説明

電力送給方法、電力送給システム及び移動体

【課題】移動体を介して運ばれた電力をマイクログリッド間で融通し合うことが可能な電力送給方法、電力送給システム、及び移動体を提供する。
【解決手段】大容量の太陽光発電装置4,4が発電した発電電力の一部又は全部を、第1蓄電装置1が有する第1蓄電池11に蓄電し、発電電力のうち第1蓄電池11への蓄電に使用されない電力、及び/又は第1蓄電池11に蓄電した電力によって、移動体3,・・3に搭載された第3蓄電池を充電する。負荷が存する地域に移動体3,・・3が移動した場合、第3蓄電池から放電された放電電力の一部又は全部を、前記地域内に配された第2蓄電装置が有する第2蓄電池に蓄電するようにしてあり、放電電力のうち、第2蓄電池への蓄電に使用されない電力、及び/又は第2蓄電池に蓄電した電力が、負荷にて消費すべき電力に振り向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池を搭載した移動体を用いて電力を送給する電力送給方法、電力送給システム、及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、既存の商用電力系統からの電力にのみ依存することなく、地域内の電力供給源から供給された電力によって地域内の電力需要の一部又は全部を賄う、いわゆるマイクログリッドが着目されている。マイクログリッドは、地産地消型、且つ自律分散型の小規模電力ネットワークであり、電力供給源として、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、コジェネレーション等の分散型電源を備えている。
【0003】
例えば、特許文献1では、分散型電源装置及び負荷を接続する電力供給線に、充放電装置を介して大容量大出力の二次電池(蓄電池)を接続し、電力供給線における電力供給の状態及び二次電池の状態を検知する検知装置と、該検知装置で検知した各状態に基づいて電源装置及び充放電装置を制御する制御装置とを備え、電力供給線に電力余剰が推定されるときに二次電池を充電し、電力不足が推定されるときに二次電池を放電させるマイクログリッドが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−159225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたマイクログリッドは、二次電池を用いてマイクログリッド内の供給電力と需要電力の調整を行うことにより、分散型電源装置を経済的に使用することを目的とするものであり、余剰電力をマイクログリッド外へ送給して有効活用することまでは考慮されていない。これに対し、例えばマイクログリッドの余剰電力を電力系統に送給して売電する場合は、いわゆる逆潮流となる電力の品質を一定以上に保つことが必要である上に、受電契約が大口であるほど売電の単価が低くなるという不利益がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移動体を介して運ばれた電力をマイクログリッド間で融通し合うことが可能な電力送給方法、電力送給システム、及び移動体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電力送給方法は、電力を発電して第1蓄電池に蓄電する発蓄電装置から、第2蓄電池に蓄電した電力を消費する負荷に電力を送給する方法において、第3蓄電池を搭載した移動体を用意し、前記発蓄電装置が発電した電力及び/又は前記第1蓄電池に蓄電した電力によって前記第3蓄電池を充電し、前記移動体を移動させ、充電した前記第3蓄電池を放電させた電力によって、前記第2蓄電池への蓄電、及び/又は前記負荷への電力の送給を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る電力送給システムは、電力を発電して第1蓄電池に蓄電する発蓄電装置から、第2蓄電池に蓄電した電力を消費する負荷に電力を送給する電力送給システムにおいて、第3蓄電池を搭載した移動体と、前記発蓄電装置が発電した電力及び/又は前記第1蓄電池に蓄電された電力によって前記第3蓄電池を充電する第1充電器と、該第1充電器が充電した第3蓄電池によって、前記第2蓄電池への蓄電、及び/又は前記負荷への電力の送給を行う第2充電器とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る電力送給システムは、前記第1充電器及び第2充電器は、前記移動体が備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る電力送給システムは、前記発蓄電装置は、電力系統に接続されており、発電した電力の一部又は全部を前記電力系統に送給するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電力送給システムは、自然エネルギーを利用して発電する発電装置を備え、該発電装置によって、前記第2蓄電池への蓄電、及び/又は前記負荷への電力の送給を行うようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る電力送給システムは、前記第2蓄電池及び負荷は、電力系統に接続されており、前記第2蓄電池に蓄電すべき電力及び/又は前記負荷にて消費すべき電力の一部又は全部を前記電力系統との間で授受するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る電力送給システムは、前記第3蓄電池を充電するか否かの選択を受け付ける第1受付手段を備え、前記第2充電器は、前記第1受付手段が、充電する選択を受け付けた場合、前記第2蓄電池に蓄電した電力、及び/又は前記第2蓄電池に蓄電すべき電力によって、前記第3蓄電池を充電するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る電力送給システムは、前記第2充電器は、前記第1受付手段が、充電しない選択を受け付けた場合、前記第3蓄電池を放電させて、前記第2蓄電池への蓄電、及び/又は前記負荷への電力の送給を行うようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る電力送給システムは、前記第1受付手段が受け付けた選択の結果に応じて、充電量又は放電量の設定を受け付ける第2受付手段を備え、前記第2充電器は、前記第2受付手段が受け付けた充電量又は放電量の設定に応じて、前記第3蓄電池の充電量又は放電量を調整するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る電力送給システムは、前記第3蓄電池の充放電中に充放電の停止を受け付ける第3受付手段を備え、前記第2充電器は、前記第3受付手段が受け付けた場合、前記第3蓄電池の充放電を停止するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る移動体は、電力を蓄電する蓄電池を搭載してあり、外部装置からの電力によって前記蓄電池に充電する充電器を備える移動体において、前記蓄電池を充電するか放電するかの選択を受け付ける受付手段を備え、前記充電器は、前記蓄電池から外部装置へ放電させることが可能に構成してあり、且つ、前記受付手段が受け付けた選択結果に応じて、充電及び放電を切り替えるようにしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、発蓄電装置が発電した発電電力の一部又は全部を第1蓄電池に蓄電するようにしてあり、発電電力のうち第1蓄電池への蓄電に使用されない電力、及び/又は第1蓄電池に蓄電した電力によって、移動体に搭載された第3蓄電池を充電する。また、負荷が存する地域に移動体が移動した場合、第3蓄電池から放電された放電電力の一部又は全部を第2蓄電池に蓄電するようにしてあり、放電電力のうち、第2蓄電池への蓄電に使用されない電力、及び/又は第2蓄電池に蓄電した電力が、負荷にて消費すべき電力に振り向けられる。
このように、発蓄電装置側から負荷側に移動する移動体により、蓄電装置にて発電された電力が負荷に送給される。
【0019】
本発明にあっては、第3蓄電池を充電する第1充電器と、第3蓄電池を放電させて第2蓄電池及び/又は負荷に電力を送給する第2充電器とが移動体に備わっているため、移動体の接続先に対する制約を削減することが可能となる。第1充電器の一部又は全部に第2充電器の一部又は全部を兼用させることも可能である。また、移動体が充放電器を標準的に備えている場合は、充放電器の一部又は全部を流用することが可能となる。
【0020】
本発明にあっては、発蓄電装置が発電した発電電力のうち、第1蓄電池及び第3蓄電池の蓄電に使用されない余剰電力を、発蓄電装置に接続された電力系統に送給する。
これにより、発電電力の余剰電力を売電することができる。
【0021】
本発明にあっては、太陽光、風力、波力等の自然エネルギーを利用する発電装置を第2蓄電池及び負荷に接続してあり、発電装置が発電した電力が、第3蓄電池から放電された放電電力と合算されて、第2蓄電池に蓄電すべき電力、及び/又は負荷にて消費すべき電力となる。
【0022】
本発明にあっては、第2蓄電池及び負荷を電力系統に接続してあり、第2蓄電池への蓄電及び/又は負荷での消費に用いられるべき電力の一部又は全部を、電力系統との間で授受する。これにより、負荷側で消費すべき電力の過不足に応じて、電力系統に対する売電及び買電が行える。
【0023】
本発明にあっては、第3蓄電池を充電するか否かの選択を受け付ける。この選択は、例えば移動体側で受け付けて負荷側に通知してもよいし、負荷側で受け付けるようにしてもよい。
充電する選択を受け付けた場合、負荷側に電力の供給源が接続されていないときは、第2蓄電池に蓄電した電力によって第3蓄電池を充電する。負荷側に電力の供給源が接続されているときは、その供給源からの電力によって、第3蓄電池を充電すべき電力まで賄える限りにおいて、前記供給源から第2蓄電池に蓄電すべき電力の一部又は全部が第3蓄電池を充電すべき電力となり、賄えない限りは、不足する電力を第2蓄電池の放電によって補う。
これにより、充電が選択された第3蓄電池に蓄電された電力によって移動体が駆動される場合は、移動体の移動範囲を拡大することができる。
【0024】
本発明にあっては、第3蓄電池を充電しない選択を受け付けた場合、充電も放電もしない選択を受け付けたときを除いて、第3蓄電池を放電させる。第3蓄電池が放電した電力は、負荷にて消費されるべき電力、及び/又は第2蓄電池に蓄電すべき電力となる。
【0025】
本発明にあっては、第3蓄電池を充電する選択を受け付けた場合、充電量の設定を受け付け、第3蓄電池を充電しない選択を受け付けた場合、放電量の設定を受け付ける。これらの設定は、例えば移動体側で受け付けて負荷側に通知してもよいし、負荷側で受け付けるようにしてもよい。
また、充電量の設定を受け付けた場合、受け付けた設定量に応じて第3蓄電池の充電量を調整し、放電量の設定を受け付けた場合、受け付けた設定量に応じて第3蓄電池の放電量を調整する。
これにより、第3蓄電池に蓄電すべき電力量、及び第3蓄電池から放電可能な電力量を設定することができる。
【0026】
本発明にあっては、第3蓄電池を充電している間及び放電させている間に充放電の停止を受け付ける。これらの停止は、例えば移動体側で受け付けて負荷側に通知してもよいし、負荷側で受け付けるようにしてもよい。
また、充放電の停止を受け付けた場合、第3蓄電池の充電及び放電を停止させる。これにより、例えば充放電を一旦停止して充電から放電に(又は放電から充電に)切り替えることもできる。
【0027】
本発明にあっては、移動体に搭載した蓄電池を充電するか放電するかの選択を移動体にて受け付け、受け付けた選択結果に応じて、外部装置から蓄電池に行う充電と、蓄電池から外部装置に行う放電とを切り替える。
これにより、外部装置に対する蓄電池の充放電の切り替えを移動体のみで行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、発蓄電装置が発電した発電電力の一部又は全部を第1蓄電池に蓄電するようにしてあり、発電電力のうち第1蓄電池への蓄電に使用されない電力、及び/又は第1蓄電池に蓄電した電力によって、移動体に搭載された第3蓄電池を充電する。また、負荷が存する地域に移動体が移動した場合、第3蓄電池から放電された放電電力の一部又は全部を第2蓄電池に蓄電するようにしてあり、放電電力のうち、第2蓄電池への蓄電に使用されない電力、及び/又は第2蓄電池に蓄電した電力が、負荷にて消費すべき電力に振り向けられる。
このように、発蓄電装置側から負荷側に移動する移動体により、蓄電装置にて発電された電力が負荷に送給される。従って、移動体を介して運ばれた電力をマイクログリッド間で融通し合うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電力送給システムの構成例の一部を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電力送給システムの構成例の他の一部を示すブロック図である。
【図3】移動体及び第1制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図4】第1電源ラインの電圧に基づいて電力系統への電力の送給を制御する第1制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第3蓄電池への充電を制御する移動体制御部のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2電源ラインの電圧に基づいて電力系統に対する電力の授受を制御する第2制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第3蓄電池に対する充放電を制御する移動体制御部のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第3蓄電池に対する充放電量を制御する移動体制御部のCPUの処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る電力送給システムの構成例の一部を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る電力送給システムの構成例の一部を示すブロック図である。
【図11】第1A電源ライン及び第1B電源ラインの電圧に基づいて第1A蓄電池及び第1B蓄電池の切り替えを制御する第1制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力送給システムの構成例の一部を示すブロック図であり、図2は、本発明の実施の形態1に係る電力送給システムの構成例の他の一部を示すブロック図である。電力送給システムのうち、図1に示した一部と、図2に示した他の一部とは、物理的に離隔した地域に位置している相異なるマイクログリッドとみなすことができる。後述する第3蓄電池31を各別に搭載した車両からなる移動体3,3,・・3は、これらの地域間を双方向に移動するものである。移動体として船舶、電車等の乗り物を用いてもよい。尚、図中の矢印は、電力が向かう方向を示す。
【0031】
図中1は、電力を蓄電する第1蓄電装置であり、第1蓄電装置1は、例えばリチウムイオン電池又はニッケル水素電池からなる第1蓄電池11と、該第1蓄電池11及び第1電源ライン10間の直流電力の授受を自律的に制御するDC/DCコンバータ12とからなる。第1電源ライン10には、交流電力にて動作する工場内の負荷44にDC/ACインバータ45を介して電力を供給する太陽光発電装置4,4を備える工場内電力設備100と、移動体3,3,・・3と、第1電源ライン10の電圧を平準化する電気二重層キャパシタ13と、第1電源ライン10から電力系統5に電力を送給するDC/ACインバータ14とが接続されている。
【0032】
移動体3,3,・・3の夫々は、コネクタ38,38,・・38を介して接続されるようにしてある。電力系統5及びDC/ACインバータ14間には、電力計及び系統保護リレーを含む系統I/F15が介装されている。DC/DCコンバータ12及びDC/ACインバータ14には、CPU191を有する第1制御装置19が接続されている。
尚、太陽光発電装置4,4及び第1蓄電装置1が、発蓄電装置を構成する。また、太陽光発電装置4に代えて、風力発電装置、波力発電装置等の自然エネルギーを利用した発電装置を用いてもよい。
【0033】
図2中の2は、電力を蓄電する第2蓄電装置であり、第2蓄電装置2は、例えばリチウムイオン電池又はニッケル水素電池からなる第2蓄電池21と、該第2蓄電池21及び第2電源ライン20間の直流電力の授受を自律的に制御するDC/DCコンバータ22とからなる。第2電源ライン20には、交流電力にて動作する負荷7及び太陽光発電装置6を各別に備える家庭内電力設備200,200と、図1に示す電力送給システムの一部から流入した移動体3,3,・・3と、第2電源ライン20の電圧を平準化する電気二重層キャパシタ23と、第2電源ライン20から電力系統5に電力を送給するDC/ACインバータ24とが接続されている。
【0034】
ここでも移動体3,3,・・3の夫々は、コネクタ38,38,・・38を介して接続されるようにしてある。DC/ACインバータ24は、電力系統5から受電した交流電力を直流電力に変換して第2電源ライン20に供給するAC/DCコンバータの役割を兼ね備えている。電力系統5及びDC/ACインバータ24間には、電力計及び系統保護リレーを含む系統I/F25が介装されている。DC/ACインバータ24には、CPU291を有する第2制御装置29が接続されている。
尚、太陽光発電装置6は、上述した他の自然エネルギーを利用した発電装置であってもよく、これらの発電装置を集合住宅にのみ備えるようにしてもよいし、必ずしも備えなくてもよい。
【0035】
図1に示す各太陽光発電装置4は、工場等の大規模設備に設置される大容量の太陽電池パネル41を備え、該太陽電池パネル41が発電した直流電力が、DC/DCコンバータ42で適当な電圧及び電流に変換され、変換された電力が、第1電源ライン10を通じて第1蓄電装置1の第1蓄電池11、及び/又は移動体3,3,・・3夫々の第3蓄電池31,31,・・31(図3参照)に供給される。この場合、制御部43が、太陽電池パネル41の最大電力追従制御を行うと共に、第1電源ライン10を通じて供給すべき電力の大/小を、電流の大/小によって制御する。各太陽光発電装置4が発電した電力の一部は、工場内の負荷44にて消費されるが、以下では、各太陽光発電装置4が発電した電力から負荷44にて消費される電力を差し引いた電力が、後述する発電電力であるものとして説明する。
【0036】
第1蓄電装置1の第1蓄電池11は、太陽光発電装置4,4が発電した発電電力の一部又は全部を蓄電する。第1蓄電池11に蓄電された電力及び/又は第1蓄電池11への蓄電に使用されない発電電力によって、移動体3,3,・・3夫々の第3蓄電池31,31,・・31が充電される。即ち、発電電力によって第3蓄電池31,31,・・31の充電が賄える場合は、発電電力によって第3蓄電池31,31,・・31を充電すると共に第1蓄電池11に蓄電し、発電電力によって第3蓄電池31,31,・・31の充電が賄えない場合は、第3蓄電池31,31,・・31の充電に不足する電力を、それまで発電電力によって蓄電していた第1蓄電池11の放電によって補う。
【0037】
DC/DCコンバータ12は、第1電源ライン10における電力の需要と供給の均衡を保つように、第1蓄電池11に対する充放電を自律的に制御する。即ち、第1電源ライン10を通じて供給される電力が消費される電力より大きくなる場合、供給される電力によって第1蓄電池11を充電することにより、過剰な電力が適当に蓄電される。また、第1電源ライン10を通じて供給される電力が消費される電力より小さい場合、第1電源ライン10を通じて第1蓄電池11を放電させることにより、不足する電力が適当に補われる。これにより、第1電源ライン10の電圧変動が所定の範囲内(例えば、基準電圧の±10%)に収まるように制御される。
電気二重層キャパシタ13は、大容量のコンデンサであり、第1電源ライン10における秒単位以下の短時間内の電圧変動を緩和させるように作用する。
【0038】
第1制御装置19は、第1蓄電池11の端子電圧を時系列的に検出しており、端子電圧が放電終止電圧(第1蓄電池11がリチウムイオン電池の場合、例えば2.5V/単位セル)まで低下した場合、第1蓄電池11を保護するために、第1電源ライン10に向かう方向のDC/DCコンバータ12の動作をオフさせる。この場合、第1制御装置19及び移動体3が通信可能に接続されているときは、第1制御装置19から移動体3に充電の停止を促す通知を送信するようにしてもよい。
第1制御装置19は、また、第1電源ライン10の電圧を時系列的に検出しており、電圧の変化率が増加傾向にある場合、且つ、第1蓄電池11の端子電圧が略満充電(第1蓄電池11がリチウムイオン電池の場合、例えば4.2V/単位セル)まで上昇した場合、電力系統5に対する売電を行うためにDC/ACインバータ14を動作させる。これにより、第1電源ライン10を通じて供給される電力が過剰となった場合であっても、第3蓄電池31,31,・・31の蓄電に使用されない余剰電力が電力系統5に送給される。
【0039】
次に図2に移って、各家庭内電力設備200が備える負荷7は、第2電源ライン20に接続されたDC/ACインバータ71から交流電力を供給されている。また、太陽光発電装置6は、小容量の太陽電池パネル61を有し、該太陽電池パネル61が発電した直流電力が、DC/DCコンバータ62で適当な電圧及び電流に変換され、変換された電力が、第2電源ライン20を通じて外部に供給される。この場合、制御部63が、太陽電池パネル61の最大電力追従制御を行うと共に、第2電源ライン20を通じて供給すべき電力の大/小を、電流の大/小によって制御する。
尚、負荷7が直流電力にて動作する場合は、DC/ACインバータ71をDC/DCコンバータに置き換えればよい。
【0040】
第2蓄電装置2の第2蓄電池21は、移動体3,3,・・3夫々の第3蓄電池31,31,・・31から放電された放電電力に太陽光発電装置6,6が発電した電力を合算した合算電力の一部又は全部を蓄電する。第2蓄電池21に蓄電された電力及び/又は第2蓄電池21への蓄電に使用されない合算電力が、負荷7,7での電力消費に振り向けられる。即ち、合算電力によって負荷7,7での電力消費が賄える場合は、合算電力を負荷7,7にて消費した残りの電力によって第2蓄電池21に蓄電し、賄えない場合は、負荷7,7での消費に不足する電力を第2蓄電池21の放電によって補う。
【0041】
DC/DCコンバータ22は、第2電源ライン20における電力の需要と供給の均衡を保つように、第2蓄電池21に対する充放電を自律的に制御する。即ち、第2電源ライン20を通じて供給される電力が消費される電力より大きくなる場合、供給される電力によって第2蓄電池21を充電することにより、過剰な電力が適当に蓄電される。また、第2電源ライン20を通じて供給される電力が消費される電力より小さい場合、第2電源ライン20を通じて第2蓄電池21を放電させることにより、不足する電力が適当に補われる。これにより、第2電源ライン20の電圧変動が所定の範囲内(例えば、基準電圧の±10%)に収まるように制御される。
電気二重層キャパシタ23は、大容量のコンデンサであり、第2電源ライン20における秒単位以下の短時間内の電圧変動を緩和させるように作用する。
【0042】
第2制御装置29は、第2蓄電池21の端子電圧を時系列的に検出しており、端子電圧が放電終止電圧(第1蓄電池11がリチウムイオン電池の場合、例えば2.5V/単位セル)まで低下した場合、電力系統5から買電するためにDC/ACインバータ24をAC/DCコンバータとして動作させる。これにより、第1電源ライン10を通じて供給される電力が不足する場合であっても、電力系統5から受電することができる。
【0043】
第2制御装置29は、また、第2電源ライン20の電圧を時系列的に検出しており、電圧の変化率が増加傾向にある場合、且つ、第2蓄電池21の端子電圧が略満充電(第1蓄電池11がリチウムイオン電池の場合、例えば4.2V/単位セル)まで上昇した場合、電力系統5に対する売電を行うために、DC/ACインバータ24を動作させる。これにより、第2電源ライン20を通じて供給される電力が過剰となった場合であっても、余剰電力が電力系統5に送給される。
このようにして、第2蓄電池21に蓄電すべき電力と負荷7,7にて消費すべき電力とを合算した電力より大きい電力が、第3蓄電池31,31,・・31及び太陽光発電装置6,6から負荷7,7側に送給される場合は、前記合算した電力を超える余剰電力を電力系統5に送給し、余剰電力がない場合は、電力系統5から受電する。
【0044】
次に、移動体3及び第1制御装置19の構成について説明する。
図3は、移動体3及び第1制御装置19の要部構成を示すブロック図である。尚、CPU291を有する第2制御装置29の構成については、第1制御装置19の構成と同様であるため、その説明を省略する。また、図3では、移動体3がコネクタ38を介して第1電源ライン10に接続されている場合を例示する。移動体3は、DC/DCコンバータ32を介して電力を充放電する第3蓄電池31を搭載しており、該第3蓄電池31の充放電を制御する移動体制御部39を備える。
尚、DC/DCコンバータ32及び移動体制御部39が、第1充電器及び第2充電器を構成する。
【0045】
移動体制御部39は、CPU391を含み、CPU391は、プログラム等の情報を記憶するROM392、一時的に発生した情報を記憶するRAM393、並びにLCD及びタッチパネルからなる操作表示部33を制御するためのLCDI/F394とバス接続されている。CPU391は、ROM392に予め格納されている制御プログラムに従って、入出力、演算等の処理を実行する。CPU391には、また、第1電源ライン10の電圧及び第3蓄電池31の端子電圧を夫々デジタル値に変換して検出するためのA/D変換器396,397と、DC/DCコンバータ32の動作方向及び動作のオン/オフを制御するためのI/Oポート395とがバス接続されている。
【0046】
尚、移動体3が第2電源ライン20に接続されている場合、A/D変換器396が第2電源ライン20の電圧をデジタル値に変換することは言うまでもない。
本実施の形態1では、移動体3が第2電源ライン20に接続された場合、第3蓄電池31について、充電若しくは放電を行うか、又は何れも行わないかの選択が可能であり、これらの選択は操作表示部33によって受け付けられるようになっている。第3蓄電池31を充電するか又は放電するかの選択を受け付けるようにしてもよい。
【0047】
次に、第1制御装置19が有するCPU191は、プログラム等の情報を記憶するROM192、及び一時的に発生した情報を記憶するRAM193とバス接続されており、ROM192に予め格納されている制御プログラムに従って、入出力、演算等の処理を実行する。CPU191には、また、第1電源ライン10の電圧及び第1蓄電池11の端子電圧を夫々デジタル値に変換して検出するためのA/D変換器196,197と、DC/ACインバータ14の動作をオン/オフするためのI/Oポート194と、電力が第1電源ライン10に向かう方向のDC/DCコンバータ12の動作をオフさせるためのI/Oポート195とがバス接続されている。
【0048】
以下では、上述した電力送給システムの動作を、それを示すフローチャートを用いて図1側及び図2側の順に説明する。
図4は、第1電源ライン10の電圧に基づいて電力系統5への電力の送給を制御する第1制御装置19のCPU191の処理手順を示すフローチャートである。図4の処理は、例えば5秒毎に起動されるが、起動周期は5秒に限定されるものではない。尚、CPU191がI/Oポート194,195の夫々を用いてDC/ACインバータ14及びDC/DCコンバータ12の動作を制御した結果(例えばオン/オフの状態)は、RAM193に記憶する。
【0049】
図4の処理が起動された場合、CPU191は、A/D変換器196を用いて検出した第1電源ライン10の電圧について、電圧変化率の増減傾向を把握する(S11)。具体的には、例えば、別途定周期で検出した第1電源ライン10の電圧を時間微分して微分値を算出する。その後、CPU191は、電圧変化率が増加傾向にあるか否かを判定し(S12)、増加傾向にある場合(S12:YES)、即ち算出した微分値が正の場合、CPU191は、A/D変換器197を用いて第1蓄電池11の端子電圧を検出して、第1蓄電池11が略満充電となっているか否かを判定する(S13)。
【0050】
第1蓄電池11の端子電圧が略満充電とはなっていない場合(S13:NO)、CPU191は、そのまま図4の定周期処理を終了する。略満充電となっている場合(S13:YES)、CPU191は、第1蓄電池11の端子電圧がそのまま上昇するのを防止するために、I/Oポート194を用いてDC/ACインバータ14の動作をオンさせる。これにより、電力系統5に対する売電を開始する(S14)。その後、CPU191は、図4の定周期処理を終了する。
【0051】
ステップS12で電圧変化率が増加傾向にない場合(S12:NO)、即ち算出した微分値が略零又は負の場合、CPU191は、電力系統5に対して売電中であるか否か、即ちDC/ACインバータ14の動作をオンさせているか否かを判定する(S15)。売電中の場合(S15:YES)、売電している電力を第1蓄電池11に蓄電させるために、CPU191は、DC/ACインバータ14の動作をオフさせて売電を停止し(S16)、図4の定周期処理を終了する。売電中ではない場合(S15:NO)、CPU191は、A/D変換器197を用いて検出した第1蓄電池11の端子電圧が放電終止電圧まで低下したか否かを判定する(S17)。
【0052】
放電終止電圧まで低下していない場合(S17:NO)、CPU191は、そのまま図4の定周期処理を終了する。放電終止電圧まで低下した場合(S17:YES)、CPU191は、I/Oポート195を用いて、電力が第1電源ライン10に向かう方向のDC/DCコンバータ12の動作をオフさせることにより、第1蓄電池11の放電を停止させて(S18)、図4の定周期処理を終了する。
【0053】
次に、移動体3を第1電源ライン10に接続したときの動作について説明する。
図5は、第3蓄電池31への充電を制御する移動体制御部39のCPU391の処理手順を示すフローチャートである。図5の処理は、移動体3が第1電源ライン10又は第2電源ライン20に接続可能となった時に起動される。
【0054】
図5の処理が起動された場合、CPU391は、移動体3が第1電源ライン10に接続されたか否かを判定し(S21)、接続されるまで待機している(S21:NO)。この場合の接続は、例えばA/D変換器396に所定の電圧が印加されたことから検出すればよい。接続先が第1電源ライン10及び第2電源ライン20の何れであるかは、例えば図示しないスイッチを用いて接触を検出すればよい。移動体3が第1電源ライン10に接続された場合(S21:YES)、CPU391は、I/Oポート395を用いて、電力が第3蓄電池31に向かう方向のDC/DCコンバータ32の動作をオンさせることにより、第3蓄電池31の充電を開始する(S22)。
【0055】
その後、CPU391は、A/D変換器396を用いて検出した第1電源ライン10の電圧が、例えば基準電圧の−10%である略下限電圧まで低下したか否かを判定し(S23)、低下していない場合(S23:NO)、A/D変換器397を用いて第3蓄電池31の端子電圧を検出し、第3蓄電池31が略満充電となっているか否かを判定する(S24)。満充電とはなっていない場合(S24:NO)、CPU391は、処理をステップS23に戻す。満充電となっている場合(S24:YES)、又はステップS23で第1電源ライン10の電圧が略下限電圧まで低下した場合(S23:YES)、CPU391は、I/Oポート395を用いて、DC/DCコンバータ32の動作をオフさせることにより、第3蓄電池31の充電を終了して(S25)図5の処理を終了する。
【0056】
次に、図2側の動作について説明する。
図6は、第2電源ライン20の電圧に基づいて電力系統5に対する電力の授受を制御する第2制御装置29のCPU291の処理手順を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば5秒毎に起動されるが、起動周期は5秒に限定されるものではない。尚、CPU291が図示しないI/Oポートを用いてDC/ACインバータ24の動作を制御した結果(例えば変換した電力の向かう方向と、オン/オフの状態)は、図示しないRAMに記憶する。
【0057】
図6の処理が起動された場合、CPU291は、図示しないA/D変換器を用いて検出した第2電源ライン20の電圧について、電圧変化率の増減傾向を把握する(S30)。具体的には、例えば、別途定周期で検出した第2電源ライン20の電圧を時間微分して微分値を算出する。その後、CPU291は、電圧変化率が増加傾向にあるか否かを判定し(S31)、電圧変化率が増加傾向にある場合(S31:YES)、即ち算出した微分値が正の場合、CPU291は、電力系統5に対して買電中であるか否か、即ちDC/ACインバータ24をAC/DCコンバータとして動作させているか否かを判定する(S32)。買電中である場合(S32:YES)、CPU291は、DC/ACインバータ24のAC/DCコンバータとしての動作をオフさせて買電を停止し(S33)、図6の定周期処理を終了する。
【0058】
買電中ではない場合(S32:NO)、CPU291は、図示しないA/D変換器を用いて第2蓄電池21の端子電圧を検出し、第2蓄電池21が略満充電となっているか否かを判定する(S34)。略満充電とはなっていない場合(S34:NO)、CPU291は、そのまま図6の定周期処理を終了する。略満充電となっている場合(S34:YES)、CPU291は、第2蓄電池21の端子電圧がそのまま上昇するのを防止するために、DC/ACインバータ24の動作をオンさせる。これにより、電力系統5に対する売電を開始する(S35)。その後、CPU291は、図6の定周期処理を終了する。
【0059】
ステップS31で電圧変化率が増加傾向にない場合(S31:NO)、即ち算出した微分値が略零又は負の場合、CPU291は、電力系統5に対して売電中であるか否か、即ちDC/ACインバータ24の動作をオンさせているか否かを判定する(S36)。売電中の場合(S36:YES)、売電している電力を第2蓄電池21に蓄電させるために、CPU291は、DC/ACインバータ24の動作をオフさせて売電を停止し(S37)、図6の定周期処理を終了する。売電中ではない場合(S36:NO)、CPU291は、検出した第2蓄電池21の端子電圧が略放電終止電圧まで低下したか否かを判定する(S38)。
【0060】
略放電終止電圧まで低下していない場合(S38:NO)、CPU291は、そのまま図6の定周期処理を終了する。放電終止電圧まで低下した場合(S38:YES)、CPU291は、DC/ACインバータ24をAC/DCコンバータとして動作させることにより、電力系統5に対する買電を開始する(S39)。その後、CPU291は、図6の定周期処理を終了する。
【0061】
次に、電力送給システム内の離隔した地域間を移動する移動体3を、第2電源ライン20に接続したときの動作について説明する。
図7は、第3蓄電池31に対する充放電を制御する移動体制御部39のCPU391の処理手順を示すフローチャートである。図7の処理は、移動体3が第1電源ライン10又は第2電源ライン20に接続可能となった時に起動される。
【0062】
図7の処理が起動された場合、CPU391は、移動体3が第2電源ライン20に接続されたか否かを判定し(S41)、接続されるまで待機している(S41:NO)。この場合の接続及び接続先を検出する方法は、図5のステップS21で示した方法と同様である。移動体3が第2電源ライン20に接続された場合(S41:YES)、CPU391は、LCDI/F394を用いて、操作表示部33から充放電の選択が有ったか否かを判定し(S42)、選択が有るまで待機する(S42:NO)。
【0063】
充放電の選択が有った場合(S42:YES)、CPU391は、充電の選択が有ったか否かを判定し(S43)、充電の選択が有った場合(S43:YES)、電力が第3蓄電池31に向かう方向のDC/DCコンバータ32の動作をオンさせることにより、第3蓄電池31の充電を開始する(S46)。これより以下、ステップS49,50,51の処理については、図5のステップS23,24,25の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
ステップS43で充電の選択がなかった場合(S43:NO)、CPU391は、放電の選択が有ったか否かを判定し(S53)、放電の選択がなかった場合(S53:NO)、充電も放電も開始せずに図7の処理を終了する。一方、放電の選択が有った場合(S53:YES)、CPU391は、電力が第2電源ライン20に向かう方向のDC/DCコンバータ32の動作をオンさせることにより、第3蓄電池31の放電を開始させる(S56)。
【0065】
その後、CPU391は、検出した第2電源ライン20の電圧が、例えば基準電圧の+10%である略上限電圧まで上昇したか否かを判定し(S59)、上昇していない場合(S59:NO)、検出した第3蓄電池31の端子電圧が放電終止電圧まで低下したか否かを判定する(S60)。放電終止電圧まで低下していない場合(S60:NO)、CPU391は、処理をステップ59に戻す。放電終止電圧まで低下した場合(S60:YES)、又はステップS59で第2電源ライン20の電圧が略上限電圧まで上昇した場合(S59:YES)、CPU391は、DC/DCコンバータ32の動作をオフさせることにより、第3蓄電池31の放電を終了して(S61)図7の処理を終了する。
【0066】
以上のように本実施の形態1によれば、大容量の太陽光発電装置が発電した発電電力の一部又は全部を、第1蓄電装置が有する第1蓄電池に蓄電するようにしてあり、発電電力のうち第1蓄電池への蓄電に使用されない電力、及び/又は第1蓄電池に蓄電した電力によって、移動体に搭載された第3蓄電池を充電する。また、負荷が存する地域に移動体が移動した場合、第3蓄電池から放電された放電電力の一部又は全部を、第2蓄電装置が有する第2蓄電池に蓄電するようにしてあり、放電電力のうち、第2蓄電池への蓄電に使用されない電力、及び/又は第2蓄電池に蓄電した電力が、負荷にて消費すべき電力に振り向けられる。
このように、大容量の太陽光発電装置が存する地域から負荷が存する地域に移動する移動体により、太陽光発電装置にて発電された電力が負荷に送給される。従って、マイクログリッド間で電力を融通し合うことが可能となる。
【0067】
また、第3蓄電池を充電する第1充電器と、第3蓄電池を放電させて第2蓄電池及び/又は負荷に電力を送給する第2充電器とが移動体に備わっているため、移動体と第1電源ライン及び第2電源ラインとをコネクタ1つで接続することが可能となる。また、移動体が標準的に備えている充放電器を流用することが可能となる。
【0068】
更にまた、大容量の太陽光発電装置が発電した発電電力のうち、第1蓄電池及び第3蓄電池の蓄電に使用されない余剰電力を、DC/ACインバータを介して第1電源ラインに接続された電力系統に送給する。
これにより、発電電力の余剰電力を売電することが可能となる。
【0069】
更にまた、太陽光、風力、波力等の自然エネルギーを利用する発電装置として小容量の太陽光発電装置を、コンバータ及びインバータの夫々を介して第2蓄電池及び負荷に接続してある。
従って、太陽光発電装置が発電した電力と、移動体の第3蓄電池から放電された放電電力とを合算して、第2蓄電池に蓄電すべき電力、及び/又は負荷にて消費すべき電力とすることが可能となる。
【0070】
更にまた、第2蓄電池及び負荷の夫々を、コンバータ及びインバータを介して電力系統に接続してあり、第2蓄電池への蓄電及び/又は負荷での消費に用いられるべき電力の一部又は全部を、電力系統との間で授受する。これにより、負荷側で消費すべき電力の過不足に応じて、電力系統に対する売電及び買電を行うことが可能となる。
【0071】
更にまた、移動体の第3蓄電池を充電するか否かの選択を操作表示部にて受け付ける。充電する選択を受け付けた場合、小容量の太陽光発電装置からの電力によって、負荷で消費すべき電力と第3蓄電池を充電すべき電力とが賄える限りにおいて、太陽光発電装置から第2蓄電池に蓄電すべき電力の一部又は全部が第3蓄電池を充電すべき電力となり、賄えない限りは、不足する電力を第2蓄電池の放電によって補う。
従って、充電が選択された第3蓄電池に蓄電された電力によって移動体が駆動される場合は、移動体の移動範囲を拡大することが可能となる。
【0072】
更にまた、移動体に搭載した第3蓄電池を充電するか否かの選択を移動体にて受け付け、受け付けた選択結果に応じて、第2電源ラインを通じて第3蓄電池に行う充電と、第3蓄電池から第2電源ラインを通じて行う放電とを切り替える。
これにより、蓄電池の充放電の切り替えを移動体側から行うことが可能となる。
【0073】
更にまた、第3蓄電池を充電しない選択を受け付けた場合、その選択が放電させる選択であったときは、第3蓄電池を放電させ、放電させる選択でもなかったときは、充電もせず放電もさせないようにする。第3蓄電池が放電した電力は、負荷にて消費されるべき電力、及び/又は第2蓄電池に蓄電すべき電力となる。
【0074】
尚、本実施の形態にあっては、第1電源ライン10及び第2電源ライン20の夫々を通じて、直流電力の供給及び消費が行われる例について説明したが、これに限定されるものではなく、各電源ラインを通じて交流電力の供給及び消費が行われるようにしてもよい。例えば、第1電源ライン10に接続されるDC/DCコンバータ12,42,42をDC/ACインバータとし、第1電源ライン10が系統I/F15を介して電力系統5と連携されるようにしてもよい。この場合、第1電源ライン10の電圧、周波数、位相は、電力系統5に連携するように制御する。更に、第1蓄電池11に対する充放電の制御では、電力系統5に対する売電及び買電が発生しないように、第1電源ライン10の余剰電力を充電し、余剰電力がない場合は、電力系統5からの買電が発生しないように、略放電終止電圧まで放電させるようにすればよい。
【0075】
(実施の形態2)
実施の形態1が、移動体3に搭載した第3蓄電池31を、単に充電するか否かの選択を受け付ける形態であるのに対し、実施の形態2は、充電及び放電夫々の選択に応じて充電量及び放電量の設定を受け付ける形態である。実施の形態2における電力送給システムのブロック構成は、実施の形態1と同様であるため、本実施の形態2では、移動体3のCPU391が実行するフローチャートとの違いを説明する。
【0076】
図8は、第3蓄電池31に対する充放電量を制御する移動体制御部39のCPU391の処理手順を示すフローチャートの一部である。図8の処理は、実施の形態1の図7に示すフローチャートと比較して、ステップS41からS43までの処理が共通している。それ以降の処理についても、内容が同一の処理には同一のステップ番号を付与してある。
尚、RAM393に記憶される充電量及び放電量夫々の設定値の初期値は、制限なしとみなされる値とする。また、時々刻々と変化する第3蓄電池31の充電量及び放電量の夫々は、それ自体公知の処理にて別途積算し、RAM393に各別に記憶する。
【0077】
ステップS42で充放電の選択が有った場合(S42:YES)、CPU391は、充電の選択が有ったか否かを判定し(S43)、充電の選択が有った場合(S43:YES)、CPU391は、更に、LCDI/F394を用いて、操作表示部33から充電量の設定が有ったか否かを判定する(S44)。充電量の設定が有った場合(S44:YES)、CPU391は、充電量の設定値をRAM393に記憶する(S45)。ステップS45の処理を終えた場合、又はステップS44で充電量の設定がなかった場合(S44:NO)、CPU391は、電力が第3蓄電池31に向かう方向のDC/DCコンバータ32の動作をオンさせることにより、第3蓄電池31の充電を開始する(S46)。
【0078】
その後、CPU391は、LCDI/F394を用いて、操作表示部33から充電の停止が指示されたか否かを判定し(S47)、指示された場合(S47:YES)、ステップS51に処理を移す。充電の停止が指示されなかった場合(S47:NO)、CPU391は、その時の充電量が(充電量の)設定値以上となったか否かを判定し(S48)、以上となった場合(S48:YES)、ステップS51に処理を移す。その時の充電量が設定値未満の場合(S48:NO)に実行するステップS49、及びステップS50,S51の処理については、図7と同様であるので、その説明を省略する。
【0079】
ステップS43に戻って、充電の選択がなかった場合(S43:NO)、CPU391は、放電の選択が有ったか否かを判定し(S53)、放電の選択がなかった場合(S53:NO)、充電も放電も開始せずに図8の処理を終了する。一方、放電の選択が有った場合(S53:YES)、CPU391は、更に、LCDI/F394を用いて、操作表示部33から放電量の設定が有ったか否かを判定する(S54)。放電量の設定が有った場合(S54:YES)、CPU391は、放電量の設定値をRAM393に記憶する(S55)。ステップS55の処理を終えた場合、又はステップS54で放電量の設定がなかった場合(S54:NO)、CPU391は、電力が第2電源ライン20に向かう方向のDC/DCコンバータ32の動作をオンさせることにより、第3蓄電池31の放電を開始させる(S56)。
【0080】
その後、CPU391は、LCDI/F394を用いて、操作表示部33から放電の停止が指示されたか否かを判定し(S57)、指示された場合(S57:YES)、ステップS61に処理を移す。放電の停止が指示されなかった場合(S57:NO)、CPU391は、その時の放電量が(放電量の)設定値以上となったか否かを判定し(S58)、以上となった場合(S58:YES)、ステップS61に処理を移す。その時の充電量が設定値未満の場合(S58:NO)に実行するステップS59、及びステップS60,S61の処理については、図7と同様であるので、その説明を省略する。
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0081】
以上のように本実施の形態2によれば、第3蓄電池を充電する選択を受け付けた場合、充電量の設定を受け付け、第3蓄電池を放電する選択を受け付けた場合、放電量の設定を受け付ける。
また、充電量の設定を受け付けた場合、受け付けた設定量に応じて第3蓄電池の充電量を調整し、放電量の設定を受け付けた場合、受け付けた設定量に応じて第3蓄電池の放電量を調整する。
従って、第3蓄電池に蓄電すべき電力量、及び第3蓄電池から放電可能な電力量を設定することが可能となる。
【0082】
また、第3蓄電池を充電している間及び放電させている間に充放電の停止を受け付けた場合、第3蓄電池の充電及び放電を停止させる。
従って、例えば充放電を一旦停止して充電から放電に(又は放電から充電に)切り替えることが可能となる。
【0083】
(実施の形態3)
実施の形態1及び2が、移動体3の操作表示部33にて充放電の選択等を受け付ける形態であるのに対し、実施の形態3は、第2電源ライン20に接続された充電スタンド(第2充電器)にて充放電の選択等を受け付ける形態である。
図9は、本発明の実施の形態3に係る電力送給システムの構成例の一部を示すブロック図である。図中8,8は充電スタンドであり、充電スタンド8は、その一端が第2電源ライン20に接続されたDC/DCコンバータ82と、該DC/DCコンバータ82の動作を制御するスタンド制御部89とを備える。DC/DCコンバータ82の他端は、移動体3が搭載する第3蓄電池31とコネクタ38を介して接続される。
尚、第2電源ライン20及び移動体3間に接続されるべき充電スタンドの構成については、充電スタンド8と同様である。
【0084】
スタンド制御部89は、CPU891を含み、CPU891は、プログラム等の情報を記憶するROM892、一時的に発生した情報を記憶するRAM893、並びにLCD及びタッチパネルからなる操作表示部83を制御するためのLCDI/F894とバス接続されている。CPU891は、ROM892に予め格納されている制御プログラムに従って、入出力、演算等の処理を実行する。CPU891には、また、第2電源ライン20の電圧及び第3蓄電池31の端子電圧を夫々デジタル値に変換して検出するためのA/D変換器896,897と、DC/DCコンバータ82の動作方向及び動作のオン/オフを制御するためのI/Oポート895とがバス接続されている。
【0085】
第3蓄電池31に対する充放電及び充放電量を制御するスタンド制御部89のCPU891の処理手順については、実施の形態1の図7及び実施の形態2の図8と実質的に同等であるため、そのフローチャートの説明を省略する。具体的には、移動体制御部39、DC/DCコンバータ32及び操作表示部33の夫々を、スタンド制御部89、DC/DCコンバータ82及び操作表示部83と置き換え、更に、ステップS41にて移動体3への接続を検出するように処理内容を変更する。
その他、実施の形態1及び2に対応する箇所には同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0086】
以上のように本実施の形態3によれば、充電スタンドにて、第3蓄電池を充電するか否かの選択を受け付け、夫々の選択に応じて充電量及び放電量の設定を受け付け、更に、充放電の停止を受け付ける。
従って、移動体にて行う充放電に関する選択及び設定を、充電スタンドにて行うことが可能となる。また、移動体の構成を簡略化することが可能となる。
【0087】
(実施の形態4)
実施の形態1が、第1蓄電池11を1つ備えて、太陽光発電装置4,4及び移動体3,3,・・3を1つの第1電源ライン10に接続する形態であるのに対し、実施の形態4は、2つの蓄電池を備えて、太陽光発電装置4,4及び移動体3,3,・・3を相異なる電源ラインに接続する形態である。
図10は、本発明の実施の形態4に係る電力送給システムの構成例の一部を示すブロック図である。以下では、図1の構成と異なる点を中心に説明する。
【0088】
図中1aは、電力を蓄電する第1蓄電装置であり、第1蓄電装置1aは、第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bと、該第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bの一方及び他方の夫々について、第1A電源ライン10aからの充電及び第1B電源ライン10bへの放電を自律的に制御するDC/DCコンバータ12a及び12bとを備える。第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bの夫々と、DC/DCコンバータ12a及び12bとの接続は、切替器16によって切り替わるようになっている。
尚、以下では、第1A蓄電池11aにはDC/DCコンバータ12aが、第1B蓄電池11bにはDC/DCコンバータ12bが、夫々接続されている状態を例にして説明する。
【0089】
第1A電源ライン10aには、太陽光発電装置4,4と、電気二重層キャパシタ13aと、第1A電源ライン10aから電力系統5に電力を送給するDC/ACインバータ14とが接続されている。第1B電源ライン10bには、移動体3,3,・・3と、電気二重層キャパシタ13bとが接続されている。ここでも移動体3,3,・・3の夫々は、コネクタ38,38,・・38を介して接続されるようにしてある。DC/DCコンバータ12a,12bと、切替器16とは、第1制御装置19の図示しないI/Oポートから制御される。第1A電源ライン10a及び第1B電源ライン10bの電圧と、第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bの端子電圧は、第1制御装置19の図示しないA/D変換器にて各別にデジタル値に変換されるようにしてある。
【0090】
DC/DCコンバータ12aは、第1A電源ライン10aを通じて太陽光発電装置4,4から供給された電力が第1A蓄電池11aに蓄電されるように自律的に制御する。これにより、第1A電源ライン10aの電圧変動が所定の範囲内(例えば、基準電圧の±10%)に収まるように制御される。また、DC/DCコンバータ12bは、移動体3,3,・・3に搭載された第3蓄電池31,31,・・31に充電すべき電力が、第1B蓄電池11bから放電されるように自律的に制御する。
【0091】
第1制御装置19は、第1A電源ライン10aの電圧を時系列的に検出しており、電圧の変化率が増加傾向にある場合、且つ、第1A蓄電池11aの端子電圧が略満充電まで上昇した場合、第1B蓄電池11bの端子電圧が略満充電まで上昇していないときは、切替器16によって第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bを入れ替える。第1B蓄電池11bの端子電圧も略満充電まで上昇しているときは、電力系統5に対する売電を行うためにDC/ACインバータ14を動作させる。
【0092】
第1制御装置19は、また、第1B蓄電池11bの端子電圧を時系列的に検出しており、端子電圧が放電終止電圧まで低下した場合、第1A蓄電池11aの端子電圧が放電終止電圧まで低下していないときは、切替器16によって第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bを入れ替える。第1A蓄電池11aの端子電圧も放電終止電圧まで低下しているときは、第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bを保護するために、DC/DCコンバータ12a,12bの動作をオフさせる。
【0093】
以下では、フローチャートを用いて上述した動作を説明する。
図11は、第1A電源ライン10a及び第1B電源ライン10bの電圧に基づいて第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bの切り替えを制御する第1制御装置19のCPU191の処理手順を示すフローチャートである。図11の処理は、例えば5秒毎に起動されるが、起動周期は5秒に限定されるものではない。尚、CPU191がDC/ACインバータ14及び切替器16の動作を制御した結果は、RAM193に記憶する。
【0094】
図11の処理が起動された場合、CPU191は、図示しないA/D変換器を用いて検出した第1A電源ライン10aの電圧について、電圧変化率の増減傾向を把握する(S71)。具体的には、例えば、別途定周期で検出した第1A電源ライン10aの電圧を時間微分して微分値を算出する。その後、CPU191は、電圧変化率が増加傾向にあるか否かを判定し(S72)、電圧変化率が増加傾向にある場合(S72:YES)、即ち算出した微分値が正の場合、CPU191は、第1A蓄電池11aの端子電圧を検出し、第1A蓄電池11aが略満充電となっているか否かを判定する(S73)。略満充電とはなっていない場合(S73:NO)、CPU191は、後述するステップS81に処理を移す。
【0095】
第1A蓄電池11aが略満充電となっている場合(S73:YES)、CPU191は、第1B蓄電池11bの端子電圧を検出し、第1B蓄電池11bも略満充電となっているか否かを判定する(S74)。略満充電となっている場合(S74:YES)、CPU191は、第1A蓄電池11aの端子電圧がそのまま上昇するのを防止するために、DC/ACインバータ14の動作をオンさせて、電力系統5に対する売電を開始し(S75)、ステップS81に処理を移す。第1B蓄電池11bは略満充電となっていない場合(S74:NO)、CPU191は、切替器16によって第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bを入れ替えて(S76)、ステップS81に処理を移す。
【0096】
ステップS72で電圧変化率が増加傾向にない場合(S72:NO)、即ち算出した微分値が略零又は負の場合、CPU191は、電力系統5に対して売電中であるか否かを判定する(S77)。売電中ではない場合(S77:NO)、CPU191は、何も制御することなくステップS81に処理を移す。売電中である場合(S77:YES)、CPU191は、DC/ACインバータ14の動作をオフさせて売電を停止し(S78)、ステップS81に処理を移す。
【0097】
ステップS81では、CPU191は、第1B蓄電池11bの端子電圧が略放電終止電圧まで低下したか否かを判定し(S81)、略放電終止電圧まで低下していない場合(S81:NO)、そのまま図11の定周期処理を終了する。略放電終止電圧まで低下している場合(S81:YES)、CPU191は、第1A蓄電池11aの端子電圧が略放電終止電圧まで低下したか否かを判定し(S82)、略放電終止電圧まで低下している場合(S82:YES)、DC/DCコンバータ12a,12bの動作をオフさせることにより、第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bの放電を停止させて(S83)、図11の定周期処理を終了する。略放電終止電圧まで低下していない場合(S82:NO)、CPU191は、切替器16によって第1A蓄電池11a及び第1B蓄電池11bを入れ替えて(S84)、図11の定周期処理を終了する。
【0098】
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
以上のように本実施の形態4によれば、第1A蓄電池及び第1B蓄電池の充放電を制御するDC/DCコンバータを双方向のものにする必要がなく、充放電の制御を簡略化することが可能となる。また、第1A蓄電池及び第1B蓄電池の充放電を頻繁に切り替える必要がなく、電池寿命を延ばすことが可能となる。
【0099】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
1、1a 第1蓄電装置(発蓄電装置の一部)
10 第1電源ライン
11 第1蓄電池
19 第1制御装置
2 第2蓄電装置
20 第2電源ライン
21 第2蓄電池
29 第2制御装置
3 移動体
31 第3蓄電池(蓄電池)
32 DC/DCコンバータ(第1充電器及び第2充電器の一部)
33、83 操作表示部(第1受付手段、第2受付手段、第3受付手段、受付手段)
39 移動体制御部(第1充電器及び第2充電器の一部)
4 太陽光発電装置(発蓄電装置の一部)
5 電力系統
6 太陽光発電装置(発電装置)
7 負荷
8 充電スタンド(第2充電器)
82 DC/DCコンバータ
89 スタンド制御部
100 工場内電力設備
200 家庭内電力設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を発電して第1蓄電池に蓄電する発蓄電装置から、第2蓄電池に蓄電した電力を消費する負荷に電力を送給する方法において、
第3蓄電池を搭載した移動体を用意し、
前記発蓄電装置が発電した電力及び/又は前記第1蓄電池に蓄電した電力によって前記第3蓄電池を充電し、
前記移動体を移動させ、
充電した前記第3蓄電池を放電させた電力によって、前記第2蓄電池への蓄電、及び/又は前記負荷への電力の送給を行うこと
を特徴とする電力送給方法。
【請求項2】
電力を発電して第1蓄電池に蓄電する発蓄電装置から、第2蓄電池に蓄電した電力を消費する負荷に電力を送給する電力送給システムにおいて、
第3蓄電池を搭載した移動体と、
前記発蓄電装置が発電した電力及び/又は前記第1蓄電池に蓄電された電力によって前記第3蓄電池を充電する第1充電器と、
該第1充電器が充電した第3蓄電池によって、前記第2蓄電池への蓄電、及び/又は前記負荷への電力の送給を行う第2充電器と
を備えることを特徴とする電力送給システム。
【請求項3】
前記第1充電器及び第2充電器は、前記移動体が備えることを特徴とする請求項2に記載の電力送給システム。
【請求項4】
前記発蓄電装置は、電力系統に接続されており、発電した電力の一部又は全部を前記電力系統に送給するようにしてあることを特徴とする請求項2又は3に記載の電力送給システム。
【請求項5】
自然エネルギーを利用して発電する発電装置を備え、
該発電装置によって、前記第2蓄電池への蓄電、及び/又は前記負荷への電力の送給を行うようにしてあること
を特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の電力送給システム。
【請求項6】
前記第2蓄電池及び負荷は、電力系統に接続されており、前記第2蓄電池に蓄電すべき電力及び/又は前記負荷にて消費すべき電力の一部又は全部を前記電力系統との間で授受するようにしてあることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の電力送給システム。
【請求項7】
前記第3蓄電池を充電するか否かの選択を受け付ける第1受付手段を備え、
前記第2充電器は、前記第1受付手段が、充電する選択を受け付けた場合、前記第2蓄電池に蓄電した電力、及び/又は前記第2蓄電池に蓄電すべき電力によって、前記第3蓄電池を充電するようにしてあることを特徴とする請求項2から6の何れか1項に記載の電力送給システム。
【請求項8】
前記第2充電器は、前記第1受付手段が、充電しない選択を受け付けた場合、前記第3蓄電池を放電させて、前記第2蓄電池への蓄電、及び/又は前記負荷への電力の送給を行うようにしてあることを特徴とする請求項2から6の何れか1項に記載の電力送給システム。
【請求項9】
前記第1受付手段が受け付けた選択の結果に応じて、充電量又は放電量の設定を受け付ける第2受付手段を備え、
前記第2充電器は、前記第2受付手段が受け付けた充電量又は放電量の設定に応じて、前記第3蓄電池の充電量又は放電量を調整するようにしてあること
を特徴とする請求項7又は8に記載の電力送給システム。
【請求項10】
前記第3蓄電池の充放電中に充放電の停止を受け付ける第3受付手段を備え、
前記第2充電器は、前記第3受付手段が受け付けた場合、前記第3蓄電池の充放電を停止するようにしてあること
を特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の電力送給システム。
【請求項11】
電力を蓄電する蓄電池を搭載してあり、外部装置からの電力によって前記蓄電池に充電する充電器を備える移動体において、
前記蓄電池を充電するか放電するかの選択を受け付ける受付手段を備え、
前記充電器は、前記蓄電池から外部装置へ放電させることが可能に構成してあり、且つ、前記受付手段が受け付けた選択結果に応じて、充電及び放電を切り替えるようにしてあること
を特徴とする移動体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−65516(P2012−65516A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209976(P2010−209976)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(591083118)ツネイシホールディングス株式会社 (18)
【Fターム(参考)】