説明

電気牽引

【課題】アイドリングのための、または短距離もしくは比較的低速の移動のためのICEの使用に関連する、燃料の使用量、ならびに熱、騒音、および排気ガスの放出量を削減するシステムを提供する。
【解決手段】このシステムは、動力取出ポートを有する変速機に結合された内燃機関“ICE”を含む駆動系を有するシステムであって、モータと、前記モータを前記変速機に前記ポートを介して結合させる伝達装置と、を備え、前記ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の期間中、前記モータが前記駆動系に選択的に動力供給できるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年2月21日出願の “Hybrid electric traction power system for moving class 7&8 tractors by means of a drive motor attached to the power takeoff (PTO) of the tractor’s transmission PTO connection point” という名称の、Warner Olan Harris の米国特許仮出願第60/774732号の優先日の利益を主張する出願である。同特許を参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願はまた、2006年3月14日出願の “Fuel cell-driven auxiliary system, and method therefore” という名称の、Warner Olan Harris の米国特許出願第11/374709号の優先日の利益を主張する一部継続出願である。同特許を参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本願はまた、2006年11月10日出願の “Electric Traction” という名称の米国実用出願第11/558786号の優先権を主張するものである。同特許を参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
本発明は、開口を有する変速機に結合された内燃機関(「ICE」)を含む駆動系に関し、より詳細には、モータと、開口を介してモータを変速機に結合して、ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の期間中、モータが駆動系に選択的に動力供給できるようにする伝達装置とに関する。
【背景技術】
【0005】
特定の状況では、ICEから動力供給されるトラックは、長期間アイドリングし、散発的に動く。これは例えば、港および他の中間準備基地で待機している間に生じることがある。さらにこれは、積荷を積み降ろす場合に、また同様に中間準備基地に出入りする場合に生じることがある。こうしたICEの使用は、ある意味では望ましくない。これらの状況での燃料の使用量、ならびに熱、騒音、および排気ガスの放出量は、その積荷を移動させる距離の割に、非常に大きい。しかし、経済的に可能な代替手段、特に高荷重のトレーラートラックによって扱われる積荷向けの代替手段は、開発されていない。
【0006】
もちろん、比較的小型のハイブリッド電気自動車「HEW」において、牽引のために、すなわち車両を動かすために、ICEを補助するために、またさらには一時的にICEの代わりとして、モータを使用することも知られている。しかし、モータの使用には、特にトラックについて前述したような適用分野には、多数の障害がある。例えば、中間準備基地でのトラックの積荷は潜在的に、従来のHEWが遭遇するものよりはるかに大きい。
【0007】
特許文献1(「Schmidt」)は、これらの問題のすべてに対処しているというわけではないが、回転負荷伝達に関する障害がHEWでどのように対処されたかを示している。Schmidtが示すように、HEW用のハイブリッド変速機は、ハイブリッド変速機ハウジング内に、電気牽引モータと、回転をモータから変速機出力軸へ伝達するための遊星歯車セットとを含むが、これはICEによって駆動されることもある。単にこの1つの障害に関するだけでも、Schmidt の教示は、本明細書に前述した問題および類似の問題に対して限定的な効果しかもたない。すなわち、従来のICE車両にモータを介して動力供給するために、Schmidt の構成を適用するには、車両の従来の変速機が、ハイブリッド変速機と取り替えられる。しかし多数のトラックが現在稼動中であるため、この手法では、こうした補修のために、モータの使用へ移行することは現実的でない。
【0008】
散発的でかつ比較的遅い動きに対処する別の従来技術の構成では、特許文献2(「Ohke」)が、「微速走行 (inching) 」の場合には車両のICEから動力を取り出すために、従来の動力取出(「PTO」)装置を乗用車に追加することを開示している。Ohke はさらに、微速走行モードで車両を動かす場合にPTOからの動力を回復するために、車両の従来の変速機出力軸に結合された油圧ポンプ、油圧モータ、および副変速機を追加することを開示している。この構成は、車両の元の変速機の交換を必要としないが、他の欠点を有し、中でも最たるものは、微速走行の場合にPTOに動力を供給するために、ICEが常時動作するということである。また、油圧ポンプ、油圧モータ、および副変速機による動力損失が大きい。
【0009】
従来技術の図1を参照すると、Ohke の特許に該当しうる従来のPTO構成の詳細を示す。変速機122は、ポート124を画定するケース127を有し、ポート124は、取外し可能なアクセス板121によって覆われる。内燃機関(「ICE」)のクランク軸110は、クラッチ120を介して変速機入力軸125に接続する。言い換えれば、ICEは、変速機122の入力部125に結合されたクラッチ120を含む駆動系に、クランク軸110を介して結合される。
【0010】
変速機122は、入力軸125に結合された伝達歯車130を有する。従来技術の図1Bに示すように、従来の動力取出装置(「PTO」)140は、伝達装置の一種であり、ポート124に一致する開口を画定するケース142を有する。従来通り、ケース142は、ケース142がポート124に揃うように変速機ケース127にボルトで固定されるように適合され、したがってPTO140の歯車141が、変速機122の歯車130に係合する。この構成によって通常、ICEクランク軸110からPTO軸143を介して動力の取出しが可能である。
【0011】
特許文献3(「Jedrzykowski」)はまた、非常に低速の動作でのPTOの使用を開示している。Jedrzykowskiの教示では、この適用分野はトラクター用のものであり、低速動作は「クリーピング(creeping)」と呼ばれる。Jedrzykowski によれば、クリーピング動作モードでは、トラクターのクラッチが切り離され、PTOを使用して、外付けモータからその変速機軸に動力を取り入れる。モータは、発電機によって通電され、発電機は、トラクターのICEによって駆動される。Ohke の教示の場合と同様に、Jedrzykowski の開示は、現在の問題に関する障害の限定された部分にしか対処しておらず、これもまた、結局ICEの動作がクリーピングのための動力を供給し、したがってICEが常時動作しなければならないという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5558588号明細書
【特許文献2】米国特許第6269713号明細書
【特許文献3】米国特許第2923171号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第11/374709号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、アイドリングのための、または短距離もしくは比較的低速の移動のためのICEの使用に関連する、燃料の使用量、ならびに熱、騒音、および排気ガスの放出量を削減する方法が必要であることを理解されたい。この必要性は特に、高荷重のトレーラートラックによる大量の積荷の運搬に対して、とりわけ、動きが散発的でまたは比較的遅いことがある、交通渋滞または中間準備基地周辺などの状況で、深刻である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記の必要性に対処する。本発明の一形態によれば、システムは、動力取出ポートを有する変速機に結合された内燃機関(「ICE」)を備える駆動系を含む。伝達装置は、モータを変速機にポートを介して結合する。モータは、システムの特定の構成において、ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の期間中、駆動系に選択的に動力供給することができる。
【0015】
別の態様では、システムは、モータに動力を供給するための電源装置を含む。電源装置は、燃料電池を含むことができる。電源装置は、蓄電池を含むことができる。電源装置は、蓄電池と、蓄電池を充電するように構成された燃料電池とを含むことができる。
【0016】
別の態様では、システムは、ICEに電源が投入されているとき、ICEによる蓄電池の充電を可能にするように構成される。
【0017】
本発明の一形態によれば、駆動系に結合された内燃機関(「ICE」)を有する車両用の電気牽引システムでは、駆動系は、変速機の入力部に結合されたクラッチを含み、またこのシステムは、モータと、車両を動かすためにモータの回転を変速機入力部に伝達するための伝達装置とを含む。システムはまた、ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の期間中、車両を動かすための動力を供給するようにモータに電気的に結合された電源装置を含む。システムはまた、この動きを選択的に行うことができるように構成された制御部を含む。
【0018】
別の態様では、変速機は、変速機入力部にアクセスするためのポートを画定するケースを有し、また伝達装置は、この変速機ケースに固定されたケースを有し、したがって伝達装置は、モータの回転を伝達するように変速機入力部に係合する。
【0019】
別の態様では、システムはモータ制御装置を含み、電源装置が、モータ制御装置を介してモータに電気的に結合される。
【0020】
別の態様では、電源装置は、モータに電力を供給するようにモータ制御装置に電気的に結合された蓄電池を含み、燃料電池とモータの電気的結合が蓄電池を介するものであり、したがって燃料電池は、蓄電池を再充電するように動作可能である。
【0021】
別の態様では、制御部は、要求信号に応じてモータを通電するようにモータ制御装置に電気的に結合され、かつともに動作可能である。
【0022】
別の態様では、要求信号は可変要求信号であり、またモータの通電は、可変要求信号に応じて車両の速度が調整されるような可変通電を含む。
【0023】
別の態様では、制御部は、スロットルと、可変インピーダンス装置を含む。モータの通電は、可変通電を含むことができる。したがって、要求信号は、可変インピーダンス装置からの可変インピーダンス信号を含むことができ、インピーダンスは、スロットルに応じて変動する。
【0024】
別の態様では、制御部は、遮断信号に応じてモータの電源を遮断するようにモータ制御装置に電気的に結合され、かつともに動作可能である。遮断信号は、ICEの動作またはICEの動作の予兆を示す。遮断信号は、ICEを始動するための信号を含むことができる。遮断信号は、クラッチ位置信号を含むことができる。遮断信号は、ICE回転信号を含むことができる。遮断信号は、ICE点火信号を含むことができる。
【0025】
別の態様では、制御部は、信号に応じて、ICEが変速機入力部から切り離される位置へ、クラッチを自動的に動かすように構成されたアクチュエータを含む。クラッチを自動的に動かす信号は、車両の動きがモータから動力供給される動作モードの初期化を示すことができる。
【0026】
別の態様では、システムは、ICEによる蓄電池の充電を可能にするように構成される。ICEによる蓄電池の充電を可能にする構成は、ICEからの動力をモータへクラッチを介して機械的に伝達するための、クラッチを介してICEに係合されている変速機を含むことができ、したがってモータは、発電機として動作可能である。
【0027】
別の態様では、車両は、車両のブレーキサブシステム用のタンクに空気を供給するための、ICEによって駆動される空気圧縮機を含む。それに応じてシステムは、ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の期間中、タンクに空気を供給するための補助空気圧縮機を備える。システムはまた、補助空気圧縮機を駆動するための補助空気モータと、空気圧が低いのに応じて補助空気モータに電源を投入するための、タンクに結合された空気圧スイッチとを含む。
【0028】
別の態様では、車両は、車両のステアリングサブシステムに作動油を供給するための、ICEによって駆動される油圧作動油ポンプを含む。それに応じてシステムは、ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の期間中、パワーステアリングサブシステムに作動油を供給するための補助油圧作動油ポンプを備える。システムはまた、補助油圧作動油ポンプを駆動するための補助油圧作動油モータと、ステアリングサブシステムの少なくとも1つの構成部品の位置に応じて、補助油圧作動油モータに電源を投入するための、ステアリングサブシステムに結合された少なくとも1つのリミットスイッチとを含む。ステアリングサブシステムの少なくとも1つの構成部品は、ステアリングアームを含むことができる。
【0029】
本発明の他の変形形態、目的、利点、および形態は、以下の詳細な説明を読み、かつ添付の図面を参照すれば、明らかになるであろう。例えば、本発明の一形態では、本明細書に記載の特徴は、新規な処理段階でのように実行され、それには、本明細書に記載のシステムを制御するための処理を含むことができる。本発明の別の形態では、コンピュータシステムは、処理装置と、処理装置に接続された記憶装置を含む。記憶装置は、処理装置を制御するためのプログラムをその上に記憶している。処理装置は、このプログラムで動作して、全体または一部として方法を実施するためにプログラムを実行し、それには、本明細書に記載のシステムを制御するための処理を含むことができる。本発明の別の形態では、コンピュータプログラム製品は、有形のコンピュータ可読媒体上に記憶される。コンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムによって実行するための命令を有する。これらの命令は、コンピュータによって実行されるとき、このコンピュータに、本明細書に記載のシステムを制御するための処理を実施させる。
【0030】
上記その他の目的、態様、および利点は、本発明の好ましい1つまたは複数の実施形態についての以下の詳細な説明から、添付の図面を参照すれば、より良く理解されるであろう。同じ参照番号を使用して、図全体にわたって、同様の構成部品および特徴を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術の駆動系の態様を示す図である。
【図1B】PTOを備える従来技術の駆動系の態様を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、車両用の電気牽引システムの特定の構成部品ならびに特定の取付けおよび係合態様を示す図である。
【図3A】本発明の一実施形態による、車両用の電気牽引システムの追加の態様を示すブロック図である。
【図3B】本発明の一実施形態による、車両用の電気牽引システムの追加の態様を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による、図3の電気牽引システムの特定の制御態様を示す電気回路図である。
【図5】本発明の一実施形態による、図3の車両用のアクチュエータおよび主エンジンクラッチへのリンク機構の特定の態様を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、本発明の制御処理の少なくとも一部の態様を実施できるコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
好ましい実施形態についての以下の詳細な説明では、本発明を実施できる実施形態を示す添付の図面を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用でき、また変更を加えることができることを理解されたい。図面および詳細な説明は、本発明を、開示する特定の形態に限定するものではない。逆に、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内に含まれるすべての修正形態、等価物、および代替形態を包含するものとする。本明細書中の見出しは、何ら主題を限定するものではない。
【0033】
<概要>
本発明の一実施形態によれば、電気牽引システムは、車両が低速で、頻繁にアイドリングしながら動いているとき、または騒音もしくは汚染が懸念されるときの牽引用に、車両の従来のまたは元の機器の変速機を駆動するために、モータ(本明細書では電気牽引モータとも呼ぶ)を含む。それ以外の場合は、主牽引エンジン、ICE、を、通常の形で始動しかつ使用することができる。通常の幹線道路または街路での車両の動作中は、電気牽引モータは、電気牽引システムの蓄電池を再充電するために、主牽引エンジンからOEM変速機を介して動力供給される発電機としての第2のモードで動作することができる。システムは、同じく電気を発生させる水素燃料電池を含み、したがってシステムの電気牽引モータを動作するために必要な蓄電池の寸法を縮小させる。
【0034】
本発明の好ましい一適用分野は、約20mph未満の速度で走行する高荷重のトラック向けのものである。しかし、様々な実施形態では、本発明は、より高速のもの、また異なる車両に適用することができる。例えば、一適用分野では、トラックは、交通渋滞および港付近の人口密度の高い地域社会など、騒音もしくは排気ガスが問題である地域社会付近にいるとき、例えばスモッグおよび騒音が特に問題となりうる場所にいるときは、20mphを上回る速度でも、少なくとも部分的に電気牽引モータによって駆動することができる。本発明の一実施形態により、トラックまたは他の車両を、少なくとも部分的に電気牽引モータによって20mphを上回る速度で駆動する理由は、他にも存在する可能性がある。
【0035】
次に図2を参照すると、本発明によれば、トラックのフレームレール156に取り付けられた電気牽引モータ150を示す。図2の構成は、従来のHEW構成と構造的に異なる。従来のHEW構成では、ハイブリッド変速機は、モータと、電気牽引モータからの回転を変速機出力軸へ伝達するためにモータ軸を変速機出力軸に結合する遊星歯車のセットとを収容するが、これは、ICEにも駆動される(図2には図示せず)。図2の電気牽引モータ150は、変速機ケース127の外部にあり、ケース127で確実に支持するには重すぎ、かつ大きすぎる。というのは、変速機ケース127が、この片持ち梁のように大きく張り出した重量に十分耐えることができないからである。本発明の図示の実施形態では、ブラケット154が、ピンチクランプ158によってトラックのフレームレール156に取り付けられる。モータ150は、変速機122を含む従来の駆動系が自由に動けるように、フレームレール156および他の構成部品に対して十分な隙間を空けて、ブラケット154にボルトで固定される。
【0036】
モータ150は、制御システム160によって制御され、かつ電源装置の一種である蓄電池170から給電される。蓄電池170は、別のタイプの電源装置である水素燃料電池180から給電される。モータ150は、変速機122の入力軸125上の歯車130に係合するPTO140の歯車141を介して、変速機出力軸129に動力供給するように設けられる。すなわち歯車141は、電気牽引モータ150からの回転を駆動軸129へ伝達するためのものである。PTO140は、変速機ケース127から独立し、かつ変速機ケース127に着脱自在にボルトで固定されたケース142内に歯車141を収容し、したがって歯車141は、変速機ケース127のポート124を通って歯車130に係合するように位置合わせされる。
【0037】
図示の実施形態によれば、電気牽引モータ150は、トラックのICEの代わりに、すなわちICEの電源が遮断されているときに、トラックに動力供給するものであることが好ましい。したがって、電気牽引モータ150が、クランク軸110に接続されたICEを回転させることなく変速機入力軸125を駆動するためには、少なくとも一部の動作モードで、クランク軸110を入力軸125から切り離すことが望ましい。したがって、[ここを確認]本明細書で以下にさらに説明するように、クランク軸110が変速機入力軸125に係合するのに応じて電気牽引モータ150の電源を遮断するための制御論理回路(図2には図示せず)を含む遮断装置(図2には図示せず)が設けられる。軸110が軸125から切り離され、それによって論理回路を満たす位置でクラッチ120を保持するための機械または電気機械装置(図2には図示せず)も含まれる。
【0038】
<ブロック図>
次に図3Aを参照すると、本発明の一実施形態による、車両300用の電気牽引システムのブロック図を示す。車両300は、クランク軸110に結合された牽引ICE302、クラッチ120、変速機入力軸125、変速機122、変速機出力軸129、および差動装置316からなる従来の構成を含む駆動系を有する。差動装置316は、クランク軸110の回転を車軸318へ、そして車輪320へ伝える。車両300はまた、点火、照明用などの従来の電気システム308に給電するための従来の12VDC蓄電池310を有する。
【0039】
車両300は、前述のように、PTO140を介して変速機122を駆動するための電気牽引モータ150を含む。ETM150は軸143でPTO140を駆動する。ETM150は、制御システム160のモータ制御装置(図3Aには図示せず)のAC出力から直接動力供給される。制御システム160は、144VDC蓄電池170から動力供給され、144VDC蓄電池170は、水素燃料電池180によって再充電される。水素燃料電池180は、圧縮水素缶314から補充される。モータ150に動力を供給するために蓄電池170を充電することに加えて、燃料電池180はまた、従来の牽引システム12VDC蓄電池310も充電する。
【0040】
本発明の図示の実施形態では、モータ150は交流型であり、したがって、エンジン302が動作しており、またクラッチ120がクランク軸110を変速機入力軸125に係合するとき、モータ150は逆に、電気を発生させるように動作可能である。この発電モードで動作するとき、(ETM)150は、制御システム160を介して蓄電池170を充電することができる。
【0041】
モータ150の定格馬力は、処理する必要がある荷重ならびに必要な速度および加速度に応じて、本発明の実施形態ごとに変わる可能性がある。満載された高荷重のトレーラートラックの重量は、約80,000ポンドになりうる。(約1800ポンドの従来の電気自動車は、電力だけで80mphを実現しかつ維持するために、約50馬力のモータを必要とする。)本発明の一実施形態では、モータ150は直流型で、重量約180ポンドであり、定格連続馬力は40馬力、最高2分間で80馬力である。別の実施形態では、モータ150は、定格および重量が少なくともある程度類似の交流モータである。もちろん、定格馬力および対応する速度は、車両および荷重に依存する。
【0042】
蓄電池170のキロワット時容量は、燃料電池180のキロワット容量および缶314の貯蔵容量と同様に、実施形態によって変わる可能性がある。一実施形態では、蓄電池170の容量は14.4kWhであり、燃料電池180の容量は15kWであり、缶314の水素貯蔵容量は300psiで1kgである。
【0043】
次に図3Bを図3Aとともに参照すると、車両300はまた、サブシステム304を含み、それには空調、クラッチ、ブレーキ、およびステアリング用サブシステムが含まれる。サブシステム304の冷却、すなわち空調用の冷却剤は、従来通り、ICE302によって駆動される圧縮機342によって圧縮される。サブシステム304のブレーキサブシステムは、高荷重のトラックで従来の通り、ICE302によって駆動される空気圧縮機346によって圧縮されかつタンク347内に貯蔵された空気によって制御される。サブシステム304のステアリングサブシステムは、同じく従来通り、主ICE302によって駆動される油圧ポンプ354によって押し出されるタンク355から補充される油圧アクチュエータ(図示せず)によって制御される。
【0044】
空調、ブレーキ、およびステアリングサブシステム304に対する前述の従来の構成に加えて、本発明の図示の実施形態は、ICE302が動作していないときの空調、クラッチ、ブレーキ、およびステアリングの動作のために、制御システム160によって制御されかつ蓄電池170から給電される補助駆動装置306を含む。この電気動作モードでは、空調用圧縮機342は、上に参照した特許文献4に記載のように、制御システム160の制御下で補助モータ344によって直接駆動される。また補助駆動装置306は、逆流を防止する逆流防止弁352によって空気タンク347に結合され、かつ補助モータ350によって駆動される補助空気圧縮機348を含み、それによって制御システム160の制御下において電気動作モードで圧縮空気を提供する。駆動装置306はまた、逆流を防止する逆流防止弁360によって油圧作動油タンク355に結合され、かつ補助モータ358によって駆動される補助油圧作動油ポンプ356を含み、したがってポンプ356は、制御システム160の制御下において車両300の電気動作中にブレーキをかけるための作動流体を提供する。
【0045】
<制御システム>
次に図4を図3Aおよび3Bとともに参照すると、本発明の一実施形態による、車両の電気牽引モータ150の動作を可能にするための制御システム160の態様を示す概略図を示す。システム160は、モータ150の速度を制御するように電圧を提供するためのモータ制御装置406を含む。本発明の一実施形態では、モータ制御装置406は、Cutler PMC1238である。本発明の別の実施形態では、モータ制御装置406は、Cutler PMC1231Cである。より具体的には、モータ制御装置406は、要求信号に応じて電気牽引モータ150の速度を制御するように電圧を出力する。図示の制御システム160では、センサFTRが、運転者のフットスロットルの位置決めに応じてFTRの抵抗またはインピーダンスが変動するような形で、車両のフットスロットル(図示せず)に機械的に、電気的に、または光学的に結合され、それによってモータ制御装置406の出力電圧がそれに応じて変動する可変要求信号を与え、それによって車両の速度が可変要求信号に応じて滑らかに調整されるように、モータ150への電圧を変動させる。電圧の変動には、周波数、電圧レベル、または電圧パルス幅のいずれか、またはそれらの任意の組合せの変動を含むことができる。(フットスロットルは、ICEの回転速度、およびシステム160によって制御される車両速度など、その結果得られる車両速度を制御するための従来の周知の手段である。)
【0046】
前述のように、車両が電気牽引モータ150を介して動作しているとき、補助モータ350は、車両のブレーキシステムを動作するために空気を加圧するように補助空気圧縮機348を駆動し、また補助モータ358は、車両300のパワーステアリングシステムを動作するために油圧作動油を加圧するように補助ポンプ356を駆動する。本明細書で以下に記載するように、システム160はまた、車両300の安全な動作を保証するために、センサ330から信号を受け取る、論理連結機能を提供する様々な制御部を含む。それには、電気牽引モータ150、補助駆動装置306、ならびにシステム304のHVAC、クラッチ、ブレーキ、およびステアリング構成部品を含む。
【0047】
<VDE鍵スイッチ>
車両の従来の動作について、電気システム308の一部であるスイッチ402に関して以下に説明する。システム160は、車両300の従来の12VDC電気システムに配線され、従来の車両ディーゼルエンジン鍵スイッチ402を有する。スイッチ402は、複数の異なる位置を有し、そのうちの3つ、すなわち「走行(run)」、「停止(off)」、および「アクセサリ(accessory)」という位置を図4に明示する。運転者は通常、最初に「停止」位置に向けられているスイッチ402に鍵を挿入する。車両を始動するために、次いで運転者は、鍵を右に回し「始動(start)」位置(図4には図示せず)に合わせて始動モータを通電し、始動モータが車両ディーゼルエンジン302を起動させる。次いで、エンジン302が内部燃焼によってその動作を維持すると、運転者は、スイッチ402内の鍵を解放し、鍵は、図4に示す「走行」位置へバネ復帰する。「走行」位置は通常、「停止」位置と「始動」位置の間にあり、スイッチが妨害されない限りそこに留まる位置、すなわちバネ復帰機能をもたない位置である。車両ディーゼルエンジン302を停止させるには、運転者は、スイッチ402内の鍵を左に回し「停止」位置に合わせることができ、スイッチ402は、妨害されない限りこの位置に留まる。スイッチ402はまた、図4に示すように、通常「停止」位置の左側にある、ラジオなどのアクセサリに電源を投入するための「アクセサリ」位置を有する。通常は、運転者が鍵を「アクセサリ」位置へ回した場合、スイッチ402は、妨害されない限りこの位置に留まる。
【0048】
<電気牽引モータ制御装置に論理的に連結されたVDE鍵スイッチ>
次に本発明の一実施形態についての説明に戻ると、システム160によれば、リレーACおよびVのコイルは、それぞれスイッチ402の「アクセサリ」および「走行」位置に配線され、したがって、スイッチ402が「アクセサリ」位置にあるときは、リレーACのコイルが通電され、スイッチ402が「走行」位置にあるときは、リレーVのコイルが12VDCで通電される。これは通常、12VDC蓄電池310から給電される。
【0049】
システム160はまた、電気牽引モータ/発電機150を含む電気牽引システムに第1の補助電圧を供給する補助蓄電池170を含む。供給される電圧144VDCを図4に示す。(「144VDC」と呼ぶが、蓄電池170から供給される電圧は変わることがあり、また制御システム160は電源電圧の範囲内で適切に動作できることを理解されたい。本発明の一実施形態では、制御装置406は、例えば僅か84VDCという低い電源電圧でも適切に動作する。)図示のように、電子牽引システム鍵スイッチ404は、12VDC電源に配線され、かつ本明細書で前述したリレーVの常閉接点V1およびリレーコイルKRと直列に配線された「走行」位置を有し、したがって、スイッチ404が「走行」位置にあるとき、スイッチ404の「走行」接点が閉じる。したがって、リレーVの電源が遮断されて、接点V1が閉じた場合、リレーコイルKRは、12VDC電源を介して通電される。したがって、リレーVは、車両ディーゼルエンジンスイッチ402が「走行」位置にある場合は、リレーコイルKRが通電されないような連結を提供することを理解されたい。(電源が遮断されることを、本明細書では「引き外し(dropped out)」ともいう。)しかし、車両ディーゼルエンジン302のスイッチ402が「走行」位置にない場合、リレーVの電源は遮断され、したがって電子牽引システムスイッチ404が「走行」位置にある場合、リレーコイルKRが通電される(本明細書では「復帰(picked up)」ともいう)。
【0050】
システム160はまた、144VDC電源内で、前述のリレーACの常開接点AC1と直列に配線されたリレーコイルMCを含む。したがって、リレーACは、別の連結を提供する。すなわち、車両ディーゼルエンジン302のスイッチ402が「アクセサリ」位置にある場合、リレーコイルACが復帰し、接点AC1を閉じ、それによってリレーMCを復帰させる。しかし、スイッチ402が「アクセサリ」位置にない場合、リレーコイルACは引き外され、接点AC1を開き、それによってリレーMCを引き外す。
【0051】
図示のように、リレーMCの常開接点MC1は、144VDCを制御装置406の主端子+へ接続する(すなわち「閉じる」)ように配線される。同様に、図示のように、リレーKRおよびKGの常開接点KR1とKG1の並列の組合せが、接点MC1と直列に配線されて、144VDCから制御装置406の制御電源端子CPを閉じ、リレーKRおよびKGの常開接点KR2とKG2の並列の組合せが、可変抵抗FTRおよび制御装置406の入力制御端子と直列に接続される。
【0052】
したがって、リレーAC、V、KR、KG、およびMCは協働して、モータ制御装置406を動作するためには、車両ディーゼルエンジンスイッチ402が「走行」位置ではなく「アクセサリ」位置になければならず、一方電気牽引スイッチ404が「走行」位置になければならないような、以下にさらに説明する制御論理回路を提供する。すなわち、制御装置406の主端子+および-を通電するためには、接点MC1が閉じなければならない。これはもちろん、フットスロットルを介してFTRによって電気牽引モータ150の速度を制御するために必要である。接点MC1を閉じるためには、もちろん、コイルMCが復帰しなければならない。こうするためには、車両ディーゼルエンジン302のスイッチ402が、「アクセサリ」位置になければならず、それによってコイルACを復帰させて、接点AC1を閉じかつコイルMCを復帰させる。
【0053】
また、追加の遮断装置420が、接点AC1およびコイルMCと直列に設けられる。これらの装置420は、MCが復帰するのを防止し、したがってモータ150が動作するのを防止でき、またはモータ150が動作していると、MCを復帰させかつ保持するための経路を切断し、それによってモータ150の電源を遮断することができる。遮断装置420は、追加のセンサ330が、ICEを始動するための信号、クラッチ位置信号、ICE回転信号、ICE点火信号などのICEの動作またはICEの動作の予兆を示す遮断信号を生成するのに応じて動作することができる。しかし、一部またはすべての遮断装置420は、クラッチ120を介してICE302によって駆動される発電機としてモータ150を動作するためのものなど、異なる動作モードに対する無効化装置425によって無効化されることがあり、したがって無効化された遮断装置420は、モータ150を遮断しない。
【0054】
制御装置406の主端子+および−を通電することで、制御装置406に主電源を供給するが、制御装置406はまた、端子CPへの制御電源も必要とする。接点MC1が閉じている場合、144VDC電源は、1000オーム、20ワットの抵抗Rを介して端子CPに結合され、これにより、端子CPに結合された制御装置406の内部制御部を予め充電する。こうして予め充電することは、可変抵抗FTRの動作に対して制御装置406による素早い応答を提供するのに有用であるが、制御装置406を完全に動作するのに十分な電流は提供しない。
【0055】
制御装置406が完全に動作するためには、接点KR1またはKG1およびKR2またはKG2が閉じて、制御装置406に全電力を供給しなければならず、それにはもちろん、リレーコイルKRまたはリレーコイルKGが復帰する必要がある。こうするためには、車両ディーゼルエンジンスイッチ402は「走行」位置にあってはならず、それによって確実に、リレーVが引き外されたままで、接点V1およびV2が閉じるようにする。同様に、電気牽引スイッチ404は「走行」位置になければならず、それによって、閉じた接点V1を介してリレーコイルKRを復帰させ、またそうでない場合は、「発電(generate)」位置になければならず、それによって、閉じた接点V2を介してリレーコイルKGを復帰させる。
【0056】
スイッチ404の「発電」位置は、ICE302による蓄電池170の充電を可能にするために設けられる。すなわち、電気牽引システムの「発電」動作設定では、ICE302による蓄電池170の充電が可能になる。それには、変速機122が、ICE302からの動力をモータ/発電機150へクラッチ120を介して機械的に伝達するために、クラッチ120を介してICE302に係合されていることを含み、したがってモータ/発電機150は、発電機として動作可能になる。
【0057】
<クラッチの動作に関する制御部>
前述の制御部に加えて、システム160は、電気牽引システム動作モードにあるとき、主車両ディーゼルエンジン302のクラッチ120を係合しかつ切り離すための制御部を有する。
【0058】
クラッチ120の動作に関する制御部については、図5に関連して本明細書で下にさらに説明するように、システム160は、クラッチ120に機械的に連結されたクラッチアクチュエータ412を含む。アクチュエータ412は、クラッチペダル押下げコイルDおよびクラッチペダル解放コイルRを有する。押下げコイルDを通電すると、アクチュエータ412が延び、それによって、車両の通常のクラッチペダルに結合されたリンク機構をペダル押下げ位置へ動かし、そこで、クランク軸110が変速機入力軸125から切り離される。逆に、解放コイルRを通電すると、アクチュエータ412が引っ込み、それによってクラッチペダルをペダル解放位置の方へ動かし、そこで、クラッチ120がクランク軸110を変速機入力軸125に係合する。アクチュエータ412には、リミットスイッチ416CDおよびCRが付随する。リミットスイッチCDは、アクチュエータ412が完全に延びた位置に到達するのに応じて開き、一方リミットスイッチCRは、アクチュエータ412が完全に引っ込んだ位置に到達するのに応じて開く。
【0059】
押下げコイルDおよび解放コイルRの電源がどちらも遮断されている場合、アクチュエータ412はその最後の位置に留まり、仮にアクチュエータ412がクラッチペダルを押し下げていた場合、最後にどの程度まで押し下げたとしても、その位置までクラッチ120を押し下げたまま保持する傾向がある。しかし、アクチュエータ412も、アクチュエータ412をクラッチ120に接続する機械的リンク機構も、ペダルがまだ完全に押し下げられていない場合、クラッチペダルがさらに手動で押し下げられるのを防止しない。
【0060】
次に図5を参照すると、アクチュエータ412とクラッチ120のリンク機構をさらに示す。図はリンク機構を全体として示すが、幾分概略的な性質のものであることを理解されたい。すなわち、図5では、図示の構成がどのように動作するかについて特定の特徴および態様をよりはっきりと示すために、一部の機械的な細部を省略し、または比喩的に示すことがある。
【0061】
本発明のアクチュエータ412およびその付随するリンク機構を示すことに加えて、図5はまた、次のように、通常のクラッチペダル510と通常のクラッチ120の通常のリンク機構を示す。クラッチ120を切り離すためには、運転者は通常、車両の運転席内の通常のクラッチペダル510を押し下げ、それによって切離し動作530を生じさせる。クラッチペダル510は、枢支点512に回転可能に固定されたクラッチアーム514上にあり、したがって、切離し動作530は、切離し動作532をクラッチアーム514を介して連結棒520に伝える。図示のように、連結棒520は、連結棒520とクラッチアーム514の係合部の反対側に、連結棒522に回転可能に接続538された末端部を有する。また、連結棒520は、枢支点513に回転可能に固定される。したがって、連結棒520は、切離し動作532を連結棒522に伝え、連結棒522で切離し動作534を生じさせる。連結棒522は、その連結棒520との結合部の反対側に、クラッチアーム524に回転可能に接続された末端部を有する。クラッチアーム524は、クラッチ120に回転可能に結合され、クラッチ120の切離し軸受(図示せず)に係合する。したがって連結棒520は、切離し動作534をクラッチアーム524に伝えて、クラッチアーム524による切離し動作536を生じさせ、それによりクラッチ120の切離し軸受がクラッチ120を切り離し、それによって変速機入力軸125からクランク軸110を切り離す。
【0062】
本発明の図示の実施形態によれば、アクチュエータ412およびその付随するリンク機構は、次のように、上段に記載の通常のリンク機構に追加される。アクチュエータ412の一方の端部は、車両のシャーシに、枢支点516で回転可能に固定される。アクチュエータ412の他方の端部にあるアクチュエータ412の延長/引込み可能軸542(その完全に引っ込んだ位置で図5に示す)は、連結棒520と522の接続部538にカップ540によって固定され、したがって、連結棒520および522は、すぐ上に記載したフットペダル510による通常の動作を可能にするのに十分な動きの自由を有するが、それでもなお、アクチュエータ412の軸542は、軸542をその完全に延ばした位置の方へ動かすことによって、切離し動作534を連結棒522へ伝えることもできる。
【0063】
繰り返すと、図5に示す構成では、アクチュエータ412の軸542を延ばしたり引っ込めたりすることなく、クラッチ120の通常のクラッチペダル510の動作のために、連結棒520および522の通常の動きの自由を与え、これが、クラッチ120とクラッチペダル510の間の通常のリンク機構に追加された。すなわち、カップ540は、こうした通常の動きの自由を与えるのに十分な緩さで、しかし軸542が、クラッチペダル510の通常の運動範囲および結合部538の対応する運動範囲全体にわたって結合部538に係合されたままでいるのに十分なきつさで、結合部538を捕える。また、こうして係合を維持することで、アクチュエータ412は、クラッチ120を切り離しかつ再び係合するための代替手段を提供することができる。切り離すには、アクチュエータ412は、軸542を延ばすことによって、連結棒522に切離し運動534をさせる。通常のクラッチ120は、1つまたは複数のバネ復帰機構(図5には明示せず)を含み、したがってクラッチ120は、単に軸542を引っ込めるだけで再び係合する。すなわち、クラッチ120のバネ復帰機構は、軸542が引っ込んだ場合でも、カップ540と結合部538の係合が維持されるように、クラッチアーム524を再び係合される位置へ動かす。
【0064】
本明細書で下にさらに説明するように、アクチュエータ412上に取り付けられたリミットスイッチ416CRおよび416CDは、軸542の位置を感知する。
【0065】
再び図4を図3Aおよび3Bとともに参照すると、システム160は、リレーKRの常開接点KR3と直列に、蓄電池310の12VDC電源に配線されたリレーコイルCを含む。したがって、リレーコイルCは、リレーコイルKRが復帰しかつ接点KR3を閉じるのに応じて復帰する。前述のように、車両ディーゼルエンジンスイッチ402が「走行」位置になければ、リレーVを引き外して、常閉接点V1を閉じ、それにより、電子牽引システムスイッチ404が「走行」位置にある場合は、リレーコイルKRを復帰させる。したがって、リレーKRおよびVの動作を通じて、車両ディーゼルエンジンスイッチ402が「走行」位置になく、また電子牽引システムスイッチ404が「走行」位置にあるのに応じて、リレーCは復帰する。接点KR3を閉じることで、「電気牽引」動作モード、すなわち車両300の動き、すなわち牽引が電気モータ150から動力供給されるモードの初期化を示す信号を提供する。
【0066】
リレーCは、アクチュエータ412の押下げコイルDおよびアクチュエータのリミットスイッチ416CDと直列の常開接点C1を有する。したがって、接点C1は、リレーCが復帰するのに応じて閉じ、これにより、押下げコイルDを通電し、アクチュエータ412を完全に延びた位置の方へ動かす。ただしクラッチアクチュエータ412は完全には延びず、したがってリミットスイッチ416CDは閉じている。アクチュエータ412が完全に延びた位置に到達すると、リミットスイッチ416CDが開き、それに応じてアクチュエータ412の押下げコイルDが引き外される。
【0067】
アクチュエータ412が完全に引っ込んだ位置から離れると、アクチュエータリミットスイッチ416CRが閉じ、したがって必要なときはアクチュエータ412の解放コイルRを通電して、再びアクチュエータ412を引っ込めることができる。しかし、リレーCが復帰するのに応じて、常閉接点C2が開き、したがって412の解放コイルRは、通電されない。このようにして、i)車両ディーゼルエンジンスイッチ402が「走行」位置にあり、それによってリレーVを復帰させ、リレーKRを引き外して、リレーCを引き外さない限り、またはii)電子牽引システムスイッチ404が「停止」位置にあり、それによってリレーKRを引き外して、リレーCを引き外さない限り、リレーCは、アクチュエータ412が引っ込むのを防止する。しかし、車両ディーゼルエンジンスイッチ402が「走行」位置に回されるか、または電子牽引システムスイッチ404が「停止」位置に回されるのに応じて、リレーCは引き外され、接点C2を閉じ、したがってそれに応じて、アクチュエータ412の解放コイルRが、接点C2を介して通電される。こうして、アクチュエータ412が完全に引っ込んだことを感知してリミットスイッチ416CRが開くまで、アクチュエータ412を引っ込んだ位置の方へ動かす。
【0068】
<ブレーキおよびステアリングシステムの動作に関する制御部>
前述の制御部に加えて、システム160は、電気牽引システム動作モードにあるときのシステム304のブレーキおよびステアリング構成部品の操作性を保証するための制御部を有する。
【0069】
前述のように、車両300用の通常のブレーキシステムは、ブレーキを動作するための加圧された空気を供給するために、内燃機関302によって駆動される空気タンク347および圧縮機346を含む。制御システム160は、エンジン302の電源が遮断されている場合でも、ブレーキのための空気圧が供給される機構を提供する。具体的には、制御システム160は、車両の通常のブレーキシステムのための空気圧がある所定の限界を下回り、次いで運転者が車両の通常のフットスロットルを押し下げた場合、予備空気圧縮機モータ350に電源が投入されて、車両の通常のブレーキシステムの動作のために予備の圧縮空気を提供する機構を提供する。
【0070】
同じく前述のように、車両300用の通常のステアリングシステムは、車両300のパワーステアリングを動作するための油圧作動油を供給するために、内燃機関302によって駆動される油圧ポンプ354を含む。制御システム160はまた、エンジン302の電源が遮断されている場合でも、ステアリングのための油圧作動油が注入される機構を提供する。具体的には、制御システム160は、車両のステアリングホイールが所定の限界を超えて左または右に回され、次いで運転者が車両の通常のフットスロットルを押し下げた場合、予備油圧ポンプモータ358に電源が投入されて、ポンプ356を駆動して、車両の通常のステアリングシステムの動作のために予備の油圧作動油圧を提供する機構を提供する。
【0071】
ブレーキシステムの動作に関する制御部160の具体的な詳細は、次の通りである。フットスロットルリミットスイッチFTLS420は、運転者が車両の通常のフットスロットルを押し下げたことを感知するのに応じて、その接点を閉じるように動作可能である。FTLS420は、12VDC電源内で、リレーTと直列であり、したがって、FTLS420が閉じるのに応じて、接点リレーTが復帰する。リレーTが復帰すると、次のように、通常の車両ブレーキシステムのための圧縮空気および通常の車両ステアリングシステムのための油圧作動油に対する要求が起こる。
【0072】
本発明の制御システム160の図示の実施形態によれば、空気圧スイッチ418は、空気供給タンク347に結合される。スイッチ418は、タンク347内の空気圧が所定の限界、例えば100psiを下回ったことを感知するのに応じて閉じる。リレーTの常開接点T1は、12VDC電源内で、空気圧スイッチ418と直列である。また、リレーAのコイルは、T1およびスイッチ418と直列である。
【0073】
リレーAは、通常の車両ブレーキシステムのための予備の圧縮空気に対する要求を起こすためのものである。すなわち、リレーAは、24VDC電源内で、補助空気圧縮機モータ350と直列の常開接点A1を有する。T1およびスイッチ418が閉じるのに応じて、リレーAは復帰し、接点A1を閉じ、かつブレーキシステムの補助空気圧縮機モータ350を通電する。要約すると、運転者が車両の通常のフットスロットルを押し下げるのに応じて、空気圧が例えば100psiを下回った場合、補助空気圧縮機モータ350に電源が投入されて、車両の通常のブレーキシステムの動作のためにより多くの空気を供給する。
【0074】
ステアリングシステムの動作に関する制御部160の具体的な詳細は、次の通りである。リレーTの常開接点T1はまた、12VDC電源内で、並列接続されたステアリングアームリミットスイッチ414SRLおよび414SRRと直列である。また、リレーSのコイルは、T1ならびに並列接続されたスイッチ414SRLおよび414SRRと直列であり、スイッチ414SRLおよび414SRRは、スイッチ414SRLは、ステアリングホイールがある所定の限界を超えて左に回されるのに応じて閉じ、またスイッチ414SRRは、ステアリングホイールがある所定の限界を超えて右に回されるのに応じて閉じるような形で、車両の通常のステアリングアーム上に取り付けられる。
【0075】
リレーSは、通常の車両ステアリングシステムのための予備油圧作動油圧に対する要求を起こすためのものである。すなわち、リレーSは、24VDC電源内で、ステアリングシステム補助油圧ポンプモータ358と直列の常開接点S1を有する。T1およびスイッチ414SRLまたは414SRRが閉じるのに応じて、リレーSは復帰し、接点S1を閉じ、かつステアリングシステムの予備油圧ポンプモータ358を通電する。要約すると、運転者が車両の通常のフットスロットルを押し下げるのに応じて、車両のステアリングホイールが特定の限界を超えて左または右に回された場合、補助油圧ポンプモータ358に電源が投入されて、車両の通常のステアリングシステムの動作のためにより多くの油圧作動油圧を提供する。
【0076】
<制御に関する概論>
図4では、3つの異なる電圧システム、通常のICE始動電圧システムである12VDC、144VDC、および24VDCがあることに留意されたい。比較的より低い電流でより大量の動力を送り出すためには、より高電圧のシステムが望ましい。KR、KG、Cなどのリレーが、それらが実行する論理回路機能に加えて、電圧絶縁および電流遮断能力を提供すると有利である。例えば、車両の居室内では、12VDCを上回る電圧を引き回さないことが望ましい。
【0077】
<制御部の修正形態および変形形態>
本実施形態の記載は、例示を目的として提示したものであり、包括的なもの、または本発明を開示の形態に限定するものではない。多くの修正形態および変形形態が、当業者には明らかになるであろう。例えば、制御部について、対応する制御に関連する処理が本質的にリレー論理であるリレーに関連して、本明細書で上に説明してきた。前述のものと同じ論理処理が、リレーの異なる組合せでも実現できることを理解されたい。例えば、適切に調整すれば、動作を開始するために通電するリレーでも、動作を開始するために電源を遮断するリレーでも実施される論理処理を、本質的に提供することが可能である。選択の幅は、例えば複雑さおよび所望の故障モードを含む、様々な要因に従って変わることがある。
【0078】
また、本明細書で上にリレーおよびリレー論理として示したものは、埋込み式制御装置の形で、または本質的にコンピュータプログラムとして対応する制御に関連する処理を有するコンピュータシステムという他の形で、少なくとも部分的に実施することができる。例えば、そのようなコンピュータシステムおよび制御に関連する処理は、前述のモータ制御装置内に組み込むことができる。さらに、様々な専用のリレーを作動させるための離散センサ330を、本明細書に示す。センサ330から提供される信号は、制御システム160のコンピュータへ入力するために車両の製造者によって供給される元の機器のデータバス上で利用可能とすることができる。
【0079】
次に図6を参照すると、本発明の一実施形態による、本発明の制御に関連する処理を実施できるコンピュータシステム600を示す。「コンピュータシステム」という用語は、埋込み式制御装置、マイクロコントローラ、パーソナルコンピュータシステム(保護型もしくはその他)と呼ぶか、または他の何らかの用語で呼ぶかにかかわらず、記憶媒体からの命令を実行する処理装置を有するあらゆる装置を包含するものであることを理解されたい。コンピュータシステム600は、1つまたは複数の処理装置615と、揮発性メモリ627、例えばRAMと、不揮発性メモリ629とを含む。メモリ627および629は、本発明によるソフトウェアプログラムの様々な実施形態を実施するために、処理装置615によって実行可能なプログラム命令(「ソフトウェアプログラム」とも呼ぶ)を記憶する。1つまたは複数の処理装置615ならびにメモリ627および629は、バス640によって相互接続される。入力/出力アダプタ(図示せず)もまた、バス640に接続されて、処理装置615と他の装置または回路の間の情報交換を可能にする。システム600はまた、キーボード633、ポインティング装置630、例えばマウス、および表示装置637の少なくとも一時的な接続にも適合される。
【0080】
図示の実施形態では、不揮発性メモリ629は、データ記憶用のディスク、ならびにオペレーティングシステムおよびソフトウェアアプリケーションを含むことができる。他の実施形態では、不揮発性メモリ629は、必ずしもディスクであるというわけではない。オペレーティングシステムは、特殊なチップハードウェア内にプログラムすることさえできる。メモリ629はまた、明示しないがROMを含み、同じく明示しないがテープなどの他の装置を含むこともできる。
【0081】
データの記憶は、コンピュータシステム600の1つまたは複数の処理によって実行することができ、処理が進行している同じコンピュータシステム600のメモリ627もしくは629などのメモリ内、または異なるコンピュータシステム上での記憶を含むことができる。
【0082】
さらに、本発明の制御に関連する処理の少なくとも一部は、本明細書で前述した方法、すなわち処理を実行するために、処理装置によって実行可能な命令のコンピュータ可読媒体の形で分配することができる。そのようなコンピュータ可読媒体は、様々な形態を有することができる。本発明は、分配を実施するために実際に使用される信号担持媒体の特定のタイプにかかわらず同様に適用される。具体的なコンピュータ可読媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスクなどの書込み可能型媒体、ハードディスクドライブ、RAM、およびCD−ROMが含まれる。伝送型媒体の例には、デジタルおよびアナログ通信リンクが含まれる。
【0083】
様々な実施形態が、1つまたは複数のソフトウェアプログラムを様々な形で実施し、中でも、手続きベースの技法、コンポーネントベースの技法、および/またはオブジェクト指向の技法が含まれる。具体的な例には、XML、C、C++オブジェクト、Java(登録商標)、および市販のクラスライブラリが含まれる。本明細書に記載のハードウェアは、実装形態によって変わりうることが、当業者には理解されよう。記載の例は、本発明に関する構造上の制限を意味するものではない。
【0084】
さらに多くの修正形態および変形形態が、当業者には明らかになるであろう。例えば、本明細書で上に、モータへの電圧を変動させて、可変要求信号に応じて車両速度を滑らかに変化させることについて説明した。本発明の一実施形態では、制御部は、モータを突沸させて車両を急に動かすように、すなわちただ単に低周波数でモータを通電しかつ電源を遮断するように動作可能とすることができる。モータ制御装置は、オン/オフ要求信号に応じて、この突沸を達成することができる。
【0085】
<車両でのAPUの固定>
再び図3Aを参照すると、燃料電池180はとりわけ、車両300の居室の後ろに、その牽引部分のフレーム上に固定された補助電源装置(「APU」)内に含むことができる。居室も、このフレーム上に乗る。APUは、燃料電池180用の方形のハウジングを含み、このハウジングは、ハウジングの4つの隅部の下に直接配置されたそれぞれの空気バネにボルトで固定される。APUは掛枠をさらに含み、そこに空気バネがボルトで固定される。また、2つのコイルバネが、それぞれの隅部付近のハウジングの一面にボルトで固定されたそれぞれのアイボルトによって、掛枠に接続され、したがって、掛枠のコイルバネの接続部は、コイルバネをハウジングの底部から下方へかつ外方へ延ばして保持するように配置される。コイルバネがハウジングの底部から外方へかつ下方へ延びる形で掛枠によって保持されることに加えて、コイルバネはまた、掛枠によって幾分引っ張られるが、十分にそれらの弾性限界の範囲内である。このようにして、バネは、引っ張られた状態で保持され、互いに対向し、ならびにハウジングを中心で位置合わせし、かつ空気バネの方へしっかりと下へ引っ張って保持する力をもたらす傾向がある。
【0086】
空気バネは、車両300のブレーキ用サブシステム304内に含まれる通常の圧縮空気システムに空気バネを接続するための、圧力調整機を介する接続を有する空気供給線によって相互接続される。このようにして、APUの掛枠がフレームにボルトで固定された後、圧縮空気システムから空気バネに空気を入れることができ、それによりコイルバネの張力が増し、それによってよりしっかりと、ハウジングを中心で位置合わせして、かつ空気バネの方へ下に引っ張って保持する。したがって、隆起および急な動きの衝撃をフレームからハウジングへ直接伝達する可能性のあるいかなる剛性の部材も、またさらにはピストン型の緩衝装置もなしで、ハウジングが車両300のフレームに固定されると有利である。緩衝装置は、もちろん一方向からのそのような衝撃を吸収する傾向があるが、複数の方向の動きは妨げる傾向があり、したがって、前述の構成よりも、複数の方向からの力を伝達する傾向が強い。前述の用途に適した通常の空気バネは、例えば、MCMaster−Carrから入手可能である。
【0087】
<概論>
以上から、本発明が多数の有用な利益を提供することが理解されよう。それには以下を含む。
通常のPTOが、通常のPTOポートを介して通常の変速機に追加されて、車両のICEの電源が遮断されているときでも、外部電源装置によって給電される電気牽引モータから車両の駆動系に動力を与えるために、従来とは異なる形の伝達装置として働くことができる。
本明細書に開示の車両に取り付けられた適切な補助電源装置内の水素燃料電池は、満載されたトレーラートラックなどの非常に大きな負荷でも、相当な距離にわたって、または相当な走行期間にわたって動かすための外部電源装置として提供できるのに十分な耐久性を有し、かつ十分なエネルギーを提供する。
蓄電池は、瞬間的な動力の要求に対してさらなるエネルギーを提供することができ、燃料電池からでも、電気牽引モータの逆作動によるICEからでも、低電力または非電気的な動作要求の適切な間隔で再充電することができる。
通常のICEを干渉または妨害することなく、駆動系に結合された電気牽引モータの動作を可能にし、かつ電気牽引モータおよび発電機の動作モードで、車両の既存のサブシステムの安全な動作を調整するための、制御部、ならびにクラッチ作動、補助空気、および補助油圧作動油サブシステムを含む補助サブシステムが開示される。
【0088】
実施形態は、本発明の原理、実際の適用分野について最もよく説明し、かつ他の当業者が本発明を理解できるようにするために、選択しかつ記載した。様々な修正形態を有する様々な他の実施形態が、企図する特定の用途に適する可能性があり、本発明の範囲内である可能性がある。
【0089】
明瞭にかつ明示的に述べない限り、以下の特許請求の範囲は、動作のいかなる特定の順序も暗示するものではない。特許請求の範囲の部分に対してa)、b)、c)などの表示を含むことは、それ自体で、いかなる特定の順序も暗示するものではなく、単にそれらの部分の参照を容易にするものである。
【符号の説明】
【0090】
110 クランク軸
120 クラッチ
122 変速機
124 ポート
125 変速機入力軸
127 変速機ケース
129 変速機出力軸
130 伝達歯車
140 動力取出装置(「PTO」)
141 歯車
142 ケース
150 電気牽引モータ、電気牽引モータ/発電機
154 ブラケット
156 フレームレール
158 ピンチクランプ
160 制御システム、制御部
170 蓄電池
180 水素燃料電池
300 車両
302 牽引ICE、車両ディーゼルエンジン、内燃機関
304 サブシステム
306 補助駆動装置
308 電気システム
310 12VDC蓄電池
314 缶
316 差動装置
318 車軸
320 車輪
330 センサ
342 空調用圧縮機
344 補助モータ
346 空気圧縮機
347 空気タンク、空気供給タンク
348 補助空気圧縮機
350 補助モータ、予備空気圧縮機モータ、補助空気圧縮機モータ
352 逆流防止弁
354 油圧ポンプ
355 油圧作動油タンク
356 補助油圧作動油ポンプ
358 補助モータ、予備油圧ポンプモータ、補助油圧ポンプモータ
360 逆流防止弁
402 車両ディーゼルエンジン鍵スイッチ
404 電子牽引システム鍵スイッチ
406 モータ制御装置
412 クラッチアクチュエータ
414 ステアリングアームリミットスイッチ
416 アクチュエータリミットスイッチ
418 空気圧スイッチ
420 遮断装置、フットスロットルリミットスイッチ、FTLS
425 無効化装置
510 クラッチペダル、フットペダル
512 枢支点
513 枢支点
514 クラッチアーム
516 枢支点
520 連結棒
522 連結棒
524 クラッチアーム
530 切離し動作
532 切離し動作
534 切離し動作
536 切離し動作
538 接続部、結合部
540 カップ
542 延長/引込み可能軸
600 コンピュータシステム
615 1つまたは複数の処理装置
627 揮発性メモリ
629 不揮発性メモリ
630 ポインティング装置
633 キーボード
637 表示装置
640 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力取出ポートを有する変速機に結合された内燃機関“ICE”を含む駆動系を有するシステムであって、
モータと、
前記モータを前記変速機に前記ポートを介して結合させる伝達装置と、
を備え、前記ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の期間中、前記モータが前記駆動系に選択的に動力供給できるように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記モータに動力を供給するための電源装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電源装置が燃料電池を備えることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記電源装置が蓄電池を備えることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記電源装置が、
蓄電池と、
前記蓄電池を充電するように構成された燃料電池と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムが、前記ICEの電源が投入されているときに前記ICEによる前記蓄電池の充電を可能にするように構成されることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
変速機の入力部に結合されたクラッチを含む駆動系に結合された内燃機関“ICE”を有する車両用の電気牽引システムであって、
モータと、
前記車両を動かすために、前記モータの回転を前記変速機入力部に伝達するための伝達装置と、
前記ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の期間中、前記車両の前記動きのための動力を供給するように前記モータに電気的に結合された電源装置と、
前記車両の前記動きを選択的に可能にするように構成された制御部と、
を備えることを特徴とする電気牽引システム。
【請求項8】
モータ制御装置を備え、前記電源装置が、前記モータ制御装置を介して前記モータに電気的に結合されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電源装置が、燃料電池を備えることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記電源装置が、前記モータに電力を供給するように前記モータ制御装置に電気的に結合された蓄電池を備え、前記燃料電池と前記モータの前記電気的結合が前記蓄電池を介するものであり、したがって前記燃料電池が、前記蓄電池を再充電するように動作可能であることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記電源装置が、蓄電池を備えることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御部が、要求信号に応じて前記モータを通電するように前記モータ制御装置に電気的に結合され、且つ共に動作可能であることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記要求信号が可変要求信号であり、また前記モータの前記通電が、前記可変要求信号に応じて前記車両の速度が調整されるような可変通電を含有することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御部が、
スロットルと、
可変インピーダンス装置と、
を含み、前記モータの前記通電が可変通電を含み、また前記要求信号が、前記可変インピーダンス装置からの可変インピーダンス信号を含み、前記インピーダンスが前記スロットルに応じて変動することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御部が、遮断信号に応じて前記モータの電源を遮断するように前記モータ制御装置に電気的に結合され、且つ共に動作可能であり、前記遮断信号が、前記ICEの動作または前記ICEの動作の予兆を示すことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
前記遮断信号が、前記ICEを始動するための信号を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記遮断信号が、クラッチ位置信号を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記遮断信号が、ICE回転信号を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記遮断信号が、ICE点火信号を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御部が、
信号に応じて、前記ICEが前記変速機入力部から切り離される位置へ、前記クラッチを自動的に動かすように構成されたアクチュエータを備えることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項21】
前記制御部が、
前記車両の動きが前記電気モータから動力供給される動作モードの初期化を示す信号に応じて、前記ICEが前記変速機入力部から切り離される位置へ、前記クラッチを自動的に動かすように構成されたアクチュエータを備えることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムが、前記ICEによる前記蓄電池の充電を可能にするように構成されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項23】
前記ICEによる前記蓄電池の充電を可能にする前記構成が、前記ICEからの動力を前記モータへ前記クラッチを介して機械的に伝達するための、前記クラッチを介して前記ICEに係合されている前記変速機を含み、したがって前記モータが、発電機として動作可能であることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記車両が、前記車両のブレーキサブシステム用のタンクに空気を供給するための、前記ICEによって駆動される空気圧縮機を含み、また前記電気牽引システムが、
前記ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の時間中、前記タンクに空気を供給するための補助空気圧縮機と、
前記補助空気圧縮機を駆動するための補助空気モータと、
空気圧が低いのに応じて前記補助空気モータに電源を投入するための、前記タンクに結合された空気圧スイッチと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項25】
前記車両が、前記車両のステアリングサブシステムに作動油を供給するための、前記ICEによって駆動される油圧作動油ポンプを含み、また前記電気牽引システムが、
前記ICEの電源が遮断されている少なくとも特定の時間中、前記パワーステアリングサブシステムに作動油を供給するための補助油圧作動油ポンプと、
前記補助油圧作動油ポンプを駆動するための補助油圧作動油モータと、
前記ステアリングサブシステムの少なくとも1つの構成部品の位置に応じて、前記補助油圧作動油モータに電源を投入するための、前記ステアリングサブシステムに結合された少なくとも1つのリミットスイッチと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項26】
前記ステアリングサブシステムの前記少なくとも1つの構成部品がステアリングアームを含むことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記変速機が、前記変速機入力部にアクセスするためのポートを画定するケースを有し、
また前記伝達装置が、前記変速機ケースに固定されたケースを有し、したがって前記伝達装置が、前記モータの回転を伝達するように前記変速機入力部に係合することを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−56571(P2012−56571A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220007(P2011−220007)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【分割の表示】特願2008−556310(P2008−556310)の分割
【原出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(511238653)クリーン・エミッションズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】