電子ゲーム機およびゲーム制御方法ならびにゲームプログラム
【課題】ゲーム主体であるキャラクターの設定の偶然性や意外性を増進させて面白さに富んだ電子ゲーム機およびゲーム制御方法ならびにゲームプログラムを提供する。
【解決手段】キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することにより動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新する電子ゲーム機において、無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信する受信手段(ステップS1〜S5)と、受信した無線IDを、キャラクターを決定するデータに変換するデータ処理手段(ステップS6)と、その変換したデータによってキャラクターを決定するキャラクター決定手段(ステップS7)とを備えている。
【解決手段】キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することにより動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新する電子ゲーム機において、無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信する受信手段(ステップS1〜S5)と、受信した無線IDを、キャラクターを決定するデータに変換するデータ処理手段(ステップS6)と、その変換したデータによってキャラクターを決定するキャラクター決定手段(ステップS7)とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キャラクターデータによって個性化されたゲーム主体あるいは対戦主体をディスプレー上に表示するとともにディスプレー上で動かして対戦し、あるいは勝ち点を取得するなどのゲームを行う電子ゲーム機およびその電子ゲーム機の制御方法ならびにその電子ゲーム機でのゲームを実行するプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆる対戦型の電子ゲームとして、対戦主体を対戦相手と戦わせ、その結果に応じて攻撃力や防御力あるいは体力さらには武器の種類などが変化するように構成されたゲームが知られている。すなわち、対戦主体は、攻撃力や防御力あるいは体力さらには武器の種類などのキャラクターデータによって個性化されており、そのキャラクターデータが変化して対戦主体がいわゆる「強く」なることにより、ゲームでの勝利感を得るものである。
【0003】
そのゲーム主体あるいは対戦主体は、ゲームプログラムにデータとして予め用意されているだけでなく、新たに作成したり、または取り込むことが可能なように構成されたゲーム機が従来知られている。例えば特許文献1には、ゲーム主体(いわゆるキャラクター)を個性化することについての偶然性を高めてゲームの面白さを向上させ、また持続するように構成された電子機器およびゲーム制御方法が記載されている。すなわち、特許文献1に記載された電子機器およびゲーム制御方法は、ゲームの面白さを増大させ、また持続させるために、目に見えない情報に基づいていわゆる「強さ」を決定するように構成されており、その目に見えない情報として、リモコン送信機により送信されたリモコンコードを利用するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3424021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているようにリモコンコードは目で見ることができないから、これを利用して強さ情報を決定することにより、キャラクターの強さが、高い偶然性もしくは意外性をもって決定され、ゲームの面白さが増す可能性がある。しかしながら、リモコンコードは所定の規則に従って造られているうえに、コード長が限られているために、強さ情報の多様性に限りがあり、ゲーム機の普及台数が多くなった場合には、ゲームの面白さが低減する可能性がある。また、リモコンにはそれぞれ所有者が居るのであるから、上記の強さ情報の決定に使用できるリモコンの数は大きく制限され、例えば従来知られていたバーコードを利用するゲームに比較して強さ情報を取得する機会の多様性が少なく、ゲームの面白さを向上させるためには改善の余地がある。そして、リモコンコードを利用する方法では、バーコードを利用するゲームと同様に、コード情報の入力を人為的に行う必要があり、強さ情報の決定に意外性があるとしても、その決定もしくは取得のタイミングに偶然性や意外性はなく、ゲームの面白さや驚き感を増大させる点では必ずしも十分ではない。
【0006】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、ゲーム主体であるキャラクターの作成あるいは取り込みもしくは選択や、そのキャラクターを個性化するキャラクターデータの更新などの偶然性や意外性を増進させて面白さに富んだ電子ゲーム機およびゲーム制御方法ならびにゲームプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新する電子ゲーム機において、無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信する受信手段と、その受信手段で受信した無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換するデータ処理手段と、そのデータ処理手段で変換したデータによって前記キャラクターを決定するキャラクター決定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新するゲーム制御方法において、無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信し、その受信した無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換し、その変換したデータによって前記キャラクターを決定することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、コンピュータを用いて、キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新するゲームプログラムにおいて、無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信させる受信手順と、その受信手順で受信させた無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換する変換手順と、その変換手順で得られたデータによって前記キャラクターを決定するキャラクター決定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、対戦や競技もしくは勝負などのゲームの主体となるキャラクターが、受信した無線IDに基づいて決められる。その無線IDは、氏名や屋号、ニックネーム、地番、任意の思いつき数字など、アルファベットと数字ならびに幾つかの記号を並べたものであって、その長さを含めて任意性が高く、極めて多様なものである。また、無線IDは、無線データ通信基地局の電源を入れることにより、比較的狭い限られた範囲に発信され、したがって無線データ通信基地局の存在を知らずに、時間や場所などに応じて極めて多様な無線IDが受信されることになる。言い換えれば、意図せずに無線IDを受信し、また僅かに移動することにより異なる無線IDを受信し、さらには同じ場所でも時間に応じて異なる無線IDを受信することになる。こうして得られた無線IDに基づいてキャラクターが決定されるので、キャラクターの意図的な決定もしくは変更は殆ど不可能であって、その決定の意外性や偶然性は極めて高いものとなり、ゲームとしての面白さを従来になく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の対象とする電子ゲーム機の一例の制御プログラムの流れを説明するための主となるフローチャートである。
【図2】この発明で対象とすることのできる携帯型電子ゲーム機の外観の一例を模式的に表した図である。
【図3】この発明で対象とすることのできる電子ゲーム機の回路構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図4】新たに取り込んだ無線IDを一時的に保存する第1RAMの内容の概略を示す図である。
【図5】この発明の一例の制御プログラムにおける重複ID削除処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】重複ID削除処理したデータを一時的に保存する第2RAMの内容の概略を示す図である。
【図7】この発明の一例の制御プログラムにおけるデータコンバートI の手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の一例の制御プログラムにおけるデータコンバートIIの手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】この発明の一例で使用する文字テーブルを示す図である。
【図10】この発明の一例の制御プログラムにおけるデータコンバートIII の手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】この発明の一例で使用するキャラクターテーブルを表す図である。
【図12】この発明の一例で使用するカスタマイズテーブルを表す図である。
【図13】無線IDに基づいて決定されたキャラクターおよびその属性を保存する第3RAMの内容の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明で対象とする電子ゲーム機で実行されるゲームの一例は、いわゆる対戦型のゲームであって、ディスプレー上に表示されるゲーム主体(対戦主体もしくはキャラクター)を、操作部のキーもしくはボタンなどによって操作して、対戦相手と対戦させるように構成されたゲームであり、その対戦の内容や対戦環境の設定、対戦相手の制御などのストーリーを含む基本的なゲーム内容は、従来種々知られているものと同様であってよい。またその対戦が他機から送信された対戦相手との対戦である場合は、その対戦相手の送受信は従来種々知られているデータ送受信方法であってよい。そのゲームを実行する電子ゲーム機は、携帯型のものであることが好ましい。さらに、その電子ゲーム機で実行されるゲームのプログラムは、電子ゲーム機に内蔵されたROMに格納されていてよく、あるいはカード型あるいはカセット型などの着脱式のメモリーに格納されていてもよい。
【0013】
図2にこの発明で対象とすることのできる携帯型電子ゲーム機の外観の一例を模式的に示してある。電子ゲーム機本体Aには、キャラクター操作などを行う方向キー1、その方向キー1での操作指示の決定もしくは取り消しを行う選択キー2、ゲーム開始ボタン(スタートボタン)3、ゲームを一時停止する一時停止ボタン4、タッチパネルからなるディスプレー5などが設けられている。これら各種のボタンや、タッチパネルからなるディスプレー5を操作することにより、ゲームキャラクターを操作する。また、マイクロSDや各種ゲームソフト等のいわゆるゲームメディアのスロット6が設けられている。さらに、電子ゲーム機の外部との送受信もしくは無線データ通信基地局から発信されたデータを受信するデータ送受信部7が設けられている。
【0014】
電子ゲーム機におけるこれらの各種ボタンやディスプレー5の操作部の内部には、ボタンやディスプレーの操作を検知する図示しない電子基板が設けられており、その電子基板で検知した信号を制御することにより、ディスプレー表示やゲーム主体の操作を行うようになっている。
【0015】
つぎに前記電子基板で制御信号に置き換えられたゲーム操作を含む各種のゲーム処理もしくは制御を行うための回路構成について説明する。図3はこの発明に係る電子ゲーム機の回路構成の一例を説明するためのブロック図である。前述した各種ボタンやディスプレー5などの操作部が図のキー入力部(もしくはタッチペン入力部)8に相当し、そのキー入力部8から出力された信号に基づいて制御部9で種々の制御を行う。この制御部9は、CPU(中央演算処理装置)などの電子回路からなるものであって、入力された信号およびプログラムに従って演算を行い、その演算結果を制御信号として出力するように構成されている。この制御部9には、表示制御部10が接続されている。すなわち表示制御部10は制御部9から入力された信号に基づいて画面表示部(ディスプレー)11を制御し、各種の表示を行うように構成されている。なお、画面表示部11は、液晶パネルが一般的であるが、表示されたアイコンにタッチすることにより指示信号を制御部に送ることのできるタッチパネルによって構成されてもよい。
【0016】
また、制御部9は、ゲーム進行プログラムやデータ変換用テーブルなどが記憶されたROM50と、電子ゲーム機の外部とのデータの送受信を制御するコミュニケーション制御部12と、電子ゲーム機の外部から受信された情報や制御過程でのデータを一時保存するRAM60とを備えている。さらに、ROM50は、ゲームプログラムを記憶している第1ROM51と、文字テーブルを記憶している第2ROM52と、キャラクターテーブルを記憶している第3ROM53と、カスタマイズテーブルを記憶している第4ROM54とを備えている。また、コミュニケーション制御部12は、無線ID受信部13と、他機と直接無線通信を行う直接無線通信部14もしくは無線データ通信基地局(アクセスポイント:AP)を経由して他機と無線通信を行うAP経由の無線通信部15とを備えている。前記RAM60は、無線ID(または無線IDコード)を一時保管する第1RAM61と、重複した無線IDを一時的に保管する第2RAM62と、キャラクターデータを格納する第3RAM63とを備えている。
【0017】
上記の電子ゲーム機で実行されるゲームはいわゆる対戦型ゲームであって、前述した操作部を操作することによる信号に基づいて、画面表示部11に現れている対戦主体(図示せず)が対戦相手と対戦するように構成されている。その制御は、主として前述した第1ROM51に記憶されているゲームプログラムによって実行される。言い換えれば、第1ROM51に記憶されているゲームプログラムに従ってゲームのストーリーが展開される。このようなゲームプログラムは従来種々知られており、この発明における電子ゲーム機においても従来のゲームプログラムを使用して同様のゲーム展開とすることができる。
【0018】
そして、この発明に係る電子ゲーム機あるいはゲーム制御方法もしくはゲームプログラムは、上述した対戦ゲームにおける対戦主体(ゲーム主体もしくはキャラクター)を、外部から受信した無線ID(APを特定するコードデータ)に基づいて作成もしくは取り込みあるいは選択できるように構成されている点に特徴がある。なおここで対戦主体とは、前述した操作部によって操作できるゲームキャラクターであり、またキャラクターデータとは、その対戦主体の攻撃力や防御力もしくは体力あるいは武器や防具などのアイテムさらには持ち点などである。一方、対戦相手は、ROM50に予め記憶させてあるキャラクターであってもよく、あるいはデータ通信により他の電子ゲーム機から受信したキャラクターであってもよい。
【0019】
つぎに、この発明における特徴である無線IDに基づくキャラクターの設定について説明する。図1は、その手順の一例を説明するためのフローチャートであって、まず、無線ID(または無線IDコード)を取得するための操作を電子ゲーム機で実行すると、コミュニケーション制御部12によって無線IDが読み込まれ(ステップS1)、その無線IDが取得される(ステップS2)。そして、取得された無線IDを第1RAM61に一時保存(ステップS3)した後、その取得された無線IDについての重複ID削除処理が行われる(ステップS4)。なお、第1RAM61に保存された無線IDの例を図4に示してあり、数字とアルファベットの文字ならびにハイフォンなどの記号との組合せであり、その桁数は一定の制限があるものの区々である。
【0020】
ここで、ステップS4の重複ID削除処理について説明すると、重複ID削除処理とは、新たに取得された無線IDが新規のものであるか否かを判断し、既に取得されている無線IDと同一の場合は、その取得された無線IDを削除する処理のことであり、要するに無線IDが重複すると1つは不必要なものとなるので、他の制御を行う前に削除する処理である。その重複ID削除処理の手順を図5に示すフローチャートを参照して具体的に説明する。まず、新たに取得された無線IDが第1RAM61から読み込まれる(ステップS410)。つぎに新たに取得された無線IDと第2RAM62に既に保存されている既存の無線IDとが比較される(ステップS420)。この比較した結果、取得された無線IDが既存の無線IDと同じか否かが判定され(ステップS430)、ステップS430で肯定的に判断された場合すなわち新たに取得された無線IDが既存の無線IDと同一の場合は、その新たに取得された無線IDを第1RAM61から削除する(ステップS440)。また、無線IDを受信する場合、同時に複数の無線IDを取得することがあり、そのような場合に取得された全ての無線IDに対して重複ID削除処理が完了したか否かが判定される(ステップS450)。このステップS450で否定的に判断された場合すなわち重複ID削除処理が完了していないものが存在する場合は、ステップS410に戻り上述と同様のルーチンを繰り返す。これとは反対にステップS450で肯定的に判断された場合すなわち取得された全ての無線IDに対して重複ID削除処理が完了していると判断された場合は、このルーチンを一旦終了する。
【0021】
一方、重複を判断している上記のステップS430で否定的に判断された場合すなわち新たに取得された無線IDが既存の無線IDと異なっている場合は、その新たに取得された無線IDが第2RAM62に追加保存(ステップS431)され、ついで上記のステップS450に進み、新たに取得した無線IDの全てについての重複ID削除処理が終了したか否かが判断される。こうして第2RAM62に保存された無線IDの例を図6に示してある。なお、図6は保存されている無線IDをリストとして例示しているものであり、保存の順序や保存の態様を限定しているものではない。
【0022】
つぎに、この重複ID削除処理を経て確定された無線IDをデータコンバートする。このデータコンバートは図1に示す例では3つのステップから構成されており、まず、データコンバートI として、取得された無線IDの文字数を後のデータコンバートに対応した文字数に変換し、もしくは取得された無線ID自体の削除を行う(ステップS5)。このデータコンバートI の手順を説明するためのフローチャートを図7に示す。まず、第1RAM61に保存されている無線IDが読み込まれる(ステップS510)。つぎに、その読み込まれた無線IDの文字数が所定の数以下(例えば3文字以下)か否かが判定される(ステップS520)。このステップS520で否定的に判定された場合すなわち読み込まれた無線IDの文字数が所定の数以上例えば4文字以上である場合は、読み込まれた無線IDの文字数が所定の他の数以上(例えば16文字以上)か否かが判定される(ステップS530)。このステップS530で否定的に判断された場合すなわち読み込まれた無線IDの文字数が15文字以下の場合は、その文字数が14文字以下か否かが判定される(ステップS540)。すなわち、ステップS530およびステップS540によって無線IDの文字数(もしくは桁数。以下同じ)が「15」か否かを判定しており、したがってステップS540で否定的に判定された場合には、データコンバートの対象とされている無線IDの文字数が「15」であることになり、その場合は、その無線IDが第1RAM61に上書きして保存される(ステップS550)。
【0023】
第1RAM61に一時保存されている全ての無線IDについて、その文字数の調整すなわち上述したデータコンバートI が完了したか否かが判定される(ステップS560)。このステップS560で否定的に判断された場合すなわちこのデータコンバートI を行っていない無線IDが第1RAM61に残っている場合は、ステップS510に戻り、これとは反対にステップS560で肯定的に判断された場合すなわち全ての無線IDについてこのデータコンバートI が完了している場合は、このルーチンを一旦終了する。
【0024】
一方、上記のステップS520で肯定的に判定された場合すなわち読み込まれた無線IDが例えば3文字以下の場合は、その無線IDはこの変換では不適合のものとして第1RAM61から削除する(ステップS521)。ついで、他の無線IDについて文字数の調整を行うために前述したステップS560に進む。
【0025】
また、データコンバートI の対象としている現在の無線IDが例えば16文字以上であることにより上記のステップS530で肯定的に判定された場合は、その無線IDの文字数を15文字に調整する(ステップS531)。例えば読み込まれた無線IDの文字数が17文字である場合は、その無線IDの先頭もしくは末尾の2文字を削除して15文字に調整するなどの種々の方法で文字数の調整を行う。そして、前述したステップS550に進んで、文字数を調整した無線IDを第1RAM61に上書き保存する。
【0026】
さらに、前述したステップS540で肯定的に判断された場合すなわち読み込まれた無線IDの文字数が14文字以下である場合は、その無線IDの文字数を15文字に調整する(ステップS541)。例えば、読み込まれた無線IDの文字数が13文字である場合は、その無線IDの文字列の先頭もしくは末尾に0(ゼロ)を二つ付けて文字数を15文字にするなどの方法で文字数の調整を行う。そして、前述したステップS550に進んで、文字数を調整した無線IDを第1RAM61に上書き保存する。
【0027】
そして、取得された無線IDの文字数がこのデータコンバートI で調整された後、データコンバートIIが実行される(ステップS6)。このデータコンバートIIは、文字数が調整された無線IDに基づいてゲームキャラクター(対戦主体もしくはゲーム主体)を作成もしくは取り込みあるいは選択してゲームに供し得るようにし、またはそのキャラクターの攻撃力や防御力あるいは体力もしくは武器や防具などのアイテムさらには持ち点などのキャラクターデータの設定に適合できるように無線IDの文字列を変換する処理である。そのデータコンバートIIの手順を説明するためのフローチャートを図8に示す。ここに示す例では、無線IDに基づいてキャラクターを特定し、またその属性として3つの属性を特定するために、5つのデータを使用するように構成してあり、前述したように、使用する無線IDを15文字に調整してあるので、まず、データコンバートI で文字数を調整した無線IDを3文字で1グループとして5グループに分ける(ステップS60)。例えば、無線IDが「hB7T32C5672DZCd」であったとすると「hB7」、「T32」、「C56」、「72D」、「ZCd」の5グループとなる。
【0028】
そして、それら各グループの3つの文字を3つの数字に変換する(ステップS61)。この変換は、第2ROM52に予め定め格納されているテーブルに基づいて行うことができ、そのテーブルは任意に設定したものであってよく、その一例を図9に示してある。この図9に示すテーブルは、10個の数字、大小文字の52個のアルファベット、ならびに記号を2種類に分けて、全体として合計64個にそれぞれ「0」から「63」の数字を割り当てたものであり、これに従えば、前述した第1のグループでは、「h」が「3」、「B」が「4」、「7」が「63」となる。第2ないし第5のグループについても同様の変換が行われる。さらに、それらの3つの数字をそれぞれ6bitの2進数に変換する(ステップS62)。例えば、「3」、「4」、「63」の数字を6bitの2進数に変換すると、「000011」、「000100」、「111111」となる。
【0029】
こうして得られた3つの6bitの2進数を、2つの8bit(1byte)の2進数に変換する(ステップS63)。例えば、「000011」、「000100」、「111111」は、「00001100」と「01」と「00111111」となる。この時に、前後の8bitを1グループとすると真ん中の2bit「01」が端数となるので、その端数は削除する。そして、8bitの2進数を、「0」〜「9」、および「A」〜「F」の16進数の2byteデータに変換する。つまり、「00001100」と「00111111」は、それぞれ「0C」と「3F」とになる。この変換を他の4グループに対して行い5つの2byteデータを得る(ステップS64)。先に一例として挙げた無線IDについて全て変換すると、「hB7T32C5672DZCd」は、「0C3F」、「2A3D」、「102F」、「B002」、「3DA4」となる。
【0030】
さらに、図1に示すように、このデータコンバートIIで得られた5つの2byteデータに基づいてデータコンバートIII が実行される(ステップS7)。このデータコンバートIII は、上記の5つの2byteデータに基づいて対戦主体(キャラクター)を決定し、またその対戦主体の攻撃力や防御力もしくは体力あるいは武器や防具などのアイテムなどを決定する処理である。その処理の手順を説明するためのフローチャートを図10に示す。まず、データコンバートIIで変換した5つの2byteデータの最初と最後の2byteデータとで算術処理を行う。例えばこれらをかけ合わせ、かけ合わされた結果の真ん中の4桁からさらに2byteデータを得る(ステップS70)。一例として挙げた上述の無線IDで説明すると、「0C3F」と「3DA4」をかけ合わせると、「2CDAB32F」となり、その内の真ん中の2byteデータを抽出すると、「DAB3」が得られる。そして、その得られた2byteデータからキャラクターが決定される(ステップS71)。これは、キャラクターテーブルを予め用意しておき、そのキャラクターテーブルを利用して行うことができる。そのキャラクターテーブルの一例を図11に示してあり、ここに示す例は、「0」から「65535」までの65536個(「2」の16乗個)の数字を適当に区分(例えば100ずつに区分)し、それぞれの区分毎にキャラクターおよびその攻撃力、防御力、体力を定めたものである。上記の4桁の2byteデータは、「0」から「65535」までのいずれかの数字に対応しているから、そのような変換を行うことにより、4桁の2byteデータに基づいて、所定の攻撃力、防御力、体力のキャラクターを決定することができる。
【0031】
つぎに、2番目の2byteデータからキャラクターの攻撃力を決定する(ステップS72)。ここで説明している例では、攻撃力や防御力などの属性が予め決められているキャラクターを先ず決定することとしてあるので、ステップS72では、その属性を調整することになる。しかしながら、この発明では、属性の伴わないキャラクターを先ず決定し、ついでその攻撃力などの属性を決定するように構成してもよい。ステップS72の処理内容を具体的に説明すると、図10に示す例では、調整値を予め設定したカスタマイズテーブルを使用して求めるように構成されている。そのカスタマイズテーブルの一例を図12に示してあり、ここに示すカスタマイズテーブルは第4ROM54に記憶させてあり、前述した図11に示すテーブルと同様に、「0」から「65535」までの65536個(「2」の16乗個)の数字を適当に区分(例えば100ずつに区分)し、それぞれの区分毎に調整値を定めたものである。そして、第2番目の4桁の2byteデータは、「0」から「65535」までのいずれかの数字に対応しているから、そのような変換を行うことにより、第2番目の2byteデータに基づいて、調整値を決定することができる。このようにして得られた調整値は、キャラクターの攻撃力を決定するためのものとしてあり、したがってキャラクターが予め備えている攻撃力に調整値が加えられて最終的な攻撃力が決定される。例えば、2番目の2byteデータが「2A3D」である場合は、カスタマイズテーブルより「+5」が得られる。そして、先に決定したキャラクターの攻撃力が「30」であった場合は、この得られた「+5」を合算して「35」となる。
【0032】
この攻撃力の決定と同様の方法により、防御力および体力を決定する。つまり、3番目の2byteデータを防御力とし、4番目の2byteデータを体力として、それぞれの2byteデータとカスタマイズテーブルとに基づいて値を読み込み、先に決定したキャラクターデータに合算する(ステップS73)。例えば、先に決定したキャラクターの防御力が「5」で体力が「20」であり、2byteデータから得られた防御力が「−3」で体力が「+10」であったとしたら、最終的に確定するキャラクターの防御力は「2」となり、体力は「30」となる。したがって、無線IDによっては、名称あるいは形態が同じキャラクターであっても、攻撃力などの属性が異なるものが設定されることがある。
【0033】
以上のようにして各無線IDに基づいてキャラクターおよびその属性が決定され、それぞれのデータが第3RAM63に保存される(ステップS8)。図13に第3RAM63に保存されたデータの一例を示してある。なお、図13では、「ドラゴン」の名称のキャラクターが2つ存在するが、これは、受信したいずれか2つの無線IDの一部が同じであることにより、キャラクター自体が同じになったものであり、しかし他の部分が異なっているから、属性が異なり、異なるキャラクターとして取り扱われる。
【0034】
そして、ゲームは、上記の第3RAM63に保存されているキャラクターから適宜のものを選び出し、これをゲームのストーリーに従って所定の対戦相手と対戦させ、その結果によって、攻撃力や防御力などの属性のデータを更新しつつゲームを進めることになる。こうしてゲームに供されるキャラクターもしくは対戦主体は、新たな無線IDを取得する毎に第3RAM63に追加されるから、ゲームに供し得るキャラクターが増えるという意味では、無線IDに基づいてキャラクターを作成し、あるいは取得していることになる。一方、それらのキャラクターおよびその属性は第3ROM53に既に記憶させてあるものであるから、それを利用する点では、無線IDに基づいてキャラクターおよびその属性を選択することになる。いずれにしても、新たな無線IDによって新たなキャラクターが現れることになる。そして、その無線IDは、ゲーム機のデータ受信機能がオンになっていれば、意図せずに入手され、しかもその無線IDの内容、発信源、受信できる場所、時間などが殆ど不明であって、偶然に頼るものである。すなわち、この発明によれば、ほぼ完全に偶然に任せてキャラクターを取得することになり、しかもその攻撃力や持ち点などの属性が予知できないから、従来になく意外性の高いゲームを行うことができ、ゲームとしても面白みに優れ、またその面白さを継続させることができる。
【0035】
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に記載してあるステップS1〜S5の制御を実行する機能的手段が、この発明における受信手段に相当し、ステップS6の制御を実行する機能的手段が、この発明におけるデータ処理手段に相当し、さらにステップS7の制御を実行する機能的手段が、この発明におけるキャラクター決定手段に相当する。
【0036】
なお、上述した無線IDから対戦主体もしくはキャラクターデータへの変換手段は、この発明の一例にすぎず、この発明は要するに、無線IDを受信し、その無線IDを対戦主体もしくはキャラクターデータに利用するものであり、上述した例に限ったものでなくてもよい。また、データの変換方法は、ゲーム機毎に異ならせてもよく、そのようにすれば、同一の無線IDを取得しても、ゲーム機毎に異なるキャラクターや属性が設定されることになり、ゲーム機あるいはゲームの面白さを増大させることが可能になる。また、この発明では、無線IDを取得する都度、キャラクターがその無線IDに応じて変更されるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…方向キー、 2…選択キー、 3…スタートボタン、 4…一時停止ボタン、 5…ディスプレー、 6…ゲームメディアのスロット、 7…データ送受信部、 8…キー入力部、 9…制御部、 10…表示制御部、 11…画面表示部、 12…コミュニケーション制御部、 13…無線ID受信部、 14…直接無線通信部、 15…AP経由の無線通信部、 50…ROM、 51…第1ROM、 52…第2ROM、53…第3ROM、 54…第4ROM、 60…RAM、 61…第1RAM、 62…第2RAM、 63…第3RAM、 A…電子ゲーム機本体。
【技術分野】
【0001】
この発明は、キャラクターデータによって個性化されたゲーム主体あるいは対戦主体をディスプレー上に表示するとともにディスプレー上で動かして対戦し、あるいは勝ち点を取得するなどのゲームを行う電子ゲーム機およびその電子ゲーム機の制御方法ならびにその電子ゲーム機でのゲームを実行するプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆる対戦型の電子ゲームとして、対戦主体を対戦相手と戦わせ、その結果に応じて攻撃力や防御力あるいは体力さらには武器の種類などが変化するように構成されたゲームが知られている。すなわち、対戦主体は、攻撃力や防御力あるいは体力さらには武器の種類などのキャラクターデータによって個性化されており、そのキャラクターデータが変化して対戦主体がいわゆる「強く」なることにより、ゲームでの勝利感を得るものである。
【0003】
そのゲーム主体あるいは対戦主体は、ゲームプログラムにデータとして予め用意されているだけでなく、新たに作成したり、または取り込むことが可能なように構成されたゲーム機が従来知られている。例えば特許文献1には、ゲーム主体(いわゆるキャラクター)を個性化することについての偶然性を高めてゲームの面白さを向上させ、また持続するように構成された電子機器およびゲーム制御方法が記載されている。すなわち、特許文献1に記載された電子機器およびゲーム制御方法は、ゲームの面白さを増大させ、また持続させるために、目に見えない情報に基づいていわゆる「強さ」を決定するように構成されており、その目に見えない情報として、リモコン送信機により送信されたリモコンコードを利用するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3424021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているようにリモコンコードは目で見ることができないから、これを利用して強さ情報を決定することにより、キャラクターの強さが、高い偶然性もしくは意外性をもって決定され、ゲームの面白さが増す可能性がある。しかしながら、リモコンコードは所定の規則に従って造られているうえに、コード長が限られているために、強さ情報の多様性に限りがあり、ゲーム機の普及台数が多くなった場合には、ゲームの面白さが低減する可能性がある。また、リモコンにはそれぞれ所有者が居るのであるから、上記の強さ情報の決定に使用できるリモコンの数は大きく制限され、例えば従来知られていたバーコードを利用するゲームに比較して強さ情報を取得する機会の多様性が少なく、ゲームの面白さを向上させるためには改善の余地がある。そして、リモコンコードを利用する方法では、バーコードを利用するゲームと同様に、コード情報の入力を人為的に行う必要があり、強さ情報の決定に意外性があるとしても、その決定もしくは取得のタイミングに偶然性や意外性はなく、ゲームの面白さや驚き感を増大させる点では必ずしも十分ではない。
【0006】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、ゲーム主体であるキャラクターの作成あるいは取り込みもしくは選択や、そのキャラクターを個性化するキャラクターデータの更新などの偶然性や意外性を増進させて面白さに富んだ電子ゲーム機およびゲーム制御方法ならびにゲームプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新する電子ゲーム機において、無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信する受信手段と、その受信手段で受信した無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換するデータ処理手段と、そのデータ処理手段で変換したデータによって前記キャラクターを決定するキャラクター決定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新するゲーム制御方法において、無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信し、その受信した無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換し、その変換したデータによって前記キャラクターを決定することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、コンピュータを用いて、キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新するゲームプログラムにおいて、無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信させる受信手順と、その受信手順で受信させた無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換する変換手順と、その変換手順で得られたデータによって前記キャラクターを決定するキャラクター決定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、対戦や競技もしくは勝負などのゲームの主体となるキャラクターが、受信した無線IDに基づいて決められる。その無線IDは、氏名や屋号、ニックネーム、地番、任意の思いつき数字など、アルファベットと数字ならびに幾つかの記号を並べたものであって、その長さを含めて任意性が高く、極めて多様なものである。また、無線IDは、無線データ通信基地局の電源を入れることにより、比較的狭い限られた範囲に発信され、したがって無線データ通信基地局の存在を知らずに、時間や場所などに応じて極めて多様な無線IDが受信されることになる。言い換えれば、意図せずに無線IDを受信し、また僅かに移動することにより異なる無線IDを受信し、さらには同じ場所でも時間に応じて異なる無線IDを受信することになる。こうして得られた無線IDに基づいてキャラクターが決定されるので、キャラクターの意図的な決定もしくは変更は殆ど不可能であって、その決定の意外性や偶然性は極めて高いものとなり、ゲームとしての面白さを従来になく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の対象とする電子ゲーム機の一例の制御プログラムの流れを説明するための主となるフローチャートである。
【図2】この発明で対象とすることのできる携帯型電子ゲーム機の外観の一例を模式的に表した図である。
【図3】この発明で対象とすることのできる電子ゲーム機の回路構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図4】新たに取り込んだ無線IDを一時的に保存する第1RAMの内容の概略を示す図である。
【図5】この発明の一例の制御プログラムにおける重複ID削除処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】重複ID削除処理したデータを一時的に保存する第2RAMの内容の概略を示す図である。
【図7】この発明の一例の制御プログラムにおけるデータコンバートI の手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の一例の制御プログラムにおけるデータコンバートIIの手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】この発明の一例で使用する文字テーブルを示す図である。
【図10】この発明の一例の制御プログラムにおけるデータコンバートIII の手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】この発明の一例で使用するキャラクターテーブルを表す図である。
【図12】この発明の一例で使用するカスタマイズテーブルを表す図である。
【図13】無線IDに基づいて決定されたキャラクターおよびその属性を保存する第3RAMの内容の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明で対象とする電子ゲーム機で実行されるゲームの一例は、いわゆる対戦型のゲームであって、ディスプレー上に表示されるゲーム主体(対戦主体もしくはキャラクター)を、操作部のキーもしくはボタンなどによって操作して、対戦相手と対戦させるように構成されたゲームであり、その対戦の内容や対戦環境の設定、対戦相手の制御などのストーリーを含む基本的なゲーム内容は、従来種々知られているものと同様であってよい。またその対戦が他機から送信された対戦相手との対戦である場合は、その対戦相手の送受信は従来種々知られているデータ送受信方法であってよい。そのゲームを実行する電子ゲーム機は、携帯型のものであることが好ましい。さらに、その電子ゲーム機で実行されるゲームのプログラムは、電子ゲーム機に内蔵されたROMに格納されていてよく、あるいはカード型あるいはカセット型などの着脱式のメモリーに格納されていてもよい。
【0013】
図2にこの発明で対象とすることのできる携帯型電子ゲーム機の外観の一例を模式的に示してある。電子ゲーム機本体Aには、キャラクター操作などを行う方向キー1、その方向キー1での操作指示の決定もしくは取り消しを行う選択キー2、ゲーム開始ボタン(スタートボタン)3、ゲームを一時停止する一時停止ボタン4、タッチパネルからなるディスプレー5などが設けられている。これら各種のボタンや、タッチパネルからなるディスプレー5を操作することにより、ゲームキャラクターを操作する。また、マイクロSDや各種ゲームソフト等のいわゆるゲームメディアのスロット6が設けられている。さらに、電子ゲーム機の外部との送受信もしくは無線データ通信基地局から発信されたデータを受信するデータ送受信部7が設けられている。
【0014】
電子ゲーム機におけるこれらの各種ボタンやディスプレー5の操作部の内部には、ボタンやディスプレーの操作を検知する図示しない電子基板が設けられており、その電子基板で検知した信号を制御することにより、ディスプレー表示やゲーム主体の操作を行うようになっている。
【0015】
つぎに前記電子基板で制御信号に置き換えられたゲーム操作を含む各種のゲーム処理もしくは制御を行うための回路構成について説明する。図3はこの発明に係る電子ゲーム機の回路構成の一例を説明するためのブロック図である。前述した各種ボタンやディスプレー5などの操作部が図のキー入力部(もしくはタッチペン入力部)8に相当し、そのキー入力部8から出力された信号に基づいて制御部9で種々の制御を行う。この制御部9は、CPU(中央演算処理装置)などの電子回路からなるものであって、入力された信号およびプログラムに従って演算を行い、その演算結果を制御信号として出力するように構成されている。この制御部9には、表示制御部10が接続されている。すなわち表示制御部10は制御部9から入力された信号に基づいて画面表示部(ディスプレー)11を制御し、各種の表示を行うように構成されている。なお、画面表示部11は、液晶パネルが一般的であるが、表示されたアイコンにタッチすることにより指示信号を制御部に送ることのできるタッチパネルによって構成されてもよい。
【0016】
また、制御部9は、ゲーム進行プログラムやデータ変換用テーブルなどが記憶されたROM50と、電子ゲーム機の外部とのデータの送受信を制御するコミュニケーション制御部12と、電子ゲーム機の外部から受信された情報や制御過程でのデータを一時保存するRAM60とを備えている。さらに、ROM50は、ゲームプログラムを記憶している第1ROM51と、文字テーブルを記憶している第2ROM52と、キャラクターテーブルを記憶している第3ROM53と、カスタマイズテーブルを記憶している第4ROM54とを備えている。また、コミュニケーション制御部12は、無線ID受信部13と、他機と直接無線通信を行う直接無線通信部14もしくは無線データ通信基地局(アクセスポイント:AP)を経由して他機と無線通信を行うAP経由の無線通信部15とを備えている。前記RAM60は、無線ID(または無線IDコード)を一時保管する第1RAM61と、重複した無線IDを一時的に保管する第2RAM62と、キャラクターデータを格納する第3RAM63とを備えている。
【0017】
上記の電子ゲーム機で実行されるゲームはいわゆる対戦型ゲームであって、前述した操作部を操作することによる信号に基づいて、画面表示部11に現れている対戦主体(図示せず)が対戦相手と対戦するように構成されている。その制御は、主として前述した第1ROM51に記憶されているゲームプログラムによって実行される。言い換えれば、第1ROM51に記憶されているゲームプログラムに従ってゲームのストーリーが展開される。このようなゲームプログラムは従来種々知られており、この発明における電子ゲーム機においても従来のゲームプログラムを使用して同様のゲーム展開とすることができる。
【0018】
そして、この発明に係る電子ゲーム機あるいはゲーム制御方法もしくはゲームプログラムは、上述した対戦ゲームにおける対戦主体(ゲーム主体もしくはキャラクター)を、外部から受信した無線ID(APを特定するコードデータ)に基づいて作成もしくは取り込みあるいは選択できるように構成されている点に特徴がある。なおここで対戦主体とは、前述した操作部によって操作できるゲームキャラクターであり、またキャラクターデータとは、その対戦主体の攻撃力や防御力もしくは体力あるいは武器や防具などのアイテムさらには持ち点などである。一方、対戦相手は、ROM50に予め記憶させてあるキャラクターであってもよく、あるいはデータ通信により他の電子ゲーム機から受信したキャラクターであってもよい。
【0019】
つぎに、この発明における特徴である無線IDに基づくキャラクターの設定について説明する。図1は、その手順の一例を説明するためのフローチャートであって、まず、無線ID(または無線IDコード)を取得するための操作を電子ゲーム機で実行すると、コミュニケーション制御部12によって無線IDが読み込まれ(ステップS1)、その無線IDが取得される(ステップS2)。そして、取得された無線IDを第1RAM61に一時保存(ステップS3)した後、その取得された無線IDについての重複ID削除処理が行われる(ステップS4)。なお、第1RAM61に保存された無線IDの例を図4に示してあり、数字とアルファベットの文字ならびにハイフォンなどの記号との組合せであり、その桁数は一定の制限があるものの区々である。
【0020】
ここで、ステップS4の重複ID削除処理について説明すると、重複ID削除処理とは、新たに取得された無線IDが新規のものであるか否かを判断し、既に取得されている無線IDと同一の場合は、その取得された無線IDを削除する処理のことであり、要するに無線IDが重複すると1つは不必要なものとなるので、他の制御を行う前に削除する処理である。その重複ID削除処理の手順を図5に示すフローチャートを参照して具体的に説明する。まず、新たに取得された無線IDが第1RAM61から読み込まれる(ステップS410)。つぎに新たに取得された無線IDと第2RAM62に既に保存されている既存の無線IDとが比較される(ステップS420)。この比較した結果、取得された無線IDが既存の無線IDと同じか否かが判定され(ステップS430)、ステップS430で肯定的に判断された場合すなわち新たに取得された無線IDが既存の無線IDと同一の場合は、その新たに取得された無線IDを第1RAM61から削除する(ステップS440)。また、無線IDを受信する場合、同時に複数の無線IDを取得することがあり、そのような場合に取得された全ての無線IDに対して重複ID削除処理が完了したか否かが判定される(ステップS450)。このステップS450で否定的に判断された場合すなわち重複ID削除処理が完了していないものが存在する場合は、ステップS410に戻り上述と同様のルーチンを繰り返す。これとは反対にステップS450で肯定的に判断された場合すなわち取得された全ての無線IDに対して重複ID削除処理が完了していると判断された場合は、このルーチンを一旦終了する。
【0021】
一方、重複を判断している上記のステップS430で否定的に判断された場合すなわち新たに取得された無線IDが既存の無線IDと異なっている場合は、その新たに取得された無線IDが第2RAM62に追加保存(ステップS431)され、ついで上記のステップS450に進み、新たに取得した無線IDの全てについての重複ID削除処理が終了したか否かが判断される。こうして第2RAM62に保存された無線IDの例を図6に示してある。なお、図6は保存されている無線IDをリストとして例示しているものであり、保存の順序や保存の態様を限定しているものではない。
【0022】
つぎに、この重複ID削除処理を経て確定された無線IDをデータコンバートする。このデータコンバートは図1に示す例では3つのステップから構成されており、まず、データコンバートI として、取得された無線IDの文字数を後のデータコンバートに対応した文字数に変換し、もしくは取得された無線ID自体の削除を行う(ステップS5)。このデータコンバートI の手順を説明するためのフローチャートを図7に示す。まず、第1RAM61に保存されている無線IDが読み込まれる(ステップS510)。つぎに、その読み込まれた無線IDの文字数が所定の数以下(例えば3文字以下)か否かが判定される(ステップS520)。このステップS520で否定的に判定された場合すなわち読み込まれた無線IDの文字数が所定の数以上例えば4文字以上である場合は、読み込まれた無線IDの文字数が所定の他の数以上(例えば16文字以上)か否かが判定される(ステップS530)。このステップS530で否定的に判断された場合すなわち読み込まれた無線IDの文字数が15文字以下の場合は、その文字数が14文字以下か否かが判定される(ステップS540)。すなわち、ステップS530およびステップS540によって無線IDの文字数(もしくは桁数。以下同じ)が「15」か否かを判定しており、したがってステップS540で否定的に判定された場合には、データコンバートの対象とされている無線IDの文字数が「15」であることになり、その場合は、その無線IDが第1RAM61に上書きして保存される(ステップS550)。
【0023】
第1RAM61に一時保存されている全ての無線IDについて、その文字数の調整すなわち上述したデータコンバートI が完了したか否かが判定される(ステップS560)。このステップS560で否定的に判断された場合すなわちこのデータコンバートI を行っていない無線IDが第1RAM61に残っている場合は、ステップS510に戻り、これとは反対にステップS560で肯定的に判断された場合すなわち全ての無線IDについてこのデータコンバートI が完了している場合は、このルーチンを一旦終了する。
【0024】
一方、上記のステップS520で肯定的に判定された場合すなわち読み込まれた無線IDが例えば3文字以下の場合は、その無線IDはこの変換では不適合のものとして第1RAM61から削除する(ステップS521)。ついで、他の無線IDについて文字数の調整を行うために前述したステップS560に進む。
【0025】
また、データコンバートI の対象としている現在の無線IDが例えば16文字以上であることにより上記のステップS530で肯定的に判定された場合は、その無線IDの文字数を15文字に調整する(ステップS531)。例えば読み込まれた無線IDの文字数が17文字である場合は、その無線IDの先頭もしくは末尾の2文字を削除して15文字に調整するなどの種々の方法で文字数の調整を行う。そして、前述したステップS550に進んで、文字数を調整した無線IDを第1RAM61に上書き保存する。
【0026】
さらに、前述したステップS540で肯定的に判断された場合すなわち読み込まれた無線IDの文字数が14文字以下である場合は、その無線IDの文字数を15文字に調整する(ステップS541)。例えば、読み込まれた無線IDの文字数が13文字である場合は、その無線IDの文字列の先頭もしくは末尾に0(ゼロ)を二つ付けて文字数を15文字にするなどの方法で文字数の調整を行う。そして、前述したステップS550に進んで、文字数を調整した無線IDを第1RAM61に上書き保存する。
【0027】
そして、取得された無線IDの文字数がこのデータコンバートI で調整された後、データコンバートIIが実行される(ステップS6)。このデータコンバートIIは、文字数が調整された無線IDに基づいてゲームキャラクター(対戦主体もしくはゲーム主体)を作成もしくは取り込みあるいは選択してゲームに供し得るようにし、またはそのキャラクターの攻撃力や防御力あるいは体力もしくは武器や防具などのアイテムさらには持ち点などのキャラクターデータの設定に適合できるように無線IDの文字列を変換する処理である。そのデータコンバートIIの手順を説明するためのフローチャートを図8に示す。ここに示す例では、無線IDに基づいてキャラクターを特定し、またその属性として3つの属性を特定するために、5つのデータを使用するように構成してあり、前述したように、使用する無線IDを15文字に調整してあるので、まず、データコンバートI で文字数を調整した無線IDを3文字で1グループとして5グループに分ける(ステップS60)。例えば、無線IDが「hB7T32C5672DZCd」であったとすると「hB7」、「T32」、「C56」、「72D」、「ZCd」の5グループとなる。
【0028】
そして、それら各グループの3つの文字を3つの数字に変換する(ステップS61)。この変換は、第2ROM52に予め定め格納されているテーブルに基づいて行うことができ、そのテーブルは任意に設定したものであってよく、その一例を図9に示してある。この図9に示すテーブルは、10個の数字、大小文字の52個のアルファベット、ならびに記号を2種類に分けて、全体として合計64個にそれぞれ「0」から「63」の数字を割り当てたものであり、これに従えば、前述した第1のグループでは、「h」が「3」、「B」が「4」、「7」が「63」となる。第2ないし第5のグループについても同様の変換が行われる。さらに、それらの3つの数字をそれぞれ6bitの2進数に変換する(ステップS62)。例えば、「3」、「4」、「63」の数字を6bitの2進数に変換すると、「000011」、「000100」、「111111」となる。
【0029】
こうして得られた3つの6bitの2進数を、2つの8bit(1byte)の2進数に変換する(ステップS63)。例えば、「000011」、「000100」、「111111」は、「00001100」と「01」と「00111111」となる。この時に、前後の8bitを1グループとすると真ん中の2bit「01」が端数となるので、その端数は削除する。そして、8bitの2進数を、「0」〜「9」、および「A」〜「F」の16進数の2byteデータに変換する。つまり、「00001100」と「00111111」は、それぞれ「0C」と「3F」とになる。この変換を他の4グループに対して行い5つの2byteデータを得る(ステップS64)。先に一例として挙げた無線IDについて全て変換すると、「hB7T32C5672DZCd」は、「0C3F」、「2A3D」、「102F」、「B002」、「3DA4」となる。
【0030】
さらに、図1に示すように、このデータコンバートIIで得られた5つの2byteデータに基づいてデータコンバートIII が実行される(ステップS7)。このデータコンバートIII は、上記の5つの2byteデータに基づいて対戦主体(キャラクター)を決定し、またその対戦主体の攻撃力や防御力もしくは体力あるいは武器や防具などのアイテムなどを決定する処理である。その処理の手順を説明するためのフローチャートを図10に示す。まず、データコンバートIIで変換した5つの2byteデータの最初と最後の2byteデータとで算術処理を行う。例えばこれらをかけ合わせ、かけ合わされた結果の真ん中の4桁からさらに2byteデータを得る(ステップS70)。一例として挙げた上述の無線IDで説明すると、「0C3F」と「3DA4」をかけ合わせると、「2CDAB32F」となり、その内の真ん中の2byteデータを抽出すると、「DAB3」が得られる。そして、その得られた2byteデータからキャラクターが決定される(ステップS71)。これは、キャラクターテーブルを予め用意しておき、そのキャラクターテーブルを利用して行うことができる。そのキャラクターテーブルの一例を図11に示してあり、ここに示す例は、「0」から「65535」までの65536個(「2」の16乗個)の数字を適当に区分(例えば100ずつに区分)し、それぞれの区分毎にキャラクターおよびその攻撃力、防御力、体力を定めたものである。上記の4桁の2byteデータは、「0」から「65535」までのいずれかの数字に対応しているから、そのような変換を行うことにより、4桁の2byteデータに基づいて、所定の攻撃力、防御力、体力のキャラクターを決定することができる。
【0031】
つぎに、2番目の2byteデータからキャラクターの攻撃力を決定する(ステップS72)。ここで説明している例では、攻撃力や防御力などの属性が予め決められているキャラクターを先ず決定することとしてあるので、ステップS72では、その属性を調整することになる。しかしながら、この発明では、属性の伴わないキャラクターを先ず決定し、ついでその攻撃力などの属性を決定するように構成してもよい。ステップS72の処理内容を具体的に説明すると、図10に示す例では、調整値を予め設定したカスタマイズテーブルを使用して求めるように構成されている。そのカスタマイズテーブルの一例を図12に示してあり、ここに示すカスタマイズテーブルは第4ROM54に記憶させてあり、前述した図11に示すテーブルと同様に、「0」から「65535」までの65536個(「2」の16乗個)の数字を適当に区分(例えば100ずつに区分)し、それぞれの区分毎に調整値を定めたものである。そして、第2番目の4桁の2byteデータは、「0」から「65535」までのいずれかの数字に対応しているから、そのような変換を行うことにより、第2番目の2byteデータに基づいて、調整値を決定することができる。このようにして得られた調整値は、キャラクターの攻撃力を決定するためのものとしてあり、したがってキャラクターが予め備えている攻撃力に調整値が加えられて最終的な攻撃力が決定される。例えば、2番目の2byteデータが「2A3D」である場合は、カスタマイズテーブルより「+5」が得られる。そして、先に決定したキャラクターの攻撃力が「30」であった場合は、この得られた「+5」を合算して「35」となる。
【0032】
この攻撃力の決定と同様の方法により、防御力および体力を決定する。つまり、3番目の2byteデータを防御力とし、4番目の2byteデータを体力として、それぞれの2byteデータとカスタマイズテーブルとに基づいて値を読み込み、先に決定したキャラクターデータに合算する(ステップS73)。例えば、先に決定したキャラクターの防御力が「5」で体力が「20」であり、2byteデータから得られた防御力が「−3」で体力が「+10」であったとしたら、最終的に確定するキャラクターの防御力は「2」となり、体力は「30」となる。したがって、無線IDによっては、名称あるいは形態が同じキャラクターであっても、攻撃力などの属性が異なるものが設定されることがある。
【0033】
以上のようにして各無線IDに基づいてキャラクターおよびその属性が決定され、それぞれのデータが第3RAM63に保存される(ステップS8)。図13に第3RAM63に保存されたデータの一例を示してある。なお、図13では、「ドラゴン」の名称のキャラクターが2つ存在するが、これは、受信したいずれか2つの無線IDの一部が同じであることにより、キャラクター自体が同じになったものであり、しかし他の部分が異なっているから、属性が異なり、異なるキャラクターとして取り扱われる。
【0034】
そして、ゲームは、上記の第3RAM63に保存されているキャラクターから適宜のものを選び出し、これをゲームのストーリーに従って所定の対戦相手と対戦させ、その結果によって、攻撃力や防御力などの属性のデータを更新しつつゲームを進めることになる。こうしてゲームに供されるキャラクターもしくは対戦主体は、新たな無線IDを取得する毎に第3RAM63に追加されるから、ゲームに供し得るキャラクターが増えるという意味では、無線IDに基づいてキャラクターを作成し、あるいは取得していることになる。一方、それらのキャラクターおよびその属性は第3ROM53に既に記憶させてあるものであるから、それを利用する点では、無線IDに基づいてキャラクターおよびその属性を選択することになる。いずれにしても、新たな無線IDによって新たなキャラクターが現れることになる。そして、その無線IDは、ゲーム機のデータ受信機能がオンになっていれば、意図せずに入手され、しかもその無線IDの内容、発信源、受信できる場所、時間などが殆ど不明であって、偶然に頼るものである。すなわち、この発明によれば、ほぼ完全に偶然に任せてキャラクターを取得することになり、しかもその攻撃力や持ち点などの属性が予知できないから、従来になく意外性の高いゲームを行うことができ、ゲームとしても面白みに優れ、またその面白さを継続させることができる。
【0035】
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に記載してあるステップS1〜S5の制御を実行する機能的手段が、この発明における受信手段に相当し、ステップS6の制御を実行する機能的手段が、この発明におけるデータ処理手段に相当し、さらにステップS7の制御を実行する機能的手段が、この発明におけるキャラクター決定手段に相当する。
【0036】
なお、上述した無線IDから対戦主体もしくはキャラクターデータへの変換手段は、この発明の一例にすぎず、この発明は要するに、無線IDを受信し、その無線IDを対戦主体もしくはキャラクターデータに利用するものであり、上述した例に限ったものでなくてもよい。また、データの変換方法は、ゲーム機毎に異ならせてもよく、そのようにすれば、同一の無線IDを取得しても、ゲーム機毎に異なるキャラクターや属性が設定されることになり、ゲーム機あるいはゲームの面白さを増大させることが可能になる。また、この発明では、無線IDを取得する都度、キャラクターがその無線IDに応じて変更されるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…方向キー、 2…選択キー、 3…スタートボタン、 4…一時停止ボタン、 5…ディスプレー、 6…ゲームメディアのスロット、 7…データ送受信部、 8…キー入力部、 9…制御部、 10…表示制御部、 11…画面表示部、 12…コミュニケーション制御部、 13…無線ID受信部、 14…直接無線通信部、 15…AP経由の無線通信部、 50…ROM、 51…第1ROM、 52…第2ROM、53…第3ROM、 54…第4ROM、 60…RAM、 61…第1RAM、 62…第2RAM、 63…第3RAM、 A…電子ゲーム機本体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新する電子ゲーム機において、
無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信する受信手段と、
その受信手段で受信した無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換するデータ処理手段と、
そのデータ処理手段で変換したデータによって前記キャラクターを決定するキャラクター決定手段と
を備えていることを特徴とする電子ゲーム機。
【請求項2】
キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新するゲーム制御方法において、
無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信し、
その受信した無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換し、
その変換したデータによって前記キャラクターを決定する
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項3】
コンピュータを用いて、キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新するゲームプログラムにおいて、
無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信させる受信手順と、
その受信手順で受信させた無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換する変換手順と、
その変換手順で得られたデータによって前記キャラクターを決定するキャラクター決定手段と
を備えていることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項1】
キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新する電子ゲーム機において、
無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信する受信手段と、
その受信手段で受信した無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換するデータ処理手段と、
そのデータ処理手段で変換したデータによって前記キャラクターを決定するキャラクター決定手段と
を備えていることを特徴とする電子ゲーム機。
【請求項2】
キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新するゲーム制御方法において、
無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信し、
その受信した無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換し、
その変換したデータによって前記キャラクターを決定する
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項3】
コンピュータを用いて、キャラクターデータによって個性化されたキャラクターを、操作部を操作することによる入力信号に基づいて動作させて対戦や競技あるいは勝負などのゲーム処理を行うとともにそのキャラクターの動作の状態をディスプレー上に表示し、そのゲーム処理による結果に応じて前記キャラクターのキャラクターデータを更新するゲームプログラムにおいて、
無線データ通信基地局に付されている無線IDを受信させる受信手順と、
その受信手順で受信させた無線IDを、前記キャラクターを決定するデータに変換する変換手順と、
その変換手順で得られたデータによって前記キャラクターを決定するキャラクター決定手段と
を備えていることを特徴とするゲームプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−115214(P2011−115214A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272817(P2009−272817)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(507252351)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(507252351)
【Fターム(参考)】
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