鍵盤楽器
【課題】演奏の容易性を確保しつつ、鍵盤楽器としての表現力をさらに高めること。
【解決手段】鍵部30は、鍵32を4オクターブ分の95本備える。鍵32には、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cがあり、鍵部30は、28本の第一鍵32a、47本の第二鍵32bおよび20本の第三鍵32cを前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成を有している。また、第一鍵32aと第二鍵32bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵32bと第三鍵32cとの間にも段差が形成され、各鍵32の高さは、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cの順に高くなっている。
【解決手段】鍵部30は、鍵32を4オクターブ分の95本備える。鍵32には、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cがあり、鍵部30は、28本の第一鍵32a、47本の第二鍵32bおよび20本の第三鍵32cを前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成を有している。また、第一鍵32aと第二鍵32bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵32bと第三鍵32cとの間にも段差が形成され、各鍵32の高さは、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cの順に高くなっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵や音板を叩くことで音を発生する鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
アコースティックピアノなどの鍵盤楽器は、横方向に並べられ、その略中央部をバランスキーピンにより上下揺動自在に支持される鍵と、鍵それぞれに対応して配設され、鍵に連動して回動動作するハンマーと、鍵それぞれに対応して配設され、両端部がフレームにチューニングピンとフレームピンによって係止されることで所定の張力をもって略水平に張設される弦と、を備え、何れかの鍵を演奏者が押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩いて発音するようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような鍵盤楽器において、楽器としての表現力を高めるためには、発音可能な音の刻み(音高差)を小さくするとともに発音可能な音の音域を広くすることが好ましい。そのためには、鍵および弦ごとに音高を予め設定しておく必要があるという鍵盤楽器の構造上の特性から鍵および弦の数量を増やして対応すればよいが、一方で、鍵盤楽器の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵が配設される必要がある。また、鍵の数量が多くなり過ぎると演奏時の運指に支障が生じやすくなる。また、鍵の数量を増やすために各鍵の大きさを小さくしても演奏時の運指に支障が生じやすくなる。
【0004】
そこで、これらの相反する要求を高レベルで実現させるという観点から、現在の標準的な鍵盤楽器においては、演奏者の指の長さや幅を考慮して鍵の大きさを規定するとともに、52個の白鍵と36個の黒鍵とからなる88個の鍵を横方向に並べた鍵盤を備え、7オクターブと短3度の音域の音を半音刻みで発生可能となっている。
【0005】
この場合、上述の白鍵および黒鍵は、種別ごとに横方向に並べて配設されている。具体的には、白鍵が前列、黒鍵が後列となっており、互いの音高差が全音である二つの白鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに黒鍵が配設される。このように隣接する白鍵と黒鍵との間の音高差は半音となっている。なお、互いの音高差が半音である二つの白鍵間においては、上述のような切り欠きは形成されず、その間には黒鍵も配置されない。そして、白鍵と黒鍵との間には段差が形成され、各鍵の高さは黒鍵の方が白鍵よりも高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平07−219522号公報(第5頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のような鍵盤楽器においては、楽器としての表現力をさらに高めるために、上述の相反する要求をさらに高レベルで実現させることが望まれている。
なお、このような問題は、鍵盤を備える楽器においては同様に生じ得る。例えば、パイプ・オルガン、チェンバロ、ピアノ、アコーディオンなどの鍵盤楽器や、マリンバ、シロフォン、ビブラフォンなどの鍵盤打楽器などである。また、ピアノとしては、グランドピアノやアップライトピアノといったアコースティックピアノ、電子ピアノ(電子鍵盤楽器)などが挙げられる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めた鍵盤楽器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る鍵盤楽器は、演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵が前後方向に回動可能に支持され、押鍵時に上方に回動する前記鍵の後端部が対応するハンマーを回動動作させ、回動動作するハンマーの先端部が、両端部がチューニングピンとフレームピンに係止されることで所定の張力をもって張設される弦を叩くことで音を発生する鍵盤楽器において、前記鍵には、第一鍵、第二鍵、第三鍵があり、前記第一鍵、前記第二鍵および前記第三鍵を前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成の鍵部が上下方向に複数段に形成され、さらに、前記各鍵部は、互いの音高差が全音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵が配設され、これら隣接する二つの第二鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵が一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵が配設され、前記鍵それぞれに対応して前記ハンマーおよび前記弦が配設され、前記各弦は、その音高が、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されることを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明の鍵盤楽器によれば、各弦が、その音高が、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、鍵部が上下方向に複数段に配設されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなり且つ当該鍵盤楽器が発音可能な音の音域を広くするために鍵の数量が多くなっても、鍵盤楽器の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵が配設される。また、鍵の数量を増やしても各鍵の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0011】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項2に係る鍵盤楽器は、演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵が前後方向に回動可能に支持され、押鍵時に上方に回動する前記鍵の後端部を検知することで音を発生する鍵盤楽器において、前記鍵には、第一鍵、第二鍵、第三鍵があり、前記第一鍵、前記第二鍵および前記第三鍵を前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成の鍵部が上下方向に複数段に形成され、さらに、前記各鍵部は、互いの音高差が全音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵が配設され、これら隣接する二つの第二鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵が一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵が配設され、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されることを特徴とする。
【0012】
このように構成された本発明の鍵盤楽器によれば、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、鍵部が上下方向に複数段に配設されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなり且つ当該鍵盤楽器が発音可能な音の音域を広くするために鍵の数量が多くなっても、鍵盤楽器の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵が配設される。また、鍵の数量を増やしても各鍵の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0013】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、鍵盤楽器としての表現力をさらに高めることができる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項3に係る鍵盤楽器は、演奏者に対向して左右方向に並ぶ音板を叩くことで音を発生し、前記音板の下方に懸吊されるパイプが発生した音に共鳴して振動することにより音の音量を増大させる鍵盤楽器において、前記音板は、それぞれ複数本からなる前列側の幹音音板と後列側の派生音音板とからなり、前後に複数段に配設され、前記幹音音板は、第一音板を横方向に並べて配設した構成を有し、前記派生音音板は、第二音板、第三音板および第四音板を横方向に並べて配設した構成を有し、互いの音高差が全音である二つの第一音板間には第二音板が配設され、互いの音高差が半音である第一音板と第二音板との間には第三音板がそれぞれ配設され、互いの音高差が半音である二つの第一音板間には第四音板が配設され、隣接する第一音板と第二音板との間の音高差、隣接する第二音板と第三音板との間の音高差、隣接する第一音板と第三音板との間の音高差および隣接する第一音板と第四音板との間の音高差がそれぞれ四分音となることを特徴とする。
【0014】
このように構成された本発明の鍵盤楽器によれば、隣接する音板同士の間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、音板が前後方向に複数段に配設されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなり且つ当該鍵盤楽器が発音可能な音の音域を広くするために音板の数量が多くなっても、鍵盤楽器の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての音板が配設される。また、音板の数量を増やしても各音板の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0015】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、鍵盤楽器としての表現力をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】グランドピアノ1の外観図
【図2】グランドピアノ1の前部の側断面
【図3】鍵部30、鍵115および鍵部230の詳細図
【図4】電子鍵盤楽器101の外観図
【図5】電子鍵盤楽器101の回路構成のブロック図
【図6】電子鍵盤楽器101の側断面
【図7】他の実施形態の鍵部の詳細図
【図8】アップライトピアノ201の外観図
【図9】アップライトピアノ201の前部の側断面
【図10】マリンバ301の外観図
【図11】マリンバ301の音板305の詳細図
【図12】他の実施形態の音板の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[第一実施形態]
図1はグランドピアノ1の外観図であり、図2はグランドピアノ1の前部の側断面であり、図3は鍵部30および鍵115の詳細図である。なお、図1では、アクション装置3,5の鍵部30およびアクション装置3,5の上方を覆うための蓋の図示が省略されている。
【0018】
[1.グランドピアノ1の構成の説明]
本実施形態のグランドピアノ1は、図1に示すように、鍵を押鍵して弦を打弦する二つのアクション装置3,5を備えている。
【0019】
アクション装置3は、グランドピアノ1の前部に配設されている。また、アクション装置5は、アクション装置3の上方の斜め後方に配設されている。
以下に、アクション装置3の構成について説明する。
【0020】
図2に示すように、アクション装置3は、ピアノ本体10の棚板12上に設置され、鍵部30と伝達部40とからなる。
鍵部30は、鍵32と筬34とからなり棚板12上に設置される。鍵部30は、鍵32を4オクターブ分の95本備え、各鍵32は筬34上に並列に設置される。筬34は、鍵32の配列方向(左右方向)に長尺な板材であり、その幅方向中程には鍵32に配列方向に沿って長尺な中筬36が設けられている。鍵32は、この中筬36を支点に揺動するよう筬34上に載置される。
【0021】
また、鍵32には、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cがあり、鍵部30は、28本の第一鍵32a、47本の第二鍵32bおよび20本の第三鍵32cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。図3では、1オクターブ分の鍵32を図示している。
【0022】
なお、第一鍵32aは白色に構成されており、第二鍵32bは青色に構成されており、第三鍵32cは黒色に構成されている。
また、第一鍵32aと第二鍵32bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵32bと第三鍵32cとの間にも段差が形成され、各鍵32の高さは、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cの順に高くなっている。
【0023】
なお、第一鍵32aは従来のグランドピアノの白鍵に相当し、第三鍵32cは従来のグランドピアノの黒鍵に相当する。
そして、鍵部30は、図3に示すように、互いの音高差が全音である二つの第一鍵32a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵32bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵32b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵32cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵32a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵32bが配設されている。
【0024】
図2に戻り、伝達部40は、ハンマー42と、アクション44とからなる。なお、ハンマー42およびアクション44は鍵32に対応して配設される。そして、鍵32の長手方向略中央の上方に、鍵32の配列方向に沿ってハンマーシャンクレール46が設けられており、ハンマー42は、このハンマーシャンクレール46に揺動自在に取り付けられている。一方、アクション44は、ハンマー42と鍵32との間の位置であって、鍵32が押鍵されたときに持ち上がってハンマー42を突き上げ自在な位置に設置される。なお、このアクション44は、グランドピアノ1に備えられた一般的な構成のものなので、その詳細な説明については省略する。
【0025】
また、鍵32それぞれに対応して弦2が配設される。各音高の弦2は、両端部が鍵部30の上方に配設されたピアノ本体10に対してチューニングピン(図示省略)とフレームピン(図示省略)に係止されることで所定の張力をもって略水平に張設されている。そして、本実施形態のグランドピアノ1においては、各弦2は、その音高が、隣接する第一鍵32aと第二鍵32bとの間の音高差および隣接する第二鍵32bと第三鍵32cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されている。
【0026】
そして、アクション装置3は、通常、伝達部40の重みで鍵32の後方側が下がっているので、鍵32の前方側を押鍵すると、鍵32が中筬36を支点に揺動し、アクション44を介してハンマー42を突き上げて弦2を打弦し、鍵32の操作を中止すると、ハンマー42およびアクション44の重みで元の位置に戻るようにされている。
【0027】
次にアクション装置5の構成について説明する。
アクション装置5は、上述のように、アクション装置3の上方の斜め後方に配設されている。より具体的には、アクション装置5は、アクション装置3の上方に配設されるピアノ本体10の中棚板13上に設置され、鍵部30と伝達部40とからなる。なお、アクション装置5の鍵部30および伝達部40は、アクション装置3の鍵部30および伝達部40と同様の構成であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0028】
また、アクション装置3の鍵部30の最も高い音とアクション装置5の鍵部30の最も低い音とが連続するように設定されている。
なお、グランドピアノ1のその他の構成については公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
【0029】
[2.第一実施形態の効果]
このように本実施形態のグランドピアノ1によれば、アクション装置3の鍵部30およびアクション装置5の鍵部30それぞれが、鍵32を4オクターブ分の95本備え、鍵32には、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cがあり、各鍵部30は、28本の第一鍵32a、47本の第二鍵32bおよび20本の第三鍵32cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。また、第一鍵32aと第二鍵32bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵32bと第三鍵32cとの間にも段差が形成され、各鍵32の高さは、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cの順に高くなっている。さらに、各弦2が、その音高が、隣接する第一鍵32aと第二鍵32bとの間の音高差および隣接する第二鍵32bと第三鍵32cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設され、グランドピアノ1が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、アクション装置3,5が上下方向に複数段(本実施形態では二段)に配設されるので、グランドピアノ1が発生可能な音が四分音刻みとなり且つグランドピアノ1が発音可能な音の音域を広くするために鍵32の数量が多くなっても、グランドピアノ1の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵32が配設される。また、鍵32の数量を増やしても各鍵32の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0030】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0031】
(1)上記実施形態では、鍵部30が、28本の第一鍵32a、47本の第二鍵32bおよび20本の第三鍵32cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有しているが、これには限られず、図7に例示するように、28本の第一鍵33a、47本の第二鍵33bおよび20本の第三鍵33cを前方からその順に種別ごとに横方向に扇状に並べて配設した構成を有するようにしてもよい。このとき、第一鍵33aと第二鍵33bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵33bと第三鍵33cとの間にも段差が形成され、各鍵33の高さは、第一鍵33a、第二鍵33b、第三鍵33cの順に高くなるように構成する。そして、互いの音高差が全音である二つの第一鍵33a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵33bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵33b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵33cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵33a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵33bが配設されるようにする。
[第二実施形態]
図4は電子鍵盤楽器101の外観図であり、図5は電子鍵盤楽器101の回路構成のブロック図であり、図6は電子鍵盤楽器101の側断面である。なお、図4では、鍵盤装置120の鍵115の図示および二つの鍵盤装置120の上方を覆うための蓋の図示が一部省略されている。
【0032】
[1.電子鍵盤楽器101の構成の説明]
本実施形態の電子鍵盤楽器101は、図5に示すように、複数の鍵115と、その押鍵を検出する鍵スイッチ160とを含む鍵盤装置120、鍵スイッチ160で検出された押鍵情報から楽音信号を生成する発音制御回路175、および発音制御回路175で生成された楽音信号を楽音に変える発音部185を備えている。
【0033】
また、図6に示すように、二つの鍵盤装置120のうちの一方(鍵盤装置120a)は、電子鍵盤楽器101の前部に配設されている。また、二つの鍵盤装置120のうちの他方(鍵盤装置120b)は、二つの鍵盤装置120のうちの一方120aの上方の斜め後方に配設されている。なお、図6では、二つの鍵盤装置120の上方を覆うための蓋の図示が省略されている。
【0034】
以下に、鍵盤装置120aの構成について説明する。
鍵盤装置120aは、棚板110a上に設けられた鍵盤シャーシ111aと、鍵盤シャーシ111aのバランスピン113に揺動可能に支持された複数の鍵115と、棚板110a上に立設されたアクションシャーシ112と、このアクションシャーシ112に取り付けられた複数のハンマー機構155および鍵スイッチ160と、を備えている。
【0035】
また、鍵115には、図3に示すように、第一鍵115a、第二鍵115b、第三鍵115cがあり、鍵盤装置120aは、28本の第一鍵115a、47本の第二鍵115bおよび20本の第三鍵115cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。なお、図3では、1オクターブ分の鍵115を図示している。
【0036】
なお、第一鍵115aは白色に構成されており、第二鍵115bは青色に構成されており、第三鍵115cは黒色に構成されている。
また、第一鍵115aと第二鍵115bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵115bと第三鍵115cとの間にも段差が形成され、各鍵115の高さは、第一鍵115a、第二鍵115b、第三鍵115cの順に高くなっている。
【0037】
なお、第一鍵115aは従来の電子ピアノの白鍵に相当し、第三鍵115cは従来の電子ピアノの黒鍵に相当する。
そして、鍵盤装置120aにおいては、図3に示すように、互いの音高差が全音である二つの第一鍵115a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵115bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵115b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵115cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵115a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵115bが配設されている。
【0038】
図6に示すように、鍵盤シャーシ111aは棚板110上に固定され、その前後方向の中間部に複数のバランスピン113が左右方向に並んで立設されている。
アクションシャーシ112は棚板110に立設されており、複数の鍵115の後端部14a側で全ての鍵115にわたるように左右方向に延び複数のハンマー機構155を支持するハンマー支持部116と、複数の鍵115の後端部114a側で全ての鍵115にわたるように左右方向に延び複数の鍵スイッチ160が取り付けられるスイッチ取付部117と、ハンマー支持部116の下方に設けられた鍵載置部122とを一体に備えている。スイッチ取付部117の先端部の下面には、左右方向に延びた帯状のハンマストッパ118が、すべてのハンマー機構155にわたって配置されている。鍵載置部122は鍵盤シャーシ111の後端部に載置されている。
【0039】
ハンマー機構155は鍵115ごとに設けられ、アクションシャーシ112のハンマー支持部116に回動自在に支持される。
次に、鍵盤装置120bの構成について説明する。
【0040】
鍵盤装置120bは、上述のように、鍵盤装置120aの上方の斜め後方に配設されている。より具体的には、鍵盤装置120bは、中棚板110b上に設けられた鍵盤シャーシ111bと、鍵盤シャーシ111bのバランスピン113に揺動可能に支持された複数の鍵115と、中棚板110b上に立設されたアクションシャーシ112と、このアクションシャーシ112に取り付けられた複数のハンマー機構155および鍵スイッチ160と、を備えている。
【0041】
なお、鍵盤装置120bが備える鍵115、アクションシャーシ112、ハンマー機構155および鍵スイッチ160については、鍵盤装置120aが備える鍵115、アクションシャーシ112、ハンマー機構155および鍵スイッチ160と同様の構成であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0042】
また、鍵盤装置120aの鍵115のうちの最も高い音と鍵盤装置120bの鍵115のうちの最も低い音とが連続するように設定されている。
図5に示すように、上記発音制御回路175は鍵スキャン回路176、CPU177、ROM178、RAM179、波形メモリ181および音源LSI182などを備えている。このうち、鍵スキャン回路176は、鍵スイッチ160の第1接点および第2接点のオンオフ信号に基づき鍵115の押鍵状態を検出する。CPU177は電子鍵盤楽器101全体の動作を制御するもので、特に鍵スイッチ160の検出信号に基づく鍵115の押鍵の有無の判別、押鍵速度の演算、押鍵された鍵115に対応する楽音信号を生成するための音源LSI182の制御、などを行う。ROM178はCPU177で実行される制御プログラムなどを記憶し、RAM179は発音制御回路175の制御に用いるデータを一時的に記憶し、波形メモリ181は楽音信号を生成するための波形データを記憶している。
【0043】
また、発音制御回路175では、隣接する第一鍵115aと第二鍵115bとの間の音高差および隣接する第二鍵115bと第三鍵115cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されている。
【0044】
発音部185は発音制御回路175で生成された楽音信号を増幅する増幅器186と、増幅された楽音信号を楽音として出力するスピーカ187とを備える。
以上のように構成された電子鍵盤楽器101においては、鍵115の前方側を押鍵すると、鍵115がバランスピン113を支点に揺動し、鍵115の後端部114aがハンマー機構155を突き上げて鍵スイッチ160を押す。すると、発音制御回路175が、鍵スイッチ160で検出された押鍵情報から楽音信号を生成し、発音部185が、発音制御回路175で生成された楽音信号を楽音に変えて出力する。一方、鍵115の操作を中止すると、鍵115の後方側が下がって元の位置に戻り、発音部185からの楽音の出力も停止する。
【0045】
なお、電子鍵盤楽器101のその他の構成については公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
[2.第二実施形態の効果]
このように本実施形態の電子鍵盤楽器101によれば、隣接する第一鍵115aと第二鍵115bとの間の音高差および隣接する第二鍵115bと第三鍵115cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されるので、電子鍵盤楽器101が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、鍵盤装置120が上下方向に複数段(本実施形態では二段)に配設されるので、電子鍵盤楽器101が発生可能な音が四分音刻みとなり且つ電子鍵盤楽器101が発音可能な音の音域を広くするために鍵115の数量が多くなっても、電子鍵盤楽器101の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵115が配設される。また、鍵115の数量を増やしても各鍵115の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0046】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0047】
(1)上記実施形態では、鍵盤装置120aが、28本の第一鍵115a、47本の第二鍵115bおよび20本の第三鍵115cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有しているが、これには限られず、図7に例示するように、28本の第一鍵119a、47本の第二鍵119bおよび20本の第三鍵119cを前方からその順に種別ごとに横方向に扇状に並べて配設した構成を有するようにしてもよい。このとき、第一鍵119aと第二鍵119bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵119bと第三鍵119cとの間にも段差が形成され、各鍵119の高さは、第一鍵119a、第二鍵119b、第三鍵119cの順に高くなるように構成する。そして、互いの音高差が全音である二つの第一鍵119a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵119bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵119b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵119cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵119a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵119bが配設されるようにする。
[第三実施形態]
図8はアップライトピアノ201の外観図であり、図9はアップライトピアノ201の前部の側断面であり、図3は鍵部230の詳細図である。なお、図8では、アクション装置203,205の鍵部230およびアクション装置203,205の上方を覆うための蓋の図示が省略されている。
【0048】
[1.アップライトピアノ201の構成の説明]
本実施形態のアップライトピアノ201は、図8に示すように、鍵を押鍵して弦を打弦する二つのアクション装置203,205と、伝達部240と、を備えている。
【0049】
アクション装置203は、アップライトピアノ201の前部に配設されている。また、アクション装置205は、アクション装置203の上方の斜め後方に配設されている。
以下に、アクション装置203の構成について説明する。
【0050】
図9に示すように、アクション装置203は、ピアノ本体210の棚板212上に設置され、鍵部230を備える。
アクション装置203の鍵部230は、鍵232と筬234とからなり棚板212上に設置される。鍵部230は、鍵232を4オクターブ分の95本備え、各鍵232は筬234上に並列に設置される。筬234は、鍵232の配列方向(左右方向)に長尺な板材であり、その幅方向中程には鍵232に配列方向に沿って長尺な中筬236が設けられている。鍵232は、この中筬236を支点に揺動するよう筬234上に載置される。
【0051】
また、鍵232には、第一鍵232a、第二鍵232b、第三鍵232cがあり、鍵部230は、28本の第一鍵232a、47本の第二鍵232bおよび20本の第三鍵232cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。図3では、1オクターブ分の鍵232を図示している。
【0052】
なお、第一鍵232aは白色に構成されており、第二鍵232bは青色に構成されており、第三鍵232cは黒色に構成されている。
また、第一鍵232aと第二鍵232bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵232bと第三鍵232cとの間にも段差が形成され、各鍵232の高さは、第一鍵232a、第二鍵232b、第三鍵232cの順に高くなっている。
【0053】
なお、第一鍵232aは従来のアコースティックピアノの白鍵に相当し、第三鍵232cは従来のアコースティックピアノの黒鍵に相当する。
そして、鍵部230は、図3に示すように、互いの音高差が全音である二つの第一鍵232a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵232bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵232b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵232cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵232a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵232bが配設されている。
【0054】
アクション装置205は、上述のように、アクション装置203の上方の斜め後方に配設されている。より具体的には、アクション装置205は、アクション装置203の上方に配設されるピアノ本体210の中棚板213上に設置され、鍵部230を備える。なお、アクション装置205の鍵部230は、アクション装置203の鍵部230と同様の構成であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0055】
また、アクション装置203の鍵部230の最も高い音とアクション装置205の鍵部230の最も低い音とが連続するように設定されている。
伝達部240は、ハンマー242と、アクション244とからなる。なお、ハンマー242およびアクション244は190個あり、アクション装置203の鍵部230を構成する鍵232およびアクション装置205の鍵部230とを構成する鍵232に対応してピアノ本体210内に横方向に並べて配設される。一方、アクション244は、ハンマー242と鍵232との間の位置であって、鍵232が押鍵されたときにハンマー242を揺動自在な位置に設置される。なお、このアクション244は、アップライトピアノ201に備えられた一般的な構成のものなので、その詳細な説明については省略する。
【0056】
また、鍵232それぞれに対応して弦202が配設される。各音高の弦202は、両端部が鍵部230の後方に配設されたフレーム214に対してチューニングピン(図示省略)とフレームピン(図示省略)に係止されることで所定の張力をもって略垂直に張設されている。そして、本実施形態のアップライトピアノ201においては、各弦202は、その音高が、隣接する第一鍵232aと第二鍵232bとの間の音高差および隣接する第二鍵232bと第三鍵232cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されている。
【0057】
そして、アクション装置203およびアクション装置205は、通常、鍵232の後方側が下がっているので、鍵232の前方側を押鍵すると、鍵232が中筬236を支点に揺動し、アクション244を介してハンマー242を揺動させて弦202を打弦し、鍵232の操作を中止すると、ハンマー242およびアクション244の重みで元の位置に戻るようにされている。
【0058】
なお、アップライトピアノ201のその他の構成については公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
[2.第三実施形態の効果]
このように本実施形態のアップライトピアノ201によれば、アクション装置203の鍵部230およびアクション装置205の鍵部230それぞれが、鍵232を4オクターブ分の95本備え、鍵232には、第一鍵232a、第二鍵232b、第三鍵232cがあり、各鍵部230は、28本の第一鍵232a、47本の第二鍵232bおよび20本の第三鍵232cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。また、第一鍵232aと第二鍵232bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵232bと第三鍵232cとの間にも段差が形成され、各鍵232の高さは、第一鍵232a、第二鍵232b、第三鍵232cの順に高くなっている。さらに、各弦202が、その音高が、隣接する第一鍵232aと第二鍵232bとの間の音高差および隣接する第二鍵232bと第三鍵232cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設され、アップライトピアノ201が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、アクション装置203,205が上下方向に複数段(本実施形態では二段)に配設されるので、アップライトピアノ201が発生可能な音が四分音刻みとなり且つアップライトピアノ201が発音可能な音の音域を広くするために鍵232の数量が多くなっても、アップライトピアノ201の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵232が配設される。また、鍵232の数量を増やしても各鍵232の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0059】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0060】
(1)上記実施形態では、各鍵部230が、28本の第一鍵232a、47本の第二鍵232bおよび20本の第三鍵232cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有しているが、これには限られず、図7に例示するように、28本の第一鍵233a、47本の第二鍵233bおよび20本の第三鍵233cを前方からその順に種別ごとに横方向に扇状に並べて配設した構成を有するようにしてもよい。このとき、第一鍵233aと第二鍵233bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵233bと第三鍵233cとの間にも段差が形成され、各鍵233の高さは、第一鍵233a、第二鍵233b、第三鍵233cの順に高くなるように構成する。そして、互いの音高差が全音である二つの第一鍵233a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵233bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵233b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵233cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵233a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵233bが配設されるようにする。
[第四実施形態]
図10はマリンバ301の外観図である。また、図11はマリンバ301の音板305の詳細図である。
【0061】
[1.マリンバ301の構成の説明]
本実施形態のマリンバ301は、図10に示すように、それぞれ複数本からなる音板305およびパイプ307と、これらの音板305とパイプ307が取付けられた楽器用スタンド309とで構成されている。
【0062】
音板305は、それぞれ複数本からなる前列側の幹音音板305Aと中列側の派生音音板305Bと後列側の派生音音板305Cとからなり、楽器用スタンド309の上面に前後3段に配設されている。幹音音板305A、派生音音板305Bおよび派生音音板305Cは、それぞれ一次(基本)振動の節となる二箇所に幅方向に貫通する挿通孔を有し、これらの挿通孔にそれぞれ挿通される図示しない紐によって支持されている。
【0063】
前列側の幹音音板305Aには一種類の音板(第一音板306a)があり、この幹音音板305Aは、第一音板306aを横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。また、中列側の派生音音板305Bには、二種類の音板(第二音板306b、第四音板306d)があり、この派生音音板305Bは、これら第二音板306bおよび第四音板306dを横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。また、後列側の派生音音板305Cには、一種類の音板(第三音板306c)があり、この派生音音板305Cは、第三音板306cを横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。なお、図11では、1オクターブ分の第一音板306a、第二音板306b、第三音板306cおよび第四音板306dを図示している。
【0064】
そして、図11に示すように、互いの音高差が全音である二つの第一音板306a間には第二音板306bが配設されている。また、互いの音高差が半音である第一音板306aと第二音板306bとの間および第二音板306bと第一音板306aとの間には第三音板306cがそれぞれ配設されている。さらに、互いの音高差が半音である二つの第一音板306a間には第四音板306dが配設されている。
【0065】
そして、隣接する第一音板306aと第二音板306bとの間の音高差、隣接する第二音板306bと第三音板306cとの間の音高差、隣接する第一音板306aと第三音板306cとの間の音高差および隣接する第一音板306aと第四音板306dとの間の音高差がそれぞれ四分音となっている。
【0066】
パイプ307は前列側の幹音パイプ307Aと中列側の派生音パイプ307Bと後列側の派生音パイプ307Cとからなり、各幹音音板305A、派生音音板305B、派生音音板305Cの音に共鳴して振動することにより音量を増大させるためのもので、対応する幹音音板305A、派生音音板305Bおよび派生音音板305Cの下方にそれぞれ懸吊されている。幹音パイプ307A、派生音パイプ307Bおよび派生音パイプ307Cは、上端が開放し下端側が閉塞するパイプからなり、対応する幹音音板305A、派生音音板305Bおよび派生音音板305Cの一次振動数と略同じ固有振動数を有している。
【0067】
[2.第四実施形態の効果]
このように本実施形態のマリンバ301によれば、互いの音高差が全音である二つの第一音板306a間には第二音板306bが配設され、互いの音高差が半音である第一音板306aと第二音板306bとの間および第二音板306bと第一音板306aとの間には第三音板306cがそれぞれ配設され、互いの音高差が半音である二つの第一音板306a間には第四音板306dが配設され、隣接する第一音板306aと第二音板306bとの間の音高差、隣接する第二音板306bと第三音板306cとの間の音高差、隣接する第一音板306aと第三音板306cとの間の音高差および隣接する第一音板306aと第四音板306dとの間の音高差がそれぞれ四分音となっている。
【0068】
このことにより、マリンバ301が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、音板305が前列側の幹音音板305Aと中列側の派生音音板305Bと後列側の派生音音板305Cとの前後三段に配設されるので、マリンバ301が発生可能な音が四分音刻みとなり且つマリンバ301が発音可能な音の音域を広くするために音板305の数量が多くなっても、マリンバ301の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての音板305が配設される。また、音板305の数量を増やしても各音板305の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0069】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0070】
(1)上記実施形態では、幹音音板305Aが、第一音板306aを横方向に直線状に並べて配設した構成を有するとともに、派生音音板305Bが、第二音板306bおよび第四音板306dを横方向に直線状に並べて配設した構成を有し、派生音音板305Cが、第三音板306cを横方向に直線状に並べて配設した構成を有しているが、これには限られず、図12に例示するように、幹音音板305Aを、第一音板306aを横方向に扇状に並べて配設した構成を有するとともに、派生音音板305Bが、第二音板306bおよび第四音板306dを横方向に扇状に並べて配設した構成を有し、派生音音板305Cが、第三音板306cを横方向に扇状に並べて配設した構成を有するようにしてもよい。このとき、上記実施形態と同様に、互いの音高差が全音である二つの第一音板306a間には第二音板306bが配設され、互いの音高差が半音である第一音板306aと第二音板306bとの間および第二音板306bと第一音板306aとの間には第三音板306cがそれぞれ配設され、互いの音高差が半音である二つの第一音板306a間には第四音板306dが配設され、隣接する第一音板306aと第二音板306bとの間の音高差、隣接する第二音板306bと第三音板306cとの間の音高差、隣接する第一音板306aと第三音板306cとの間の音高差および隣接する第一音板306aと第四音板306dとの間の音高差がそれぞれ四分音となるようにする。
【0071】
(2)上記実施形態では、本発明をマリンバ301に適用した例を説明したが、本発明を、シロフォン、ビブラフォンなどの鍵盤打楽器に適用してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…グランドピアノ、2…弦、3,5…アクション装置、10…ピアノ本体、30…鍵部、32…鍵、32a…第一鍵、32b…第二鍵、32c…第三鍵、33…鍵、33a…第一鍵、33b…第二鍵、33c…第三鍵、34…筬、36…中筬、40…伝達部、42…ハンマー、44…アクション、46…ハンマーシャンクレール、101…電子鍵盤楽器、110a…棚板、110b…中棚板、111a…鍵盤シャーシ、111b…鍵盤シャーシ、112…アクションシャーシ、113…バランスピン、114a…鍵の後端部、115…鍵、115a…第一鍵、115b…第二鍵、115c…第三鍵、116…ハンマー支持部、117…スイッチ取付部、118…ハンマストッパ、119…鍵、119a…第一鍵、119b…第二鍵、119c…第三鍵、120a…鍵盤装置、120b…鍵盤装置、122…鍵載置部、155…ハンマー機構、160…鍵スイッチ、175…発音制御回路、176…鍵スキャン回路、181…波形メモリ、182…音源LSI、185…発音部、186…増幅器、187…スピーカ、201…アップライトピアノ、202…弦、203,205…アクション装置、210…ピアノ本体、214…フレーム、230…鍵部、232…鍵、232a…第一鍵、232b…第二鍵、232c…第三鍵、233…鍵、233a…第一鍵、233b…第二鍵、233c…第三鍵、234…筬、236…中筬、240…伝達部、242…ハンマー、244…アクション、301…マリンバ、305…音板、305A…幹音音板、305B…派生音音板、305C…派生音音板、306a…第一音板、306b…第二音板、306c…第三音板、306d…第四音板、307…パイプ、307A…幹音パイプ、307B…派生音パイプ、307C…派生音パイプ、309…楽器用スタンド
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵や音板を叩くことで音を発生する鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
アコースティックピアノなどの鍵盤楽器は、横方向に並べられ、その略中央部をバランスキーピンにより上下揺動自在に支持される鍵と、鍵それぞれに対応して配設され、鍵に連動して回動動作するハンマーと、鍵それぞれに対応して配設され、両端部がフレームにチューニングピンとフレームピンによって係止されることで所定の張力をもって略水平に張設される弦と、を備え、何れかの鍵を演奏者が押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩いて発音するようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような鍵盤楽器において、楽器としての表現力を高めるためには、発音可能な音の刻み(音高差)を小さくするとともに発音可能な音の音域を広くすることが好ましい。そのためには、鍵および弦ごとに音高を予め設定しておく必要があるという鍵盤楽器の構造上の特性から鍵および弦の数量を増やして対応すればよいが、一方で、鍵盤楽器の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵が配設される必要がある。また、鍵の数量が多くなり過ぎると演奏時の運指に支障が生じやすくなる。また、鍵の数量を増やすために各鍵の大きさを小さくしても演奏時の運指に支障が生じやすくなる。
【0004】
そこで、これらの相反する要求を高レベルで実現させるという観点から、現在の標準的な鍵盤楽器においては、演奏者の指の長さや幅を考慮して鍵の大きさを規定するとともに、52個の白鍵と36個の黒鍵とからなる88個の鍵を横方向に並べた鍵盤を備え、7オクターブと短3度の音域の音を半音刻みで発生可能となっている。
【0005】
この場合、上述の白鍵および黒鍵は、種別ごとに横方向に並べて配設されている。具体的には、白鍵が前列、黒鍵が後列となっており、互いの音高差が全音である二つの白鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに黒鍵が配設される。このように隣接する白鍵と黒鍵との間の音高差は半音となっている。なお、互いの音高差が半音である二つの白鍵間においては、上述のような切り欠きは形成されず、その間には黒鍵も配置されない。そして、白鍵と黒鍵との間には段差が形成され、各鍵の高さは黒鍵の方が白鍵よりも高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平07−219522号公報(第5頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のような鍵盤楽器においては、楽器としての表現力をさらに高めるために、上述の相反する要求をさらに高レベルで実現させることが望まれている。
なお、このような問題は、鍵盤を備える楽器においては同様に生じ得る。例えば、パイプ・オルガン、チェンバロ、ピアノ、アコーディオンなどの鍵盤楽器や、マリンバ、シロフォン、ビブラフォンなどの鍵盤打楽器などである。また、ピアノとしては、グランドピアノやアップライトピアノといったアコースティックピアノ、電子ピアノ(電子鍵盤楽器)などが挙げられる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めた鍵盤楽器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る鍵盤楽器は、演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵が前後方向に回動可能に支持され、押鍵時に上方に回動する前記鍵の後端部が対応するハンマーを回動動作させ、回動動作するハンマーの先端部が、両端部がチューニングピンとフレームピンに係止されることで所定の張力をもって張設される弦を叩くことで音を発生する鍵盤楽器において、前記鍵には、第一鍵、第二鍵、第三鍵があり、前記第一鍵、前記第二鍵および前記第三鍵を前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成の鍵部が上下方向に複数段に形成され、さらに、前記各鍵部は、互いの音高差が全音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵が配設され、これら隣接する二つの第二鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵が一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵が配設され、前記鍵それぞれに対応して前記ハンマーおよび前記弦が配設され、前記各弦は、その音高が、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されることを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明の鍵盤楽器によれば、各弦が、その音高が、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、鍵部が上下方向に複数段に配設されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなり且つ当該鍵盤楽器が発音可能な音の音域を広くするために鍵の数量が多くなっても、鍵盤楽器の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵が配設される。また、鍵の数量を増やしても各鍵の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0011】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項2に係る鍵盤楽器は、演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵が前後方向に回動可能に支持され、押鍵時に上方に回動する前記鍵の後端部を検知することで音を発生する鍵盤楽器において、前記鍵には、第一鍵、第二鍵、第三鍵があり、前記第一鍵、前記第二鍵および前記第三鍵を前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成の鍵部が上下方向に複数段に形成され、さらに、前記各鍵部は、互いの音高差が全音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵が配設され、これら隣接する二つの第二鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵が一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵が配設され、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されることを特徴とする。
【0012】
このように構成された本発明の鍵盤楽器によれば、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、鍵部が上下方向に複数段に配設されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなり且つ当該鍵盤楽器が発音可能な音の音域を広くするために鍵の数量が多くなっても、鍵盤楽器の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵が配設される。また、鍵の数量を増やしても各鍵の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0013】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、鍵盤楽器としての表現力をさらに高めることができる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項3に係る鍵盤楽器は、演奏者に対向して左右方向に並ぶ音板を叩くことで音を発生し、前記音板の下方に懸吊されるパイプが発生した音に共鳴して振動することにより音の音量を増大させる鍵盤楽器において、前記音板は、それぞれ複数本からなる前列側の幹音音板と後列側の派生音音板とからなり、前後に複数段に配設され、前記幹音音板は、第一音板を横方向に並べて配設した構成を有し、前記派生音音板は、第二音板、第三音板および第四音板を横方向に並べて配設した構成を有し、互いの音高差が全音である二つの第一音板間には第二音板が配設され、互いの音高差が半音である第一音板と第二音板との間には第三音板がそれぞれ配設され、互いの音高差が半音である二つの第一音板間には第四音板が配設され、隣接する第一音板と第二音板との間の音高差、隣接する第二音板と第三音板との間の音高差、隣接する第一音板と第三音板との間の音高差および隣接する第一音板と第四音板との間の音高差がそれぞれ四分音となることを特徴とする。
【0014】
このように構成された本発明の鍵盤楽器によれば、隣接する音板同士の間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、音板が前後方向に複数段に配設されるので、当該鍵盤楽器が発生可能な音が四分音刻みとなり且つ当該鍵盤楽器が発音可能な音の音域を広くするために音板の数量が多くなっても、鍵盤楽器の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての音板が配設される。また、音板の数量を増やしても各音板の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0015】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、鍵盤楽器としての表現力をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】グランドピアノ1の外観図
【図2】グランドピアノ1の前部の側断面
【図3】鍵部30、鍵115および鍵部230の詳細図
【図4】電子鍵盤楽器101の外観図
【図5】電子鍵盤楽器101の回路構成のブロック図
【図6】電子鍵盤楽器101の側断面
【図7】他の実施形態の鍵部の詳細図
【図8】アップライトピアノ201の外観図
【図9】アップライトピアノ201の前部の側断面
【図10】マリンバ301の外観図
【図11】マリンバ301の音板305の詳細図
【図12】他の実施形態の音板の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[第一実施形態]
図1はグランドピアノ1の外観図であり、図2はグランドピアノ1の前部の側断面であり、図3は鍵部30および鍵115の詳細図である。なお、図1では、アクション装置3,5の鍵部30およびアクション装置3,5の上方を覆うための蓋の図示が省略されている。
【0018】
[1.グランドピアノ1の構成の説明]
本実施形態のグランドピアノ1は、図1に示すように、鍵を押鍵して弦を打弦する二つのアクション装置3,5を備えている。
【0019】
アクション装置3は、グランドピアノ1の前部に配設されている。また、アクション装置5は、アクション装置3の上方の斜め後方に配設されている。
以下に、アクション装置3の構成について説明する。
【0020】
図2に示すように、アクション装置3は、ピアノ本体10の棚板12上に設置され、鍵部30と伝達部40とからなる。
鍵部30は、鍵32と筬34とからなり棚板12上に設置される。鍵部30は、鍵32を4オクターブ分の95本備え、各鍵32は筬34上に並列に設置される。筬34は、鍵32の配列方向(左右方向)に長尺な板材であり、その幅方向中程には鍵32に配列方向に沿って長尺な中筬36が設けられている。鍵32は、この中筬36を支点に揺動するよう筬34上に載置される。
【0021】
また、鍵32には、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cがあり、鍵部30は、28本の第一鍵32a、47本の第二鍵32bおよび20本の第三鍵32cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。図3では、1オクターブ分の鍵32を図示している。
【0022】
なお、第一鍵32aは白色に構成されており、第二鍵32bは青色に構成されており、第三鍵32cは黒色に構成されている。
また、第一鍵32aと第二鍵32bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵32bと第三鍵32cとの間にも段差が形成され、各鍵32の高さは、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cの順に高くなっている。
【0023】
なお、第一鍵32aは従来のグランドピアノの白鍵に相当し、第三鍵32cは従来のグランドピアノの黒鍵に相当する。
そして、鍵部30は、図3に示すように、互いの音高差が全音である二つの第一鍵32a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵32bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵32b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵32cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵32a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵32bが配設されている。
【0024】
図2に戻り、伝達部40は、ハンマー42と、アクション44とからなる。なお、ハンマー42およびアクション44は鍵32に対応して配設される。そして、鍵32の長手方向略中央の上方に、鍵32の配列方向に沿ってハンマーシャンクレール46が設けられており、ハンマー42は、このハンマーシャンクレール46に揺動自在に取り付けられている。一方、アクション44は、ハンマー42と鍵32との間の位置であって、鍵32が押鍵されたときに持ち上がってハンマー42を突き上げ自在な位置に設置される。なお、このアクション44は、グランドピアノ1に備えられた一般的な構成のものなので、その詳細な説明については省略する。
【0025】
また、鍵32それぞれに対応して弦2が配設される。各音高の弦2は、両端部が鍵部30の上方に配設されたピアノ本体10に対してチューニングピン(図示省略)とフレームピン(図示省略)に係止されることで所定の張力をもって略水平に張設されている。そして、本実施形態のグランドピアノ1においては、各弦2は、その音高が、隣接する第一鍵32aと第二鍵32bとの間の音高差および隣接する第二鍵32bと第三鍵32cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されている。
【0026】
そして、アクション装置3は、通常、伝達部40の重みで鍵32の後方側が下がっているので、鍵32の前方側を押鍵すると、鍵32が中筬36を支点に揺動し、アクション44を介してハンマー42を突き上げて弦2を打弦し、鍵32の操作を中止すると、ハンマー42およびアクション44の重みで元の位置に戻るようにされている。
【0027】
次にアクション装置5の構成について説明する。
アクション装置5は、上述のように、アクション装置3の上方の斜め後方に配設されている。より具体的には、アクション装置5は、アクション装置3の上方に配設されるピアノ本体10の中棚板13上に設置され、鍵部30と伝達部40とからなる。なお、アクション装置5の鍵部30および伝達部40は、アクション装置3の鍵部30および伝達部40と同様の構成であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0028】
また、アクション装置3の鍵部30の最も高い音とアクション装置5の鍵部30の最も低い音とが連続するように設定されている。
なお、グランドピアノ1のその他の構成については公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
【0029】
[2.第一実施形態の効果]
このように本実施形態のグランドピアノ1によれば、アクション装置3の鍵部30およびアクション装置5の鍵部30それぞれが、鍵32を4オクターブ分の95本備え、鍵32には、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cがあり、各鍵部30は、28本の第一鍵32a、47本の第二鍵32bおよび20本の第三鍵32cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。また、第一鍵32aと第二鍵32bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵32bと第三鍵32cとの間にも段差が形成され、各鍵32の高さは、第一鍵32a、第二鍵32b、第三鍵32cの順に高くなっている。さらに、各弦2が、その音高が、隣接する第一鍵32aと第二鍵32bとの間の音高差および隣接する第二鍵32bと第三鍵32cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設され、グランドピアノ1が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、アクション装置3,5が上下方向に複数段(本実施形態では二段)に配設されるので、グランドピアノ1が発生可能な音が四分音刻みとなり且つグランドピアノ1が発音可能な音の音域を広くするために鍵32の数量が多くなっても、グランドピアノ1の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵32が配設される。また、鍵32の数量を増やしても各鍵32の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0030】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0031】
(1)上記実施形態では、鍵部30が、28本の第一鍵32a、47本の第二鍵32bおよび20本の第三鍵32cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有しているが、これには限られず、図7に例示するように、28本の第一鍵33a、47本の第二鍵33bおよび20本の第三鍵33cを前方からその順に種別ごとに横方向に扇状に並べて配設した構成を有するようにしてもよい。このとき、第一鍵33aと第二鍵33bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵33bと第三鍵33cとの間にも段差が形成され、各鍵33の高さは、第一鍵33a、第二鍵33b、第三鍵33cの順に高くなるように構成する。そして、互いの音高差が全音である二つの第一鍵33a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵33bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵33b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵33cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵33a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵33bが配設されるようにする。
[第二実施形態]
図4は電子鍵盤楽器101の外観図であり、図5は電子鍵盤楽器101の回路構成のブロック図であり、図6は電子鍵盤楽器101の側断面である。なお、図4では、鍵盤装置120の鍵115の図示および二つの鍵盤装置120の上方を覆うための蓋の図示が一部省略されている。
【0032】
[1.電子鍵盤楽器101の構成の説明]
本実施形態の電子鍵盤楽器101は、図5に示すように、複数の鍵115と、その押鍵を検出する鍵スイッチ160とを含む鍵盤装置120、鍵スイッチ160で検出された押鍵情報から楽音信号を生成する発音制御回路175、および発音制御回路175で生成された楽音信号を楽音に変える発音部185を備えている。
【0033】
また、図6に示すように、二つの鍵盤装置120のうちの一方(鍵盤装置120a)は、電子鍵盤楽器101の前部に配設されている。また、二つの鍵盤装置120のうちの他方(鍵盤装置120b)は、二つの鍵盤装置120のうちの一方120aの上方の斜め後方に配設されている。なお、図6では、二つの鍵盤装置120の上方を覆うための蓋の図示が省略されている。
【0034】
以下に、鍵盤装置120aの構成について説明する。
鍵盤装置120aは、棚板110a上に設けられた鍵盤シャーシ111aと、鍵盤シャーシ111aのバランスピン113に揺動可能に支持された複数の鍵115と、棚板110a上に立設されたアクションシャーシ112と、このアクションシャーシ112に取り付けられた複数のハンマー機構155および鍵スイッチ160と、を備えている。
【0035】
また、鍵115には、図3に示すように、第一鍵115a、第二鍵115b、第三鍵115cがあり、鍵盤装置120aは、28本の第一鍵115a、47本の第二鍵115bおよび20本の第三鍵115cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。なお、図3では、1オクターブ分の鍵115を図示している。
【0036】
なお、第一鍵115aは白色に構成されており、第二鍵115bは青色に構成されており、第三鍵115cは黒色に構成されている。
また、第一鍵115aと第二鍵115bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵115bと第三鍵115cとの間にも段差が形成され、各鍵115の高さは、第一鍵115a、第二鍵115b、第三鍵115cの順に高くなっている。
【0037】
なお、第一鍵115aは従来の電子ピアノの白鍵に相当し、第三鍵115cは従来の電子ピアノの黒鍵に相当する。
そして、鍵盤装置120aにおいては、図3に示すように、互いの音高差が全音である二つの第一鍵115a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵115bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵115b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵115cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵115a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵115bが配設されている。
【0038】
図6に示すように、鍵盤シャーシ111aは棚板110上に固定され、その前後方向の中間部に複数のバランスピン113が左右方向に並んで立設されている。
アクションシャーシ112は棚板110に立設されており、複数の鍵115の後端部14a側で全ての鍵115にわたるように左右方向に延び複数のハンマー機構155を支持するハンマー支持部116と、複数の鍵115の後端部114a側で全ての鍵115にわたるように左右方向に延び複数の鍵スイッチ160が取り付けられるスイッチ取付部117と、ハンマー支持部116の下方に設けられた鍵載置部122とを一体に備えている。スイッチ取付部117の先端部の下面には、左右方向に延びた帯状のハンマストッパ118が、すべてのハンマー機構155にわたって配置されている。鍵載置部122は鍵盤シャーシ111の後端部に載置されている。
【0039】
ハンマー機構155は鍵115ごとに設けられ、アクションシャーシ112のハンマー支持部116に回動自在に支持される。
次に、鍵盤装置120bの構成について説明する。
【0040】
鍵盤装置120bは、上述のように、鍵盤装置120aの上方の斜め後方に配設されている。より具体的には、鍵盤装置120bは、中棚板110b上に設けられた鍵盤シャーシ111bと、鍵盤シャーシ111bのバランスピン113に揺動可能に支持された複数の鍵115と、中棚板110b上に立設されたアクションシャーシ112と、このアクションシャーシ112に取り付けられた複数のハンマー機構155および鍵スイッチ160と、を備えている。
【0041】
なお、鍵盤装置120bが備える鍵115、アクションシャーシ112、ハンマー機構155および鍵スイッチ160については、鍵盤装置120aが備える鍵115、アクションシャーシ112、ハンマー機構155および鍵スイッチ160と同様の構成であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0042】
また、鍵盤装置120aの鍵115のうちの最も高い音と鍵盤装置120bの鍵115のうちの最も低い音とが連続するように設定されている。
図5に示すように、上記発音制御回路175は鍵スキャン回路176、CPU177、ROM178、RAM179、波形メモリ181および音源LSI182などを備えている。このうち、鍵スキャン回路176は、鍵スイッチ160の第1接点および第2接点のオンオフ信号に基づき鍵115の押鍵状態を検出する。CPU177は電子鍵盤楽器101全体の動作を制御するもので、特に鍵スイッチ160の検出信号に基づく鍵115の押鍵の有無の判別、押鍵速度の演算、押鍵された鍵115に対応する楽音信号を生成するための音源LSI182の制御、などを行う。ROM178はCPU177で実行される制御プログラムなどを記憶し、RAM179は発音制御回路175の制御に用いるデータを一時的に記憶し、波形メモリ181は楽音信号を生成するための波形データを記憶している。
【0043】
また、発音制御回路175では、隣接する第一鍵115aと第二鍵115bとの間の音高差および隣接する第二鍵115bと第三鍵115cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されている。
【0044】
発音部185は発音制御回路175で生成された楽音信号を増幅する増幅器186と、増幅された楽音信号を楽音として出力するスピーカ187とを備える。
以上のように構成された電子鍵盤楽器101においては、鍵115の前方側を押鍵すると、鍵115がバランスピン113を支点に揺動し、鍵115の後端部114aがハンマー機構155を突き上げて鍵スイッチ160を押す。すると、発音制御回路175が、鍵スイッチ160で検出された押鍵情報から楽音信号を生成し、発音部185が、発音制御回路175で生成された楽音信号を楽音に変えて出力する。一方、鍵115の操作を中止すると、鍵115の後方側が下がって元の位置に戻り、発音部185からの楽音の出力も停止する。
【0045】
なお、電子鍵盤楽器101のその他の構成については公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
[2.第二実施形態の効果]
このように本実施形態の電子鍵盤楽器101によれば、隣接する第一鍵115aと第二鍵115bとの間の音高差および隣接する第二鍵115bと第三鍵115cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されるので、電子鍵盤楽器101が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、鍵盤装置120が上下方向に複数段(本実施形態では二段)に配設されるので、電子鍵盤楽器101が発生可能な音が四分音刻みとなり且つ電子鍵盤楽器101が発音可能な音の音域を広くするために鍵115の数量が多くなっても、電子鍵盤楽器101の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵115が配設される。また、鍵115の数量を増やしても各鍵115の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0046】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0047】
(1)上記実施形態では、鍵盤装置120aが、28本の第一鍵115a、47本の第二鍵115bおよび20本の第三鍵115cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有しているが、これには限られず、図7に例示するように、28本の第一鍵119a、47本の第二鍵119bおよび20本の第三鍵119cを前方からその順に種別ごとに横方向に扇状に並べて配設した構成を有するようにしてもよい。このとき、第一鍵119aと第二鍵119bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵119bと第三鍵119cとの間にも段差が形成され、各鍵119の高さは、第一鍵119a、第二鍵119b、第三鍵119cの順に高くなるように構成する。そして、互いの音高差が全音である二つの第一鍵119a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵119bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵119b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵119cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵119a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵119bが配設されるようにする。
[第三実施形態]
図8はアップライトピアノ201の外観図であり、図9はアップライトピアノ201の前部の側断面であり、図3は鍵部230の詳細図である。なお、図8では、アクション装置203,205の鍵部230およびアクション装置203,205の上方を覆うための蓋の図示が省略されている。
【0048】
[1.アップライトピアノ201の構成の説明]
本実施形態のアップライトピアノ201は、図8に示すように、鍵を押鍵して弦を打弦する二つのアクション装置203,205と、伝達部240と、を備えている。
【0049】
アクション装置203は、アップライトピアノ201の前部に配設されている。また、アクション装置205は、アクション装置203の上方の斜め後方に配設されている。
以下に、アクション装置203の構成について説明する。
【0050】
図9に示すように、アクション装置203は、ピアノ本体210の棚板212上に設置され、鍵部230を備える。
アクション装置203の鍵部230は、鍵232と筬234とからなり棚板212上に設置される。鍵部230は、鍵232を4オクターブ分の95本備え、各鍵232は筬234上に並列に設置される。筬234は、鍵232の配列方向(左右方向)に長尺な板材であり、その幅方向中程には鍵232に配列方向に沿って長尺な中筬236が設けられている。鍵232は、この中筬236を支点に揺動するよう筬234上に載置される。
【0051】
また、鍵232には、第一鍵232a、第二鍵232b、第三鍵232cがあり、鍵部230は、28本の第一鍵232a、47本の第二鍵232bおよび20本の第三鍵232cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。図3では、1オクターブ分の鍵232を図示している。
【0052】
なお、第一鍵232aは白色に構成されており、第二鍵232bは青色に構成されており、第三鍵232cは黒色に構成されている。
また、第一鍵232aと第二鍵232bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵232bと第三鍵232cとの間にも段差が形成され、各鍵232の高さは、第一鍵232a、第二鍵232b、第三鍵232cの順に高くなっている。
【0053】
なお、第一鍵232aは従来のアコースティックピアノの白鍵に相当し、第三鍵232cは従来のアコースティックピアノの黒鍵に相当する。
そして、鍵部230は、図3に示すように、互いの音高差が全音である二つの第一鍵232a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵232bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵232b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵232cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵232a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵232bが配設されている。
【0054】
アクション装置205は、上述のように、アクション装置203の上方の斜め後方に配設されている。より具体的には、アクション装置205は、アクション装置203の上方に配設されるピアノ本体210の中棚板213上に設置され、鍵部230を備える。なお、アクション装置205の鍵部230は、アクション装置203の鍵部230と同様の構成であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0055】
また、アクション装置203の鍵部230の最も高い音とアクション装置205の鍵部230の最も低い音とが連続するように設定されている。
伝達部240は、ハンマー242と、アクション244とからなる。なお、ハンマー242およびアクション244は190個あり、アクション装置203の鍵部230を構成する鍵232およびアクション装置205の鍵部230とを構成する鍵232に対応してピアノ本体210内に横方向に並べて配設される。一方、アクション244は、ハンマー242と鍵232との間の位置であって、鍵232が押鍵されたときにハンマー242を揺動自在な位置に設置される。なお、このアクション244は、アップライトピアノ201に備えられた一般的な構成のものなので、その詳細な説明については省略する。
【0056】
また、鍵232それぞれに対応して弦202が配設される。各音高の弦202は、両端部が鍵部230の後方に配設されたフレーム214に対してチューニングピン(図示省略)とフレームピン(図示省略)に係止されることで所定の張力をもって略垂直に張設されている。そして、本実施形態のアップライトピアノ201においては、各弦202は、その音高が、隣接する第一鍵232aと第二鍵232bとの間の音高差および隣接する第二鍵232bと第三鍵232cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されている。
【0057】
そして、アクション装置203およびアクション装置205は、通常、鍵232の後方側が下がっているので、鍵232の前方側を押鍵すると、鍵232が中筬236を支点に揺動し、アクション244を介してハンマー242を揺動させて弦202を打弦し、鍵232の操作を中止すると、ハンマー242およびアクション244の重みで元の位置に戻るようにされている。
【0058】
なお、アップライトピアノ201のその他の構成については公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
[2.第三実施形態の効果]
このように本実施形態のアップライトピアノ201によれば、アクション装置203の鍵部230およびアクション装置205の鍵部230それぞれが、鍵232を4オクターブ分の95本備え、鍵232には、第一鍵232a、第二鍵232b、第三鍵232cがあり、各鍵部230は、28本の第一鍵232a、47本の第二鍵232bおよび20本の第三鍵232cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。また、第一鍵232aと第二鍵232bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵232bと第三鍵232cとの間にも段差が形成され、各鍵232の高さは、第一鍵232a、第二鍵232b、第三鍵232cの順に高くなっている。さらに、各弦202が、その音高が、隣接する第一鍵232aと第二鍵232bとの間の音高差および隣接する第二鍵232bと第三鍵232cとの間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設され、アップライトピアノ201が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、アクション装置203,205が上下方向に複数段(本実施形態では二段)に配設されるので、アップライトピアノ201が発生可能な音が四分音刻みとなり且つアップライトピアノ201が発音可能な音の音域を広くするために鍵232の数量が多くなっても、アップライトピアノ201の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての鍵232が配設される。また、鍵232の数量を増やしても各鍵232の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0059】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0060】
(1)上記実施形態では、各鍵部230が、28本の第一鍵232a、47本の第二鍵232bおよび20本の第三鍵232cを前方からその順に種別ごとに横方向に直線状に並べて配設した構成を有しているが、これには限られず、図7に例示するように、28本の第一鍵233a、47本の第二鍵233bおよび20本の第三鍵233cを前方からその順に種別ごとに横方向に扇状に並べて配設した構成を有するようにしてもよい。このとき、第一鍵233aと第二鍵233bとの間には段差が形成されるとともに、第二鍵233bと第三鍵233cとの間にも段差が形成され、各鍵233の高さは、第一鍵233a、第二鍵233b、第三鍵233cの順に高くなるように構成する。そして、互いの音高差が全音である二つの第一鍵233a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵233bが配設され、これら隣接する二つの第二鍵233b間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵233cが一つ配置され、互いの音高差が半音である二つの第一鍵233a間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵233bが配設されるようにする。
[第四実施形態]
図10はマリンバ301の外観図である。また、図11はマリンバ301の音板305の詳細図である。
【0061】
[1.マリンバ301の構成の説明]
本実施形態のマリンバ301は、図10に示すように、それぞれ複数本からなる音板305およびパイプ307と、これらの音板305とパイプ307が取付けられた楽器用スタンド309とで構成されている。
【0062】
音板305は、それぞれ複数本からなる前列側の幹音音板305Aと中列側の派生音音板305Bと後列側の派生音音板305Cとからなり、楽器用スタンド309の上面に前後3段に配設されている。幹音音板305A、派生音音板305Bおよび派生音音板305Cは、それぞれ一次(基本)振動の節となる二箇所に幅方向に貫通する挿通孔を有し、これらの挿通孔にそれぞれ挿通される図示しない紐によって支持されている。
【0063】
前列側の幹音音板305Aには一種類の音板(第一音板306a)があり、この幹音音板305Aは、第一音板306aを横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。また、中列側の派生音音板305Bには、二種類の音板(第二音板306b、第四音板306d)があり、この派生音音板305Bは、これら第二音板306bおよび第四音板306dを横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。また、後列側の派生音音板305Cには、一種類の音板(第三音板306c)があり、この派生音音板305Cは、第三音板306cを横方向に直線状に並べて配設した構成を有している。なお、図11では、1オクターブ分の第一音板306a、第二音板306b、第三音板306cおよび第四音板306dを図示している。
【0064】
そして、図11に示すように、互いの音高差が全音である二つの第一音板306a間には第二音板306bが配設されている。また、互いの音高差が半音である第一音板306aと第二音板306bとの間および第二音板306bと第一音板306aとの間には第三音板306cがそれぞれ配設されている。さらに、互いの音高差が半音である二つの第一音板306a間には第四音板306dが配設されている。
【0065】
そして、隣接する第一音板306aと第二音板306bとの間の音高差、隣接する第二音板306bと第三音板306cとの間の音高差、隣接する第一音板306aと第三音板306cとの間の音高差および隣接する第一音板306aと第四音板306dとの間の音高差がそれぞれ四分音となっている。
【0066】
パイプ307は前列側の幹音パイプ307Aと中列側の派生音パイプ307Bと後列側の派生音パイプ307Cとからなり、各幹音音板305A、派生音音板305B、派生音音板305Cの音に共鳴して振動することにより音量を増大させるためのもので、対応する幹音音板305A、派生音音板305Bおよび派生音音板305Cの下方にそれぞれ懸吊されている。幹音パイプ307A、派生音パイプ307Bおよび派生音パイプ307Cは、上端が開放し下端側が閉塞するパイプからなり、対応する幹音音板305A、派生音音板305Bおよび派生音音板305Cの一次振動数と略同じ固有振動数を有している。
【0067】
[2.第四実施形態の効果]
このように本実施形態のマリンバ301によれば、互いの音高差が全音である二つの第一音板306a間には第二音板306bが配設され、互いの音高差が半音である第一音板306aと第二音板306bとの間および第二音板306bと第一音板306aとの間には第三音板306cがそれぞれ配設され、互いの音高差が半音である二つの第一音板306a間には第四音板306dが配設され、隣接する第一音板306aと第二音板306bとの間の音高差、隣接する第二音板306bと第三音板306cとの間の音高差、隣接する第一音板306aと第三音板306cとの間の音高差および隣接する第一音板306aと第四音板306dとの間の音高差がそれぞれ四分音となっている。
【0068】
このことにより、マリンバ301が発生可能な音が四分音刻みとなる。また、音板305が前列側の幹音音板305Aと中列側の派生音音板305Bと後列側の派生音音板305Cとの前後三段に配設されるので、マリンバ301が発生可能な音が四分音刻みとなり且つマリンバ301が発音可能な音の音域を広くするために音板305の数量が多くなっても、マリンバ301の前に着座して演奏する演奏者の手が十分に届く範囲にすべての音板305が配設される。また、音板305の数量を増やしても各音板305の大きさを小さくしなくてもよいので、演奏時の運指に支障が生じにくい。
【0069】
したがって、演奏の容易性を確保しつつ、楽器としての表現力をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0070】
(1)上記実施形態では、幹音音板305Aが、第一音板306aを横方向に直線状に並べて配設した構成を有するとともに、派生音音板305Bが、第二音板306bおよび第四音板306dを横方向に直線状に並べて配設した構成を有し、派生音音板305Cが、第三音板306cを横方向に直線状に並べて配設した構成を有しているが、これには限られず、図12に例示するように、幹音音板305Aを、第一音板306aを横方向に扇状に並べて配設した構成を有するとともに、派生音音板305Bが、第二音板306bおよび第四音板306dを横方向に扇状に並べて配設した構成を有し、派生音音板305Cが、第三音板306cを横方向に扇状に並べて配設した構成を有するようにしてもよい。このとき、上記実施形態と同様に、互いの音高差が全音である二つの第一音板306a間には第二音板306bが配設され、互いの音高差が半音である第一音板306aと第二音板306bとの間および第二音板306bと第一音板306aとの間には第三音板306cがそれぞれ配設され、互いの音高差が半音である二つの第一音板306a間には第四音板306dが配設され、隣接する第一音板306aと第二音板306bとの間の音高差、隣接する第二音板306bと第三音板306cとの間の音高差、隣接する第一音板306aと第三音板306cとの間の音高差および隣接する第一音板306aと第四音板306dとの間の音高差がそれぞれ四分音となるようにする。
【0071】
(2)上記実施形態では、本発明をマリンバ301に適用した例を説明したが、本発明を、シロフォン、ビブラフォンなどの鍵盤打楽器に適用してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…グランドピアノ、2…弦、3,5…アクション装置、10…ピアノ本体、30…鍵部、32…鍵、32a…第一鍵、32b…第二鍵、32c…第三鍵、33…鍵、33a…第一鍵、33b…第二鍵、33c…第三鍵、34…筬、36…中筬、40…伝達部、42…ハンマー、44…アクション、46…ハンマーシャンクレール、101…電子鍵盤楽器、110a…棚板、110b…中棚板、111a…鍵盤シャーシ、111b…鍵盤シャーシ、112…アクションシャーシ、113…バランスピン、114a…鍵の後端部、115…鍵、115a…第一鍵、115b…第二鍵、115c…第三鍵、116…ハンマー支持部、117…スイッチ取付部、118…ハンマストッパ、119…鍵、119a…第一鍵、119b…第二鍵、119c…第三鍵、120a…鍵盤装置、120b…鍵盤装置、122…鍵載置部、155…ハンマー機構、160…鍵スイッチ、175…発音制御回路、176…鍵スキャン回路、181…波形メモリ、182…音源LSI、185…発音部、186…増幅器、187…スピーカ、201…アップライトピアノ、202…弦、203,205…アクション装置、210…ピアノ本体、214…フレーム、230…鍵部、232…鍵、232a…第一鍵、232b…第二鍵、232c…第三鍵、233…鍵、233a…第一鍵、233b…第二鍵、233c…第三鍵、234…筬、236…中筬、240…伝達部、242…ハンマー、244…アクション、301…マリンバ、305…音板、305A…幹音音板、305B…派生音音板、305C…派生音音板、306a…第一音板、306b…第二音板、306c…第三音板、306d…第四音板、307…パイプ、307A…幹音パイプ、307B…派生音パイプ、307C…派生音パイプ、309…楽器用スタンド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵が前後方向に回動可能に支持され、押鍵時に上方に回動する前記鍵の後端部が対応するハンマーを回動動作させ、回動動作するハンマーの先端部が、両端部がチューニングピンとフレームピンに係止されることで所定の張力をもって張設される弦を叩くことで音を発生する鍵盤楽器において、
前記鍵には、第一鍵、第二鍵、第三鍵があり、
前記第一鍵、前記第二鍵および前記第三鍵を前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成の鍵部が上下方向に複数段に形成され、
さらに、前記各鍵部は、
互いの音高差が全音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵が配設され、これら隣接する二つの第二鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵が一つ配置され、
互いの音高差が半音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵が配設され、
前記鍵それぞれに対応して前記ハンマーおよび前記弦が配設され、
前記各弦は、その音高が、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されること
を特徴とする鍵盤楽器。
【請求項2】
演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵が前後方向に回動可能に支持され、押鍵時に上方に回動する前記鍵の後端部を検知することで音を発生する鍵盤楽器において、
前記鍵には、第一鍵、第二鍵、第三鍵があり、
前記第一鍵、前記第二鍵および前記第三鍵を前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成の鍵部が上下方向に複数段に形成され、
さらに、前記各鍵部は、
互いの音高差が全音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵が配設され、これら隣接する二つの第二鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵が一つ配置され、
互いの音高差が半音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵が配設され、
隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されること
を特徴とする鍵盤楽器。
【請求項3】
演奏者に対向して左右方向に並ぶ音板を叩くことで音を発生し、前記音板の下方に懸吊されるパイプが発生した音に共鳴して振動することにより音の音量を増大させる鍵盤楽器において、
前記音板は、それぞれ複数本からなる前列側の幹音音板と後列側の派生音音板とからなり、前後に複数段に配設され、
前記幹音音板は、第一音板を横方向に並べて配設した構成を有し、
前記派生音音板は、第二音板、第三音板および第四音板を横方向に並べて配設した構成を有し、
互いの音高差が全音である二つの第一音板間には第二音板が配設され、互いの音高差が半音である第一音板と第二音板との間には第三音板がそれぞれ配設され、互いの音高差が半音である二つの第一音板間には第四音板が配設され、
隣接する第一音板と第二音板との間の音高差、隣接する第二音板と第三音板との間の音高差、隣接する第一音板と第三音板との間の音高差および隣接する第一音板と第四音板との間の音高差がそれぞれ四分音となること
を特徴とする鍵盤楽器。
【請求項1】
演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵が前後方向に回動可能に支持され、押鍵時に上方に回動する前記鍵の後端部が対応するハンマーを回動動作させ、回動動作するハンマーの先端部が、両端部がチューニングピンとフレームピンに係止されることで所定の張力をもって張設される弦を叩くことで音を発生する鍵盤楽器において、
前記鍵には、第一鍵、第二鍵、第三鍵があり、
前記第一鍵、前記第二鍵および前記第三鍵を前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成の鍵部が上下方向に複数段に形成され、
さらに、前記各鍵部は、
互いの音高差が全音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵が配設され、これら隣接する二つの第二鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵が一つ配置され、
互いの音高差が半音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵が配設され、
前記鍵それぞれに対応して前記ハンマーおよび前記弦が配設され、
前記各弦は、その音高が、隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう張設されること
を特徴とする鍵盤楽器。
【請求項2】
演奏者に対向して左右方向に並ぶ鍵が前後方向に回動可能に支持され、押鍵時に上方に回動する前記鍵の後端部を検知することで音を発生する鍵盤楽器において、
前記鍵には、第一鍵、第二鍵、第三鍵があり、
前記第一鍵、前記第二鍵および前記第三鍵を前方からその順に種別ごとに横方向に並べて配設した構成の鍵部が上下方向に複数段に形成され、
さらに、前記各鍵部は、
互いの音高差が全音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに二つの第二鍵が配設され、これら隣接する二つの第二鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに第三鍵が一つ配置され、
互いの音高差が半音である二つの第一鍵間においては、双方の対向部分に切り欠きがそれぞれ形成されてそこに一つの第二鍵が配設され、
隣接する第一鍵と第二鍵との間の音高差および隣接する第二鍵と第三鍵との間の音高差がそれぞれ四分音となるよう設定されること
を特徴とする鍵盤楽器。
【請求項3】
演奏者に対向して左右方向に並ぶ音板を叩くことで音を発生し、前記音板の下方に懸吊されるパイプが発生した音に共鳴して振動することにより音の音量を増大させる鍵盤楽器において、
前記音板は、それぞれ複数本からなる前列側の幹音音板と後列側の派生音音板とからなり、前後に複数段に配設され、
前記幹音音板は、第一音板を横方向に並べて配設した構成を有し、
前記派生音音板は、第二音板、第三音板および第四音板を横方向に並べて配設した構成を有し、
互いの音高差が全音である二つの第一音板間には第二音板が配設され、互いの音高差が半音である第一音板と第二音板との間には第三音板がそれぞれ配設され、互いの音高差が半音である二つの第一音板間には第四音板が配設され、
隣接する第一音板と第二音板との間の音高差、隣接する第二音板と第三音板との間の音高差、隣接する第一音板と第三音板との間の音高差および隣接する第一音板と第四音板との間の音高差がそれぞれ四分音となること
を特徴とする鍵盤楽器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−107993(P2010−107993A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2009−280463(P2009−280463)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(309014894)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280463(P2009−280463)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(309014894)
【Fターム(参考)】
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