説明

遊技機

【課題】受皿に貯留した遊技媒体の枚数を容易に把握できる遊技機を提供すること。
【解決手段】受皿13の底面20に形成された凹条23に遊技媒体Mを起立状態で厚さ方向に重ねて収容することで、遊技者は受皿13に貯留した遊技媒体Mの枚数を容易に把握できる。さらに、底面20の周囲は側面11,21,22で囲まれており、凹条23における遊技媒体Mの重ね方向の両端部24,25の各々と側面21,22との間に所定の隙間G1,G2を形成する隙間形成部26,27が底面20に形成されているので、遊技者は、凹条23に起立状態で収容された遊技媒体Mを両側から指で挟み一括して摘み上げることができる。これにより、遊技者は、凹条23に収容された遊技媒体Mを容易に取り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円板状の遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
円板状の遊技媒体(所謂メダルやコイン等)を使用して遊技を行う遊技機の代表例としてスロットマシンがある。このスロットマシンは、前面が開口する箱型状の筐体と、その筐体の前面の開口に開閉可能に取着される前面枠とを備えている。その前面枠の下部には、払出口から払い出された遊技媒体を受け止めて貯留する受皿が設けられている。遊技中に多量の遊技媒体が受皿に溜まった場合や、溜まった遊技媒体を景品と交換する場合には、遊技者は、受皿から遊技媒体を掻き出して収容箱(所謂ドル箱)(登録商標)へ移し替える。受皿から掻き出された遊技媒体は収容箱に乱雑な状態で収容されるので、収容箱内の遊技媒体の枚数を把握することは困難であった。
【0003】
そこで、収容箱内の遊技媒体の枚数を容易に把握するため、収容箱の底面に、遊技媒体を起立姿勢で厚さ方向に重ねて収容できる凹条を形成する技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−231917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような技術では、遊技媒体を受皿から収容箱に移し替えなければ受皿内の遊技媒体の枚数を把握できないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、受皿に貯留した遊技媒体の枚数を容易に把握できる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、入賞成立に基づいて円板状の遊技媒体が払い出される払出口と、その払出口から払い出された前記遊技媒体を受け止めて貯留する受皿とを備えたものであり、前記受皿は、前記遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容できる凹条が形成されると共に、周囲が側面で囲まれる底面と、その底面に形成されると共に、前記凹条における前記遊技媒体の重ね方向の両端部の各々と前記側面との間に所定の隙間を形成する隙間形成部とを備えている。
【0008】
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記払出口が形成された前面の前方に突設される支持部材と、その支持部材と前記受皿との間に介設され、前記遊技機の前方または左右に傾倒する方向へ前記受皿を回動可能に軸支する軸部とを備え、その軸部の軸方向と前記凹条における遊技媒体の重ね方向とが同一方向である。
【0009】
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記隙間形成部は、一部が凹欠されて前記凹条における前記遊技媒体の重ね方向の端部に連設される凹欠部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受皿に貯留した遊技媒体の枚数を容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施の形態におけるスロットマシンの斜視図である。
【図2】(a)は受皿の平面図であり、(b)は側面の一部を破断して示した受皿の部分斜視図である。
【図3】(a)は第2実施の形態におけるスロットマシンの受皿の平面図であり、(b)は側面の一部を破断して示した受皿の部分斜視図である。
【図4】(a)は第3実施の形態におけるスロットマシンの受皿の平面図であり、(b)は側面の一部を破断して示した受皿の部分斜視図である。
【図5】(a)は第4実施の形態におけるスロットマシンの受皿の平面図であり、(b)は側面の一部を破断して示した受皿の部分斜視図である。
【図6】(a)は第5実施の形態におけるスロットマシンの受皿の平面図であり、(b)は側面の一部を破断して示した受皿の部分斜視図である。
【図7】(a)は第6実施の形態におけるスロットマシンの受皿の平面図であり、(b)は図7(a)のVIIb−VIIb線における受皿の断面図であり、(c)は凹条を回動させた状態を示す受皿の断面図である。
【図8】第7実施の形態におけるスロットマシンの部分斜視図である。
【図9】(a)は第8実施の形態におけるスロットマシンの部分斜視図であり、(b)は受皿を前方に傾倒させた状態を示すスロットマシンの部分斜視図である。
【図10】第9実施の形態におけるスロットマシンの部分斜視図である。
【図11】第10実施の形態におけるスロットマシンの部分斜視図である。
【図12】第11実施の形態におけるスロットマシンの部分斜視図である。
【図13】受皿内のメダルを回収する機構を示す受皿の模式図である。
【図14】(a)は第12実施の形態におけるスロットマシンの部分斜視図であり、(b)は受皿の側面図であり、(c)は一部を前方に傾倒させた状態を示す受皿の側面図である。
【図15】(a)は第13実施の形態におけるスロットマシンの部分斜視図であり、(b)は受皿の断面図である。
【図16】(a)は第14実施の形態におけるスロットマシンの部分斜視図であり、(b)は受皿の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は第1実施の形態におけるスロットマシンの斜視図である。スロットマシン1は、前面を開放した箱状のマシン本体2を有している。マシン本体2の前面側には前面開閉扉としてのフロントパネル3が開閉自在に取り付けられている。このフロントパネル3が閉状態となっている場合に、フロントパネル3によってマシン本体2の前面開放側が閉鎖されるように構成されている。
【0013】
フロントパネル3には、縦長の3つの表示窓4L,4M,4Rが横並びに設けられている。表示窓4L,4M,4Rは、半透明の材質で形成されており、各表示窓4L〜4Rを通してマシン本体2の内部を視認可能に構成されている。
【0014】
マシン本体2内には、可変表示手段を構成する左リールLと、中リールMと、右リールRとが収納されている。各リールL,M,Rはそれぞれ円筒状(円環状)に形成されており、各リールL,M,Rの中心軸線が当該リールL,M,Rの回転軸線となって回転可能に支持されている。各リールL,M,Rの回転軸線は、略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリールL,M,Rが各表示窓4L,4M,4Rと1対1で対応している。従って、各リールL,M,Rの表面の一部は、それぞれ対応する表示窓4L,4M,4Rを通して視認可能な状態とされている。
【0015】
また、各リールL,M,Rが回転すると、各表示窓4L,4M,4Rには、リールL,M,Rの外周面に付した図柄が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これら各リールL,M,Rは、リール毎に対応して1つずつ配設された3つのリール用ステッピングモータ(図示せず)に連結されており、各リール用ステッピングモータの駆動により各リールL,M,Rが個別に独立して回転駆動及び停止が可能に構成される。
【0016】
各リールL,M,Rの外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、表示窓4L,4M,4Rを介して視認可能な図柄数は、主として表示窓4L,4M,4Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られる。本実施例では、遊技者に視認可能な図柄数は、各リールL,M,R毎に3個ずつとされている。
【0017】
なお、円筒状のリールL,M,Rを構成の一部として図柄を表示する表示装置は、識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、可変表示手段は、上記以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよい。また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリクス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
【0018】
表示窓4L,4M,4Rの右下側には、投資価値としてのメダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入部5が設けられている。メダル投入部5は、起立した状態のメダルをマシン本体2へ投入するための部位であり、前後方向に延びるメダル案内溝5aと、メダル案内溝5aの後部に横長に形成され起立した状態のメダルが投入されるメダル投入口5bとを備えている。メダル案内溝5aは、起立した状態のメダルが載置される部位であり、幅方向に亘って曲面状に凹む溝状に形成されている。メダル投入口5bから投入されたメダルはメダル通路(図示せず)を流下し、周知のメダルセレクターを通過してベットされる。これにより遊技を行うことが可能となる。
【0019】
メダル投入部5の左側には、予め貯留して記憶された(クレジットされた)クレジットメダルを一度に3枚投入するための押しボタン式のベットスイッチ6が設けられている。スロットマシン1の制御を行う主制御基板(図示せず)は、クレジットメダルの貯留数を記憶領域に記憶し、メダルの払出が行われる場合やメダルが必要量より多く投入された場合に、一定枚数(本実施の形態では50枚)以下の範囲内でクレジットメダルの数を増加させる。
【0020】
表示窓4L,4M,4Rの正面視左下側には、各リールL,M,Rを一斉(同時である必要はない)に回転させて図柄の変動(可変表示)を開始させるために遊技者によって操作可能なスタートレバー7が設けられている。スタートレバー7の右側には、回転している各リールL,M,Rを個別に停止させるために遊技者によって操作可能な押しボタン式のストップスイッチ8L,8M,8Rが設けられている。各ストップスイッチ8L,8M,8Rは、停止対象となるリールL,M,Rに対応する表示窓4L,4M,4Rの直下にそれぞれ配置されている。
【0021】
スタートレバー7の左側には、押しボタン式のクレジット払出スイッチ9が配設されている。このクレジット払出スイッチ9が遊技者により押下されると、メダル投入口5bに必要量より多く投入されたメダルや所定の遊技結果に応じて遊技者に利益として払い出されたメダル等によるクレジットメダルが返還される。なお、表示窓4L,4M,4Rの左下には、上記したクレジットメダルの残数を表示するメダル枚数表示ランプ10が配設されており、クレジット払出スイッチ9が遊技者により押下されると、メダル枚数表示ランプ10に表示された枚数のメダルが遊技者へ払い出される。
【0022】
フロントパネル3の下側のスロットマシン1の前面11には、メダルを遊技者に払い出すためのメダル払出口12が開口形成され、そのメダル払出口12から払い出されたメダルを貯留する受皿13が配設されている。受皿13の左側には灰皿14が配設されている。灰皿14を省略することは当然可能である。
【0023】
表示窓4L,4M,4Rの上方部分には、LCD15が配設されている。このLCD15は、遊技の進行に伴う各種の表示演出を実行すると共に、機械の内部で選定された情報を遊技者に示すためのものである。LCD15の左右両側には、スロットマシン1において行われる遊技の効果音を出力するスピーカ16が配設されている。また、LCD15の上側には、スロットマシン1の状態に応じて点灯状態が切り替えられるランプ17が配設されている。
【0024】
次にスロットマシン1の遊技方法について説明する。まず、遊技者はメダル貸機(図示せず)に現金やプリペイドカードを投入し、所定の単価でメダルを借りる。次いで、スロットマシン1にメダルを賭ける。メダルを賭ける方法としては、メダル投入口5aにメダルを投入する方法や、ベットスイッチ6により賭け数を指定する方法がある。遊技者は、メダルを賭けたらスタートレバー7を押下し、ゲームをスタートさせる。ゲームがスタートするとリールL,M,Rが回転し、表示窓4L,4M,4R内で図柄が変動表示される。
【0025】
リールL,M,Rの回転中にストップスイッチ8L,8M,8Rが押されて全てのリールL,M,Rが停止すると、表示窓4L,4M,4R内に複数の図柄が並び、その配列に基づいて入賞が決定される。停止した図柄が入賞役である場合には、入賞役に応じた枚数のメダルがメダル払出口12から払い出される。これらの操作は、遊技者が行うゲームの回数分だけ繰り返される。本実施の形態における受皿13は、メダル払出口12から払い出されて受皿13に貯留したメダルの枚数を容易に把握できる構造である。以下、この受皿13について具体的に説明する。
【0026】
まず、図2を参照して第1実施の形態における受皿13を説明する。図2(a)は受皿13の平面図であり、図2(b)は側面22の一部を破断して示した受皿13の部分斜視図である。
【0027】
図2(a)に示すように受皿13は、底面(底部)20と、その底面20の周囲を取り囲む前面(受皿13の後壁)11(前面11はスロットマシン1の前面であり且つ受皿13の側面の一部を構成しているので、以下「側面11」と称す)及び側面21(側壁),22(前壁)とを備え、払い出されたメダルMを貯留できるように構成されている。底面13は、メダルMを起立状態で厚さ方向に重ねて収容できる凹条23が複数形成されている。凹条23は、メダルMの重ね方向がスロットマシン1(図1参照)の前後方向(図2(a)上下方向)と一致するように並設され、幅方向(図2(a)左右方向)に湾曲して底面20に断面半円状に凹設され、幅方向が近接して並設されている。
【0028】
凹条23の幅方向の曲率半径は、メダルMの半径と略同一に形成されているので、メダルMを凹条23に収容することが可能である。また、凹条23は底面20よりも低い位置に凹設されているので(図2(b)参照)、遊技者はメダルMの凹条23への収容作業を軽度の負担で行うことができる。さらに、凹条23が凹設された分(凹みの分)だけ受皿13の容積を大きくできるので、凹条23が形成されていない場合と比較して、メダルMの収容量を増やすことができる。
【0029】
図2(a)に示すように、凹条23はメダル払出口12を避けて、底面20の左右に形成されている。底面20の略中央(凹条23が形成されていない部位)に向かってメダル払出口12からメダルMが払い出されるので、メダル払出口12から払い出されたメダルMが凹条23に収容されたメダルMに衝突することが回避される。その結果、凹条23に収容されたメダルMが凹条23から飛び出てしまうことを防止できる。
【0030】
なお、底面20の略中央にも凹条23を形成することにより、側面21間に亘って底面20に凹条23を並設することが可能である。凹条23の数(条数)を増やすことができるので、凹条23に収容できるメダルの枚数を増やすことができる。
【0031】
凹条23に収容可能なメダルMの枚数は、例えば1条にメダルMを50枚収容できる凹条23を10条形成する(これにより凹条23に収容可能なメダルMの枚数は500枚となる)等、切りの良い数字にすることが望ましい。凹条23にメダルMを収容することにより把握できるメダルMの枚数を遊技者にとって覚え易いものにするためである。
【0032】
底面20は、凹条23におけるメダルMの重ね方向(図2(a)上下方向)の両端部24,25の各々と側面22,11との間に所定の(遊技者の指が入るだけの)隙間G1,G2を形成する隙間形成部26,27を備えている。即ち、凹条23は、両端部24,25の各々が側面22,11と隙間形成部26,27の分だけ離間して形成されている。そのため凹条23にメダルMが起立状態で充填された場合であっても、遊技者は、凹条23に起立状態で収容されたメダルMと側面22,11との間に形成される隙間G1,G2に指(例えば親指および人差し指)をそれぞれ差し入れ、メダルMの重ね方向の両側から指で挟みメダルMを一括して摘み上げることができる。これにより遊技者は凹条23に収容されたメダルMを容易に取り出すことができる。
【0033】
ここで、受皿13に隙間形成部26,27が全く形成されていないスロットマシンや凹条23の一端側だけに隙間形成部が形成されたスロットマシンでは、メダルMを凹条23の端から端まで長手方向に亘って詰めてしまうと、遊技者はメダルMを凹条23から取り出すのが困難であった。凹条23に収容されたメダルMの端と側面22,11との間に指の入る隙間がなくなってしまうので、メダルMを凹条23から少しずつ抜き取って指の入る隙間を作らなければメダルMを一括して取り出せないからである。
【0034】
これに対しスロットマシン1は、受皿13の凹条23の端部24から端部25まで長手方向に亘ってメダルMを詰めても、凹条23と側面22,11との間に隙間形成部26,27が形成されているので、遊技者は隙間形成部26,27に指を入れてメダルMを摘み凹条23から一括して取り出すことができる。遊技者は取り出したメダルMを収容箱(図示せず)に移し替えたりメダル投入口5b(図1参照)からスロットマシン1に投入してゲームを進行させたりできる。このようにメダルMが収容される凹条23により受皿13内のメダルMの枚数を把握できる機能を付与し、且つ、隙間形成部26,27により凹条23に収容されたメダルMを取り出し易くできるスロットマシン1を提供できる。
【0035】
次に図3を参照して、第2実施の形態について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3(a)は第2実施の形態におけるスロットマシン1の受皿30の平面図であり、図3(b)は側面22の一部を破断して示した受皿30の部分斜視図である。
【0036】
図3(a)及び図3(b)に示すように受皿30は、隙間形成部26,27の一部が凹条23の端部24,25より小さく凹欠された凹欠部31,32を備えている。凹欠部31,32は、底面20の一部が凹欠されて凹条23におけるメダルMの重ね方向(図3(a)上下方向)の端部24,25に連設されている。また、凹欠部31,32は、凹条23に起立状態で収容されたメダルMの中心より底部が下に位置するように端部24,25に連設される。
【0037】
これにより、隙間形成部26,27を利用して凹条23に収容されたメダルMを摘み上げるときに、遊技者は指先の一部を凹欠部31,32の中に入れることができる。凹欠部31,32の中に入れた指先を両側からメダルMの表面に押し付けることにより、メダルMと指先との接触面積を増やすことができると共に、積み重ねられたメダルMの中心付近を指先で挟み付けることができる。その結果、積み重ねられたメダルMを凹条23から取り出すときにメダルMの積み重なった状態を崩し難くすることができ、凹条23から一括してメダルMを容易に取り出すことができる。
【0038】
ここで、凹条23の深さを浅くすれば、起立状態で積み重ねられたメダルMの中心より下に凹条23の底部を位置させることができる。そうすると、凹条23に起立状態で積み重ねて収容されたメダルMの両端を指で挟み付ける場合に、メダルMの略中心を挟むことができる。その結果、メダルMを摘み上げるときにメダルMの積み重なった状態を崩し難くできる。しかし、凹条23が浅いので、メダルMを凹条23に起立状態で積み重ねて収容するときの安定性を欠く。
【0039】
これに対し受皿30によれば、メダルMを凹条23に起立状態で積み重ねて収容するときの安定性が低下しないように凹条23の深さを確保しつつ、凹欠部31,32によりメダルMの略中心を指で挟んで凹条23からメダルMを取り出すことができる。その結果、メダルMを凹条23に収容するときの安定性と、メダルMを凹条23から取り出すときの安定性とを両立できる。
【0040】
なお、凹欠部31,32は、隙間形成部26,27の上端から凹条23の端部24,25に向かって下降傾斜すると共に漸次拡幅するように形成されているので、遊技者は凹欠部31,32に案内されるようにして指先をメダルMに接触させることができる。
【0041】
次に図4を参照して、第3実施の形態について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4(a)は第3実施の形態におけるスロットマシン1の受皿40の平面図であり、図3(b)は側面22の一部を破断して示した受皿40の部分斜視図である。
【0042】
図4(a)及び図4(b)に示すように受皿40は、凹条23の両端に形成された隙間形成部41,27を備え、前後方向(図4(a)上下方向)の幅が、遊技者側(図4(a)下側)の隙間形成部41が奥側の隙間形成部27より大きくなるように設定されている。遊技者側(手前側)の隙間形成部41を幅広にすることにより、凹条23に起立状態で積み重ねられたメダルMを指で掴み易くできる。一般に、メダルMを摘み上げるときは、奧側の隙間形成部27には人差し指が、遊技者側の隙間形成部41には人差し指より太い親指が差し込まれるからである。
【0043】
隙間形成部41は、凹条23の端部24を構成し凹条23に収容されるメダルMを支える壁部42と、壁部42に連設されて底面20より一段低くなるように側面22側(手前側)が落ち込む凹陥部43とを有している。凹陥部43は、側面22の左右方向(図4(a)左右方向)に亘って形成されており、手前側が側面22に連設されている。受皿40は側面22側に凹陥部43が形成されているので、凹条23に収容されたメダルMを指で摘み上げるときに、側面22に干渉されることなく凹陥部43を経由して底面20よりも低い位置から指をメダルMに到達させることができる。その結果、メダルMの摘み上げを容易にできる。
【0044】
また、凹陥部43を物入れとして活用できる。例えば、メダルMを借りるために使用する紙幣やプリペイドカード、さらにライター等を凹陥部43に入れておくことができるので、遊技者の利便性を向上できる。なお、凹陥部43はメダルMの収容スペースとして使用することも可能である。凹陥部43は底面20より低い位置に形成されているので、凹陥部43が形成されていない受皿と比較して、メダルMの収容量を増やすことができる。
【0045】
次に図5を参照して、第4実施の形態について説明する。なお、第3実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図5(a)は第4実施の形態におけるスロットマシン1の受皿50の平面図であり、図5(b)は側面22の一部を破断して示した受皿50の部分斜視図である。
【0046】
図5(a)及び図5(b)に示すように受皿50は、凹条23の両端に形成された隙間形成部41,27を備え、隙間形成部41は、凹条23の半円状の端部24より小さな半円状に壁部42の上端が凹欠された凹欠部51を備えている。凹欠部51は、壁部42の一部が凹欠されて凹条23におけるメダルMの重ね方向(図5(a)上下方向)の端部24及び凹陥部43に連設されている。凹欠部51は、底部がメダルMの中心C(図5(b)参照)より下に位置するように形成されている。
【0047】
これにより、隙間形成部41,27を利用して凹条23に収容されたメダルMを摘み上げるときに、遊技者は指先の一部を凹欠部51の中に入れることができる。凹欠部51の中に入れた指先をメダルMの表面に押し付けることにより、メダルMと指先との接触面積を増やすことができると共に、積み重ねられたメダルMの中心C付近を指先で挟み付けることができる。その結果、積み重ねられたメダルMを凹条23から取り出すときにメダルMの積み重なった状態を崩し難くすることができ、凹条23から一括してメダルMを容易に取り出すことができる。
【0048】
また、凹欠部51は凹陥部43と連設されているので、凹条23に収容されたメダルMを指で摘み上げるときに、側面22に干渉されることなく凹陥部43を経由して底面20よりも低い位置から指を凹欠部51に到達させることができる。その結果、メダルMの摘み上げを容易にできる。
【0049】
次に図6を参照して、第5実施の形態について説明する。第1実施の形態から第4実施の形態では、凹条23が受皿13,30,40,50の前後方向に沿って並設される場合について説明した。これに対し第5実施の形態では、凹条61が受皿60の左右方向に沿って並設される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図6(a)は第5実施の形態におけるスロットマシン1の受皿60の平面図であり、図6(b)は側面22の一部を破断して示した受皿60の部分斜視図である。
【0050】
図6(a)及び図6(b)に示すように受皿60は、底面20にメダルMを起立状態で厚さ方向に重ねて収容できる凹条61が複数形成されている。凹条61は、メダルMの重ね方向がスロットマシン1(図1参照)の左右方向(図6(a)左右方向)と一致するように並設され、幅方向(図6(a)前後方向)に湾曲して底面20に凹設され、幅方向が近接して並設されている。
【0051】
凹条61の幅方向の曲率半径は、メダルMの半径と略同一に形成されているので、メダルMを凹条61に収容することが可能である。凹条61は底面20よりも低い位置に凹設されているので(図6(b)参照)、遊技者はメダルMの凹条61への収容作業を軽度の負担で行うことができる。また、凹条61が凹設された分(凹みの分)だけ受皿60の容積を大きくできるので、凹条61が形成されていない場合と比較して、メダルMの収容量を増やすことができる。
【0052】
図6(a)に示すように、凹条61はメダル払出口12を避けて、底面20の左右に形成されている。底面20の略中央(凹条61が形成されていない部位)に向かってメダル払出口12からメダルMが払い出されるので、メダル払出口12から払い出されたメダルMが凹条61に収容されたメダルMに衝突することが回避される。その結果、凹条61に収容されたメダルMが凹条61から飛び出てしまうことを防止できる。なお、底面20の略中央にも凹条61を形成することは可能である。凹条61の数(条数)を増やしたり凹条61を長くしたりすることで、凹条61に収容できるメダルの枚数を増やすことができる。
【0053】
底面20は、凹条61におけるメダルMの重ね方向(図6(a)左右方向)の端部62と側面21との間に所定の(遊技者の指が入るだけの)隙間を形成する隙間形成部64を備えている。即ち、凹条61は、端部62が側面21と隙間形成部64の分だけ離間して形成されている。なお、凹条61のもう一つの端部63と他の側面21との間には底面20及び他の凹条61が位置するので、凹条61の端部63と他の側面21との間にも遊技者の指が入るだけの隙間(所定の隙間)を形成する隙間形成部(底面20及び他の凹条61)が形成されているといえる。
【0054】
そのため凹条61にメダルMが起立状態で充填された場合であっても、遊技者は、凹条61に起立状態で収容されたメダルMと側面21との間に形成される隙間に指(例えば親指および人差し指)をそれぞれ差し入れ、メダルMの重ね方向の両側から指で挟みメダルMを一括して摘み上げることができる。これにより遊技者は凹条61に収容されたメダルMを容易に取り出すことができる。
【0055】
次に図7を参照して、第6実施の形態について説明する。第1実施の形態から第5実施の形態では、凹条23,61が受皿13,30,40,50,60の底面20と一体に形成された場合について説明した。これに対し第6実施の形態では、凹条71が底面20とは別部材で構成され、底面20に対して起立する方向へ回動可能に軸支される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図7(a)は第6実施の形態におけるスロットマシン1の受皿70の平面図であり、図7(b)は図7(a)のVIIb−VIIb線における受皿70の断面図であり、図7(c)は凹条71を回動させた状態を示す受皿70の断面図である。
【0056】
図7(a)に示すように、受皿70は底面20に複数の凹条71が並設されている。凹条71は、底面20とは別部材として箱状に構成され、長手方向(メダルMの重ね方向)が受皿70の前後方向(図7(a)上下方向)に沿って配置されている。隣り合う凹条71の間には底面20と連設された連設部72が配置されている。凹条71の手前側(遊技者側)の外側端面71aと側面22との間には、遊技者の指(特に親指)が入るだけの隙間を形成する隙間形成部73が形成されている。また、凹条71の奥側の外側端面71bと側面11との間には、遊技者の指(特に人差し指または中指)が入るだけの隙間を形成する隙間形成部74が形成されている。隙間形成部73,74により凹条71に起立状態で積み重ねられたメダルMを遊技者が摘み上げるのを容易にできる。
【0057】
図7(b)に示すように、底面20には凹条71を収容する大きさの窪み20aが形成されており、凹条71は窪み20aに収容されることで凹条71の上面71cと底面20とが同一面とされる。凹条71の上面71cが底面20から突出している場合、メダルMが凹条71の上面71cに引っ掛かってしまうためメダルMを凹条71にスムーズに収容できず作業負担が増加するという問題がある。これに対し、凹条71の上面71cと底面20とが同一面とされているので、受皿70に払い出されたメダルMを遊技者が凹条71に収容するときの作業の負担を軽減できる。
【0058】
窪み20aは、窪み20aの遊技者側(図7(b)下側)の所定箇所から遊技者側に向かうにつれ下降傾斜する下降部20bを備えている。また、凹条71は、隣接する連設部72と凹条71との間に介設された凹条軸75を備えており、凹条71の遊技者側が下降部20b内に入り込むことにより、凹条71の奧側が起立する方向へ回動可能に連設部72に軸支されている。本実施の形態では、凹条軸75は連設部72に向けて凹条71から突設される場合について説明したが、これに限られるものではなく、凹条軸75を凹条71に向けて連設部72から突設されるようにすることは当然可能である。いずれの場合も凹条71を底面20に対して回動可能にできるからである。
【0059】
窪み20aは、凹条71の外側端面71a,71bがそれぞれ面する内壁面20c,20dが遊技者側および奧側に形成されている。凹条71の外側端面71a,71b及び内壁面20c,20dは、凹条軸75を中心とする所定半径の円筒面上の一部を構成するような湾曲面として形成されている。これにより凹条軸75を中心に凹条71をスムーズに回動させることができる。さらに、凹条71の外側端面71a,71bと内壁面20c,20dとの隙間を小さくできる。凹条71の外側端面71a,71bと内壁面20c,20dとの隙間を小さくできるので、凹条71の外側端面71a,71bと内壁面20c,20dとの間にメダルMやゴミ等が侵入することを防止できる。メダルMやゴミ等の侵入を防止することにより、凹条71がスムーズに回動できる状態が維持されるので、凹条71の耐久性を向上できる。
【0060】
凹条軸75は、凹条71の手前側(遊技者側)の外側端面71a寄りの位置に形成されている。即ち、凹条71の重心Gの位置は、凹条軸75の位置に対して奧側(図7(b)上側)にずれた位置にある。その結果、凹条71に加えられた外力により重力に抗して凹条71の奧側が起立する方向へ回動された場合、外力がなくなれば、凹条71は重力により反対方向に回動されて窪み20aに収容され、凹条71が伏した姿勢になり凹条71の上面71cと底面20とが同一面とされる。凹条71の重心Gの位置を考慮して凹条軸75の位置を設定することで、窪み20aに凹条71が完全に収容された状態を安定状態にすることができる。
【0061】
図7(c)に示すように、凹条71に起立状態で収容されたメダルMを一括して遊技者が摘み上げるときには、その摘み上げる方向(図7(c)矢印方向)に凹条71を回動させることができる。これにより、メダルMを凹条71から取り外し易くできる。
【0062】
これに対し、メダルMが凹条71の一端から他端まで詰め込まれているときに、凹条71が回動可能に軸支されていない場合には、遊技者はメダルMを一括して凹条71の真上の方向(図7(c)左方向)に摘み上げなければ、メダルMの束の端が凹条71の端に引っ掛かってしまうので、メダルMの取り外しが困難になることがある。しかし受皿70によれば、手前斜め方向(図7(c)矢印方向)へメダルMを一括して摘み上げたときでも、凹条71が回動することで、凹条71に対して垂直方向(真上の方向)にメダルMを摘み上げたこととほぼ等しくできる。その結果、メダルMを凹条71から取り外し易くできる。
【0063】
なお、凹条71が回動可能な最大範囲(起立できる範囲)は、凹条71の外側端面71bが内壁面20dから完全に抜け出ない範囲、即ち外側端面71bと内壁面20dとが少なくとも一部で重なる範囲に規制されている。このような規制は、下降部20bの深さや傾斜を設定することにより可能である。下降部20bに規制されることにより凹条71が最大に起立した場合に外側端面71bと内壁面20dとが少なくとも一部で重なるように設定することにより、隙間形成部74と外側側面71bとの間にメダルMが入り込める隙間が形成されないようにできる。その結果、凹条71が起立したときに隙間形成部74や底面20と凹条71との間から窪み20aにメダルMが入り込むことが防止されるので、凹条71を窪み20aに完全に収容される状態に復元することができる。
【0064】
次に図8を参照して、第7実施の形態について説明する。第7実施の形態では、受皿80が、メダルMを整列し易くできるガイド溝部81を備える場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図8は第7実施の形態におけるスロットマシン1の部分斜視図である。
【0065】
図8に示すように、受皿80は、メダル払出口12の下方の底面20の前後方向に延びて凹設されるガイド溝部81を備えている。ガイド溝部81は、メダル払出口12から払い出されたメダルMを遊技者が起立させて厚さ方向に積み重ねるための部位であり、メダルMを起立させて前後方向に整列可能な曲率半径で形成されている。ガイド溝部81は、横幅が、凹条23(1条分)の横幅より大きく設定されており、深さが、凹条23(1条分)の深さより大きく設定されているので、ガイド溝部81にメダルMを数多く貯留できる。
【0066】
遊技者は、メダル払出口12から払い出されたメダルMをガイド溝部23に一旦貯留させた後、ガイド溝部81を利用して遊技者がメダルMを起立させて前後方向に整列させることができる。遊技者はガイド溝部81内に整列させたメダルMを、側面22に沿わせて手にとることができる。手にとった整列状態のメダルMを遊技者は凹条23に移し替えることができるので、メダルMを凹条23に収容し易くできる。また、遊技者はガイド溝部81によりメダルMを起立させて前後方向にメダルMを整列させて手にとることができるので、メダル投入口5b(図1参照)からメダルMをスロットマシン1に投入する際の利便性を向上できる。
【0067】
底面20は、ガイド溝部81の幅方向の縁部81aから左右方向に向かうにつれて下降傾斜する傾斜部82を備えている。傾斜部82は、ガイド溝部81に入らなかったメダルMを下降方向(左右方向)に誘導するための部位であり、傾斜部82の下降方向に凹条23が位置する。これにより、メダル払出口12から払い出されたメダルMのうちガイド溝部81に入らなかったものを、傾斜部82の傾斜を利用して底面20の左右方向に導き易くできる。傾斜部82の下降方向に凹条23が位置するので、傾斜部82により凹条23の近傍にメダルMが誘導される。傾斜部82によりメダルMと凹条23との距離を小さくできるので、ガイド溝部81に入らなかったメダルMを遊技者が凹条23に移動させる労力を軽減できる。
【0068】
次に図9を参照して、第8実施の形態について説明する。第1実施の形態から第7実施の形態では、スロットマシン1に受皿13,30,40,50,60,70,80が移動不能(傾倒不能)に固定される場合について説明した。これに対し第8実施の形態では、スロットマシン90に受皿92が傾倒可能に設けられる場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図9(a)は第8実施の形態におけるスロットマシン90の部分斜視図であり、図9(b)は受皿92を前方に傾倒させた状態を示すスロットマシン90の部分斜視図である。なお図9(b)では、受皿92の底面94を図示するため、受皿92の側面95の一部を破断して示している。
【0069】
図9(a)に示すようにスロットマシン90は、フロントパネル3の下側の前面11に互いに間隔をあけてメダル払出口12の両側に突設される左右2つの支持部材91と、2つの支持部材91の間に配設される受皿92と、その受皿92と支持部材91との間に介設され受皿92を回動可能に軸支する軸部93とを備えて構成されている。
【0070】
受皿92は、スロットマシン90の下部に配設される横長の底面94と、その底面94の周囲を囲む側面95,96,97とを備え、箱状に構成されている。受皿92は、側面95の上縁95aがメダル払出口12の下方に位置するように配設されているので、受皿92はメダル払出口12から払い出されたメダルMを受け止め、貯留することができる。受皿92は、メダル払出口12からメダルMを受け入れるときには、受皿92の重心と軸部93の位置との関係により底面94が上向きになるように配置されている。これにより、メダルMを受け入れるときの受皿92の姿勢を安定にできる。
【0071】
受皿92は、メダルMを起立状態で積み重ねて収容できる複数の凹条98が底面94に形成されている。これにより凹条98に収容可能なメダルMの枚数がわかれば、受皿92内のメダルMを凹条98に収容することにより、受皿92に貯留されたメダルMの枚数を把握することができる。
【0072】
底面94は、凹条98と側面96との間に隙間形成部99が形成されている。これにより、遊技者は隙間形成部99に指を入れてメダルMを摘みメダルを凹条98毎に取り出すことができる。遊技者は取り出したメダルMを収容箱B(図9(b)参照)に移し替えたりメダル投入口5b(図1参照)からスロットマシン90に投入してゲームを進行させたりできる。このように凹条98により受皿92内のメダルMの枚数を把握できる機能を付与し、且つ、隙間形成部99により凹条98に収容されたメダルMを取り出し易くできる。凹条98及び隙間形成部99により、これら2つの機能を両立できる。
【0073】
また、受皿92は、受皿92と支持部材91との間に介設される軸部93により回動可能に軸支されている。これにより、遊技中に多量のメダルMが受皿92に溜まった場合や、ゲームを終了して溜まったメダルMを景品と交換する場合には、遊技者は軸部93を中心に受皿92を手前側に回動し、受皿92を傾倒することで受皿92内のメダルMを一括して収容箱Bへ移し替えることができる(図9(b)参照)。
【0074】
なお、受皿92の側面97は、左右両端から中央に向かうにつれて手前に向かうように傾斜しているので、受皿92を手前側に傾倒したときに、側面97は左右両端から中央に向かうにつれて下降傾斜する。これにより、メダルMを側面97の下降傾斜に沿って側面97の略中央に集め易くして、メダルMを収容箱Bに移し替え易くできる。
【0075】
さらに、凹条98はメダルMの重ね方向(長手方向)が左右方向に並ぶように設けられており、凹条98に収容されるメダルMの重ね方向と軸部93の軸方向とが同一方向(左右方向)に設定されている。これにより、受皿92が傾倒された場合には、メダルMの円板形状を利用して、凹条98に起立状態で収容された円板状のメダルMを凹条98から転がり易くできる。これにより、凹条98に起立状態で収容されたメダルMを収容箱Bへ移し替え易くできる。底面94の傾斜によって円板状のメダルMは凹条98を乗り越えて転がり出るので、受皿92を傾倒させる角度が比較的小さくてもメダルMを収容箱Bに移し替えることができる。
【0076】
これに対し、凹条98のメダルMの重ね方向(長手方向)と軸部93の軸方向とが直交するように配置されている場合には(凹条98とは異なり凹条の長手方向が前後を向き、軸部93の軸方向が左右を向く場合には)、受皿92を傾倒させると凹条に収容されたメダルMの平らな面が凹条の端に載り、さらに受皿92を傾倒させると凹条からメダルMがずり落ち、メダルMが積み重ねられた状態のまま落下する。落下するメダルMのエネルギーが大きいので収容箱Bに移し替え難いという問題がある。スロットマシン90はこの問題を解決することができ、メダルMを容易に収容箱Bに移し替えることができる。
【0077】
次に図10を参照して、第9実施の形態について説明する。第1実施の形態から第7実施の形態では、スロットマシン1,90に受皿13,30,40,50,60,70,80,92が着脱不能に固定される場合について説明した。これに対し第9実施の形態では、スロットマシン100に受皿102が着脱可能に設けられる場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図10は第9実施の形態におけるスロットマシン100の部分斜視図である。図10では、受皿102の底面103を図示するため、受皿102の側面106の一部を破断して示している。
【0078】
図10に示すようにスロットマシン100は、フロントパネル3の下側の前面11に互いに間隔をあけてメダル払出口12の両側に突設される左右2つの支持部材101と、2つの支持部材101の間に着脱可能に配設される受皿102とを備えて構成されている。受皿102は、スロットマシン100の下部に配設される横長の底面103と、その底面103の周囲を囲む側面104,105,106とを備え、箱状に構成されている。受皿102の左右両側の側面105の上端には、係合部107が左右両側に張り出して形成されている。
【0079】
係合部107は支持部材101に係合される部位であり、係合部107と支持部材101とを係合させることにより受皿102はフロントパネル3の下部に装着される。フロントパネル3の下部に装着された受皿102は、側面104の上縁104aがメダル払出口12の下方に位置するように配設される。これにより、受皿102はメダル払出口12から払い出されたメダルMを受け止め、貯留することができる。なお、遊技者は、係合部107を掴んで上方に持ち上げることにより、受皿102を支持部材101から取り外すことができる。
【0080】
受皿102は、メダルMを起立状態で積み重ねて収容できる複数の凹条108が底面103に形成されている。これにより凹条108に収容可能なメダルMの枚数がわかれば、受皿102内のメダルMを凹条108に収容することにより、受皿102に貯留されたメダルMの枚数を把握することができる。
【0081】
底面103は、凹条108と側面105との間に隙間形成部109が形成されている。これにより、遊技者は隙間形成部109に指を入れてメダルMを摘みメダルを凹条108毎に取り出すことができる。遊技者は取り出したメダルMをメダル投入口5b(図1参照)からスロットマシン100に投入してゲームを進行させることができる。このように凹条108により受皿102内のメダルMの枚数を把握できる機能を付与し、且つ、隙間形成部109により凹条108に収容されたメダルMを取り出し易くできる。凹条108及び隙間形成部109により、これら2つの機能を両立できる。
【0082】
受皿102は、上述したようにフロントパネル3の下部に配設された支持部材101から取り外し可能に構成されている。これにより、遊技中に多量のメダルMが受皿102に溜まった場合や、ゲームを終了して溜まったメダルMを景品と交換する場合には、メダルMが貯留された受皿102を取り外すことによりメダルMを回収できる。遊技者は、メダルMが貯留された受皿102と、空の受皿102とを交換することによりゲームを行うことができる。これにより受皿102に貯留されたメダルMを遊技者が収容箱(図示せず)に移し替える作業を不要にできる。
【0083】
次に図11を参照して、第10実施の形態について説明する。第8実施の形態では、スロットマシン90に受皿92が回動可能に設けられる場合について説明した。これに対し第10実施の形態では、受皿112が前後方向に移動可能に構成されたスロットマシン110について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図11は第10実施の形態におけるスロットマシン110の部分斜視図である。図11では、受皿112の底面113を図示するため、受皿112の側面部115の一部を破断して示している。
【0084】
図11に示すようにスロットマシン110は、フロントパネル3(図1参照)の下側の前面11に互いに間隔をあけてメダル払出口12の両側に突設される左右2つの突設部111と、2つの突設部111の間に配設され前後に移動可能に構成される受皿112とを備えている。突設部111は、断面略コ字状に形成される部材であり、内壁面111aを対向させてメダル払出口12の両側に配設されている。
【0085】
受皿112は、スロットマシン110の下部に配設される板状の底面部113と、その底面部113の左右に立設される板状の側面部114及び底面部113の前側に立設される側面部115とを備えている。前面11に貫通形成され水平状に配置された孔部11aに底面部113が挿通され、前面11に貫通形成され鉛直状に配置された孔部11bに側面部114が挿通されている。側面部114は突設部111の内壁面11aに直動軸受(図示せず)を介して摺動可能に支持されているので、底面部113及び側面部114を孔部11a,11bに出入可能に構成し、前面11に対し底面部113及び側面部114を伸縮可能にできる。
【0086】
底面部113の上面に形成された底面113aは、側面部114,115の内側に形成された側面114a,115a及び前面11(側面の一部)で囲まれており、その底面113aに、メダルMを起立状態で積み重ねて収容できる複数の凹条116が形成されている。凹条116は断面円弧状に形成されており、受皿112の移動方向(前後方向)に沿って長手方向が配置されている。これにより凹条116に収容可能なメダルMの枚数がわかれば、受皿112内のメダルMを凹条116に収容することにより、受皿112に貯留されたメダルMの枚数を把握することができる。
【0087】
底面113aは、凹条116と側面115aとの間に隙間形成部117が形成されている。また、受皿112を前面11に押し込んで前面11に対し底面113a及び側面部114aを縮めて底面113aの面積を最小にしたときの底面113aの最小奥行i(最小奥行iの位置に前面11が位置する)を設定すれば、その最小奥行iと凹条116との間に隙間形成部118が形成されている。これにより、遊技者は隙間形成部117,118に指を入れてメダルMを摘みメダルを凹条116毎に取り出すことができる。
【0088】
さらに、遊技者は受皿112を前方に引き出すことで、凹条116を遊技者側に近づけることができると共に、底面113aの奥行きを最小奥行iより大きくして隙間形成部118を広げることができる。これにより遊技者は、凹条116に収容されたメダルMをさらに容易に取り出すことができる。また、受皿112を前方に引き出すことで受皿112の容積を増加させることができる。これにより、受皿112に収容可能なメダルMの枚数を増やすことができる。
【0089】
次に図12及び図13を参照して、第11実施の形態について説明する。第10実施の形態では、受皿112が前後方向に移動可能に構成されたスロットマシン110について説明した。第11実施の形態では、受皿112が前後方向に移動可能に構成されたものにおいて、さらに凹条121に収容されたメダルMを一括して回収できるスロットマシン120について説明する。なお、第10実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図12は、第11実施の形態におけるスロットマシン110の部分斜視図であり、図13は受皿121内のメダルMを回収する機構を示す受皿121の模式図(受皿121を正面視した模式図)である。図12では、受皿121の底面113aを図示するため、受皿121の側面部115の一部を破断して示している。
【0090】
図12に示すようにスロットマシン120は、受皿121の底面113aに複数の突条122が所定の間隔をあけて配置されている。突条122は、受皿121の移動方向(前後方向)に沿って長手方向が配置されており、突条122と突条122との間には、矩形状に開口された開口部122a(図13(b)参照)が形成されている。底部材123は、開口部122aを開放可能に閉鎖するための平板状の部材であり、底部材123が開口部122aを閉鎖することにより突条122及び底部材123により形成される部位122bを、メダルMを起立状態で整列させ収容できる凹条にすることが可能である。突条122及び底部材123により形成される凹条122bは、断面矩形状に形成されている。
【0091】
遊技者に面して位置する側面部115には左右方向に沿って開口115bが形成されており、その開口115bに、開口115bに沿って左右に移動可能に構成されたレバー124が配設されている。遊技者がレバー124を操作することにより底部材123を回動させて開口部122aの開閉操作を行うことが可能である。その機構を、図13を参照しながら説明する。
【0092】
図13(a)に示すように、隣り合う突条122間に配設される底部材123は、回動軸125により一端が突条122に回動可能に固定されている。その回動軸125には底部材123と一体に回動されるピニオン126が軸支されており、回動軸125毎に配置された複数のピニオン126と噛合するラック127が配置されている。ラック127はレバー124(図12参照)に連係して移動できるように構成されている。なお、底部材123は付勢部材(図示せず)により反矢印B方向、即ち開口部122a(図13(b)参照)を閉鎖するように付勢されている。
【0093】
以上のように構成される受皿121では、凹条122bに起立状態で収容されたメダルMを一括して回収する場合には、遊技者は受皿112を前方に引き出した後、レバー124を操作してラック127を矢印A方向(図13(a)参照)に移動させる。その結果、ピニオン126及び底部材123が矢印B方向に回動され、開口部122aが開放される(図13(b)参照)。これにより、凹条122bに収容されたメダルMを開口部122aから落下させ収容箱(図示せず)に回収することができる。底部材123は付勢部材(図示せず)により反矢印B方向に付勢されているので、遊技者によりレバー124の操作がされなくなると開口部122aが底部材123で閉鎖される。
【0094】
なお、凹条122bに起立状態で積み重ねて収容されるメダルMの重ね方向および回動軸125の軸方向は、共に前後方向(図13(a)及び図13(b)紙面垂直方向)であって同じ向きなので、底部材123が回動されて開口部122aが開放されると、凹条122bに整列したメダルMが底部材123を転がって開口部122aから落下する。これにより、開口部122a等でメダルMが詰まったりメダルMの回収に時間を要したりすることを防止でき、迅速にメダルMを回収できる。
【0095】
以上のようにスロットマシン120によれば、メダルMを凹条122bに収容した受皿121を遊技者は前方に移動させた後、メダルMの収容箱(図示せず)を開口部122aの下方に配置し、底部材123を操作して開口部122aを開放することで、凹条122bに収容されたメダルMを開口部122aから落下させて収容箱に収容できる。受皿121に溜まったメダルMを掻き出さなくても、収容箱にメダルMを容易に収容できるので、メダルMを回収するときの利便性を向上できる。
【0096】
次に図14を参照して、第12実施の形態について説明する。第8実施の形態では、受皿92の全体が前方に傾倒可能に構成されたスロットマシン90について説明した。これに対し第12実施の形態では、受皿130の一部が前方に傾倒可能に構成される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図14(a)は第12実施の形態におけるスロットマシン1の部分斜視図であり、図14(b)は受皿130の側面図であり、図14(c)は一部を前方に傾倒させた状態を示す受皿130の側面図である。
【0097】
図14(a)に示すように受皿130は、スロットマシン1(図1参照)の下部に突設されており、メダル払出口12の下部に配置された第1受皿131と、その第1受皿131を区画する区画壁135と、その区画壁135によりメダル払出口12から離隔して配置されると共に第1受皿131とは別部材として構成される第2受皿136とを備えている。
【0098】
第1受皿131は、メダル払出口12から払い出されたメダル(図示せず)を受けるための部材であり、底部132と、底部132の周りに立設される周壁133と、その周壁133の上端から前方に向けて突設される上端縁部134と、周壁133と前面11とを結びつつ底部132に立設された区画壁135とを備え、スロットマシン1(図1参照)のフロントパネル3の下部の前面11に突設されている。なお、メダル払出口12は、スロットマシン1の前面11の左右方向のいずれか一方の偏った位置に形成されている。本実施の形態では、スロットマシン1の前面11に対し正面中心から向かって右側にずれた位置にメダル払出口12が形成されている。
【0099】
区画壁135は、第1受皿131にメダルを収容できる領域を区画するための部材であり、メダル払出口12から払い出されたメダルは、第1受皿131の底部132、周壁133及び区画壁135に囲まれた領域に受け入れられる。区画壁135の高さは、第1受皿131の周壁133及び上端縁部134の高さより低く設定されている。また、区画壁135に隣接する第2受皿136の側面139の高さ(上端139aの高さ)は、区画壁135の高さと同一ないしは低く設定されている。これにより、遊技中に第1受皿131(区画壁135で区画された領域)に多量のメダルが溜まったときは、メダルが第1受皿131から溢れる前に、遊技者は第1受皿131内のメダルを、区画壁135を乗り越えさせて第2受皿136に移動させることができる。
【0100】
第2受皿136は、第1受皿131から移動されたメダルを受け入れるための箱状の部材であり、第1受皿131に対して回動可能に構成されている。第2受皿136は、底面137と、その底面137の周囲を囲む側面138,139,140(図14(b)参照)とを備えている。底面137は、メダルを起立状態で積み重ねて収容できる複数の凹条137aが形成されている。これにより凹条137aに収容可能なメダルの枚数がわかれば、第2受皿136内のメダルを凹条137aに収容することにより、第2受皿136に貯留されたメダルの枚数を把握することができる。
【0101】
底面137は、凹条137aと側面139との間に隙間形成部137bが形成されている。また、複数の凹条137aは、底面137の前後方向に幅方向が隣接し、底面137の左右方向に長手方向が所定の間隔(凹条間隙137c)をあけて並設されている。これにより、凹条137bにメダルが密に充填された場合であっても、遊技者は隙間形成部137b及び凹条間隙137cに指を入れてメダルを摘みメダルを凹条137a毎に取り出すことができる。遊技者は取り出したメダルを収容箱(図示せず)に移し替えたりメダル投入口5b(図1参照)からスロットマシン1に投入してゲームを進行させたりできる。このように凹条137aにより第2受皿136内のメダルMの枚数を把握できる機能を付与し、且つ、隙間形成部137b及び凹条間隙137cにより凹条137aに収容されたメダルを取り出し易くできる。
【0102】
また、凹条137aは長手方向に凹条間隙137cをあけて並設されているので、凹条137aの長手方向の寸法(長さ)を、凹条137aにメダルが密に充填された場合に遊技者が摘み上げることが可能な長さに分割できる。凹条137aが、凹条137aにメダルが密に充填された場合に遊技者が摘み上げることが困難な長さに設定されていると、遊技者が凹条137aに充填したメダルを抜き取って、摘み上げるメダルの量を調整する手間が生じるからである。
【0103】
これに対し、本実施の形態における第2受皿136によれば、凹条間隙137cを設けて凹条137aを分割し、分割された凹条137aの長さは遊技者の指の長さ等が考慮されているので、凹条137aに密にメダルが充填された場合でも、整列されたメダルを崩すことなく、遊技者は指で難なく摘み上げることができる。
【0104】
第2受皿136は、側面140(前壁)(図14(b)参照)の上端に突設形成された上端縁部141と、第1受皿131の周壁133の上端に形成された上端縁部134との間に介設される軸部142により回動可能に軸支されている。これにより、遊技中に多量のメダルが第2受皿136に溜まった場合や、ゲームを終了して溜まったメダルを景品と交換する場合には、遊技者は軸部142を中心に第2受皿136を手前側に回動し、第2受皿136を傾倒することで第2受皿136内のメダルを一括して収容箱(図示せず)へ移し替えることができる。
【0105】
図14(b)に示すように、第2受皿136は、第1受皿131の底部132に載置される状態で第1受皿131に収容される。第2受皿136は第1受皿131の底部132に載置されることで、それ以上の第2受皿136の後傾が規制される。重力軸の下方に位置する第1受皿131の底部132によって、第2受皿136のそれ以上の回動(後傾)が規制されているので、第2受皿136に作用する重力に抗する外力を加えることで、第2受皿136を前方へ回動させることができる。第2受皿136を回動させる機構や後傾を規制する機構が簡易なので、第2受皿136を回動させる動作に不具合を生じ難くすることができ耐久性を向上できる。
【0106】
図14(b)に示すように、第2受皿136の下に位置する底部132には、指を挿入できる大きさの孔部132aが貫通形成されている。これにより、第2受皿136に収容されたメダルを回収する等のために第2受皿136を前方に傾倒させるときには、まず、孔部132aに指を挿入して第2受皿136を押し上げることができる。第2受皿136は、側面138,139,140の高さが第1受皿131の周壁133及び上端縁部134の高さより低く設定されることで第1受皿131に収装されているが、孔部132aに指を挿入して第2受皿136を押し上げることをきっかけにして、第2受皿136を回動させ傾倒させることができる。
【0107】
また、第2受皿136の上端縁部141は周壁133に対し前方に突出して、下面141a(図14(a)参照)が前方に張り出している。これにより、軸部142を中心に第2受皿136を回動させ手前に傾倒させたときには、第2受皿136の上端縁部141の下面141aが周壁133の前面に当接し、それ以上の第2縁部136の回動が規制される。このような簡易な構成で第2受皿136が必要以上に傾倒(前傾)することが防止される。
【0108】
以上説明した本実施の形態によれば、遊技者は第2受皿136の凹条137aに整列されたメダルの枚数を把握しつつ、遊技中に多量のメダルが第2受皿136に溜まった場合や、溜まったメダルを景品と交換する場合には、第1受皿131と別部材として構成された第2受皿136を傾倒することで、第2受皿136内のメダルの収容箱(図示せず)への移し替えを容易にできる。
【0109】
次に図15を参照して、第13実施の形態におけるスロットマシン1を説明する。第13実施の形態では、受皿150が、メダルMを整列し易くできる膨出部154を備える場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図15(a)は第13実施の形態におけるスロットマシン1の部分斜視図であり、図15(b)は受皿150の断面図である。
【0110】
図15(a)に示すように、受皿150は、メダル払出口12が形成される前面11に突設される底面151と、その底面151の外縁を囲む側面152,153とを備えて構成されている。底面151は、メダルMを起立状態で積み重ねて収容できる複数の凹条151aが形成されており、凹条151aと側面152との間に隙間形成部151bが形成されている。これにより、凹条151aにメダルMが密に充填された場合であっても、遊技者は隙間形成部151bに指を入れてメダルMを摘み凹条151a毎に取り出すことができる。
【0111】
図15(a)及び図15(b)に示すように、遊技者側の側面153は、遊技者側に部分的に膨出した膨出部154が形成されている。膨出部154は、遊技者がメダルMを掻き出し易くするための部位であり、上下方向に延び、上方からみて前方に円弧状に膨出している。膨出部154の曲率半径はメダルMの曲率半径より大きく設定されているので、遊技者は膨出部154に沿ってメダルを掻き出すことができる。また、膨出部154は上面視して円弧状に形成されているので、遊技者が膨出部154に沿って手でメダルMを掻き出すときに、手の中でメダルMがある程度整列される。遊技者は、膨出部154によりメダルMの整列が容易になり、整列させたメダルMを凹条151aに収容したり、整列した状態のメダルをメダル案内溝5a(図1参照)に載置したりすることができる。これにより、遊技者の利便性を向上できる。
【0112】
図15(b)に示すように、膨出部154は底面151に滑らかに連設されているので、底面151から膨出部154へとメダルMを掻き出す手の滑らかな動きが妨げられない。その結果、遊技者がメダルMを掻き出すときに、手の中でメダルMをうまく整列させることができる。
【0113】
メダル払出口12と底面151との間には、前面11から遊技者側に向かって突出するガイド板155が配設されている。ガイド板155は、メダル払出口12から払い出されるメダルMを遊技者の近くに誘導するための板状の部材であり、上面が手前に向かって下降傾斜している。ガイド板155が突出される方向に膨出部154が形成されているので、メダル払出口12から払い出されたメダルMはガイド板155に案内されて膨出部154の近傍に落下する。ガイド板155によりメダルMが膨出部154の近傍に集められるので、ゲームの初期等のように、受皿150に払い出されたメダルMの枚数が少ないときも、遊技者は膨出部154を利用してメダルMを整列させることが可能となる。
【0114】
次に図16を参照して、第14実施の形態におけるスロットマシン1を説明する。第14実施の形態では、受皿160の底面が弾性体により形成されている場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図16(a)は第14実施の形態におけるスロットマシン1の部分斜視図であり、図16(b)は受皿160の断面図である。
【0115】
図16(a)に示すように、受皿160は、メダル払出口12が形成される前面11に突設される支持体161と、その支持体161の底部に固定される弾性体により弾性変形可能に形成される底面162と、その底面162の周囲を囲む側面163,164とを備えて構成されている。底面162を構成する弾性体は、弾性変形可能なゴム製や合成樹脂製の部材が採用される。底面162は、メダルMを起立状態で積み重ねて収容できる複数の凹条162aが形成されており、凹条162aと側面163との間に隙間形成部162bが形成されている。これにより、凹条162aにメダルMが密に充填された場合であっても、遊技者は隙間形成部162bに指を入れてメダルMを摘み凹条162a毎に取り出すことができる。
【0116】
また、底面162が弾性変形可能なので、メダル払出口12から払い出されるメダルMと底面162との衝突音を抑制することができる。さらに、凹条162aに起立状態で収容されたメダルMを取り出すときに凹条162aを弾性変形させることができるので、メダルMの縁が凹条162aに引っ掛かったり凹条162aにメダルMが嵌まり込んだりすることが防止され、凹条162aからのメダルMの取り出しが容易になる。
【0117】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記実施形態で挙げた数値や形状は一例であり、他の数値や形状を採用することは当然可能である。例えば、凹条の数や長さは適宜設定することが可能である。
【0118】
第3実施の形態(図4参照)では説明を省略したが、受皿40の奥に位置する隙間形成部27の側面11側に、底面20より低く窪んだ底部を有する凹陥部を形成することは当然可能である。隙間形成部41に形成された凹陥部43を省略して、隙間形成部27に凹陥部を形成したり、隙間形成部41に形成された凹陥部43に加えて隙間形成部27に凹陥部を形成したりすることは適宜設定できる。
【0119】
また、隙間形成部27に凹陥部を形成することにより、凹条23に収容されたメダルMを指で摘み上げるときに、側面11に干渉されることなく凹陥部を経由して底面20よりも低い位置から指(特に人差し指)をメダルMに到達させることができる。その結果、メダルMの摘み上げを容易にできる。
【0120】
第4実施の形態(図5参照)では説明を省略したが、受皿50の奥に位置する隙間形成部27に凹欠部を形成することは当然可能である。隙間形成部41に形成された凹欠部を省略して、隙間形成部27に凹欠部を形成したり、隙間形成部41に形成された凹欠部51に加えて隙間形成部27に凹欠部を形成したりすることは適宜設定できる。
【0121】
また、隙間形成部27に凹欠部を形成することにより、凹条23に収容されたメダルMを指で摘み上げるときに、隙間形成部27に凹欠部が形成されていない受皿と比較して、メダルMと指との接触面積を大きくできる。その結果、メダルMの摘み上げを容易にできる。
【0122】
また、第4実施の形態(図5参照)では、凹欠部51が半円形状の場合について説明したが、必ずしもこの形状に限定されるものではなく、矩形状等の他の形状を採用することは当然可能である。
【0123】
第5実施の形態(図6参照)では説明を省略したが、隙間形成部に相当する底面20や隙間形成部64に凹欠部31,51(図3、図5参照)を形成することは当然可能である。底面20や隙間形成部64に凹欠部31,51を形成することにより、凹条61に収容されたメダルMを指で摘み上げるときに、底面20や隙間形成部64に凹欠部31,51が形成されていない受皿と比較して、メダルMと指との接触面積を大きくできる。その結果、メダルMの摘み上げを容易にできる。
【0124】
また、第5実施の形態では説明を省略したが、隙間形成部に相当する底面20や隙間形成部64に凹陥部43(図4参照)を形成することは当然可能である。底面20や隙間形成部64に凹陥部43を形成することにより、凹条61に収容されたメダルMを指で摘み上げるときに、底面20や隙間形成部64に凹陥部43が形成されていない受皿と比較して、凹条61に起立状態で収容されたメダルMに指を到達させ易くできる。その結果、メダルMの摘み上げを容易にできる。
【0125】
第8実施の形態におけるスロットマシン90において(図9参照)、メダルMを収容箱Bに移し替えるときに受皿92を傾倒する方向と反対方向に受皿92が回動されるように受皿92を付勢する付勢手段(コイルばね等の弾性部材)を備えていることが望ましい。受皿92を傾倒させてメダルMを収容箱Bに移し替えた後、付勢手段により受皿92を反対方向に回動させて定位置(メダルMを受け止める位置(図9(a)参照))に戻すことができるからである。これにより、受皿92を傾倒させてメダルMを収容箱Bに移し替えた後、受皿92を定位置に戻し忘れてメダルMが受皿92以外(例えば遊技場の床)にばらまかれてしまうことを防止できる。
【0126】
第9実施の形態において(図10参照)、受皿102が定位置に装着されているか否かを検出するセンサを設け、受皿102が定位置に装着されていない場合にはゲームを実行できないように構成すると望ましい。これにより、受皿102が取り外されたときにゲームが実行されることを防ぎ、メダルが受皿102以外(例えば遊技場の床)にばらまかれてしまうことを防止できる。
【0127】
第10実施の形態において(図11参照)、手前に引き出した受皿112が後方に移動されるように、後方に向かって受皿112を付勢する付勢手段(コイルばね等の弾性部材)を備えていることが望ましい。受皿112を前方に移動させてメダルMを収容箱(図示せず)に移し替えた後、付勢手段により受皿112を後方の定位置(前面11が最小奥行iに位置する)に戻すことができるからである。これにより、受皿112を前方に移動させてメダルMを収容箱に移し替えた後、受皿112を定位置に戻し忘れることによる不具合(例えば、受皿112が前方に移動したままであると、遊技場の通路側に飛び出した受皿によって通路が狭くなる)を防止できる。
【0128】
第11実施の形態において(図13参照)、回動軸125により支持された底部材123が回動することにより凹条122bに形成された開口部122aが開放される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、底部材123が水平方向にスライドすることにより開口部122aが開閉されるように構成することは当然可能である。底部材123が水平方向にスライド可能に構成されることにより、受皿121の下方に底部材123が開閉する空間を設ける必要がなくなるので、スロットマシン120の設置場所の制約を減らすことができる。
【0129】
また、第11実施の形態では、受皿121が前後方向にスライド可能に構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、スロットマシン120の前面11から突出した状態で固定される受皿(例えば実施の形態1における受皿13)において、凹条に起立状態で収容されたメダルを受皿から排出する機構として採用することは当然可能である。この場合には、凹条に整列されたメダルを摘み上げるときに必要な隙間形成部は必ずしも必要ではない。メダルを指で摘み上げることなく、メダルを受皿から排出できるからである。
【0130】
第12実施の形態において(図14参照)、メダルを収容箱に移し替えるときに第2受皿136を傾倒する方向と反対方向に第2受皿136が回動されるように第2受皿136を付勢する付勢手段(コイルばね等の弾性部材)を備えていることが望ましい。第2受皿136を傾倒させてメダルを収容箱に移し替えた後、付勢手段により第2受皿136を反対方向に回動させて定位置(メダルを受け止める位置(図14(b)参照))に戻すことができるからである。これにより、第2受皿136を傾倒させてメダルを収容箱に移し替えた後、第2受皿136を定位置に戻し忘れてメダルが第2受皿136以外(例えば遊技場の床)にばらまかれてしまうことを防止できる。
【0131】
また、第12実施の形態において、第1受皿131に対して第2受皿136が前後方向に回動されるように構成された場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、軸が前後を向くように軸部142を配置することにより、第1受皿131に対して第2受皿136が左右方向に回動されるように構成することは当然可能である。
【0132】
また、第12実施の形態において、回動可能に構成された第2受皿136に凹条137aが形成された場合について説明したが、第2受皿136の凹条137aを省略して、第1受皿131に凹条を形成するようにすることは可能である。この場合、メダル払出口12は第2受皿136の上方に形成される。これにより、遊技者は第2受皿136にメダルを受け入れつつ第1受皿131にメダルを移動させることができる。遊技者は第1受皿131の凹条に整列されたメダルの枚数を把握しつつ、遊技中に第2受皿136に溜まったメダルを収容箱に移し替えるときには、第1受皿131と別部材として構成された第2受皿136を傾倒することで、第2受皿136内のメダルの収容箱への移し替えを容易にできる。
【0133】
なお、上記の各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。
【0134】
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【0135】
入賞成立に基づいて円板状の遊技媒体が払い出される払出口と、その払出口から払い出された前記遊技媒体を受け止めて貯留する受皿とを備えた遊技機において、前記受皿は、前記遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容できる凹条が形成されると共に周囲が側面で囲まれる底面と、その底面に形成されると共に、前記凹条に収容される前記遊技媒体の重ね方向の両端部の各々と前記側面との間に所定の隙間を形成する隙間形成部とを備えていることを特徴とする遊技機1。
【0136】
遊技機1によれば、凹条が受皿の底面に形成されているので、遊技者が凹条に遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容することで、遊技者は受皿に貯留した遊技媒体の枚数を容易に把握できる効果がある。
【0137】
さらに、底面の周囲は側面で囲まれており、凹条における遊技媒体の重ね方向の両端部の各々と側面との間に所定の隙間を形成する隙間形成部が底面に形成されているので、遊技者は、凹条に起立状態で収容された遊技媒体を、遊技媒体の重ね方向の両側から(隙間形成部により形成された隙間に指を入れ)指で挟み一括して摘み上げることができる。これにより、凹条に収容された遊技媒体の取り出しを遊技者が容易にできる効果がある。
【0138】
遊技機1において、前記払出口が形成された前面から前方に向かって突設される支持部材と、その支持部材と前記受皿との間に介設され、前記遊技機の前方または左右に傾倒する方向へ前記受皿を回動可能に軸支する軸部とを備え、その軸部の軸方向と前記凹条に収容される前記遊技媒体の重ね方向とが同一方向であることを特徴とする遊技機2。
【0139】
遊技機2によれば、遊技機1の奏する効果に加え、払出口が形成された前面から前方に向かって突設される支持部材により軸部が支持され、その軸部により遊技機の前方または左右に傾倒する方向へ回動可能に受皿が軸支されるので、遊技中に多量の遊技媒体が受皿に溜まった場合や、溜まった遊技媒体を景品と交換する場合には、遊技者は、受皿を傾倒することで受皿内の遊技媒体を収容箱へ移し替え易くできる効果がある。
【0140】
さらに、遊技機2によれば、軸部の軸方向と凹条に収容される遊技媒体の重ね方向とが同一方向であるので、受皿が傾倒された場合には、凹条に起立状態で収容された円板状の遊技媒体を凹条から転がり易くできる。これにより、凹条に起立状態で収容された遊技媒体を収容箱へ移し替え易くできる効果がある。
【0141】
なお、遊技機2において、遊技媒体を収容箱に移し替えるときに受皿を傾倒する方向と反対方向に受皿が回動されるように受皿を付勢する付勢手段(コイルばね等の弾性部材)を備えていることが望ましい。受皿を傾倒させて遊技媒体を収容箱に移し替えた後、付勢手段により受皿を反対方向に回動させて定位置に戻すことができるからである。これにより、受皿を傾倒させて遊技媒体を収容箱に移し替えた後、受皿を定位置に戻し忘れて遊技媒体が受皿以外(例えば遊技場の床)にばらまかれてしまうことを防止できる。
【0142】
また、遊技機2において、受皿が定位置に戻っているか否かを検出するセンサを設け、受皿が定位置に戻っていない場合にはゲームを実行できないように構成すると望ましい。これにより、受皿を傾倒させて遊技媒体を収容箱に移し替えた後、受皿が定位置に戻っていない場合にゲームが実行されることを防ぎ、遊技媒体が受皿以外(例えば遊技場の床)にばらまかれてしまうことを防止できる。
【0143】
遊技機1又は2において、前記隙間形成部は、一部が凹欠されて前記凹条における前記遊技媒体の重ね方向の端部に連設される凹欠部を備えていることを特徴とする遊技機3。
【0144】
遊技機3によれば、遊技機1又は2の奏する効果に加え、一部が凹欠された凹欠部を介して遊技者が起立状態の遊技媒体を指で挟むと、凹欠部は凹条における遊技媒体の重ね方向の端部に連設されているので、指先が遊技媒体に接触する面積を凹欠部の分だけ広くできる。これにより、遊技者は積み重ねた状態を崩すことなく遊技媒体をしっかりと摘み上げることができる効果がある。
【0145】
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記隙間形成部は、前記側面側が落ち込んだ凹陥部を備えていることを特徴とする遊技機4。
【0146】
遊技機4によれば、遊技機1から3のいずれかの奏する効果に加え、側面側に凹陥部が形成されているので、凹条に収容された遊技媒体を指で摘み上げるときに、側面に干渉されることなく指をメダルに容易に到達させることができる。その結果、遊技媒体の摘み上げを容易にできる効果がある。また、凹陥部を物入れとして活用できる。例えば、遊技媒体を借りるために使用する紙幣やプリペイドカード、ライター等を凹陥部に入れておくことができるので、遊技者の利便性を向上できる。
【0147】
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記凹条は、前記底面とは別部材として構成され並設されるものであり、隣り合う前記凹条の間に位置し前記底面に連設される連設部と、その連設部と前記凹条との間に介設され前記凹条が起立する方向へ前記凹条を回動可能に軸支する凹条軸とを備えていることを特徴とする遊技機5。
【0148】
遊技機5によれば、遊技機1から4のいずれかの奏する効果に加え、底面とは別部材として構成される凹条が、隣り合う凹条の間に底面に連設される連設部と凹条との間に介設される凹条軸により、凹条が起立する方向へ回動可能に軸支されるので、凹条に起立状態で収容された遊技媒体を一括して遊技者が摘み上げるときには、その摘み上げる方向に凹条を回動させることができる。これにより、遊技媒体を凹条から取り外し易くできる効果がある。
【0149】
これに対し、遊技媒体が凹条の一端から他端まで詰め込まれているときに、凹条が回動可能に軸支されていない場合には、遊技者は遊技媒体を一括して凹条の真上の方向に摘み上げなければ、遊技媒体の束の端が凹条の端に引っ掛かってしまうので、遊技媒体の取り外しが困難になることがある。しかし、遊技機5によれば、凹条の斜め方向へ遊技媒体を一括して摘み上げたときでも、凹条が回動可能な方向であれば凹条が回動することで、凹条に対して垂直方向(真上)に遊技媒体を摘み上げたこととほぼ等しくできる。その結果、遊技媒体を凹条から取り外し易くできる。
【0150】
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記底面は、前記払出口の下方の前後方向に延びて凹設されるガイド溝部を備え、そのガイド溝部は、前記払出口から払い出された前記遊技媒体を起立させて前後方向に整列可能な曲率半径で形成されていることを特徴とする遊技機6。
【0151】
遊技機6によれば、遊技機1から5のいずれかの奏する効果に加え、払出口から払い出された遊技媒体をガイド溝部に一旦貯留させた後、ガイド溝部を利用して遊技者が遊技媒体を起立させて前後方向に遊技媒体を整列させることができる。遊技者はガイド溝部内に整列させた遊技媒体を手にとり、その整列状態の遊技媒体を凹条に移し替えることができるので、遊技媒体を凹条に収容し易くできる効果がある。また、遊技者はガイド溝部により遊技媒体を起立させて前後方向に遊技媒体を整列させて手にとることができるので、遊技機へ遊技媒体を投入する際の利便性を向上できる効果がある。
【0152】
遊技機6において、前記底面は、前記ガイド溝部の幅方向の縁部から左右方向の少なくとも一方に向かうにつれて下降傾斜する傾斜部を備え、その傾斜部の下降方向に前記凹条が位置することを特徴とする遊技機7。
【0153】
遊技機7によれば、遊技機6の奏する効果に加え、払出口から払い出された遊技媒体のうちガイド溝部に入らなかった遊技媒体を、傾斜部の傾斜を利用して底面の左右方向の少なくとも一方に導き易くできる。傾斜部の下降方向に凹条が位置するので、遊技媒体を凹条に収容することを容易にできる効果がある。
【0154】
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記受皿は、前記遊技機に着脱可能に配設されていることを特徴とする遊技機8。
【0155】
遊技機8によれば、遊技機1から7の奏する効果に加え、遊技中に多量の遊技媒体が受皿に溜まった場合や、溜まった遊技媒体を景品と交換する場合には、遊技媒体の溜まった受皿を遊技機から取り外して、空の受皿に付け替えることができる。これにより、遊技媒体を受皿から掻き出して収容箱に移し替える遊技者の手間を軽減できる効果がある。また、受皿に形成された凹条により遊技者は遊技媒体の枚数を把握できるので、遊技媒体を景品と交換する場合の目安にできる。
【0156】
なお、遊技機8において、受皿が定位置に装着されているか否かを検出するセンサを設け、受皿が定位置に装着されていない場合にはゲームを実行できないように構成すると望ましい。これにより、受皿を取り外した後、受皿が定位置に装着されていない場合にゲームが実行されることを防ぎ、遊技媒体が受皿以外(例えば遊技場の床)にばらまかれてしまうことを防止できる。
【0157】
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記払出口が形成された前面から前方に向けて突設されると共に前記受皿を支持する突設部を備え、前記受皿は、前記突設部に対し前後方向に移動可能に構成されていることを特徴とする遊技機9。
【0158】
遊技機9によれば、遊技機1から8のいずれかの奏する効果に加え、遊技者は遊技媒体の溜まった受皿を前方に移動させることができる。受皿を前方に移動させることで受皿を遊技者に近づけることができるので、凹条に起立状態で収容された遊技媒体の摘み上げを遊技者が容易にできる効果がある。
【0159】
なお、遊技機9において、受皿が後方に移動されるように後方に向かって受皿を付勢する付勢手段(コイルばね等の弾性部材)を備えていることが望ましい。受皿を前方に移動させて遊技媒体を収容箱に移し替えた後、付勢手段により受皿を後方の定位置に戻すことができるからである。これにより、受皿を前方に移動させて遊技媒体を収容箱に移し替えた後、受皿を定位置に戻し忘れることによる不具合(例えば、受皿が前方に移動したままであると、遊技場の通路側に飛び出した受皿によって通路が狭くなる)を防止できる。
【0160】
また、遊技機9において、受皿が定位置に戻っているか否かを検出するセンサを設け、受皿が定位置に戻されていない場合にはゲームを実行できないように構成すると望ましい。これにより、受皿を引き出した後、受皿が定位置に戻されていない場合にゲームが実行されることを防ぎ、遊技媒体が受皿以外(例えば遊技場の床)にばらまかれてしまうことを防止できる。
【0161】
遊技機9において、前記凹条の底部が開口された開口部と、その開口部を開放可能に閉鎖する底部材とを備えていることを特徴とする遊技機10。
【0162】
遊技機10によれば、遊技機9の奏する効果に加え、遊技者は遊技媒体の溜まった受皿を前方に移動させた後、遊技媒体の収容箱を開口部の下方に配置し、底部材を操作して開口部を開放することで、凹条に収容された遊技媒体を開口部から落下させて収容箱に収容できる。受皿に溜まった遊技媒体を掻き出さなくても、収容箱に遊技媒体を容易に収容できる効果がある。
【0163】
入賞成立に基づいて円板状の遊技媒体が払い出される払出口と、その払出口から払い出された遊技媒体を受け止めて貯留する受皿とを備えた遊技機において、前記受皿は、前記遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容できる凹条が形成される底面を備え、前記払出口が形成された前面から前方に向かって突設される支持部材と、その支持部材と前記受皿との間に介設され、前記遊技機の前方または左右に傾倒する方向へ前記受皿を回動可能に軸支する軸部とを備え、その軸部の軸方向と前記凹条に収容される前記遊技媒体の重ね方向とが同一方向であることを特徴とする遊技機11。
【0164】
遊技機11によれば、凹条が受皿の底面に形成されているので、遊技者が凹条に遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容することで、遊技者は受皿に貯留した遊技媒体の枚数を容易に把握できる効果がある。
【0165】
また、遊技機11によれば、払出口が形成された前面から前方に向かって突設される支持部材により軸部が支持され、その軸部により遊技機の前方または左右に傾倒する方向へ回動可能に受皿が軸支されるので、遊技中に多量の遊技媒体が受皿に溜まった場合や、溜まった遊技媒体を景品と交換する場合には、遊技者は、受皿を傾倒することで受皿内の遊技媒体を収容箱へ移し替え易くできる効果がある。
【0166】
さらに、遊技機11によれば、軸部の軸方向と凹条に収容される遊技媒体の重ね方向とが同一方向であるので、受皿が傾倒された場合には、凹条に起立状態で収容された円板状の遊技媒体を凹条から転がり易くできる。これにより、凹条に起立状態で収容された遊技媒体を収容箱へ移し替え易くできる効果がある。
【0167】
遊技機11において、前記底面に形成されると共に、前記凹条における前記遊技媒体の重ね方向の両端部の各々と前記側面との間に所定の隙間を形成する隙間形成部を備えていることを特徴とする遊技機12。
【0168】
遊技機12によれば、遊技機11の奏する効果に加え、凹条における遊技媒体の重ね方向の両端部の各々と側面との間に所定の隙間を形成する隙間形成部が底面に形成されているので、遊技者は、凹条に起立状態で収容された遊技媒体を、遊技媒体の重ね方向の両側から指で挟み一括して摘み上げることができる。これにより、凹条に収容された遊技媒体の取り出しを遊技者が容易にできる効果がある。
【0169】
入賞成立に基づいて円板状の遊技媒体が払い出される払出口と、その払出口から払い出された前記遊技媒体を受け止めて貯留する受皿とを備えた遊技機において、前記受皿は、前記遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容できる凹条が形成される底面と、その底面の周囲を囲む側面と、その側面の内の前記払出口と対向する側面の一部が膨出形成され上下方向に延びる膨出部とを備え、その膨出部は、前記払出口から払い出された前記遊技媒体を積み重ね可能な曲率半径で形成されていることを特徴とする遊技機13。
【0170】
遊技機13によれば、凹条が受皿の底面に形成されているので、遊技者が凹条に遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容することで、遊技者は受皿に貯留した遊技媒体の枚数を容易に把握できる効果がある。
【0171】
また、遊技機13によれば、受皿に遊技媒体が貯留された場合に、払出口と対向する側面の一部が膨出形成された膨出部により、遊技者は遊技媒体を積み重ねた状態で掬い上げることができる。遊技者は積み重ねた状態で掬い上げた遊技媒体を凹条に移し替えることができるので、遊技媒体を凹条に収容し易くできる効果がある。また、遊技者は遊技媒体を積み重ねた状態で掬い上げることができるので、遊技機へ遊技媒体を投入する際の利便性を向上できる効果がある。
【0172】
遊技機13において、前記払出口の下部から前方に向けて突設され、前記払出口から払い出される前記遊技媒体を前記膨出部に導くガイド部材を備えていることを特徴とする遊技機14。
【0173】
遊技機14によれば、遊技機13の奏する効果に加え、ゲーム開始直後のように、受皿が受け入れる遊技媒体の枚数が少ないときもガイド部材によって遊技媒体を膨出部に導くことができる。これにより、受皿に貯留される遊技媒体の枚数が少ないときから、遊技者は積み重ねた状態で掬い上げた遊技媒体を凹条に移し替えることができると共に、遊技機へ遊技媒体を投入する際の利便性を向上できる効果がある。
【0174】
入賞成立に基づいて円板状の遊技媒体が払い出される払出口と、その払出口から払い出された前記遊技媒体を受け止めて貯留する受皿とを備えた遊技機において、前記受皿は、複数が左右方向に並設され、前記受皿の少なくとも一つは、前記払出口が形成された前面から前方に向かって突設される支持部材およびその支持部材と少なくとも一つの前記受皿との間に介設される軸部により、前記遊技機の前方または左右に傾倒する方向へ回動可能に軸支されており、前記受皿の少なくとも一つは、前記遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容できる凹条が形成される底面を備えていることを特徴とする遊技機15。
【0175】
遊技機15によれば、受皿の少なくとも一つの底面に凹条が形成されているので、遊技者が凹条に遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容することで、遊技者は受皿に貯留した遊技媒体の枚数を容易に把握できる効果がある。
【0176】
また、遊技機15によれば、遊技中に多量の遊技媒体が受皿に溜まった場合や、溜まった遊技媒体を景品と交換する場合には、遊技者は、個別に受皿を傾倒することで受皿内の遊技媒体を収容箱へ移し替え易くできる効果がある。
【0177】
遊技機15において、前記軸部の軸方向と前記凹条における前記遊技媒体の重ね方向とが同一方向であることを特徴とする遊技機16。
【0178】
遊技機16によれば、遊技機15の奏する効果に加え、軸部の軸方向と凹条に収容される遊技媒体の重ね方向とが同一方向であるので、受皿が傾倒された場合には、凹条に起立状態で収容された遊技媒体を凹条から転がり易くできる。これにより、凹条に起立状態で収容された遊技媒体を収容箱へ移し替え易くできる効果がある。
【符号の説明】
【0179】
1,90,100,110,120 スロットマシン(遊技機)
11 前面(側面の一部)
12 メダル払出口(払出口)
13,30,40,50,60,70,80,92,102,112,121,130,150,160 受皿
20,94,103,113a,137,151,162 底面
21,22,95,96,97,104,105,106,114a,115a,138,139,140,152,153,163,164 側面
23,61,71,98,108,116,122b,137a,151a,162a 凹条
24,25,62,63 端部
26,27,41,64,73,74,99,109,117,118,137b,151b,162b 隙間形成部
31,51 凹欠部
91 支持部材
131 第1受皿(支持部材)
136 第2受皿(受皿)
93,142 軸部
G1,G2 隙間
M メダル(遊技媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞成立に基づいて円板状の遊技媒体が払い出される払出口と、その払出口から払い出された遊技媒体を受け止めて貯留する受皿とを備えた遊技機において、
前記受皿は、
前記遊技媒体を起立状態で厚さ方向に重ねて収容できる凹条が形成されると共に周囲が側面で囲まれる底面と、
その底面に形成されると共に、前記凹条における前記遊技媒体の重ね方向の両端部の各々と前記側面との間に所定の隙間を形成する隙間形成部とを備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記払出口が形成された前面の前方に突設される支持部材と、
その支持部材と前記受皿との間に介設され、前記遊技機の前方または左右に傾倒する方向へ前記受皿を回動可能に軸支する軸部とを備え、
その軸部の軸方向と前記凹条に収容される前記遊技媒体の重ね方向とが同一方向であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記隙間形成部は、一部が凹欠されて前記凹条における前記遊技媒体の重ね方向の端部に連設される凹欠部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−111148(P2013−111148A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258540(P2011−258540)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】