部品表連携3次元CADデータ生成装置及び生成方法
【課題】製品データ管理システムから取込んだ部品表データを容易に編集し、この部品表データから3次元CADデータを生成して再構築の工数を低減する。
【解決手段】編集装置9には、製品データの構成部品の情報を編集用部品表データに構築する部品表データ取込部10、3次元CADデータの管理情報データを取得する3次元CADデータ取込部11、編集用部品表データ及び3次元CADデータの管理情報データを連携させて編集用部品表データを再構築する3次元CADデータ情報連携部12、編集用部品表データに対して所要の編集をする部品表データ情報編集部13、編集部品に連携の部品構成情報を生成する連携3次元CADデータ生成部14を設けた。
【解決手段】編集装置9には、製品データの構成部品の情報を編集用部品表データに構築する部品表データ取込部10、3次元CADデータの管理情報データを取得する3次元CADデータ取込部11、編集用部品表データ及び3次元CADデータの管理情報データを連携させて編集用部品表データを再構築する3次元CADデータ情報連携部12、編集用部品表データに対して所要の編集をする部品表データ情報編集部13、編集部品に連携の部品構成情報を生成する連携3次元CADデータ生成部14を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品に使用される部品の構成等を管理する部品表のデータと各部品の3次元CAD(computer aided design)データとの連携を取りながら3次元CADデータを生成する部品表連携3次元CADデータ生成装置及び生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複雑かつ多数の部品から構成される製品の設計においては、部品表システムを用いて部品の管理を行っている。部品表とは、任意の製品に使用される部品の親と子の構成、部品の個数、部品の設計変更履歴等の部品固有の情報、製品での組立単位、使用される状態等について、部品毎に管理する表である。従来の部品表作成システムでは、CAD図面に記載されている属性情報を、手入力或いは電子データからの取込みによって部品表に登録することが行われている。
【0003】
また、従来からCAD図面の作成以外の追加作業をできるだけ少なくして、図面の属性情報を部品表へ登録することが可能な部品表作成システムおよび作成方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この公知のシステムでは、作成した部品表を基にして、部品表のデータを編集することは可能であるが、編集後の部品表データに基づいて、3次元CADデータを支障なく生成することが容易に行えないため、この改善が望まれている。
【0004】
また、従来のCAD図面を主体とする製品設計では、既存製品の図面データを流用し、設計の効率化を図ろうとする傾向にあり、CAD図面の組図においては、複数の製品の構成を考慮したバリエーション形式の作図を行い、複数の製品に対応可能な図面作成形態を取ってきた。このため、CAD図面から情報を得て、設計部品表を作成するプロセスの作業形態となる傾向がある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−296377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、最近では従来の2次元図面主体の設計から、製品形状の構造把握や品質及び信頼性向上のために、解析システム連携等に優れる3次元CADシステムを利用する企業が増加してきている。3次元CADシステムは、記載した特徴があるものの、バリエーション対応に対しては、CAD図面の組図に相当するアセンブリファイルを製品の数分だけ作成する必要があり、設計効率に大きな影響を及ぼすことになる。しかも、チーム設計を行うときは、3次元CADデータは複数ユーザに活用されることになり、頻繁なデータの更新も行われるから、部品表データとの整合性を十分に配慮する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、製品データ管理システムから取込んだ部品表データを容易に編集可能とすると共に、編集後の部品表データから3次元CADデータを生成し、かつ部品表データと3次元CADデータを連携させ、双方の関連性を設定できる部品表連携3次元CADデータ生成装置及び生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の部品表連携3次元CADデータ生成装置では、作業内容等を表示する表示装置と、データ生成の作業時に作業内容の指示等を行う入力装置と、記録した製品データと3次元CADデータを基に連携3次元CADデータの生成を実施する演算処理装置とを有し、前記演算処理装置内には記録された製品データと3次元CADデータとの製品に関する情報を管理する製品データ管理システムと、3次元CADデータを用いる3次元CADシステムと、編集した部品表データから3次元CADデータを生成する連携データ編集装置とを備え、この連携データ編集装置には、記録された製品データより製品の構成部品の情報を取得して編集用部品表データを構築する部品表データ取込部及び記録された3次元CADデータの管理情報データを取得する3次元CADデータ取込部と、編集用部品表データ及び3次元CADデータの管理情報データを連携させて編集用部品表データを再構築する3次元CADデータ情報連携部と、編集用部品表データに対して所要の編集を行う部品表データ情報編集部と、この部品表データ編集部で編集の部品に連携させる3次元CADデータを生成する連携3次元CADデータ生成部とを設けて構成したもので、この部品表連携3次元CADデータ生成装置を用い、定められた手順にしたがって連携3次元CADデータを生成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のように構成すれば、製品データ管理システムから取込んだ部品表データを編集すると共に、編集後の部品表データから3次元CADデータを生成することができ、3次元CADデータ再構築の工数が低減できる。しかも、部品表を先行させた設計スタイルが可能となり、設計、製造、調達間での部品表の共用ができることから、製品開発リードタイムの短縮に大きく貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による部品表連携3次元CADデータ生成装置の構成の一実施例を、図1に示すブロック図を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の部品表連携3次元CADデータ生成装置には、作業内容等を表示する表示装置1、データ生成の作業時に作業内容等の指示を行う入力装置2、製品データや3次元CADデータを基に連携3次元CADデータの生成を実施する演算処理装置3、作業用データメモリ4、後述する製品データ保管用記憶装置5及び3次元CADデータファイル保管用記憶装置6を備えている。この図の例では、作業用データメモリ4、製品データ及び3次元CADデータファイル保管用記憶装置5、6を、演算処理装置3外に設けたもので示しているが、内蔵させても何ら問題はなく、部品表連携3次元CADデータ生成装置の全体の状況に応じて、内蔵や外置きを適宜選択できる。
この演算処理装置3内には、製品に関与する種々の情報を管理する製品データ管理システム7、公知のものと同様な3次元CADシステム8、及び編集した部品表データから3次元CADデータを生成する連携データ編集装置9を有している。
【0012】
製品データ保管用記憶装置5で保管する部品表データ構造の例を、図3に示している。この部品表データは、部品データテーブル91と部品構成データテーブル92とに保管される。部品データテーブル91は、製品データ管理システム7で管理する部品データのキーコードとなる部品データID(identification)、部品の主種類を定義する部品タイプ、部品名、部品リビジョン番号、部品番号等で構成される。また、部品構成データテーブル92は、製品データ管理システム6で部品間の親子関係データを定義する構成データのキーコードとなる構成データID、構成データの親部品に関する親部品データID、構成データの子部品に関する子部品データID、親部品に構成される子部品の員数等で構成される。
更に、製品データ保管用記憶装置5で保管する3次元CADデータ管理情報データの構造の例を、図4に示している。3次元CADデータ管理情報データは、3次元CADデータテーブル93と連携データテーブル94とに保管される。3次元CADデータテーブル93は、製品データ管理システム7で3次元CADデータファイルを管理する3次元CADデータ管理情報データのキーコードとなる3DデータID、3次元CADデータの種類を定義する3Dタイプ、3次元CADデータのファイル名、3次元CADデータファイルの保管位置を示すファイルパス、3Dリビジョン番号等で構成される。また、連携データテーブル94は、製品データ管理システム7で部品データと3次元CADデータとの連携関係を定義する連携データのキーコードとなる連携データID、部品データID、3DデータID等で構成される。
製品データ管理システム7は、製品の部品表データ、3次元CADデータ等、製品に関与する種々の情報を管理できるシステムであり、製品構成のトップアセンブリが指定されると製品の構成情報、即ち部品表データを出力することが可能なシステムであり、製品データ保管用記憶装置5より必要な部品表データを取得できる。
【0013】
連携データ編集装置9には、部品表データ取込部10と3次元CADデータ取込部11の二つの取込部を備えている。部品表データ取込部10は、製品データ管理システム7を介し製品データ保管用記憶装置5より製品の構成部品の情報を取得して編集用部品表データを構築し、作業用データメモリ4に保存する。また、3次元CADデータ取込部11は、製品データ管理システム7を介して3次元CADデータファイル保管用記憶装置6から製品の構成部品毎に作成された3次元CADデータファイルと製品データ保管用記憶装置5から3次元CADデータの管理情報データを取得し、それぞれ3次元CADデータファイル保管用記憶装置6内の作業用エリアと作業用データメモリ4に保存する。
その上、連携データ編集装置9には、部品表データ取込部10で保存した編集用部品表データと、3次元CADデータ取込部11で保存した3次元CADデータ管理情報データを連携させ、これらから編集用部品表データを再構築して作業用データメモリ4に保存する3次元CADデータ情報連携部12と、入力装置2からの指示入力情報で編集用部品表データを編集する部品表データ編集部13を備えている。しかも、連携3次元CADデータ生成部14も備えており、この連携3次元CADデータ生成部14によって、部品表データ編集部13で編集された部品に連携させる3次元CADデータファイルと、この3次元CADデータファイルがアセンブリファイルの場合に、部品構成情報を生成するものである。
【0014】
本実施例による部品表連携3次元CADデータ生成装置の処理手順を、図2に示している。まず、部品表データ取込部10を用いて入力装置2から指示された既製品のトップアセンブリ部品データIDにより、部品表データを製品データ管理システム7に取込指示し、編集用部品表データを構築し作業用データメモリ4に保存する(処理ステップS1)。この処理ステップS1で取得し、構築して作業用データメモリ4に保存した編集用部品表データ95の一例を、図5に示している。取得する情報は、ツリー表示No、部品データID、部品タイプ、部品名、部品リビジョン番号、親部品データID及び員数であり、ツリー表示Noは、編集用部品表データを表示装置1に表示する際の並び順を定義するデータである。
【0015】
次に、3次元CADデータ取込部11を使用し、作業用データメモリ4に保存した編集用部品表データの各部品データに連携されている3次元CADデータの有無を、製品データ管理システム7に検索指示すると共に、3次元CADデータが存在した場合には、これを取込指示する。この取込データは、3次元CADデータファイルを3次元CADデータファイル保管用記憶装置6内の作業用エリアである[Work]ディレクトリに複写保存し、更に3次元CADデータ情報連携部12を用いて、処理ステップS1で作業用データメモリに保存した編集用部品表データに、3次元CADデータの管理情報データを加えた編集用部品表データを再構築し、作業データメモリに保存する(処理ステップS2)。
【0016】
処理ステップS2において作業用データメモリ4に保存した編集用部品表データの一例を、図6に示している。上記の図5で取得して保存した部品表データ情報は、展開され、更に各部品データに3次元CADデータの管理情報データ96が連携されることになる。また、次の処理ステップS3で使用する編集用フラグ97が準備され、部品データと3次元CADデータの連携状態を示す3DCADデータ連携フラグには、データ取込時の連携状態値が設定される。
次に、部品表データ編集部13を使用し、編集用部品表データ情報に対して所要の編集を行い(処理ステップS3)、連携3次元CADデータ生成部14を使用し、編集された編集用部品表データの各部品に連携させる3次元CADデータ情報の編集を実施し(処理ステップS4)、最後に、編集された部品表データ情報の各部品に連携させる3次元CADデータの生成を実施する(処理ステップS5)ものである。これら処理ステップS3、処理ステップS4及び処理ステップS5の詳細な手順は、それぞれ図7、図12、図16を用いて後述する。
【0017】
部品表データ情報の編集操作を行う処理ステップS3は、図7のフローチャートに示すように、まず表示装置1に部品表データをツリー表示させ編集操作を開始する(処理ステップS31)。また、この処理ステップS31では、編集機能で使用される部品群で後述する部品検索処理によって検索の部品群を表示するための部品リストも表示される。この部品表ツリーの表示状態の一例を、図8に示しており、部品表データはツリー上に表示され、部品間の階層関係を把握でき、各部品に対してツリー表示No、部品データID、部品名及び編集状態が表示される。また、部品リストの一例を図9に示し、トップアセンブリ(部品コード=0)、アセンブリ(部品コード=1)及びパート(部品コード=2)に対応する新規部品97と、後述する部品検索処理の処理ステップS391で検索の部品群98の選択が可能な状態となっている。
【0018】
次に、編集処理終了の判定が入力装置2から編集終了の入力指示であれば、部品表データ編集部14での作業は終了する(処理ステップS32)。編集終了でない入力指示をした場合は、所要の編集機能の選択を入力指示する(処理ステップS33)。この処理ステップS33での編集機能としては、部品置換処理、部品追加処理、部品複写処理、部品更新処理、部品削除処理及び部品検索処理があり、部品表データの編集は、これらの機能で十分に対応できる。各処理ステップS34、S35、S36、S37、S38、S39でそれぞれ判定行い、対応する機能の各処理ステップS341、S351、S361、S371、S381、S361のいずれかに移行し、これら機能の処理が終了した後、編集処理終了判定ステップS32に移行し、編集終了の入力指示がされるまで編集状態を継続する。
【0019】
部品データの置換処理を行うため、表示装置1に表示した部品表ツリーから、置換前の部品と部品リストより置換後の部品を選択し、入力装置2より追加部品のツリー表示No、部品ID、部品タイプ、部品名、及び員数を入力指示することで、編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致するデータに対し、部品ID、部品タイプ、部品名、員数、部品リビジョン番号と、部品変更フラグに“置換”を設定する(処理ステップS341)。
【0020】
次に部品データの追加処理を行うため、表示装置1に表示した部品表ツリーから、追加部品の親部品と挿入位置を設定する部品と、部品リストより追加する部品を選択し、入力装置2より追加部品のツリー表示No、部品ID、部品タイプ、部品名、及び員数を入力指示することで、編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致するデータの後に1行追加し追加位置以下のデータのツリー表示Noを振り直した後、追加行に部品ID、部品タイプ、部品名、員数と、部品リビジョン番号に“a”、親部品IDと部品変更フラグに“追加”を設定する(処理ステップS351)。
【0021】
その後、部品データの複写処理をするものであり、表示装置1で、部品表ツリーより複写部品を選択し、複写部品のツリー表示Noと部品IDを、入力装置2より入力指示して編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致するデータに対し、部品変更フラグに“複写”と3DCAD変更フラグに“複製”を設定する(処理ステップS361)。
【0022】
部品データの更新処理を行うため、表示装置1に表示した部品表ツリーから、更新部品を選択し、更新部品のツリー表示No、部品ID、員数を入力装置2より入力指示して編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致するデータに対し、員数と、部品変更フラグに“更新”と3DCAD変更フラグに“更新”を設定する(処理ステップS371)。
【0023】
次には部品データの削除処理を行うため、表示装置1に表示した部品表ツリーから削除部品を選択し、追加部品のツリー表示Noを入力装置2より入力指示して編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致する行を削除し、次行以下のデータに対し、ツリー表示Noを1繰上げて振り直す(処理ステップS381)。
【0024】
更に、部品データの検索処理を行うために、入力装置2より入力された部品ID、部品名、部品番号等の部品データテーブル91に対する検索条件として、製品データ管理システムに検索指示し、検索結果を部品リストに追加し、作業用データメモリに保存する(処理ステップS391)。表示装置1での部品表ツリーの表示状態を、図10に示しており、また部品表データ編集操作で作成され作業用データメモリに保存された編集用部品表データの一例を、図11に示している。
【0025】
連携3次元CADデータ情報の編集を行う処理ステップS4について、図12に示す詳細なフローチャートを用いて説明する。編集された編集用部品表データの各部品に連携させる3次元CADデータ情報の編集を行うため、まず編集で変更された部品データ及び3次元CADデータを、製品データ管理システム7を介し製品データ保管用記憶装置5に登録すると共に、部品データID及び3次元CADデータIDを取得し、作業用データメモリに保存する(処理ステップS41)。この作業用データメモリに登録されデータの一例を、図13に示している。
【0026】
次に、取得した部品データID及び3次元CADデータIDを編集用部品表データに展開した後、変更された部品構成情報及び連携データの登録を行う(処理ステップS42)。この登録する部品構成情報及び連携データの一例を、図14に示している。 その後、変更された部品データに連携させる3次元CADデータファイルのファイル名を定義する(処理ステップS43)。3次元CADデータファイル名を定義した編集用部品表データの一例は、図15に示すように部品変更フラグが“複写”及び“追加”に指定されたデータのファイル名に変更される。
【0027】
処理ステップS5について、図16に示す詳細なフローチャートを用いて順に説明する。3次元CADデータファイルを生成する処理は、図15の編集用部品表データ内の3DCAD変更フラグが“複製”又は“新規”となっているデータを取得し、“複製”データに対しては3次元CADデータファイルを変更前ファイル名とファイルパスで取得した後、3次元CADシステム8を使用し、編集用部品表データに設定されたファイル名で3次元CADデータファイルを生成する(処理ステップS51)。
【0028】
この後、編集用部品表データ内の3DCAD変更フラグが“複製”又は“新規”、かつ3Dタイプが“1”であるアセンブリファイルのデータを取得する構成情報を変更する必要がある3次元CADデータファイルの抽出を行い(処理ステップS52)、抽出情報データを作業用データメモリに保存する。次に、抽出情報データの数をカウントし、作業用データメモリに保存する(処理ステップS53)。
【0029】
3次元CADデータファイルの編集終了判定(処理ステップS54)において、抽出情報データカウント数が“0”で無い場合、3次元CADシステムを使用し、3次元CADシステムデータファイルから構成情報を取得する(処理ステップS55)。
【0030】
次に、構成情報と編集用部品表データとを比較し、3次元CADシステムデータファイルの構成ファイルに対する編集情報を、作業用データメモリ4へ保存する(処理ステップS56)。3次元CADシステムデータファイルの構成情報に対する編集情報は、図17に一例を示すように、処理フラグで現構成ファイルの編集内容を定義できる。更に、編集情報により3次元CADシステムで自動的に3次元CADデータファイルの構成情報を編集する(処理ステップS57)。この処理実施前における3次元CADシステムデータファイルの構成情報の表示内容を図18に示し、またこの処理実施後の3次元CADシステムデータファイルの構成情報を表示した一例を図19に示しており、ここには図15に示したファイル名でその員数分の構成情報が表示されるようになる。
次に、抽出情報データカウント数を“1”減らし(処理ステップS58)、抽出情報データカウント数が“0”になるまで、各処理ステップS54、S55、S56、S57、及びS58の処理を繰り返し、処理ステップS54で抽出情報データカウント数が“0”と判定した場合、最後に、生成及び編集した3次元CADシステムデータファイルを製品データ管理システム7の管理領域である3次元CADデータファイル保管用記憶装置内の[Vault]ディレクトリへ登録を行い(処理ステップS541)、処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の部品表連携3次元CADデータ生成装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の用いた部品表連携3次元CADデータ生成処理手順のフローチャートである。
【図3】部品表データの保管構造を示すデータ構成図である。
【図4】3次元CADデータ管理情報データの保管構造を示すデータ構成図である。
【図5】初期データ取込時の編集用部品表データの例を示す図である。
【図6】部品ツリー編集時の編集用部品表データの例を示す図である。
【図7】部品表データ情報を編集する処理手順のフローチャートである。
【図8】部品表ツリーの表示状態の一例を示す図である。
【図9】3次元CADデータを生成する処理手順のフローチャートである。
【図10】部品表データ情報の編集後における部品表ツリーの表示状態例を示す図である。
【図11】部品表データ情報の編集結果の例を示す図である。
【図12】3次元CADデータ情報を編集する処理手順のフローチャートである。
【図13】製品データ管理システムへ登録する部品及び3次元CADデータの例を示す図である。
【図14】製品データ管理システムへ登録する連携データ情報の例を示す図である。
【図15】3次元CADデータ情報の編集結果の例を示す図である。
【図16】3次元CADデータを生成の処理手順のフローチャートである。
【図17】3次元CADアセンブリファイルデータを自動生成する構成情報の例を示す図である。
【図18】部品表データ編集前の3次元CADアセンブリファイルデータ構成の例を示す図である。
【図19】部品表データ編集後に自動生成した3次元CADアセンブリファイルデータの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1…表示装置、2…入力装置、3…演算処理装置、7…製品データ管理システム、8…3次元CADシステム、9…連携データ編集装置、10部品表データ取込部、11…3次元CADデータ取込部、12…3次元CADデータ情報連携部、13…部品表データ情報編集部、14…連携3次元CADデータ生成部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品に使用される部品の構成等を管理する部品表のデータと各部品の3次元CAD(computer aided design)データとの連携を取りながら3次元CADデータを生成する部品表連携3次元CADデータ生成装置及び生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複雑かつ多数の部品から構成される製品の設計においては、部品表システムを用いて部品の管理を行っている。部品表とは、任意の製品に使用される部品の親と子の構成、部品の個数、部品の設計変更履歴等の部品固有の情報、製品での組立単位、使用される状態等について、部品毎に管理する表である。従来の部品表作成システムでは、CAD図面に記載されている属性情報を、手入力或いは電子データからの取込みによって部品表に登録することが行われている。
【0003】
また、従来からCAD図面の作成以外の追加作業をできるだけ少なくして、図面の属性情報を部品表へ登録することが可能な部品表作成システムおよび作成方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この公知のシステムでは、作成した部品表を基にして、部品表のデータを編集することは可能であるが、編集後の部品表データに基づいて、3次元CADデータを支障なく生成することが容易に行えないため、この改善が望まれている。
【0004】
また、従来のCAD図面を主体とする製品設計では、既存製品の図面データを流用し、設計の効率化を図ろうとする傾向にあり、CAD図面の組図においては、複数の製品の構成を考慮したバリエーション形式の作図を行い、複数の製品に対応可能な図面作成形態を取ってきた。このため、CAD図面から情報を得て、設計部品表を作成するプロセスの作業形態となる傾向がある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−296377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、最近では従来の2次元図面主体の設計から、製品形状の構造把握や品質及び信頼性向上のために、解析システム連携等に優れる3次元CADシステムを利用する企業が増加してきている。3次元CADシステムは、記載した特徴があるものの、バリエーション対応に対しては、CAD図面の組図に相当するアセンブリファイルを製品の数分だけ作成する必要があり、設計効率に大きな影響を及ぼすことになる。しかも、チーム設計を行うときは、3次元CADデータは複数ユーザに活用されることになり、頻繁なデータの更新も行われるから、部品表データとの整合性を十分に配慮する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、製品データ管理システムから取込んだ部品表データを容易に編集可能とすると共に、編集後の部品表データから3次元CADデータを生成し、かつ部品表データと3次元CADデータを連携させ、双方の関連性を設定できる部品表連携3次元CADデータ生成装置及び生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の部品表連携3次元CADデータ生成装置では、作業内容等を表示する表示装置と、データ生成の作業時に作業内容の指示等を行う入力装置と、記録した製品データと3次元CADデータを基に連携3次元CADデータの生成を実施する演算処理装置とを有し、前記演算処理装置内には記録された製品データと3次元CADデータとの製品に関する情報を管理する製品データ管理システムと、3次元CADデータを用いる3次元CADシステムと、編集した部品表データから3次元CADデータを生成する連携データ編集装置とを備え、この連携データ編集装置には、記録された製品データより製品の構成部品の情報を取得して編集用部品表データを構築する部品表データ取込部及び記録された3次元CADデータの管理情報データを取得する3次元CADデータ取込部と、編集用部品表データ及び3次元CADデータの管理情報データを連携させて編集用部品表データを再構築する3次元CADデータ情報連携部と、編集用部品表データに対して所要の編集を行う部品表データ情報編集部と、この部品表データ編集部で編集の部品に連携させる3次元CADデータを生成する連携3次元CADデータ生成部とを設けて構成したもので、この部品表連携3次元CADデータ生成装置を用い、定められた手順にしたがって連携3次元CADデータを生成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のように構成すれば、製品データ管理システムから取込んだ部品表データを編集すると共に、編集後の部品表データから3次元CADデータを生成することができ、3次元CADデータ再構築の工数が低減できる。しかも、部品表を先行させた設計スタイルが可能となり、設計、製造、調達間での部品表の共用ができることから、製品開発リードタイムの短縮に大きく貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による部品表連携3次元CADデータ生成装置の構成の一実施例を、図1に示すブロック図を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の部品表連携3次元CADデータ生成装置には、作業内容等を表示する表示装置1、データ生成の作業時に作業内容等の指示を行う入力装置2、製品データや3次元CADデータを基に連携3次元CADデータの生成を実施する演算処理装置3、作業用データメモリ4、後述する製品データ保管用記憶装置5及び3次元CADデータファイル保管用記憶装置6を備えている。この図の例では、作業用データメモリ4、製品データ及び3次元CADデータファイル保管用記憶装置5、6を、演算処理装置3外に設けたもので示しているが、内蔵させても何ら問題はなく、部品表連携3次元CADデータ生成装置の全体の状況に応じて、内蔵や外置きを適宜選択できる。
この演算処理装置3内には、製品に関与する種々の情報を管理する製品データ管理システム7、公知のものと同様な3次元CADシステム8、及び編集した部品表データから3次元CADデータを生成する連携データ編集装置9を有している。
【0012】
製品データ保管用記憶装置5で保管する部品表データ構造の例を、図3に示している。この部品表データは、部品データテーブル91と部品構成データテーブル92とに保管される。部品データテーブル91は、製品データ管理システム7で管理する部品データのキーコードとなる部品データID(identification)、部品の主種類を定義する部品タイプ、部品名、部品リビジョン番号、部品番号等で構成される。また、部品構成データテーブル92は、製品データ管理システム6で部品間の親子関係データを定義する構成データのキーコードとなる構成データID、構成データの親部品に関する親部品データID、構成データの子部品に関する子部品データID、親部品に構成される子部品の員数等で構成される。
更に、製品データ保管用記憶装置5で保管する3次元CADデータ管理情報データの構造の例を、図4に示している。3次元CADデータ管理情報データは、3次元CADデータテーブル93と連携データテーブル94とに保管される。3次元CADデータテーブル93は、製品データ管理システム7で3次元CADデータファイルを管理する3次元CADデータ管理情報データのキーコードとなる3DデータID、3次元CADデータの種類を定義する3Dタイプ、3次元CADデータのファイル名、3次元CADデータファイルの保管位置を示すファイルパス、3Dリビジョン番号等で構成される。また、連携データテーブル94は、製品データ管理システム7で部品データと3次元CADデータとの連携関係を定義する連携データのキーコードとなる連携データID、部品データID、3DデータID等で構成される。
製品データ管理システム7は、製品の部品表データ、3次元CADデータ等、製品に関与する種々の情報を管理できるシステムであり、製品構成のトップアセンブリが指定されると製品の構成情報、即ち部品表データを出力することが可能なシステムであり、製品データ保管用記憶装置5より必要な部品表データを取得できる。
【0013】
連携データ編集装置9には、部品表データ取込部10と3次元CADデータ取込部11の二つの取込部を備えている。部品表データ取込部10は、製品データ管理システム7を介し製品データ保管用記憶装置5より製品の構成部品の情報を取得して編集用部品表データを構築し、作業用データメモリ4に保存する。また、3次元CADデータ取込部11は、製品データ管理システム7を介して3次元CADデータファイル保管用記憶装置6から製品の構成部品毎に作成された3次元CADデータファイルと製品データ保管用記憶装置5から3次元CADデータの管理情報データを取得し、それぞれ3次元CADデータファイル保管用記憶装置6内の作業用エリアと作業用データメモリ4に保存する。
その上、連携データ編集装置9には、部品表データ取込部10で保存した編集用部品表データと、3次元CADデータ取込部11で保存した3次元CADデータ管理情報データを連携させ、これらから編集用部品表データを再構築して作業用データメモリ4に保存する3次元CADデータ情報連携部12と、入力装置2からの指示入力情報で編集用部品表データを編集する部品表データ編集部13を備えている。しかも、連携3次元CADデータ生成部14も備えており、この連携3次元CADデータ生成部14によって、部品表データ編集部13で編集された部品に連携させる3次元CADデータファイルと、この3次元CADデータファイルがアセンブリファイルの場合に、部品構成情報を生成するものである。
【0014】
本実施例による部品表連携3次元CADデータ生成装置の処理手順を、図2に示している。まず、部品表データ取込部10を用いて入力装置2から指示された既製品のトップアセンブリ部品データIDにより、部品表データを製品データ管理システム7に取込指示し、編集用部品表データを構築し作業用データメモリ4に保存する(処理ステップS1)。この処理ステップS1で取得し、構築して作業用データメモリ4に保存した編集用部品表データ95の一例を、図5に示している。取得する情報は、ツリー表示No、部品データID、部品タイプ、部品名、部品リビジョン番号、親部品データID及び員数であり、ツリー表示Noは、編集用部品表データを表示装置1に表示する際の並び順を定義するデータである。
【0015】
次に、3次元CADデータ取込部11を使用し、作業用データメモリ4に保存した編集用部品表データの各部品データに連携されている3次元CADデータの有無を、製品データ管理システム7に検索指示すると共に、3次元CADデータが存在した場合には、これを取込指示する。この取込データは、3次元CADデータファイルを3次元CADデータファイル保管用記憶装置6内の作業用エリアである[Work]ディレクトリに複写保存し、更に3次元CADデータ情報連携部12を用いて、処理ステップS1で作業用データメモリに保存した編集用部品表データに、3次元CADデータの管理情報データを加えた編集用部品表データを再構築し、作業データメモリに保存する(処理ステップS2)。
【0016】
処理ステップS2において作業用データメモリ4に保存した編集用部品表データの一例を、図6に示している。上記の図5で取得して保存した部品表データ情報は、展開され、更に各部品データに3次元CADデータの管理情報データ96が連携されることになる。また、次の処理ステップS3で使用する編集用フラグ97が準備され、部品データと3次元CADデータの連携状態を示す3DCADデータ連携フラグには、データ取込時の連携状態値が設定される。
次に、部品表データ編集部13を使用し、編集用部品表データ情報に対して所要の編集を行い(処理ステップS3)、連携3次元CADデータ生成部14を使用し、編集された編集用部品表データの各部品に連携させる3次元CADデータ情報の編集を実施し(処理ステップS4)、最後に、編集された部品表データ情報の各部品に連携させる3次元CADデータの生成を実施する(処理ステップS5)ものである。これら処理ステップS3、処理ステップS4及び処理ステップS5の詳細な手順は、それぞれ図7、図12、図16を用いて後述する。
【0017】
部品表データ情報の編集操作を行う処理ステップS3は、図7のフローチャートに示すように、まず表示装置1に部品表データをツリー表示させ編集操作を開始する(処理ステップS31)。また、この処理ステップS31では、編集機能で使用される部品群で後述する部品検索処理によって検索の部品群を表示するための部品リストも表示される。この部品表ツリーの表示状態の一例を、図8に示しており、部品表データはツリー上に表示され、部品間の階層関係を把握でき、各部品に対してツリー表示No、部品データID、部品名及び編集状態が表示される。また、部品リストの一例を図9に示し、トップアセンブリ(部品コード=0)、アセンブリ(部品コード=1)及びパート(部品コード=2)に対応する新規部品97と、後述する部品検索処理の処理ステップS391で検索の部品群98の選択が可能な状態となっている。
【0018】
次に、編集処理終了の判定が入力装置2から編集終了の入力指示であれば、部品表データ編集部14での作業は終了する(処理ステップS32)。編集終了でない入力指示をした場合は、所要の編集機能の選択を入力指示する(処理ステップS33)。この処理ステップS33での編集機能としては、部品置換処理、部品追加処理、部品複写処理、部品更新処理、部品削除処理及び部品検索処理があり、部品表データの編集は、これらの機能で十分に対応できる。各処理ステップS34、S35、S36、S37、S38、S39でそれぞれ判定行い、対応する機能の各処理ステップS341、S351、S361、S371、S381、S361のいずれかに移行し、これら機能の処理が終了した後、編集処理終了判定ステップS32に移行し、編集終了の入力指示がされるまで編集状態を継続する。
【0019】
部品データの置換処理を行うため、表示装置1に表示した部品表ツリーから、置換前の部品と部品リストより置換後の部品を選択し、入力装置2より追加部品のツリー表示No、部品ID、部品タイプ、部品名、及び員数を入力指示することで、編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致するデータに対し、部品ID、部品タイプ、部品名、員数、部品リビジョン番号と、部品変更フラグに“置換”を設定する(処理ステップS341)。
【0020】
次に部品データの追加処理を行うため、表示装置1に表示した部品表ツリーから、追加部品の親部品と挿入位置を設定する部品と、部品リストより追加する部品を選択し、入力装置2より追加部品のツリー表示No、部品ID、部品タイプ、部品名、及び員数を入力指示することで、編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致するデータの後に1行追加し追加位置以下のデータのツリー表示Noを振り直した後、追加行に部品ID、部品タイプ、部品名、員数と、部品リビジョン番号に“a”、親部品IDと部品変更フラグに“追加”を設定する(処理ステップS351)。
【0021】
その後、部品データの複写処理をするものであり、表示装置1で、部品表ツリーより複写部品を選択し、複写部品のツリー表示Noと部品IDを、入力装置2より入力指示して編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致するデータに対し、部品変更フラグに“複写”と3DCAD変更フラグに“複製”を設定する(処理ステップS361)。
【0022】
部品データの更新処理を行うため、表示装置1に表示した部品表ツリーから、更新部品を選択し、更新部品のツリー表示No、部品ID、員数を入力装置2より入力指示して編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致するデータに対し、員数と、部品変更フラグに“更新”と3DCAD変更フラグに“更新”を設定する(処理ステップS371)。
【0023】
次には部品データの削除処理を行うため、表示装置1に表示した部品表ツリーから削除部品を選択し、追加部品のツリー表示Noを入力装置2より入力指示して編集用部品表データに取込み、ツリー表示Noと一致する行を削除し、次行以下のデータに対し、ツリー表示Noを1繰上げて振り直す(処理ステップS381)。
【0024】
更に、部品データの検索処理を行うために、入力装置2より入力された部品ID、部品名、部品番号等の部品データテーブル91に対する検索条件として、製品データ管理システムに検索指示し、検索結果を部品リストに追加し、作業用データメモリに保存する(処理ステップS391)。表示装置1での部品表ツリーの表示状態を、図10に示しており、また部品表データ編集操作で作成され作業用データメモリに保存された編集用部品表データの一例を、図11に示している。
【0025】
連携3次元CADデータ情報の編集を行う処理ステップS4について、図12に示す詳細なフローチャートを用いて説明する。編集された編集用部品表データの各部品に連携させる3次元CADデータ情報の編集を行うため、まず編集で変更された部品データ及び3次元CADデータを、製品データ管理システム7を介し製品データ保管用記憶装置5に登録すると共に、部品データID及び3次元CADデータIDを取得し、作業用データメモリに保存する(処理ステップS41)。この作業用データメモリに登録されデータの一例を、図13に示している。
【0026】
次に、取得した部品データID及び3次元CADデータIDを編集用部品表データに展開した後、変更された部品構成情報及び連携データの登録を行う(処理ステップS42)。この登録する部品構成情報及び連携データの一例を、図14に示している。 その後、変更された部品データに連携させる3次元CADデータファイルのファイル名を定義する(処理ステップS43)。3次元CADデータファイル名を定義した編集用部品表データの一例は、図15に示すように部品変更フラグが“複写”及び“追加”に指定されたデータのファイル名に変更される。
【0027】
処理ステップS5について、図16に示す詳細なフローチャートを用いて順に説明する。3次元CADデータファイルを生成する処理は、図15の編集用部品表データ内の3DCAD変更フラグが“複製”又は“新規”となっているデータを取得し、“複製”データに対しては3次元CADデータファイルを変更前ファイル名とファイルパスで取得した後、3次元CADシステム8を使用し、編集用部品表データに設定されたファイル名で3次元CADデータファイルを生成する(処理ステップS51)。
【0028】
この後、編集用部品表データ内の3DCAD変更フラグが“複製”又は“新規”、かつ3Dタイプが“1”であるアセンブリファイルのデータを取得する構成情報を変更する必要がある3次元CADデータファイルの抽出を行い(処理ステップS52)、抽出情報データを作業用データメモリに保存する。次に、抽出情報データの数をカウントし、作業用データメモリに保存する(処理ステップS53)。
【0029】
3次元CADデータファイルの編集終了判定(処理ステップS54)において、抽出情報データカウント数が“0”で無い場合、3次元CADシステムを使用し、3次元CADシステムデータファイルから構成情報を取得する(処理ステップS55)。
【0030】
次に、構成情報と編集用部品表データとを比較し、3次元CADシステムデータファイルの構成ファイルに対する編集情報を、作業用データメモリ4へ保存する(処理ステップS56)。3次元CADシステムデータファイルの構成情報に対する編集情報は、図17に一例を示すように、処理フラグで現構成ファイルの編集内容を定義できる。更に、編集情報により3次元CADシステムで自動的に3次元CADデータファイルの構成情報を編集する(処理ステップS57)。この処理実施前における3次元CADシステムデータファイルの構成情報の表示内容を図18に示し、またこの処理実施後の3次元CADシステムデータファイルの構成情報を表示した一例を図19に示しており、ここには図15に示したファイル名でその員数分の構成情報が表示されるようになる。
次に、抽出情報データカウント数を“1”減らし(処理ステップS58)、抽出情報データカウント数が“0”になるまで、各処理ステップS54、S55、S56、S57、及びS58の処理を繰り返し、処理ステップS54で抽出情報データカウント数が“0”と判定した場合、最後に、生成及び編集した3次元CADシステムデータファイルを製品データ管理システム7の管理領域である3次元CADデータファイル保管用記憶装置内の[Vault]ディレクトリへ登録を行い(処理ステップS541)、処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の部品表連携3次元CADデータ生成装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の用いた部品表連携3次元CADデータ生成処理手順のフローチャートである。
【図3】部品表データの保管構造を示すデータ構成図である。
【図4】3次元CADデータ管理情報データの保管構造を示すデータ構成図である。
【図5】初期データ取込時の編集用部品表データの例を示す図である。
【図6】部品ツリー編集時の編集用部品表データの例を示す図である。
【図7】部品表データ情報を編集する処理手順のフローチャートである。
【図8】部品表ツリーの表示状態の一例を示す図である。
【図9】3次元CADデータを生成する処理手順のフローチャートである。
【図10】部品表データ情報の編集後における部品表ツリーの表示状態例を示す図である。
【図11】部品表データ情報の編集結果の例を示す図である。
【図12】3次元CADデータ情報を編集する処理手順のフローチャートである。
【図13】製品データ管理システムへ登録する部品及び3次元CADデータの例を示す図である。
【図14】製品データ管理システムへ登録する連携データ情報の例を示す図である。
【図15】3次元CADデータ情報の編集結果の例を示す図である。
【図16】3次元CADデータを生成の処理手順のフローチャートである。
【図17】3次元CADアセンブリファイルデータを自動生成する構成情報の例を示す図である。
【図18】部品表データ編集前の3次元CADアセンブリファイルデータ構成の例を示す図である。
【図19】部品表データ編集後に自動生成した3次元CADアセンブリファイルデータの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1…表示装置、2…入力装置、3…演算処理装置、7…製品データ管理システム、8…3次元CADシステム、9…連携データ編集装置、10部品表データ取込部、11…3次元CADデータ取込部、12…3次元CADデータ情報連携部、13…部品表データ情報編集部、14…連携3次元CADデータ生成部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業内容等を表示する表示装置と、データ生成の作業時に作業内容の指示等を行う入力装置と、記録した製品データと3次元CADデータを基に連携3次元CADデータの生成を実施する演算処理装置とを有し、前記演算処理装置内には記録された製品データと3次元CADデータとの製品に関する情報を管理する製品データ管理システムと、3次元CADデータを用いる3次元CADシステムと、編集した部品表データから3次元CADデータを生成する連携データ編集装置とを備え、前記連携データ編集装置には、記録された製品データより製品の構成部品の情報を取得して編集用部品表データを構築する部品表データ取込部及び記録された3次元CADデータの管理情報データを取得する3次元CADデータ取込部と、前記編集用部品表データ及び3次元CADデータの管理情報データを連携させて編集用部品表データを再構築する3次元CADデータ情報連携部と、前記編集用部品表データに対して所要の編集を行う部品表データ情報編集部と、前記部品表データ編集部で編集の部品に連携させる3次元CADデータを生成する連携3次元CADデータ生成部と、を設けて構成したことを特徴とする部品表連携3次元CADデータ生成装置。
【請求項2】
記録保存された製品データより既製品の構成部品の情報を取得して編集用部品表データを構築し、前記編集用部品表データの各部品データに連携する3次元CADデータの有無を検索して取込んだ取込データに3次元CADデータの管理情報データを連携させて編集用部品表データを再構築し、前記編集用部品表データ情報に対して所要の編集を行い、編集された前記編集用部品表データの各部品に連携させるのに必要な3次元CADデータ情報の編集を実施し、編集された前記部品表データ情報の各部品に連携させる3次元CADデータの生成を行うことを特徴とする部品表連携3次元CADデータ生成方法。
【請求項1】
作業内容等を表示する表示装置と、データ生成の作業時に作業内容の指示等を行う入力装置と、記録した製品データと3次元CADデータを基に連携3次元CADデータの生成を実施する演算処理装置とを有し、前記演算処理装置内には記録された製品データと3次元CADデータとの製品に関する情報を管理する製品データ管理システムと、3次元CADデータを用いる3次元CADシステムと、編集した部品表データから3次元CADデータを生成する連携データ編集装置とを備え、前記連携データ編集装置には、記録された製品データより製品の構成部品の情報を取得して編集用部品表データを構築する部品表データ取込部及び記録された3次元CADデータの管理情報データを取得する3次元CADデータ取込部と、前記編集用部品表データ及び3次元CADデータの管理情報データを連携させて編集用部品表データを再構築する3次元CADデータ情報連携部と、前記編集用部品表データに対して所要の編集を行う部品表データ情報編集部と、前記部品表データ編集部で編集の部品に連携させる3次元CADデータを生成する連携3次元CADデータ生成部と、を設けて構成したことを特徴とする部品表連携3次元CADデータ生成装置。
【請求項2】
記録保存された製品データより既製品の構成部品の情報を取得して編集用部品表データを構築し、前記編集用部品表データの各部品データに連携する3次元CADデータの有無を検索して取込んだ取込データに3次元CADデータの管理情報データを連携させて編集用部品表データを再構築し、前記編集用部品表データ情報に対して所要の編集を行い、編集された前記編集用部品表データの各部品に連携させるのに必要な3次元CADデータ情報の編集を実施し、編集された前記部品表データ情報の各部品に連携させる3次元CADデータの生成を行うことを特徴とする部品表連携3次元CADデータ生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−25896(P2007−25896A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204699(P2005−204699)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
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