説明

車載機器制御装置

【課題】ユーザの操作負担を軽減することができる車載機器制御装置を提供すること。
【解決手段】本発明による車載機器制御装置1は、複数の車載機器をそれぞれ制御する複数の制御手段3〜8と、複数の制御手段3〜8のそれぞれの制御内容を所定の順番で記憶する記憶手段9と、所定の順番の制御内容を対応する制御手段3〜8に実行させる実行手段9とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車、トラック、バス等の自動車に適用して好適な車載機器制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが日常生活において車両を使用する際において、車両に搭載される車載機器のそれぞれに、ある規則性を持った順番でそれぞれの車載機器に所定の制御内容を実行させたいという要求は従来から存在する。例えば、ユーザが車室内において喫煙する場合に、車室内に煙草の煙が充満しないように、換気装置の外気導入を選択し、換気装置の吹き出し口を足元に選択し、エアコンのブロアファンの風量をMIDに選択して動作させ、運転席の窓を開動作させるというような場合である。ところで、車両に搭載される車載機器のそれぞれに同時に所定の制御内容を実行させる装置としては、例えば、特許文献1に記載されているような装置が提案されている。
【特許文献1】特開2001−260772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、このような装置においては、所定の制御内容を所定の順番で実行させることはできず、このように規則性を持った順番でそれぞれの車載機器の所定の制御内容を実行させる場合に、それぞれの車載機器をユーザが毎回マニュアルで動作させるのには手間がかかるため、ユーザが煩わしさを感じると同時に操作負担が増大する問題が生じる。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑み、ユーザの操作負担を軽減することができる車載機器制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するため、本発明に係る車載機器制御装置は、
複数の車載機器をそれぞれ制御する複数の制御手段と、複数の制御手段のそれぞれの制御内容を所定の順番で記憶する記憶手段と、当該所定の順番の制御内容を対応する前記制御手段に実行させる実行手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
ここで、前記記憶手段が、前記実行手段の実行のトリガを記憶するとともに、当該トリガが実行された場合に、前記実行手段が前記所定の順番の制御内容を対応する前記制御手段に実行させることが好ましい。なお前記実行のトリガはユーザの操作であっても、制御内容であっても良い。
【0007】
これによれば、前記実行のトリガが実行された場合に、前記実行手段に前記所定の順番の制御内容を対応する前記制御手段に実行させることができ、ユーザが所望する前記所定の順番の制御内容を、一つのトリガにより実行することができる。これにより、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【0008】
さらに、前記所定の順番の制御内容が、例えば、換気装置の外気導入の選択、エアコンの風量設定、換気装置の吹き出し口設定、運転席窓の開動作であることを特徴としてもよい。
【0009】
ここで、前記実行のトリガが、灰皿の操作であることを特徴とすることが好ましい。
【0010】
これによれば、ユーザが車室内において喫煙をしようと意図している場合に、車室内の灰皿を開ける操作をしただけで、換気装置の外気導入の選択、換気装置の吹き出し口設定、エアコンの風量設定、運転席窓の開動作が所定の順番において実行され、喫煙時の煙を車室外に排出するために必要な一連の制御内容を、灰皿の操作をトリガとして実行することができる。これにより、喫煙時のユーザの操作負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザの操作負担を軽減することができる車載機器制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明に係わる車載機器制御装置の一実施形態を示す模式図であり、図2は本発明に係わる車載機器制御装置の一実施形態を示す模式図である。
【0014】
この車載機器制御装置1は、灰皿開閉検出スイッチ2と、エアコンECU(Electronic Control Unit)3と、メータECU4と、エンジンECU5と、ボデーECU6と、ドアECU7と、ゲートウェイECU8と、EMVECU(Electronic Multi Vision Electronic Control Unit)9と、ブロアモータ10と、パワーウィンドウモータ11を備えて構成される。
【0015】
エアコンECU3とメータECU4とエンジンECU5とボデーECU6とドアECU7とゲートウェイECU8とは、CAN(Controller Area Network)により相互に接続され、さらにゲートウェイECU8とEMVECU9とはAVC−LAN(Audio Visual Communication-Local Area Network)により相互に接続される。
【0016】
灰皿開閉検出スイッチ2は、車室内の前方のインストルメントパネルに設けられた灰皿に設けられる接点により構成されるものであって、灰皿が閉じられた状態においては接点をオンとし、ユーザが灰皿を開けた場合に接点をオフとしてオフ信号をエアコンECUに対して出力して、ユーザの灰皿を開ける操作を検出するものである。
【0017】
エアコンECU3例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものである。エアコンECU3は、ユーザが選択した風向、風量、設定温度に基づいて、図示しないエアコンのブロアモータ10を制御するものであり、これとともに、灰皿開閉検出スイッチ2からのオフ信号によりユーザによる灰皿を開ける操作を検出して、その検出結果をCANとゲートウェイECU8及びAVC−LANを介してEMVECU9に伝送するものである。
【0018】
メータECU4も例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものである。ここでは図示しないメータ表示部は、車両室内前方の図示しないインストルメントパネルに設けられるものであって、オド/トリップメータ、水温メータ、残燃料メータ、タコメータ、クロック、スピードメータ等の各表示機器を備えて構成され、メータECU4の指令に基づいて各表示機器が制御される。
【0019】
エンジンECU5は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものである。エンジンECU5は、アクセルペダルセンサによりアクセル開度を検出して、このアクセル開度に対応したスロットル開度となるようにスロットルバルブアクチュエータを制御するとともに、エンジンの基本的な制御である、アクセル開度に応じて噴射する燃料噴射制御、最適なタイミングで点火プラグに通電する点火時期制御、最適なエンジン回転数を制御する回転数制御等を行う。
【0020】
ボデーECU6は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであって、車両の各ドアのカーテシランプの状態や給油口の開閉状態を検出して、この検出結果をEMVECU9にCANとゲートウェイECU8及びAVC−LANを介して伝送するものである。
【0021】
ドアECU7は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであって、EMVECU9からの指令又はユーザのマニュアルによるスイッチ操作に基づいて、車両の各ドアのパワーウィンドウを開閉するパワーウィンドウモータ11を制御するものである。
【0022】
ゲートウェイECU8は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであって、CANにより伝送される信号をAVC−LANの規格に合わせて変換する、又はAVC−LANにより伝送される信号をCANの規格に合わせて変換して、CANにより接続される各ECUとAVC−LANにより接続される各ECUとを相互に接続するものである。
【0023】
EMVECU9は、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであって、ここでは図示しないカーナビゲーション装置のタッチパネルとディスプレイを兼用するEMV(Electronic Multi Visio)を制御するとともに、ここでは図示しないカーオーディオやカーテレビを統括制御するものである。ユーザはこのEMVECU9により制御されるタッチパネルにより、後述するように所定の順番の制御内容のシーケンス及びトリガを設定する。
【0024】
ブロアモータ10は、ユーザが設定した風量に基づいたエアコンECU3の指令に基づいて制御されるものであって、ここでは図示しないエアコンの風量を調整するものである。
【0025】
パワーウィンドウモータ11は、ここでは車両の前席側のドアに設けられた窓すなわちパワーウィンドウを動作させるモータであって、ドアECU7に指令に基づいて動作して、パワーウィンドウを開閉するものである。
【0026】
ここで、エアコンECU3とメータECU4及びエンジンECU5、ボデーECU6とドアECU7は複数の車載機器をそれぞれ制御する複数の制御手段を構成し、EMVECU9は、これらの複数の制御手段のそれぞれの制御内容を所定の順番で記憶する記憶手段を構成すると共に、所定の順番の制御内容を対応する制御手段に実行させる実行手段をも構成する。さらに、EMVECU9はカーオーディオ、カーテレビ及びEMVを制御する制御手段としても機能する。
【0027】
ここで、EMVECU9は、実行手段を構成する上記各ECUの実行のトリガとなる操作を記憶するとともに、このトリガとなる操作が実行された場合に、EMVECU9はAVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して各ECUが所定の順番の制御内容を対応する制御手段である上記各ECU又はEMVECU9自身に実行させる。
【0028】
これらの実行に先立ち、ユーザは図2に示すようなEMVのタッチパネルに表示される設定画面を用いて、所定の順番の制御内容のシーケンスを設定する。ここでは車室内でユーザが喫煙しようとする場合の例を示す。
【0029】
まず図2の上側に示すようなEMVのタッチパネルの設定画面において、EMVECU9内部に記憶できる複数のメモリー1、メモリー2、メモリー3が準備されていることを
ユーザに対して表示する。この設定画面において、それぞれのメモリー1、メモリー2、
メモリー3に対応するトリガが実行された場合に、それぞれに対応する所定の順番の制御内容のシーケンスを実行する場合には、右側のstateボタンをユーザが触れて、「有効」を選択し、実行させない場合には「無効」を選択する。また、メモリー3において所定の順番の制御内容のシーケンスを設定していない場合には「未設定」と表示する。
【0030】
この設定画面において、メモリー1のボタンをユーザが触れると、図2の下側に示すようなEMVのタッチパネルの設定画面が表示される。四角の1には所定の順番の制御内容の実行のトリガとなるユーザの操作を入力する。ここでは、「灰皿の操作」をトリガとするように、右側のエアコン系のボタンをユーザが触れ、そこからさらに表示される選択項目の中から「灰皿の操作」をユーザが選択する。
【0031】
四角の2〜5には、所定の順番の制御内容を順番に入力する。四角の2には、「換気装置の外気導入の選択」を、四角の3には、「エアコンの換気装置の吹き出し口を足元に設定」を、四角の4には、「エアコンの風量をMIDに設定」を、四角の5には、「運転席パワーウィンドウの開動作」を、EMV上に表示される選択項目を示すボタンをユーザが触れることにより選択する。これらの設定内容をEMVECU9は記憶する。
【0032】
このように設定がなされた後に、ユーザが喫煙のために灰皿を開けると、車載機器制御装置1の灰皿開閉検出スイッチ2は「灰皿の操作(閉から開)」を検出し、この検出結果は、エアコンECU3に伝送され、さらにCAN、ゲートウェイECU8及びAVC−LANを介してEMVECU9に伝送される。EMVECU9は、この所定の順番の制御内容実行のトリガである、「灰皿の操作」を検出すると、メモリー1の所定の順番の制御内容を実行する。
【0033】
まずEMVECU9がエアコンECU3に対して、「換気装置の外気導入の選択」するようにAVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して指令し、エアコンECU3は「換気装置の外気導入の選択」が終了すると、その終了信号をEMVECU9に対して伝送する。
【0034】
この終了信号をEMVECU9が検出すると、次に、EMVECU9はエアコンECU3に対して、「エアコンの換気装置の吹き出し口を足元に設定」するように、AVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して指令し、エアコンECU3は「エアコンの換気装置の吹き出し口を足元に設定」が終了すると、その終了信号をEMVECU9に対して伝送する。
【0035】
この終了信号をEMVECU9が検出すると、次に、EMVECU9はエアコンECU3に対して、「エアコンの風量をMIDに設定」するように、AVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して指令し、エアコンECU3は「エアコンの風量をMIDに設定」が終了すると、その終了信号をEMVECU9に対して伝送する。
【0036】
この終了信号をEMVECU9が検出すると、次に、EMVECU9はドアECU7に対して、「運転席パワーウィンドウの開動作」をするように、AVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して指令する。
【0037】
以下、本実施例の車載機器制御装置1の制御内容を、フローチャートを用いて説明する。図3は、本発明による車載機器制御装置1の制御内容を示すフローチャートである。
【0038】
S1において、EMVECU9はエンジンECU5からIGがオンであるかどうかの情報を取得し、IGオンであれば、S2以降の処理にすすみ、IGオンでなければ、制御を終了する。S2においてEMVECU9はエアコンECU3及びCAN、ゲートウェイECU8及びAVC−LANを介して、灰皿開閉検出スイッチ2の出力を検出して、S3において、EMVECU9は、「灰皿の操作(閉から開)」が有ったかどうかを判定する。S3において、「灰皿の操作」があった場合には、EMVECU9は、S4にすすんで、メモリー1に格納された所定の順番の制御内容を実行するべく、S5以降の処理にすすむ。
【0039】
S5において、まずEMVECU9がエアコンECU3に対して、「換気装置の外気導入の選択」をするようにAVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して指令し、エアコンECU3は、S6において、換気装置が「外気導入」の状態にあるかどうかを判定し、「外気導入」の状態にある場合にはS8にすすみ、「外気導入」の状態にない場合にはS9にすすんで「換気装置の外気導入の選択」をしてS8にすすむ。S8においてエアコンECU3は「外気導入の選択」の終了信号をEMVECU9に対して、CAN、ゲートウェイECU8及びAVC−LANを介して伝送する。
【0040】
このエアコンECU3からの終了信号をEMVECU9が検出すると、次に、S9において、EMVECU9はエアコンECU3に対して、「エアコンの換気装置の吹き出し口を足元に設定」するように、AVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して指令する。S10において、エアコンECU3は「エアコンの換気装置の吹き出し口が足元に設定」されているかどうかを判定し、設定されている場合にはS12にすすみ、設定されていない場合には、S11にすすんで、「エアコンの吹き出し口を足元に設定」して、S12にすすむ。S12においてエアコンECU3は、「エアコンの換気装置の吹き出し口を足元に設定」が終了すると、その終了信号をEMVECU9に対して伝送する。
【0041】
このエアコンECU3からの終了信号をEMVECU9が検出すると、S13において、EMVECU9はエアコンECU3に対して、「エアコンの風量をMIDに設定」するように、AVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して指令する。S14において、エアコンECU3は「エアコンの風量がMIDに設定」されているかどうかを判定し、設定されている場合にはS16にすすみ、設定されていない場合には、S15にすすんで「エアコンの風量をMIDに設定」する。S16においてエアコンECU3は設定が終了すると、その終了信号をEMVECU9に対して伝送する。
【0042】
このエアコンECU3からの終了信号をEMVECU9が検出すると、S17において、EMVECU9はドアECU7に対して、「運転席パワーウィンドウの開動作」をするように、AVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介して指令する。S18においてドアECU7は、「運転席パワーウィンドウが開状態」にあるかどうかを判定し、開状態にある場合には、S20にすすみ、開状態にない場合にはS19にすすんで、「運転席パワーウィンドウを開動作」してS20にすすむ。S20においてドアECU7は運転席パワーウィンドウの開動作が終了すると、終了信号をEMVECU9に対して出力し、EMVECU9はこの終了信号を受信して、メモリー1に格納された所定の順番の制御内容を終了する。
【0043】
これらのことにより、ユーザの喫煙に対応した上記の所定の順番の制御内容が、「灰皿の操作」をトリガとして実行され、ユーザがこれらの操作を順番にマニュアルで行うことに比べて、ユーザの操作負担が大幅に低減される。
【0044】
また、ユーザの顔近傍に煙を含んだ空気が流れないような風路を設定できるように、上述した所定の順番の制御内容を予め設定することができるので、その場その場で顔近傍に煙を含んだ空気が流れないように、吹き出し口を選択し、風量を調整し、開口するパワーウィンドウの位置を選択すると言う煩雑な操作を廃することができるので、これによってもユーザの操作負担が大幅に低減され、無駄な操作を省略することができる。加えて、一度選択した所定の順番の制御内容を記憶させて、学習機能を車載機器制御装置1に持たせることができる。
【0045】
また、既存の通信規格であるCANやAVC−LANを利用した構成であるので、それぞれ制御ソフトを追加するのみで新たなハードは必要とはならないので、コストアップを最小限に抑制することができる。同様に、既存のEMVを利用してシーケンスやトリガの設定を行うことができるので、これも新たなハードを必要とすることなく、コストアップを最小限に抑制することができる。
【0046】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
【0047】
例えば、本実施例においてはEMVECU9と各車載機器を制御する各ECUとをCANとゲートウェイECU8及びAVC−LANを介して接続しているが、CANのみで全てのECUを接続する構成としても構わない。
【0048】
また、上述した実施例において示した所定の順番の制御内容はもちろん例示的なものであり、他の制御内容を組み合わせて所定の順番の制御内容のシーケンスを別途設定し、対応する他のトリガを設定して実行することも可能である。
【0049】
例えば、実施例に示した車載機器制御装置1において、灰皿開閉検出スイッチ2の出力から、灰皿を開から閉状態にする逆操作を検出して、灰皿の逆操作をトリガとして予め設定し、この灰皿の逆操作が行われた場合に、所定の順番の制御内容を全て逆に実行することも可能である。
【0050】
すなわち、灰皿を開から閉状態にする逆操作が行われた場合には、換気装置の外気導入を解除し、換気装置の吹き出し口を足元に設定することを解除し、エアコンの風量をMIDに設定することを解除し、運転席パワーウィンドウの閉動作を行う。
【0051】
これらのことにより、灰皿を開から閉状態にする逆操作が行われた場合には、ユーザが喫煙を止める意志があるとみなして、喫煙による煙を車室外に排出するための所定の順番の制御内容のシーケンスを全て解除して、喫煙による煙を車室外に排出することを終了することができる。
【0052】
また、EMVECU9内部に内蔵された時計を用いて、毎朝の出勤時間、例えば午前7時において、EMVECU9からAVC−LAN、ゲートウェイECU8及びCANを介してエンジンECU5に対して、エンジンを始動するように指令を出力するように、時刻が午前7時となることをトリガとし、所定の制御内容をエンジン始動指令としてシーケンスを設定することも可能である。
【0053】
これによっても、ユーザの日常生活において定まった所定の制御内容を車載機器制御装置1に予め設定して、午前7時という所定の時間毎にそれらの所定の制御内容を実行させることができるので、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【0054】
あるいは、EMVECU9がエンジンECU5に対してエンジン始動指令を出力した後にさらに、カーオーディオを例えば午前7時30分から午前7時45分まで予め設定した局を選定させて動作させ、さらに午前7時45分以降はカーテレビをこれも予め設定した局を選定させて動作させることも可能である。
【0055】
これによっても、ユーザの日常生活において定まった所定の順番の制御内容を車載機器制御装置1に予め設定して、それらの所定の制御内容を実行させることができるので、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【0056】
また、ボデーECU6により給油口の開閉状態を検出して、給油口の開状態をトリガとしてこれをEMVECU9に伝送して、このトリガをEMVECU9が検出した場合に、EMVECU9がメータECU4に対してオド/トリップメータをリセットするように指令を出力するように所定の順番の制御内容のシーケンスを設定することもできる。
【0057】
これによっても、ユーザの日常生活において定まった所定の順番の制御内容を車載機器制御装置1に予め設定して、それらの所定の制御内容を実行させることができるので、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【0058】
なお上述したいずれの所定の順番の制御内容のシーケンスにおいても、実行のトリガが検出された場合においてユーザがそのシーケンスが実行されることを望まない場合には、図2に示した選択画面において、そのシーケンスに対応するメモリーのstateを無効に選択することにより、意図しない実行を防止することができる。これによってもユーザの利便性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、車両用の車載機器制御装置に関するものであり、ユーザの操作負担を軽減することができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る車載機器制御装置の一実施形態を示す模式図である。
【図2】本発明に係る車載機器制御装置の一実施形態を示す模式図である。
【図3】本発明に係わる車載機器制御装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1 車載機器制御装置
2 灰皿開閉検出スイッチ
3 エアコンECU
4 メータECU
5 エンジンECU
6 ボデーECU
7 ドアECU
8 ゲートウェイECU
9 EMVECU
10 ブロアモータ
11 パワーウィンドウモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車載機器をそれぞれ制御する複数の制御手段と、複数の制御手段のそれぞれの制御内容を所定の順番で記憶する記憶手段と、当該所定の順番の制御内容を対応する前記制御手段に実行させる実行手段とを備えることを特徴とする車載機器制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段が、前記実行手段の実行のトリガを記憶するとともに、当該トリガが実行された場合に、前記実行手段が前記所定の順番の制御内容を対応する前記制御手段に実行させることを特徴とする請求項1に記載の車載機器制御装置。
【請求項3】
前記所定の順番の制御内容が、換気装置の外気導入の選択、エアコンの風量設定、換気装置の吹き出し口設定、運転席窓の開動作であることを特徴とする請求項2に記載の車載機器制御装置。
【請求項4】
前記実行のトリガが、灰皿の操作であることを特徴とする請求項3に記載の車載機器制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−230289(P2008−230289A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68883(P2007−68883)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】