説明

金属板部材の接合方法

【課題】接着接合された2つの金属板部材の所定部位をアーク溶接接合する際に、アーク熱での接着層の蒸発によるガスによって溶融池が吹き飛ばされるということが起こらないようにした、金属板部材の接合方法を提供すること。
【解決手段】第1金属板部材101に、該第1金属板部材補強用の部材であって該第1金属板部材101とは異なる異種の第2金属板部材102を樹脂系接着剤で接合するに際し、接着接合後に前記2つの金属板部材101,102をアーク溶接接合しようとする部位に接着剤ガス化防止用金属板部材104を配置し、該接着剤ガス化防止用金属板部材104を間に挟む状態で前記2つの金属板部材101,102を樹脂系接着剤103で接合し、次いで、前記接着剤ガス化防止用金属板部材104とともに金属板部材101,102をアーク溶接接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂系接着剤とアーク溶接とを併用して2つの金属板部材を接合する金属板部材の接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車車両、鉄道車両などの大型製品における金属板部材同士の接合では、接着剤と溶接とを併用して異種の2つの金属板部材を接合することが行われている。図6は従来技術を説明するための断面図である。
【0003】
図6において、51はアルミニウム合金板からなり、平板状の第1金属板部材である。52は第1金属板部材51よりも小形寸法で、第1金属板部材51の補強用部材であり、鋼板からなり、平板状で矩形形状の第2金属板部材である。図6(a)に示すように、第1金属板部材51上に樹脂系接着剤を塗布し、さらにこの上に第2金属板部材52を重ね合わせることで、接着層53によって2つの異種の金属板部材51,52が接着接合されている。
【0004】
この接着接合された部材において、金属板部材51,52の接合強度(剥離強度)を高めることを目的として、第2金属板部材52の例えば対向する長辺端と第1金属板部材51とをアーク溶接接合しようとすると、図6(b)に示すように、第2金属板部材52の前記長辺端の近傍の接着層53部分が、アーク熱で蒸発してガス化する。このため、アーク熱での接着層53の蒸発によるガスによって溶融池が吹き飛ばされて、溶接ビードが良好に形成されず、金属板部材51,52を良好にアーク溶接接合できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−275960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、樹脂系接着剤とアーク溶接とを併用して2つの金属板部材を接合するにあたり、接着接合された2つの金属板部材の所定部位をアーク溶接接合する際に、アーク熱での接着層の蒸発によるガスによって溶融池が吹き飛ばされるということが起こらないようにして、良好な溶接ビードを形成できるようにした、金属板部材の接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
請求項1の発明は、第1金属板部材に、該第1金属板部材補強用の部材であって該第1金属板部材とは異なる異種の第2金属板部材を樹脂系接着剤で接合するに際し、接着接合後に前記2つの金属板部材をアーク溶接接合しようとする部位に接着剤ガス化防止用金属板部材を配置し、該接着剤ガス化防止用金属板部材を間に挟む状態で前記2つの金属板部材を樹脂系接着剤で接合し、次いで、前記2つの金属板部材をアーク溶接で接合することを特徴とする金属板部材の接合方法である(第1の発明による金属板部材の接合方法)。
【0009】
請求項2の発明は、平板状をなす第1金属板部材上に、該第1金属板部材補強用の部材であって該第1金属板部材とは異なる異種の平板状をなす第2金属板部材を、該両金属板部材の少なくとも片側端の位置を一致させて樹脂系接着剤で接合するに際し、前記第1金属板部材上に前記片側端に沿って接着剤ガス化防止用金属板部材を配置し、該接着剤ガス化防止用金属板部材を間に挟む状態で前記2つの金属板部材を樹脂系接着剤で接合してなる接着接合金属板部材を得、該接着接合金属板部材とこれと同一構造の接着接合金属板部材とを、前記接着剤ガス化防止用金属板部材側の端部同士を突き合わせた状態でアーク溶接で接合することを特徴とする金属板部材の接合方法である(第2の発明による金属板部材の接合方法)。
【0010】
請求項3の発明は、平板状をなす2枚の第1金属板部材同士を突き合わせた下側突き合わせ金属板部材上に、前記第1金属板部材補強用の部材であって該第1金属板部材とは異なる異種の平板状をなす2枚の第2金属板部材同士をその突き合わせ位置が前記下側突き合わせ金属板部材の突き合わせ位置と一致して延びるようにして突き合わせた上側突き合わせ金属板部材を、樹脂系接着剤で接合するに際し、前記下側突き合わせ金属板部材の突き合わせ部に沿って接着剤ガス化防止用金属板部材を配置し、該接着剤ガス化防止用金属板部材を間に挟む状態で前記2つの突き合わせ金属板部材を樹脂系接着剤で接合し、次いで、前記各突き合わせ金属板部材の突き合わせ部を、それぞれ、アーク溶接で接合することを特徴とする金属板部材の接合方法である(第3の発明による金属板部材の接合方法)。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属板部材の接合方法において、前記第1金属板部材がアルミニウム合金板で形成され、前記第2金属板部材が鋼板で形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜4の発明による金属板部材の接合方法によれば、樹脂系接着剤とアーク溶接とを併用して2つの金属板部材を接合するにあたり、接着接合された2つの金属板部材の所定部位をアーク溶接接合する際に、前記所定部位の箇所に接着剤ガス化防止用金属板部材が配置されているので、アーク熱での接着層の蒸発によるガスによって溶融池が吹き飛ばされるという現象が起こることが無くて、良好な溶接ビードを形成でき、接着接合されている2つの金属板部材をビード不良のよる溶接不良を生じることなく良好にアーク溶接接合できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の発明の一実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【図2】第1の発明の別の実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【図3】第1の発明の別の実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【図4】第2の発明の一実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【図5】第3の発明の一実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【図6】従来技術を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は第1の発明の一実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【0016】
図1において、101は1枚の平板状をなす第1金属板部材であり、102は第1金属板部材101補強用の部材であって第1金属板部材101とは異なる異種の第2金属板部材である。この実施形態では、第1金属板部材101は、厚み
0.6〜8mmの範囲のアルミニウム合金板(JIS7000系アルミニウム合金板)からなっている。また、第2金属板部材102は、厚み0.6〜6mmの範囲の鋼板(120キロ級(1177MPa級)高張力鋼板)からなり、第1金属板部材101よりも小形寸法で、矩形形状をなしている。
【0017】
樹脂系接着剤とアーク溶接とを併用して2つの金属板部材101,102を接合するにあたり、まず、第1金属板部材101に第2金属板部材102を樹脂系接着剤で接合するに際し、該樹脂系接着剤を塗布するに先立ち、第1金属板部材101において、接着接合後に2つの金属板部材101,102をアーク溶接接合しようとする部位であるところの、第2金属板部材102の図における奥行き方向へ延びる長辺端に対応する部位に、それぞれ、狭幅で細長く延びる接着剤ガス化防止用金属板部材104,104が配置される。
【0018】
そして、第1金属板部材101上における前記接着剤ガス化防止用金属板部材104,104の間の領域全体にわたって樹脂系接着剤が塗布され、この上に第2金属板部材102を重ね合わせることで、接着剤ガス化防止用金属板部材104,104を間に挟む状態で、接着層103によって金属板部材101,102が接着接合される。樹脂系接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂接着剤が用いられる。
【0019】
ここで、前記接着剤ガス化防止用金属板部材104は、この実施形態では、第1金属板部材101と同種のアルミニウム合金板からなり、厚み0.4〜2mm、幅5〜45mmの範囲のものである。
【0020】
次いで、前記接着剤ガス化防止用金属板部材104とともに前記2つの金属板部材101,102がアーク溶接で溶接接合される。このアーク溶接接合するに際し、アーク溶接接合しようとする箇所に接着剤ガス化防止用金属板部材104,104が配置されているので、アーク熱によって接着層103の蒸発によるガス化が生じることがなく、接着層103の蒸発によるガスによって溶融池が吹き飛ばされるという現象が起こることが無くて、良好な溶接ビードを形成でき、接着接合されている2つの金属板部材101,102をビード不良による溶接不良を生じることなく良好にアーク溶接接合することができる。
【0021】
このアーク溶接接合に用いるアーク溶接法としては、MIG溶接、MAG溶接、フィラワイヤを用いるTIG溶接が挙げられる。例えば、MIG溶接の場合の溶接条件は、溶接電流:90A、溶接電圧:17.5V、溶接速度:50cm/min、シールドガス:Ar25リットル/min、溶接前進角:5°である。
【0022】
図2は第1の発明の別の実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【0023】
図2において、201は1枚の平板状をなす第1金属板部材である。202は第1金属板部材201補強用の部材であって、1枚の平板状をなす第2金属板部材であり、第1金属板部材201と同一の大きさである。第1金属板部材201の材質、厚みは、前記図1における第1金属板部材101と同じである。また、第2金属板部材202の材質、厚みは、前記図1における第2金属板部材102と同じである。
【0024】
樹脂系接着剤とアーク溶接とを併用して2つの金属板部材201,202を接合するにあたり、まず、第1金属板部材201に第2金属板部材202を樹脂系接着剤で接合するに際し、第1金属板部材201において、接着接合後に2つの金属板部材201,202をアーク溶接接合しようとする部位であるところの、
第1金属板部材201の図における奥行き方向へ延びる両端の部位に、それぞれ、狭幅で細長く延びる接着剤ガス化防止用金属板部材204,204が配置される。接着剤ガス化防止用金属板部材204,204の材質、厚み及び幅は、前記図1における接着剤ガス化防止用金属板部材104と同じである。
【0025】
次いで、第1金属板部材201上における前記接着剤ガス化防止用金属板部材204,204の間の領域全体にわたって樹脂系接着剤が塗布され、この上に第2金属板部材202を重ね合わせることで、接着剤ガス化防止用金属板部材204,204を間に挟む状態で、接着層203によって金属板部材201,202が接着接合される。
【0026】
次に、前記接着剤ガス化防止用金属板部材204とともに金属板部材201,202がアーク溶接、例えばMIG溶接によって溶接接合される。このアーク溶接接合するに際し、アーク溶接接合しようとする箇所に接着剤ガス化防止用金属板部材204,204が配置されているので、アーク熱によって接着層203の蒸発によるガス化が生じることがなく、接着層203の蒸発によるガスによって溶融池が吹き飛ばされるという現象が起こることが無くて、良好な溶接ビードを形成でき、接着接合されている2つの金属板部材201,202をビード不良による溶接不良を生じることなく良好にアーク溶接接合することができる。
【0027】
図3は第1の発明の別の実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【0028】
図3において、301は第1金属板部材である。この第1金属板部材301は、平板状をなす下板301aに上下方向に垂直に延びる立板301bを溶接接合してなる金属板部材である。302は第1金属板部材301補強用の部材であって、1枚の平板状をなす第2金属板部材である。第1金属板部材301を構成する下板301a及び立板301bの材質、厚みは、前記図1における第1金属板部材101と同じである。また、第2金属板部材302の材質、厚みは、前記図1における第2金属板部材102と同じである。
【0029】
樹脂系接着剤とアーク溶接とを併用して2つの金属板部材301,302を接合するにあたり、まず、第1金属板部材301に第2金属板部材302を樹脂系接着剤で接合するに際し、第1金属板部材301において、接着接合後に2つの金属板部材301,302をアーク溶接接合しようとする部位であるところの、第2金属板部材302の図における奥行き方向へ延びる下端に対応する部位に、狭幅で細長く延びる接着剤ガス化防止用金属板部材304が配置される。この接着剤ガス化防止用金属板部材304の材質、厚み及び幅は、前記図1における接着剤ガス化防止用金属板部材104と同じである。
【0030】
次いで、第1金属板部材301の立板301b上における前記接着剤ガス化防止用金属板部材304を除く領域全体にわたって樹脂系接着剤が塗布され、この上に第2金属板部材302を重ね合わせることで、接着剤ガス化防止用金属板部材304を間に挟む状態で、接着層303によって金属板部材301,302が接着接合される。
【0031】
次に、前記接着剤ガス化防止用金属板部材304に沿って第1金属板部材301の下板301aと第2金属板部材302とのコーナー部がアーク溶接、例えば
MIG溶接によって溶接接合される。このアーク溶接接合するに際し、アーク溶接接合しようとする箇所に接着剤ガス化防止用金属板部材304が配置されているので、アーク熱によって接着層303の蒸発によるガス化が生じることがなく、接着層蒸発によるガスが下板301aと第2金属板部材302との重ね合わせ部分の隙間を通じて噴出することで溶融池が吹き飛ばされるという前記接着剤ガス化防止用金属板部材304がない場合の現象が起こることが無くて、良好な溶接ビードを形成でき、接着接合されている2つの金属板部材301,302をビード不良による溶接不良を生じることなく良好にアーク溶接接合することができる。
【0032】
図4は第2の発明の一実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【0033】
図4において、411は1枚の平板状をなす第1金属板部材である。412は第1金属板部材411補強用の部材であって、1枚の平板状をなす第2金属板部材であり、第1金属板部材411と同じ大きさである。第1金属板部材411の材質、厚みは、前記図1における第1金属板部材101と同じである。また、第2金属板部材412の材質、厚みは、前記図1における第2金属板部材102と同じである。
【0034】
そして、前記第1金属板部材411上における図における奥行き方向へ延びる片側端に狭幅で細長く延びる接着剤ガス化防止用金属板部材414が配置される。次に、この第1金属板部材411上における前記接着剤ガス化防止用金属板部材414を除く領域全体にわたって樹脂系接着剤が塗布され、この上に第2金属板部材412を重ね合わせることで、接着剤ガス化防止用金属板部材414を間に挟む状態で、接着層413によって金属板部材411,412が接着接合されてなる第1接着接合金属板部材410が形成される。前記接着剤ガス化防止用金属板部材414の材質、厚み及び幅は、前記図1における接着剤ガス化防止用金属板部材104と同じである。
【0035】
また、前記第1接着接合金属板部材410と同様にして、接着剤ガス化防止用金属板部材424を間に挟む状態で、接着層423によって第1金属板部材421と第2金属板部材422とが接着接合されてなる第2接着接合金属板部材420が形成される。
【0036】
次に、前記2つの接着接合金属板部材410,420は、それらの接着剤ガス化防止用金属板部材側の端部同士を突き合わせた状態で、第2金属板部材412,422同士がその突き合わせ部に沿ってアーク溶接、例えばMIG溶接によって溶接接合される。このアーク溶接接合するに際し、アーク溶接接合しようとする箇所に接着剤ガス化防止用金属板部材414,424が配置されているので、アーク熱によって接着層413,423の蒸発によるガス化が生じることがなく、接着層蒸発によるガスが第2金属板部材412,422同士の突き合わせ部分の隙間を通じて噴出することで溶融池が吹き飛ばされるという前記接着剤ガス化防止用金属板部材414,424がない場合の現象が起こることが無くて、良好な溶接ビードを形成することができる。そして、部材を反転して、同様にして、第1金属板部材411,421同士がその突き合わせ部に沿ってアーク溶接でビード不良を生じることなく良好に溶接接合される。
【0037】
図5は第3の発明の一実施形態による接合方法を説明するための断面図である。
【0038】
図5において、511は下側突き合わせ金属板部材である。この下側突き合わせ金属板部材511は、平板状をなす2枚の第1金属板部材511a,511b同士を突き合わせてなる部材である。第1金属板部材511a,511bの材質、厚みは、前記図1における第1金属板部材101と同じである。
【0039】
そして、前記下側突き合わせ金属板部材511上における図における奥行き方向へ延びる突き合わせ部に狭幅で細長く延びる接着剤ガス化防止用金属板部材514が配置される。接着剤ガス化防止用金属板部材514の材質、厚み及び幅は、前記図1における接着剤ガス化防止用金属板部材104と同じである。次に、この下側突き合わせ金属板部材511上における前記接着剤ガス化防止用金属板部材514を除く領域全体にわたって樹脂系接着剤が塗布され、この上に上側突き合わせ金属板部材512を重ね合わせることで、接着剤ガス化防止用金属板部材514を間に挟む状態で、接着層513,513によって前記突き合わせ金属板部材511,512が接着接合される。
【0040】
前記上側突き合わせ金属板部材512は、下側突き合わせ金属板部材511の補強用部材であって、平板状をなす2枚の第2金属板部材512a,512b同士を突き合わせてなる部材である。第2金属板部材512a,512bの材質、厚みは、前記図1における第2金属板部材102と同じである。
【0041】
次に、上側突き合わせ金属板部材512の第2金属板部材512a,512b同士がその突き合わせ部に沿ってアーク溶接、例えばMIG溶接によって溶接接合される。このアーク溶接接合するに際し、アーク溶接接合しようとする箇所に前記接着剤ガス化防止用金属板部材514が配置されているので、アーク熱によって接着層513,513の蒸発によるガス化が生じることがなく、接着層蒸発によるガスが第2金属板部材512a,512b同士の突き合わせ部分の隙間を通じて噴出することで溶融池が吹き飛ばされるという前記接着剤ガス化防止用金属板部材514がない場合の現象が起こることが無くて、良好な溶接ビードを形成することができる。そして、部材を反転して、同様にして、第1金属板部材511a,511b同士がその突き合わせ部に沿ってアーク溶接でビード不良を生じることなく良好に溶接接合される。
【符号の説明】
【0042】
101…第1金属板部材 102…第2金属板部材
103…接着層 104…接着剤ガス化防止用金属板部材
201…第1金属板部材 202…第2金属板部材
203…接着層 204…接着剤ガス化防止用金属板部材
301…第1金属板部材 301a…下板 301b…立板
302…第2金属板部材 303…接着層
304…接着剤ガス化防止用金属板部材
410…第1接着接合金属板部材
411…第1金属板部材 412…第2金属板部材
413…接着層 414…接着剤ガス化防止用金属板部材
420…第2接着接合金属板部材
421…第1金属板部材 422…第2金属板部材
423…接着層 424…接着剤ガス化防止用金属板部材
511…下側突き合わせ金属板部材 511a,511b…第1金属板部材
513…接着層 514…接着剤ガス化防止用金属板部材
512…上側突き合わせ金属板部材 512a,512b…第2金属板部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属板部材に、該第1金属板部材補強用の部材であって該第1金属板部材とは異なる異種の第2金属板部材を樹脂系接着剤で接合するに際し、接着接合後に前記2つの金属板部材をアーク溶接接合しようとする部位に接着剤ガス化防止用金属板部材を配置し、該接着剤ガス化防止用金属板部材を間に挟む状態で前記2つの金属板部材を樹脂系接着剤で接合し、次いで、前記2つの金属板部材をアーク溶接で接合することを特徴とする金属板部材の接合方法。
【請求項2】
平板状をなす第1金属板部材上に、該第1金属板部材補強用の部材であって該第1金属板部材とは異なる異種の平板状をなす第2金属板部材を、該両金属板部材の少なくとも片側端の位置を一致させて樹脂系接着剤で接合するに際し、前記第1金属板部材上に前記片側端に沿って接着剤ガス化防止用金属板部材を配置し、該接着剤ガス化防止用金属板部材を間に挟む状態で前記2つの金属板部材を樹脂系接着剤で接合してなる接着接合金属板部材を得、該接着接合金属板部材とこれと同一構造の接着接合金属板部材とを、前記接着剤ガス化防止用金属板部材側の端部同士を突き合わせた状態でアーク溶接で接合することを特徴とする金属板部材の接合方法。
【請求項3】
平板状をなす2枚の第1金属板部材同士を突き合わせた下側突き合わせ金属板部材上に、前記第1金属板部材補強用の部材であって該第1金属板部材とは異なる異種の平板状をなす2枚の第2金属板部材同士をその突き合わせ位置が前記下側突き合わせ金属板部材の突き合わせ位置と一致して延びるようにして突き合わせた上側突き合わせ金属板部材を、樹脂系接着剤で接合するに際し、前記下側突き合わせ金属板部材の突き合わせ部に沿って接着剤ガス化防止用金属板部材を配置し、該接着剤ガス化防止用金属板部材を間に挟む状態で前記2つの突き合わせ金属板部材を樹脂系接着剤で接合し、次いで、前記各突き合わせ金属板部材の突き合わせ部を、それぞれ、アーク溶接で接合することを特徴とする金属板部材の接合方法。
【請求項4】
前記第1金属板部材がアルミニウム合金板で形成され、前記第2金属板部材が鋼板で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属板部材の接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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