説明

車載用表示システム

【課題】 車載用表示装置と取付装置との着脱を簡単に行うことができる車載用表示システムを提供する。
【解決手段】 第一の筐体と該第一の筐体に回動可能に設けられアンテナを有する第二の筐体とからなる車載用表示装置と、前記車載用表示装置に着脱可能であって前記車載用表示装置を車に載置する取付け装置と、からなる車載用表示システムであって、前記車載用表示装置には、前記取付け装置に設けられたロック部に係合し前記車載用表示装置を前記取付け装置に固定するロック保持部と、前記第二の筐体が回動することにより前記ロック保持部との係合を解除するロック解除部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載用表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが歩行時にも使用可能な表示装置としてのナビゲーション装置において、ナビゲーション装置に設けられたGPSアンテナを回動可能に設けることで、ナビゲーション装置の傾きに関係なく常に最適な受信感度を保つことができるナビゲーション装置が市販されている。
【0003】
ところで、この様なナビゲーション装置の車への取付けは、たとえば、ダッシュボード等に固定された取付け装置に取付けることで行われる。そして、例えば表示装置の取付け装置への取付けは、特開平8−312885号公報(特許文献1)に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の表示装置の取付け装置への取付けは、図7に示すとおり、表示装置1の背面に位置する取付け板3のスリット穴4に、取付けスタンド10側に設けられた取付け用フックプレート11を挿入し、レバー22を円筒体21の径方向に回動してフックプレート11を円筒体21の軸方向に伸縮し、フックプレート11と円筒体21の外端面にて表示装置1の取付け板3を挟持する、という構成が記載されている。
【特許文献1】特開平8−312885号公報(図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に記載された発明では、取付け位置が表示装置1の背面側に位置しており、ユーザが表示装置1と取付けスタンド10との着脱を行うときに、ユーザは取付け位置を確認しづらく作業が困難であった。
【0006】
また、表示装置1を固定するためのレバー22を取り付けスタンド10側に設けたため、取付けスタンド10の部品数が増え、表示装置1を取り外した後ダッシュボード上に残る取付けスタンド10が大きくなり見栄えが悪くなるという問題もあった。
【0007】
そこで本発明は、アンテナが回動可能に設けられた車載用表示装置において、新たな部品を追加することなく容易に取付け装置に対し着脱可能となる車載用表示システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、第一の筐体と該第一の筐体に回動可能に設けられアンテナを有する第二の筐体とからなる車載用表示装置と、前記車載用表示装置に着脱可能であって前記車載用表示装置を車に載置する取付け装置と、からなる車載用表示システムであって、
前記車載用表示装置には、前記取付け装置に設けられたロック部に係合し前記車載用表示装置を前記取付け装置に固定するロック保持部と、前記第二の筐体が回動することにより前記ロック保持部との係合を解除するロック解除部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記ロック解除部は前記第二の筐体に備えられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車載用表示システムは、アンテナを回動させるだけで車載用表示装置と取付け装置との取り外しが容易に行える。
【0011】
また、車載用表示装置と取付け装置とが着脱可能であり、車載用表示装置に回動可能に設けられたアンテナに突起を設け係合された車載用表示装置と取付け装置とを取り外すロック解除部とすることで、取付け装置に別途ロック解除部を設ける必要もなく、車載用表示装置を取り外した後にダッシュボード上に残る取付装置も小さくでき見栄えが良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
本実施例では、車載用表示システムとして車載用ナビゲーションシステムを用いた例で説明する。
【0014】
なお、ナビゲーション装置10においてGPSアンテナ部11が設けられた側を背面として本実施例を説明する。
【0015】
図1に示すように本発明を用いたナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置10と、取付装置20とで構成され、ナビゲーション装置10には支点軸12を支点として回動可能にGPSアンテナが内蔵されたGPSアンテナ部11が設けられている。
【0016】
なお、GPSアンテナ部11には、ナビゲーション装置10を図2の位置で使用する場合、GPSアンテナ部11を背面から90度上方へ回動させた位置で最も多くのGPS衛星からの電波を受信できるようにGPSアンテナが配設されており、ナビゲーション装置10は通常GPSアンテナ部11を90度上方へ回動した状態で使用される。
【0017】
また、取付装置20は取付部21とスタンド部22とベース部23とで構成され、取付部21とスタンド部22とは固定接続され、スタンド部22とベース部23とは、図2に示すようにベース部23内に設けられた球体28を介して結合されており、スタンド部22は角度調節用の回動規制棒29によって所定段階の角度調節が可能となっている。
【0018】
そして、スタンド部22には屈曲自在な素材、例えば電気スタンドやマイクスタンド等に用いられるスタンドチューブで構成され、ユーザはスタンド部22自体を屈曲させることによりナビゲーション装置10を所望する角度に調節することができる。
【0019】
次に、ナビゲーション装置10の取付装置20への着脱について図2乃至図5を用いて詳しく説明する。
【0020】
取付部21には、ナビゲーション装置10に形成された後述する第2のロック保持部15と係合する第2のロック部25が下方に凸状に形成されている。そして、第1のロック部24が上下方向に摺動可能に且つ下方に配されたバネ27により上方へ付勢されるように設けられている。
【0021】
第1のロック部24には、ナビゲーション装置10に形成された後述する第1のロック保持部13に係合可能なように係止部24aが形成され、更にGPSアンテナ部11が所定角度回動したときGPSアンテナ部11に設けられた後述するロック解除部16が当接するように上方へ突出した凸部24bが形成されている。
【0022】
更に、ナビゲーション装置10が取付部21に取り付けられたとき、ナビゲーション装置10へ電源供給行うためのコネクタ26が設けられている。なお、コネクタ26は、スタンド22内に配されたケーブル(不図示)を介してシガーライター等の車載用電源と接続されている。
【0023】
ナビゲーション装置10は、GPSアンテナ部11が支点軸12を中心に回動可能に取り付けられている。そして、ナビゲーション装置10の背面にはナビゲーション装置10が取付部21に取り付けられたとき、第1のロック部24が係合するL字状の第1のロック保持部13と、第2のロック部25が係合する凹状の第2のロック保持部15とが形成されている。そして、第1のロック部24と第1のロック保持部13との係合と、第2のロック部24と第2のロック保持部13との係合とによりナビゲーション装置10は取付部21に固定される。
【0024】
更に、ナビゲーション装置10にはコネクタ14が設けられており、ナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置10が取付部21に取り付けられたとき、コネクタ14がコネクタ26と勘合し車両より電源が供給される。
【0025】
なお、ナビゲーション装置10への電源供給は外部電源から供給を受ける他にも、例えばナビゲーション装置10にバッテリを設け、このバッテリから供給を受けることも考えられ、この場合コネクタ14及びコネクタ26を設ける必要はない。
【0026】
次に本発明におけるナビゲーション装置10を取付部21から取り外すときの動作を説明する。
【0027】
ナビゲーション装置10を使用するときは、図2に示すようにナビゲーション装置10が、取付部21に取り付けられた状態において、GPSアンテナ部11をナビゲーション装置10の背面側上方向に90度回動した位置、すなわちナビゲーション装置10の上面と平行な角度となる位置において使用される。
【0028】
この状態からナビゲーション装置10を取付部21から取り外すためには、図3に示すようにGPSアンテナ部11をナビゲーション装置10の背面方向へ90度より更に上方向へ回動させる。GPSアンテナ部11を回動させることにより、GPSアンテナ部11に形成された突起16が凸部24bに当接し、GPSアンテナ部11を更に上方向へ回動させると突起16が凸部24bを下方へ押圧し、係止部24aはその押圧力により下方へ摺動する。そして、係止部24aと第1のロック保持部13との係止が解除される。
【0029】
このとき、ユーザは図4に示すようにナビゲーション装置10を第2のロック保持部15と第2のロック部25との係止部を中心に反時計回りに回転させ、その後下方へ移動させることでナビゲーション装置10が取付部21から取り外される。
【0030】
次に、本発明におけるナビゲーション装置10を取付部21に取り付ける動作を説明する。
【0031】
ナビゲーション装置10を取付部21に取付けるときは、まず、図6に示すようにGPSアンテナ部11を閉じた状態から図4に示すようにナビゲーション装置10の背面から90度以上の所まで回動させ、この状態でナビゲーション装置10と取付部21の取付けを行う。
【0032】
図4に示すようにナビゲーション装置10と取付部21との取り付けは、まず、第2のロック部25を第2のロック保持部15に係止し、この状態からナビゲーション装置10を矢印の方向に回動させ押し込んでいくと、図5に示すように第1のロック部24の係止部24aと、ナビゲーション装置10に形成されたテーパ状の切欠部17とが当接する。
【0033】
そして、更にナビゲーション装置10を押し込んで行くと、係止部24aが切欠部17との当接により下方へ押圧され摺動する。
【0034】
係止部24aが押し下げられた状態でナビゲーション装置10を更に押し込んでいき係止部24aが第1のロック保持部13に到達すると、これまで切欠部17との当接により押し下げられていた係止部24aが開放されて、バネ27の弾性力により押し上げられ上方へ摺動し、第1のロック保持部13と係合される。
【0035】
このようにナビゲーション装置10は、係止部24aと第1のロック保持部13との係止、第2のロック部25と第2のロック保持部15との係止の2箇所の係止により係合部21に固定される。
【0036】
なお、ナビゲーション装置10が使用されない場合は、本発明におけるナビゲーション装置10が取付装置20から取外され、図6に示すようにGPSアンテナ部11も閉じられる。このように、使用しない場合は、GPSアンテナ部11を閉じることで持ち運びが容易となる。
【0037】
なお、本発明は上記実施例において車載用ナビゲーション装置として記載をしたが、これに限ることはなく、例えばTVアンテナをGPSアンテナに変えて設けることで車載用テレビ装置にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のナビゲーションシステム全体を示す外観図である。
【図2】本発明において係合されたナビゲーション装置10と取付装置20との断面図である。
【図3】本発明におけるナビゲーション装置10と取付部21との脱着動作を示す断面図である。
【図4】本発明のナビゲーション装置10を取付け部21に取付ける動作を示した断面図である。
【図5】本発明における第1のロック部24がロック保持部13と係合する動作を示す断面図である。
【図6】本発明のナビゲーション装置10におけるGPSアンテナ部11を閉じた状態を示す断面図である。
【図7】従来の表示装置取り付け装置の外観を示した図と、表示装置取り付け装置の断面図である。
【符号の説明】
【0039】
10・・・ナビゲーション装置
11・・・GPSアンテナ部
12・・・支点軸
13・・・第1のロック保持部
14・・・コネクタ
15・・・第2のロック保持部
16・・・突起
17・・・切欠部
20・・・取付装置
21・・・取付部
22・・・スタンド部
23・・・ベース部
24・・・第1のロック部
24a・・係止部
25b・・凸部
25・・・第2のロック部
26・・・コネクタ
27・・・バネ
28・・・球体
29・・・回動規制棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の筐体と該第一の筐体に回動可能に設けられアンテナを有する第二の筐体とからなる車載用表示装置と、前記車載用表示装置に着脱可能であって前記車載用表示装置を車に載置する取付け装置と、からなる車載用表示システムであって、
前記車載用表示装置には、前記取付け装置に設けられたロック部に係合し前記車載用表示装置を前記取付け装置に固定するロック保持部と、前記第二の筐体が回動することにより前記ロック保持部との係合を解除するロック解除部とを備えたことを特徴とする車載用表示システム。
【請求項2】
前記ロック解除部は前記第二の筐体に備えられたことを特徴とする請求項1に記載の車載用表示システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−62872(P2008−62872A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245285(P2006−245285)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】