説明

顕微鏡

【課題】効果的にフレアを防止するとともに、低倍率観察時においても照野を満足し、明るさを確保しうる顕微鏡を提供する。
【解決手段】光源7から射出された光を対物レンズ13により試料2に照射する同軸落射照明系19と、対物レンズ13を介して入射された反射光の結像を観察する観察光学系20と、を有する顕微鏡100であって、光源7から射出された光を観察光軸L2方向に反射して対物レンズ13に入射させるとともに、試料2からの反射光を透過して結像レンズ16に入射させるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12と、対物レンズ13と試料2との間に配置される1/4波長板15と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸落射照明によって試料を照射する顕微鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顕微鏡は、レボルバに取り付けられた倍率の異なる複数の対物レンズを備え、倍率を変更して試料観察を行なっていた。しかし、比較的低倍率の対物レンズを使用した観察では、レンズの曲率の緩さにより、照明光が反射して観察像上にフレアが発生する問題があった。これを防止するために、光源とハーフミラーとの間にポラライザを、ハーフミラーと結像レンズとの間にアナライザをクロスニコルに配置し、対物レンズと試料との間に1/4波長板を配置する偏光光学系を採用して、対物レンズ面での反射光のみをアナライザでカットしていた。
【0003】
また、ハーフミラーの代わりにプリズムタイプの偏光ビームスプリッタを使用し、対物レンズと試料との間に1/4波長板を配置する偏光光学系として、対物レンズ面での反射によるフレア除去を行なう技術も開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−311388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハーフミラーと偏光素子とを使用する偏光光学系では、ハーフミラーでの光量ロスに加え、ポラライザ、アナライザでも光量減衰が生じるため、観察像の明るさを得るために光源光量を大きくすることが必要となり、大型化、消費電量増加につながってしまう。
【0006】
また、特許文献1の光学系においても、低倍率観察時の照野を満足させるためには大きな光束径の光源が必要となるが、大きな光束径に対応しうるプリズムタイプの偏光ビームスプリッタをハーフミラーとして使用すると、装置が大型化してしまい好ましくない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、効果的にフレアを防止するとともに、低倍率観察時においても照野を満足し、明るさを確保しうる顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の顕微鏡は、光源から射出された光を対物レンズにより試料に照射する同軸落射照明系と、前記対物レンズを介して入射された反射光の結像を観察する観察光学系と、を有する顕微鏡であって、前記光源から射出された光を観察光軸方向に反射して前記対物レンズに入射させるとともに、前記試料からの反射光を透過して結像レンズに入射させるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタと、前記対物レンズと前記試料との間に配置される1/4波長板と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の顕微鏡は、上記発明において、前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタが反射する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第2偏光素子を、前記同軸落射照明系内に配置することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の顕微鏡は、上記発明において、前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタが透過する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第3偏光素子を、前記観察光学系内に配置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の顕微鏡は、上記発明において、前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタが反射する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第2偏光素子を、前記同軸落射照明系内に配置し、前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタが透過する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第3偏光素子を、前記観察光学系内に配置することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の顕微鏡は、上記発明において、前記観察光学系は変倍光学系を有し、前記同軸落射照明系を前記変倍光学系と前記対物レンズとの間に配置することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の顕微鏡は、上記発明において、前記1/4波長板は挿脱可能であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の顕微鏡は、上記発明において、消光比の異なる少なくとも2以上のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタをそれぞれ保持し、前記2以上のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタを観察光軸上に挿脱する光学素子切替手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる顕微鏡は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタを使用することにより効果的にフレアを防止するとともに、装置を大型化することなく低倍率観察時における照野を満足し、かつ明るさを確保することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる顕微鏡の概略構成を示す右側面図である。
【図2】図2は、1/4波長板を取り付けた対物レンズ先端部の縦断面図である。
【図3】図3は、図2の対物レンズのX−X線断面図である。
【図4】図4は、実施の形態2にかかる顕微鏡の概略構成を示す右側面図である。
【図5】図5は、実施の形態3の顕微鏡観察装置の概略構成を示す右側面図である。
【図6】図6は、実施の形態4の顕微鏡観察装置の概略構成を示す右側面図である。
【図7】図7は、光学素子切替装置の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかる顕微鏡の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡100の概略構成を示す右側面図である。顕微鏡本体1は、下部側に、上面に試料2が載置されて矢印Aで示す上下方向(Z軸方向)に移動可能なステージ3を備えている。また、顕微鏡本体1は、ステージ3を上下方向に移動させるための焦準機構における焦準ハンドル4を側面に備えている。
【0019】
顕微鏡本体1は、上部側に落射投光管5を備え、さらに、この落射投光管5の背面側に光源ユニット6を備えている。光源ユニット6は、落射投光管5内に向けて出射光を投光する光源7を内蔵し、光源7は、ハロゲンランプやLED等が使用される。また、落射投光管5は、落射照明光軸L1上に照明レンズ8および9、開口絞り10、視野絞り11、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12等の所定の光学素子を備えている。試料2は、光源7、照明レンズ8および9、開口絞り10、視野絞り11、および光路切換え用のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12から構成される同軸落射照明系19を用いて照明される。
【0020】
ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12は、基板上に多数のナノメータレベルのワイヤー状のグリッドが形成された偏光板であり、落射照明光軸L1上に45°に配置されることにより偏光ビームスプリッタとして機能する。
【0021】
光源7が発する照明光は、照明レンズ8に入射され、開口絞り10、視野絞り11および照明レンズ9を通過して、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12により反射されることにより、光源7の共役像を対物レンズ13の瞳上に形成する。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12は、入射した光を直線偏光に偏光し、S偏光のみを落射照明光軸L1に直交する観察光軸L2方向に反射する。その後、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12により反射された照明光(S偏光)は、対物レンズ13によって試料2に照射される。
【0022】
開口絞り10は対物レンズ13の瞳と共役な位置に設置され、開口絞り10を調節することにより開口数NAを調整する。視野絞り11は、対物レンズ13の焦点位置と共役な位置に設置され、視野絞り11を調整することにより視野を調整する。
【0023】
落射投光管5は、落射照明光軸L1に直交する観察光軸L2上の下面側に、倍率の異なる複数の対物レンズ13が取り付けられたレボルバ14を備えている。レボルバ14は、回転操作に伴いいずれか一つの対物レンズ13を選択的に観察光軸L2上に配置させることができる。ステージ3を、焦準ハンドル4の回転により図示しない焦準機構によって矢印Aで示す上下方向に移動することにより、対物レンズ13に対する試料2の焦点合わせを行う。対物レンズ13の先端には、1/4波長板15が取り付けられ、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12で反射された直線偏光を円偏光に変換する。
【0024】
図2は、1/4波長板15を取り付けた対物レンズ13先端部の縦断面図、図3は、図2の対物レンズ13先端部のX−X線断面図である。対物レンズ保持枠21は、先端部の外周面に係合部24が形成され、1/4波長板保持枠22の内周面と嵌合される。対物レンズ保持枠21と1/4波長板保持枠22とは、固定つまみ23により固定される。また、図3に示すように、1/4波長板保持枠22には、1/4波長板15を位置決めして対物レンズ保持枠21に取り付けるための回転規制ピン25が設けられ、対物レンズ保持枠21に形成された溝26に回転規制ピン25を嵌め合わせることにより、1/4波長板15の回転を防止する。
【0025】
図2および図3に示すような構成により、1/4波長板15は対物レンズ13先端部に取り付けられて、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12からの反射光および試料2からの反射光が1/4波長板15に繰り返し通過することにより、1/4波長板15を出射する観察光(P偏光)はワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12から入射する証明光(S偏光)とπ(90°)の位相差を生じる。対物レンズ13面で反射する光は、1/4波長板15により偏光の方向が90°ずれるので、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12により透過されず、結像レンズ16への入射が防止されるため、フレアの防止が可能となる。なお、図2および図3に示すように、固定つまみ23を取り外して、1/4波長板15を1/4波長板保持枠22ごと対物レンズ保持枠21から取り外して使用することが可能な構成とすることにより、1/4波長板15を取り外して偏光観察を行なうことも可能となる。このように、1/4波長板15を挿脱可能な構成とすることにより、試料2の種類によりハレーションがおきる場合などに、1/4波長板15を取り外して偏光観察を行なうことが可能となり、簡易にハレーションを抑制した画像観察を行なうことができる。
【0026】
一方、落射投光管5における観察光軸L2上の上方には、結像レンズ16が内蔵された鏡筒17が設けられている。この鏡筒17の上部には、接眼レンズ18が備えられている。1/4波長板15、対物レンズ13、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12、結像レンズ16から観察光学系20は構成され、観察光学系20と接眼レンズ18とを用いて試料2の結像が観察される。観察光軸L2上に、観察光学系20を構成する各光学素子は配置される。
【0027】
ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12は、光源7から出射され、照明レンズ8、開口絞り10、視野絞り11、および照明レンズ9を透過した光を直線偏光として反射し、対物レンズ13を通過した直線偏光を1/4波長板15が円偏光に変換後、該光は試料2に照射される。照射された光は、試料2で反射した後、1/4波長板15、対物レンズ13、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12を透過して、結像レンズ16により結像され、接眼レンズ18により結像を観察する。
【0028】
光源7から出射され、同軸落射照明系19を通過してワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12により観察光軸L2方向に反射された光は対物レンズ13を通過するが、対物レンズ13の曲率が緩い場合に、対物レンズ13面で一部の光が反射される。対物レンズ13面で反射された光のうち、観察光軸L2方向に反射された光はワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12に入射するが、S偏光のままであるためワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12で反射されて、観察光軸L2上の結像レンズ16には入射しない。したがって、対物レンズ内のフレア発生を抑制することが可能となる。また、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12は、一般に使用されるハーフミラーに比べて、光量減衰を低く抑えることが可能であるため、光源光量を大きくすることなく明るさを確保することができる。さらに、低倍率観察時の照野を満足させる大きな光束径の光源7を使用した場合でも、装置をコンパクトにできるという効果を奏する。
【0029】
(実施の形態2)
実施の形態2は、同軸落射照明系19A内に、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12が反射する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第2偏光素子を配置し、観察光学系20A内に、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12が透過する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第3偏光素子を配置することにより、試料観察に使用する光の偏光特性を向上して、より一層のフレア除去を可能とする。
【0030】
図4は、実施の形態2にかかる顕微鏡200の概略構成を示す右側面図である。実施の形態2にかかる顕微鏡200は、同軸落射照明系19A内の照明レンズ9とワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12との間に第2偏光素子としてのポラライザ27が配置され、観察光学系20A内の結像レンズ16とワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12との間に第3偏光素子としてのアナライザ28が配置される。
【0031】
ポラライザ27は、光源7から射出された照明光からワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12が反射する直線偏光の振動方向と同方向の振動方向である直線偏光(S偏光)を抽出するように配置され、アナライザ28は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12が透過する直線偏光の振動方向と同方向の振動方向である直線偏光(P偏光)を抽出するように配置されることにより、消光比を高め、試料2の結像観察に使用する光の偏光特性を向上させ、より一層のフレア除去が可能となる。
【0032】
なお、実施の形態2では、ポラライザ27とアナライザ28とを両方設置しているが、いずれか一方を設置するだけでも、試料観察に使用する光の偏光特性の向上は可能である。
【0033】
(実施の形態3)
実施の形態3は、結像レンズ16とワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12との間に、ズーム鏡筒29を配置するものであり、ズーム鏡筒29と対物レンズ13との間に同軸落射照明系19Aが配置されることにより、ズームレンズ内の光線高が抑えられ、コンパクトなズームレンズであっても必要な視野を確保することが可能となる。さらに、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12の使用によりフレア発生を防止するだけでなく、照明装置部の大型化を伴うことなくズーム範囲内すべての照野を満足しうる。
【0034】
図5は、実施の形態3にかかる顕微鏡300の概略構成を示す右側面図である。実施の形態3にかかる顕微鏡300は、同軸落射照明系19Aが内蔵される落射投光管5と結像レンズ16が内蔵された鏡筒17との間に、図示しない変倍光学系を内蔵するズーム鏡筒29が配置される。
【0035】
ズーム鏡筒29は、複数のズームレンズから構成される変倍光学系(図示しない)とズームハンドル30とを備え、ズームハンドル30の回転によりズーム変倍動作されることでズーム変倍観察を可能とする。
【0036】
ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12は、光源7から出射され、照明レンズ8、開口絞り10、視野絞り11、照明レンズ9、およびポラライザ27を透過した光を直線偏光として反射し、対物レンズ13を通過した直線偏光を1/4波長板15が円偏光に変換後、該光は試料2に照射される。照射された光は、試料2で反射した後、再び1/4波長板15、対物レンズ13、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12、およびアナライザ28を透過して、変倍光学系に入射された後、結像レンズ16により結像される。
【0037】
実施の形態3にかかる顕微鏡300は、ズーム鏡筒29と対物レンズ13との間に同軸落射光学系19Aを配置することにより、ズームレンズ内の光線高が抑えられ、コンアパクトなズームレンズであっても広視野かつ明るい観察画像を得ることができるものである。また、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12や、ポラライザ27、アナライザ28の配置により、照射光の偏光特性を向上するとともに、光量減衰を抑制し、対物レンズ13面での反射光の結像レンズ16への入射を防止して、フレアを効果的に防止できる。
【0038】
(実施の形態4)
実施の形態4にかかる顕微鏡400は、消光比の異なるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12(12A、12B)の観察光軸L2上への配置を切り替える光学素子切替装置31を備える。光学素子切替装置31により、消光比の異なるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12(12A、12B)を切り替え配置することにより、ハレーション除去の程度を変更した画像観察を行なうことが可能となる。
【0039】
図6は、実施の形態4の顕微鏡400の概略構成を示す右側面図である。図6に示すように、実施の形態4にかかる顕微鏡400は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12の観察光軸L2上への配置を切り替える光学素子切替装置31を備える。
【0040】
図7は、光学素子切替装置31の水平断面図である。保持部材35は、消光比の高いワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12Aと、それよりも消光比の低いワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12Bを保持し、保持部材35には落射投光管5外から保持部材35を移動させるための操作つまみ32が取り付けられる。保持部材35はガイド34に摺動可能に係合され、操作つまみ32によりY軸方向に往復直動される。
【0041】
操作つまみ32により保持部材35を図7に示す矢印方向に移動させると、ガイド34の端部に設置される規制ピン33に保持部材35の端部が接した状態で移動が制限され、例えば、不図示のクリック機構などによって係止される。ガイド34の両端部に設置される規制ピン33は、保持部材35の移動範囲を制限するために設けられ、これによって消光比の異なるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12Aと、12Bとを観察光軸L2上に位置決めを行なう。
【0042】
試料2からの反射光の輝度差が大きい場合は、消光比の高いワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12Aを観察光軸L2上に配置することにより、ハレーションを抑制した画像観察が可能となり、試料2からの反射光量が少ない場合は、消光比の低いワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ12Bを観察光軸L2上に配置することにより、光量を確保した画像観察が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明にかかる顕微鏡は、フレア発生を防止しうる顕微鏡に有用であり、特に、変倍光学系を備え、同軸落射照明系で照明する顕微鏡に適している。
【符号の説明】
【0044】
1 顕微鏡本体
2 試料
3 ステージ
4 焦準ハンドル
5 落射投光管
6 光源ユニット
7 光源
8、9 照明レンズ
10 開口絞り
11 視野絞り
12、12A、12B ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタ
13 対物レンズ
14 レボルバ
15 1/4波長板
16 結像レンズ
17 鏡筒
18 接眼レンズ
19、19A、19B 同軸落射照明系
20、20A 観察光学系
21 対物レンズ保持枠
22 1/4波長板保持枠
23 固定つまみ
24 係合部
25 回転規制ピン
26 溝
27 ポラライザ
28 アナライザ
29 ズーム鏡筒
30 ズームハンドル
31 光学素子切替装置
32 操作つまみ
33 規制ピン
34 ガイド
35 保持部材
L1 落射照明光軸
L2 観察光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を対物レンズにより試料に照射する同軸落射照明系と、前記対物レンズを介して入射された反射光の結像を観察する観察光学系と、を有する顕微鏡であって、
前記光源から射出された光を観察光軸方向に反射して前記対物レンズに入射させるとともに、前記試料からの反射光を透過して結像レンズに入射させるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタと、
前記対物レンズと前記試料との間に配置される1/4波長板と、
を備えることを特徴とする顕微鏡。
【請求項2】
前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタが反射する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第2偏光素子を、前記同軸落射照明系内に配置することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項3】
前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタが透過する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第3偏光素子を、前記観察光学系内に配置することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項4】
前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタが反射する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第2偏光素子を、前記同軸落射照明系内に配置し、前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタが透過する直線偏光の振動方向と同方向の偏光を生ずる第3偏光素子を、前記観察光学系内に配置することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項5】
前記観察光学系は変倍光学系を有し、前記同軸落射照明系を前記変倍光学系と前記対物レンズとの間に配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の顕微鏡。
【請求項6】
前記1/4波長板は挿脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項7】
消光比の異なる少なくとも2以上のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタをそれぞれ保持し、前記2以上のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッタを観察光軸上に挿脱する光学素子切替手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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