電子部品冷却用ファン冷却ユニット
例えば空冷電気通信基地局のための、電子部品を冷却するためのファン冷却ユニット(10)は、電子部品を収容するケーシング(8)の少なくとも空気吸入口(11)のための保護覆いを含む。保護覆い(1)はフレーム(2)を有し、複合フィルター媒体(3)が気密な嵌合を作るためにフレーム(2)に取り付けられる。複合フィルター媒体(3)は、多孔質ポリマー膜、例えば延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を用いた膜フィルター層(20)、及び膜フィルター層(20)の上流側に配設された少なくとも一つのデプスフィルター層(18)を含む。デプスフィルター媒体層(18)は帯電した繊維を含む。ePTFE膜は好ましくはPTFEホモポリマーと変性PTFEポリマーとのブレンドから作られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品冷却用のファン冷却ユニット、詳しくは天候にさらされる場所、例えば空冷電気通信基地局などで使用されるファン冷却ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
空冷電気通信基地局のための従来技術によるファン冷却ユニットはWO00/04980に記載されている。それは電気通信部品を入れるケーシング、ケーシングにおける少なくとも一つの空気吸入口及び少なくとも一つの空気排出口、空気吸入口からケーシングを通って空気排出口へ空気の流れを生ずる少なくとも一つのファン、並びにケーシングに入る空気の流れから粒子を除去するように少なくとも空気吸入口を完全に覆う少なくとも一つの保護覆いを含む。保護覆いは複合フィルター媒体及びフレームを含み、フィルター媒体とフレームの間に気密な嵌合を作るように複合フィルター媒体がそのフレームに取り付けられる。フィルター媒体は、多孔質ポリマー膜を含む膜フィルター層と、その膜フィルター層の前面及び背面の支持材料(例えば、不織布ウェブ、織布、編み布、メッシュ又は有孔シート)とを含む。支持材料と膜フィルター層は互いの上で離れた状態で載っていてもよく、積層体を形成してもよい。膜フィルター層を、ポリエチレン、ポリプロピレン、並びにテトラフルオロエチレン/(パーフルオロアルキル)ビニルエチルコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素ポリマーからなる群から選択される合成ポリマーから構成してもよく、好ましくは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から構成される。乱暴な行為及び機械的損傷から保護するために、ルーバーパネルを保護覆いの前方外側に取り付けてもよいが、同時にルーバーパネルは水の飛沫が複合フィルター媒体に直接到達するのを防ぐ。
【0003】
従来技術のファン冷却ユニットは、電子部品を含むケーシングが野外に置かれて、ほとんどあるいは全く無防備で天候条件にさらされる場合に特に有用である。膜フィルター媒体は強い空気の流れを許容して、周辺温度が高いときでもファン冷却ユニットによって温度差を10K未満にすることができ、そして、高い欧州電気通信規格に従った水及び湿気の浸透に対する保護を保証する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、空気の流れに含まれており電子部品の劣化又は破壊につながる可能性がある、水、湿気及びその他の要素を保持する性能が改善されたファン冷却ユニットを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明に従い、前述の従来技術によるファン冷却ユニットであるが、保護覆いに異なる複合フィルター媒体を用いたファン冷却ユニットによって達成される。本発明の複合フィルター媒体は、膜フィルター層に加えて、フィルターを通る気体の流れ方向に関して膜フィルター層の上流側に配設された少なくとも一つのデプスフィルター媒体層を含む。
【0006】
デプスフィルター媒体層は、好ましくは帯電した繊維を含み、この帯電はケーシング内部の電子部品に影響を及ぼすほど強くない。帯電したフィルター材料は公知のいろいろな方法で作ることができるが、繊維ウェブを低温で帯電させるのに都合のよい一方法が米国特許No.5,401,446に記載されている。帯電した繊維は小さな粒子を繊維に引きつけて保持することによってフィルターの性能を高める。フィルター媒体の圧力損失は、デプスフィルター媒体が帯電していないときに比べてゆっくりと増大する。
【0007】
デプスフィルター媒体(プレフィルター)内部で小さな粒子を除去すると、(「デプス(深さ)」フィルター媒体と比較して「表面」フィルター媒体である)膜の表面にフィルターケーキが積み上がることに起因する、膜フィルター層の早期の目詰まりが防止される。こうしてフィルターケーキの透過性がより長期間にわたって維持される。本発明によるフィルターは、非常に汚染された区域で連続使用しても電子部品の寿命の間にフィルター交換の必要がないように設計できると考えられる。
【0008】
デプスフィルター媒体とは別に支持層を膜の上流側又は下流側に設けて空気の流れとそれによって生ずる圧力損失に耐えられる支持とすることが好ましい。しかし、支持層がフィルター媒体の全体的な透過性に実質的に影響することに注意すべきである。このことは、支持層が膜に積層される好ましい場合に特にあてはまる。結論として、フィルターの透過性は支持層を積層することによって1/5に低下する可能性がある。
【0009】
デプスフィルター媒体層が不織繊維ウェブ、特にメルトブローンウェブを含むのが好ましいのに対し、膜フィルター層は多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から作られることが好ましい。ePTFEは疎水性であり、その微細な微多孔質構造は、水の進入に抵抗し小さな粒子を非常に効率的に捕集する表面をもたらす。したがって、ePTFEは塩粒子が通過することも効果的に阻止する。米国特許No.5,814,405に記載されているようなePTFE膜を用いることが、特に有利であることが立証されている。そこに記載されている膜の、濾過効率、空気流量及びバースト強度は高い。好適なePTFE膜を作る方法がそこに十分に記載されており、参照によって本明細書に組み込まれる。これらのePTFE膜は、W.L. Gore & Associates, Inc., Newark, Delawareから入手できる。しかし、他の手段で製造される同じ構造のePTFE膜も使用できる。
【0010】
この特定種類のePTFE膜は関連する諸因子(空気透過性、水及び塩の保持、粒子濾過効率、及び取扱い性)の間で良いトレードオフを与えることが見出された。特に、フィルター媒体を折り曲げてプリーツカートリッジ又はパネルフィルターを形成するときに典型的に見られるピンホールは、このようなePTFE膜を用いるときにはもはや問題にならない。
【0011】
この膜の有利な性質はその微細構造に起因する可能性がある。もっと具体的に言うと、米国特許No.5,814,405に記載されているePTFE膜は、フィブリルで相互連結された一連の結節(nodes)から本質的になる内部微細構造を有し、結節は略平行に並び、非常に細長く、アスペクト比(ration)が25:1以上、好ましくは150:1以上である。これは、ePTFE膜がPTFEホモポリマーと変性PTFEポリマーとのブレンドから形成されるときに実現可能である。
【0012】
米国特許No.5,814,405に開示された膜の平均流れ孔径は1.5μm以下であるが、本発明の目的には平均流れ孔径が1.5μmより大きいこと、特に1.5μmと15μmの間に有ることが好ましく、ある好ましい実施形態では約3μmである。これは膜の製造時に、望ましい多孔度が得られるまで長手方向及び/又は横方向に膜をさらに延伸することによって容易に達成できる。
【0013】
こうして、ePTFE膜及び支持層を含むプリーツ加工された積層体と、少なくとも一つの帯電したメルトブローンフィルター媒体とを用いた複合フィルター媒体を含んでなる保護覆いであって、積層体の空気透過性がフレージャー数で約3〜約15であり、粒子濾過効率がcm/秒の0.3μm大の粒子に対して少なくとも90%であり、メルトブローンフィルター媒体の空気透過性がフレージャー数で約30〜約130であり、粒子濾過効率が0.3μm大の粒子に対して少なくとも50%である保護覆いを提供することができる。0.3μmの粒子に対して99%以上という濾過効率がこのような複合フィルターから得ることができ(H12−13)、それは空冷電気通信基地局用途に非常に望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では別のデミスター(ミスト除去体)は必要とされない。また、本発明のフィルター媒体は−40℃から+70℃の間の環境で使用できる。最後に、この膜媒体は耐水性(IP X5)であって高い塩保持力を有するので、別の塩フィルターは必要でない。したがって、電子部品の腐食は効果的に防止される。本発明による一段フィルター媒体は軽量であり、最も厳しい環境条件の下でも長い寿命を有すると推定される。
【0015】
複合フィルターの多重層構造のために、一部の非常に小さな空気中粒子だけがデプスフィルター媒体プレフィルターを透過し、ある遅れを伴って膜表面に達する。濾過効率約90%のメルトブローンプレフィルターが既に大部分の粒子を濾過する。やがて時間と共にフィルターケーキがプレフィルターの上流側に積み上がる。このようなフィルターケーキが付加的なフィルター作用を生ずる。フィルターケーキの濾過効率は時間と共に高められて一種のプレ−プレフィルターを構成する。前述のように充填したフィルターが湿った雰囲気に、例えば、相対湿度90%を超える雰囲気にさらされると、フィルターケーキがフィルター媒体全体に対して重要な機能を発揮する。具体的には、フィルターケーキが膜材料表面に直接積み上がった場合であれば、湿った雰囲気でフィルターケーキ粒子が膨潤してフィルター媒体全体の圧力損失が増大したであろう。しかし、このような圧力損失の増大は、フィルターケーキが膜表面から、例えばプレフィルターによって隔てられている場合はもっと小さい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、ファン冷却ユニット100を示す概略図であり、全体として7で表される電子部品、例えば回路、増幅器、半導体等がユニット内に配置されている。ケーシング8の後壁13に配置された一つ以上のファン6によって空気の流れが発生し、その流れ方向が矢印で示されている。ファンの数はケーシング8の大きさと冷却すべき部品7によって決まる。適当なファン6は軸流ファン及びラジアルファンである。空気の流れは空気吸入口11を通ってケーシング8に入り、反対側で空気排出口12を通ってケーシング8から出てゆく。空気吸入口及び空気排出口11、12は保護覆い1によってシールされる。ここでは、ファン6によって引き込まれる空気が、もっぱら保護覆い1を通ってケーシングの内部に入り、したがってフィルター媒体3を通って濾過可能であるように、保護覆いは水を通さない多孔質材料である。保護覆い1は、図1に概略図で示されているように、ケーシング8の内側又は外側に任意に選択して配置することができる。ルーバーパネル形状のプレート5が保護覆い1の前方外側に設けられて機械的損傷、乱暴な行為及び水の飛沫から保護している。空気は、ケーシング8の前面全体にわたって好ましくは引き込まれ、電子部品7の間を通って、ファン6の背後で反らせ板9によって空気排出口12に導かれる。反らせ板9は空気の流れを隅に接続し熱い空気を空気排出口12に導く助けとなる。野外に建造される電気通信装置の基地局又はスイッチキャビネットのケーシング8の典型的な大きさは1500×1000×1000mm3(H×W×D)であり、保護覆いの大きさは例えば1000×450×100mm3(H×W×D)である。この寸法はケーシング8の大きさ及び輸送される空気の量に依存する。
【0017】
図2から5までは、保護覆い1の特定の配置を示している。図5はプラスチック又は金属で作ることができるフレーム2を示しているが、安定性と質量を考えるとアルミニウムが好ましい。フレーム2にプリーツの形に折り畳まれたフィルター媒体3が配置される。フィルター媒体の前面に収集された水分が流れ落ちるように、プリーツは垂直に配置される。図2に示されるように、フレーム2の奥行きは、空気のフィルター媒体3の通過を防止するための気密な結合をフィルター媒体3とフレーム2の間に作製可能にするため、折り畳まれたフィルター媒体3の二つの長い側端がフレーム2の壁2cを超えて突出しないように選ばれる。
【0018】
フィルター媒体3は、構造的な完全性を高め、そして濾過のために露出される表面積を著しく増大させるように、好ましくは図2に示されているようにプリーツ(ひだ)の形に折り畳まれる。プリーツは、高さが好ましくは250mm以下、最も好ましくは約30mm〜90mmであってよい。図2でフィルター媒体3はプリーツ加工されて、プリーツパネルを形成するように示されているが、パネルの二つの端部を接合して図3に示されるような円筒状フィルター媒体を形成することが望ましい場合もある。この場合、フィルター媒体3は円形に配置され、その側端が対応する閉止キャップ2a、2bによって閉じられる。フレーム2が二つの閉止キャップ2a、2bによって形成されるこのようなカバーの構成は、本質的にカートリッジ形態のリングフィルターに対応する。閉止キャップ2aは矢印の方向への空気の輸送を可能にする開口15を有する。開口15を含む閉止キャップ2aはケーシング8に結合される。
【0019】
プリーツフィルター媒体3のひだ(プリーツ)は、5cm/秒以上に達する高い面速度でフィルター動作が可能なように、好ましくは上流側及び/又は下流側でスペーサーにより安定化される。
【0020】
理想としては、フィルター媒体3は、ポリウレタン、エポキシ、シリコーン、ホットメルト接着剤又はプラスチゾルなどの封止剤4を用いてフレーム2に取り付けられる(図5)。しっかりしたシールを確立する目的で、連続したシールを保証するために、フィルター媒体3にしみこむように封止剤4を選択又は処理しなければならない。パネルのある例では、フィルター媒体3は最大1500m3/時間、好ましくは約200m3/時間〜500m3/時間の空気流容量で設計できる。
【0021】
図4は、図2のものと同様であるが、ルーバーパネル5がその上流側に一体化して形成された保護覆い1を示す。ルーバーパネル5は封止剤4を用いてフィルター媒体3と一緒に所定位置にシールできる。
【0022】
本発明のファン冷却ユニット100の保護覆い1で用いる複合フィルター媒体3は少なくとも二つのフィルター層を備えている、すなわち、膜フィルター層とデプスフィルター層である。膜フィルター層は多孔質ポリマー膜を含む。空気流の方向に関して膜フィルター層の上流側に少なくとも一つのデプスフィルター層が配置されている。必要に応じて複合フィルター媒体は支持層を含むことができる。支持層は、フィルターを通る空気流の方向に関して膜フィルター層の上流側又は下流側のいずれに配置されてもよい。必要に応じて支持層を膜に積層させることができる。
【0023】
図6から8までは、複合フィルター媒体3のいくつかの態様の横断面を示す。デプスフィルター媒体層18は膜フィルター層20の上流側に位置し、流れの方向は矢印で示されている(図6)。図7には膜フィルター層20の下流側に配設された支持層22を含むフィルター媒体3が示されている。図3では、支持層22が膜フィルター層20の上流側で、デプスフィルター層18と膜フィルター層20との間に配設されている。支持層22は膜フィルター層20に積層されることが好ましいが、デプスフィルター媒体層18は膜フィルター層20及び支持層22とそれぞれゆるく接触していてもよい。
【0024】
さらに図9に示されているように、フィルター媒体10の取扱いと処理の間にデプスフィルター媒体層18の繊維の乱れを防止するために、安定化層23を、例えば繊維ネットの形でデプスフィルター媒体層18の上に一番上の層として配置することができる。安定化層23は好ましくは単位面積あたりの質量が約2〜10、好ましくは3〜5g/m2の不織物から作られ、デプスフィルター媒体層18に熱的に、機械的に又は接着剤によって取り付けることができる。
【0025】
複合フィルター媒体3のデプスフィルター媒体層18は、好ましくは不織繊維ポリマーウェブ、例えば、スパンボンド又は好ましくはメルトブローンウェブであって、ポリプロピレン又はポリエチレン、ポリエステル不織布、グラスファイバー、ミクログラスファイバー、セルロース、及びポリテトラフルオロエチレンから成る。
【0026】
メルトブローンウェブは、溶融した紡糸繊維を加熱した空気の収束流れで引いて非常に細いフィラメントを生成することによって製造される。メルトブローン加工は連続したサブデニールの繊維、典型的には10μm未満の比較的小さな直径の繊維を生ずる。
【0027】
メルトブローンポリマー繊維ウェブ層をいろいろなポリマー材料から、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート及びポリエチレンから作ることができる。ポリプロピレンは中でもより好ましいポリマー材料である。普通、ウェブを形成するポリマー繊維は、直径が約0.5μm〜約10μmの範囲にある。好ましくは、繊維の直径は約1μm〜約5μmである。
【0028】
デプスフィルター媒体層18の厚さは重要ではない。デプスフィルター媒体が、メルトブローンウェブである場合、例えば、その厚さは約0.25mm〜約3mmであってよい。厚さが大きいほどダスト容量(dust capacity)が高くなる。しかし、厚すぎるデプスフィルター媒体層は、複合フィルター媒体で用いることができる層の総数を制限する場合がある。
【0029】
デプスフィルター媒体の坪量の選択も当業者の裁量の範囲にある。例えば、メルトブローンポリマー繊維ウェブの坪量は、例えば、約1g/m2〜約100g/m2の範囲にあってよく、好ましくはメルトブローン繊維ウェブの坪量は約10g/m2〜約50g/m2の範囲である。
【0030】
少なくとも一つのデプスフィルター媒体層は、帯電した非常に効率的な層を含むエレクトレット(静電)フィルター媒体として形成される。公知のいろいろな方法を用いて、濾過性能を高めるために、メルトブローン繊維ウェブに電荷が付与される。
【0031】
例えば、Tsaiらへの米国特許No.5,401,446に開示されているように、隣接する電界が実質的に互いに逆の極性を有するような一連の電界に、適当なウェブを連続的にさらすことによって、そのウェブは低温で簡便に帯電する。そこに記載されているように、ウェブの片面は最初に正の電荷にさらされ、ウェブの他面は負の電荷にさらされる。次に、ウェブの最初の面は負の電荷にさらされ、他の面は正の電荷にさらされる。しかし、エレクトレットフィルター材料は他のいろいろな公知の方法でも作ることができる。
【0032】
デプスフィルター媒体層18はまた、濾過性能を高めるための添加剤を含むこともでき、また低濃度の抽出可能な炭化水素を性能改善のために含むことができる。繊維はある種の溶融加工可能なフルオロカーボン、例えば、フッ素系オキサゾリジノン及びピペラジン、並びにパーフルオロ部位を含有するオリゴマー化合物を含んでもよい。このような添加剤の使用は帯電ウェブフィルターの性能に特に有益である。さらに、プレフィルターを適当なフッ化ポリマーを含有する化学物質で表面処理して、ある程度の撥水性を付与することができる。
【0033】
デプスフィルター媒体層18の下流に微多孔質ポリマー膜フィルター層20が配設される。微多孔質ポリマー膜20はデプスフィルター層を通過した粒子を捕捉することを意図している。微多孔質ポリマー膜は流体の流れから粒子と生物体を除去することに関して確実性と信頼性が実証されている。膜は通常、そのポリマー組成、空気透過性、水侵入圧力及び濾過効率によって特徴づけられる。
【0034】
いろいろな微多孔質ポリマー膜がそれぞれの用途の必要条件に応じて膜フィルター層として使用できる。膜フィルター層は、例えば、以下のような材料から構成してもよい:ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリミド(polymide)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリレートコポリマー。
【0035】
膜フィルター層は、好ましくは液体の通過を阻止できる疎水性物質から作られる。膜フィルター層は、フィルター媒体を横断して与えられた圧力差に対して液体を通過させずに耐えることができなければならない。好ましい膜は、水侵入圧力が少なくとも0.2bar、好ましくは0.5barより大きく、平均空気透過性がフレージャー数で約7〜約100であり、さらに好ましくは平均空気透過性がフレージャー数で少なくとも約30であり、最も好ましくはフレージャー数で少なくとも約60である。
【0036】
好ましくは、膜フィルター層は微多孔質フッ素ポリマー、例えば、ePTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリプロピレン(PU)、ポリエチレン(PE)、又は超高分子量ポリエチレン(uhmwPE)である。
【0037】
最も好ましくは、膜フィルター層はePTFEで構成される。適当なePTFE膜は米国特許No.5,814,405に記載されている。そこで記載された膜は、良好な濾過効率、高い空気流量及びバースト強度を有する。図5は、上記の米国特許から取ったSEM画像を示し、本明細書では、そこで記載されたePTFE膜の微細構造の一例として紹介している。見られるように、この膜の微細構造はフィブリルで相互連結された一連の結節(nodes)から成り、結節は略平行に配置され、非常に細長く、アスペクト比が25:1以上である。この微細構造の長い結節がフィルターのプリーツ加工中に膜が破れることを防ぎ、ピンホール形成の危険を回避するのに役立っていると考えられる。
【0038】
膜フィルター層20は、必要に応じてフィルターのいくつかの性質を改善するために充填剤を含むことができる。カーボンブラックなどの適当な充填剤、又はその他の伝導性充填剤、触媒粒子、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、又は活性炭などの吸着材料、又は活性アルミナ及びTiO2などのセラミック充填剤、及び本発明で有用な充填された膜を調製する方法が、米国特許No.5,814,405に詳しく記載されている。
【0039】
フィルター層20を安定化するために支持層22が設けられている。したがって好ましい支持材料は、膜フィルター層及びデプスフィルター層を支持するのに十分な剛性があり、しかし膜の損傷を防ぐのに十分に柔らかくしなやかでなければならない。支持層22は不織布又は織布で構成してもよい。適当な支持層材料のその他の例は、織物又は不織物のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、グラスファイバー、ミクログラスファイバー、及びポリテトラフルオロエチレンなどであるが、それだけに限定されない。支持層22の繊維の厚さは、好ましくは10μm〜30μm、さらに好ましくは15μm以上である。プリーツ加工した配置において、この材料はプリーツ中に空気流の流路を提供しつつ、同時にプリーツを離して保持しなければならない(すなわち、プリーツがつぶれることを防止しなければならない)。スパンボンド不織物などの材料がこの用途で用いるのに特に適している。
【0040】
支持層22は、膜フィルター層20の上流側に配置しても下流側に配置してもよい。支持材料22を膜フィルター層に積層してベース層を形成することもできる。有利なことに、この態様におけるベース層は、上にあるメルトブローン媒体層に対する支持にもなり最終の濾過表面としても働く。
【実施例】
【0041】
試験方法
透過性
空気透過性はフレージャー数試験法によって決定できる。この方法では、空気透過性はテストサンプルをガスケット−フランジ付き固定具にクランプ留めして測定される。その固定具は、空気流測定のために直径ほぼ2.75インチ、面積が6平方インチの円形区域を提供する。サンプル固定具の上流側を乾燥圧縮空気源と一列になっている流量計に接続する。サンプル固定具の下流側を大気に開放する。試験は、サンプルの上流側に5インチ水柱の空気圧を与えて、インライン流量計(球浮き子式流量計)を通過する空気の流量を記録することによって行われる。サンプルを、試験前に21℃、相対湿度65%で少なくとも4時間調整する。結果を0.5インチ水柱での立方フィート/分/サンプルの平方フィートという単位を有するフレージャー数で報告する。
【0042】
ダスト容量
ダスト容量は以下の方法によって決定できる。3%塩化ナトリウム水溶液を、一定出力の噴霧器(TSI Model 3096; Shoreview, MN)を用いて霧化する。粒子を80℃で加熱して乾燥し、清浄な乾燥空気で希釈する。粒度分布を空気動力学的粒径測定装置(例えば、TSI Model 3320; Shoreview, MN)により測定する。幾何平均粒径及び標準偏差を決定する。
【0043】
直径44.4mmのフィルターの試験サンプルを試験前に秤量し、フィルターホルダーに取り付ける。面速度を5.3cm/秒に設定する。フィルターを横断する圧力損失を、圧力変換器(例えば、Heise Model PM10, Stratford, CT)により連続的にモニターする。フィルター媒体を横断する最終圧力損失が750Paに達するまで、フィルターに塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。ダスト充填容量は試験サンプルの最終質量と初期質量の差である。
【0044】
濾過効率
粒子収集効率は、自動効率試験機(例えば、Model 8160, TSI, Inc., St. Paul, Minnesota)によって測定される。試験は周辺室温(70°F)及び相対湿度条件(40%)で行われる。ジオクチルフタレート(DOP)溶液を霧化して、直径が0.03〜0.5μmの粒子を含むエアロゾルを発生させる。フィルターサンプルを空気流速度5.3cm/秒のエアロゾルで攻撃する。二つの凝結核粒子計数装置で試験サンプルの上流側と下流側の粒子濃度を同時に測定する。粒子収集効率を、フィルターで収集された上流側の攻撃粒子の百分率として報告する。
【0045】
帯電したメルトブローンと放電したメルトブローンの比較
帯電したメルトブローンと放電したメルトブローンの効率の差を、三つの例A、B及びCについて下の表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
例Aは、203g/m3のポリエステルスパンボンド裏地材を支持層として備えたePTFE膜を含む、ePTFE膜積層体に関する。この膜は、透過性がフレージャー数で約7.6であり、ダスト容量がある種の試験条件で6.4g/m3である。
【0048】
例Bは、30g/m3のポリプロピレンメルトブローンが例AのePTFE膜積層体に超音波接合された本発明の複合フィルター媒体に関する。この例で用いられたメルトブローンはHollingsworth and Vose社、本社はEast Walpole, MAから品番TR1462Aで入手できる。アルファソニック接合を、フィルターの全表面にわたって、ほぼ55500点/m3という約0.8mm大の小さな溶接点で行った。この複合フィルター媒体の透過性はフレージャー数で約4.9であり、このフィルター媒体のダスト容量は同じ試験条件で9.1g/m3であり、これは43%の改善である。
【0049】
例Bの複合フィルター媒体は本発明に従って帯電していたが、例Cは同じ複合フィルター媒体であるが、イソプロピルアルコール又はイソプロパノールに浸して放電して静電気を中和し、その後乾燥したものに関する。透過性は予期されたようにあまり大きく変わらなかったが、例Cのダスト容量は例Bより小さく、すなわちダスト容量はわずかに3.2g/m3であった。驚いたことに、帯電していない複合フィルター媒体は、ePTFE積層体だけの場合よりもダスト容量がさらに低くなった。
【0050】
比較例
W.L. Gore & Associates, Inc. (Newark, DE)から入手される微多孔質ePTFE膜積層体で、膜フィルターの充填容量を例示する。ePTFE膜の空気透過性はフレージャー数で18〜29の範囲にあり、ボール破裂強度は0.2barより大きく、質量は約5g/m2である。このePTFE膜を、坪量が270g/m2、空気透過性がフレージャー数で28〜32、ミューレン破裂強度が14barより大きいポリエステルスパンボンド支持材料(Toray, Japanから入手可能)に接着する。膜を支持材料に180℃と350℃の間の温度、及び0.1と7barの間の圧力で接着する。得られたePTFE積層体の空気透過性はフレージャー数で5から8である。このフィルターに前述した試験手順に従って圧力損失が750Paに達するまで塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。積層体のダスト充填曲線を図6に示す。全体のダスト充填容量は14mgである。
【0051】
例1
10g/m2のメルトブローン媒体(DelPore 6001−10P, Del−Star, Inc.; Middletown, DEから入手可能)の層を比較例1のePTFE膜積層体の上流側に配置して複合媒体を形成する。メルトブローン媒体は10g/m2のポリプロピレンメルトブローン層と10g/m2のポリエステルスパンボンドスクリム(scrim)から作られる。ポリプロピレン繊維は1〜5μmの直径を有する。平均孔径は約15μmであり、媒体の厚さは約0.2mmである。デプスフィルター層の空気透過性はフレージャー数で約130である。粒子収集効率を高めるため、媒体は帯電している。このフィルターに前述した試験手順に従って圧力損失が750Paに達するまで塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。図6に充填曲線を示す。
【0052】
例2
30g/m2メルトブローン媒体(DelPore 6001−30P, DelStar, Inc.; Middletown, DEから入手可能)のデプスフィルター媒体層を比較例1の微多孔質ePTFE積層体の上流側に配置して複合媒体を形成する。メルトブローン媒体は30g/m2のポリプロピレン繊維層と10g/m2のポリエステルスパンボンドスクリムから作られる。ポリプロピレン繊維は1〜5μmの直径を有する。平均孔径は約15μmであり、媒体の厚さは約0.56mmである。メルトブローンの空気透過性はフレージャー数で約37である。粒子収集効率を高めるため、媒体は帯電している。二層のこのメルトブローン媒体を、微多孔質ePTFE積層体の上流側に配置する。このフィルターに前述した試験手順に従って圧力損失が750Paに達するまで塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。結果を図6に示す。
【0053】
例3
30g/m2メルトブローンポリプロピレン(DelPore 6001−30P, DelStar, Inc.; Middletown, DE,USAから入手可能)のデプスフィルター媒体層を比較例の微多孔質ePTFE積層体の上流側に配置して複合媒体を形成する。メルトブローン媒体は30g/m2のポリプロピレン繊維層と10g/m2のポリエステルスパンボンドスクリムから作られる。スクリムは、柔らかいメルトブローン媒体を支持する。ポリプロピレン繊維は1〜5μmの直径を有する。平均孔径は約15μmであり、媒体の厚さは約0.56μmである。メルトブローンの空気透過性はフレージャー数で約37である。粒子収集効率を高めるため、媒体は帯電している。一層のこのメルトブローン媒体が微多孔質ePTFE積層体の上流側に配置され、結合されて複合フィルター媒体を形成し、スクリムが上流の外側になる。このフィルターに前述した試験手順に従って圧力損失が760Paに達するまで塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。
【0054】
この複合媒体を用いて図3に示されているようなカートリッジフィルターを形成する。このカートリッジフィルターは、円形に配置された、プリーツ加工した複合媒体材料を含み、少なくとも一つの側端が対応する閉止キャップでシールされている。このカートリッジフィルターは高さが70cmで直径が35cmである。一個のフィルターの、プリーツ加工した複合媒体材料の濾過面積は12.6m2である。フィルターが新しいときは、ほぼ180Paの圧力損失で空気流量が1000m3/時間に達する。媒体物質の円の内側15は金属グリッドになっている。
【0055】
このフィルターの濾過効率が下の表2に示されている。表2は、ePTFE膜(例1で記載されたもの)、30g/m2のメルトブローン層、及び例3によるフィルター複合体の間で効率を比較して示している。三つの例はすべて1cm/秒及び5.6cm/秒という接近速度で試験した。例3による複合体が最も高い濾過効率を有する。
【0056】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明によるファン冷却ユニットである。
【図2】ファン冷却ユニットで用いる保護カバーを示す斜視図である。
【図3】円環状の保護覆いである。
【図4】図2に示されたものと同様な保護カバーであるが上流側にルーバーパネルを有する保護カバーを示す斜視図である。
【図5】図2の保護覆いの部分を通る横断面図である。
【図6】本発明のファン冷却ユニットの保護覆い用複合フィルター媒体を示す横断面図である。
【図7】フィルター媒体の下流側に別の支持層を有する別の複合フィルター媒体を示す横断面図である。
【図8】別の支持層が中央に配設されたさらに別の複合フィルター媒体を示す横断面図である。
【図9】フィルター媒体の上流側に追加の安定化層を含む別のフィルター媒体を示す横断面図である。
【図10】一例として、複合フィルター媒体の一部を形成する好ましい膜フィルター層の構造を示す拡大横断面図である。
【図11】他の膜フィルターに比べてこの複合フィルター媒体の改善された性能を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品冷却用のファン冷却ユニット、詳しくは天候にさらされる場所、例えば空冷電気通信基地局などで使用されるファン冷却ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
空冷電気通信基地局のための従来技術によるファン冷却ユニットはWO00/04980に記載されている。それは電気通信部品を入れるケーシング、ケーシングにおける少なくとも一つの空気吸入口及び少なくとも一つの空気排出口、空気吸入口からケーシングを通って空気排出口へ空気の流れを生ずる少なくとも一つのファン、並びにケーシングに入る空気の流れから粒子を除去するように少なくとも空気吸入口を完全に覆う少なくとも一つの保護覆いを含む。保護覆いは複合フィルター媒体及びフレームを含み、フィルター媒体とフレームの間に気密な嵌合を作るように複合フィルター媒体がそのフレームに取り付けられる。フィルター媒体は、多孔質ポリマー膜を含む膜フィルター層と、その膜フィルター層の前面及び背面の支持材料(例えば、不織布ウェブ、織布、編み布、メッシュ又は有孔シート)とを含む。支持材料と膜フィルター層は互いの上で離れた状態で載っていてもよく、積層体を形成してもよい。膜フィルター層を、ポリエチレン、ポリプロピレン、並びにテトラフルオロエチレン/(パーフルオロアルキル)ビニルエチルコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素ポリマーからなる群から選択される合成ポリマーから構成してもよく、好ましくは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から構成される。乱暴な行為及び機械的損傷から保護するために、ルーバーパネルを保護覆いの前方外側に取り付けてもよいが、同時にルーバーパネルは水の飛沫が複合フィルター媒体に直接到達するのを防ぐ。
【0003】
従来技術のファン冷却ユニットは、電子部品を含むケーシングが野外に置かれて、ほとんどあるいは全く無防備で天候条件にさらされる場合に特に有用である。膜フィルター媒体は強い空気の流れを許容して、周辺温度が高いときでもファン冷却ユニットによって温度差を10K未満にすることができ、そして、高い欧州電気通信規格に従った水及び湿気の浸透に対する保護を保証する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、空気の流れに含まれており電子部品の劣化又は破壊につながる可能性がある、水、湿気及びその他の要素を保持する性能が改善されたファン冷却ユニットを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明に従い、前述の従来技術によるファン冷却ユニットであるが、保護覆いに異なる複合フィルター媒体を用いたファン冷却ユニットによって達成される。本発明の複合フィルター媒体は、膜フィルター層に加えて、フィルターを通る気体の流れ方向に関して膜フィルター層の上流側に配設された少なくとも一つのデプスフィルター媒体層を含む。
【0006】
デプスフィルター媒体層は、好ましくは帯電した繊維を含み、この帯電はケーシング内部の電子部品に影響を及ぼすほど強くない。帯電したフィルター材料は公知のいろいろな方法で作ることができるが、繊維ウェブを低温で帯電させるのに都合のよい一方法が米国特許No.5,401,446に記載されている。帯電した繊維は小さな粒子を繊維に引きつけて保持することによってフィルターの性能を高める。フィルター媒体の圧力損失は、デプスフィルター媒体が帯電していないときに比べてゆっくりと増大する。
【0007】
デプスフィルター媒体(プレフィルター)内部で小さな粒子を除去すると、(「デプス(深さ)」フィルター媒体と比較して「表面」フィルター媒体である)膜の表面にフィルターケーキが積み上がることに起因する、膜フィルター層の早期の目詰まりが防止される。こうしてフィルターケーキの透過性がより長期間にわたって維持される。本発明によるフィルターは、非常に汚染された区域で連続使用しても電子部品の寿命の間にフィルター交換の必要がないように設計できると考えられる。
【0008】
デプスフィルター媒体とは別に支持層を膜の上流側又は下流側に設けて空気の流れとそれによって生ずる圧力損失に耐えられる支持とすることが好ましい。しかし、支持層がフィルター媒体の全体的な透過性に実質的に影響することに注意すべきである。このことは、支持層が膜に積層される好ましい場合に特にあてはまる。結論として、フィルターの透過性は支持層を積層することによって1/5に低下する可能性がある。
【0009】
デプスフィルター媒体層が不織繊維ウェブ、特にメルトブローンウェブを含むのが好ましいのに対し、膜フィルター層は多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から作られることが好ましい。ePTFEは疎水性であり、その微細な微多孔質構造は、水の進入に抵抗し小さな粒子を非常に効率的に捕集する表面をもたらす。したがって、ePTFEは塩粒子が通過することも効果的に阻止する。米国特許No.5,814,405に記載されているようなePTFE膜を用いることが、特に有利であることが立証されている。そこに記載されている膜の、濾過効率、空気流量及びバースト強度は高い。好適なePTFE膜を作る方法がそこに十分に記載されており、参照によって本明細書に組み込まれる。これらのePTFE膜は、W.L. Gore & Associates, Inc., Newark, Delawareから入手できる。しかし、他の手段で製造される同じ構造のePTFE膜も使用できる。
【0010】
この特定種類のePTFE膜は関連する諸因子(空気透過性、水及び塩の保持、粒子濾過効率、及び取扱い性)の間で良いトレードオフを与えることが見出された。特に、フィルター媒体を折り曲げてプリーツカートリッジ又はパネルフィルターを形成するときに典型的に見られるピンホールは、このようなePTFE膜を用いるときにはもはや問題にならない。
【0011】
この膜の有利な性質はその微細構造に起因する可能性がある。もっと具体的に言うと、米国特許No.5,814,405に記載されているePTFE膜は、フィブリルで相互連結された一連の結節(nodes)から本質的になる内部微細構造を有し、結節は略平行に並び、非常に細長く、アスペクト比(ration)が25:1以上、好ましくは150:1以上である。これは、ePTFE膜がPTFEホモポリマーと変性PTFEポリマーとのブレンドから形成されるときに実現可能である。
【0012】
米国特許No.5,814,405に開示された膜の平均流れ孔径は1.5μm以下であるが、本発明の目的には平均流れ孔径が1.5μmより大きいこと、特に1.5μmと15μmの間に有ることが好ましく、ある好ましい実施形態では約3μmである。これは膜の製造時に、望ましい多孔度が得られるまで長手方向及び/又は横方向に膜をさらに延伸することによって容易に達成できる。
【0013】
こうして、ePTFE膜及び支持層を含むプリーツ加工された積層体と、少なくとも一つの帯電したメルトブローンフィルター媒体とを用いた複合フィルター媒体を含んでなる保護覆いであって、積層体の空気透過性がフレージャー数で約3〜約15であり、粒子濾過効率がcm/秒の0.3μm大の粒子に対して少なくとも90%であり、メルトブローンフィルター媒体の空気透過性がフレージャー数で約30〜約130であり、粒子濾過効率が0.3μm大の粒子に対して少なくとも50%である保護覆いを提供することができる。0.3μmの粒子に対して99%以上という濾過効率がこのような複合フィルターから得ることができ(H12−13)、それは空冷電気通信基地局用途に非常に望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では別のデミスター(ミスト除去体)は必要とされない。また、本発明のフィルター媒体は−40℃から+70℃の間の環境で使用できる。最後に、この膜媒体は耐水性(IP X5)であって高い塩保持力を有するので、別の塩フィルターは必要でない。したがって、電子部品の腐食は効果的に防止される。本発明による一段フィルター媒体は軽量であり、最も厳しい環境条件の下でも長い寿命を有すると推定される。
【0015】
複合フィルターの多重層構造のために、一部の非常に小さな空気中粒子だけがデプスフィルター媒体プレフィルターを透過し、ある遅れを伴って膜表面に達する。濾過効率約90%のメルトブローンプレフィルターが既に大部分の粒子を濾過する。やがて時間と共にフィルターケーキがプレフィルターの上流側に積み上がる。このようなフィルターケーキが付加的なフィルター作用を生ずる。フィルターケーキの濾過効率は時間と共に高められて一種のプレ−プレフィルターを構成する。前述のように充填したフィルターが湿った雰囲気に、例えば、相対湿度90%を超える雰囲気にさらされると、フィルターケーキがフィルター媒体全体に対して重要な機能を発揮する。具体的には、フィルターケーキが膜材料表面に直接積み上がった場合であれば、湿った雰囲気でフィルターケーキ粒子が膨潤してフィルター媒体全体の圧力損失が増大したであろう。しかし、このような圧力損失の増大は、フィルターケーキが膜表面から、例えばプレフィルターによって隔てられている場合はもっと小さい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、ファン冷却ユニット100を示す概略図であり、全体として7で表される電子部品、例えば回路、増幅器、半導体等がユニット内に配置されている。ケーシング8の後壁13に配置された一つ以上のファン6によって空気の流れが発生し、その流れ方向が矢印で示されている。ファンの数はケーシング8の大きさと冷却すべき部品7によって決まる。適当なファン6は軸流ファン及びラジアルファンである。空気の流れは空気吸入口11を通ってケーシング8に入り、反対側で空気排出口12を通ってケーシング8から出てゆく。空気吸入口及び空気排出口11、12は保護覆い1によってシールされる。ここでは、ファン6によって引き込まれる空気が、もっぱら保護覆い1を通ってケーシングの内部に入り、したがってフィルター媒体3を通って濾過可能であるように、保護覆いは水を通さない多孔質材料である。保護覆い1は、図1に概略図で示されているように、ケーシング8の内側又は外側に任意に選択して配置することができる。ルーバーパネル形状のプレート5が保護覆い1の前方外側に設けられて機械的損傷、乱暴な行為及び水の飛沫から保護している。空気は、ケーシング8の前面全体にわたって好ましくは引き込まれ、電子部品7の間を通って、ファン6の背後で反らせ板9によって空気排出口12に導かれる。反らせ板9は空気の流れを隅に接続し熱い空気を空気排出口12に導く助けとなる。野外に建造される電気通信装置の基地局又はスイッチキャビネットのケーシング8の典型的な大きさは1500×1000×1000mm3(H×W×D)であり、保護覆いの大きさは例えば1000×450×100mm3(H×W×D)である。この寸法はケーシング8の大きさ及び輸送される空気の量に依存する。
【0017】
図2から5までは、保護覆い1の特定の配置を示している。図5はプラスチック又は金属で作ることができるフレーム2を示しているが、安定性と質量を考えるとアルミニウムが好ましい。フレーム2にプリーツの形に折り畳まれたフィルター媒体3が配置される。フィルター媒体の前面に収集された水分が流れ落ちるように、プリーツは垂直に配置される。図2に示されるように、フレーム2の奥行きは、空気のフィルター媒体3の通過を防止するための気密な結合をフィルター媒体3とフレーム2の間に作製可能にするため、折り畳まれたフィルター媒体3の二つの長い側端がフレーム2の壁2cを超えて突出しないように選ばれる。
【0018】
フィルター媒体3は、構造的な完全性を高め、そして濾過のために露出される表面積を著しく増大させるように、好ましくは図2に示されているようにプリーツ(ひだ)の形に折り畳まれる。プリーツは、高さが好ましくは250mm以下、最も好ましくは約30mm〜90mmであってよい。図2でフィルター媒体3はプリーツ加工されて、プリーツパネルを形成するように示されているが、パネルの二つの端部を接合して図3に示されるような円筒状フィルター媒体を形成することが望ましい場合もある。この場合、フィルター媒体3は円形に配置され、その側端が対応する閉止キャップ2a、2bによって閉じられる。フレーム2が二つの閉止キャップ2a、2bによって形成されるこのようなカバーの構成は、本質的にカートリッジ形態のリングフィルターに対応する。閉止キャップ2aは矢印の方向への空気の輸送を可能にする開口15を有する。開口15を含む閉止キャップ2aはケーシング8に結合される。
【0019】
プリーツフィルター媒体3のひだ(プリーツ)は、5cm/秒以上に達する高い面速度でフィルター動作が可能なように、好ましくは上流側及び/又は下流側でスペーサーにより安定化される。
【0020】
理想としては、フィルター媒体3は、ポリウレタン、エポキシ、シリコーン、ホットメルト接着剤又はプラスチゾルなどの封止剤4を用いてフレーム2に取り付けられる(図5)。しっかりしたシールを確立する目的で、連続したシールを保証するために、フィルター媒体3にしみこむように封止剤4を選択又は処理しなければならない。パネルのある例では、フィルター媒体3は最大1500m3/時間、好ましくは約200m3/時間〜500m3/時間の空気流容量で設計できる。
【0021】
図4は、図2のものと同様であるが、ルーバーパネル5がその上流側に一体化して形成された保護覆い1を示す。ルーバーパネル5は封止剤4を用いてフィルター媒体3と一緒に所定位置にシールできる。
【0022】
本発明のファン冷却ユニット100の保護覆い1で用いる複合フィルター媒体3は少なくとも二つのフィルター層を備えている、すなわち、膜フィルター層とデプスフィルター層である。膜フィルター層は多孔質ポリマー膜を含む。空気流の方向に関して膜フィルター層の上流側に少なくとも一つのデプスフィルター層が配置されている。必要に応じて複合フィルター媒体は支持層を含むことができる。支持層は、フィルターを通る空気流の方向に関して膜フィルター層の上流側又は下流側のいずれに配置されてもよい。必要に応じて支持層を膜に積層させることができる。
【0023】
図6から8までは、複合フィルター媒体3のいくつかの態様の横断面を示す。デプスフィルター媒体層18は膜フィルター層20の上流側に位置し、流れの方向は矢印で示されている(図6)。図7には膜フィルター層20の下流側に配設された支持層22を含むフィルター媒体3が示されている。図3では、支持層22が膜フィルター層20の上流側で、デプスフィルター層18と膜フィルター層20との間に配設されている。支持層22は膜フィルター層20に積層されることが好ましいが、デプスフィルター媒体層18は膜フィルター層20及び支持層22とそれぞれゆるく接触していてもよい。
【0024】
さらに図9に示されているように、フィルター媒体10の取扱いと処理の間にデプスフィルター媒体層18の繊維の乱れを防止するために、安定化層23を、例えば繊維ネットの形でデプスフィルター媒体層18の上に一番上の層として配置することができる。安定化層23は好ましくは単位面積あたりの質量が約2〜10、好ましくは3〜5g/m2の不織物から作られ、デプスフィルター媒体層18に熱的に、機械的に又は接着剤によって取り付けることができる。
【0025】
複合フィルター媒体3のデプスフィルター媒体層18は、好ましくは不織繊維ポリマーウェブ、例えば、スパンボンド又は好ましくはメルトブローンウェブであって、ポリプロピレン又はポリエチレン、ポリエステル不織布、グラスファイバー、ミクログラスファイバー、セルロース、及びポリテトラフルオロエチレンから成る。
【0026】
メルトブローンウェブは、溶融した紡糸繊維を加熱した空気の収束流れで引いて非常に細いフィラメントを生成することによって製造される。メルトブローン加工は連続したサブデニールの繊維、典型的には10μm未満の比較的小さな直径の繊維を生ずる。
【0027】
メルトブローンポリマー繊維ウェブ層をいろいろなポリマー材料から、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート及びポリエチレンから作ることができる。ポリプロピレンは中でもより好ましいポリマー材料である。普通、ウェブを形成するポリマー繊維は、直径が約0.5μm〜約10μmの範囲にある。好ましくは、繊維の直径は約1μm〜約5μmである。
【0028】
デプスフィルター媒体層18の厚さは重要ではない。デプスフィルター媒体が、メルトブローンウェブである場合、例えば、その厚さは約0.25mm〜約3mmであってよい。厚さが大きいほどダスト容量(dust capacity)が高くなる。しかし、厚すぎるデプスフィルター媒体層は、複合フィルター媒体で用いることができる層の総数を制限する場合がある。
【0029】
デプスフィルター媒体の坪量の選択も当業者の裁量の範囲にある。例えば、メルトブローンポリマー繊維ウェブの坪量は、例えば、約1g/m2〜約100g/m2の範囲にあってよく、好ましくはメルトブローン繊維ウェブの坪量は約10g/m2〜約50g/m2の範囲である。
【0030】
少なくとも一つのデプスフィルター媒体層は、帯電した非常に効率的な層を含むエレクトレット(静電)フィルター媒体として形成される。公知のいろいろな方法を用いて、濾過性能を高めるために、メルトブローン繊維ウェブに電荷が付与される。
【0031】
例えば、Tsaiらへの米国特許No.5,401,446に開示されているように、隣接する電界が実質的に互いに逆の極性を有するような一連の電界に、適当なウェブを連続的にさらすことによって、そのウェブは低温で簡便に帯電する。そこに記載されているように、ウェブの片面は最初に正の電荷にさらされ、ウェブの他面は負の電荷にさらされる。次に、ウェブの最初の面は負の電荷にさらされ、他の面は正の電荷にさらされる。しかし、エレクトレットフィルター材料は他のいろいろな公知の方法でも作ることができる。
【0032】
デプスフィルター媒体層18はまた、濾過性能を高めるための添加剤を含むこともでき、また低濃度の抽出可能な炭化水素を性能改善のために含むことができる。繊維はある種の溶融加工可能なフルオロカーボン、例えば、フッ素系オキサゾリジノン及びピペラジン、並びにパーフルオロ部位を含有するオリゴマー化合物を含んでもよい。このような添加剤の使用は帯電ウェブフィルターの性能に特に有益である。さらに、プレフィルターを適当なフッ化ポリマーを含有する化学物質で表面処理して、ある程度の撥水性を付与することができる。
【0033】
デプスフィルター媒体層18の下流に微多孔質ポリマー膜フィルター層20が配設される。微多孔質ポリマー膜20はデプスフィルター層を通過した粒子を捕捉することを意図している。微多孔質ポリマー膜は流体の流れから粒子と生物体を除去することに関して確実性と信頼性が実証されている。膜は通常、そのポリマー組成、空気透過性、水侵入圧力及び濾過効率によって特徴づけられる。
【0034】
いろいろな微多孔質ポリマー膜がそれぞれの用途の必要条件に応じて膜フィルター層として使用できる。膜フィルター層は、例えば、以下のような材料から構成してもよい:ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリミド(polymide)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリレートコポリマー。
【0035】
膜フィルター層は、好ましくは液体の通過を阻止できる疎水性物質から作られる。膜フィルター層は、フィルター媒体を横断して与えられた圧力差に対して液体を通過させずに耐えることができなければならない。好ましい膜は、水侵入圧力が少なくとも0.2bar、好ましくは0.5barより大きく、平均空気透過性がフレージャー数で約7〜約100であり、さらに好ましくは平均空気透過性がフレージャー数で少なくとも約30であり、最も好ましくはフレージャー数で少なくとも約60である。
【0036】
好ましくは、膜フィルター層は微多孔質フッ素ポリマー、例えば、ePTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリプロピレン(PU)、ポリエチレン(PE)、又は超高分子量ポリエチレン(uhmwPE)である。
【0037】
最も好ましくは、膜フィルター層はePTFEで構成される。適当なePTFE膜は米国特許No.5,814,405に記載されている。そこで記載された膜は、良好な濾過効率、高い空気流量及びバースト強度を有する。図5は、上記の米国特許から取ったSEM画像を示し、本明細書では、そこで記載されたePTFE膜の微細構造の一例として紹介している。見られるように、この膜の微細構造はフィブリルで相互連結された一連の結節(nodes)から成り、結節は略平行に配置され、非常に細長く、アスペクト比が25:1以上である。この微細構造の長い結節がフィルターのプリーツ加工中に膜が破れることを防ぎ、ピンホール形成の危険を回避するのに役立っていると考えられる。
【0038】
膜フィルター層20は、必要に応じてフィルターのいくつかの性質を改善するために充填剤を含むことができる。カーボンブラックなどの適当な充填剤、又はその他の伝導性充填剤、触媒粒子、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、又は活性炭などの吸着材料、又は活性アルミナ及びTiO2などのセラミック充填剤、及び本発明で有用な充填された膜を調製する方法が、米国特許No.5,814,405に詳しく記載されている。
【0039】
フィルター層20を安定化するために支持層22が設けられている。したがって好ましい支持材料は、膜フィルター層及びデプスフィルター層を支持するのに十分な剛性があり、しかし膜の損傷を防ぐのに十分に柔らかくしなやかでなければならない。支持層22は不織布又は織布で構成してもよい。適当な支持層材料のその他の例は、織物又は不織物のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、グラスファイバー、ミクログラスファイバー、及びポリテトラフルオロエチレンなどであるが、それだけに限定されない。支持層22の繊維の厚さは、好ましくは10μm〜30μm、さらに好ましくは15μm以上である。プリーツ加工した配置において、この材料はプリーツ中に空気流の流路を提供しつつ、同時にプリーツを離して保持しなければならない(すなわち、プリーツがつぶれることを防止しなければならない)。スパンボンド不織物などの材料がこの用途で用いるのに特に適している。
【0040】
支持層22は、膜フィルター層20の上流側に配置しても下流側に配置してもよい。支持材料22を膜フィルター層に積層してベース層を形成することもできる。有利なことに、この態様におけるベース層は、上にあるメルトブローン媒体層に対する支持にもなり最終の濾過表面としても働く。
【実施例】
【0041】
試験方法
透過性
空気透過性はフレージャー数試験法によって決定できる。この方法では、空気透過性はテストサンプルをガスケット−フランジ付き固定具にクランプ留めして測定される。その固定具は、空気流測定のために直径ほぼ2.75インチ、面積が6平方インチの円形区域を提供する。サンプル固定具の上流側を乾燥圧縮空気源と一列になっている流量計に接続する。サンプル固定具の下流側を大気に開放する。試験は、サンプルの上流側に5インチ水柱の空気圧を与えて、インライン流量計(球浮き子式流量計)を通過する空気の流量を記録することによって行われる。サンプルを、試験前に21℃、相対湿度65%で少なくとも4時間調整する。結果を0.5インチ水柱での立方フィート/分/サンプルの平方フィートという単位を有するフレージャー数で報告する。
【0042】
ダスト容量
ダスト容量は以下の方法によって決定できる。3%塩化ナトリウム水溶液を、一定出力の噴霧器(TSI Model 3096; Shoreview, MN)を用いて霧化する。粒子を80℃で加熱して乾燥し、清浄な乾燥空気で希釈する。粒度分布を空気動力学的粒径測定装置(例えば、TSI Model 3320; Shoreview, MN)により測定する。幾何平均粒径及び標準偏差を決定する。
【0043】
直径44.4mmのフィルターの試験サンプルを試験前に秤量し、フィルターホルダーに取り付ける。面速度を5.3cm/秒に設定する。フィルターを横断する圧力損失を、圧力変換器(例えば、Heise Model PM10, Stratford, CT)により連続的にモニターする。フィルター媒体を横断する最終圧力損失が750Paに達するまで、フィルターに塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。ダスト充填容量は試験サンプルの最終質量と初期質量の差である。
【0044】
濾過効率
粒子収集効率は、自動効率試験機(例えば、Model 8160, TSI, Inc., St. Paul, Minnesota)によって測定される。試験は周辺室温(70°F)及び相対湿度条件(40%)で行われる。ジオクチルフタレート(DOP)溶液を霧化して、直径が0.03〜0.5μmの粒子を含むエアロゾルを発生させる。フィルターサンプルを空気流速度5.3cm/秒のエアロゾルで攻撃する。二つの凝結核粒子計数装置で試験サンプルの上流側と下流側の粒子濃度を同時に測定する。粒子収集効率を、フィルターで収集された上流側の攻撃粒子の百分率として報告する。
【0045】
帯電したメルトブローンと放電したメルトブローンの比較
帯電したメルトブローンと放電したメルトブローンの効率の差を、三つの例A、B及びCについて下の表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
例Aは、203g/m3のポリエステルスパンボンド裏地材を支持層として備えたePTFE膜を含む、ePTFE膜積層体に関する。この膜は、透過性がフレージャー数で約7.6であり、ダスト容量がある種の試験条件で6.4g/m3である。
【0048】
例Bは、30g/m3のポリプロピレンメルトブローンが例AのePTFE膜積層体に超音波接合された本発明の複合フィルター媒体に関する。この例で用いられたメルトブローンはHollingsworth and Vose社、本社はEast Walpole, MAから品番TR1462Aで入手できる。アルファソニック接合を、フィルターの全表面にわたって、ほぼ55500点/m3という約0.8mm大の小さな溶接点で行った。この複合フィルター媒体の透過性はフレージャー数で約4.9であり、このフィルター媒体のダスト容量は同じ試験条件で9.1g/m3であり、これは43%の改善である。
【0049】
例Bの複合フィルター媒体は本発明に従って帯電していたが、例Cは同じ複合フィルター媒体であるが、イソプロピルアルコール又はイソプロパノールに浸して放電して静電気を中和し、その後乾燥したものに関する。透過性は予期されたようにあまり大きく変わらなかったが、例Cのダスト容量は例Bより小さく、すなわちダスト容量はわずかに3.2g/m3であった。驚いたことに、帯電していない複合フィルター媒体は、ePTFE積層体だけの場合よりもダスト容量がさらに低くなった。
【0050】
比較例
W.L. Gore & Associates, Inc. (Newark, DE)から入手される微多孔質ePTFE膜積層体で、膜フィルターの充填容量を例示する。ePTFE膜の空気透過性はフレージャー数で18〜29の範囲にあり、ボール破裂強度は0.2barより大きく、質量は約5g/m2である。このePTFE膜を、坪量が270g/m2、空気透過性がフレージャー数で28〜32、ミューレン破裂強度が14barより大きいポリエステルスパンボンド支持材料(Toray, Japanから入手可能)に接着する。膜を支持材料に180℃と350℃の間の温度、及び0.1と7barの間の圧力で接着する。得られたePTFE積層体の空気透過性はフレージャー数で5から8である。このフィルターに前述した試験手順に従って圧力損失が750Paに達するまで塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。積層体のダスト充填曲線を図6に示す。全体のダスト充填容量は14mgである。
【0051】
例1
10g/m2のメルトブローン媒体(DelPore 6001−10P, Del−Star, Inc.; Middletown, DEから入手可能)の層を比較例1のePTFE膜積層体の上流側に配置して複合媒体を形成する。メルトブローン媒体は10g/m2のポリプロピレンメルトブローン層と10g/m2のポリエステルスパンボンドスクリム(scrim)から作られる。ポリプロピレン繊維は1〜5μmの直径を有する。平均孔径は約15μmであり、媒体の厚さは約0.2mmである。デプスフィルター層の空気透過性はフレージャー数で約130である。粒子収集効率を高めるため、媒体は帯電している。このフィルターに前述した試験手順に従って圧力損失が750Paに達するまで塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。図6に充填曲線を示す。
【0052】
例2
30g/m2メルトブローン媒体(DelPore 6001−30P, DelStar, Inc.; Middletown, DEから入手可能)のデプスフィルター媒体層を比較例1の微多孔質ePTFE積層体の上流側に配置して複合媒体を形成する。メルトブローン媒体は30g/m2のポリプロピレン繊維層と10g/m2のポリエステルスパンボンドスクリムから作られる。ポリプロピレン繊維は1〜5μmの直径を有する。平均孔径は約15μmであり、媒体の厚さは約0.56mmである。メルトブローンの空気透過性はフレージャー数で約37である。粒子収集効率を高めるため、媒体は帯電している。二層のこのメルトブローン媒体を、微多孔質ePTFE積層体の上流側に配置する。このフィルターに前述した試験手順に従って圧力損失が750Paに達するまで塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。結果を図6に示す。
【0053】
例3
30g/m2メルトブローンポリプロピレン(DelPore 6001−30P, DelStar, Inc.; Middletown, DE,USAから入手可能)のデプスフィルター媒体層を比較例の微多孔質ePTFE積層体の上流側に配置して複合媒体を形成する。メルトブローン媒体は30g/m2のポリプロピレン繊維層と10g/m2のポリエステルスパンボンドスクリムから作られる。スクリムは、柔らかいメルトブローン媒体を支持する。ポリプロピレン繊維は1〜5μmの直径を有する。平均孔径は約15μmであり、媒体の厚さは約0.56μmである。メルトブローンの空気透過性はフレージャー数で約37である。粒子収集効率を高めるため、媒体は帯電している。一層のこのメルトブローン媒体が微多孔質ePTFE積層体の上流側に配置され、結合されて複合フィルター媒体を形成し、スクリムが上流の外側になる。このフィルターに前述した試験手順に従って圧力損失が760Paに達するまで塩化ナトリウムエアロゾルを充填する。
【0054】
この複合媒体を用いて図3に示されているようなカートリッジフィルターを形成する。このカートリッジフィルターは、円形に配置された、プリーツ加工した複合媒体材料を含み、少なくとも一つの側端が対応する閉止キャップでシールされている。このカートリッジフィルターは高さが70cmで直径が35cmである。一個のフィルターの、プリーツ加工した複合媒体材料の濾過面積は12.6m2である。フィルターが新しいときは、ほぼ180Paの圧力損失で空気流量が1000m3/時間に達する。媒体物質の円の内側15は金属グリッドになっている。
【0055】
このフィルターの濾過効率が下の表2に示されている。表2は、ePTFE膜(例1で記載されたもの)、30g/m2のメルトブローン層、及び例3によるフィルター複合体の間で効率を比較して示している。三つの例はすべて1cm/秒及び5.6cm/秒という接近速度で試験した。例3による複合体が最も高い濾過効率を有する。
【0056】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明によるファン冷却ユニットである。
【図2】ファン冷却ユニットで用いる保護カバーを示す斜視図である。
【図3】円環状の保護覆いである。
【図4】図2に示されたものと同様な保護カバーであるが上流側にルーバーパネルを有する保護カバーを示す斜視図である。
【図5】図2の保護覆いの部分を通る横断面図である。
【図6】本発明のファン冷却ユニットの保護覆い用複合フィルター媒体を示す横断面図である。
【図7】フィルター媒体の下流側に別の支持層を有する別の複合フィルター媒体を示す横断面図である。
【図8】別の支持層が中央に配設されたさらに別の複合フィルター媒体を示す横断面図である。
【図9】フィルター媒体の上流側に追加の安定化層を含む別のフィルター媒体を示す横断面図である。
【図10】一例として、複合フィルター媒体の一部を形成する好ましい膜フィルター層の構造を示す拡大横断面図である。
【図11】他の膜フィルターに比べてこの複合フィルター媒体の改善された性能を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品(7)を収めるケーシング(8)と、前記ケーシング(8)における少なくとも一つの空気吸入口(11)及び少なくとも一つの空気排出口(12)と、前記空気吸入口(11)から前記ケーシング(8)を通って前記空気排出口(12)までの空気の流れを生成する少なくとも一つのファン(6)と、前記ケーシング(8)に入る空気の流れから粒子を除去するための少なくとも前記空気吸入口(11)の全体を覆う少なくとも一つの保護覆い(1)とを備える、電子部品(7)を冷却するためのファン冷却ユニット(100)であって、前記保護覆いが、複合フィルター媒体(3)と、前記複合フィルター媒体(3)及びフレーム(2)の間に気密な嵌合を作るように前記複合フィルター媒体(3)が取り付けられるフレーム(2)とを含み、前記フィルター媒体(3)が、
多孔質ポリマー膜を含む、膜フィルター層(20)と、
繊維を含み、前記フィルターを通る気体の流れの方向に関して前記膜フィルター層(20)の上流側に配設される、少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)と
を含み、前記デプスフィルター媒体層(18)の繊維が好ましくは帯電している、ファン冷却ユニット。
【請求項2】
前記膜フィルター層(20)が多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項1に記載のファン冷却ユニット。
【請求項3】
前記膜フィルター層(20)に隣接してその上流側又は下流側に、支持層(22)が配設されている、請求項1又は2のいずれかに記載のファン冷却ユニット。
【請求項4】
前記支持層(22)が前記膜フィルター層(20)に積層されている、請求項3に記載のファン冷却ユニット。
【請求項5】
前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)が不織繊維ポリマーウェブを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項6】
前記不織繊維ポリマーウェブがメルトブローンウェブである、請求項5に記載のファン冷却ユニット。
【請求項7】
前記膜フィルター層の透過性がフレージャー数で少なくとも7、さらに好ましくはフレージャー数で少なくとも約30、最も好ましくはフレージャー数で60以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項8】
前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層18の各々の透過性がフレージャー数で少なくとも約30、さらに好ましくはフレージャー数で少なくとも約100である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項9】
前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)における繊維の乱れを防止するために、前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)に隣接してその上流側に安定化層(23)を備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項10】
前記複合フィルター媒体(3)が、0.3μm大の粒子に関し10cm/秒以下の面速度で少なくとも90%の粒子濾過効率を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項11】
前記膜フィルター層(20)と前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)がプリーツ加工されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項12】
前記フィルター媒体(3)がプリーツパネルとして成形されている、請求項11に記載のファン冷却ユニット。
【請求項13】
前記パネルの二つの端部が接合されて円筒状フィルター媒体を形成する、請求項12に記載のファン冷却ユニット。
【請求項14】
前記膜フィルター層(20)が、フィブリルで相互連結された一連の結節(nodes)から本質的になる内部微細構造を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜であって、前記結節は略平行に配置され、非常に細長く、アスペクト比が25:1以上である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項15】
前記結節のアスペクト比が150:1以上である、請求項14に記載のファン冷却ユニット。
【請求項16】
前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がPTFEホモポリマーと変性PTFEポリマーとのブレンドである、請求項14又は15のいずれかに記載のファン冷却ユニット。
【請求項17】
前記膜フィルター層の平均流れ孔径が1.5μmより大きい、請求項14〜16のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項18】
前記平均流れ孔径が約3μmである、請求項17に記載のファン冷却ユニット。
【請求項19】
前記保護覆い(1)が前記空気吸入口(11)に取り付けられている、請求項1〜18のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項20】
前記ファン(6)が、前記空気吸入口(11)の反対側に位置するケーシング壁(13)上で前記ケーシング(8)内に取り付けられている、請求項1〜19のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項21】
前記ケーシング(8)が、全ての天候条件の影響にさらされる場所で使用される全天候用ケーシングである、請求項1〜20のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項22】
ルーバーパネル(5)が前記保護覆い(1)の前方外側に取り付けられている、請求項1〜21のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項23】
電子部品(7)を冷却するための、請求項1〜22のいずれか1項に記載のファン冷却ユニットの使用。
【請求項24】
空冷電気通信基地局のための、請求項23に記載の使用。
【請求項1】
電子部品(7)を収めるケーシング(8)と、前記ケーシング(8)における少なくとも一つの空気吸入口(11)及び少なくとも一つの空気排出口(12)と、前記空気吸入口(11)から前記ケーシング(8)を通って前記空気排出口(12)までの空気の流れを生成する少なくとも一つのファン(6)と、前記ケーシング(8)に入る空気の流れから粒子を除去するための少なくとも前記空気吸入口(11)の全体を覆う少なくとも一つの保護覆い(1)とを備える、電子部品(7)を冷却するためのファン冷却ユニット(100)であって、前記保護覆いが、複合フィルター媒体(3)と、前記複合フィルター媒体(3)及びフレーム(2)の間に気密な嵌合を作るように前記複合フィルター媒体(3)が取り付けられるフレーム(2)とを含み、前記フィルター媒体(3)が、
多孔質ポリマー膜を含む、膜フィルター層(20)と、
繊維を含み、前記フィルターを通る気体の流れの方向に関して前記膜フィルター層(20)の上流側に配設される、少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)と
を含み、前記デプスフィルター媒体層(18)の繊維が好ましくは帯電している、ファン冷却ユニット。
【請求項2】
前記膜フィルター層(20)が多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項1に記載のファン冷却ユニット。
【請求項3】
前記膜フィルター層(20)に隣接してその上流側又は下流側に、支持層(22)が配設されている、請求項1又は2のいずれかに記載のファン冷却ユニット。
【請求項4】
前記支持層(22)が前記膜フィルター層(20)に積層されている、請求項3に記載のファン冷却ユニット。
【請求項5】
前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)が不織繊維ポリマーウェブを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項6】
前記不織繊維ポリマーウェブがメルトブローンウェブである、請求項5に記載のファン冷却ユニット。
【請求項7】
前記膜フィルター層の透過性がフレージャー数で少なくとも7、さらに好ましくはフレージャー数で少なくとも約30、最も好ましくはフレージャー数で60以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項8】
前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層18の各々の透過性がフレージャー数で少なくとも約30、さらに好ましくはフレージャー数で少なくとも約100である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項9】
前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)における繊維の乱れを防止するために、前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)に隣接してその上流側に安定化層(23)を備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項10】
前記複合フィルター媒体(3)が、0.3μm大の粒子に関し10cm/秒以下の面速度で少なくとも90%の粒子濾過効率を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項11】
前記膜フィルター層(20)と前記少なくとも一つのデプスフィルター媒体層(18)がプリーツ加工されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項12】
前記フィルター媒体(3)がプリーツパネルとして成形されている、請求項11に記載のファン冷却ユニット。
【請求項13】
前記パネルの二つの端部が接合されて円筒状フィルター媒体を形成する、請求項12に記載のファン冷却ユニット。
【請求項14】
前記膜フィルター層(20)が、フィブリルで相互連結された一連の結節(nodes)から本質的になる内部微細構造を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜であって、前記結節は略平行に配置され、非常に細長く、アスペクト比が25:1以上である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項15】
前記結節のアスペクト比が150:1以上である、請求項14に記載のファン冷却ユニット。
【請求項16】
前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がPTFEホモポリマーと変性PTFEポリマーとのブレンドである、請求項14又は15のいずれかに記載のファン冷却ユニット。
【請求項17】
前記膜フィルター層の平均流れ孔径が1.5μmより大きい、請求項14〜16のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項18】
前記平均流れ孔径が約3μmである、請求項17に記載のファン冷却ユニット。
【請求項19】
前記保護覆い(1)が前記空気吸入口(11)に取り付けられている、請求項1〜18のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項20】
前記ファン(6)が、前記空気吸入口(11)の反対側に位置するケーシング壁(13)上で前記ケーシング(8)内に取り付けられている、請求項1〜19のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項21】
前記ケーシング(8)が、全ての天候条件の影響にさらされる場所で使用される全天候用ケーシングである、請求項1〜20のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項22】
ルーバーパネル(5)が前記保護覆い(1)の前方外側に取り付けられている、請求項1〜21のいずれか1項に記載のファン冷却ユニット。
【請求項23】
電子部品(7)を冷却するための、請求項1〜22のいずれか1項に記載のファン冷却ユニットの使用。
【請求項24】
空冷電気通信基地局のための、請求項23に記載の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−501438(P2009−501438A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520805(P2008−520805)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006880
【国際公開番号】WO2007/006580
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(391018178)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (40)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006880
【国際公開番号】WO2007/006580
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(391018178)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (40)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】
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