説明

配線モジュール

【課題】ヒューズ交換を容易に行うことができる配線モジュールを提供する。
【解決手段】正極の電極端子12A及び負極の電極端子12Bを有する複数の単電池11が並べられてなる単電池群13に取り付けられる配線モジュール20であって、電極端子12A,12Bに電気的に接続されて単電池11の状態を検知する検知端子21と、検知端子21が保持される合成樹脂製の樹脂プロテクタ28と、検知端子21に接続された検知電線Wと、樹脂プロテクタ28に備えられると共に検知電線Wに電気的に接続されるヒューズ52が着脱可能に装着されるヒューズブロック50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールとして、特許文献1に記載のものが知られている。この電池モジュールは、正極及び負極の電極端子を有する単電池が複数個並んで配列されており、隣り合う単電池の電極端子間が接続部材で接続されることにより複数の単電池が直列や並列に接続される。
【0003】
複数の単電池には配線モジュールが取り付けられている。この配線モジュールには、単電池の状態を検知する検知端子が配設されている。特許文献1に係る検知端子は単電池の電極端子に接続されて、単電池の電圧を検知する。検知端子には電線が接続されている。この電線は、電池モジュールに形成された溝部内に配索されて、電池モジュールの外部に配された電池ECUに接続される。この電池ECUにて単電池の電圧が検知されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−110396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の電線は単電池の電圧を検知するためのものなので、比較的に小さな電流が流れるようになっている。しかし、電線は単電池の電極端子に接続されているので、複数の電線同士が短絡すると、単電池同士が短絡してしまうことになってしまう。
【0006】
そこで、特許文献1に係る技術においては、各検知端子にヒューズをはんだ付けにより接続し、電線同士が短絡した場合にはヒューズが溶断することにより、単電池同士が短絡することを抑制するようになっている。
【0007】
しかし、上記の構成によれば、ヒューズが溶断した場合、配線モジュールごと交換しなければならず、溶断したヒューズのみを交換することはできない。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ヒューズ交換を容易に行うことができる配線モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、正極及び負極の電極端子を有する複数の単電池が並べられてなる単電池群に取り付けられる配線モジュールであって、前記電極端子に電気的に接続されて前記単電池の電圧を検知する検知端子と、前記検知端子が保持される合成樹脂製の樹脂プロテクタと、前記検知端子に接続された検知電線と、前記樹脂プロテクタに備えられると共に前記検知電線に電気的に接続されるヒューズが着脱可能に装着されるヒューズブロックと、を備える。
【0010】
本発明によれば、検知電線同士が短絡してヒューズが溶断した場合、溶断したヒューズをヒューズブロックから取り外し、正常なヒューズと交換すればよい。このように、本発明によれば、ヒューズを容易に交換することができる。
【0011】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記配線モジュールには、前記樹脂プロテクタとは別体に形成された前記ヒューズブロックが取り付けられるヒューズブロック取り付け部が形成されていることが好ましい。
【0012】
上記の態様によれば、ヒューズブロックと、樹脂プロテクタとを、別々に形成しておき、ヒューズブロック取り付け部にヒューズブロックを取り付ければよい。これにより、ヒューズブロックと樹脂プロテクタとを一体に形成する場合に比べて、ヒューズブロック及び樹脂プロテクタの形状について設計の自由度が増す。
【0013】
前記検知電線の端末には入力コネクタが接続されており、前記ヒューズブロックには前記入力コネクタが嵌合される入力コネクタ嵌合部が形成されていることが好ましい。
【0014】
上記の態様によれば、検知電線とヒューズブロックとの接続を、入力コネクタと、入力コネクタ嵌合部とのコネクタ接続により実現できるので、複数の検知電線をヒューズブロックに接続する場合に特に有効である。
【0015】
前記ヒューズブロックには出力コネクタが嵌合される出力コネクタ嵌合部が形成されており、前記出力コネクタからは前記ヒューズと電気的に接続される電線が導出されていることが好ましい。
【0016】
上記の態様によれば、検知電線とヒューズブロックとの接続を、出力コネクタと、出力コネクタ嵌合部とのコネクタ接続により実現できるので、複数の電線をヒューズブロックに接続する場合に特に有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配線モジュールに配されたヒューズの交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る配線モジュールが取り付けられた電池モジュールを示す斜視図である。
【図2】図2は電池モジュールを示す平面図である。
【図3】図3は接続部材を示す平面図である。
【図4】図4は検知端子を示す平面図である。
【図5】図5は配線モジュールを示す平面図である。
【図6】図6は樹脂プロテクタを示す平面図である。
【図7】図7は配線モジュールを示す斜視図である。
【図8】図8はヒューズブロックを示す斜視図である。
【図9】図9は配線モジュールを示す側面図である。
【図10】図10は配線モジュールを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態>
本発明に係る配線モジュール20を電池モジュール10に適用した一実施形態を、図1ないし図10を参照しつつ説明する。この電池モジュール10は、複数の単電池11を並べて構成された単電池群13に配線モジュール20を取り付けて構成される。この電池モジュール10は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車等の駆動源として使用される。以下では、上下方向については、図1を基準とし、前後方向については、図2の下方を前方、上方を後方として説明する。また、図2における右方を右方とし、左方を左方とする。
【0020】
(電池モジュール10)
電池モジュール10は、図2に示すように、横並びに配列された複数個の単電池11からなる単電池群13と、隣り合う電極端子12A,12B間を接続する接続部材15と、単電池群13の上面に組み付けられる配線モジュール20とを備えて構成されている。
【0021】
各単電池11の内部には、図示しない発電要素が収容されている。単電池11の上面には、垂直に突出する一対の電極端子12A,12Bが設けられている。電極端子12A,12B(正極を12A,負極を12Bとして図示)は、ボルトであって、単電池11の前部及び後部に設けられており、外周にネジ溝を有する。
【0022】
各単電池11の極性(正負)の向きは、互いに隣り合う単電池11が逆向きになるように配置されており、これにより、互いに異極の電極端子12A,12Bが隣り合うように構成されている。これら複数の単電池11は図示しない保持板によって固定されている。このように構成された単電池群13は電極端子12A,12Bが前後2列に並んでおり、接続部材15を組み付けることにより、複数の単電池11が直列に接続される。
【0023】
(接続部材15)
接続部材15は、銅、銅合金、アルミニウム等の金属板材からなり、図3に示すように、T字状であって、左右方向に延びて隣り合う電極端子12A,12B間を接続する本体部16と、前後方向に延びて検知端子21と接続される延出部18とを有する。
【0024】
本体部16には、左右一対の挿通孔17,17が貫通形成されている。挿通孔17,17は、円形状をなしている。
【0025】
延出部18は、左右方向(本体部16の延出方向)の中間部から前後方向(延出方向と直交する方向)に延びており、その幅寸法は本体部16の幅寸法よりも狭く形成されている。延出部18の先端部には、円形状の固定孔19が形成されている。固定孔19は、接続部材15と検知端子21との間を固定部材(図示しない)により固定するためのものである。
【0026】
なお、固定部材による固定は、例えば、固定孔19の部分に、バーリング加工を施してその内面にネジ溝を形成したり、ナットのネジ孔が固定孔19に連なるようにナットを延出部18の裏面に溶接等で固定することにより固定孔19の内面に連なるネジ溝を形成し、ボルト等の固定部材で締結するようにすればよい。
【0027】
(配線モジュール20)
配線モジュール20は、図2に示すように、検知電線Wの端末部に接続されて単電池11の電圧を検知する複数の検知端子21と、複数の検知端子21が収容される合成樹脂製の樹脂プロテクタ28と、を備えて構成されている。
【0028】
(検知端子21)
検知端子21は、図4に示すように、単電池11の電圧を検知するために設けられており、板状部22と、検知電線Wの端末に接続される電線接続部25とを備える。板状部22は、矩形状であって、中心部に円形状の固定孔23が形成されている。この固定孔23は、接続部材15の延出部18に設けられた固定孔19に連なるようになっており、固定孔23及び固定孔19に固定部材(図示しない)を通して検知端子21と接続部材15との間の電気的接続及び相対的位置の固定を行う。板状部22の先端側の一方の角部には、矩形状の係止片24が前方に突出して設けられている。
【0029】
電線接続部25は、検知電線Wの導体部が接続されるワイヤバレル部26と、絶縁被覆(絶縁層)の上から保持するインシュレーションバレル部27とを備える。検知電線Wは、被覆電線であって、端末部において絶縁被覆(絶縁層)を剥ぎ取り露出させた導体が検知端子21に接続されている。検知電線Wは、後述する電線収容溝43に集められて電池ECU(図示しない)に導かれる。この電池ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、単電池11の電圧・電流・温度等の検知、各単電池11の充放電コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0030】
(樹脂プロテクタ28)
樹脂プロテクタ28は、合成樹脂製であって、各検知端子21を保持する複数の保持部29と、各検知端子21に接続された検知電線Wが通される溝部34と、左右に隣り合う保持部29間を接続するとともに隣り合う保持部29間の間隔を調整可能な間隔調整手段40と、を備える。複数の保持部29は、図5の左右方向に並ぶと共に、前後方向に2列に並んで配されている。なお、図5においては、説明のため、検知電線Wを省略して記載してある。
【0031】
保持部29は上方に開口する箱状をなしており、矩形状の底壁と、底壁の周縁部から立ち上がる側壁と、を備えている。保持部29には、矩形状の開口部31が底壁を貫通して設けられており、この開口部31を検知端子21と接続部材15とを接続する固定部材が貫通するようになっている(図6参照)。
【0032】
保持部29の側壁は、工具等が検知端子21に接触して短絡することを防止するために、工具等の接触が防止される高さで設けられるものであり、検知端子21を包囲するように立設されている。保持部29の側壁は、板状部22の前後から挟み込むことにより板状部22を保持部29に保持している。板状部22と左右の側壁との間には、底壁の上に板状部22が配されない部分が形成されている。なお、保持部29の側壁の内面に、例えば側壁を切欠いて内方側に爪状に突出する撓み片を設け、この撓み片の爪の下に板状部22の周縁部を配することで、検知端子21の保持部29からの離脱を規制するようにしてもよい。
【0033】
保持部29の側壁のうち溝部34とは反対側には、検知端子21の係止片24が挿通される係止片挿通孔(図示しない)が設けられている。係止片挿通孔は、左右方向に延びるスリット状であって、係止片の先端部が係止片挿通孔からわずかに突き出る。保持部29の側壁における係止片挿通孔の外方側の面には、図7に示すように、係止片挿通孔を覆う補助壁33が設けられている。
【0034】
溝部34は、保持部29のうち、接続部材15とは反対側の端部に通し溝35を介して接続されている。通し溝35は、その溝内に検知端子21の電線接続部25が収容可能に形成されている。
【0035】
溝部34は、通し溝35の溝底に連なる溝底と、この溝底の前後の端縁から立ち上がる溝壁とを有し、溝壁における通し溝35に連なる部分は、溝壁が分断されて検知端子21の端末に連なる検知電線Wを通し溝35から溝部34内に導くことができるようになっている。
【0036】
図5おいて、後ろ側に配された保持部29に形成された溝部34と、前側に配された保持部29に形成された溝部34とは、図5の左右方向について交互に並ぶように配されている。これにより、後ろ側に配された保持部29に形成された溝部34と、前側に配された保持部29に形成された溝部34とは、左右方向に一列状に連なって電線収容溝43を構成している。
【0037】
間隔調整手段40は、隣り合う保持部29間を連結するとともに、単電池群13への組み付けの際の寸法公差に対して隣り合う保持部29間の間隔を調整することで組み付けの際の寸法公差を吸収するものであり、保持部29の側壁の角部から左右方向(保持部29の並び方向)に対して傾斜した方向に延びる一対の撓み部41と、左右方向に延びて左右に隣り合う撓み部41間を連結する一対の連結部42とを備える。一対の撓み部41は、互いに近づく方向(撓み部間の間隔を狭くする方向)に所定の角度(本実施形態では、左右方向に対して概ね55度の角度)で傾斜している。
【0038】
一対の撓み部41は、上下方向(配線モジュールの単電池群への組み付け方向)の寸法が、保持部29の側壁の高さ寸法にほぼ等しい厚肉の寸法である。また、厚み寸法(図6に表されている撓み部の厚み)は、保持部29の側壁の厚み寸法にほぼ等しい薄肉の寸法とされている。なお、撓み部41の左右方向に対する傾斜角度、上下方向の寸法、及び、厚み寸法は、上記した値に限らず、単電池群13への組み付けの際の寸法公差を吸収できる程度の値に適宜設定することができる。連結部42は、撓み部41と同一の高さ及び厚み寸法で撓み部41に連なるように形成されている。
【0039】
(ヒューズブロック50)
樹脂プロテクタ28には、図5における左端部に、ヒューズブロック取り付け部51が形成されており、このヒューズブロック取り付け部51に、合成樹脂製のヒューズブロック50が取り付けられている。ヒューズブロック50は概ねブロック状をなしている。ヒューズブロック50の上面には、複数のヒューズ52が着脱可能なヒューズ装着部53が上方に開口して形成されている。
【0040】
図6に示すように、ヒューズ装着部53は上方に開口する浅い皿状に形成されており、ヒューズブロック50が上方から組み付けられるようになっている。図には詳細に示さないが、ヒューズブロック50は、ヒューズブロック取り付け部51に、ビス止め、ロック爪による係止等、公知の手法により取り付けられるようになっている。
【0041】
図8に示すように、ヒューズブロック50の右側面には、検知電線Wの端末に取り付けられた入力コネクタ54と嵌合可能な入力コネクタ嵌合部55が形成されている。ヒューズブロック50がヒューズブロック取り付け部51に取り付けられた状態において、入力コネクタ54は、電線収容溝43に面するようになっている。図9に示すように、入力コネクタ嵌合部55の内部には入力コネクタ端子56が配されており、この入力コネクタ端子56は、ヒューズ52に接続されるヒューズ用端子(図示せず)と電気的に接続されている。これにより、入力コネクタ54が、入力コネクタ嵌合部55内に嵌合されることで、ヒューズ装着部53に装着されたヒューズ52と、検知電線Wとが電気的に接続されるようになっている。
【0042】
また、図8に示すように、ヒューズブロック50の前側面には、出力コネクタ57が嵌合可能な出力コネクタ嵌合部58が形成されている。出力コネクタ57からは、複数の電線59が導出されている。図10に示すように、出力コネクタ嵌合部58の内部には出力コネクタ端子60が配されており、この出力コネクタ端子60はヒューズ52に接続されるヒューズ用端子(図示せず)と電気的に接続されている。これにより、出力コネクタ57が、出力コネクタ嵌合部58に嵌合されることで、ヒューズ装着部53に装着されたヒューズ52と、電線59とが電気的に接続されるようになっている。
【0043】
(本実施形態の作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態によれば、配線モジュール20の樹脂プロテクタ28には、ヒューズブロック50が取り付けられている。このヒューズブロック50のヒューズ装着部53には、ヒューズ52が着脱可能に装着されるようになっている。このヒューズ52は、検知端子21に接続された検知電線Wと電気的に接続されるようになっている。これにより、検知電線W同士が短絡した場合には、ヒューズ52が溶断することにより、単電池11間が短絡して、比較的に大きな電流が流れることを抑制することができる。
【0044】
また、ヒューズ52が溶断した場合には、溶断したヒューズ52のみをヒューズブロック50から取り外し、正常なヒューズ52と交換すればよい。このように、本実施形態によれば、例えば検知端子21に直接にヒューズ52が接続される場合に比べて、溶断したヒューズ52を容易に交換することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、配線モジュール20には、樹脂プロテクタ28とは別体に形成されたヒューズブロック50が取り付けられる、ヒューズブロック取り付け部51が形成されている。これにより、本実施形態においては、ヒューズブロック50と、樹脂プロテクタ28とを、別々に形成しておき、ヒューズブロック取り付け部51にヒューズブロック50を取り付ければよい。この結果、ヒューズブロック50と樹脂プロテクタ28とを一体に形成する場合に比べて、ヒューズブロック50及び樹脂プロテクタ28の形状について設計の自由度が増す。
【0046】
また、本実施形態によれば、検知電線Wの端末には入力コネクタ54が接続されており、ヒューズブロック50には入力コネクタ54が嵌合される入力コネクタ嵌合部55が形成されている。これにより、検知電線Wとヒューズブロック50との接続を、入力コネクタ54と、入力コネクタ嵌合部55とのコネクタ接続により実現できるので、複数の検知電線Wをヒューズブロック50に接続する場合に特に有効である。
【0047】
更に、本実施形態によれば、ヒューズブロック50には出力コネクタ57が嵌合される出力コネクタ嵌合部58が形成されており、出力コネクタ57からはヒューズ52と電気的に接続される電線59が導出されている。これにより、ヒューズ52から導出される電線59と、ヒューズブロック50との接続を、出力コネクタ57と、出力コネクタ嵌合部58とのコネクタ接続により実現できるので、複数の電線59をヒューズブロック50に接続する場合に特に有効である。
【0048】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、ヒューズブロック50と樹脂プロテクタとは別体に形成される構成としたが、これに限られず、ヒューズブロック50は、樹脂プロテクタと一体に形成されていてもよい。
【0049】
(2)本実施形態においては、ヒューズブロック50に形成された入力コネクタ嵌合部55内に、検知電線Wに接続された入力コネクタ54を嵌合させる構成としたが、これに限られず、検知電線Wは、入力コネクタ54を介することなく、ヒューズブロック50の内部に直接に導入されて、ヒューズ52と接続されるヒューズ用端子と電気的に接続される構成としてもよい。
【0050】
(3)出力コネクタ57を省略し、電線59は、ヒューズブロック50の内部に導入されて、ヒューズ52と接続されるヒューズ用端子と電気的に接続される構成としてもよい。
【0051】
(4)上記実施形態では、樹脂プロテクタ28は、プレート状であったが、これに限らず、樹脂プロテクタを複数の別体の(同一形状の)連結ユニットを左右に連結して構成したものに本発明の構成を適用してもよい。この場合、例えば、検知端子が保持される各連結ユニットに被係合部と、隣り合う連結ユニットの被係合部に係合する係合部を設け、係合部と被係合部とで連結ユニット間を接続するとともに連結ユニット間の間隔を調整する間隔調整手段を構成するようにすることができる。
【0052】
(5)上記実施形態では、間隔調整手段40として、一対の撓み部41を設けたが、間隔調整手段としては、これに限られない。例えば、左右方向に弾性変形可能な弾性部材を用いて隣り合う保持部29間の間隔を調整する構成としてもよい。また、例えば、一対の撓み部41のうちの、一方の撓み部のみによって、間隔調整手段を構成するようにしてもよい。
【0053】
(6)電池モジュール10を構成する単電池11の数については、上記実施形態の個数に限られない。また、保持部29や間隔調整手段40の数についても単電池11の数に応じて適宜変更することができる。
【0054】
(7)上記実施形態では、電極端子12A,12Bに接続部材15を挿通してナットで締結する構成であったが、これに限らず、単電池11がナット型の電極端子を備える構成とし、ボルトをナット型の電極端子に締結するようにしてもよい。
【0055】
(8)上記実施形態では、保持部29には単電池11の電圧を検知する検知端子21が保持される構成としたが、電圧を検知する検知端子21に限らず、単電池11の状態(例えば電流や温度等)を検知する検知端子が保持部29に保持されるようにしてもよい。
【0056】
(9)接続部材15については、配線モジュール20(樹脂プロテクタ28)とは別体で仕切り壁を有する収容部材に収容して接続部材15を外部と絶縁するようにしてもよい。
【0057】
(10)上記実施形態では、接続部材15は、異極の電極端子12A,12Bを接続(直列接続)するものとしたが、これに限られず、同極の電極端子12A(12B)を接続(並列接続)するものでもよい。例えば、上記実施形態の電池モジュール10に更に別の単電池11を並列接続し、この並列接続における同極の電極端子12A(12B)を複数の接続部材15で接続するようにしてもよい。
【0058】
(11)上記実施形態では、検知端子21は、接続部材15に接続される構成としたが、これに限られない。例えば、単電池に接続部材に接続される電極端子とは別に電圧検知用の電極を設け、配線モジュールの検知端子21を、接続部材15に接続せずに、単電池の電圧検知用の電極に接続して、単電池の電圧(状態)を検知するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…電池モジュール
11…単電池
12A,12B…電極端子
13…単電池群
20…配線モジュール
21…検知端子
28…樹脂プロテクタ
50…ヒューズブロック
51…ヒューズブロック取り付け部
52…ヒューズ
54…入力コネクタ
55…入力コネクタ嵌合部
57…出力コネクタ
58…出力コネクタ嵌合部
W…検知電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極の電極端子を有する複数の単電池が並べられてなる単電池群に取り付けられる配線モジュールであって、
前記電極端子に電気的に接続されて前記単電池の電圧を検知する検知端子と、前記検知端子が保持される合成樹脂製の樹脂プロテクタと、前記検知端子に接続された検知電線と、前記樹脂プロテクタに備えられると共に前記検知電線に電気的に接続されるヒューズが着脱可能に装着されるヒューズブロックと、を備えた配線モジュール。
【請求項2】
前記配線モジュールには、前記樹脂プロテクタとは別体に形成された前記ヒューズブロックが取り付けられるヒューズブロック取り付け部が形成されている請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記検知電線の端末には入力コネクタが接続されており、前記ヒューズブロックには前記入力コネクタが嵌合される入力コネクタ嵌合部が形成されている請求項1または請求項2に記載の配線モジュール。
【請求項4】
前記ヒューズブロックには出力コネクタが嵌合される出力コネクタ嵌合部が形成されており、前記出力コネクタからは前記ヒューズと電気的に接続される電線が導出されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の配線モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−106400(P2013−106400A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247531(P2011−247531)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】