説明

近接照射療法およびX線写真術用のターゲット保持デバイス

【課題】近接照射療法およびX線写真術ターゲット保持デバイスを提供すること。
【解決手段】複数のターゲットプレート(102)を含むターゲット保持デバイス(100。各ターゲットプレート(102)は、第1の表面と、反対側の第2の表面とを有し、第1の表面は、複数の穴(202)を有する。あるターゲットプレート(102)の第1の表面が隣接するターゲットプレート(102)の第2の表面に接触するような、ターゲットプレート(102)の位置合わせおよび接合を容易にするために、シャフト(108)を使用することができる。ターゲット保持デバイス(100)は、適宜、ターゲットプレート(102)をそれらの間で挟持するように配置されたエンドプレート(106)、および/またはターゲットプレート(102)と交互に配置されたセパレータプレート(104)を含むこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、近接照射療法(brachytherapy)用およびX線写真術用のターゲットの製造に使用されるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近接照射療法シードは、従来、放射線未照射(後で所望の放射能を与えられるが)のワイヤ(例えば、放射線未照射のイリジウムワイヤ)から製造される。所望の放射能は、原子炉による中性子吸収を通じて、それらのワイヤに与えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近接照射療法シードは、また、放射線照射されたワイヤからも製造されてきた。シードの製造に関しては、長いワイヤの放射線照射が提案されており、放射線照射されたワイヤが後で切断され、個々のシード内に封入される。しかし、原子炉内に線束変動があるので、一様な放射能をもつシードの獲得は、困難である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によるターゲット保持デバイスは、複数のターゲットプレートを含むことができ、各ターゲットプレートが、第1の表面と、反対側の第2の表面とを有する。第1の表面は、複数の穴を有しており、ターゲットプレートは、あるターゲットプレートの第1の表面が隣接するターゲットプレートの第2の表面に接触するように配置される。ターゲット保持デバイスは、さらに、各ターゲットプレートの第1の表面上に区分マーキングを含むことができる。ターゲットプレートは、デバイスによって保持されるターゲットの断面積に比べて小さい断面積を有する様々な材料で形成することができる。ターゲット保持デバイスは、さらに、ターゲットプレートをそれらの間で挟持するように配置されたエンドプレートを含むことができる。
【0005】
ターゲット保持デバイスは、さらに、複数のターゲットプレートの位置合わせおよび接合を容易にするために、ターゲットプレートのうちの少なくとも1つを通り抜ける1つまたは複数のシャフトを含むことができる。シャフトは、各ターゲットプレートの中心を通り抜けることができる。シャフトは、ねじ切りされた両端部と、それらの間の滑らかな本体とを有することができる。
【0006】
ターゲットホルダアセンブリは、前述のターゲット保持デバイスと、ターゲット保持デバイスに連結されたケーブルとを含むことができる。ケーブルは、炉心にターゲット保持デバイスを導入するのを容易にするのに十分な剛性と、炉心からターゲット保持デバイスを回収するのを容易にするのに十分な強度と、管群の曲がり部内でターゲット保持デバイスを操作するのに十分な可撓性とを有する。ケーブルには、予め規定された長さのところに印を付けることができ、予め規定された長さは、基準点から炉心内の所定の場所までの距離に対応する。
【0007】
本発明の他の実施形態によるターゲット保持デバイスは、複数のターゲットプレートと、1つまたは複数のセパレータプレートとを含むことができる。各ターゲットプレートは、複数の穴を有し、隣接した少なくとも1つのセパレータプレートに接触して、ターゲットをその中で保持するコンパートメントを画定する。ターゲットプレートは、セパレータプレートによって挟持されるように、セパレータプレートと交互に配置することができる。ターゲット保持デバイスは、さらに、各ターゲットプレート上に区分マーキングを含むことができる。ターゲットプレートおよびセパレータプレートは、デバイスによって保持されるターゲットの断面積に比べて小さい断面積を有する様々な材料で形成することができる。ターゲット保持デバイスは、さらに、ターゲットプレートおよびセパレータプレートをそれらの間で挟持するように配置された、エンドプレートを含むことができる。
【0008】
ターゲット保持デバイスは、さらに、ターゲットプレートおよびセパレータプレートの位置合わせおよび接合を容易にするために、ターゲットプレートおよびセパレータプレートのうちの少なくとも1つを通り抜ける1つまたは複数のシャフトを含むことができる。シャフトは、ターゲットプレートおよびセパレータプレートそれぞれの中心を通り抜けることができる。シャフトは、ねじ切りされた両端部と、それらの間の滑らかな本体とを有することができる。
【0009】
ターゲットホルダアセンブリは、前述のターゲット保持デバイスと、ターゲット保持デバイスに連結されたケーブルとを含むことができる。ケーブルは、炉心にターゲット保持デバイスを導入するのを容易にするのに十分な剛性と、炉心からターゲット保持デバイスを回収するのを容易にするのに十分な強度と、管群の曲がり部内でターゲット保持デバイスを操作するのに十分な可撓性とを有する。ケーブルには、予め規定された長さのところに印を付けることができ、予め規定された長さは、基準点から炉心内の所定の場所までの距離に対応する。
【0010】
本発明の他の実施形態によるターゲット保持デバイスは、約10バーン以下の小さい断面積を有する材料で形成された1つまたは複数のターゲットプレートと、1つまたは複数のセパレータプレートと、ターゲットプレートおよびセパレータプレートのうちの少なくとも1つを通り抜けるシャフトとを含むことができる。各ターゲットプレートは、複数の穴を有し、隣接した少なくとも1つのセパレータプレートに接触して、ターゲットをその中で保持するコンパートメントを画定する。
【0011】
本明細書の非限定的な諸実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付図面と併せて詳しく調べれば、より明らかになる。添付図面は、単に説明の目的で提供するにすぎず、特許請求の範囲を制限するものと解釈すべきではない。添付図面は、特に明記しない限り、原寸に比例して示されたものと見なすべきではない。明瞭にするために、諸図面の様々な寸法は、誇張されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態によるターゲット保持デバイスの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるターゲット保持デバイスの部分分解組立図である。
【図3】本発明の一実施形態によるターゲットプレートの斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態によるターゲットプレートの平面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるセパレータプレートの斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態によるエンドプレートの斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態によるシャフトの斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態によるターゲットホルダアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ある要素もしくは層が、別の要素もしくは層の「上にある(on)」、別の要素もしくは層に「連結されている(connected to)」、別の要素もしくは層に「結合している(coupled to)」、または別の要素もしくは層を「覆っている(covering)」と言うときには、その要素もしくは層が、直接的に、他の要素もしくは層の上にある、他の要素もしくは層に連結している、他の要素もしくは層に結合している、または他の要素もしくは層を覆っていることもあり、あるいは介在する要素もしくは層が存在することもあることを理解すべきである。対照的に、ある要素が、別の要素もしくは層の「直接上にある(directly on)」、別の要素もしくは層に「直接連結している(directly connected to)」、または別の要素もしくは層に「直接結合している(directly coupled to)」と言うときには、介在する要素または層が存在しない。類似の番号は、本明細書全体を通して類似の要素を指す。本明細書で使用するとき、用語「および/または(and/or)」には、列挙される関連品目のうちの1つまたは複数のあらゆる組合せが含まれる。
【0014】
第1の、第2の、第3のなどの用語は、本明細書では、様々な要素、構成要素、領域、層、および/または部分を記述するために使用することがあるが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または部分がこれらの用語によって制限されないことを理解すべきである。これらの用語は、単に、ある要素、構成要素、領域、層、または部分を、別の領域、層、または部分と区別するために使用されるにすぎない。したがって、例示的な諸実施形態の教示から逸脱することなく、以下で論じる第1の要素、構成要素、領域、層、または部分を、第2の要素、構成要素、領域、層、または部分と呼ぶことができる。
【0015】
本明細書では、諸図に示した、ある要素または特徴の、別の(1つもしくは複数の)要素または(1つもしくは複数の)特徴に対する関係を記述するために、空間相対的な用語(例えば、「下に(beneath)」、「下方に(below)」、「下部の(lower)」、「上方に(above)」、「上部の(upper)」など)を、説明を容易にするために使用することがある。空間相対的な用語が、諸図に描かれた向きに加えて、使用時または動作時のデバイスの様々な向きを含むことが意図されていることを理解すべきである。例えば、諸図内のデバイスが反転された場合、他の要素または特徴の「下方(below)」または「下(beneath)」と記載された要素が、他の要素または特徴の「上方(above)」を向くことになる。したがって、用語「下方(below)」は、上方および下方の向き両方を含む可能性がある。デバイスは、他の向きに向けられることもあり(90度回転または他の向きに回転)、本明細書で使用する空間相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0016】
本明細書で使用する用語は、単に様々な実施形態を説明することを目的としたものにすぎず、例示的な諸実施形態の制限を意図したものではない。本明細書で使用する単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに異なる場合を除き、複数形も含むものとする。さらに、本明細書で使用するときには、用語「comprises(備える、含む)」および/または「comprising(備える、含む)」が、ここに記載の特徴、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示しているが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、および/もしくはそれらのグループの存在または追加を除外するものではないことが理解されよう。
【0017】
本明細書では、例示的な諸実施形態について、例示的な諸実施形態の理想化された実施形態(および中間構造)の略図である断面図に即して説明する。したがって、例えば製造技術および/または公差の結果として、図の形状からのばらつきが予想されるはずである。したがって、例示的な諸実施形態は、本明細書で図示した領域の形状だけに限定されるものと解釈すべきではなく、例えば製造に起因した、形状のずれを含むことになる。例えば、長方形として図示された、植え込まれた(implanted)領域とは、通常、植え込まれた領域から植え込まれていない領域への2元的(二値的)な変化ではなく、そのエッジ部に、丸みを帯びたまたは湾曲した特徴および/または植込み濃度勾配を有することになる。同様に、植込みによって形成された埋込領域(buried region)は、その埋込領域と、植込みがそれを通じて行われる表面との間の領域に、いくらかの植込みを引き起こすことがある。したがって、諸図に示された領域は、概略的な性質のものであり、それらの形状は、デバイスの領域の実際の形状を図示することを意図したものではなく、例示的な諸実施形態の範囲を制限しようとするものでもない。
【0018】
特に定義しない限り、本明細書で使用するすべての用語(技術用語および科学用語を含める)は、例示的な諸実施形態が属する技術分野の技術者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。さらに、用語が、一般的に使用される辞書で定義される用語を含めて、関連分野の状況における意味と矛盾しない意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明確に定義しない限り、理想的な意味または過度に形式的な意味には解釈されないことが理解されよう。
【0019】
本発明によるターゲット保持デバイスおよびアセンブリは、ターゲットが比較的一様な放射能をもつように、炉心内で近接照射療法ターゲットおよび/またはX線写真術ターゲット(例えば、シード、ウエハ)を製造することを可能にする。ターゲットは、がん(例えば、乳がん、前立腺がん)の治療で使用することができる。例えば、がんを治療する間、多数のターゲット(例えば、シード)を腫瘍内に留置することができる。その結果、比較的一様な放射能を有するターゲットが、周囲組織を損傷することなく腫瘍を破壊するように、所期の量の放射線を提供することになる。このようなターゲットを製造する方法は、本明細書と同時に出願された「METHOD OF GENERATING SPECIFIED ACTIVITIES WITHIN A TARGET HOLDING DEVICE」(HDP Ref.:8564−000185/US;GE Ref.:24IG237431)にさらに詳細に記載されており、その内容全体を参照により本願に援用する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるターゲット保持デバイスの斜視図である。図2は、本発明の一実施形態によるターゲット保持デバイスの部分分解組立図である。図1〜図2を参照すると、ターゲット保持デバイス100は、複数のターゲットプレート102と、複数のセパレータプレート104とを含んでおり、複数のターゲットプレート102と、複数のセパレータプレート104とは、交互に配置される。各ターゲットプレート102の厚さは、その中に収められるべき所期のターゲットのサイズに適応するように、必要に応じて変更することができる。したがって、下部のターゲットプレート102が上部のターゲットプレートよりも厚いものとして示されているが、その逆も言うことができ、またはターゲットプレート102すべてを同じ厚さとすることもできる。さらに、ターゲットプレート102は、同じ直径を有するものとして示されているが、原子炉条件および/または所期のターゲットに基づいて様々な直径(例えば、テーパした配置)を有することができる。
【0021】
交互に配置されたターゲットプレート102およびセパレータプレート104は、1対のエンドプレート106間で挟持される。プレートの位置合わせおよび接合を容易にするために、シャフト108が、エンドプレート106ならびに交互に配置されたターゲットプレート102およびセパレータプレート104を通り抜ける。エンドプレート106ならびに交互に配置されたターゲットプレート102およびセパレータプレート104の接合は、他の適切な締着機構も使用できるが、ナットおよびワッシャ配置によってしっかり固定することができる。さらに、ターゲット保持デバイス100は、単一のシャフト108を有するものとして示されているが、複数のシャフト108を採用できることを理解すべきである。
【0022】
図2に示したように、各ターゲットプレート102は、シャフト108のための中央の穴に加えて、複数の穴/コンパートメント202を有する。複数の穴202は、製造要件に応じて様々なサイズおよび構成で設けることができる。上部および下部のターゲットプレート102は、異なるサイズおよび構成の穴202を有するものとして示されているが、すべてのターゲットプレート102が同じサイズおよび/または構成の穴202を有することができることを理解すべきである。
【0023】
複数の穴202は、各ターゲットプレート102を半ばまでまたは完全に貫いて延びることができる。穴202が、各ターゲットプレート102を半ばまで貫いて延びるだけとなるように設けられるときには、セパレータプレート104を省略することができる。そのような場合、ターゲットプレート102の上面が、隣接するターゲットプレート102の下面に直接接触することになる。他方、穴202が、ターゲットプレート102を完全に貫いて延びるように設けられるときには、セパレータプレート104は、各ターゲットプレート102の穴202を隔てるようにターゲットプレート102間に置かれ、それによって、各ターゲットプレート102内に、1つまたは複数のターゲット(例えば、シード、ウエハ)をその中で保持する複数の個々のコンパートメントを画定する。ターゲットは、近接照射療法またはX線写真術に適した形状または幾何学構造を有することができ、クロム(Cr)、銅(Cu)、エルビウム(Er)、ゲルマニウム(Ge)、金(Au)、ホルミウム(Ho)、イリジウム(Ir)、ルテチウム(Lu)、パラジウム(Pd)、サマリウム(Sm)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、および/またはイットリウム(Y)から形成することができるが、他の適切な材料も使用することができる。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態によるターゲットプレートの斜視図である。図3を参照すると、ターゲットプレート102は、製造中、1つまたは複数のターゲット(例えば、シード、ウエハ)をその中で保持する、複数の穴202を有する。ターゲットプレート102は、より多くの量の線束が中に入ったターゲットに到達することができるように、比較的小さい断面積の材料(例えば、アルミニウム、モリブデン、グラファイト、ジルコニウム)で形成することができる。例えば、材料は、約10バーン以下の断面積を有することができる。あるいは、ターゲットプレート102は、中性子減速材(例えば、ベリリウム、グラファイト)で形成することもできる。さらに、比較的高い純度の材料を使用すると、ターゲット製造中に放射線照射される不純物が少なくなる結果として職員の被曝が低減されるという、さらなる利益をもたらすことができる。
【0025】
ターゲットプレート102の上面および下面は、比較的滑らかで平坦となるように研磨することができる。ターゲットプレート102の厚さは、その中に収められるべきターゲットに適応するように変更することができる。ターゲットプレート102は、円盤形のものとして図示されているが、ターゲットプレート102が、三角形、正方形、または他の適切な形状を有することができることを理解すべきである。さらに、穴202のサイズおよび/または構成を、製造要件に基づいて変更できることを理解すべきである。さらに、図示していないが、ターゲットプレート102は、ターゲット保持デバイス100を組み立てる積重ね工程中にターゲットプレート102の向きを定めるのに役立つように、側面上に1つまたは複数の位置合わせマーキングを含むことができる。
【0026】
図4は、本発明の一実施形態によるターゲットプレートの平面図である。図4を参照すると、ターゲットプレート102は、複数の穴202を有することに加えて、また、各穴202の識別に役立つように区分マーキング402も有することができ、またそれによって、穴202内に1つまたは複数のターゲットを設置するのを容易にしている。穴202は、ターゲットプレート102を完全に貫いて延びるものとして図示されているが、前述のように、穴がターゲットプレート102を半ばまで貫いて延びるだけでもよいことを理解すべきである。さらに、区分マーキング402は、ターゲットプレート102を4分円に分割するものとして図示されているが、区分マーキング402を、代替的に、ターゲットプレート102をより多数またはより少数の部分に分割するように設けることもできることを理解すべきである。さらに、区分マーキング402が、直線であっても、湾曲していてもよく、または、ターゲットプレート102内の穴202の構成に適応するように他の形で設けられてもよいことを理解すべきである。
【0027】
図5は、本発明の一実施形態によるセパレータプレートの斜視図である。前述のように、ターゲット保持デバイス100において、複数のセパレータプレート104を複数のターゲットプレート102と交互に配置することができる。セパレータプレート104は、比較的小さい断面積の材料(例えば、アルミニウム、モリブデン、グラファイト)、または中性子減速材(例えば、ベリリウム、グラファイト)で形成することができる。さらに、材料は、比較的高い純度のものとすることができる。
【0028】
セパレータプレート104の上面および下面は、比較的滑らかで平坦となるように研磨することができる。セパレータプレート104の厚さは、より多数のターゲットプレート102をターゲット保持デバイス100に含めることができるように、縮小することができる。他方で、製造中にターゲットプレート102の穴202内に収められたターゲットの間隔をあけるために、セパレータプレート104の厚さを増大させ、それによってターゲットの比放射能を高めることができる。セパレータプレート104は、円盤形のものとして図示されているが、セパレータプレート104が、三角形、正方形、またはターゲットプレート102の形状に対応するような他の適切な形状を有することができることを理解すべきである。
【0029】
図6は、本発明の一実施形態によるエンドプレートの斜視図である。前述のように、1対のエンドプレート106を使用して、交互に配置された複数のターゲットプレート102およびセパレータプレート104を挟持することができる。エンドプレート106は、比較的小さい断面積の材料(例えば、アルミニウム、モリブデン、グラファイト)、または中性子減速材(例えば、ベリリウム、グラファイト)で形成することができる。さらに、材料は、比較的高い純度のものとすることができる。エンドプレート106の上面および下面は、比較的滑らかで平坦となるように研磨することができる。エンドプレート106は、円盤形のものとして図示されているが、エンドプレート106が、三角形、正方形、またはターゲットプレート102の形状に対応するような他の適切な形状を有することができることを理解すべきである。
【0030】
図7は、本発明の一実施形態によるシャフトの斜視図である。図7を参照すると、シャフト108は、比較的滑らかな中央部分704と、ねじ切りされた両端部702とを有する。前述のように、シャフト108を使用して、エンドプレート106ならびに交互に配置されたターゲットプレート102およびセパレータプレート104の位置合わせおよび接合を容易にすることができる。シャフト108のねじ切りされた両端部702によって、ナットおよびワッシャ配置を使用してプレートの接合をしっかり固定できるようになるが、他の適切な締着機構を使用することもできる。シャフト108は、円筒状の形状を有するものとして図示されているが、シャフト108が代替的に多角形(例えば、長方形)の形状を有することもできることを理解すべきである。多角形のシャフト108は、シャフト108に対するプレートの回転を妨げることによって、プレートの位置合わせにさらに役立つことができる。
【0031】
図8は、本発明の一実施形態によるターゲットホルダアセンブリの斜視図である。図8を参照すると、ターゲットホルダアセンブリ800は、ケーブル802に連結されたターゲット保持デバイス100を含む。ケーブル802は、炉心にターゲット保持デバイス100を導入するのを容易にするのに十分な剛性と、炉心からターゲット保持デバイス100を回収するのを容易にするのに十分な強度と、管群の曲がり部内でターゲット保持デバイス100を操作するのに十分な可撓性とを有する、任意の材料で形成することができる。例えば、ケーブル802は、編組スチールケーブルまたは電気導管ケーブルとすることができる。ターゲット保持デバイス100を炉心に導入するのに役立つように、ケーブル802には、予め規定された長さのところに印を付けることができ、予め規定された長さは、基準点から炉心内の所定の場所までの距離に対応する。
【0032】
いくつかの例示的な実施形態を本明細書で開示したが、他の変形形態が可能であることを理解すべきである。そのような変形形態は、本開示の趣旨および範囲からの逸脱と見なすべきではなく、当業者に自明のそのような修正形態すべてが、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0033】
100 ターゲット保持デバイス
102 ターゲットプレート
104 セパレータプレート
106 エンドプレート
108 シャフト
202 穴
402 区分マーキング
702 ねじ切りされた端部
704 滑らかな中央部分
800 ターゲットホルダアセンブリ
802 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が、複数の穴(202)を有する第1の表面と、この第1の表面に反対側の第2の表面とをを有する複数のターゲットプレート(102)を具備するターゲット保持デバイス(100)であって、
前記複数のターゲットプレート(102)は、その1つのターゲットプレート(102)の第1の表面が、隣接するターゲットプレート(102)の第2の表面に接触するように配置される、ことを特徴とするターゲット保持デバイス(100)。
【請求項2】
前記複数のターゲットプレート(102)の位置合わせおよび接合を容易にするために、前記ターゲットプレート(102)のうちの少なくとも1つを通り抜ける1つまたは複数のシャフト(108)をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記シャフト(108)が、前記ターゲットプレート(102)それぞれの中心を通り抜けることを特徴とする請求項2記載のデバイス。
【請求項4】
前記シャフト(108)が、ねじ切りされた両端部(702)と、それらの間の滑らかな本体(704)とを有することを特徴とする請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ターゲットプレート(102)をそれらの間で挟持するように配置されたエンドプレート(106)をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のターゲット保持デバイス(100)と、
前記ターゲット保持デバイス(100)に連結されたケーブル(802)であって、炉心に前記ターゲット保持デバイス(100)を導入するのを容易にするのに十分な剛性と、前記炉心から前記ターゲット保持デバイス(100)を回収するのを容易にするのに十分な強度と、管群の曲がり部内で前記ターゲット保持デバイス(100)を操作するのに十分な可撓性とを有する、ケーブル(802)と、
を備えるターゲットホルダアセンブリ(800)。
【請求項7】
前記ケーブル(802)には、予め規定された長さのところに印が付けられ、前記予め規定された長さが、基準点から前記炉心内の所定の場所までの距離に対応することを特徴とする請求項6記載のアセンブリ。
【請求項8】
各ターゲットプレート(102)の前記第1の表面上に区分マーキング(402)をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記ターゲットプレート(102)が、デバイス(100)によって保持されるターゲットの断面積に比べて小さい断面積を有する様々な材料で形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかまたは請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記複数のターゲットプレート(102)と交互に配置された1つまたは複数のセパレータプレート(104)をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかまたは請求項8または9に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−15970(P2011−15970A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156345(P2010−156345)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナージー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
【Fターム(参考)】