説明

電子機器及びサイクルコンピュータ

【課題】スイッチの可動性を良好に維持し、かつ操作性を向上できる電子機器及びサイクルコンピュータを提供する。
【解決手段】筐体21の下ケースは、マウントに取り付けられる回転ベース30に対して回転可能である。回転ベース30には筐体21内において回転ベース蓋140が固定されている。筐体21内に設けられた電装基板150の下面にはジョグスイッチ161が取り付けられている。ジョグスイッチ161の操作子162は下方に突出している。操作子162は、回転ベース蓋140の係止部191,192によって挟持されている。筐体21を回転させて傾けると、操作子162は筐体21と一体して回転するが、回転ベース蓋140は回転しない。それ故、係止部191,192によって操作子162が横方向に付勢されるので、ジョグスイッチ161のオンオフが切り換わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びサイクルコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自転車のフレームに取り付けられ、自転車の走行に関する各種情報を表示可能なサイクルコンピュータ(以下「サイコン」と呼ぶ。)が知られている。サイコンの筐体上面には表示部が設けられている。そのような筐体上面にボタンを取り付けるには、表示部以外の部分にボタンを配置する為の面積が必要である。しかし表示部は運転者に見えやすいように大きくする必要がある。ボタンを小さくすれば運転者にとって操作しづらくなる。筐体そのものを大きくすれば運転者にとって邪魔になる。
【0003】
そこで、例えば、表示領域を確保しながら操作性を向上させた表示装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この表示装置は、筐体を自転車のバーに固定するための固定具を備える。その筐体は固定具上で回動可能に支持される。さらに筐体における固定具に対向する面から突出するように切換スイッチが設けられている。切換スイッチは第1と第2表示状態の切換えを行なう。例えば筐体を上方から下方に向けて押すことにより、固定具上に支持された筐体が回動し、切換スイッチが固定具により筐体の内方に押し込まれ、第1表示状態と第2表示状態の切換えが行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4246741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の表示装置では、切換スイッチが筐体における固定具に対向する面から突出するように設けられ、常に外部に露出した状態である。それ故、切換スイッチに異物等が付着してしまうと、切換スイッチが良好に可動せず、応答性が鈍くなるという問題点があった。さらに、筐体は固定具に対して一端側で回動可能に支持され、その他端側において切換スイッチが固定具に接触して押し込まれるようになっている。それ故、筐体の他端側をピンポイントで押さえなければ切換スイッチが良好に切り替わらないという問題点もあった。
【0006】
本発明の目的は、スイッチの可動性を良好に維持し、かつ操作性を向上できる電子機器及びサイクルコンピュータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る電子機器は、ベースと、前記ベースに対して移動可能に設けられる筐体と、前記筐体内に設けられ、前記ベースに対して対向配置された電装基板と、前記筐体内において前記電装基板の前記ベースへの対向面から前記ベース側に突出する操作子を有し、前記操作子が付勢されることにより電気的に切り換えられるスイッチと、前記ベースに設けられ、前記筐体及び前記電装基板と共に移動する前記操作子に対して当接して付勢することにより前記スイッチを電気的に切り換える付勢部とを備えている。
【0008】
第一態様によれば、操作子は筐体内に位置するので外部に露出しない。よって、異物が操作子に付着するのを防止できる。それ故、操作子の可動性を良好に維持できる。また筐体そのものを移動操作するだけでスイッチの切り換えができるので電子機器の操作性を向上できる。
【0009】
第一態様において、前記筐体は、前記ベースに設けられた軸部に回動可能に設けられ、前記付勢部は、前記筐体が回動されることにより、前記操作子を前記筐体の回動方向とは反対方向に付勢して前記スイッチを切り換えるようにするとよい。筐体をベースに対して回動させるだけでスイッチを切り換えることができるので電子機器の操作性を向上できる。
【0010】
第一態様において、前記付勢部は、前記軸部上に設けられ、前記操作子の回動方向の両側又は片側から係止可能である係止部を備えるようにするとよい。係止部は操作子の回動方向の両側又は片側から係止するので、筐体を軸部を中心に回動させることにより、操作子を回動方向の両側又は片側に付勢できる。例えば、両側から係止する場合、スイッチは二方向を検知できる。片側から係止する場合は一方向を検知できる。
【0011】
第一態様において、前記係止部は、前記筐体の回動に伴って回動する前記操作子の回動軌跡上に位置するようにするとよい。係止部は操作子の回動軌跡上に位置するので、筐体の回動方向と、操作子の付勢方向とを一致させ易い。故に操作子は回動方向とは反対方向に無理なく付勢されることができる。
【0012】
第一態様において、前記付勢部はリング状に形成されるとよい。付勢部はリング状であるので軽量化できる。
【0013】
第一態様において、前記筐体内に取り付けられ、前記ベースに対する前記筐体の位置を所定位置に保持する保持部材を備え、前記所定位置は、前記操作子が前記付勢部に付勢されない状態となる前記筐体の位置であるようにするとよい。筐体が回動されても、筐体から手を離すと筐体は保持部材によって所定位置に戻るので、スイッチの操作子が付勢されたままの状態にならない。故に筐体の操作を連続して行うことができ、スイッチもそれに応じて出力態様を切り換えることができる。
【0014】
第一態様において、前記保持部材は弾性を有する材質で形成され、前記付勢部は、前記保持部材の一部を保持する保持部を備えるようにするとよい。保持部材の弾性力により筐体を所定位置に戻すことができる。
【0015】
第一態様において、前記スイッチは、前記操作子がレバー式であるジョイスイッチにするとよい。スイッチはレバー式のジョイスイッチであるので、レバーを倒す方向に基づいて方向を検知できる。
【0016】
第一態様において、前記筐体は略直方体状に形成されるようにするとよい。筐体には角部があるので筐体を回動させ易い。また角部を叩くことでもスイッチを切り換えることができる。
【0017】
第一態様において、前記筐体を前記ベースより浮かせて保持する弾性部材を備え、前記筐体は前記弾性部材によって前記ベースに対して接離する方向に移動可能であって、前記筐体を前記ベースに向かって押下されることにより、前記操作子が前記付勢部に当接して付勢されるようにするとよい。筐体をベースに向けて押下するだけでスイッチを切り換えることができるので、操作性が向上する。また筐体がベースから全体が浮いているので、筐体のどの部分を押下してもスイッチを切り換えることができる。
【0018】
第一態様において、前記筐体の底部には開口部が設けられ、前記開口部は前記操作子に対向する位置にあって、前記弾性部材は前記開口部の周囲を取り囲むリング状に形成され、前記筐体の前記底部と前記ベースとの間に設けるとよい。筐体が押下されると、筐体の底部の開口部から操作子が突出するので、操作子は付勢部に当接して付勢されることができる。弾性部材はリング状であるので、筐体全体をバランス良く浮かせることができる。
【0019】
第一態様において、前記操作子は前記開口部又は前記開口部よりも前記筐体の奥側に位置するようにするとよい。筐体が押下されない通常の状態では、操作子は開口部から出ないので、筐体によって操作子を保護できる。
【0020】
第一態様において、前記付勢部は、前記操作子に向かって突出する凸部を備えるとよい。付勢部は凸部を備えているので、筐体が押下されることにより、操作子を確実に付勢できる。また凸部であることから応力を集中させ易いので、操作子を簡単に付勢できる。
【0021】
第一態様において、前記スイッチは、前記操作子を押下することにより電気的に切り替わるタクトスイッチにするとよい。スイッチはタクトスイッチであるので、操作子を付勢部によって押下されることによって、スイッチを電気的に切り換えることができる。
【0022】
第一態様において、表示手段を備え、前記スイッチは前記操作子の複数の付勢方向を弁別可能なスイッチであり、前記付勢方向に応じて前記表示手段の表示内容を変更する制御手段を備えるとよい。例えば筐体に力をかける方向を変えて操作子の付勢方向を切り変えることにより、例えば表示手段の表示内容を変更できる。それ故、電子機器の操作性を更に向上できる。
【0023】
第一態様において、前記スイッチとは別の指示入力手段を備え、前記スイッチには、前記指示入力手段よりもより即時性が要求される機能を割り当てるようにするとよい。即時性が要求される機能に対して、筐体を押すだけでスイッチが切り替わるので、例えばその機能を瞬時に発揮させることができる。
【0024】
第一態様において、前記即時性が要求される機能は、音出力手段による音の出力にするとよい。例えば電子機器が自転車に取り付けられるものであれば、音出力手段はリンにするとよい。リンは危険が迫ったときに即座に鳴らす必要があるからである。一方、指示入力手段には、例えばライトのオンオフなどを割り当てると良い。ライトは停車時にオンオフすればよい程度の即時性しか要求されないからである。
【0025】
第一態様において、ライトを備え、前記電子機器を被取付部材に取り付けた状態において、前記ライトは、前記筐体を前記被取付部材に対して縦方向とした状態と横方向とした状態の双方の状態において、前記被取付部材の前方方向を照らす位置に配置するとよい。筐体が縦横双方の状態でも常に前方方向を照らすことができる。例えば電子機器を自転車に取り付けた場合、筐体を縦横の何れの状態でも、ライトは常に自転車の前方を照らすことができる。特にライトは筐体の角位置に備えると良い。
【0026】
本発明の第二態様に係るサイクルコンピュータは、自転車の走行に関する情報を表示可能なサイクルコンピュータであって、請求項1から14の何れかに記載の電子機器を備え、前記ベースは、前記自転車のフレームに着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0027】
第二態様によれば、請求項1から14の電子機器をサイクルコンピュータに適用できる。自転車走行時のサイクルコンピュータの操作性を向上できる。またサイクルコンピュータのような小型の電子機器は筐体が重くないので、筐体を移動可能に設けることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】自転車100の側面図である。
【図2】サイコン20がマウント50を介してハンドルバー15に取り付けられた状態を示す図である。
【図3】サイコン20の底面図である。
【図4】サイコン20がマウント50に取り付けられる状態を示す図である。
【図5】サイコン20の回転ベース30をマウント50の穴部57に挿入した状態を示す図である。
【図6】サイコン20を縦方向に取り付けた状態を示す図である。
【図7】サイコン20を横方向に取り付けた状態を示す図である。
【図8】下ケース21Bの斜視図である。
【図9】下ケース21Bに回転ベース30と回転ベース蓋140を取り付けた状態を示す図である。
【図10】回転ベース30の斜視図である。
【図11】回転ベース蓋140の斜視図である。
【図12】図9の下ケース21Bの内側に電装基板150を配置した状態を示す図である。
【図13】電装基板150の下面を示す斜視図である。
【図14】図2の状態から上ケース21Aを取り外した状態の図である。
【図15】筐体21の通常時の内部構造を示す図である。
【図16】筐体21を右側に傾けたときの内部構造を示す図である。
【図17】筐体21を左側に傾けたときの内部構造を示す図である。
【図18】サイコン200の断面図(押下する前の通常時)である。
【図19】サイコン200を押下した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明にかかる電子機器の第1,第2実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0030】
先ず、第1実施形態であるサイクルコンピュータ20について、図面を参照して説明する。以下説明ではサイクルコンピュータを「サイコン」と呼ぶ。サイコン20は電子機器の一例である。
【0031】
はじめに、サイコン20が取り付けられる自転車100の構造について、図1を参照して簡単に説明する。自転車100は、例えばマウンテンバイクと呼ばれる不整地走行が可能なものである。自転車100は、フレーム1、駆動部5、前輪6、後輪7、前後のブレーキ装置9A,9B等を備える。フレーム1は、フレーム体2、フロントフォーク3、及びハンドル部4を有する。フレーム体2は、パイプを溶接して製作される。フレーム体2には、サドル13や駆動部5を含む各部が取り付けられている。フロントフォーク3は、フレーム体2の前部に斜めに傾いた軸回りに揺動自在に装着される。ハンドル部4は、ハンドルステム14とハンドルバー15を備える。ハンドルステム14は、フロントフォーク3の上部に固定される。ハンドルバー15は、ハンドルステム14に固定される。ハンドルバー15は左右方向にかつ水平に延設される。
【0032】
ハンドルバー15の略中央の上部には、マウント50が取り付けられている。マウント50には、サイコン20が着脱可能に取り付けられる。サイコン20は表示部29を備える。表示部29は、例えば、自転車100の走行速度や走行距離等の走行情報を表示可能である。具体的には、例えば、自転車100の走行に伴い、後輪7のスポークに取り付けた速度検出用マグネット(図示略)の回転を速度検出器(図示略)で検出し、該速度検出器から出力される回転速度に対応したパルス信号に基づき、自転車100の走行速度及び走行距離等の各種情報を算出して表示できる。
【0033】
ハンドルバー15の両端には、ブレーキレバー16とグリップ17が装着されている。ブレーキレバー16とグリップ17は、前後のブレーキ装置9A,9Bを操作する為のものである。駆動部5は、ギアクランク11とチェーン18を備える。ギアクランク11は、フレーム体2の下部に設けられている。チェーン18は、ギアクランク11に掛け渡されている。
【0034】
そして、本実施形態では、サイコン20をマウント50に対して45°の回転で取り付けることができる。さらに、サイコン20をハンドルバー15に取り付けたままの状態で、サイコン20の向きを90°ずつ変えることができる。例えば、サイコン20に表示される画像の縦又は横の表示方向に合わせてサイコン20の向きを縦方向及び横方向に変えることができる。さらに、本実施形態では特に、サイコン20の筐体21の角部をタップして傾けることにより、例えば表示部29に表示されている画面を切り換えることができる。また、リン設定がオンにされている場合は、サイコン20の筐体21の角部を押すという直感的な操作により、例えば「ピッ・ピッー!」とリン音が出力されるようになっている。以下、これらの2つの特徴について順に説明する。
【0035】
先ず、サイコン20をハンドルバー15に対して45°の回転で取り付け可能とする構成について、図2〜図7を参照して説明する。以下説明では、図2の左斜め下方、右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方を、夫々、サイコン20の前方、後方、右方、左方とする。図3の下方、上方、左方、右方を、サイコン20の前方、後方、右方、左方とする。
【0036】
図2に示すように、サイコン20は筐体21を備える。筐体21は樹脂製である。筐体21は例えば一方向に長手を有する略直方体状のケースである。筐体21は、前面23、背面24、右側面25、左側面26、上面27、及び底面28(図3参照)を備える。筐体21の各角部はテーパ状に形成されている。上面27には表示部29が設けられている。表示部29は平面視長方形状である。表示部29には、例えば自転車100の走行速度や走行距離等の走行情報等が表示される。表示部29に表示される画像の表示方向は、例えば縦方向と横方向の何れかに変更可能である。縦方向とは例えば前記一方向に沿った長手方向である。横方向とは例えば前記一方向に直交する短手方向である。
【0037】
さらに上面27の前側には4つのボタン46〜49が左方から右方に並設されている。ボタン46は例えば表示部29に表示されている画面から前の画面に戻る時に使用するものである。ボタン47は例えば本機の電源ON/OFFや選択項目の決定に使用するものである。ボタン48は例えば項目の選択やタイムの計測停止に使用するものである。ボタン49は例えば項目の選択やタイムの計測開始に使用するものである。ボタン46〜49は例えばゴム製である。
【0038】
なお、表示部29は例えば抵抗膜式のタッチパネルを搭載したものでもよい。抵抗膜式のタッチパネルは、自転車100に乗るときに、例えば手袋をしていたり、汗をかいている場合でも、タッチパネルの反応性を維持できる点で特に有効である。タッチパネル式の表示部では、使用者は、例えば表示部に表示された操作部(図示略)に指でタッチして入力操作を行うことができる。また、表示部29は例えば静電式のタッチパネルを搭載したものでもよい。
【0039】
図3に示すように、底面28の略中央には回転ベース30が設けられている。回転ベース30は、底面28に設けられた後述する円形開口121(図8参照)から下方に突出している。回転ベース30は軸部31と十字部32を備える。軸部31は例えば略円筒状である。十字部32は、軸部31の下方に突出する先端部に設けられている。十字部32は底面視略十字形状である。十字部32は、4本の係止爪部35〜38を備える。係止爪部35〜38は、軸部31の先端面において十字方向に各々延出する。十字方向は例えば筐体21の前後左右の4方向である。係止爪部35は筐体21の前方に延出する。係止爪部36は筐体21の右方に延出する。係止爪部37は筐体21の後方に延出する。係止爪部38は筐体21の左方に延出する。
【0040】
さらに、軸部31の先端面において、係止爪部35と係止爪部36に挟まれる部分には湾曲凹部41が設けられている。係止爪部36と係止爪部37に挟まれる部分には湾曲凹部42が設けられている。係止爪部37と係止爪部38に挟まれる部分には湾曲凹部43が設けられている。係止爪部38と係止爪部35に挟まれる部分には湾曲凹部44が設けられている。湾曲凹部41〜44は、十字部32の先端面の中心32Aから径方向外側に向かって緩やかに湾曲している。それ故、十字部32は、軸部31の先端面において下方に突出する状態となる。
【0041】
次に、係止爪部35〜38の形状について具体的に説明する。図3に示すように、係止爪部35〜38は、十字部32の中心32側においてやや先細り形状を有し、径方向外側に向かって緩やかな幅広に形成されている。係止爪部35〜38の各先端部は、軸部31の外周より径方向外側に突出している。係止爪部35〜38の各先端部は円弧状である。係止爪部35の先端部の幅方向中央には凹部35Aが設けられている。係止爪部36の先端部の幅方向中央には凹部36Aが設けられている。係止爪部37の先端部の幅方向中央には凹部37Aが設けられている。係止爪部38の先端部の幅方向中央には凹部38Aが設けられている。凹部35A〜38Aは中心32A側に例えば円弧状に窪んで形成されている。
【0042】
係止爪部35の先端部と中心32Aとの間には、凹部35Bが設けられている。凹部35Bは、係止爪部35の長手方向に沿って延設され、細長長方形状である。凹部35Bの深さは、中心32A側から先端側にかけて徐々に深くなっている。係止爪部36〜38にも、凹部35Bと同様の係合凹部36B,37B,38Bが各々設けられている。
【0043】
この他に、底面28の左側後方の角部には、フラッシュライト67が設けられている。フラッシュライト67は、例えばLEDとレンズ等を備える。例えばフラッシュON時に点滅して周囲に示すことができる。
【0044】
底面28の右側後方には、ブザーフィルタ部66が設けられている。ブザーフィルタ部66は筐体21の内部にある電装基板150に固定されたブザー164(図13参照)から出力されるアラート音を外部に流す為の複数の小孔を備える。回転ベース30の前方には、電池収納部68が設けられている。電池収納部68は略円筒状に形成され、例えば2個のボタン電池180(図15参照)を収納する。電池収納部68の開口には電池カバー68Aが着脱可能に取り付けられる。なおサイコン20はボタン電池180を電力の供給源として動作するが、例えば充電池で動作するようにするとよい。
【0045】
次に、マウント50の構造について説明する。図4に示すように、マウント50は、底面が開放する略直方体状の樹脂製ケースである。マウント50は、前壁51、背壁52、右側壁53、左側壁54、及び上壁55を備える。上壁55の上面略中央には穴部57が設けられている。穴部57は底部58を備え、平面視円形状である。穴部57の内周面の上部において、前壁51に対応する位置には、被係止部61が設けられている。背壁52に対応する位置には、被係止部62が設けられている。右側壁53に対応する位置には、被係止部63が設けられている。左側壁54に対応する位置には、被係止部64が設けられている。即ち、被係止部61〜64は、穴部57を軸方向から見た場合に90°ずつずらした位置に各々設けられている。
【0046】
被係止部61〜64は、穴部57の径方向内側に各々延出する。被係止部61〜64は、穴部57の内周面に沿って設けられ、それら径方向内側に向かう各先端部は、当該内周面の曲率と同様に円弧状に湾曲している。被係止部61〜64の互いに隣り合う端部同士の間には所定の隙間が設けられている。この隙間の幅は、少なくとも回転ベース30に設けられた上述の係止爪部35〜38の各先端部を挿入できる程度に調整される。
【0047】
穴部57の内周面において、被係止部61の長手方向中央部の下方には突起部81が設けられている。被係止部62の長手方向中央部の下方には、突起部82が設けられている。被係止部63の長手方向中央部の下方には、突起部83が設けられている。被係止部64の長手方向中央部の下方には、突起部84が設けられている。突起部81〜84は、穴部57の内周面から径方向内側に各々突出する。
【0048】
底部58において、被係止部63,64に相対する各部分には、孔部68,69が各々設けられている。孔部68,69は、平面視で見た場合に、被係止部63,64と少なくとも同程度の大きさを有する長方形状である。底部58において、被係止部61,62に相対する各部分には、孔部70,71が設けられている。孔部70,71は平面視矩形状である。孔部70と71の間には、中央部73が設けられている。中央部73は左右方向に延設する略長方形状である。孔部70内には板バネ74が設けられている。孔部71内には板バネ75が設けられている。板バネ74,75は中央部73で互いに連結されている。板バネ74,75は中央部73を基点として、中央部73とは反対側の先端側が穴部57の深さ方向に夫々撓み可能である。
【0049】
板バネ74の先端側の幅方向中央には、凸部74Aが設けられている。凸部74Aは、底部58の中央部59から径方向外側に向かって底部58からの高さが徐々に高くなる形状を備える。凸部74Aは側面視略三角形状である。板バネ75の先端側の幅方向中央には、凸部75Aが設けられている。凸部75Aは、底部58中央部59から径方向外側に向かって底部58からの高さが徐々に高くなる形状を備える。凸部75Aは側面視略三角形状である。凸部74A,75Aの形状は、係止爪部35〜38の凹部35B〜38Bの深さ形状に対応している。故に、凸部74A,75Aは、係止爪部35〜38の凹部35B〜38Bに対して、特に径方向外側において強固に嵌合できる。
【0050】
前壁51の幅方向両側には一対の通し孔86が設けられている。背壁52の幅方向両側にも一対の通し孔(図示略)が設けられている。夫々互い対向する位置にある各一組の通し孔86には、結束バンド101,102が夫々通される。結束バンド101,102は、ハンドルバー15にマウント50を取り付ける為のバンドである。結束バンド101,102は、マウント50内において、孔部70,71の左右両側に配置される。それ故、板バネ74,75が下方に撓んだ場合でも、板バネ74,75は結束バンド101,102に接触しない。従って、結束バンド101,102は、板バネ74,75の撓み機能を阻害しない。
【0051】
右側壁53の底部の中央部には、湾曲部78が設けられている。左側壁54の底部の中央部にも湾曲部(図示略)が設けられている。各湾曲部78は上方に円弧状に湾曲し、互いに対向する位置関係である。湾曲部78は、台座シート90を介してハンドルバー15に接触する部分である。マウント50の底部には、台座シート90が嵌め込まれる。台座シート90は、例えばゴムや、エラストマー等が適用可能である。それ故、ハンドルバー15に対して滑り止めの効果を得ることができる。
【0052】
次に、マウント50のハンドルバー15への取り付け手順の一例について、図4を参照して説明する。先ず、マウント50の底面側に設けた台座シート90を、ハンドルバー15上に沿わせて配置する。結束バンド101,102を、マウント50の各通し孔86に通し、ハンドルバー15と結束する。こうして、マウント50はハンドルバー15の上部に偏りなく取り付けられる。このとき、マウント50の前壁51、背壁52、右側壁53、左側壁54は、例えば、自転車100の後方、前方、右側方、左側方に向かって対向する位置関係となる。
【0053】
次に、サイコン20をマウント50に取り付ける手順の一例について、図5〜図7を参照して簡単に説明する。なお、図6は、サイコン20を縦方向に取り付けた状態を示している。図7は、サイコン20を横方向に取り付けた状態を示している。図6,図7の上方、下方は、夫々、自転車100の前方、後方である。最初に、サイコン20をマウント50に対して縦方向に取り付ける場合について説明する。先ず、マウント50の穴部57対して、サイコン20の底面28側にある回転ベース30を対向配置させる。そして、十字部32の係止爪部35〜38をマウント50の前後左右に合わせた位置からサイコン20を反時計回りに回転してずらす。この状態で、図5に示すように、十字部32の係止爪部35〜38の各先端部を、マウント50の被係止部61〜64同士の各隙間に通し、回転ベース30を穴部57に挿入する。
【0054】
次いで、図6に示すように、サイコン20を時計回りに45°回転させる。回転ベース30の回転に伴い、係止爪部35の面は、板バネ74の凸部74Aを押し下げ、係止爪部37の面は、板バネ75の凸部75Aを押し下げる。板バネ74,75は下方に撓むので、回転ベース30は穴部57の内側においてさらに回転可能となる。回転ベース30は時計回りに45°回転する。十字部32の係止爪部35〜38がマウント50の前後左右に一致する。すると、係止爪部35〜38は、穴部57の内側において、被係止部61〜64の下方にスライドする。そして、板バネ74の弾性復帰力により、係止爪部35の凹部35Bに対して、板バネ74の凸部74Aが落着して嵌り込む。他方、板バネ75の弾性復帰力により、係止爪部37の凹部37Bに対して、板バネ75の凸部75Aが落着して嵌り込む。これにより、被係止部61〜64に対して係止爪部35〜38の位置が回転してずれるのを防止できる。
【0055】
さらに、係止爪部35の凹部35Aにマウント50の突起部81が嵌合する。係止爪部36の凹部36Aにマウント50の突起部83が嵌合する。係止爪部37の凹部37Aにマウント50の突起部82が嵌合する。係止爪部38の凹部38Aにマウント50の突起部84が嵌合する。これによりマウント50に対して回転ベース30が回転するのを防止できる。このようにして、マウント50の穴部57に対して、サイコン20の回転ベース30の取り付けが完了する。サイコン20はマウント50に対して縦方向に取り付けられる。
【0056】
次に、サイコン20をマウント50に対して横方向に取り付ける場合について説明する。例えば、使用者は、サイコン20の表示部29に表示される画像の表示方向を縦方向から横方向に変更する場合がある。この場合、使用者はマウント50に対してサイコン20を横方向にする必要がある。そこで、使用者は、先ず、図6の状態からサイコン20を反時計回りに45°回転させる。すると、係止爪部35の凹部35Bから、板バネ74の凸部74Aが離脱し、係止爪部37の凹部37Bから、板バネ75の凸部75Aが離脱する。さらに、係止爪部35〜38の凹部35A〜38Aからマウント50の突起部81〜84が離脱する。そして、回転ベース30の回転に伴い、係止爪部35の面は、板バネ74の凸部74Aを押し下げ、係止爪部37の面は、板バネ75の凸部75Aを押し下げる。板バネ75,76は下方に撓むので、回転ベース30は穴部57の内側においてさらに回転可能となる。サイコン20は一旦、図5の状態となる。
【0057】
次いで、図5の状態からそのままサイコン20を反時計回りに45°回転させる。回転ベース30の回転に伴い、係止爪部38の面は、板バネ74の凸部74Aを押し下げ、係止爪部36の面は、板バネ75の凸部75Aを押し下げる。板バネ74,75は下方に撓むので、回転ベース30は穴部57の内側においてさらに回転可能となる。十字部32の係止爪部35〜38がマウント50の前後左右に一致する。すると、係止爪部35〜38は、穴部57の内側において、被係止部61〜64の下方にスライドする。そして、図7に示すように、板バネ74の弾性復帰力により、係止爪部38の凹部38Bに対して、板バネ74の凸部74Aが落着して嵌り込む。他方、板バネ75の弾性復帰力により、係止爪部36の凹部36Bに対して、板バネ75の凸部75Aが落着して嵌り込む。
【0058】
さらに、係止爪部35の凹部35Aにマウント50の突起部83が嵌合する。係止爪部36の凹部36Aにマウント50の突起部82が嵌合する。係止爪部37の凹部37Aにマウント50の突起部84が嵌合する。係止爪部38の凹部38Aにマウント50の突起部81が嵌合する。このようにして、マウント50の穴部57に対して、サイコン20の回転ベース30の取り付けが完了する。サイコン20はマウント50に対して横方向に取り付けられる。従って、使用者は、サイコン20をマウント50から取り外すことなく、サイコン20の向きを縦方向から横方向、又は横方向から縦方向に変えることができる。
【0059】
また本実施形態では、サイコン20の筐体21の角部にフラッシュライト67を設けることで、縦横双方の状態で前方を照らすことができる。図6,図7に示すように、サイコン20を縦横の何れの方向に取り付けた状態でも、フラッシュライト67は、自転車100の前方を照らす位置に配置される。それ故、フラッシュライト67は縦横双方の状態で前方を照らすことができる。
【0060】
次に、筐体21を傾けることにより、サイコン20の処理動作を切り換え可能とする本発明の構成について、図2、図8〜図17を参照して説明する。なお本実施形態において、「筐体21を傾ける」とは、例えば図16,図17に示すように、筐体21の角部をタップすることにより、筐体21を時計回り又は反時計回りに回転させ、ハンドルバー15に対して筐体21の姿勢を傾けることをいう。
【0061】
先ず、筐体21の構造について詳細に説明する。図2に示すように、筐体21は上ケース21Aと下ケース21Bとを備える。
【0062】
上ケース21Aの形状について説明する。上ケース21Aは平面視長方形状の蓋部材である。上面25には開口111が設けられている。開口111は平面視長方形状である。開口111の内側には表示部29が配設される。表示部29は筐体21内に取り付けられている(図14参照)。開口111の前方には、ボタン46〜49を筐体21の内部から上方に突出させる為の4つの孔部(図示略)が設けられている。
【0063】
次に、下ケース21Bの形状について説明する。図8に示すように、下ケース21Bは、上ケース21Aと同様の平面視略長方形状、かつ断面凹状に形成されている。下ケース21Bの略中央には円形開口121が設けられている。下ケース21Bの下面における円形開口121の周縁部にはパッキン122が取り付けられている。円形開口121には回転ベース30(図3,図10参照)が回転可能に取り付けられる。円形開口121の前方には、上記の電池収納部68が設けられている。電池収納部68は下ケース21Bの面に直交して上下方向に延出されている。円形開口121の左前方には、バネ取付部123が設けられている。バネ取付部123は、円形開口121側に開口する平面視略U字状のリブである。バネ取付部123の内側には一対のネジ孔124が設けられている。バネ取付部123には、U字バネ170(図9参照)が取り付けられる。U字バネ170はU字状のバネである。
【0064】
さらに円形開口121を中央に挟む左右両側には、突起部131,132が各々設けられている。突起部131は円形開口121の右側、突起部132は円形開口121の左側に位置する。突起部131,132は上方に突出する角柱状である。円形開口121の右後方には、上記のブザーフィルタ部66が設けられている。下ケース21Bの左後方隅部には、ライト保護部127が設けられている。ライト保護部127は略円筒状である。ライト保護部127には、電装基板150の下面に取り付けられたフラッシュライト67(図13参照)が挿入される。フラッシュライト67はライト保護部127によって保護され、点灯又は点滅する先端側が外部に露出するようになっている(図3参照)。下ケース21Bの四隅と、左側部上端の中央部と、右側部上端の中央部とには、ネジ孔134が各々設けられている。ネジ孔134には、上ケース21Aを固定する為のネジ95(図12,図14参照)が締結される。
【0065】
次に、回転ベース30の形状について、図10を参照して詳細に説明する。回転ベース30は、上記のように、軸部31と十字部32とを備える。十字部32は上記の形状を備える。軸部31の下端は十字部32で塞がれている。軸部31の外周面にはフランジ部39が設けられている。フランジ部39は軸部31の径方向外側に延出している。十字部32の各係止爪部35〜38(図3参照、図10では係止爪部35,36のみ図示)とフランジ部39の下面との間には所定の隙間が形成されている。この隙間には、マウント50の被係止部61〜64(図4参照)が滑り込んで嵌るようになっている。
【0066】
そして、軸部31の上端には、4つのネジ孔138が所定間隔毎に各々設けられている。軸部31の内周面には、一対の位置決めリブ135,136が設けられている。位置決めリブ135,136は互いに対向する位置に各々配置されている。位置決めリブ135,136は、軸部31の軸方向に平行に延設されている。
【0067】
次に、回転ベース蓋140の形状について、図11を参照して説明する。回転ベース蓋140は平面視リング状の板部材である。回転ベース蓋140は中央に挿通孔141を備える。回転ベース蓋140の外周縁部には、回転制限凹部142,143、バネ係止凹部144、スイッチ凹部145が各々設けられている。回転制限凹部142,143は互いに対向する位置に設けられている。回転制限凹部142の周方向の両側において、平面視時計回りの上流側には係止部193が形成され、下流側には係止部194が形成されている。回転制限凹部143の周方向の両側において、平面視時計回りの上流側には係止部195が形成され、下流側には係止部196が形成されている。
【0068】
バネ係止凹部144は、下ケース21Bのバネ取付部123に対向する位置に設けられている。バネ係止凹部144の周方向の両側において、平面視時計回りの上流側には係止部197が形成され、下流側には係止部198が形成されている。スイッチ凹部145は、筐体21内に設置される電装基板150の下面に取り付けられるジョグスイッチ161の操作子162に対応する位置に設けられている。スイッチ凹部145の周方向の両側において、平面視時計回りの上流側には係止部191が形成され、下流側には係止部192が形成されている。係止部191,192は後述するジョグスイッチ161の操作子162(図13)を両側から把持する。挿通孔141の周縁部には、係止溝147,148、4つのネジ孔149が設けられている。係止溝147,148は互いに対向する位置に各々配置されている。回転ベース蓋140はリング状であるので軽量化できる。なお回転ベース蓋140は本発明の「付勢部」の一例である。
【0069】
次に、電装基板150の構造について、図12,図13を参照して説明する。電装基板150は、サイコン20を制御する為の電子回路や各種電装部品等を備えたPCB基板である。図12に示すように、電装基板150の上面の前側には、タクトスイッチ151〜154が左右方向に所定間隔を空けて各々設けられている。タクトスイッチ151上にはボタン46が配置される。タクトスイッチ152上にはボタン47が配置される。タクトスイッチ153上にはボタン48が配置される。タクトスイッチ154上にはボタン49が配置される。
【0070】
他方、電装基板150の下面には、ジョグスイッチ161、アンテナ基板ユニット163、ブザー164、フラッシュライト67、電池端子165等が取り付けられている。ジョグスイッチ161は、電装基板150の下面の前後方向中央のやや右側寄りに配置されている。ジョグスイッチ161はレバー式の操作子162を備える。操作子162は下方に突出している。ジョグスイッチ161は操作子162が付勢される方向を検出し、例えばON/OFFの切り換え、出力信号の切り換え等を行うことができる。
【0071】
アンテナ基板ユニット163は、電装基板150の下面の後方側に配置されている。アンテナ基板ユニット163は、例えばスピードセンサ、ケイデンスセンサ、心拍センサ等と無線通信する為の通信装置である。ブザー164は、アンテナ基板ユニット163の右側に配置されている。ブザー164は制御部による指示によりアラート音を出力可能である。フラッシュライト67は、アンテナ基板ユニット163の左側に配置されている。電池端子165は、電池収納部68内に収納されたボタン電池180に接触可能(図15参照)である。
【0072】
さらに電装基板150の四隅と、左端部の略中央部と、右端部の略中央部とには、切り欠き部156が各々設けられている。切り欠き部156は、下ケース21Bの内側に電装基板150が設置された状態で、上ケース21Aと下ケース21Bとを固定する6本のネジ95を夫々除けることができる。このような電装基板150は、例えば前端側の左右両側の2箇所と、後端側の略中央の1箇所とにおいて、ネジ96により上ケース21Aに固定される。
【0073】
次に、表示部29の構造について、図14を参照して説明する。図14は、図2に示す筐体21から上ケース21Aを取り外した状態を示している。表示部29は、例えば フロントパネル29A、液晶装置29B、バックライト29Cを積層した構造である。バックライト29Cの上面に液晶装置29Bが積層され、その液晶装置29Bの上面にフロントパネル29Aが積層されている。液晶装置29Bは例えば2.7インチのドットマトリックス液晶装置である。
【0074】
次に、下ケース21Bへの回転ベース30及び回転ベース蓋140の取り付け方法について説明する。先ず、図8に示す下ケース21Bの円形開口121に対して、図10に示す回転ベース30の軸部31を下方から挿入する。すると、フランジ部39の上面が、円形開口121の周縁部に沿って設けられたパッキン122に当接する。次いで、円形開口121に内挿された軸部31の上端部に対して回転ベース蓋140の下面を対向させる。そして、回転ベース蓋140の係止溝147,148に対して、軸部31の内側に設けられた位置決めリブ135,136を嵌め込む。
【0075】
さらに、軸部31の4つのネジ孔138に対して、回転ベース蓋140の4つのネジ孔149を位置決めし、ネジ97を夫々締結する。パッキン122はフランジ部39の上面と下ケース21Bの下面との間で若干押し潰される。こうして回転ベース30に対して回転ベース蓋140が固定される。下ケース21Bは、回転ベース30と回転ベース蓋140との間に挟まれた状態となる。下ケース21Bは、回転ベース30及び回転ベース蓋140に対して回転可能となる。
【0076】
そして、回転ベース蓋140の回転制限凹部142の内側の幅方向中央には、下ケース21Bの円形開口121の右側に設けられた突起部131が配置される。回転ベース蓋140の回転制限凹部143の内側の幅方向中央には、下ケース21Bの円形開口121の左側に設けられた突起部132が配置される。それ故、下ケース21Bの回動範囲は所定範囲に制限される。
【0077】
次に、バネ取付部123へのU字バネ170の取り付け方法について、図8,図9を参照して説明する。先ず、バネ取付部123のU字形状のリブの外側面に沿うようにして、U字バネ170の内側を嵌め込む。U字バネ170は、下ケース21Bに対して位置決めされる。固定カバー125を、U字バネ170を上から押さえるように配置し、ネジ98で下ケース21Bに対して固定する。ネジ98は、固定カバー125を介して下ケース21B側のネジ孔124(図8参照)に締結される。こうしてU字バネ170がバネ取付部123に取り付けられる。図9に示すように、U字バネ170の両端部は円形開口121(図8参照)側に延出され、それら各先端部には上方に屈曲する当接部171,172が形成されている。当接部171,172は回転ベース蓋140のバネ係止凹部144内に位置する。当接部171は、係止部197の内壁面に当接している。当接部172は、係止部198の内壁面に当接している。なおU字バネ170は本発明の「保持部材」の一例である。
【0078】
次に、電装基板150の設置方法について説明する。先ず、図13に示す電装基板150を、図9に示す下ケース21Bの内側に設置する。このとき、図15に示すように、電装基板150の下面に取り付けられたジョグスイッチ161の操作子162を、回転ベース蓋140のスイッチ凹部145の内側に嵌め込む。これにより操作子162は係止部191,192に挟持された状態となる。電装基板150は例えば上ケース21Aに対してネジ96で固定される。それ故、電装基板150は筐体21と一体して回転する。なお電装基板150は下ケース21Bに固定するようにするとよい。
【0079】
次に、筐体21の回転によってジョグスイッチ161のスイッチが切り替わる仕組みについて、図15〜図17を参照して説明する。なお図15から図17では、筐体21の内部構造を見易くする為、電装基板150の外郭のみを一点鎖線で示している。運転者は例えば筐体21の角部をタップして筐体21を回転させて傾けることによって、例えば表示部29に表示されている画面を次の画面、又は前の画面に切り換えることができる。そこで、筐体21が基本位置に保持されている場合、筐体21を時計回りに回転させた場合、筐体21を反時計回りに回転させた場合について順に説明する。
【0080】
[筐体21が基本位置に保持されている場合]
例えば図15に示すように、操作子162と、スイッチ凹部145とは同位置にある。それ故、ジョグスイッチ161は例えばオフの状態である。筐体21に取り付けられているU字バネ170は、回転ベース蓋140を保持しているので、筐体21は基本位置に保持されている。なお「基本位置」(本発明の「所定位置」に相当)とは、操作子162が係止部191,192に付勢されない状態の筐体21の位置(図15参照)である。
【0081】
[筐体21を時計回りに回転させた場合]
図16に示すように、ジョグスイッチ161は筐体21と共に時計回りに回転する。これに対し、回転ベース蓋140は動かないので、回転ベース蓋140の係止部191,192に挟まれた操作子162は反時計回りに付勢される。操作子162が付勢されたことでジョグスイッチ161はオフからオンに切り替わる。このとき操作子162は反時計回りに付勢されるので、サイコン20は例えば表示部29に表示されている画面を次の画面に切り換える。そして、筐体21を時計回りにさらに回転させようとしても、筐体21側の突起部131は回転ベース蓋140の係止部194に接触し、筐体21側の突起部132は回転ベース蓋140の係止部196に接触する。それ故、筐体21はそれ以上回転しない。
【0082】
そして、筐体21が時計回りに回転している状態では、U字バネ170の当接部172が回転ベース蓋140の係止部198によって内側に付勢されている。そこで、運転者が筐体21から手を離した途端、筐体21にかけられていた付勢は無くなるので、U字バネ170の弾性復帰力によって、当接部172は係止部198を押し戻そうとする。これにより、筐体21は反時計回りに回転して基本位置に速やかに戻ることができる(図15参照)。ジョグスイッチ161は例えばオンからオフに切り替わる。
【0083】
つまり、筐体21が回動されても、筐体21から手を離すと筐体21はU字バネ170によって基本位置に戻るので、ジョグスイッチ161の操作子162が付勢されたままの状態にならない。故にサイコン20の操作を連続して行うことができ、ジョグスイッチ161もそれに応じて出力態様を切り換えることができる。
【0084】
[筐体21を反時計回りに回転させた場合]
図17に示すように、ジョグスイッチ161は筐体21と共に反時計回りに回転する。これに対し、回転ベース蓋140は動かないので、回転ベース蓋140の係止部191,192に挟まれた操作子162は時計回りに付勢される。操作子162が付勢されたことでジョグスイッチ161はオフからオンに切り替わる。このとき操作子162は時計回りに付勢されるので、サイコン20は例えば表示部29に表示されている画面を前の画面に切り換える。そして、筐体21を反時計回りにさらに回転させようとしても、筐体21側の突起部131は回転ベース蓋140の係止部193に接触し、筐体21側の突起部132は回転ベース蓋140の係止部195に接触する。それ故、筐体21はそれ以上回転しない。
【0085】
そして、筐体21が反時計回りに回転している状態では、U字バネ170の当接部171が回転ベース蓋140の係止部197によって内側に付勢されている。そこで、運転者が筐体21から手を離した途端、筐体21にかけられていた付勢は無くなるので、U字バネ170の弾性復帰力によって、当接部171は係止部197を押し戻そうとする。これにより、筐体21は時計回りに回転して基本位置に速やかに戻ることができる(図15参照)。ジョグスイッチ161はオンからオフに切り替わる。
【0086】
以上説明したように、第1実施形態では、サイコン20を自転車100のハンドルバー15に取り付けるものである。自転車100のハンドルバー15にはマウント50が取り付けられる。サイコン20の筐体21の底面28には、回転ベース30が設けられている。回転ベース30は、軸部31と十字部32を備える。軸部31は例えば略円柱状である。十字部32は、4本の係止爪部35〜38を備える。係止爪部35〜38は、軸部31の先端面において十字方向に各々延出する。マウント50は有底の穴部57を備える。穴部57には、4つの被係止部61〜64が設けられている。被係止部61〜64は、穴部57の内周から径方向内側に突出し、かつ穴部57を軸方向から見た場合に90°ずつずらした位置に各々設けられている。回転ベース30をマウント50の穴部57に挿入して回転させることによって、係止爪部35〜38が被係止部61〜64に各々係止する。それ故、サイコン20の筐体21はマウント50に取り付けられる。この状態から回転ベース30を90°回転させた場合、係止爪部35〜38は被係止部61〜64の何れかに係止する。従って、マウント50をハンドルバー15から取り外すことなく、ハンドルバー15に対してサイコン20の取付方向を90°ずつ回転させることができる。
【0087】
そして本実施形態では特に、筐体21を傾けることにより、例えば表示部29に表示される画面を切り換える等の処理動作を切り換えることができる。筐体21の下ケース21Bは、マウント50に取り付けられる回転ベース30に対して回転可能である。回転ベース30には筐体21内において回転ベース蓋140が固定されている。筐体21内に設けられた電装基板150の下面にはジョグスイッチ161が取り付けられている。ジョグスイッチ161の操作子162は下方に突出している。操作子162は、回転ベース蓋140の係止部191,192によって挟持されている。
【0088】
このような構成により、筐体21を回転させて傾けると、操作子162は筐体21と一体して回転するが、回転ベース蓋140は回転しない。それ故、操作子162と、係止部191,192との相対位置が変化するので、係止部191,192によって操作子162が付勢され、ジョグスイッチ161のオンオフが切り換わる。運転者は自転車100の走行中にサイコン20を操作するので、細かな操作等は困難である。本実施形態のように、運転者は例えば筐体21の角部をタップするだけで、サイコン20を操作できるので操作性を格段に向上できる。
【0089】
また本実施形態では特に、操作子162は筐体21内に位置するので外部に露出しない。よって、異物が操作子162に付着するのを防止できる。それ故、操作子162の可動性を良好に維持できる。また筐体21そのものを移動操作するだけでジョグスイッチ161の切り換えができるのでサイコン20の操作性を向上できる。
【0090】
また本実施形態では特に、ジョグスイッチ161を用いているので、例えば付勢された方向を検出することにより、信号の出力態様を切り換えることができる。例えばオンオフの切り換えのみならず、付勢される方向によって異なるパターン処理を実行させることもできる。これにより操作性は更に向上する。なお、両方向を検知するものでなくても例えば一方、又は他方の付勢を検知するジョグスイッチでも利用可能である。
【0091】
また本実施形態では特に、係止部191,192は、筐体21の回動に伴って回動する操作子162の回動軌跡上に位置する。それ故、筐体21の回動方向と、操作子162の付勢方向とを一致させ易い。故に操作子162は回動方向とは反対方向に無理なく付勢されることができる。
【0092】
また本実施形態では特に、筐体21を直方体状にして角部を設けているので、例えば筐体21の角部を叩いたり、タップするだけで、筐体21を軽い力で簡単に傾けることができる。
【0093】
なお本実施形態では、例えば筐体21の右側が押された場合と、左側を押された場合とで異なる機能を割り待てるとよく、特に両機能は対照的な動作をする機能を割り当てるとよい。例えば、表示部29に地図を表示させている場合に、一方は地図の右側スクロール、他方は地図の左側スクロール、又は一方は地図の拡大、他方は地図の縮小とする機能を割り当てるとよい。或いは、複数の画面を順に切り替えるための機能であれば、一方は順方向に切り替えるのに対し、他方は逆方向に切り替えるようにするとよい。
【0094】
次に、本発明の第2実施形態であるサイコン200について、図18,図19を参照して説明する。サイコン200は上記実施形態の変形例である。上記第1実施形態では、筐体21を回転させて傾けることによってスイッチを切り換える。サイコン200は、筐体210を押下することによってスイッチを切り換える。
【0095】
サイコン200の構造について説明する。図18に示すように、サイコン200は、筐体210、ベース201、浮動リング205、カバー部材207等を備える。筐体210は表示部290と電装基板250を備える。表示部290は、例えば、フロントパネル291、液晶装置292、バックライト293を積層した構造である。フロントパネル291は筐体210の上面の開口(図示略)に配置される。電装基板250は筐体210内に取り付けられている。電装基板250は筐体210の上面、下面に対して平行に配置されている。電装基板250の下面には例えばタクトスイッチ251が取り付けられている。タクトスイッチ251の操作子252は下方に突出している。筐体210の底面には開口部211が設けられている。開口部211は、タクトスイッチ251の操作子252の下方に対応する位置に設けられている。
【0096】
ベース201は筐体210の下方に配置される。ベース201は、所定厚を有する板状に形成されている。ベース201の上面の略中央には、突起部202が設けられている。突起部202は上方に円弧状に隆起している。突起部202は、筐体210の底面に設けられた開口部211に対して挿入可能なサイズを備える。浮動リング205は、ベース201の上面において突起部202を囲むようにして配置される。浮動リング205は例えば、ゴムやシリコン等の弾性を有する材質で形成されている。筐体210は浮動リング205上に配置される。それ故、筐体210はベース201に対して常時浮いた状態となる。なお、筐体210の下面とベース201との間には、可撓性を有するカバー部材207が設けられている。
【0097】
上記のサイコン200は、バー取付部260に着脱可能に取り付けられる。バー取付部260は、支持部261とリング部262とを備える。支持部261は板状に形成されている。リング部262は、支持部261の下面に取り付けられている。リング部262はハンドルバーを挿入して取り付ける部分である。支持部261の上面にベース201が着脱自在に固定される。
【0098】
次に、サイコン200を押下することによって、タクトスイッチ251が切り替わる仕組みについて説明する。図18に示すように、タクトスイッチ251の操作子252は、筐体210の開口部211、又は開口部211よりも奥側に位置している。それ故、操作子252と、ベース201の突起部202の頂点との間は離間しているので、タクトスイッチ251は例えばオフである。
【0099】
そして、図19に示すように、運転者によって筐体210の上面が押下された場合、浮動リング205が筐体210の下面と、ベース201の上面との間で押し潰される。すると、筐体210が下方に移動する。さらにベース201の突起部202が、筐体210の開口部211を介して筐体210内に侵入し、タクトスイッチ251の操作子252を上方向に付勢する。これによりタクトスイッチ251はオフからオンに切り替わる。そして、筐体210から手を離せば、浮動リング205の弾性復帰力によって、筐体210は上方に押し上げられる。タクトスイッチ251の操作子252は、ベース201の突起部202から離間するので、タクトスイッチ251はオンからオフに切り替わる。
【0100】
以上説明したように、第2実施形態のサイコン200では、筐体210内にタクトスイッチ251を設け、操作子252を下方に突出させる。筐体210は浮動リング205によってベース201上に配置されている。筐体210の底部には開口部211が設けられ、その開口部211に対向するベース201には、突起部202が設けられている。筐体210を押下することによって、浮動リング205が押し潰され、筐体210が下方に移動する。すると、ベース201の突起部202が、筐体210の開口部211を介して筐体210内に侵入し、タクトスイッチ251の操作子252を上方向に付勢する。これによりタクトスイッチ251はオフからオンに切り替わることができる。
【0101】
また本実施形態では特に、操作子252は筐体210内に位置するので外部に露出しない。よって、異物が操作子252に付着するのを防止できる。それ故、操作子252の可動性を良好に維持できる。また筐体210そのものを移動操作するだけでタクトスイッチ251の切り換えができるのでサイコン200の操作性を向上できる。
【0102】
また本実施形態では特に、筐体210の上面のどこを押下しても筐体210全体が下方に移動し、タクトスイッチ251の操作子252を付勢できる。つまり、筐体210全体が大きなボタンであるので、ピンポイントで押す必要が無く、さらに押し損なうことも無い。それ故、サイコン200の確実な操作が可能である。
【0103】
また本実施形態では特に、筐体210が押下されない通常の状態では、操作子252は開口部211から出ないので、筐体210によって操作子252を保護できる。
【0104】
また本実施形態では特に、突起部202は上方に突出する凸状に形成されているので、筐体210が押下されることにより、操作子252を確実に付勢できる。また応力を集中させ易いので、操作子252を簡単に付勢できる。
【0105】
なお、本発明は上記第1,第2実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施形態では、サイコン20を自転車100のハンドルバー15に取り付けているが、例えばハンドルステム14やフレーム体2への取り付けも可能である。
【0106】
また上記実施形態では、電子機器の一例としてサイコン20,200を説明したが、その他の電子機器にも適用可能であり、例えば音声通話可能な携帯コンピュータ等にも適用可能である。
【0107】
また上記実施形態では、サイコン20は、表示部29に表示される画像の表示向きを縦又は横に変更可能であるが、表示向きが所定のものであって変更できないものにも適用可能である。
【0108】
また上記実施形態において、サイコン20をマウント50に取り付けた状態の向きは一例であって、サイコン20の前後方向を自転車100の前後方向に合わせてもよい。
【0109】
また上記実施形態において、サイコン20の筐体21は略直方体状であるが、形状についてもこれに限定されない。
【符号の説明】
【0110】
1 フレーム
15 ハンドルバー
20 サイコン
21 筐体
30 回転ベース
31 突起部
32 十字部
100 自転車
123 バネ取付部
125 固定カバー
140 回転ベース蓋
144 バネ係止凹部
145 スイッチ凹部
150 電装基板
161 ジョグスイッチ
162 操作子
170 U字バネ
191 係止部
192 係止部
200 サイコン
201 ベース
202 突起部
205 浮動リング
207 カバー部材
210 筐体
211 開口部
250 電装基板
251 タクトスイッチ
252 操作子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに対して移動可能に設けられる筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記ベースに対して対向配置された電装基板と、
前記筐体内において前記電装基板の前記ベースへの対向面から前記ベース側に突出する操作子を有し、前記操作子が付勢されることにより電気的に切り換えられるスイッチと、
前記ベースに設けられ、前記筐体及び前記電装基板と共に移動する前記操作子に対して当接して付勢することにより前記スイッチを電気的に切り換える付勢部と
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記筐体は、前記ベースに設けられた軸部に回動可能に設けられ、
前記付勢部は、前記筐体が回動されることにより、前記操作子を前記筐体の回動方向とは反対方向に付勢して前記スイッチを切り換えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記付勢部は、前記軸部上に設けられ、前記操作子の回動方向の両側又は片側から係止可能である係止部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記係止部は、前記筐体の回動に伴って回動する前記操作子の回動軌跡上に位置することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記付勢部はリング状に形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体内に取り付けられ、前記ベースに対する前記筐体の位置を所定位置に保持する保持部材を備え、
前記所定位置は、前記操作子が前記付勢部に付勢されない状態となる前記筐体の位置であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記保持部材は弾性を有する材質で形成され、
前記付勢部は、前記保持部材の一部を保持する保持部を備えたことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記スイッチは、前記操作子がレバー式であるジョイスイッチであることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記筐体は略直方体状に形成されていることを特徴とする請求項2から8の何れかに記載の電子機器。
【請求項10】
前記筐体を前記ベースより浮かせて保持する弾性部材を備え、
前記筐体は前記弾性部材によって前記ベースに対して接離する方向に移動可能であって、
前記筐体を前記ベースに向かって押下されることにより、前記操作子が前記付勢部に当接して付勢されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記筐体の底部には開口部が設けられ、
前記開口部は前記操作子に対向する位置にあって、
前記弾性部材は前記開口部の周囲を取り囲むリング状に形成され、前記筐体の前記底部と前記ベースとの間に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記操作子は前記開口部又は前記開口部よりも前記筐体の奥側に位置することを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記付勢部は、前記操作子に向かって突出する凸部を備えたことを特徴とする請求項10から12の何れかに記載の電子機器。
【請求項14】
前記スイッチは、前記操作子を押下することにより電気的に切り替わるタクトスイッチであることを特徴とする請求項10から13の何れかに記載の電子機器。
【請求項15】
表示手段を備え、
前記スイッチは前記操作子の複数の付勢方向を弁別可能なスイッチであり、
前記付勢方向に応じて前記表示手段の表示内容を変更する制御手段を備えることを特徴とする請求項1から14の何れかに記載の電子機器。
【請求項16】
前記スイッチとは別の指示入力手段を備え、
前記スイッチには、前記指示入力手段よりもより即時性が要求される機能を割り当てたことを特徴とする請求項1から15の何れかに記載の電子機器。
【請求項17】
前記即時性が要求される機能は、音出力手段による音の出力であることを特徴とする請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
ライトを備え、
前記電子機器を被取付部材に取り付けた状態において、前記ライトは、前記筐体を前記被取付部材に対して縦方向とした状態と横方向とした状態の双方の状態において、前記被取付部材の前方方向を照らす位置に配置したことを特徴とする請求項1から17の何れかに記載の電子機器。
【請求項19】
自転車の走行に関する情報を表示可能なサイクルコンピュータであって、
請求項1から18の何れかに記載の電子機器を備え、
前記ベースは、前記自転車のフレームに着脱自在に取り付けられることを特徴とするサイクルコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−95168(P2013−95168A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236637(P2011−236637)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【出願人】(508320239)株式会社YPK (6)