説明

飾り孔(穴)形成方法およびその装置

【課題】驚異性・異端性のある飾り孔(穴)を形成した商品を提供する。
【解決手段】有機、無機、金属あるいは自然材を素材とする被加工物に向かって弾丸または爆発破片を衝突・貫通させて飾り孔(穴)を形成するものである。飾り孔(穴)を形成する装置は、弾丸発射手段と被加工物保持手段と発射された弾丸を捕捉する弾丸捕捉手段とを上手から順番に設けたもの、または、中心に起爆手段、それを囲むように被加工物の保持手段、さらにその周囲に爆発飛散物の捕捉壁、最外周に防護壁を順次設けたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は衣服、装身具、オブジェあるいは装飾雑貨などに飾り孔(穴)を形成する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ジーンズ等の衣服にわざわざ孔(穴)をあけたり、布の緯糸を削り取って、わざわざ古着感を付与したり、各種置物をわざと変形させて驚異性・異端性を付与した商品に関心が集まる傾向があり、ジーンズ等に古着感を付与するものとして特許文献1を挙げることができる。
【0003】
【特許文献1】特開平10−105593号(要約および図)
【0004】
上記顧客の消費動向には、これまで以上の驚異性・異端性のある商品の出現を求める傾向が強く存在している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記驚異性・異端性のある飾り孔(穴)を形成した商品を提供するための方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためにこの発明は、被加工物に飾り孔(穴)を形成する方法において、被加工物に向かって弾丸または爆発破片を衝突・貫通させて飾り孔(穴)を形成するものであり、上記被加工物が有機材、無機材、金属材あるいは自然材を素材とし、上記弾丸または爆発破片が、被加工物に対して垂直あるいは傾斜して衝突・貫通させて飾り孔(穴)形成するものであり、その飾り孔(穴)形成する装置として弾丸発射手段と被加工物保持手段と発射された弾丸を捕捉する弾丸捕捉手段とを上手から順番に配設し、弾丸の弾道が被加工物に対して垂直あるいは傾斜するように被加工物保持手段を調整可能にしてなるもの、あるいは、中心に起爆手段、それを囲むように被加工物の保持手段、さらにその周囲に飛散した爆発破片の捕捉壁、最外周に防音・防護壁を順次配設してなるものである。
【発明の効果】
【0007】
上記のごとく構成するこの発明にあっては、弾道の上手側にできる飾り孔(穴)が小さく、下手側にできる飾り孔(穴)は大きくなり、しかも弾丸の先端や表面の加工瑕により形成される飾り孔(穴)の状態が千差万別となって希少価値のある飾り孔(穴)を形成することができる。また、飾り孔(穴)形成装置の被加工物保持手段を弾道に対し、いろいろの角度にセットすることにより一層希少価値のある飾り孔(穴)を形成することができる。また、中心に爆発物を配置して起爆させ、そのときに飛び散る爆発破片が衝突・貫通して形成される装飾孔(穴)は千差万別となって希少価値の高いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次にこの発明の実施の形態を図面および図面代用写真とともに説明する。図1は天井、床面および四周を防音壁21で囲まれた防音室20内に本発明を実施するための飾り孔(穴)形成装置10が設置されている。
【0009】
この飾り孔(穴)形成装置10は、その上手から弾丸発射手段11と被加工物保持手段12と発射された弾丸を安全に捕捉する弾丸捕捉手段13とを順番に設けたものあり、例えばステンレス鋼板を素材とする外殻14内に順次セットされている。
【0010】
上記被加工物保持手段12は、枠体15で被加工物Aを保持するようになり、この枠体15は外殻14に対してネジ軸18により回動・固定可能にして、弾丸の弾道が被加工物Aの表面に対して垂直あるいは任意の角度になるよう保持可能になっている。
【0011】
弾丸発射手段11は手動操作としても良いが、遠隔操作とすることが望ましい。遠隔操作の手段は電気的なものよりも空気圧制御の方が安全である。また、弾丸発射手段には銃(図示せず)を固定する複数の基台(図示せず)を設けることができる。
【実施例1】
【0012】
次にこの発明による飾り孔(穴)Hの形成について説明する。弾丸発射手段11には銃を固定し、被加工物保持手段12には枠体15にセットした被加工物A、例えばジーンズパンツを外殻14に設けた挿入溝16から装填・固定する。このとき被加工物Aは弾道に対して垂直にセットしてもよく傾斜した状態でセットしても良い。
【0013】
弾丸捕捉手段13の内部には一般的な綿材17を充填してもよいが、テイジンテクノプロダクツ社製の強力有機繊維綿が好ましものとして挙げることができる。
【0014】
上記のごとく形成した飾り孔(穴)Hは、被加工物Aの上手側が小さく、下手側のものは弾丸の回転により抉られて大きくなる。また、弾道が被加工物Aの表面に対して垂直にセットされた場合と傾斜してセットされた場合とでは趣の変わった飾り孔(穴)Hが形成される。また、弾丸の先端あるいは周面に任意の瑕を設けるならば一層驚異性・異端性の飾り孔(穴)を形成することができる。なお、被加工物Aは複数枚重ねてセットしてもよい。
【実施例2】
【0015】
上記実施例ではジーンズに飾り孔(穴)を形成するものであったが、有機・無機、金属を素材としたオブジェや置物、皮革製品、プラモデルなどに採用することができ、銃撃を受けた船舶・車両のプラモデルにも最適である。
【0016】
この実施例ではプラモデルの外殻素材に上記と同様の方法で弾丸を貫通させて飾り孔(穴)が形成される。このように形成された飾り孔(穴)は肉迫感のあるものとなる。
【実施例3】
【0017】
この実施例は別の飾り孔(穴)形成装置で、中心に遠隔操作できる起爆装置を設け、この起爆装置に爆発体を連結する。この爆発体は、周囲に縦横無尽の切り欠きを形成した外殻内に爆薬を詰め込んだものであり、これを囲むように被加工物の保持手段が配置され、さらにその周囲に飛散した爆発片の捕捉壁を配設し、最外周に防護・防音壁を設けたものである。
【0018】
上記被加工物保持手段は、その内面に被加工物をピッチや粘土と共に塗り込めるようにするもの、あるいは、個々の被加工物をネジ・クリップ等で保持するものである。なお、ここで孔を貫通孔とするときは保持手段をネット状とすることが好ましい。
【0019】
また、この発明においては、飾り孔(穴)を形成するときに爆薬を使用するので硝煙反応を利用して飾り孔(穴)の周囲を青紫色に発色させ公知の方法により発色を定着することができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上説明したようにこの発明によれば、弾丸発射手段から発射される弾丸の回転や弾道の軌跡を利用して種々の飾り孔(穴)を形成することができる。特にその飾り孔(穴)の形状は、入口が小さく出口が大きくなって驚異性・異端性に富んだものとなる。
【0021】
また、弾丸の表面に瑕を付けたり、先端を変形させることにより一層驚異性・異端性に富んだ飾り孔(穴)を得ることができる。さらに爆発破片による飾り孔(穴)形成装置では変化に富んだ多数の孔を一気に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る飾り孔(穴)形成装置の(a)正面図、(b)同被加工物取付け手段の部分拡大図
【図2】飾り孔(穴)の弾丸の入口写真
【図3】飾り孔(穴)の弾丸の出口写真
【符号の説明】
【0023】
10 飾り孔(穴)形成装置
11 弾丸発射装置
12 被加工物保持手段
13 弾丸捕捉手段
14 外殻
15 枠体(被加工物保持手段の)
16 挿入溝
17 綿材(強力有機繊維綿)
18 ネジ軸
20 防音室
21 防音壁
A 被加工物
H 飾り孔(穴)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物に飾り孔(穴)を形成する方法において、被加工物に向かって弾丸または爆発破片を衝突・貫通させことを特徴とする飾り孔(穴)形成方法。
【請求項2】
上記被加工物が有機材、無機材、金属材あるいは自然材を素材とすることを特徴とする請求項1に記載の飾り孔(穴)形成方法。
【請求項3】
上記弾丸または爆発破片が、被加工物に対して垂直あるいは傾斜して衝突・貫通させてさせることを特徴とする請求項1または2に記載の飾り孔(穴)形成方法。
【請求項4】
弾丸発射手段と被加工物保持手段と発射された弾丸を捕捉する弾丸捕捉手段とを上手から順番に配設し、弾丸の弾道が被加工物に対して垂直あるいは傾斜するように被加工物保持手段を調整可能にしてなる飾り孔(穴)形成装置。
【請求項5】
上記弾丸捕捉手段は、外殻の内部に天然綿または強化合成繊維綿を充填してなることを特徴とする飾り孔(穴)形成装置。
【請求項6】
中心に起爆手段、それを囲むように被加工物の保持手段、さらにその周囲に飛散した爆発破片の捕捉壁、最外周に防音・防護壁を順次配設したことを特徴とする飾り孔(穴)形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−13552(P2009−13552A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204718(P2007−204718)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(507264206)
【Fターム(参考)】