難着雪電線及び難着雪電線の製造方法
【課題】着雪が脱落しやすい難着雪電線を提供する。
【解決手段】難着雪電線1Aにおいて、その最外層に撚り合わしたアルミ素線13が有する複数の括れ部13aが、難着雪電線1Aの撚り目2に沿う方向に繰り返す凹凸を成すので、その凹凸を撚り目2に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることで、難着雪電線1Aに着雪した雪は撚り目2に沿って移動できずに、バランスを崩す大きさにまで積もった着雪が自重によって脱落しやすくなる。
【解決手段】難着雪電線1Aにおいて、その最外層に撚り合わしたアルミ素線13が有する複数の括れ部13aが、難着雪電線1Aの撚り目2に沿う方向に繰り返す凹凸を成すので、その凹凸を撚り目2に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることで、難着雪電線1Aに着雪した雪は撚り目2に沿って移動できずに、バランスを崩す大きさにまで積もった着雪が自重によって脱落しやすくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難着雪電線及び難着雪電線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
降雪により架空送電線Cの表面に雪Sが付着すると、図11に示すように、付着した雪Sが自重によって架空送電線Cの撚り目に沿い移動することがある。そして、図12に示すように、雪Sの付着と移動を繰り返すことで、架空送電線Cの周囲を覆うような筒雪に着雪が成長してしまうことがある。着雪量が増え、架空送電線Cにかかる着雪重量が架線張力の設計許容値を超えてしまうと、架空送電線Cが破断するなどのトラブルが生じる恐れがある。
【0003】
その対策として、架空送電線の外周に難着雪リングを所定間隔毎に取り付けて、着雪の移動や成長を阻止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、その長さ方向に沿う突条を形成した素線を架空送電線の最外層に撚り合わせ、架空送電線の表面に突出するヒレ部を設けることで、架空送電線への着雪を低減する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭62−13385号公報
【特許文献2】特開平10−23625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の場合、架空送電線に多数の難着雪リングを取り付ける作業は高所作業であり、多大な労力と危険を伴うものであった。
また、上記特許文献2の場合、架空送電線の表面のヒレ部は、素線と一体に架空送電線の撚り目に沿うので、一旦着雪が生じてしまうと、その着雪が撚り目に沿って移動することがあり、依然として着雪が成長してしまう恐れがあった。
【0006】
本発明の課題は、着雪が脱落しやすい難着雪電線及び難着雪電線の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の一の態様は、
複数の素線を撚り合わせてなる難着雪電線であって、
当該難着雪電線は、その難着雪電線の撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有することを特徴としている。
【0008】
この難着雪電線は、難着雪電線の撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有しており、その凹凸を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができる。そして、難着雪電線に着雪した雪は、撚り目に沿って移動せずにその場に積もった雪の自重によって難着雪電線から脱落することになる。
つまり、この難着雪電線は、外周面の凹凸が抵抗になって撚り目に沿って移動できずにバランスを崩す大きさにまで積もった着雪が脱落しやすい構造を有しており、難着雪電線の外周面に許容量を超える大きさの着雪を生じさせないようになっている。
【0009】
また、前記難着雪電線の外周面の凹凸を、前記素線の長さ方向と交差する複数の括れ部と節部の少なくとも一方で形成することが好ましい。
【0010】
難着雪電線の最外層に配する素線の表面に、その素線の長さ方向と交差する複数の括れ部または複数の節部を設けることによって、その素線を撚り合わせた電線において、その括れ部または節部を難着雪電線の撚り目に沿って繰り返す凹凸とすることができる。そして、括れ部または節部を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させて、着雪が脱落しやすい難着雪電線とすることができる。
【0011】
また、本発明の他の態様は、複数の素線を撚り合わせる工程を有する難着雪電線の製造方法であって、
前記素線の撚り合わせ工程の前に、前記素線にその長さ方向と交差する複数の括れ部と節部の少なくとも一方を設けておくことを特徴としている。
【0012】
この難着雪電線の製造方法によれば、難着雪電線の最外層に撚り合わせた素線の表面に形成された複数の括れ部または複数の節部が、難着雪電線の撚り目に沿って繰り返す凹凸になる。
そして、この製造方法によって製造された難着雪電線は、その撚り目に沿って繰り返す凹凸を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させて、着雪が自重により脱落しやすい電線になる。
【0013】
また、本発明の他の態様は、難着雪電線の製造方法であって、
複数の素線を撚り合わせてなる電線の外周面に、前記電線の撚り目と交差する方向に沿う複数の溝を形成することで、前記撚り目に沿う方向に繰り返す凹凸を形成することを特徴としている。
【0014】
この難着雪電線の製造方法によれば、電線の外周面に、その電線の撚り目と交差する方向に沿う複数の溝を形成することによって、撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線を得ることができる。
そして、この製造方法によって製造された難着雪電線は、外周面の凹凸を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させて、着雪が自重により脱落しやすい電線になる。
【0015】
また、前記電線の外周面に、所定の凹凸面を有する圧接具を圧接することで、最外層に配した素線の表面に、その素線の長さ方向に繰り返す凹凸を形成することが好ましい。
【0016】
電線の最外層に配した素線の表面に形成した、その素線の長さ方向に繰り返す凹凸は、難着雪電線の撚り目に沿う方向に繰り返す凹凸であるので、電線の外周面に圧接具を圧接することで製造した難着雪電線は、着雪が自重により脱落しやすい電線になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、難着雪電線は、難着雪電線の撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有するので、その凹凸を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができる。そして、難着雪電線に着雪した雪は、撚り目に沿って移動せずにその場に積もった雪の自重によって難着雪電線から脱落することになる。
このように、難着雪電線は、撚り目に沿う方向に繰り返す凹凸が抵抗になって移動できずにバランスを崩す大きさにまで積もった着雪を脱落させやすくなっており、難着雪電線の外周面に許容量を超える大きさの着雪を生じさせないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1に係る難着雪電線を示す側面図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】複数の括れ部を備えるアルミ素線を示す斜視図である。
【図4】難着雪電線から着雪が脱落する過程を示す説明図である。
【図5】複数の節部を備えるアルミ素線を示す斜視図である。
【図6】実施形態1の難着雪電線の変形例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る難着雪電線を示す側面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線における断面図である。
【図9】難着雪電線の製造方法を示す説明図である。
【図10】実施形態2の難着雪電線の変形例を示す側面図であり、横方向の溝を有するもの(a)、縦横方向の溝を有するもの(b)、略#形状の溝を有するもの(c)である。
【図11】従来の電線において、着雪が撚り目に沿って移動する状態を示す説明図である。
【図12】従来の電線において、着雪が成長する過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0020】
(実施形態1)
図1は、難着雪電線1Aを示す側面図であり、図2は、難着雪電線1Aの断面図である。
図1、図2に示すように、難着雪電線1Aは、複数の素線を撚り合わして形成した電線である。
難着雪電線1Aは、例えば、複数の鋼素線11を撚り合わせたテンションメンバ10の周囲に、複数のアルミ素線12、13を撚り合わせてなる電線であり、鋼心アルミ撚り線(ACSR;Aluminium Conductors Steel Reinforced)の形態を成している。
この難着雪電線1Aの最外層に配しているアルミ素線13は、図3に示すように、素線の長さ方向に所定間隔毎に設けた複数の括れ部13aを備えている。
括れ部13aは、アルミ素線13の長さ方向と交差し、素線の軸心に向かって括れた環状の凹部である。例えば、ACSR160mm2の場合、アルミ素線13の外径は2.6mmであり、括れ部13aは深さ0.2mmに形成する。なお、アルミ素線13の外径寸法に対して10%以上の深度を有する括れ部13aを設けた場合、そのアルミ素線13が破断しやすくなり、難着雪電線1Aの引張強度が低下する恐れがあるので、括れ部13aの深さは素線の外径寸法の10%を上限とすることが好ましい。
【0021】
この複数の括れ部13aを備えたアルミ素線13を最外層に撚り合わせた難着雪電線1Aは、図1に示すように、無数の括れ部13aが難着雪電線1Aの撚り目2の間に設けられた構造を有する。
そして、アルミ素線13の括れ部13aが難着雪電線1Aの外周面において撚り目2に沿う方向に繰り返す凹部となり、相対的にアルミ素線13の周面が凸部となるので、難着雪電線1Aは、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を備える構造を有する。
このような構造の難着雪電線1Aでは、降雪時に難着雪電線1Aの外周面に着雪した雪Sが難着雪電線1Aの撚り目2に沿って滑りそうになっても、撚り目2に沿って繰り返す凹凸を成す括れ部13aが滑り止めになるので、その雪Sは移動できずにその場に留まる。
【0022】
このように、難着雪電線1Aは、撚り目2と交差する複数の括れ部13aを外周面に有しているので、図4に示すように、難着雪電線1Aに着雪した雪Sは、括れ部13aが成す凹凸が抵抗となって撚り目2に沿って移動できない。その後、降雪が続き、その雪Sに対して更に着雪が進行すると、高く積もった雪Sが風を受けたり、その雪S自体の重心がずれたりする。その結果、移動できずにその場に積もった雪Sのバランスが崩れて、着雪した雪Sは自重によって難着雪電線1Aから脱落することになる。
【0023】
以上のように、難着雪電線1Aは、その外周面に難着雪電線1Aの撚り目2に沿って繰り返す凹凸を成す括れ部13aを有し、その括れ部13aを撚り目2に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができる。そして、難着雪電線1Aに着雪した雪は、撚り目2に沿って移動せずに積もった雪の自重によって難着雪電線1Aから脱落する。
つまり、難着雪電線1Aは、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有することで、バランスを崩す大きさに積もった着雪が脱落しやすい構造になっている。そして、難着雪電線1Aに着雪する雪が、筒雪のように許容量を超える大きさに成長することはないので、着雪によって難着雪電線1Aが破断してしまうことを低減することができる。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図5、図6に示すように、素線の長さ方向に所定間隔毎に設けた複数の節部13bを備えるアルミ素線13を最外層に撚り合わせた難着雪電線1Bであってもよい。
具体的に、節部13bは、アルミ素線13の長さ方向と交差し、素線の表面から突出した環状の凸部である。そして、複数の節部13bを備えたアルミ素線13を最外層に配した難着雪電線1Bは、無数の節部13bが難着雪電線1Bの撚り目2の間に設けられた構造を有する。そして、その節部13bが難着雪電線1Bの外周面において撚り目2に沿う方向に繰り返す凸部となり、相対的にアルミ素線13の周面が凹部となるので、難着雪電線1Bは、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を備える構造を有する。
このような難着雪電線1Bであっても、撚り目2に沿って繰り返す凹凸を成す節部13bを、撚り目2に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができるので、所定量以上に積もった着雪が脱落しやすい構造を有する難着雪電線とすることができる。
【0025】
また、複数の括れ部13aと複数の節部13bの両方を備えるアルミ素線13を最外層に撚り合わせた難着雪電線であっても、着雪が脱落しやすい構造を有する難着雪電線とすることができる。
【0026】
(実施形態2)
次に、本発明に係る難着雪電線の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。
【0027】
図7は、難着雪電線1Cを示す側面図であり、図8は、難着雪電線1Cの断面図である。
難着雪電線1Cは、その外周面に難着雪電線1Cの長さ方向に沿う複数の溝15aを備えている。
複数の溝15aは、最外層に撚り合わしたアルミ素線15の長さ方向及び撚り目2と交差する方向に延在しており、その波状の溝15aが難着雪電線1Cの外周面において撚り目2に沿う方向に繰り返す凹凸となる。
【0028】
このように、難着雪電線1Cは、その外周面に難着雪電線1Cの撚り目2に沿う方向に繰り返す凹凸を成す複数の溝15aを有し、その複数の溝15aを撚り目2に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができる。そして、難着雪電線1Cに着雪した雪は、撚り目2に沿って移動せずに積もった雪の自重によって難着雪電線1Cから脱落することになるので、この難着雪電線1Cも着雪が脱落しやすい構造であるといえる。
【0029】
次に、難着雪電線1Cの製造方法について、図9を参照して説明する。
まず、断面が円形状を呈する複数の素線(鋼素線、アルミ素線)を撚り合わせてなる電線50を形成する。なお、この段階では、最外層のアルミ素線15も円形断面を有している。
次いで、三角波型状の凹凸面を側面に有するローラー(圧接具)100を、その電線50の外周面に圧接することで、電線50の最外層に撚り合わしたアルミ素線15の表面にローラー100の凹凸面に対応する凹凸である複数の溝15aを形成する。こうして電線50の表面にアルミ素線15の長さ方向に繰り返す波状の凹凸を形成することで、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Cを製造することができる。
【0030】
具体的には、例えば、図9に示すように、対を成しているローラー100の隙間を電線50の外径よりも狭くしたローラー100間に電線50を通すことで、そのローラー100で挟み込んだ電線50の表面に複数の溝15aを形成する。そして、例えば、4工程を経て4対のローラー100で4方向から電線50を挟み込み、各ローラー100間を通過させた電線50の全周に複数の溝15aからなる凹凸を形成することで、難着雪電線1Cを製造する。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、円形断面を有する複数の素線を撚り合わした電線50に対して、所定の凹凸面を有するローラー100を圧接する後加工を施すことで、その電線50の外周面に複数の溝15aを形成し、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Cを製造することができる。
つまり、予め任意の電線50を製造しておけば、後加工によってその外周面に凹凸を形成して難着雪電線1Cとすることができるので、様々なタイプの難着雪電線を容易に製造することが可能になる。
また、電線50の表面に凹凸(溝15a)を形成する工程は、電線の外周に難着雪リングを取り付ける作業に比べて容易であり、安価に難着雪電線1Cを製造することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図10(a)に示すように、電線の外周面の周方向に沿う複数の溝15bを形成することで、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Dを製造してもよい。
また、例えば、図10(b)に示すように、電線の長さ方向と外周面の周方向にそれぞれ沿う複数の溝15cを形成することで、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Eを製造してもよい。
また、例えば、図10(c)に示すように、断続的に電線の長さ方向に沿う溝と、断続的に電線の外周面の周方向に沿う溝とが組み合わされてなる、略「#」形状を呈する複数の溝15dを形成することで、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Fを製造してもよい。
【0033】
なお、難着雪電線を製造する際に、電線の表面に凹凸(溝)を形成する工程は、工場で行なうことが好ましいが、既に電線が架線されている場合、凹凸の付いたローラーで電線を挟み込み、その架線された電線に沿ってローラーを移動させることにより、電線に凹凸を付与するようにしてもよい。
【0034】
また、本発明にかかる難着雪電線(1A〜1F)は、その外周面に括れ部13a、節部13b、溝15a〜15dに応じた凹凸を有するため、その難着雪電線の表面凹凸により風の流路が乱れることになって、電線から発生する風音が低減し、また電線の微風振動が低減し、また電線に作用する風圧荷重が低減することも期待できる。
また、難着雪電線の表面凹凸により、電線の表面積が増大することになって熱放散特性が向上するので、電線の電流容量が増大することも期待できる。
このように難着雪電線(1A〜1F)は、着雪を脱落させやすいことに加え、上記のようなメリットも期待できる。
【0035】
なお、以上の実施の形態においては、圧接具として三角波型状の凹凸面を有するローラーを用いて難着雪電線を製造したが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧接具はその他任意のプレス機などであってよく、その圧接方法も任意の手法で行なってもよい。
【0036】
また、電線の表面に凹凸(溝)を形成する手法は、電線に圧接具を圧接することに限らず、例えば、切削具を用いて電線の表面に筋状の溝を形成することや、電線の表面の一部を熔解するなど変形させて筋状の溝を形成することなど、任意の手法でよい。
【0037】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1A、1B、1C、1D、1E、1F 難着雪電線
2 撚り目
11 鋼素線(素線)
12 アルミ素線(素線)
13 アルミ素線(素線)
13a 括れ部(凹凸)
13b 節部(凹凸)
15 アルミ素線(素線)
15a、15b、15c、15d 溝(凹凸)
100 ローラー(圧接具)
S 雪
【技術分野】
【0001】
本発明は、難着雪電線及び難着雪電線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
降雪により架空送電線Cの表面に雪Sが付着すると、図11に示すように、付着した雪Sが自重によって架空送電線Cの撚り目に沿い移動することがある。そして、図12に示すように、雪Sの付着と移動を繰り返すことで、架空送電線Cの周囲を覆うような筒雪に着雪が成長してしまうことがある。着雪量が増え、架空送電線Cにかかる着雪重量が架線張力の設計許容値を超えてしまうと、架空送電線Cが破断するなどのトラブルが生じる恐れがある。
【0003】
その対策として、架空送電線の外周に難着雪リングを所定間隔毎に取り付けて、着雪の移動や成長を阻止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、その長さ方向に沿う突条を形成した素線を架空送電線の最外層に撚り合わせ、架空送電線の表面に突出するヒレ部を設けることで、架空送電線への着雪を低減する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭62−13385号公報
【特許文献2】特開平10−23625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の場合、架空送電線に多数の難着雪リングを取り付ける作業は高所作業であり、多大な労力と危険を伴うものであった。
また、上記特許文献2の場合、架空送電線の表面のヒレ部は、素線と一体に架空送電線の撚り目に沿うので、一旦着雪が生じてしまうと、その着雪が撚り目に沿って移動することがあり、依然として着雪が成長してしまう恐れがあった。
【0006】
本発明の課題は、着雪が脱落しやすい難着雪電線及び難着雪電線の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の一の態様は、
複数の素線を撚り合わせてなる難着雪電線であって、
当該難着雪電線は、その難着雪電線の撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有することを特徴としている。
【0008】
この難着雪電線は、難着雪電線の撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有しており、その凹凸を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができる。そして、難着雪電線に着雪した雪は、撚り目に沿って移動せずにその場に積もった雪の自重によって難着雪電線から脱落することになる。
つまり、この難着雪電線は、外周面の凹凸が抵抗になって撚り目に沿って移動できずにバランスを崩す大きさにまで積もった着雪が脱落しやすい構造を有しており、難着雪電線の外周面に許容量を超える大きさの着雪を生じさせないようになっている。
【0009】
また、前記難着雪電線の外周面の凹凸を、前記素線の長さ方向と交差する複数の括れ部と節部の少なくとも一方で形成することが好ましい。
【0010】
難着雪電線の最外層に配する素線の表面に、その素線の長さ方向と交差する複数の括れ部または複数の節部を設けることによって、その素線を撚り合わせた電線において、その括れ部または節部を難着雪電線の撚り目に沿って繰り返す凹凸とすることができる。そして、括れ部または節部を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させて、着雪が脱落しやすい難着雪電線とすることができる。
【0011】
また、本発明の他の態様は、複数の素線を撚り合わせる工程を有する難着雪電線の製造方法であって、
前記素線の撚り合わせ工程の前に、前記素線にその長さ方向と交差する複数の括れ部と節部の少なくとも一方を設けておくことを特徴としている。
【0012】
この難着雪電線の製造方法によれば、難着雪電線の最外層に撚り合わせた素線の表面に形成された複数の括れ部または複数の節部が、難着雪電線の撚り目に沿って繰り返す凹凸になる。
そして、この製造方法によって製造された難着雪電線は、その撚り目に沿って繰り返す凹凸を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させて、着雪が自重により脱落しやすい電線になる。
【0013】
また、本発明の他の態様は、難着雪電線の製造方法であって、
複数の素線を撚り合わせてなる電線の外周面に、前記電線の撚り目と交差する方向に沿う複数の溝を形成することで、前記撚り目に沿う方向に繰り返す凹凸を形成することを特徴としている。
【0014】
この難着雪電線の製造方法によれば、電線の外周面に、その電線の撚り目と交差する方向に沿う複数の溝を形成することによって、撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線を得ることができる。
そして、この製造方法によって製造された難着雪電線は、外周面の凹凸を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させて、着雪が自重により脱落しやすい電線になる。
【0015】
また、前記電線の外周面に、所定の凹凸面を有する圧接具を圧接することで、最外層に配した素線の表面に、その素線の長さ方向に繰り返す凹凸を形成することが好ましい。
【0016】
電線の最外層に配した素線の表面に形成した、その素線の長さ方向に繰り返す凹凸は、難着雪電線の撚り目に沿う方向に繰り返す凹凸であるので、電線の外周面に圧接具を圧接することで製造した難着雪電線は、着雪が自重により脱落しやすい電線になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、難着雪電線は、難着雪電線の撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有するので、その凹凸を撚り目に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができる。そして、難着雪電線に着雪した雪は、撚り目に沿って移動せずにその場に積もった雪の自重によって難着雪電線から脱落することになる。
このように、難着雪電線は、撚り目に沿う方向に繰り返す凹凸が抵抗になって移動できずにバランスを崩す大きさにまで積もった着雪を脱落させやすくなっており、難着雪電線の外周面に許容量を超える大きさの着雪を生じさせないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1に係る難着雪電線を示す側面図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】複数の括れ部を備えるアルミ素線を示す斜視図である。
【図4】難着雪電線から着雪が脱落する過程を示す説明図である。
【図5】複数の節部を備えるアルミ素線を示す斜視図である。
【図6】実施形態1の難着雪電線の変形例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る難着雪電線を示す側面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線における断面図である。
【図9】難着雪電線の製造方法を示す説明図である。
【図10】実施形態2の難着雪電線の変形例を示す側面図であり、横方向の溝を有するもの(a)、縦横方向の溝を有するもの(b)、略#形状の溝を有するもの(c)である。
【図11】従来の電線において、着雪が撚り目に沿って移動する状態を示す説明図である。
【図12】従来の電線において、着雪が成長する過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0020】
(実施形態1)
図1は、難着雪電線1Aを示す側面図であり、図2は、難着雪電線1Aの断面図である。
図1、図2に示すように、難着雪電線1Aは、複数の素線を撚り合わして形成した電線である。
難着雪電線1Aは、例えば、複数の鋼素線11を撚り合わせたテンションメンバ10の周囲に、複数のアルミ素線12、13を撚り合わせてなる電線であり、鋼心アルミ撚り線(ACSR;Aluminium Conductors Steel Reinforced)の形態を成している。
この難着雪電線1Aの最外層に配しているアルミ素線13は、図3に示すように、素線の長さ方向に所定間隔毎に設けた複数の括れ部13aを備えている。
括れ部13aは、アルミ素線13の長さ方向と交差し、素線の軸心に向かって括れた環状の凹部である。例えば、ACSR160mm2の場合、アルミ素線13の外径は2.6mmであり、括れ部13aは深さ0.2mmに形成する。なお、アルミ素線13の外径寸法に対して10%以上の深度を有する括れ部13aを設けた場合、そのアルミ素線13が破断しやすくなり、難着雪電線1Aの引張強度が低下する恐れがあるので、括れ部13aの深さは素線の外径寸法の10%を上限とすることが好ましい。
【0021】
この複数の括れ部13aを備えたアルミ素線13を最外層に撚り合わせた難着雪電線1Aは、図1に示すように、無数の括れ部13aが難着雪電線1Aの撚り目2の間に設けられた構造を有する。
そして、アルミ素線13の括れ部13aが難着雪電線1Aの外周面において撚り目2に沿う方向に繰り返す凹部となり、相対的にアルミ素線13の周面が凸部となるので、難着雪電線1Aは、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を備える構造を有する。
このような構造の難着雪電線1Aでは、降雪時に難着雪電線1Aの外周面に着雪した雪Sが難着雪電線1Aの撚り目2に沿って滑りそうになっても、撚り目2に沿って繰り返す凹凸を成す括れ部13aが滑り止めになるので、その雪Sは移動できずにその場に留まる。
【0022】
このように、難着雪電線1Aは、撚り目2と交差する複数の括れ部13aを外周面に有しているので、図4に示すように、難着雪電線1Aに着雪した雪Sは、括れ部13aが成す凹凸が抵抗となって撚り目2に沿って移動できない。その後、降雪が続き、その雪Sに対して更に着雪が進行すると、高く積もった雪Sが風を受けたり、その雪S自体の重心がずれたりする。その結果、移動できずにその場に積もった雪Sのバランスが崩れて、着雪した雪Sは自重によって難着雪電線1Aから脱落することになる。
【0023】
以上のように、難着雪電線1Aは、その外周面に難着雪電線1Aの撚り目2に沿って繰り返す凹凸を成す括れ部13aを有し、その括れ部13aを撚り目2に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができる。そして、難着雪電線1Aに着雪した雪は、撚り目2に沿って移動せずに積もった雪の自重によって難着雪電線1Aから脱落する。
つまり、難着雪電線1Aは、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有することで、バランスを崩す大きさに積もった着雪が脱落しやすい構造になっている。そして、難着雪電線1Aに着雪する雪が、筒雪のように許容量を超える大きさに成長することはないので、着雪によって難着雪電線1Aが破断してしまうことを低減することができる。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図5、図6に示すように、素線の長さ方向に所定間隔毎に設けた複数の節部13bを備えるアルミ素線13を最外層に撚り合わせた難着雪電線1Bであってもよい。
具体的に、節部13bは、アルミ素線13の長さ方向と交差し、素線の表面から突出した環状の凸部である。そして、複数の節部13bを備えたアルミ素線13を最外層に配した難着雪電線1Bは、無数の節部13bが難着雪電線1Bの撚り目2の間に設けられた構造を有する。そして、その節部13bが難着雪電線1Bの外周面において撚り目2に沿う方向に繰り返す凸部となり、相対的にアルミ素線13の周面が凹部となるので、難着雪電線1Bは、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を備える構造を有する。
このような難着雪電線1Bであっても、撚り目2に沿って繰り返す凹凸を成す節部13bを、撚り目2に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができるので、所定量以上に積もった着雪が脱落しやすい構造を有する難着雪電線とすることができる。
【0025】
また、複数の括れ部13aと複数の節部13bの両方を備えるアルミ素線13を最外層に撚り合わせた難着雪電線であっても、着雪が脱落しやすい構造を有する難着雪電線とすることができる。
【0026】
(実施形態2)
次に、本発明に係る難着雪電線の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。
【0027】
図7は、難着雪電線1Cを示す側面図であり、図8は、難着雪電線1Cの断面図である。
難着雪電線1Cは、その外周面に難着雪電線1Cの長さ方向に沿う複数の溝15aを備えている。
複数の溝15aは、最外層に撚り合わしたアルミ素線15の長さ方向及び撚り目2と交差する方向に延在しており、その波状の溝15aが難着雪電線1Cの外周面において撚り目2に沿う方向に繰り返す凹凸となる。
【0028】
このように、難着雪電線1Cは、その外周面に難着雪電線1Cの撚り目2に沿う方向に繰り返す凹凸を成す複数の溝15aを有し、その複数の溝15aを撚り目2に沿って滑りそうになる雪の滑り止めとして機能させることができる。そして、難着雪電線1Cに着雪した雪は、撚り目2に沿って移動せずに積もった雪の自重によって難着雪電線1Cから脱落することになるので、この難着雪電線1Cも着雪が脱落しやすい構造であるといえる。
【0029】
次に、難着雪電線1Cの製造方法について、図9を参照して説明する。
まず、断面が円形状を呈する複数の素線(鋼素線、アルミ素線)を撚り合わせてなる電線50を形成する。なお、この段階では、最外層のアルミ素線15も円形断面を有している。
次いで、三角波型状の凹凸面を側面に有するローラー(圧接具)100を、その電線50の外周面に圧接することで、電線50の最外層に撚り合わしたアルミ素線15の表面にローラー100の凹凸面に対応する凹凸である複数の溝15aを形成する。こうして電線50の表面にアルミ素線15の長さ方向に繰り返す波状の凹凸を形成することで、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Cを製造することができる。
【0030】
具体的には、例えば、図9に示すように、対を成しているローラー100の隙間を電線50の外径よりも狭くしたローラー100間に電線50を通すことで、そのローラー100で挟み込んだ電線50の表面に複数の溝15aを形成する。そして、例えば、4工程を経て4対のローラー100で4方向から電線50を挟み込み、各ローラー100間を通過させた電線50の全周に複数の溝15aからなる凹凸を形成することで、難着雪電線1Cを製造する。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、円形断面を有する複数の素線を撚り合わした電線50に対して、所定の凹凸面を有するローラー100を圧接する後加工を施すことで、その電線50の外周面に複数の溝15aを形成し、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Cを製造することができる。
つまり、予め任意の電線50を製造しておけば、後加工によってその外周面に凹凸を形成して難着雪電線1Cとすることができるので、様々なタイプの難着雪電線を容易に製造することが可能になる。
また、電線50の表面に凹凸(溝15a)を形成する工程は、電線の外周に難着雪リングを取り付ける作業に比べて容易であり、安価に難着雪電線1Cを製造することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図10(a)に示すように、電線の外周面の周方向に沿う複数の溝15bを形成することで、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Dを製造してもよい。
また、例えば、図10(b)に示すように、電線の長さ方向と外周面の周方向にそれぞれ沿う複数の溝15cを形成することで、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Eを製造してもよい。
また、例えば、図10(c)に示すように、断続的に電線の長さ方向に沿う溝と、断続的に電線の外周面の周方向に沿う溝とが組み合わされてなる、略「#」形状を呈する複数の溝15dを形成することで、撚り目2に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有する難着雪電線1Fを製造してもよい。
【0033】
なお、難着雪電線を製造する際に、電線の表面に凹凸(溝)を形成する工程は、工場で行なうことが好ましいが、既に電線が架線されている場合、凹凸の付いたローラーで電線を挟み込み、その架線された電線に沿ってローラーを移動させることにより、電線に凹凸を付与するようにしてもよい。
【0034】
また、本発明にかかる難着雪電線(1A〜1F)は、その外周面に括れ部13a、節部13b、溝15a〜15dに応じた凹凸を有するため、その難着雪電線の表面凹凸により風の流路が乱れることになって、電線から発生する風音が低減し、また電線の微風振動が低減し、また電線に作用する風圧荷重が低減することも期待できる。
また、難着雪電線の表面凹凸により、電線の表面積が増大することになって熱放散特性が向上するので、電線の電流容量が増大することも期待できる。
このように難着雪電線(1A〜1F)は、着雪を脱落させやすいことに加え、上記のようなメリットも期待できる。
【0035】
なお、以上の実施の形態においては、圧接具として三角波型状の凹凸面を有するローラーを用いて難着雪電線を製造したが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧接具はその他任意のプレス機などであってよく、その圧接方法も任意の手法で行なってもよい。
【0036】
また、電線の表面に凹凸(溝)を形成する手法は、電線に圧接具を圧接することに限らず、例えば、切削具を用いて電線の表面に筋状の溝を形成することや、電線の表面の一部を熔解するなど変形させて筋状の溝を形成することなど、任意の手法でよい。
【0037】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1A、1B、1C、1D、1E、1F 難着雪電線
2 撚り目
11 鋼素線(素線)
12 アルミ素線(素線)
13 アルミ素線(素線)
13a 括れ部(凹凸)
13b 節部(凹凸)
15 アルミ素線(素線)
15a、15b、15c、15d 溝(凹凸)
100 ローラー(圧接具)
S 雪
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素線を撚り合わせてなる難着雪電線であって、
当該難着雪電線は、その難着雪電線の撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有することを特徴とする難着雪電線。
【請求項2】
前記難着雪電線の外周面の凹凸を、前記素線の長さ方向と交差する複数の括れ部と節部の少なくとも一方で形成したことを特徴とする請求項1に記載の難着雪電線。
【請求項3】
複数の素線を撚り合わせる工程を有する難着雪電線の製造方法であって、
前記素線の撚り合わせ工程の前に、前記素線にその長さ方向と交差する複数の括れ部と節部の少なくとも一方を設けておくことを特徴とする難着雪電線の製造方法。
【請求項4】
複数の素線を撚り合わせてなる電線の外周面に、前記電線の撚り目と交差する方向に沿う複数の溝を形成することで、前記撚り目に沿う方向に繰り返す凹凸を形成することを特徴とする難着雪電線の製造方法。
【請求項5】
前記電線の外周面に、所定の凹凸面を有する圧接具を圧接することで、最外層に配した素線の表面に、その素線の長さ方向に繰り返す凹凸を形成することを特徴とする請求項4に記載の難着雪電線の製造方法。
【請求項1】
複数の素線を撚り合わせてなる難着雪電線であって、
当該難着雪電線は、その難着雪電線の撚り目に沿う方向に凹凸を繰り返す外周面を有することを特徴とする難着雪電線。
【請求項2】
前記難着雪電線の外周面の凹凸を、前記素線の長さ方向と交差する複数の括れ部と節部の少なくとも一方で形成したことを特徴とする請求項1に記載の難着雪電線。
【請求項3】
複数の素線を撚り合わせる工程を有する難着雪電線の製造方法であって、
前記素線の撚り合わせ工程の前に、前記素線にその長さ方向と交差する複数の括れ部と節部の少なくとも一方を設けておくことを特徴とする難着雪電線の製造方法。
【請求項4】
複数の素線を撚り合わせてなる電線の外周面に、前記電線の撚り目と交差する方向に沿う複数の溝を形成することで、前記撚り目に沿う方向に繰り返す凹凸を形成することを特徴とする難着雪電線の製造方法。
【請求項5】
前記電線の外周面に、所定の凹凸面を有する圧接具を圧接することで、最外層に配した素線の表面に、その素線の長さ方向に繰り返す凹凸を形成することを特徴とする請求項4に記載の難着雪電線の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−154916(P2011−154916A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16108(P2010−16108)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
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