軟弱地盤の改良装置及び分岐管
【課題】水平ドレーン材の末端の鉛直ドレーン材まで真空圧を確実に伝え、満遍なく間隙水を排水する。
【解決手段】真空圧密による軟弱地盤の改良装置において、鉛直ドレーン材3と、水平ドレーン材4と、鉛直ドレーン材3と水平ドレーン材4を介して繋がる配管5と、配管5の集水経路に接続された集水桝6と、集水桝6に集水された間隙水を、排水管7を介して排水タンク8へ排水する水中ポンプ9と、配管5に真空圧を負荷する真空ポンプ10とを備え、配管5は、第1の管部21と、複数の分岐部22を介して第1の管部21と連通し、第1の管部21の鉛直下方向に配置された第2の管部23とを有し、第1の管部21が水平ドレーン材4と連通し、第2の管部23が集水桝6と連通している。
【解決手段】真空圧密による軟弱地盤の改良装置において、鉛直ドレーン材3と、水平ドレーン材4と、鉛直ドレーン材3と水平ドレーン材4を介して繋がる配管5と、配管5の集水経路に接続された集水桝6と、集水桝6に集水された間隙水を、排水管7を介して排水タンク8へ排水する水中ポンプ9と、配管5に真空圧を負荷する真空ポンプ10とを備え、配管5は、第1の管部21と、複数の分岐部22を介して第1の管部21と連通し、第1の管部21の鉛直下方向に配置された第2の管部23とを有し、第1の管部21が水平ドレーン材4と連通し、第2の管部23が集水桝6と連通している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泥土による埋め立て地等の軟弱地盤を圧密するための真空圧密による軟弱地盤改良工法に用いる改良装置及び分岐管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟弱地盤の改良装置としては、改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した鉛直ドレーン材を通じて改良地盤中に真空圧を負荷することで、改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出すようにしたものがある。
【0003】
図17に示す改良装置は、改良地盤A中に所定の間隔をおいて設置した鉛直ドレーン材40と、この各鉛直ドレーン材40の上端部と接続されるように配置された水平ドレーン材41と、この水平ドレーン材41に接続した集水管42と、改良地盤A上面を前記鉛直ドレーン材40、水平ドレーン材41及び集水管42とともに被覆する密封シート44と、前記集水管42に真空タンク45を介して接続する真空ポンプ46とを有するものである。
【0004】
図17に示す装置を用いた改良工法では、真空ポンプ46を稼働させ、この真空ポンプ46からの真空圧で真空タンク45内が所定の減圧度に達すると、減圧逆止弁(図示しない)が開き、これに接続する集水管42が減圧される。次いで、この集水管42に接続する水平ドレーン材41に真空圧が伝播し水平ドレーン材41が減圧される。さらにこの水平ドレーン材41に上端部が接続する鉛直ドレーン材40に真空圧が伝播し、鉛直ドレーン材40内を所定の真空圧(例えば、0.4気圧以下)とする。
さらに鉛直ドレーン材40内の真空圧は、鉛直ドレーン材40周囲の地盤Aへと伝播し、鉛直ドレーン材40を中心にその周囲の地盤を減圧状態の領域(以下、減圧領域という)とする。
【0005】
真空圧は、減圧領域となった鉛直ドレーン材40周りの地盤から、さらに外側周りの地盤へと伝播してゆき、この結果、鉛直ドレーン材40へと向かう地盤加圧(水圧、土圧)が発生する。
【0006】
この地盤加圧に従って、鉛直ドレーン材40周囲の地盤に含まれる間隙水は鉛直ドレーン材40に向かって吸い出され、鉛直ドレーン材40、水平ドレーン材41及び集水管42を排水経路として排水され、これに伴って鉛直ドレーン材40周囲の地盤のさらに外側周りの地盤も減圧領域となる。
【0007】
こうして、鉛直ドレーン材40を中心にしてその周囲の地盤に減圧領域が広がり、やがて改良地盤A全域が減圧領域となり、同時に鉛直ドレーン材40を中心にして圧密、強度増加が進行し、改良地盤A全域の圧密、強度増加が行われることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3656217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来の改良装置にあっては、真空ポンプ46からの真空圧の伝播経路である、真空ポンプ46、真空タンク45、集水管42、水平ドレーン材41及び鉛直ドレーン材40が、そのまま改良地盤から吸い出された間隙水の排水経路となっている。
【0010】
このため、この改良装置によれば、真空圧を負荷した当初、集水管42内には、鉛直ドレーン材40及び水平ドレーン材41を通じて改良地盤Aからの間隙水が改良地盤A中の空気とともに一気に大量に流れ込んで該集水管42内を満たし、集水管内に水と空気が混在することで真空ポンプ46からの真空圧が鉛直ドレーン材40へ伝わらないか、あるいは伝わりにくくなってしまい、改良効率を著しく阻害していた。
【0011】
このような問題に対して、集水管42の集水経路上に、気水分離用の排水タンクを設けた軟弱地盤の改良装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の改良装置では、鉛直ドレーン材40及び水平ドレーン材41を介して集水された間隙水の経路と真空圧の伝搬経路とが集水管42内で同一であったものが、重力にしたがって間隙水が排水タンクに流れ込むことによって分離される。そして、この改良装置は、排水タンクで集水した間隙水を、ポンプによって改良地盤外へ排出する。
【0012】
このように、改良装置は、集水管42において同一であった間隙水の集水経路と真空圧の伝搬経路とを排水タンクによって分離しているため、排水タンクの設置位置までは、間隙水の集水経路と真空圧の伝搬経路は同一となる。
【0013】
一方、1本の集水管に対して排水タンクを多数設置すると、その分、排水タンク内の間隙水を排出する水中ポンプも多数用意する必要が生じ、また、排水タンクの設置や撤去のための工数が増加してしまう。また、複数の水平ドレーン材41によってある程度間隙水が集まったところで排水タンクへ流水させることが効率的であることから、排水タンクの設置位置は、集水管42の端部ではなく、改良域の中央部が望ましい。
【0014】
すなわち、排水タンクを用いて間隙水の集水経路と真空圧の伝搬経路とを分離するこの種の改良装置を実際に施工しようとすると、排水タンクは集水管42の末端に設置する方法は現実的ではない。しかし、これでは、集水管42の末端位置では、間隙水の集水経路と真空圧の伝搬経路とが分離されず、当該位置に接続された水平ドレーン材41及び鉛直ドレーン材40まで真空圧が伝達されにくくなり、均一な改良地盤成形の目的に反する。
【0015】
そこで、本発明は、集水管の末端のドレーンまで真空圧を確実に伝えることにより、満遍なく間隙水を排水することができる軟弱地盤の改良装置及び分岐管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するために、本発明にかかる軟弱地盤の改良装置は、改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、上記配管は、上記真空ポンプが接続された第1の管部と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部を介して上記第1の管部と連通し、上記第1の管部の鉛直下方向に配置された第2の管部とを有し、上記第2の管部が上記鉛直ドレーン材及び上記集水桝と連通しているものである。
【0017】
また、本発明にかかる軟弱地盤の改良装置は、改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、複数の分岐管と、複数のドレーン連結管とを備え、上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続される第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有し、上記ドレーン連結管は、一対の上記第2の管材が接続される接続口と、上記鉛直ドレーン材と繋がる連結口とを有し、上記第1の管材は、上記真空ポンプが接続され、上記第2の管材は、上記集水桝と連通するとともに、上記分岐管を介して上記第1の管材の鉛直下方向に配置されているものである。
【0018】
また、本発明にかかる軟弱地盤の改良装置は、改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、上記第1の管材及び上記第2の管材が接続されるとともに上記鉛直ドレーン材と繋がる分岐管とを備え、上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続されるとともに上記鉛直ドレーン材と繋がる第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有し、上記第1の管材は、上記真空ポンプが接続され、上記第2の管材は、上記集水桝と連通するとともに、上記分岐管を介して上記第1の管材の鉛直下方向に配置されているものである。
【0019】
また、本発明にかかる分岐管は、改良地盤中に埋設された鉛直ドレーン材を介して上記軟弱地盤中に真空圧を負荷する真空ポンプと接続された第1の管材が接続される第1の接続部と、上記鉛直ドレーン材と繋がるとともに、上記第1の管材の鉛直下方向に配置されて上記鉛直ドレーン材を介して集水された上記軟弱地盤中の間隙水を集水する集水桝と接続された第2の管材が接続される第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有するものである。
【0020】
また、本発明にかかる軟弱地盤の改良装置は、改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、上記改良地盤上面で、上記鉛直ドレーン材と接続される水平ドレーン材と、上記鉛直ドレーン材と上記水平ドレーン材を介して繋がる配管と、上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、上記配管は、第1の管部と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部を介して上記第1の管部と連通し、上記第1の管部の鉛直下方向に配置された第2の管部とを有し、上記第1の管部が上記水平ドレーン材と連通し、上記第2の管部が上記集水桝と連通しているものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、二重構造の配管内において所定間隔で設けられた複数の分岐部により負圧経路と排水経路とを分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管の全体に亘って分離され、配管内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。したがって、本発明は、改良地盤内の何れの箇所においても高真空圧を維持することができ、改良地盤全体に亘って、均一に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】軟弱地盤の改良装置が施工された改良地盤を示す平面図である。
【図2】軟弱地盤に設置された鉛直ドレーン材及び水平ドレーン材を示す図である。
【図3】軟弱地盤の改良装置を示す模式図である。
【図4】改良地盤に設置された改良装置を示す斜視図である。
【図5】水平ドレーン材と配管との結合箇所を示す斜視図である。
【図6】鉛直ドレーン材を示す断面図である。
【図7】第1、第2の管材を分岐管で連結して構成される配管を示す分解斜視図である。
【図8】第1、第2の管材を分岐管で連結して構成される配管を示す分解斜視図である。
【図9】他の分岐管構成を示す図である。
【図10】他の配管構成を示す図である。
【図11】他の分岐管を示す斜視図である。
【図12】他の軟弱地盤の改良装置を示す模式図である。
【図13】改良地盤に設置された他の改良装置を示す斜視図である。
【図14】改良地盤に設置された他の改良装置を示す斜視図である。
【図15】接続部材が接続されるドレーン連結管を示す分解斜視図である。
【図16】接続部材が接続される分岐管を示す分解斜視図である。
【図17】従来の軟弱地盤の改良装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明が適用された軟弱地盤の改良装置について図面を参照しながら詳細に説明する。この軟弱地盤の改良装置1は、湖沼周囲の埋立造成区域や、泥土による埋立地等の軟弱地盤中に真空圧を負荷することにより、改良地盤の周辺部と隔離された減圧領域を作り出す軟弱地盤の改良装置である。
【0024】
[全体構成]
図1〜図4に示す改良装置1は、改良地盤2上を密封シート(図17参照)で被覆するとともに改良地盤2中に真空圧を負荷することで、改良地盤2中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置である。この改良装置1は、改良地盤2中に所定の間隔をおいて設置された複数の鉛直ドレーン材3と、改良地盤2の上面で複数の鉛直ドレーン材3と接続される水平ドレーン材4と、複数の水平ドレーン材4と接続され、改良地盤2中の間隙水が集水される配管5と、改良地盤2に設置され、配管5の集水経路に接続された集水桝6と、集水桝6に集水された間隙水を、排水管7を介して改良地盤2外の排水タンク8へ排水する水中ポンプ9と、吸引管11を介して配管5に真空圧を負荷する真空ポンプ10とを備える。
【0025】
そして、改良装置1は、図2に示すように、改良地盤2中に所定間隔で鉛直ドレーン材3を打設し、地表面に突き出た鉛直ドレーン材3の余長部が水平ドレーン材4の上に重ねられ、ステイプラーにより接続される。水平ドレーン材4は、略直交する方向に配設された配管5上に配置され、その交差部において配管5に接続される。
【0026】
配管5は、集水桝6と接続されるとともに、吸引管11を介して真空ポンプ10が接続され、真空ポンプ10によって配管5内が減圧されることにより、水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3を介して吸い上げられた改良地盤2中の間隙水が流入し、集水桝6へ排水する。
【0027】
[鉛直ドレーン]
鉛直ドレーン材3は、図6に示すように、改良地盤2中の間隙水が通水する芯材12と、芯材12の周囲に設けられ改良地盤2中の間隙水が透過するフィルタ13とを有する。芯材12は、長尺体の両面に長手方向に亘る隔壁が幅方向に複数立設されることにより、長手方向に改良地盤2内の水分の通水路となる溝12aが複数形成されている。この芯材12は、運搬等の利便性を考慮してある程度の可撓性を有するとともに、改良地盤2への打設後においても十分な通水路を確保するための形状保持性を有する材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて形成される。また、芯材12は、例えば生分解性の樹脂材料で形成することにより、改良地盤2中に残置した場合にも環境負荷を低減させることができる。
【0028】
芯材12の周囲を覆うフィルタ13は、透水性を有する材料、例えばポリエステル製の不織布から形成されている。フィルタ13は、芯材12の周囲に巻回され、熱溶着等によって接着されることにより芯材12の周囲を覆う。また、フィルタも、芯材同様に、例えば生分解性の不織布で形成することにより、環境負荷を低減させることができる。
【0029】
鉛直ドレーン材3は、予め製造工場において、前述のように芯材12をフィルタ13で覆うことにより製造されるとともに、ロール状に巻回された後、施工現場となる改良地盤2に搬入され、改良地盤2に所定間隔で打設される。次いで、鉛直ドレーン材3は、地表に突出されている余長部を水平ドレーン材4の上に重ねて接続される。
【0030】
[水平ドレーン]
水平ドレーン材4は、鉛直ドレーン材3と同様に、芯材と、芯材を覆うフィルタとを有し、長尺状に形成されている。芯材は、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いてエンボス加工により形成され、フィルタは、ポリエステル系不織布から形成されている。また、水平ドレーン材4は、芯材、フィルタともに、例えば生分解性材料により形成することにより、環境負荷を低減させることができる。かかる水平ドレーン材4は、地盤変形への追従性及び通水性能に優れ、かつ軽量で作業効率もよい。また、水平ドレーン材4は、配管5と接続され、配管5を介して真空圧が伝搬されるとともに、鉛直ドレーン材3が吸引した改良地盤2中の間隙水を配管5へ流す。
【0031】
[配管]
複数の水平ドレーン材4と接続される配管5は、図3に示すように、第1の管部21と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部22を介して第1の管部21と連通し、第1の管部21の鉛直下方向に配置された第2の管部23とを有し、第1の管部21が水平ドレーン材4と連通し、第2の管部23が後述する集水桝6と連通している。
【0032】
配管5は、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて形成されている。図5に示すように、第1の管部21は、略中空円筒形に形成され、水平ドレーン材4と結合される所定の結合箇所に孔開部25が複数形成されている。孔開部25は、例えば水平ドレーン材4の交差方向に形成されたスリット形状をなし、また、周囲に砂塵混入防止用のフィルタ26が巻回されている。また、第2の管部23は、略中空円筒形に形成され、第1の管部21より流入した間隙水を集水桝6へ流出させる排水口24が形成されている。分岐部22は、第1の管部21と第2の管部23とを連続させるものであり、所定間隔、例えば4〜5mおきに、複数設けられている。
【0033】
配管5は、改良地盤2に、第1の管部21の鉛直下方に第2の管部23が位置するように設置される。また、配管5は、図1に示すように、改良地盤2に一定方向に亘って略平行に配設された複数の水平ドレーン材4を横断するように設置され、水平ドレーン材4との交差部に設けた孔開部25を介して複数の水平ドレーン材4と第1の管部21とが連通される。また、配管5は、吸引管11を介して第1の管部21と真空ポンプ10とが連結され、第1の管部21を介して真空圧が水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3へ伝搬される。さらに、配管5は、第2の管部23が長手方向の略中間に設置されている集水桝6と連結される。
【0034】
このような配管5は、真空ポンプ10によって内部が減圧されることにより、各鉛直ドレーン材3によって負圧吸引された間隙水が水平ドレーン材4を介して第1の管部21へ流入するとともに、重力により所定間隔で設けられた分岐部22を介して第2の管部23へ落下する。これにより、配管5は、間隙水の流路と、真空圧の伝搬経路とを、全長に亘って分離することができる。
【0035】
[集水桝]
集水桝6は、第2の管部23に流れる間隙水を集水するものであり、例えば、図1に示すように、第2の管部23の長手方向の略中間位置且つ水平ドレーン材4間で、第2の管部23の下方に設置されている。集水桝6は、内部に水中ポンプ9が設けられ、第2の管部23を通して集水された間隙水を、排水管7を介して、改良地盤2外に設置されている排水タンク8に排水する。なお、集水桝は、配管5の長さに応じて、第2の管部23の長手方向の中間位置に1つ、又は等間隔で複数設けられる。
【0036】
[配管]
また、配管5は、第1の管部21、分岐部22及び第2の管部23を備えた一体成型品として形成しても良く、あるいは図7に示すように、第1の管材31及び第2の管材33を継手となる分岐管32によって接続することにより形成してもよい。第1の管材31及び第2の管材33は、例えば硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて成型された中空円筒形状を有する。
【0037】
また、分岐管32は、第1の管材31の端部が嵌合する一対の嵌合口を備えた第1の嵌合部34と、第2の管材33の端部が嵌合する一対の嵌合口を備えた第2の嵌合部35と、第1の嵌合部34及び第2の嵌合部35を連結する連結部36とを備え、全体を略H字状に形成されている。
【0038】
第1の管材31及び第2の管材33は、いずれも4m〜5mの長さを有し、分岐管32の第1の嵌合部34及び第2の嵌合部35の各嵌合口に4m〜5m間隔で嵌合する。このとき、第1の管材31及び第2の管材33は、真空圧を維持するように、各嵌合部34,35と気密に嵌合される。なお、配管5の端部を構成する分岐管32は、図8に示すように第2の管材33に一方の嵌合口のみを形成し、あるいは、一対の嵌合口の一方を塞ぐことにより、第2の管材の両端を閉塞する。
【0039】
また、分岐管32は、図9に示すように、第1の嵌合部34及び連結部36aを有する第1の分岐管と、第2の嵌合部35及び連結部36bを有する第2の分岐管との各連結部36a,36bを連結することにより形成するようにしてもよい。
【0040】
また、配管5は、図10に示すように、水平ドレーン材4との連結口37を備えたドレーン連結管38を用いてもよく、第1の管材31を分岐管32及びドレーン連結管38を介して連結してもよい。この場合、配管5は、例えば、分岐管32とドレーン連結管38を交互に介在させてもよく、複数の連結管38に対して一つの分岐管32の割合で介在させてもよい。
【0041】
連結口37は、中空円筒形状に形成されたドレーン連結管38の外周面より突設された、水平ドレーン材4の先端が気密に装着可能な中空平板形状の凸部である。連結口37は、水平ドレーン材4の先端が外面に被覆され、あるいは水平ドレーン材4の先端が中空内部に挿入されることにより連結され、適宜テープ等で補強される。また、連結口37は、水平ドレーン材4を引き込みやすくするために、先端が幅狭のテーパ状に形成してもよい。
【0042】
また、配管5は、図10に示すように、第2の管材33と集水桝6とを継手となる集水管30によって接続してもよい。集水管30は、第2の管材33の端部が嵌合する一対の嵌合口30aと、集水桝6と接続する接続口30bとが形成されている。
【0043】
さらに、配管5は、図11に示すように、第1の嵌合部34、第2の嵌合部35、連結部36を備えるとともに、第1の嵌合部34に水平ドレーン材4との連結口37が形成された分岐管39を用いてもよい。
【0044】
[施工]
このような改良装置1は、図1に示すように、改良地盤2に鉛直ドレーン材3を1〜2m間隔で打設する。鉛直ドレーン材3は、予め長尺に形成されるとともにリール状に巻き取った状態で改良地盤2に搬入され、公知の打ち込み装置を用いて鉛直に打設される。打設後は、鉛直ドレーン材3は、改良地盤2の地表より数十cmほど突出した状態で切断される。なお、打設後は、改良地盤2に形成された打設時の孔を埋め戻す。
【0045】
次いで、水平ドレーン材4を改良地盤2の地表に設置する。水平ドレーン材4は、ロール状に巻回されて現場に搬入される。水平ドレーン材4の巻回体は軽量であり、人力により転動させながら敷設していく。敷設後、地表から突出した鉛直ドレーン材3の先端を水平ドレーン材4の上に重ね、ステイプラーにより接続する。
【0046】
次いで、配管5及び集水桝6を改良地盤2の地表に設置する。配管5は、複数の水平ドレーン材4を横断するように設置され、第1の管部21は、孔開部25及びフィルタ26が設けられた接続箇所の各々にそれぞれ水平ドレーン材4が接続される。また、配管5は、分岐部22を介して第1の管部21の鉛直下側に第2の管部23が位置されるように設置される。
【0047】
集水桝6は、第2の管部23の長手方向の略中間位置に、改良地盤2を必要な深さまで掘削して配置する。また、集水桝6は、例えば一つの配管5に対して一つ設けられ、図1に示す例では、二つ設置されている。また、集水桝6は、水中ポンプ9が設置されるとともに、水中ポンプ9から排出される間隙水を排水タンク8へ送る排水管7と連結される。
【0048】
改良装置1が設置された後、改良地盤2は、密封シートで覆われる。そして、真空ポンプ10を稼働させると、吸引管11を介して配管5の第1の管部21(第1の管材31)、水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3の各内部が減圧され、所定の真空圧とされる。真空圧は、減圧領域となった鉛直ドレーン材3周りの地盤から、さらに外側周りの地盤へと伝播してゆき、この結果、鉛直ドレーン材3へと向かう地盤加圧(水圧、土圧)が発生する。この地盤加圧に従って、鉛直ドレーン材3周囲の地盤に含まれる間隙水は、鉛直ドレーン材3に向かって吸い出され、鉛直ドレーン材3、水平ドレーン材4及び配管5を排水経路として排水される。
【0049】
このとき、改良装置1は、水平ドレーン材4を介して間隙水が第1の管部21(第1の管材31)に流れ込み、当該第1の管部21(第1の管材31)内を間隙水が通過する過程で所定間隔で設けられた複数の分岐部22(分岐管32)により間隙水のみ第2の管部23(第2の管材33)に流れ落ちることによって、配管5内において排水経路と負圧経路とを分離する。
【0050】
このようにして、改良装置1は、上述した二重構造の配管5内において所定間隔で設けられた複数の分岐部22(分岐管32)により負圧経路と排水経路とを分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管5の全体に亘って分離され、配管5内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。したがって、改良装置1は、改良地盤2内の何れの箇所においても高真空圧を維持することができ、改良地盤2全体に亘って、均一に仕上げることができる。
【0051】
なお、改良装置1は、第2の管部23に流れ落ちた間隙水を集水桝6に溜め、水中ポンプ9により排水管7を介して、改良地盤2外に設置されている排水タンク8に排水している。
【0052】
[改良装置]
次いで、本発明が適用された他の軟弱地盤の改良装置について説明する。なお、上述した改良装置1と同じ構成については、同一の符号を付してその詳細を省略する。図12及び図13に示すように、この改良装置50は、改良地盤2中に所定の間隔をおいて設置された複数の鉛直ドレーン材3と、改良地盤2の上面で複数の鉛直ドレーン材3と接続される水平ドレーン材4と、複数の水平ドレーン材4と接続され、改良地盤2中の間隙水が集水される配管51と、改良地盤2に設置され、配管51の集水経路に接続された集水桝6と、集水桝6に集水された間隙水を、排水管7を介して改良地盤2外の排水タンク8へ排水する水中ポンプ9と、吸引管11を介して配管51に真空圧を負荷する真空ポンプ10とを備える。鉛直ドレーン材3、水平ドレーン材4、集水桝6、排水管7、排水タンク8、水中ポンプ9、真空ポンプ10、及び吸引管11は、上述した改良装置1と同じ構成であるので、詳細は省略する。
【0053】
改良装置50は、改良地盤2中に打設された鉛直ドレーン材3の地表面に突き出た余長部が水平ドレーン材4の上に接続される。そして、改良装置50は、水平ドレーン材4が、配管51の第1の管部52の鉛直下側に配設された第2の管部53に接続されるものである。
【0054】
[配管]
配管51は、第2の管部53が集水桝6と接続され、第1の管部52が吸引管11を介して真空ポンプ10と接続され、真空ポンプ10によって配管51内が減圧されることにより、水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3を介して吸い上げられた改良地盤2中の間隙水が第2の管部53に流入し、そのまま集水桝6へ排水する。
【0055】
改良装置50では、第1の管部52に真空ポンプ10が接続され、第1の管部52の鉛直下側に配設された第2の管部53に水平ドレーン材4が接続されることにより、間隙水が第2の管部53を流れ、空気が第1の管部52を流れる。すなわち、第1の管部52に間隙水と空気とが共に流れることがなく、改良域の端部から負圧経路と排水経路を分離でき、より効率的な改良を行うことができる。
【0056】
配管51は、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて形成されている。また、配管51は、図12及び図13に示すように、真空ポンプ10が接続される第1の管部52と、第1の管部52と分岐部54を介して連通し鉛直下側に設けられる第2の管部53とを有する。
【0057】
第2の管部53は、水平ドレーン材4が接続される連結口55と、水平ドレーン材4より流入した間隙水を集水桝6へ流出がさせる排水口56が形成されている。連結口55は、例えば、中空円筒形をなし、水平ドレーン材4の先端部に取り付けられた接続部材60の先端が気密に挿入されることにより水平ドレーン材4が連結される。
【0058】
ここで、図14及び図15を参照しながら、水平ドレーン材4の先端に取り付けられる接続部材60について説明する。接続部材60は、水平ドレーン材4を第2の管部53の連結口55に接続するための部材であり、ポリプロピレン樹脂等を用いて中空板状に成型されている。接続部材60は、水平ドレーン材4の先端が挿入する矩形状の挿入孔61と、連結口55に挿入する中空円筒形の嵌合凸部62が形成されている。
【0059】
そして、接続部材60は、挿入孔61に水平ドレーン材4が挿入された後、ステイプラーによって水平ドレーン材4の挿入端が接続される。これにより、接続部材60は、水平ドレーン材4の抜け止めを図ることができる。また、接続部材60は、水平ドレーン材4をステイプラーで接続した後、粘着テープで部材本体との境界を封止してもよい。これにより、接続部材60は、水平ドレーン材4との接続箇所を密封することができ、減圧時にも挿入孔61からの空気の流入出を防止することができる。
【0060】
水平ドレーン材4が接続された接続部材60は、第2の管部53に設けられた連結口55に嵌合凸部62が挿入されることにより、第2の管部53と気密に接続する。
【0061】
配管51の分岐部54は、第1の管部52と第2の管部53とを分岐させることにより負圧経路と排水経路とを分離させるものであり、所定間隔、例えば4〜5mおきに、複数設けられている。
【0062】
このような配管51は、改良地盤2に、第1の管部52の鉛直下方に第2の管部53が位置するように設置される。また、配管51は、図13に示すように、改良地盤2に一定方向に亘って略平行に配設された複数の水平ドレーン材4を横断するように設置され、水平ドレーン材4との交差部に設けた連結口55を介して複数の水平ドレーン材4と第2の管部53とが連通される。また、配管51は、吸引管11を介して第1の管部52と真空ポンプ10とが連結される。さらに、配管51は、第2の管部53が長手方向の略中間に設置されている集水桝6と連結される。
【0063】
真空ポンプ10が作動すると、配管51は、第1の管部52、分岐部54、第2の管部53を介して真空圧が水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3へ伝搬され、改良地盤2中の間隙水及び空気が負圧によって鉛直ドレーン材3内に吸い出される。配管51は、鉛直ドレーン材3及び水平ドレーン材4を介して第2の管部53内に流入した間隙水及び空気を、分岐部54で分岐させ、間隙水はそのまま第2の管部53を流れて集水桝6へ流入し、空気は第1の管部52を流れて真空ポンプ10によって排気される。これにより、改良装置50は、改良地盤2の圧密、強度増加を行うことができる。
【0064】
このとき、配管51は、上述した配管5と異なり、第2の管部53に水平ドレーン材4を接続させているため、吸い出した間隙水は第1の管部52を経ることなく集水桝6へ流れる。このため、配管51は、真空ポンプ10と接続されている第1の管部52内に間隙水及び空気が混在して流れることがなく、第1の管部52と接続されている真空ポンプ10のエネルギーをロスなく用いることができる。また、配管51は、上述した配管5と同様に、負圧経路と排水経路とが水平ドレーン材4の直後に分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管51の全体に亘って早期に分離され、配管51内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。
【0065】
[配管]
また、配管51は、第1の管部52、分岐部54及び連結口55が形成された第2の管部53を備えた一体成型品として形成しても良く、あるいは図14、図15に示すように、第1の管材65及び第2の管材66を継手となる分岐管67によって接続するとともに、第2の管材66にドレーン連結管71を接続することにより形成してもよい。
【0066】
第1の管材65は負圧経路を構成するものであり、第2の管材66は排水経路を構成するものであり、それぞれ、例えば硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて成型された中空円筒形状を有する。また、分岐管67は、第1の管材65の端部が嵌合することにより接続する一対の嵌合口を備えた第1の接続部68と、第2の管材66の端部が嵌合することにより接続する一対の嵌合口を備えた第2の接続部69と、第1の接続部68及び第2の接続部69を分岐させる分岐部70とを備え、例えば硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて全体を略H字状に成型されている。
【0067】
ドレーン連結管71は、第2の管材66が嵌合することにより接続する一対の接続口が長手方向の両端に設けられるとともに、水平ドレーン材4の先端に接続された接続部材60の嵌合凸部62が挿入される連結口72が外周面より突出して形成されている。連結口72は、接続部材60の嵌合凸部62が挿入されることにより、接続部材60と気密に接続される。
【0068】
なお、図14に示すように、配管51は、ドレーン連結管71を集水桝6と第2の管材66との接続に用いることもできる。この場合、ドレーン連結管71は、連結口72が、中空円筒状のパイプを介して、あるいは直接に、集水桝6に接続される。
【0069】
かかる配管51は、分岐管67を介して第2の管材66が第1の管材65の鉛直下側に設置される。そして、配管51は、真空ポンプ10が作動すると、第1の管材65、分岐管67、第2の管材66及びドレーン連結管71を介して真空圧が水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3へ伝搬され、改良地盤2中の間隙水及び空気が負圧によって鉛直ドレーン材3内に吸い出される。配管51は、鉛直ドレーン材3、水平ドレーン材4及びドレーン連結管71を介して第2の管部53内に流入した間隙水及び空気を、分岐管67で分岐させ、間隙水はそのまま第2の管材66を流れて集水桝6へ流入し、空気は第1の管材65を流れて真空ポンプ10によって排気される。これにより、改良装置50は、改良地盤2の圧密、強度増加を行うことができる。
【0070】
このときも、配管51は、真空ポンプ10と接続されている第1の管材65内に間隙水及び空気が混在して流れることがなく、第1の管材65と接続されている真空ポンプ10のエネルギーをロスなく用いることができる。また、配管51は、負圧経路と排水経路とが水平ドレーン材4の直後に分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管51の全体に亘って早期に分離され、配管51内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。
【0071】
[配管]
また、図16に示すように、配管51は、第1の管材65が嵌合することにより接続する第1の接続部75、第2の管材66及び水平ドレーン材4が嵌合することにより接続する第2の接続部76、第1の接続部75と第2の接続部76とを分岐させる分岐部77とを有する分岐管74を用いてもよい。分岐管74は、中空円筒形状の第1の接続部75及び第2の接続部76を中空円筒形状の分岐部77によって平行に連結する。
【0072】
第1の接続部75は、長手方向の両端に第1の管材65の端部が嵌合することにより接続する一対の嵌合口が開口されている。また、第1の接続部75は、長手方向の中間部に分岐部77の一端が形成されている。
【0073】
第2の接続部76は、長手方向の両端に第2の管材66の端部が嵌合することにより接続する一対の嵌合口が開口されている。また、第2の接続部76は、長手方向の中間部に、分岐部77の他端が形成されている。さらに、第2の接続部76は、長手方向の中間部に、水平ドレーン材4の先端に接続された接続部材60の嵌合凸部62が挿入される連結口78が外周面より突出して形成されている。連結口78は、接続部材60の嵌合凸部62が挿入されることにより、接続部材60と気密に接続される。
【0074】
かかる配管51は、改良地盤2中に、分岐管74を介して第2の管材66が第1の管材65の鉛直下側となるように設置される。そして、配管51は、真空ポンプ10が作動すると、第1の管材65、分岐管74を介して真空圧が水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3へ伝搬され、改良地盤2中の間隙水及び空気が負圧によって鉛直ドレーン材3内に吸い出される。配管51は、鉛直ドレーン材3、水平ドレーン材4を介して分岐管74内に流入した間隙水及び空気を、分岐部77で分岐させ、間隙水はそのまま第2の管材66を流れて集水桝6へ流入し、空気は第1の管材65を流れて真空ポンプ10によって排気される。これにより、改良装置50は、改良地盤2の圧密、強度増加を行うことができる。
【0075】
このときも、配管51は、真空ポンプ10と接続されている第1の管材65内に間隙水及び空気が混在して流れることがなく、第1の管材65と接続されている真空ポンプ10のエネルギーをロスなく用いることができる。また、分岐管77は、負圧経路と排水経路とが水平ドレーン材4の直後に分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管51の全体に亘って早期に分離され、配管51内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。
【0076】
[その他]
上述した改良装置1,50は、改良地盤2を圧密させるために、上述した改良地盤2上を密封シートで覆う工法の他、密封シートを用いることなく、鉛直ドレーン材3の地表面に臨む先端から地中にかけて不透気部を形成するとともに、水平ドレーン材4を用いることなく直接鉛直ドレーン材3を配管51の連結口55,72や分岐管74の連結口78に繋いでもよい。
【0077】
密封シートを用いない工法においては、鉛直ドレーン材3の先端部に塩化ビニルなどのホースを被着することなどにより、地表面に臨む先端から地中にかけて不透気部を形成する。ホースと鉛直ドレーン材3の先端部とは、ステイプラーや粘着テープ等で固定される。これにより、改良装置1,50は、鉛直ドレーン材3の地表から地下数十〜数百cmに至る箇所が不透水性材料によって覆われることにより、改良地盤2を密封シートで覆うことなく、真空圧密による地盤改良工事を行うことができる。
【0078】
また、このとき、改良装置1,50は、鉛直ドレーン材3の先端に接続部材60が接続され、この接続部材60を介して鉛直ドレーン材3が直接配管51の連結口55,72や分岐管74の連結口78に繋がれる。鉛直ドレーン材3は、接続部材60の挿入孔61に先端が挿入された後、接続部材60と鉛直ドレーン材3とに亘って上述した不透気性のホースを被着させてもよい。これにより、鉛直ドレーン材3は、接続部材60との接続箇所を密封することができ、減圧時にも挿入孔61からの空気の流入を防止することができる。
【0079】
なお、接続部材60は、ホースが被着される部材本体の外面に予め接着剤を塗布しておくことにより、気密性を向上させるとともに、鉛直ドレーン材3の抜け止めを図るようにしてもよい。また、接続部材60は、鉛直ドレーン材3を挿入した後、ステイプラーによって部材本体と鉛直ドレーン材3とを接続してもよい。さらに、接続部材60は、鉛直ドレーン材3を挿入した後、適宜、ステイプラーによる接続、ホースの被着を行った後、粘着テープで部材本体との境界を封止してもよい。これにより、接続部材60は、鉛直ドレーン材3を密着させることができるとともに抜け止めも図ることができる。
【0080】
その他、上述した改良装置1,50は、上述した工法以外にも、真空ポンプで鉛直ドレーン材3を負圧吸引することにより改良地盤2中の間隙水や空気を吸い出す各種工法に用いることができる。
【符号の説明】
【0081】
1 改良装置、2 改良地盤、3 鉛直ドレーン材、4 水平ドレーン材、5 配管、6 集水桝、7 排水管、8 排水タンク、9 水中ポンプ、10 真空ポンプ、21 第1の管部、22 分岐部、23 第2の管部、24 排水口、31 第1の管材、32 分岐管、33 第2の管材、34 第1の嵌合部、35 第2の嵌合部、36 連結部、50 改良装置、51 配管、52 第1の管部、53 第2の管部、54 分岐部、55 連結口、60 接続部材、61 挿入孔、62 嵌合凸部、65 第1の管材、66 第2の管材、67 分岐管、68 第1の接続部、69 第2の接続部、70 分岐部、71 ドレーン連結管、72 連結口、74 分岐管、75 第1の接続部、76 第2の接続部、77 分岐部
【技術分野】
【0001】
本発明は、泥土による埋め立て地等の軟弱地盤を圧密するための真空圧密による軟弱地盤改良工法に用いる改良装置及び分岐管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟弱地盤の改良装置としては、改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した鉛直ドレーン材を通じて改良地盤中に真空圧を負荷することで、改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出すようにしたものがある。
【0003】
図17に示す改良装置は、改良地盤A中に所定の間隔をおいて設置した鉛直ドレーン材40と、この各鉛直ドレーン材40の上端部と接続されるように配置された水平ドレーン材41と、この水平ドレーン材41に接続した集水管42と、改良地盤A上面を前記鉛直ドレーン材40、水平ドレーン材41及び集水管42とともに被覆する密封シート44と、前記集水管42に真空タンク45を介して接続する真空ポンプ46とを有するものである。
【0004】
図17に示す装置を用いた改良工法では、真空ポンプ46を稼働させ、この真空ポンプ46からの真空圧で真空タンク45内が所定の減圧度に達すると、減圧逆止弁(図示しない)が開き、これに接続する集水管42が減圧される。次いで、この集水管42に接続する水平ドレーン材41に真空圧が伝播し水平ドレーン材41が減圧される。さらにこの水平ドレーン材41に上端部が接続する鉛直ドレーン材40に真空圧が伝播し、鉛直ドレーン材40内を所定の真空圧(例えば、0.4気圧以下)とする。
さらに鉛直ドレーン材40内の真空圧は、鉛直ドレーン材40周囲の地盤Aへと伝播し、鉛直ドレーン材40を中心にその周囲の地盤を減圧状態の領域(以下、減圧領域という)とする。
【0005】
真空圧は、減圧領域となった鉛直ドレーン材40周りの地盤から、さらに外側周りの地盤へと伝播してゆき、この結果、鉛直ドレーン材40へと向かう地盤加圧(水圧、土圧)が発生する。
【0006】
この地盤加圧に従って、鉛直ドレーン材40周囲の地盤に含まれる間隙水は鉛直ドレーン材40に向かって吸い出され、鉛直ドレーン材40、水平ドレーン材41及び集水管42を排水経路として排水され、これに伴って鉛直ドレーン材40周囲の地盤のさらに外側周りの地盤も減圧領域となる。
【0007】
こうして、鉛直ドレーン材40を中心にしてその周囲の地盤に減圧領域が広がり、やがて改良地盤A全域が減圧領域となり、同時に鉛直ドレーン材40を中心にして圧密、強度増加が進行し、改良地盤A全域の圧密、強度増加が行われることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3656217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来の改良装置にあっては、真空ポンプ46からの真空圧の伝播経路である、真空ポンプ46、真空タンク45、集水管42、水平ドレーン材41及び鉛直ドレーン材40が、そのまま改良地盤から吸い出された間隙水の排水経路となっている。
【0010】
このため、この改良装置によれば、真空圧を負荷した当初、集水管42内には、鉛直ドレーン材40及び水平ドレーン材41を通じて改良地盤Aからの間隙水が改良地盤A中の空気とともに一気に大量に流れ込んで該集水管42内を満たし、集水管内に水と空気が混在することで真空ポンプ46からの真空圧が鉛直ドレーン材40へ伝わらないか、あるいは伝わりにくくなってしまい、改良効率を著しく阻害していた。
【0011】
このような問題に対して、集水管42の集水経路上に、気水分離用の排水タンクを設けた軟弱地盤の改良装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の改良装置では、鉛直ドレーン材40及び水平ドレーン材41を介して集水された間隙水の経路と真空圧の伝搬経路とが集水管42内で同一であったものが、重力にしたがって間隙水が排水タンクに流れ込むことによって分離される。そして、この改良装置は、排水タンクで集水した間隙水を、ポンプによって改良地盤外へ排出する。
【0012】
このように、改良装置は、集水管42において同一であった間隙水の集水経路と真空圧の伝搬経路とを排水タンクによって分離しているため、排水タンクの設置位置までは、間隙水の集水経路と真空圧の伝搬経路は同一となる。
【0013】
一方、1本の集水管に対して排水タンクを多数設置すると、その分、排水タンク内の間隙水を排出する水中ポンプも多数用意する必要が生じ、また、排水タンクの設置や撤去のための工数が増加してしまう。また、複数の水平ドレーン材41によってある程度間隙水が集まったところで排水タンクへ流水させることが効率的であることから、排水タンクの設置位置は、集水管42の端部ではなく、改良域の中央部が望ましい。
【0014】
すなわち、排水タンクを用いて間隙水の集水経路と真空圧の伝搬経路とを分離するこの種の改良装置を実際に施工しようとすると、排水タンクは集水管42の末端に設置する方法は現実的ではない。しかし、これでは、集水管42の末端位置では、間隙水の集水経路と真空圧の伝搬経路とが分離されず、当該位置に接続された水平ドレーン材41及び鉛直ドレーン材40まで真空圧が伝達されにくくなり、均一な改良地盤成形の目的に反する。
【0015】
そこで、本発明は、集水管の末端のドレーンまで真空圧を確実に伝えることにより、満遍なく間隙水を排水することができる軟弱地盤の改良装置及び分岐管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するために、本発明にかかる軟弱地盤の改良装置は、改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、上記配管は、上記真空ポンプが接続された第1の管部と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部を介して上記第1の管部と連通し、上記第1の管部の鉛直下方向に配置された第2の管部とを有し、上記第2の管部が上記鉛直ドレーン材及び上記集水桝と連通しているものである。
【0017】
また、本発明にかかる軟弱地盤の改良装置は、改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、複数の分岐管と、複数のドレーン連結管とを備え、上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続される第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有し、上記ドレーン連結管は、一対の上記第2の管材が接続される接続口と、上記鉛直ドレーン材と繋がる連結口とを有し、上記第1の管材は、上記真空ポンプが接続され、上記第2の管材は、上記集水桝と連通するとともに、上記分岐管を介して上記第1の管材の鉛直下方向に配置されているものである。
【0018】
また、本発明にかかる軟弱地盤の改良装置は、改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、上記第1の管材及び上記第2の管材が接続されるとともに上記鉛直ドレーン材と繋がる分岐管とを備え、上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続されるとともに上記鉛直ドレーン材と繋がる第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有し、上記第1の管材は、上記真空ポンプが接続され、上記第2の管材は、上記集水桝と連通するとともに、上記分岐管を介して上記第1の管材の鉛直下方向に配置されているものである。
【0019】
また、本発明にかかる分岐管は、改良地盤中に埋設された鉛直ドレーン材を介して上記軟弱地盤中に真空圧を負荷する真空ポンプと接続された第1の管材が接続される第1の接続部と、上記鉛直ドレーン材と繋がるとともに、上記第1の管材の鉛直下方向に配置されて上記鉛直ドレーン材を介して集水された上記軟弱地盤中の間隙水を集水する集水桝と接続された第2の管材が接続される第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有するものである。
【0020】
また、本発明にかかる軟弱地盤の改良装置は、改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、上記改良地盤上面で、上記鉛直ドレーン材と接続される水平ドレーン材と、上記鉛直ドレーン材と上記水平ドレーン材を介して繋がる配管と、上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、上記配管は、第1の管部と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部を介して上記第1の管部と連通し、上記第1の管部の鉛直下方向に配置された第2の管部とを有し、上記第1の管部が上記水平ドレーン材と連通し、上記第2の管部が上記集水桝と連通しているものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、二重構造の配管内において所定間隔で設けられた複数の分岐部により負圧経路と排水経路とを分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管の全体に亘って分離され、配管内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。したがって、本発明は、改良地盤内の何れの箇所においても高真空圧を維持することができ、改良地盤全体に亘って、均一に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】軟弱地盤の改良装置が施工された改良地盤を示す平面図である。
【図2】軟弱地盤に設置された鉛直ドレーン材及び水平ドレーン材を示す図である。
【図3】軟弱地盤の改良装置を示す模式図である。
【図4】改良地盤に設置された改良装置を示す斜視図である。
【図5】水平ドレーン材と配管との結合箇所を示す斜視図である。
【図6】鉛直ドレーン材を示す断面図である。
【図7】第1、第2の管材を分岐管で連結して構成される配管を示す分解斜視図である。
【図8】第1、第2の管材を分岐管で連結して構成される配管を示す分解斜視図である。
【図9】他の分岐管構成を示す図である。
【図10】他の配管構成を示す図である。
【図11】他の分岐管を示す斜視図である。
【図12】他の軟弱地盤の改良装置を示す模式図である。
【図13】改良地盤に設置された他の改良装置を示す斜視図である。
【図14】改良地盤に設置された他の改良装置を示す斜視図である。
【図15】接続部材が接続されるドレーン連結管を示す分解斜視図である。
【図16】接続部材が接続される分岐管を示す分解斜視図である。
【図17】従来の軟弱地盤の改良装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明が適用された軟弱地盤の改良装置について図面を参照しながら詳細に説明する。この軟弱地盤の改良装置1は、湖沼周囲の埋立造成区域や、泥土による埋立地等の軟弱地盤中に真空圧を負荷することにより、改良地盤の周辺部と隔離された減圧領域を作り出す軟弱地盤の改良装置である。
【0024】
[全体構成]
図1〜図4に示す改良装置1は、改良地盤2上を密封シート(図17参照)で被覆するとともに改良地盤2中に真空圧を負荷することで、改良地盤2中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置である。この改良装置1は、改良地盤2中に所定の間隔をおいて設置された複数の鉛直ドレーン材3と、改良地盤2の上面で複数の鉛直ドレーン材3と接続される水平ドレーン材4と、複数の水平ドレーン材4と接続され、改良地盤2中の間隙水が集水される配管5と、改良地盤2に設置され、配管5の集水経路に接続された集水桝6と、集水桝6に集水された間隙水を、排水管7を介して改良地盤2外の排水タンク8へ排水する水中ポンプ9と、吸引管11を介して配管5に真空圧を負荷する真空ポンプ10とを備える。
【0025】
そして、改良装置1は、図2に示すように、改良地盤2中に所定間隔で鉛直ドレーン材3を打設し、地表面に突き出た鉛直ドレーン材3の余長部が水平ドレーン材4の上に重ねられ、ステイプラーにより接続される。水平ドレーン材4は、略直交する方向に配設された配管5上に配置され、その交差部において配管5に接続される。
【0026】
配管5は、集水桝6と接続されるとともに、吸引管11を介して真空ポンプ10が接続され、真空ポンプ10によって配管5内が減圧されることにより、水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3を介して吸い上げられた改良地盤2中の間隙水が流入し、集水桝6へ排水する。
【0027】
[鉛直ドレーン]
鉛直ドレーン材3は、図6に示すように、改良地盤2中の間隙水が通水する芯材12と、芯材12の周囲に設けられ改良地盤2中の間隙水が透過するフィルタ13とを有する。芯材12は、長尺体の両面に長手方向に亘る隔壁が幅方向に複数立設されることにより、長手方向に改良地盤2内の水分の通水路となる溝12aが複数形成されている。この芯材12は、運搬等の利便性を考慮してある程度の可撓性を有するとともに、改良地盤2への打設後においても十分な通水路を確保するための形状保持性を有する材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて形成される。また、芯材12は、例えば生分解性の樹脂材料で形成することにより、改良地盤2中に残置した場合にも環境負荷を低減させることができる。
【0028】
芯材12の周囲を覆うフィルタ13は、透水性を有する材料、例えばポリエステル製の不織布から形成されている。フィルタ13は、芯材12の周囲に巻回され、熱溶着等によって接着されることにより芯材12の周囲を覆う。また、フィルタも、芯材同様に、例えば生分解性の不織布で形成することにより、環境負荷を低減させることができる。
【0029】
鉛直ドレーン材3は、予め製造工場において、前述のように芯材12をフィルタ13で覆うことにより製造されるとともに、ロール状に巻回された後、施工現場となる改良地盤2に搬入され、改良地盤2に所定間隔で打設される。次いで、鉛直ドレーン材3は、地表に突出されている余長部を水平ドレーン材4の上に重ねて接続される。
【0030】
[水平ドレーン]
水平ドレーン材4は、鉛直ドレーン材3と同様に、芯材と、芯材を覆うフィルタとを有し、長尺状に形成されている。芯材は、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いてエンボス加工により形成され、フィルタは、ポリエステル系不織布から形成されている。また、水平ドレーン材4は、芯材、フィルタともに、例えば生分解性材料により形成することにより、環境負荷を低減させることができる。かかる水平ドレーン材4は、地盤変形への追従性及び通水性能に優れ、かつ軽量で作業効率もよい。また、水平ドレーン材4は、配管5と接続され、配管5を介して真空圧が伝搬されるとともに、鉛直ドレーン材3が吸引した改良地盤2中の間隙水を配管5へ流す。
【0031】
[配管]
複数の水平ドレーン材4と接続される配管5は、図3に示すように、第1の管部21と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部22を介して第1の管部21と連通し、第1の管部21の鉛直下方向に配置された第2の管部23とを有し、第1の管部21が水平ドレーン材4と連通し、第2の管部23が後述する集水桝6と連通している。
【0032】
配管5は、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて形成されている。図5に示すように、第1の管部21は、略中空円筒形に形成され、水平ドレーン材4と結合される所定の結合箇所に孔開部25が複数形成されている。孔開部25は、例えば水平ドレーン材4の交差方向に形成されたスリット形状をなし、また、周囲に砂塵混入防止用のフィルタ26が巻回されている。また、第2の管部23は、略中空円筒形に形成され、第1の管部21より流入した間隙水を集水桝6へ流出させる排水口24が形成されている。分岐部22は、第1の管部21と第2の管部23とを連続させるものであり、所定間隔、例えば4〜5mおきに、複数設けられている。
【0033】
配管5は、改良地盤2に、第1の管部21の鉛直下方に第2の管部23が位置するように設置される。また、配管5は、図1に示すように、改良地盤2に一定方向に亘って略平行に配設された複数の水平ドレーン材4を横断するように設置され、水平ドレーン材4との交差部に設けた孔開部25を介して複数の水平ドレーン材4と第1の管部21とが連通される。また、配管5は、吸引管11を介して第1の管部21と真空ポンプ10とが連結され、第1の管部21を介して真空圧が水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3へ伝搬される。さらに、配管5は、第2の管部23が長手方向の略中間に設置されている集水桝6と連結される。
【0034】
このような配管5は、真空ポンプ10によって内部が減圧されることにより、各鉛直ドレーン材3によって負圧吸引された間隙水が水平ドレーン材4を介して第1の管部21へ流入するとともに、重力により所定間隔で設けられた分岐部22を介して第2の管部23へ落下する。これにより、配管5は、間隙水の流路と、真空圧の伝搬経路とを、全長に亘って分離することができる。
【0035】
[集水桝]
集水桝6は、第2の管部23に流れる間隙水を集水するものであり、例えば、図1に示すように、第2の管部23の長手方向の略中間位置且つ水平ドレーン材4間で、第2の管部23の下方に設置されている。集水桝6は、内部に水中ポンプ9が設けられ、第2の管部23を通して集水された間隙水を、排水管7を介して、改良地盤2外に設置されている排水タンク8に排水する。なお、集水桝は、配管5の長さに応じて、第2の管部23の長手方向の中間位置に1つ、又は等間隔で複数設けられる。
【0036】
[配管]
また、配管5は、第1の管部21、分岐部22及び第2の管部23を備えた一体成型品として形成しても良く、あるいは図7に示すように、第1の管材31及び第2の管材33を継手となる分岐管32によって接続することにより形成してもよい。第1の管材31及び第2の管材33は、例えば硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて成型された中空円筒形状を有する。
【0037】
また、分岐管32は、第1の管材31の端部が嵌合する一対の嵌合口を備えた第1の嵌合部34と、第2の管材33の端部が嵌合する一対の嵌合口を備えた第2の嵌合部35と、第1の嵌合部34及び第2の嵌合部35を連結する連結部36とを備え、全体を略H字状に形成されている。
【0038】
第1の管材31及び第2の管材33は、いずれも4m〜5mの長さを有し、分岐管32の第1の嵌合部34及び第2の嵌合部35の各嵌合口に4m〜5m間隔で嵌合する。このとき、第1の管材31及び第2の管材33は、真空圧を維持するように、各嵌合部34,35と気密に嵌合される。なお、配管5の端部を構成する分岐管32は、図8に示すように第2の管材33に一方の嵌合口のみを形成し、あるいは、一対の嵌合口の一方を塞ぐことにより、第2の管材の両端を閉塞する。
【0039】
また、分岐管32は、図9に示すように、第1の嵌合部34及び連結部36aを有する第1の分岐管と、第2の嵌合部35及び連結部36bを有する第2の分岐管との各連結部36a,36bを連結することにより形成するようにしてもよい。
【0040】
また、配管5は、図10に示すように、水平ドレーン材4との連結口37を備えたドレーン連結管38を用いてもよく、第1の管材31を分岐管32及びドレーン連結管38を介して連結してもよい。この場合、配管5は、例えば、分岐管32とドレーン連結管38を交互に介在させてもよく、複数の連結管38に対して一つの分岐管32の割合で介在させてもよい。
【0041】
連結口37は、中空円筒形状に形成されたドレーン連結管38の外周面より突設された、水平ドレーン材4の先端が気密に装着可能な中空平板形状の凸部である。連結口37は、水平ドレーン材4の先端が外面に被覆され、あるいは水平ドレーン材4の先端が中空内部に挿入されることにより連結され、適宜テープ等で補強される。また、連結口37は、水平ドレーン材4を引き込みやすくするために、先端が幅狭のテーパ状に形成してもよい。
【0042】
また、配管5は、図10に示すように、第2の管材33と集水桝6とを継手となる集水管30によって接続してもよい。集水管30は、第2の管材33の端部が嵌合する一対の嵌合口30aと、集水桝6と接続する接続口30bとが形成されている。
【0043】
さらに、配管5は、図11に示すように、第1の嵌合部34、第2の嵌合部35、連結部36を備えるとともに、第1の嵌合部34に水平ドレーン材4との連結口37が形成された分岐管39を用いてもよい。
【0044】
[施工]
このような改良装置1は、図1に示すように、改良地盤2に鉛直ドレーン材3を1〜2m間隔で打設する。鉛直ドレーン材3は、予め長尺に形成されるとともにリール状に巻き取った状態で改良地盤2に搬入され、公知の打ち込み装置を用いて鉛直に打設される。打設後は、鉛直ドレーン材3は、改良地盤2の地表より数十cmほど突出した状態で切断される。なお、打設後は、改良地盤2に形成された打設時の孔を埋め戻す。
【0045】
次いで、水平ドレーン材4を改良地盤2の地表に設置する。水平ドレーン材4は、ロール状に巻回されて現場に搬入される。水平ドレーン材4の巻回体は軽量であり、人力により転動させながら敷設していく。敷設後、地表から突出した鉛直ドレーン材3の先端を水平ドレーン材4の上に重ね、ステイプラーにより接続する。
【0046】
次いで、配管5及び集水桝6を改良地盤2の地表に設置する。配管5は、複数の水平ドレーン材4を横断するように設置され、第1の管部21は、孔開部25及びフィルタ26が設けられた接続箇所の各々にそれぞれ水平ドレーン材4が接続される。また、配管5は、分岐部22を介して第1の管部21の鉛直下側に第2の管部23が位置されるように設置される。
【0047】
集水桝6は、第2の管部23の長手方向の略中間位置に、改良地盤2を必要な深さまで掘削して配置する。また、集水桝6は、例えば一つの配管5に対して一つ設けられ、図1に示す例では、二つ設置されている。また、集水桝6は、水中ポンプ9が設置されるとともに、水中ポンプ9から排出される間隙水を排水タンク8へ送る排水管7と連結される。
【0048】
改良装置1が設置された後、改良地盤2は、密封シートで覆われる。そして、真空ポンプ10を稼働させると、吸引管11を介して配管5の第1の管部21(第1の管材31)、水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3の各内部が減圧され、所定の真空圧とされる。真空圧は、減圧領域となった鉛直ドレーン材3周りの地盤から、さらに外側周りの地盤へと伝播してゆき、この結果、鉛直ドレーン材3へと向かう地盤加圧(水圧、土圧)が発生する。この地盤加圧に従って、鉛直ドレーン材3周囲の地盤に含まれる間隙水は、鉛直ドレーン材3に向かって吸い出され、鉛直ドレーン材3、水平ドレーン材4及び配管5を排水経路として排水される。
【0049】
このとき、改良装置1は、水平ドレーン材4を介して間隙水が第1の管部21(第1の管材31)に流れ込み、当該第1の管部21(第1の管材31)内を間隙水が通過する過程で所定間隔で設けられた複数の分岐部22(分岐管32)により間隙水のみ第2の管部23(第2の管材33)に流れ落ちることによって、配管5内において排水経路と負圧経路とを分離する。
【0050】
このようにして、改良装置1は、上述した二重構造の配管5内において所定間隔で設けられた複数の分岐部22(分岐管32)により負圧経路と排水経路とを分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管5の全体に亘って分離され、配管5内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。したがって、改良装置1は、改良地盤2内の何れの箇所においても高真空圧を維持することができ、改良地盤2全体に亘って、均一に仕上げることができる。
【0051】
なお、改良装置1は、第2の管部23に流れ落ちた間隙水を集水桝6に溜め、水中ポンプ9により排水管7を介して、改良地盤2外に設置されている排水タンク8に排水している。
【0052】
[改良装置]
次いで、本発明が適用された他の軟弱地盤の改良装置について説明する。なお、上述した改良装置1と同じ構成については、同一の符号を付してその詳細を省略する。図12及び図13に示すように、この改良装置50は、改良地盤2中に所定の間隔をおいて設置された複数の鉛直ドレーン材3と、改良地盤2の上面で複数の鉛直ドレーン材3と接続される水平ドレーン材4と、複数の水平ドレーン材4と接続され、改良地盤2中の間隙水が集水される配管51と、改良地盤2に設置され、配管51の集水経路に接続された集水桝6と、集水桝6に集水された間隙水を、排水管7を介して改良地盤2外の排水タンク8へ排水する水中ポンプ9と、吸引管11を介して配管51に真空圧を負荷する真空ポンプ10とを備える。鉛直ドレーン材3、水平ドレーン材4、集水桝6、排水管7、排水タンク8、水中ポンプ9、真空ポンプ10、及び吸引管11は、上述した改良装置1と同じ構成であるので、詳細は省略する。
【0053】
改良装置50は、改良地盤2中に打設された鉛直ドレーン材3の地表面に突き出た余長部が水平ドレーン材4の上に接続される。そして、改良装置50は、水平ドレーン材4が、配管51の第1の管部52の鉛直下側に配設された第2の管部53に接続されるものである。
【0054】
[配管]
配管51は、第2の管部53が集水桝6と接続され、第1の管部52が吸引管11を介して真空ポンプ10と接続され、真空ポンプ10によって配管51内が減圧されることにより、水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3を介して吸い上げられた改良地盤2中の間隙水が第2の管部53に流入し、そのまま集水桝6へ排水する。
【0055】
改良装置50では、第1の管部52に真空ポンプ10が接続され、第1の管部52の鉛直下側に配設された第2の管部53に水平ドレーン材4が接続されることにより、間隙水が第2の管部53を流れ、空気が第1の管部52を流れる。すなわち、第1の管部52に間隙水と空気とが共に流れることがなく、改良域の端部から負圧経路と排水経路を分離でき、より効率的な改良を行うことができる。
【0056】
配管51は、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて形成されている。また、配管51は、図12及び図13に示すように、真空ポンプ10が接続される第1の管部52と、第1の管部52と分岐部54を介して連通し鉛直下側に設けられる第2の管部53とを有する。
【0057】
第2の管部53は、水平ドレーン材4が接続される連結口55と、水平ドレーン材4より流入した間隙水を集水桝6へ流出がさせる排水口56が形成されている。連結口55は、例えば、中空円筒形をなし、水平ドレーン材4の先端部に取り付けられた接続部材60の先端が気密に挿入されることにより水平ドレーン材4が連結される。
【0058】
ここで、図14及び図15を参照しながら、水平ドレーン材4の先端に取り付けられる接続部材60について説明する。接続部材60は、水平ドレーン材4を第2の管部53の連結口55に接続するための部材であり、ポリプロピレン樹脂等を用いて中空板状に成型されている。接続部材60は、水平ドレーン材4の先端が挿入する矩形状の挿入孔61と、連結口55に挿入する中空円筒形の嵌合凸部62が形成されている。
【0059】
そして、接続部材60は、挿入孔61に水平ドレーン材4が挿入された後、ステイプラーによって水平ドレーン材4の挿入端が接続される。これにより、接続部材60は、水平ドレーン材4の抜け止めを図ることができる。また、接続部材60は、水平ドレーン材4をステイプラーで接続した後、粘着テープで部材本体との境界を封止してもよい。これにより、接続部材60は、水平ドレーン材4との接続箇所を密封することができ、減圧時にも挿入孔61からの空気の流入出を防止することができる。
【0060】
水平ドレーン材4が接続された接続部材60は、第2の管部53に設けられた連結口55に嵌合凸部62が挿入されることにより、第2の管部53と気密に接続する。
【0061】
配管51の分岐部54は、第1の管部52と第2の管部53とを分岐させることにより負圧経路と排水経路とを分離させるものであり、所定間隔、例えば4〜5mおきに、複数設けられている。
【0062】
このような配管51は、改良地盤2に、第1の管部52の鉛直下方に第2の管部53が位置するように設置される。また、配管51は、図13に示すように、改良地盤2に一定方向に亘って略平行に配設された複数の水平ドレーン材4を横断するように設置され、水平ドレーン材4との交差部に設けた連結口55を介して複数の水平ドレーン材4と第2の管部53とが連通される。また、配管51は、吸引管11を介して第1の管部52と真空ポンプ10とが連結される。さらに、配管51は、第2の管部53が長手方向の略中間に設置されている集水桝6と連結される。
【0063】
真空ポンプ10が作動すると、配管51は、第1の管部52、分岐部54、第2の管部53を介して真空圧が水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3へ伝搬され、改良地盤2中の間隙水及び空気が負圧によって鉛直ドレーン材3内に吸い出される。配管51は、鉛直ドレーン材3及び水平ドレーン材4を介して第2の管部53内に流入した間隙水及び空気を、分岐部54で分岐させ、間隙水はそのまま第2の管部53を流れて集水桝6へ流入し、空気は第1の管部52を流れて真空ポンプ10によって排気される。これにより、改良装置50は、改良地盤2の圧密、強度増加を行うことができる。
【0064】
このとき、配管51は、上述した配管5と異なり、第2の管部53に水平ドレーン材4を接続させているため、吸い出した間隙水は第1の管部52を経ることなく集水桝6へ流れる。このため、配管51は、真空ポンプ10と接続されている第1の管部52内に間隙水及び空気が混在して流れることがなく、第1の管部52と接続されている真空ポンプ10のエネルギーをロスなく用いることができる。また、配管51は、上述した配管5と同様に、負圧経路と排水経路とが水平ドレーン材4の直後に分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管51の全体に亘って早期に分離され、配管51内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。
【0065】
[配管]
また、配管51は、第1の管部52、分岐部54及び連結口55が形成された第2の管部53を備えた一体成型品として形成しても良く、あるいは図14、図15に示すように、第1の管材65及び第2の管材66を継手となる分岐管67によって接続するとともに、第2の管材66にドレーン連結管71を接続することにより形成してもよい。
【0066】
第1の管材65は負圧経路を構成するものであり、第2の管材66は排水経路を構成するものであり、それぞれ、例えば硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて成型された中空円筒形状を有する。また、分岐管67は、第1の管材65の端部が嵌合することにより接続する一対の嵌合口を備えた第1の接続部68と、第2の管材66の端部が嵌合することにより接続する一対の嵌合口を備えた第2の接続部69と、第1の接続部68及び第2の接続部69を分岐させる分岐部70とを備え、例えば硬質塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて全体を略H字状に成型されている。
【0067】
ドレーン連結管71は、第2の管材66が嵌合することにより接続する一対の接続口が長手方向の両端に設けられるとともに、水平ドレーン材4の先端に接続された接続部材60の嵌合凸部62が挿入される連結口72が外周面より突出して形成されている。連結口72は、接続部材60の嵌合凸部62が挿入されることにより、接続部材60と気密に接続される。
【0068】
なお、図14に示すように、配管51は、ドレーン連結管71を集水桝6と第2の管材66との接続に用いることもできる。この場合、ドレーン連結管71は、連結口72が、中空円筒状のパイプを介して、あるいは直接に、集水桝6に接続される。
【0069】
かかる配管51は、分岐管67を介して第2の管材66が第1の管材65の鉛直下側に設置される。そして、配管51は、真空ポンプ10が作動すると、第1の管材65、分岐管67、第2の管材66及びドレーン連結管71を介して真空圧が水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3へ伝搬され、改良地盤2中の間隙水及び空気が負圧によって鉛直ドレーン材3内に吸い出される。配管51は、鉛直ドレーン材3、水平ドレーン材4及びドレーン連結管71を介して第2の管部53内に流入した間隙水及び空気を、分岐管67で分岐させ、間隙水はそのまま第2の管材66を流れて集水桝6へ流入し、空気は第1の管材65を流れて真空ポンプ10によって排気される。これにより、改良装置50は、改良地盤2の圧密、強度増加を行うことができる。
【0070】
このときも、配管51は、真空ポンプ10と接続されている第1の管材65内に間隙水及び空気が混在して流れることがなく、第1の管材65と接続されている真空ポンプ10のエネルギーをロスなく用いることができる。また、配管51は、負圧経路と排水経路とが水平ドレーン材4の直後に分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管51の全体に亘って早期に分離され、配管51内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。
【0071】
[配管]
また、図16に示すように、配管51は、第1の管材65が嵌合することにより接続する第1の接続部75、第2の管材66及び水平ドレーン材4が嵌合することにより接続する第2の接続部76、第1の接続部75と第2の接続部76とを分岐させる分岐部77とを有する分岐管74を用いてもよい。分岐管74は、中空円筒形状の第1の接続部75及び第2の接続部76を中空円筒形状の分岐部77によって平行に連結する。
【0072】
第1の接続部75は、長手方向の両端に第1の管材65の端部が嵌合することにより接続する一対の嵌合口が開口されている。また、第1の接続部75は、長手方向の中間部に分岐部77の一端が形成されている。
【0073】
第2の接続部76は、長手方向の両端に第2の管材66の端部が嵌合することにより接続する一対の嵌合口が開口されている。また、第2の接続部76は、長手方向の中間部に、分岐部77の他端が形成されている。さらに、第2の接続部76は、長手方向の中間部に、水平ドレーン材4の先端に接続された接続部材60の嵌合凸部62が挿入される連結口78が外周面より突出して形成されている。連結口78は、接続部材60の嵌合凸部62が挿入されることにより、接続部材60と気密に接続される。
【0074】
かかる配管51は、改良地盤2中に、分岐管74を介して第2の管材66が第1の管材65の鉛直下側となるように設置される。そして、配管51は、真空ポンプ10が作動すると、第1の管材65、分岐管74を介して真空圧が水平ドレーン材4及び鉛直ドレーン材3へ伝搬され、改良地盤2中の間隙水及び空気が負圧によって鉛直ドレーン材3内に吸い出される。配管51は、鉛直ドレーン材3、水平ドレーン材4を介して分岐管74内に流入した間隙水及び空気を、分岐部77で分岐させ、間隙水はそのまま第2の管材66を流れて集水桝6へ流入し、空気は第1の管材65を流れて真空ポンプ10によって排気される。これにより、改良装置50は、改良地盤2の圧密、強度増加を行うことができる。
【0075】
このときも、配管51は、真空ポンプ10と接続されている第1の管材65内に間隙水及び空気が混在して流れることがなく、第1の管材65と接続されている真空ポンプ10のエネルギーをロスなく用いることができる。また、分岐管77は、負圧経路と排水経路とが水平ドレーン材4の直後に分離することによって、負圧経路と排水経路とが配管51の全体に亘って早期に分離され、配管51内の負圧経路の末端部まで高真空度を維持することができる。
【0076】
[その他]
上述した改良装置1,50は、改良地盤2を圧密させるために、上述した改良地盤2上を密封シートで覆う工法の他、密封シートを用いることなく、鉛直ドレーン材3の地表面に臨む先端から地中にかけて不透気部を形成するとともに、水平ドレーン材4を用いることなく直接鉛直ドレーン材3を配管51の連結口55,72や分岐管74の連結口78に繋いでもよい。
【0077】
密封シートを用いない工法においては、鉛直ドレーン材3の先端部に塩化ビニルなどのホースを被着することなどにより、地表面に臨む先端から地中にかけて不透気部を形成する。ホースと鉛直ドレーン材3の先端部とは、ステイプラーや粘着テープ等で固定される。これにより、改良装置1,50は、鉛直ドレーン材3の地表から地下数十〜数百cmに至る箇所が不透水性材料によって覆われることにより、改良地盤2を密封シートで覆うことなく、真空圧密による地盤改良工事を行うことができる。
【0078】
また、このとき、改良装置1,50は、鉛直ドレーン材3の先端に接続部材60が接続され、この接続部材60を介して鉛直ドレーン材3が直接配管51の連結口55,72や分岐管74の連結口78に繋がれる。鉛直ドレーン材3は、接続部材60の挿入孔61に先端が挿入された後、接続部材60と鉛直ドレーン材3とに亘って上述した不透気性のホースを被着させてもよい。これにより、鉛直ドレーン材3は、接続部材60との接続箇所を密封することができ、減圧時にも挿入孔61からの空気の流入を防止することができる。
【0079】
なお、接続部材60は、ホースが被着される部材本体の外面に予め接着剤を塗布しておくことにより、気密性を向上させるとともに、鉛直ドレーン材3の抜け止めを図るようにしてもよい。また、接続部材60は、鉛直ドレーン材3を挿入した後、ステイプラーによって部材本体と鉛直ドレーン材3とを接続してもよい。さらに、接続部材60は、鉛直ドレーン材3を挿入した後、適宜、ステイプラーによる接続、ホースの被着を行った後、粘着テープで部材本体との境界を封止してもよい。これにより、接続部材60は、鉛直ドレーン材3を密着させることができるとともに抜け止めも図ることができる。
【0080】
その他、上述した改良装置1,50は、上述した工法以外にも、真空ポンプで鉛直ドレーン材3を負圧吸引することにより改良地盤2中の間隙水や空気を吸い出す各種工法に用いることができる。
【符号の説明】
【0081】
1 改良装置、2 改良地盤、3 鉛直ドレーン材、4 水平ドレーン材、5 配管、6 集水桝、7 排水管、8 排水タンク、9 水中ポンプ、10 真空ポンプ、21 第1の管部、22 分岐部、23 第2の管部、24 排水口、31 第1の管材、32 分岐管、33 第2の管材、34 第1の嵌合部、35 第2の嵌合部、36 連結部、50 改良装置、51 配管、52 第1の管部、53 第2の管部、54 分岐部、55 連結口、60 接続部材、61 挿入孔、62 嵌合凸部、65 第1の管材、66 第2の管材、67 分岐管、68 第1の接続部、69 第2の接続部、70 分岐部、71 ドレーン連結管、72 連結口、74 分岐管、75 第1の接続部、76 第2の接続部、77 分岐部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、
上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、
上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、
上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、
上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、
上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、
上記配管は、上記真空ポンプが接続された第1の管部と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部を介して上記第1の管部と連通し、上記第1の管部の鉛直下方向に配置された第2の管部とを有し、上記第2の管部が上記鉛直ドレーン材及び上記集水桝と連通している軟弱地盤の改良装置。
【請求項2】
改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、
上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、
上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、
上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、
上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、
上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、
上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、複数の分岐管と、複数のドレーン連結管とを備え、
上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続される第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有し、
上記ドレーン連結管は、一対の上記第2の管材が接続される接続口と、上記鉛直ドレーン材と繋がる連結口とを有し、
上記第1の管材は、上記真空ポンプが接続され、
上記第2の管材は、上記集水桝と連通するとともに、上記分岐管を介して上記第1の管材の鉛直下方向に配置されている軟弱地盤の改良装置。
【請求項3】
改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、
上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、
上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、
上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、
上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、
上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、
上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、上記第1の管材及び上記第2の管材が接続されるとともに上記鉛直ドレーン材と繋がる分岐管とを備え、
上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続されるとともに上記鉛直ドレーン材と繋がる第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有し、
上記第1の管材は、上記真空ポンプが接続され、
上記第2の管材は、上記集水桝と連通するとともに、上記分岐管を介して上記第1の管材の鉛直下方向に配置されている軟弱地盤の改良装置。
【請求項4】
改良地盤上面全体を密封シートで被覆して、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置であって、
上記改良地盤上面で、上記鉛直ドレーン材と接続される水平ドレーン材を備え、
上記鉛直ドレーン材は、上記水平ドレーン材を介して上記配管又は上記分岐管と繋がる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項5】
改良地盤中に埋設された鉛直ドレーン材を介して上記軟弱地盤中に真空圧を負荷する真空ポンプと接続された第1の管材が接続される第1の接続部と、
上記鉛直ドレーン材と繋がるとともに、上記第1の管材の鉛直下方向に配置されて上記鉛直ドレーン材を介して集水された上記軟弱地盤中の間隙水を集水する集水桝と接続された第2の管材が接続される第2の接続部と、
上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有する分岐管。
【請求項6】
上記第2の接続部は、上記改良地盤上面で上記鉛直ドレーン材と接続された水平ドレーン材を介して上記鉛直ドレーン材と繋がる請求項5記載の分岐管。
【請求項7】
改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、
上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、
上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、
上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、
上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、
上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、
上記配管は、第1の管部と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部を介して上記第1の管部と連通し、上記第1の管部の鉛直下方向に配置された第2の管部とを有し、上記第1の管部が上記鉛直ドレーン材と連通し、上記第2の管部が上記集水桝と連通している軟弱地盤の改良装置。
【請求項8】
上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、複数の分岐管とを備え、
上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続される第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を連結する連結部とを有し、
一対の上記第1の管材及び一対の上記第2の管材は、上記分岐管を介して連続されている請求項7記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項9】
さらに、上記分岐管は、上記水平ドレーン材との連結口を有する請求項8記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項10】
上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、複数の分岐管とを備え、
上記分岐管は、一対の上記第1の管材又は一対の上記第2の管材が接続される接続部と、他の分岐管と連結される連結部とを有し、
一対の上記第1の管材及び一対の上記第2の管材は、上記分岐管を介して連続されている請求項7記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項11】
上記第1の管部には、外周面より突出し、中空状に設けられ、上記水平ドレーン材が連結される連結口が設けられている請求項7記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項12】
上記連結口は、先端が幅狭となるテーパ状に形成されている請求項9又は請求項11に記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項13】
改良地盤上面全体を密封シートで被覆して、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置であって、
上記改良地盤上面で、上記鉛直ドレーン材と接続される水平ドレーン材を備え、
上記鉛直ドレーン材と上記水平ドレーン材を介して上記配管と繋がる請求項7〜請求項12のいずれか1項に記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項1】
改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、
上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、
上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、
上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、
上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、
上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、
上記配管は、上記真空ポンプが接続された第1の管部と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部を介して上記第1の管部と連通し、上記第1の管部の鉛直下方向に配置された第2の管部とを有し、上記第2の管部が上記鉛直ドレーン材及び上記集水桝と連通している軟弱地盤の改良装置。
【請求項2】
改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、
上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、
上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、
上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、
上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、
上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、
上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、複数の分岐管と、複数のドレーン連結管とを備え、
上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続される第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有し、
上記ドレーン連結管は、一対の上記第2の管材が接続される接続口と、上記鉛直ドレーン材と繋がる連結口とを有し、
上記第1の管材は、上記真空ポンプが接続され、
上記第2の管材は、上記集水桝と連通するとともに、上記分岐管を介して上記第1の管材の鉛直下方向に配置されている軟弱地盤の改良装置。
【請求項3】
改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、
上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、
上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、
上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、
上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、
上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、
上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、上記第1の管材及び上記第2の管材が接続されるとともに上記鉛直ドレーン材と繋がる分岐管とを備え、
上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続されるとともに上記鉛直ドレーン材と繋がる第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有し、
上記第1の管材は、上記真空ポンプが接続され、
上記第2の管材は、上記集水桝と連通するとともに、上記分岐管を介して上記第1の管材の鉛直下方向に配置されている軟弱地盤の改良装置。
【請求項4】
改良地盤上面全体を密封シートで被覆して、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置であって、
上記改良地盤上面で、上記鉛直ドレーン材と接続される水平ドレーン材を備え、
上記鉛直ドレーン材は、上記水平ドレーン材を介して上記配管又は上記分岐管と繋がる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項5】
改良地盤中に埋設された鉛直ドレーン材を介して上記軟弱地盤中に真空圧を負荷する真空ポンプと接続された第1の管材が接続される第1の接続部と、
上記鉛直ドレーン材と繋がるとともに、上記第1の管材の鉛直下方向に配置されて上記鉛直ドレーン材を介して集水された上記軟弱地盤中の間隙水を集水する集水桝と接続された第2の管材が接続される第2の接続部と、
上記第1の接続部及び上記第2の接続部を分岐させる分岐部とを有する分岐管。
【請求項6】
上記第2の接続部は、上記改良地盤上面で上記鉛直ドレーン材と接続された水平ドレーン材を介して上記鉛直ドレーン材と繋がる請求項5記載の分岐管。
【請求項7】
改良地盤中に真空圧を負荷することで、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置において、
上記改良地盤中に所定の間隔をおいて設置した複数の鉛直ドレーン材と、
上記鉛直ドレーン材と繋がる配管と、
上記配管の集水経路に接続された1又は複数の集水桝と、
上記集水桝に集水された間隙水を、排水管を介して上記改良地盤外の排水タンクへ排水する水中ポンプと、
上記配管に真空圧を負荷する真空ポンプとを備え、
上記配管は、第1の管部と、所定の間隔で設けられた複数の分岐部を介して上記第1の管部と連通し、上記第1の管部の鉛直下方向に配置された第2の管部とを有し、上記第1の管部が上記鉛直ドレーン材と連通し、上記第2の管部が上記集水桝と連通している軟弱地盤の改良装置。
【請求項8】
上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、複数の分岐管とを備え、
上記分岐管は、一対の上記第1の管材が接続される第1の接続部と、一対の上記第2の管材が接続される第2の接続部と、上記第1の接続部及び上記第2の接続部を連結する連結部とを有し、
一対の上記第1の管材及び一対の上記第2の管材は、上記分岐管を介して連続されている請求項7記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項9】
さらに、上記分岐管は、上記水平ドレーン材との連結口を有する請求項8記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項10】
上記配管は、複数の第1の管材と、複数の第2の管材と、複数の分岐管とを備え、
上記分岐管は、一対の上記第1の管材又は一対の上記第2の管材が接続される接続部と、他の分岐管と連結される連結部とを有し、
一対の上記第1の管材及び一対の上記第2の管材は、上記分岐管を介して連続されている請求項7記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項11】
上記第1の管部には、外周面より突出し、中空状に設けられ、上記水平ドレーン材が連結される連結口が設けられている請求項7記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項12】
上記連結口は、先端が幅狭となるテーパ状に形成されている請求項9又は請求項11に記載の軟弱地盤の改良装置。
【請求項13】
改良地盤上面全体を密封シートで被覆して、上記改良地盤中に改良地盤周辺部と隔離された減圧領域を造り出す軟弱地盤の改良装置であって、
上記改良地盤上面で、上記鉛直ドレーン材と接続される水平ドレーン材を備え、
上記鉛直ドレーン材と上記水平ドレーン材を介して上記配管と繋がる請求項7〜請求項12のいずれか1項に記載の軟弱地盤の改良装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−202495(P2011−202495A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42610(P2011−42610)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【出願人】(390001993)みらい建設工業株式会社 (26)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【出願人】(502080047)キャドテック株式会社 (10)
【出願人】(000109233)チカミミルテック株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【出願人】(390001993)みらい建設工業株式会社 (26)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【出願人】(502080047)キャドテック株式会社 (10)
【出願人】(000109233)チカミミルテック株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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