説明

車載用ナビゲーション装置及び交通情報表示方法

【課題】TMC情報を受信して渋滞情報を高速に表示することが可能な「車載用ナビゲーション装置及び交通情報表示方法」を提供すること。
【解決手段】車載用ナビゲーション装置は、表示手段と、交通情報をTMC放送により受信する通信手段と、交通情報及び道路を複数のTMCリンクに抽象化したネットワーク情報を格納する交通情報記憶手段と、通信手段を介して取得した交通情報を基に渋滞区間を検出する制御手段と、を有する。制御手段は、複数のTMCリンクのうち、ソートされていないTMCリンクを抽出してソートするとともに予めソートされているTMCリンクと結合し、渋滞区間を示すTMCリンクを他のTMCリンクとは異なる態様で表示手段の画面に表示させる。制御手段はTMCリンクのうち一列に接続可能なTMCリンクを抽出してソートするとともに、ソート済みTMCリンクであることを示す識別情報を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TMC情報を受信して高速に渋滞情報を提示する車載用ナビゲーション装置及び交通情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の典型的な車載用ナビゲーション装置は、ナビゲーションに係る一切の処理を制御するCPU等の制御装置、地図データを予め記憶させたDVD(Digital Versatile Disk)−ROMやICメモリカード等の記憶装置、表示装置、GPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロや車速センサ等の車両の現在位置及び現在方位を検出する検出装置等を有している。そして、制御装置により、車両の現在位置を含む地図データを記憶装置から読み出し、該地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像を表示装置の画面に表示すると共に、自車の現在位置を指示する車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で判るようにしている。
【0003】
車載用ナビゲーション装置には、通常、ユーザが目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるように案内する機能(経路誘導機能)が搭載されている。この経路誘導機能によれば、制御装置により、地図データを用いて出発地(典型的には自車の現在位置)から目的地までを結ぶ最適な経路(典型的にはコストが最も低い経路)を、横型探索法やダイクストラ法等のシミュレーション計算を行って自動探索し、その探索した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上にその誘導経路を他の道路とは識別可能に(例えば、色を変えたり、線幅を太くして)表示したり、また、自車が誘導経路上で進路を変更すべき交差点まで所定距離に近づいたときに、地図画像上にその交差点の案内図(交差点拡大図、該交差点での進行方向を示す矢印、該交差点までの距離、交差点名など)を表示したりすることで、いずれの道路を走行すればよいか、また、交差点でどの方向に進んだらよいかをユーザが把握できるようになっている。
【0004】
車載用ナビゲーション装置では、渋滞や事故等の交通情報をリアルタイムに取得するために、VICS(登録商標)(交通情報通信システム:Vehicle Information and Communication System)が利用されている。VICSは、財団法人道路交通情報通信システムセンタが収集して編集処理した道路交通情報を、FM多重放送によって送信するものであり、渋滞や事故情報、所要時間、速度規制等の情報を提供している。
【0005】
このような渋滞情報の表示に関連する技術として、特許文献1には、連続する複数本の渋滞情報を接続する接続点の接続角度が所定条件を満たすときに、連続する複数本の渋滞情報を道路地図データの道路リンクの形状に追従する1本の渋滞情報となるように接続して表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−93407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、車載用ナビゲーション装置において、渋滞情報を取得して渋滞発生箇所を地図上に表示することが行われている。
【0008】
欧州においても、上記したVICSと同種のサービスを提供するシステムとして、RDS(Radio Data System)放送を利用したTMC(Traffic Message Channel)道路交通情報サービスがある。TMC道路交通情報サービスにおいても、交通渋滞や位置情報などをリアルタイムに入手できるようになっている。
【0009】
TMC道路交通情報サービスでは、地図をロケーションID単位でメッシュに区分し、各ロケーションIDのメッシュ毎に、道路がリンク(TMCリンク)形式で定義されている。渋滞している道路の情報をロケーションID及びTMCリンク情報で取得することにより、対応する道路に渋滞していることを示す表示をするようにしている。
【0010】
一つのロケーションIDに存在する複数のTMCリンクが道路に沿って連続するように定義されていれば、渋滞情報の表示をスムーズに行うことができる。
【0011】
しかし、分岐する道路や接続していない道路が存在するなど、道路の状況によっては複数のTMCリンクのすべてを連続して定義することができない場合がある。そのため、渋滞情報を取得し、その渋滞に関連するTMCリンクを抽出して、TMCリンクをソートした後渋滞情報の表示をするため、渋滞情報が表示されるまでに時間がかかってしまうことがあり、最新の渋滞情報を即時に提示することが困難なことがある。
【0012】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、TMC情報を受信して渋滞情報を高速に表示することが可能な車載用ナビゲーション装置及び交通情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の基本形態によれば、表示手段と、交通情報をTMC放送により受信する通信手段と、前記交通情報、及び道路を複数のTMCリンクに抽象化したネットワーク情報を格納する交通情報記憶手段と、前記通信手段を介して取得した前記交通情報を基に渋滞区間を検出する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記複数のTMCリンクのうち、ソートされていないTMCリンクを抽出してソートするとともに予めソートされているTMCリンクと結合し、前記渋滞区間を示すTMCリンクを他のTMCリンクとは異なる態様で前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする車載用ナビゲーション装置が提供される。
【0014】
この形態に係る車載用ナビゲーション装置において、前記制御手段は、予め前記TMCリンクのうち一列に接続可能なTMCリンクを抽出してソートするとともに、当該TMCリンクにソート済みTMCリンクであることを示す識別情報を付与するようにしてもよく、前記制御手段は、前記TMCリンクのうち、前記ソート済みを示す識別情報が付与されていない未ソートTMCリンクを抽出し、当該未ソートTMCリンクをソートして、前記ソート済みTMCリンクと接続するようにしてもよく、前記制御手段は、前記未ソートTMCリンクのうち、前記自車位置が走行中か又は最も近い道路に対応するTMCリンクから順に接続するTMCリンクを抽出してソートするようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の他の形態によれば、交通情報をTMC放送により受信する通信手段と、交通情報及び道路を複数のリンクに抽象化したネットワーク情報を格納した交通情報記憶手段を備えた車載用ナビゲーション装置において行われる交通情報表示方法であって、前記複数のTMCリンクをソートする第1のソートステップと、前記交通情報から渋滞区間情報を取得するステップと、前記TMCリンクのうち、未ソートのTMCリンクを抽出するステップと、前記未ソートのTMCリンクをソートする第2のソートステップと、当該ソートしたTMCリンクを前記未ソートのTMCリンク以外のソート済みTMCリンクに結合するステップと、前記渋滞区間に対応するソート済みのTMCリンクをソート順に他のTMCリンクとは異なる態様で表示手段の画面に表示するステップと、を有することを特徴とする交通情報表示方法が提供される。
【0016】
この形態に係る交通情報表示方法において、前記複数のTMCリンクをソートする第1のソートステップは、前記複数のTMCリンクのうち一列に接続可能なTMCリンクを抽出するステップと、前記抽出したTMCリンクをソートするステップと、前記ソートしたTMCリンクにソート済みTMCリンクであることを示す識別情報を付与するステップと、を有するようにしてもよく、前記未ソートのTMCリンクをソートする第2のソートステップは、前記TMCリンクのうち、前記ソート済みを示す識別情報が付与されていない未ソートTMCリンクを抽出するステップと、当該未ソートTMCリンクをソートするステップと、を有するようにしてもよく、前記未ソートTMCリンクをソートするステップは、前記未ソートTMCリンクのうち、自車位置が走行中か又は最も近い道路に対応するTMCリンクを抽出するステップと、当該抽出したTMCリンクから順に接続するTMCリンクを抽出してソートするステップと、を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車載用ナビゲーション装置及び交通情報表示方法によれば、TMCリンクデータのうち、一列に接続可能なTMCリンクに対して予めソートするとともにソート済みTMCリンクであることを示す識別情報を付与している。渋滞情報を取得したあと、未ソートのTMCリンクだけを抽出してソートし、既にソート済みのTMCリンクと結合し、渋滞箇所をソート順に他のTMCリンクと異なる態様で表示するようにしている。これにより、渋滞箇所を高速に提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】RDSデータの基本的なベースバンドコーディング、及び、TMCを送信する8Aグループのベースバンドコーディング構造を説明するための図である。
【図3】TMCリンクのソート及びソート済み識別情報付与処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】TMCリンク分別処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】TMCリンクの一例を示す図である。
【図6】未ソートTMCリンクのソート処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図7】未ソートTMCリンクのソート処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図8】交通情報表示処理の具体例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0020】
(車載用ナビゲーション装置の構成)
図1は本発明の実施形態に係る車載用ナビゲーション装置100の構成を示すブロック図である。
【0021】
図中、1はDVDドライブであり、1aは地図データその他の案内データが記憶されている記憶媒体である。本実施形態では、このようなデータを記憶する記憶媒体としてDVD−ROM1aを使用しているが、ハードディスク又はその他の記憶媒体を使用してもよい。ここに格納されている地図は、1/12500、1/25000、1/50000、1/100000等の各縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られており、この地図に含まれる道路、建築物、施設その他の各種物件は、経度及び緯度で表現された点(ノード)の座標集合として記憶されている。地図データは、(1)道路リンクデータ、交差点データ、ノードデータ等からなる道路レイヤ、(2)地図画像上に道路、建築物、公園、河川等を表示するための背景レイヤ、(3)市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名などを指示する文字や地図記号等を表示するための文字・記号レイヤなどから構成されている。
【0022】
道路レイヤにおいて、道路リンクデータは各道路の属性情報を供給するものであり、道路を構成するリンク毎に道路の種別(国道、高速道路、都道府県道、その他の道路)、道路ネットワークの階層化レベル、リンクを構成するノードの数、道路番号(道路名称)、各ノードを接続するリンクの幅などのデータで構成される。交差点データは、交差点に結合されたリンク上のノードのうち交差点に最も近いノードのセットである。ノードデータは、道路を構成するすべてのノードのリストであり、各ノードに対する位置情報やノードが交差点か交差点でないかを識別する情報等で構成される。
【0023】
また、2はナビゲーション装置本体10を操作するための操作ボタン等が設けられた操作部である。本実施形態では、操作部2にリモコン送信機が含まれており、ユーザは手元のリモコン送信機でナビゲーション装置本体10を操作することもできる。
【0024】
また、3は複数のGPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の経度、緯度、PDOP(Position DOP)値及びHDOP(Horizontal DOP)値等のGPSデータを生成して出力するGPS受信機を示す。4は自立航法センサを示す。この自立航法センサ4は、車両回転角度を検出するジャイロ等の角度センサと、一定の走行距離毎にパルスを発生する走行距離センサとにより構成されている。
【0025】
また、5は各種のサービスセンタと通信するための車載電話機等の通信機、6は電波ビーコン又は光ビーコンから送られてくるVICS(登録商標)(道路交通情報通信システム)情報を受信するVICS受信機を示す。これらのビーコンは路側に設置され、警察署、道路管理者及び統合センターに接続され、周辺の渋滞情報等を提供する。
【0026】
また、7は液晶パネル等の表示部であり、ナビゲーション装置本体10は、この表示部7に車両の現在位置の周囲の地図を表示したり、出発地から目的地までの誘導経路や車両マーク及びその他の案内情報を表示する。表示部7はその画面上にタッチパネルが設けられ、表示画面の表示内容と対になった各種のボタンが構成される。また、タッチパネルはこれら各種のボタンで示されるメニュー等を選択するための入力装置となる。8は音声によりユーザに案内情報を提供するためのスピーカーである。
【0027】
また、9は、RDS(Radio Data System)規格に準拠したデータ放送を受信可能なチューナを介して交通情報等を受信するTMC受信機を示す。TMC受信機9は、FMラジオ放送局の送信装置から無線送信された道路の交通事象(渋滞、事故、交通規則など)の情報を逐次受信し、受信するたびに、受信した情報を制御部12に出力する。
【0028】
ナビゲーション装置本体10は以下のものから構成されている。11はDVDドライブ1を介してDVD−ROM1aから読み出された地図データを一時的に格納するバッファメモリを示す。
【0029】
12はマイクロコンピュータにより構成される制御部を示す。制御部12は、ナビゲーション用のプログラムを内蔵しており、このプログラムに従い、GPS受信機3から出力される信号や、自立航法センサ4から出力される信号に基づいて自車の現在位置を算出したり、表示させたい地図のデータをDVDドライブ1を介してDVD−ROM1aからバッファメモリ11に読み出したり、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて設定された探索条件で出発地から目的地までの誘導径路を探索するなど、種々の処理を実行する。特に、後述するように、TMC受信機9などから交通情報を取得すると、交通情報記憶部17にその交通情報を一時記憶し、この交通情報に基づいて、地図画像上に渋滞区間を強調表示したり、誘導経路の変更をしたりする。
【0030】
13はバッファメモリ11に読み出された地図データを用いて地図画像を生成する地図描画部、14は動作状況に応じた各種メニュー画面(操作画面)や車両位置マーク及びカーソル等の各種マークを生成する操作画面・マーク発生部である。
【0031】
15は制御部12で探索した誘導経路を記憶する誘導経路記憶部、16は誘導経路を描画する誘導経路描画部を示す。誘導経路記憶部15には、制御部12によって探索された誘導経路の全ノードが出発地から目的地まで記憶される。誘導経路描画部16は、地図を表示する際に、誘導経路記憶部15から誘導経路情報を読み出して、誘導経路を他の道路とは異なる色及び線幅で描画する。
【0032】
17は、制御部12に接続されたEEPROM等のメモリからなる交通情報記憶部であり、TMC受信機9を介して受信された渋滞区間等の交通情報に関するデータが一時格納される。また、複数のリンク(TMCリンク)によって抽象化したネットワーク情報が格納されている。このネットワーク情報は、TMCデータに対応するように、ロケーションID毎にロケーションIDに属するTMCリンクが定義されている。
【0033】
なお、本実施形態では、交通情報記憶部17を地図データ格納用のDVD−ROM1aと別個に設けているが、DVD−ROM1aの記憶容量に十分な余裕がある場合には、交通情報の各データを地図データと共にDVD−ROM1aに格納するようにしてもよい。
【0034】
20は交通情報描画部を示し、交通情報記憶部17に格納された渋滞区間等の交通情報を他の道路とは異なる色など注意を喚起する表示態様で描画する。
【0035】
18は音声出力部を示し、制御部12からの信号に基づいて音声信号をスピーカー8に供給する。19は画像合成部を示し、地図描画部13で描画された地図画像に、操作画面・マーク発生部14で生成した各種マークや操作画面、誘導経路描画部16で描画した誘導経路、交通情報描画部20で描画した交通情報画像などを重ね合わせて表示部7に出力する。
【0036】
このように構成された車載用ナビゲーション装置100において、その基本的な動作として、制御部12は、GPS受信機3で受信したGPS信号と自立航法センサ4から入力した信号とに基づいて自車の現在位置を検出する。そして、DVDドライブ1を介してDVD−ROM1aから自車周囲の地図データを読み出してバッファメモリ11に格納する。地図描画部13は、バッファメモリ11に読み出された地図データに基づいて地図画像を生成し、画像合成部19を介して表示部7の画面上に自車周囲の地図画像を表示する。
【0037】
また、制御部12は、自車の移動に伴ってGPS受信機3及び自立航法センサ4から入力した各信号に基づいて自車の現在位置を検出し、その検出結果に応じて、表示部7の画面上に表示された地図画像に車両位置マークを重ね合わせて表示し、自車の移動に伴って車両位置マークを移動させたり、地図画像をスクロール表示する。
【0038】
さらに、ユーザが操作部2を操作して目的地及びその他必要な情報(目的地に至る途中の経由地の情報等)を設定すると、制御部12は、GPS受信機3及び自立航法センサ4からの各信号に基づいて検出した自車の現在位置を出発地とし、出発地から目的地までの通行コストが最も低い経路をDVD-ROM1aの地図データを用いて探索する。そして、探索により得られた経路を誘導経路として誘導経路記憶部15に格納し、誘導経路描画部16及び画像合成部19を介して表示部7に対し、画面上の地図画像に誘導経路を重ね合わせて表示させる。このとき、誘導経路を、ユーザが識別しやすいように他の道路とは異なる表示態様(例えば、線幅を太くしたり、目立つ色で表示したりするなど)で表示させる。このように制御部12は、自車の走行に伴って適宜案内情報を出力し、自車を目的地まで誘導経路に沿って走行するように案内する。
【0039】
このようにして経路案内を行う際に、TMCサービスを受信して交通渋滞等の交通情報を取得したときは、交通渋滞情報を地図画像上に表示する。
【0040】
以下に、渋滞情報を取得したとき、効率良く高速にその情報を出力する処理について説明する。本実施形態では、車両がRDS−TMC放送を受信可能なチューナを備えているものとし、TMCサービスを受信して渋滞情報等の交通情報を取得するものとする。
【0041】
RDS放送は、放送番組に係る番組関連情報等のデータや交通情報関連のデータを、通常のFM放送波に多重化し、多重化したデータを受信側で解析することにより様々なサービスを提供するものである。以下、この多重化したデータを「RDSデータ」と呼ぶ。
【0042】
図2(a)は、RDSデータの基本的なベースバンドコーディング構造を説明するための図であり、図2(b)は、TMCを送信する8Aグループのベースバンドコーディング構造を説明するための図である。
【0043】
RDSデータは、図2(a)に示すように、104ビットを1グループとするグループ単位で構成され、各グループはそれぞれ4ブロック(A,B,C,D)からなり、各ブロックは16ビットの情報語(m0〜m15)と10ビットの検査語およびオフセット語(C’0〜C’9)から構成されている。
【0044】
ブロックAには、国名データや番組データからなるネットワークを示す番組識別データ(PIコード:Program Identification code)が配置され、ブロックBには、交通情報番組を放送する交通情報放送局であることを示す交通情報放送局識別データ(TPコード:Traffic program Identification code)や当該交通情報に係る放送番組が始まることを示す交通アナウンス識別データ(TAコード:Traffic Announcement code)が配置され、ブロックCには、同一番組を放送しているネットワーク局群の各局の周波数に係るデータ、すなわち代替局周波数データ(AFデータ:Alternative Frequency code)が配置され、ブロックDには、放送局名やネットワーク名等の放送局名データ(PSデータ:Program Service code)が配置されている。
【0045】
また、各グループは、その内容に応じて4ビットによりタイプ0〜15の16通りに区別され、さらに各タイプ(0〜15)に対応してそれぞれ2つのバージョン(A,B)が定義されており、これらの識別コードはブロックBに配置されている。
【0046】
RDSデータにおける8Aグループ(バージョンAに定義されたグループ8)を利用して、TMC(Traffic Message Channel)が送信されている。
【0047】
図2(b)は、8Aグループにおけるベースバンドコーディング構造を示す図である。図2(b)に示すように、ブロックAには、PIコードが含まれている。また、ブロックBには、8Aグループタイプを識別する4ビットのグループタイプ識別コードの他に、メッセージの管理および拡張システムに関する様々なコードが含まれている。例えば、ショートメッセージであることを示す1ビットのショートメッセージコードSと、1つのメッセージが1つのグループデータで送信されるシングルメッセージであるか、或いは1つのメッセージが複数のグループデータに亘って送信されるか否かを示す1ビットのグループメッセージ識別コードGと、大体の渋滞時間を示す3ビットの渋滞時間コードDPとを有している。この渋滞時間コードDPは、8段階の渋滞時間(0〜4時間)を示すために使用される。
【0048】
ブロックCには、例えば迂回路の有無を示す迂回路識別コードDと、ロケーションオフセットアドレスを含む3ビットのEXTENTコードと、例えば天候状態、工事、交通渋滞等といった情報を示す11ビットのEVENTコードを有している。また、ブロックDには、位置情報を示す16ビットのLOCATIONコードが含まれている。イベントとロケーションとは対になっており、このロケーションとイベントにより各道路地点の交通状況を知ることができる。これらのコードによる拡張システムを利用することにより、交通渋滞に対する迂回路等について適切に指示することができる。
【0049】
以下、本実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置100の制御部12が行うTMCデータを用いた渋滞情報の表示処理について、図3から図8を参照しながら説明する。図3、図4、図6、及び図7は、その処理フローの一例を示すフローチャートであり、図5及び図8は、処理を説明するための図である。
【0050】
図3は、ロケーションID毎に行うTMCリンクのソート及びソート済み識別情報付与処理の一例を示すフローチャートであり、図4は、図3のフローチャートにおけるTMCリンク分別処理の一例を示すフローチャートである。なお、図3では、TMC受信機9によって受信した交通情報に含まれているロケーションIDのうちの一つのロケーションIDに対して行う処理を示している。
【0051】
まず、ステップS11において、初期設定を行う。初期設定では、TMCリンクの数を示すカウンタcに1を代入し、端候補リンクの数を示すカウンタkに0を代入する。
【0052】
次のステップS12において、交通情報記憶部17からロケーションIDに属するTMCリンクLcを抽出する。
【0053】
次のステップS13において、TMCリンクLcの両側のノードが他のTMCリンクに接続しているか否かを判定する。接続している場合はステップS16に移行し、接続していない場合はステップS14に移行する。
【0054】
次のステップS14において、両側のノードが他のTMCリンクに接続していないリンクを端候補リンクとする。
【0055】
次のステップS15において、端候補リンクの数に1を加える。
【0056】
一方、他のTMCリンクに両側のノードが接続しているTMCリンクはステップS16においてソート対象リンクとし、ステップS17に移行する。
【0057】
次のステップS17において、c=nか否かを判定する。すなわち、すべてのTMCリンクについて端候補リンクかソート対象リンクかがチェックされたか否かを判定する。すべてのTMCリンクについてチェックが終了しているときは、ステップS19に移行し、未処理のTMCリンクがあるときにはステップS18に移行してカウンタcに1を加え、ステップ13に移行して処理を継続する。
【0058】
次のステップS19において、k≧3か否かを判定する。すなわち、端候補リンクが3以上存在するか否かを判定する。端候補リンクが3以上存在する場合はステップS20に移行し、端候補リンクが2以下の場合はステップS21に移行する。
【0059】
ステップS21では、端候補リンクが2以下の場合であるため、TMCリンクは必ず一列に接続される。よって、TMCリンク(ソート対象リンク及び端候補リンク)が一列に並ぶようにソートしてその情報を記録しておく。さらに、すべてのTMCリンクに対してソート済みTMCリンクであることを示すソート済み識別情報を付与する。例えば、ソートしたか否かを示すフラグを用意しておき、ソート済みの場合には、フラグに1を立てるようにする。
【0060】
次に、ステップS20のTMCリンク分別処理について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0061】
図3のステップS20に移行する場合は、先端や終端が二股以上に分かれていたり、物理的に接続していないリンクが存在すると考えられるため、すべてのTMCリンクのソートは行わず、ソート可能なTMCリンクだけについてソートする。その際、ソートしたTMCリンクと未ソートのTMCリンクとを分別する処理を行う。
【0062】
まず、図4のステップS31において、初期設定を行う。この初期設定では、TMCリンク配列をSL[x]とし、xを初期値の1とおく。
【0063】
次のステップS32において、TMCリンクのうち、一端だけ他のTMCリンクに接続する端TMCリンクを抽出する。抽出した端TMCリンクをTMCリンク配列SL[1]に設定する。例えば、図5(a)において、TMCリンクL5が選択されたとすると、SL[1]=L5となる。また、図5(b)において、TMCリンクL11が選択されたとすると、SL[1]=L11となる。
【0064】
次のステップS33において、TMCリンク配列SL[x]に接続するTMCリンクをTMCリンク配列[x+1]に設定する。端TMCリンクSL[1]の場合には、そのリンクに接続するTMCリンクをリンク配列の端TMCリンクの次のTMCリンクに設定する。図5(a)の例では、SL[1]=L5,SL[2]=L3となり、図5(b)の例では、SL[1]=L11,SL[2]=L14となる。
【0065】
次のステップS34において、xを1カウントアップし、次のステップS35において一列に接続するTMCリンクが存在するか否かを判定する。すなわち、TMCリンク配列SL[x]に接続するTMCリンクがSL[x−1]と反対側に1つだけ存在するか否かを判定する。この条件を満たすTMCリンクが存在する場合は、ステップS33に移行し、TMCリンク配列SL[x]にTMCリンクを追加する。一方この条件を満たすTMCリンクが存在しない場合は、ステップS36に移行する。
【0066】
ステップS36に移行する場合は、一列に並ぶTMCリンクが確定した場合である。例えば、図5(a)の例では、SL[1]=L5,SL[2]=L3,SL[3]=L1となり、図5(b)の例では、SL[1]=L11,SL[2]=L14,SL[3]=L15となる。
【0067】
このTMCリンクは、ソートが完了したTMCリンクであるため、それらのTMCリンクにソート済みであることを示す識別情報を付与する。例えば、ソート済みか否かを示すフラグを用意しておき、ソート済みであることを示すようにフラグに1を立てる。
【0068】
以上の図3及び図4の処理をロケーションIDごとに行うことによって、交通情報記憶部17に格納されているTMCリンクに対してソート可能なものについてのソート処理を行うとともに、ソート処理が済んでいることを示す識別情報をそのTMCリンクに付与している。
【0069】
次に、未ソートTMCリンクのソート処理について図6及び図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0070】
まず、図6のステップS41において、渋滞情報を取得する。渋滞情報は、TMC受信機9を介してRDS放送局からの送信波を受信し、グループ8AのTMCを解析して取得する。取得した渋滞情報等の交通情報は交通情報記憶部17に一時格納する。
【0071】
次のステップS42において、交通情報記憶部17に格納された、対象となるロケーションIDを取得する。ステップS41で解析したグループ8AのTMCデータからロケーションIDを取得する。
【0072】
次のステップS43において、対象となるロケーションIDに属するTMCリンクのうち、ソートされていない未ソートTMCリンクを交通情報記憶部17に格納されているTMCリンクから抽出する。TMCリンクがソートされているか否かは、図3及び図4で説明したソート処理において、ソート済みのTMCリンクに付与された識別情報を参照することによって判定する。
【0073】
次のステップS44において、未ソートTMCリンクのソート処理を行う。この未ソートTMCリンクのソート処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0074】
図7のステップS51において、初期設定を行う。この初期設定では、TMCリンク配列をASL[y]とし、yを初期値の1とする。
【0075】
次のステップS52において、車両の現在位置を取得する。GPS受信機3で受信したGPS信号から緯度、経度等の座標を示す絶対位置を算出するとともに、自立航法センサ4からのデータを基に基準位置からの相対位置を算出し、絶対位置と組み合わせて車両の現在位置を特定する。
【0076】
次のステップS53において、自車両が走行中か又は自車両の現在位置に最も近い道路に対応するTMCリンクを抽出し、そのTMCリンクをソートの起点TMCリンクとする。起点TMCリンクをTMCリンク配列ASL[1]に設定する。
【0077】
次のステップS54において、TMCリンク配列ASL[y]に接続するTMCリンクをASL[y+1]に設定する。TMCリンク配列ASL[1]の場合は、起点TMCリンクに接続する他の未ソートTMCリンクをASL[2]に設定する。
【0078】
次のステップS55において、yを1カウントアップし、ステップS56において、ASL[y]に接続する未ソートのTMCリンクが存在するか否かを判定する。未ソートのTMCリンクが存在する場合はステップS54に移行し、そのTMCリンクをTMCリンク配列ASL[y]に追加する。一方、未ソートのTMCリンクが存在しない場合には本処理は終了し、図6のステップS45に移行する。
【0079】
ステップS56の条件を満たす未ソートのリンクが複数存在する場合には、それらのTMCリンク及びTMCリンクが接続されるノードを記憶しておき、それらの各リンクを起点TMCリンクとしてソート処理を行うようにする。
【0080】
例えば、図5(a)の例では、未ソートリンクが{L2,L6}、{L8,L7,L4}のとき、現在位置に近いリンクをL6とすると、{L6→L2→L8→L7→L4}のようにTMCリンクがソートされる。この例で、ノードN4に別のリンクが接続されているときは、ノードN4及びノードN4に接続されるTMCリンクを記憶しておき、上記のリンクのソート処理が終了したあと、ノードN4に接続されているソート処理が行われていないTMCリンクを起点TMCリンクとしてソート処理を行う。
【0081】
また、未ソートTMCリンクが離れた位置に存在する場合は、ソート処理が終了した後、終了した位置から最も近い位置の未ソートTMCリンクを起点TMCリンクとしてソート処理を行う。
【0082】
例えば、図5(b)の例において、未ソートリンクをUNS1{L11,L14,L15}、及びUNS2{L12,L13,L16,L17,L18}としたとき、UNS1のTMCリンクL11を起点TMCリンクとしてソート処理が終了した後、UNS2のTMCリンクL16を起点リンクとしてソート処理を行う。その結果、TMCリンクが{L11→L14→L15、L16→L17→L13→L18→L12}のようにソートされる。
【0083】
図6のステップS45において、未ソートのTMCリンクに対してソートした結果を未ソートのTMCリンク以外の元のソート済みのTMCリンクと結合し、すべてのTMCリンクのソートを行う。この結合の際、予めソートされた元のTMCリンクに対して、自車位置に近い方のTMCリンクが先に選択されるようにソート順序を決定する。
【0084】
次のステップS46において、TMC受信機9を介して取得した渋滞区間に対応するTMCリンクを、他のTMCリンクとは色を変えるなど異なる態様で表示する。この表示に際して、ステップS45までの処理においてTMCリンクがソートされているため、TMCリンクがリンク接続の順に表示される。また、予めTMCリンクのうちソート可能なTMCリンクについてはソートしておき、そのソート済みのTMCリンクが分かるようにしておくことにより、交通情報を受信した後に行うTMCリンクのソート処理を短時間で行うことができ、渋滞状況の表示処理を効率良く行うことが可能となる。
【0085】
上記処理は、TMC受信機9を介して受信したTMCデータに含まれるすべてのロケーションIDに対して行う。
【0086】
図8は、あるロケーションIDに属するTMCリンクが、L101〜L108とした場合の、渋滞区間を表示する具体例を説明する図である。図8(a)は、各TMCリンクの接続状況を示しており、各TMCリンクはノードによって接続されている。図8(b)は、TMCリンクをソートする前の状況を示している。このTMCリンクに対して、図3及び図4のソート処理を行うことによって、図8(c)のようにTMCリンクがソートされる。すなわち、起点TMCリンクをL105としたとき、一列に並べることのできるTMCリンクが、L105→L103→L101となり、それらのTMCリンクに対して、ソート済みであることを示す識別情報として、ソートフラグに1を立てている。
【0087】
TMC受信機9を介して交通情報を受信し、例えば、渋滞区間がL101〜L103、L106〜L108であったとき、渋滞区間を表示する処理の前に、ソートされていないTMCリンク(L102,L104,L106〜L108)についてソート処理を行う。その結果、図8(d)に示すように、L102→L106→L108→L107→L104とソートされる。このソート結果を基に、渋滞区間をL103→L101→L102→L106→L108→L107のソートされた順に表示する。
【0088】
以上説明したように、本実施形態の車載用ナビゲーション装置及び交通情報表示方法によれば、TMCリンクデータのうち、一列に接続可能なTMCリンクに対して予めソートするとともにソート済みTMCリンクであることを示す識別情報を付与している。渋滞情報を取得したあと、未ソートのTMCリンクだけを抽出してソートし、既にソート済みのTMCリンクと結合し、渋滞箇所をソート順に他のTMCリンクと異なる態様で表示するようにしている。これにより、渋滞箇所を高速に提示することが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
100…車載用ナビゲーション装置、
1a…DVD−ROM、
2…操作部、
3…GPS受信機、
4…自立航法センサ、
7…表示部、
9…TMC受信機、
10…ナビゲーション装置本体、
11…バッファメモリ、
12…制御部、
15…誘導経路記憶部、
16…誘導経路描画部、
17…交通情報記憶部、
20…交通情報描画部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
交通情報をTMC放送により受信する通信手段と、
前記交通情報、及び道路を複数のTMCリンクに抽象化したネットワーク情報を格納する交通情報記憶手段と、
前記通信手段を介して取得した前記交通情報を基に渋滞区間を検出する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記複数のTMCリンクのうち、ソートされていないTMCリンクを抽出してソートするとともに予めソートされているTMCリンクと結合し、前記渋滞区間を示すTMCリンクを他のTMCリンクとは異なる態様で前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、予め前記TMCリンクのうち一列に接続可能なTMCリンクを抽出してソートするとともに、当該TMCリンクにソート済みTMCリンクであることを示す識別情報を付与することを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記TMCリンクのうち、前記ソート済みを示す識別情報が付与されていない未ソートTMCリンクを抽出し、当該未ソートTMCリンクをソートして、前記ソート済みTMCリンクと接続することを特徴とする請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記未ソートTMCリンクのうち、前記自車位置が走行中か又は最も近い道路に対応するTMCリンクから順に接続するTMCリンクを抽出してソートすることを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
交通情報をTMC放送により受信する通信手段と、交通情報及び道路を複数のリンクに抽象化したネットワーク情報を格納した交通情報記憶手段を備えた車載用ナビゲーション装置において行われる交通情報表示方法であって、
前記複数のTMCリンクをソートする第1のソートステップと、
前記交通情報から渋滞区間情報を取得するステップと、
前記TMCリンクのうち、未ソートのTMCリンクを抽出するステップと、
前記未ソートのTMCリンクをソートする第2のソートステップと、
当該ソートしたTMCリンクを前記未ソートのTMCリンク以外のソート済みTMCリンクに結合するステップと、
前記渋滞区間に対応するソート済みのTMCリンクをソート順に他のTMCリンクとは異なる態様で表示手段の画面に表示するステップと、
を有することを特徴とする交通情報表示方法。
【請求項6】
前記複数のTMCリンクをソートする第1のソートステップは、
前記複数のTMCリンクのうち一列に接続可能なTMCリンクを抽出するステップと、
前記抽出したTMCリンクをソートするステップと、
前記ソートしたTMCリンクにソート済みTMCリンクであることを示す識別情報を付与するステップと、
を有することを特徴とする請求項5に記載の交通情報表示方法。
【請求項7】
前記未ソートのTMCリンクをソートする第2のソートステップは、
前記TMCリンクのうち、前記ソート済みを示す識別情報が付与されていない未ソートTMCリンクを抽出するステップと、
当該未ソートTMCリンクをソートするステップと、
を有することを特徴とする請求項5に記載の交通情報表示方法。
【請求項8】
前記未ソートTMCリンクをソートするステップは、
前記未ソートTMCリンクのうち、自車位置が走行中か又は最も近い道路に対応するTMCリンクを抽出するステップと、
当該抽出したTMCリンクから順に接続するTMCリンクを抽出してソートするステップと、
を有することを特徴とする請求項7に記載の交通情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−196970(P2011−196970A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67263(P2010−67263)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】