説明

遊技機

【課題】ゲーム性の幅を広げるとともに、遊技者が常に打順を意識して遊技する遊技機を提供する。
【解決手段】遊技者にとって基本状態である通常遊技状態と、遊技者にとって通常遊技状態に比べて有利である有利遊技状態とを含む複数の遊技状態があり、遊技者によって行われた1回の遊技における停止操作の順序を判別し、ある停止操作順序で行われた遊技の回数が所定の回数になったら、遊技状態を有利遊技状態に移行させる。複数の遊技状態として、遊技者にとって通常遊技状態よりも不利な遊技状態を含み、所定の遊技区間において特定の停止操作順序で遊技が行われたときは、不利遊技状態に移行させてもよい。有利遊技状態に移行させるための遊技回数が最も少ない停止操作順序を、遊技者に報知してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に複数種類の図柄を配列したリールを複数備えた遊技機として、回胴式遊技機が知られている。回胴式遊技機は、パチスロとも呼ばれ、主にパチンコホールに設置されている。この種の遊技機は、メダル等の遊技媒体を投入して遊技を行い、遊技結果としてメダル等の遊技媒体の払い出しを受けるものである。従って、より多くの遊技媒体を獲得できるボーナスゲームは、遊技者にとって最も興趣の高まる遊技状態である。
【0003】
しかし、ボーナスゲームは抽選結果に基づいて発生するものであるため、ボーナスに当選しないと、いくらゲームを重ねてもボーナスゲームは発生しない。この救済手段として、一定のゲーム数、つまり天井ゲーム数に達したときは、遊技者に利益を付与する遊技機が知られている。
例えば、第1天井として比較的ゲーム数が少ないときに発生するST遊技と、第2天井として比較的ゲーム数が多いときのST遊技とで、遊技者に付与される利益の大きさを異ならせた仕様の遊技機が知られている(特許文献1参照)。
また、スーパービッグとノーマルビッグとの振り分けを行うようにした遊技機において、ボーナス間ゲーム数が所定の値以上となってからビッグボーナスに当選した場合には、その振り分けに拘らず、必ずスーパービッグになるようにした仕様の遊技機が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−260190号公報
【0005】
【特許文献2】特開2003−265689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記いずれの仕様の遊技機においても、遊技者が行ったゲーム数に応じて遊技者に付与する利益を異ならせ、それによって遊技者を救済することを目的としている。そのため、天井に到達するまでのゲームは単調なものであった。
【0007】
本発明の目的は、ゲーム性の幅を広げるとともに、遊技者に停止操作順序を意識した遊技を行わせることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の遊技機は、外周面に複数種類の図柄を配列した複数のリールと、ハズレ又は入賞役の抽選を行う役抽選手段と、遊技者によるスタート装置の操作に応じて前記リールの回転を開始させる制御と、前記リールごとに対応したリール停止装置の停止操作に応じて前記リールの回転を停止させる制御とを行うリール制御手段と、遊技者によって行われた1回の遊技における停止操作の順序である停止操作順序を判別する停止操作順序判別手段と、それぞれの停止操作順序に対応付けられている停止操作順序カウンタと、前記停止操作順序判別手段で判別された停止操作順序に対応する前記停止操作順序カウンタの値を更新する停止操作順序カウンタ更新と、それぞれの前記停止操作順序カウンタが所定値に達したか否かを判定する所定値判定手段と、遊技者にとって基本状態である通常遊技状態と、遊技者にとって通常遊技状態に比べて有利である有利遊技状態とを含む複数の遊技状態があり、通常遊技状態と有利遊技状態とを含む複数の遊技状態の間で遊技状態の移行を制御する遊技状態制御手段とを備え、前記遊技状態制御手段は、前記所定値判定手段により、少なくとも1つの前記停止操作順序カウンタが所定値に達したと判定した場合に、遊技状態を有利遊技状態に移行させることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、停止操作順序ごとに所定のゲーム数に達したか否かを判定して、通常遊技状態から有利遊技状態へと移行する。単に一定のゲーム数が消化されたことによって遊技状態が変わるのではなく、遊技者がどのような停止操作順序で遊技を行ったかによって、有利遊技状態へと移行する遊技数が変化する。このため、天井に達するまでのゲームが単調なものとならないように、ゲーム性を持たせることができる。遊技者は、どのような停止操作順序すなわち打順で遊技を行うか意識しながら遊技を行うことになる。
【0010】
本発明の遊技機は、遊技において特定の遊技区間である特定遊技区間があり、前記停止操作順序カウンタ更新手段は、前記特定遊技区間においてのみ特定の前記停止操作順序カウンタの値を更新するようにしてもよい。
このようにすれば、有利遊技状態へ移行させるための特定遊技区間と、有利遊技状態への移行とは無関係な遊技区間とを備えた遊技仕様となる。常に停止操作順序カウンタの値を更新する場合と比較して、停止操作順序カウンタの値を更新する区間における遊技者の停止操作順序への意識を高めることができる。
【0011】
本発明の遊技機は、前記複数の遊技状態として、遊技者にとって通常遊技状態よりも不利である不利遊技状態をさらに含み、遊技において所定の遊技区間である所定遊技区間があり、前記遊技状態制御手段は、前記所定遊技区間において特定の停止操作順序で遊技が行われた場合に、遊技状態を不利遊技状態に移行させるようにしてもよい。
このようにすれば、あらかじめ定められた停止操作順序で遊技する遊技区間と自由な停止操作順序で遊技する遊技区間が交互に発生するので、遊技者の停止操作順序への意識を高めることができる。
【0012】
本発明の遊技機は、複数の前記停止操作順序カウンタのうち、所定値に最も近い前記停止操作順序カウンタを判定する所定値最接近カウンタ判定手段と、前記所定値最接近カウンタ判定手段によって、所定値に最も近いと判定された前記停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を遊技者に報知する停止操作順序報知手段とを設け、前記操作順序報知手段は、所定の時期に、所定値に最も近いと判定された前記停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を遊技者に報知するようにしてもよい。
このようにすれば、遊技者をいち早く有利遊技状態へと導くことができ、報知された停止操作順序で停止操作させることにより、停止操作に対する意識を高めさせるゲーム性を付与することができる。
【0013】
遊技者によって行われた1回の遊技における停止操作の順序である停止操作順序とは、遊技者が操作したリール停止装置「以下「ストップボタン」という」の停止操作順序である。ここで、「1回の遊技」とは、メダル投入後にスタートレバーが操作されてから、全リールが停止するまでのことであり、全リールが停止したときの図柄の組み合わせによってメダルの払い出し又は遊技状態の変動があるときは、メダルの払い出し又は遊技状態の変動が完了するまでである。3本のリールを備える一般的な遊技機のストップボタンは、左リール、中リール及び右リールそれぞれに対応して1個ずつ、合計3個設けられている。従って、ストップボタンの停止操作順序の種類は、左リールに対応する左ストップボタン、中リールに対応する中ストップボタン、右リールに対応する右ストップボタンを順に操作した場合(以下「左中右」と記載する)、左ストップボタン、右ストップボタン、中ストップボタンを順に操作した場合(以下「左右中」と記載する)、右ストップボタン、中ストップボタン、左ストップボタンを順に操作した場合(以下「右中左」と記載する)、右ストップボタン、左ストップボタン、中ストップボタンを順に操作した場合(以下「右左中」と記載する)、中ストップボタン、左ストップボタン、右ストップボタンを順に操作した場合(以下「中左右」と記載する)及び中ストップボタン、右ストップボタン、左ストップボタンを順に操作した場合(以下「中右左」と記載する)の6種類である。
【0014】
有利遊技状態としては、メダル獲得のために有用な情報を遊技者に報知する遊技状態が挙げられる。通常遊技状態では当選役について報知を行わないが、有利遊技状態に移行すると当選した役の種類を報知したり、配当枚数の多い役が表示できる停止操作順序を報知したりする遊技状態である。そのほかに、有利遊技状態は、リプレイの当選確率や、ボーナスの当選確率を、通常遊技状態よりも高くした遊技状態であってもよい。通常遊技状態ではボーナス当選をストックしておき、有利遊技状態はストックしたボーナスを放出する遊技状態であってもよい。
【0015】
不利遊技状態としては、有利遊技状態への移行を困難又は不可能にする遊技状態が挙げられる。また、所定の条件が成立した場合に通常遊技状態よりリプレイの当選確率が高い遊技状態となる遊技機において、不利遊技状態は、リプレイの当選確率が高い遊技状態への移行を困難又は不可能にする遊技状態であってもよい。
【0016】
所定値最接近カウンタ判定手段による所定値に最も近い停止操作順序カウンタの判定は、停止操作順序カウンタが更新されるたびに行ってもよいし、停止操作順序カウンタに閾値を設定したときに行ってもよい。遊技者への報知は、停止操作順序カウンタが最後に更新されてから次回の更新が行われる前までに行われる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の遊技機であって、パチスロの外観構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態の遊技機におけるリールテープの図柄配列を説明する図である。
【図3】本発明の第1実施形態の遊技機における、機能ブロックを説明する図である。
【図4】本発明の第1実施形態の遊技機における、サブ制御手段の機能ブロックを説明する図である。
【図5】本発明の第1実施形態の遊技機における、入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
【図6】本発明の第1実施形態の遊技機における、遊技状態の状態遷移図である。
【図7】本発明の第1実施形態の遊技機における、一般遊技状態及びRT遊技状態の役抽選テーブルを説明する図である。
【図8】本発明の第1実施形態の遊技機における、BB成立遊技状態及びBB遊技状態の役抽選テーブルを説明する図である。
【図9】本発明の第1実施形態の遊技機における、停止操作順序カウンタの閾値設定テーブルを説明する図である。
【図10】本発明の第1実施形態の遊技機における、閾値設定テーブルを選択するための抽選テーブルを説明する図である。
【図11】本発明の第1実施形態の遊技機における、メイン制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1実施形態の遊技機における、メイン制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1実施形態の遊技機における、メイン制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1実施形態の遊技機における、メイン制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1実施形態の遊技機における、メイン制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第1実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第1実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第1実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第1実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第2実施形態の遊技機における、遊技状態の状態遷移図である。
【図22】本発明の第2実施形態の遊技機における、一般遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態の役抽選テーブルを説明する図である。
【図23】本発明の第2実施形態の遊技機における、停止操作順序カウンタの閾値設定テーブルを説明する図である。
【図24】本発明の第2実施形態の遊技機における、閾値設定テーブルを選択するための抽選テーブルを説明する図である。
【図25】本発明の第2実施形態の遊技機における、メイン制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第2実施形態の遊技機における、メイン制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図27】本発明の第2実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図28】本発明の第2実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第2実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図30】本発明の第3実施形態の遊技機における、停止操作順序カウンタの閾値設定テーブルを説明する図である。
【図31】本発明の第3実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図32】本発明の第3実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図33】本発明の第4実施形態の遊技機における、サブ制御手段の機能ブロックを説明する図である。
【図34】本発明の第4実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【図35】本発明の第4実施形態の遊技機における、サブ制御手段での処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(遊技機の外観構成)
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機であるパチスロの外観構成を説明する正面図である。本実施形態の遊技機は、筐体1及び前面扉2からなる収納箱に、リールユニット5、メダル払出装置としてのホッパー14、及び遊技機の動作を制御する制御基板等が収納されている。
【0019】
リールユニット5は、左リール5L、中リール5C及び右リール5Rの3本のリールを備えている。それぞれのリールは、ステッピングモータに軸支されており、これによって回転駆動される。ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することにより、各リールの回転速度を制御したり、所望の位置でリールの回転を停止させたりすることができる。
各リール5L、5C、5Rは、リール本体にリールテープを巻きつけたものである。リールテープには、図2に示すような21個の図柄が配列されている。21個の図柄は、赤7図柄「赤7」、青7図柄「青7」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、リプレイ図柄「RP」、特殊図柄「特殊」、BAR図柄「BAR」及びダミー図柄「DUM」の9種類の図柄から構成されている。
【0020】
図1の遊技機では、前面扉2に表示窓4が設けられている。それを通して各リール5L、5C、5Rの外周面に表示された図柄を視認することができ、リールが停止した状態では、各リール5L、5C、5Rに配列されている図柄のうち連続する3個の図柄が上段、中段、下段の各位置に停止して観察することができるようになっている。これらの図柄の表示位置によって遊技結果が判断される。具体的には、左リール上段、中リール中段及び右リール上段を結ぶラインからなる有効ラインL1、左リール上段、中リール中段及び右リール下段を結ぶラインからなる有効ラインL2、左リール中段、中リール中段及び右リール中段を結ぶラインからなる有効ラインL3、左リール下段、中リール中段及び右リール上段を結ぶラインからなる有効ラインL4、並びに左リール下段、中リール中段及び右リール下段を結ぶラインからなる有効ラインL5のいずれかに所定の図柄の組合せが表示されると予め定められた枚数のメダルが払い出されるようになっている。
【0021】
前面扉2の上部中央には液晶表示装置3が配置されている。液晶表示装置では、遊技状態にあわせた各種演出を行ったり、遊技者に遊技に関する情報表示を行ったりする。また、前面扉2の上部の左右端には、LEDをアーチ形に配列した報知ランプ6が設けられ、遊技者を高揚させる光演出が行われる。前面扉2の上部左右及び下部左右には、音響装置としてのスピーカ7が設けられ、各種遊技音が出力される。
【0022】
前面扉2の表示窓4の下部には、各種の操作手段が設けられている。遊技機正面と相対した場合の右側には遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口8、同じく左側にはクレジットされているメダルを投入するためのベットボタン9、ベットボタン9の下にはリールの回転を開始させるためのスタートレバー10が設けられている。スタートレバー10の右側には、左リール5Lに対応した左ストップボタン11L、中リール5Cに対応した中ストップボタン11C及び右リール5Rに対応した右ストップボタン11Rが設けられている。
【0023】
遊技者がメダルをメダル投入口8に投入するか又はクレジットされているメダルをベットボタン9の操作することよって、L1〜L5が有効ラインとして設定され、3枚のメダルが投入されると遊技可能状態となり、その後スタートレバー10を操作することにより各リール5L、5C、5Rの回転が開始する。各リール5L、5C、5Rの回転が一定の速度(定常状態)に達すると、ストップボタンが有効化された状態となる。この状態で、遊技者がいずれかストップボタン11L、11C、11Rを操作すると、操作したストップボタンに対応したリールの回転が停止する。そして、全てのリールが停止し有効ライン上に所定の図柄の組合せが表示されると、払い出しメダル数に相当する数のクレジットを加算する。クレジットが上限値に達したときは、筐体1内部に収納してあるホッパーが作動し、前面扉2の下部に設けたメダル払出口12からメダル受皿13にメダルが払い出される。
【0024】
(第1実施形態の遊技機の概要)
遊技機の制御は、筐体1内部に収納されている遊技制御手段によって行われる。遊技制御手段は、CPU、ROM、RAM等を搭載した制御基板及びROMに記憶されているプログラム等からなる。図3及び図4に本発明の第1実施形態の機能ブロック図を示す。
遊技制御手段100は、図3に示すように、遊技機の基本的動作を制御するメイン制御手段110と、遊技機の演出的動作を制御するサブ制御手段120とから構成される。
【0025】
メダル投入口8に連続するメダル通路には、メダル投入スイッチ201が設けられていて、遊技者がメダル投入口8にメダルを投入すると、そのメダルが正当なメダルであればメダル投入スイッチ201がそれを検出し、メイン制御手段110に信号を出力する。ベットボタン9にはベットスイッチ202が設けられていて、遊技者がベットボタン9を操作すると、ベットスイッチ202がそれを検出し、メイン制御手段110に信号を出力する。スタートレバー10にはスタートスイッチ203が設けられていて、遊技者がスタートレバー10を操作すると、スタートスイッチ203がそれを検出し、メイン制御手段110に信号を出力する。各ストップボタン11にはストップスイッチ204が設けられていて、遊技者がいずれかのストップボタンを操作すると、ストップスイッチ204がそれを検出し、メイン制御手段110に信号を出力する。
【0026】
メイン制御手段110は、投入受付手段111、乱数発生手段112、役抽選手段113、リール制御手段114、入賞判定手段115、払出制御手段116、リプレイ処理手段117、メイン遊技状態制御手段118及びメイン記憶手段119を含んでいる。
【0027】
投入受付手段111は、遊技開始前にメダルの投入を受け付け、メダルの投入に基づいて有効ラインL1〜L5を有効にする。4枚目以降のメダル投入は、最大50枚まで遊技機に貯留(クレジット)される。そして、メダルがクレジットされた場合には、次回以降の遊技において、ベットボタン9の操作によりメダル投入が可能となる。3枚のメダル受付があると、スタートスイッチ203からの信号入力を許可する。
【0028】
乱数発生手段112は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数値は、ハード乱数発生器やソフトウエアによる乱数発生器、又はこれらを組み合わせたものによって発生させることができる。本発明の実施形態に係る遊技機では、0〜65535までの乱数値、すなわち65536個の乱数値が発生するように構成されている。
【0029】
役抽選手段113は、スタート信号の入力に基づき所定のタイミングで乱数値を取得し、取得した乱数値とメイン記憶手段119に格納されている役抽選テーブルを参照して、ハズレ又は当選態様を決定する。いずれかの当選態様が選ばれたときは、その当選態様に対応した入賞役のフラグがメイン記憶手段119に一時記憶される。
【0030】
リール制御手段114は、リールユニット5の回転開始から停止までの制御を行う。リール制御手段114は、スタート信号の入力に基づき、前回の遊技のリール回転開始から4.1秒経過していることを条件として、リールの回転を開始させる。4.1秒を経過していないときは、4.1秒を経過するのを待ってからリールの回転を開始させる、いわゆるウエイト処理を行う。
【0031】
リール制御手段114は、リールの回転速度を加速させ、リールの回転が所定の速度(約80rpm)に達したら、ストップスイッチ204からの信号の受付を許可する。これによってストップボタンの操作が有効となる。ストップボタンが有効化された後に、遊技者がいずれかのストップボタン11L、11C、11Rを操作すると、ストップスイッチ204から出力されたストップ信号がメイン制御手段110に受け付けられる。リール制御手段114は、ストップ信号の入力に基づき、ストップ信号に対応するリールのステッピングモータへの駆動パルスの供給を停止して、当該対応するリールを停止させる。遊技者は各ストップボタン11L、11C、11Rを任意の順序で操作することができ、遊技者のストップボタンの操作順序に従って各リールの停止順序が決まる。
【0032】
リール制御手段114は、リールの停止位置を決定する。本実施形態の遊技機は、ストップボタンが操作された時から190ms以内に停止するように設定されている。前記したとおり、各リールの図柄数は21である。リールの定常回転の速度を約80rpmとすると、ストップボタンが操作されたときに表示されている図柄から4個先の図柄の範囲で停止する図柄が決定されることになる。停止図柄の決定は、ロジック演算と停止制御テーブルを併用して行われる。
【0033】
ストップボタンが操作されると、リール制御手段114は、まずロジック演算処理を行う。ロジック演算処理とは、当選した当選役に対応した図柄ごとにポイントが付与されており、引き込み可能な範囲にある各停止形のうち、有効ライン上に表示される図柄の合計ポイントを算出し、合計ポイントの最も大きい停止形を最も優先度の高い停止形として決定する処理である。停止形とは、一のリールにおいて連続する3コマの図柄から構成される表示態様である。当選した当選役に対応した図柄ごとのポイントは、当選態様や払出枚数などを考慮して、遊技機の仕様によって任意に決定される。本実施形態の遊技機では、優先度がリプレイ>小役>BBの順となるよう図柄ごとにポイントが定められている。
【0034】
例えば、小役とBBの両方の当選フラグが記憶されているときは、引き込み可能な範囲にある図柄の中に小役に対応する図柄組合せを構成する図柄があればそれを有効ライン上に停止させるように、引き込み可能な範囲内にある図柄の中に小役に対応する図柄組合せを構成する図柄がなくBBに対応する図柄組合せを構成する図柄があるときはBBに対応する図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に停止させるように制御する。
【0035】
リール制御手段114は、当選した役に対応する図柄組合せを構成する図柄を優先して有効ライン上に引き込む制御とともに、当選した役以外の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されないようにする制御、いわゆる蹴飛ばし制御も行う。例えば、リプレイの当選フラグのみが記憶されているときは、リプレイに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが有効ライン上に表示されない位置でリールを停止させるように制御する。役抽選の結果がハズレである場合、すなわちいずれの当選フラグも記憶されていないときは、いずれの役に係る図柄組合せも有効ライン上に表示されないように制御する。
【0036】
ロジック演算を行った結果、最も優先度の高い停止形が1つである場合は、その停止形で停止するように制御されるが、同じ優先度の停止形が複数ある場合は、メイン記憶手段119に記憶されている停止制御テーブルを参照して停止形を決定する。停止制御テーブルには、記憶されている当選フラグとストップボタンの停止操作順序との関係に対応した停止形が設定されている。
【0037】
入賞判定手段115は、各有効ライン上における停止態様が、役を構成する図柄組合せであるか否かの判定を行う。回転中の全てのリールが停止すると、メイン記憶手段119に記憶されている表示判定テーブルを参照して、いずれかの有効ラインL1〜L5上に表示されている図柄組合せが予め定められている図柄組合せと一致するか判定する。
本実施形態の遊技機では、入賞役として図5に示すように、ビッグボーナス(以下「BB」という)、3種類のリプレイ(リプレイ1、リプレイ2及びリプレイ3)、10種類の小役(特殊役、スイカ1〜スイカ8及びベル)が用意されている。このうち、BBに対応する当選フラグは、BBとなる図柄の組合せが表示されるまで次回以降の遊技に持ち越される。一方、リプレイ及び小役に対応する当選フラグはその遊技終了後にクリアされる。
【0038】
いずれかの有効ライン上に「赤7、赤7、赤7」の図柄組合せが表示されたときは、BBに対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「RP、RP、RP」の図柄組合せが表示されたときは、リプレイ1に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「特殊、RP、RP」の図柄組合せが表示されたときは、リプレイ2に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「BAR、BAR、RP」の図柄組合せが表示されたときは、リプレイ3に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「ANY、特殊、ANY」の図柄組合せが表示されたときは、特殊役に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。なお、「ANY」は全ての図柄を指すので、特殊役は特殊1図柄が表示されたことで入賞となる入賞役である。有効ライン上に「WMA、WMA、WMA」の図柄組合せが表示されたときは、スイカ1に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「WMA、WMA、WMB」の図柄組合せが表示されたときは、スイカ2に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「WMA、WMB、WMA」の図柄組合せが表示されたときは、スイカ3に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「WMB、WMA、WMA」の図柄組合せが表示されたときは、スイカ4に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「WMB、WMB、WMA」の図柄組合せが表示されたときは、スイカ5に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「WMB、WMA、WMB」の図柄組合せが表示されたときは、スイカ6に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「WMA、WMB、WMB」の図柄組合せが表示されたときは、スイカ7に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「WMB、WMB、WMB」の図柄組合せが表示されたときは、スイカ8に対応する図柄組合せが表示されたと判定する。有効ライン上に「BL、BL、BL」の図柄組合せが表示されたときは、ベルに対応する図柄組合が表示されたと判定する。
【0039】
払出制御手段116は、入賞判定手段115の判定結果に基づいてメダルの払い出しを行う。スイカ1〜8又はベルが入賞したときは9枚のメダルを、特殊役が入賞した時は1枚のメダルを払い出す。なお、特殊役は中リール5Cの中段に特殊図柄が表示されたときのみに入賞と判定されるが、中リール5Cの中段は5つの有効ラインが交差することから、1枚役が5つ入賞したと判定されて実際は5枚のメダルが払い出される。払出制御手段116は、ホッパー14を駆動させてメダル受皿13に払い出す。クレジット機能が有効な場合には、クレジット上限数までクレジットの加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。クレジット上限数に達した後は、ホッパー14を駆動させて残りの未払出メダルをメダル受皿13に払い出す。
【0040】
リプレイ処理手段117は、リプレイに対応する図柄組合せが表示された場合に、次回の遊技に必要な数のメダルを自動投入する。従って、リプレイに対応する図柄組合せが表示された場合には、次回の遊技において遊技者がメダルを投入する必要はない。
【0041】
メイン遊技状態制御手段118は、図6に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、一般遊技状態、BB成立遊技状態、BB遊技状態、リプレイタイム遊技状態の間で遊技状態を移行させる。なお、メイン遊技状態制御手段118で管理する遊技状態を「メイン遊技状態」といい、後述するサブ制御手段120のサブ遊技状態制御手段126で管理する遊技状態を「サブ遊技状態」という。リプレイタイムを「RT」、リプレイタイム遊技状態を「RT遊技状態」という。RT遊技状態とは、BB成立遊技状態又はBB遊技状態以外で、リプレイの当選確率が一般遊技状態とは異なる遊技状態である。
【0042】
BB成立遊技状態は、一般遊技状態又はRT遊技状態において、BBに当選したことを契機として移行する。BB成立遊技状態においては、図7及び図8に示すように、リプレイ及び小役の当選確率がRT遊技状態と同じに設定されている。BBの抽選は行われないが、BBに対応する図柄組合せが表示されるまでBBの当選フラグが立てられた状態が続く。
【0043】
BB遊技状態における当選態様は、図8に示すように、小役グループ14のみである。しかもその当選確率はほぼ1/1であるから、BB遊技状態に移行するとベル又はスイカ1〜8が頻繁に入賞し、遊技者は投入するメダルより多くのメダルを獲得することができるようになる。なお、BB遊技状態においては、BB及びリプレイの抽選は行われない。
BB遊技状態は、BB遊技中に払い出されたメダルの合計数が、所定数(例えば294枚)を超えると終了する。メイン遊技状態制御手段118は、294枚より多くのメダル払出があると、BB遊技を終了させ、メイン遊技状態をRT遊技状態に移行させる。
【0044】
図7に示した通り、RT遊技状態では、リプレイに関する4種類の当選態様があり、リプレイグループ1〜4の当選確率の合計は1/7.30である。一方、一般遊技状態におけるリプレイの当選態様はリプレイグループ1のみであり、その当選確率は1/4.00である。そのため、第1実施形態の遊技機におけるRT遊技状態は、見かけ上は基本的な遊技状態であることから、疑似一般遊技状態とも呼ばれる。
RT遊技状態において、BBに当選するとBB成立遊技状態に移行する。また、予め定められている遊技回数(天井ゲーム数)を消化してもBBに当選しないときは、一般遊技状態に移行する。第1実施形態の遊技機では、天井ゲーム数を900と定めてある。
【0045】
第1実施形態の遊技機においてリプレイグループ2及び3は、押し順リプレイグループである。押し順リプレイグループとは、1つの当選態様であるリプレイグループの中に複数のリプレイがあり、各ストップボタンの操作順序によって、表示される「リプレイに対応する図柄組合せ」が異なる当選態様である。リプレイグループ2に当選すると、リプレイ1及びリプレイ2の当選フラグが立つ。このときの停止操作順序が「左中右」又は「左右中」であれば、リプレイ1に対応する図柄組合せが表示され、停止操作順序が「中左右」、「中右左」、「右左中」又は「右中左」であれば、リプレイ2に対応する図柄組合せが表示される。リプレイグループ3に当選すると、リプレイ1、リプレイ2及びリプレイ3の当選フラグが立つ。このときの停止操作順序が「左中右」又は「左右中」であれば、リプレイ2に対応する図柄組合せが表示され、停止操作順序が「中左右」、「中右左」、「右左中」又は「右中左」であれば、リプレイ1に対応する図柄組合せが表示される。なお、リプレイ3は当選態様の数を増やすための設けられたものであり、リプレイグループ3に当選してもリプレイ3に対応する図柄組合せが表示されることはない。なお、リプレイグループ4に当選すると、リプレイ1及びリプレイ3の当選フラグが立ち、押し順に関係なくストップボタンを操作したときのリールの回転位置によって、リプレイ1に対応する図柄組合せ又はリプレイ3に対応する図柄組合せが表示される。
【0046】
第1実施形態の遊技機において小役グループ1〜12は、押し順小役グループである。押し順小役グループとは、1つの当選態様である小役グループの中に複数の小役があり、各ストップボタンの操作順序によって、表示される「小役に対応する図柄組合せ」が異なる当選態様である。小役グループ1〜4に当選すると、ベル及びそれぞれのグループ内のスイカ(例えば小役グループ1ではスイカ1及びスイカ7)の当選フラグが立つ。このとき最初に操作されたストップボタンが左ストップボタンであれば、ベルに対応する図柄組合せが表示されるように停止制御が行われる。それ以外のストップボタンが最初に操作されたのであれば、小役グループ内のスイカに対応する図柄組合せが表示され得るように停止制御が行われる。スイカに対応する図柄組合せが表示され得るように停止させる制御は、次のように行われる。第1停止では、引き込み範囲内にあるスイカ図柄を引き込む。第2停止又は第3停止では、スイカ1〜8のうち当選している役に対応する図柄組合せを構成する図柄が引き込み範囲内にあるときだけ引き込む。
同様に小役グループ5〜8に当選した場合は、最初に操作されたストップボタンが中ストップボタンであれば、ベルに対応する図柄組合せが表示され、それ以外のストップボタンが最初に操作されたのであれば、各グループ内のスイカに対応する図柄組合せが、表示され得るように停止制御が行われる。小役グループ9〜12に当選した場合は、最初に操作されたストップボタンが右ストップボタンであれば、ベルに対応する図柄組合せが表示され、それ以外のストップボタンが最初に操作されたのであれば、各グループ内のスイカに対応する図柄組合せが、表示され得るように停止制御が行われる。
【0047】
図2に示した各リールの図柄配列を見てわかるとおり、左及び右の各リールには、ベル図柄(BL)は均等な位置に3個配置されているのに対して、スイカ図柄A(WMA)は2個、スイカB図柄(WMB)は1個配置されているだけである。中リールには、ベル図柄(BL)はほぼ均等な位置に5個配置されているのに対して、スイカ図柄A(WMA)は2個、スイカB図柄(WMB)は3個配置されているだけである。そのため、ベル図柄(BL)は、全てのリールにおいてストップボタンを操作した時のリール回転位置にかかわらずいずれかの有効ライン上に停止させることができる。従って、ベルに対応する図柄組合せをいずれかの有効ライン上に必ず表示でき、取りこぼすことはない。一方、スイカ図柄A(WMA)及びスイカ図柄B(WMB)は、ストップボタンを操作した時のリールの回転位置によっては有効ライン上に停止させることができない。このため、スイカ1〜8に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示できるとは限らず、取りこぼしてしまうことがある。ベルの入賞役を取りこぼし、かつ、スイカ1〜8の入賞役を取りこぼしたときに表示される図柄組合せが、図5に示したブランク1〜4である。
つまり、小役グループ1〜4に当選しているときは、左ストップボタンを最初に操作すると確実にベル入賞が得られるもの、中ストップボタン又は右ストップボタンを最初に操作すると当選態様に含まれるスイカ入賞が得られる場合もあれば、ブランク1〜4に対応する図柄組合せが表示される場合もある。ブランク1〜4は入賞役ではなく、従ってメダルの払い出しはない。
【0048】
BBに当選することなくRT遊技状態が900ゲーム行われると、天井ゲーム数を消化したとして、メイン遊技状態がRT遊技状態から一般遊技状態に移行する。一般遊技状態においては、図7に示すように、BBの当選確率及び小役グループ1〜13の当選確率はRT遊技状態と同じに設定されているが、前記したとおり、リプレイグループ1の当選確率がRT遊技におけるリプレイグループ1〜4合計の当選確率より大きく設定されている。従って、一般遊技状態ではRT遊技状態に比べてメダルの減少を抑えながら遊技することができる。
【0049】
遊技の進行とともに、メイン制御手段110からサブ制御手段120に各種のコマンドが送信される。例えば、遊技者がスタートレバー10を操作すると、スタートスイッチからメイン制御手段に入力があり、それに基づいて抽選が行われ、その後に遊技スタート及び抽選結果コマンドが送信される。ここで、遊技スタート及び抽選結果コマンドとは、遊技が開始されたこと及び不当選又は決定された当選態様に関する情報を伝えるコマンドである。
遊技者がいずれかのストップボタン11L、11C、11Rを操作すると、ストップスイッチからメイン制御手段に入力があり、それに基づいて操作したストップボタンに対応するリール停止コマンドが送信される。ここで、リール停止コマンドとは、停止したリールの種類に関する情報を伝えるコマンドである。
全てのリールが停止すると、入賞判定を行って全リール停止及び表示結果コマンドが送信される。ここで、全リール停止及び表示結果コマンドとは、すべてのリールが停止したこと及び有効ライン上に表示されている入賞役に対応する図柄組合せの種類又は入賞役に対応する図柄組合せが表示されていないことに関する情報を伝えるコマンドである。
有効ライン上にBBに対応する図柄の組合せが表示されると、BB開始コマンドが送信され、BBの終了条件が成立すると、BB終了コマンドが送信される。BB開始コマンドとは、BB遊技が開始した旨の情報を伝えるコマンドであり、BB終了コマンドとは、BB遊技が終了した旨の情報を伝えるコマンドである。
【0050】
サブ制御手段120は、図4に示すように、これらのコマンドを受信して液晶表示装置3、報知ランプ6、音響装置7などの報知装置の制御を行うものであり、演出制御手段121、遊技スタート処理手段122、各リール停止処理手段123、全リール停止処理手段、BB終了処理手段125、サブ遊技状態制御手段126及びサブ記憶手段127を含んでいる。
【0051】
演出制御手段121は、サブ記憶手段127に記憶されている演出データに基づいて液晶表示装置3、報知ランプ6、音響装置7等の報知装置を用いて演出を実行する。メイン制御手段110から受信したコマンドを解析して、新たな演出を選択して実行したり、現在の演出を続行したりする制御を行う。
【0052】
遊技スタート処理手段122は、遊技スタート及び抽選結果コマンドを受信したときの処理を行う。前記したとおり、本実施形態の遊技機には押し順リプレイグループ及び押し順小役グループがある。押し順小役グループには、確実にベル入賞が得られる停止操作順序(正解打順)と、スイカ入賞が得られる可能性もあるがハズレの図柄組合せも表示される可能性もある停止操作順序(不正解打順)とがある。遊技スタート処理手段122は、所定の条件が成立すると、遊技者に確実にベル入賞が得られる停止操作順序を報知(正解打順ナビ)する制御、すなわちアシストタイム遊技の制御を行う。
【0053】
各リール停止処理手段123は、操作したストップボタンに対応するリール停止コマンドを受信したときの処理を行う。メイン制御手段110から送信されたリール停止コマンドが、1回の遊技において何番目に送信されたリール停止コマンドであるか判別し、そのコマンドの判別結果をサブ記憶手段127に一時記憶する。
【0054】
全リール停止制御手段124は、全リール停止及び表示結果コマンドを受信したときに処理を行うものであり、停止操作順序判別手段1241、停止操作順序カウンタ1242、停止操作順序カウンタ更新手段1243及び所定値判定手段1244が含まれている。
停止操作順序判別手段1241は、上記したリール停止コマンドの判別結果の一時記憶に基づいて停止操作順序を判別する。
停止操作順序カウンタ1242は、遊技者が行った停止操作順序の回数をカウントするためものであり、停止操作順序の種類に対応して設けられている。前記した6種類の停止操作順序のうち、「左中右」及び「左右中」に対応する第1の停止操作順序カウンタ、「中左右」及び「中右左」に対応する第2の停止操作順序カウンタ、並びに「右中左」及び「右左中」に対応する第3の停止操作順序カウンタが設けられている。これによって、第1番目の停止操作ごとに閾値を設定することができる。
停止操作順序カウンタ更新手段1243は、停止操作順序の判別結果に基づいて停止操作順序カウンタの更新を行う。停止操作順序カウンタに初期設定された値から、1回の遊技を行うごとに、その遊技の停止操作順序に対応した停止操作順序カウンタの値を1減算する。1回の遊技において最初に受信したリール停止コマンドが左リール停止コマンドであれば、第1の停止操作順序カウンタの値が1減算されることになる。
所定値判定手段1244は、いずれかの停止操作順序カウンタが所定値に達したか否かを判定する。上記の停止操作順序カウンタでは、カウンタの値が0になると所定値に達したと判定される。
【0055】
BB終了処理手段125は、BB終了コマンドを受信したときの処理を行う。BB遊技が終了したときに、第1〜第3の停止操作順序カウンタに閾値を設定する。BB終了コマンドの受信に基づいて乱数値を取得し、取得した乱数値と図10の閾値テーブル抽選テーブルとを参照して、A〜Fの6種類の閾値テーブルのなかから1の閾値テーブルを選択する。次に、選択した閾値テーブルに基づいて、図9で設定されている閾値を対応する各停止操作順序カウンタに設定する。
例えば、テーブルAが閾値テーブルとして選択されると、第1停止操作順序カウンタの閾値を900、第2停止操作順序カウンタの閾値を600、第3停止操作順序カウンタの閾値を300にそれぞれ設定する。
【0056】
サブ遊技状態制御手段126(遊技状態制御手段)は、サブ遊技状態を移行させる制御を行う。メイン遊技状態がBB成立遊技状態のときは、サブ遊技状態もBB成立遊技状態に、メイン遊技状態がBB遊技状態のときは、サブ遊技状態もBB遊技状態となるように制御する。また、メイン遊技状態が一般遊技状態のときは、所定の条件が成立していない場合は、サブ遊技状態は一般遊技状態かつ非アシストタイム遊技状態となるように制御する。メイン遊技状態がRT遊技状態のときは、所定の条件が成立していない場合は、サブ遊技状態はRT遊技状態かつ非アシストタイム遊技状態となるように制御する。そして、サブ遊技状態が一般遊技状態又はRT遊技状態であり、かつ、非アシストタイム遊技状態のときに所定の条件が成立すると、サブ遊技状態を一般遊技状態又はRT遊技状態であり、かつ、アシストタイム遊技状態に設定する制御を行う。アシストタイムを「AT」、アシストタイム遊技状態を「AT遊技状態」という。
本発明の第1実施形態において、サブ遊技状態が非AT遊技状態のときが、遊技者にとって基本状態である通常遊技状態であり、サブ遊技状態がAT遊技状態のときが、遊技者にとって通常遊技状態に比べて有利である有利遊技状態である。
【0057】
(第1実施形態の制御方法)
本実施形態の遊技機の制御方法を、図11〜図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。図11〜図15は、メイン制御手段110によって行われる処理のフローチャートであり、図16〜図20は、サブ制御手段120によって行われる処理のフローチャートである。
【0058】
図11に示す通り、投入受付手段111は、メダル投入スイッチ201又はベットスイッチ202から信号が入力され、3枚のメダルが投入されたことを検知すると、全ての有効ラインL1〜L5を有効化する(ステップS100)。規定枚数のメダル投入後にスタートスイッチ203から信号が入力されると、スタートレバーが操作されたと判断する(ステップS110でY)。
【0059】
次に、役抽選手段113は、当選態様を決定する役抽選を行う(ステップS120)。役抽選は、図12に示すように、スタートスイッチ203からの信号入力があったときに、0〜65535の中から1つの乱数値を取得する(ステップS121)。図7及び図8に示した役抽選テーブルの中からメイン遊技状態に対応したテーブルを参照し、当選態様又は不当選を決定する。いずれかの当選態様が決定された場合(ステップS122でY)には、その当選態様に応じた当選フラグをメイン記憶手段(119)にセットする(ステップ123)。不当選の場合(ステップS122でN)は、当選フラグのセットを行わない。この後に、メイン制御手段からサブ制御手段へ、遊技スタート及び抽選結果コマンドが送信される。
次に、当選態様がBBであるか判断し、BBである場合(ステップS124でY)は、メイン遊技状態制御手段118が、メイン遊技状態をBB成立遊技状態に変更(ステップS125)する。当選態様がBB以外である場合(ステップS124でN)はメイン遊技状態を変更しない。そして、メイン制御手段のメインフローチャートに戻る。
【0060】
続いてリール制御手段114は、リール5L、5C、5Rの回転を開始させる(ステップS130)。リール5L、5C、5Rの回転速度が所定の速度に達すると、ストップボタン11L、11C、11Rの有効化し(ステップS140)、ストップスイッチ204からの信号の入力に基づいてリール停止制御を行う(ステップS150)。
リール停止制御は、図13に示すように、ストップスイッチ204から信号の入力があると、ストップボタンが操作されたと判断し(ステップS151でY)、ストップスイッチ204からの信号に対応するリールの停止位置を決定し、決定した停止位置にリールを停止させる(ステップS152〜S156)。
【0061】
リールの停止位置の決定は、まず前記したロジック演算によって行われる(ステップS152)。ストップボタンの操作検出位置から停止可能となる5コマ(図柄)分の停止位置の候補について優先度を求める。優先度の高い停止位置の候補が1つである場合(ステップS153でY)は、最も優先度の高い停止位置の候補を停止位置として決定する(ステップS154)。一方、優先度の高い停止位置の候補が1つでない場合(ステップS153でN)は、停止制御テーブルを参照して停止位置を決定する(ステップS155)。
【0062】
リールの停止位置が決定されると、操作されたストップボタンに対応するリールのステッピングモータへの駆動パルスの供給を停止して、決定された停止位置にリールを停止させる(ステップS156)。この後に、メイン制御手段からサブ制御手段へ、停止したリールに対応するリール停止コマンドが送信される。
これらの処理を全てのリールが停止するまで繰返し、全リールが停止した場合(ステップS157でY)は、メイン制御手段のメインフローチャートに戻る。
【0063】
次に、入賞判定手段115は、入賞判定制御(ステップS160)を行う。
入賞判定手段115は、図14に示すように、いずれかの有効ライン上にBBに対応する図柄組合せが表示されたか判定する。表示された場合(ステップS161でY)は、メイン遊技状態制御手段118がメイン遊技状態をBB遊技状態に変更し、BB終了条件をセットする(ステップS162)。本実施形態では、294枚を超えるメダル払い出しでBBを終了させるように設定する。BBに対応する図柄組合せが表示されてない場合(ステップS161でN)は、メイン遊技状態を変更せずに次の処理(ステップS163)に進む。
【0064】
入賞判定手段115は、有効ライン上にリプレイ(リプレイ1〜4)に対応する図柄組合せが表示されたか判定し、表示された場合(ステップS163でY)は、リプレイに対応する図柄組合せの表示がなされたことをメイン記憶手段(119)に一時的に保存する(ステップS164)。リプレイに対応する図柄組合せが表示されてない場合(ステップS163でN)は、そのまま次の処理(ステップS165)に進む。
入賞判定手段115は、有効ライン上に小役(ベル、スイカ1〜8又は特殊役)に対応する図柄組合せが表示されたか判定する。表示された、つまり小役入賞が生じた場合(ステップS165でY)は、払出制御手段116が入賞した小役の配当に基づいてメダルを払い出す(ステップS166)。ベル及びスイカ1〜8のいずれかが入賞したときは9枚のメダルを払い出し、特殊役が入賞したときは5枚のメダルを払い出す。小役入賞が生じてない場合(ステップS165でN)は、メダルの払い出しは行われない。なお、S165の直後に、メイン制御手段からサブ制御手段へ、全リール停止及び表示結果コマンドが送信される。
【0065】
次に、メイン遊技状態制御手段118が、現在のメイン遊技状態がRT遊技状態であるか判断する。RT遊技状態である場合(ステップS167でY)は、メインRT天井カウンタを更新する(ステップS171)。メイン遊技状態がRT遊技状態に設定されたときに、メインRT天井カウンタの値は900に設定されている。RT遊技を1回行うごとにメインRT天井カウンタが減算される。そして、RT遊技状態の終了条件に達したか、つまりメインRT天井カウンタの値が0であるか判定し、0である場合(ステップS169でY)には、メイン遊技状態を一般遊技状態に変更し(ステップS170)、0でない場合(ステップS169でN)には、メイン遊技状態は変更しない。また、メイン遊技状態がRT遊技状態でない場合(ステップS167でN)は、ステップS168〜ステップS170の処理は行わない。
【0066】
続いて、メイン遊技状態制御手段118は、図15に示すように、現在のメイン遊技状態がBB遊技状態であり、かつ、BB終了条件に達したか判断する。BB遊技状態であってBB終了条件に達した場合(ステップS171及びステップS172でY)は、メイン遊技状態をRT遊技状態に変更して、上記した通り、RT遊技状態の終了条件としてメインRT天井カウンタの値を900にセットする(ステップS173)。この後に、メイン制御手段からサブ制御手段へ、BB終了コマンドが送信される。メイン遊技状態がBB遊技状態でない場合又はBB遊技状態であってもBB終了条件に達していない場合(ステップS171又はステップS172でN)は、メイン遊技状態を変更せずに次の処理(ステップS174)に進む。
【0067】
次に、リプレイ処理手段117が、メイン記憶手段119にリプレイに対応する図柄組合せ表示がなされたことの一時記憶があるか確認する。一時記憶がある場合(ステップS174でY)には、メダルの自動投入を行い(ステップS175)、ない場合(ステップS174でY)にはメダルの自動投入を行わずに、メイン制御手段のメインフローチャートに戻る。そして、メイン制御手段の処理を終了する。
【0068】
サブ制御手段120は、メイン制御手段110が上記処理を行いながら送信する各種のコマンドを受信して、一定時間(例えば4ms)ごとに図16〜図20に示す制御を行う。メイン制御手段110からのコマンドを受信すると、コマンドの種類及び内容を解析してサブ記憶手段127に受信したコマンドの内容を受信コマンド記憶領域に一時的に保存する(ステップS200)。
【0069】
次に、演出制御手段121が、コマンドの解析結果に基づいて新たな演出データをセットしたり、既にセットされている演出データに対応した演出を実行したりする(ステップS210)。例えば、表示結果コマンドとしてBBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された旨のコマンドを受信したときは、音響装置7からファンファーレ音を出力する演出データ、報知ランプ6を高速で点滅させる演出データ、及び液晶表示装置3にBB遊技用の動画を表示させる演出データをセットする。また、スタートレバーの操作及び抽選結果コマンド受信したときは、音響装置7からリールが回転していることを示す音を出力する演出データをセットする。
【0070】
次に、遊技スタート処理手段122が、遊技スタート処理を行う(ステップS220)。図17に示すように、サブ記憶手段127の受信コマンド記憶領域を参照して、遊技スタート及び抽選結果コマンドが記憶されているか、つまりは遊技スタートか判断する。そのようなコマンドが記憶されていない場合(ステップS221でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
遊技スタート及び抽選結果コマンドが記憶されている場合(ステップS221でY)は、サブ遊技状態がAT遊技状態であり、かつ、報知役に当選したか判断する。AT遊技状態であり、かつ、報知役に当選した場合(ステップS222及びステップS223でY)は、正解打順ナビを発生させるように演出データをセットする(ステップS224)。AT遊技状態でない場合(ステップS222でN)又はAT遊技状態であっても報知役に当選していない場合(ステップS223でN)は、もちろん正解打順ナビの演出データはセットされない。
報知役に当選したか否かは抽選結果コマンドを参照して行われる。報知役とは、当選態様の種類又は停止操作順序を遊技者に報知することが有用な当選態様のことである。本実施形態では、小役グループ1〜12がこれに該当する。正解打順とは、前記したとおりベル入賞が得られる停止操作順序であり、正解打順ナビとは、ベル入賞が得られる停止操作順序を遊技者に報知することである。
【0071】
正解打順ナビの演出データがセットされると、ベル入賞が得られる停止操作順序を遊技者に報知する演出が実行される。例えば、液晶表示装置3に最初に停止すべきリールを表示して報知することができる。また、リールの回転が一定の速度に達したときに、ストップボタン11L、11C、11R背面に設けたLEDを赤色点灯から緑色点灯に切り換えてストップボタンが有効化したことを報知するが、その際に最初に操作すべきストップボタンを緑色の点滅表示とすることによって報知することもできる。
【0072】
次に、サブ遊技状態制御手段126が、サブ記憶手段127のコマンド受信領域を参照してBBの当選を示す抽選結果コマンドが記憶されているか、つまりBB当選か判断する。そのようなコマンドが記憶されていない場合(ステップS225でN)は、サブ遊技状態を変更せずにサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。記憶されている場合(ステップS225でY)は、サブ遊技状態をBB成立遊技状態に設定して(ステップS226)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。このとき必要であれば、BB当選を示唆する演出データをセットする。
【0073】
次に、各リール停止処理手段123が、各リール停止処理を行う(ステップS230)。図18に示すように、サブ記憶手段127の受信コマンド記憶領域を参照して、リール停止コマンドが記憶されているか判断する。リール停止コマンドの記憶がない場合(ステップS231でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。リール停止コマンドの記憶がある場合(ステップS231でY)は、それが当該遊技において第1番目に受信したリール停止コマンドであるか判断する。第1番目に受信したリール停止コマンドである、つまり第1停止である場合(ステップS232でY)は、そのリール停止コマンドの種類(左リール停止コマンド、中リール停止コマンド又は右リール停止コマンドのいずれか1つ)をサブ記憶手段127の停止操作順序一時記憶領域に保存して(ステップS232)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。第1停止でない場合(ステップS232でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
第1停止か否かは、サブ記憶手段127の停止操作順序一時記憶を参照して、リール停止コマンドの種類が記憶されていなければ第1停止であり、既にリール停止コマンドの種類が記憶されていれば第1停止ではないこととなる。なお、サブ記憶手段の停止操作順序一時記憶は、次回の遊技スタートコマンド受信時にクリアされる。
【0074】
次に、全リール停止処理手段124が、全リール停止処理を行う(ステップS240)。図19に示すように、サブ記憶手段127の受信コマンド記憶領域を参照して、全リール停止及び表示結果コマンドが記憶されているか、つまりは全リール停止か判断する。そのようなコマンドが記憶されてないと判定した場合(ステップS241でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
全リール停止及び表示結果コマンドが記憶されている場合(ステップS241でY)は、サブ遊技状態制御手段126が、記憶されているコマンドがBBに対応する図柄組合せを表示した旨のコマンドであるか、すなわちBB表示であるか判断する。BB表示である場合(ステップS242でY)は、サブ遊技状態をBB遊技状態に変更してから(ステップS234)、BB表示でない場合(ステップS242でN)はサブ遊技状態を変更せずに、次の処理(ステップS244)に進む。
【0075】
次に、サブ遊技状態が非AT遊技状態であるか判断する。AT遊技状態である場合(ステップS244でN)は、ステップS249の処理に進む。非AT遊技状態である場合(ステップS244でY)は、停止操作順序判別手段1241が、サブ記憶手段127の停止操作順序一時記憶を参照して停止操作順序を判別し(ステップS245)、続いて停止操作順序カウンタ更新1243が、停止操作順序判別手段1241の判別結果に対応する停止操作順序カウンタを1減算する(ステップS246)。
次に、所定値判定手段1244が、いずれかの停止操作順序カウンタの値が0になったか判定する。カウンタ値が0でない場合(ステップS247でN)は、ステップS249の処理に進む。カウンタ値が0である場合(ステップS247でY)は、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態をRT遊技状態又は一般遊技状態は変更しないまま、非AT遊技状態をAT遊技状態に変更する(ステップS248)。この処理は、遊技状態制御手段が、サブ遊技状態を、通常遊技状態であるRT遊技状態かつ非AT遊技状態あるいは一般遊技状態かつ非AT遊技状態から、有利遊技状態であるRT遊技状態かつ非AT遊技状態あるいは一般遊技状態かつAT遊技状態に移行させる処理である。
次に、サブ遊技状態がRT遊技状態であって、RT遊技状態の終了条件に達したか判断する。RT遊技状態の終了条件に達してない場合(ステップS249でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。RT遊技状態の終了条件に達している場合(ステップS249でY)は、サブ遊技状態をAT遊技状態又は非AT遊技状態は変更しないまま、RT遊技状態から一般遊技状態に変更して(ステップS250)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。RT遊技状態の終了条件に達したかの判断は、後述するサブRT天井カウンタの値が0であるか否かで行う。
【0076】
次に、BB終了処理手段125が、BB終了処理を行う(ステップS260)。図20に示すように、サブ記憶手段127の受信コマンド記憶領域を参照して、BB終了コマンドが記憶されているか、つまりはBB終了か判断する。BB終了コマンドが記憶されていない場合(ステップS261でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻りサブ制御手段の処理を終える。BB終了コマンドが記憶されている場合(ステップS261でY)は、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態をRT遊技状態かつ非AT遊技状態に変更するとともに、RT遊技状態の終了条件としてサブRT天井カウンタの値を900にセットする(ステップS262)。そして、各停止操作順序カウンタに閾値を設定し(ステップS263)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻りサブ制御手段の処理を終える。
サブRT天井カウンタは、メインRT天井カウンタと同様に、BB遊技状態の終了時にRT遊技の天井ゲーム数をセットするものであり、1回の遊技が行われるごとに値が1減算される。
【0077】
第1実施形態の遊技機において、メイン制御手段110が制御するメイン遊技状態と、サブ制御手段120が制御するサブ遊技状態とは、次のような関係となる。メイン遊技状態がBB遊技状態のときは、サブ遊技状態もBB遊技状態となり、メイン遊技状態がBB成立遊技状態のときは、サブ遊技状態もBB成立遊技状態となる。メイン遊技状態がRT遊技状態のときは、サブ遊技状態はRT遊技状態かつ非AT遊技状態又はRT遊技状態かつAT遊技状態となる。メイン遊技状態が一般遊技状態のときは、サブ遊技状態は一般遊技状態かつ非AT遊技状態又は一般遊技状態かつAT遊技状態となる。本実施形態の遊技機は、BB遊技終了後に所定回数の遊技を行うと、メイン遊技状態がRT遊技状態から一般遊技状態に移行する。それに加え、遊技者がある停止操作順序で所定回数の遊技を行うと、サブ遊技状態が非AT遊技状態からAT遊技状態に移行する。メイン遊技状態がRT遊技状態から一般遊技状態に移行するとリプレイに対応する図柄組合せが表示されることが多くなり、RT遊技状態に比べてメダルの消費が少なくなる。サブ遊技状態が一般遊技状態からAT遊技状態に移行すると小役グループ1〜12に当選したときにベルに対応する図柄組合せを容易に表示させることができるようになり、サブ遊技状態が非AT遊技状態のときよりもメダルの獲得が容易になる。メイン遊技状態が一般遊技状態でかつサブ遊技状態がAT遊技状態であるときは、リプレイに対応する図柄組合せが表示されることが多くなるうえに、メダルの獲得が容易になるので、ほとんどメダルを減少させることなく遊技を続けることができる。
【0078】
本発明の第1実施形態の遊技機は、BB遊技終了後に行う遊技において、遊技者が操作するストップボタンの順序によって、有利遊技状態(サブ遊技状態がAT遊技)に移行するまでの遊技回数が異なる。つまり、遊技者の操作態様によっては、早く有利遊技状態に移行することもあれば、その逆の場合もある。遊技者がより有利に遊技を行うための停止操作順序を考えながら遊技をしていくので、遊技者の打順に対する意識が高まり、また遊技に対する興味を長く持続させることができる。
【0079】
(第2実施形態の遊技機の概要)
第2実施形態の遊技機は、遊技において特定遊技区間を設け、特定遊技区間でのみ停止操作順序カウンタを更新させるようにしたものである。第1実施形態の遊技機との相違点を中心に第2実施形態の遊技機を説明する。第2実施形態の遊技機は、遊技機の外観構成、機能ブロック図及び入賞役において、第1実施形態の遊技機と変わるところはないが、メイン遊技状態の構成が同じではない。
【0080】
メイン遊技状態制御手段118は、図21に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、一般遊技状態、BB成立遊技状態、BB遊技状態、2種類のリプレイタイム遊技状態(RT1遊技状態とRT2遊技状態)の間で遊技状態を移行させる。一般遊技状態からRT1遊技状態への移行は、リプレイ2に対応する図柄組合せがいずれかの有効ライン上に表示されたことを条件として行われる。一般遊技状態からRT2遊技状態への移行は、特殊役に対応する図柄組合せがいずれかの有効ライン上に表示されたことを条件として行われる。RT1遊技状態から一般遊技状態への移行は、ブランク1〜4に対応する図柄組合せがいずれかの有効ライン上に表示されたことを条件として行われる。RT1遊技状態から一般遊技状態への移行は、RT2遊技状態での遊技を5回実施したことを条件として行われる。
【0081】
本実施形態の遊技機においてメイン遊技状態が、一般遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態の役抽選テーブルを図22に示す。なお、BB成立遊技状態及びBB遊技状態の役抽選テーブルは、図8に示した第1実施形態の遊技機の役抽選テーブルと同じであるので省略する。
一般遊技状態では、リプレイに関する当選態様はリプレイグループ1〜4であり、リプレイグループ1〜4の合成確率は1/7.30である。RT1遊技状態及びRT2遊技状態では、リプレイに関する当選態様はリプレイグループ1のみであり、その当選確率は、RT1遊技状態が1/2.00、RT2遊技状態が1/4.00である。従って、RT1遊技状態>RT2遊技状態>一般遊技状態の順で、リプレイに対応する図柄組合せが表示される確率が大きくなっている。リプレイに対応する図柄組合せが頻繁に表示されるとメダル投入なしで遊技できる回数が増え、その結果、遊技で消費するメダルを少なくすることができる。
【0082】
第2実施形態の遊技機では、停止操作順序カウンタとして、中ストップボタン、左ストップボタン、右ストップボタンの順に操作したことに対応する第1の停止操作順序カウンタ、中ストップボタン、右ストップボタン、左ストップボタンの順に操作したことに対応する第2の停止操作順序カウンタ、右ストップボタン、左ストップボタン、中ストップボタンの順に操作したことに対応する第3の停止操作順序カウンタ、及び右ストップボタン、中ストップボタン、左ストップボタンの順に操作したことに対応する第4の停止操作順序カウンタが設けられている。
このようにすると、6種類全ての停止操作順序が有利遊技状態に導くのではなく、ある停止操作順序でストップボタンを操作しても有利遊技状態が生じない仕様とすることが可能となる。
【0083】
図23に示すように、上記4つの停止操作順序カウンタにそれぞれ閾値を設定するため、閾値テーブルA〜閾値テーブルLが、サブ記憶手段127に記憶されている。そして、閾値テーブルの選択は、0〜65535の乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した乱数値と図24の閾値テーブル抽選テーブルとを参照して行う。閾値テーブルA〜閾値テーブルLの選択確率は、いずれも約1/12である。そして、選択された閾値テーブルに基づいて、図23で設定されている閾値を対応する各操作順序カウンタの閾値として設定する。
例えば、テーブルLが閾値テーブルとして選択されると、第1停止操作順序カウンタの閾値を10、第2停止操作順序カウンタの閾値を20、第3停止操作順序カウンタの閾値を15、第3停止操作順序カウンタの閾値を5にそれぞれ設定する。
【0084】
(第2実施形態の制御方法)
第2実施形態の遊技機の制御方法は、メイン制御手段及びサブ制御手段のいずれも、前記した第1実施形態の遊技機の制御方法と多くの部分で共通する。第1実施形態の遊技機と制御方法が相違する部分について説明する。
【0085】
図11〜図15に示したメイン制御手段110によって行われる処理のフローチャートにおいて、図11〜図13に示したフローチャートは同じであるが、図14及び図15に示した入賞判定制御は第1実施形態と異なる部分がある。
【0086】
第2実施形態の入賞判定制御を、図25及び図26を参照しながら説明する。
図25に示すように、入賞判定手段115は、いずれかの有効ライン上にBBに対応する図柄組合せが表示されたか判定する。表示されたと判定した場合(ステップS361でY)は、メイン遊技状態制御手段118がメイン遊技状態をBB遊技状態に変更し、BB終了条件をセットする(ステップS362)。BBに対応する図柄組合せが表示されてないと判定した場合(ステップS361でN)は、メイン遊技状態を変更せずに次の処理(ステップS363)に進む。
【0087】
入賞判定手段115は、有効ライン上にリプレイ(リプレイ1〜4)に対応する図柄組合せが表示されたか判定し、リプレイに対応する図柄組合せが表示されてない場合(ステップS363でN)は、小役の入賞判定(ステップS367)に進む。リプレイに対応する図柄組合せが表示された場合(ステップS363でY)は、リプレイに対応する図柄組合せの表示がなされたことをメイン記憶手段119に一時的に保存する(ステップS364)。そして、表示されたのがリプレイ2に対応する図柄組合せである場合(ステップS365でY)は、メイン遊技状態制御手段118が、メイン遊技状態をRT1遊技状態に変更して(ステップS366)、表示されたのがリプレイ2に対応する図柄組合せでない場合(ステップS365でN)は、メイン遊技状態を変更しないで、次の処理(ステップS367)に進む。
【0088】
次に、入賞判定手段115は、有効ライン上に小役(ベル、スイカ1〜8又は特殊役)に対応する図柄組合せが表示されたか判定する。いずれかの小役に対応する図柄組合せが表示された、つまり小役入賞が生じた場合(ステップS367でY)は、払出制御手段116が入賞した小役の配当に基づいてメダルを払い出す(ステップS368)。小役入賞が生じてない場合(ステップS367でN)は、メダルの払い出しは行われずに、次の処理(ステップS371)に進む。なお、ステップS367の判断が行われたときに、メイン制御手段からサブ制御手段へ、全リール停止及び表示結果コマンドが送信される。
【0089】
そして、表示されたのが特殊役に対応する図柄組合せである場合(ステップS369でY)は、メイン遊技状態制御手段118が、メイン遊技状態をRT2遊技状態に変更し、RT2遊技状態の終了条件として、メインRT2天井カウンタの値を5に設定する(ステップS370)。表示されたのが特殊役に対応する図柄組合せでない場合(ステップS369でN)は、メイン遊技状態を変更しないで次の処理(ステップS371)に進む。
【0090】
次に、図26に示すように、メイン遊技状態制御手段118が、現在のメイン遊技状態がRT1遊技状態であるか判断する。RT1遊技状態である場合(ステップS371でY)は、ブランク1〜4に対応する図柄組合せが表示されたか、つまりブランク表示であるか判断する。ブランク1〜4に対応する図柄組合せが表示された場合(ステップS372でY)は、メイン遊技状態制御手段118が、メイン遊技状態を一般遊技状態に変更する(ステップS373)。RT1遊技状態でない場合(ステップS371でN)及びブランク1〜4に対応する図柄組合せが表示されていない場合(ステップS372でN)は、メイン遊技状態を変更しないで次の処理(ステップS374)に進む。
【0091】
次に、メイン遊技状態制御手段118が、現在のメイン遊技状態がRT2遊技状態であるか判断する。RT2遊技状態である場合(ステップS374でY)は、RT2遊技状態の終了条件に達したか、つまりメインRT2天井カウンタの値が0か判断する。メインRT2天井カウンタの値が0である場合(ステップS375でY)は、メイン遊技状態制御手段118が、メイン遊技状態を一般遊技状態に変更する(ステップS376)。RT2遊技状態でない場合(ステップS374でN)及びメインRT2天井カウンタが0ではない場合(ステップS375でN)は、メイン遊技状態を変更しないで次の処理(ステップS377)に進む。
【0092】
次に、メイン遊技状態制御手段118は、メイン遊技状態がBB遊技状態であり、かつ、BB終了条件に達したか判断する。BB遊技状態であってBB終了条件に達した場合(ステップS377及びステップS378でY)は、メイン遊技状態を一般遊技状態に変更する(ステップS379)。この後に、メイン制御手段110からサブ制御手段120へ、BB終了コマンドが送信される。メイン遊技状態がBB遊技状態でない場合又はBB遊技状態であってもBB終了条件に達していない場合(ステップS377又はステップS378でN)は、メイン遊技状態を変更せずに次の処理(ステップS380)に進む。
【0093】
次に、リプレイ処理手段117が、メイン記憶手段119にリプレイに対応する図柄組合せ表示がなされたことの一時記憶があるか判断する。一時記憶がある場合(ステップS380でY)は、メダルの自動投入を行ってから(ステップS381)、ない場合(ステップS380でY)はメダルの自動投入を行わずに、メイン制御手段のメインフローチャートに戻る。
【0094】
図16〜図20に示したサブ制御手段120によって行われる処理のフローチャートにおいて、図16、図17及び図20に示した処理のフローチャートは同じであるが、図18の各リール停止処理、図19の全リール停止処理が第1実施形態とは異なる。
【0095】
第2実施形態の各リール停止処理を、図27を参照しながら説明する。
各リール停止処理手段123が、サブ記憶手段127の受信コマンド記憶領域を参照して、リール停止コマンドが記憶されているか判断する。リール停止コマンドの記憶がない場合(ステップS431でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。リール停止コマンドの記憶がある場合(ステップS431でY)は、それが当該遊技において第1番目に受信したリール停止コマンドであるか判断する。第1番目に受信したリール停止コマンドである、つまり第1停止である場合(ステップS432でY)は、そのリール停止コマンドの種類(左リール停止コマンド、中リール停止コマンド又は右リール停止コマンドのいずれか1つ)をサブ記憶手段127の停止操作順序一時記憶領域に保存して(ステップS432)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。第1停止でない場合(ステップS432でN)は次の処理(ステップS434)に進む。
【0096】
次に、受信したリール停止コマンドが、当該遊技において第2番目に受信したリール停止コマンドであるか判断する。第2番目に受信したリール停止コマンドである、つまり第2停止であると判定した場合(ステップS434でY)は、そのリール停止コマンドの種類をサブ記憶手段127の第2停止操作順序一時記憶領域に保存して(ステップS435)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。第2停止でないと判定した場合(ステップS434でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
第1停止か否かは、サブ記憶手段127の第1停止操作順序一時記憶を参照して、リール停止コマンドの種類が記憶されていなければ第1停止と判定でき、既にリール停止コマンドの種類が記憶されていれば第1停止ではないと判定できる。同様に第2停止か否かについても、サブ記憶手段127の第2停止操作順序一時記憶を参照して判定できる。なお、サブ記憶手段の停止操作順序一時記憶は、次回の遊技スタートコマンド受信時にクリアされる。
【0097】
第2実施形態の全リール停止処理を、図28及び図29を参照しながら説明する。
まず、図28に示すように、全リール停止処理手段124が、サブ記憶手段127の受信コマンド記憶領域を参照して、全リール停止及び表示結果コマンドが記憶されているか、つまりは全リール停止か判断する。そのようなコマンドが記憶されてない場合(ステップS441でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
全リール停止及び表示結果コマンドが記憶されている場合(ステップS441でY)は、サブ遊技状態制御手段126が、記憶されているコマンドがBBに対応する図柄組合せを表示した旨のコマンドであるか、すなわちBB表示であるか判断する。BB表示である場合(ステップS442でY)は、サブ遊技状態をBB遊技状態に変更してから(ステップS234)、BB表示でない場合(ステップS442でN)はサブ遊技状態を変更せずに、次の処理(ステップS444)に進む。
【0098】
次に、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態が一般遊技状態であって、記憶されているコマンドがリプレイ2に対応する図柄組合せを表示した旨のコマンドであるか、すなわちリプレイ2表示であるか判断する。一般遊技状態におけるリプレイ2表示である場合(ステップS444でY)は、サブ遊技状態を、AT遊技状態又は非AT遊技状態は変更しないまま、一般遊技状態からRT1遊技状態に変更し(ステップS445)、リプレイ2表示ではない場合(ステップS444でN)は、サブ遊技状態を変更せずに、次の処理(ステップS446)に進む。
【0099】
次に、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態が一般遊技状態であって、記憶されているコマンドが特殊役に対応する図柄組合せを表示した旨のコマンドであるか、すなわち特殊役表示であるか判断する。一般遊技状態における特殊役表示である場合(ステップS446でY)は、サブ遊技状態を、AT遊技状態又は非AT遊技状態は変更しないまま、一般遊技状態からRT2遊技状態に変更し、RT2遊技状態の終了条件としてサブRT2天井カウンタの値を5にセットする(ステップS447)。続いてRT2遊技状態移行フラグをセットする(ステップS448)。RT2遊技状態移行フラグは、RT2遊技状態に移行する契機となった遊技であることを示すフラグである。特殊役表示でない場合(ステップS446でN)は、そのまま次の処理(ステップS449)に進む。
次に、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態がRT1遊技状態であって、記憶されているコマンドがブランクに対応する図柄組合せを表示した旨のコマンドであるか、すなわちブランク表示であるか判断する。RT1遊技状態におけるブランク表示である場合(ステップS449でY)は、サブ遊技状態を、AT遊技状態又は非AT遊技状態は変更しないまま、RT1遊技状態から一般遊技状態に変更する(ステップS450)。ブランク表示でない場合(ステップS449でN)は、そのまま次の処理(ステップS451)に進む。
【0100】
次に、図29に示すように、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態がRT2遊技状態であるか判断する。RT2遊技状態ではない場合(ステップS451でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。RT2遊技状態である場合(ステップS451でY)は、RT2遊技状態移行フラグが未セットであるか判断する。RT2遊技状態移行フラグがセットされている場合(ステップS452でN)は、移行フラグをリセットして(ステップS460)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。RT2遊技状態移行フラグがセットされていない場合(ステップS452でY)は、サブ遊技状態が非AT遊技状態であるか判断する。
【0101】
サブ遊技状態が非AT遊技状態である場合(ステップS453でY)は、停止操作順序判別手段1241が、サブ記憶手段127の停止操作順序一時記憶を参照して停止操作順序を判別し(ステップS454)、続いて停止操作順序カウンタ更新手段1243が、停止操作順序判別手段1241の判別結果に対応する停止操作順序カウンタを1減算する(ステップS455)。
次に、所定値判定手段1244が、いずれかの停止操作順序カウンタの値が0になったか判定する。いずれの停止操作順序カウンタの値も0でない場合(ステップS456でN)は、サブ遊技状態を変更せずに、いずれかの停止操作順序カウンタの値が0である場合(ステップS456でY)は、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態をRT2遊技状態は変更しないまま、非AT遊技状態からAT遊技状態に変更して(ステップS457)、次の処理(ステップS458)に進む。
この処理は、遊技状態制御手段が、サブ遊技状態を、通常遊技状態である非AT遊技状態から、有利遊技状態であるAT遊技状態に移行させる処理である。なお、サブ遊技状態がAT遊技状態である場合(ステップS453でN)は、これらの処理は行われない。
次に、RT2遊技状態の終了条件に達したか、つまりサブRT2天井カウンタの値が0であるか判定し、サブRT2天井カウンタが0ではない場合(ステップS458でN)はそのまま、サブRT2天井カウンタが0である場合(ステップS457でY)は、サブ遊技状態制御手段126がサブ遊技状態を、AT遊技状態又は非AT遊技状態は変更しないまま、RT2遊技状態から一般遊技状態に変更して(ステップS459)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
【0102】
前記したとおり、リプレイに関する当選態様のうち、リプレイグループ2とリプレイグループ3は、停止操作順序によって表示される図柄組合せが異なる押し順リプレイグループである。従って、RT2遊技状態への移行条件となるリプレイ2に対応する図柄組合せは、当選態様に応じて所定の停止操作順序が行われた場合にのみ表示される。このため第2実施形態の遊技機では、小役グループ1〜12に加えてリプレイグループ2及び3も報知役としている。
サブ遊技状態がAT遊技状態において、メイン遊技状態が一般遊技状態のときにリプレイグループ2又は3に当選すると、リプレイ2に対応する図柄組合せを表示できる停止操作順序が報知される。サブ遊技状態がAT遊技状態でメイン遊技状態が一般遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態のいずれかのときは、小役グループ1〜12に当選すると、ベルに対応する図柄組合せを表示できる停止操作順序が報知される。このため、メイン遊技状態がRT1遊技状態のときに、ブランク1〜4に対応する図柄組合せが表示されるのを回避可能となり、メイン遊技状態がRT1遊技から一般遊技に移行するのを防ぐことができる。
【0103】
第2実施形態の遊技機において、メイン制御手段110が制御するメイン遊技状態と、サブ制御手段120が制御するサブ遊技状態とは、次のような関係となる。メイン遊技状態がBB遊技状態のときは、サブ遊技状態もBB遊技状態となり、メイン遊技状態がBB成立遊技状態のときは、サブ遊技状態もBB成立遊技状態となる。メイン遊技状態が一般遊技のときは、サブ遊技状態は一般遊技かつ非AT遊技状態又は一般遊技かつAT遊技状態となる。メイン遊技状態がRT1遊技状態のときは、サブ遊技状態は、RT1遊技かつ非AT遊技状態又はRT1遊技かつAT遊技状態となる。メイン遊技状態がRT2遊技状態のときは、サブ遊技状態はRT2遊技かつ非AT遊技状態又はRT2遊技かつAT遊技状態となる。
【0104】
第2実施形態の遊技機において、サブ遊技状態がRT2遊技状態かつ非AT遊技状態のときは停止操作順序カウンタを更新する特定遊技区間である。そして、サブ遊技状態が一般遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態のいずれか、かつ、非AT遊技状態のときが遊技者にとって基本状態である通常遊技状態であり、サブ遊技状態が一般遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態、かつ、AT遊技状態のときが遊技者にとって通常遊技状態に比べて有利である有利遊技状態である。
【0105】
第2実施形態の遊技機は、1回のRT2遊技状態が5回の遊技で構成されており、操作順序カウンタの閾値が5〜20の範囲で設定されるので、1回目のRT2遊技状態でAT遊技に移行することもあれば、複数回のRT2遊技状態を経なければAT遊技状態に移行しないこともある。
上記したように、複数回のRT2遊技状態で累積的に停止操作順序カウンタを更新させることも可能であるが、RT2遊技状態となるごとに停止操作順序カウンタに閾値を設定して、1回のRT2遊技状態ごとに、AT遊技状態に移行するか否かを決定するようにすることもできる。
【0106】
第2実施形態の遊技機は、サブ遊技状態がRT2遊技状態かつ非AT遊技状態となる期間が、サブ遊技状態が一般遊技状態かつ非AT遊技状態の間にある間隔を持って出現する。停止操作順序カウンタの更新を行う遊技機区間と、停止操作順序カウンタの更新を行わない遊技区間とが交互に出現するので、遊技が単調とならず、遊技に対する興味が持続する。遊技者が停止操作順序を意識しながら遊技する遊技区間と、意識しないで遊技する遊技区間とが混在することにより、疲労の蓄積も少ない。
【0107】
(第3実施形態の遊技機の概要)
本発明の遊技機は、遊技における所定の遊技期間において、特定の停止操作順序で遊技が行われた場合に、遊技状態を通常遊技状態よりも不利な遊技状態に移行させることもできる。そのようなタイプの遊技機を本発明の第3実施形態の遊技機として説明する。
第3実施形態の遊技機は、メイン遊技状態が一般遊技状態であってサブ遊技状態が一般遊技状態かつ非AT遊技状態であるときに、遊技者が最初に中ストップボタン11C又は右ストップボタン11Rを操作すると、サブ遊技状態制御手段によって遊技状態を不利遊技状態に移行させるようになっている。
【0108】
第3実施形態の遊技機の不利遊技状態は、サブ遊技状態がAT遊技状態に移行するのを困難にした遊技状態である。具体的には、メイン遊技状態が一般遊技状態でサブ遊技状態が一般遊技状態かつ非AT遊技状態ときに、遊技者が上記したストップボタンの操作を行うと、各停止操作順序カウンタの値を、図30の閾値設定テーブルMに従って再設定するようにしている。
前記したとおり、BB遊技状態の終了後に各停止操作順序カウンタ設定する閾値は、図23に示した閾値テーブルA〜Lの中から選ばれた1つの閾値テーブルに従って設定される。図30に示す閾値設定テーブルMは、図23に示した閾値設定テーブルA〜Lに比べて第1〜第4の停止操作順序カウンタに設定する閾値が大きいことから、サブ遊技状態をAT遊技状態に移行させることが困難になる。
【0109】
(第3実施形態の制御方法)
第3実施形態の遊技機の制御方法は、メイン制御手段及びサブ制御手段のいずれも、前記した第2実施形態の遊技機の制御方法とほとんど同じである。図28及び図29に示したサブ制御手段の全リール停止処理のうち、全リール停止処理手段124が、サブ記憶手段127の受信コマンド記憶領域を参照して、全リール停止及び表示結果コマンドが記憶されているか、つまりは全リール停止か判断する処理(ステップS441)から、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態がRT1遊技状態であって、記憶されているコマンドがブランクに対応する図柄組合せを表示した旨のコマンドであるか、すなわちブランク表示であるか判断する処理(ステップS449)までは同じであり、ステップS450以降の処理が相違する。
【0110】
第3実施形態の遊技機の全リール停止処理を図31及び図32に示す。図31において、図28と同じ処理であるステップS442〜S448は記載を省略してある。全リール停止処理を、図31のステップS449から説明する。
サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態がRT1遊技状態であって、記憶されているコマンドがブランクに対応する図柄組合せを表示した旨のコマンドであるか、すなわちブランク表示であるか判断する。RT1遊技状態におけるブランク表示である場合(ステップS449でY)は、サブ遊技状態を、AT遊技状態又は非AT遊技状態は変更しないまま、RT1遊技状態から一般遊技状態に変更し、一般遊技状態移行フラグをセットする(ステップS450)。ブランク表示でない場合(ステップS449でN)は、そのまま次の処理(ステップS461)に進む。一般遊技状態移行フラグは、一般遊技状態に移行する契機となった遊技であることを示すフラグである。
次に、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態がRT2遊技状態又は一般遊技状態であるか判断する。いずれの遊技状態でもない場合(ステップS461でN)は、そのままサブ制御手段のメインフローチャートに戻る。RT2遊技状態又は一般遊技状態である場合(ステップS461でY)は、RT2遊技状態移行フラグ又は一般遊技状態移行フラグが未セットであるか判断する。いずれかの移行フラグがセットされている場合(ステップS462でN)は、RT2遊技状態移行フラグ及び一般遊技状態移行フラグをリセットして(ステップS473)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。RT2遊技状態移行フラグ又は一般遊技状態移行フラグがセットされていない場合(ステップS462でY)は、サブ遊技状態が非AT遊技状態であるか判断する。非AT遊技状態である場合(ステップS463でY)は、停止操作順序判別手段1241が、サブ記憶手段127の停止操作順序一時記憶を参照して停止操作順序を判別し(ステップS464)、続いて停止操作順序カウンタ更新手段1243が、停止操作順序判別手段1241の判別結果に対応する停止操作順序カウンタを1減算する(ステップS465)。
【0111】
次に、図32に示すように、停止操作順序判別手段1241が、サブ遊技状態が一般遊技かつ非AT遊技状態であるか判断する。それ以外の遊技状態である場合(ステップS466でN)は、ステップS469の処理に進む。サブ遊技状態が一般遊技かつ非AT遊技状態である場合(ステップS466でY)は、サブ記憶手段127の停止操作順序一時記憶を参照してリール停止コマンドの種類を判別し、記憶されているのが左リール停止コマンド以外であるか判別する。記憶されているのが左リール停止コマンドである場合(ステップS467でN)は、そのままステップS469の処理に進む。記憶されているのが左リール停止コマンド以外である場合(ステップS467でY)は、サブ遊技状態制御手段126が、各停止操作順序カウンタに閾値を再セットして(ステップS468)、次の処理(ステップS469)に進む。ここでは、図30に示した閾値テーブルMに従って、各停止操作順序カウンタに閾値がセットされる。
次に、所定値判定手段1244が、いずれかの停止操作順序カウンタの値が0になったか判定する。いずれの停止操作順序カウンタの値も0でない場合(ステップS469でN)は、サブ遊技状態を変更せずに、いずれかの停止操作順序カウンタの値が0である場合(ステップS469でY)は、サブ遊技状態制御手段126が、サブ遊技状態をRT2遊技状態は変更しないまま、非AT遊技状態からAT遊技状態に変更して(ステップS470)、次の処理(ステップS471)に進む。
この処理は、遊技状態制御手段が、サブ遊技状態を、通常遊技状態である非AT遊技状態から、有利遊技状態である非AT遊技状態に移行させる処理である。なお、サブ遊技状態がAT遊技状態である場合(ステップS463でN)は、これらの処理は行われない。
次に、RT2遊技状態の終了条件に達したか、つまりサブRT2天井カウンタの値が0であるか判定し、サブRT2天井カウンタが0ではない場合(ステップS471でN)はそのまま、サブRT2天井カウンタが0である場合(ステップS471でY)は、サブ遊技状態制御手段126がサブ遊技状態を、AT遊技状態又は非AT遊技状態は変更しないまま、RT2遊技状態から一般遊技状態に変更して(ステップS459)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
【0112】
第3実施形態の遊技機において、サブ遊技状態がRT2遊技状態かつ非AT遊技状態のとき及び一般遊技状態かつ非AT遊技状態のときは、停止操作順序カウンタを更新する特定遊技区間である。サブ遊技状態が一般遊技かつ非AT遊技状態のときは、特定の停止操作順序で遊技が行われた場合に、遊技状態を不利遊技状態に移行する所定遊技区間である。そして、サブ遊技状態が一般遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態であり、かつ、非AT遊技状態であるときが遊技者にとって基本状態である通常遊技状態である。サブ遊技状態が一般遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態であり、かつ、AT遊技状態のときが遊技者にとって通常遊技状態に比べて有利である有利遊技状態である。さらに、操作順序カウンタをリセットして閾値を再セットした状態が遊技者にとって通常遊技状態よりも不利である不利遊技状態である。
【0113】
第3実施形態の遊技機は、サブ遊技状態がRT2遊技状態かつ非AT遊技状態が、サブ遊技状態が一般遊技状態かつ非AT遊技状態の間にある間隔を持って出現する。同じ停止操作順序で遊技を行うべき遊技機区間と、自由な停止操作順序で遊技を行える遊技区間とが交互に出現するので、遊技が単調とならず、遊技に対する興味が持続する。遊技者が停止操作順序に注意して遊技しなければならない遊技区間と、停止操作順序を任意に選択して遊技してもよい遊技区間とが混在することにより、疲労の蓄積も少ない。
【0114】
(第4実施形態の遊技機の概要)
本発明の遊技機は、各停止操作順序カウンタの中で、所定値に最も近いと判定された停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を遊技者に報知することも可能である。前記した実施形態1〜3のいずれの遊技機にも適用できるが、第4実施形態の遊技機は、第3実施形態の遊技機に適用した例である。具体的には、サブ遊技状態がRT2遊技状態に移行するたびに抽選を行って、所定値に最接近している停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序の報知を行うか否か決定する。報知すると決定した場合は、所定値に最接近している停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を遊技者に報知する。
【0115】
第3実施形態の遊技機との相違点を中心に、第4実施形態の遊技機を説明する。第4実施形態の遊技機は、図33に示したように、サブ制御手段120に停止操作順序報知制御手段1221及び所定値最接近カウンタ判定手段1245が新たに設けられている。
遊技スタート処理手段122の中に設けられている停止操作順序報知制御手段1221は、所定値に最接近している停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序の報知を行う場合に報知を行うように演出データをセットする。
全リール停止処理手段124の中に設けられている所定値最接近カウンタ判定手段1245は、所定値に最接近している停止操作順序カウンタの種類を判別し、その停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を報知するか抽選する。
【0116】
(第4実施形態の制御方法)
停止操作順序報知制御手段1221の行う処理は、図34示すように、図17で示した遊技スタート処理に追加した処理である(右側の四角で囲った部分)。図17で示した遊技スタート処理では、ステップS222でN、すなわちサブ遊技状態がAT遊技状態でない場合は、そのままステップS225の処理に進んでいた。第4実施形態の遊技機においては、サブ遊技状態がAT遊技状態でない場合に、停止操作順序報知制御手段1221が、サブ記憶手段127を参照して後述する最少打順報知フラグがセットされているか判断する。最少打順報知フラグがセットされていない場合(ステップS527でN)はそのまま、最少打順報知フラグがセットされている場合(ステップS527でY)は、最少打順ナビを発生させるように演出データをサブ記憶手段127にセットして(ステップS528)、次の処理(ステップS225)に進む。ここで、最少打順報知とは、最小値の停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を報知することであり、最少打順ナビとは、最小値の停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を報知する演出である。停止操作順序を報知する演出の態様は、AT遊技における演出の態様と同じにすることもできるが、AT遊技における打順ナビとは異なるものであることが分かるようにするのが好適である。
【0117】
所定値最接近カウンタ判定手段1245の行う処理は、図32の右下に示したM〜Qの処理に追加した処理である。図32の右下のM〜Qで示した処理は、RT2遊技状態移行フラグ及び一般遊技状態移行フラグをリセットする(ステップS473)のみである。
第4実施形態の遊技機では、このリセット処理に先立ち、図35に示すように、所定値最接近カウンタ判定手段1245が、RT2遊技状態移行フラグがセットされているか判断する。セットされている移行フラグが一般遊技状態移行フラグである場合(ステップS501でN)は、一般遊技状態移行フラグをリセットして(ステップS505)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
RT2遊技状態移行フラグがセットされている場合(ステップS501でY)は、所定値に最も近いと判定された停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を遊技者に報知するか否かの抽選を行う。この報知抽選は、乱数値を取得し、取得した乱数値とサブ記憶手段127に記憶してある報知抽選テーブル(図省略)を参照して当選か否かを判定する。抽選の結果、報知しないと決定した場合(ステップS502でN)は、RT2遊技状態移行フラグをリセットして(ステップS505)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。報知すると判定した場合(ステップS502でY)は、所定値最接近カウンタ判定手段1245が、各停止操作順序カウンタの値を参照して値が最も小さい停止操作順序カウンタを判定する(ステップS503)。続いて、サブ記憶手段127に最少打順報知フラグをセットする(ステップS54)。そして、RT2遊技状態移行フラグをリセットして(ステップS505)、サブ制御手段のメインフローチャートに戻る。
【0118】
このように、第4実施形態の遊技機は、サブ遊技状態がRT2遊技状態かつ非AT遊技状態に移行するごとに、所定値に最接近している操作順序カウンタの報知を行うか否かの抽選を行っているので、特定遊技区間に対する遊技者の興趣を一層高めることができる。特定遊技区間に対する興趣が高まれば、BB遊技が終了してから次回のBB遊技が開始するまでの間に遊技者が退屈感を感じることが少なくなり、またストップボタンの操作順序に対する意識は一層向上することになる。
【0119】
(その他の変更例)
停止操作順序カウンタは、停止操作順序ごとに閾値設定用のカウンタと更新用のカウンタを設けてもよい。一方のカウンタに閾値を設定し、他方のカウンタは特定の停止操作順序に基づいて値を加算し、一方のカウンタの値と他方のカウンタの値とが一致したときに所定値に達したと判定することもできる。
【0120】
停止操作順序カウンタの更新は、停止操作順序に基づいて行われるものであればよく、停止操作順序に他の条件を組合わせることもできる。例えば、ある順序でストップボタンを操作し、かつ、特定の図柄組合せが表示された場合、又はある順序でストップボタンを操作し、かつ、特定の図柄組合せ以外の図柄組合せが表示された場合に、停止操作順序カウンタの更新を行ってもよい。さらには、その停止操作順序の役に当選したこと、回転中のリールが所定の位置にあるときにストップボタンが操作されること、リールを所定の位置に停止させることできたことなどの条件を組み合わせることもできる。
【0121】
停止操作順序カウンタの更新は、加算減算のいずれであってもよく、更新数も1に限定する必要はない。ある順序でストップボタンを操作し、かつ、特定の図柄組合せが表示された場合には停止操作順序カウンタを複数更新し、ある順序でストップボタンを操作したが特定の図柄組合せが表示されなかった場合には停止操作順序カウンタを1更新するということもできる。
【0122】
前記の実施形態では、不利遊技状態として停止操作順序カウンタに閾値を再設定する態様を例に挙げたが、そのほかに所定遊技区間で特定の停止操作順序で遊技が行われた場合は、特定遊技区間において停止操作順序カウンタの更新を行わない態様であってもよい。所定遊技区間において1回でも特定の停止操作順序で遊技したら、その後からBB遊技状態となるまでの間に発生する全ての特定遊技区間での停止操作順序カウンタの更新を行わないとしてもよいし、特定の停止操作順序で遊技した後に最初に発生する特定遊技区間のみで停止操作順序カウンタの更新を行わないとしてもよい。また、所定遊技区間において特定の停止操作順序で遊技を行った回数を記憶しておくとともに、特定遊技区間が出現するごとに記憶されている回数を減算し、回数が0になるまで特定遊技区間での停止操作順序カウンタの更新を行わないとしてもよい。
【0123】
不利遊技状態は、有利遊技状態への移行とは無関係に、遊技者に不利な遊技状態を設定することもできる。例えば、第1実施形態の遊技機において、メイン遊技状態がRT遊技状態のときに特定の停止操作順序で遊技をおこなうと、一定の遊技回数(例えば10ゲーム)RT天井カウンタの更新を停止させることであってもよい。また、押し順小役に当選したときに、遊技者に不利となる停止制御テーブルを必ず選択するようにしたものであってもよい。遊技者に不利となる停止制御テーブルを選択するとは、例えば、小役グループ1〜8のいずれかに当選した場合に、どの停止操作順序であってもベルではなくスイカの引き込みを行う停止制御テーブルを選択することである。さらには、1回の遊技ごとにサブ遊技状態をAT遊技状態に移行させるか否かの抽選、すなわちAT遊技状態移行抽選を行い、これに当選するとサブ遊技状態をAT遊技状態に移行させるタイプの遊技機において、所定遊技区間のときに特定の停止操作順序で遊技した場合には、AT遊技状態移行抽選を一定の遊技回数(例えば10ゲーム)行わないことであってもよい。
【0124】
所定遊技区間は、停止操作順序カウンタの更新を行う遊技区間にあってもよいし、停止操作順序カウンタの更新を行わない遊技区間にあってもよい。遊技者に特定の停止操作順序で遊技を行わせたくない遊技区間を所定遊技区間として選ぶことができる。ある遊技区間で特定の停止操作順序で遊技が行われてしまうと、遊技機の出玉率が遊技機設計者の意図していないものとなってしまう場合に、その遊技区間を所定遊技区間とすることができる。
【0125】
第2〜4実施形態の遊技機おいて、最初に左ストップボタンを操作する停止操作順序に対応する第5の停止操作順序カウンタが設け、第5の停止操作順序カウンタに設定する閾値を他の停止操作順序カウンタより大きな値(例えば900)として、サブ遊技状態が一般遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態であり、かつ、非AT遊技状態であるときに、左ストップボタンを最初に操作する遊技が行われたときは第5の停止操作順序カウンタを更新するようにしてもよい。このようにすると、サブ遊技状態がRT2遊技状態かつ非AT遊技状態おいて、いずれの停止操作順序で遊技が行われてもAT遊技状態の移行に寄与できるようになる。また、遊技者は、左ストップボタン、中ストップボタン、右ストップボタンの順にストップボタンを操作して遊技を行うことが多く、このような停止操作順序のみで操作を行ってもAT遊技状態に移行できるようにしておくのもよい。
例えば、第3実施形態の遊技機において、第1〜第4の停止操作順序カウンタに加え、最初に左ストップボタンを操作する停止操作順序に対応する第5の停止操作順序カウンタが設け、第1及び第2停止操作順序カウンタに設定する閾値の合計や第3及び第4停止操作順序カウンタに設定する閾値の合計に対して数倍〜数十倍の大きさの値を第5停止操作順序カウンタに設定する。メイン遊技状態が一般遊技状態であり、サブ遊技状態が一般遊技状態かつ非AT遊技状態である場合にも、停止操作順序に応じた停止操作順序カウンタを更新する。サブ遊技状態が一般遊技状態かつ非AT遊技状態である場合に、中ストップボタン又は右ストップボタンを最初に操作すると、停止操作順序カウンタの値が再セットされてしまうなどの不利遊技状態に移行してしまうが、左ストップボタンを最初に操作し続けるといずれAT遊技状態に移行できることになる。つまり、運悪くメイン遊技状態がRT2遊技状態になかなか移行しない場合であっても、一般遊技状態で適切な遊技を続けていれば、AT遊技状態に移行できる遊技機とすることができる。
【符号の説明】
【0126】
1 筐体、2 前面扉、3 液晶表示装置、4 表示窓、
5 リールユニット、5L 左リール、5C 中リール、5R 右リール
6 報知ランプ、7 音響装置、8 メダル投入口、9 ベットボタン、
10 スタートレバー、11 ストップボタン(リール停止装置)
12 メダル払出口、13 メダル受皿、14 ホッパー
100 遊技制御手段、110 メイン制御手段、120 サブ制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄を配列した複数のリールと、
ハズレ又は入賞役の抽選を行う役抽選手段と、
遊技者によるスタート装置の操作に応じて前記リールの回転を開始させる制御と、前記リールごとに対応したリール停止装置の停止操作に応じて前記リールの回転を停止させる制御とを行うリール制御手段と、
遊技者によって行われた1回の遊技における停止操作の順序である停止操作順序を判別する停止操作順序判別手段と、
それぞれの停止操作順序に対応付けられている停止操作順序カウンタと、
前記停止操作順序判別手段で判別された停止操作順序に対応する前記停止操作順序カウンタの値を更新する停止操作順序カウンタ更新手段と、
それぞれの前記停止操作順序カウンタが所定値に達したか否かを判定する所定値判定手段と、
遊技者にとって基本状態である通常遊技状態と、遊技者にとって通常遊技状態に比べて有利である有利遊技状態とを含む複数の遊技状態があり、通常遊技状態と有利遊技状態とを含む複数の遊技状態の間で遊技状態の移行を制御する遊技状態制御手段とを備え、
前記遊技状態制御手段は、前記所定値判定手段により、少なくとも1つの前記停止操作順序カウンタが所定値に達したと判定した場合に、遊技状態を有利遊技状態に移行させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1において、
遊技において特定の遊技区間である特定遊技区間があり、
前記停止操作順序カウンタ更新手段は、前記特定遊技区間においてのみ特定の前記停止操作順序カウンタの値を更新することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1において、
前記複数の遊技状態として、遊技者にとって通常遊技状態よりも不利である不利遊技状態をさらに含み、
遊技において所定の遊技区間である所定遊技区間があり、
前記遊技状態制御手段は、前記所定遊技区間において特定の停止操作順序で遊技が行われた場合に、遊技状態を不利遊技状態に移行させることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1ないし3において、
複数の前記停止操作順序カウンタのうち、所定値に最も近い前記停止操作順序カウンタを判定する所定値再接近カウンタ判定手段と、
前記所定値再接近カウンタ判定手段によって、所定値に最も近いと判定された前記停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を遊技者に報知する停止操作順序報知手段とを設け、
前記操作順序報知手段は、所定の時期に、所定値に最も近いと判定された前記停止操作順序カウンタに対応する停止操作順序を遊技者に報知することを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−99391(P2013−99391A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244026(P2011−244026)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】