説明

電動歯ブラシ

【課題】剛毛束で形成したブラシの先端部に曲がり癖が付かないようにすることと、ブラシ案内管路内のブラシを容易に洗浄できるようにすることである。
【解決手段】ブラシ案内管路4の屈曲部4aの先端側に、ブラシ6のストロークとほぼ等しい長さの直線部4bを設けることにより、屈曲部4aで生じるブラシ6の先端部の曲がりを直線部4bで矯正し、ブラシ6の先端部に曲がり癖が付かないようにするとともに、ブラシ案内管路4の途中に洗浄孔9を設けて、ブラシ案内管路4内のブラシ6を容易に洗浄できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剛毛束で形成されたブラシを所定のストロークで往復運動させて、その先端部を口腔に向けた開口から出入りさせる電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
電動歯ブラシには種々の形態のものがあるが、剛毛束で形成したブラシを、屈曲部を有するブラシ案内管路に沿わせて所定のストロークで往復運動させ、このブラシの先端部をブラシ案内管路の先端に設けた開口から出入りさせて、この口腔に向けられる開口から出入りするブラシで歯磨きをするとともに、歯茎のマッサージもできるようにした電動歯ブラシがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−322823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した屈曲部を有するブラシ案内管路に沿わせてブラシを所定のストロークで往復運動させる電動歯ブラシは、繰返し使用すると、ブラシ案内管路の屈曲部の影響によって、剛毛束で形成したブラシの先端部に曲がり癖が付き、歯磨き効果やマッサージ効果が低下する問題がある。
【0005】
また、この電動歯ブラシは、唾液等が毛細管現象によって剛毛束で形成したブラシの根元部側へ浸入するが、ブラシ案内管路内にあるブラシの根元部側を洗浄し難い問題もある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、剛毛束で形成したブラシの先端部に曲がり癖が付かないようにすることと、ブラシ案内管路内のブラシを容易に洗浄できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、屈曲部を有するブラシ案内管路に沿わせて、剛毛束で形成したブラシを所定のストロークで往復運動させ、このブラシの先端部を前記ブラシ案内管路の先端に設けた開口から出入りさせる電動歯ブラシにおいて、前記ブラシ案内管路の屈曲部の先端側に直線部を設けた構成を採用した。
【0008】
また、本発明は、同様の電動歯ブラシにおいて、前記ブラシ案内管路の屈曲部の先端側に、この屈曲部と逆方向に反らせた逆反り部を設けた構成も採用した。
【0009】
すなわち、ブラシ案内管路の屈曲部の先端側に直線部または、屈曲部と逆方向に反らせた逆反り部を設けることにより、屈曲部で生じるブラシ先端部の曲がりを、その先の直線部または逆反り部で矯正し、ブラシの先端部に曲がり癖が付かないようにした。
【0010】
前記ブラシ案内管路の直線部または逆反り部を、前記ブラシのストローク以上の長さとすることにより、十分な曲がりの矯正効果を得ることができる。
【0011】
前記ブラシ案内管路の途中に、管路内の前記ブラシを洗浄するための洗浄孔を設けることにより、この洗浄孔から水道水等を注入し、ブラシ案内管路内のブラシの根元部側を容易に洗浄することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電動歯ブラシは、ブラシ案内管路の屈曲部の先端側に直線部または、屈曲部と逆方向に反らせた逆反り部を設けることにより、屈曲部で生じるブラシ先端部の曲がりを、その先の直線部または逆反り部で矯正し、ブラシの先端部に曲がり癖が付かないようにしたので、歯磨き効果やマッサージ効果を長期に渡って維持することができる。
【0013】
前記ブラシ案内管路の直線部または逆反り部を、ブラシのストローク以上の長さとすることにより、十分な曲がりの矯正効果を得ることができる。
【0014】
前記ブラシ案内管路の途中に、管路内のブラシを洗浄するための洗浄孔を設けることにより、この洗浄孔から水道水等を注入し、ブラシ案内管路内のブラシの根元部側を容易に洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。この電動歯ブラシは、図1に示すように、往復運動源としてのモータ1とその出力軸のクランクシャフト2を配設したケーシング3に、ブラシ案内管路4を設けた筒先部材5を取り付け、剛毛束で形成したブラシ6を植設した基体7を、クランクシャフト2に取り付けたアーム部材8に連結して、ブラシ6をブラシ案内管路4に沿わせて所定のストロークで往復運動させ、その先端部を口腔に向けられるブラシ案内管路4の先端開口から出入りさせるものである。
【0016】
図2に示すように、前記筒先部材5のブラシ案内管路4は屈曲部4aを有し、その先端側に直線部4bが設けられている。この直線部4bの長さは、ブラシ6のストロークとほぼ等しい長さとされている。また、ブラシ案内管路4の途中には、管路内のブラシ6を洗浄する水道水等を注入するための2つの長円状の洗浄孔9が設けられている。
【0017】
図3は、前記筒先部材5のブラシ案内管路4の変形例を示す。この変形例のブラシ案内管路4は、実施形態のものと同様の屈曲部4aの先端側に、屈曲部4aと逆方向に反らせた逆反り部4cが設けられている。この逆反り部4cの長さも、ブラシ6のストロークとほぼ等しい長さとされている。その他の部分は実施形態のものと同じである。
【0018】
上述した実施形態と変形例では、ブラシ案内管路の途中に2つの長円状の洗浄孔を設けたが、これらの洗浄孔の個数と形状は任意に設計することができる。
【0019】
また、上述した実施形態では、ブラシ案内管路を設けた筒先部材をケーシングと別体のものとしたが、筒先部はケーシングと一体に形成してもよく、これらのケーシングと筒先部の形状は、実施形態のものに限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】電動歯ブラシの実施形態を示す一部省略縦断面図
【図2】図1の筒先部材を示す縦断面図
【図3】図2の筒先部材の変形例を示す縦断面図
【符号の説明】
【0021】
1 モータ
2 クランクシャフト
3 ケーシング
4 ブラシ案内管路
4a 屈曲部
4b 直線部
4c 逆反り部
5 筒先部材
6 ブラシ
7 基体
8 アーム部材
9 洗浄孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲部を有するブラシ案内管路に沿わせて、剛毛束で形成したブラシを所定のストロークで往復運動させ、このブラシの先端部を前記ブラシ案内管路の先端に設けた開口から出入りさせる電動歯ブラシにおいて、前記ブラシ案内管路の屈曲部の先端側に直線部を設けたことを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項2】
屈曲部を有するブラシ案内管路に沿わせて、剛毛束で形成したブラシを所定のストロークで往復運動させ、このブラシの先端部を前記ブラシ案内管路の先端に設けた開口から出入りさせる電動歯ブラシにおいて、前記ブラシ案内管路の屈曲部の先端側に、この屈曲部と逆方向に反らせた逆反り部を設けたことを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ案内管路の直線部または逆反り部を、前記ブラシのストローク以上の長さとした請求項1または2に記載の電動歯ブラシ。
【請求項4】
前記ブラシ案内管路の途中に、管路内の前記ブラシを洗浄するための洗浄孔を設けた請求項1乃至3のいずれかに記載の電動歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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