることができる。
そして、左ヘッドライト支持手段20に伝わった衝撃荷重を左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー14に分散させることができる。
【0051】
さらに、相手車両が左フロントサイドフレーム11の前端部11a(すなわち、P3位置)にオフセット衝突した場合に、衝撃荷重の一部を左フロントサイドフレーム11に伝えるとともに、残りの衝撃荷重を左ヘッドライト支持手段20を経て左アッパメンバー14に分散させることができる。
【0052】
つぎに、相手車両がP1位置、P3位置にオフセット衝突した場合を図6〜図7に基づいて詳しく説明する。
まず、相手車両が示すP1位置、すなわち左ヘッドライト21の内側半部61にオフセット衝突した場合を図6に基づいて説明する。
【0053】
図6(a),(b)は第1実施の形態に係る左ヘッドライトの内側半部に相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
(a)において、車高が高い相手車両65が、図5に示すP1位置に前方からオフセット衝突した場合に、相手車両65のフロントサイドフレーム66に左ヘッドライト21の内側半部61を当てることができる。
【0054】
(b)において、相手車両65のフロントサイドフレーム66から作用した衝撃荷重F1は、左ヘッドライト21を経てヘッドライトメンバー22に伝わる。
ヘッドライトメンバー22に伝わった衝撃荷重の一部は、下支持部24を経て左フロントサイドフレーム11に衝撃荷重F2として伝わる。
【0055】
一方、残りの衝撃荷重は、上支持部23を経て左アッパメンバー14に衝撃荷重F3として伝わる。
すなわち、ヘッドライトメンバー22に伝わった衝撃荷重を左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー14に分散させることができる。
【0056】
ここで、左フロントサイドフレーム11は、車体前部構造10の主骨格を構成するため剛性が高い部材である。
よって、左フロントサイドフレーム11に分散された衝撃荷重F2は、左フロントサイドフレーム11で良好に吸収することができる。
【0057】
一方、左アッパメンバー14は、左ホイールハウス27を介して左フロントサイドフレーム11に連結されている。よって、左アッパメンバー14は充分に剛性の高い部材である。
よって、左アッパメンバー14に分散された衝撃荷重F3は、左アッパメンバー14で良好に吸収することができる。
これにより、相手車両65のフロントサイドフレーム66からの衝撃荷重F1を、車体前部構造10で良好に吸収することができる。
【0058】
なお、車高が高い相手車両65が、図5に示すP2位置に前方からオフセット衝突した場合は、相手車両65のフロントサイドフレーム66に左ヘッドライト21の外側半部62(図5参照)を当てることができる。
この場合も、車高が高い相手車両65が、図5に示すP1位置にオフセット衝突した場合と同様に、衝撃荷重F1を、車体前部構造10で良好に吸収することができる。
【0059】
つぎに、相手車両65が、図5に示すP3位置、すなわち、左フロントサイドフレーム11の前端部11aにオフセット衝突した場合を図7に基づいて説明する。
図7は第1実施の形態に係る車体前部構造の左フロントサイドフレームに相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
車高が略同じ高さの相手車両65が、図5に示すP3位置に前方からオフセット衝突した場合に、相手車両65のフロントサイドフレーム66にフロントバンパビーム13の左端部13aを当てることができる。
【0060】
フロントバンパビーム13の左端部13aは、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに設けられている。
よって、相手車両65のフロントサイドフレーム66に左フロントサイドフレーム11の前端部11aを当てたことになる。
【0061】
よって、相手車両65のフロントサイドフレームからの衝撃荷重F1を、左フロントサイドフレーム11の前端部11aから、左フロントサイドフレーム11に衝撃荷重F4として伝えるとともに、下支持部24、ヘッドライトメンバー22および上支持部23(すなわち、左ヘッドライト支持手段20)に分散することができる。
【0062】
左フロントサイドフレーム11は、前述したように、車体前部構造10の主骨格を構成するため剛性が高い部材である。
よって、左フロントサイドフレーム11に分散された衝撃荷重F4は、左フロントサイドフレーム11で良好に吸収することができる。
【0063】
一方、左ヘッドライト支持手段20(下支持部24、ヘッドライトメンバー22および上支持部23)に分散された衝撃荷重F5は、左アッパメンバー14に矢印の如く伝わる。
左アッパメンバー14は、前述したように、左ホイールハウス27を介して左フロントサイドフレーム11に連結されている。すなわち、左アッパメンバー14は充分に剛性の高い部材である。
【0064】
よって、左アッパメンバー14に伝えられた衝撃荷重F5を良好に吸収することができる。
これにより、相手車両65のフロントサイドフレーム66からの衝撃荷重F1を、車体前部構造10で良好に吸収することができる。
【0065】
つぎに、第2〜第5の実施の形態の車体前部構造を図8〜図14に基づいて説明する。なお、第2〜第5の実施の形態において、第1実施の形態の車体前部構造10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0066】
(第2実施の形態)
図8(a)は本発明に係る車体前部構造(第2実施の形態)の左ヘッドライト支持手段を示す斜視図、図8(b)は第2実施の形態に係る左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
第2実施の形態の左ヘッドライト支持手段70は、ヘッドライトメンバー22の後部22dに格子状の補強リブ72がそれぞれ設けられ、ヘッドライトメンバー22の上面22eおよび傾斜部33の内壁部33cに略三角形状の補強リブ73が設けられ、下支持部24の外壁部47bおよび外取付部49に略矩形状の補強リブ74が設けられたもので、その他の構成は第1実施の形態の左ヘッドライト支持手段20と同じである。
【0067】
左ヘッドライト支持手段70に補強リブ72,73,74を設けることで、左ヘッドライト支持手段70の剛性を高めることができる。
これにより、オフセット衝突による衝撃荷重を一層良好に吸収することができる。
【0068】
なお、第2実施の形態では、ヘッドライトメンバー22の後部22dに格子状の補強リブ72を設けた例について説明したが、これに限らないで、ヘッドライトメンバー22の前部22cに格子状の補強リブ72を設けることも可能である。
また、補強リブ72,73,74は、図8に示す形状に限定するものではなく、適宜変更が可能である。
さらに、補強リブ72,73,74を全部設ける必要のない場合には、補強リブ72,73,74から選択した補強リブのみを備えることも可能である。
【0069】
(第3実施の形態)
図9は本発明に係る車体前部構造(第3実施の形態)を示す斜視図、図10は第3実施の形態の車体前部構造を示す分解斜視図である。
第3実施の形態の車体前部構造80は、左ヘッドライト支持手段81を、第1実施の形態の硬質樹脂製のものから金属製のものに代え、左ヘッドライト支持手段81にヘッドライトとしての左ヘッドライト(ヘッドランプ)82をボルト83…で着脱自在に設けたものである。
【0070】
左ヘッドライト支持手段81は、鋳造で形成した金属製の部材であって、略矩形状の枠体に形成されたヘッドライトメンバー85と、ヘッドライトメンバー85の外端上部(上部)85aに設けられて左アッパメンバー14に連結された上支持部86と、ヘッドライトメンバー85の内端下部(下部)85bに設けられて左フロントサイドフレーム11に連結された下支持部87とを備えている。
【0071】
ヘッドライトメンバー85は、左ヘッドライト82の外周89に沿って略矩形状に形成され、上面85cおよび内外の側壁85e,85fにねじ孔91が形成された中空部材(閉断面部材)である。
ヘッドライトメンバー85を中空部材(閉断面部材)とすることで、ヘッドライトメンバー85の剛性を高めることができる。
ヘッドライトメンバー85を略矩形状の枠体に形成することで、ヘッドライトメンバー85の略中央にバルブ部28の後部28aを収容するための開口部92が形成されている。
【0072】
ヘッドライトメンバー85の略中央に開口部92を形成することで、左ヘッドライト82のバルブ部28を簡単に交換することができる。
このバルブ部28を交換することで、左ヘッドライト82の電球の交換が可能になる。
なお、第3実施の形態では、ヘッドライトメンバー85を中空部材として例示するが、これに限らないで、ヘッドライトメンバー85を中実部材とすることも可能である。
【0073】
上支持部86は、ヘッドライトメンバー85の外端上部85aに設けられた傾斜部94と、傾斜部94に設けられて左アッパメンバー14に溶接で接合された連結部95とを備えている。
【0074】
傾斜部94は、断面略矩形枠状に形成され、ヘッドライトメンバー85の外端上部85aから左アッパメンバー14の前端部14aに向けて上り勾配状で、かつ前端部94aから後端部94bに向けて外形が徐々に大きくなるように形成された中空部材である。
【0075】
連結部95は、断面略矩形枠状に形成されるとともに、左アッパメンバー14の前端部14a内に嵌入可能に形成されている(図12(a)も参照)。
この連結部95は、左アッパメンバー14の前端部14a内に嵌入された状態で、前端部14aに溶接で接合されている(連結されている)。
なお、連結部95を左アッパメンバー14の前端部14aに連結する構成については図12で詳しく説明する。
【0076】
下支持部87は、ヘッドライトメンバー85の内端下部85bに設けられた脚部97と、脚部97の前後の壁部に設けられた前後の取付部101と、内外の壁部に設けられた内外の取付部102とを備えている。
前後の取付部101は、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に溶接で接合されている(連結されている)。
内外の取付部102は、左フロントサイドフレーム11の内壁部103および外壁部104に溶接で接合されている(連結されている)。
【0077】
脚部97は、断面略矩形枠状に形成され、ヘッドライトメンバー85の内端下部85bから下方に延出された中空部材である。
【0078】
このように、左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部86が連結され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部87が連結されることで、上支持部86、ヘッドライトメンバー85および下支持部87が左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上側(すなわち、前輪16の車体内側)の空間57(図1、図2も参照)に配置されている。
【0079】
上支持部86、ヘッドライトメンバー85および下支持部87を空間57に配置することで、前輪16(図1参照)から左フロントバンパビーム13までの間隔Lが短い車体前部構造80でも、前輪16に干渉させることなく、左アッパメンバー14の前端部14aを左フロントサイドフレーム11の前端上部18に連結することができる。
【0080】
図11は第3実施の形態のヘッドライトメンバーに左ヘッドライトを取り付ける例を説明する平面図である。
左ヘッドライト82は、外周89に、車体後方に向けて張り出された複数の取付片106が設けられ、かつ、内周のうち、車体外側の部位に取付片106が設けられている。
複数の取付片106には、それぞれ取付孔106aが形成されている。
複数の取付片106は、ヘッドライトメンバー85の前部に左ヘッドライト82を配置した状態で、ヘッドライトメンバー85の上面85cおよび内外の側壁85e,85fに沿って配置されている。
【0081】
そして、複数の取付片106の取付孔106aが、上面85cおよび内外の側壁85e,85fのねじ孔91(図10参照)に対して同軸上に配置されている。
取付片106にボルト83が差し込まれ、ボルト83のねじ部がねじ孔91にねじ結合されている。
これにより、左ヘッドライト82は、ヘッドライトメンバー85の前部にボルト83…で着脱自在に設けられている。
【0082】
図12(a)は図9の12a−12a線断面図、図12(b)は図12(a)を分解した状態を示す断面図である。
左アッパメンバー14は車体内側に配置されたインナパネル111と、インナパネル111に溶接で接合されたアウタパネル112とを備えている。
【0083】
インナパネル111の上下の辺111aにアウタパネル112の上下の辺112aが溶接で接合されている。
インナパネル111の前端部およびアウタパネル112の前端部間に、連結部95が挟持され、連結部95の内壁部95aがインナパネル111の前端部に溶接で接合され、連結部95の外壁部95bがアウタパネル112の前端部の外壁112bに溶接で接合されている。
これにより、連結部95は、左アッパメンバー14の前端部14aに強固に連結されている。
【0084】
以上説明したように、第3実施の形態の車体前部構造80によれば、第1実施の形態の車体前部構造10と同様の効果を得ることができる。
【0085】
(第4実施の形態)
図13(a)は本発明に係る車体前部構造(第4実施の形態)を示す斜視図、図13(b)は第4実施の形態の左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
第4実施の形態の車体前部構造120は、ヘッドライトとしての左丸型ヘッドライト(ヘッドランプ)121を備え、左丸型ヘッドライト121を左ヘッドライト支持手段122で支持したもので、その他の構成は第3実施の形態の車体前部構造80と同じである。
【0086】
左丸型ヘッドライト121は、平面視において、丸型に形成され、中央にバルブ部28を1個備えたヘッドランプである。
【0087】
左ヘッドライト支持手段122は、鋳造で形成した金属製の部材であって、左丸型ヘッドライト121の外周を覆うように収容する筒状のヘッドライトメンバー124と、ヘッドライトメンバー124の外端上部(上部)124aに設けられて左アッパメンバー14に連結された上支持部125と、ヘッドライトメンバー124の内端下部(下部)124bに設けられて左フロントサイドフレーム11に連結された下支持部126とを備えている。
【0088】
ヘッドライトメンバー124は、左丸型ヘッドライト121を収容可能に筒状に形成されるとともに、中空部材(閉断面部材)に形成されている。
ヘッドライトメンバー124を中空部材(閉断面部材)とすることで、ヘッドライトメンバー124の剛性を高めることができる。
【0089】
さらに、ヘッドライトメンバー124は、後部124cにおいて、略中央に、バルブ部28の後部28aを収容するための開口部127が形成されている。
よって、左丸型ヘッドライト121のバルブ部28を簡単に交換することができ、左丸型ヘッドライト121の電球の交換が可能になる。
【0090】
左ヘッドライト支持手段122は、第3実施の形態と同様に、左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部125が溶接で接合され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部126が溶接で接合されている。
これにより、第4実施の形態の車体前部構造120によれば、第3実施の形態の車体前部構造80と同様の効果を得ることができる。
【0091】
なお、第4実施の形態の車体前部構造120では、金属製の左ヘッドライト支持手段122を鋳造で形成して、上下の支持部125,126を溶接で接合した例について説明したが、これに限らないで、第1実施の形態の車体前部構造10のように、樹脂製の左ヘッドライト支持手段とし、上下の支持部をボルト・ナットで連結することも可能である。
【0092】
(第5実施の形態)
図14(a)は本発明に係る車体前部構造(第5実施の形態)を示す斜視図、図14(b)は第5実施の形態の左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
第5実施の形態の車体前部構造130は、ヘッドライトとしての左ヘッドライト(ヘッドランプ)131を備え、左ヘッドライト131を左ヘッドライト支持手段132で支持したもので、その他の構成は第3実施の形態の車体前部構造80と同じである。
左ヘッドライト131は、車体前後方向に長く延出され、バルブ部28を2個備えたヘッドランプである。
【0093】
左ヘッドライト支持手段132は、鋳造で形成した金属製の部材であって、左ヘッドライト131の後部131aに設けられて左ヘッドライト131を支持するヘッドライトメンバー134と、ヘッドライトメンバー134の外端上部(上部)134aに設けられて左アッパメンバー14に連結された上支持部135と、ヘッドライトメンバー134の内端下部(下部)134bに設けられて左フロントサイドフレーム11に連結された下支持部136とを備えている。
【0094】
ヘッドライトメンバー134は、中空部材(閉断面部材)に形成されている。
ヘッドライトメンバー134を中空部材(閉断面部材)とすることで、ヘッドライトメンバー134の剛性を高めることができる。
【0095】
さらに、ヘッドライトメンバー134は、略中央に、2個のバルブ部28の後部28aを収容するための開口部137が形成されている。開口部137は、略矩形状に形成されている。
よって、左ヘッドライト131の2個のバルブ部28を簡単に交換することができ、左ヘッドライト131の電球の交換が可能になる。
【0096】
左ヘッドライト支持手段132は、第3実施の形態と同様に、左アッパメンバー14の前端部14aに上支持部135が溶接で接合され、左フロントサイドフレーム11の前端上部18に下支持部136が溶接で接合されている。
これにより、第5実施の形態の車体前部構造130によれば、第3実施の形態の車体前部構造80と同様の効果を得ることができる。
【0097】
なお、第5実施の形態の車体前部構造130では、金属製の左ヘッドライト支持手段132を鋳造で形成して、上下の支持部135,136を溶接で接合した例について説明したが、これに限らないで、第1実施の形態の車体前部構造10のように、樹脂製の左ヘッドライト支持手段とし、上下の支持部をボルト・ナットで連結することも可能である。
【0098】
また、前記第1〜5の実施の形態で示した左フロントサイドフレーム11、左アッパメンバー14、左ヘッドライト21,82,131、ヘッドライトメンバー22,85,124,134、上支持部23,86,125,135、下支持部24,87,126,136、バルブ部28、開口部31,92,127,137、補強リブ72,73,74、左丸型ヘッドライト121などの形状は適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、フロントサイドフレームの外側にアッパメンバーが設けられ、フロントサイドフレームの前端部上側にヘッドライトが設けられた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係る車体前部構造(第1実施の形態)を示す側面図である。
【図2】第1実施の形態に係る車体前部構造を示す斜視図である。
【図3】第1実施の形態に係る車体前部構造を示す分解斜視図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】第1実施の形態に係る車体前部構造を示す正面図である。
【図6】第1実施の形態に係る左ヘッドライトの内側半部に相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
【図7】第1実施の形態に係る車体前部構造の左フロントサイドフレームに相手車両がオフセット衝突した場合を説明する図である。
【図8】(a)は本発明に係る車体前部構造(第2実施の形態)の左ヘッドライト支持手段を示す斜視図、(b)は第2実施の形態に係る左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
【図9】本発明に係る車体前部構造(第3実施の形態)を示す斜視図である。
【図10】第3実施の形態の車体前部構造を示す分解斜視図である。
【図11】第3実施の形態のヘッドライトメンバーに左ヘッドライトを取り付ける例を説明する平面図である。
【図12】(a)は図9の12a−12a線断面図、(b)は図12(a)を分解した状態を示す断面図である。
【図13】(a)は本発明に係る車体前部構造(第4実施の形態)を示す斜視図、(b)は第4実施の形態の左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
【図14】(a)は本発明に係る車体前部構造(第5実施の形態)を示す斜視図、(b)は第5実施の形態の左ヘッドライト支持手段を示す背面図である。
【符号の説明】
【0101】
10,80,120,130…車体前部構造、11…左フロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)、11a…左フロントサイドフレームの前端部、14…左アッパメンバー(アッパメンバー)、14a…左アッパメンバーの前端部、18…前端上部、20,70,81、122,132…左ヘッドライト支持手段、21,82,131…左ヘッドライト(ヘッドライト)、22,85,124,134…ヘッドライトメンバー、22a,85a,124a,134a…ヘッドライトメンバーの外端上部(上部)、22b,85b,124b,134b…ヘッドライトメンバーの内端下部(下部)、23,86,125,135…上支持部、24,87,126,136…下支持部、28…バルブ部、31,92,127,137…開口部、72,73,74…補強リブ、121…左丸型ヘッドライト(ヘッドライト)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前後方向に向いてフロントサイドフレームが設けられ、前記フロントサイドフレームの外側にアッパメンバーが設けられ、前記フロントサイドフレームの前端部上側にヘッドライトが設けられた車体前部構造において、
前記ヘッドライトを補強するために、前記ヘッドライトの外周に沿って設けられたヘッドライトメンバーと、
前記ヘッドライトメンバーの上部に設けられ、前記アッパメンバーに連結された上支持部と、
前記ヘッドライトメンバーの下部に設けられ、前記フロントサイドフレームに連結された下支持部と、
を備えたことを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記ヘッドライトメンバーを前記ヘッドライトと一体化し、
前記ヘッドライトメンバーに補強リブを設けたことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記ヘッドライトメンバーは、
閉断面部材に形成され、
前記ヘッドライトメンバーに前記ヘッドライトに有するバルブ部を収容する開口部が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体前部構造。
【請求項1】
車体前後方向に向いてフロントサイドフレームが設けられ、前記フロントサイドフレームの外側にアッパメンバーが設けられ、前記フロントサイドフレームの前端部上側にヘッドライトが設けられた車体前部構造において、
前記ヘッドライトを補強するために、前記ヘッドライトの外周に沿って設けられたヘッドライトメンバーと、
前記ヘッドライトメンバーの上部に設けられ、前記アッパメンバーに連結された上支持部と、
前記ヘッドライトメンバーの下部に設けられ、前記フロントサイドフレームに連結された下支持部と、
を備えたことを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記ヘッドライトメンバーを前記ヘッドライトと一体化し、
前記ヘッドライトメンバーに補強リブを設けたことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記ヘッドライトメンバーは、
閉断面部材に形成され、
前記ヘッドライトメンバーに前記ヘッドライトに有するバルブ部を収容する開口部が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体前部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−173137(P2009−173137A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13008(P2008−13008)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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