説明

電気メッキを利用した導電ビア形成

導電ビアを形成する方法について説明され、そして該方法は、シード層を半導体基板(103)の第1面(125)に形成する工程であって、該半導体基板が該第1面を第2面(127)の反対側に含む、前記シード層を形成する工程と、ビアホール(329)を、該半導体基板の該第2面側の半導体基板中に形成する工程であって、該ビアホールが該シード層を露出させる、前記ビアホールを形成する工程と、そして電気メッキ法で導電ビア材料(601,603)を該ビアホールに、該材料が該シード層上に堆積するように充填する工程と、を含む。一つの実施形態では、連続導電層(116)を該シード層の上に形成し、かつ該シード層に電気的に接続する。該連続導電層は、電気メッキ法で導電ビア材料を充填する際の電流供給源として機能することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、半導体処理に関し、特に電気メッキを利用した導電ビア形成に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子は、基板貫通電気接続を利用して、信号、電力、及び/又はグランドを、基板を介して伝送する。一つの例では、このような接続を利用して信号を、複数の集積回路を搭載するパッケージの複数の集積回路の間で伝送することができる。別の例では、基板貫通接続をグランド接続として利用して、回路をパッケージ基板にグランド接続することができる。このような基板貫通接続は、これらの接続が通常、ワイヤボンディング接続よりも短く、かつ低い抵抗及びインダクタンスを示すので望ましい。
【0003】
幾つかの基板貫通接続は、導電ビアを、ウェハの裏面から配線層のコンタクトパッドまで基板を貫通するように形成することにより形成される。導電ビアを、基板を貫通するように形成する一つの方法では、コンフォーマルなシード層をウェハの裏面側に形成する。次に、このシード層をカソードとして使用し、電気メッキ法を用いてウェハの裏面側から堆積が進むようにする。この方法の一つの問題は、シード層を高アスペクト比の基板貫通ビアに形成する処理が、スパッタリング及び他の堆積プロセスに限界があるために困難になることである。銅の電気メッキを行なっている間、ピンチオフが、特に高アスペクト比ビアの裏面開口の近傍で生じ、これによって、導電性充填材料にボイドが発生する。別の問題は、シード層がウェハの裏面の表面全体を覆って形成されるので、ビア充填材料もウェハの表面全体に形成されることである。このような材料は次の工程で除去する必要がある。
【0004】
ビアを、基板を貫通するように形成する別の方法では、ウェハの厚さ全体を貫通するビア開口をエッチングにより形成する。次に、シード層をスパッタリングでウェハの裏面に、ビアの裏面側を閉じるために十分な厚さに形成する。次に、導電性充填材料をウェハの前面側から電気メッキ法で堆積させる。この方法の一つの問題は、ビアをウェハの厚さ全体を貫通するように形成する必要があることである。また、下部シード層は、ビアの充填を行なった後に除去する、またはパターニングする必要がある。このような厚い金属層の除去またはパターニングは複雑であり、制御するのが難しく、そして/または非常に長い時間を要する。更に、導電性充填材料は、回路の既存の電気配線との接続を形成することがない。従って、追加のプロセスを行なって、充填済みビアをウェハの前面の回路素子に接続する必要がある。この追加の処理は、薄厚ウェハに対して行なわれ、ウェハ薄厚化は、ウェハ貫通ビア形成の前に行なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
望ましいのは、導電ビアを、基板を貫通するように形成する方法を改善することである。
添付の図面を参照することにより、本発明を一層深く理解することができ、そして本発明の多くの目的、特徴、及び利点がこの技術分野の当業者に明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態は、導電ビアを形成する方法に関する。該方法は、導電層を半導体基板の第1面に形成する工程を含む。該半導体基板は、第1面及び第2面を有し、そして該第1面は該第2面の反対側に位置する。方法は更に、導電層をパターニングして、ランディングパッドを形成する工程と、そしてビアホールを、該半導体基板の該第2面側の該半導体基板中に形成する工程と、を備える。ビアホールはランディングパッドを露出させる。この方法は更に、電気メッキ法で導電ビア材料を該ビアホールに、ランディングパッドをシード層として使用して充填する工程を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一つの実施形態によるウェハ形成における種々の工程でのウェハの部分側部断面図。
【図2】本発明の一つの実施形態によるウェハ形成における種々の工程でのウェハの部分側部断面図。
【図3】本発明の一つの実施形態によるウェハ形成における種々の工程でのウェハの部分側部断面図。
【図4】本発明の一つの実施形態によるウェハ形成における種々の工程でのウェハの部分側部断面図。
【図5】本発明の一つの実施形態によるウェハ形成における種々の工程でのウェハの部分側部断面図。
【図6】本発明の一つの実施形態によるウェハ形成における種々の工程でのウェハの部分側部断面図。
【図7】本発明の一つの実施形態によるウェハ形成における種々の工程でのウェハの部分側部断面図。
【図8】本発明の一つの実施形態によるウェハ形成における種々の工程でのウェハの部分側部断面図。
【図9】本発明の別の実施形態によるウェハ形成における一つの工程でのウェハの部分側部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
異なる図面における同じ参照記号の使用は、特に断らない限り、同じアイテムを意味する。これらの図は、必ずしも寸法通りには描かれていない。
以下に、本発明を実施する形態についての詳細な記述を示す。本記述は、本発明を例示するために行なわれ、本発明を制限するものとして捉えられるべきではない。
【0009】
図1は、本発明の一つの実施形態によるウェハ形成の第1工程におけるウェハの一つの実施形態の部分側部断面図である。図示の実施形態では、ウェハ101は、バルク半導体材料、例えば単結晶シリコン、砒化ガリウム、またはシリコンゲルマニウムにより形成される半導体基板103を含む。半導体基板は、半導体材料を含む基板である。他の実施形態では、半導体基板は、セミコンダクタオンインシュレータ(SOI)構造のような他の構造を有することができる。SOI構造の例として、シリコンオンインシュレータ(例えば、シリコン酸化膜)をバルク半導体材料基板の上に設けた構造、及びシリコンオンサファイア基板を挙げることができる。他の実施形態では、半導体基板は、異なる半導体材料から成る複数の層、例えばシリコンゲルマニウムがシリコン上に配設される構造、シリコンがシリコンゲルマニウム上に配設される(かつ、シリコン上に配設される)構造、及び/又は誘電体材料から成る複数の層を含むことができる。基板103は、基板103の前面に形成される能動回路(例えば、トランジスタ120)を含む。ウェハまたは基板の前面は、ウェハまたは基板のうち、能動回路が形成される面である。ウェハまたは基板の裏面は、ウェハまたは基板のうち、前面の反対側の面である。
【0010】
能動回路を基板103に形成した後、多層配線122をウェハ101の前面125に形成する。多層配線122は層間誘電体層106,110を含む。多層配線122は更に、配線層108,112を含む。層間誘電体層106,110は、隣接する配線層の金属配線を電気的に絶縁する誘電体材料、例えばTEOS,SiO,または低K誘電体を含む。層間誘電体層106,110は更に、例えば窒化シリコン、または窒化炭化シリコンにより形成されるエッチング停止層及びバリア層を含むことができる。エッチング停止層及びバリア層は、図1には示していない。層間誘電体層106,110は更に、例えば銅、タングステン、金、及び/又はアルミニウムから成る導電性充填材料を有する導電ビア105,109,115,121を含む。これらの導電ビアは、基板103の前面の能動回路(例えば120)を、配線層108,112の金属配線107,111,113,117,119,123に相互接続する。各配線層(108,112)は更に、該当する配線層の金属配線(例えば、107,113)の間に位置する層内誘電体材料(131,133)を含む。配線層106,110の誘電体材料は更に、エッチング停止層及びバリア層(図示せず)を含むことができる。
【0011】
配線層108及び112の金属配線107,111,113,117,119,123は、導電層をウェハ101の前面125に形成し、次に導電層をパターニングすることにより形成することができる。パターニングして金属配線を形成する一つの実施形態(インレイドプロセスと表記される)では、層内誘電体材料層(例えば、131,133)を、例えば化学気相堆積法(CVD)によりウェハ101の前面125に形成し、次にパターニングしてトレンチを当該層の内部に形成する。次に、金属層、例えば銅層を、トレンチ内に埋設されるようにウェハ101の前面125に形成する。次に、前面125を平坦化し(例えば、化学的機械研磨法(CMP)により)、この場合、銅材料のみが、層内誘電体材料のトレンチ内に残る。
【0012】
金属層をパターニングして金属配線107,111,113,117,119,123を形成する別の実施形態では、金属層(例えば、アルミニウム層)をウェハ101の前面125に堆積させる。次に、金属層を、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスを使用してパターニングすることにより、金属配線を形成する。次に、層間誘電体材料を前面125に堆積させ、この場合、層内誘電体材料を次に、CMPまたはレジスト塗布及びエッチバックのような他の平坦化方法を使用して平坦化する。
【0013】
幾つかの実施形態では、金属配線(107,111,113,117,119,123)は更に、異なる材料から成る複数の層を含むことができる。例えば、金属配線は更に、導電バリア層(例えば、タンタルバリア層、窒化タンタルバリア層、窒化チタンバリア層、またはチタンタングステンバリア層)を含むことができる。
【0014】
多層配線122は更に、上部誘電体層114を含む。一つの実施形態では、層114は、誘電体材料、例えば酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、またはポリイミドを含む。幾つかの実施形態では、誘電体層114は複数の誘電体層を含み、そしてエッチング停止層及びバリア層を含むことができる。誘電体層114は、配線層112の配線111,117,123を露出させる開口部を含む。
【0015】
図示の実施形態では、金属層116は、ウェハ101の前面125に形成される。一つの実施形態では、層116はアルミニウムを含むが、銅、金、またはタングステンのような他の導電材料を含むことができる。更に、層116は、バリア層またはシード層(例えば、窒化チタン層、チタンタングステン層、またはタンタル層)を含むことができる。
【0016】
層116は、スパッタリング、CVD、メッキ、物理気相堆積(PVD)、または他のプロセスにより形成することができる。層116は、ウェハ101の前面125の全体を覆って形成される連続導電層である。一つの実施形態では、層116は、10,000オングストローム〜50,000オングストロームの範囲の厚さを有するが、他の実施形態では、他の厚さを有することができる。
【0017】
図2は、基板の厚さを薄くするために基板103を薄厚化した後のウェハ101の部分側部断面図である。基板103は、研削、エッチング、CMPにより、またはこのようなプロセスを組み合わせることにより薄厚化することができる。一つの実施形態では、基板103は、300ミクロン〜1000ミクロンの範囲の厚さを薄厚化の前に有し、そして10ミクロン〜200ミクロンの範囲の厚さを薄厚化の後に有する。しかしながら、他の形態のウェハは他の厚さを薄厚化の前後に有することができる。
【0018】
薄厚化の後、誘電体層228をウェハ101の裏面127に形成する。誘電体層は、酸化シリコン、窒化シリコン、TEOS,ダイヤモンド系材料、及び/又はサファイアを含むことができる。一つの実施形態では、層228は堆積させる(例えば、CVD、PVD)ことができる、または半導体材料を含む基板から裏面127に成長させることができる。幾つかの実施形態では、層228を利用しない。
【0019】
図3は、ビア開口またはビアホール329,331を、ウェハ101の裏面127から配線113,119のそれぞれに達するように形成した後のウェハ101の部分側部断面図である。一つの実施形態では、ビアホール329,331は、フォトレジスト層を裏面127に形成し、そしてフォトレジストをパターニングしてエッチングマスクをビア329及び331に対応するように形成することにより形成される。ビアホール329,331を形成するために、誘電体層228の材料、基板103、及び層106の層間誘電体材料を、これらの層の材料を除去するために適するエッチング化学種を使用してエッチングする。一つの実施形態では、層228をエッチングした後、パターニング済みのフォトレジスト層(図示せず)を除去するが、この場合、層228は、基板103及び層106を次にエッチングするためのハードマスクとして使用される。一つの実施形態では、ビアホール329,331の幅に対する深さのアスペクト比は、0.5:1〜10:1の範囲であるが、他のアスペクト比を他の実施形態において使用してもよい。
【0020】
図4に示すように、ビアホール329,331を形成した後、側壁ライナー401,403をビア329,331の側壁にそれぞれ形成する。一つの実施形態では、ライナー401,403は、スペーサ材料から成るコンフォーマル層を堆積させ(例えば、CVDまたは原子層堆積(ALD)により)、次に当該コンフォーマル層を異方性エッチングしてライナー401,403を残すとともに、配線113及び119の一部をそれぞれ露出させることにより形成される。一つの実施形態では、ライナー401及び403は、次に形成される導電性充填材料を基板103から電気的に絶縁する誘電体材料(例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン)から成る。他の実施形態では、ライナー401及び403は、基板103への金属充填材料の拡散を阻止するための拡散バリアとして機能する材料から成る。
【0021】
幾つかの実施形態では、ライナー401,403は、充填材料を基板に電気的に接続する導電材料とすることができる。このような構造は、基板103を接地するために望ましい。他の実施形態では、ライナー401,403を設けなくてもよい。
【0022】
図5は、導電性充填材料507,509をビア329,331にそれぞれ堆積させる電気メッキプロセスを行なっている間のウェハ101の部分側部断面図である。図示の実施形態では、金属配線113及び119は、導電性充填材料507,509を電気メッキするためのランディングパッド及びシード層として機能する。図示の実施形態では、カソードコネクタ501を導電金属層116に電気的に接続し、導電金属層116は、配線113に導電ビア115及び配線117を介して電気的に接続され、かつ配線119に導電ビア121及び配線123を介して電気的に接続される。
【0023】
カソードコネクタ501は、電気メッキ電源503に電気的に接続され、電気メッキ電源は図示の実施形態では、パルスDC電源である。アノード505は電源503に電気的に接続される。一つの実施形態では、ウェハ101及びアノード505を電解メッキ溶液に浸し、そして電源503からの電流によって、電流がコネクタ501に供給され、この場合、アノード505の材料がビア329,331に堆積する。電気メッキが行なわれている間、充填材料が最初に配線113,119から堆積成長し、そして既に電気メッキされている充填材料の上に電気メッキで堆積し続ける。配線113及び119は層116に電気的に接続されているので、層116は、充填材料507,509をそれぞれ形成するために電気メッキしている間の電流供給源として機能する。図5の実施形態では、ビア329,331は、導電性充填材料507,509でそれぞれ部分的に充填されるものとして示される。他の電気メッキプロセスを他の実施形態において利用してもよい。
【0024】
層116を、電気メッキプロセスを行なっている間は保護する、または密閉することにより、当該層へのアノード505の材料の堆積を回避することができる。
一つの実施形態では、充填材料は銅を含むが、例えば金、ニッケル、パラジウム、これらの金属の合金のような他の材料、または他のメッキ可能な導電材料を含むことができる。
【0025】
一つの実施形態では、カソードコネクタ501をウェハ101の周辺領域の層116に接続する。幾つかの実施形態では、周辺領域は、ウェハのうち、ウェハを個片化して多数の集積回路としたときに一つの集積回路の一部とはならない領域である。他の実施形態では、カソードコネクタ501を取り付ける領域は、層116のうち、外部コネクタ(例えば、ボンディングパッド)を形成するために、または他のタイプの集積回路コネクタを形成するために次に使用されるということのない領域の上に位置する。
【0026】
層116が、電気メッキプロセス中に密閉される場合、配線113及び119は、図5に示され、かつカソードコネクタ501に電気的に接続される唯一の露出導電構造である。従って、充填材料が最初に、電気メッキプロセス中にビア329,331にのみ形成される。従って、他の構造は、導電性充填材料でメッキされることがない。従って、この実施形態では、充填材料の連続層を裏面127から、電気メッキプロセス後に除去する必要がない。
【0027】
図6は、ビア329,331を完全に導電性充填材料601,603のそれぞれで充填してしまった後のウェハ101を示している。一つの実施形態では、電気メッキは、充填材料で過充填するポイントまで、または充填材料が誘電体層228の或る部分を覆って延び始めるポイントまで行なわれる。幾つかの実施形態では、裏面127を電気メッキ後に平坦化して、充填材料601,603が層228と同一平面を形成するようにする。
【0028】
図7は、層116をパターニングして導電パッドを形成した後のウェハ101を示している。一つの実施形態では、層116は、フォトリソグラフィ法によりパターニングされる。例えば、フォトレジスト層を前面125の層116の上に堆積させ、そしてパターニングしてマスク構造を形成することができる。マスク構造の下に位置しない層116の全ての材料を除去してパッドを残す。
【0029】
一つの実施形態では、パッド701,703,705は外部ワイヤボンディングパッドである。別の実施形態では、パッド701,703,705はそれぞれ、バンプコネクタのバンプパッド構造の下に位置し、この場合、次の金属をパッド701,703,705の上に形成することにより、バンプ構造を完成させる。これらの外部導体を使用して、ウェハ101の集積回路の回路を外部回路に電気的に接続する。他の実施形態では、別の集積回路を、パッド701,703,705に、例えばマルチチップパッケージ構造におけるように(例えば、縦方向に積層する構造、または3Dに積層する構造におけるように)電気的に接続することができる。
【0030】
外部コネクタを形成するために使用される金属層を利用して、カソードコネクタを取り付けることによって得られる一つの利点は、追加の層間金属層を堆積させる処理が、ウェハを薄厚化して裏面ビアを形成した後に必要ではないことである。ビアがウェハの厚さ全体を貫通して形成される先行技術による幾つかの方法では、次の金属層堆積が、ウェハの回路を相互接続するために必要になる。このような堆積は、基板の厚さが薄くなることによって更に複雑になる。ここに説明される種々の実施形態のうちの幾つかの実施形態では、前面側の全ての層間金属層を、ウェハを薄厚化する前に堆積させる。
【0031】
しかしながら、追加の配線層をパッド701,703,705の上部に追加して、基板103の能動回路を、外部電気接続構造と更に相互接続することができる。例えば、別の金属層を堆積させ、そして前面125でパターニングして、パッド701,703,705を相互接続することができる。幾つかの実施形態では、導電ビアを形成するためのシード層として利用される配線(例えば、配線119)は、外部電気コネクタに電気的に接続しなくてもよい。
【0032】
図8は、裏面コネクタパッド801,803を形成した後のウェハ101の部分側部断面図を示している。パッド801,803は、充填材料601,603にそれぞれ電気的に接続される。図示の実施形態では、パッド801はパッド703に電気的に接続され、そしてパッド803はパッド705に電気的に接続される。
【0033】
一つの実施形態では、コネクタパッド801,803は、金属層を堆積させ、そして当該金属層をフォトリソグラフィ及びエッチングでパターニングすることにより形成される。他の実施形態では、パッド801,803は、インレイドプロセスにより形成され、このプロセスでは、誘電体層を堆積させ、そしてパッド開口部を形成する。次に、金属層を裏面127に、開口部に埋設されるように堆積させ、次に当該金属層を、開口部の外側に位置する金属が除去されるように平坦化する。
【0034】
別の実施形態では、パッド801,803は、シード導電層を裏面127に堆積させ、フォトレジスト層をシード層の上にパッド開口部を有するように形成し、次に電気メッキ法で材料を開口部に充填することにより形成することができる。次のプロセスでは、フォトレジスト、及びパッドの外側のシード層を除去する。更に別の実施形態では、パッド801,803は、金属を導電性充填材料601,603の上に選択的に堆積させることにより形成される。
【0035】
他の実施形態では、パッド801,803は、層116をパターニングする前に形成することができる。他の実施形態では、パッド801,803を設けない。更に、他の実施形態においては、層228の少なくとも一部分を、充填材料601,603を形成した後に除去して、充填材料601,603の一部分が裏面127から延出するようにすることができる。
【0036】
一つの実施形態では、パッド801,803は、ウェハ101の集積回路の回路を外部回路に外部接続するために利用される。
図9は、ウェハ101の第2の実施形態を示している。図9の実施形態は図7の実施形態とは、パッド901,903,905が、図7のパッド701,703,705を形成するパターニングプロセスとは異なり、金属層116を利用してインレイドプロセスによりパターニングされる点で異なっている。一つのインレイドパターニングプロセスでは、層116を、層114の開口部の外側の層116の材料が除去されるように平坦化する(例えば、CMPプロセスによって)。次のプロセスでは、更に別の構造(例えば、パッド801,803)をウェハ101の上に形成することができる。
【0037】
ウェハ101は、ウェハ101の他の領域に位置する他の能動回路、配線、及び基板貫通導電ビア(図示せず)を含む。ウェハ101を次に個片化して多数の集積回路とすることができる。次に、これらの集積回路を、集積回路パッケージにパッケージングすることができ、この場合、パッド(例えば、701,801,901)はパッケージの導電構造に電気的に接続される。一つの実施形態では、これらの集積回路は、複数の集積回路パッケージの一部とすることができる。
【0038】
図示の実施形態では、電気メッキ用のシード層(配線119,113)は、多層配線122のうちの最初に形成される配線層108に位置する。しかしながら、他の実施形態では、シード層は、層108の次に形成される他の金属層(例えば、112)に位置してもよい。
【0039】
内部導電配線(例えば、113,119)を、導電ビアを形成するためのランディングパッド及びシード層として利用することにより得られる一つの利点は、内部導電配線によって、ビア329,331を形成するために除去する必要があるウェハ101の厚さに相当する量が、ウェハ101の厚さ全体を貫通して形成されるビアと比較して、少なくなることである。基板貫通ビアの場合に除去されるウェハの量が少なくなることにより、エッチング時間が短くなるだけでなく、異なる材料から成る層の数が少なくなるので、エッチング工程の回数も少なくなる。例えば、多層配線122を構成する複数の層の全てが除去される訳ではないので、少ない回数のエッチングプロセスでビア329,331を形成することができる。
【0040】
また、集積回路内の後続の導電構造(例えば、116)を形成するために使用されることになる層をカソードコネクタコンタクト層及び電流供給源として利用することにより、電気メッキを行なって裏面ビア接続を形成するために必要な処理工程の回数を更に減らすことができる。層116を次に使用することにより、ウェハ101の集積回路の電気コネクタを形成するので、電気メッキには、他の電気メッキビア形成方法におけるようなシード層形成及び除去の追加工程は必要ではない。
【0041】
更に、前面金属層をカソードコネクタコンタクト層として使用することにより、導電ビア充填材料をウェハの裏面から堆積成長させることができ、シード層をビアホールに裏面側から堆積させる必要がない。従って、ビア内のシード層材料のボイド及びブレッドローフィング(bread loafing)」を回避することができる。従って、相対的に高いアスペクト比を持つビアは、ここに説明されるプロセスを使用して形成することができる。更に、シード層をウェハの裏面に形成する必要を生じることなく、平坦化プロセスを、過剰メッキされた充填材料を除去するために効率的に利用することができるが、これは、シード層も平坦化プロセスにおいて除去する必要があるということがないからである。
【0042】
更に、電気メッキを導電ビア充填材料堆積に使用することにより、ビアを、内部導体から裏面に向かって充填することができるので、コンフォーマルな層充填材料堆積によって生じ得るボイド及びブレッドローフィングを減らすことができる。従って、相対的に高いアスペクト比のビアを形成する方法を利用することができる。更に、導電性充填材料を堆積させるコンフォーマルプロセスではなく、電気メッキプロセスを利用することにより、材料形成が主としてビアホール内で行なわれ、ビアホールの外側では行なわれない。これによって、ビアを導電材料で充填した後に除去する必要がある過剰な充填材料の量を減らすことができるので有利である。
【0043】
また、シード層(例えば、パターニング済み配線119,113)の露出部分がビア開口内に位置しているので、電気メッキ中の材料堆積速度は、ウェハ全体を覆うシード層に電気メッキを施すプロセスと比較すると速い。シード層は材料形成領域にしか位置していないので、電気メッキが施される領域の面積が小さくなり、かつ当該領域に対して相対的に速い速度で電気メッキされる。従って、パターニング済み構造をシード層として設けることにより、メッキ時間を短くすることができる。
【0044】
上に示した方法では、メッキ材料をウェハの裏面側から堆積させる電気メッキ法について説明したが、ここに説明される方法は、電気メッキ法でメッキ材料をウェハの前面側から堆積させるために利用することもできる。
【0045】
一つの実施形態は、導電ビアを形成する方法に関する。該方法は、導電層を半導体基板の第1面に形成する工程を含む。該半導体基板は、第1面及び第2面を有し、そして該第1面は該第2面の反対側に位置する。方法は更に、導電層をパターニングして、ランディングパッドを形成する工程と、そしてビアホールを、該半導体基板の該第2面側の該半導体基板中に形成する工程と、を備える。ビアホールはランディングパッドを露出させる。この方法は更に、電気メッキ法で導電ビア材料を該ビアホールに、ランディングパッドをシード層として使用して充填する工程を備える。
【0046】
別の実施形態は、導電ビアを形成する方法を含む。該方法は、シード層を半導体基板の第1面に形成する工程を含む。該半導体基板は、第1面及び第2面を含み、そして該第1面は該第2面の反対側に位置する。該方法は更に、連続導電層を該シード層の上に形成する工程を含む。該シード層は、該連続導電層に電気的に接続される。該方法は更に、該シード層を形成した後、ビアホールを、該半導体基板の該第2面側の該半導体基板中に形成する工程を含む。該ビアホールは該シード層を露出させる。該方法は更に、電気メッキ法で導電ビア材料を該ビアホールに、該材料が該シード層上に堆積するように、該連続導電層を電流供給源として使用して充填する工程を含む。
【0047】
別の実施形態は、導電ビアを形成する方法を含む。該方法は、導電層を半導体基板の第1面に形成する工程を含む。該半導体基板は、第1面及び第2面を含む。該第1面は該第2面の反対側に位置する。該半導体基板は能動回路を含む。該方法は更に、該導電層をパターニングして、ランディングパッドを形成する工程と、そして連続導電層を該ランディングパッドの上に形成する工程と、を含む。該連続導電層は該ランディングパッドに電気的に接続される。該方法は更に、該半導体基板を該第2面からエッチングしてビアホールを形成し、そして該ランディングパッドを露出させる工程と、そして電気メッキ法で導電ビア材料を該ビアホールに、該ランディングパッドをシード層として、かつ該連続導電層を電流供給源として使用して充填する工程と、を含む。該方法は更に、電気メッキ法で該導電ビア材料を充填する工程の後に、該連続導電層をパターニングする工程を含む。
【0048】
本発明の特定の実施形態について示し、そして説明してきたが、この技術分野の当業者であれば、本明細書において提供される示唆に基づいて、更に別の変更及び変形を、本発明及び発明の広義の態様から逸脱しない限り加えることができ、従って、添付の請求項は、これらの請求項の技術範囲に、全てのこのような変更及び変形を、本発明の真の思想及び範囲に含まれるものとして包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対側にある第2面とを備えた半導体基板の前記第1面に導電層を形成する工程と、
前記導電層をパターニングして、ランディングパッドを形成する工程と、
前記ランディングパッドを露出させるビアホールを、前記半導体基板の第2面側の半導体基板中に形成する工程と、
電気メッキ法で導電ビア材料を前記ビアホールに、前記ランディングパッドをシード層として使用して充填する工程とを備える、導電ビアを形成するための方法。
【請求項2】
前記ビアホールは側壁を備え、
側壁ライナーを前記ビアホールの側壁に沿って形成する工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記側壁ライナーは拡散バリア層である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記側壁ライナーは絶縁体である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
連続導電層を前記半導体基板の第1面に形成する工程をさらに備え、前記ランディングパッドは前記連続導電層に電気的に接続され、及び、前記連続導電層は、前記導電ビア材料を電気メッキするための電流供給源として機能する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記導電層を形成する工程では更に、銅を含む該導電層を形成し、及び、
前記連続導電層を形成する工程では更に、アルミニウムからなる前記連続導電層を形成する、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
電気メッキ法で導電ビア材料を充填する工程の後に、前記連続導電層をパターニングする工程をさらに備える、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記連続導電層をパターニングする工程では、前記連続導電層を化学的機械研磨する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記連続導電層をパターニングする工程では、前記連続導電層をエッチングする、請求項7記載の方法。
【請求項10】
導電パターンを前記半導体基板の第2面に形成する工程をさらに備え、
前記導電パターンは前記導電ビア材料に電気的に接続される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ビアホールを形成する工程の前に、誘電体層を前記半導体基板の第2面に形成する工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項12】
能動回路を該半導体基板に形成する工程をさらに備える、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記ランディングパッドは、前記半導体基板の第1面に形成される多層配線の金属配線である、請求項1記載の方法。
【請求項14】
第1面と、前記第1面の反対側にある第2面とを備えた半導体基板の前記第1面にシード層を形成する工程と、
前記シード層の上に連続導電層を形成する工程であって、前記シード層が、前記連続導電層に電気的に接続される、前記連続導電層を形成する工程と、
前記シード層を形成する工程の後に、前記シード層を露出させるビアホールを、半導体基板の前記第2面側の半導体基板中に形成する工程と、
電気メッキ法で導電ビア材料を前記ビアホールに、前記導電ビア材料が前記シード層上に堆積するように、前記連続導電層を電流供給源として使用して充填する工程とを備える、導電ビアを形成するための方法。
【請求項15】
前記ビアホールは側壁を備え、ライナーを前記ビアホールの前記側壁に沿って形成する工程をさらに備える、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記シード層を形成する工程では更に、銅を含む前記シード層を形成し、及び、
前記連続導電層を形成する工程では更に、アルミニウムからなる連続導電層を形成する、
請求項14記載の方法。
【請求項17】
電気メッキ法で前記導電ビア材料を充填する工程の後に、前記連続導電層をパターニングする工程をさらに備える、請求項14記載の方法。
【請求項18】
導電パターンを前記半導体基板の第2面に形成する工程をさらに備え、
前記導電パターンは前記導電ビア材料に電気的に接続される、請求項14記載の方法。
【請求項19】
能動回路を該半導体基板に形成する工程をさらに備える、請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記シード層を形成する工程では、
前記連続導電層を形成する前に形成された第2連続導電層を前記半導体基板の第1面に形成し、及び、
前記第2連続導電層をパターニングして前記シード層を形成する、
請求項14記載の方法。
【請求項21】
第1面と、前記第1面の反対側にある第2面とを備えるとともに能動回路を備えている半導体基板の前記第1面に導電層を形成する工程と、
前記導電層をパターニングして、ランディングパッドを形成する工程と、
前記ランディングパッドに電気的に接続される連続導電層を前記ランディングパッドの上に形成する工程と、
前記第2面側の前記半導体基板をエッチングしてビアホールを形成することによって、ランディングパッドを露出させる工程と、
電気メッキ法で導電ビア材料を前記ビアホールに、前記ランディングパッドをシード層として、かつ該連続導電層を電流供給源として使用して充填する工程と、
電気メッキ法で導電ビア材料を充填する工程の後に、前記連続導電層をパターニングする工程とを備える、導電ビアを形成するための方法。
【請求項22】
前記半導体基板はウェハの一部であり、前記連続導電層をパターニングする工程の後に、前記ウェハを個片化して複数の集積回路とする工程をさらに備え、前記連続導電層をパターニングする前記工程の後、かつ、個片化する前記工程の前には、他の連続導電層は前記半導体基板の前記第1面に形成されることがない、請求項21記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−519780(P2010−519780A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551767(P2009−551767)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/051987
【国際公開番号】WO2008/106256
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】