説明

雨水の浸透循環貯留槽

【課題】短時間豪雨災害の緩和と、緊急避難場所における飲料水の確保を課題とする。
【解決手段】雨水の浸透循環貯留槽は、地中に埋設した浸透槽と、循環貯留槽と、貯留槽と、循環濾過槽と、揚水手段と、多孔質部材を備える。
循環貯留槽20、或いは循環濾過槽30と貯留槽40は、内部に多孔質部材71を備え、雨水を貯留槽に貯留し、貯留した雨水を揚水手段50によって上方に配水し、鉛直方向に循環させる事によって雨水を浄化し、過剰な雨水は外側にある第一浸透槽10或いは第二浸透槽15に溢出し、浸透槽から地中に浸透させる事によって豪雨災害を緩和する、雨水の浸透循環貯留槽を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災エリアに設置し、洪水緩和機能を持つ雨水の浸透循環貯留槽に関する。詳しくは、一時的に貯水した雨水を地中に浸透させ、貯水した雨水の一部を循環浄化させて飲料に供する水が貯留されている、雨水の浸透循環貯留槽に係るものである。
【背景技術】
【0002】
平常時のライフラインが機能化した大都市は、半面で大規模な自然災害に対する危険が隠されている。たとえば、都市における集中豪雨は、瞬時に下水道や用水路に排水されるため、急激な増水をもたらして低地が浸水し、大地震ではガス管や水道管が破断し、道路は車が溢れてその機能が失われ、住民や帰宅困難者が公園や広場に避難しても、広場ではライフラインが麻痺しており、飲料水にも事欠く事態が起こり得る。
【0003】
このような豪雨や地震災害に備え、公園などの防災エリアに雨水貯留槽を設け、洪水対策と非常時の水源確保の取組が行われているが、その多くは静止した嫌気的雰囲気で滞留されており、緊急時に飲料水として適さないものがある。
【0004】
そこで、例えば特許文献1には、芝生を第一の濾過槽とし、砂や石を敷き詰めて第二の濾過槽とし、第二の濾過槽内に地中散水管を配管し、合併浄化槽からの排水を濾過する排水濾過システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−080305号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された排水濾過システムは、水を縦方向に循環させて浄化する濾過装置であるが、洪水対策がなされていない。
都市部は、ほぼ全域がアスファルトやコンクリートの不透水性部材で覆われていて、短時間に降る豪雨は、瞬時に下水道や用水路に集中して災害をもたらしているが、前記技術ではその対策がされていない。
【0007】
また、短時間に降る集中豪雨は、多くの土砂を混入して流れてくる場合が多く、一時保管場所でその土砂が堆積し、その土砂が不透水層となって浸透槽の浸透機能を減じさせる問題が予測される。
【0008】
本発明は、以上の点を鑑み創案されたものであり、集中豪雨による大量の雨水を一時的に貯水し、時間差を設けて地中に浸透させ、雨水に含まれる土砂の影響を考慮し、堆積した土砂を取除く事によって、浸透機能を永続させる事を課題とする。
【0009】
たとえば、沖縄県宮古島は、平坦な台地状の隆起サンゴ礁の島であって、面積が158平方キロメートルもある大きな島であり、巨大台風が襲う豪雨地帯でありながら河川がない、また、鹿児島県東部の平坦なシラス台地上にも河川がない、この両方の台地に共通する特徴は、雨は素早く地中に浸み込み、特定の場所から清らかな湧水として噴出している。
【0010】
本発明は、これら台地の地形や地質を参考にして創案されたものであり、都市公園の地下に設置する浸透槽によって短時間豪雨による急激な洪水を緩和し、徐々に地中に浸透させる事によって不足がちな地下水を補充し、貯留した一部の雨水を循環させ、清涼な水が常時貯留されている防災エリアの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、地中に埋設されている雨水の第一浸透循環貯留槽であって、前記第一浸透循環貯留槽は、第一浸透槽と循環貯留槽によって構成されており、前記第一浸透槽は、地下の地面に接して所定面積を有する第一浸透槽床面があり、前記第一浸透槽床面を取り囲むように周縁部の地層面に接して所定高さの第一浸透槽側面があり、前記第一浸透槽床面及び前記第一浸透槽側面の少なくとも一部が透水性部材で形成され或いは少なくとも一部が地下の地面または地層面でもって形成されている定型または不定形の空間であって、前記循環貯留槽は、前記第一浸透槽床面の所定面積以内の面積を有する循環貯留槽床材が、前記第一浸透槽床面から離れた上方に位置して形成され、前記第一浸透槽側面の所定高さ以内の高さを有する循環貯留槽側材が、前記循環貯留槽床材の周縁部上方を取り囲むように接続され、前記第一浸透槽側面から離れた内側に位置して形成されており、前記循環貯留槽床材及び前記循環貯留槽側材が不透水性部材で形成され、内部の少なくとも一部に連続気孔を有する多孔質部材が少なくとも充填されており、前記循環貯留槽床材の上面近傍にある吸入口から上方の排出口に向って、水を配水する揚水手段が設けられている雨水の第一浸透循環貯留槽を備える。
【0012】
上記の目的を達成するために、地中に埋設されている雨水の第二浸透循環貯留槽であって、前記第二浸透循環貯留槽は、第二浸透槽と循環濾過槽と貯留槽によって構成されており、前記貯留槽は、所定面積を有する貯留槽床材と前記貯留槽床材の周縁部上方を取囲む貯留槽側材で囲まれた部位であって、前記貯留槽床材と前記貯留槽側材が不透水性部材で形成されており、内部の少なくとも一部に多孔質部材或いは濾過材が少なくとも充填されており、前記循環濾過槽は、前記貯留槽の上方にあって、側面の少なくとも一部が中仕切り部材或いは中仕切り部材と循環濾過槽側材によって形成され、下面の少なくとも一部が前記貯留槽の上面と接して解放されており、内部の少なくとも一部に多孔質部材或いは濾過材が少なくとも充填されており、前記第二浸透槽は、第二浸透槽内側面と第二浸透槽外側面によって囲まれた定型または不定形の空間であって、前記第二浸透槽内側面は、前記循環濾過槽と前記貯留槽に接する面であって内側面を形成する部材が省略されており、前記第二浸透槽外側面は、地下の地面或いは地層面或いは地表に接する面であって少なくとも一部が透水性を有する外側面部材で形成され或いは少なくとも一部が地下の地面或いは地層面でもって形成され、前記循環濾過槽と前記貯留槽の下方に或いは下方を含む側方に或いは側方に形成されており、前記貯留槽にある吸入口から前記循環濾過槽にある配水用排出口へ、水を配水する揚水手段が設けられている雨水の第二浸透循環貯留槽を備える。
【0013】
また、本発明は、豪雨災害の軽減と地下水の補充という課題に対し、第一浸透槽或いは第二浸透槽の内部に貯水された水を素早く地中に浸透させるため、浸透槽の床面及び側面は透水性部材或いは地面で形成されているが、流入する雨水には土砂が混入しており、その土砂が第一浸透槽床面或いは第二浸透槽外側面に堆積して不透水層を形成し、浸透機能を低下させるおそれがあり、堆積した土砂を除去するために、第一浸透槽或いは第二浸透槽の内部から連続気孔を有する多孔質部材を排除した空間部を形成し、メンテナンス作業を重視した雨水の浸透循環貯留槽を備える。
【0014】
また、本発明は、清涼な水が常時貯留されている防災エリアの提供という課題に対し、貯水した雨水の一部を飲料に適するまで浄化させるために、揚水手段を用いて貯留槽から上方の配水用排出口へ配水し、溢れ出た水が多孔質部材の表面及び細孔内部を通過しながら落下し、多孔質部材に住みついた微生物によって不純物が消費され浄化される、雨水の浸透循環貯留槽を備える。
【0015】
なお、本発明では、地上の土壌面を地表と表示し、地表下の土壌内部を地中と表示し、周囲の地表より一段下方に下がった部分を地下或いは地下の地面と表示し、地下にあって略鉛直方向に広がる面を地層面と表示する。
また、浸透循環貯留槽内を移動する水を配水と表現し、外部へ排出する水を排水または浸透と表現する。また、一時的に滞留する水を貯水と表現し、所定目的で滞留させる水を貯留と表現する。
【発明の効果】
【0016】
本願発明に係る雨水の浸透循環貯留槽は、雨水を一時的に貯水して豪雨災害を緩和し、貯水した雨水を地下に浸透させて地下水を補充し、その一部を循環浄化させて利用し、雨水と共に流入した土砂を除去する事によって浸透機能が再生できる、雨水の浸透循環貯留槽を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本願発明の第一浸透循環貯留槽であって、多孔質部材が充填された循環貯留槽と、多孔質部材が充填されていない空間で形成されている第一浸透槽を備える。
【図2】本願発明の第二浸透循環貯留槽であって、第二浸透槽と循環濾過槽と貯留槽からなる浸透循環貯留槽を表した断面図である。
【図3】第二浸透槽が循環濾過槽と貯留槽の下方に形成されている第二浸透循環貯留槽であって、中仕切り部材から水滴が落下して第二浸透槽に貯水される状態を表した。
【図4】第二浸透槽が循環濾過槽と貯留槽の側方に形成されている第二浸透循環貯留槽であって、第二浸透槽と貯留槽の下方に砂礫が埋設され、貯留槽に貯留されている水が循環濾過槽との間を循環している状態を表した。
【図5】第二浸透槽が循環濾過槽と貯留槽の下方に形成されている第二浸透循環貯留槽であって、第二浸透槽外側面が凹凸形状で、凹部に土砂が堆積している状態を表した。
【図6】中仕切り部材の一例であって、凹凸形状の凸部に開口部があり凹部に複数の貫通孔を持つ中仕切り部材を表した。
【図7】図6に示した中仕切り部材の平面と断面を表した。
【図8】複数の部材からなる中仕切り部材の一例であって、側面図は複数の略平板部材が繋がって生じた貫通孔から水滴が落下する仕組みを、円内は点線部の断面を表した。
【図9】ネット状袋に内包されている多孔質部材の概略図である。
【図10】複数の循環濾過槽、貯留槽と、大容量の第二浸透槽の組合せを表した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願発明の雨水の浸透循環貯留槽には2種の基本形があり、以下、それぞれの実施の形態について図面を参照しながら説明し、本願発明の理解に供する。
【0019】
図1は、本願発明の第一浸透循環貯留槽1であって、角型の第一浸透槽10と、第一浸透槽10の内部にある循環貯留槽20と、揚水手段50の概要を表した透視図であって、簡略化するため多孔質部材70の表示は省略した。
以下図1について記述する。
【0020】
第一浸透槽10は、上部が広がった四角型であって、内部に少なくとも連続気孔を有する多孔質部材70が充填されていない空間が形成されているが、これらは四角形に限定されるものでなく、多角形、或いは円形、或いは不定形であってもよい。
【0021】
循環貯留槽20は、第一浸透槽10の内部にあって第一浸透槽10よりも小さく不透水性部材で形成されており、内部に少なくとも連続気孔を有する多孔質部材70或いはネット状袋に充填された多孔質部材71が挿入(充填)されて、水を貯留する事ができる。
【0022】
また、循環貯留槽20には揚水手段50が設けられており、循環貯留槽床材21の上面近傍にある吸入口から上方の配水用排出口52まで揚水し、配水用排出口52から溢れ出た水が多孔質部材70間を自然落下する事によって鉛直方向に循環し、多孔質部材70に棲みついた微生物によって浄化され、或いは濾過される事によって、湧水のような飲料に供する水91が貯留される。
【0023】
図2は、本願発明の第二浸透循環貯留槽2であって、第二浸透槽15と循環濾過槽40と貯留槽30によって構成されており、本願発明の第2の基本形を表している。
本実施例では、四角の浸透槽と循環貯留槽を用いたが、形状は四角に限定されるものではなく、六角形や八角形、或いは円形、或いは地形に応じた不定形であっても良い。
以下図2について記述する。
【0024】
貯留槽30の側面は、1面が幅6m×高さ4mの貯留槽側材32を4角に組合せて貯留槽30側面とし、通常の鉄筋コンクリート(不透水性部材の一例である)で製作した。
【0025】
貯留槽30の床面は、貯留槽側面の下方を貯留槽床材31で成型して貯留槽床面としたが、この貯留槽床面は、中央部が周縁部より1m下がった位置にある、浅いV型構造を採用した。
【0026】
その理由は、後述する給気手段60を設置した場合、貯留槽30下方の貯留槽側面近傍から気泡61が噴出し、その気泡によって貯留槽側面近傍で僅かな上昇流が発生し、その反作用によって中央部では下降流が発生し、雨水に含まれた土砂を中央部に集中させて堆積させるためにV型構造にした。
しかし、これらはV型に限定されるものでなく平面であっても良いものの、V型は中央部で多くの土砂が堆積できるのでメンテナンス頻度を減少させる効果があるので好ましい。
【0027】
この貯留槽30の体積は、略(6m×6m×4m)+(6m×6m×1/2)=162立方メートルであって、水を加えた合計重量に耐えうるコンクリートパイル(固定手段83の一例である)を貯留槽30の4隅と中央部の合計5ヶ所に設け、貯留槽30を地中97に固定した。
【0028】
本実施例では、貯留槽側材32と貯留槽床材31は通常の鉄筋コンクリートで製作したが、部材はこれらに限定されるものでなく、繊維強化プラスチックなど、所定強度を有する不透水性部材であれば良い。
【0029】
循環濾過槽40は、貯留槽30の上方に位置して側面が循環濾過槽側材41と中仕切り部材42によって形成され、下面が貯留槽30の上面と接して解放され、循環濾過槽40内部に多孔質部材70、或いはネット状袋に充填された多孔質部材71、或いは濾過材73が少なくとも充填されている。
【0030】
循環濾過槽40を形成する循環濾過槽側材41は、貯留槽側材32と同一部材である場合と、第二浸透槽外側面17と同一部材である場合と、その他の透水性部材或いは不透水性部材があり、その内のいずれを用いても良い。
【0031】
循環濾過槽40を形成する中仕切り部材42は、循環濾過槽と第二浸透槽との間に設ける部材であって、貯留槽側材32の上端近傍から上方の外側に向って形成され、単独の部材と複数の部材で構成されている場合とがあり、いずれも表面から裏面に通じる開口部44或いは貫通孔45或いは開口部44と貫通孔45の両方が形成されている。
【0032】
中仕切り部材42が単一部材で形成されている状態は、図6、図7で説明し、中仕切り部材42が複数の部材で形成されている場合は、図8において後述する。
【0033】
循環濾過槽40の上部に雨水の流入口81を接続した。
流入する雨水は、貯留槽30での貯留と、過剰な分を地下水の補充として利用する二つの目的があり、この両方の目的を達成させるため、雨水の流入口81は、循環濾過槽30の上部に接続する事が好ましい。
【0034】
雨水の流入口81を循環濾過槽30の中仕切り部材42の上方に設置する理由は、貯留槽30での土砂堆積を防止するため、雨水から土砂を分離して第二浸透槽へ落とす事ができる中仕切り部材42の機能が生かせるためである。
【0035】
本実施例では、貯留槽30下方に平面状のスノコ85を設置した。
このスノコ85は、平面状であるため貯留槽30の中央部で床面との間に略1mの空間が生じ、後述する給気手段60の反作用で生じる中央部の下降流を利用し、土砂の堆積を中央部に集中させ、メンテナンス頻度を著しく減少させる事ができる。
【0036】
また、貯留槽30下方の貯留槽側面の近傍に、地上からの給気手段60を設置した。
地上に給気ポンプ(給気手段60の一例である)を設置し、その給気ポンプに接続したエアーホース(給気手段60の一例である)が、スノコ85の周縁部下方を周回する(貯留槽30下方の側面近傍、と同じ部分を指している)ように設置した。
【0037】
このエアーホース(給気手段60の一例である)の周回部は、要所で排気孔(給気手段60の一例である)を有し、排気孔から出た気泡61が、ネット状袋に充填され水を含んだ多孔質部材72に衝突しながら上昇し、貯留槽30内を好気的雰囲気に保ちながら僅かな上昇流を発生させ、その反作用で貯留槽30の中央付近で僅かな下降流を発生させる元になる。
【0038】
貯留槽30に貯留されている雨水を、ネット状袋に充填され水を含んだ多孔質部材72により多く接触させて、飲料に適するまで浄化させるために、揚水手段50を設けた。
【0039】
本実施例では、地上にある電動ポンプ(揚水手段50の一例である)に貯留槽30の床面近傍に吸入口を持つ塩化ビニルパイプ(揚水手段50の一例である)を接続し、さらに電動ポンプは地上にある配水用貯水槽51にも接続した。
【0040】
この配水用貯水槽51は、循環濾過槽40の上部付近に略水平に面状に配管された塩化ビニルパイプ(揚水手段50の一例である)と接続した。
この塩化ビニルパイプは、上面に配水用排出口52を有している。
【0041】
従って、地上にある配水用貯水槽51と循環濾過槽40にある配水用排出口52とは高低差が生じ、この高低差によって水は循環濾過槽40の配水用排出口52から排出され、排出された水は後述するネット状袋に充填された多孔質部材71に触れ、水を含んだ多孔質部材72に変えながら落下を続け、最後には元の貯留槽30に流れ下るため、貯留槽30に貯留された水は、縦方向に循環を繰り返しながら飲料に供される水91にまで浄化されて貯留される。
【0042】
この揚水手段50は、平常時は電動ポンプ(揚水手段50の一例である)を使用し、配水用貯水槽51内の水面が下限位置で起動し、上限位置で停止するため、配水用貯水槽51の水位は常時一定範囲内に保たれているが、災害に備え、揚水手段50は手動ポンプ或いは自然エネルギー等と併用する事が好ましい。
【0043】
また、この配水用貯水槽51は、外部蛇口を併設する事によって平時でも飲料や散水に利用でき、或いは濾過材44を充填して浄水機能を持たせ、或いは専用の浄水器を併設する等、複合した水の有効利用が好ましい。
【0044】
また、配水用排出口52が、面状に配管された塩化ビニルパイプの上面に略水平に設けられている事は、水が均等に広範囲に噴出し、広範囲のネット状袋に充填され水を含んだ多孔質部材72が利用される事によって、浄化機能がより多く発揮される。
【0045】
第二浸透槽15は、第二浸透槽内側面16が循環濾過槽40と貯留槽30に接して、第二浸透槽内側面を形成する部材が省略されており、第二浸透槽外側面17が地下の地面及び地層面に接して透水性部材で形成され、或いは地下の地面及び地層面をそのまま利用して第二浸透槽外側面17となっており、この第二浸透槽内側面16と第二浸透槽外側面17に囲まれた定型或いは不定形の空間が第二浸透槽15である。
【0046】
この、第一浸透槽または第二浸透槽の定型または不定形の空間は、流入した土砂による不透水層が形成された時に除去作業が容易に行えるように、連続気孔を有する多孔質部材が充填されていない空間である。
【0047】
第二浸透槽内側面16は、循環濾過槽40と貯留槽30を利用するため第二浸透槽内側面16の形成部材が省略されているが、第二浸透槽外側面17は、通常のコンクリートで製作したコーナーの内部に透水性コンクリート板を敷詰め、第二浸透槽外側面17を形成した。
【0048】
本実施例で使用した第二浸透槽外側面17は、コーナーと要所をコンクリートで製作し、内部に透水性コンクリート板を採用したが、これらはコンクリートに限定されるものではなく、定型或いは不定形を問わず所定強度を持ち、その一部が透水性を有する部材であれば良い。
また、地下の地面または地層面でもって第二浸透槽外側面17として代用する事もできるが、その場合、第二浸透槽15に貯水された水の浸食によって破壊される事が予測されるため、特に側面は、透水性部材で覆われている事が好ましい。
【0049】
第二浸透槽15と循環濾過槽40の上面に、人と物資が出入りできる出入口82を設け、第二浸透槽内部に水位計84を設置した。
【0050】
この水位計84は、第二浸透槽15に貯水された水92が地中に浸透するまでの経過が観測でき、不透水層の出現を予測する事によって、メンテナンス時期の判定に役立つものである。
【0051】
図3の雨水の第二浸透循環貯留槽2は、循環濾過槽40と貯留槽30の下方(を含む側方の片側だけ)に第二浸透槽15が形成されている浸透循環貯留槽1であって、第二浸透槽15に直接流入した雨水と循環濾過槽40の中仕切り部材42から水滴となって落下した水が、第二浸透槽15に貯水されている状態を表している。
以下図3について記述する。
【0052】
循環濾過槽40は、片方が地層面に接して循環濾過槽側材41によって形成されており、別の片方が中仕切り部材42によって第二浸透槽15と分離されており、中仕切り部材42の上方にも雨水の流入口81が接続されている。
【0053】
循環濾過槽40に流入した雨水は、土砂を含んだ水が中仕切り部材42の貫通孔45から水滴93となって第二浸透槽15の空間部に落下し、ネット状袋に充填され水を含んだ多孔質部材72を伝った水が、貯留槽30に達する様子を表した。
【0054】
第二浸透槽15に接続されている雨水の流入口81は、明らかに多くの土砂の混入が予測される地域からの雨水であり、循環濾過槽40に接続されている雨水の流入口81は、屋根や屋上など比較的清涼な水が予測される雨水が好ましい。
【0055】
図4に示す第二浸透循環貯留槽2は、循環濾過槽40と貯留槽30の側方(片方は下方ともいえる)に第二浸透槽15が形成されている浸透循環貯留槽2であって、第二浸透循環貯留槽2の下方全体に砂礫95を埋設した。
以下図4について記述する。
【0056】
図4は、晴天が続いて雨水の流入が途絶え、第二浸透槽15内の水が浸透し終えた時期において、貯留槽30内の水のみが循環している様子を表した。
即ち、貯留槽30の床面近傍にある吸入口(揚水手段50の一例である)から配水用貯水槽51へは電動ポンプ(揚水手段50の一例である)によって水が汲み上げられ、配水用貯水槽51から配水用排出口52へは高低差によって水が噴出し、循環濾過槽40のネット状袋に充填され水を含んだ多孔質部材72中を重力に従って落下し、貯留槽30に戻る様子を表した。
【0057】
また、大小の粒径が混在する砂礫95が堆積した扇状地は、崖端が崩れやすい欠点があるものの、非常に高い透水性を表し、多くの水無川を持っている。
従って本発明は、この扇状地の透水性能に着目し、第二浸透槽15下方(或いは貯留槽30を含む第二浸透槽15下方)に、所定粒度の砂礫95を埋設した。
【0058】
砂礫95を第二浸透槽15下方に埋設した場合は、周囲が土壌に覆われているため崖端が崩れやすい欠点が解消され、高い透水性能と共に大地震による液状化現象も起きにくく好ましい基礎部が出現する。
【0059】
本実施例で用いた砂礫95の所定粒度は、2mm程度の小粒から直径200mm程度の石が混ざった砂礫を用いたが、細かい粒径の均一な砂粒でなければこれ以外の粒径であっても良いものの、砂礫95は、砕石よりも丸く大小の粒径が混ざった河原に堆積している砂礫が好ましい。
【0060】
図5の第二浸透循環貯留槽2は、第二浸透槽外側面17が、透水性部材或いは不透水性部材で形成され、或いは地下の地面或いは地層面でもって形成されて、凹凸状の形状をしている、或いは凸状の突起を有している、或いは凹状の窪みを有している平面図である。
以下図5について記述する。
【0061】
第二浸透槽15は、雨水には多くの土砂の混入が予測される場合があり、凹凸の第二浸透槽外側面17が考案されたが、第二浸透槽外側面17は必ずしも凹凸に限定されるものではなく、平面に凸部分があるだけ、或いは凹部分があるだけ、或いは平面であっても良いが、浸透面が大きいほど有利であるため凹凸形状は好ましい。
【0062】
循環濾過槽40に流入した雨水は、ネット状袋に充填された水を含んだ多孔質部材72によって流速が極度に遅くなり、重い土砂が沈み、下方にある中仕切り部材42の溝部分に堆積し、堆積した土砂は,下方へ略30度の角度で施設された中仕切り部材42の斜め上方からの水に押され、水滴93に混ざって第二浸透槽15の空間部に落下する。
【0063】
水滴93と共に落下した土砂は、第二浸透槽外側面17の鉛直部分に堆積する事は少なく、より多くが平坦部に堆積する。
この場合、第二浸透槽外側面17が平坦であれば、全面に土砂が堆積し、不透水層が形成されて浸透機能が低下するが、第二浸透槽外側面17が凹凸形状であれば、堆積する土砂94は平たん部に限られ、浸透機能が長く維持される事になるため好ましい。
【0064】
図6の斜視図と、図7の平面図及び断面図は、同一の中仕切り部材42を表しており、この中仕切り部材42は、単一の部材で形成された凹凸形状である。
以下図6と図7について記述する。
【0065】
中仕切り部材42は、複数の部材を組合せる事によって、或いは単一の部材で、表面から裏面に通じる開口部44或いは貫通孔45或いは開口部44と貫通孔45の両方を有する部材で形成されている。
【0066】
は、貯留槽側材32の上端近傍から上方の外側に向って形成された凹凸形状であって、オーバーフロー用の開口部44が凸部上面に設けられ、凹部に濾過水を落とす複数の貫通孔45を設けた。
【0067】
本願発明の開口部44とは、循環濾過槽40に流入した雨水が大量である場合に、早く第二浸透槽15へ移動させるためのオーバーフロー用の大きな開放口である。
また貫通孔45とは、通常の雨水が流入した場合に、ネット状袋に充填され水を含んだ多孔質部材72を伝って貯留槽30へ向かう水を可能な限り清らかな水にするため、土砂を選択して第二浸透槽15へ落とすための孔であって、溝の先端に設けた口径の小さな貫通孔45である。
【0068】
中仕切り部材42の凸部は、貯留槽側材32から離れるに従って高く大きくなり、大きくなるに従って上面の開口部も大きくなっている。
その理由は、流入した雨水が大量であればあるほど、早く第二浸透槽15に移動させる必要があるためである。
【0069】
図7の平面図と断面図は、中仕切り部材42の斜視図と対比する平面図と断面図であって、平面図では、凹部の貫通孔45に隣接してV字状の溝が形成されている状態を表した。
【0070】
この溝は、土砂を含んだ雨水が表面のV字状溝に堆積し、隣接する貫通孔45から裏面の第二浸透槽15に落下させるための誘導溝である。
【0071】
また、本実施例では凹凸状の中仕切り部材42を採用したが、これらは凹凸状に限定されるものでなく、第二浸透槽15と隔離できる部材であって第二浸透槽15に通じる開口部44或いは貫通孔45があればよいが、多様な降雨条件に対応するためには、オーバーフロー用の開口部44と土砂を落下させるための貫通孔45は、両方ある部材が好ましい。
【0072】
図8に示す側面図と断面図は、複数の部材(支持枠と複数の略平板部材43)によって形成された中仕切り部材42であって、複数の略平板部材43を積層することによって貫通孔45が形成される仕組みをあらわした。
以下図8について記述する。
【0073】
略平板部材43は、上面に縦方向に貫通した凹状の溝がある凹凸形状であって、支持枠に縦方向に設置され、貯留槽側材32上端から一番遠くにある略平板部材43を基本とし、この略平板部材43の近い方の端部上面に別個の略平板部材43の遠い方の端部下面が重なって設置され、この積層方法を繰り返す事によって複数の略平板部材43が繋がって設置され、貫通孔45を持つ中仕切り部材42が形成されている。
【0074】
即ち、略平板部材43が斜め方向に連続する様は、日本建築の屋根瓦に似た形状であるが、雨水を下方へ順送りする屋根瓦に対し、積層する事によって貫通孔45が生まれ、その貫通孔から水滴を下方へ落とすのが目的であるため、積層方法が逆になる。
【0075】
側面図は、略平板部材43の1枚目43−1と2枚目43−2、2枚目43−2と3枚目43−3の積層部に生じた貫通孔45から水滴93が落下する様子を表した。
【0076】
点線円内の断面図は、側面図に示した略平板部材43の2枚目43−2と3枚目43−3の積層部を表す断面であって、2枚目略平板部材43−2の端部上面に、3枚目略平板部材43−3の端部下面が積層され、2枚目略平板部材43−2の溝部分にやがて水滴93となって落下する水が溜まっている状態を表した。
【0077】
本実施例では、コンクリート製支持枠とプラスチック製の略平板部材43を使用したが、これらは単独で或いは複合する事によって、開口部44或いは貫通孔45がある部材であれば、大きさ、材質、或いは設置角度が異なっても良い。
【0078】
図9は、多孔質部材70を合成樹脂製のネット袋に内包した概略図である。
循環濾過槽40と貯留槽30に充填する多孔質部材70は清涼な部材である必要があると同時に、流入する雨水が土砂を含むなど、相反する現象が予測され、また充填時やメンテナンス時における洗浄作業の容易さからも、多孔質部材70または濾過材73はネット状袋に充填されている事が好ましい。
以下図9について記述する。
【0079】
多孔質部材70は、循環濾過槽40や貯留槽30に充填される過程において、ネット状袋と袋間の空隙を無くして収まり具合を良くするため、20L用の合成樹脂製のネット袋に12L入れ、ネット状袋に余裕を持って充填されている多孔質部材71を製作した。
【0080】
多孔質部材70或いは濾過材73は、連続気孔を有する多孔質部材或いは濾過材である事が好ましい。
その理由は、多孔質部材70内部の細孔が連続して外部まで通じている連続気孔は、微生物が細孔内部に棲みつき、水が容易に出入りする事ができるため浄化作用が促進され、浄化された水が滞留することなく循環を繰り返す事ができるためである。
【0081】
ネット状袋に充填された多孔質部材71は、循環濾過槽40と貯留槽30に積層され充填されるが、循環濾過槽40には、防根ネットや濾過シートや濾過材(いずれも濾過材73の一例である)なども必要に応じて使用される。
【0082】
また、ネット状袋に充填された多孔質部材71を循環濾過槽40と貯留槽30に積層する場合は、隙間なく積層する場合と、充分に間隔をあけて空間部を多くして積層する場合があり、設置場所の状況によって選択できる。
【0083】
本実施例では、多孔質部材70として鹿児島産の軽石を使用したが、多孔質部材は必ずしも天然鉱物でなくてもよく、必ずしもネット状袋に入れて使用しなくてもよいが、ネット状袋に入れる方が、付着している粉末の処理、或いはメンテナンス時などにおいて扱いが容易であり、天産物の軽石は、火山ガスが抜け出た大きな連続気孔を持ち、安価であり、安定した物質(二酸化珪素)であるため好ましい。
【0084】
しかし、連続気孔を有する多孔質部材70は、粒子内部の細孔と粒子間の空隙が加わって大容量の貯水が可能な物質である反面、移動時に生じる摩擦によって粉末が発生するため、その防止策としてもネット状袋に入れる事が好ましい。
【0085】
図10の第二浸透循環貯留槽2は、大規模な洪水対策として大容量の第二浸透槽15に加え、下方に砂礫95を埋設して、流入した雨水を素早く地中に染み込ませる事に重点を置いた浸透循環貯留槽である。
加えて、大容量の第二浸透槽15に4個の循環濾過槽40と貯留槽30を設置し、地震対策も併せ持つ実用型の第二浸透循環貯留槽2である。
以下図10について記述する。
【0086】
例えば図10の第二浸透循環貯留槽2が、略楕円型をした不定形の第二浸透槽15であって、平均直径が100m、深さが6m、内部空間=50×50×3.14×6=略47,000立方メートルであり、内部に4個ある貯留槽30の合計体積が略30%であるから略14,000立方メートル、従って第二浸透槽15と循環濾過槽40の内部は=略33,000立方メートルであり、循環濾過槽40の内に充填されている多孔質部材の空隙率を考慮すると、第二浸透槽15と循環濾過槽40を合計して略30,000立方メートルの貯水可能な空間体積が存在する。
【0087】
それは、短時間降雨100mmの猛烈な集中豪雨があったと想定した場合、その半分程度が貯水され、半分程度が排水されると仮定すると、約6平方キロメートル範囲内の洪水災害が緩和さる量である。
【0088】
また、第二浸透槽15の内部に4個ある貯留槽30に貯留され飲料に供される水91は、貯留槽容積が略14,000立方メートル×空隙率70%=略10,000立方メートルの水が存在している計算であり、緊急時の飲料水やその他の用途に利用できる。
【0089】
本願発明に共通する浸透循環濾過槽1,2の上面は、多孔質部材が充填されている場合は蓋86、87を省略する事もできるが、第一浸透槽或いは第二浸透槽15が地表と接している上面は、透水性部材或いは不透水性部材で蓋86,87が必要であり、その上方も含めて、浸透循環貯留槽1,2の上面は、芝生などの植物が植えられ、或いは舗装され、或いは土壌で覆う事も可能である。
【0090】
現在の大都市は、透水性が失われて急激な豪雨災害の危険性が潜んでいます。
この豪雨災害を食い止めるには新たな大容量の排水設備と膨大な費用が必要ですが、本願発明は雨水を一時的に貯水して豪雨災害を緩和し、時間差を設けて地中に浸透させる事によって地下水を補充し、貯水した一部を浄化させて緊急時の飲料水として貯留するシンプルな設備です。
しかし、急激な豪雨は大量の土砂を含み、滞留した土砂が不透水層を形成して浸透機能を阻害する事が予測されるため、容易にメンテナンスが行える形状を考案し、メンテナンス作業によって浸透機能を復活させ、恒久的な洪水の予防と飲料水が貯留されている防災エリアを提供します。
【符号の説明】
【0091】
1 第一浸透循環貯留槽
2 第二浸透循環貯留槽
10 第一浸透槽
11 第一浸透槽床面
12 第一浸透槽側面
15 第二浸透槽
16 第二浸透槽内側面
17 第二浸透槽外側面
20 循環貯留槽
21 循環貯留槽床材
22 循環貯留槽側材
30 貯留槽
31 貯留槽床材
32 貯留槽側材
40 循環濾過槽
41 循環濾過槽側材
42 中仕切り部材
43 略平板部材(中仕切り部材の)
44 開口部(中仕切り部材の)
45 貫通孔(中仕切り部材の)
50 揚水手段
51 配水用貯水槽
52 配水用排出口
60 給気手段
61 気泡
70 多孔質部材
71 ネット状袋に充填された多孔質部材
72 ネット状袋に充填され、水を含んだ多孔質部材
73 濾過材(顆粒状濾過材、シート状濾過材)
81 雨水の流入口
82 出入口(物資・人)
83 固定手段
84 水位計
85 スノコ
86 蓋(透水性部材)
87 蓋(不透水性部材)
91 飲料に供される水
92 地中に浸透する水
93 水滴
94 堆積した土砂
95 砂礫
96 地表(植物、土壌、舗装、コンクリートなど)
97 地中

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設されている雨水の第一浸透循環貯留槽であって、
前記第一浸透循環貯留槽は、第一浸透槽と循環貯留槽によって構成されており、
前記第一浸透槽は、地下の地面に接して所定面積を有する第一浸透槽床面があり、前記第一浸透槽床面を取り囲むように周縁部の地層面に接して所定高さの第一浸透槽側面があり、前記第一浸透槽床面及び前記第一浸透槽側面の少なくとも一部が透水性部材で形成され或いは少なくとも一部が地下の地面または地層面でもって形成されている定型または不定形の空間であって、
前記循環貯留槽は、前記第一浸透槽床面の所定面積以内の面積を有する循環貯留槽床材が、前記第一浸透槽床面から離れた上方に位置して形成され、前記第一浸透槽側面の所定高さ以内の高さを有する循環貯留槽側材が、前記循環貯留槽床材の周縁部上方を取り囲むように接続され、前記第一浸透槽側面から離れた内側に位置して形成されており、前記循環貯留槽床材及び前記循環貯留槽側材が不透水性部材で形成され、内部の少なくとも一部に連続気孔を有する多孔質部材が少なくとも充填されており、
前記循環貯留槽床材の上面近傍にある吸入口から上方の排出口に向って、水を配水する揚水手段が設けられている
雨水の浸透循環貯留槽。
【請求項2】
地中に埋設されている雨水の第二浸透循環貯留槽であって、
前記第二浸透循環貯留槽は、第二浸透槽と循環濾過槽と貯留槽によって構成されており、
前記貯留槽は、所定面積を有する貯留槽床材と前記貯留槽床材の周縁部上方を取囲む貯留槽側材で囲まれた部位であって、前記貯留槽床材と前記貯留槽側材が不透水性部材で形成されており、内部の少なくとも一部に多孔質部材或いは濾過材が少なくとも充填されており、
前記循環濾過槽は、前記貯留槽の上方にあって、側面の少なくとも一部が中仕切り部材或いは中仕切り部材と循環濾過槽側材によって形成され、下面の少なくとも一部が前記貯留槽の上面と接して解放されており、内部の少なくとも一部に多孔質部材或いは濾過材が少なくとも充填されており、
前記第二浸透槽は、第二浸透槽内側面と第二浸透槽外側面によって囲まれた定型または不定形の空間であって、前記第二浸透槽内側面は、前記循環濾過槽と前記貯留槽に接する面であって内側面を形成する部材が省略されており、前記第二浸透槽外側面は、地下の地面或いは地層面或いは地表に接する面であって少なくとも一部が透水性を有する外側面部材で形成され或いは少なくとも一部が地下の地面或いは地層面でもって形成され、前記循環濾過槽と前記貯留槽の下方に或いは下方を含む側方に或いは側方に形成されており、
前記貯留槽にある吸入口から前記循環濾過槽にある配水用排出口へ、水を配水する揚水手段が設けられている
雨水の浸透循環貯留槽。
【請求項3】
前記第一浸透槽または前記第二浸透槽の定型または不定形の空間は、少なくとも連続気孔を有する多孔質部材が充填されていない空間である
請求項1、請求項2のいずれかに記載されている雨水の浸透循環貯留槽。
【請求項4】
前記中仕切り部材は、少なくとも一部の前記貯留槽側材の上端近傍から上方の外側に向って形成されている部材であって、表面から裏面に通じる開口部或いは貫通孔が設けられている
請求項2に記載されている雨水の浸透循環貯留槽。
【請求項5】
前記浸透循環貯留槽が地表と接している少なくとも一部は、透水性部材或いは不透水性部材で蓋がされている、或いは植物が植えられている、或いは舗装がされている、或いは土壌で覆われている
請求項1、請求項2のいずれかに記載されている雨水の浸透循環貯留槽。
【請求項6】
前記第一浸透槽の内部に複数の前記循環貯留槽が形成されている、または前記第二浸透槽の内部に複数の前記循環濾過槽と前記貯留槽が形成されている
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかに記載されている雨水の浸透循環貯留槽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−53406(P2013−53406A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190259(P2011−190259)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【特許番号】特許第4947531号(P4947531)
【特許公報発行日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【出願人】(304049248)株式会社 宮田エンジニアリング (10)
【Fターム(参考)】