説明

電気機器のコントローラおよびホームコントロールシステム

【課題】抽象的なインターフェースを有し、操作性が簡便な電気機器のコントローラおよびホームコントロールシステムの提供。
【解決手段】リモコンから出力される操作信号を読み取る操作信号読取装置と、ICリーダ/ライタと、電気機器に操作信号を送信する操作信号送信装置と、記憶装置を有する処理部と、操作部とを備え、室内に設置されたリモコンで制御される電気機器をICチップにより動作制御するコントローラであって、ICチップの書き込み可能領域に格納された電気機器の制御パラメータをICリーダ/ライタで読み書き可能であること、および、ICチップから読み込んだ制御パラメータに基づき操作信号送信装置より各電気機器に操作信号を送信する電気機器のコントローラおよびホームコントロールシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器のコントローラおよびホームコントロールシステムに関し、より詳細には、抽象的なインターフェースを有し、汎用的なICチップを利用することができる電気機器のコントローラおよびホームコントロールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホームコントローラと呼ばれる制御装置を住戸内に配設し、ホームコントローラとテレビ、ビデオ、エアコン、給湯器などの制御対象機器を電気的に接続し、制御するホームコントロールシステムが知られている。
ホームコントロールシステムにおいては、外出先から制御対象機器を遠隔制御することも提案されている。例えば、特許文献1では、インターネット網を介して制御データを受信するウェブサーバと、ウェブサーバから受信した制御データに基づき家庭用電気機器を制御するホームコントローラとを備えたホームコントロールシステムが提案されている。
【0003】
また、戸内の在居者に応じて動的に各種機器を動的に制御することができるホームコントロールシステムも提案されている。例えば、特許文献2では、非接触ICカード型の鍵と指紋検出部を組み合わせ、住戸の各居住者の身体的特徴に基づいて該居住者の入退出状況を管理することにより、住戸内の在居者に応じて動的かつリアルタイムに住戸内の各種機器を制御するホームコントロールシステムが提案されている。
【0004】
ところで、近年、単一のリモートコントローラ(リモコン)によって複数の家電製品の遠隔操作を行う家電操作システムが提案されている。例えば、特許文献3には、ネットワークを介してサイトからリモコンコードを取得し、リモコンコードに対応したコマンドを送信する端末機器と、端末機器からコマンドを受信し、該コマンドを電気機器へ送信して所望の電気機器を遠隔操作するリモコンステーションと、を備えるリモートコントロールシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−259678号公報
【特許文献2】特開2006−128824号公報
【特許文献3】特開2007−116484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のホームコントロールシステムは、各制御対象機器とホームコントローラを電気的に接続したネットワークを構築する必要があり、システム導入のコストが高いという問題があった。
【0007】
また、制御対象機器の好ましい制御条件は、季節の移り変わりと共に日々変更される。しかしながら、従来の従来のホームコントロールシステムは、制御条件を変更するための操作が複雑であり、一般家庭において老人や子供が条件変更設定を行うことは困難な状況にあった。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決することのできる電気機器のコントローラおよびホームコントロールシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]リモコンから出力される操作信号を読み取る操作信号読取装置と、ICリーダ/ライタと、電気機器に操作信号を送信する操作信号送信装置と、記憶装置を有する処理部と、操作部とを備え、室内に設置されたリモコンで制御される電気機器をICチップにより動作制御するコントローラであって、ICチップの書き込み可能領域に格納された電気機器の制御パラメータをICリーダ/ライタで読み書き可能であること、および、ICチップから読み込んだ制御パラメータに基づき操作信号送信装置より各電気機器に操作信号を送信することを特徴とする電気機器のコントローラ。
[2]ICチップの書き込み可能領域または処理部の記憶装置に入退室ステータスを記憶する手段を有し、ICリーダ/ライタがICチップ記憶情報を読み取った際に、前記入退室ステータスが入室である場合は、ICチップに記憶されたパラメータに基づき、操作信号送信装置より各電気機器に動作開始信号を送信し、前記入退室ステータスが退室である場合は、ICチップの書き込み可能領域に最新の制御パラメータを書き込むと共に、操作信号送信装置より各電気機器に動作停止信号を送信することを特徴とする[1]の電気機器のコントローラ。
[3]前記リモコンが、赤外線リモコンであることを特徴とする[1]または[2]のコントローラ。
[4]前記操作信号送信装置をコントローラ本体から離脱し、ユニバーサルリモコンとして使用可能であることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかのコントローラ。
[5]前記コントローラが、一定時間経過後に各電気機器に操作信号を送信するタイマー手段を備えることを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかのコントローラ。
【0010】
[6][1]ないし[5]のいずれかのコントローラと、書き込み可能領域を有する複数のICチップと、を備え、前記ICリーダ/ライタによりICチップの書き込み可能領域に格納された電気機器の制御パラメータを書き換えることを特徴とするホームコントロールシステム。
[7]さらに、対応する電気機器のパラメータ情報を取得する操作信号取得部および無線送信部を有するインターフェース機器を複数備え、前記コントローラは、インターフェース機器と通信可能な無線通信装置を備え、インターフェース機器の操作信号取得部が取得したパラメータ情報を処理部の記憶装置に記憶することを特徴とする[6]のホームコントロールシステム。
[8]前記インターフェース機器の操作信号取得部が、電気機器の操作信号を受信する赤外線受信器を含んで構成され、該赤外線受信器が操作信号受信した際に、無線送信部を介して受信した操作信号を前記コントローラに送信することを特徴とする[7]のホームコントロールシステム。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、抽象的なインターフェースを有し、操作性が簡便な電気機器のコントローラおよびホームコントロールシステムを提供することが可能となる。
また、本発明は、汎用的なICチップを利用することができ、しかも自律型のコントローラを用いるものであるから、システム構築コストも廉価である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るホームコントロールシステムの全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電気機器のコントローラの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のホームコントロールシステムは、書き込み可能領域を有するICチップにユーザ固有のパラメータを記憶することにより、入退室時に必要な電気機器の個別設定作業からユーザを解放することを可能とするものである。以下では、本発明の一実施形態に係る自律型ホームコントロールシステムを、図面を参照しながら説明する。
【0014】
《システム構成》
このホームコントロールシステムは、図1に示すように、ICチップ格納部材1と、各部屋に設置されるコントローラ10と、テレビ、エアコンなどの電気機器21と、インターフェース機器22を主要な構成要素とする。なお、インターフェース機器22は後述するように必須の構成ではない。
【0015】
ICチップ格納部材1は、Felica(登録商標)をはじめとする非接触型ICカードである。ICチップ格納部材1に内蔵されたICチップ内部にはメモリ(例えばRC−S860なら16バイトx154ブロック=2,464バイト)が内蔵されており、ユーザ自身が利用することが可能な領域(書き込み可能領域)が確保されている。本システムは、書き込み可能領域を有する汎用的なICチップ(例えば、定期券情報格納ICカード)にユーザ固有のパラメータを記憶することができる。ICチップ格納部材1はカード型のものに限定されず、例えば、携帯電話用のICチップを用いることもできる。
【0016】
1人のユーザが複数のICチップを利用することも可能である。この場合ICチップ毎に格納される制御パラメータは異なるものとなるため、パソコン等に専用ソフトをインストールすることで制御パラメータを書き換え可能としてもよい。
また、パソコン等で制御パラメータを予め書き込んだICチップ格納部材1を配布してもよい。例えば、共有スペースに設置された電気機器(パソコン含む)を複数のユーザが共用する場合に、ユーザ毎に異なる制御パラメータを書き込み、特定条件下で機器を開放することが想定される。
【0017】
コントローラ10は、コントローラの配置された室内にある一台以上の電気機器を操作するための機器であり、図2に示すように、処理部11と、操作部12と、入力部13と、連系部14を主要な構成要素とする。コントローラ10は、閉じた空間(部屋)単位で設置され、各コントローラは原則として自律的に動作する。
【0018】
処理部11は、演算装置111、オンチップデバイス112、電源113および記憶装置114を備える。
演算装置111は、マイクロコンピュータやCPUで構成される。オンチップデバイス112は、タイマー、制御・通信I/O、内蔵メモリ等の要素である。タイマーにより電気機器21の電源をONまたはOFFとする時間を設定可能としてもよい。電源113は、市販の一次・二次電池または商用電源に接続される電源ユニットである。記憶装置114は、制御情報等を記憶するためのハードディスクやSSD等の装置であり、用途に応じてmicroSD等の外部記憶装置を設ける仕様としてもよい。但し、本発明においては、ユーザ固有の制御パラメータ(例えば、甲は室温28度で照明弱、乙は室温27度で照明強)をICチップ格納部材1に保有させるため、記憶装置114は容量の小さいものでよく、オンチップデバイス112の内蔵メモリを記憶装置に代用させることも可能である。
【0019】
操作部12は、入力装置121および表示装置122を備える。
入力装置121は、コントローラ10に指令を入力するためのボタン等である。表示装置122は、コントローラ10の設定情報等を表示するためのLCDパネル等である。表示装置122にタッチパネルディスプレイを用いる場合には、別途入力装置121を設けなくともよい。
【0020】
入力部13は、操作信号読取装置131およびICリーダ/ライタ132を備える。
操作信号読取装置131は、リモコン23のIDを含む操作信号(制御信号)を読み取るためのフォトダイオード等の受光素子を含む装置(赤外線検出器)である。操作信号の出力には、一般に赤外発光ダイオード(赤外LED)が使用されており、例えば、国内の家電製品で広く採用される家電製品協会が規定したフォーマットのキャリア周波数は33〜40kHzである。操作信号読取装置131で読み取った信号は処理部11へ送信され、制御情報の解析が行われる。
ICリーダ/ライタ132は、非接触ICカードのリーダ/ライタであり、ICチップ格納部材1に記憶されたユーザ関連情報を読み取り、処理部11に送信すると共に、ICチップに格納されたパラメータ等の情報を書き換える。
【0021】
連系部14は、操作信号送信装置141および無線通信装置142を備える。
操作信号送信装置141は、電気機器21へ操作信号(制御信号)を送信する赤外線発光器である。操作信号送信装置141から電気機器21へ制御情報を送信することにより、専用リモコンを使わずに電気機器21を操作することができる。
無線通信装置142は、主としてインターフェース機器22と無線による情報連係を可能とするためのものであり、マイクロコンピュータと無線モジュールを備える。無線モジュールは、例えば、赤外発光器、可視光発光器、無線LANモジュール、Bluetooth(登録商標)モジュールである。
【0022】
無線通信装置142により電気機器21へ制御信号を送信する仕様としてもよく、この場合、操作信号送信装置141は不要となる。また、無線通信装置142を用いて、複数のコントローラ10をネットワークに接続し、コンピュータから各コントローラ10を遠隔管理できるようにしてもよい。この場合、各リモコン23の操作信号等を、ネットワークを介して取得する機能を持たせてもよい。
また、連系部14を本体から離脱可能とし、ユニバーサルリモコン(複数種類の電気機器のリモコンを操作できるリモコン)としてもよい。この場合、連系部14も入力装置、マイクロコンピュータ、オンチップデバイス、電源等を備える必要がある。この際、入力装置121のボタンと各電子機機器を紐付けることにより、個別の電子機器を操作可能としてもよい。
【0023】
電気機器21は、テレビ、DVD等のメディアプレイヤー、ケーブルテレビチューナー、エアコン、加湿・除湿器、空気清浄機、ヒーター、扇風機、照明器具、音楽プレイヤー、通信カラオケ機器などの機器であって、赤外線リモコンにより遠隔操作が可能な機器である。各電気機器21は、対応するインターフェース機器22を備えている。
インターフェース機器22は、リモコン23による操作が行われた際に、リモコン23により変更されたパラメータ情報を無線通信装置142へ送信することで、コントローラ10が電気機器21の最新のパラメータ情報を把握することを可能とするものである。インターフェース機器22は、無線送信部と操作信号取得部を有し、操作信号取得部は、例えば、操作し信号出力装置141からの操作信号を受信する赤外線受信器、或いは、電気機器21の制御部からパラメータ情報を読み取るマイクロコンピュータにより構成される。前者の場合、電気機器21への組み込みは不要であり、電気機器21が備える赤外線受信器の側に設置し、電気機器21と共に操作信号を受信できるようにすることで足りる。
【0024】
リモコン23は、各電気機器21に標準で附属される専用リモコン(赤外線リモコン)である。本システムでは、コントローラ10とリモコン23は排他的関係になく、リモコン23により電気機器を操作することも可能である。
他方で、電気機器21の操作をコントローラ10によってのみ可能とする構成としてもよい。この場合、コントローラ10が電気機器21のパラメータ情報を常時把握できるので、インターフェース機器22の設置は不要となる。
【0025】
《使用方法》
1.事前準備
コントローラ10に、電気機器21の操作信号(制御信号)を登録する必要がある。操作信号の登録は、操作信号読取装置131に、操作対象となる電気機器の専用リモコンの操作信号を順次登録することにより行う。この登録作業は、最初に1度行えばよく、以降は不要である。新たな電気機器21が搬入された場合にも操作信号の登録作業が必要である。登録する電気機器のメーカーの異同は問わない。各リモコン23の操作信号を、ネットワークを介して取得する機能を持たせた場合には、パソコン等の機器から操作信号の登録を行う。
【0026】
2.入室時
ユーザ2は入室時にICチップ格納部材1をICリーダ/ライタ132にかざし、ICチップ記憶情報を読み取らせる。演算装置111は、入退室ステータスが「退室」となっている場合には、入退室ステータスを「入室」に変更し、ICチップに記憶された最終パラメータ(初回入室時はデフォルトパラメータ)に基づき、各電気機器21に動作開始信号を送信する。これにより、ユーザ2は各電気機器21を個別に操作することなく、(他のユーザが条件を変更した場合であっても)前回利用時と同じ条件で電気機器21を稼動させることが可能である。なお、入退室ステータスはICチップで管理してもよいし、チップIDと関連付けて処理部11の記憶装置114で管理してもよい(例えば、チップIDの読み込みが1回目であるときは「入室」とし、2回目であるときは「退室」とする。)。
【0027】
3.退室時
ユーザ2は退室時にICチップ格納部材1をICリーダ/ライタ132にかざし、ICチップ記憶情報を読み取らせる。演算装置111は、入退室ステータスが「入室」となっている場合には、入退室ステータスを「退室」に変更し、カードIDに紐付けられた最終パラメータをICチップに書き込む。そして、全ての電気機器21に動作停止信号を送信し、操作信号待機状態(稼動時に電源ボタンを押したのと同じ状態)とする。これにより、ユーザ2は、各リモコン23の電源ボタンを押す作業が不要となる。
タイマーによりICカードをかざしてから一定時間経過後に電源をOFFとするよう設定することもできる。照明が即座に消えると困る場合などに有用である。
【0028】
4.具体例
図1中、電気機器21aがテレビ、電気機器21bがエアコン、電気機器21cが照明器具、電気機器21dがエアコン、電気機器21eが照明器具、電気機器21fが音楽プレイヤーであるとする。
ユーザ2aが部屋Aに入室し、ICチップ格納部材1aをコントローラ10a(ICリーダ/ライタ132)にかざすと、ICチップ記憶情報が読み取られ、入退室ステータスを「退室」から「入室」に変更すると共に、カードIDに紐付けられた最終パラメータ(テレビ21a:チャンネル=1ch,ボリューム=20、エアコン21b:モード=冷房,温度=28℃)を抽出する。続いて、最終パラメータに基づきコントローラ10a(操作信号送信装置141)から操作信号がテレビ21a、エアコン21bへ送信され、これら機器が稼動される。このように、ユーザ2はICチップ格納部材1をコントローラ10a(ICリーダ/ライタ132)にかざすだけで、部屋Aの環境を前回利用時と同じ条件に復元することが可能である。
【0029】
ユーザ2aが在室中に変更したパラメータは、コントローラ10に即座に或いは所定のタイミングで把握される。コントローラ10により電気機器21の操作が行われた場合には、コントローラ10は即座にパラメータの変更を把握し、記憶装置114に記憶する。リモコン23により電気機器21の操作が行われた場合には、インターフェース機器22からパラメータの変更情報を受信した際、或いは、ユーザ2aが退室時にICチップ格納部材1aをコントローラ10aにかざした際に、ICチップから最終パラメータを取得し、記憶装置114に記憶する。
【0030】
ユーザ2aが部屋Aを退室する際、ICチップ格納部材1aをコントローラ10a(ICリーダ/ライタ132)にかざすと、ICチップ記憶情報が読み取られ、当該入退室ステータスを「入室」から「退室」に変更され、最終パラメータがICチップに記録される。この際、インターフェース機器22にパラメータ送信指令を送信し、最終パラメータを取得した後、ICチップに最終パラメータを反映させるようにしてもよい。
【0031】
ユーザ2aが部屋Aの退室後、ユーザ2bが部屋Aに入室し、ICチップ格納部材1bをコントローラ10a(ICリーダ/ライタ132)にかざすと、ICチップ記憶情報が読み取られ、当該入退室ステータスを「退室」から「入室」に変更すると共に、カードIDに紐付けられた最終パラメータテレビ21a:チャンネル=8ch,ボリューム=25、エアコン21b:モード=冷房,温度=26℃)を抽出し、最終パラメータに基づきコントローラ10a(操作信号送信装置141)から操作信号がテレビ21a、エアコン21bへ送信され、これら機器が稼動される。
【0032】
ユーザ2aが部屋Bに入室する際も同様である。ユーザ2aが部屋Bに入室し、ICチップ格納部材1aをコントローラ10a(ICリーダ/ライタ132)にかざすと、ICチップ記憶情報が読み取られ、入退室ステータスを「退室」から「入室」に変更すると共に、カードIDに紐付けられた最終パラメータ(照明器具21c:照度=強、エアコン21d:モード=冷房,温度=28℃)を抽出し、最終パラメータに基づきコントローラ10b(操作信号送信装置141)から操作信号が照明器具21c、エアコン21dへ送信され、これら機器が稼動される。
【0033】
ユーザ2aが部屋Bに在室中(または退室時にICチップ格納部材1aをかざすのを忘れた場合)、ユーザ2bが部屋Bに入室し、ICチップ格納部材1bをコントローラ10a(ICリーダ/ライタ132)にかざすと、ユーザ2bの最終パラメータに基づきコントローラ10b(操作信号送信装置141)から操作信号が照明器具21c、エアコン21dへ送信される。
【0034】
ユーザ2a、2bが部屋Cに入室する際も同様であり、ICチップに記憶された最終パラメータ(照明器具21e:照度=弱、音楽プレイヤー21f:曲名=ABC,モード=重低音強調,ボリューム=15)に基づきコントローラ10c(操作信号送信装置141)から操作信号が照明器具21e、音楽プレイヤー21fへ送信され、これら機器が稼動される。
【0035】
以上に説明した本発明によれば、閉じた空間(部屋)単位で自律的に動作するホームコントロールシステムを構築することが可能である。
また、ユーザは、専用のICチップを準備する必要はなく、別用途のICカード(書き込み可能領域を有するもの)を本システムで兼用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 ICチップ格納部材(ICカード)
2 ユーザ
10 コントローラ
11 処理部
12 操作部
13 入力部
14 連系部
21 電気機器
22 インターフェース機器
23 リモコン
111 演算装置
112 オンチップデバイス
113 記憶装置
114 電源
121 入力装置
122 表示装置
131 操作信号読取装置
132 ICリーダ/ライタ
141 操作信号送信装置
142 無線通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコンから出力される操作信号を読み取る操作信号読取装置と、ICリーダ/ライタと、電気機器に操作信号を送信する操作信号送信装置と、記憶装置を有する処理部と、操作部とを備え、室内に設置されたリモコンで制御される電気機器をICチップにより動作制御するコントローラであって、
ICチップの書き込み可能領域に格納された電気機器の制御パラメータをICリーダ/ライタで読み書き可能であること、および、ICチップから読み込んだ制御パラメータに基づき操作信号送信装置より各電気機器に操作信号を送信することを特徴とする電気機器のコントローラ。
【請求項2】
ICチップの書き込み可能領域または処理部の記憶装置に入退室ステータスを記憶する手段を有し、
ICリーダ/ライタがICチップ記憶情報を読み取った際に、前記入退室ステータスが入室である場合は、ICチップに記憶されたパラメータに基づき、操作信号送信装置より各電気機器に動作開始信号を送信し、前記入退室ステータスが退室である場合は、ICチップの書き込み可能領域に最新の制御パラメータを書き込むと共に、操作信号送信装置より各電気機器に動作停止信号を送信することを特徴とする請求項1の電気機器のコントローラ。
【請求項3】
前記リモコンが、赤外線リモコンであることを特徴とする請求項1または2のコントローラ。
【請求項4】
前記操作信号送信装置をコントローラ本体から離脱し、ユニバーサルリモコンとして使用可能であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかのコントローラ。
【請求項5】
前記コントローラが、一定時間経過後に各電気機器に操作信号を送信するタイマー手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかのコントローラ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかのコントローラと、書き込み可能領域を有する複数のICチップと、を備え、
前記ICリーダ/ライタによりICチップの書き込み可能領域に格納された電気機器の制御パラメータを書き換えることを特徴とするホームコントロールシステム。
【請求項7】
さらに、対応する電気機器のパラメータ情報を取得する操作信号取得部および無線送信部を有するインターフェース機器を複数備え、
前記コントローラは、インターフェース機器と通信可能な無線通信装置を備え、インターフェース機器の操作信号取得部が取得したパラメータ情報を処理部の記憶装置に記憶することを特徴とする請求項6のホームコントロールシステム。
【請求項8】
前記インターフェース機器の操作信号取得部が、電気機器の操作信号を受信する赤外線受信器を含んで構成され、該赤外線受信器が操作信号受信した際に、無線送信部を介して受信した操作信号を前記コントローラに送信することを特徴とする請求項7のホームコントロールシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−115810(P2013−115810A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263540(P2011−263540)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】