防水靴用防水インナー
【課題】足甲部にしわの寄らない状態でラストモールドに容易に吊り込むことができる防水靴用防水インナーを提供する。
【解決手段】第1実施形態の防水靴用防水インナー5において、足挿入口6J,7Dの前側の足甲部における足形外側パーツ6の足甲縫合部6Aと足形内側パーツ7の足甲縫合部7Aとの縫合線は、防水インナー5の中央部を足挿入口6J,7Dから爪先部6Cへ向かって直線状に延び、途中の足指付け根部付近で足形の親指側の内側へ向かって直線状に屈折している。このため、防水靴1の本底4の射出成形にあたってラストモールドに防水インナー5を吊り込む際に、防水インナー5の足甲部は無理なく伸縮するようになり、足甲部にはしわが寄らなくなる。
【解決手段】第1実施形態の防水靴用防水インナー5において、足挿入口6J,7Dの前側の足甲部における足形外側パーツ6の足甲縫合部6Aと足形内側パーツ7の足甲縫合部7Aとの縫合線は、防水インナー5の中央部を足挿入口6J,7Dから爪先部6Cへ向かって直線状に延び、途中の足指付け根部付近で足形の親指側の内側へ向かって直線状に屈折している。このため、防水靴1の本底4の射出成形にあたってラストモールドに防水インナー5を吊り込む際に、防水インナー5の足甲部は無理なく伸縮するようになり、足甲部にはしわが寄らなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水靴の表胛の内側に配置される防水インナーに関し、詳しくは、ショートブーツタイプの防水靴に適した防水靴用防水インナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
防水性を高めた防水靴として、表胛の内側に防水インナーを配置して組み込んだ二重構造の防水靴が従来一般に知られている(例えば特許文献1参照)。そして、この種の防水靴に組み込まれる防水インナーとして、外甲側内装体と内甲側内装体とを相互に縫合して土踏まず部の立体形状にフィットする足形に縫製したシューズ内装体が従来一般に知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−265202号公報
【特許文献2】特許第3642553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献2に記載された「シューズ内装体」のような従来の防水インナーは、靴型(ラストモールド)の土踏まず部の立体形状にフィットする足形に縫製されてはいるものの、足挿入口の前側の足甲部が爪先部まで直線状に縫合されており、ラストモールドの足甲部の立体形状にフィットする足形には縫製されていない。このため、ラストモールドに防水インナー(シューズ内装体)を吊り込む際、防水インナー(シューズ内装体)の足甲部にしわが寄り易い。このような傾向は、ショートブーツタイプの防水靴において顕著であり、防水インナー(シューズ内装体)の足甲部にしわが寄ると、防水靴としたときに、履き心地が損なわれてしまい、さらに表胛の外観も損なわれるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に対応してなされたものであり、足甲部にしわの寄らない状態でラストモールドに容易に吊り込むことができる防水靴用防水インナーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するため、本発明に係る防水靴用防水インナーは、足挿入口を有する足形に縫製されて防水靴の表胛の内側に配置される防水インナーであって、少なくとも足挿入口の前側の足甲部と後側の踵部とで相互に縫合される足形外側パーツと足形内側パーツとを備えて構成されており、足甲部における足形外側パーツと足形内側パーツとの縫合線は、足挿入口から爪先部へ向かって延び、途中の足指付け根部付近で足形の内側へ向かって屈折していることを特徴とする。ここで、「足形の内側」とは、足形の親指側をいうものとする。
【0007】
本発明に係る防水靴用防水インナーは、足挿入口の前側の足甲部における足形外側パーツと足形内側パーツとの縫合線が足挿入口から爪先部へ向かって延び、途中の足指付け根部付近で足形の内側(親指側)へ向かって屈曲しているため、ラストモールドに防水インナーを吊り込む際に、防水インナーの足甲部は無理なく伸縮するようになり、足甲部にはしわが寄らなくなる。
【0008】
本発明に係る防水靴用防水インナーにおいて、足形外側パーツには、ラストモールドの細い爪先形状に合わせて、爪先外側縫合部および爪先内側縫合部を設け、それぞれを縫合して先端部が細い形状の爪先部を形成するようにしてもよいし、あるいは、ラストモールドの丸い爪先形状に合わせて、爪先横向縫合部および爪先縦向縫合部を設け、それぞれを縫合して先端部が丸い形状の爪先部を形成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る防水靴用防水インナーによれば、ラストモールドに防水インナーを吊り込む際に、足甲部にしわの寄らない状態で容易に吊り込むことができる。その結果、本発明の防水インナーを表胛の内側に配置してなる防水靴は、履き心地に優れ、防水靴の表胛の外観を美麗に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る防水靴用防水インナーを備えた防水靴の足甲部の横断面図である。
【図2】図1に示した防水インナーを構成する足形外側パーツおよび足形内側パーツの展開図である。
【図3】図2に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図4】図2に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形内側パーツ側から見て示す側面図である。
【図5】一実施形態に係る防水靴用防水インナーの底面図である。
【図6】一実施形態に係る防水靴用防水インナーの平面図である。
【図7】図6に示した防水インナーの変形例を示す平面図である。
【図8】図7に示した防水インナーを構成する足形外側パーツおよび足形内側パーツの展開図である。
【図9】図8に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図10】図8に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る防水靴用防水インナーの平面図である。
【図12】図11に示した防水インナーを構成する足形外側パーツおよび足形内側パーツの展開図である。
【図13】図12に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図14】図12に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図15】図11に示した防水インナーの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本発明に係る防水靴用防水インナーの実施の形態を説明する。なお、本発明の防水靴用防水インナーは、左右対称に構成された一足の防水靴に対応して左右対称に構成されているため、例えば左足に着用される左側の防水靴に適用される左側の防水インナーについてのみ説明し、右側の防水インナーについては、説明を省略する。
【0012】
一実施形態の防水靴用防水インナーは、例えば図1に示すような防水靴1、すなわち合成皮革などからなる表胛2およびメッシュ構造の中底3と一体にポリウレタンからなる本底4が射出成形される防水靴1を対象として、その防水性を高めるように、表胛2および中底3の内側に配置されて本底4と一体化される防水インナー5である。
【0013】
この防水インナー5は、裏布材5Aに表面機能層5Bが貼り合わされた2層構造となっている。裏布材5Aは、例えば、フレンチパイル、無起毛トリコット、レーヨン、ナイロンなど、履き心地のよい適宜の織布、編布、不織布で構成されている。一方、表面機能層5Bは、少なくとも防水性を有する樹脂フィルム、例えばポリウレタン樹脂フィルム、あるいは防水性および透湿性を有するディアプレックス社製の“ディアプレックス”または東レ社製の“エントランス”などで構成されており、その厚さは5〜300μm程度である。
【0014】
ここで、一実施形態の防水インナー5は、図2に示すような展開形状を有する足形外側パーツ6と足形内側パーツ7とを図3〜図5に示すように適宜の縫合糸8を用いて相互に縫合することで、図6に示すような防水インナー5として構成される。
【0015】
すなわち、防水インナー5は、図2に示す足形外側パーツ6の足甲縫合部6Aと足形内側パーツ7の足甲縫合部7Aとを縫合糸8により相互に縫合すると共に、足形外側パーツ6の踵外側縫合部6Bと足形内側パーツ7の踵内側縫合部7Bとを縫合糸8により相互に縫合することで、図3および図4に示すような足形に縫製される。
【0016】
この防水インナー5は、先端部に細い形状の爪先部6Cを形成するように、足形外側パーツ6における爪先部6Cの小指側の外側に切り欠かれた爪先外側縫合部6Dと、爪先部6Cの親指側の内側に切り欠かれた爪先内側縫合部6Eとがそれぞれ縫合糸8により縫合され、かつ、足形外側パーツ6の足甲の外脇部分に切り欠かれた足甲外脇縫合部6Fが縫合糸8により縫合される。
【0017】
このような防水インナー5は、図5に示すように、足形外側パーツ6の足底前外側縫合部6Gと足底前内側縫合部6Hとを縫合糸8により相互に縫合すると共に、足形外側パーツ6の足底後外側縫合部6Iと足形内側パーツ7の足底後内側縫合部7Cとを縫合糸8により縫合することで、図6に示すような足挿入口外側6Jおよび足挿入口内側7Dよりなる足挿入口を有する足形に縫製される。
【0018】
すなわち、防水インナー5は、図1に示した本底4の射出成形に際して、足挿入口外側6Jおよび足挿入口内側7Dよりなる足挿入口から図示しないラストモールドに吊り込み可能な足形に縫製される。なお、このような防水インナー5の底部には、ラストモールドに確実に吊り込めるように、図示しない内中底が逢着されていてもよい。
【0019】
ここで、図6に示すように、一実施形態の防水インナー5において、足挿入口外側6Jおよび足挿入口内側7Dよりなる足挿入口の前側の足甲部における足形外側パーツ6の足甲縫合部6Aと足形内側パーツ7の足甲縫合部7Aとの縫合線は、防水インナー5の中央部を爪先部6Cへ向かって直線状に延び、途中の足指付け根部付近で足形の親指側の内側へ向かって直線状に屈折している。すなわち、足甲縫合部6A,7Aの縫合線は、足中指の付け根部付近から足親指の付け根部付近へ向けて横方向に屈折している。
【0020】
なお、一実施形態の防水インナー5においては、防水性を高めるように、足甲縫合部6Aと足甲縫合部7Aとの縫合面、踵外側縫合部6Bと踵内側縫合部7Bとの縫合面、爪先外側縫合部6Dの縫合面、爪先内側縫合部6Eの縫合面、足甲外脇縫合部6Fの縫合面、足底前外側縫合部6Gと足底前内側縫合部6Hとの縫合面、足底後外側縫合部6Iと足底後内側縫合部7Cとの縫合面に、それぞれ必要に応じてシーリングテープ9が貼着されている。
【0021】
以上のように構成された一実施形態の防水靴用防水インナー5は、図1に示した防水靴1の本底4の射出成形に際し、図示しないラストモールドに吊り込まれることで、表胛2と共に本底4に一体化される。なお、このとき、防水インナー5と表胛2とを別々にラストモールドに吊り込むことも可能であるが、防水インナー5と表胛2を、例えば足挿入口付近で、あらかじめ縫合などで一体化した後、ラストモールドに吊り込んでもよい。
【0022】
ここで、一実施形態の防水インナー5では、図5に示すように、足甲部における足形外側パーツ6の足甲縫合部6Aと足形内側パーツ7の足甲縫合部7Aとの縫合線は、防水インナー5の中央部を爪先部6Cへ向かって直線状に延び、途中の足中指の付け根部付近から足親指の付け根部付近へ向けて横方向内側に屈折している。このため、例えば、図1に示した防水靴1の本底4の射出成形にあたって、図示しないラストモールドに防水インナー5を吊り込む際には、防水インナー5が無理なく容易にラストモールドに吊り込まれ、その際、防水インナー5の足甲部には殆どしわが寄らなくなる。
【0023】
すなわち、一実施形態の防水インナー5は、ラストモールドに吊り込む際に、足甲部にしわの寄らない状態で容易に吊り込むことができる。その結果、一実施形態の防水インナー5を表胛2の内側に配置してなる防水靴1は、履き心地に優れ、防水靴1の表胛2の外観を美麗に保つことができる。
【0024】
本発明に係る防水靴用防水インナーは、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、図6に示した防水インナー5は、図7に示すような防水インナー5に変更することができる。この防水インナー5は、相互に対向する切欠き凹部6K,7Eにより、衝撃緩衝材などを挿入するための抜き穴が踵の底に形成されたものである。
【0025】
そのための構造として、図8〜図10に示すように、足形外側パーツ6の足底後外側縫合部6Iと踵外側縫合部6Bとの間の部位には切欠き凹部6Kが形成され、同様の切欠き凹部7Eが足形内側パーツ7の足底後内側縫合部7Cと踵内側縫合部7Bとの間の部位に形成されている。
【0026】
図7に示した防水インナー5も、図6に示した防水インナー5と同様の作用効果を奏することができる。なお、図7に示した防水インナー5は、図1に示した防水靴1の本底4の射出成形により、抜き穴の周縁部が本底4に密着するため、防水性に問題はない。
【0027】
また、図7に示した防水インナー5は、図11に示すような防水インナー15に変更することができる。この防水インナー15は、先端部が丸い形状の爪先部16Cを有するものであり、そのための構造として、足形外側パーツ16には、爪先横向縫合部16Dおよび爪先縦向縫合部16Eが形成されている。
【0028】
ここで、防水インナー15は、図12に示すような展開形状の足形外側パーツ16および足形内側パーツ17で構成されており、足形外側パーツ16には、図7および図8に示した足形外側パーツ6の足甲縫合部6A、踵外側縫合部6B、足甲外脇縫合部6F、足底前外側縫合部6G、足底前内側縫合部6H、足底後外側縫合部6I、足挿入口外側6Jおよび切欠き凹部6Kに対応する足甲縫合部16A、踵外側縫合部16B、足甲外脇縫合部16F、足底前外側縫合部16G、足底前内側縫合部16H、足底後外側縫合部16I、足挿入口外側16Jおよび切欠き凹部16Kが形成されている。
【0029】
一方、足形内側パーツ17には、図7および図8に示した足形内側パーツ7の足甲縫合部7A、踵内側縫合部7B、足底後内側縫合部7C、足挿入口内側7Dおよび切欠き凹部7Eに対応する足甲縫合部17A、踵内側縫合部17B、足底後内側縫合部17C、足挿入口内側17Dおよび切欠き凹部17Eが形成されている。
【0030】
図12に示す足形外側パーツ16および足形内側パーツ17は、足形外側パーツ16の足甲縫合部16Aと足形内側パーツ17の足甲縫合部17Aとが相互に縫合され、足形外側パーツ16の踵外側縫合部16Bと足形内側パーツ17の踵内側縫合部17Bとが相互に縫合される。また、足形外側パーツ16の爪先横向縫合部16Dおよび爪先縦向縫合部16Eが縫合され、かつ、足形外側パーツ16の足甲の外脇部分に切り欠かれた足甲外脇縫合部16Fが縫合されることにより、図13および図14に示すような丸い形状の爪先部16Cを有する防水インナー15として縫製される。
【0031】
そして、図15に示すように、足形外側パーツ16の足底前外側縫合部16Gと足底前内側縫合部16Hとを縫合すると共に、足形外側パーツ16の足底後外側縫合部16Iと足形内側パーツ17の足底後内側縫合部17Cとを縫合することで、図11に示すような足挿入口外側16Jおよび足挿入口内側17Dよりなる足挿入口を有する足形に縫製される。
【0032】
このような丸い形状の爪先部16Cを有する防水インナー15においても、足形外側パーツ16の足甲縫合部16Aと足形内側パーツ17の足甲縫合部17Aとの縫合線が足中指の付け根部付近から足親指の付け根部付近へ向けて横方向内側に屈折しているため、図示しないラストモールドに防水インナー15を吊り込む際には、防水インナー15が無理なく容易にラストモールドに吊り込まれ、その際、防水インナー15の足甲部には殆どしわが寄らなくなる。従って、図11に示した防水インナー15も、図6または図7に示した防水インナー5と同様の作用効果を奏することができる。
【0033】
ここで、図1に示した防水インナー5は、裏布材5Aと表面機能層5Bとの2層構造であるが、本発明の防水インナーは、2層構造に限定されるものではなく、例えば、表面機能層5Bの他の表面に、織布、編布、不織布などの繊維材を張り合わせた3層構造としてもよい。この場合、繊維材が表面機能層5Bの破損を防ぐので、表面機能層5Bの防水性が損なわれることもなく、好ましい。
【0034】
また、本発明の防水インナーは、前述した特許文献1に記載のように、靴底を貼り付けて形成してなるハンドメイド製法の防水靴など、公知の製法の防水靴にも適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 :防水靴
2 :表胛
3 :中底
4 :本底
5 :防水インナー
5A:裏布材
5B:表面機能層
6 :足形外側パーツ
6A:足甲縫合部
6B:踵外側縫合部
6C:爪先部
6D:爪先外側縫合部
6E:爪先内側縫合部
6F:足甲外脇縫合部
6G:足底前外側縫合部
6H:足底前内側縫合部
6I:足底後外側縫合部
6J:足挿入口外側
7 :足形内側パーツ
7A:足甲縫合部
7B:踵内側縫合部
7C:足底後内側縫合部
7D:足挿入口内側
8 :縫合糸
9 :シーリングテープ
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水靴の表胛の内側に配置される防水インナーに関し、詳しくは、ショートブーツタイプの防水靴に適した防水靴用防水インナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
防水性を高めた防水靴として、表胛の内側に防水インナーを配置して組み込んだ二重構造の防水靴が従来一般に知られている(例えば特許文献1参照)。そして、この種の防水靴に組み込まれる防水インナーとして、外甲側内装体と内甲側内装体とを相互に縫合して土踏まず部の立体形状にフィットする足形に縫製したシューズ内装体が従来一般に知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−265202号公報
【特許文献2】特許第3642553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献2に記載された「シューズ内装体」のような従来の防水インナーは、靴型(ラストモールド)の土踏まず部の立体形状にフィットする足形に縫製されてはいるものの、足挿入口の前側の足甲部が爪先部まで直線状に縫合されており、ラストモールドの足甲部の立体形状にフィットする足形には縫製されていない。このため、ラストモールドに防水インナー(シューズ内装体)を吊り込む際、防水インナー(シューズ内装体)の足甲部にしわが寄り易い。このような傾向は、ショートブーツタイプの防水靴において顕著であり、防水インナー(シューズ内装体)の足甲部にしわが寄ると、防水靴としたときに、履き心地が損なわれてしまい、さらに表胛の外観も損なわれるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に対応してなされたものであり、足甲部にしわの寄らない状態でラストモールドに容易に吊り込むことができる防水靴用防水インナーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するため、本発明に係る防水靴用防水インナーは、足挿入口を有する足形に縫製されて防水靴の表胛の内側に配置される防水インナーであって、少なくとも足挿入口の前側の足甲部と後側の踵部とで相互に縫合される足形外側パーツと足形内側パーツとを備えて構成されており、足甲部における足形外側パーツと足形内側パーツとの縫合線は、足挿入口から爪先部へ向かって延び、途中の足指付け根部付近で足形の内側へ向かって屈折していることを特徴とする。ここで、「足形の内側」とは、足形の親指側をいうものとする。
【0007】
本発明に係る防水靴用防水インナーは、足挿入口の前側の足甲部における足形外側パーツと足形内側パーツとの縫合線が足挿入口から爪先部へ向かって延び、途中の足指付け根部付近で足形の内側(親指側)へ向かって屈曲しているため、ラストモールドに防水インナーを吊り込む際に、防水インナーの足甲部は無理なく伸縮するようになり、足甲部にはしわが寄らなくなる。
【0008】
本発明に係る防水靴用防水インナーにおいて、足形外側パーツには、ラストモールドの細い爪先形状に合わせて、爪先外側縫合部および爪先内側縫合部を設け、それぞれを縫合して先端部が細い形状の爪先部を形成するようにしてもよいし、あるいは、ラストモールドの丸い爪先形状に合わせて、爪先横向縫合部および爪先縦向縫合部を設け、それぞれを縫合して先端部が丸い形状の爪先部を形成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る防水靴用防水インナーによれば、ラストモールドに防水インナーを吊り込む際に、足甲部にしわの寄らない状態で容易に吊り込むことができる。その結果、本発明の防水インナーを表胛の内側に配置してなる防水靴は、履き心地に優れ、防水靴の表胛の外観を美麗に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る防水靴用防水インナーを備えた防水靴の足甲部の横断面図である。
【図2】図1に示した防水インナーを構成する足形外側パーツおよび足形内側パーツの展開図である。
【図3】図2に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図4】図2に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形内側パーツ側から見て示す側面図である。
【図5】一実施形態に係る防水靴用防水インナーの底面図である。
【図6】一実施形態に係る防水靴用防水インナーの平面図である。
【図7】図6に示した防水インナーの変形例を示す平面図である。
【図8】図7に示した防水インナーを構成する足形外側パーツおよび足形内側パーツの展開図である。
【図9】図8に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図10】図8に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る防水靴用防水インナーの平面図である。
【図12】図11に示した防水インナーを構成する足形外側パーツおよび足形内側パーツの展開図である。
【図13】図12に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図14】図12に示した足形外側パーツと足形内側パーツとを相互に縫合した状態を足形外側パーツ側から見て示す側面図である。
【図15】図11に示した防水インナーの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本発明に係る防水靴用防水インナーの実施の形態を説明する。なお、本発明の防水靴用防水インナーは、左右対称に構成された一足の防水靴に対応して左右対称に構成されているため、例えば左足に着用される左側の防水靴に適用される左側の防水インナーについてのみ説明し、右側の防水インナーについては、説明を省略する。
【0012】
一実施形態の防水靴用防水インナーは、例えば図1に示すような防水靴1、すなわち合成皮革などからなる表胛2およびメッシュ構造の中底3と一体にポリウレタンからなる本底4が射出成形される防水靴1を対象として、その防水性を高めるように、表胛2および中底3の内側に配置されて本底4と一体化される防水インナー5である。
【0013】
この防水インナー5は、裏布材5Aに表面機能層5Bが貼り合わされた2層構造となっている。裏布材5Aは、例えば、フレンチパイル、無起毛トリコット、レーヨン、ナイロンなど、履き心地のよい適宜の織布、編布、不織布で構成されている。一方、表面機能層5Bは、少なくとも防水性を有する樹脂フィルム、例えばポリウレタン樹脂フィルム、あるいは防水性および透湿性を有するディアプレックス社製の“ディアプレックス”または東レ社製の“エントランス”などで構成されており、その厚さは5〜300μm程度である。
【0014】
ここで、一実施形態の防水インナー5は、図2に示すような展開形状を有する足形外側パーツ6と足形内側パーツ7とを図3〜図5に示すように適宜の縫合糸8を用いて相互に縫合することで、図6に示すような防水インナー5として構成される。
【0015】
すなわち、防水インナー5は、図2に示す足形外側パーツ6の足甲縫合部6Aと足形内側パーツ7の足甲縫合部7Aとを縫合糸8により相互に縫合すると共に、足形外側パーツ6の踵外側縫合部6Bと足形内側パーツ7の踵内側縫合部7Bとを縫合糸8により相互に縫合することで、図3および図4に示すような足形に縫製される。
【0016】
この防水インナー5は、先端部に細い形状の爪先部6Cを形成するように、足形外側パーツ6における爪先部6Cの小指側の外側に切り欠かれた爪先外側縫合部6Dと、爪先部6Cの親指側の内側に切り欠かれた爪先内側縫合部6Eとがそれぞれ縫合糸8により縫合され、かつ、足形外側パーツ6の足甲の外脇部分に切り欠かれた足甲外脇縫合部6Fが縫合糸8により縫合される。
【0017】
このような防水インナー5は、図5に示すように、足形外側パーツ6の足底前外側縫合部6Gと足底前内側縫合部6Hとを縫合糸8により相互に縫合すると共に、足形外側パーツ6の足底後外側縫合部6Iと足形内側パーツ7の足底後内側縫合部7Cとを縫合糸8により縫合することで、図6に示すような足挿入口外側6Jおよび足挿入口内側7Dよりなる足挿入口を有する足形に縫製される。
【0018】
すなわち、防水インナー5は、図1に示した本底4の射出成形に際して、足挿入口外側6Jおよび足挿入口内側7Dよりなる足挿入口から図示しないラストモールドに吊り込み可能な足形に縫製される。なお、このような防水インナー5の底部には、ラストモールドに確実に吊り込めるように、図示しない内中底が逢着されていてもよい。
【0019】
ここで、図6に示すように、一実施形態の防水インナー5において、足挿入口外側6Jおよび足挿入口内側7Dよりなる足挿入口の前側の足甲部における足形外側パーツ6の足甲縫合部6Aと足形内側パーツ7の足甲縫合部7Aとの縫合線は、防水インナー5の中央部を爪先部6Cへ向かって直線状に延び、途中の足指付け根部付近で足形の親指側の内側へ向かって直線状に屈折している。すなわち、足甲縫合部6A,7Aの縫合線は、足中指の付け根部付近から足親指の付け根部付近へ向けて横方向に屈折している。
【0020】
なお、一実施形態の防水インナー5においては、防水性を高めるように、足甲縫合部6Aと足甲縫合部7Aとの縫合面、踵外側縫合部6Bと踵内側縫合部7Bとの縫合面、爪先外側縫合部6Dの縫合面、爪先内側縫合部6Eの縫合面、足甲外脇縫合部6Fの縫合面、足底前外側縫合部6Gと足底前内側縫合部6Hとの縫合面、足底後外側縫合部6Iと足底後内側縫合部7Cとの縫合面に、それぞれ必要に応じてシーリングテープ9が貼着されている。
【0021】
以上のように構成された一実施形態の防水靴用防水インナー5は、図1に示した防水靴1の本底4の射出成形に際し、図示しないラストモールドに吊り込まれることで、表胛2と共に本底4に一体化される。なお、このとき、防水インナー5と表胛2とを別々にラストモールドに吊り込むことも可能であるが、防水インナー5と表胛2を、例えば足挿入口付近で、あらかじめ縫合などで一体化した後、ラストモールドに吊り込んでもよい。
【0022】
ここで、一実施形態の防水インナー5では、図5に示すように、足甲部における足形外側パーツ6の足甲縫合部6Aと足形内側パーツ7の足甲縫合部7Aとの縫合線は、防水インナー5の中央部を爪先部6Cへ向かって直線状に延び、途中の足中指の付け根部付近から足親指の付け根部付近へ向けて横方向内側に屈折している。このため、例えば、図1に示した防水靴1の本底4の射出成形にあたって、図示しないラストモールドに防水インナー5を吊り込む際には、防水インナー5が無理なく容易にラストモールドに吊り込まれ、その際、防水インナー5の足甲部には殆どしわが寄らなくなる。
【0023】
すなわち、一実施形態の防水インナー5は、ラストモールドに吊り込む際に、足甲部にしわの寄らない状態で容易に吊り込むことができる。その結果、一実施形態の防水インナー5を表胛2の内側に配置してなる防水靴1は、履き心地に優れ、防水靴1の表胛2の外観を美麗に保つことができる。
【0024】
本発明に係る防水靴用防水インナーは、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、図6に示した防水インナー5は、図7に示すような防水インナー5に変更することができる。この防水インナー5は、相互に対向する切欠き凹部6K,7Eにより、衝撃緩衝材などを挿入するための抜き穴が踵の底に形成されたものである。
【0025】
そのための構造として、図8〜図10に示すように、足形外側パーツ6の足底後外側縫合部6Iと踵外側縫合部6Bとの間の部位には切欠き凹部6Kが形成され、同様の切欠き凹部7Eが足形内側パーツ7の足底後内側縫合部7Cと踵内側縫合部7Bとの間の部位に形成されている。
【0026】
図7に示した防水インナー5も、図6に示した防水インナー5と同様の作用効果を奏することができる。なお、図7に示した防水インナー5は、図1に示した防水靴1の本底4の射出成形により、抜き穴の周縁部が本底4に密着するため、防水性に問題はない。
【0027】
また、図7に示した防水インナー5は、図11に示すような防水インナー15に変更することができる。この防水インナー15は、先端部が丸い形状の爪先部16Cを有するものであり、そのための構造として、足形外側パーツ16には、爪先横向縫合部16Dおよび爪先縦向縫合部16Eが形成されている。
【0028】
ここで、防水インナー15は、図12に示すような展開形状の足形外側パーツ16および足形内側パーツ17で構成されており、足形外側パーツ16には、図7および図8に示した足形外側パーツ6の足甲縫合部6A、踵外側縫合部6B、足甲外脇縫合部6F、足底前外側縫合部6G、足底前内側縫合部6H、足底後外側縫合部6I、足挿入口外側6Jおよび切欠き凹部6Kに対応する足甲縫合部16A、踵外側縫合部16B、足甲外脇縫合部16F、足底前外側縫合部16G、足底前内側縫合部16H、足底後外側縫合部16I、足挿入口外側16Jおよび切欠き凹部16Kが形成されている。
【0029】
一方、足形内側パーツ17には、図7および図8に示した足形内側パーツ7の足甲縫合部7A、踵内側縫合部7B、足底後内側縫合部7C、足挿入口内側7Dおよび切欠き凹部7Eに対応する足甲縫合部17A、踵内側縫合部17B、足底後内側縫合部17C、足挿入口内側17Dおよび切欠き凹部17Eが形成されている。
【0030】
図12に示す足形外側パーツ16および足形内側パーツ17は、足形外側パーツ16の足甲縫合部16Aと足形内側パーツ17の足甲縫合部17Aとが相互に縫合され、足形外側パーツ16の踵外側縫合部16Bと足形内側パーツ17の踵内側縫合部17Bとが相互に縫合される。また、足形外側パーツ16の爪先横向縫合部16Dおよび爪先縦向縫合部16Eが縫合され、かつ、足形外側パーツ16の足甲の外脇部分に切り欠かれた足甲外脇縫合部16Fが縫合されることにより、図13および図14に示すような丸い形状の爪先部16Cを有する防水インナー15として縫製される。
【0031】
そして、図15に示すように、足形外側パーツ16の足底前外側縫合部16Gと足底前内側縫合部16Hとを縫合すると共に、足形外側パーツ16の足底後外側縫合部16Iと足形内側パーツ17の足底後内側縫合部17Cとを縫合することで、図11に示すような足挿入口外側16Jおよび足挿入口内側17Dよりなる足挿入口を有する足形に縫製される。
【0032】
このような丸い形状の爪先部16Cを有する防水インナー15においても、足形外側パーツ16の足甲縫合部16Aと足形内側パーツ17の足甲縫合部17Aとの縫合線が足中指の付け根部付近から足親指の付け根部付近へ向けて横方向内側に屈折しているため、図示しないラストモールドに防水インナー15を吊り込む際には、防水インナー15が無理なく容易にラストモールドに吊り込まれ、その際、防水インナー15の足甲部には殆どしわが寄らなくなる。従って、図11に示した防水インナー15も、図6または図7に示した防水インナー5と同様の作用効果を奏することができる。
【0033】
ここで、図1に示した防水インナー5は、裏布材5Aと表面機能層5Bとの2層構造であるが、本発明の防水インナーは、2層構造に限定されるものではなく、例えば、表面機能層5Bの他の表面に、織布、編布、不織布などの繊維材を張り合わせた3層構造としてもよい。この場合、繊維材が表面機能層5Bの破損を防ぐので、表面機能層5Bの防水性が損なわれることもなく、好ましい。
【0034】
また、本発明の防水インナーは、前述した特許文献1に記載のように、靴底を貼り付けて形成してなるハンドメイド製法の防水靴など、公知の製法の防水靴にも適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 :防水靴
2 :表胛
3 :中底
4 :本底
5 :防水インナー
5A:裏布材
5B:表面機能層
6 :足形外側パーツ
6A:足甲縫合部
6B:踵外側縫合部
6C:爪先部
6D:爪先外側縫合部
6E:爪先内側縫合部
6F:足甲外脇縫合部
6G:足底前外側縫合部
6H:足底前内側縫合部
6I:足底後外側縫合部
6J:足挿入口外側
7 :足形内側パーツ
7A:足甲縫合部
7B:踵内側縫合部
7C:足底後内側縫合部
7D:足挿入口内側
8 :縫合糸
9 :シーリングテープ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足挿入口を有する足形に縫製されて防水靴の表胛の内側に配置される防水インナーであって、
少なくとも足挿入口の前側の足甲部と後側の踵部とで相互に縫合される足形外側パーツと足形内側パーツとを備えて構成されており、
前記足甲部における前記足形外側パーツと前記足形内側パーツとの縫合線は、足挿入口から爪先部へ向かって延び、途中の足指付け根部付近で足形の親指側の内側へ向かって屈折していることを特徴とする防水靴用防水インナー。
【請求項2】
前記足形外側パーツは、爪先外側縫合部および爪先内側縫合部を有し、
前記爪先外側縫合部および爪先内側縫合部をそれぞれ縫合して、先端部が細い形状の爪先部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水靴用防水インナー。
【請求項3】
前記足形外側パーツは、爪先横向縫合部および爪先縦向縫合部を有し、
前記爪先横向縫合部および爪先縦向縫合部をそれぞれ縫合して、先端部が丸い形状の爪先部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水靴用防水インナー。
【請求項1】
足挿入口を有する足形に縫製されて防水靴の表胛の内側に配置される防水インナーであって、
少なくとも足挿入口の前側の足甲部と後側の踵部とで相互に縫合される足形外側パーツと足形内側パーツとを備えて構成されており、
前記足甲部における前記足形外側パーツと前記足形内側パーツとの縫合線は、足挿入口から爪先部へ向かって延び、途中の足指付け根部付近で足形の親指側の内側へ向かって屈折していることを特徴とする防水靴用防水インナー。
【請求項2】
前記足形外側パーツは、爪先外側縫合部および爪先内側縫合部を有し、
前記爪先外側縫合部および爪先内側縫合部をそれぞれ縫合して、先端部が細い形状の爪先部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水靴用防水インナー。
【請求項3】
前記足形外側パーツは、爪先横向縫合部および爪先縦向縫合部を有し、
前記爪先横向縫合部および爪先縦向縫合部をそれぞれ縫合して、先端部が丸い形状の爪先部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水靴用防水インナー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−29756(P2012−29756A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170238(P2010−170238)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]