【課題】１種類の認証情報で認証及び変更を行っても、周辺部のＣＰＵの処理負荷の増加を抑制し、該認証情報及び該認証情報を用いた変更の不正解析を困難にする。
【解決手段】主制御部は種別情報が期待値変更用データの場合、期待値を変更する期待値変更用データを生成し、該期待値変更用データを有する認証情報を生成して後段部に送信し、その後検出対象制御コマンドの検出に応じて検査値を変更する。また、後段部は後段側種別情報のデータ種別が期待値変更用データの場合、主制御部から受信した認証情報の認証用データに基づいた後段認証結果データを生成して周辺部に送信する。後段部は後段側種別情報のデータ種別が期待値変更用データの場合、検出対象制御コマンドの検出に応じて期待値を主制御部からの期待値変更用データに基づいて変更する。主制御部及び後段部の検出対象制御コマンドは、第３検査値を有する認証情報の検出に応じて切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数の基板を備え、これらの基板間の通信の認証を行う遊技機及び遊技機の認証方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、複数の基板を備えた遊技機において、これら各基板に対する不正を防止するための様々な技術が提案されている。複数の基板を備えた遊技機とは、たとえば、ぱちんこ遊技機などがある。ぱちんこ遊技機には、遊技機全体の動作を司る主制御基板と、遊技機の各部の動作をおこなう被制御基板（周辺基板）とを備えている。この主制御基板は、周辺基板に制御コマンドを含む制御信号を出力し、その他の周辺基板は、主制御基板から送信された制御信号にしたがって動作を実行する機能を備えている。
【０００３】
このような構成の遊技機の場合、主制御基板に対する不正としては、たとえば、正規の主制御基板を不正な制御基板に取り替えたり、主制御基板がおこなう処理を規定したプログラムコードを改ざんしたりといった手法がある。このような不正を防止するため、たとえば、主制御基板内に搭載されたＲＯＭに記録されているプログラムデータをＲＯＭチェッカによってチェックして、ＲＯＭの不正交換などを防止する技術が提案されている（たとえば、下記特許文献１参照。）。
【０００４】
また、特許文献２には、主制御基板からサブ制御基板に制御コマンドを送信し、さらに所定の通信経路における制御コマンドの通信状態を監視するための状態監視コマンドを送信し、サブ制御基板が状態監視コマンドを用いて制御コマンドの正当性を検証し、誤りがあると判定した場合には制御対象の制御を停止する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平１１−３３３１０８号公報
【特許文献２】特開２００２−１８０９５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上述した特許文献１の場合、プログラムデータの改ざんは検知できるが、正規の主制御用基板と被制御基板との間に不正な制御基板が接続されてしまうと、この不正な制御基板から出力される不正な制御信号による不正制御を防止することができないという問題があった。
【０００７】
また、上述した特許文献２のように、制御コマンドとは別の状態監視コマンドを主制御基板から被制御基板に送信する場合、遊技機は不正行為（「ゴト」行為）が行われる可能性があり、主制御側と被制御側との間に介在した前記不正な制御基板等によって状態監視コマンドが不正に解析されやすいため、その解析を困難にできないと、特許文献２の構成等を遊技機で実現させるのが困難であった。さらに、送信する際に複雑な暗号化をしてしまうと、正規な主制御基板及び被制御基板の各々の処理が複雑化して処理負担が増加してしまうという問題が生じてしまう。
【０００８】
さらに、不正な解析を防止するには、複数種類の認証用のコマンドを用いて認証処理の複雑化を図ることも考えられるが、従来の遊技機においては複数種類の制御コマンドが用いられていることから、この従来のコマンド体系に新たな認証用のコマンド（認証情報）を複数種類追加するには、主制御側にそれらのコマンド毎に対応した処理を新たに追加する必用があり、また、主制御側の処理が複雑化してしまうため、遊技機において実現させるのは困難であった。
【０００９】
また、最近では、遊技の興趣向上を図るために、リーチや大当たり等の際に遊技者の視覚や聴覚に訴える演出が多様となる傾向にある。そのため、周辺部（周辺基板）側のＣＰＵに既存の処理の他に認証処理を実行させようとすると、ＣＰＵの処理負荷が増大して処理速度が低下してしまい、演出のための表示がスムーズに行われなかったり、最悪の場合には、認証処理自体を追加できなかったりするなどの問題があった。
【００１０】
そして、認証用のコマンドの発生等に応じて認証に用いる各種データを変更する場合、認証用のコマンドに着目されると、例えば、変更対象、変更タイミング、変更方法、等が不正に解析されてしまう可能性があるため、通常の処理を複雑化することなく、不正な解析をより一層困難にする必用があった。
【００１１】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、１種類の認証情報で認証及び認証に用いるデータの変更を行っても、周辺部のＣＰＵの処理負荷の増加を抑制し、該認証情報及び該認証情報を用いた変更の不正解析を困難にすることができる遊技機及び遊技機の認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明にかかる請求項１記載の遊技機は、複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された複数種類の制御コマンドの各々に基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機において、前記主制御部は、前記主制御部の認証に用いる認証用データに選択的に用いられる第１検査値、第２検査値、第３検査値を記憶する検査値記憶手段と、前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値に対応して前記後段部が予め記憶している第１期待値、第２期待値、第３期待値を変更する期待値変更用データと前記認証用データとを示し且つ前記第１検査値及び前記第２検査値に一対一に対応付けられた相異なるデータ種別のうち、今回生成する前記認証情報のデータ種別を示す種別情報を記憶する種別情報記憶手段と、前記相異なるデータ種別を切り替えるか否かを無作為に決定する切替決定手段と、前記切替決定手段がデータ種別を切り替えると決定した場合に、次回生成する前記認証情報のデータ種別を、前記認証用データと前記期待値変更用データの２種類から無作為に決定する決定手段と、前記決定手段が決定したデータ種別に対応付けられた前記第１検査値又は前記第２検査値を前記検査値記憶手段から抽出する第１抽出手段と、前記切替決定手段がデータ種別を切り替えないと決定した場合に、前記第３検査値を前記検査値記憶手段から抽出する第２抽出手段と、前記種別情報が前記認証用データを示している場合に、前記第１抽出手段又は前記第２抽出手段が抽出した検査値を有する前記認証用データを生成する認証用データ生成手段と、前記種別情報が前記期待値変更用データを示している場合に、前記決定手段の決定に応じて前記期待値変更用データを生成する期待値変更用データ生成手段と、前記生成した認証用データ又は前記生成した期待値変更用データを有する前記認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記生成した認証情報及び前記制御コマンドを前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、前記決定した次回のデータ種別を示すように前記種別情報を更新する更新手段と、前記期待値変更用データを有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する制御コマンド検出手段と、前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、前記生成した期待値変更用データに基づいて前記検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを変更する主制御側変更手段と、前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える検出対象切替手段と、を備え、前記後段部は、前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を記憶する期待値記憶手段と、今回受信する前記認証情報のデータ種別を示す後段側種別情報を記憶する後段側種別情報記憶手段と、前記周辺部から転送された前記認証情報及び前記制御コマンドを受信する後段側受信手段と、前記後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合に、前記受信した認証情報の認証用データと前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値とを比較し、該比較結果に基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、前記後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、前記主制御部で予め定められた検出対象制御コマンドの前記主制御部からの受信を検出する後段側制御コマンド検出手段と、前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて前記期待値記憶手段が記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を前記主制御部と同様に変更する後段側変更手段と、前記第３検査値を有する認証情報の受信に応じて、前記後段側制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを前記主制御部と同様に前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える後段側検出対象切替手段と、前記認証用データの認証で一致した前記第１期待値又は前記第２期待値に、前記第１検査値及び前記第２検査値と対応するように予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と特定して前記後段側種別情報を更新する特定手段と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記制御コマンドに基づいた前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする。
【００１３】
上記請求項１に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部の検査値記憶手段には、３種類の第１検査値、第２検査値、第３検査値が記憶される。第１検査値、第２検査値には、認証情報の相異なる２種類のデータ種別がそれぞれ対応付けられている。種別情報記憶手段には、今回生成する認証情報のデータ種別を示す種別情報が記憶される。そして、主制御部は、データ種別を切り替えると無作為に決定すると、認証用データと期待値変更用データから、次回生成する認証情報のデータ種別を決定し、該決定したデータ種別に対応した第１検査値又は第２検査値を検査値記憶手段から抽出する。また、主制御部は、データ種別を切り替えないと無作為に決定すると、第３検査値を検査値記憶手段から抽出する。主制御部は、種別情報が認証用データを示している場合、前記抽出した第１〜３検査値の何れか１つを有する認証用データを生成する。また、主制御部は、種別情報が期待値変更用データを示している場合、検査値及び期待値の各々を変更する期待値変更用データを生成する。主制御部は、生成した認証用データ又は期待値変更用データを有する認証情報を生成し、該生成した認証情報を後段部に周辺部を介して送信することができる。そして、主制御部は、前記決定した次回のデータ種別を示すように、種別情報記憶手段が記憶している種別情報を更新する。そして、主制御部は、期待値変更用データを生成した後は、遊技機における複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出し、該検出に応じて第１〜３検査値の中から予め定められた少なくとも１つの検査値を前記期待値変更用データで変更することができる。また、その検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出中に、第３検査値を有する認証用データの認証情報の生成又は送信を検出すると、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で検出対象の検出対象制御コマンドを切り替えることができる。一方、周辺部は、主制御部から受信した認証情報及び複数種類の制御コマンドの各々を後段部に転送する。一方、後段部の期待値記憶手段には、主制御部の３種類の第１検査値、第２検査値、第３検査値の各々に対応した３種類の第１期待値、第２期待値、第３期待値が記憶される。後段側種別情報記憶手段には、主制御部から今回受信する認証情報のデータ種別を示す後段側種別情報が記憶される。そして、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合、主制御部から受信した認証情報の認証用データと３種類の第１期待値、第２期待値、第３期待値との各々を比較し、該比較結果に基づいた主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信することができる。そして、後段部は、主制御部の認証が成立した場合に、認証情報の認証用データと一致する期待値に対応付けられたデータ種別を次回のデータ種別と特定して後段側種別情報を更新することができる。また、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、主制御部から期待値変更用データを受信すると、その後は主制御部と同一の検出対象制御コマンドの受信を監視し、該検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて期待値を期待値変更用データで変更することができる。そして、後段部は、その検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出中に、主制御部から第３検査値を有する認証用データの認証情報の受信を検出すると、主制御部と同様に、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で検出対象の検出対象制御コマンドを切り替えることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて、主制御部から受信した複数種類の制御コマンドの各々に対応した遊技機における所定の処理を行うことができる。
【００１４】
本発明にかかる請求項２記載の遊技機は、複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された複数種類の制御コマンドの各々に基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機において、前記主制御部は、前記主制御部の認証に用いる認証用データに選択的に用いられる第１検査値、第２検査値、第３検査値を記憶する検査値記憶手段と、前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値に対応して前記後段部が予め記憶している第１期待値、第２期待値、第３期待値を変更する期待値変更用データと前記認証用データとを示し且つ前記第１検査値及び前記第２検査値に一対一に対応付けられた相異なるデータ種別のうち、今回生成する前記認証情報のデータ種別を示す種別情報を記憶する種別情報記憶手段と、前記種別情報が前記認証用データを示している場合に、前記検査値記憶手段が記憶している前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値の中から１つの検査値を無作為に選択する選択手段と、前記選択手段が選択した１つの検査値を有する前記認証用データを生成する認証用データ生成手段と、前記選択手段が選択した前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値に予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と決定する決定手段と、前記種別情報が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを生成する期待値変更用データ生成手段と、前記生成した認証用データ又は前記生成した期待値変更用データを有する前記認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記生成した認証情報及び前記制御コマンドを前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、前記決定した次回のデータ種別を示すように前記種別情報を更新する更新手段と、前記期待値変更用データを有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する制御コマンド検出手段と、前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、前記生成した期待値変更用データに基づいて前記検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを変更する主制御側変更手段と、前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える検出対象切替手段と、を備え、前記後段部は、前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を記憶する期待値記憶手段と、今回受信する前記認証情報のデータ種別を示す後段側種別情報を記憶する後段側種別情報記憶手段と、前記周辺部から転送された前記認証情報及び前記制御コマンドを受信する後段側受信手段と、前記後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合に、前記受信した認証情報の認証用データと前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値とを比較し、該比較結果に基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、前記後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、前記主制御部で予め定められた検出対象制御コマンドの前記主制御部からの受信を検出する後段側制御コマンド検出手段と、前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて前記期待値記憶手段が記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を前記主制御部と同様に変更する後段側変更手段と、前記第３検査値を有する認証情報の受信に応じて、前記後段側制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを前記主制御部と同様に前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える後段側検出対象切替手段と、前記認証用データの認証で一致した前記第１期待値又は前記第２期待値に、前記第１検査値及び前記第２検査値と対応するように予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と特定して前記後段側種別情報を更新する特定手段と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記制御コマンドに基づいた前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする。
【００１５】
上記請求項２に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部の検査値記憶手段には、３種類の第１検査値、第２検査値、第３検査値が記憶される。第１検査値、第２検査値には、認証情報の相異なる２種類のデータ種別がそれぞれ対応付けられている。種別情報記憶手段には、今回生成する認証情報のデータ種別を示す種別情報が記憶される。そして、主制御部は、種別情報が認証用データを示している場合に、検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値の中から１つの検査値を無作為に選択すると、該選択した１つの検査値を有する認証用データを生成する。主制御部は、選択した第１検査値、第２検査値、第３検査値に予め対応付けられたデータ種別を次回のデータ種別と決定する。また、主制御部は、種別情報が期待値変更用データを示している場合に、検査値及び期待値の各々を変更する期待値変更用データを生成する。主制御部は、生成した認証用データ又は期待値変更用データを有する認証情報を生成し、該生成した認証情報を後段部に周辺部を介して送信することができる。そして、主制御部は、前記決定した次回のデータ種別を示すように、種別情報記憶手段が記憶している種別情報を更新する。そして、主制御部は、期待値変更用データを生成した後は、遊技機における複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出し、該検出に応じて第１〜３検査値の中から予め定められた少なくとも１つの検査値を前記期待値変更用データで変更することができる。また、その検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出中に、第３検査値を有する認証用データの認証情報の生成又は送信を検出すると、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で検出対象の検出対象制御コマンドを切り替えることができる。一方、周辺部は、主制御部から受信した認証情報及び複数種類の制御コマンドの各々を後段部に転送する。一方、後段部の期待値記憶手段には、主制御部の３種類の第１検査値、第２検査値、第３検査値の各々に対応した３種類の第１期待値、第２期待値、第３期待値が記憶される。後段側種別情報記憶手段には、主制御部から今回受信する認証情報のデータ種別を示す後段側種別情報が記憶される。そして、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合、主制御部から受信した認証情報の認証用データと３種類の第１期待値、第２期待値、第３期待値との各々を比較し、該比較結果に基づいた主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信することができる。そして、後段部は、主制御部の認証が成立した場合に、認証情報の認証用データと一致する期待値に対応付けられたデータ種別を次回のデータ種別と特定して後段側種別情報を更新することができる。また、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、主制御部から期待値変更用データを受信すると、その後は主制御部と同一の検出対象制御コマンドの受信を監視し、該検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて期待値を期待値変更用データで変更することができる。そして、後段部は、その検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出中に、主制御部から第３検査値を有する認証用データの認証情報の受信を検出すると、主制御部と同様に、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で検出対象の検出対象制御コマンドを切り替えることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて、主制御部から受信した複数種類の制御コマンドの各々に対応した遊技機における所定の処理を行うことができる。
【００１６】
請求項３記載の発明は、請求項１又は２に記載の遊技機において、前記検出対象切替手段は、前記制御コマンド検出手段が前記検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する前に、前記認証情報生成手段が前記第３検査値を有する認証情報を再度生成した場合、該認証情報の生成又は送信に応じた前記検出対象制御コマンドの切り替えを禁止する手段であり、前記後段側検出対象切替手段は、前記後段側制御コマンド検出手段が前記検出対象制御コマンドの受信を検出する前に、前記主制御部から前記第３検査値を有する認証情報を再度受信した場合、該受信に応じた前記検出対象制御コマンドの切り替えを禁止する手段であることを特徴とする。
【００１７】
上記請求項３に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部は、検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する前に、第３検査値を有する認証情報が再度生成される場合、該第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じた検出対象制御コマンドの切り替えを禁止することができる。一方、後段部は、検出対象制御コマンドの主制御部からの受信を検出する前に、第３検査値を有する認証情報を再度受信した場合、該認証情報の受信に応じた検出対象制御コマンドの切り替えを禁止することができる。
【００１８】
請求項４記載の発明は、請求項１又は２に記載の遊技機において、前記検出対象切替手段は、前記制御コマンド検出手段が前記検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する前に、前記認証情報生成手段が再度生成した前記第３検査値を有する認証情報の数が予め定められた切替条件を満たした場合、前記制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える手段であり、前記後段側検出対象切替手段は、前記後段側制御コマンド検出手段が前記検出対象制御コマンドの受信を検出する前に、前記主制御部から前記第３検査値を有する認証情報を再度受信した数が前記主制御部と同一の前記切替条件を満たした場合、前記後段側制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で前記主制御部と同様に切り替える手段であることを特徴とする。
【００１９】
上記請求項４に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部は、検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する前に、第３検査値を有する認証情報を再度生成した数が、例えば、複数回、何番目、等の予め定められた切替条件を満たした場合、検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で再度切り替えることができる。一方、後段部は、検出対象制御コマンドの主制御部からの受信を検出する前に、第３検査値を有する認証情報を再度受信した数が、主制御部と同一の切替条件を満たした場合、検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で再度切り替えることができる。
【００２０】
請求項５記載の発明は、請求項１〜４の何れか１項に記載の遊技機において、前記検出対象制御コマンドは、前記複数種類の制御コマンドのうちの前記遊技機における大当たりに関連する制御コマンドであることを特徴とする。
【００２１】
上記請求項５に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部は、期待値変更用データを生成した後は、遊技機における複数種類の制御コマンドのうち、遊技機における大当たりに関連する制御コマンドの発生又は送信を検出し、該検出に応じて２種類の検査値の少なくとも一方を期待値変更用データで変更することができる。一方、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、主制御部から期待値変更用データを受信すると、その後は主制御部と同一の大当たりに関連する制御コマンドの受信を監視し、該大当たりに関連する制御コマンドの受信の検出に応じて期待値を期待値変更用データで変更することができる。
【００２２】
請求項６記載の発明は、請求項１〜５の何れか１項に記載の遊技機において、前記期待値変更用データは、前記期待値変更用データ生成手段によって生成される毎に、予め定められた初期値である前記検査値及び前記期待値の各々を変更するための補正値であることを特徴とする。
【００２３】
上記請求項６に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部及び後段部は、期待値変更用データを生成する毎に、予め定められた初期値である検査値及び期待値を補正値で変更することができる。
【００２４】
請求項７記載の発明は、請求項１〜５の何れか１項に記載の遊技機において、前記期待値変更用データは、前回変更した前記検査値及び前記期待値の各々を変更するための係数値であることを特徴とする。
【００２５】
上記請求項７に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部及び後段部は、前回変更した検査値及び期待値を係数値で変更することができる。即ち、変更対象の検査値及び期待値を変更毎に変化し、検査値及び期待値を累積させて変化させることができる。
【００２６】
請求項８記載の発明は、請求項１〜７の何れか１項に記載の遊技機において、前記期待値記憶手段は、前記主制御部の前記検査値記憶手段が記憶している初期の前記検査値とは異なる値の前記期待値を初期値として記憶しており、前記期待値変更用データ生成手段は、初期値である前記検査値と前記期待値との差分を吸収するための期待値変更用データを生成する手段であることを特徴とする。
【００２７】
上記請求項８に記載した本発明の遊技機によれば、後段部の期待値記憶手段には、主制御部の検査値とは異なる値の期待値が初期値として記憶される。そして、主制御部は、検査値と期待値との差分を吸収するための期待値変更用データを生成して後段部に周辺部を介して送信することができる。
【００２８】
本発明にかかる請求項９記載の遊技機の認証方法は、複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された複数種類の制御コマンドの各々に基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証方法において、前記主制御部は、前記主制御部の認証に用いる認証用データに選択的に用いられる検査値記憶手段に記憶された第１検査値、第２検査値、第３検査値に対応して前記後段部が予め記憶している第１期待値、第２期待値、第３期待値を変更する期待値変更用データと前記認証用データと示し且つ前記第１検査値及び前記第２検査値に一対一に対応付けられた相異なるデータ種別を切り替えるか否かを無作為に決定する切替決定工程と、前記切替決定工程でデータ種別を切り替えると決定した場合に、次回生成する前記認証情報のデータ種別を、前記認証用データと前記期待値変更用データの２種類から無作為に決定する決定工程と、前記決定工程で決定したデータ種別に対応付けられた前記第１検査値又は前記第２検査値を前記検査値記憶手段から抽出する第１抽出工程と、前記切替決定工程でデータ種別を切り替えないと決定した場合に、前記第３検査値を前記検査値記憶手段から抽出する第２抽出工程と、種別情報記憶手段に記憶している種別情報が今回生成する前記認証情報は前記認証用データであることを示している場合に、前記第１抽出工程又は前記第２抽出工程で抽出した検査値を有する前記認証用データを生成する認証用データ生成工程と、前記種別情報が前記期待値変更用データを示している場合に、前記決定工程の決定に応じて前記期待値変更用データを生成する期待値変更用データ生成工程と、前記生成した認証用データ又は前記生成した期待値変更用データを有する前記認証情報を生成する認証情報生成工程と、前記生成した認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信工程と、前記決定した次回のデータ種別を示すように前記種別情報を更新する更新工程と、前記期待値変更用データを有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する制御コマンド検出工程と、前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、前記生成した期待値変更用データに基づいて前記検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを変更する主制御側変更工程と、前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出工程で検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える検出対象切替工程と、を備え、前記後段部は、前記周辺部から転送された前記認証情報を受信する後段側受信工程と、後段側種別情報記憶手段に記憶している後段側種別情報が今回受信する前記認証情報のデータ種別は前記認証用データであることを示している場合に、前記受信した認証情報の認証用データと期待値記憶手段に記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値とを比較し、該比較結果に基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成工程と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信工程と、前記後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、前記主制御部で予め定められた検出対象制御コマンドの前記主制御部からの受信を検出する後段側制御コマンド検出工程と、前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて前記期待値記憶手段が記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を前記主制御部と同様に変更する後段側変更工程と、前記第３検査値を有する認証情報の受信に応じて、前記後段側制御コマンド検出工程で検出する前記検出対象制御コマンドを前記主制御部と同様に前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える後段側検出対象切替工程と、前記認証用データの認証で一致した前記第１期待値又は前記第２期待値に、前記第１検査値及び前記第２検査値と対応するように予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と特定して前記後段側種別情報を更新する特定工程と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記認証情報を前記後段部に転送する転送工程と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信工程と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記制御コマンドに基づいた前記所定の処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする。
【００２９】
上記請求項９に記載した本発明の遊技機の認証方法によれば、主制御部は、データ種別を切り替えると無作為に決定すると、認証用データと期待値変更用データから、次回生成する認証情報のデータ種別を決定し、該決定したデータ種別に対応した第１検査値又は第２検査値を検査値記憶手段から抽出する。また、主制御部は、データ種別を切り替えないと無作為に決定すると、第３検査値を検査値記憶手段から抽出する。主制御部は、種別情報が認証用データを示している場合、前記抽出した第１〜３検査値の何れか１つを有する認証用データを生成する。また、主制御部は、種別情報が期待値変更用データを示している場合、検査値及び期待値の各々を変更する期待値変更用データを生成する。主制御部は、生成した認証用データ又は期待値変更用データを有する認証情報を生成し、該生成した認証情報を後段部に周辺部を介して送信することができる。そして、主制御部は、前記決定した次回のデータ種別を示すように、種別情報記憶手段が記憶している種別情報を更新する。そして、主制御部は、期待値変更用データを生成した後は、遊技機における複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出し、該検出に応じて第１〜３検査値の中から予め定められた少なくとも１つの検査値を前記期待値変更用データで変更することができる。また、その検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出中に、第３検査値を有する認証用データの認証情報の生成又は送信を検出すると、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で検出対象の検出対象制御コマンドを切り替えることができる。一方、周辺部は、主制御部から受信した認証情報及び複数種類の制御コマンドの各々を後段部に転送する。一方、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合、主制御部から受信した認証情報の認証用データと３種類の第１期待値、第２期待値、第３期待値との各々を比較し、該比較結果に基づいた主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信することができる。そして、後段部は、主制御部の認証が成立した場合に、認証情報の認証用データと一致する期待値に対応付けられたデータ種別を次回のデータ種別と特定して後段側種別情報を更新することができる。また、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、主制御部から期待値変更用データを受信すると、その後は主制御部と同一の検出対象制御コマンドの受信を監視し、該検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて期待値を期待値変更用データで変更することができる。そして、後段部は、その検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出中に、主制御部から第３検査値を有する認証用データの認証情報の受信を検出すると、主制御部と同様に、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で検出対象の検出対象制御コマンドを切り替えることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて、主制御部から受信した複数種類の制御コマンドの各々に対応した遊技機における所定の処理を行うことができる。
【００３０】
本発明にかかる請求項１０記載の遊技機の認証方法は、複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された複数種類の制御コマンドの各々に基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証方法において、前記主制御部は、前記主制御部の認証に用いる認証用データに選択的に用いられる第１検査値、第２検査値、第３検査値に対応して前記後段部が予め記憶している第１期待値、第２期待値、第３期待値を変更する期待値変更用データと前記認証用データと示し且つ前記第１検査値及び前記第２検査値に一対一に対応付けられた相異なるデータ種別のうち、種別情報記憶手段に記憶している種別情報が今回生成する前記認証情報のデータ種別は前記認証用データを示している場合に、検査値記憶手段に記憶している前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値の中から１つの検査値を無作為に選択する選択工程と、前記選択工程で選択した１つの検査値を有する前記認証用データを生成する認証用データ生成工程と、前記選択工程が選択した前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値に予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と決定する決定工程と、前記種別情報が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを生成する期待値変更用データ生成工程と、前記生成した認証用データ又は前記生成した期待値変更用データを有する前記認証情報を生成する認証情報生成工程と、前記生成した認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信工程と、前記決定した次回のデータ種別を示すように前記種別情報を更新する更新工程と、前記期待値変更用データを有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する制御コマンド検出工程と、前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、前記生成した期待値変更用データに基づいて前記検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを変更する主制御側変更工程と、前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出工程で検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える検出対象切替工程と、を備え、前記後段部は、前記周辺部から転送された前記認証情報を受信する後段側受信工程と、後段側種別情報記憶手段に記憶している後段側種別情報が今回受信する前記認証情報のデータ種別は前記認証用データであることを示している場合に、前記受信した認証情報の認証用データと期待値記憶手段に記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値とを比較し、該比較結果に基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成工程と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信工程と、前記後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、前記主制御部で予め定められた検出対象制御コマンドの前記主制御部からの受信を検出する後段側制御コマンド検出工程と、前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて前記期待値記憶手段が記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を前記主制御部と同様に変更する後段側変更工程と、前記第３検査値を有する認証情報の受信に応じて、前記後段側制御コマンド検出工程で検出する前記検出対象制御コマンドを前記主制御部と同様に前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える後段側検出対象切替工程と、前記認証用データの認証で一致した前記第１期待値又は前記第２期待値に、前記第１検査値及び前記第２検査値と対応するように予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と特定して前記後段側種別情報を更新する特定工程と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記認証情報を前記後段部に転送する転送工程と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信工程と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記制御コマンドに基づいた前記所定の処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする。
【００３１】
上記請求項１０に記載した本発明の遊技機の認証方法によれば、主制御部は、種別情報が認証用データを示している場合に、検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値の中から１つの検査値を無作為に選択すると、該選択した１つの検査値を有する認証用データを生成する。主制御部は、選択した第１検査値、第２検査値、第３検査値に予め対応付けられたデータ種別を次回のデータ種別と決定する。また、主制御部は、種別情報が期待値変更用データを示している場合に、検査値及び期待値の各々を変更する期待値変更用データを生成する。主制御部は、生成した認証用データ又は期待値変更用データを有する認証情報を生成し、該生成した認証情報を後段部に周辺部を介して送信することができる。そして、主制御部は、前記決定した次回のデータ種別を示すように、種別情報記憶手段が記憶している種別情報を更新する。そして、主制御部は、期待値変更用データを生成した後は、遊技機における複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出し、該検出に応じて第１〜３検査値の中から予め定められた少なくとも１つの検査値を前記期待値変更用データで変更することができる。また、その検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出中に、第３検査値を有する認証用データの認証情報の生成又は送信を検出すると、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で検出対象の検出対象制御コマンドを切り替えることができる。一方、周辺部は、主制御部から受信した認証情報及び複数種類の制御コマンドの各々を後段部に転送する。一方、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合、主制御部から受信した認証情報の認証用データと３種類の第１期待値、第２期待値、第３期待値との各々を比較し、該比較結果に基づいた主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信することができる。そして、後段部は、主制御部の認証が成立した場合に、認証情報の認証用データと一致する期待値に対応付けられたデータ種別を次回のデータ種別と特定して後段側種別情報を更新することができる。また、後段部は、後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、主制御部から期待値変更用データを受信すると、その後は主制御部と同一の検出対象制御コマンドの受信を監視し、該検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて期待値を期待値変更用データで変更することができる。そして、後段部は、その検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出中に、主制御部から第３検査値を有する認証用データの認証情報の受信を検出すると、主制御部と同様に、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で検出対象の検出対象制御コマンドを切り替えることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて、主制御部から受信した複数種類の制御コマンドの各々に対応した遊技機における所定の処理を行うことができる。
【発明の効果】
【００３２】
以上説明したように本発明によれば、主制御部は３種類の検査値のうちの第１検査値及び第２検査値の各々に認証情報の２種類のデータ種別を対応付けておき、第１検査値又は第２検査値で認証用データを生成し、該認証用データを有する認証情報を生成して後段部に周辺部を介して送信するようにしたことから、後段部は期待値に前記データ種別を対応付けておくことで、認証情報が有する検査値と期待値が一致したときに、主制御部の認証を成立させることができ且つ次回受信すべき認証情報のデータ種別を特定することができるため、不正な解析者が認証情報を不正に利用することを防止できる。また、期待値変更用データによる検査値及び期待値の変更タイミングを、複数種類の制御コマンドの中から予め定めた検出対象制御コマンドに関連付けるようにしたことから、期待値変更用データの生成、送信とそれを用いた変更との間隔等を不規則にすることができるため、不正な解析を困難にすることができる。後段部は、主制御部と同一の検出対象制御コマンドの検出に応じて、主制御部から受信した期待値変更用データで期待値を変更して、主制御部の検査値に合わせることができるため、主制御部と後段部との間で検査値と期待値とを揃えて変更することができ、不正な解析者による解析をより一層困難にすることができる。また、主制御部及び後段部は、第３検査値を有する認証情報の生成又は送信及び受信の検出に応じて、検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で揃えて切り替えるようにしたことから、期待値変更用データによる変更タイミングをより一層複雑にして、不正な解析を困難にすることができる。そして、１種類の認証情報を用いればよいため、従来のコマンド体系に対する追加を最小限に抑え且つ主制御部の処理が複雑化することを防止できる。さらに、不正解析者によって認証情報が不正に利用されたことを、認証情報のデータ種別によって後段部が検出することができるため、認証情報の認証強度を高めることができる。また、後段部が主制御部に対する認証処理を行い、その後段認証結果を周辺部に送信するようにしたことから、周辺部は認証処理を行わずに後段認証結果を参照するだけで良いため、周辺部のＣＰＵの処理負荷を軽減することができる。さらに、３種類の検査値は予め記憶しておくことができるため、認証情報の生成時に複雑な演算を行う必要がなくなり、主制御部の処理負担の増加を防止できる。しかも、周辺部は、主制御部からの認証情報を後段部にそのまま送信することで、周辺部が所定の処理を行うと同時に、後段部が認証処理を行うことができるため、周辺部における所定の処理に遅れが生じることを防止できる。従って、１種類の認証情報で認証及び認証に用いるデータの変更を行っても、その認証情報及びその変更の不正解析を困難にすることができるという効果を奏する。
【００３３】
上述した遊技機において、主制御部は、検出対象制御コマンドを検出する前に、第３検査値を有する認証情報を再度生成した場合、また、後段部は、検出対象制御コマンドを検出する前に、第３検査値を有する認証情報を再度受信した場合、検出対象制御コマンドの切り替えを禁止するようにすれば、検出対象制御コマンドを検出する前に検出対象制御コマンドが切り替わることを防止できるため、処理の複雑化を防止することができる。そして、第３検査値を有する認証情報を主制御部と後段部との間で恰もダミーのように用いることができるため、不正な解析をより一層困難にすることができる。
【００３４】
上述した遊技機において、主制御部は、検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する前に、第３検査値を有する認証情報を再度生成した数が予め定められた切替条件を満たした場合、また、後段部は、検出対象制御コマンドの主制御部からの受信を検出する前に、第３検査値を有する認証情報を再度受信した数が、主制御部と同一の切替条件を満たした場合、検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で再度切り替えるようにすれば、期待値変更用データによる変更前に、検出対象制御コマンドを切り替えることができるため、変更タイミングをより一層複雑化させることができる。また、切替条件によっては第３検査値を有する認証情報の検出に応じて検出対象制御コマンドを切り替える場合と切り替えない場合が生じることから、不正な解析をより一層困難にすることができる。
【００３５】
上述した遊技機において、例えば、大当たりリーチコマンド、大当たり開始コマンド、大当たりコマンド、大当たり終了コマンド、等の遊技機における大当たり関連コマンドを検出対象制御コマンドとしたことから、その大当たり関連コマンドは不正に利用されやすいため、期待値変更用データを保持している後段部に不正な大当たり関連コマンドが送信されると、後段部はそれを検出対象制御コマンドとして検出して期待値を変更してしまい、主制御部の検査値と後段部の期待値とを不一致にさせることができる。従って、不正の発生を検出する精度向上に貢献することができる。
【００３６】
上述した遊技機において、期待値変更用データが予め定められた初期値である検査値及び期待値を変更する補正値としたことから、主制御部及び後段部は予め定められた検査値及び期待値を期待値変更用データで変更するだけでよいため、変更処理を簡単化することができる。
【００３７】
上述した遊技機において、期待値変更用データが前回変更した検査値及び期待値を変更する係数値としたことから、検査値及び期待値を累積させて変更することができるため、検査値及び期待値の解析をより一層困難にすることができると共に、検査値及び期待値の不正利用を防止することができる。
【００３８】
上述した遊技機において、主制御部の検査値とは異なる値の期待値を後段部に予め記憶しておき、検査値と期待値との差分を吸収するための期待値変更用データを主制御部が生成して後段部に周辺部を介して送信するようにしたことから、後段部がその期待値変更用データで期待値を変更することで、期待値を主制御部の検査値と一致させることができるため、不正な解析者による検査値及び期待値の解析及び利用を困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３９】
【図１】本発明のぱちんこ遊技機の遊技盤の一例を示す正面図である。
【図２】ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図３】主制御基板および周辺基板の機能的構成を示すブロック図である。
【図４】主制御部による演出制御部の制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図５】主制御部による演出制御部の制御処理の他の一部を示すフローチャートである。
【図６】大当たり関連コマンドの送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図７】演出制御部による図柄変動処理の手順を示すフローチャートである。
【図８】演出制御部による大当たり時処理の手順を示すフローチャートである。
【図９】ランプ制御部による図柄変動時のランプ制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図１０】主制御部が出力する制御信号のデータフォーマットを模式的に示す説明図である。
【図１１】認証情報と後段認証結果情報のデータフォーマットを示す説明図である。
【図１２】認証情報のデータ種別を説明するための図である。
【図１３】検査値と期待値とデータ種別との対応関係の一例を示す図である。
【図１４】主制御部による認証情報の送信手順を示すフローチャートである。
【図１５】主制御部による検出対象制御コマンドの監視例を示すフローチャートである。
【図１６】後段部による認証情報の認証手順の一例を示すフローチャートである。
【図１７】後段部による検出対象制御コマンドの監視例を示すフローチャートである。
【図１８】周辺部による制御信号及び後段認証結果信号の受信手順を示すフローチャートである。
【図１９】認証情報を用いた場合の認証処理手順例のその１を示すフローチャートである。
【図２０】認証情報を用いた場合の認証処理手順例のその２を示すフローチャートである。
【図２１】認証情報を用いた場合の認証処理手順例のその３を示すフローチャートである。
【図２２】期待値変更用データによる検査値、期待値の変更例を説明するためのフローチャートである。
【図２３】主制御基板および周辺基板の機能的構成２を示すブロック図である。
【図２４】主制御部による認証情報の送信手順２を示すフローチャートである。
【図２５】認証情報を用いた場合の認証処理手順例２のその１を示すフローチャートである。
【図２６】認証情報を用いた場合の認証処理手順例２のその２を示すフローチャートである。
【図２７】認証情報を用いた場合の認証処理手順例２のその３を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００４０】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる遊技機であるぱちんこ遊技機と、このぱちんこ遊技機に搭載されている複数の基板間（主制御基板および周辺基板）の制御信号に含まれる制御コマンドを認証する認証方法および認証プログラムに好適な実施の形態を詳細に説明する。
【００４１】
［実施例１］
（ぱちんこ遊技機の基本構成）
本発明のぱちんこ遊技機１００は、図１に示す遊技盤１０１を備えている。遊技盤１０１の下部位置に配置された発射部２９２（図２参照）の駆動によって発射された遊技球は、レール１０２ａ，１０２ｂ間を上昇して遊技盤１０１の上部位置に達した後、遊技領域１０３内を落下する。図示を省略するが、遊技領域１０３には、遊技球を各種の方向に向けて落下させる複数の釘が設けられている。遊技領域１０３には、遊技球の落下途中の位置に、遊技球の落下方向を変化させる風車や入賞口が配設されている。
【００４２】
遊技盤１０１の遊技領域１０３の中央部分には、図柄表示部１０４が配置されている。図柄表示部１０４としては、例えば液晶表示器（ＬＣＤ）が用いられる。なお、図柄表示部１０４としては、ＬＣＤに限らず、ＣＲＴ、複数のドラム、などを用いることができる。図柄表示部１０４の下方には、始動入賞させるための始動入賞口１０５が配設されている。図柄表示部１０４の左右には、それぞれ入賞ゲート１０６が配設されている。
【００４３】
入賞ゲート１０６は、落下する遊技球の通過を検出し、始動入賞口１０５を一定時間だけ開放させる抽選を行うために設けられている。図柄表示部１０４の側部や下方などには普通入賞口１０７が配設されている。普通入賞口１０７に遊技球が入賞すると、ぱちんこ遊技機１００は普通入賞時の賞球数（例えば１０個）の払い出しを行う。遊技領域１０３の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口１０８が設けられている。
【００４４】
上述した図柄表示部１０４は、特定の入賞口に遊技球が入賞したとき（始動入賞時）に、複数の図柄の表示の変動を開始し、所定時間後に図柄の表示の変動を停止する。この停止時に特定図柄（例えば「７７７」など）に揃ったときに、ぱちんこ遊技機１００は大当たり状態となる。そして、ぱちんこ遊技機１００は、大当たり状態のとき、遊技盤１０１の下方に位置する大入賞口１０９を一定の期間開放させ、この期間開放を所定ラウンド（例えば１５ラウンドなど）繰り返し、大入賞口１０９に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す。
【００４５】
ぱちんこ遊技機１００は、図２に示す制御部２００を備えている。制御部２００は、主制御部２０１と、演出制御部２０２Ａと、後段部２０２Ｂと、賞球制御部２０３と、を有している。主制御部２０１は本発明の主制御基板に相当している。演出制御部２０２Ａと後段部２０２Ｂは周辺基板に一体に設けられる。そして、主制御部２０１は、演出制御部２０２Ａと賞球制御部２０３とに対して送信可能な構成となっている。演出制御部２０２Ａと後段部２０２Ｂとの間は双方向通信が可能な構成となっている。即ち、後段部２０２Ｂは、演出制御部２０２Ａを介して主制御部２０１からのデータを受信する構成となっている。
【００４６】
主制御部２０１は、ぱちんこ遊技機１００の遊技にかかる基本動作を制御する。演出制御部２０２Ａは、主制御部２０１から受信した認証情報等のデータを後段部２０２Ｂに転送（送信）する。後段部２０２Ｂは、演出制御部２０２Ａから転送されたデータに基づいて主制御部２０１の認証を行い、その認証結果を演出制御部２０２Ａに送信する。そして、演出制御部２０２Ａは、主制御部２０１から受信した制御コマンドに応じて、遊戯中の演出動作を制御する。賞球制御部２０３は、払い出す賞球数を制御する。
【００４７】
主制御部２０１は、ＣＰＵ２１１と、ＲＯＭ２１２と、ＲＡＭ２１３と、インタフェース（Ｉ／Ｆ）２１４と、を有している。ＣＰＵ２１１は、ＲＯＭ２１２に記憶されたプログラムデータに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ＲＯＭ２１２は、プログラムデータ等を記憶する記憶領域を有している。ＲＡＭ２１３は、ＣＰＵ２１１の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。Ｉ／Ｆ２１４は、各検出部２２１〜２２４から各種データを受信するとともに、演出制御部２０２Ａ及び賞球制御部２０３への各種データの送信を行う。主制御部２０１は、例えばいわゆる主制御基板によってその機能を実現する。
【００４８】
この主制御部２０１の入力側には、始動入賞口１０５に入賞した入賞球を検出する始動入賞口検出部２２１と、入賞ゲート１０６を通過した遊技球を検出するゲート検出部２２２と、普通入賞口１０７に入賞した遊技球を検出する普通入賞口検出部２２３と、大入賞口１０９に入賞した入賞球を検出する大入賞口検出部２２４と、がＩ／Ｆ２１４を介して電気的に接続されている。これらの検出部としては、近接スイッチなどを用いて構成できる。
【００４９】
この主制御部２０１の出力側には、大入賞口開閉部２２５が電気的に接続されており、主制御部２０１はこの大入賞口開閉部２２５の開閉を制御する。大入賞口開閉部２２５は、大当たり時に大入賞口１０９を一定期間開放する機能であり、ソレノイドなどを用いて構成できる。この大当たりは、生成した乱数（大当たり判定用乱数）に基づいて、所定の確率（例えば３００分の１など）で発生するよう予めプログラムされている。
【００５０】
演出制御部２０２Ａは、主制御部２０１から各種の制御コマンドを含む制御信号を受け取り、このコマンドに基づいて、ＲＯＭ２４２に記憶されたプログラムデータを実行して遊技中における演出制御を行う。この演出制御部２０２Ａは、ＣＰＵ２４１と、ＲＯＭ２４２と、ＲＡＭ２４３と、ＶＲＡＭ２４４と、インタフェース（Ｉ／Ｆ）２４５と、を有している。ＣＰＵ２４１は、ぱちんこ遊技機１００に対応した演出処理を実行する。ＲＡＭ２４３は、ＣＰＵ２４１の演出処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。ＶＲＡＭ２４４は、図柄表示部１０４に表示させる画像データ等を記憶する。Ｉ／Ｆ２４５は、主制御部２０１及び後段部２０２Ｂからの各種データの受信を行い、且つ、後段部２０２Ｂ、ランプ制御部２５１、音声制御部２５２への各種データの送信を行う。そして、演出制御部２０２Ａは、後段部２０２Ｂとともに同一の周辺基板で実現している。また、演出制御部２０２Ａの出力側には、上述した図柄表示部（ＬＣＤ）１０４、ランプ制御部２５１、音声制御部２５２がＩ／Ｆ２４５を介して電気的に接続されている。ランプ制御部２５１はランプ２６１の点灯を制御する。また、音声制御部２５２はスピーカ２６２の音声等の出力を制御する。
【００５１】
後段部２０２Ｂは、ＣＰＵ２１と、ＲＯＭ２２と、ＲＡＭ２３と、インタフェース（Ｉ／Ｆ）２４と、を有している。ＣＰＵ２１は、ＲＯＭ２２に記憶されたプログラムデータに基づき、主制御部２０１の認証に伴う処理を行う。ＲＯＭ２２は、前記プログラムデータ等を記憶する記憶領域を有している。ＲＡＭ２３は、ＣＰＵ２１の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。Ｉ／Ｆ２４は、各種データを主制御部２０１から演出制御部２０２Ａ（周辺部）を介して受信するとともに、演出制御部２０２Ａへの各種データの送信を行う。
【００５２】
賞球制御部２０３は、主制御部２０１から各種の制御コマンドを含む制御信号を受け取り、このコマンドに基づいて、ＲＯＭ２８２に記憶されたプログラムデータを実行して賞球制御を行う。この賞球制御部２０３は、ＣＰＵ２８１と、ＲＯＭ２８２と、ＲＡＭ２８３と、インタフェース（Ｉ／Ｆ）２８４と、を有している。ＣＰＵ２８１は、賞球制御の処理を実行する。ＲＡＭ２８３は、ＣＰＵ２８１の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。Ｉ／Ｆ２８４は、主制御部２０１からの各種データの受信および発射部２９２との各種データの送受信を行う。賞球制御部２０３は、例えばいわゆる賞球基板によってその機能を実現する。
【００５３】
賞球制御部２０３は、Ｉ／Ｆ２８４を介して接続される払出部２９１に対して、入賞時の賞球数を払い出す制御を行う。また、賞球制御部２０３は、発射部２９２に対する遊技球の発射の操作を検出し、発射部２９２における遊技球の発射を制御する。払出部２９１は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータなどからなる。賞球制御部２０３は、この払出部２９１に対して、各入賞口（始動入賞口１０５、普通入賞口１０７、大入賞口１０９）に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。
【００５４】
発射部２９２は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部２０３は、発射部２９２のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイドなどを駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤１０１の遊技領域１０３に遊技球を送り出す。
【００５５】
上記構成の主制御部２０１と演出制御部２０２Ａ及び後段部２０２Ｂと賞球制御部２０３は、それぞれ異なるプリント基板（主制御基板、演出基板、賞球基板）に設けられる。そして、演出基板と賞球基板が本発明の周辺基板に相当している。
【００５６】
なお、ぱちんこ遊技機１００の基板の構成は、これに限らず、例えば、賞球制御部２０３を、主制御部２０１又は演出制御部２０２Ａ及び後段部２０２Ｂと同一のプリント基板上に設けるなどの種々異なる構成とすることができる。また、演出制御部２０２Ａと後段部２０２Ｂは、同一のプリント基板で実現する構成に代えて、一方のプリント基板を他方のプリント基板に実装する構成、別体のプリント基板をケーブル等で電気的に接続する構成、等のように種々異なる実施形態とすることができる。
【００５７】
（主制御基板および周辺基板の機能的構成）
まず、図３を参照して、主制御部２０１としての機能を有する主制御基板３１０の機能的構成について説明する。主制御基板３１０は、周辺基板３３０を動作させるための制御コマンドを送信する機能部であり、データ記憶部３１１、切替決定部３１２、決定部３１３、第１抽出部３１４、第２抽出部３１５、認証用データ生成部３１６、期待値変更用データ生成部３１７、認証情報生成部３１８、主制御側送信部３１９、更新部３２０、制御コマンド検出部３２１、主制御側変更部３２２、検出対象切替部３２３を有して構成している。そして、主制御基板３１０は、周辺基板３３０とは別の基板で形成されており、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａと通信可能なように電気的に接続されている。
【００５８】
データ記憶部３１１は、本発明の検査値記憶手段及び種別情報記憶手段に相当し、検査値、認証情報、種別情報、認証用データ、期待値変更用データ、検出対象制御コマンド情報、切替情報、等の各種データを記憶している。データ記憶部３１１としては、例えば、主制御部２０１のＲＯＭ２１２、ＲＡＭ２１３（図２参照）の一部を用いることができる。また、データ記憶部３１１は、周辺部２０２Ａに送信した認証情報を記憶する記憶領域を有している。データ記憶部３１１に記憶する認証情報は、１回の送信分のみを記憶する構成、送信した複数回分を時系列的に記憶する構成、等の種々異なる実施形態とすることができる。
【００５９】
認証用データは、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂが主制御基板３１０（主制御部）の認証に用いるデータとなっており、上述したＣＰＵ２１１が生成する。そして、期待値変更用データは、主制御部２０１が有する３種類の検査値と後段部２０２Ｂが有する３種類の期待値とを変更するためのデータとなっており、上述したＣＰＵ２１１が生成プログラム等を実行して不規則に生成する、又は、任意のカウンタ、予め定められた値、等に基づいて生成する。
【００６０】
データ記憶部３１１は、ぱちんこ遊技機１００に対して設計時、製造時、等に予め定められた相異なる３種類の検査値を記憶している。３種類の検査値は、第１検査値、第２検査値、第３検査値を有して構成しており、例えば主制御部２０１のＲＯＭ２１２における相異なる３つの所定領域のチェックサム、予め定められた固有の値、奇数と偶数、大小関係の値、等が挙げられる。
【００６１】
第１検査値及び第２検査値の各々は、上述した認証用データと期待値変更用データとのうち、認証情報がどちらのデータを有するかを示すデータ種別と一対一に対応付けられている。具体的には、第１検査値及び第２検査値の各々には、そのデータ種別を示すための種別データが関連付けられている。そして、第３検査値は、後述する検出対象制御コマンドの切り替えが定義付けられている。
【００６２】
本実施形態の第３検査値は、後述する制御コマンド検出部３２１が検出対象とする検出対象制御コマンドを示す検出対象制御コマンド情報に関連付けられデータ記憶部３１１に記憶されている。そして、検出対象制御コマンド情報には、最新の検出対象制御コマンドを示すデータ等が設定されており、検出対象制御コマンドの切り替えに応じて設定されるデータが変化する。なお、本実施形態では、説明を簡単化するために、予め定められた大当たり開始コマンドと大当たり終了コマンドの２種類の制御コマンドを検出対象制御コマンドとして切り替える場合について説明する。なお、第３検査値は、上述したデータ種別を対応付けてデータ記憶部３１１に記憶するようにしても良い。
【００６３】
また、第３検査値には、検出対象制御コマンドを切り替え方式を示す切替情報を関連付けて記憶することもできる。そして、切替情報は、複数種類の制御コマンドの中から予め定められた切り替え対象する複数種類の検出対象制御コマンドと、該複数種類の検出対象制御コマンドの切り替え方式と、を示す情報となっている。切替情報の一例としては、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドを示す切り替えテーブルとその切り替え順番に基づいて検出対象を切り替える方式、複数種類の検出対象制御コマンドの中から選択するための複数の選択パターンと該複数の選択パターンの切り替え順番とに基づいて検出対象を切り替える方式、等が挙げられる。そして、切替情報は、本発明を実現するためのプログラムの一部として組み込む実施形態とすることもできる。
【００６４】
なお、本実施形態では、３種類の第１〜３検査値とそれに対応した第１〜３期待値を用いる場合について説明するが、これに代えて、第３検査値及び第３期待値を複数種類用いることで、３種類以上の検査値及び期待値とすることもできる。その場合は、２種類の第３検査値及び第３期待値のうちの予め定められた一方のみを用いる実施形態や、２種類の第３検査値及び第３期待値の各々に異なる切替情報を関連付けておき、その双方の切替情報を用いる実施形態とことで対応できる。
【００６５】
種別情報は、主制御部２０１が今回生成する認証情報のデータ種別を示すデータ構造となっている。例えば、種別情報は、今回種別データと次回種別データとを有しており、各種別データは認証用データと期待値変更用データとを識別するためのデータとなっている。なお、種別情報は、次回の種別データの設定を認証処理の最後に行うことで、今回種別データのみのデータ構造とすることもできる。
【００６６】
切替決定部３１２は、本発明の切替決定手段に相当し、前記相異なるデータ種別を切り替えるかを無作為に決定する。即ち、切替決定部３１２は、認証用データと期待値変更用データのうちの何れのデータ種別に切り替えるか、検知対象制御コマンドを切り替えるかを決定する手段である。切替決定部３１２は、例えば乱数、テーブル、等を用いて不規則に決定することで、不正解析者によって不正に解析されるのを困難にしている。
【００６７】
決定部３１３は、本発明の決定手段に相当し、切替決定部３１２がデータ種別を切り替えると決定した場合に、主制御基板３１０が次回生成する認証情報のデータ種別を、認証用データと期待値変更用データの２種類のデータ種別から無作為に決定する。そして、決定部３１３は、認証用データと期待値変更用データとが不規則な順番となるように、例えば乱数、テーブル、等を用いて不規則に次回のデータ種別を決定することで、不正解析者によって不正に解析されるのを困難にしている。
【００６８】
第１抽出部３１４は、本発明の第１抽出手段に相当し、決定部３１３が決定した次回のデータ種別に対応付けられた第１検査値又は第２検査値をデータ記憶部（検査値記憶手段）３１１から抽出し、該抽出した検査値をＲＡＭ２１３等に記憶する。そして、第１抽出部３１４が抽出した一方の検査値が、今回生成する認証情報の認証用データとして用いる検査値となる。
【００６９】
第２抽出部３１５は、本発明の第２抽出手段に相当し、切替決定部３１２がデータ種別を切り替えない、即ち、検出対象制御コマンドを切り替えると決定した場合に、第３検査値をデータ記憶部（検査値記憶手段）３１１から抽出し、該抽出した第３検査値をＲＡＭ２１３等に記憶する。そして、第２抽出部３１５が抽出した第３検査値が、今回生成する認証情報の認証用データとして用いる検査値となる。
【００７０】
認証用データ生成部３１６は、本発明の認証用データ生成手段に相当し、データ記憶部３１１に記憶している種別情報が認証用データを示している場合に、第１抽出部３１４又は第２抽出部３１５が抽出した検査値を有する認証用データを生成し、該認証用データをデータ記憶部３１１等に記憶する。そして、認証用データ生成部３１６は、１回目の処理では予め定められた初期値であるデータ種別を用いて前記抽出された検査値の認証用データを生成し、２回目以降の処理では、前回の処理で決定部３１３によって次回のデータ種別が決定されていることから、その次回のデータ種別を用いて前記抽出された検査値の認証用データを生成する。このように生成した認証用データは、無作為に抽出された３種類の検査値のうちの１つの値となっている。なお、本実施形態では、認証用データが前記抽出した検査値である場合について説明するが、これに代えて、例えば、主制御部２０１と後段部２０２Ｂとの間で予め定めた演算方式で前記抽出した検査値を演算した値とすることもできる。
【００７１】
期待値変更用データ生成部３１７は、本発明の期待値変更用データ生成手段に相当し、データ記憶部３１１が記憶している種別情報が期待値変更用データを示している場合に、決定部３１３による期待値変更用データとの決定に応じて、主制御基板３１０の３種類の検査値及び周辺基板３３０における後段部２０２Ｂの３種類の期待値の各々を変更する期待値変更用データを生成し、該期待値変更用データをデータ記憶部３１１等に記憶する。期待値変更用データ生成部３１７は、任意の生成タイミングで、相異なる値、不規則な値、等となるように期待値変更用データを生成する。そして、期待値変更用データとしては、後述する補正値、係数値、等が挙げられる。
【００７２】
認証情報生成部３１８は、本発明の認証情報生成手段に相当し、認証用データ生成部３１６が生成した認証用データ又は期待値変更用データ生成部３１７が生成した期待値変更用データを有する認証情報を生成する。本実施形態の認証情報生成部３１８は、認証用データ又は期待値変更用データの何れか一方のデータと、ぱちんこ遊技機１００における複数種類の制御コマンドとは異なる認証コマンドと、を有する認証情報を生成する場合について説明する。これに代えて、認証情報が他のデータをさらに有するデータ構造とすることもできる。
【００７３】
主制御側送信部３１９は、本発明の主制御側送信手段に相当し、認証情報生成部３１６が生成した認証情報と周辺部２０２Ａを制御する複数種類の制御コマンドデータとの各々を、異なるタイミングで個別に周辺基板３３０の周辺部２０２Ａを介して後段部２０２Ｂに送信する。そして、本実施形態の主制御側送信部３１９は、前記制御コマンドデータを制御信号として周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信し、該周辺部２０２Ａがその信号を後段部２０２Ｂに転送（送信）する。また、主制御側送信部３１９は、前記認証情報を前記制御信号とは別の信号である認証情報信号として周辺部２０２Ａに送信し、該周辺部２０２Ａがその信号を後段部２０２Ｂに転送（送信）する。これにより、ぱちんこ遊技機１００において、制御信号と認証情報信号とを区別化している。
【００７４】
更新部３２０は、本発明の更新手段に相当し、決定部３１２が決定した次回のデータ種別を示すように、データ記憶部３１１に記憶している種別情報を更新する。そして、該種別情報が示す次回のデータ種別は、主制御基板３１０における次回の認証処理で今回のデータ種別として用いられる。
【００７５】
制御コマンド検出部３２１は、本発明の制御コマンド検出手段に相当し、認証情報生成部３１８による期待値変更用データを有する認証情報の生成、又は、主制御側送信部３１９による当該認証情報の周辺部２０２Ａに対する送信に応じて、ぱちんこ遊技機１００における複数種類の制御コマンドの中から予め定められ且つ前記検出対象制御コマンド情報に設定されている検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する。即ち、制御コマンド検出部３２１は、期待値変更用データ生成部３１７が生成した期待値変更用データの変更タイミングを、当該検出対象制御コマンドの発生時又は周辺部２０２Ａへの送信時としている。なお、検出対象制御コマンドとしては、複数種類の制御コマンドの中の１種類の制御コマンドとしても良いし、２種類以上の制御コマンドとしても良い。
【００７６】
主制御側変更部３２２は、本発明の主制御側変更手段に相当し、制御コマンド検出部３２１による前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、データ記憶部３１１（検査値記憶手段）が記憶している３種類の第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを、期待値変更用データ生成部３１７が生成した期待値変更用データに基づいて変更する。主制御側変更部３２２は、主制御基板３１０と周辺基板３３０の後段部２０２Ｂとの間で予め定められた変更方式と期待値変更用データとを用いて、前記３種類の検査値を変更する。そして、変更方式としては、例えば、＋、−、＊、／、ＡＮＤ、ＯＲ、ＸＯＲ、予め定められた関数、等の各種演算方式を用いることができる。
【００７７】
検出対象切替部３２３は、本発明の検出対象切替手段に相当し、前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出部３２１が検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える。よって、前記制御コマンド検出部３２１が検出する前記検出対象制御コマンドが切り替わることで、前記検出制御コマンドを検出するタイミングが変化することから、前記主制御側変更部３２２による変更タイミングも変化するため、該変更タイミングの不正な解析をより一層困難にすることができる。そして、本実施形態の検出対象切替部３２３は、検出対象制御コマンド情報に設定されている検出対象制御コマンドを基準にして、切替情報が示す複数種類の検出対象制御コマンドを予め定められた切り替え順番で切り替え、該切り替えた検出対象制御コマンドを検出対象制御コマンド情報に設定する。
【００７８】
例えば、切替情報が大当たり開始コマンドと大当たり終了コマンドの２種類の制御コマンドを示している場合、検出対象制御コマンド情報に大当たり開始コマンドが設定されていると、検出対象切替部３２３は、大当たり開始コマンドから大当たり終了コマンドに切り替え、該大当たり終了コマンドを検出対象制御コマンド情報に設定する。さらに、切替情報が、大当たりに関連する制御コマンドと大当たりに関連しない制御コマンドとを組み合わせることで、切り替えタイミングをより一層複雑にすることができるため、不正な解析を困難にすることができる。
【００７９】
本発明のぱちんこ遊技機１００は、３種類の検査値を主制御基板３１０の認証に用いるに当たり、それらの検査値を主制御基板３１０は期待値変更用データで変更することができるため、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂがその期待値変更用データを主制御基板３１０から取得し、検査値に対応した期待値をその期待値変更用データで変更させることで、変更した検査値と期待値とに基づいて主制御基板３１０の認証を行う構成を採用している。そして、期待値変更用データによる変更を、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの各々に連動して切り替えることができるため、不正な解析を困難にすると共に、制御コマンドを不正に用いることを困難にすることが期待できる。よって、ぱちんこ遊技機１００は、１種類の認証情報で認証を行っても、認証用データを不正に解析することを困難にすることができるため、セキュリティの向上を図ることができる。
【００８０】
続いて、上述した演出制御部２０２Ａなどの周辺部としての機能を有する周辺基板３３０の機能的構成について説明する。図３に示すように、周辺基板３３０は、周辺部（演出制御部）２０２Ａと、後段部２０２Ｂと、を有して構成している。そして、周辺基板３３０は、周辺部（演出制御部）２０２Ａと後段部２０２Ｂとの間で双方向通信が可能に構成している。なお、本実施例では、演出制御部２０２Ａと後段部２０２Ｂとを有する周辺基板３３０とした場合について説明するが、これに代えて、賞球制御部２０３側に後段部２０２Ｂを設けた周辺基板とすることもできる。また、演出制御部２０２Ａと後段部２０２Ｂは個別の基板とし、例えば演出制御部２０２Ａの基板に後段部２０２Ｂの基板を実装する等の構成とすることもできる。
【００８１】
まず、後段部２０２Ｂは、後段側受信部３３１、後段側記憶部３３２、後段認証結果データ生成部３３３、後段側送信部３３４、後段側制御コマンド検出部３３５、後段側変更部３３６、後段側検出対象切替部３３７、特定部３３８を有して構成している。
【００８２】
後段側受信部３３１は、本発明の後段側受信手段に相当し、主制御基板３１０が周辺部２０２Ａに送信し且つ当該周辺部２０２Ａから転送された複数種類の制御コマンドデータ、認証情報、等を受信する。本実施形態の後段側受信部３３１は、例えば、制御コマンドデータに対応した制御信号、認証情報に対応した認証情報信号を受信することによって、複数種類の制御コマンドデータ、認証情報を主制御基板３１０から周辺部２０２Ａを介して受信する。そして、後段側受信部３３１は、受信した制御信号が示す制御コマンドの履歴を後段側記憶部３３２に記憶する。
【００８３】
後段側記憶部３３２は、本発明の期待値記憶手段及び後段側種別情報記憶手段に相当している。後段側記憶部３３２は、上述した主制御基板３１０から受信すべき３種類の検査値、即ち、主制御基板３１０のデータ記憶部３１１が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値の各々と一致する３種類の期待値を記憶している。３種類の期待値は、上記第１検査値に対応した第１期待値と、上記第２検査値に対応した第２期待値と、上記第３検査値に対応した第３期待値と、を有して構成している。これにより、後段部２０２Ｂは、認証情報に設定された認証用データの検査値と期待値が一致していれば、認証用データが正規の検査値であると判定できる。また、認証用データの検査値と期待値が一致していなければ、認証用データは検査値ではないと判定できる。なお、本実施形態では、検査値と期待値とが一致したものを予め記憶しておくことを前提に説明するが、本発明は期待値を上述した期待値変更用データによって変更することができるため、予め記憶しておく期待値は、主制御基板３１０の検査値と異なる値、即ち、一致していない値とすることもできる。なお、第３期待値は、主制御基板３１０と同様に、上述したデータ種別を対応付けて後段側記憶部３３２に記憶するようにしても良い。
【００８４】
第１期待値及び第２期待値の各々は、対応（一致）する第１検査値及び第２検査値に対応付けられたデータ種別が一対一に対応付けられて後段側記憶部３３２に記憶されている。これにより、後段部２０２Ｂは、主制御部２０１から周辺部２０２Ａを介して受信した検査値と一致した期待値から、主制御部２０１が決定した次回の認証情報のデータ種別を特定することができる。
【００８５】
第３期待値は、対応（一致）する第３検査値に対応付けられた上記検出対象制御コマンド情報及び切替情報と同一の情報が対応付けられて後段側記憶部３３２に記憶されている。そして、本実施形態の後段側記憶部３３２は、その上記検出対象制御コマンド情報及び切替情報を記憶している。これにより、後段部２０２Ｂは、主制御部２０１から受信した第３検査値と第３期待値とが一致した場合に、上記検出対象制御コマンド情報及び切替情報に基づいて、後述する後段側制御コマンド検出部３３５が検出する検出対象制御コマンドを切り替えることができる。
【００８６】
後段側記憶部３３２は、今回の認証情報のデータ種別を示す後段側種別情報を記憶する。後段側種別情報は、上述した主制御基板３１０の種別情報と同様のデータ構造であり、不正が生じていない場合は、種別情報が示すデータ種別と一致している。よって、後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報を受信する前に、後段側種別情報を参照することで、受信する認証情報のデータ種別を事前に把握することができる。
【００８７】
後段認証結果データ生成部３３３は、本発明の後段認証結果データ生成手段に相当し、前記後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合に、該認証用データである検査値と後段側記憶部３３２に記憶している期待値とを比較し、該比較結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを生成する。即ち、後段認証結果データは、後段部２０２Ｂが主制御基板３１０（主制御部２０１）を認証したか否かの認証結果を示している。そして、後段認証結果データ生成部３３３の認証方法の一例としては、検査値と期待値とが一致しているかを判定し、一致している場合は主制御基板３１０の認証を成立させ、また、一致していない場合は認証を不成立とする。
【００８８】
後段側送信部３３４は、本発明の後段側送信手段に相当し、後段認証結果データ生成部３３３が生成した後段認証結果データを周辺部２０２Ａに送信する。そして、後段側送信部３３４は、例えば、前記生成した後段認証結果データを後段認証結果信号として周辺部２０２Ａに送信する。
【００８９】
後段側制御コマンド検出部３３５は、本発明の後段側制御コマンド検出手段に相当し、後段側記憶部３３２に記憶している後段側種別情報のデータ種別が期待値変更用データを示している場合に、後段側受信部３３１による前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、ぱちんこ遊技機１００における複数種類の制御コマンドの中から予め定められ且つ主制御基板３１０と同一の前記検出対象制御コマンド情報に設定されている検出対象制御コマンドの主制御基板３１０からの受信を検出する。即ち、後段側制御コマンド検出部３３５は、主制御基板３１０から受信した期待値変更用データの変更タイミングを、当該検出対象制御コマンドの主制御基板３１０からの受信時としている。なお、後段側制御コマンド検出部３３５は、周辺部２０２Ａから検出対象制御コマンドを受信したことを通知される構成とすることもできる。また、検出対象制御コマンドとしては、主制御基板３１０と同様に、複数種類の制御コマンドの中の１種類の制御コマンドとしても良いし、２種類以上の制御コマンドとしても良い。
【００９０】
後段側変更部３３６は、本発明の後段側変更手段に相当し、後段側制御コマンド検出部３３５による前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて後段側記憶部３３２（期待値記憶手段）が記憶している３種類の第１期待値、第２期待値、第３期待値のうちの予め定められた少なくとも１つを、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて変更する。後段側変更部３３６は、主制御基板３１０の主制御側変更部３２２と同一の変更方式と期待値変更用データとを用いて、前記３種類の期待値を変更する。そして、後段側変更部３３６は、後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、不正な認証情報を受信すると、その不正なデータで前記２種類の期待値を変更することから、主制御基板３１０の検査値とは異なる値に変更されることになるため、その後の認証情報の認証が成立しなくなる。
【００９１】
後段側検出対象切替部３３７は、本発明の後段側検出対象切替手段に相当し、第３検査値を有する認証情報の後段側受信部３３１による受信に応じて、後段側制御コマンド検出部３３５が検出する検出対象制御コマンドを主制御基板３１０と同様に複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える。よって、前記後段側制御コマンド検出部３３５が検出する前記検出対象制御コマンドが切り替わることで、前記検出制御コマンドを検出するタイミングが変化することから、前記後段側変更部３３６による変更タイミングも変化するため、該変更タイミングの不正な解析をより一層困難にすることができる。そして、本実施形態の後段側検出対象切替部３３７は、主制御基板３１０と同様に、検出対象制御コマンド情報に設定されている検出対象制御コマンドを基準にして、切替情報が示す複数種類の検出対象制御コマンドを予め定められた切り替え順番で切り替え、該切り替えた検出対象制御コマンドを検出対象制御コマンド情報に設定する。
【００９２】
特定部３３８は、本発明の特定手段に相当し、後段認証結果データ生成部３３３によって主制御基板３１０の認証が成立した場合、認証用データを構成する検査値と一致する前記期待値に対応付けられたデータ種別を次回のデータ種別と特定し、該特定した次回のデータ種別となるように後段側記憶部３３２に記憶している後段側種別情報を更新する。
【００９３】
次に、周辺部２０２Ａは、転送部３５１と、周辺側受信部３５２と、処理部３５３と、を有して構成している。
【００９４】
転送部３５１は、本発明の転送手段に相当し、主制御基板３１０からの認証情報と複数種類の制御コマンドデータを受信し且つ該受信した認証情報と複数種類の制御コマンドデータを後段部２０２Ｂに転送する。本実施形態の転送部３５１は、例えば、認証情報に対応した前記認証情報信号と前記制御信号を主制御基板３１０から受信すると、該認証情報信号と制御信号を後段部２０２Ｂにそのまま送信することで、認証情報と複数種類の制御コマンドデータを後段部２０２Ｂに転送している。なお、制御コマンドデータの後段部２０２Ｂへの転送方法については、転送部３５１が制御コマンドの種類を示すデータのみを転送する実施形態とすることもできる。
【００９５】
周辺側受信部３５２は、本発明の周辺側受信手段に相当し、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂによって送信された前記後段認証結果データ等を受信する。そして、本実施形態の周辺側受信部３５２は、例えば後段部２０２Ｂが送信した後述する後段認証結果信号を受信することによって、後段認証結果データを後段部２０２Ｂから受信する。
【００９６】
処理部３５３は、本発明の処理手段に相当し、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果データに応じて、ぱちんこ遊技機１００における所定の処理を行う。処理部３５３は、前記後段認証結果データが認証成立を示している場合、主制御基板３１０から受信した制御信号から制御コマンドを抽出し、該制御コマンドに対応した所定の処理を行う。また、処理部３５３は、前記後段認証結果データが認証不成立を示している場合、報知を行う。なお、前記所定の処理は、ぱちんこ遊技機１００における主制御部２０１からの複数種類の制御コマンドの各々に対応した処理であり、例えば、はずれ処理、大当たりリーチ処理、大当たり開始処理、大当たりラウンド処理、大当たり終了処理、等の処理が挙げられる。
【００９７】
なお、本実施形態では、周辺部２０２Ａと後段部２０２Ｂとの間で通信するデータを暗号化しない構成で説明するが、周辺部２０２Ａと後段部２０２Ｂとの間で通信するデータについても暗号化する構成とすることもできる。
【００９８】
また、本実施形態では、主制御基板３１０のＣＰＵ２１１が請求項中の第１コンピュータ、周辺基板３３０の周辺部（演出制御部）２０２ＡのＣＰＵ２４１が請求項中の第２コンピュータ、周辺基板３３０の後段部２０２ＢのＣＰＵ２１が請求項中の第３コンピュータとして機能させる場合について説明する。そして、主制御基板３１０のＲＯＭ２１２は、前記第１コンピュータを請求項中の切替決定手段、決定手段、第１抽出手段、第２抽出手段、認証用データ生成手段、期待値変更用データ生成手段、認証情報生成手段、主制御側送信手段、更新手段、制御コマンド検出手段、主制御側変更手段、検出対象切替手段、等の各種手段として機能させるための主制御側認証プログラムを記憶している。また、周辺基板３３０の周辺部２０２ＡのＲＯＭ２４２は、前記第２コンピュータを請求項中の転送手段、周辺側受信手段、処理手段、等の各種手段として機能させるための周辺側認証プログラムを記憶している。また、周辺基板３３０の後段部２０２ＢのＲＯＭ２２は、前記第３コンピュータを請求項中の後段側受信手段、後段認証結果データ生成手段、後段側送信手段、後段側制御コマンド検出手段、後段側変更手段、後段側検出対象切替手段、特定手段、等の各種手段として機能させるための後段側認証プログラムを記憶している。即ち、主制御側認証プログラムと周辺側認証プログラムと後段側認証プログラムとによって本発明の認証プログラムを構成している。
【００９９】
（ぱちんこ遊技機の基本動作）
上記構成によるぱちんこ遊技機１００の基本動作の一例を説明する。主制御部２０１は、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を制御コマンドとして賞球制御部２０３に出力する。賞球制御部２０３は、主制御部２０１から出力された制御コマンドに応じて、入賞状況に対応した賞球数の払い出しを行う。
【０１００】
また、主制御部２０１は、始動入賞口１０５に遊技球が入賞するごとに、対応する制御コマンドを演出制御部２０２Ａに出力し、演出制御部２０２Ａは、図柄表示部１０４の図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。そして、主制御部２０１は、大当たりの発生が決定しているときには、対応する制御コマンドを演出制御部２０２Ａに出力し、演出制御部２０２Ａは、所定の図柄で揃えて変動表示を停止させるとともに、大入賞口１０９を開放する制御を行う。演出制御部２０２Ａは、大当たり発生期間中、および大当たり発生までの間のリーチ時や、リーチ予告時などには、図柄表示部１０４に対して、図柄の変動表示に加えて各種の演出表示を行う。このほか、各種役物に対して特定の駆動を行ったり、ランプ２６１の表示状態を補正するなどの演出を行う。
【０１０１】
そして、主制御部２０１は、大当たり発生期間中に、大入賞口１０９を複数回開放させる。１回の開放が１ラウンドとして、例えば１５回のラウンドが繰り返し実行される。１ラウンドの期間は、遊技球が大入賞口１０９に例えば１０個入賞するまでの期間、あるいは所定期間（例えば３０秒）とされている。この際、賞球制御部２０３は、大入賞口１０９に対する遊技球１個の入賞当たり、例えば１５個の賞球数で払い出しを行う。ぱちんこ遊技機１００は、大当たり終了後、この大当たり状態を解除し、通常の遊技状態に復帰する。
【０１０２】
（各制御部による処理の詳細）
次に、各制御部が行う各種処理の詳細について説明する。まず、主制御部２０１による演出制御部２０２Ａの制御処理について説明する。なお、図４〜図９においては、演出制御部２０２Ａの制御処理の手順を明確にするため、認証データおよび付随データについては考慮しないものとする。即ち、図４〜図９の説明において、「コマンドを送信する」とは、「当該コマンドを示すデータ（制御コマンドデータ）を含む制御信号を送信する」との意味であり、例えば認証データや付随データの有無は考慮しないものとする。
【０１０３】
主制御部２０１は、図４に示すステップＳ４０１において、ぱちんこ遊技機１００の電源がオンされたか否かを判定する。主制御部２０１は、電源がオンされていないと判定した場合（Ｓ４０１：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、ぱちんこ遊技機１００の電源がオンされるまで待機する。一方、主制御部２０１は、電源がオンされたと判定した場合（Ｓ４０１：Ｙｅｓ）、ステップＳ４０２の処理に移行する。
【０１０４】
主制御部２０１は、ステップＳ４０２において、演出制御部２０２Ａや賞球制御部２０３などの各周辺部に対して電源オンコマンドを送信し、ステップＳ４０３の処理に移行する。この処理によって電源オンコマンドが送信されると、演出制御部２０２Ａは、ランプ制御部２５１や音声制御部２５２、図柄表示部１０４のそれぞれに対して電源オン時の演出用の制御コマンド（具体的には、ランプの点灯や音声の出力、デモストレーション（デモ）画面の表示などを指示する制御コマンド）を送信する。
【０１０５】
主制御部２０１は、ステップＳ４０３において、ＲＯＭ２１２またはＲＡＭ２１３に記憶している未抽選入賞回数データを参照して、未抽選入賞回数が０回か否かを判別する。未抽選入賞回数とは、始動入賞口１０５に検出された入賞球の数（入賞回数）から、入賞球に対応する抽選が行われた回数（既抽選回数）を減じた数である。そして、主制御部２０１は、未抽選入賞回数が０回ではないと判定した場合（Ｓ４０３：Ｎｏ）、ステップ４１０の処理に移行する。一方、主制御部２０１は、未抽選入賞回数が０回であると判定した場合（Ｓ４０３：Ｙｅｓ）、ステップＳ４０４において、デモが開始されてから経過した時間を計測し、ステップＳ４０５の処理に移行する。
【０１０６】
主制御部２０１は、デモが開始されてから所定時間が経過したか否かを判定する。主制御部２０１は、デモが開始されてから所定時間が経過していないと判定した場合（Ｓ４０５：Ｎｏ）、ステップＳ４０７の処理に移行する。一方、主制御部２０１は、デモが開始されてから所定時間が経過したと判定した場合（Ｓ４０５：Ｙｅｓ）、ステップＳ４０６において、演出制御部２０２Ａに客待ちデモコマンドを送信し、ステップＳ４０７の処理に移行する。
【０１０７】
主制御部２０１は、ステップＳ４０７において、始動入賞口検出部２２１によって入賞球が検出されたか否かを判定する。主制御部２０１は、入賞球が検出されていないと判定した場合（Ｓ４０７：Ｎｏ）、ステップＳ４０４の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部２０１は、入賞球が検出されたと判定した場合（Ｓ４０７：Ｙｅｓ）、ステップＳ４０８において、デモが開始されてから計測していた時間をクリアし、ステップＳ４０９において、未抽選入賞回数に１を加算し、ステップＳ４１０の処理に移行する。そして、主制御部２０１は、ステップＳ４１０において、大当たり判定用乱数を取得し、ステップＳ４１１において、未抽選入賞回数から１を減算し、図５に示すステップＳ４１２の処理に移行する。
【０１０８】
主制御部２０１は、ステップＳ４１２において、大当たり判定用乱数が大当たり乱数であるか否かを判定する。主制御部２０１は、大当たり乱数であると判定した場合（Ｓ４１２：Ｙｅｓ）、ステップＳ４１３において、演出制御部２０２Ａに大当たりリーチコマンド（図柄変動コマンド）を送信する。そして、主制御部２０１は、ステップＳ４１４において、図柄変動時間が経過したか否かを判定する。主制御部２０１は、図柄変動時間が経過していないと判定した場合（Ｓ４１４：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、図柄変動時間が経過するのを待つ。一方、主制御部２０１は、図柄変動時間が経過したと判定した場合（Ｓ４１４：Ｙｅｓ）、ステップＳ４１５において、演出制御部２０２Ａに図柄停止コマンドを送信し、ステップＳ４１６の処理に移行する。
【０１０９】
主制御部２０１は、ステップＳ４１６において、演出制御部２０２Ａに大当たり開始コマンドを送信し、続けて、ステップＳ４１７において、大当たり中の各ラウンドに対応するコマンド（大当たりコマンド）を演出制御部２０２Ａに順次送信する。そして、主制御部２０１は、全てのラウンドの大当たりコマンドの送信が終了すると、ステップＳ４１８において、大当たり終了コマンドを演出制御部２０２Ａに送信し、ステップＳ４２２の処理に移行する。
【０１１０】
また、主制御部２０１は、ステップＳ４１２において、大当たり乱数ではないと判定した場合（Ｓ４１２：Ｎｏ）、ステップＳ４１９において、はずれリーチコマンド（図柄変動コマンド）を演出制御部２０２Ａに送信し、ステップＳ４２０の処理に移行する。そして、主制御部２０１は、ステップＳ４２０において、図柄変動時間が経過したか否かを判定する。主制御部２０１は、図柄変動時間が経過していないと判定した場合（Ｓ４２０：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、図柄変動時間の経過を待つ。一方、主制御部２０１は、図柄変動時間が経過したと判定した場合（Ｓ４２０：Ｙｅｓ）、ステップＳ４２１において、図柄停止コマンドを演出制御部２０２Ａに送信し、ステップＳ４２２の処理に移行する。
【０１１１】
主制御部２０１は、ステップＳ４２２において、ぱちんこ遊技機１００の電源がオフされたか否かを判定する。主制御部２０１は、電源がオフされていないと判定した場合（Ｓ４２２：Ｎｏ）、図４に示すステップＳ４０３の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部２０１は、電源がオフされたと判定した場合（Ｓ４２２：Ｙｅｓ）、ステップＳ４２３において、終了処理コマンドを演出制御部２０２Ａに送信し、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１１２】
上述した図４及び図５中の各種コマンドが、本発明の制御コマンドに相当し、主制御基板３１０は各種制御コマンドを送信する毎に、その制御コマンドデータをデータ記憶部３１１に履歴として記憶している。この制御コマンドデータの記憶に応じて、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の履歴データを更新する。なお、履歴データの更新については、認証情報の生成時に更新するようにすれば、主制御基板３１０の処理負担を軽減することができる。また、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、各種制御コマンドを受信する毎に、その制御コマンドデータを後段側記憶部３３２に履歴として記憶しており、後段側記憶部３３２の後段側履歴データを更新する。
【０１１３】
次に、ぱちんこ遊技機１００における大当たり関連コマンド（大当たりリーチコマンド、大当たり開始コマンド、大当たりコマンド、大当たり終了コマンド）の主制御部２０１から演出制御部２０２Ａに対する送信タイミングの一例を、図６の図面を参照して説明する。
【０１１４】
大当たりリーチコマンドは、実際に大当たりが発生するよりも頻繁に、且つランダムに送信される。また、大当たり開始コマンドは、実際に大当たりが発生した場合に、大当たり状態に移行する際に１度だけ送信される。また、大当たりコマンドは、大当たり状態に移行した後、ラウンド毎に継続的に送信される。また、大当たり終了コマンドは、大当たり状態の全てのラウンドが終了し、通常の状態に移行する際に１度だけ送信される。
【０１１５】
以下では、図柄変動時（大当たりリーチコマンド（図５のステップＳ４１３を参照）または、はずれリーチコマンド（図５のステップＳ４１９を参照）を受信した場合）及び、大当たり時の処理を説明する。
【０１１６】
まず、演出制御部２０２Ａによる図柄変動処理について、図７に示すフローチャートを参照して説明する。演出制御部２０２Ａは、図７に示すステップＳ７０１において、主制御部２０１から図柄変動コマンドを受信したか否かを判定する。演出制御部２０２Ａは、図柄変動コマンドを受信していないと判定した場合（Ｓ７０１：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、図柄変動コマンドの受信を待つ。一方、演出制御部２０２Ａは、図柄変動コマンドを受信したと判定した場合（Ｓ７０１：Ｙｅｓ）、ステップＳ７０２において、変動演出選択用乱数を取得し、ステップＳ７０３において、取得した乱数に基づいて変動演出の種類を選択し、ステップＳ７０４の処理に移行する。そして、演出制御部２０２Ａは、ステップＳ７０４において、ランプ制御部２５１や音声制御部２５２に対して変動演出別の演出開始コマンドを送信し、ステップＳ７０５の処理に移行する。
【０１１７】
演出制御部２０２Ａは、ステップＳ７０５において、演出時間が経過したか否かを判定する。演出制御部２０２Ａは、演出時間が経過したと判定した場合（Ｓ７０５：Ｙｅｓ）、ステップＳ７０７の処理に移行する。一方、演出制御部２０２Ａは、演出時間が経過していないと判定した場合（Ｓ７０５：Ｎｏ）、ステップＳ７０６において、主制御部２０１から図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御部２０２Ａは、図柄停止コマンドを受信していないと判定した場合（Ｓ７０６：Ｎｏ）、ステップＳ７０５の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、演出制御部２０２Ａは、図柄停止コマンドを受信したと判定した場合（Ｓ７０６：Ｙｅｓ）、ステップＳ７０７において、ランプ制御部２５１や音声制御部２５２に対して演出停止コマンドを送信し、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１１８】
続いて、演出制御部２０２Ａによる大当たり時処理について、図８に示すフローチャートを参照して説明する。演出制御部２０２Ａは、図８に示すステップＳ８０１において、主制御部２０１から大当たり開始コマンド（図５のステップＳ４１６を参照）を受信したか否かを判定する。演出制御部２０２Ａは、大当たり開始コマンドを受信していないと判定した場合（Ｓ８０１：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、大当たり開始コマンドの受信を待つ。一方、演出制御部２０２Ａは、大当たり開始コマンドを受信したと判定した場合（Ｓ８０１：Ｙｅｓ）、ステップＳ８０２において、ランプ制御部２５１や音声制御部２５２に対して大当たり開始処理コマンドを送信し、ステップＳ８０３の処理に移行する。
【０１１９】
演出制御部２０２Ａは、ステップＳ８０３において、主制御部２０１からラウンド別の大当たりコマンド（図５のステップＳ４１７を参照）を受信したか否かを判定する。演出制御部２０２Ａは、大当たりコマンドを受信していないと判定した場合（Ｓ８０３：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、大当たりコマンドの受信を待つ。一方、演出制御部２０２Ａは、大当たりコマンドを受信したと判定した場合（Ｓ８０３：Ｙｅｓ）、ステップＳ８０４において、ランプ制御部２５１や音声制御部２５２に対して受信したラウンド別の大当たりコマンドに対応するラウンド別処理コマンドを送信し、ステップＳ８０５の処理に移行する。
【０１２０】
演出制御部２０２Ａは、ステップＳ８０５において、主制御部２０１から大当たり終了コマンド（図５のステップＳ４１８を参照）を受信したか否かを判定する。演出制御部２０２Ａは、大当たり終了コマンドを受信していないと判定した場合（Ｓ８０５：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、大当たり終了コマンドの受信を待つ。一方、演出制御部２０２Ａは、大当たり終了コマンドを受信したと判定した場合（Ｓ８０５：Ｙｅｓ）、ステップＳ８０６において、ランプ制御部２５１や音声制御部２５２に対して大当たり終了処理コマンドを送信し、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１２１】
続いて、ランプ制御部２５１によるランプ制御処理について、図９に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、演出制御部２０２Ａから演出開始コマンドを受信した場合（図柄変動時）の処理について説明する。そして、ランプ制御部２５１は、図９に示すステップＳ９０１において、演出制御部２０２Ａから演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ランプ制御部２５１は、演出開始コマンドを受信していないと判定した場合（Ｓ９０１：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、演出開始コマンドの受信を待つ。一方、ランプ制御部２５１は、演出開始コマンドを受信したと判定した場合（Ｓ９０１：Ｙｅｓ）、ステップＳ９０２において、コマンド別に予め用意されているコマンド別データを読み出し、ステップＳ９０３の処理に移行する。
【０１２２】
ランプ制御部２５１は、ステップＳ９０３において、コマンド別の選択ルーチンを実行し、ステップＳ９０４において、受信した演出開始コマンドに対応したランプデータをセットし、ステップＳ９０５において、ランプ２６１に対してランプデータを出力し、ステップＳ９０６の処理に移行する。そして、この処理によってランプ２６１は、ランプデータに基づいて点灯又は消灯する。
【０１２３】
ランプ制御部２５１は、ステップＳ９０６において、演出制御部２０２Ａから演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ランプ制御部２５１は、演出停止コマンドを受信していないと判定した場合（Ｓ９０６：Ｎｏ）、この判定処理を繰り返すことで、演出停止コマンドの受信を待つ。一方、ランプ制御部２５１は、演出停止コマンドを受信したと判定した場合（Ｓ９０６：Ｙｅｓ）、ステップＳ９０７において、ランプデータの出力を停止し、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１２４】
なお、図９にはランプ制御部２５１の処理を記載したが、音声制御部２５２による音声制御も、図９の処理とほぼ同様である。音声制御部２５２による音声制御処理は、例えば、図９の処理において、ステップＳ９０４、Ｓ９０５、Ｓ９０７の「ランプデータ」を「音声データ」と読み替えればよい。
【０１２５】
本実施形態では、上述した検出対象制御コマンドを上述した複数種類の制御コマンドのうちのぱちんこ遊技機１００における大当たりに関連する制御コマンドとした場合について説明する。そして、大当たりに関連する制御コマンドは、上述した大当たりリーチコマンド、大当たり開始コマンド、大当たりコマンド、大当たり終了コマンド、等の大当たり関連コマンドに相当している。また、上述した検出対象制御コマンドは、１種類又は２種類以上を検出対象として設定することができる。
【０１２６】
（制御信号のデータフォーマット）
次に、主制御部２０１が出力する通常の制御信号の一例を説明する。
【０１２７】
図１０において、通常の制御信号１０１０は、制御コマンドデータ１００１と付随データ１００２とを有している。制御コマンドデータ１００１は、例えばリーチコマンドや大当たり開始コマンド、ラウンド別コマンドなどの各コマンド固有のデータである。また、付随データ１００２は、制御コマンドデータ１００１に付随するデータであり、例えば、入賞した遊技球の数などの制御コマンドデータ１００１に基づく処理に必要なデータである。
【０１２８】
（認証情報のデータフォーマット）
次に、上述した制御信号１０１０とは異なる認証情報信号が認証情報を有する場合の一例を説明する。なお、本実施形態では、主制御部２０１が後段部２０２Ｂに周辺部２０２Ａを介して認証情報信号を出力することで、認証情報を主制御部２０１から後段部２０２Ｂに送信する場合を前提に説明する。
【０１２９】
図１１において、認証情報１０２０は、識別部１０２１と、データ部１０２２と、を有して構成している。そして、識別部１０２１は、認証情報１０２０を識別することが可能な識別データが設定される。識別データの一例としては、制御コマンドデータ１００１の制御コマンドとは異なる認証コマンドが挙げられ、例えば１６進数の０ｘＡ０等の値が設定される。これにより、後段部２０２Ｂは、識別部１０２１に基づいて認証情報１０２０であるか否かを識別することができる。そして、認証コマンドは、上述した制御コマンドとは異なるコマンド体系として区別化を図っている。
【０１３０】
データ部１０２２は、上述した３種類の第１〜３検査値のうちの何れか１つを有する認証用データ、又は、上述した期待値変更用データの何れか一方が設定される。そして、本実施形態のデータ部１０２２は、認証用データ又は期待値変更用データが設定される場合について説明するが、これに代えて、認証用データ又は期待値変更用データと他のデータをデータ部１０２２に設定する実施形態とすることもできる。なお、他のデータの一例としては、上述した付随データ１００２のような認証コマンドに付随するデータ等が挙げられる。
【０１３１】
続いて、図１１に示す後段認証結果信号は、後段部２０２Ｂが上述した認証情報１０２０を用いて主制御部２０１の認証を行った認証結果を示す後段認証結果情報１０３０を周辺部２０２Ａに送信する。そして、後段認証結果情報１０３０は、識別部１０３１と結果部１０３２とを有して構成している。識別部１０３１は、後段認証結果情報１０３０を識別することが可能な後段認証結果識別データが設定される。なお、後段認証結果識別データとしては、認証情報１０２０の識別部１０２１に設定されたデータを流用する、予め定められたデータを用いる、など種々異なる実施形態とすることができる。結果部１０３２は、主制御基板３１０（主制御部２０１）の認証結果を示すデータが設定される。
【０１３２】
（認証情報の一例）
次に、認証情報１０２０のデータ部１０２２に設定される認証用データ及び期待値変更用データの一例を以下に説明する。
【０１３３】
図１２に示すように、認証情報１０２０のデータ種別は、認証用データＫ１と、期待値変更用データＫ２と、を有して構成している。そして、認証情報１０２０のデータ種別が認証用データＫ１の場合、認証情報１０２０のデータ部１０２２には、３種類の第１検査値Ａ１、第２検査値Ａ２、第３検査値Ａ３（但し、Ａ１≠Ａ２≠Ａ３）のうちの何れか１つを有する認証用データが設定される。
【０１３４】
認証情報１０２０のデータ種別が期待値変更用データＫ２の場合、認証情報１０２０のデータ部１０２２には、補正値Ｃ又は係数値Ｆの何れか一方を有する期待値変更用データが設定される。そして、補正値Ｃは、予め定められた前記期待値を変更するための値となっている。補正値Ｃは、例えば、ぱちんこ遊技機１００の起動時、初回の認証時、等に１度生成した補正値Ｃを繰り返し用いても良いし、複数回生成して補正値Ｃを不規則に変化させても良いが、本実施形態では、期待値変更用データを生成するたびに補正値Ｃｎ（ｎは整数）を不規則に変化させる場合について説明する。そして、補正値Ｃを複数回生成する場合、生成する毎に共通の検査値及び期待値を変更するための値となる。
【０１３５】
係数値Ｆは、前回変更した前記期待値を変更するための値となっている。即ち、係数値Ｆは、検査値及び期待値を変更する毎に、その検査値及び期待値を累積して変化させるための値となっている。係数値Ｆは、補正値Ｃと同様に、１度生成した係数値Ｆを繰り返し用いても良いし、複数回生成して係数値Ｆｎ（ｎは整数）を不規則に変化させても良い。
【０１３６】
次に、３種類の検査値Ａと３種類の期待値Ｂと認証情報１０２０のデータ種別Ｋ１，Ｋ２と切替情報Ｈの対応付けの一例を説明する。
【０１３７】
まず、ぱちんこ遊技機１００において、図１３に示すように、主制御基板３１０に対する３種類の第１〜３検査値Ａ１〜３が設定されると、該３種類の３種類の第１〜３検査値Ａ１〜３に対応した第１〜３期待値Ｂ１〜３が周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに対して設定される。そして、３種類のうちの第１検査値Ａ１、第２検査値Ａ２、及び第１期待値Ｂ１、第２期待値Ｂ２の各々に、図１２に示す認証情報１０２０のデータ種別Ｋ１，Ｋ２を割り付ける。そして、主制御基板３１０は、第１検査値Ａ１、第２検査値Ａ２を認証情報１０２０のデータ種別Ｋ１，Ｋ２に対応付けて記憶する。そして、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、第１期待値Ｂ１、第２期待値Ｂ２を対応する第１検査値Ａ１、第２検査値Ａ２と同一の認証情報１０２０のデータ種別Ｋ１，Ｋ２に対応付けて記憶する。
【０１３８】
また、第３検査値Ａ３及び第３期待値Ｂ３に、上述した検出対象制御コマンドの切り替えが割り付けられている。そして、主制御部基板３１０は、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を生成又は送信するタイミングを、検出対象制御コマンドの切替タイミングとして検出する。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、第３期待値Ｂ３と一致する第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を受信したタイミングを、検出対象制御コマンドの切替タイミングとして検出する。そして、本実施形態の主制御基板３１０は、第３検査値Ａ３に上述した切替情報Ｈを対応付けて記憶する。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３３０と同一の切替情報Ｈを第３期待値Ｂ３に対応付けて記憶する。そして、主制御基板３１０は、検出対象制御コマンドを示すデータを格納する前記検出対象制御コマンド情報を第３検査値Ａ３に対応付けて記憶し、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、第３期待値Ｂ３に前記検出対象制御コマンド情報を記憶している。
【０１３９】
切替情報Ｈは、上述したように複数の検出対象制御コマンドの切り替え順番を示す構成となっている。本実施形態では説明を簡単化するために、大当たり開始コマンドと大当たり終了コマンドの２つの制御コマンドをその順番で切り替える切り替え方式の場合について説明する。例えば、主制御基板３１０は、ぱちんこ遊技機１００の起動時、予め定められた任意のタイミング、等で、切替情報Ｈが最初に示す大当たり開始コマンドを前記検出対象制御コマンド情報に設定し、その後、切替タイミングを検出すると、切替情報Ｈがその次に示す大当たり終了コマンドを前記検出対象制御コマンド情報に設定することで、複数の検出対象制御コマンドを切り替える。そして、それ以降も同様に、主制御基板３１０は切替タイミングを検出する毎に検出対象制御コマンドを切り替える。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂも主制御基板３１０と同様に切替情報Ｈを参照して、切り替えタイミングを検出する毎に検出対象制御コマンドを切り替える。
【０１４０】
なお、第１〜３検査値Ａ１〜３及び第１〜３期待値Ｂ１〜３は、期待値変更用データによって変更されるため、データ種別Ｋ１，Ｋ２、切替情報Ｈとの対応付けについては、例えば、変更する毎に対応付けを更新する、変更した値、情報の各々に初期の値を対応付ける、等の種々異なる実施形態とすることができる。
【０１４１】
次に、上述した補正値Ｃｎを用いた変更例を説明する。なお、ぱちんこ遊技機１００において、第１〜３検査値Ａ１〜３と第１〜３期待値Ｂ１〜３が対応し（Ａ１＝Ｂ１、Ａ２＝Ｂ２、Ａ３＝Ｂ３）、ｎが整数、変更方式が「＋」であることを前提とする。
【０１４２】
１回目の変更において、主制御基板３１０は、補正値Ｃ１を生成すると、該補正値Ｃ１を周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに送信し、前記変更タイミングの検出に応じて、初期値である第１検査値Ａ１を補正値Ｃ１で変更して第１検査値Ａ１＋Ｃ１、初期値である第２検査値Ａ２を補正値Ｃ１で変更して第２検査値Ａ２＋Ｃ１、初期値である第３検査値Ａ３を補正値Ｃ１で変更して第３検査値Ａ３＋Ｃ１とする。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から補正値Ｃ１を受信し、前記変更タイミングの検出に応じて、初期値である第１期待値Ｂ１を補正値Ｃ１で変更して第１期待値Ｂ１＋Ｃ１、初期値である第２期待値Ｂ２を補正値Ｃ１で変更して第２期待値Ｂ２＋Ｃ１、初期値である第３期待値Ｂ３を補正値Ｃ１で変更して第３期待値Ｂ３＋Ｃ１とする。よって、一致した検査値と期待値を同一の補正値で変更することから、主制御基板３１０の第１検査値Ａ１＋Ｃ１，第２検査値Ａ２＋Ｃ１，第３検査値Ａ３＋Ｃ１と後段部２０２Ｂの第１期待値Ｂ１＋Ｃ１，第２期待値Ｂ２＋Ｃ１，第３期待値Ｂ３＋Ｃ１との各々が一致している場合に、後段部２０２Ｂは主制御基板３１０から受信した認証情報の検査値Ａ１＋Ｃ１，Ａ２＋Ｃ１，Ａ３＋Ｃ１は正規のものであると判定できるため、主制御基板３１０の認証を成立させることができる。
【０１４３】
２回目の変更において、主制御基板３１０は、補正値Ｃ１とは異なる補正値Ｃ２を生成すると、該補正値Ｃ２を周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに送信し、前記変更タイミングの検出に応じて、初期値である第１検査値Ａ１を補正値Ｃ２で変更して第１検査値Ａ１＋Ｃ２、初期値である第２検査値Ａ２を補正値Ｃ２で変更して第２検査値Ａ２＋Ｃ２、初期値である第３検査値Ａ３を補正値Ｃ２で変更して第３検査値Ａ３＋Ｃ２とする。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から補正値Ｃ２を受信し、前記変更タイミングの検出に応じて、初期値である第１期待値Ｂ１を補正値Ｃ２で変更して第１期待値Ｂ１＋Ｃ２、初期値である第２期待値Ｂ２を補正値Ｃ２で変更して第２期待値Ｂ２＋Ｃ２，初期値である第３期待値Ｂ３を補正値Ｃ２で変更して第３期待値Ｂ３＋Ｃ２とする。よって、一致した検査値と期待値を同一の補正値で変更することから、主制御基板３１０の第１検査値Ａ１＋Ｃ２，第２検査値Ａ２＋Ｃ２，第３検査値Ａ３＋Ｃ２と後段部２０２Ｂの第１期待値Ｂ１＋Ｃ２，第２期待値Ｂ２＋Ｃ２，第３期待値Ｂ３＋Ｃ２とが一致している場合に、後段部２０２Ａは主制御基板３１０から受信した認証情報の検査値Ａ１＋Ｃ２，Ａ２＋Ｃ２，Ａ３＋Ｃ２は正規のものであると判定できるため、主制御基板３１０の認証を成立させることができる。そして、３回目以降の変更についても同様の変更を行う。
【０１４４】
次に、主制御基板３１０における初期値の第１検査値Ａ１と周辺基板３３０の後段部２０２Ｂにおける初期値の第１期待値Ｂ０が一致していない場合に（Ａ１≠Ｂ０）、それらを補正値Ｃｎで変更する変更例を説明する。なお、説明を簡単化するために、第１検査値Ａ１と第１期待値Ｂ０，Ｂ１のみを変更する場合に限定して説明する。
【０１４５】
１回目の変更において、主制御基板３１０は、第１検査値Ａ１とデータ記憶部３１１等に予め記憶している第１期待値Ｂ０との差分補正値Ｃ０（＝Ａ１−Ｂ０）を生成すると、該差分補正値Ｃ０を周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに送信する。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、差分補正値Ｃ０を受信すると、初期値である第１期待値Ｂ０を差分補正値Ｃ０で変更して第１期待値Ｂ１（＝Ｂ０＋Ｃ０）とする。これにより第１期待値Ｂ１は主制御基板３１０の第１検査値Ａ１と一致した値に変更されたことになる。
【０１４６】
２回目の変更において、主制御基板３１０は、補正値Ｃ１を生成すると、該補正値Ｃ１を周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに送信し、前記変更タイミングの検出に応じて、初期値である第１検査値Ａ１を補正値Ｃ１で変更して第１検査値Ａ１＋Ｃ１とする。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から補正値Ｃ１を受信し、前記変更タイミングの検出に応じて、前回変更した第１期待値Ｂ１を補正値Ｃ１で変更して第１期待値Ｂ１＋Ｃ１とする。よって、一致した第１検査値Ａ１と第１期待値Ｂ１を同一の補正値Ｃ１で変更することから、主制御基板３１０の第１検査値Ａ１＋Ｃ１と後段部２０２Ａの第１期待値Ｂ１＋Ｃ１とが一致している場合に、周辺基板３３０の後段部２０２Ａは主制御基板３１０から受信した認証情報の第１検査値Ａ１＋Ｃ１は正規のものであると判定できるため、主制御基板３１０の認証を成立させることができる。そして、３回目以降の変更についても、２回目の変更と同様に変更を行う。
【０１４７】
次に、主制御基板３１０における初期値の第１検査値Ａ０と周辺基板３３０の後段部２０２Ｂにおける初期値の第１期待値Ｂ０が一致していない場合に（Ａ０≠Ｂ０）、それらを補正値Ｃｎで変更する他の変更例を説明する。なお、説明を簡単化するために、第１検査値と第１期待値のみを変更する場合に限定して説明する。
【０１４８】
１回目の変更において、主制御基板３１０は、第１検査値Ａ０とデータ記憶部３１１等に予め記憶している第１期待値Ｂ０との差分補正値Ｃ０（＝Ａ０−Ｂ０）を生成すると、該差分補正値Ｃ０をデータ記憶部３１１等に記憶すると共に、初期の第１検査値Ａ０を第１検査値Ａ１とする。また、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、初期の第１期待値Ｂ０を期待値Ｂ１とする。そして、主制御基板３１０は、例えば、差分補正値Ｃ０と今回の値とを加算したと今回の補正値Ｃ１を作成すると、該補正値Ｃ１を周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに送信し、前記変更タイミングの検出に応じて、初期値である第１検査値Ａ１を補正値Ｃ１で変更して第１検査値Ａ１＋Ｃ１とする。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から補正値Ｃ１を受信し、前記変更タイミングの検出に応じて、第１期待値Ｂ１を補正値Ｃ１で補正して第１期待値Ｂ１＋Ｃ１とする。これにより、主制御基板３１０が第１検査値Ａ１と第１期待値Ｂ０の差分を吸収する補正値Ｃ１を生成して周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに送信し、後段部２０２Ｂは第１期待値Ｂ０をそのまま用いて補正、認証を行えば良くなる。
【０１４９】
次に、上述した係数値Ｆｎを用いて、前回の第１検査値Ａ１（ｎ−１），第２検査値Ａ２（ｎ−１），第３検査値Ａ３（ｎ−１）及び第１期待値Ｂ１（ｎ−１），第２期待値Ｂ２（ｎ−１），第３期待値Ｂ３（ｎ−１）の各々を変更する変更例を説明する。なお、ぱちんこ遊技機１００において、第１〜３検査値Ａ１〜３と第１〜３期待値Ｂ１〜３が対応し（Ａ１ｎ＝Ｂ１ｎ、Ａ２ｎ＝Ｂ２ｎ、Ａ３ｎ＝Ｂ３ｎ）、ｎが整数、変更方式が「＊」であることを前提とする。
【０１５０】
１回目の変更において、主制御基板３１０は、係数値Ｆ１を生成すると、該係数値Ｆ１を周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに送信し、前記変更タイミングの検出に応じて、初期値である第１検査値Ａ１１を係数値Ｆ１で変更して第１検査値Ａ１２、初期値である第２検査値Ａ２１を係数値Ｆ１で変更して第２検査値Ａ２２、初期値である第３検査値Ａ３１を係数値Ｆ１で変更して第３検査値Ａ３２とする。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から係数値Ｆ１を受信し、前記変更タイミングの検出に応じて、初期値である第１期待値Ｂ１１を係数値Ｆ１で変更して第１期待値Ｂ１２、初期値である第２期待値Ｂ２１を係数値Ｆ１で変更して第２期待値Ｂ２２、初期値である第３期待値Ｂ３１を係数値Ｆ１で変更して第３期待値Ｂ３２とする。よって、一致した検査値と期待値を同一の係数値で変更することから、主制御基板３１０の第１検査値Ａ１２，第２検査値Ａ２２，第３検査値Ａ３２と後段部２０２Ｂの第１期待値Ｂ１２，第２期待値Ｂ２２，第３期待値Ｂ３２とが一致している場合に、後段部２０２Ｂは主制御基板３１０から受信した認証情報の第１検査値Ａ１２，第２検査値Ａ２２，第３検査値Ａ３２は正規のものであると判定できるため、主制御基板３１０の認証を成立させることができる。
【０１５１】
２回目の変更において、主制御基板３１０は、係数値Ｆ２（Ｆ１≠Ｆ２）を生成すると、該係数値Ｆ２を周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに送信し、前記変更タイミングの検出に応じて、前回変更した第１検査値Ａ１２，第２検査値Ａ２２，第３検査値Ａ３２を係数値Ｆ２で変更して第１検査値Ａ１３，第２検査値Ａ２３，第３検査値Ａ３３とする。一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から係数値Ｆ２を受信し、前記変更タイミングの検出に応じて、前回変更した第１期待値Ｂ１２，第２期待値Ｂ２２，第３期待値Ｂ３２を係数値Ｆ２で変更して第１期待値Ｂ１３，第２期待値Ｂ２３，第３期待値Ｂ３３とする。よって、前回変更した検査値と期待値を同一の係数値で変更することから、主制御基板３１０の第１検査値Ａ１３，第２検査値Ａ２３，第３検査値Ａ３３と後段部２０２Ｂの第１期待値Ｂ１３，第２期待値Ｂ２３，第３期待値Ｂ３３とが一致している場合に、後段部２０２Ｂは主制御基板３１０から受信した認証情報の第１検査値Ａ１３，第２検査値Ａ２３，第３検査値Ａ３３は正規のものであると判定できるため、主制御基板３１０の認証を成立させることができる。そして、３回目以降の変更についても、２回目の変更と同様に変更を行う。
【０１５２】
なお、本実施形態では、初期値の検査値及び期待値が異なる値である場合、主制御基板３１０が検査値と期待値の双方を記憶しておき、例えば起動時、変更時、等に検査値と期待値との差分を吸収する期待値変更用データを生成する場合について説明した。これに代えて、主制御基板３１０が、検査値Ａと期待値Ｂとの差分データをデータ記憶部３１１等に予め記憶しておき、該差分データに基づいて上述した補正値Ｃｎや係数値Ｆｎを生成する実施形態とすることもできる。このような実施形態とすれば、主制御基板３１０は後段部２０２Ｂの期待値Ｂを記憶しておく必要をなくすことができる。
【０１５３】
（認証情報信号の送受信に関する処理）
以下に、主制御部２０１と後段部２０２Ｂとの間で行う上記認証情報信号の通信例を説明する。まず、主制御部２０１のＣＰＵ２１１（第１コンピュータ）による認証情報信号の送信手順の一例を、図１４のフローチャートを参照して説明する。
【０１５４】
ぱちんこ遊技機１００の電源がＯＮ（投入）されると、主制御部２０１は図１４に示す被認証処理を実行し、ステップＳ１２０１において、予め定められた認証タイミングであるか否かを判定する。主制御部２０１は、認証タイミングではないと判定した場合（Ｓ１２０１：Ｎｏ）、ステップＳ１２２２の処理に進む。一方、主制御部２０１は、認証タイミングであると判定した場合（Ｓ１２０１：Ｙｅｓ）、ステップＳ１２０２の処理に進む。
【０１５５】
主制御部２０１は、ステップＳ１２０２において、例えば乱数の発生結果等に基づいて相異なるデータ種別を切り替えるか否かを決定し、該決定結果に基づいてデータ種別を切り替えるか否かを判定する。主制御部２０１は、データ種別を切り替えると判定した場合（Ｓ１２０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ１２０３において、データ記憶部３１１の種別情報に設定されている次回のデータ種別を今回のデータ種別としてセットし、その後ステップＳ１２０４の処理に進む。なお、種別情報に次回のデータ種別が設定されていない場合、即ち初回の処理では、ぱちんこ遊技機１００において初期値として予め定められた初回データ種別を今回のデータ種別としてセットする。なお、以下の説明では、初回データ種別を認証用データであるデータ種別Ｋ１としていることを前提とする。
【０１５６】
主制御部２０１は、ステップＳ１２０４において、今回のデータ種別が認証用データであるか否かを判定する。主制御部２０１は、データ種別が認証用データではない、即ち、期待値変更用データである場合（Ｓ１２０４：Ｎｏ）、ステップＳ１２０５の処理に進む。そして、主制御部２０１は、ステップＳ１２０５において、データ記憶部３１１等に監視開始がセットされているか否かに基づいて、検出対象制御コマンドの監視中であるか否かを判定する。主制御部２０１は、監視中であると判定した場合（Ｓ１２０５：Ｙｅｓ）、既に期待値変更用データは生成されていることから、ステップＳ１２０６において、前回の期待値変更用データ、即ち、データ記憶部３１１等に記憶している期待値変更用データを認証情報１０２０の生成用に記憶し、その後ステップＳ１２０９の処理に進む。一方、主制御部２０１は、監視中ではないと判定した場合（Ｓ１２０５：Ｎｏ）、ステップＳ１２０７の処理に進む。
【０１５７】
主制御部２０１は、ステップＳ１２０７において、検査値及び期待値を変更するための期待値変更用データを予め定められた生成方式で無作為に生成し、該生成した期待値変更用データを認証情報１０２０の生成用としてデータ記憶部３１１等に記憶し、その後ステップＳ１２０８の処理に進む。なお、期待値変更用データの生成方法の一例としては、乱数やパターンテーブルを用いた前記生成方式で生成する等が挙げられる。そして、主制御部２０１は、ステップＳ１２０８において、後述する図１５に示す検出対象制御コマンド監視処理を機能させることで、前記検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドの送信の監視を開始させ、その後ステップＳ１２０９の処理に進む。
【０１５８】
主制御部２０１は、ステップＳ１２０９において、期待値変更用データの生成時用に予め定められたデータ種別を次回のデータ種別として決定してＲＡＭ２１３等に記憶し、その後ステップＳ１２１８の処理に進む。なお、予め定めるデータ種別は、主制御基板３１０と周辺基板３３０との間で予め定めておく。
【０１５９】
一方、主制御部２０１は、ステップＳ１２０４でデータ種別は認証用データであると判定した場合（Ｓ１２０４：Ｙｅｓ）、ステップＳ１２１０において、認証用データと期待値変更用データとのデータ種別から次回生成する認証情報のデータ種別を無作為に決定してＲＡＭ２１３等に記憶し、その後ステップＳ１２１１の処理に進む。
【０１６０】
主制御部２０１は、ステップＳ１２１１において、ステップＳ１２１０で決定した次回のデータ種別に対応した検査値を、第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２から抽出してＲＡＭ２１３等に記憶し、ステップＳ１２１２において、その抽出した検査値を有する認証用データを生成して認証情報１０２０の生成用にＲＡＭ２１３等に記憶し、その後ステップＳ１２１８の処理に進む。これにより、第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２の何れか一方を有する認証用データが作成されたことになる。
【０１６１】
また、主制御部２０１は、ステップＳ１２０２でデータ種別を切り替えないと判定した場合（Ｓ１２０２：Ｎｏ）、ステップＳ１２１３において、第３検査値Ａ３を３種類の検査値から抽出してＲＡＭ２１３等に時系列的に記憶し、その後ステップＳ１２１４の処理に進む。主制御部２０１は、ステップＳ１２１４において、前記抽出した第３検査値Ａ３を有する認証用データを生成してＲＡＭ２１３等に記憶し、その後ステップＳ１２１５の処理に進む。これにより、第３検査値Ａ３を有する認証用データが作成されたことになる。
【０１６２】
主制御部２０１は、ステップＳ１２１５において、データ記憶部３１１等に監視開始がセットされているか否かに基づいて、検出対象制御コマンドの監視中であるか否かを判定する。主制御部２０１は、監視中であると判定した場合（Ｓ１２１５：Ｙｅｓ）、既に期待値変更用データは生成されていることから、ステップＳ１２１７の処理に進む。一方、主制御部２０１は、監視中ではないと判定した場合（Ｓ１２１５：Ｎｏ）、ステップＳ１２１６において、前記検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドを基準とし、前記切替情報Ｈが示す複数種類の検出対象制御コマンドの中から前記基準の検出対象制御コマンドの次の検出対象制御コマンドに切り替えて前記検出対象制御コマンド情報に記憶し、その後ステップＳ１２１７の処理に進む。そして、主制御部２０１は、ステップＳ１２１７において、データ記憶部３１１の種別情報に設定されている次回のデータ種別を流用し、その後ステップＳ１２１８の処理に進む。
【０１６３】
主制御部２０１は、ステップＳ１２１８において、認証情報１０２０の識別部１０２１に予め定められた認証コマンドを設定し、データ部１０２２に前記生成した認証用データ又は期待値変更用データを設定して認証情報１０２０を生成し、該生成した認証情報１０２０をデータ記憶部３１１等に記憶し、その後ステップＳ１２１９の処理に進む。
【０１６４】
主制御部２０１は、ステップＳ１２１９において、前記生成した認証情報１０２０を、周辺部との間で予め定められた暗号化方法で暗号化し、ステップＳ１２２０において、前記暗号化した認証情報１０２０の各々に基づいて認証情報信号を生成して主制御側送信部３１９から後段部２０２Ｂに周辺部２０２Ａを介して送信し、その後ステップＳ１２２１の処理に進む。なお、主制御部２０１と後段部２０２Ｂとの間で暗号化が不要な場合は、ステップＳ１２１９の処理を削除して、認証情報１０２０をそのまま後段部２０２Ｂに送信する。そして、主制御部２０１は、ステップＳ１２２１において、ステップＳ１２０９又はステップＳ１２１０で決定した次回のデータ種別を示すようにデータ記憶部３１１の種別情報を更新し、その後ステップＳ１２２２の処理に進む。
【０１６５】
主制御部２０１は、ステップＳ１２２２において、ぱちんこ遊技機１００の電源がオフされたか否かを判定する。そして、主制御部２０１は、電源がオフされていないと判定した場合（Ｓ１２２２：Ｎｏ）、ステップＳ１２０１の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部２０１は、電源がオフされたと判定した場合（Ｓ１２２２：Ｙｅｓ）、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１６６】
続いて、主制御部２０１のＣＰＵ２１１（第１コンピュータ）による検出対象制御コマンド監視処理の一例を、図１５のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態では、検出対象制御コマンド監視処理をＣＰＵ２１１が実行し、上述した被認証処理と該検出対象制御コマンド監視処理を平行して行う場合について説明するが、これに代えて、他のハードウェアで実現する構成とすることもできる。
【０１６７】
主制御部２０１は、図１５に示す検出対象制御コマンド監視処理を実行すると、ステップＳ１３０１において、データ記憶部３１１等に監視開始をセットし、ステップＳ１３０２において、主制御部２０１から周辺部２０２Ａに送信した制御コマンドが前記検出対象制御コマンド情報に設定されている検出対象制御コマンド、例えば大当たり関連コマンドであるか否かを判定する。主制御部２０１は、検出対象制御コマンドではないと判定した場合（Ｓ１３０２：Ｎｏ）、ステップＳ１３０３の処理に進む。
【０１６８】
主制御部２０１は、ステップＳ１３０３において、ぱちんこ遊技機１００の電源がオフされたか否かを判定する。そして、主制御部２０１は、電源がオフされていないと判定した場合（Ｓ１３０３：Ｎｏ）、ステップＳ１３０２の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部２０１は、電源がオフされたと判定した場合（Ｓ１３０３：Ｙｅｓ）、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１６９】
また、主制御部２０１は、ステップ１３０２で検出対象制御コマンドであると判定した場合（Ｓ１３０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ１３０４において、データ記憶部３１１に記憶している期待値変更用データに基づいて、予め定められた３種類の第１検査値Ａ１、第２検査値Ａ２、第３検査値Ａ３のうちの少なくとも１つを上述した変更方式で変更し、ステップＳ１３０５において、データ記憶部３１１等に監視終了をセットすると共に、変更に用いた期待値変更用データを削除し、その後本フローチャートによる処理を終了する。
【０１７０】
続いて、後段部２０２ＢのＣＰＵ２１（第３コンピュータ）による認証情報の受信処理の手順を、図１６のフローチャートを参照して説明する。
【０１７１】
後段部２０２Ｂは、図１６に示す認証側処理を実行すると、ステップＳ１４０１において、後段側受信部３３１によって主制御部２０１から認証情報（認証情報信号）１０２０を受信したか否かを判定する。後段部２０２Ｂは、認証情報１０２０を受信していないと判定した場合（Ｓ１４０１：Ｎｏ）、ステップＳ１４１７の処理に進む。一方、後段部２０２Ｂは、認証情報１０２０を受信したと判定した場合（Ｓ１４０１：Ｙｅｓ）、受信した認証情報１０２０を主制御部２０１の前記暗号化方式に対応した復号化方式で復号化し、その後ステップＳ１４０２の処理に進む。なお、主制御部２０１と後段部２０２Ｂとの間で暗号化が不要な場合は、ステップＳ１４０１における復号化処理を削除する。
【０１７２】
後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４０２において、後段側記憶部３３２の後段側種別情報が認証用データを示しているか否かを判定する。後段部２０２Ｂは、認証用データを示していると判定した場合（Ｓ１４０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ１４０３において、認証情報１０２０のデータ部１０２２から認証用データを抽出して後段側記憶部３３２等に記憶し、その後ステップＳ１４０４の処理に進む。
【０１７３】
後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４０４において、その認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の第１期待値Ｂ１、第２期待値Ｂ２、第３期待値Ｂ３の各々とを比較して、何れかの期待値と一致しているか否かを判定する。後段部２０２Ｂは、期待値と一致していると判定した場合（Ｓ１４０４：Ｙｅｓ）、ステップＳ１４０５において、認証成立を示す後段認証結果データを生成してＲＡＭ２３３等に記憶し、その後ステップＳ１４０６の処理に進む。
【０１７４】
後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４０６において、第１期待値Ｂ１又は第２期待値Ｂ２と一致したか否かに基づいて、認証用データが第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２であるか否かを判定する。後段部２０２Ｂは、第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２であると判定した場合（Ｓ１４０６：Ｙｅｓ）、ステップＳ１４０７において、第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２と一致した期待値に対応付けられたデータ種別を特定し、該特定したデータ種別を次回のデータ種別として後段側記憶部３３２の後段側種別情報に設定し、その後ステップＳ１４１２の処理に進む。
【０１７５】
また、後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４０６で第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２ではないと判定した場合（Ｓ１４０６：Ｎｏ）、即ち、第３検査値であった場合、ステップＳ１４０８において、後段側記憶部３３２等に監視開始がセットされているか否かに基づいて、検出対象制御コマンドの監視中であるか否かを判定する。後段部２０２Ｂは、監視中であると判定した場合（Ｓ１４０８：Ｙｅｓ）、ステップＳ１４１０の処理に進む。一方、後段部２０２Ｂは、監視中ではないと判定した場合（Ｓ１４０８：Ｎｏ）、ステップＳ１４０９において、前記検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドを基準とし、前記切替情報Ｈが示す複数種類の検出対象制御コマンドの中から前記基準の検出対象制御コマンドの次の検出対象制御コマンドに切り替えて前記検出対象制御コマンド情報に記憶し、その後ステップＳ１４１０の処理に進む。後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４１０において、後段側記憶部３３２の後段側種別情報に設定されている次回のデータ種別を流用し、その後ステップＳ１４１２の処理に進む。
【０１７６】
一方、後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４０４で期待値と一致していないと判定した場合（Ｓ１４０４：Ｎｏ）、ステップＳ１４１１において、認証不成立を示す後段認証結果データを生成してＲＡＭ２３３等に記憶し、その後ステップＳ１４１２の処理に進む。
【０１７７】
後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４１２において、前記生成した後段認証結果データを結果部１０３２に設定して後段認証結果情報１０３０を生成し、該後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を生成して後段側送信部３３９から周辺部２０２Ａに対して送信し、その後ステップＳ１４１７の処理に進む。
【０１７８】
また、後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４０２で後段側種別情報は認証用データを示していないと判定した場合（Ｓ１４０２：Ｎｏ）、即ち、期待値変更用データを示している場合、ステップＳ１４１３において、後段側記憶部３３２等に監視開始がセットされているか否かに基づいて、検出対象制御コマンドの監視中であるか否かを判定する。後段部２０２Ｂは、監視中であると判定した場合（Ｓ１４１３：Ｙｅｓ）、ステップＳ１４１６の処理に進む。一方、後段部２０２Ｂは、監視中ではないと判定した場合（Ｓ１４１３：Ｎｏ）、ステップＳ１４１４において、認証情報１０２０のデータ部１０２２から期待値変更用データを抽出して後段側記憶部３３２等に記憶し、ステップＳ１４１５において、後述する図１７に示す後段側コマンド監視処理を機能させることで、前記検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドの主制御部２０１からの受信の監視を開始させ、その後ステップＳ１４１６の処理に進む。そして。後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４１６において、主制御部２０１との間で予め定められたデータ種別を次回のデータ種別として特定し、該特定したデータ種別を次回のデータ種別として後段側記憶部３３２の後段側種別情報に設定し、その後ステップＳ１４１７の処理に進む。
【０１７９】
後段部２０２Ｂは、ステップＳ１４１７において、ぱちんこ遊技機１００の電源がオフされたか否かを判定する。そして、後段部２０２Ｂは、電源がオフされていないと判定した場合（Ｓ１４１７：Ｎｏ）、ステップＳ１４０１の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、後段部２０２Ｂは、電源がオフされたと判定した場合（Ｓ１４１７：Ｙｅｓ）、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１８０】
続いて、後段部２０２ＢのＣＰＵ２１（第３コンピュータ）による後段側コマンド監視処理の一例を、図１７のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態では、主制御部２０１と同様に、後段側コマンド監視処理をＣＰＵ２１が実行し、上述した認証側処理と該後段側コマンド監視処理を平行して行う場合について説明するが、これに代えて、他のハードウェアで実現する構成とすることもできる。
【０１８１】
後段部２０２Ｂは、図１７に示す後段側コマンド監視処理を実行すると、ステップＳ１５０１において、後段側記憶部３３２等に監視開始をセットし、ステップＳ１５０２において、後段側受信部３３１で主制御部２０１からの通常の制御信号を受信しているか否かに基づいて、制御コマンドを受信したか否かを判定する。後段部２０２Ｂは、制御コマンドを受信していないと判定した場合（Ｓ１５０２：Ｎｏ）、ステップＳ１５０６の処理に進む。一方、後段部２０２Ｂは、制御コマンドを受信していると判定した場合（Ｓ１５０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ１５０３の処理に進む。
【０１８２】
後段部２０２Ｂは、ステップＳ１５０３において、受信した制御コマンドが、主制御部２０１との間で予め定められ且つ前記検出対象制御コマンド情報に設定されている検出対象制御コマンドであるか否かを判定する。後段部２０２Ｂは、検出対象制御コマンドであると判定した場合（Ｓ１５０３：Ｙｅｓ）、ステップＳ１５０４において、期待値変更用データに基づいて後段側記憶部３３２の第１期待値Ｂ１、第２期待値Ｂ２、第３期待値Ｂ３のうちの少なくとも１つを主制御部２０１と同様に上述した変更方式で変更し、ステップＳ１５０５において、後段側記憶部３３２等に監視終了をセットすると共に、変更に用いた期待値変更用データを削除し、その後本フローチャートによる処理を終了する。
【０１８３】
また、後段部２０２Ｂは、ステップＳ１５０３で検出対象制御コマンドではないと判定した場合（Ｓ１５０３：Ｙｅｓ）、ステップＳ１５０６において、ぱちんこ遊技機１００の電源がオフされたか否かを判定する。そして、後段部２０２Ｂは、電源がオフされていないと判定した場合（Ｓ１５０６：Ｎｏ）、ステップＳ１５０２の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、後段部２０２Ｂは、電源がオフされたと判定した場合（Ｓ１５０６：Ｙｅｓ）、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１８４】
続いて、周辺部２０２ＡのＣＰＵ２４１（第２コンピュータ）による各種制御信号、認証情報信号及び後段認証結果信号の受信処理の手順を、図１８のフローチャートを参照して説明する。
【０１８５】
周辺部２０２Ａは、ステップＳ１６０１において、主制御部２０１から制御信号１０１０を受信したか否かを判定する。周辺部２０２Ａは、制御信号１０１０を受信したと判定した場合（Ｓ１６０１：Ｙｅｓ）、ステップＳ１６０２において、該受信した制御信号１０１０を転送部３５１から後段部２０２Ｂに転送（送信）し、ステップＳ１６０３において、該受信した制御信号１０１０に含まれている制御コマンドデータ１００１および付随データ１００２に対応した所定の処理を行い、その後ステップＳ１６０８の処理に進む。
【０１８６】
一方、周辺部２０２Ａは、制御信号１０１０を受信していないと判定した場合（Ｓ１６０１：Ｎｏ）、ステップＳ１６０４において、主制御部２０１から認証情報（認証情報信号）１０２０を受信したか否かを判定する。周辺部２０２Ａは、認証情報１０２０を受信したと判定した場合（Ｓ１６０４：Ｙｅｓ）、ステップＳ１６０５において、その認証情報１０２０をそのまま転送部３５１から後段部２０２Ｂに転送（送信）し、その後ステップＳ１６０８の処理に進む。一方、周辺部２０２Ａは、認証情報１０２０を受信していないと判定した場合（Ｓ１６０４：Ｎｏ）、ステップＳ１６０６の処理に進む。
【０１８７】
周辺部２０２Ａは、ステップＳ１６０６において、受信した信号が識別部１０３１を有しているか否か等に基づいて、後段部２０２Ｂから後段認証結果信号を受信したか否かを判定する。そして、周辺部２０２Ａは、後段認証結果信号を受信していないと判定した場合（Ｓ１６０６：Ｎｏ）、ステップＳ１６０８の処理に進む。一方、周辺部２０２Ａは、後段認証結果信号を受信していると判定した場合（Ｓ１６０６：Ｙｅｓ）、ステップＳ１６０７の処理に進む。
【０１８８】
周辺部２０２Ａは、ステップＳ１６０７において、受信した後段認証結果信号の結果部１０３２を参照して、後段認証結果信号は認証成立を示しているか否かを判定する。そして、周辺部２０２Ａは、後段認証結果が認証成立を示していると判定した場合（Ｓ１６０７：Ｙｅｓ）、その認証結果をＲＡＭ２４３等に記憶し、その後ステップＳ１６０８の処理に進む。
【０１８９】
周辺部２０２Ａは、ステップＳ１６０８において、ぱちんこ遊技機１００の電源がオフされたか否かを判定する。そして、周辺部２０２Ａは、電源がオフされていないと判定した場合（Ｓ１６０８：Ｎｏ）、ステップＳ１６０１の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、周辺部２０２Ａは、電源がオフされたと判定した場合（Ｓ１６０８：Ｙｅｓ）、本フローチャートによる処理を終了する。
【０１９０】
一方、周辺部２０２Ａは、ステップＳ１６０７で後段認証結果が認証成立を示していないと判定した場合（Ｓ１６０７：Ｎｏ）、ステップＳ１６０９において、例えばスピーカ２６２（図２参照）等から報知信号を出力して、本フローチャートによる処理を終了する。なお、後段認証結果が認証成立を示していない、即ち、認証不成立を示している場合の周辺部２０２Ａの処理については、報知信号を出力するだけで、周辺部２０２Ａの処理を継続させるようにしてもよい。
【０１９１】
（認証情報を用いた認証処理手順例）
次に、図１２に示すデータ種別Ｋ１，Ｋ２を切り替え且つ第１〜３検査値及び第１〜３期待値を変更し且つその変更タイミングを変化させて、主制御基板３１０の認証を行う場合のぱちんこ遊技機１００における手順の一例を、図１９〜図２１の図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、切替情報Ｈが大当たり開始コマンド、大当たり終了コマンドの２種類の検出対象制御コマンドをその順番で切り替えることを示していることを前提とする。
【０１９２】
図１９において、被認証者である主制御基板３１０は、データ種別の切り替えと無作為に決定すると（Ｓ１７０１）、予め定められた今回のデータ種別Ｋ１をセットする（Ｓ１７０２）。主制御基板３１０は、データ種別Ｋ１，Ｋ２から、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ２と無作為に決定して種別情報を更新し（Ｓ１７０３）、図１３に示すように、当該データ種別Ｋ２に対応付けられた検査値Ａ２の認証用データを生成する（Ｓ１７０４）。そして、主制御基板３１０は、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ２）を生成し、その認証情報１０２０（Ａ２）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１７０５）。
【０１９３】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ２）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ１７５１）。
【０１９４】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ａ２）を周辺部２０２Ａを介して受信すると（Ｓ１７７１）、初期の後段側種別情報は認証用データを示していることから、認証情報１０２０（Ａ２）のデータ部１０２２の認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の期待値とが一致するか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して後段側記憶部３３２に記憶する（Ｓ１７７２）。そして、後段部２０２Ｂは、その後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対して送信する（Ｓ１７７３）。また、後段部２０２Ｂは、認証が成立すると、認証用データは第２検査値Ａ２であることから、後段側記憶部３３２の第２期待値Ｂ２と一致するため、該第２検査値Ｂ２に対応付けられたデータ種別Ｋ２を次回のデータ種別と特定し、このデータ種別を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ１７７４）。
【０１９５】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報１０３０が認証成立を示している場合、主制御部２０１から受信した制御コマンドデータ１００１及び付随データ１００２に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報１０３０が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する（Ｓ１７５２）。
【０１９６】
続いて、主制御基板３１０は、データ種別の切り替えと無作為に決定すると（Ｓ１７０６）、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ２を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ１７０７）。主制御基板３１０は、データ種別Ｋ１，Ｋ２から、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ１と無作為に決定して種別情報を更新する（Ｓ１７０８）。主制御基板３１０は、検査値及び期待値を変更するための期待値変更用データＣ１を予め定められた生成方式で無作為に生成し（Ｓ１７０９）、該期待値変更用データＣ１を有する認証情報１０２０（Ｃ１）を生成し、その認証情報１０２０（Ｃ１）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１７１０）。そして、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドである大当たり開始コマンドの周辺基板３３０に対する送信を検出すると（Ｓ１７１１）、当該期待値変更用データＣ１に基づいて３種類の検査値を上述した変更方式で変更する（Ｓ１７１２）。なお、本実施形態では、ぱちんこ遊技機１００における変更方式が「＋」としたことを前提としており、主制御基板３１０は第１検査値Ａ１＋Ｃ１、第２検査値Ａ２＋Ｃ１、第３検査値Ａ３＋Ｃ１にそれぞれ変更されたことになる。
【０１９７】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ｃ１）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ１７５３）。
【０１９８】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ｃ１）を周辺部２０２Ａを介して受信すると、後段側記憶部３３２の後段側種別情報は期待値変更用データを示していることから、認証情報１０２０（Ｃ１）のデータ部１０２２の期待値変更用データＣ１を後段側記憶部３３２等に記憶する（Ｓ１７７５）。後段部２０２Ｂは、期待値変更用データの生成時用に予め定められたデータ種別を次回のデータ種別として特定し、このデータ種別Ｋ１を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ１７７６）。そして、後段部２０２Ｂは、後段側記憶部３３２の検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドである大当たり開始コマンドの主制御基板３１０からの受信を検出すると（Ｓ１７７７）、期待値変更用データＣ１に基づいて後段側記憶部３３２の３種類の期待値を上述した変更方式で主制御基板３１０と同様に変更する（Ｓ１７７８）。これにより、後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０の検査値の各々と一致する第１期待値Ｂ１＋Ｃ１、第２期待値Ｂ２＋Ｃ１、第３期待値Ｂ３＋Ｃ１に変更されたことになる。
【０１９９】
なお、本実施形態では、後段部２０２Ｂが期待値変更用データを受信した場合は、主制御基板３１０の認証を行わないため、後段認証結果情報１０３０を周辺部２０２Ａに送信しないが、これに代えて、例えば、期待値変更用データを受信した旨を示す情報、ダミーの後段認証結果情報１０３０、等を周辺部２０２Ａに送信してもよい。
【０２００】
続いて、図２０において、主制御基板３１０は、データ種別を切り替えないと無作為に決定すると（Ｓ１７１３）、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別として流用する（Ｓ１７１４）。主制御基板３１０は、データ記憶部３１１から抽出した第３検査値Ａ３＋Ｃ１の認証用データを生成する（Ｓ１７１５）。そして、主制御基板３１０は、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）を生成し、その認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１７１６）。そして、主制御基板３１０は、上述した切替情報Ｈに基づいて、大当たり開始コマンドから大当たり終了コマンドに検出対象制御コマンドを切り替えて検出対象制御コマンド情報に設定する（Ｓ１７１７）。
【０２０１】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ１７５４）。
【０２０２】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）を周辺部２０２Ａを介して受信すると（Ｓ１７７９）、後段側記憶部３３２の後段側種別情報は認証用データを示していることから、認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）のデータ部１０２２の認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の期待値とが一致するか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して後段側記憶部３３２に記憶する（Ｓ１７８０）。そして、後段部２０２Ｂは、その後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対して送信する（Ｓ１７８１）。また、後段部２０２Ｂは、認証が成立すると、認証用データは第３検査値Ａ３＋Ｃ１であることから、後段側記憶部３３２の後段側種別情報が示すデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別として流用する（Ｓ１７８２）。そして、後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０と同様に、上述した切替情報Ｈに基づいて、大当たり開始コマンドから大当たり終了コマンドに検出対象制御コマンドを切り替えて検出対象制御コマンド情報に設定する（Ｓ１７８３）。
【０２０３】
また、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報１０３０が認証成立を示している場合、主制御部２０１から受信した制御コマンドデータ１００１及び付随データ１００２に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報１０３０が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する（Ｓ１７５５）。
【０２０４】
続いて、主制御基板３１０は、データ種別の切り替えと無作為に決定すると（Ｓ１７１８）、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ１を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ１７１９）。主制御基板３１０は、データ種別Ｋ１，Ｋ２から、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ１と無作為に決定して種別情報を更新する（Ｓ１７２０）。主制御基板３１０は、当該データ種別Ｋ１に対応付けられた第１検査値Ａ１＋Ｃ１の認証用データを生成する（Ｓ１７２１）。そして、主制御基板３１０は、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）を生成し、その認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１７２２）。
【０２０５】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ１７５６）。
【０２０６】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）を周辺部２０２Ａを介して受信すると（Ｓ１７８４）、後段側記憶部３３２の後段側種別情報は認証用データを示していることから、認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）のデータ部１０２２の認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の期待値とが一致するか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して後段側記憶部３３２に記憶する（Ｓ１７８５）。そして、後段部２０２Ｂは、その後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対して送信する（Ｓ１７８６）。また、後段部２０２Ｂは、認証が成立すると、認証用データは第１検査値Ａ１＋Ｃ１であることから、後段側記憶部３３２の第１期待値Ｂ１＋Ｃ１と一致するため、該第１期待値Ｂ１に対応付けられたデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別と特定し、このデータ種別Ｋ１を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ１７８７）。
【０２０７】
また、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報１０３０が認証成立を示している場合、主制御部２０１から制御コマンドデータ１００１及び付随データ１００２に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報１０３０が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する（Ｓ１７５７）。
【０２０８】
続いて、図２１において、主制御基板３１０は、データ種別の切り替えと無作為に決定すると（Ｓ１７２３）、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ１を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ１７２４）。主制御基板３１０は、データ種別Ｋ１，Ｋ２から、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ２と無作為に決定して種別情報を更新する（Ｓ１７２５）。主制御基板３１０は、当該データ種別Ｋ２に対応付けられた第２検査値（Ａ２＋Ｃ１）の認証用データを生成する（Ｓ１７２６）。そして、主制御基板３１０は、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）を生成し、その認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１７２７）。
【０２０９】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ１７５８）。
【０２１０】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）を周辺部２０２Ａを介して受信すると（Ｓ１７８８）、後段側記憶部３３２の後段側種別情報は認証用データを示していることから、認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）のデータ部１０２２の認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の期待値とが一致するか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して後段側記憶部３３２に記憶する（Ｓ１７８９）。そして、後段部２０２Ｂは、その後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対して送信する（Ｓ１７９０）。また、後段部２０２Ｂは、認証が成立すると、認証用データは第２検査値Ａ２＋Ｃ１であることから、後段側記憶部３３２の第２期待値Ｂ２＋Ｃ１と一致するため、該第２期待値Ｂ２＋Ｃ１に対応付けられたデータ種別Ｋ２を次回のデータ種別と特定し、このデータ種別Ｋ２を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ１７９１）。
【０２１１】
また、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報１０３０が認証成立を示している場合、主制御部２０１から制御コマンドデータ１００１及び付随データ１００２に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報１０３０が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する（Ｓ１７５９）。
【０２１２】
続いて、主制御基板３１０は、データ種別の切り替えと無作為に決定すると（Ｓ１７２８）、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ２を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ１７２９）。主制御基板３１０は、データ種別Ｋ１，Ｋ２から、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ１と無作為に決定して種別情報を更新する（Ｓ１７３０）。主制御基板３１０は、検査値及び期待値を変更するための期待値変更用データＣ２を予め定められた生成方式で無作為に生成し（Ｓ１７３１）、該期待値変更用データを有する認証情報１０２０（Ｃ２）を生成し、その認証情報１０２０（Ｃ２）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１７３２）。そして、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドである大当たり終了コマンドの周辺基板３３０に対する送信を検出すると（Ｓ１７３３）、当該期待値変更用データＣ２に基づいて３種類の検査値を上述した変更方式で変更する（Ｓ１７３４）。その結果、主制御基板３１０は第１検査値Ａ１＋Ｃ２、第２検査値Ａ２＋Ｃ２、第３検査値Ａ３＋Ｃ２にそれぞれ変更されたことになる。
【０２１３】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ｃ２）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ１７６０）。
【０２１４】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ｃ２）を周辺部２０２Ａを介して受信すると、後段側記憶部３３２の後段側種別情報は期待値変更用データを示していることから、認証情報１０２０（Ｃ２）のデータ部１０２２の期待値変更用データＣ２後段側記憶部３３２等に記憶する（Ｓ１７９２）。後段部２０２Ｂは、期待値変更用データの生成時用に予め定められたデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別として特定し、このデータ種別Ｋ１を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ１７９３）。そして、後段部２０２Ｂは、後段側記憶部３３２の検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドである大当たり終了コマンドの主制御基板３１０からの受信を検出すると（Ｓ１７９４）、期待値変更用データＣ１に基づいて後段側記憶部３３２の３種類の期待値を上述した変更方式で主制御基板３１０と同様に変更する（Ｓ１７９５）。これにより、後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０の検査値の各々と一致する第１期待値Ｂ１＋Ｃ２、第２期待値Ｂ２＋Ｃ２、第３期待値Ｂ３＋Ｃ２に変更したことになる。そして、以降、上述した同様の認証処理を行う。
【０２１５】
（期待値変更用データを用いた変更手順例）
次に、主制御基板３１０と周辺基板３３０の後段部２０２Ｂの各々が期待値変更用データを用いて検査値、期待値を変更するときの変更手順の一例を、図２２の図面を参照して説明する。
【０２１６】
図２２において、主制御基板３１０は、期待値変更用データを生成すると、該期待値変更用データをデータ記憶部３１１等に記憶すると共に、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１８０１）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した期待値変更用データを周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに転送（送信）する（Ｓ１８５１）。後段部２０２Ｂは、周辺部２０２Ａを介して主制御基板３１０から受信した期待値変更用データを後段側記憶部３３２等に一旦記憶する（Ｓ１８８１）。
【０２１７】
その後、主制御基板３１０は、周辺基板３３０を制御するために非検出対象制御コマンドを周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信すると、そのコマンドは検出対象制御コマンドではないため、検査値の補正は行わない（Ｓ１８０２）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、受信した制御コマンドを周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに転送（送信）すると共に、該受信した制御コマンドに対応した所定の処理を行う（Ｓ１８５２）。そして、後段部２０２Ｂは、受信した制御コマンドが検出対象制御コマンドではないため、期待値の変更は行わず、当該制御コマンドを破棄する（Ｓ１８８２）。
【０２１８】
そして、主制御基板３１０は、周辺基板３３０を制御するために検出対象制御コマンドを周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信すると（Ｓ１８０３）、そのコマンドは検出対象制御コマンドであるため、データ記憶部３１１等に記憶している期待値変更用データで検査値の変更を行う（Ｓ１８０４）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、受信した制御コマンドを周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに転送（送信）すると共に、該受信した制御コマンドに対応した所定の処理を行う（Ｓ１８５３）。そして、後段部２０２Ｂは、周辺部２０２Ａを介して主制御基板３１０から検出対象制御コマンドを受信すると、該制御コマンドは検出対象制御コマンドであることから、後段側記憶部３３２等に記憶している期待値変更用データに基づいて期待値の変更を行う（Ｓ１８８３）。これにより、検査値及び期待値は検出対象制御コマンドに発生に応じて双方とも変更されたことになる。
【０２１９】
主制御基板３１０は、第３検査値Ａ３を有する認証用データを生成すると、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ３）を生成して周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１８０５）。主制御基板３１０は、検出対象制御コマンドを上記切替情報Ｈに基づいて切り替える（Ｓ１８０６）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、受信した制御コマンドを周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに転送（送信）する（Ｓ１８５４）。そして、後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ３）の第３検査値Ａ３に基づいて主制御基板３１０の認証を行い、該認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１８８４）。後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０と同様に、検出対象制御コマンドを上記切替情報Ｈに基づいて切り替える（Ｓ１８８５）。
【０２２０】
続いて、主制御基板３１０は、第１期待値変更用データを生成すると、該第１期待値変更用データをデータ記憶部３１１等に記憶すると共に、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１８１１）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した期待値変更用データを周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに転送（送信）する（Ｓ１８５５）。そして、後段部２０２Ｂは、周辺部２０２Ａを介して主制御基板３１０から受信した期待値変更用データを後段側記憶部３３２等に一旦記憶する（Ｓ１８８６）。その後、主制御基板３１０は、前記第１期待値変更用データとは異なる第２期待値変更用データを生成すると、該第２期待値変更用データを周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信し、第１期待値変更用データを既に記憶していることから該第２期待値変更用データは破棄する（Ｓ１８１２）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から第２期待値変更用データを受信すると、該第２期待値変更用データを後段部２０２Ｂに転送（送信）する（Ｓ１８５６）。そして、後段部２０２Ｂは、第１期待値変更用データを既に記憶していることから該受信した第２期待値変更用データを破棄する（Ｓ１８８７）。
【０２２１】
また、主制御基板３１０は、検出対象制御コマンドの監視中に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０（Ａ３）を生成して周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信した場合、検出対象制御コマンド情報が示す検出対象コマンドの切り替えを禁止する（Ｓ１８１３）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、受信した制御コマンドを周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに転送（送信）する（Ｓ１８５７）。そして、後段部２０２Ｂは、検出対象制御コマンドの監視中であるため、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ３）の第３検査値Ａ３に基づいて主制御基板３１０の認証を行い、該認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して周辺部２０２Ｂに送信する（Ｓ１８８８）。後段部２０２Ｂは、検出対象制御コマンド情報が示す検出対象コマンドの切り替えを禁止して認証情報１０２０（Ａ３）を破棄する（Ｓ１８８９）。
【０２２２】
その後、主制御基板３１０は、周辺基板３３０を制御するために検出対象制御コマンドを周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信すると（Ｓ１８１４）、そのコマンドは検出対象制御コマンドであるため、データ記憶部３１１等に記憶している第１期待値変更用データで検査値の変更を行う（Ｓ１８１５）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、受信した制御コマンドを周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに転送（送信）すると共に、該受信した制御コマンドに対応した所定の処理を行う（Ｓ１８５８）。後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０からの検出対象制御コマンドを受信したことを検出すると、後段側記憶部３３２等に記憶している第１期待値変更用データに基づいて期待値の変更を行う（Ｓ１８９０）。
【０２２３】
続いて、主制御基板３１０は、期待値変更用データを生成すると、該期待値変更用データをデータ記憶部３１１等に記憶すると共に、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ１８２１）。一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した期待値変更用データを周辺基板３３０の後段部２０２Ｂに転送（送信）する（Ｓ１８５９）。後段部２０２Ｂは、周辺部２０２Ａを介して主制御基板３１０から受信した期待値変更用データを後段側記憶部３３２等に一旦記憶する（Ｓ１８９１）。その後、不正な検出対象制御コマンドが周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信されると、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、受信した不正な検出対象制御コマンドを後段部２０２Ｂに送信すると共に、該受信した不正な検出対象制御コマンドに対応した所定の処理を行う（Ｓ１８６０）。後段部２０２Ｂは、不正な検出対象制御コマンドの受信の検出すると、後段側記憶部３３２等に記憶している期待値変更用データに基づいて期待値の変更を行う（Ｓ１８９２）。これにより、後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０の検査値と期待値が不一致となる（Ｓ１８９３）。よって、それ以降、後段部２０２Ｂは主制御基板３１０の認証を成立できなくなり、不正を検知することができる。
【０２２４】
以上説明したぱちんこ遊技機１００によれば、主制御部２０１は３種類の検査値のうちの第１検査値Ａ１及び第２検査値Ａ２の各々に認証情報１０２０の２種類のデータ種別を対応付けておき、第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２で認証用データを生成し、該認証用データを有する認証情報１０２０を生成して後段部２０２Ｂに送信するようにしたことから、後段部２０２Ｂは期待値に前記データ種別を対応付けておくことで、認証情報１０２０が有する検査値と期待値が一致したときに、主制御部２０１（主制御基板）の認証を成立させることができ且つ次回受信すべき認証情報１０２０のデータ種別を特定することができるため、不正な解析者が認証情報を不正に利用することを防止できる。また、期待値変更用データによる検査値及び期待値の変更タイミングを、複数種類の制御コマンドの中から予め定めた検出対象制御コマンドに関連付けるようにしたことから、期待値変更用データの生成、送信とそれを用いた変更との間隔等を不規則にすることができるため、不正な解析を困難にすることができる。後段部２０２Ｂは、主制御部２０１と同一の検出対象制御コマンドの検出に応じて、主制御部２０１から受信した期待値変更用データで期待値を変更して、主制御部２０１の検査値に合わせることができるため、主制御部２０１と後段部２０２Ｂとの間で検査値と期待値とを揃えて変更することができ、不正な解析者による解析をより一層困難にすることができる。また、主制御部２０１及び後段部２０２Ｂは、第３検査値を有する認証情報１０２０の生成又は送信及び受信の検出に応じて、検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で揃えて切り替えるようにしたことから、期待値変更用データによる変更タイミングをより一層複雑にして、不正な解析を困難にすることができる。そして、１種類の認証情報１０２０を用いればよいため、従来のコマンド体系に対する追加を最小限に抑え且つ主制御部２０１の処理が複雑化することを防止できる。さらに、不正解析者によって認証情報が不正に利用されたことを、認証情報のデータ種別によって後段部２０２Ｂが検出することができるため、認証情報１０２０の認証強度を高めることができる。また、後段部２０２Ｂが主制御部２０１に対する認証処理を行い、その後段認証結果を周辺部２０２Ａに送信するようにしたことから、周辺部２０２Ａは認証処理を行わずに後段認証結果を参照するだけで良いため、周辺部２０２ＡのＣＰＵ２４１の処理負荷を軽減することができる。さらに、３種類の検査値は予め記憶しておくことができるため、認証情報１０２０の生成時に複雑な演算を行う必要がなくなり、主制御部２０１の処理負担の増加を防止できる。しかも、周辺部２０２Ａは、主制御部２０１からの認証情報１０２０を後段部２０２Ｂにそのまま送信することで、周辺部２０２Ａが所定の処理を行うと同時に、後段部２０２Ｂが認証処理を行うことができるため、周辺部２０２Ａにおける所定の処理に遅れが生じることを防止できる。従って、１種類の認証情報１０２０で認証及び認証に用いるデータの変更を行っても、その認証情報１０２０及びその変更の不正解析を困難にすることができるという効果を奏する。
【０２２５】
上述したぱちんこ遊技機１００において、主制御基板３１０は、検出対象制御コマンドを検出する前に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を再度生成した場合、また、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、検出対象制御コマンドを検出する前に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を再度受信した場合、検出対象制御コマンドの切り替えを禁止するようにしたことから、検出対象制御コマンドを検出する前に検出対象制御コマンドが切り替わることを防止できるため、処理の複雑化を防止することができる。そして、第３検査値を有する認証情報１０２０を主制御基板３１０と周辺基板３３０の後段部２０２Ｂとの間で恰もダミーのように用いることができるため、不正な解析をより一層困難にすることができる。
【０２２６】
上述したぱちんこ遊技機１００において、例えば、大当たりリーチコマンド、大当たり開始コマンド、大当たりコマンド、大当たり終了コマンド、等の遊技機における大当たり関連コマンドを検出対象制御コマンドとすることで、その大当たり関連コマンドは不正に利用されやすいため、期待値変更用データを保持している後段部２０２Ｂに不正な大当たり関連コマンドが送信されると、後段部２０２Ｂはそれを検出対象制御コマンドとして検出して期待値を変更してしまい、主制御部２０１の検査値と後段部２０２Ｂの期待値とを不一致にさせることができる。従って、不正の発生を検出する精度向上に貢献することができる。
【０２２７】
上述したぱちんこ遊技機１００において、期待値変更用データが予め定められた初期値である検査値及び期待値を変更する補正値Ｃとすることで、主制御部２０１及び後段部２０２Ｂは予め定められた検査値及び期待値を期待値変更用データで変更するだけでよいため、変更処理を簡単化することができる。
【０２２８】
上述したぱちんこ遊技機１００において、期待値変更用データが前回変更した検査値及び期待値を変更する係数値Ｆとすることで、検査値及び期待値を累積させて変更することができるため、検査値及び期待値の解析をより一層困難にすることができると共に、検査値及び期待値の不正利用を防止することができる。
【０２２９】
上述したぱちんこ遊技機１００において、主制御部２０１の検査値とは異なる値の期待値を後段部２０２Ｂに予め記憶しておき、検査値と期待値との差分を吸収するための期待値変更用データを主制御部２０１が生成して後段部２０２Ｂに周辺部２０２Ａを介して送信し、後段部２０２Ｂがその期待値変更用データで期待値を変更することで、期待値を主制御部２０１の検査値と一致させることができるため、不正な解析者による検査値及び期待値の解析及び利用を困難にすることができる。
【０２３０】
また、上述した実施形態において、主制御基板３１０は検出対象制御コマンドの検出する前に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を再度生成した数が予め定められた切替条件を満たした場合、また、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは検出対象制御コマンドの主制御部２０１からの受信を検出する前に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を再度受信した数が、主制御部２０１と同一の切替条件を満たした場合、検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で再度切り替える構成とすることもできる。
【０２３１】
例えば、予め定められた回数、予め定められた順番（偶数、奇数など）、等を示す同一の切替条件を主制御基板３１０及び周辺基板３３０の後段部２０２Ｂの双方に記憶しておく。そして、図１４に示すフローチャート中のステップＳ１２１５で監視中であると判定した場合（Ｓ１２１５：Ｙｅｓ）の処理として、第３検査値を有する認証情報の生成回数を計数し、該生成回数が前記切替条件を満たすか否か判定し、前記切替条件を満たしたときに、上述したステップＳ１２１６の処理を実行するように処理を追加することで実現することができる。その結果、主制御基板３１０は検出対象制御コマンドの監視中かつ切替条件を満たす時に、前記検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドを基準とし、前記切替情報Ｈが示す複数種類の検出対象制御コマンドの中から前記基準の検出対象制御コマンドの次の検出対象制御コマンドに切り替えて前記検出対象制御コマンド情報に記憶することができる。また、後段部２０２Ｂも同様に、図１６に示すフローチャート中のステップＳ１４０８で監視中であると判定した場合（Ｓ１４０８：Ｙｅｓ）の処理として、上述した主制御基板３１０と同様の処理を追加することで実現することができる。
【０２３２】
このような構成を採用すれば、期待値変更用データによる変更前に、検出対象制御コマンドを切り替えることができるため、変更タイミングをより一層複雑化させることができる。また、切替条件によっては第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０の検出に応じて検出対象制御コマンドを切り替える場合と切り替えない場合が生じることから、不正な解析をより一層困難にすることができる。
【０２３３】
［実施例２］
以下に、上述したぱちんこ遊技機１００の実施例２を説明する。なお、上述した構成と同一部分については、同一の符号を付して異なる部分のみを詳細に説明する。
【０２３４】
（主制御基板および周辺基板の機能的構成）
まず、ぱちんこ遊技機１００は、上述した図２に示す制御部２００を備えている。制御部２００は、主制御部２０１と、演出制御部（周辺部）２０２Ａと、後段部２０２Ｂと、賞球制御部２０３と、を有している。そして、ぱちんこ遊技機１００は、図２３に示すように、主制御部２０１としての機能を有する主制御基板３１０と、上述した演出制御部２０２Ａと後段部２０２Ｂを有する周辺基板３３０と、を有して構成している。そして、主制御基板３１０は周辺基板３３０と通信可能なように電気的に接続されている。
【０２３５】
主制御基板３１０は、上述したデータ記憶部３１１、決定部３１３、認証用データ生成部３１６、期待値変更用データ生成部３１７、認証情報生成部３１８、主制御側送信部３１９、更新部３２０、制御コマンド検出部３２１、主制御側変更部３２２、検出対象切替部３２３と、選択部３２４と、を有して構成している。
【０２３６】
選択部３２４は、本発明の選択手段に相当し、種別情報が認証用データを示している場合に、データ記憶部（検査値記憶手段）３１１が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値の中から１つの検査値を無作為に選択する。選択部３２４は、乱数等を用いて１つの検査値Ａを無作為に選択する。選択部３２４の選択方法は、不正な解析を防止するために、選択パターンが不規則になることが好ましい。
【０２３７】
上述した決定部３１３は、選択部３２４が選択した第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２に対応付けられたデータ種別Ｋ１，Ｋ２（図１３参照）を、主制御基板３１０が次回生成する認証情報１０２０のデータ種別と決定する。詳細には、第１検査値Ａ１が選択されたときは、次回をデータ種別Ｋ１と決定し、また、第２検査値Ａ２が選択されたときは、次回をデータ種別Ｋ２と決定する。そして、決定部３１３は、選択部３２４が第３検査値Ａ３を選択した場合は、実施例１と同様に、予め定められたデータ種別を次回のデータ種別と決定する。そして、上述した認証用データ生成部３１６は、前記種別情報が認証用データを示している場合に、選択部３２４が選択した１つの検査値を有する認証用データを生成する。
【０２３８】
実施例２のぱちんこ遊技機１００は、実施例１と同様に、３種類の検査値を主制御基板３１０の認証に用いるに当たり、それらの検査値を主制御基板３１０は期待値変更用データで変更することができるため、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂがその期待値変更用データを主制御基板３１０から取得し、検査値に対応した期待値をその期待値変更用データで変更させることで、変更した検査値と期待値とに基づいて主制御基板３１０の認証を行う構成を採用している。そして、期待値変更用データによる変更を、予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの各々に連動して切り替えることができるため、不正な解析を困難にすると共に、制御コマンドを不正に用いることを困難にすることが期待できる。よって、ぱちんこ遊技機１００は、１種類の認証情報で認証を行っても、認証用データを不正に解析することを困難にすることができるため、セキュリティの向上を図ることができる。
【０２３９】
続いて、図２３に示す周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、実施例１と同様に、上述した後段側受信部３３１、後段側記憶部３３２、後段認証結果データ生成部３３３、後段側送信部３３４、後段側制御コマンド検出部３３５、後段側変更部３３６、後段側検出対象切替部３３７、特定部３３８を有して構成している。そして、周辺部２０２Ａも、実施例１と同様に、上述した転送部３５１、周辺側受信部３５２、処理部３５３を有して構成している。このように周辺基板３３０は、実施例１と同様の構成で実現できるため、その説明は省略する。
【０２４０】
また、実施例２についても、主制御基板３１０のＣＰＵ２１１が請求項中の第１コンピュータ、周辺基板３３０の周辺部（演出制御部）２０２ＡのＣＰＵ２４１が請求項中の第２コンピュータ、周辺基板３３０の後段部２０２ＢのＣＰＵ２１が請求項中の第３コンピュータとして機能させる場合について説明する。そして、主制御基板３１０のＲＯＭ２１２は、前記第１コンピュータを請求項中の選択手段、決定手段、認証用データ生成手段、期待値変更用データ生成手段、認証情報生成手段、主制御側送信手段、更新手段、制御コマンド検出手段、主制御側変更手段、主制御側検出対象切替手段、等の各種手段として機能させるための主制御側認証プログラムを記憶している。また、周辺基板３３０の周辺部２０２ＡのＲＯＭ２４２は、前記第２コンピュータを請求項中の転送手段、周辺側受信手段、処理手段、等の各種手段として機能させるための周辺側認証プログラムを記憶している。また、周辺基板３３０の後段部２０２ＢのＲＯＭ２２は、前記第３コンピュータを請求項中の後段側受信手段、後段認証結果データ生成手段、後段側送信手段、後段側制御コマンド検出手段、後段側変更手段、後段側検出対象切替手段、特定手段、等の各種手段として機能させるための後段側認証プログラムを記憶している。即ち、主制御側認証プログラムと周辺側認証プログラムと後段側認証プログラムとによって本発明の認証プログラムを構成している。
【０２４１】
（認証情報信号の送受信に関する処理）
以下に、主制御部２０１と後段部２０２Ｂとの間で行う上記認証情報信号の通信例を説明する。まず、主制御部２０１のＣＰＵ２１１（第１コンピュータ）による認証情報信号の送信手順２の一例を、図２４のフローチャートを参照して説明する。
【０２４２】
ぱちんこ遊技機１００の電源がＯＮ（投入）されると、主制御部２０１は図２４に示す被認証処理を実行し、ステップＳ１９０１において、予め定められた認証タイミングであるか否かを判定する。主制御部２０１は、認証タイミングではないと判定した場合（Ｓ１９０１：Ｎｏ）、ステップＳ１９２０の処理に進む。一方、主制御部２０１は、認証タイミングであると判定した場合（Ｓ１９０１：Ｙｅｓ）、ステップＳ１９０２の処理に進む。
【０２４３】
主制御部２０１は、ステップＳ１９０２において、データ記憶部３１１の種別情報に設定されている次回のデータ種別を今回のデータ種別としてセットし、その後ステップＳ１９０３の処理に進む。なお、種別情報に次回のデータ種別が設定されていない場合、即ち初回の処理では、ぱちんこ遊技機１００において初期値として予め定められた初回データ種別を今回のデータ種別としてセットする。なお、以下の説明では、初回データ種別を認証用データであるデータ種別Ｋ１としていることを前提とする。
【０２４４】
主制御部２０１は、ステップＳ１９０３において、今回のデータ種別が認証用データであるか否かを判定する。主制御部２０１は、データ種別が認証用データではない、即ち、期待値変更用データである場合（Ｓ１９０３：Ｎｏ）、ステップＳ１９０４の処理に進む。そして、主制御部２０１は、ステップＳ１９０４において、データ記憶部３１１等に監視開始がセットされているか否かに基づいて、検出対象制御コマンドの監視中であるか否かを判定する。主制御部２０１は、監視中であると判定した場合（Ｓ１９０４：Ｙｅｓ）、既に期待値変更用データは生成されていることから、ステップＳ１９０５において、前回の期待値変更用データ、即ち、データ記憶部３１１等に記憶している期待値変更用データを認証情報１０２０の生成用に記憶し、その後ステップＳ１９０８の処理に進む。一方、主制御部２０１は、監視中ではないと判定した場合（Ｓ１９０４：Ｎｏ）、ステップＳ１９０６の処理に進む。
【０２４５】
主制御部２０１は、ステップＳ１９０６において、検査値及び期待値を変更するための期待値変更用データを予め定められた生成方式で無作為に生成し、該生成した期待値変更用データを認証情報１０２０の生成用としてデータ記憶部３１１等に記憶し、その後ステップＳ１９０７の処理に進む。なお、期待値変更用データの生成方法の一例としては、乱数やパターンテーブルを用いた前記生成方式で生成する等が挙げられる。そして、主制御部２０１は、ステップＳ１９０７において、上述した図１５に示す検出対象制御コマンド監視処理を機能させることで、予め定められた検出対象制御コマンドの送信の監視を開始させ、その後ステップＳ１９０８の処理に進む。なお、図１５に示す検出対象制御コマンド監視処理は、そのまま用いることができるため、詳細な説明は省略する。
【０２４６】
主制御部２０１は、ステップＳ１９０８において、期待値変更用データの生成時用に予め定められたデータ種別を次回のデータ種別として決定してＲＡＭ２１３等に記憶し、その後ステップＳ１９１６の処理に進む。なお、予め定めるデータ種別は、主制御基板３１０と周辺基板３３０の後段部２０２Ｂとの間で予め定めておく。
【０２４７】
一方、主制御部２０１は、ステップＳ１９０３でデータ種別は認証用データであると判定した場合（Ｓ１９０３：Ｙｅｓ）、ステップＳ１９０９において、データ記憶部３１１に記憶している３種類の第１検査値、第２検査値、第３検査値から１つの検査値を無作為に選択してＲＡＭ２１３等に記憶し、ステップＳ１９１０において、前記選択した検査値を有する認証用データを生成してＲＡＭ２１３等に記憶し、その後ステップＳ１９１１の処理に進む。これにより、３種類の検査値の何れか１つを有する認証用データが作成されたことになる。
【０２４８】
主制御部２０１は、ステップＳ１９１１において、ステップＳ１９０９で選択した検査値が第３検査値であるか否かを判定する。主制御部２０１は、第３検査値ではないと判定した場合（Ｓ１９１１：Ｎｏ）、ステップＳ１９１２において、前記選択された第１検査値又は第２検査値に対応付けられたデータ種別を次回生成する認証情報１０２０のデータ種別と決定し、その後ステップＳ１９１６の処理に進む。一方、主制御部２０１は、第３検査値であると判定した場合（Ｓ１９１１：Ｙｅｓ）、ステップＳ１９１３において、データ記憶部３１１等に監視開始がセットされているか否かに基づいて、検出対象制御コマンドの監視中であるか否かを判定する。主制御部２０１は、監視中であると判定した場合（Ｓ１９１３：Ｙｅｓ）、既に期待値変更用データは生成されていることから、ステップＳ１９１５の処理に進む。一方、主制御部２０１は、監視中ではないと判定した場合（Ｓ１９１３：Ｎｏ）、ステップＳ１９１４において、前記検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドを基準とし、前記切替情報Ｈが示す複数種類の検出対象制御コマンドの中から前記基準の検出対象制御コマンドの次の検出対象制御コマンドに切り替えて前記検出対象制御コマンド情報に記憶し、その後ステップＳ１９１５の処理に進む。そして、主制御部２０１は、ステップＳ１９１５において、データ記憶部３１１の種別情報に設定されている次回のデータ種別を流用し、その後ステップＳ１９１６の処理に進む。
【０２４９】
主制御部２０１は、ステップＳ１９１６において、認証情報１０２０の識別部１０２１に予め定められた認証コマンドを設定し、データ部１０２２に前記生成した認証用データを設定して認証情報１０２０を生成し、該生成した認証情報１０２０をデータ記憶部３１１等に記憶し、その後ステップＳ１９１７の処理に進む。
【０２５０】
主制御部２０１は、ステップＳ１９１７において、前記生成した認証情報１０２０を、後段部２０２Ｂとの間で予め定められた暗号化方法で暗号化し、ステップＳ１９１８において、前記暗号化した認証情報１０２０の各々に基づいて認証情報信号を生成して主制御側送信部３１９から後段部２０２Ｂに周辺部２０２Ａを介して送信し、その後ステップＳ１９１９の処理に進む。なお、主制御部２０１と後段部２０２Ｂとの間で暗号化が不要な場合は、ステップＳ１９１７の処理を削除して、認証情報１０２０をそのまま後段部２０２Ｂに送信する。そして、主制御部２０１は、ステップＳ１９１９において、ステップＳ１９０８又はステップＳ１９１２で決定した次回のデータ種別を示すようにデータ記憶部３１１の種別情報を更新し、その後ステップＳ１９２０の処理に進む。
【０２５１】
主制御部２０１は、ステップＳ１９２０において、ぱちんこ遊技機１００の電源がオフされたか否かを判定する。そして、主制御部２０１は、電源がオフされていないと判定した場合（Ｓ１９２０：Ｎｏ）、ステップＳ１９０１の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部２０１は、電源がオフされたと判定した場合（Ｓ１９２０：Ｙｅｓ）、本フローチャートによる処理を終了する。
【０２５２】
続いて、周辺基板３３０における周辺部２０２ＡのＣＰＵ２４１（第２コンピュータ）が行う上記制御信号と上記後段認証結果信号の受信処理の手順、及び、後段部２０２ＢのＣＰＵ２１（第３コンピュータ）が行う前記認証情報信号の受信処理の手順は、実施例１の図１８に示す処理、及び、図１６に示す認証側処理をそのまま用いることができるため、詳細な説明は省略する。
【０２５３】
（認証情報を用いた認証処理手順例２）
次に、図１２に示すデータ種別Ｋ１，Ｋ２を切り替え且つ第１〜３検査値及び第１〜３期待値を変更し且つその変更タイミングを変化させて、主制御基板３１０の認証を行う場合のぱちんこ遊技機１００における手順の一例を、図２５〜図２７の図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、切替情報Ｈが大当たり開始コマンド、大当たり終了コマンドの２種類の検出対象制御コマンドをその順番で切り替えることを示していることを前提とする。
【０２５４】
図２５において、被認証者である主制御基板３１０は、予め定められた今回のデータ種別Ｋ１をセットする（Ｓ２００１）。主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の３種類の検査値から１つの第２検査値Ａ２を無作為に選択し（Ｓ２００２）、該第２検査値Ａ２の認証用データを生成する（Ｓ２００３）。主制御基板３１０は、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ２）を生成し、その認証情報１０２０（Ａ２）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ２００４）。そして、主制御基板３１０は、図１３に示すように、前記選択した第２検査値Ａ２に対応付けられたデータ種別Ｋ２を、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ２と決定して種別情報を更新する（Ｓ２００５）。
【０２５５】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ２）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ２０５１）。
【０２５６】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から周辺部２０２Ａを介して認証情報１０２０（Ａ２）を受信すると（Ｓ２０７１）、初期の後段側種別情報は認証用データを示していることから、認証情報１０２０（Ａ２）のデータ部１０２２の認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の期待値とが一致するか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して後段側記憶部３３２に記憶する（Ｓ２０７２）。そして、後段部２０２Ｂは、その後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対して送信する（Ｓ２０７３）。そして、後段部２０２Ｂは、認証が成立すると、認証用データは第２検査値Ａ２であることから、後段側記憶部３３２の第２期待値Ｂ２と一致するため、該第２期待値Ｂ２に対応付けられたデータ種別Ｋ２を次回のデータ種別と特定し、このデータ種別を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ２０７４）。
【０２５７】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報１０３０が認証成立を示している場合、主制御部２０１から受信した制御コマンドデータ１００１及び付随データ１００２に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報１０３０が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する（Ｓ２０５２）。
【０２５８】
続いて、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ２を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ２００６）。主制御基板３１０は、種別情報がデータ種別Ｋ２を示していることから、検査値及び期待値を変更するための期待値変更用データＣ１を予め定められた生成方式で無作為に生成し（Ｓ２００７）、該期待値変更用データＣ１を有する認証情報１０２０（Ｃ１）を生成し、その認証情報１０２０（Ｃ１）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ２００８）。そして、主制御基板３１０は、予め定められたデータ種別Ｋ１を、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ１と決定して種別情報を更新する（Ｓ２００９）。そして、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドである大当たり開始コマンドの周辺基板３３０に対する送信を検出すると（Ｓ２０１０）、当該期待値変更用データＣ１に基づいて３種類の検査値を上述した変更方式で変更する（Ｓ２０１１）。これにより、本実施形態では、ぱちんこ遊技機１００における変更方式が「＋」としたことを前提としており、主制御基板３１０は第１検査値Ａ１＋Ｃ１、第２検査値Ａ２＋Ｃ１、第３検査値Ａ３＋Ｃ１にそれぞれ変更されたことになる。
【０２５９】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ｃ１）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ２０５３）。
【０２６０】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ｃ１）を周辺部２０２Ａを介して受信すると、後段側記憶部３３２の後段側種別情報は期待値変更用データを示していることから、認証情報１０２０（Ｃ１）のデータ部１０２２の期待値変更用データＣ１を後段側記憶部３３２等に記憶する（Ｓ２０７５）。そして、後段部２０２Ｂは、期待値変更用データの生成時用に予め定められたデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別として特定し、このデータ種別Ｋ１を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ２０７６）。そして、後段部２０２Ｂは、後段側記憶部３３２の検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドである大当たり開始コマンドの主制御基板３１０からの受信を検出すると（Ｓ２０７７）、期待値変更用データＣ１に基づいて後段側記憶部３３２の３種類の期待値を上述した変更方式で主制御基板３１０と同様に変更する（Ｓ２０７８）。なお、周辺基板３３０は、主制御基板３１０の検査値の各々と一致する第１期待値Ｂ１＋Ｃ１、第２期待値Ｂ２＋Ｃ１、第３期待値Ｂ３＋Ｃ１に変更されたことになる。
【０２６１】
続いて、図２６において、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ１を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ２０１２）。主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の３種類の検査値から１つの第３検査値Ａ３＋Ｃ１を無作為に選択し（Ｓ２０１３）、該第３検査値Ａ３＋Ｃ１の認証用データを生成する（Ｓ２０１４）。主制御基板３１０は、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）を生成し、その認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ２０１５）。そして、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別として流用する（Ｓ２０１６）。そして、主制御基板３１０は、上述した切替情報Ｈに基づいて、大当たり開始コマンドから大当たり終了コマンドに検出対象制御コマンドを切り替えて検出対象制御コマンド情報に設定する（Ｓ２０１７）。
【０２６２】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ２０５４）。
【０２６３】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）を受信すると（Ｓ２０７９）、今回は認証用データを示していることから、認証情報１０２０（Ａ３＋Ｃ１）のデータ部１０２２の認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の期待値とが一致するか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して後段側記憶部３３２に記憶する（Ｓ２０８０）。そして、後段部２０２Ｂは、その後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対して送信する（Ｓ２０８１）。そして、後段部２０２Ｂは、認証が成立すると、認証用データは第３検査値Ａ３＋Ｃ１であることから、後段側記憶部３３２の後段側種別情報が示すデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別として流用する（Ｓ２０８２）。そして、後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０と同様に、上述した切替情報Ｈに基づいて、大当たり開始コマンドから大当たり終了コマンドに検出対象制御コマンドを切り替えて検出対象制御コマンド情報に設定する（Ｓ２０８３）。
【０２６４】
また、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報１０３０が認証成立を示している場合、主制御部２０１から受信した制御コマンドデータ１００１及び付随データ１００２に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報１０３０が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する（Ｓ２０５５）。
【０２６５】
続いて、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ１を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ２０１８）。主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の３種類の検査値から１つの第１検査値Ａ１を無作為に選択し（Ｓ２０１９）、該第１検査値Ａ１＋Ｃ１の認証用データを生成する（Ｓ２０２０）。主制御基板３１０は、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）を生成し、その認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ２０２１）。そして、主制御基板３１０は、前記選択した第１検査値Ａ１＋Ｃ１に対応付けられたデータ種別Ｋ１を、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ１と決定して種別情報を更新する（Ｓ２０２２）。
【０２６６】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ２０５６）。
【０２６７】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から周辺部２０２Ａを介して認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）を受信すると（Ｓ２０８４）、今回は認証用データを示していることから、認証情報１０２０（Ａ１＋Ｃ１）のデータ部１０２２の認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の期待値とが一致するか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して後段側記憶部３３２に記憶する（Ｓ２０８５）。そして、後段部２０２Ｂは、その後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対して送信する（Ｓ２０８６）。そして、後段部２０２Ｂは、認証が成立すると、認証用データは第１検査値Ａ１＋Ｃ１であることから、後段側記憶部３３２の第１期待値Ｂ１＋Ｃ１と一致するため、該第１期待値Ｂ１＋Ｃ１に対応付けられたデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別と特定し、このデータ種別Ｋ１を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ２０８７）。
【０２６８】
また、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報１０３０が認証成立を示している場合、主制御部２０１から受信した制御コマンドデータ１００１及び付随データ１００２に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報１０３０が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する（Ｓ２０５７）。
【０２６９】
続いて、図２７において、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ１を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ２０２３）。主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の３種類の検査値から１つの第２検査値Ａ２＋Ｃ１を無作為に選択し（Ｓ２０２４）、該検査値Ａ２＋Ｃ１の認証用データを生成する（Ｓ２０２５）。主制御基板３１０は、該認証用データを有する認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）を生成し、その認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ２０２６）。そして、主制御基板３１０は、前記選択した第２検査値Ａ２＋Ｃ１に対応付けられたデータ種別Ｋ２を、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ２と決定して種別情報を更新する（Ｓ２０２７）。
【０２７０】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ２０５８）。
【０２７１】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）を周辺部２０２Ａを介して受信すると（Ｓ２０８８）、今回は認証用データを示していることから、認証情報１０２０（Ａ２＋Ｃ１）のデータ部１０２２の認証用データと後段側記憶部３３２に記憶している３種類の期待値とが一致するか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板３１０の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報１０３０を生成して後段側記憶部３３２に記憶する（Ｓ２０８９）。そして、後段部２０２Ｂは、その後段認証結果情報１０３０を付加した後段認証結果信号を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対して送信する（Ｓ２０９０）。後段部２０２Ｂは、認証が成立すると、認証用データは第２検査値Ａ２＋Ｃ１であることから、後段側記憶部３３２の第２期待値Ｂ２＋Ｃ１と一致するため、該第２期待値Ｂ２＋Ｃ１に対応付けられたデータ種別Ｋ２を次回のデータ種別と特定し、このデータ種別Ｋ２を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ２０９１）。
【０２７２】
また、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、後段部２０２Ｂから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報１０３０が認証成立を示している場合、主制御部２０１から受信した制御コマンドデータ１００１及び付随データ１００２に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報１０３０が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する（Ｓ２０５９）。
【０２７３】
続いて、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の種別情報が示すデータ種別Ｋ２を今回のデータ種別としてセットする（Ｓ２０２８）。主制御基板３１０は、種別情報がデータ種別Ｋ２を示していることから、検査値及び期待値を変更するための期待値変更用データＣ２を予め定められた生成方式で無作為に生成し（Ｓ２０２９）、該期待値変更用データＣ２を有する認証情報１０２０（Ｃ２）を生成し、その認証情報１０２０（Ｃ２）を周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに送信する（Ｓ２０３０）。そして、主制御基板３１０は、予め定められたデータ種別Ｋ１を、次回生成する認証情報１０２０をデータ種別Ｋ１と決定して種別情報を更新する（Ｓ２０３１）。そして、主制御基板３１０は、データ記憶部３１１の検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドである大当たり終了コマンドの周辺基板３３０の周辺部２０２Ａに対する送信を検出すると（Ｓ２０３２）、当該期待値変更用データＣ２に基づいて３種類の検査値を上述した変更方式で変更する（Ｓ２０３３）。その結果、主制御基板３１０は第１検査値Ａ１＋Ｃ２、第２検査値Ａ２＋Ｃ２、第３検査値Ａ３＋Ｃ２にそれぞれ変更されたことになる。
【０２７４】
一方、周辺基板３３０の周辺部２０２Ａは、主制御基板３１０から受信した認証情報１０２０（Ｃ２）を後段部２０２Ｂに転送する（Ｓ２０６０）。
【０２７５】
一方、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０から認証情報１０２０（Ｃ２）を周辺部２０２Ａを介して受信すると、今回は期待値変更用データを示していることから、認証情報１０２０（Ｃ２）のデータ部１０２２の期待値変更用データＣ２を後段側記憶部３３２等に記憶する（Ｓ２０９２）。後段部２０２Ｂは、期待値変更用データの生成時用に予め定められたデータ種別Ｋ１を次回のデータ種別として特定し、このデータ種別Ｋ１を示すように後段側記憶部３３２の後段側種別情報を更新する（Ｓ２０９３）。そして、後段部２０２Ｂは、後段側記憶部３３２の検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドである大当たり終了コマンドの主制御基板３１０からの受信を検出すると（Ｓ２０９４）、期待値変更用データＣ１に基づいて後段側記憶部３３２の３種類の期待値を上述した変更方式で変更する（Ｓ２０９５）。その結果、後段部２０２Ｂは、主制御基板３１０の検査値の各々と一致する第１期待値Ｂ１＋Ｃ２、第２期待値Ｂ２＋Ｃ２、第３期待値Ｂ３＋Ｃ２に変更されたことになる。以降、上述した同様の認証処理を行う。
【０２７６】
（期待値変更用データを用いた変更手順例）
次に、実施例２にかかる主制御基板３１０と後段部２０２Ｂの各々が期待値変更用データを用いて検査値、期待値を変更するときの変更手順についても、上述した図２２に示す変更手順と同一となるため、その説明は省略する。
【０２７７】
以上説明したぱちんこ遊技機１００によれば、実施例１と同様に、主制御部２０１は３種類の検査値のうちの第１検査値Ａ１及び第２検査値Ａ２の各々に認証情報１０２０の２種類のデータ種別を対応付けておき、第１検査値Ａ１又は第２検査値Ａ２で認証用データを生成し、該認証用データを有する認証情報１０２０を生成して後段部２０２Ｂに送信するようにしたことから、後段部２０２Ｂは期待値に前記データ種別を対応付けておくことで、認証情報１０２０が有する検査値と期待値が一致したときに、主制御部２０１（主制御基板）の認証を成立させることができ且つ次回受信すべき認証情報１０２０のデータ種別を特定することができるため、不正な解析者が認証情報を不正に利用することを防止できる。また、期待値変更用データによる検査値及び期待値の変更タイミングを、複数種類の制御コマンドの中から予め定めた検出対象制御コマンドに関連付けるようにしたことから、期待値変更用データの生成、送信とそれを用いた変更との間隔等を不規則にすることができるため、不正な解析を困難にすることができる。後段部２０２Ｂは、主制御部２０１と同一の検出対象制御コマンドの検出に応じて、主制御部２０１から受信した期待値変更用データで期待値を変更して、主制御部２０１の検査値に合わせることができるため、主制御部２０１と後段部２０２Ｂとの間で検査値と期待値とを揃えて変更することができ、不正な解析者による解析をより一層困難にすることができる。また、主制御部２０１及び後段部２０２Ｂは、第３検査値を有する認証情報１０２０の生成又は送信及び受信の検出に応じて、検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で揃えて切り替えるようにしたことから、期待値変更用データによる変更タイミングをより一層複雑にして、不正な解析を困難にすることができる。そして、１種類の認証情報１０２０を用いればよいため、従来のコマンド体系に対する追加を最小限に抑え且つ主制御部２０１の処理が複雑化することを防止できる。さらに、不正解析者によって認証情報が不正に利用されたことを、認証情報のデータ種別によって後段部２０２Ｂが検出することができるため、認証情報１０２０の認証強度を高めることができる。また、後段部２０２Ｂが主制御部２０１に対する認証処理を行い、その後段認証結果を周辺部２０２Ａに送信するようにしたことから、周辺部２０２Ａは認証処理を行わずに後段認証結果を参照するだけで良いため、周辺部２０２ＡのＣＰＵ２４１の処理負荷を軽減することができる。さらに、３種類の検査値は予め記憶しておくことができるため、認証情報１０２０の生成時に複雑な演算を行う必要がなくなり、主制御部２０１の処理負担の増加を防止できる。しかも、周辺部２０２Ａは、主制御部２０１からの認証情報１０２０を後段部２０２Ｂにそのまま送信することで、周辺部２０２Ａが所定の処理を行うと同時に、後段部２０２Ｂが認証処理を行うことができるため、周辺部２０２Ａにおける所定の処理に遅れが生じることを防止できる。従って、１種類の認証情報１０２０で認証及び認証に用いるデータの変更を行っても、その認証情報１０２０及びその変更の不正解析を困難にすることができるという効果を奏する。
【０２７８】
上述したぱちんこ遊技機１００において、主制御基板３１０は、検出対象制御コマンドを検出する前に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を再度生成した場合、また、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは、検出対象制御コマンドを検出する前に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を再度受信した場合、検出対象制御コマンドの切り替えを禁止するようにしたことから、検出対象制御コマンドを検出する前に検出対象制御コマンドが切り替わることを防止できるため、処理の複雑化を防止することができる。そして、第３検査値を有する認証情報１０２０を主制御基板３１０と周辺基板３３０の後段部２０２Ｂとの間で恰もダミーのように用いることができるため、不正な解析をより一層困難にすることができる。
【０２７９】
上述したぱちんこ遊技機１００において、例えば、大当たりリーチコマンド、大当たり開始コマンド、大当たりコマンド、大当たり終了コマンド、等の遊技機における大当たり関連コマンドを検出対象制御コマンドとすることで、その大当たり関連コマンドは不正に利用されやすいため、期待値変更用データを保持している後段部２０２Ｂに不正な大当たり関連コマンドが送信されると、後段部２０２Ｂはそれを検出対象制御コマンドとして検出して期待値を変更してしまい、主制御部２０１の検査値と後段部２０２Ｂの期待値とを不一致にさせることができる。従って、不正の発生を検出する精度向上に貢献することができる。
【０２８０】
上述したぱちんこ遊技機１００において、期待値変更用データが予め定められた初期値である検査値及び期待値を変更する補正値Ｃとすることで、主制御部２０１及び後段部２０２Ｂは予め定められた検査値及び期待値を期待値変更用データで変更するだけでよいため、変更処理を簡単化することができる。
【０２８１】
上述したぱちんこ遊技機１００において、期待値変更用データが前回変更した検査値及び期待値を変更する係数値Ｆとすることで、検査値及び期待値を累積させて変更することができるため、検査値及び期待値の解析をより一層困難にすることができると共に、検査値及び期待値の不正利用を防止することができる。
【０２８２】
上述したぱちんこ遊技機１００において、主制御部２０１の検査値とは異なる値の期待値を後段部２０２Ｂに予め記憶しておき、検査値と期待値との差分を吸収するための期待値変更用データを主制御部２０１が生成して後段部２０２Ｂに周辺部２０２Ａを介して送信し、後段部２０２Ｂがその期待値変更用データで期待値を変更することで、期待値を主制御部２０１の検査値と一致させることができるため、不正な解析者による検査値及び期待値の解析及び利用を困難にすることができる。
【０２８３】
また、上述した実施形態において、主制御基板３１０は検出対象制御コマンドの検出する前に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を再度生成した数が予め定められた切替条件を満たした場合、また、周辺基板３３０の後段部２０２Ｂは検出対象制御コマンドの主制御部２０１からの受信を検出する前に、第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０を再度受信した数が、主制御部２０１と同一の切替条件を満たした場合、検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で再度切り替える構成とすることもできる。
【０２８４】
例えば、予め定められた回数、予め定められた順番（偶数、奇数など）、等を示す同一の切替条件を主制御基板３１０及び周辺基板３３０の後段部２０２Ｂの双方に記憶しておく。そして、図２４に示すフローチャート中のステップＳ１９１３で監視中であると判定した場合（Ｓ１９１３：Ｙｅｓ）の処理として、第３検査値を有する認証情報の生成回数を計数し、該生成回数が前記切替条件を満たすか否か判定し、前記切替条件を満たしたときに、上述したステップＳ１９１４の処理を実行するように処理を追加することで実現することができる。その結果、主制御基板３１０は検出対象制御コマンドの監視中かつ切替条件を満たす時に、前記検出対象制御コマンド情報が示す検出対象制御コマンドを基準とし、前記切替情報Ｈが示す複数種類の検出対象制御コマンドの中から前記基準の検出対象制御コマンドの次の検出対象制御コマンドに切り替えて前記検出対象制御コマンド情報に記憶することができる。また、後段部２０２Ｂも同様に、図１６に示すフローチャート中のステップＳ１４０８で監視中であると判定した場合（Ｓ１４０８：Ｙｅｓ）の処理として、上述した主制御基板３１０と同様の処理を追加することで実現することができる。
【０２８５】
このような構成を採用すれば、期待値変更用データによる変更前に、検出対象制御コマンドを切り替えることができるため、変更タイミングをより一層複雑化させることができる。また、切替条件によっては第３検査値Ａ３を有する認証情報１０２０の検出に応じて検出対象制御コマンドを切り替える場合と切り替えない場合が生じることから、不正な解析をより一層困難にすることができる。
【０２８６】
なお、本実施形態で説明した主制御部及び周辺部の制御方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、ＣＤ−ＲＯＭ、ＭＯ、ＤＶＤ、等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な電送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【０２８７】
以上のように、本発明は、主制御部への不正が懸念される遊技機やその遊技機に搭載される制御基板に有用であり、特に、ぱちんこ遊技機、スロット遊技機、雀球遊技機、その他各種の遊技機に適用することができる。これらの遊技機においても、上記各実施の形態と同様に構成することにより、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【０２８８】
１００ ぱちんこ遊技機
２０１ 主制御部
２０２Ａ 周辺部（演出制御部）
２０２Ｂ 後段部
３１０ 主制御基板
３１１ データ記憶部
３１２ 切替決定部
３１３ 決定部
３１４ 第１抽出部
３１５ 第２抽出部
３１６ 認証用データ生成部
３１７ 期待値変更用データ生成部
３１８ 認証情報生成部
３１９ 主制御側送信部
３２０ 更新部
３２１ 制御コマンド検出部
３２２ 主制御側変更部
３２３ 検出対象切替部
３２４ 選択部
３３０ 周辺基板
３３１ 後段側受信部
３３２ 後段側記憶部
３３３ 後段認証結果データ生成部
３３４ 後段側送信部
３３５ 後段側制御コマンド検出部
３３６ 後段側変更部
３３７ 後段側検出対象切替部
３３８ 特定部
３５１ 転送部
３５２ 周辺側受信部
３５３ 処理部
１０２０ 認証情報

【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された複数種類の制御コマンドの各々に基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機において、
前記主制御部は、
前記主制御部の認証に用いる認証用データに選択的に用いられる第１検査値、第２検査値、第３検査値を記憶する検査値記憶手段と、
前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値に対応して前記後段部が予め記憶している第１期待値、第２期待値、第３期待値を変更する期待値変更用データと前記認証用データとを示し且つ前記第１検査値及び前記第２検査値に一対一に対応付けられた相異なるデータ種別のうち、今回生成する前記認証情報のデータ種別を示す種別情報を記憶する種別情報記憶手段と、
前記相異なるデータ種別を切り替えるか否かを無作為に決定する切替決定手段と、
前記切替決定手段がデータ種別を切り替えると決定した場合に、次回生成する前記認証情報のデータ種別を、前記認証用データと前記期待値変更用データの２種類から無作為に決定する決定手段と、
前記決定手段が決定したデータ種別に対応付けられた前記第１検査値又は前記第２検査値を前記検査値記憶手段から抽出する第１抽出手段と、
前記切替決定手段がデータ種別を切り替えないと決定した場合に、前記第３検査値を前記検査値記憶手段から抽出する第２抽出手段と、
前記種別情報が前記認証用データを示している場合に、前記第１抽出手段又は前記第２抽出手段が抽出した検査値を有する前記認証用データを生成する認証用データ生成手段と、
前記種別情報が前記期待値変更用データを示している場合に、前記決定手段の決定に応じて前記期待値変更用データを生成する期待値変更用データ生成手段と、
前記生成した認証用データ又は前記生成した期待値変更用データを有する前記認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記生成した認証情報及び前記制御コマンドを前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、
前記決定した次回のデータ種別を示すように前記種別情報を更新する更新手段と、
前記期待値変更用データを有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する制御コマンド検出手段と、
前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、前記生成した期待値変更用データに基づいて前記検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを変更する主制御側変更手段と、
前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える検出対象切替手段と、を備え、
前記後段部は、
前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を記憶する期待値記憶手段と、
今回受信する前記認証情報のデータ種別を示す後段側種別情報を記憶する後段側種別情報記憶手段と、
前記周辺部から転送された前記認証情報及び前記制御コマンドを受信する後段側受信手段と、
前記後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合に、前記受信した認証情報の認証用データと前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値とを比較し、該比較結果に基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、
前記後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、前記主制御部で予め定められた検出対象制御コマンドの前記主制御部からの受信を検出する後段側制御コマンド検出手段と、
前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて前記期待値記憶手段が記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を前記主制御部と同様に変更する後段側変更手段と、
前記第３検査値を有する認証情報の受信に応じて、前記後段側制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを前記主制御部と同様に前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える後段側検出対象切替手段と、
前記認証用データの認証で一致した前記第１期待値又は前記第２期待値に、前記第１検査値及び前記第２検査値と対応するように予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と特定して前記後段側種別情報を更新する特定手段と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記制御コマンドに基づいた前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項２】
複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された複数種類の制御コマンドの各々に基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機において、
前記主制御部は、
前記主制御部の認証に用いる認証用データに選択的に用いられる第１検査値、第２検査値、第３検査値を記憶する検査値記憶手段と、
前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値に対応して前記後段部が予め記憶している第１期待値、第２期待値、第３期待値を変更する期待値変更用データと前記認証用データとを示し且つ前記第１検査値及び前記第２検査値に一対一に対応付けられた相異なるデータ種別のうち、今回生成する前記認証情報のデータ種別を示す種別情報を記憶する種別情報記憶手段と、
前記種別情報が前記認証用データを示している場合に、前記検査値記憶手段が記憶している前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値の中から１つの検査値を無作為に選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した１つの検査値を有する前記認証用データを生成する認証用データ生成手段と、
前記選択手段が選択した前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値に予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と決定する決定手段と、
前記種別情報が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを生成する期待値変更用データ生成手段と、
前記生成した認証用データ又は前記生成した期待値変更用データを有する前記認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記生成した認証情報及び前記制御コマンドを前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、
前記決定した次回のデータ種別を示すように前記種別情報を更新する更新手段と、
前記期待値変更用データを有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する制御コマンド検出手段と、
前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、前記生成した期待値変更用データに基づいて前記検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを変更する主制御側変更手段と、
前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える検出対象切替手段と、を備え、
前記後段部は、
前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を記憶する期待値記憶手段と、
今回受信する前記認証情報のデータ種別を示す後段側種別情報を記憶する後段側種別情報記憶手段と、
前記周辺部から転送された前記認証情報及び前記制御コマンドを受信する後段側受信手段と、
前記後段側種別情報のデータ種別が前記認証用データを示している場合に、前記受信した認証情報の認証用データと前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値とを比較し、該比較結果に基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、
前記後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、前記主制御部で予め定められた検出対象制御コマンドの前記主制御部からの受信を検出する後段側制御コマンド検出手段と、
前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて前記期待値記憶手段が記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を前記主制御部と同様に変更する後段側変更手段と、
前記第３検査値を有する認証情報の受信に応じて、前記後段側制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを前記主制御部と同様に前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える後段側検出対象切替手段と、
前記認証用データの認証で一致した前記第１期待値又は前記第２期待値に、前記第１検査値及び前記第２検査値と対応するように予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と特定して前記後段側種別情報を更新する特定手段と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記制御コマンドに基づいた前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項３】
前記検出対象切替手段は、前記制御コマンド検出手段が前記検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する前に、前記認証情報生成手段が前記第３検査値を有する認証情報を再度生成した場合、該認証情報の生成又は送信に応じた前記検出対象制御コマンドの切り替えを禁止する手段であり、
前記後段側検出対象切替手段は、前記後段側制御コマンド検出手段が前記検出対象制御コマンドの受信を検出する前に、前記主制御部から前記第３検査値を有する認証情報を再度受信した場合、該受信に応じた前記検出対象制御コマンドの切り替えを禁止する手段であることを特徴とする請求項１又は２に記載の遊技機。
【請求項４】
前記検出対象切替手段は、前記制御コマンド検出手段が前記検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する前に、前記認証情報生成手段が再度生成した前記第３検査値を有する認証情報の数が予め定められた切替条件を満たした場合、前記制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える手段であり、
前記後段側検出対象切替手段は、前記後段側制御コマンド検出手段が前記検出対象制御コマンドの受信を検出する前に、前記主制御部から前記第３検査値を有する認証情報を再度受信した数が前記主制御部と同一の前記切替条件を満たした場合、前記後段側制御コマンド検出手段が検出する前記検出対象制御コマンドを前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で前記主制御部と同様に切り替える手段であることを特徴とする請求項１又は２に記載の遊技機。
【請求項５】
前記検出対象制御コマンドは、前記複数種類の制御コマンドのうちの前記遊技機における大当たりに関連する制御コマンドであることを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載の遊技機。
【請求項６】
前記期待値変更用データは、前記期待値変更用データ生成手段によって生成される毎に、予め定められた初期値である前記検査値及び前記期待値の各々を変更するための補正値であることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の遊技機。
【請求項７】
前記期待値変更用データは、前回変更した前記検査値及び前記期待値の各々を変更するための係数値であることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の遊技機。
【請求項８】
前記期待値記憶手段は、前記主制御部の前記検査値記憶手段が記憶している初期の前記検査値とは異なる値の前記期待値を初期値として記憶しており、
前記期待値変更用データ生成手段は、初期値である前記検査値と前記期待値との差分を吸収するための期待値変更用データを生成する手段であることを特徴とする請求項１〜７の何れか１項に記載の遊技機。
【請求項９】
複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された複数種類の制御コマンドの各々に基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証方法において、
前記主制御部は、
前記主制御部の認証に用いる認証用データに選択的に用いられる検査値記憶手段に記憶された第１検査値、第２検査値、第３検査値に対応して前記後段部が予め記憶している第１期待値、第２期待値、第３期待値を変更する期待値変更用データと前記認証用データと示し且つ前記第１検査値及び前記第２検査値に一対一に対応付けられた相異なるデータ種別を切り替えるか否かを無作為に決定する切替決定工程と、
前記切替決定工程でデータ種別を切り替えると決定した場合に、次回生成する前記認証情報のデータ種別を、前記認証用データと前記期待値変更用データの２種類から無作為に決定する決定工程と、
前記決定工程で決定したデータ種別に対応付けられた前記第１検査値又は前記第２検査値を前記検査値記憶手段から抽出する第１抽出工程と、
前記切替決定工程でデータ種別を切り替えないと決定した場合に、前記第３検査値を前記検査値記憶手段から抽出する第２抽出工程と、
種別情報記憶手段に記憶している種別情報が今回生成する前記認証情報は前記認証用データであることを示している場合に、前記第１抽出工程又は前記第２抽出工程で抽出した検査値を有する前記認証用データを生成する認証用データ生成工程と、
前記種別情報が前記期待値変更用データを示している場合に、前記決定工程の決定に応じて前記期待値変更用データを生成する期待値変更用データ生成工程と、
前記生成した認証用データ又は前記生成した期待値変更用データを有する前記認証情報を生成する認証情報生成工程と、
前記生成した認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信工程と、
前記決定した次回のデータ種別を示すように前記種別情報を更新する更新工程と、
前記期待値変更用データを有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する制御コマンド検出工程と、
前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、前記生成した期待値変更用データに基づいて前記検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを変更する主制御側変更工程と、
前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出工程で検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える検出対象切替工程と、を備え、
前記後段部は、
前記周辺部から転送された前記認証情報を受信する後段側受信工程と、
後段側種別情報記憶手段に記憶している後段側種別情報が今回受信する前記認証情報のデータ種別は前記認証用データであることを示している場合に、前記受信した認証情報の認証用データと期待値記憶手段に記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値とを比較し、該比較結果に基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成工程と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信工程と、
前記後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、前記主制御部で予め定められた検出対象制御コマンドの前記主制御部からの受信を検出する後段側制御コマンド検出工程と、
前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて前記期待値記憶手段が記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を前記主制御部と同様に変更する後段側変更工程と、
前記第３検査値を有する認証情報の受信に応じて、前記後段側制御コマンド検出工程で検出する前記検出対象制御コマンドを前記主制御部と同様に前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える後段側検出対象切替工程と、
前記認証用データの認証で一致した前記第１期待値又は前記第２期待値に、前記第１検査値及び前記第２検査値と対応するように予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と特定して前記後段側種別情報を更新する特定工程と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記認証情報を前記後段部に転送する転送工程と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信工程と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記制御コマンドに基づいた前記所定の処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする遊技機の認証方法。
【請求項１０】
複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された複数種類の制御コマンドの各々に基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証方法において、
前記主制御部は、
前記主制御部の認証に用いる認証用データに選択的に用いられる第１検査値、第２検査値、第３検査値に対応して前記後段部が予め記憶している第１期待値、第２期待値、第３期待値を変更する期待値変更用データと前記認証用データと示し且つ前記第１検査値及び前記第２検査値に一対一に対応付けられた相異なるデータ種別のうち、種別情報記憶手段に記憶している種別情報が今回生成する前記認証情報のデータ種別は前記認証用データを示している場合に、検査値記憶手段に記憶している前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値の中から１つの検査値を無作為に選択する選択工程と、
前記選択工程で選択した１つの検査値を有する前記認証用データを生成する認証用データ生成工程と、
前記選択工程が選択した前記第１検査値、前記第２検査値、前記第３検査値に予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と決定する決定工程と、
前記種別情報が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを生成する期待値変更用データ生成工程と、
前記生成した認証用データ又は前記生成した期待値変更用データを有する前記認証情報を生成する認証情報生成工程と、
前記生成した認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信工程と、
前記決定した次回のデータ種別を示すように前記種別情報を更新する更新工程と、
前記期待値変更用データを有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記複数種類の制御コマンドの中から予め定められた検出対象制御コマンドの発生又は送信を検出する制御コマンド検出工程と、
前記検出対象制御コマンドの発生又は送信の検出に応じて、前記生成した期待値変更用データに基づいて前記検査値記憶手段が記憶している第１検査値、第２検査値、第３検査値のうちの予め定められた少なくとも１つを変更する主制御側変更工程と、
前記第３検査値を有する認証情報の生成又は送信に応じて、前記制御コマンド検出工程で検出する前記検出対象制御コマンドを予め定められた複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える検出対象切替工程と、を備え、
前記後段部は、
前記周辺部から転送された前記認証情報を受信する後段側受信工程と、
後段側種別情報記憶手段に記憶している後段側種別情報が今回受信する前記認証情報のデータ種別は前記認証用データであることを示している場合に、前記受信した認証情報の認証用データと期待値記憶手段に記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値とを比較し、該比較結果に基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成工程と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信工程と、
前記後段側種別情報のデータ種別が前記期待値変更用データを示している場合に、前記期待値変更用データを有する前記認証情報の受信に応じて、前記主制御部で予め定められた検出対象制御コマンドの前記主制御部からの受信を検出する後段側制御コマンド検出工程と、
前記検出対象制御コマンドの受信の検出に応じて、前記受信した認証情報が有する期待値変更用データに基づいて前記期待値記憶手段が記憶している前記第１期待値、前記第２期待値、前記第３期待値を前記主制御部と同様に変更する後段側変更工程と、
前記第３検査値を有する認証情報の受信に応じて、前記後段側制御コマンド検出工程で検出する前記検出対象制御コマンドを前記主制御部と同様に前記複数種類の検出対象制御コマンドの中で切り替える後段側検出対象切替工程と、
前記認証用データの認証で一致した前記第１期待値又は前記第２期待値に、前記第１検査値及び前記第２検査値と対応するように予め対応付けられた前記データ種別を次回のデータ種別と特定して前記後段側種別情報を更新する特定工程と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記認証情報を前記後段部に転送する転送工程と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信工程と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記制御コマンドに基づいた前記所定の処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする遊技機の認証方法。

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】

【図７】

【図８】

【図９】

【図１０】

【図１１】

【図１２】

【図１３】

【図１４】

【図１５】

【図１６】

【図１７】

【図１８】

【図１９】

【図２０】

【図２１】

【図２２】

【図２３】

【図２４】

【図２５】

【図２６】

【図２７】

【公開番号】特開２０１２−１７６０４０（Ｐ２０１２−１７６０４０Ａ）
【公開日】平成２４年９月１３日（２０１２．９．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−３９４８３（Ｐ２０１１−３９４８３）
【出願日】平成２３年２月２５日（２０１１．２．２５）
【出願人】（０００１６１８０６）京楽産業．株式会社 (4,820)
【出願人】（３０００２３３８３）株式会社トリニティーセキュリティーシステムズ (376)
【Ｆターム（参考）】