説明

除草剤組成物

本発明は、作物植物及び雑草を含む場所(locus)において雑草を選択的に防除するための方法であって、式I:


[式中、
1は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルから成る群から選択され;並びに
2は、C1−C6ハロアルキルである]
の化合物、又はその農学的に許容される塩を含む水性スプレー組成物を、前記場所へ、雑草が防除される量で施用することを含み、ここで前記水性スプレー組成物のpHが約5〜約9である、前記方法に関する。本発明はさらに、上記の式(I)の化合物及びpH調節剤を含む、実質的に非水性の液体除草剤組成物に関し、並びに、作物植物における、式(I)の化合物の植物毒性を減少させるための、pH調節剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
雑草、及び作物の生長を阻害する他の植物からの農作物の保護は、農業において絶えず発生する問題である。この問題に対処するために、合成化学分野の研究者は、かかる不要なものの生長の防除において有効である、広範囲の種類の化学物質及び化学組成物を製造してきた。したがって、多くの種類の化学的除草剤が文献中に開示されている。いわゆる「選択的」除草剤は、所望の植物(例えば作物植物(crop plant))及び不要な植物を含む場所(locus)へそれらが施用されたとき、作物植物を実質的に無害なままに保ったまま、それらが不要な植物を選択的に防除することが特に望ましい。
【発明の概要】
【0002】
式(I)の化合物(以下参照)は、当技術分野で既知の選択的除草剤である(国際公開第01/94339号、及びEP−A−1388285を参照)。これらの化合物は、多くの作物植物中、特にトウモロコシ中で、良好な選択的雑草防除を提供することが示されている。今回驚くべきことに、式(I)の化合物の選択性が、それらを既定のpHで場所へと施用することによってさらに改善され得ることが発見された。特に、作物植物において観察される植物毒性が実質的に減少する。
【0003】
したがって、本発明に従って、作物植物及び雑草を含む場所において雑草を選択的に防除するための方法であって、式I:
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、
1は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルから成る群から選択され;並びに
2は、C1−C6ハロアルキルである]
の化合物、又はその農学的に許容される塩を含む水性スプレー組成物を、前記場所へ、雑草が防除される量で施用することを含み、ここで前記水性スプレー組成物のpHが約5〜約9である、前記方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましい実施形態において、成分(a)は、R1がC1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、又はC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルであり、及びR2がC1−C6フルオロアルキルである、式(I)の化合物である。成分(a)は、R1がメトキシ−エトキシ−メチルであり、及びR2がCF3である、式(I)の化合物がさらにより好ましい。
【0007】
当該場所への式(I)の化合物の施用率は、広範囲で変化し得、そしてそれは、土壌の性質、施用の種類(出芽前又は後;種子粉衣;種子を蒔く畝間への施用;非耕地施用など)、栽培される植物、防除されるべき雑草、一般的気候条件に、並びに、施用の種類、施用時間、及び標的作物によって決定される他の要因に依存する。一般的に、式(I)の化合物は、1〜5000g活性成分混合物/ha、より好ましくは10〜500g活性成分混合物/ha、さらにより好ましくは50〜300g活性成分混合物/haの施用率で使用され得る。
【0008】
より好ましい実施形態において、スプレー組成物のpHは約6〜約8であり、最も好ましくは約7〜8である。
【0009】
水性スプレー組成物は、一つ以上の追加の農薬(pesticide)をさらに含み得、例えば本発明の式Iの化合物はまた、他の除草剤又は植物生長調節剤と組み合わせて使用され得る。かかる混合物の例は以下の通りである(「I」は、式Iの化合物を表す):I+アセトクロール(acetochlor)、I+アシフルオルフェン(acifluorfen)、I+アシフルオルフェン−ナトリウム(acifluorfen−sodium)、I+アクロニフェン(aclonifen)、I+アクロレイン(acrolein)、I+アラクロール(alachlor)、I+アロキシジム(alloxydim)、I+アメトリン(ametryn)、I+アミカルバゾン(amicarbazone)、I+アミドスルフロン(amidosulfuron)、I+アミノピラリド(aminopyralid)、I+アミトロール(amitrole)、I+スルファミン酸アンモニウム、I+アニロホス(anilofos)、I+アスラム(asulam)、I+アトラジン(atrazine)、I+アザフェニジン(azafenidin)、I+アジムスルフロン(azimsulfuron)、I+BCPC、I+ベフルブタミド(beflubutamid)、I+ベナゾリン(benazolin)、I+ベンカルバゾン(bencarbazone)、I+ベンフルラリン(benfluralin)、I+ベンフレセート(benfuresate)、I+ベンスルフロン(bensulfuron)、I+ベンスルフロン−メチル、I+ベンスリド(bensulide)、I+ベンタゾン(bentazone)、I+ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、I+ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、I+ベンゾフェナップ(benzofenap)、I+ビフェノックス(bifenox)、I+ビラナホス(bilanafos)、I+ビスピリバック(bispyribac)、I+ビスピリバック−ナトリウム、I+ホウ砂、I+ブロマシル(bromacil)、I+ブロモブチド(bromobutide)、I+ブロモキシニル(bromoxynil)、I+ブタクロール(butachlor)、I+ブタミホス(butamifos)、I+ブトラリン(butralin)、I+ブトロキシジム(butroxydim)、I+ブチレート(butylate)、I+カコジル酸、I+塩素酸カルシウム、I+カフェンストロール(cafenstrole)、I+カルベタミド(carbetamide)、I+カルフェントラゾン(carfentrazone)、I+カルフェントラゾン−エチル、I+CDEA、I+CEPC、I+クロルフルレノール(chlorflurenol)、I+クロルフルレノール−メチル、I+クロリダゾン(chloridazon)、I+クロリムロン(chlorimuron)、I+クロリムロン−エチル、I+クロロ酢酸、I+クロロトルロン(chlorotoluron)、I+クロルプロファム(chlorpropham)、I+クロルスルフロン(chlorsulfuron)、I+クロルタール(chlorthal)、I+クロルタール−ジメチル、I+シニドン(cinidon)−エチル、I+シンメチリン(cinmethylin)、I+シノスルフロン(cinosulfuron)、I+シサニリド(cisanilide)、I+クレトジム(clethodim)、I+クロジナホップ(clodinafop)、I+クロジナホップ−プロパルギル、I+クロマゾン(clomazone)、I+クロメプロップ(clomeprop)、I+クロピラリド(clopyralid)、I+クロランスラム(cloransulam)、I+クロランスラム−メチル、I+CMA、I+4−CPB、I+CPMF、I+4−CPP、I+CPPC、I+クミルロン(cumyluron)、I+シアザジン(cyanazine)、I+シクロエート(cycloate)、I+シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、I+シクロキシジム(cycloxydim)、I+シハロホップ(cyhalofop)、I+シハロホップ−ブチル、I+2,4−D、I+ダイムロン(daimuron)、I+ダラポン(dalapon)、I+ダゾメット(dazomet)、I+2,4−DB、I+デスメジファム(desmedipham)、I+ジカンバ(dicamba)、I+ジクロベニル(dichlobenil)、I+ジクロルプロップ(dichlorprop)、I+ジクロルプロップ−P、I+ジクロホップ(diclofop)、I+ジクロホップ−メチル、I+ジクロスラム(diclosulam)、I+ジフェンゾクアット(difenzoquat)、I+ジフェンゾクアット・メチルサルフェート(metilsulfate)、I+ジフルフェニカン(diflufenican)、I+ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、I+ジメフロン(dimefuron)、I+ジメピペレート(dimepiperate)、I+ジメタクロール(dimethachlor)、I+ジメタメトリン(dimethametryn)、I+ジメテナミド(dimethenamid)、I+ジメテナミド−P、I+ジメチピン(dimethipin)、I+ジメチルアルシン酸、I+ジニトラミン(dinitramine)、I+ジノテルブ(dinoterb)、I+ジフェナミド(diphenamid)、I+ジプロペトリン(dipropetryn)、I+ダイクォット(diquat)、I+ダイクォット二臭化物、I+ジチオピル(dithiopyr)、I+ジウロン(diuron)、I+DNOC、I+2,4−DP、I+DPX−KJM−44(DuPontの開発化合物)、I+DSMA、I+エンドタール(endothal)、I+EPTC、I+エスプロカルブ(esprocarb)、I+エタルフルラリン(ethalfluralin)、I+エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、I+エタメトスルフロン−メチル、I+エテフォン(ethephon)、I+エトフメセート(ethofumesate)、I+エトキシフェン(ethoxyfen)、I+エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、I+エトベンザニド(etobenzanid)、I+フェノキサプロップ(fenoxaprop)−P、I+フェノキサプロップ−P−エチル、I+フェントラザミド(fentrazamide)、I+硫酸鉄、I+フラムプロップ(flamprop)−M、I+フラザスルフロン(flazasulfuron)、I+フロラスラム(florasulam)、I+フルアジホップ(fluazifop)、I+フルアジホップ−ブチル、I+フルアジホップ−P、I+フルアジホップ−P−ブチル、I+フルアゾレート(fluazolate)、I+フルカルバゾン(flucarbazone)、I+フルカルバゾン−ナトリウム、I+フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、I+フルクロラリン(fluchloralin)、I+フルフェナセット(flufenacet)、I+フルフェンピル(flufenpyr)、I+フルフェンピル−エチル、I+フルメトラリン(flumetralin)、I+フルメトスラム(flumetsulam)、I+フルミクロラク(flumiclorac)、I+フルミクロラク−ペンチル、I+フルミオキサジン(flumioxazin)、I+フルミプロピン(flumipropin)、I+フルオメツロン(fluometuron)、I+フルオログリコフェン(fluoroglycofen)、I+フルオログリコフェン−エチル、I+フルオキサプロップ(fluoxaprop)、I+フルポキサム(flupoxam)、I+フルプロパシル(flupropacil)、I+フルプロパネート(flupropanate)、I+フルピスルフロン(flupyrsulfuron)、I+フルピスルフロン−メチル−ナトリウム、I+フルレノール(flurenol)、I+フルリドン(fluridone)、I+フルロクロリドン(flurochloridone)、I+フルオキシピル(fluroxypyr)、I+フルルタモン(flurtamone)、I+フルチアセット(fluthiacet)、I+フルチアセット−メチル、I+フォメサフェン(fomesafen)、I+フォラムスルフロン(foramsulfuron)、I+フォサミン(fosamine)、I+グルホシネート(glufosinate)、I+グルホシネート−アンモニウム、I+グリホサート(glyphosate)(そのカリウム、イソプロピルアンモニウム、ナトリウム、トリセリウム、アンモニウム、及びジアンモニウム塩を含む)、I+ハロスルフロン(halosulfuron)、I+ハロスルフロン−メチル、I+ハロキシホップ(haloxyfop)、I+ハロキシホップ−P、I+HC−252、I+ヘキサジノン(hexazinone)、I+イマザメタベンズ(imazamethabenz)、I+イマザメタベンズ−メチル、I+イマザモックス(imazamox)、I+イマザピック(imazapic)、I+イマザピル(imazapyr)、I+イマザキン(imazaquin)、I+イマゼタピル(imazethapyr)、I+イマゾスルフロン(imazosulfuron)、I+インダノファン(indanofan)、I+ヨードメタン、I+ヨードスルフロン(iodosulfuron)、I+ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム、I+アイオキシニル(ioxynil)、I+イソプロツロン(isoproturon)、I+イソウロン(isouron)、I+イソキサベン(isoxaben)、I+イソキサクロルトール(isoxachlortole)、I+イソキサフルトール(isoxaflutole)、I+イソキサピリホップ(isoxapyrifop)、I+カルブチレート(karbutilate)、I+ラクトフェン(lactofen)、I+レナシル(lenacil)、I+リニュロン(linuron)、I+MAA、I+MAMA、I+MCPA、I+MCPA−チオエチル(thioethyl)、I+MCPB、I+メコプロップ(mecoprop)、I+メコプロップ−P、I+メフェナセット(mefenacet)、I+メフルイジド(mefluidide)、I+メソスルフロン(mesosulfuron)、I+メソスルフロン−メチル、I+メントリオン(mesotrione)、I+メタム(metam)、I+メタミホップ(metamifop)、I+メタミトロン(metamitron)、I+メタザクロール(metazachlor)、I+メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、I+メタゾール(methazole)、I+メチルアルソン酸、I+メチルダイムロン(methyldymron)、I+メチルイソチオシアネート、I+メトラクロール(metolachlor)、I+S−メトラクロール、I+メトスラム(metosulam)、I+メトキスロン(metoxuron)、I+メトリブジン(metribuzin)、I+メトスルフロン(metsulfuron)、I+メトスルフロン−メチル、I+モリネート(molinate)、I+モノリニュロン(monolinuron)、I+MSMA、I+ナプロアニリド(naproanilide)、I+ナプロパミド(napropamide)、I+ナプタラム(naptalam)、I+ネブロン(neburon)、I+ニコスルフロン(nicosulfuron)、I+n−メチルグルホサート、I+ノナン酸、I+ノルフルラゾン(norflurazon)、I+オレイン酸(脂肪酸)、I+オルベンカルブ(orbencarb)、I+オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、I+オリザリン(oryzalin)、I+オキサジアルギル(oxadiargyl)、I+
オキサジアゾン(oxadiazon)、I+オキサスルフロン(oxasulfuron)、I+オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、I+オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、I+パラコート(paraquat)、I+パラコートジクロリド、I+ペブレート(pebulate)、I+ペンタディメタリン(pendimethalin)、I+ペノキススラム(penoxsulam)、I+ペンタクロロフェノール(pentachlorophenol)、I+ペンタノクロール(pentanochlor)、I+ペントキサゾン(pentoxazone)、I+ペトキサミド(pethoxamid)、I+石油、I+フェンメディファム(phenmedipham)、I+ピクロラム(picloram)、I+ピコリナフェン(picolinafen)、I+ピノキサデン(pinoxaden)、I+ピペロホス(piperophos)、I+プレチラクロール(pretilachlor)、I+プリミスルフロン(primisulfuron)、I+プリミスルフロン−メチル、I+プロジアミン(prodiamine)、I+プロホキシジム(profoxydim)、I+プロヘキサジオン(prohexadion)−カルシウム、I+プロメトン(prometon)、I+プロメトリン(prometryn)、I+プロパクロール(propachlor)、I+プロパニル(propanil)、I+プロパキザホップ(propaquizafop)、I+プロパジン(propazine)、I+プロファム(propham)、I+プロピソクロール(propisochlor)、I+プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、I+プロポキシカルバゾン−ナトリウム、I+プロピザミド(propyzamide)、I+プロスルホカルブ(prosulfocarb)、I+プロスルフロン(prosulfuron)、I+ピラクロニル(pyraclonil)、I+ピラフルフェン(pyraflufen)、I+ピラフルフェン−エチル、I+ピラスルホトール(pyrasulfotole)、I+ピラゾリネート(pyrazolynate)、I+ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、I+ピラゾスルフロン−エチル、I+ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、I+ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、I+ピリブチカルブ(pyributicarb)、I+ピリダフォル(pyridafol)、I+ピリデート(pyridate)、I+ピリフタリド(pyriftalid)、I+ピリミノバック(pyriminobac)、I+ピリミノバック−メチル、I+ピリミスルファン(pyrimisulfan)、I+ピリチオバック(pyrithiobac)、I+ピリチオバック−ナトリウム、I+ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、I+ピロキシスラム(pyroxsulam)、I+キンクロラック(quinclorac)、I+キンメラック(quinmerac)、I+キノクラミン(quinoclamine)、I+キザロホップ(quizalofop)、I+キザロホップ−P、I+リムスルフロン(rimsulfuron)、I+セトキシジム(sethoxydim)、I+シデュロン(siduron)、I+シマジン(simazine)、I+シメトリン(simetryn)、I+SMA、I+塩素酸ナトリウム、I+スルコトリオン(sulcotrione)、I+スルフェントラゾン(sulfentrazone)、I+スルホメツロン(sulfometuron)、I+スルホメツロン−メチル、I+スルホサート(sulfosate)、I+スルホスルフロン(sulfosulfuron)、I+硫酸、I+タール油、I+2,3,6−TBA、I+TCA、I+TCA−ナトリウム、I+テブチウロン(tebuthiuron)、I+テフリルトリオン(tefuryltrione)、I+テンボトリオン(tembotrione)、I+テプラロキシジム(tepraloxydim)、I+テルバシル(terbacil)、I+テルブメトン(terbumeton)、I+テルブチラジン(terbuthylazine)、I+テルブトリン(terbutryn)、I+テニルクロール(thenylchlor)、I+チアゾピル(thiazopyr)、I+チフェンスルフロン(thifensulfuron)、I+チエンカルバゾン(thiencarbazone)、I+チフェンスルフロン−メチル、I+チオベンカルブ(thiobencarb)、I+トプラメゾン(topramezone)、I+トラルコキシジム(tralkoxydim)、I+トリ−アレート(tri−allate)、I+トリアスルフロン(triasulfuron)、I+トリアジフラム(triaziflam)、I+トリベヌロン(tribenuron)、I+トリベヌロン−メチル、I+トリクロピル(triclopyr)、I+トリエタジン(trietazine)、I+トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、I+トリフロキシスルフロン−ナトリウム、I+トリフルラリン(trifluralin)、I+トリフルスルフロン(triflusulfuron)、I+トリフルスルフロン−メチル、I+トリヒドロキシトリアジン、I+トリネキサパック(trinexapac)−エチル、I+トリトスルフロン(tritosulfuron)、I+[3−[2−クロロ−4−フルオロ−5−(1−メチル−6−トリフルオロメチル−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−3−イル)フェノキシ]−2−ピリジルオキシ]酢酸エチル(CASRN353292−31−6)、及びI+4−ヒドロキシ−3−[[2−(3−メトキシプロピル)−6−(ジフルオロメチル)−3−ピリジニル]カルボニル]−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−エン−2−オン。好ましい実施形態において、追加の除草剤は、アメトリン、テルブチラジン,アトラジン、アラクロール、アセトクロール、フォメサフェン,メソトリオン、ジカンバ、ニコスルフロン、ルムスルフロン、ヘキサジノン、メトラクロール、S−メトラクロール、グルホシネート、及びグリホサートから成る群から選択される。別の実施形態において、当該組成物は、3つの活性成分、例えば、式Iの化合物+グリホサート+第三の活性成分(特に、アトラジン、テルブチラジン、及び/又はS−メトラクロール)を含み得る。
【0010】
式Iの化合物の混合パートナー(mixing partner)はまた、例えば、The Pesticide Manual、Fourteenth Edition、British Crop Protection Council、2006において言及されているような、エステル、又は塩の形態であり得る。
【0011】
式Iの化合物(単体であるか、又は他の除草剤との混合物中において)はまた、他の農業化学品、例えば殺真菌剤、又は殺昆虫剤との混合物において使用され得、そしてその例はThe Pesticide Manual中において示されている。
【0012】
式Iの化合物と混合パートナーとの混合比は、好ましくは1:100〜1000:1である。
【0013】
本発明の組成物は、一つ以上の除草剤毒性緩和剤(herbicide safener)、例えばAD67(MON4660)、ベノキサコール(benoxacor)、クロキントセット−メキシル(cloquintocet−mexyl)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)(CAS RN221667−31−8)、ジクロルミド(dichlormid)、フェンクロラゾール(fenchlorazole)−エチル、フェンクロリム(fenclorim)、フルキソフェニム(fluxofenim)、フリラゾール(furilazole)及び対応するR異性体、イソキサジフェン(isoxadifen)−エチル、(mefenpyr)−ジエチル,オキサベトリニル、N−イソプロピル−4−(2−メトキシ−ベンゾイルスルファモイル)−ベンズアミド(CAS RN221668−34−4)、並びに2−メトキシ−N−[[4−[[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ]フェニル]−スルホニル]−ベンズアミド(CAS RN129531−12−0)をさらに含み得る。
【0014】
式Iの化合物の毒性緩和剤はまた、例えばThe Pesticide Manual、14th Edition(BCPC)、2006に記載されたとおりに、エステル又は塩の形態で存在し得る。クロキントセット−メキシルへの言及はまた、国際公開第02/34048号において開示された通りに、そのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、4級アンモニウム、スルホニウム、又はホスホニウム塩に適用され、そしてフェンクロラゾール−エチルに対する言及はまた、フェンクロラゾールに適用される。
【0015】
好ましくは、式Iの化合物と毒性緩和剤との混合比は、100:1〜1:10であり、特に30:1〜1:1である。
【0016】
疑義を避けるために、本明細書において使用される用語「施用」は、例えば(作物及び/又は雑草の)出芽前及び/又は出芽後における施用を含む。「場所」は、植物が生長中であるか、又は生長し得る地域を意味する。好ましい実施形態において、本発明の組成物は出芽後に施用される。
【0017】
当該施用は一般的に、組成物を噴霧することによって、典型的にはトラクターが搭載する噴霧器によって、又は広い地域用の他の市販の噴霧器によってなされるが、他の方法、例えば散粉(dusting)(粉剤用)、点滴(drip)、又は灌注(drench)が同様に使用され得る。
【0018】
本発明の組成物が使用され得る作物植物は、穀物、例えば大麦及び小麦、綿花、アブラナ、トウモロコシ、米、大豆、テンサイ、並びにサトウキビを含む。特に、トウモロコシ及びサトウキビが好ましい。
【0019】
作物植物はまた、木(例えば果実の木、ヤシの木、ココナッツの木、又は他の木の実)、つる植物、例えばブドウ、果実の低木、果実植物、及び野菜類を含み得る。
【0020】
作物はまた、従来の育種法によって、又は遺伝子工学によって、除草剤又は除草剤群(例えばALS、GS、EPSPS、PPO、ACCase及びHPPD阻害剤)に対して耐性を備えた作物を含むものとして理解され得る。従来の育種法によって、イミダゾリノン、例えばイマザモックス(imazamox)に対して耐性を備えた作物の例は、Clearfield(登録商標)サマー・レイプ(summer rape)(キャノーラ)である。遺伝子工学によって、除草剤に対して耐性を備えた作物の例は、例えば、RoundupReady(登録商標)、及びLibertyLink(登録商標)の商標名で市販されている、グリホサート及びグルホシネート抵抗性トウモロコシ品種を含む。
【0021】
作物はまた、遺伝子工学法によって有害な昆虫に対して抵抗性にされたものとして理解され得、例えば、Btトウモロコシ(ヨーロピアン・コーン・ボーラー(European corn borer)に対して抵抗性を有する)、Bt綿花(コットン・ボール・ウィービル(cotton boll weevil)に対して抵抗性を有する)、及びBtジャガイモ(コロラド・ビートル(Colorado beetle)に対して抵抗性を有する)である。Btトウモロコシの例は、Bt176トウモロコシのハイブリッドであるNK(登録商標)(Syngenta Seeds)である。Bt毒素(toxin)は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌菌によって天然で形成されるタンパク質である。Bt毒素、又はかかる毒素を合成可能である遺伝子組み換え植物の例は、EP−A−451878、EP−A−374753、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号、及びEP−A−427529に記載されている。殺虫剤抵抗性をコードし、且つ一つ以上の毒素を発現する、一つ以上の遺伝子を含む遺伝子組み換え植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿花)、Bollgard(登録商標)(綿花)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料(seed material)は、除草剤に対して抵抗性があり、且つ同時に、昆虫による摂食に対して抵抗性であり得る(「積み重なった(stacked)」遺伝子組み換え事象)。例えば種子は、グリホサートに対する耐性を有しながら、同時に、殺虫性のCry3タンパク質を発現する能力を有し得る。
【0022】
作物はまた、従来の育種法又は遺伝子工学によって得られ、且ついわゆる生産物の特徴(例えば、乾燥耐性、改善された保管安定性、より高い栄養価、及び改善された風味)を包含するものを含むものとして理解され得る。
【0023】
他の有用な植物は、例えばゴルフ場、芝地、公園及び沿道における芝草、又は芝生用に市販のために栽培された芝草、及び鑑賞植物、例えば花又は低木を含む。
【0024】
当該組成物は、草及び広葉植物を含む不要な植物(総称して「雑草」と呼ぶ)を防除するために使用され得る。防除されるべき雑草は、単子葉植物種、例えばアグロスチス(Agrostis)、アロペクルス(Alopecurus)、アベナ(Avena)、ブラキアリア(Brachiaria)、ブロムス(Bromus)、コメリナ(Commelina)、シペルス(Cyperus)、ジギタリア(Digitaria)、エキノクロア(Echinochloa)、エリオクロア(Eriochloa)、ロリウム(Lolium)、モノコリア(Monochoria)、パニクム(Panicum)、ロットボエリア(Rottboellia)、サギッタリア(Sagittaria)、シルプス(Scirpus),セタリア(Setaria)、及びソルガム(Sorghum)、並びに双子葉植物種、例えばアブチロン(Abutilon)、アマランツス(Amaranthus)、アンブロシア(Ambrosia)、ビデンス(Bidens)、カプセラ(Capsella)、ケノポジウム(Chenopodium)、クリサンセマム(Chrysanthemum)、ダチュラ(Datura)、ユーホルビア(Euphorbia)、ガリウム(Galium)、イポモエア(Ipomoea)、コキア(Kochia)、マトリカリア(Matricaria)、メルクリアリス(Mercurialis)、ナスタチウム(Nasturtium)、ポリゴナム(polygonum)、シダ(Sida)、シナピス(Sinapis)、ソラナム(Solanum)、ステラリア(Stellaria)、ベロニカ(Veronica)、ビオラ(Viola)、及びキサンチウム(Xanthium)の両方であり得る。雑草はまた、作物植物と考えられ得るが、作物の地域の外側で生長する植物(「エスケイプ(escape)」)、又は植え付け以前より残されていた異なる作物の種子から生長する植物(「ボランティア(volunteer)」)を含み得る。かかるボランティア又はエスケイプは、特定の他の除草剤に対して耐性であり得る。
【0025】
式Iの化合物が、アミン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩基、又は4級アンモニウム塩基を用いて形成し得る農業的に許容される塩はまた、本発明の方法に含まれる。塩形成体としてのアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物の中で、特記すべきは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムの水酸化物であり、特に水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムである。
【0026】
アンモニウム塩の形成に適したアミノの例は、アンモニア、並びに一級、二級及び三級のC1−C18アルキルアミン、C1−C4ヒドロキシアルキルアミン、C2−C4アルコキシアルキルアミンを含み、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミンの異性体、n−アミルアミン、イソアミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、メチルエチルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルノニルアミン、メチルペンタデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、エチルブチルアミン、エチルヘプチルアミン、エチルオクチルアミン、ヘキシルヘプチルアミン、ヘキシルオクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−アミルアミン、ジイソアミル−アミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、エタノールアミン、n−プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルプロパノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、アリルアミン、n−ブテニル−2−アミン、n−ペンテニル−2−アミン、2,3−ジメチルブテニル−2−アミン、ジブテニル−2−アミン、n−ヘキセニル−2−アミン、プロピレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−n−アミルアミン、メトキシエチルアミン、及びエトキシエチルアミン;複素環式アミン、例えばピリジン、キノリン、イソキノリン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、インドリン、キヌクリジン、及びアゼピン;一級アリールアミン、例えば、アニリン、メトキシアニリン、エトキシアニリン、o−、m−及びp−トルイジン、フェニレンジアミン、ベンジジン、ナフチルアミン、並びにo−、m−及びp−クロロ−アニリンを含む。
【0027】
本発明の方法において使用される水性スプレー組成物は、「タンクミックス(tank mix)」として提供され得、それにより、式(I)の化合物を含む濃縮された除草性組成物は通常において希釈され、且つpHがタンク中で必要に応じて調節される。或いは、濃縮された除草性組成物は内蔵されたpH調節剤と共に提供され得、そして当該pH調節剤は、希釈時に、必要となるpHの水性スプレー組成物を提供する。
【0028】
したがって、本発明に従って:
(a)式I:
【0029】
【化2】

【0030】
[式中、
1は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルから成る群から選択され;並びに
2は、C1−C6ハロアルキルである]
の化合物、又はその農学的に許容される塩;並びに
(b)pH調節剤;
を含む、実質的に非水性の液体除草性組成物であって、前記pH調節剤は、前記非水性の液体除草性組成物が水及び/又は水溶液と混合されるときに、pHが約5〜約9である水性スプレー組成物を提供するために有効な量で、前記実質的に非水性の液体除草性組成物中に存在する、前記実質的に非水性の液体除草性組成物がさらに提供される。
【0031】
或いは、濃縮された除草剤組成物は、固体形態で、例えば粒剤、水溶性粒剤、粉剤、粉末、又はマイクロカプセルなどで提供され得、ここで当該固体形態は、スプレータンクへと添加され、そしてpHが必要に応じて調節される。当然ながら、当該固体組成物は、好都合にもpH調節剤をさらに含むことが可能である。
【0032】
pH調節剤は、水性スプレー溶液中において所望のpH範囲を提供する、任意の物質であり得る。通常において、当該pH調節剤は塩基であり得、したがって好適なpH調節剤の例は、式(I)の化合物と塩を形成することができる、先に記載された、アミン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩基、又は4級アンモニウム塩基であり得る。当該組成物が第二の農薬を含み、そして当該第二の農薬がpH調節剤であり得ることが、同様に理解されるはずである。好適なアミンの例は、N−tert−ブチルイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、n,n−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ・ベース)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルアミン、ジメチルシクロヘキサンアミン、エタノールアミン、エチルエタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、イソプロピルアミン、モノイソプロパノールアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンホスフェート、トリエチルアミン、トリエチルアミンホスフェート、トリエチレンテトラミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、グルタミン、ヘキサメチレンテトラミン、並びに一級n−アルキルアミンであって、当該アルキル基(C8−C18)が、ココナッツ、綿実、大豆、又は獣脂酸(tallow acid)由来である前記一級n−アルキルアミンを含む。pH調節剤がジエタノールアミン又はトリエタノールアミンであることが特に好ましい。
【0033】
水性スプレー溶液において所望のpHを提供するために、非水性液体除草性組成物において必要とされるpH調節剤の量が、非水性液体除草性組成物の量、当該組成物中における式(I)の化合物の濃度及び正確な性質、並びに当該水性組成物を提供するために必要となる非水性組成物の想定される希釈を含む、多くの特定可能な要因に依存し得ることを、当業者は理解し得る。
【0034】
用語「実質的に非水性の液体除草性組成物」は、水を含まないか、又は非常に少量の水(例えば5%v/v未満、好ましくは1%v/v未満)を含む、液体除草性組成物を意味するものと理解される。このような少量の水が、例えば当該組成物中に存在する任意の成分中において少量存在するために、当該水が当該組成物中に存在し得ることを、当業者は理解し得る。非水性液体除草性組成物の例は、乳剤(emulsifiable concentrate)、及び油混和性フロアブル剤(oil miscible flowable concentrate)(油分散液剤(oil dispersion))を含む。
【0035】
当業者は、多くの溶媒が実質的に非水性の液体除草性組成物に関して使用し得ることを理解し得る。好適な溶媒は通常、以下のものであり得る。:芳香族炭化水素、好ましくは8〜12個の炭素原子を含むもの、例えばキシレン又は置換ナフタレンの混合物;フタレート、例えばジブチルフタレート又はダクチル(dactyl)フタレート;脂肪族性炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン;アルコール、及びグリコール、及びそれらのエステル、例えば、エチレングリコール、2−メトキシエタノール又は2−エトキシエタノール;ケトン、例えばシクロヘキサノン、高極性溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、又はN,N−ジメチルホルムアミド、並びに植物性油又はエポキシ化植物油、例えばエポキシ化やし油、又は大豆油。好ましい実施形態において、溶媒は、プロピレンカーボネート、又はアセトフェノンである。
【0036】
非水性除草性組成物はまた、先において定義された、追加の除草剤及び/又は除草剤毒性緩和剤を含み得るものとして理解される。
【0037】
好ましい実施形態において、非水性除草性組成物は、式(I)の化合物、及びクロロアセトアニリド、好ましくはS−メトラクロールを含む乳剤であり、その中においてpH調節剤は二級アミン、好ましくはジエタノールアミンである。別の実施形態において、非水性除草性組成物は、式(I)のナトリウム又はカリウム塩を含む油分散液剤である。
【0038】
例えば改善された湿潤性、表面上の分散の保持;処理された表面上における、雨への抵抗性;又は式(I)の化合物の取り込み若しくは移動性によって、本発明の組成物の生物学的性能を改善するために、当該組成物が、一つ以上の添加剤(補助剤(ajuvant))を通常において含み得ることを、当業者は理解し得る。かかる添加剤は、界面活性剤(SFA)、油系スプレー添加剤、例えば特定の鉱油、又は天然植物油(例えば大豆油及び菜種油)、及びこれらと他の生物学的強化補助剤(bio−enhancing adjuvant)(式(I)の化合物の作用を支援又は変更し得る成分)との混合物を含む。
【0039】
湿潤化剤、分散化剤、及び乳化剤は、カチオン性、アニオン性、両性、又は非イオン性タイプであり得る。
【0040】
カチオン性タイプの好適なSFAは、4級アンモニウム化合物(例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド)、イミダゾリン、及びアミン塩を含む。
【0041】
好適なアニオン性SFAは、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族性モノエステル(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン酸化された芳香族性化合物の塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,ドデシルベンゼンドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホネート、及びジイソプロピルスルホン酸ナトリウムとトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムとの混合物)、エーテルサルフェート、アルコールエーテルサルフェート(例えばラウレス−3−硫酸ナトリウム)、エーテルカルボキシレート(例えば、ラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、ホスフェートエステル(一つ以上の脂肪族アルコールとリン酸(主にモノエステル)若しくは五酸化リン(主にジエスエル)との間の反応由来の生成物、例えばラウリルアルコールとテトラリン酸との間の反応由来の産物;さらにこれらの生成物はエトキシ化され得る)、スルホスクシナメート(sulphosuccinamate)、パラフィン又はオレフィンスルホネート、タウレート(taurate)及びリグノスルホネートを含む。
【0042】
両性タイプの好適なSFAは、ベタイン、プロピオネート、及びグリシネートを含む。
【0043】
非イオン性タイプの好適なSFAは、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はそれらの混合物と、脂肪アルコール(例えば、オレイルアルコール、若しくはセチルアルコール)との、又はアルキルフェノール(例えば、オクチルフェノール、ノニルフェノール、若しくはオクチルクレゾール)との縮合産物;長鎖脂肪酸由来の部分エステル、又はヘキシトール無水物;前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合産物;(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含む)ブロックポリマー;アルカノールアミド;単純エステル(例えば、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);並びにレシチンを含む。
【0044】
好適な懸濁化剤は、疎水性コロイド(例えば、多糖、ポリビニルピロリドン、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム)、及び膨潤粘土(例えば、ベントナイト、又はアタパルジャイト)を含む。
【0045】
したがって、本発明の好ましい実施形態において、除草剤組成物は、SFA(補助剤)をさらに含む。特に、本発明の除草性組成物に関して好ましい補助剤は、トリスチリルフェノール(16)エトキシレート(Soprophor BSU(商標))、トリスチリルフェノールエトキシレートホスフェートエステル(Soprophor 3D33(商標))、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル(Genapol(商標)O−100)、ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル(Genapol(商標)O−150)、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(Genapol(商標)O−200)、作物油(石油)濃縮物(AGRI−DEX(商標))、有機シリコーン界面活性剤、ポリアルキレンオキシド修飾されたヘプタメチルシロキサン(SILWET L−77(商標))、PEG(20)ソルビタンモノラウレート(Tween20(商標))、オクチル/デシルアルキルポリグリコシド(Agnique PG8107(商標))を含む。Genapol(商標)O−100及びSoprophor BSU(商標)を含む。
【0046】
本発明は、作物植物における、式(I):
【0047】
【化3】

【0048】
[式中、
1は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルから成る群から選択され;並びに
2は、C1−C6ハロアルキルである]
の化合物の植物毒性を減少させるための、pH調節剤の使用をさらに提供する。
【実施例】
【0049】
本発明の組成物の例を以下に示す。実施例1〜7は、非水性除草性組成物(乳剤)の例を示す。表に記載された種々の成分が混合され、そして完全な溶解が達成されるまで攪拌された。化合物Aは式(I)の化合物であり、ここでR1はメトキシ−エトキシ−メチルであり、及びR2はCF3である。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
実施例8及び9は、液剤(soluble concentrate)組成物の例を提供する。これらの組成物は、第一に、水酸化カリウム及び化合物Aを水中で共に反応させて20%w/wの濃縮物をpH=8で形成し、その後他の成分を添加することによって製造される。
【0053】
【表3】

【0054】
実施例10及び11は、油分散液剤組成物の例を提供する。これらの製剤を調製するために、第一に、過剰の水酸化ナトリウムと化合物Aを水性環境下において反応させ、化合物Aの油不溶性ナトリウム塩を沈澱させることによって、当該塩が単離される。化合物Aのナトリウム塩が単離された後、分散化剤を用いて、それは油と混合してミルにかけられ、その後、抗沈降系(anti−settling system)(プロピレンカーボネートによって活性化されたBentone 38(商標))を添加した。
【0055】
【表4】

【0056】
生物学的比較
実験1
生物学的比較を行うために、以下の組成物が調製された。
【0057】
【表5】

【0058】
表Aに記載されたEC製剤の選択性における、スプレー組成物のpHの効果を見るために、フィールド(field)における試験を行った。トウモロコシ種「Marista」、及び3種の雑草(エチノクロア・クルス−ガリ(Echinochloa crus−galli)(ECHCG)、セタリア・ファベリ(Setaria faberi)(SETFA)、及びブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea(BRAPL))を用いて、出芽後初期に施用を行った。観測された%植物毒性として結果を表Bにおいて示し、ここで0では植物毒性が見られず、100では完全に植物毒性を有した。
【0059】
【表6】

【0060】
試験された両製剤が、pHの増大と共に作物(トウモロコシ)において減少した植物毒性を示し、且つ大部分の場合において、pHの増大と共に雑草の増大した防除を示し、したがって、化合物の選択性において予期しない全般的な改善を提供したことをこれらの結果は示す。
【0061】
実験2
化合物B(式(I)の化合物であって、R1はメトキシ−プロピルであり、及びR2はCHF2である)を含む乳剤組成物の選択性におけるpHの効果を見るために、温室における試験を行った。4つのトウモロコシ種、及び8種の雑草(広葉雑草:アマランサス・レトロフレクサス(amaranthus retroflexus)(AMARE)、イポメア・ヘデラケア(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、ポリゴナム・コンボルバラス(Polygonum convolvulus)(POLCO)、イネ科植物(grass):ジギタリア・サングイナリス(Digitaria sanuinalis)(DIGSA)、エチノクロア・クルス−ガリ(ECHCG)、エリオクロア・ビロサ(Eriochloa villosa)(ERBVI)、パニカム・ジコトミフロラム(Panicum dichotomiflorum)(PANDI)、セタリア・ビリディス(Setaria viridus)(SETVI))を用いて、出芽後初期に施用を行った。施用されるスプレーの用量は、20 l/haであった。施用後8日(8DAA)及び/又は28DAAで植物毒性の評価を行った。観測された%植物毒性として結果を示し、ここで0では植物毒性が見られず、100では完全に植物毒性を有した。
【0062】
【表7】

【0063】
式Bの除草剤がpH3よりもむしろpH8で施用されたとき、トウモロコシにおいて観測される植物毒性が有意に減少したことを、表Cにおいて示された結果は示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物植物及び雑草を含む場所(locus)において雑草を選択的に防除するための方法であって、式I:
【化1】

[式中、
1は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルから成る群から選択され;並びに
2は、C1−C6ハロアルキルである]
の化合物、又はその農学的に許容される塩を含む水性スプレー組成物を、前記場所へ、雑草が防除される量で施用することを含み、ここで前記水性スプレー組成物のpHが約5〜約9である、前記方法。
【請求項2】
前記水性スプレー組成物が追加の農薬をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記追加の農薬が、アメトリン、テルブチラジン、アトラジン、アラクロール、アセトクロール、フォメサフェン、メソトリオン、ジカンバ、ニコスルフロン、プロスルフロン、リムスルフロン、ヘキサジノン、メトラクロール、S−メトラクロール、ジメテナミド、P−ジメテナミド、グルホシネート、及びグリホサートから成る群から選択される除草剤である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記作物植物が、穀物、綿花、アブラナ、トウモロコシ、米、大豆、テンサイ、及びサトウキビから成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記作物植物がトウモロコシ又はサトウキビである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記農学的に許容される塩が、N−tert−ブチルイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、n,n−ジイソプロピルエチルアミン、トリエタノールアミン、及びジエタノールアミンから成る群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記施用が前記作物の出芽後になされる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(a)式I:
【化2】

[式中、
1は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルから成る群から選択され;並びに
2は、C1−C6ハロアルキルである]
の化合物;並びに
(b)pH調節剤;
を含む、実質的に非水性の液体除草性組成物であって、前記pH調節剤は、前記実質的に非水性の液体除草性組成物が水及び/又は水溶液と混合されるときに、請求項1に記載のスプレー組成物を提供するために有効な量で前記実質的に非水性の液体除草性組成物中に存在する、前記実質的に非水性の液体除草性組成物。
【請求項9】
前記pH調節剤が、N−tert−ブチルイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、n,n−ジイソプロピルエチルアミン、トリエタノールアミン、及びジエタノールアミンから成る群から選択される、請求項8に記載の、実質的に非水性の液体除草性組成物。
【請求項10】
前記pH調節剤が、トリエタノールアミン、又はジエタノールアミンである、請求項9に記載の、実質的に非水性の液体除草性組成物。
【請求項11】
乳剤である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の、実質的に非水性の液体除草性組成物。
【請求項12】
追加の農薬をさらに含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載の、実質的に非水性の液体除草性組成物。
【請求項13】
前記追加の農薬が、アメトリン、テルブチラジン、アトラジン、アラクロール、アセトクロール、フォメサフェン、メソトリオン、ジカンバ、ニコスルフロン、プロスルフロン、ジメテナミド、P−ジメテナミド、リムスルフロン、ヘキサジノン、メトラクロール、S−メトラクロール、グルホシネート、及びグリホサートから成る群から選択される除草剤である、請求項12に記載の、実質的に非水性の液体除草性組成物。
【請求項14】
除草剤毒性緩和剤をさらに含む、請求項12又は13に記載の、実質的に非水性の液体除草性組成物。
【請求項15】
作物植物における、式(I):
【化3】

[式中、
1は、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルから成る群から選択され;並びに
2は、C1−C6ハロアルキルである]
の化合物の植物毒性を減少させるための、pH調節剤の使用。
【請求項16】
1がC1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、又はC1−C4アルコキシ−C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキルであり、及びR2がC1−C6フルオロアルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の、方法、組成物、又は使用。
【請求項17】
(i)R1がメトキシ−エトキシ−メチルであり、及びR2がCF3であるか、又は、(ii)R1がメトキシプロピルであり、及びR2がCHF2である、請求項16に記載の、方法、組成物、又は使用。

【公表番号】特表2011−522815(P2011−522815A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512204(P2011−512204)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【国際出願番号】PCT/GB2009/001426
【国際公開番号】WO2010/001084
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】