説明

電子写真機器用帯電ロール

【課題】帯電ロールへの印加電圧を低くしても、低温低湿環境下において画像不具合が発生するのを抑えることができる電子写真機器用帯電ロールを提供すること。
【解決手段】軸体12と、軸体12の外周に形成された導電性の弾性体層14と、弾性体層14の外周に形成された表層16とを備えた電子写真機器用帯電ロール10において、弾性体層14が、エピクロルヒドリンゴムおよびニトリルゴムから選択される1種または2種以上のゴムからなるイオン導電性ゴム100質量部に対し、過酸化物架橋剤1.3〜1.6質量部を含有するゴム組成物の架橋体で形成され、表層16が、N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し、水溶性のイオン導電剤0.5〜4.0質量部、導電性の酸化スズ44〜84質量部を含有する樹脂組成物で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において感光ドラムなどの像担持体を帯電させるために好適に用いられる電子写真機器用帯電ロールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器においては、感光ドラムなどの像担持体の表面に帯電ロールを直接接触させて像担持体の表面を帯電させる接触帯電方式が広く採用されている。
【0003】
帯電ロールの構成としては、軸体の外周にゴム組成物よりなる導電性の弾性体層が形成され、必要に応じて弾性体層の外周に帯電ロールの抵抗を調整するなどの中間層やロール表面を保護するなどの表層が形成された構成などが知られている。
【0004】
この種の電子写真機器の帯電ロールには、像担持体との優れた接地性が確保されるように、弾性体層が低硬度であることが求められる。また、像担持体との接触後において優れた弾性回復性が確保されるように、弾性体層が耐ヘタリ性に優れることが求められる。さらに、像担持体の表面を均一に帯電させられるように、ロール表面の抵抗が均一であることが求められる。
【0005】
このような要求に応えるべく、例えば特許文献1には、導電性の弾性体層を形成する主材料にエピクロルヒドリンゴムやニトリルゴムなどのイオン導電性ゴムを用い、これを過酸化物架橋剤で架橋させることが記載されている。また、特許文献1には、表層を形成する材料にN−メトキシメチル化ナイロンとカーボンブラックを含有する樹脂組成物を用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−31758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、電子写真機器の低コスト化を図る目的や消費電力を抑えるなどの目的で、低電圧の電源を用いる試みがなされている。この場合、従来よりも低い電圧で帯電ロールにより像担持体を適切に帯電させることが求められる。
【0008】
しかしながら、従来の帯電ロールでは、印加電圧が低い場合には、低温低湿環境下において画像に砂地やゴーストなどの不具合が生じることがあった。このような画像不具合は、特に初期画像において顕著に現れることがあった。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、帯電ロールへの印加電圧を低くしても、低温低湿環境下において画像不具合が発生するのを抑えることができる電子写真機器用帯電ロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用帯電ロールは、軸体と、前記軸体の外周に形成された導電性の弾性体層と、前記弾性体層の外周に形成された表層とを備え、前記弾性体層が、エピクロルヒドリンゴムおよびニトリルゴムから選択される1種または2種以上のゴムからなるイオン導電性ゴム100質量部に対し、過酸化物架橋剤1.3〜1.6質量部を含有するゴム組成物の架橋体で形成され、前記表層が、N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し、水溶性のイオン導電剤0.5〜4.0質量部、導電性の酸化スズ44〜84質量部を含有する樹脂組成物で形成されていることを要旨とするものである。
【0011】
このとき、前記水溶性のイオン導電剤が、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、および、テトラエチルホスホニウムヒドロキサイドから選択される1種または2種以上のイオン導電剤であることが望ましい。
【0012】
また、前記表層を形成する樹脂組成物の体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下であることが望ましい。
【0013】
また、前記表層を形成する樹脂組成物の比誘電率が200以上であることが望ましい。
【0014】
また、前記弾性体層を形成するゴム組成物が導電剤を含有しており、前記導電剤がイオン導電剤であることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電子写真機器用帯電ロールは、導電性の弾性体層がエピクロルヒドリンゴムおよびニトリルゴムから選択される1種または2種以上のゴムからなるイオン導電性ゴム100質量部に対し過酸化物架橋剤1.3〜1.6質量部を含有するゴム組成物の架橋体で形成されているときに、表層がN−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し水溶性のイオン導電剤0.5〜4.0質量部と導電性の酸化スズ44〜84質量部を含有する樹脂組成物で形成されている。このため、表層の抵抗が均一かつ低抵抗であり、表層の誘電率が高い。表層が低抵抗であるため、電気応答性が良好である。また、表層が低抵抗で表層の誘電率が高いため、表層に蓄えられる電荷量(帯電量)が多い。これにより、帯電ロールへの印加電圧を低くしても、低温低湿環境下において、初期画像から、砂地やゴーストなどの画像不具合が抑えられ、良好な画像が得られる。
【0016】
ここで、弾性体層を形成するゴム組成物が導電剤を含有しており、導電剤がイオン導電剤である場合、すなわち、このゴム組成物にカーボンブラックなどの電子導電剤が配合されていない場合には、特に低温低湿環境下においてこのような画像不具合が発生しやすい。このような場合には、弾性体層の改良だけでは画像不具合を解消することは難しい。したがって、このような場合においては、特に表層を改良することにより上記課題を解決する意義がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る帯電ロールの周方向断面図である。
【図2】帯電量の測定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る電子写真機器用帯電ロール(以下、帯電ロールということがある。)について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る帯電ロールの周方向断面図である。図1に示すように、帯電ロール10は、軸体12と、軸体12の外周に形成された導電性の弾性体層14と、弾性体層14の外周に形成された表層16とを備えている。
【0020】
軸体12は、導電性を有するものであれば特に限定されない。軸体12を形成する材料としては、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの導電性を有する金属を挙げることができる。軸体12の形状としては、中実の棒状(中実体)、中空の筒状(中空体)などを挙げることができる。軸体12の表面には、必要に応じて、接着剤、プライマーなどを塗布しても良い。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行なっても良い。
【0021】
弾性体層14は、特定のゴム組成物の架橋体で構成されている。特定のゴム組成物は、イオン導電性ゴムと過酸化物架橋剤とを含有する組成物で構成されている。イオン導電性ゴムとしては、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)を挙げることができる。イオン導電性ゴムは、これらのうちの1種のみで構成されていても良いし、2種以上を組み合わせたもので構成されていても良い。
【0022】
エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)などを挙げることができる。
【0023】
エピクロルヒドリンゴムのうち、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)は、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)よりも低抵抗体が得られやすい点で好ましい。また、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)は二重結合を有するため、ポリマー鎖間で架橋することにより弾性回復性(耐ヘタリ性)を向上させやすい点で好ましい。
【0024】
過酸化物架橋剤は、イオン導電性ゴムの架橋に用いられる。従来より広く採用されている硫黄ではなく過酸化物架橋剤を架橋剤として用いてイオン導電性ゴムを架橋しているため、弾性体層14は耐ヘタリ性に優れる。
【0025】
過酸化物架橋剤としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの従来より公知の過酸化物架橋剤を挙げることができる。過酸化物架橋剤は、これらのうちの1種のみで構成されていても良いし、2種以上を組み合わせたもので構成されていても良い。
【0026】
パーオキシケタールとしては、日油社製のパーヘキサHC、パーヘキサV、パーヘキサCなどを挙げることができる。ジアルキルパーオキサイドとしては、日油社製のパーヘキサ25B、ペロキシモンF、パークミルD、パーブチルC、パーヘキシルD、パーブチルDなどを挙げることができる。パーオキシエステルとしては、日油社製のパーブチルE、パーブチルI、パーブチルZなどを挙げることができる。
【0027】
過酸化物架橋剤の含有量は、イオン導電性ゴム100質量部に対し、1.3〜1.6質量部の範囲内に設定する。過酸化物架橋剤の含有量が1.3質量部未満では、イオン導電性ゴムの架橋が十分に進行せず、弾性体層14の耐ヘタリ性に劣るおそれがある。過酸化物架橋剤の含有量が1.6質量部を超えると、イオン導電性ゴムの架橋が進行しすぎて弾性体層14の硬度が高くなりすぎるおそれがある。また、過酸化物架橋剤の含有量としては、イオン導電性ゴム100質量部に対し、好ましくは1.3質量部である。
【0028】
イオン導電性ゴムは、それ自体がイオン導電性を示すため、体積抵抗率が比較的小さく、特定のゴム組成物の抵抗を低くすることができる。このため、特定のゴム組成物は、導電剤を含有していなくても良い。また、特定のゴム組成物は、要求される導電性に応じて、導電剤を含有していても良い。特定のゴム組成物が導電剤を含有する場合には、導電剤はイオン導電剤であることが好ましい。すなわち、特定のゴム組成物は、カーボンブラックなどの電子導電剤を含有していないことが好ましい。導電剤がイオン導電剤である場合には、組成物中での分散性に優れるため、弾性体層14において抵抗ムラが発生しにくい。このため、弾性体層14および帯電ロール10の抵抗を均一にしやすい。
【0029】
弾性体層14は、特定のゴム組成物の組成を調整するなどにより、体積抵抗率が10〜10Ω・cm程度となるように形成されれば良い。
【0030】
特定のゴム組成物に配合するイオン導電剤としては、電子写真機器分野で使用されるものであれば特に限定されるものではないが、好ましいものとしては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、界面活性剤などを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0031】
第四級アンモニウム塩あるいは第四級ホスホニウム塩としては、例えば、炭素数1〜18程度のアルキル基またはアリール基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、キシリル基など)を1種または2種以上有するものであって、ハロゲンイオン、ClO、BF、SO2−、HSO、CSO、CFCOO、CFSO、(CFSO、PF、(CFCFSO、CF(CFSO、(CFSO、CF(CFCOOなどの陰イオンを含むものを示すことができる。
【0032】
ホウ酸塩としては、例えば、炭素数1〜18程度のアルキル基またはアリール基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、キシリル基など)を1種または2種以上有するものであって、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどのアルカリ金属イオンもしくはアルカリ土類金属イオンを含むものを示すことができる。
【0033】
より具体的には、例えば、トリブチルエチルアンモニウムエチル硫酸塩、テトラブチルアンモニウムハライド(クロライド、ブロマイド、ヨーダイド)、テトラブチルアンモニウムパークロレート等の第四級アンモニウム塩、トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等の第四級ホスホニウム塩、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウムなどの過塩素酸塩、有機ホウ素錯体などを挙げることができる。
【0034】
イオン導電剤の含有量としては、イオン導電性ゴム100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.2〜3質量部の範囲内、さらに好ましくは0.3〜2質量部の範囲内である。
【0035】
特定のゴム組成物においては、本発明を阻害しない範囲で、必要に応じて、滑剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などの各種添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
【0036】
弾性体層14は、成形型を用いて型成形により形成することができる。具体的には、円筒形状の成形型の中空部に、成形型と同軸になるように軸体12を設置し、成形型の中空部に特定のゴム組成物を注入して加熱・硬化させた後、脱型することにより形成できる。
【0037】
弾性体層14は、このような特定のゴム組成物の架橋体で構成されているため、低硬度で耐ヘタリ性に優れる。このため、感光ドラムなどの像担持体に対し、適切なニップ幅を確保し、優れた接地性を有する。
【0038】
表層16は、特定の樹脂組成物で構成されている。特定の樹脂組成物は、N−メトキシメチル化ナイロンと水溶性のイオン導電剤と導電性の酸化スズとを含有する組成物で構成されている。
【0039】
水溶性のイオン導電剤は、特定の樹脂組成物の主材料であるN−メトキシメチル化ナイロンと相溶する材料である。すなわち、N−メトキシメチル化ナイロンと均一に混ざりやすい。このため、水溶性のイオン導電剤は、特定の樹脂組成物における分散性に優れ、表層16の抵抗の均一化を図ることができる。
【0040】
特定の樹脂組成物においては、溶剤を用いないでN−メトキシメチル化ナイロンと水溶性のイオン導電剤とを均一に混合することもできるが、溶剤を用いてこれらを均一に混合することが好ましい。この際用いる溶剤としては、N−メトキシメチル化ナイロンが溶解しやすいなどの理由で、水性の溶剤が好ましい。水性の溶剤としては、水、メタノール、エタノールなどを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0041】
水溶性のイオン導電剤は、特定の樹脂組成物において、導電性の酸化スズと併用することに意義がある。表層16の抵抗を単に下げるだけなら、導電性の酸化スズのみを配合し、その含有量を多くすれば良い。しかしながら、導電性の酸化スズのみを配合し、その含有量を多くしすぎると、ロール表面において局所的に放電が過剰になるなどの異常放電が発生する。これにより、画像に横スジが見られるなどの画像不具合が発生するおそれがある。これは、特定の樹脂組成物における酸化スズの分散性が悪く、局所的に過剰な部分が存在するなどの理由によるものと推察される。このため、導電性の酸化スズを単独で用いたのでは、本願の特性を発揮することができない。
【0042】
一方で、導電性の酸化スズを配合しないで水溶性のイオン導電剤のみを配合する場合には、表層16の抵抗を十分に下げることができない。すなわち、水溶性のイオン導電剤のみでは、表層16の抵抗が高い。この場合、高温高湿環境下では、弾性体層14の抵抗が低くなるため、弾性体層14から表層16に供給される電圧が過剰になる。水溶性のイオン導電剤は分散性に優れるとはいえ、表層16の膜厚にムラがあることから、弾性体層14から供給される過剰な電圧に対して、抵抗の高い表層16の膜厚ムラにより放電が面方向に均一にならない。このため、ロール表面において局所的に放電が過剰になるなどの異常放電が発生するものと推察される。特に、ニップ幅の広い端部(ロールの軸方向の端部)で異常放電が発生しやすい。
【0043】
水溶性のイオン導電剤と導電性の酸化スズを併用することにより、表層16の抵抗を十分に下げることができる。また、表層16の膜厚にムラがあっても、異常放電になりにくい。これは、酸化スズが電極層の代わりとなって放電が面方向に均一化されるためと推察される。
【0044】
したがって、水溶性のイオン導電剤と導電性の酸化スズを併用することで、このような異常放電のおそれがない構成で、表層16の抵抗を均一かつ低抵抗にすることができる。表層16の抵抗を十分に低くすることで、表層16の電気応答性が良好になる。すなわち、充電が速い。
【0045】
また、表層16を誘電体としたときに、誘電体の分極量は、比誘電率の大きさに比例する。いいかえれば、誘電体の分極率の上昇が誘電体の誘電率の上昇につながる。本発明における水溶性のイオン導電剤は、イオン分極による分極率が高い。導電性の酸化スズに水溶性のイオン導電剤を併用することにより、酸化スズによる分極に分極率が高いイオン分極が加わるため、誘電体の分極率が上昇する。これにより、表層16(誘電体)の誘電率が上昇する。表層16(誘電体)の誘電率が上昇することで、表層16に蓄えられる電荷量(キャパシティ)が増加する。
【0046】
このように、表層16に蓄えられる電荷量が増加し、表層16の充電が速くなると、感光ドラムの回転の1周目から(初期動作から)、帯電ロール10は感光ドラムに対して高い放電密度で放電することができる。これにより、感光ドラムの回転の1周目から、感光ドラムの応答性が良くなり、感光ドラムの帯電量も増加する。このため、帯電ロール10への印加電圧を低くしても、低温低湿環境下において、帯電量不足による砂地などの画像不具合が発生しにくくなる。
【0047】
また、感光ドラムの回転の1周目で感光ドラムの帯電量が不足すると、感光ドラムの回転の2周目との間で帯電量の差が大きくなる。このため、電荷ムラになりやすい。すなわち、印字部と非印字部との間の帯電量差がつきやすい。これにより、印字部がゴーストとなる。
【0048】
この現象に対し、水溶性のイオン導電剤と導電性の酸化スズを併用することで、感光ドラムの回転の1周目から感光ドラムの帯電量が上がるため、感光ドラムの回転の1周目と2周目との間での帯電量の差を小さくすることができる。また、感光ドラムの回転の1周目の帯電量は、帯電ロール10への印加電圧を低くしても十分に確保できる。このため、帯電ロール10への印加電圧を低くしても、低温低湿環境下において、上記のようなゴーストが発生しにくくなる。特に、弾性体層14の主材料にニトリルゴムを用いたときには、弾性体層14が比較的高抵抗になるため、ゴーストが発生しやすい。このようなニトリルゴムを用いたときには、特に、ゴーストの発生を抑える効果に優れる。
【0049】
水溶性のイオン導電剤の含有量は、N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し、0.5〜4.0質量部に設定する。水溶性のイオン導電剤の含有量が0.5質量部未満では、表層16の抵抗が十分に下がらないため、帯電ロール10への印加電圧を低くしたときに、画像不具合が生じやすくなる。水溶性のイオン導電剤の含有量が4.0質量部を超えると、水溶性のイオン導電剤がブルームしやすくなる。特に、高温高湿環境下でブルームしやすい。水溶性のイオン導電剤の含有量としては、N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し、より好ましくは0.5〜2質量部の範囲内である。
【0050】
水溶性のイオン導電剤としては、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、テトラエチルホスホニウムヒドロキサイドを挙げることができる。これらのイオン導電剤は、イオン性が強く、イオン分極による分極率が高いものである。したがって、上記の効果に優れる。
【0051】
導電性の酸化スズの含有量は、N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し、44〜84質量部に設定する。導電性の酸化スズの含有量が44質量部未満では、表層16の抵抗が十分に下がらないため、帯電ロール10への印加電圧を低くしたときに、画像不具合が生じやすくなる。導電性の酸化スズの含有量が84質量部を超えると、ロール表面において局所的に放電が過剰になるなどの異常放電が発生する。これにより、画像に横スジが見られるなどの画像不具合が発生するおそれがある。導電性の酸化スズの含有量としては、N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し、より好ましくは54〜74質量部の範囲内である。
【0052】
特定の樹脂組成物は、水溶性のイオン導電剤および導電性の酸化スズを含有することにより、低抵抗となるように調整される。具体的には、特定の樹脂組成物の体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以下に設定されることが好ましい。より好ましくは1.0×10Ω・cm以下、さらに好ましくは1.0×10Ω・cm以下である。特定の樹脂組成物の体積抵抗率の下限値は、特に限定されるものではないが、半導電性を確保するなどの観点から、好ましくは1.0×10Ω・cm以上、より好ましくは1.0×10Ω・cm以上、さらに好ましくは1.0×10Ω・cm以上である。
【0053】
特定の樹脂組成物の体積抵抗率は、シート状に成形して得られるシート状サンプルを用い、JIS K 6911に準拠して23℃、53%RH環境下で測定することができる。
【0054】
また、特定の樹脂組成物は、水溶性のイオン導電剤および導電性の酸化スズを含有することにより、高誘電率となるように調整される。具体的には、特定の樹脂組成物の比誘電率が200以上に設定されることが好ましい。より好ましくは220以上、さらに好ましくは230以上である。特定の樹脂組成物の比誘電率の上限値は、特に限定されるものではないが、過剰放電抑制などの観点から、好ましくは4000以下、より好ましくは2000以下、さらに好ましくは1000以下である。
【0055】
特定の樹脂組成物の比誘電率は、体積抵抗率の測定と同様、シート状に成形して得られるシート状サンプルを用いて行うことができる。具体的には、JIS K6911に準拠して、23℃、53%RH環境下、測定周波数1kHzでの比誘電率を測定することができる。
【0056】
特定の樹脂組成物においては、本発明を阻害しない範囲で、必要に応じて、滑剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などの各種添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
【0057】
表層16の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜100μmの範囲内、より好ましくは0.1〜20μmの範囲内、さらに好ましくは0.3〜10μmの範囲内である。
【0058】
表層16は、弾性体層14の外周に、表層16形成用の組成物を塗工するなどの方法により、形成できる。塗工方法としては、ロールコーティング法や、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を適用することができる。塗工された表層16には、必要に応じて、紫外線照射や熱処理を行なっても良い。
【0059】
帯電ロール10は、弾性体層14と表層16との間に、抵抗調整、拡散防止、接着などの目的で、中間層を備えていても良いし、備えていなくても良い。中間層を備える構成においては、中間層は、導電性のゴム組成物や樹脂組成物を用いて形成することができる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0061】
<弾性体層用のゴム組成物(1)の調製>
ニトリルゴム(日本ゼオン社製、ニポール3335)100質量部、過酸化物架橋剤(日油社製、パークミルD)1.3質量部、ステアリン酸1.0質量部、酸化亜鉛5.0質量部、イオン導電剤として第4級アンモニウム塩1.0質量部を攪拌機により撹拌、混合することにより、弾性体層用のゴム組成物(1)を調製した。
【0062】
<弾性体層用のゴム組成物(2)の調製>
エピクロルヒドリンゴム(ダイソー社製、エピクロマーCG102)100質量部、過酸化物架橋剤(日油社製、パークミルD)1.3質量部、ステアリン酸0.7質量部、酸化亜鉛5.0質量部、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、DHT4A)2.0質量部、イオン導電剤として第4級アンモニウム塩0.3質量部を攪拌機により撹拌、混合することにより、弾性体層用のゴム組成物(2)を調製した。
【0063】
<表層用の樹脂組成物の調製>
N−メトキシメチル化ナイロン100質量部、水性の溶剤(質量比で水:メタノール=1:1)300質量部に対し、水溶性のイオン導電剤、導電性の酸化スズを所定量配合することにより、表層用の樹脂組成物を調製した。水溶性のイオン導電剤の種類および配合量(質量部)、導電性の酸化スズの配合量(質量部)は、表1、表2に記載の通りである。なお、水溶性のイオン導電剤は以下の通りである。
LiTFSI:リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(森田薬品工業社製「LiTFSI」)
PX−2B:テトラエチルホスホニウムブロミド(日本化学工業社製「ヒシコーリンPX−2B」)
PX−2H:テトラエチルホスホニウムヒドロキサイド(日本化学工業社製「ヒシコーリンPX−2H」)
【0064】
<帯電ロールの作製>
円筒状の成形型の中空部に、成形型と同軸になるように軸体(芯金:外径6mm)を設置し、成形型の中空部にゴム組成物(1)またはゴム組成物(2)を注入して加熱・硬化させた後、脱型することにより、軸体の外周に厚さ3mmの弾性体層を形成した。次いで、弾性体層の外周に、表層用の樹脂組成物をスプレーコーティングした後、これを乾燥させることにより、厚さ10μmの表層を形成した。以上のようにして、帯電ロールを作製した。
【0065】
調製した表層用の樹脂組成物について、体積抵抗率と比誘電率の測定を行った。測定方法を以下に示す。
【0066】
<体積抵抗率>
表層用の樹脂組成物をSUS304板上に塗工し、これを130℃50分で乾燥させることにより、厚さ30μmのシート状サンプルを得た。得られたシート状サンプルにおける一方の表面上に銀ペーストを塗布することにより、10×10mmの大きさの電極を設けた(ガード電極付き)。一方、電極を設けた面と反対側の面に対向電極を設けた。印加電圧100Vの条件下における両電極間の抵抗を、JIS K 6911に準拠して、23℃、53%RH環境下で測定した。
【0067】
<比誘電率>
体積抵抗率の測定と同様にして得られたシート状サンプルについて、23℃、53%RH環境下、測定周波数1kHzでの比誘電率を測定した。
【0068】
作製した帯電ロールについて、表層の帯電量の測定を行った。また、作製した帯電ロールを用い、各印加電圧において、低温低湿環境下で、砂地発生の有無、ゴースト発生の有無について調べた。さらに、作製した帯電ロールについて耐久試験を行い、耐久後の汚れ状態について評価した。また、高温高湿環境下で、異常放電の発生の有無について調べた。また、高温高湿環境下で、ブリードの発生の有無について調べた。測定方法、評価方法を以下に示す。
【0069】
<帯電量>
図2に示すように、回転治具6に感光ドラム1(コニカミノルタ社製、magicolor 4750DNの感光ドラム)を組み付け、感光ドラム1に帯電ロール2を接触させ、帯電ロール2の両端に合わせて1kgの荷重を負荷した。この際、全体をボックスで囲って遮光した。帯電ロール2に接続した電源3から直流電圧(−1200V)のみを印加し、高圧プローブ4を備えた表面電位計5(トレックジャパン(株)製、「MODEL−370」)により、暗所で感光ドラム1の中央部の表面電位(ドラム電位)を測定した。感光ドラムの回転数は60rpmとし、帯電ロールの位置から感光ドラムの周方向に90°回った位置で、感光ドラムから2mm離した位置に表面電位計のプローブを配置した。感光ドラムの表面電位は、10℃×10%RH環境下で、回転の1周目と2周目の表面電位を測定した。
【0070】
<砂地>
市販のカラーレーザープリンター(コニカミノルタ社製、magicolor 4750DN)を用い、感光体ユニットに帯電ロールをセットし、本体から供給される帯電バイアスをアースし、外部電源(トレック社製、MODEL615−3)より直流電圧を印加した。各印加電圧において、10℃×10%RH環境下で、2by2ドットパターンのハーフトーン画像を1枚出し、目視にて砂地の有無を調べた。砂地状の画像ムラが確認されなかったものを「○」、細かな砂地状の画像ムラが見られたものを「○」、砂地状の画像ムラが目立つものを「△」、画像全体が黒く、カブリ画像が確認されたものを「×」とした。
【0071】
<ゴースト>
砂地の評価と同様、帯電ロールを上記の市販のカラーレーザープリンターにセットした。各印加電圧において、10℃×10%RH環境下で、2by2ドットパターンのハーフトーン画像を1枚出し、目視にてゴーストの有無を調べた。画像全体に残像(ゴースト)が確認されなかったものを「○」、ハーフトーンに微かな残像が見られたものを「○」、ハーフトーンに残像が目立つものを「△」、白地部に残像が見られたものを「×」とした。
【0072】
<耐久後の汚れ>
弾性体層にゴム組成物(2)(エピクロルヒドリン)を用いた場合について、市販のカラーレーザープリンター(コニカミノルタ社製、magicolor 4750DN)を用い、感光体ユニットに帯電ロールをセットし、−1200Vの印加電圧、32.5℃×85%RH環境下にて、10000枚の印字テスト(印字率5%)を行った。この耐久試験後に帯電ロールを取り出し、ロール表面を目視で観察した。ロール表面にトナーあるいはトナー外添剤の固着が確認されなかったものを「○」、僅かに固着が見られたものを「△」、出力画像に影響を与える程の固着が確認されたものを「×」とした。
【0073】
<異常放電>
砂地の評価と同様、帯電ロールを上記の市販のカラーレーザープリンターにセットした。各印加電圧において、32.5℃×85%RH環境下で2by2ドットパターンのハーフトーン画像を1枚出し、目視にて異常放電による画像のスジの有無を調べた。画像のスジが確認されなかったものを「○」、ハーフトーンに僅かなスジが見られたものを「○」、ハーフトーンにスジが目立つものを「△」、白地部にスジが見られたものを「×」とした。
【0074】
<ブリード>
帯電ロールを40℃×95%RH環境下で1週間放置した後、ロール表面のブリードの有無を目視で調べた。ロール表面にブリードが確認されなかったものを「○」、ブリードが軽微なものを「△」、ロール表面全体にブリードが発生したものを「×」とした。
【0075】
表1、2に、表層用の樹脂組成物の配合割合と、表層用の樹脂組成物の体積抵抗率、比誘電率の測定結果を示す。表3に、弾性体層にゴム組成物(1)(NBR)を用いた場合の評価を示す。表4に、弾性体層にゴム組成物(2)(エピクロルヒドリンゴム)を用いた場合の評価を示す。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【表4】

【0080】
表1、表2から、水溶性のイオン導電剤および酸化スズのいずれか一方を配合していない比較例の表層用の樹脂組成物と比べて、これら両方を配合している実施例の表層用の樹脂組成物は、体積抵抗率が低く、比誘電率が高いことが分かる。そして、表3、4から、弾性体層にNBRを用いた場合における比較例1a〜4aと比べて、弾性体層にNBRを用いた場合における実施例1A〜7Aはいずれも、1周目と2周目の帯電量の差が小さいことが分かる。同様に、弾性体層にヒドリンゴムを用いた場合における比較例1b〜4bと比べて、弾性体層にヒドリンゴムを用いた場合における実施例1B〜7Bはいずれも、1周目と2周目の帯電量の差が小さいことが分かる。感光ドラムの回転の2周目には表層の帯電量が十分になることから、実施例では、1周目から表層の帯電量が十分に高いことが分かる。
【0081】
表3、表4から、全体的に、印加電圧を上げれば、画像不具合(砂地、ゴースト)の発生が抑えられる方向にある。そこで、画像不具合(砂地、ゴースト)が生じないようにする(「○」評価が得られる)のに必要な印加電圧の値を比較した。
【0082】
弾性体層にNBRを用いた場合では、表3に示すように、比較例1a〜4aと比べて、実施例1A〜7Aはいずれも、画像不具合(砂地、ゴースト)が生じないようにする(「○」評価が得られる)のに必要な印加電圧を下げることができることが確認できた。すなわち、比較例1a〜4aと比べて、実施例1A〜7Aは、帯電ロールへの印加電圧を低くしても、低温低湿環境下において画像不具合(砂地、ゴースト)の発生が抑えられやすいといえる。
【0083】
また、弾性体層にヒドリンゴムを用いた場合でも、比較例1b〜4bと比べて、実施例1B〜7Bはいずれも、画像不具合(砂地、ゴースト)が生じないようにする(「○」評価が得られる)のに必要な印加電圧を下げることができることが確認できた。すなわち、比較例1b〜4bと比べて、実施例1B〜7Bは、帯電ロールへの印加電圧を低くしても、低温低湿環境下において画像不具合(砂地、ゴースト)の発生が抑えられやすいといえる。
【0084】
そして、弾性体層のゴム材料として、より高抵抗のNBRを用いた場合には、画像不具合(砂地、ゴースト)が生じないようにするのに必要な印加電圧を下げることができる効果がより顕著に現れている。
【0085】
製品評価においては、実施例1A〜7A、実施例1B〜7Bのいずれも、耐久後の汚れ、異常放電の発生および表面ブリードが認められなかった。すなわち、実施例1A〜7A、実施例1B〜7Bのいずれも、製品特性を十分に満足するものであった。
【0086】
なお、比較例1では、水溶性のイオン導電剤を配合していないため、比誘電率が低い。比較例2〜4では、酸化スズを配合していないため、高抵抗である。このため、比較例2〜4では、高温高湿環境下で、異常放電による画像のスジが認められた。
【0087】
参考例1では、水溶性のイオン導電剤の配合量が少なすぎるため、比較例1と同様、比誘電率が低い。このため、比較例1と比べて、画像不具合(砂地、ゴースト)が生じないようにする(「○」評価が得られる)のに必要な印加電圧を下げることができていない。参考例2では、水溶性のイオン導電剤の配合量が多すぎるため、イオン導電剤のブリードが見られる。参考例3では、酸化スズの配合量が少なすぎるため、帯電不足の傾向がある。このため、比較例1と比べて、画像不具合(砂地、ゴースト)が生じないようにする(「○」評価が得られる)のに必要な印加電圧を下げることができていない。参考例4では、酸化スズの配合量が多すぎるため、耐久試験後のロール表面にトナーのフィルミングが見られた。このため、耐久後の汚れにおいて問題があった。
【0088】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0089】
10 帯電ロール
12 軸体
14 弾性体層
16 表層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸体と、前記軸体の外周に形成された導電性の弾性体層と、前記弾性体層の外周に形成された表層とを備えた電子写真機器用帯電ロールにおいて、
前記弾性体層が、エピクロルヒドリンゴムおよびニトリルゴムから選択される1種または2種以上のゴムからなるイオン導電性ゴム100質量部に対し、過酸化物架橋剤1.3〜1.6質量部を含有するゴム組成物の架橋体で形成され、
前記表層が、N−メトキシメチル化ナイロン100質量部に対し、水溶性のイオン導電剤0.5〜4.0質量部、導電性の酸化スズ44〜84質量部を含有する樹脂組成物で形成されていることを特徴とする電子写真機器用帯電ロール。
【請求項2】
前記水溶性のイオン導電剤が、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、および、テトラエチルホスホニウムヒドロキサイドから選択される1種または2種以上のイオン導電剤であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用帯電ロール。
【請求項3】
前記表層を形成する樹脂組成物の体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用帯電ロール。
【請求項4】
前記表層を形成する樹脂組成物の比誘電率が200以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真機器用帯電ロール。
【請求項5】
前記弾性体層を形成するゴム組成物が導電剤を含有しており、前記導電剤がイオン導電剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真機器用帯電ロール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−173526(P2012−173526A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35749(P2011−35749)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】