説明

食料及び飲料品質センサ

食料品の品質を検知するための方法及び装置は、汚染物質に対し固有の感度を有し且つそれに応じて特性が変化する検出物質を包含する。当該検出物質に調節剤を作用させると、検出物質の感度が変化し、それによって、検出物質を汚染物質に曝す際に、変化した検出感度に対応するレベルに応答して特性変化を生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、食料品及び飲料品の品質センサに関し、より詳細には、比色検出、電位差検出若しくは抵抗検出物質を用いて食料品や飲料品の品質を監視(モニタ)するための方法並びに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生鮮食料品の品質を監視することは、一連の食料品の製造、貯蔵、販売及び消費の全体にわたって、欠くことのできないタスクである。多くの食料製品は、不適切な取り扱い若しくは単なる経時劣化に起因して腐敗する。もしミルクや食肉のような生鮮食料品を例えば輸送時に過度の温度に曝すならば、それは普段より早く劣化し傷むことになり、腐敗は避けられない。今日では、食料品販売者は、典型的に、製品に消費期限を付しているが、これらの日付は実質的に概算日を表すものである。即ち、それらは、既知の劣化プロファイルに対応する平均的な(若しくは理想的な)「熱履歴(heat history)」を想定している。その場を除いては、食料品販売者は、一般的に、製品の品質を継続して監視することはない。
【0003】
傷んだ食料品は、病気によるリスクを課すばかりでなく、食料品店にとっては減収をまねき、消費者にとっては対価の無駄となる。食料品の品質を監視するための多くの装置は、劣化指示剤として有害な物質を用いていたり、食料品用に「調整」されていない一般的な指示剤を用いているため、迅速で簡便で効果的な診断をもたらすものではない。例えば、劣化の化学的指示剤はある種の食品に元々存在しており、ある食品においては劣化を指示するレベルでも、他の食品においては新鮮であるとなり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、食料品や汚染物質の変動に対し調整することができ、迅速に応答する劣化検出器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、劣化や汚染により化学物質及び/又は細菌が食料品及び飲料品中に存在することを信頼性よく知らせる、低コストで大量生産可能なセンサを提供する。以下用いるとき、用語「食料品」は、食料及び飲料の両方を表す。一実施形態では、センサの検出物質の感度は、汚染物質濃度閾値を表す、特性変化の起こるポイントに調整される。それによって、当該センサでは、これらのパラメータに応じて感度を調整し得るため、種々の食料製品並びに汚染物質についての特異性が高まる。
【0006】
このように調整することによって、調査者は、検出物質が特性変化を呈するのに長い時間待つ必要がなくなるため、より速くより信頼性の高い検出が可能となる。迅速な応答が確認されない場合には、その食料品は適切な品質を有するとみなされる。また、このように調整することによって、より速い検出が可能となるため、調査者はより短い時間の間により多くの食料品を調査することができる。検出物質は、未劣化の食料品が有害な化学物質や染料によって汚染される可能性を排除する天然且つ/又は食用の物質とし得る。
【0007】
従って一態様において、本発明は、汚染物質への露出に応答して特性の変化する検出物質を含むセンサを提供する。検出物質は、汚染物質に対し固有の感度を有し、それに従って特性が変化する。センサはまた、検出物質が本来備える感度とは異なる変更感度を呈するようになるのに十分な量にて調節剤を含む。一実施形態では、変更感度は、本来の感度よりも高い。あるいはまた、変更感度は、本来の感度よりも低い場合がある。幾つかの実施形態では、検出物質として、ビートやキャベツの抽出物が挙げられる。調節剤は、塩基(例えば、水酸化物、炭酸水素塩、リシン、アルギニン、及びヒスチジン)とし得る。
【0008】
種々の実施形態において、変化する特性は、色あるいは電気的特性(例えば、電位差や抵抗)である。幾つかの実施形態では、検出物質は、マトリックス(例えば、濾紙)内部に配置される。検出物質は、検査する食料品の種類によって決められる検出閾値を有し、例えば、用いる調節剤の量は、検出する食料品及び/又は汚染物質の性質によって決めることができる。一実施形態では、変更感度は、ユーザが選択可能な検出閾値に対応する。
【0009】
センサの一実施形態では、検出物質は、当該検出物質が曝される食料品の腐敗速度に応じて変化する抵抗特性を有し、当該センサはまた、食料品の新鮮さに応じて変化する電位差特性を有する第2の検出物質を含む。代替的な一実施形態では、検出物質は、当該検出物質が曝される食料品の汚染レベルに応じて変化する抵抗特性を有し、センサはまた、食料品の腐敗速度に応じて変化する電位差特性を有する第2の検出物質を含む。他の実施形態では、本発明による検出器は、食料品が新鮮か傷んでいるかという二段階表示ではなく、新鮮さの度合を表示するために、各々が異なる検出閾値を有する一連の差異をもって調整された染料を含む。
【0010】
他の態様では、本発明は、汚染物質を検知する方法を提供する。当該方法は、媒体内に配置された検出物質を設けることを包含する。当該検出物質は、汚染物質に対し固有の感度を有し、また、この固有の感度に従って汚染物質に応答して変化する特性を有する。検出物質に調節剤を作用させると、検出物質の感度は変化する。検出物質を汚染物質に露出させると、変化した検出感度に応じて、汚染物質濃度に従って特性が変化する。一実施形態では、調節剤は、露出により引き起こされる特性変化の開始ポイントにそれが近づくようにすることで、検出物質の感度を高める。幾つかの実施形態では、調節剤は検出物質の感度を低下させるが、他の実施形態では、それは感度を高める。
【0011】
さらに他の態様では、本発明は、汚染物質への露出に応答して特性が変化する検出物質を含むセンサを提供する。当該検出物質は、汚染物質に対し固有の感度を有し、特性変化はそれに応じて決定される。センサはまた、汚染物質の濃度を表す検出物質の応答並びにユーザが選択し得る発報閾値に応じて食料品の状態を知らせるディスプレイを備える。種々の実施形態において、ユーザが選択し得る発報閾値は、検査する食料品の種類、汚染物質、又は自己の許容レベルによって決められる。
【0012】
さらに他の態様では、本発明は、食料品の状態を検知する方法を提供する。当該方法は、汚染物質に対し固有の感度を有し且つその固有の感度に従って汚染物質に応答し変化する特性を有する検出物質を設けることを包含する。当該検出物を汚染物質に露出させることによって、汚染物質への露出に応答して特性が変化し、その特性変化並びにユーザが選択可能な発報閾値に応じて食料品の状態が報告される。
【0013】
本発明の他の態様及び利点は、本発明の原理を例示目的で示している以下の図面、詳細な説明、特許請求の範囲から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上述の本発明の利点並びに他の利点は、添付の図面と共に、以下の説明を参照することによって、より良く理解され得る。図面においては、異なる図にわたって、同じ部品を類似の符号で表している。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を図解する際は、概して強調されている。
【0015】
図1に関して、本発明によるセンサ100は、汚染物質108に対し固有の感度を有する検出物質104を含み、当該検出物質が閾値濃度の汚染物質108に曝されると検出物質の特性変化が生じる。この本来の感度を変更させるべく、即ち、汚染物質108に対する検出物質104の感度を高くするか又は低くすべく、検出物質104は、調節剤112に曝されている。
【0016】
例えば、本来の感度を高めるためには、特性変化の起こるポイントに検出物質を近づけるようにするのに十分な量の調節剤112に検出物質104を曝す(例えば、滴定により)ことができる。こうすると、たとえ低濃度の汚染物質108であっても、検出物質104の特性変化を生じさせ、それによって汚染物質108の存在を示すであろう。あるいはまた、調節剤は、例えば、特性変化が生じないように検出物質104に競争結合したり、又は汚染物質108の一部を隔離若しくは不活性化させることによって、本来の感度を低下させることもできる。後述の方法を用いて感度を低下させることによって、食料品が腐敗していない場合に色が変化しないようにセンサを最適化することができる。
【0017】
センサは、ミルク、水、ワイン、牛肉、鶏肉、シーフード、穀物並びに他の生鮮食料品中の汚染物質を検出するために用いることができる。汚染物質は、傷んだ製品であり得る。また、汚染物質は、アミン、即ち、1つ以上のNH2基を有する化合物(例えば、アミン、ジアミン、トリアミン、芳香族アミン、ヘテロ環アミン、又は脂肪族アミン)とし得る。例えば、蛋白質はアミノ酸から生成されるが、蛋白質が細菌によって分解される際には、アミノ酸に関連するアミンへと転化される。アミノ酸アルギニンはプトレシンへと、リシンはカダベリンへと、ヒスチジンはヒスタミンへと転化される。プトレシン、カダベリン及びヒスタミンは、食肉やシーフードなどの腐敗した蛋白質の臭気の原因であり、これらのアミンの濃度は細菌分解の程度を反映している。従って、腐敗を知らせるためには、アミン化合物に敏感な検出器を用いることができる。
【0018】
センサは、ミルクボトル、ボトルキャップ、ワイン栓、プラスチックラップ、発泡スチロール、プラスチックバッグ、紙バッグ、厚紙、あるいは他の食料品用包装の内部に組み込むことができる。代替的な一実施形態では、センサを含むカートリッジを、陳列棚、引き出し、あるいは冷蔵庫の内部に配置する。センサの特定の実施形態については、より詳細に以下に説明する。
【0019】
汚染物質への露出に応答して変化する特性は、色特性、電位差特性、あるいは抵抗特性とし得る。限定はしないが、検出物質としては、ビート、キャベツ、赤ワイン、ブドウ、茶、ブルーベリー、ストロベリー、及びクランベリー中に存在するもののような、天然の酸−塩基表示剤が挙げられる。検出物質として用い得る他の適切な酸−塩基表示剤には、限定はしないが、クリスタルバイオレット、クレゾールレッド、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、エリオクロムブラック、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、及びモルダントオレンジ(mordant orange)が挙げられる。他の適切な検出物質には、ステアリン酸、アミンイオノフォア、ポリマー指示剤、並びに直鎖若しくは分岐鎖C32H66などの炭化水素が含まれる。アミンの存在に応答して色の変化を示す好ましい検出物質は、ビート抽出物若しくはビート抽出液である。より一般的には、検出物質はベタレイン又はベタレイン誘導体とし得る。本発明と共に用いるのに好適なベタレインは、レッド−バイオレットベータシアニンであり、有用な化合物には、ベタニジン、ベタニン、及びそれらの誘導体(例えば、ベタニンのエステル)が含まれる。
【0020】
適切な酸−塩基調節剤としては、限定はしないが、炭酸水素塩及びその塩、炭酸塩及びその塩、水酸化物(例えば、NaOH、KOH、及びLiOH)、アンモニア及びアンモニウム塩、生体アミン及びその塩、アミン及びその塩、アミノ酸及びその塩、カルボン酸及びその塩、リン酸及びその塩、硫酸及びその塩、及びホウ酸及びその塩が挙げられる。好ましくは、調節剤は塩基(例えば、水酸化物、炭酸水素塩、リシン、アルギニン、ヒスチジン、及びトリエタノールアミン)である。好ましくは、当該塩基は、炭酸水素塩である。
【0021】
比色センサの感度は、補助色素(co-pigment)の使用、濃度、組み合わせる指示剤、表面積、及び照明によって変化し得る。抵抗センサに関しては、指示剤に対する導電体修飾割合、抵抗の開始値、表面積、寸法、導電体の選択、並びに指示剤の選択によって感度が変化し得る。
【0022】
センサの一実施形態では、検出物質は、マトリックス、例えば、濾紙やポリマーマトリックスのような物理的マトリックス、の内部に配置又は隔離される。調節剤もまた、検出物質と共に配置することができる。マトリックスは、疎水性とし得る。疎水性マトリックスは、検出物質及び/又は調節剤などの、マトリックス内部に配置された物質に水が到達するのを防止する一方で、汚染物質がその中を通り検出物質と相互作用することを可能とする。その結果、疎水特性は、検出物質の有効寿命を維持する。種々の実施形態において、検出物質と調節剤との組み合わせは、チーズクロースなどの布、紙、若しくはプラスチック面に適用される。あるいはまた、検出物質と調節剤との組み合わせは、ゲル又はゼラチンの内部に配置することができる。
【0023】
上述の実施形態では、検出物質は、調節剤への露出の前に、マトリックス、ゲル、布、紙あるいは表面にまず配置/適用することができる。幾つかの実施形態では、検出物質と調節剤とをまず混合して、次いで配置若しくは適用する。
【0024】
その活性がpHの影響を受けるような検出物質の感度を変化させるには、まず、特定の検出物質に関して変色の起こるpHを決定する。次いで、新しい溶液を調節剤で滴定して、変色が起こるのに必要なpHよりも僅かに低い(例えば、塩基性の汚染物質用)又は高い(例えば、酸性の汚染物質用)pHを有する、調整された検出物質溶液を形成する。次いで、調整された溶液にマトリックスを浸し、そして乾燥させる。調整されたセンサは少量の汚染物質にも敏感であり、それによって、露出の際、未調整のセンサの応答時間スケールよりも短い時間スケールにて変色が起きる。アミン系の汚染物質とベタレインとの検出化学反応に関しては、炭酸水素塩が適切な調節剤であることを確認している。
【0025】
図2に示す滴定曲線を参照すると、ビート抽出物(主にベタニン)を主成分とする例示的な調整済みセンサは、約6.5の開始pH(116にて示す)を有し、これはpH約4.6(120にて示す)から調整されたものである。図2においては、例示的な調節剤は、1,5-ジアミノペンタン溶液である。従って、より少ない汚染物質にて色の変化が起こり、それは6.5より高いpHにて起こり、視認できるか又は色濃度計あるいはスペクトル計を用いることで確認できる。図2においては、2つのpH値116、120の差は、検出物質の変更感度を表す。ビート抽出物の変色の開始ポイントにより近い、6.5よりも高い開始pHを用いることもできる。
【0026】
その感度が図2に示されている溶液を通常の濾紙上に固定化された状態として調製するために、変色を起こすのに必要な塩基の量を反応の化学量論に基づいて算出し、そして算出した調節剤量よりも僅かに少ない調節剤水溶液を調製する。濾紙を調節剤水溶液に浸し、そして乾燥させる。次いで、濾紙を非水性の検出物質溶液に浸す。これにより、濾紙は、低濃度のアミンの検出に向くように調整される。代替的な実施形態では、最初の溶液を非水性とし、次の溶液を水性とすることができる。
【0027】
他の実施形態では、指示剤及び調節剤の溶液を同じ溶媒を用いて調製し、変色が起こる手前のpHに調整する。次いで、濾紙をその溶液に浸し、低濃度の汚染物質を検出するのに用いる。
【0028】
濾紙上に固定化するための溶液を調整するにあたり、変色を起こすのに必要とされるよりも僅かに低い調節剤量を有するように、検出物質溶液自体を滴定する。濾紙は、Whatman, Inc.社(ニュージャージー州クリフトン)から入手可能なPhase Separation (PS)濾紙とし得る。調整された溶液にPS濾紙を浸し、乾燥させて、生体アミンの比色検出器として用いる。本発明による検出器は、異なる検出閾値をそれぞれ有する差異をもって調整された染料に対応した一連の領域群を含んで成る一続きの濾紙とし得る。これによって、影響を受けた染料領域と影響を受けていない染料領域との間のコントラストが明らかとなるため、汚染物質濃度に関するより顕著な可視表示がもたらされる。また、この方法を用いることで、食料品が新鮮か傷んでいるかといった二段階表示ではなく、新鮮さの度合を表示することができる。
【0029】
例えば、調整されていないビート抽出物のpHは約4.6である。ビート抽出物の含浸された濾紙を1,5-ジアミノペンタン(カダベリン)の飽和空間に露出させる場合には、変色が生じるのに約4日かかる。一方、ビート抽出物のpHを約7.00〜8.02に調整することによって、約15秒程度での迅速な変色が確認される。また、ビート抽出物(又は、ベタニンのようなそれらの構成成分)などの天然物質又は食用物質を用いることによって、検出物質による食料品の腐敗若しくは汚染の可能性が排除される。
【0030】
検出物質及び調節剤を適切に選択することによって、検査する食料品の種類に依存する検出閾値に対応した変更感度を有するセンサを形成することができる。例えば、検出予定の汚染物質及び/又は食料品の特性(例えば、新鮮なシーフードには幾つかのアミンが元々存在する)に応じて、種々の検出物質あるいは種々の量の調節剤を用いることができる。これによって、対象とする汚染物質の迅速且つ有効な検出が可能となる。さらに、センサの変更感度は、ユーザが選択可能な検出閾値に応じて選択することができ、これによって、ユーザは、特定の汚染物質あるいは食料製品の新鮮さの状態に関する個人の許容レベルへと感度を調節することが可能となる。
【0031】
例えば、FDAのガイドラインによれば、ヒスタミンが50ppmより多く含まれる魚は腐敗しているとみなされる。従って、個人の許容範囲に応じて、例えば、30ppm、40ppm又は50ppmの検出閾値を設定することができる。汚染物質の検出は、この閾値濃度にて起こる。対照的に、エビは、プトレシン又はカダベリンが3ppm含まれると腐敗しているとみなされる。よって、これらの汚染物質を検出するには、異なる検出物質と調節剤との組み合わせを選択することができる。その物質と剤との組み合わせは、汚染物質、食料品、又は汚染物質の許容濃度に左右され得る。
【0032】
化学的な検出物質に代わるものにはイオン選択性電極があり、それを用いることで、電位差特性に基づいて汚染物質を検出することができる。適切なイオン選択性電極は、例えば、2003年3月13日付けの同一出願人による米国特許出願第10/388,198号に記載の材料及び技術を用いて製造することができ、参照することでその全てをここに取り入れることとする。簡単に言えば、対象とする汚染物質が存在する場合に或る電位が起こるように一対の電極を設計する。カソードは、半透過性のイオノフォアでコーティングすることによって、汚染物質に特異的となっている。アノード、即ち参照電極、は、イオンに特異的でないイオノフォアでコーティングされる。
【0033】
本発明のイオン選択性電極は、pH(即ち、H+)、Na+、K+、Li+、Ag+、Ca2+、Cd2+、Ba2+、Mg2+、Cu2+、Pb2+、Hg2+、Cu2+、Fe3+、アンモニウムイオン(NH4+)、Cl-、Br-、I-、F-、CN-、OCl-、過塩素酸イオン(ClO4-)、チオシアンイオン(SCN-)、硫化物(S-)、硝酸塩(NO3-)、亜硝酸塩(NO2-)、硫酸塩(SO3-)、炭酸塩(CO3-)、炭酸水素塩(HCO3-)、及び/又はS2O32-を検出するように選択することができる。アミン検出の場合、Sigma-Aldrich Co.社(ミズーリ州セントルイス)から入手可能な、カリックス[6]アレーン−六酢酸ヘキサエチルエステルなどのイオノフォアが好ましい。イオン選択性電極を利用することで、例えば、電流測定、電位測定、クーロン測定、導電率測定及び/又はAC分析技術などの当業者に周知の技術によって、イオンを検出することができる。
【0034】
他の手法では、抵抗特性を有する検出物質を含むセンサが利用される。例えば、当該検出物質には、インプリントポリマー、又は導電性物質を含む有機コーティングを用いることができる。一実施形態では、カーボンブラックポリマー抵抗器、即ち、カーボンブラックがインプリントされたポリマー、が用いられる。(Lonergranらによる、"Array-Based Vapor Sensing Using Chemically Sensitive, Carbon Black-Polymer Resistors", Chemistry of Materials 8: 2298-2312 (1996)を参照。参照することでその開示内容の全てをここに取り入れることとする。)
あるいはまた、カーボン及び上述のもののような検出物質から成る薄膜を、絶縁基材に取り付けられた2つの金属導線を横断するように配置して、抵抗器を形成する。適切な絶縁性基材としては、限定はしないが、セラミック及びプラスチック基材が挙げられる。蒸気への露出に起因して検出物質が膨潤すると、検出物質の膨潤に伴って導線に接続されているカーボンが分離するために、当該抵抗器の抵抗の増大が生じる。即ち、抵抗の変化は、膨潤を引き起こす蒸気が存在することを表す。
【0035】
従って、本発明に従って形成されたセンサは、食料品が傷んでいることを示す汚染物質に応答するように選択される。一実施形態では、抵抗特性を有する、上述の天然の酸−塩基指示剤及び適切な酸−塩基指示剤を含む検出物質がセンサにインプリントされる。上述のもののようなイオノフォアも用いることができる。酸−塩基指示剤の一形態では、抵抗センサは、線量計として機能する。
【0036】
一実施形態では、導電体及び検出物質を含む溶液を、電気導線を備えた基材上に配置する。例えば、カーボン粉末25mgをステアリン酸75mgと組み合わせ、そしてテトラヒドロフラン(THF)20ml中に溶解及び/又は懸濁させることができる。当該溶液を、例えばエーロゾルとして、電気導線を備えたセラミック基材の上に噴霧する。あるいはまた、当該溶液を、一群の基材アレイ若しくは大きい基材上に注ぎ、次いで個々の基材へと分割することができる。THFが蒸発すると、電気導線を横切る導電体及び検出物質から成る薄膜が残る。金、銀及び銅をはじめとする他の材料も導電体として用いることができる。典型的に、薄膜は、汚染物質への露出以前に、約100kΩの抵抗を有する。
【0037】
図3は、本発明によるセンサ100’を備える検出装置124を表す。検出装置124はまた、電源128、電子回路132、及びディスプレイ136も備える。センサ100’、又はその一構成要素、は、使い捨てにしたり再利用したりすることができ、検出装置124自体も同様に使い捨てにしたりすることができる。例示的な検出装置124を以下により詳細に説明する。
【0038】
センサ100’は、アミンイオノフォアのような電位差特性を有する検出物質、又はビート抽出物と組み合わせたカーボンブラックのような抵抗特性を有する検出物質を含むことができる。代替的な実施形態では、検出装置若しくはセンサは、複数の検出物質を含む。例えば、センサ100’は、抵抗特性を有する第1の検出物質と、電位差特性を有する第2の検出物質とを含むことができる。抵抗センサは、出力が食料品の腐敗速度に比例するように、汚染物質の堆積に対し積分的な応答性を有することができる。他の実施形態では、検出物質は、当該検出物質が露出されることになる食料品中の汚染物質濃度に応じて変化する抵抗特性を有し、第2の検出物質は、食料品の腐敗速度に応じて変化する電位差特性を有する。この過剰構成を用いる手法では、リスクが軽減されるばかりでなく、食料品が既に腐敗していない場合において、それがいつ腐敗しそうであるかを調査者は予測することが可能になる。
【0039】
複数の検出物質を含む検出装置若しくはセンサの一実施形態では、各検出物質からの各入力信号は、処理に先立ち、ディジタル信号へと変換される。例えば、食肉に関して、腐敗若しくは汚染されているとの閾値がアミン50ppmであり、テスト結果が40ppmである場合、ディスプレイは、その食肉がまだ良好であると出力する。その情報が、食肉が1日当たり10ppmの速度にてアミンを生成していることを示す測定値と組み合わされる場合には、ディスプレイは、その食肉が腐敗するまでにまだ1日ある旨を出力する。
【0040】
上述のように、検出物質の感度は滴定により変更することができ、それによって、対象とする汚染物質により敏感とすることができる。検出物質の感度範囲を制御することもできる。腐敗を示す汚染物質の量は食料品の間でも異なるため、感度範囲を変更することによって、食料品及び汚染物質に対してセンサを効率よく校正することができる。
【0041】
電源128は、バッテリー(例えば、アルカリ、リチウムイオン、充電型、又は印刷ペーパー)とし得る。バッテリーは可撓性であり、検出器の包装の形状に適合するのが理想的である。1つの適切な印刷ペーパーバッテリーは、Power Paper Ltd.社(イスラエル国テルアビブ)が製造している。Power Paper製のバッテリーにおいて利用される化学作用は、亜鉛と二酸化マンガンの化合である。当該バッテリーは、紙や可撓性プラスチックをはじめとするほとんどの面にシルクスクリーン技術を利用して印刷することができる。1平方インチにて印刷されたバッテリーは、15mAhにて1.5Vをもたらし、厚さは約0.5mmであり、最高約2年半の保存寿命を有する。
【0042】
電子回路132は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)のように、回路基盤上に形成することができる。電子回路132により実施される機能としては、信号の増幅、検出装置の校正、及び決定プロセスのためのロジックシステムの提供が挙げられる。例示的な電子回路システムには、設定した感度レベル(変更済み又は未変更の)にて一種のセンサ(例えば、抵抗センサ又は電位センサ)を読み取ることが可能なCMOSチップが含まれる。代替的な一実施形態では、CMOSチップは、調査者によって制御することのできる可変感度を有することができる。当該チップはまた、複数のセンサに接続することもできる。例示的な電子回路を以下にさらに詳細に説明する。
【0043】
センサ100’は、別個の微細加工プロセス(即ち、イオンセンサカートリッジのためのものと電気回路のためのもの)を用いるのではなく、CMOS技術を用いた電子回路132と同じマイクロチップ上に微細加工により製造することができる。これによって、センサと電子回路との間の接続を短縮したり省略できるため、コストが低下するばかりでなく、チップ「占有地」を抑えることができる。
【0044】
ディスプレイ136は、センサの検出物質の応答に応じて食料品の状態を知らせることによって、電子回路132の判断を調査者に提示する。ディスプレイ136は、ユーザが選択可能な発報閾値に応じて、食料品の状態を知らせることができる。例えば、閾値レベルは、検査する食料品の種類、対象とする汚染物質、又は個人の許容レベルによって決めることができる。検出装置124は、食料品の腐敗が知らされることになる閾値レベルをユーザが選択することを可能とするスイッチ(図示せず)を備えることができる。
【0045】
種々の実施形態において、ディスプレイは、報告されることになる食料品情報の種類をユーザが選択することを可能とするスイッチに接続されている。例えば、食料品の新鮮さに関する状態、食料品が腐敗する速度、汚染物質の濃度、及び/又は食料品の保存寿命の予想残り時間が適切な選択肢である。
【0046】
ディスプレイ136は、検出物質に関連して色が変化する程度の簡単なものでよく、又は他の実施形態では、印刷可能な電気発色性のインクあるいはディジタルディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)によりもたらすことができる。ディスプレイ136は、上述の電子回路136により駆動される複数の指示器を含むことができる。指示器の電力要件は、バッテリーの容量並びに制御電子回路132の操作電力以内であることが望ましい。ディスプレイ136は、可撓性であり、耐久性であり、そして廉価であることが好ましい。
【0047】
適切な電気発色性インクは、Ntera Ltd.社(アイルランド国ダブリン)から入手可能な、NANOCHROMICSディスプレイである。当該ディスプレイは、電位に応じて色が変化する。電気発色性インクの粒径は約5nm〜約20nmであるため、それらは、在来のインクジェットプリンタを用いて印刷することができる。当該ディスプレイは、0.1秒で状態変化し得る。当該インクは、オフ状態では透明若しくは白色の何れかであり、1.2V印加されると、具体的インクに応じて、青色、緑色、若しくは黒色に変化する。当該ディスプレイは、反対電位が適用されるまではその状態を維持する。この種のインクはプラスチックや紙の上に印刷することができるため、可撓性であり適合性がある。状態を変化させるには、ディスプレイ1平方センチメートル当たり、3mCの電荷が必要とされる。当該ディスプレイは、腐敗が確認された際にトリガーシグナルを発するディジタル電子回路により制御することができ、又は検出器からのアナログ信号を処理(例えば、増幅)することによって、腐敗に相当する検出器出力によって電気発色変化が生じ、このレベル未満の出力ではそれが生じないようにすることができる。
【0048】
図4A及び4Bを参照すると、例示的実施形態の検出装置124’は、センサ100’、印刷バッテリー電源128、及び電気発色性インクディスプレイ136を包囲する透明若しくは半透明の包囲材料の底部140及び上部140’を含む。ディスプレイ136は、ディスプレイ136の上部表面に3つの表示器部144を備え、それらは、例えば、良好、可、腐敗という結果を表示する。ディスプレイ136の表示器144は、包囲材料の上部140’を介して視認できることが好ましい。図5は、ボトル(例えば、ミルクのボトル)用のキャップ148としてパッケージ化された検出装置124’の例示的な一実施形態を示す。
【0049】
図6は、コード160によって本体156にプローブ152が接続されている、手持ち式の検出装置124’’を示す。検出物質の電位特性又は抵抗特性を利用するセンサ100’は、プローブ152の中に収容されている。電源128及び電子回路132(図示せず)は、検出装置124’’の本体156内部に収容されている。検出装置124’’はまた、スイッチ162に接続されたディジタルディスプレイ136’を備える。一実施形態では、スイッチ162は、上述のようにユーザが選択可能な発報閾値を設定するのに用いられる。検出装置124’’はまた、押すと測定が始まるリセットボタン163を備える。
【0050】
ディジタルディスプレイは、例えば、汚染物質濃度を、1〜100のスケールにて表示することができる。この読み取りはまた、上述のように、食料品の新鮮さ若しくは腐敗の尺度ともし得る。読み取りを実施するには、ベースライン値を決定し、ディスプレイに括弧書きで表示する。定期的に、検出物質の抵抗又は電位を測定し表示する。抵抗又は電位が所定の検出閾値(検出物質の本来の感度又は変更された感度に対応させ得る)を超えた場合には、食料品が腐敗していること又は汚染物質が存在することをディスプレイが表示する。例えば、ディスプレイは、腐敗していない食料品については「美味しい」と表示し、腐敗に相当する閾値濃度の汚染物質を有する食料品については「まずい」と表示したりすることができ、又は単に数値情報を用いることもできる。他の実施形態では、ディスプレイの選択肢には、一連のLEDやアナログゲージが含まれる。上述のように、検出閾値を固定する必要はなく、それは、検出する汚染物質や監視する食料品により決めることができる。例えば、当該センサは、対象とする食料品(即ち、食肉、魚、鶏肉、ミルク等)にダイアルを合わせることによって、閾値の変更をなすことができる。
【0051】
図7は、本発明によるセンサ100’’を備える比色表示器164の例示的な一実施形態を示している。比色表示器164の外観はカートリッジであり、それは、電源、電子回路及びディスプレイを必要としない。但し、一実施形態では、上述の構成要素を用いて形成することもできる。表示器164は、使い捨て式であり、陳列棚、引き出し、冷蔵庫、バッグ、又は他の容器中の汚染物質を検出するのに用いることができる。
【0052】
センサ100’’は、色特性を有する検出物質104を含む。検出物質104は、上述のように、調節剤112(図示せず)で処理することができる。また、検出物質104は、例えば濾紙のようなマトリックス168内部に配置することができる。汚染物質は、半透膜172を介して検出物質104に到達する。表示器はまた、検出物質104のより容易な観察のために拡大装置176(例えば、図示するようなフレネルレンズ)も備えることができるが、拡大装置を用いることなく形成することもできる。表示器164を構成する要素は、包囲材料180(例えば、止め輪)を用いて互いに固定されている。センサ100’’は、理想的な新鮮さに対応する検出器色から明白な腐敗に対応する色にわたる色目盛りを備える(例えば、その周囲に)ことができる。
【0053】
図8は、検出装置の例示的な電子回路184のフロー図を示す。電位センサを用いる一実施形態については、センサ188は、好ましくはアミンに対し選択性を有するイオン選択性電極であり、参照センサ192は参照電極である。抵抗センサを用いる一実施形態については、センサ188は上述のような抵抗センサであり、電子回路は、ダミーセンサ(参照192)を含むことができる。抵抗センサとダミーセンサは、抵抗の値に関してブリッジ両端に電位が発生するように抵抗ブリッジ(図9参照)として形成することができる。センサ及び参照部からの信号は、ローパスフィルタ196に通され、緩衝200及び/又は増幅することができる。
【0054】
センサ188及び参照192の出力は、アナログディスプレイに表示することができる。あるいはまた、センサ188及び参照192の出力は、アナログ/ディジタル(A/D)変換204によりディジタル信号に変換することができる。種々の実施形態において、抵抗センサの実施形態又は比色センサの実施形態の電子回路は、基準電圧を有することができる。例えば、センサ188はVref+208を用いることができ、参照部192はVref-212を用いることができる。基準電圧は、A/D変換204のステップサイズを変更することによって測定分解能を向上させる。例えば、Vref+及びVref-がそれぞれ0V及び5Vである場合には、10ビットA/Dコンバータのステップサイズは約4.88mVである。基準電圧を約1V〜3Vに変化させると、A/Dステップサイズは約1.95mVに変化する。基準電圧は、フィルタ処理196し、緩衝200することができる。
【0055】
一実施形態では、電子回路には、回路を管理するためのプロセッサ216が含まれる。電子回路は、新たな測定を行う前にプロセッサの電源を遮断することによってベースラインを初期化するところのリセットボタン220を備えることができる。電子回路は、先に詳しく述べたように、閾値選択224のためのボタン又はスイッチを備えることができる。種々の実施形態において、結果を出力するには、LCDや他の類似のディスプレイのようなディスプレイ228が用いられる。
【0056】
抵抗ブリッジ232、並びにその出力信号の代表例を図9に示す。抵抗センサ(Rsensor)はダミーセンサ(Rdummy)と結ばれており、この場合、抵抗センサは食料品に露出されており、ダミーセンサは蒸気から保護されている。囲み枠236は、汚染物質が検出される際に生じる典型的な信号を示しており、一方、囲み枠240は、汚染物質とは隔離されているダミーセンサのベースライン信号を示している。フィルタ処理された信号244をフィルタ処理された信号248から減算することで、周囲環境の影響(例えば、温度や他のバックグラウンドノイズ)を相殺することができる。次いで、示差的な信号252を食料品の分析に用いる。囲み枠256は、初期化後の信号を示している。
【0057】
特定の例示的な実施形態に関して本発明をこれまで具体的に示し説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲により定義されるような形態並びに細部に関する種々の変更を成し得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明によるセンサの例示的な一実施形態のブロック図
【図2】典型的な比色検出物質の滴定曲線
【図3】本発明によるセンサを備える検出装置の例示的な一実施形態のブロック図
【図4A】本発明によるセンサを備える検出装置の例示的な一実施形態の底部からみた図
【図4B】本発明によるセンサを備える検出装置の例示的な一実施形態の上部からみた図
【図5】ボトルキャップとしてパッケージ化された図4記載の検出装置の断面図
【図6】本発明によるセンサを備える例示的な手持ち式の検出装置
【図7】本発明によるセンサを備える比色表示器の断面図
【図8】本発明の検出装置に基づく電子システムの例示的なフロー図
【図9】例示的な抵抗ブリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質への露出に応答して変化する特性を有する検出物質であって、汚染物質に対し固有の感度を有し、それに従って汚染物質に応答して特性が変化する検出物質;及び
前記検出物質が前記固有の感度とは異なる変更感度を示すようにさせるのに十分な量の調節剤、
を含んで成る、センサ。
【請求項2】
前記変更感度が、前記固有の感度よりも高い、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記変更感度が、前記固有の感度よりも低い、請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
前記汚染物質が、アミンを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項5】
前記検出物質が、ビート又はキャベツの抽出物を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項6】
前記調節剤が、塩基を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項7】
前記塩基が、水酸化物、炭酸水素塩、リシン、アルギニン、及びヒスチジンから成る群から選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記特性が、色を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項9】
前記特性が、電気的特性を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項10】
前記電気的特性が、電流、クーロン、抵抗又は電位の特性を含む、請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
前記検出物質が、マトリックスの内部に配置される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項12】
前記変更感度が、検査する食料品の種類によって決まる検出閾値に対応する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項13】
前記変更感度が、ユーザが選択可能な検出閾値に対応する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項14】
用いる前記調節剤の量が、検出される前記汚染物質に依存する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項15】
前記検出物質が、前記検出物質が露出される食料品の腐敗速度に応じて変化する抵抗特性を有し、さらに、食料品の新鮮さに応じて変化する電位特性を有する第2の検出物質を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項16】
前記検出物質が、前記検出物質が露出される食料品中の汚染物質濃度に応じて変化する抵抗特性を有し、さらに、食料品の腐敗速度に応じて変化する電位特性を有する第2の検出物質を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項17】
汚染物質を検知する方法であって:
媒体中に配置された検出物質を設けることであって、前記検出物質が、汚染物質に対し固有の感度を有し且つ前記固有の感度に従って汚染物質に応答して変化する特性を有する、設けること;
前記検出物質に調節剤を作用させて前記検出物質の感度を変更すること;及び
前記検出物質を汚染物質に露出させることであって、それによって、前記変更検出感度に従って前記汚染物質への露出に応答して前記特性が変化する、露出させること、
を包含する、方法。
【請求項18】
前記特性が、色を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記特性が、電気的特性を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記電気的特性が、電流、クーロン、抵抗又は電位の特性を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記調節剤が、露出により起こる特性変化の開始ポイントに前記検出物質を近づけることによって、前記検出物質の感度を高める、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記調節剤が、前記検出物質の感度を低下させる、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記汚染物質が、アミンを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記検出物質が、ビート又はキャベツの抽出物を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記調節剤が、塩基を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記塩基が、水酸化物、炭酸水素塩、リシン、アルギニン、及びヒスチジンから成る群から選択される少なくとも1つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記変更感度が、検査する食料品の種類によって決まる検出閾値に対応する、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記変更感度が、ユーザが選択可能な検出閾値に対応する、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記検出物質が、前記検出物質が露出される食料品の腐敗速度に応じて変化する抵抗特性を有し、さらに、食料品の新鮮さに応じて変化する電位特性を有する第2の検出物質を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記検出物質が、前記検出物質が露出される食料品の腐敗レベルに応じて変化する抵抗特性を有し、さらに、食料品の腐敗速度に応じて変化する電位特性を有する第2の検出物質を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
汚染物質への露出に応答して変化する特性を有する検出物質であって、汚染物質に固有の感度を有し、それに従って汚染物質に応答して特性が変化する検出物質;及び
汚染物質濃度を示す前記検出物質の応答並びにユーザが選択可能な発報閾値に基づいて食料品の状態を知らせるディスプレイ、
を含んで成る、検出装置。
【請求項32】
前記ユーザが選択可能な発報閾値が、検査する食料品の種類によって決まる、請求項31に記載の検出装置。
【請求項33】
前記ユーザが選択可能な発報閾値が、前記汚染物質によって決まる、請求項31に記載の検出装置。
【請求項34】
前記ユーザが選択可能な発報閾値が、個人の許容レベルによって決まる、請求項31に記載の検出装置。
【請求項35】
前記汚染物質が、アミンを含む、請求項31に記載の検出装置。
【請求項36】
前記特性が、色を含む、請求項31に記載の検出装置。
【請求項37】
前記特性が、電気的特性を含む、請求項31に記載の検出装置。
【請求項38】
前記電気的特性が、電流、クーロン、抵抗又は電位の特性を含む、請求項37に記載の検出装置。
【請求項39】
前記検出物質が、前記検出物質が露出される食料品の腐敗速度に応じて変化する抵抗特性を有し、さらに、食料品の新鮮さの状態に応じて変化する電位特性を有する第2の検出物質を含む、請求項31に記載の検出装置。
【請求項40】
前記検出物質が、前記検出物質が露出される食料品の腐敗レベルに応じて変化する抵抗特性を有し、さらに、食料品の腐敗速度に応じて変化する電位特性を有する第2の検出物質を含む、請求項31に記載の検出装置。
【請求項41】
食料品の状態を検知する方法であって:
汚染物質に固有の感度を有し且つ前記固有の感度に従って汚染物質に応答して変化する特性を有する検出物質を設けること;
前記検出物質を汚染物質に露出させることであって、それによって前記汚染物質への露出に応答して前記特性が変化する、露出させること;及び
前記特性の変化並びにユーザが選択可能な発報閾値に基づいて食料品の状態を知らせること、
を包含する、方法。
【請求項42】
前記ユーザが選択可能な発報閾値が、検査する食料品の種類のよって決まる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ユーザが選択可能な発報閾値が、汚染物質によって決まる、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記ユーザが選択可能な発報閾値が、個人の許容レベルによって決まる、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記汚染物質が、アミンを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記特性が、色を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記特性が、電気的特性を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記電気的特性が、電流、クーロン、抵抗又は電位の特性を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記検出物質が、前記検出物質が露出される食料品の腐敗速度に応じて変化する抵抗特性を有し、さらに、食料品の新鮮さの状態に応じて変化する電位特性を有する第2の検出物質を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記検出物質が、前記検出物質が露出される食料品の腐敗レベルに応じて変化する抵抗特性を有し、さらに、食料品の腐敗速度に応じて変化する電位特性を有する第2の検出物質を含む、請求項41に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−518102(P2007−518102A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549269(P2006−549269)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/040973
【国際公開番号】WO2005/071402
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(591044474)ザ・チャールズ・スターク・ドレイパー・ラボラトリー・インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】